説明

燃料電池システム

【課題】省電力化電磁弁を用いて燃料電池に供給する流体の制御を行なう燃料電池システムにおいて、ノイズや振動等によって閉弁する異常が起こった場合に、異常を検知して再度開弁を行なうことが可能である燃料電池システムを提供すること。
【解決手段】燃料電池1と、燃料電池1に燃料ガスおよび空気を供給するポンプ2、9と燃料ガスおよび空気を燃料電池1に供給する流路に配した電磁式開閉弁5、6、7、12、13と、燃料電池1に供給する燃料ガスおよび空気の流量を制御するとともに、電磁式開閉弁5、6、7、12、13への通電量を制御する制御部15を備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池システムに関し、特に省電力化電磁弁を用いて流体制御を行なう燃料電池システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、燃料電池を用いた家庭用の発電システムである燃料電池システムに対して、幅広い需要が見込まれている。この燃料電池システムには数多くの電磁式開閉弁やファン、ポンプ等の補機が用いられているが、燃料電池システムの発電効率を向上させるためには、これらの補機が消費する電力を低減することが重要である。
【0003】
従来の燃料電池システムでは、原料供給源からの原料の燃料処理機への供給/遮断、燃料処理機で生成した燃料ガスの燃料電池への供給/遮断等を複数の電磁式開閉弁を作動させることにより実現しているものがあった(例えば、特許文献1の第4−8頁、図1参照)。図13は、特許文献1に記載された従来の燃料電池システムを示すものである。
【0004】
図13に示すように従来の燃料電池システムは、水素リッチな燃料ガスと空気中の酸素とを用いて発電を行なう燃料電池101と、原料を水蒸気改質し水素リッチな燃料ガスを生成する燃料処理機102と、燃料処理機102に原料供給源からの原料を供給する原料ガス供給流路103と、燃料処理機102への原料の供給/遮断を行なう開閉弁104と、燃料処理機102に水供給源からの水を供給する水流路105と、燃料処理機102への水の供給/遮断を行なう開閉弁106と、燃料処理機102を加熱するバーナ107と、燃料処理機102から生成された燃料ガスを燃料電池101に供給する燃料ガス供給流路108と、燃料電池101への燃料ガスの供給/遮断を行なう開閉弁109と、燃料電池101から排出される残余燃料ガスをバーナ107に供給する燃料ガス排出流路110と、残余燃料ガスの排出/遮断を行なう開閉弁111と、燃料処理機102からの燃料ガスを燃料電池101をバイパスして残余燃料ガス遮断弁111より下流の燃料ガス排出流路110と合流する燃料ガスバイパス流路112と、燃料ガスバイパス流路112への燃料ガスの供給/遮断を行なう開閉弁113とから構成されている。そして、システムの起動運転時には、開閉弁104、106を開として原料と改質用の水を燃料処理機102に供給する。このとき開閉弁109、111は閉とし、開閉弁113は開とすることにより、燃料処理機102から導出される燃料ガスは燃料電池101に供給されずに燃料ガスバイパス流路112、燃料ガス排出流路110を通じてバーナ107に供給されて燃焼される。一方、燃料ガス中の一酸化炭素濃度が所定値以下になると開閉弁109、111は開とし、開閉弁113は閉とすることにより、燃料処理機102から導出される燃料ガスは燃料電池101に供給されて、燃料電池に供給された空気中の酸素と電気化学的に反応することにより発電を行なう。燃料電池101で使用されなかった残余燃料ガスは燃料ガス排出流路110を通じてバーナ107に供給されて燃焼される。
【0005】
なお、図13に示す従来の燃料電池システムでは燃料電池での発電に使用する空気の供給・排出に関する技術的開示はないが、一般的には空気ブロワのからの空気の供給/遮断を複数の電磁式開閉弁を作動させることにより実現する(例えば、特許文献2の第7−14頁、図1参照)。
【0006】
そして燃料電池システムの内部消費電力を低減させるために、電磁式開閉弁である開閉弁104、106、109、111、113、空気供給/遮断用の電磁式開閉弁に対して、弁の駆動コイルに流す電流を、起動時に比べて保持時には減少させることにより全体として消費電力を低減した省電力化電磁弁(例えば、特許文献3の第5−9頁、図1−図3
参照)を用いることが有用であった。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2005−276742号公報
【特許文献2】特開2008−243762号公報
【特許文献3】特開2007−24281号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
ところが上述したような省電力化電磁弁を用いた場合、閉弁した状態の電磁弁を開弁させるために通電する電流より、開状態を保持するために通電する電流のほうが少ないため、電磁弁を開状態で保持するための保持力も開弁時の保持力より弱くなる。そのため、振動等の外乱によって電磁弁が閉弁する異常が起こった場合、燃料電池での発電に必要な燃料ガスや空気の供給ができなくなり、電磁弁が閉弁してから約1秒後に燃料電池からの出力が異常となるため燃料電池システムの運転が継続できなくなるという新たな課題を見出した。
【0009】
また開状態を保持するときに通電する電流としては、発振回路などからのパルス状の電流を一定間隔で間欠的に供給する方法が一般的である。しかしながらこの場合、ノイズ等の外乱を受けることにより発振回路などからの電流が1パルス分供給されないことにより電磁弁の保持力がさらに低下して閉弁する異常が起こった場合に関しても、上述した課題と同様の事象が起こることを見出した。
【0010】
そこで、本発明は、前記従来の課題を解決するもので、省電力化電磁弁を用いて燃料電池に供給する流体の制御を行なう燃料電池システムにおいて、ノイズや振動等によって閉弁する異常が起こった場合に、異常を検知して再度開弁を行なうことが可能である燃料電池システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上述した従来の課題を解決するために、本発明の燃料電池システムは、燃料ガス及び酸化剤ガスを用いて発電を行なう燃料電池と、燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、燃料電池に酸化剤ガスを供給する第1酸化剤ガス供給部と、燃料電池及び燃料ガス供給部を連通する燃料ガス供給経路と、燃料電池及び第1酸化剤ガス供給部を連通する第1酸化剤ガス供給経路と、発電に使用しなかった残余燃料ガスを燃料電池から排出する燃料ガス排出経路と、発電に使用しなかった残余酸化剤ガスを燃料電池から排出する酸化剤ガス排出経路と、燃料ガス供給部、第1酸化剤ガス供給部、燃料ガス供給経路上、第1酸化剤ガス供給経路上、燃料ガス排出経路又は酸化剤ガス排出経路に設けられた電磁式開閉弁と、電磁式開閉弁に供給される流体の通流状態を検知する流体通流検知器と、電磁式開閉弁に第1の通電量を供給することにより電磁式開閉弁を開弁する開弁動作状態、電磁式開閉弁に第1の通電量より小さい第2の通電量を供給することにより開弁状態を保持する開弁保持状態、及び、電磁式開閉弁への通電を停止する閉弁状態のうちのいずれかの状態に電磁式開閉弁を制御する制御部とを備える。
【0012】
これによって、制御部は、電磁式開閉弁を開弁保持状態に制御し、かつ、流体通流検知器で検知される流体の通流状態が遮断されたと判断した場合に、電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給することにより電磁式開閉弁を開くように制御することができる。
【発明の効果】
【0013】
本発明の燃料電池システムによれば、燃料電池に供給する流体の制御を行なう省電力化電磁弁がノイズや振動等によって閉弁する異常が起こった場合に、異常を検知して再度開弁を行なうように制御することが可能となり、燃料電池システムの運転を継続することが実現できる。
【図面の簡単な説明】
【0014】
【図1】本発明の実施の形態1における燃料電池システムのブロック図
【図2】本発明の実施の形態1における開閉弁の動作フロー図
【図3】本発明の実施の形態1における開閉弁の動作フロー図
【図4】本発明の実施の形態1における開閉弁の動作フロー図
【図5】本発明の実施の形態2における燃料電池システムのブロック図
【図6】本発明の実施の形態3における燃料電池システムのブロック図
【図7】本発明の実施の形態4における燃料電池システムのブロック図
【図8】本発明の実施の形態4における開閉弁の動作フロー図
【図9】本発明の実施の形態4における開閉弁の動作フロー図
【図10】本発明の実施の形態4における開閉弁の動作フロー図
【図11】本発明の実施の形態5における燃料電池システムのブロック図
【図12】本発明の実施の形態6における燃料電池システムのブロック図
【図13】従来の燃料電池システムのブロック図
【発明を実施するための形態】
【0015】
第1の発明は、燃料ガス及び酸化剤ガスを用いて発電を行なう燃料電池と、燃料電池に燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、燃料電池に酸化剤ガスを供給する第1酸化剤ガス供給部と、燃料電池及び燃料ガス供給部を連通する燃料ガス供給経路と、燃料電池及び第1酸化剤ガス供給部を連通する第1酸化剤ガス供給経路と、発電に使用しなかった残余燃料ガスを燃料電池から排出する燃料ガス排出経路と、発電に使用しなかった残余酸化剤ガスを燃料電池から排出する酸化剤ガス排出経路と、燃料ガス供給部、第1酸化剤ガス供給部、燃料ガス供給経路上、第1酸化剤ガス供給経路上、燃料ガス排出経路又は酸化剤ガス排出経路に設けられた電磁式開閉弁と、電磁式開閉弁に供給される流体の通流状態を検知する流体通流検知器と、電磁式開閉弁に第1の通電量を供給することにより電磁式開閉弁を開弁する開弁動作状態、電磁式開閉弁に第1の通電量より小さい第2の通電量を供給することにより開弁状態を保持する開弁保持状態、及び、電磁式開閉弁への通電を停止する閉弁状態のうちのいずれかの状態に電磁式開閉弁を制御する制御部とを備える燃料電池である。かかる構成にすることにより、制御部は、電磁式開閉弁を開弁保持状態に制御し、かつ、流体通流検知器で検知される流体の通流状態が遮断されたと判断した場合に、電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給することにより電磁式開閉弁を開くように制御することができる。
【0016】
第2の発明は、特に、第1の発明の燃料電池システムに加えて、制御部は、電磁式開閉弁を開弁保持状態に制御し、かつ、流体通流検知器で検知される流体の通流状態が遮断されたと判断した場合に、電磁式開閉弁に第1の通電量を供給する燃料電池システムである。かかる構成にすることにより、閉弁した電磁式開閉弁に対して、開弁するときと同等の力で電磁式開閉弁を開くように制御することができる。
【0017】
第3の発明は、特に、第1または第2の発明の燃料電池システムに加えて、流体通流検知器とは電磁式開閉弁に供給される流体の流量を検知する流量計である燃料電池システムである。かかる構成にすることにより、制御部は、電磁式開閉弁を開弁保持状態に制御し、かつ、流量計で検知されるガスの流量が所定の流量範囲を外れた場合に電磁式開閉弁が閉弁したと判断し、電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給することにより電磁式開閉弁を開くように制御することができる。
【0018】
第4の発明は、特に、第3の発明の燃料電池システムに加えて、制御部は流量計で検知される流体の流量が目標の値となるようにフィードバック制御を行ない、かつ、流量計で検知される流体の流量が所定の流量範囲を外れたか否かを第1の周期で検知し、第1の周期より長い第2の周期でフィードバック制御を行う燃料電池システムである。かかる構成にすることにより、フィードバック制御の周期よりも短い周期、すなわちフィードバック制御による流量制御をしていないことによる意図的な流量変動が生じない区間において、閉弁した電磁式開閉弁を開くように制御するため、電磁式開閉弁が開弁復帰時に供給流量を安定させることができる。
【0019】
第5の発明は、特に、第3の発明の燃料電池システムに加えて、制御部は流量計で検知される流体の流量が目標の値となるようにフィードバック制御を行ない、かつ、電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給する期間はフィードバック制御を中断する燃料電池システムである。かかる構成にすることにより、電磁式開閉弁を開くように制御しているときにはフィードバック制御が中断されているため意図的な流量変動が生じず、閉弁した電磁式開閉弁が開弁復帰時に供給流量を安定させることができる。
【0020】
第6の発明は、特に、第3の発明の燃料電池システムに加えて、制御部は流量計で検知される流体の流量が目標の値となるようにフィードバック制御を行ない、かつ、電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給開始してから所定の期間はフィードバック制御を中断する燃料電池システムである。かかる構成にすることにより、電磁式開閉弁を開くように制御しているが電磁式開閉弁が開弁していない期間を意図する『所定の期間』に対してフィードバック制御が中断されているため意図的な流量変動が生じず、閉弁した電磁式開閉弁が開弁復帰時に供給流量を安定させることができる。
【0021】
第7の発明は、特に、第3から第6のいずれか1つの発明の燃料電池システムに加えて、燃料ガス供給部は、原料ガス及び水を用いて燃料ガスを生成する燃料処理部と、燃料処理部に原料ガスを供給する原料ガス供給経路とを有し、電磁式開閉弁は、燃料ガス供給経路上、燃料ガス排出経路上又は原料ガス供給経路上に設けられ、流量計は、燃料ガス供給経路上又は原料ガス供給経路上に設けられ、流量計で検知される流体の流量が所定の流量範囲を外れた場合とは、流量計で検知されるガスの流量が所定の流量以下になる場合である燃料電池システムである。かかる構成にすることにより、電磁式開閉弁を開弁保持状態に制御し、かつ、流量計で検知されるガスの流量が所定の流量以下になった場合に電磁式開閉弁が閉弁したと判断し、電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給して電磁式開閉弁を開くように制御することができる。
【0022】
第8の発明は、特に、第3から第6のいずれか1つの発明の燃料電池システムに加えて、電磁式開閉弁は、第1酸化剤ガス供給経路上又は酸化剤ガス排出経路上に設けられ、流量計は、第1酸化剤ガス供給経路上に設けられ、流量計で検知される流体の流量が所定の流量範囲を外れた場合とは、流量計で検知されるガスの流量が所定の流量以下になる場合である燃料電池システムである。かかる構成にすることにより、制御部は、電磁式開閉弁を開弁保持状態に制御し、かつ、流量計で検知されるガスの流量が所定の流量以下になった場合に電磁式開閉弁が閉弁したと判断し、電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給して開閉弁を開くように制御することができる。
【0023】
第9の発明は、特に、第3から第6のいずれか1つの発明の燃料電池システムに加えて、燃料ガス供給部は、原料ガス、水及び酸化剤ガスを用いて燃料ガスを生成する燃料処理部と、燃料処理部に酸化剤ガスを供給する第2酸化剤ガス供給部と、燃料処理部及び第2酸化剤ガス供給部を連通する第2酸化剤ガス供給経路を有し、電磁式開閉弁は、第2酸化剤ガス供給経路上、燃料ガス供給経路または燃料ガス排出流路上に設けられ、流量計は、
第2酸化剤ガス供給経路上に設けられ、流量計で検知される流体の流量が所定の流量範囲を外れた場合とは、流量計で検知されるガスの流量が所定の流量以下になる場合である燃料電池システムである。かかる構成にすることにより、制御部は、電磁式開閉弁を開弁保持状態に制御し、かつ、流量計で検知されるガスの流量が所定の流量以下になった場合に電磁式開閉弁が閉弁したと判断し、電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給して電磁式開閉弁を開くように制御することができる。
【0024】
第10の発明は、特に、第3から第6のいずれか1つの発明の燃料電池システムに加えて、燃料ガス供給部は、原料ガス、水及び酸化剤ガスを用いて燃料ガスを生成する燃料処理部を有し、第1酸化剤ガス供給部は、第1酸化剤ガス供給経路から分岐して燃料処理部に酸化剤ガスを供給する第2酸化剤ガス供給経路を有し、電磁式開閉弁は、第1酸化剤ガス供給経路のうちの分岐より下流側の経路上又は酸化剤ガス排出経路上に設けられ、流量計は、第2酸化剤ガス供給経路上に設けられ、流量計で検知される流体の流量が所定の流量範囲を外れた場合とは、流量計で検知されるガスの流量が所定の流量以上になる場合である燃料電池システムである。かかる構成にすることにより、制御部は、電磁式開閉弁を開弁保持状態に制御し、かつ、流量計で検知されるガスの流量が所定の流量以上になった場合に電磁式開閉弁が閉弁したと判断し、電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給して開閉弁を開くように制御することができる。
【0025】
第11の発明は、特に、第3から第6のいずれか1つの発明の燃料電池システムに加えて、燃料ガス供給部は、原料ガス及び水を用いて前記燃料ガスを生成する燃料処理部と、燃料処理部に水を供給する水供給経路とを有し、電磁式開閉弁は、燃料ガス供給経路上、燃料ガス排出経路上又は水供給経路上に設けられ、流量計は、燃料ガス供給経路上又は水供給経路上に設けられ、流量計で検知される流体の流量が所定の流量範囲を外れた場合とは、流量計で検知される水供給経路を通流する水の流量、または流量計で検知される燃料ガス供給経路または燃料ガス排出流路を通流するガスの流量が所定の流量以下になる場合である燃料電池システムである。かかる構成にすることにより、制御部は、電磁式開閉弁を開弁保持状態に制御し、かつ、流量計で検知される水またはガスの流量が所定の流量以下になった場合に電磁式開閉弁が閉弁したと判断し、電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給して電磁式開閉弁を開くように制御することができる。
【0026】
第12発明は、特に、第1または第2の発明の燃料電池システムに加えて、流体通流検知器とは電磁式開閉弁の供給側または排出側の流体の圧力を検知する圧力計である燃料電池システムである。かかる構成にすることにより、制御部は、電磁式開閉弁を開弁保持状態に制御し、かつ、圧力計で検知されるガスの圧力が所定の圧力範囲を外れた場合に電磁式開閉弁が閉弁したと判断し、電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給することにより電磁式開閉弁を開くように制御することができる。
【0027】
第13発明は、特に、第12の発明の燃料電池システムに加えて、電磁式開閉弁に供給される流体の流量を検知する流量計を備え、制御部は流量計で検知される流体の流量が目標の値となるようにフィードバック制御を行ない、かつ、圧力計で検知される流体の圧力が所定の圧力範囲を外れたか否かを第1の周期で検知し、第1の周期より長い第2の周期でフィードバック制御を行う燃料電池システムである。かかる構成にすることにより、フィードバック制御の周期よりも短い周期、すなわちフィードバック制御による流量制御をしていないことによる意図的な流量変動が生じない区間において、閉弁した電磁式開閉弁を開くように制御するため、電磁式開閉弁が開弁復帰時に供給流量を安定させることができる。
【0028】
第14の発明は、特に、第12の発明の燃料電池システムに加えて、電磁式開閉弁に供給される流体の流量を検知する流量計を備え、制御部は流量計で検知される流体の流量が
目標の値となるようにフィードバック制御を行ない、かつ、電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給する期間はフィードバック制御を中断する燃料電池システムである。かかる構成にすることにより、電磁式開閉弁を開くように制御しているときにはフィードバック制御が中断されているため意図的な流量変動が生じず、閉弁した電磁式開閉弁が開弁復帰時に供給流量を安定させることができる。
【0029】
第15の発明は、特に、第12の発明の燃料電池システムに加えて、電磁式開閉弁に供給される流体の流量を検知する流量計を備え、制御部は流量計で検知される流体の流量が目標の値となるようにフィードバック制御を行ない、かつ、電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給開始してから所定の期間はフィードバック制御を中断する燃料電池システムである。かかる構成にすることにより、電磁式開閉弁を開くように制御しているが電磁式開閉弁が開弁していない期間を意図する『所定の期間』に対してフィードバック制御が中断されているため意図的な流量変動が生じず、閉弁した電磁式開閉弁が開弁復帰時に供給流量を安定させることができる。
【0030】
第16の発明は、特に、第12から第15のいずれか1つの発明の燃料電池システムに加えて、燃料ガス供給部は、原料ガス及び水を用いて燃料ガスを生成する燃料処理部と、燃料処理部に原料ガスを供給する原料ガス供給経路とを有し、電磁式開閉弁は、燃料ガス供給経路上、燃料ガス排出経路上又は原料ガス供給経路上に設けられ、圧力計は、燃料ガス供給経路上又は原料ガス供給経路上に設けられ、圧力計で検知される流体の圧力が所定の圧力範囲を外れた場合とは、圧力計で検知される電磁式開閉弁の供給側のガスの圧力が第1の所定の圧力以上になる、または、圧力計で検知される電磁式開閉弁の排出側のガスの圧力が第2の所定の圧力以下になる場合である燃料電池システムである。かかる構成にすることにより、電磁式開閉弁を開弁保持状態に制御し、かつ、圧力計で検知される電磁式開閉弁の供給側のガスの圧力が第1の所定の圧力以上になった、または、圧力計で検知される電磁式開閉弁の排出側のガスの圧力が第2の所定の圧力以下になった場合に電磁式開閉弁が閉弁したと判断し、電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給して電磁式開閉弁を開くように制御することができる。
【0031】
第17の発明は、特に、第12から第15のいずれか1つの発明の燃料電池システムに加えて、電磁式開閉弁は、第1酸化剤ガス供給経路上又は酸化剤ガス排出経路上に設けられ、圧力計は、第1酸化剤ガス供給経路上に設けられ、圧力計で検知される流体の圧力が所定の圧力範囲を外れた場合とは、圧力計で検知される電磁式開閉弁の供給側のガスの圧力が第1の所定の圧力以上になる、または、圧力計で検知される電磁式開閉弁の排出側のガスの圧力が第2の所定の圧力以下になる場合である燃料電池システムである。かかる構成にすることにより、制御部は、電磁式開閉弁を開弁保持状態に制御し、かつ、圧力計で検知される電磁式開閉弁の供給側のガスの圧力が第1の所定の圧力以上になった、または、圧力計で検知される電磁式開閉弁の排出側のガスの圧力が第2の所定の圧力以下になった場合に電磁式開閉弁が閉弁したと判断し、電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給して開閉弁を開くように制御することができる。
【0032】
第18の発明は、特に、第12から第15のいずれか1つの発明の燃料電池システムに加えて、燃料ガス供給部は、原料ガス、水及び酸化剤ガスを用いて燃料ガスを生成する燃料処理部と、燃料処理部に酸化剤ガスを供給する第2酸化剤ガス供給部と、燃料処理部及び第2酸化剤ガス供給部を連通する第2酸化剤ガス供給経路を有し、電磁式開閉弁は、第2酸化剤ガス供給経路上、燃料ガス供給経路または燃料ガス排出流路上に設けられ、圧力計は、第2酸化剤ガス供給経路上に設けられ、圧力計で検知される流体の圧力が所定の圧力範囲を外れた場合とは、圧力計で検知される電磁式開閉弁の供給側のガスの圧力が第1の所定の圧力以上になる、または、圧力計で検知される電磁式開閉弁の排出側のガスの圧力が第2の所定の圧力以下になる場合である燃料電池システムである。かかる構成にする
ことにより、制御部は、電磁式開閉弁を開弁保持状態に制御し、かつ、圧力計で検知される電磁式開閉弁の供給側のガスの圧力が第1の所定の圧力以上になった、または、圧力計で検知される電磁式開閉弁の排出側のガスの圧力が第2の所定の圧力以下になった場合に電磁式開閉弁が閉弁したと判断し、電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給して電磁式開閉弁を開くように制御することができる。
【0033】
第19の発明は、特に、第12から第15のいずれか1つの発明の燃料電池システムに加えて、燃料ガス供給部は、原料ガス、水及び酸化剤ガスを用いて燃料ガスを生成する燃料処理部を有し、第1酸化剤ガス供給部は、第1酸化剤ガス供給経路から分岐して燃料処理部に酸化剤ガスを供給する第2酸化剤ガス供給経路を有し、電磁式開閉弁は、第1酸化剤ガス供給経路のうちの分岐より下流側の経路上又は酸化剤ガス排出経路上に設けられ、圧力計は、第2酸化剤ガス供給経路上に設けられ、圧力計で検知される流体の圧力が所定の圧力範囲を外れた場合とは、圧力計で検知されるガスの圧力が所定の圧力以上になる場合である燃料電池システムである。かかる構成にすることにより、制御部は、電磁式開閉弁を開弁保持状態に制御し、かつ、圧力計で検知されるガスの圧力が所定の圧力以上になった場合に電磁式開閉弁が閉弁したと判断し、電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給して開閉弁を開くように制御することができる。
【0034】
第20の発明は、特に、第12から第15のいずれか1つの発明の燃料電池システムに加えて、燃料ガス供給部は、原料ガス及び水を用いて燃料ガスを生成する燃料処理部と、燃料処理部に水を供給する水供給経路とを有し、電磁式開閉弁は、燃料ガス供給経路上、燃料ガス排出経路上又は水供給経路上に設けられ、圧力計は、燃料ガス供給経路上又は水供給経路上に設けられ、圧力計で検知される流体の圧力が所定の圧力範囲を外れた場合とは、圧力計で検知される電磁式開閉弁の供給側のガスまたは水の圧力が第1の所定の圧力以上になる、または、圧力計で検知される電磁式開閉弁の排出側のガスまたは水の圧力が第2の所定の圧力以下になる場合である燃料電池システムである。かかる構成にすることにより、制御部は、電磁式開閉弁を開弁保持状態に制御し、かつ、圧力計で検知される電磁式開閉弁の供給側のガスまたは水の圧力が第1の所定の圧力以上になった、または、圧力計で検知される電磁式開閉弁の排出側のガスまたは水の圧力が第2の所定の圧力以下になった場合に電磁式開閉弁が閉弁したと判断し、電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給して電磁式開閉弁を開くように制御することができる。
【0035】
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。なお、この実施の形態によって本発明が限定されるものではない。
【0036】
(実施の形態1)
図1は、本発明の本実施の形態1における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
【0037】
図1に示すように、本実施の形態における燃料電池システムは、水素リッチな燃料ガスと空気中の酸素とを用いて発電を行なう燃料電池1と、燃料ガス供給源からの燃料ガスを燃料電池1に供給するポンプ2と、燃料ガス供給源からの燃料ガスがポンプ2を通じて燃料電池1に供給されるように配した燃料ガス供給流路3と、燃料電池1での発電に使用しなかった残余燃料ガスが燃料電池1から排出されるように配した燃料ガス排出流路4と、燃料ガス供給源から供給される燃料ガスのポンプ2への供給/遮断を行なう開閉弁5と、ポンプ2から供給される燃料ガスの燃料電池1への供給/遮断を行なう開閉弁6と、燃料電池1から排出される残余燃料ガスの排出/遮断を行なう開閉弁7と、燃料電池1へ供給される燃料ガス流量を検知する燃料ガス流量計8と、酸化剤ガスとしての酸素を含む空気を取り込んで燃料電池1に供給するポンプ9と、ポンプ9で取り込んだ空気が燃料電池1に供給されるように配した第1空気供給流路10と、燃料電池1での発電に使用しなかっ
た残余空気が燃料電池1から排出されるように配した空気排出流路11と、ポンプ9から供給される空気の燃料電池1への供給/遮断を行なう開閉弁12と、燃料電池1から排出される残余空気の排出/遮断を行なう開閉弁13と、燃料電池1へ供給される空気流量を検知する第1空気流量計14と、制御部15を備えている。
【0038】
燃料ガス供給流路3は上流側が燃料ガス供給源に接続され、下流側が燃料電池1に接続されている。燃料ガス排出流路4は上流側が燃料電池1に接続され、下流側は開放されシステム外に残余燃料ガスを排出するように配されている。第1空気供給流路10は上流側がポンプ9に接続され、下流側が燃料電池1に接続されている。空気排出流路11は上流側が燃料電池1に接続され、下流側は開放されシステム外に残余空気を排出するように配されている。
【0039】
ここで、燃料ガス供給源から供給される燃料ガスとしては、水素または水素を主成分とするような混合ガスを使用することができる。また燃料ガス供給源としては、水素または水素を主成分とするような混合ガスを充填したボンベまたはガスインフララインを用いることができる。なお、本実施の形態では「残余燃料ガスはシステム外に排出」としたが、図示していないバーナ等の処理装置で燃焼させて、燃焼排ガスとしてシステム外に排出してもよい。
【0040】
なお、本実施の形態における、ポンプ2、ポンプ9、燃料ガス供給流路3、第1空気供給流路10、燃料ガス排出流路4、空気排出流路11、燃料ガス流量計8は各々、第1の本発明における燃料ガス供給部、第1酸化剤ガス供給部、燃料ガス供給経路、第1酸化剤ガス供給経路、燃料ガス排出経路、酸化剤ガス排出経路、流体通流検知器の具体的な実施の一例である。また開閉弁5、6、7のいずれかと燃料ガス流量計8は各々、第3の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例である。また開閉弁12、13のいずれかと第1空気流量計14に関しても各々、第3または第8の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例である。
【0041】
次に、本実施の形態における燃料電池システムに関して、具体的動作を説明する。
【0042】
図1に示す燃料電池システムでは、開閉弁5、6、7を開にすることにより燃料ガス供給源から供給された燃料ガスは燃料ガス供給流路3を通じてポンプ2に供給される。ポンプ2は後述するように制御部15により能力値を変化させながら駆動する。ポンプ2から導出された燃料ガスは燃料ガス供給流路3を通じて燃料電池1に供給され、後述する燃料電池1に供給された空気中の酸素と電気化学的に反応し、発電を行なう。燃料電池1での発電により燃料ガス中の水素は消費されるが、発電に使用されなかった燃料ガスは残余燃料ガスとして燃料電池1から排出される。燃料電池1から排出された残余燃料ガスは、燃料ガス排出流路4と通じてシステム外に排出される。一方、発電に用いる酸化剤ガスとしての空気は、後述するように制御部15により能力値を変化させながら駆動しているポンプ9により、ポンプ9周辺から取り込まれる。取り込まれた空気は、開閉弁12、13を開にすることにより第1空気供給流路10を通じて燃料電池1に供給され、既述のとおり燃料ガス中の水素と電気化学的に反応することにより発電を行なう。燃料電池1での発電により空気中の酸素は消費されるが、発電に使用されなかった空気の一部は残余空気として燃料電池1から排出される。燃料電池1から排出された残余空気は、空気排出流路11と通じてシステム外に排出される。
【0043】
制御部15は発電に必要な燃料ガス流量を燃料電池1に供給するために、燃料ガス流量計8が検知する燃料ガスの検知流量を発電に必要な目標流量になるように、燃料ガス流量計8の検知流量に基づいてポンプ2の能力値を変化させるフィードバック制御を行なっている。また制御部15は同様に、発電に必要な空気流量を燃料電池1に供給するために、
第1空気流量計14の検知する空気の検知流量を発電に必要な目標流量になるように、第1空気流量計14の検知流量に基づいてポンプ9の能力値を変化させるフィードバック制御を行なっている。
【0044】
さらに、制御部15は、開閉弁5、6、7、12、13を開とするときには、各開閉弁5、6、7、12、13に対して、第1の通電量を供給することにより閉弁している開閉弁を開弁させる開弁動作状態を一定時間(例えば1秒間)行ない、ついで第1の通電量より小さい第2の通電量を供給することにより、開弁状態を保持する開弁保持状態を継続する制御を行なう。一方、開閉弁5、6、7、12、13を閉とするときには、通電を停止することにより開閉弁を閉弁させる閉弁状態を行ない、次回の開弁までは閉弁状態を継続する制御を行なう。
【0045】
次に、本実施の形態に示す燃料電池システムにおいて、第3の本発明に関する具体的な動作の一例について図2を参照しながら説明する。なお後述する第3の本発明に関する具体的な動作の一例において、開閉弁6は第3の本発明における電磁式開閉弁の具体的な実施の一例である。
【0046】
燃料電池システムが動作中は開閉弁6は開状態であり、制御部15によって第2の通電量を印加され開弁保持状態を継続する制御がなされている。図2において、制御部15は流量計が検出する検知流量が目標流量に対して所定の流量範囲を外れたか否かを監視している(S001)。なお、本動作の一例では、流量計として燃料ガス流量計8を用いて燃料ガス流量を検出し、「所定の流量範囲を外れたか否かを監視」とは、例えば「検知流量が目標流量の半分未満になったか否かを監視」している。検知流量が所定の流量範囲を外れていない(検知流量が目標流量の半分以上ある)場合はステップS001に戻り、上述の監視を継続する。一方ステップS001で所定の流量範囲を外れた場合、すなわち検知流量が目標流量の半分未満になった場合、電磁式開閉弁が何らかの原因で遮断したと判断し、電磁式開閉弁に対して第2の通電量より大きい通電量を印加し(S002)、電磁式開閉弁を開弁させる。なお本動作の一例では電磁式開閉弁とは開閉弁6のことであり、開閉弁6に対してステップS002を実施する。一般的に1秒程度の開弁動作で電磁式開閉弁は開弁動作状態が安定することが知られているため、印加を1秒間保持(S003)した後、制御部15は電磁式開閉弁である開閉弁6への通電量を第2の通電量に戻し(S004)、開弁保持状態を継続する。
【0047】
本実施の形態における燃料電池システムの構成をとると、制御部15は、電磁式開閉弁である開閉弁6を第2の通電量で開弁保持状態に制御し、かつ、流体通流検知器の具体的一例である流量計としての燃料ガス流量計8で検知されるガスの流量が所定の流量範囲を外れた場合に開閉弁6が閉弁したと判断し、開閉弁6に第2の通電量より大きい通電量を供給することにより開閉弁6を開くように制御することができるため、燃料電池1に供給する燃料ガスの制御を行なう省電力化電磁式開閉弁である開閉弁6がノイズや振動等によって閉弁する異常が起こった場合に、異常を検知して再度開弁を行なうように制御することが可能となり、燃料電池システムの運転を継続することが実現できる。
【0048】
なお、本実施の形態では、電磁式開閉弁である「開閉弁6に対して第2の通電量より大きい通電量を印加」するとしたが、第2の通電量より大きい通電量として、開弁動作状態において閉弁している開閉弁を開弁させる通電量である第1の通電量を印加すると、消費電力は増加するが確実に開弁することができるため、有用である。
【0049】
なお、本実施の形態では、開閉弁6と燃料ガス流量計8を、第3の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例として説明したがこの限りではなく、開閉弁5と燃料ガス流量計8または、開閉弁7と燃料ガス流量計8を、第3の本発明における電磁式
開閉弁と流量計の具体的な実施の一例としても構わない。これらの場合は上述した第3の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁6を、各々、開閉弁5または開閉弁7と読み替えることにより明らかである。
【0050】
また、本実施の形態では、開閉弁6のみに対して第3の本発明に関する具体的な動作を実施する説明をしたがこの限りではなく、複数の電磁式開閉弁としての開閉弁5、6、7に対して第3の本発明に関する具体的な動作を実施しても構わない。
【0051】
また、本実施の形態では燃料ガス流量計8は燃料ガス供給流路3に配したがこの限りではなく、燃料ガス排出流路4に配しても構わない。すなわち、燃料電池1での発電により水素消費後の燃料ガス流量を検知するため、燃料電池1から排出される残余燃料ガス流量に対して目標流量を設定する必要があるが、この場合においても、何らかの原因で電磁式開閉弁が閉弁した場合は燃料ガス流量計8で検知する流量が急減するため、第3の本発明に関する具体的な動作が実現できることは明らかである。
【0052】
次に、本実施の形態に示す燃料電池システムにおいて、第3または第8の本発明に関する具体的な動作の一例について図2を参照しながら説明する。なお後述する第3または第8の本発明に関する具体的な動作の一例において、開閉弁12は第3または第8の本発明における電磁式開閉弁の具体的な実施の一例である。
【0053】
燃料電池システムが動作中は開閉弁12は開状態であり、制御部15によって第2の通電量を印加され開弁保持状態を継続する制御がなされている。図2において、制御部15は流量計が検出する検知流量が目標流量に対して所定の流量範囲を外れたか否かを監視している(S001)。なお本動作の一例では、流量計として第1空気流量計14を用いて空気の流量を検出し、「所定の流量範囲を外れたか否かを監視」とは、例えば「検知流量が目標流量の半分未満になったか否かを監視」している。検知流量が所定の流量範囲を外れていない(検知流量が目標流量の半分以上ある)場合はステップS001に戻り、上述の監視を継続する。一方ステップS001で所定の流量範囲を外れた場合、すなわち検知流量が目標流量の半分未満になった場合、電磁式開閉弁が何らかの原因で遮断したと判断し、電磁式開閉弁に対して第2の通電量より大きい通電量を印加し(S002)、電磁式開閉弁を開弁させる。なお本動作の一例では電磁式遮断弁とは開閉弁12のことであり、開閉弁12に対してステップS002を実施する。一般的に1秒程度の開弁動作で電磁式開閉弁は開弁動作状態が安定することが知られているため、印加を1秒間保持(S003)した後、制御部15は電磁式開閉弁である開閉弁12への通電量を第2の通電量に戻し(S004)、開弁保持状態を継続する。
【0054】
本実施の形態における燃料電池システムの構成をとると、制御部15は、電磁式開閉弁である開閉弁12を第2の通電量で開弁保持状態に制御し、かつ、第1空気流量計14で検知される空気の流量が所定の流量範囲を外れた場合に開閉弁12が閉弁したと判断し、開閉弁12に第2の通電量より大きい通電量を供給することにより開閉弁12を開くように制御することができるため、燃料電池1に供給する空気の制御を行なう省電力化電磁式開閉弁である開閉弁12がノイズや振動等によって閉弁する異常が起こった場合に、異常を検知して再度開弁を行なうように制御することが可能となり、燃料電池システムの運転を継続することが実現できる。
【0055】
なお、本実施の形態では、電磁式開閉弁である「開閉弁12に対して第2の通電量より大きい通電量を印加」するとしたが、第2の通電量より大きい通電量として、開弁動作状態において閉弁している開閉弁を開弁させる通電量である第1の通電量を印加すると、消費電力は増加するが確実に開弁することができるため、有用である。
【0056】
なお、本実施の形態では、開閉弁12と第1空気流量計14を、第3または第8の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例として説明したがこの限りではなく、開閉弁13と第1空気流量計14を、第3または第8の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例としても構わない。これらの場合は上述した第3または第8の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁12を、開閉弁13と読み替えることにより明らかである。
【0057】
また、本実施の形態では、開閉弁12のみに対して第3または第8の本発明に関する具体的な動作を実施する説明をしたがこの限りではなく、複数の電磁式開閉弁としての開閉弁12、13に対して第3または第8の本発明に関する具体的な動作を実施しても構わない。
【0058】
また、本実施の形態では第1空気流量計14は第1空気供給流路10に配したがこの限りではなく、空気排出流路11に配しても構わない。すなわち、燃料電池1での発電により酸素消費後の空気流量を検知するため、燃料電池1から排出される残余空気流量に対して目標流量を設定する必要があるが、この場合においても、何らかの原因で電磁式開閉弁が閉弁した場合は第1空気流量計14で検知する流量が急減するため、第3または第8の本発明に関する具体的な動作が実現できることは明らかである。
【0059】
さらに、第4の本発明の具体的動作の一例として、本実施の形態における制御部15の、燃料ガス流量計8の検知流量に基づいてポンプ2の能力値を変化させるフィードバック制御の周期(以下、第2の周期)と、燃料ガス流量計8の検知流量が目標流量に対して所定の流量範囲を外れたか否かを監視している(S001)周期(以下、第1の周期)の関係として「第1の周期より第2の周期を長く」設定することは、電磁式開閉弁である開閉弁6を開弁させた後の燃料ガス流量をより安定させることができるため、有用である。すなわち、例えば電磁式開閉弁としての開閉弁6が何らかの原因で閉弁した場合は燃料ガス流量計8の検知流量は急減するが、第1の周期より第2の周期を長く設定していない場合、ステップS001での「所定の流量範囲を外れた」検知よりも前または、開閉弁6の開弁よりも前にフィードバック制御によるポンプ2の能力値増加を制御部15は実施することが発生し、ステップS002での開閉弁6の開弁により目標流量に対して急増した燃料ガスが燃料電池1に通流する。しかしながら、第1の周期より第2の周期を長く設定すると、ステップS001での「所定の流量範囲を外れた」検知よりも前または、開閉弁6の開弁よりも前でのフィードバック制御によるポンプ2の能力値増加を防止することができ、ステップS002での開閉弁6の開弁により通流する燃料ガスは、開閉弁6の閉弁前のポンプ2の能力値で供給するために急増することなく燃料ガスが燃料電池1に通流することが可能となる。
【0060】
なお、第4の本発明の具体的動作の一例では、電磁式開閉弁として開閉弁6を用いて説明したがこの限りではなく、電磁式開閉弁として、開閉弁5または開閉弁7を用いても構わない。さらには、開閉弁12と第1空気流量計14とポンプ9または、開閉弁13と第1空気流量計14とポンプ9を用いても構わない。
【0061】
(変形例1)
次に、本実施の形態に示す燃料電池システムにおいて、第5の本発明に関する具体的な動作の一例について図3を参照しながら説明する。なお後述する第5の本発明に関する具体的な動作の一例において、開閉弁6は第5の本発明における電磁式開閉弁の具体的な実施の一例である。
【0062】
燃料電池システムが動作中は開閉弁6は開状態であり、制御部15によって第2の通電量を印加され開弁保持状態を継続する制御がなされている。図3において、制御部15は
流量計が検出する検知流量が目標流量に対して所定の流量範囲を外れたか否かを監視している(S101)。なお、本動作の一例では、流量計として燃料ガス流量計8を用いて燃料ガス流量を検出し、「所定の流量範囲を外れたか否かを監視」とは、例えば「検知流量が目標流量の半分未満になったか否かを監視」している。検知流量が所定の流量範囲を外れていない(検知流量が目標流量の半分以上ある)場合はステップS101に戻り、上述の監視を継続する。一方ステップS101で所定の流量範囲を外れた場合、すなわち検知流量が目標流量の半分未満になった場合、電磁式開閉弁が何らかの原因で遮断したと判断し、電磁式開閉弁の開弁動作を開始する。なお本動作の一例では電磁式開閉弁とは開閉弁6のことであり、開閉弁6に対してステップS102を実施する。まず、流量計の検知流量に基づくフィードバック制御を中断し(S102)し、ついで電磁式開閉弁である開閉弁6に対して第2の通電量より大きい通電量を印加し(S103)、開閉弁6を開弁させる。なお本動作の一例における「検知流量に基づくフィードバック制御」とは、燃料ガス流量計8の検知流量に基づいてポンプ2の能力値を変化させる制御のことである。一般的に1秒程度の開弁動作で電磁式開閉弁は開弁動作状態が安定することが知られているため、印加を1秒間保持(S104)した後、制御部15は電磁式開閉弁である開閉弁6への通電量を第2の通電量に戻し(S105)、開弁保持状態を継続する。そしてステップS102から中断していたフィードバック制御を再開する(S106)。
【0063】
本実施の形態の変形例1における燃料電池システムの構成をとると上述した作用・効果に加えて、制御部15は、電磁式開閉弁である開閉弁6に第2の通電量より大きい通電量を供給する期間、すなわち開閉弁6が閉弁したと判断した時点から再度安定して開弁したと判断できるまでの間はフィードバック制御が中断されているため、開閉弁6の開弁よりも前でのフィードバック制御によるポンプ2の能力値増加を防止することができ、開閉弁6の開弁により通流する燃料ガスは、開閉弁6の閉弁前のポンプ2の能力値で供給するために、流量が急増することなく安定して燃料ガスが燃料電池1に通流することが実現できる。
【0064】
なお、第5の本発明に関する具体的な動作では、開閉弁6と燃料ガス流量計8を、第5の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例として説明したがこの限りではなく、開閉弁5と燃料ガス流量計8または、開閉弁7と燃料ガス流量計8を、第5の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例としても構わない。これらの場合は上述した第5の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁6を、各々、開閉弁5または開閉弁7と読み替えることにより明らかである。
【0065】
また、本実施の形態では、開閉弁6のみに対して第5の本発明に関する具体的な動作を実施する説明をしたがこの限りではなく、複数の電磁式開閉弁としての開閉弁5、6、7に対して第5の本発明に関する具体的な動作を実施しても構わない。
【0066】
また、開閉弁6と燃料ガス流量計8を、第5の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例として説明したがこの限りではなく、開閉弁12と第1空気流量計14または、開閉弁13と第1空気流量計14を、第5の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例としても構わない。これらの場合は上述した第5の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁6を、各々、開閉弁12または開閉弁13と読み替え、燃料ガス流量計8を第1空気流量計14と読み替えることにより明らかである。
【0067】
また、第5の本発明に関する具体的な動作では、開閉弁12のみに対して第5の本発明に関する具体的な動作を実施する説明をしたがこの限りではなく、複数の電磁式開閉弁としての開閉弁12、13に対して第5の本発明に関する具体的な動作を実施しても構わない。
【0068】
(変形例2)
次に、本実施の形態に示す燃料電池システムにおいて、第6の本発明に関する具体的な動作の一例について図4を参照しながら説明する。なお、後述する第6の本発明に関する具体的な動作の一例において、開閉弁6は第6の本発明における電磁式開閉弁の具体的な実施の一例である。
【0069】
燃料電池システムが動作中は開閉弁6は開状態であり、制御部15によって第2の通電量を印加され開弁保持状態を継続する制御がなされている。図4において、制御部15は流量計が検出する燃料ガスの検知流量が目標流量に対して所定の流量範囲を外れたか否かを監視している(S201)。なお本動作の一例では、流量計として燃料ガス流量計8を用いて燃料ガス流量を検出し、「所定の流量範囲を外れたか否かを監視」とは、例えば「検知流量が目標流量の半分未満になったか否かを監視」している。検知流量が所定の流量範囲を外れていない(検知流量が目標流量の半分以上ある)場合はステップS201に戻り、上述の監視を継続する。一方ステップS201で所定の流量範囲を外れた場合、すなわち検知流量が目標流量の半分未満になった場合、電磁式開閉弁が何らかの原因で遮断したと判断し、電磁式開閉弁の開弁動作を開始する。なお本動作の一例では電磁式開閉弁とは開閉弁6のことであり、開閉弁6に対してステップS102を実施する。まず、流量計の検知流量に基づくフィードバック制御を中断し(S202)し、ついで電磁式開閉弁である開閉弁6に対して第2の通電量より大きい通電量を印加し(S203)、電磁式開閉弁である開閉弁6を開弁させる。なお本動作の一例における「検知流量に基づくフィードバック制御」とは、燃料ガス流量計8の検知流量に基づいてポンプ2の能力値を変化させる制御のことである。一般的に1秒程度の開弁動作で電磁式開閉弁は開弁動作状態が安定することが知られているが、1秒程度の開弁動作のうち最初の0.1〜0.2秒で電磁式開閉弁は開弁し、残りの0.8〜0.9秒は開弁状態を安定させるための時間であるため、印加を0.5秒間保持(S204)した後、制御部15は中断していたフィードバック制御を再開する(S205)。そしてさらに通電量より大きい通電量の印加を0.5秒間保持(S206)した後、制御部15は電磁式開閉弁である開閉弁6への通電量を第2の通電量に戻し(S207)、開弁保持状態を継続する。
【0070】
本実施の形態の変形例2における燃料電池システムの構成をとると上述した作用・効果に加えて、制御部15は、電磁式開閉弁である開閉弁6に第2の通電量より大きい通電量を供給する期間のうち、開閉弁6が閉弁したと判断した時点から再度開弁したと判断できるまでの間はフィードバック制御が中断されているため、開閉弁6の開弁よりも前でのフィードバック制御によるポンプ2の能力値増加を防止することができ、開閉弁6の開弁により通流する燃料ガスは、開閉弁6の閉弁前のポンプ2の能力値で供給するために、流量が急増することなく安定して燃料ガスが燃料電池1に通流することが実現できるとともに、より短時間でフィードバック制御を再開できるために燃料電池1へ供給する燃料ガス流量の安定化を実現することができる。
【0071】
なお、第6の本発明に関する具体的な動作では、開閉弁6と燃料ガス流量計8を、第6の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例として説明したがこの限りではなく、開閉弁5と燃料ガス流量計8または、開閉弁7と燃料ガス流量計8を、第6の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例としても構わない。これらの場合は上述した第6の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁6を、各々、開閉弁5または開閉弁7と読み替えることにより明らかである。またさらには本実施の形態では、開閉弁6のみに対して第6の本発明に関する具体的な動作を実施する説明をしたがこの限りではなく、複数の電磁式開閉弁としての開閉弁5、6、7に対して第6の本発明に関する具体的な動作を実施しても構わない。
【0072】
また、開閉弁6と燃料ガス流量計8を、第6の本発明における電磁式開閉弁と流量計の
具体的な実施の一例として説明したがこの限りではなく、開閉弁12と第1空気流量計14または、開閉弁13と第1空気流量計14を、第6の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例としても構わない。これらの場合は上述した第6の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁6を、各々、開閉弁12または開閉弁13と読み替えることにより明らかである。
【0073】
また、第6の本発明に関する具体的な動作では、開閉弁12のみに対して第6の本発明に関する具体的な動作を実施する説明をしたがこの限りではなく、複数の電磁式開閉弁としての開閉弁12、13に対して第6の本発明に関する具体的な動作を実施しても構わない。
【0074】
また、第6の本発明に関する具体的な動作では、ステップS204での保持時間を0.5秒としたがこの限りではなく、上述した具体的な動作で明らかなように、開弁が終わっている0.2秒以上かつ、通電量を第2の通電量に戻す(S207)前である1.0秒未満の中で任意に設定しても構わない。
【0075】
(実施の形態2)
図5は、本発明の本実施の形態2における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。
【0076】
図5に示すように、本実施の形態における燃料電池システムは、水素リッチな燃料ガスと空気中の酸素とを用いて発電を行なう燃料電池31と、原料ガス供給源からの原料ガスと、水と空気とを用いて水素リッチな燃料ガスを生成する燃料処理機32と、原料ガス供給源からの原料ガスを燃料処理機32に供給するポンプ33と、原料ガス供給源からの原料ガスがポンプ33を通じて燃料処理機32に供給されるように配した原料ガス供給流路34と、燃料処理機32で生成された燃料ガスが燃料電池31に供給されるように配した燃料ガス供給流路35と、燃料電池31での発電に使用しなかった残余燃料ガスが燃料電池31から排出されるように配した燃料ガス排出流路36と、燃料処理機32で生成された燃料ガスを燃料電池31に供給せずにバイパスして排出する燃料ガスバイパス流路37と、原料ガス供給源から供給される原料ガスのポンプ2への供給/遮断を行なう開閉弁38と、ポンプ33から供給される原料ガスの燃料処理機32への供給/遮断を行なう開閉弁39と、燃料処理機32で生成される燃料ガスの燃料電池31への供給/遮断を行なう開閉弁40と、燃料電池31から排出される残余燃料ガスの排出/遮断を行なう開閉弁41と、燃料処理機32で生成される燃料ガスの燃料ガスバイパス流路37への供給/遮断を行なう開閉弁42と、燃料処理機32へ供給される原料ガス流量を検知する原料ガス流量計43と、酸化剤ガスとしての酸素を含む空気を取り込んで燃料電池31に供給するポンプ44と、ポンプ44で取り込んだ空気が燃料電池31に供給されるように配した第1空気供給流路45と、燃料電池31での発電に使用しなかった残余空気が燃料電池31から排出されるように配した空気排出流路46と、ポンプ44から供給される空気の燃料電池31への供給/遮断を行なう開閉弁47と、燃料電池31から排出される残余空気の排出/遮断を行なう開閉弁48と、燃料電池31へ供給される空気流量を検知する第1空気流量計49と、燃料処理機32での燃料ガス生成時に発生する一酸化炭素を除去するための酸化剤ガスとしての空気を取り込んで燃料処理機32に供給するポンプ50と、ポンプ50で取り込んだ空気を燃料処理機32に供給されるように配した第2空気供給流路51と、ポンプ50から供給される空気の燃料処理機32への供給/遮断を行なう開閉弁52と、燃料処理機32へ供給される空気流量を検知する第2空気流量計53と、水供給源から水を燃料処理機32に供給するポンプ54と、水供給源からの水がポンプ54を通じて燃料処理機32に供給されるように配した水供給流路55と、水供給源から供給される水のポンプ54への供給/遮断を行なう開閉弁56と、燃料処理機32へ供給される水流量を検知する水流量計57と、制御部58を備えている。
【0077】
原料ガス供給流路34は上流側が原料ガス供給源に接続され、下流側が燃料処理機32に接続されている。燃料ガス供給流路35は上流側が燃料処理機32に接続され、下流側が燃料電池31に接続されている。燃料ガス排出流路36は上流側が燃料電池31に接続され、下流側は開放されシステム外に残余燃料ガスを排出するように配されている。燃料ガスバイパス流路37は上流側が開閉弁40より上流の燃料ガス供給流路35に接続され、下流側が開閉弁41より下流の燃料ガス排出流路36に接続されている。第1空気供給流路45は上流側がポンプ44に接続され、下流側が燃料電池31に接続されている。空気排出流路46は上流側が燃料電池31に接続され、下流側は開放されシステム外に残余空気を排出するように配されている。第2空気供給流路51は上流側がポンプ50に接続され、下流側が燃料処理機32に接続されている。水供給流路55は上流側が水供給源に接続され、下流側が燃料処理機32に接続されている。
【0078】
ここで、原料ガス供給源から供給される原料ガスとしては、メタンやプロパン等の炭化水素系ガス、都市ガスやLPガスから付臭成分を除去した炭化水素系混合ガスなどを使用することができる。また原料ガス供給源としては、上述の原料ガスを充填したボンベ・カートリッジまたはガスインフラライン、を用いることができる。なお、本実施の形態では「残余燃料ガスはシステム外に排出」としたが、図示していないバーナ等の処理装置で燃焼させて、燃焼排ガスとしてシステム外に排出してもよい。
【0079】
なお、本実施の形態における、燃料処理機32、原料ガス供給流路34は各々、第7の本発明における燃料処理部、原料ガス供給経路の具体的な実施の一例である。また、燃料処理機32、ポンプ50、第2空気供給流路51は各々、第9の本発明における燃料処理部、第2酸化剤ガス供給部、第2酸化剤ガス供給経路の具体的な実施の一例である。また、燃料処理機32、水供給流路55は各々、第11の本発明における燃料処理部、水供給経路の具体的な実施の一例である。
【0080】
次に、本実施の形態における燃料電池システムに関して、具体的動作を説明する。
【0081】
図5に示す燃料電池システムでは、開閉弁38、39を開にすることにより原料ガス供給源から供給された原料ガスは原料ガス供給流路34を通じてポンプ33に供給される。ポンプ33は後述するように制御部58により能力値を変化させながら駆動する。ポンプ33から導出された原料ガスは原料ガス供給流路34を通じて燃料処理機32に供給される。一方、開閉弁56を開にすることにより水供給源から供給された水は、水供給流路55を通じてポンプ54に供給される。ポンプ54は後述するように制御部58により能力値を変化させながら駆動する。ポンプ54から導出された水は水供給流路55を通じて燃料処理機32に供給される。さらには後述するポンプ50から供給される空気も燃料処理機32に供給され、原料ガスと水と空気とを用いて水素リッチな燃料ガスを生成する。燃料処理機32の運転初期においては生成された燃料ガス中には一酸化炭素濃度が高いため、燃料処理機32から導出された燃料ガスは開閉弁39、41を閉、開閉弁42を開とすることによりシステム系外に排出する。燃料処理機32の運転継続により生成された燃料ガス中の一酸化炭素濃度が低減されると、燃料処理機32から導出された燃料ガスは開閉弁39、41を開、開閉弁42を閉とすることにより燃料電池31に供給する。燃料電池31に供給された燃料ガスは、後述する燃料電池31に供給された空気中の酸素と電気化学的に反応し、発電を行なう。燃料電池31での発電により燃料ガス中の水素は消費されるが、発電に使用されなかった燃料ガスは残余燃料ガスとして燃料電池31から排出される。燃料電池31から排出された残余燃料ガスは、燃料ガス排出流路36を通じてシステム外に排出される。一方、発電に用いる酸化剤ガスとしての空気は、後述するように制御部58により能力値を変化させながら駆動しているポンプ44により、ポンプ44周辺から取り込まれる。取り込まれた空気は、開閉弁47、48を開にすることにより第1空気
供給流路45を通じて燃料電池31に供給され、既述のとおり燃料ガス中の水素と電気化学的に反応することにより発電を行なう。燃料電池31での発電により空気中の酸素は消費されるが、発電に使用されなかった空気の一部は残余空気として燃料電池31から排出される。燃料電池31から排出された残余空気は、空気排出流路46を通じてシステム外に排出される。さらに燃料ガス生成に用いる酸化剤ガスとしての空気は、後述するように制御部58により能力値を変化させながら駆動しているポンプ50により、ポンプ50周辺から取り込まれる。取り込まれた空気は、開閉弁52を開にすることにより第2空気供給流路51を通じて燃料処理機32に供給され、既述のとおり燃料処理機32に供給された原料ガスおよび水とともに用いられることにより燃料ガスを生成する。
【0082】
制御部58は発電に必要な原料ガス流量と水を燃料処理機32に供給するために、原料ガス流量計43と水流量計57が検知する原料ガスと水の検知流量を発電に必要な目標流量になるように、原料ガス流量計43および水流量計57の検知流量に基づいてポンプ33、ポンプ54の能力値を変化させるフィードバック制御を行なっている。また制御部58は同様に、発電に必要な空気流量を燃料電池31に供給するために、第1空気流量計49の検知する空気の検知流量を発電に必要な目標流量になるように、第1空気流量計49の検知流量に基づいてポンプ44の能力値を変化させるフィードバック制御を行なっている。またさらに制御部58は同様に、燃料ガス生成に必要な空気流量を燃料処理機32に供給するために、第2空気流量計53の検知する空気の検知流量を燃料ガス生成に必要な目標流量になるように、第2空気流量計53の検知流量に基づいてポンプ50の能力値を変化させるフィードバック制御を行なっている。
【0083】
さらに、制御部58は、開閉弁38、39、40、41、42、47、48、52、56を開とするときには、各開閉弁38、39、40、41、42、47、48、52、56に対して、第1の通電量を供給することにより閉弁している開閉弁を開弁させる開弁動作状態を一定時間(例えば1秒間)行ない、ついで第1の通電量より小さい第2の通電量を供給することにより開弁状態を保持する開弁保持状態を継続する制御を行なう。一方、開閉弁38、39、40、41、42、47、48、52、56を閉とするときには、通電を停止することにより開閉弁を閉弁させる閉弁状態を行ない、次回の開弁までは閉弁状態を継続する制御を行なう。
【0084】
次に、本実施の形態に示す燃料電池システムにおいて、第7の本発明に関する具体的な動作の一例について図2を参照しながら説明する。なお後述する第7の本発明に関する具体的な動作の一例において、開閉弁38は第7の本発明における電磁式開閉弁の具体的な実施の一例である。
【0085】
燃料電池システムが動作中は開閉弁38は開状態であり、制御部58によって第2の通電量を印加され開弁保持状態を継続する制御がなされている。図2において、制御部58は流量計が検出する検知流量が目標流量に対して所定の流量範囲を外れたか否かを監視している(S001)。なお本動作の一例では、流量計として原料ガス流量計43を用いて原料ガス流量を検出し、「所定の流量範囲を外れたか否かを監視」とは、例えば「検知流量が目標流量の半分未満になったか否かを監視」している。検知流量が所定の流量範囲を外れていない(検知流量が目標流量の半分以上ある)場合はステップS001に戻り、上述の監視を継続する。一方ステップS001で所定の流量範囲を外れた場合、すなわち検知流量が目標流量の半分未満になった場合、電磁式開閉弁が何らかの原因で遮断したと判断し、電磁式開閉弁に対して第2の通電量より大きい通電量を印加し(S002)、電磁式開閉弁を開弁させる。なお本動作の一例では電磁式開閉弁とは開閉弁38のことであり、開閉弁38に対してステップS002を実施する。一般的に1秒程度の開弁動作で電磁式開閉弁は開弁動作状態が安定することが知られているため、印加を1秒間保持(S003)した後、制御部58は電磁式開閉弁である開閉弁38への通電量を第2の通電量に戻
し(S004)、開弁保持状態を継続する。
【0086】
本実施の形態における燃料電池システムの構成をとると、制御部58は、電磁式開閉弁である開閉弁38を第2の通電量で開弁保持状態に制御し、かつ、原料ガス流量計43で検知されるガスの流量が所定の流量範囲を外れた場合に開閉弁38が閉弁したと判断し、開閉弁38に第2の通電量より大きい通電量を供給することにより開閉弁38を開くように制御することができるため、燃料電池31での発電に必要な燃料ガスを生成している燃料処理機32に供給する原料ガスの制御を行なう省電力化電磁式開閉弁である開閉弁38がノイズや振動等によって閉弁する異常が起こった場合に、異常を検知して再度開弁を行なうように制御することが可能となり、燃料電池システムの運転を継続することが実現できる。
【0087】
また、本実施の形態では、開閉弁38と原料ガス流量計43を、第7の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例として説明したがこの限りではなく、開閉弁39と原料ガス流量計43または、開閉弁40と原料ガス流量計43、開閉弁41と原料ガス流量計43を、第7の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例としても構わない。これらの場合は上述した第7の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁38を、各々、開閉弁39、40または41と読み替えることにより明らかである。
【0088】
また、本実施の形態では、開閉弁38のみに対して第7の本発明に関する具体的な動作を実施する説明をしたがこの限りではなく、複数の電磁式開閉弁としての開閉弁38、39、40、41に対して第7の本発明に関する具体的な動作を実施しても構わない。
【0089】
次に、本実施の形態に示す燃料電池システムにおいて、第9の本発明に関する具体的な動作の一例について図2を参照しながら説明する。なお後述する第9の本発明に関する具体的な動作の一例において、開閉弁52は第9の本発明における電磁式開閉弁の具体的な実施の一例である。
【0090】
燃料電池システムが動作中は開閉弁52は開状態であり、制御部58によって第2の通電量を印加され開弁保持状態を継続する制御がなされている。図2において、制御部58は流量計が検出する検知流量が目標流量に対して所定の流量範囲を外れたか否かを監視している(S001)。なお本動作の一例では、流量計として第2空気流量計53を用いて空気流量を検出し、「所定の流量範囲を外れたか否かを監視」とは、例えば「検知流量が目標流量の半分未満になったか否かを監視」している。検知流量が所定の流量範囲を外れていない(検知流量が目標流量の半分以上ある)場合はステップS001に戻り、上述の監視を継続する。一方ステップS001で所定の流量範囲を外れた場合、すなわち検知流量が目標流量の半分未満になった場合、電磁式開閉弁が何らかの原因で遮断したと判断し、電磁式開閉弁に対して第2の通電量より大きい通電量を印加し(S002)、電磁式開閉弁を開弁させる。なお本動作の一例では電磁式開閉弁とは開閉弁52のことであり、開閉弁52に対してステップS002を実施する。一般的に1秒程度の開弁動作で電磁式開閉弁は開弁動作状態が安定することが知られているため、印加を1秒間保持(S003)した後、制御部58は電磁式開閉弁である開閉弁52への通電量を第2の通電量に戻し(S004)、開弁保持状態を継続する。
【0091】
本実施の形態における燃料電池システムの構成をとると、制御部58は、電磁式開閉弁である開閉弁52を第2の通電量で開弁保持状態に制御し、かつ、第2空気流量計53で検知される空気の流量が所定の流量範囲を外れた場合に開閉弁52が閉弁したと判断し、開閉弁52に第2の通電量より大きい通電量を供給することにより開閉弁52を開くように制御することができるため、燃料電池31での発電に必要な燃料ガスを生成している燃料処理機32に供給する空気の制御を行なう省電力化電磁式開閉弁である開閉弁52がノ
イズや振動等によって閉弁する異常が起こった場合に、異常を検知して再度開弁を行なうように制御することが可能となり、燃料電池システムの運転を継続することが実現できる。
【0092】
また、本実施の形態では、開閉弁52と第2空気流量計53を、第9の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例として説明したがこの限りではなく、開閉弁40と第2空気流量計53または、開閉弁41と第2空気流量計53を、第9の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例としても構わない。これらの場合は上述した第9の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁52を、各々、開閉弁40、41と読み替えることにより明らかである。
【0093】
また、本実施の形態では、開閉弁52のみに対して第9の本発明に関する具体的な動作を実施する説明をしたがこの限りではなく、複数の電磁式開閉弁としての開閉弁52、40、41に対して第9の本発明に関する具体的な動作を実施しても構わない。
【0094】
さらに、本実施の形態に示す燃料電池システムにおいて、第11の本発明に関する具体的な動作の一例について図2を参照しながら説明する。なお後述する第11の本発明に関する具体的な動作の一例において、開閉弁56は第11の本発明における電磁式開閉弁の具体的な実施の一例である。
【0095】
燃料電池システムが動作中は開閉弁56は開状態であり、制御部58によって第2の通電量を印加され開弁保持状態を継続する制御がなされている。図2において、制御部58は流量計が検出する検知流量が目標流量に対して所定の流量範囲を外れたか否かを監視している(S001)。なお本動作の一例では、流量計として水流量計57を用いて水流量を検出し、「所定の流量範囲を外れたか否かを監視」とは、例えば「検知流量が目標流量の半分未満になったか否かを監視」している。検知流量が所定の流量範囲を外れていない(検知流量が目標流量の半分以上ある)場合はステップS001に戻り、上述の監視を継続する。一方ステップS001で所定の流量範囲を外れた場合、すなわち検知流量が目標流量の半分未満になった場合、電磁式開閉弁が何らかの原因で遮断したと判断し、電磁式開閉弁に対して第2の通電量より大きい通電量を印加し(S002)、電磁式開閉弁を開弁させる。なお本動作の一例では電磁式開閉弁とは開閉弁56のことであり、開閉弁56に対してステップS002を実施する。一般的に1秒程度の開弁動作で電磁式開閉弁は開弁動作状態が安定することが知られているため、印加を1秒間保持(S003)した後、制御部58は電磁式開閉弁である開閉弁56への通電量を第2の通電量に戻し(S004)、開弁保持状態を継続する。
【0096】
本実施の形態における燃料電池システムの構成をとると、制御部58は、電磁式開閉弁である開閉弁56を第2の通電量で開弁保持状態に制御し、かつ、水流量計57で検知される水の流量が所定の流量範囲を外れた場合に開閉弁56が閉弁したと判断し、開閉弁56に第2の通電量より大きい通電量を供給することにより開閉弁56を開くように制御することができるため、燃料電池31での発電に必要な燃料ガスを生成している燃料処理機32に供給する水の制御を行なう省電力化電磁式開閉弁である開閉弁56がノイズや振動等によって閉弁する異常が起こった場合に、異常を検知して再度開弁を行なうように制御することが可能となり、燃料電池システムの運転を継続することが実現できる。
【0097】
また、本実施の形態では、開閉弁56と水流量計57を、第11の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例として説明したがこの限りではなく、開閉弁40と水流量計57または、開閉弁41と水流量計57を、第11の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例としても構わない。これらの場合は上述した第11の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁56を、各々、開閉弁40、41と読み替える
ことにより明らかである。
【0098】
また、本実施の形態では、開閉弁56のみに対して第11の本発明に関する具体的な動作を実施する説明をしたがこの限りではなく、複数の電磁式開閉弁としての開閉弁56、40、41に対して第11の本発明に関する具体的な動作を実施しても構わない。
【0099】
(実施の形態3)
図6は、本発明の本実施の形態3における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。図6において、図5と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0100】
本実施の形態における燃料電池システムは、実施の形態2における燃料電池システムと比して、第2空気供給流路59が、開閉弁47より上流の第1空気供給流路45と燃料処理機32とを接続するように配せられ、ポンプ44が取り込んだ空気の一部を燃料処理機32に供給するように構成している点で異なる。また第1空気流量計49を削除している点でも異なる。
【0101】
なお、本実施の形態における、燃料処理機32、第2空気供給流路59は各々、第10の本発明における燃料処理部、第2酸化剤ガス供給経路の具体的な実施の一例である。
【0102】
次に、本実施の形態における燃料電池システムに関して、具体的動作を説明する。
【0103】
図6に示す燃料電池システムでは、開閉弁38、39を開にすることにより原料ガス供給源から供給された原料ガスは原料ガス供給流路34を通じてポンプ33に供給される。ポンプ33は後述するように制御部58により能力値を変化させながら駆動する。ポンプ33から導出された原料ガスは原料ガス供給流路34を通じて燃料処理機32に供給される。一方、開閉弁56を開にすることにより水供給源から供給された水は、水供給流路55を通じてポンプ54に供給される。ポンプ54は後述するように制御部58により能力値を変化させながら駆動する。ポンプ54から導出された水は水供給流路55を通じて燃料処理機32に供給される。さらには後述するポンプ50から供給される空気も燃料処理機32に供給され、原料ガスと水と空気とを用いて水素リッチな燃料ガスを生成する。燃料処理機32の運転初期においては生成された燃料ガス中には一酸化炭素濃度が高いため、燃料処理機32から導出された燃料ガスは開閉弁39、41を閉、開閉弁42を開とすることによりシステム系外に排出する。燃料処理機32の運転継続により生成された燃料ガス中の一酸化炭素濃度が低減されると、燃料処理機32から導出された燃料ガスは開閉弁39、41を開、開閉弁42を閉とすることにより燃料電池31に供給する。燃料電池31に供給された燃料ガスは、後述する燃料電池31に供給された空気中の酸素と電気化学的に反応し、発電を行なう。燃料電池31での発電により燃料ガス中の水素は消費されるが、発電に使用されなかった燃料ガスは残余燃料ガスとして燃料電池31から排出される。燃料電池31から排出された残余燃料ガスは、燃料ガス排出流路36を通じてシステム外に排出される。一方、発電に用いる酸化剤ガスとしての空気は、後述するように制御部58により能力値を変化させながら駆動しているポンプ44により、ポンプ44周辺から取り込まれる。取り込まれた空気は、開閉弁47、48を開にすることにより第1空気供給流路45を通じて燃料電池31に供給され、既述のとおり燃料ガス中の水素と電気化学的に反応することにより発電を行なう。燃料電池31での発電により空気中の酸素は消費されるが、発電に使用されなかった空気の一部は残余空気として燃料電池31から排出される。燃料電池31から排出された残余空気は、空気排出流路46を通じてシステム外に排出される。さらに燃料ガス生成に用いる酸化剤ガスとしての空気は、後述するように制御部58により能力値を変化させながら駆動しているポンプ44により、ポンプ44周辺から取り込まれる。取り込まれた空気は、開閉弁52を開にすることにより第1空気供給流路45から第2空気供給流路59を通じて燃料処理機32に供給され、既述のとおり
燃料処理機32に供給られた原料ガスおよび水とともに用いられることにより燃料ガスを生成する。
【0104】
制御部58は、発電に必要な原料ガス流量と水を燃料処理機32に供給するために、原料ガス流量計43と水流量計57が検知する原料ガスと水の検知流量を発電に必要な目標流量になるように、原料ガス流量計43および水流量計57の検知流量に基づいてポンプ33、ポンプ54の能力値を変化させるフィードバック制御を行なっている。また制御部58は同様に、燃料ガス生成に必要な空気流量を燃料処理機32に供給するために、第2空気流量計53の検知する空気の検知流量を燃料ガス生成に必要な目標流量になるように、第2空気流量計53の検知流量に基づいてポンプ44の能力値を変化させるフィードバック制御を行なっている。
【0105】
さらに、制御部58は、開閉弁38、39、40、41、42、47、48、52、56を開とするときには、各開閉弁38、39、40、41、42、47、48、52、56に対して、第1の通電量を供給することにより閉弁している開閉弁を開弁させる開弁動作状態を一定時間(例えば1秒間)行ない、ついで第1の通電量より小さい第2の通電量を供給することにより開弁状態を保持する開弁保持状態を継続する制御を行なう。一方、開閉弁38、39、40、41、42、47、48、52、56を閉とするときには、通電を停止することにより開閉弁を閉弁させる閉弁状態を行ない、次回の開弁までは閉弁状態を継続する制御を行なう。
【0106】
次に、本実施の形態に示す燃料電池システムにおいて、第10の本発明に関する具体的な動作の一例について図2を参照しながら説明する。なお後述する第10の本発明に関する具体的な動作の一例において、開閉弁47は第10の本発明における電磁式開閉弁の具体的な実施の一例である。
【0107】
燃料電池システムが動作中は開閉弁47は開状態であり、制御部58によって第2の通電量を印加され開弁保持状態を継続する制御がなされている。図2において、制御部58は流量計が検出する検知流量が目標流量に対して所定の流量範囲を外れたか否かを監視している(S001)。なお本動作の一例では、流量計として第2空気流量計53を用いて空気の流量を検出し、「所定の流量範囲を外れたか否かを監視」とは、例えば「検知流量が目標流量の2倍以上になったか否かを監視」している。検知流量が所定の流量範囲を外れていない(検知流量が目標流量の2倍未満ある)場合はステップS001に戻り、上述の監視を継続する。一方ステップS001で所定の流量範囲を外れた場合、すなわち検知流量が目標流量の2倍以上になった場合、電磁式開閉弁が何らかの原因で遮断したと判断し、電磁式開閉弁に対して第2の通電量より大きい通電量を印加し(S002)、電磁式開閉弁を開弁させる。なお本動作の一例では電磁式遮断弁とは開閉弁47のことであり、開閉弁47に対してステップS002を実施する。一般的に1秒程度の開弁動作で電磁式開閉弁は開弁動作状態が安定することが知られているため、印加を1秒間保持(S003)した後、制御部58は電磁式開閉弁である開閉弁47への通電量を第2の通電量に戻し(S004)、開弁保持状態を継続する。
【0108】
本実施の形態における燃料電池システムの構成をとると、制御部58は、電磁式開閉弁である開閉弁47を第2の通電量で開弁保持状態に制御し、かつ、第2空気流量計53で検知される空気の流量が所定の流量範囲を外れた場合に開閉弁47が閉弁したと判断し、開閉弁47に第2の通電量より大きい通電量を供給することにより開閉弁47を開くように制御することができるため、燃料電池31に供給する空気の制御を行なう省電力化電磁式開閉弁である開閉弁47がノイズや振動等によって閉弁する異常が起こった場合に、異常を検知して再度開弁を行なうように制御することが可能となり、燃料電池システムの運転を継続することが実現できる。
【0109】
なお、本実施の形態では、開閉弁47と第2空気流量計53を、第10の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例として説明したがこの限りではなく、開閉弁48と第2空気流量計53を、第10の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例としても構わない。これらの場合は上述した第10の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁47を開閉弁48と読み替えることにより明らかである。
【0110】
また、本実施の形態では、開閉弁47のみに対して第10の本発明に関する具体的な動作を実施する説明をしたがこの限りではなく、複数の電磁式開閉弁としての開閉弁47、48に対して第10の本発明に関する具体的な動作を実施しても構わない。
【0111】
(実施の形態4)
図7は、本発明の本実施の形態4における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。図7において、図1と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0112】
本実施の形態における燃料電池システムは、実施の形態1における燃料電池システムと比して、圧力計60、61が各々、開閉弁6と燃料ガス流量計8との間の燃料ガス供給流路3および、開閉弁12と第1空気流量計14との間の第1空気供給流路10に配せられるように構成している点で異なる。
【0113】
次に、本実施の形態に示す燃料電池システムにおいて、第12の本発明に関する具体的な動作の一例について図8を参照しながら説明する。なお後述する第12の本発明に関する具体的な動作の一例において、開閉弁6は第12の本発明における電磁式開閉弁の具体的な実施の一例である。
【0114】
燃料電池システムが動作中は開閉弁6は開状態であり、制御部15によって第2の通電量を印加され開弁保持状態を継続する制御がなされている。図8において、制御部15は圧力計が検出する圧力が目標圧力に対して所定の圧力範囲を外れたか否かを監視している(S301)。なお本動作の一例では、燃料ガス供給流路3を通流する燃料ガスの圧力を圧力計60を用いて検出し、「所定の圧力範囲を外れたか否かを監視」とは、例えば「検知圧力が目標圧力の2倍以上になったか否かを監視」している。検知圧力が所定の圧力範囲を外れていない(検知圧力が目標圧力の2倍未満ある)場合はステップS301に戻り、上述の監視を継続する。一方ステップS301で所定の圧力範囲を外れた場合、すなわち検知圧力が目標圧力の2倍以上になった場合、電磁式開閉弁が何らかの原因で遮断したと判断し、電磁式開閉弁に対して第2の通電量より大きい通電量を印加し(S302)、電磁式開閉弁を開弁させる。なお本動作の一例では電磁式開閉弁とは開閉弁6のことであり、開閉弁6に対してステップS302を実施する。一般的に1秒程度の開弁動作で電磁式開閉弁は開弁動作状態が安定することが知られているため、印加を1秒間保持(S303)した後、制御部15は電磁式開閉弁である開閉弁6への通電量を第2の通電量に戻し(S304)、開弁保持状態を継続する。
【0115】
本実施の形態における燃料電池システムの構成をとると、制御部15は、電磁式開閉弁である開閉弁6を第2の通電量で開弁保持状態に制御し、かつ、流体通流検知器の具体的一例である圧力計60で検知されるガスの圧力が所定の圧力範囲を外れた場合に開閉弁6が閉弁したと判断し、開閉弁6に第2の通電量より大きい通電量を供給することにより開閉弁6を開くように制御することができるため、燃料電池1に供給する燃料ガスの制御を行なう省電力化電磁式開閉弁である開閉弁6がノイズや振動等によって閉弁する異常が起こった場合に、異常を検知して再度開弁を行なうように制御することが可能となり、燃料電池システムの運転を継続することが実現できる。
【0116】
なお、本実施の形態では、電磁式開閉弁である「開閉弁6に対して第2の通電量より大きい通電量を印加」するとしたが、第2の通電量より大きい通電量として、開弁動作状態において閉弁している開閉弁を開弁させる通電量である第1の通電量を印加すると、消費電力は増加するが確実に開弁することができるため、有用である。
【0117】
なお、本実施の形態では、開閉弁6と圧力計60を、第12の本発明における電磁式開閉弁と圧力計の具体的な実施の一例として説明したがこの限りではなく、開閉弁5と圧力計60または、開閉弁7と圧力計60を、第12の本発明における電磁式開閉弁と圧力計の具体的な実施の一例としても構わない。まず開閉弁5と圧力計60の場合、圧力計60は開閉弁5の排出側の圧力を検知しているため、上述した第12の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁6を開閉弁5と読み替え、「所定の圧力範囲を外れたか否かを監視」とは例えば「検知圧力が目標圧力の半分以下になったか否かを監視」している、とすることによりあきらかである。一方、開閉弁7と圧力計60の場合、圧力計60は開閉弁7の供給側の圧力を検知しているため、上述した第12の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁6を開閉弁5と読み替えることにより明らかである。
【0118】
なお、本実施の形態では、開閉弁6のみに対して第12の本発明に関する具体的な動作を実施する説明をしたがこの限りではなく、複数の電磁式開閉弁としての開閉弁5、6、7に対して第12の本発明に関する具体的な動作を実施しても構わない。
【0119】
また、本実施の形態では圧力計60は開閉弁6と燃料ガス流量計8との間の燃料ガス供給流路3に配したがこの限りではなく、開閉弁6より下流の燃料ガス供給流路3や燃料ガス排出流路4に配しても構わない。すなわち、この場合においても、何らかの原因で電磁式開閉弁が閉弁した場合は圧力計60で検知する圧力は電磁式開閉弁の供給側では検知する圧力が急増し、排出側では急減するため、第12の本発明に関する具体的な動作が実現できることは明らかである。
【0120】
次に、本実施の形態に示す燃料電池システムにおいて、第12または第17の本発明に関する具体的な動作の一例について図8を参照しながら説明する。なお後述する第12または第17の本発明に関する具体的な動作の一例において、開閉弁12は第12または第17の本発明における電磁式開閉弁の具体的な実施の一例である。
【0121】
燃料電池システムが動作中は開閉弁12は開状態であり、制御部15によって第2の通電量を印加され開弁保持状態を継続する制御がなされている。図8において、制御部15は圧力計が検出する検知圧力が目標圧力に対して所定の圧力範囲を外れたか否かを監視している(S301)。なお本動作の一例では、第1空気供給流路10を通流する空気の圧力を圧力計61を用いて検出し、「所定の圧力範囲を外れたか否かを監視」とは、例えば「検知圧力が目標圧力の2倍以上になったか否かを監視」している。検知圧力が所定の圧力範囲を外れていない(検知圧力が目標圧力の2倍未満である)場合はステップS301に戻り、上述の監視を継続する。一方ステップS301で所定の圧力範囲を外れた場合、すなわち検知圧力が目標圧力の2倍以上になった場合、電磁式開閉弁が何らかの原因で遮断したと判断し、電磁式開閉弁に対して第2の通電量より大きい通電量を印加し(S302)、電磁式開閉弁を開弁させる。なお本動作の一例では電磁式遮断弁とは開閉弁12のことであり、開閉弁12に対してステップS302を実施する。一般的に1秒程度の開弁動作で電磁式開閉弁は開弁動作状態が安定することが知られているため、印加を1秒間保持(S303)した後、制御部15は電磁式開閉弁である開閉弁12への通電量を第2の通電量に戻し(S304)、開弁保持状態を継続する。
【0122】
本実施の形態における燃料電池システムの構成をとると、制御部15は、電磁式開閉弁である開閉弁12を第2の通電量で開弁保持状態に制御し、かつ、圧力計61で検知され
る空気の圧力が所定の圧力範囲を外れた場合に開閉弁12が閉弁したと判断し、開閉弁12に第2の通電量より大きい通電量を供給することにより開閉弁12を開くように制御することができるため、燃料電池1に供給する空気の制御を行なう省電力化電磁式開閉弁である開閉弁12がノイズや振動等によって閉弁する異常が起こった場合に、異常を検知して再度開弁を行なうように制御することが可能となり、燃料電池システムの運転を継続することが実現できる。
【0123】
なお、本実施の形態では、電磁式開閉弁である「開閉弁12に対して第2の通電量より大きい通電量を印加」するとしたが、第2の通電量より大きい通電量として、開弁動作状態において閉弁している開閉弁を開弁させる通電量である第1の通電量を印加すると、消費電力は増加するが確実に開弁することができるため、有用である。
【0124】
なお、本実施の形態では、開閉弁12と圧力計61を、第12または第17の本発明における電磁式開閉弁と圧力計の具体的な実施の一例として説明したがこの限りではなく、開閉弁13と圧力計61を、第12または第17の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例としても構わない。これらの場合は上述した第12または第17の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁12を、開閉弁13と読み替えることにより明らかである。
【0125】
また、本実施の形態では、開閉弁12のみに対して第12または第17の本発明に関する具体的な動作を実施する説明をしたがこの限りではなく、複数の電磁式開閉弁としての開閉弁12、13に対して第12または第17の本発明に関する具体的な動作を実施しても構わない。
【0126】
また、本実施の形態では圧力計61は開閉弁12と第1空気流量計14との間の第1空気供給流路10に配したがこの限りではなく、開閉弁12より下流の第1空気供給流路10や第1空気排出流路11に配しても構わない。すなわち、この場合においても、何らかの原因で電磁式開閉弁が閉弁した場合は圧力計61で検知する圧力は電磁式開閉弁の供給側では検知する圧力が急増し、排出側では急減するため、第12または第17の本発明に関する具体的な動作が実現できることは明らかである。
【0127】
さらに、第13の本発明の具体的動作の一例として、本実施の形態における制御部15の、燃料ガス流量計8の検知流量に基づいてポンプ2の能力値を変化させるフィードバック制御の周期(以下、第2の周期)と、圧力計60の検知圧力が目標圧力に対して所定の圧力範囲を外れたか否かを監視している(S301)周期(以下、第1の周期)の関係として「第1の周期より第2の周期を長く」設定することは、電磁式開閉弁である開閉弁6を開弁させた後の燃料ガス流量をより安定させることができるため、有用である。すなわち、例えば電磁式開閉弁としての開閉弁6が何らかの原因で閉弁した場合は燃料ガス流量計8の検知流量は急減するが、第1の周期より第2の周期を長く設定していない場合、ステップS301での「所定の圧力範囲を外れた」検知よりも前または、開閉弁6の開弁よりも前にフィードバック制御によるポンプ2の能力値増加を制御部15は実施することが発生し、ステップS302での開閉弁6の開弁により目標流量に対して急増した燃料ガスが燃料電池1に通流する。しかしながら、第1の周期より第2の周期を長く設定すると、ステップS301での「所定の圧力範囲を外れた」検知よりも前または、開閉弁6の開弁よりも前でのフィードバック制御によるポンプ2の能力値増加を防止することができ、ステップS302での開閉弁6の開弁により通流する燃料ガスは、開閉弁6の閉弁前のポンプ2の能力値で供給するために急増することなく燃料ガスが燃料電池1に通流することが可能となる。
【0128】
なお、第13の本発明の具体的動作の一例では、電磁式開閉弁として開閉弁6を用いて
説明したがこの限りではなく、電磁式開閉弁として、開閉弁5または開閉弁7を用いても構わない。さらには、開閉弁12と圧力計61とポンプ9または、開閉弁13と圧力計61とポンプ9を用いても構わない。
【0129】
(変形例1)
次に、本実施の形態に示す燃料電池システムにおいて、第14の本発明に関する具体的な動作の一例について図9を参照しながら説明する。なお、後述する第14の本発明に関する具体的な動作の一例において、開閉弁6は第14の本発明における電磁式開閉弁の具体的な実施の一例である。
【0130】
燃料電池システムが動作中の場合、開閉弁6は開状態であり、制御部15によって第2の通電量を印加され開弁保持状態を継続する制御がなされている。図9において、制御部15は圧力計が検出する圧力が目標圧力に対して所定の圧力範囲を外れたか否かを監視している(S401)。なお本動作の一例では、燃料ガス供給流路3を通流する燃料ガスの圧力を圧力計60を用いて検出し、「所定の圧力範囲を外れたか否かを監視」とは、例えば「検知圧力が目標圧力の2倍以上になったか否かを監視」している。検知圧力が所定の圧力範囲を外れていない(検知圧力が目標圧力の2倍未満ある)場合はステップS401に戻り、上述の監視を継続する。一方ステップS401で所定の圧力範囲を外れた場合、すなわち検知圧力が目標圧力の2倍以上になった場合、電磁式開閉弁が何らかの原因で遮断したと判断し、電磁式開閉弁の開弁動作を開始する。なお本動作の一例では電磁式開閉弁とは開閉弁6のことであり、開閉弁6に対してステップS402を実施する。まず、流量計の検知流量に基づくフィードバック制御を中断し(S402)し、ついで電磁式開閉弁である開閉弁6に対して第2の通電量より大きい通電量を印加し(S403)、開閉弁6を開弁させる。なお本動作の一例における「検知流量に基づくフィードバック制御」とは、燃料ガス流量計8の検知流量に基づいてポンプ2の能力値を変化させる制御のことである。一般的に1秒程度の開弁動作で電磁式開閉弁は開弁動作状態が安定することが知られているため、印加を1秒間保持(S404)した後、制御部15は電磁式開閉弁である開閉弁6への通電量を第2の通電量に戻し(S405)、開弁保持状態を継続する。そしてステップS402から中断していたフィードバック制御を再開する(S406)。
【0131】
本実施の形態の変形例1における燃料電池システムの構成をとると上述した作用・効果に加えて、制御部15は、電磁式開閉弁である開閉弁6に第2の通電量より大きい通電量を供給する期間、すなわち開閉弁6が閉弁したと判断した時点から再度安定して開弁したと判断できるまでの間はフィードバック制御が中断されているため、開閉弁6の開弁よりも前でのフィードバック制御によるポンプ2の能力値増加を防止することができ、開閉弁6の開弁により通流する燃料ガスは、開閉弁6の閉弁前のポンプ2の能力値で供給するために、流量が急増することなく安定して燃料ガスが燃料電池1に通流することが実現できる。
【0132】
なお、第14の本発明に関する具体的な動作では、開閉弁6と圧力計60を、第14の本発明における電磁式開閉弁と圧力計の具体的な実施の一例として説明したがこの限りではなく、開閉弁5と圧力計60または、開閉弁7と圧力計60を、第14の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例としても構わない。まず開閉弁5と圧力計60の場合、圧力計60は開閉弁5の排出側の圧力を検知しているため、上述した第12の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁6を開閉弁5と読み替え、「所定の圧力範囲を外れたか否かを監視」とは例えば「検知圧力が目標圧力の半分以下になったか否かを監視」している、とすることによりあきらかである。一方、開閉弁7と圧力計60の場合、圧力計60は開閉弁7の供給側の圧力を検知しているため、上述した第12の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁6を開閉弁5と読み替えることにより明らかである。
【0133】
また、本実施の形態では、開閉弁6のみに対して第12の本発明に関する具体的な動作を実施する説明をしたがこの限りではなく、複数の電磁式開閉弁としての開閉弁5、6、7に対して第12の本発明に関する具体的な動作を実施しても構わない。
【0134】
また、本実施の形態では圧力計60は開閉弁6と燃料ガス流量計8との間の燃料ガス供給流路3に配したがこの限りではなく、開閉弁6より下流の燃料ガス供給流路3や燃料ガス排出流路4に配しても構わない。すなわち、この場合においても、何らかの原因で電磁式開閉弁が閉弁した場合は圧力計60で検知する圧力は電磁式開閉弁の供給側では検知する圧力が急増し、排出側では急減するため、第12の本発明に関する具体的な動作が実現できることは明らかあである。
【0135】
また、開閉弁6と圧力計60を、第14の本発明における電磁式開閉弁と圧力計の具体的な実施の一例として説明したがこの限りではなく、開閉弁12と圧力計61または、開閉弁13と圧力計61を、第14の本発明における電磁式開閉弁と圧力計の具体的な実施の一例としても構わない。これらの場合は上述した第14の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁6を、各々、開閉弁12または開閉弁13と読み替え、圧力計60を圧力計61と読み替えることにより明らかである。
【0136】
また、第14の本発明に関する具体的な動作では、開閉弁12のみに対して第14の本発明に関する具体的な動作を実施する説明をしたがこの限りではなく、複数の電磁式開閉弁としての開閉弁12、13に対して第14の本発明に関する具体的な動作を実施しても構わない。
【0137】
(変形例2)
さらに次に本実施の形態に示す燃料電池システムにおいて、第15の本発明に関する具体的な動作の一例について図10を参照しながら説明する。なお後述する第15の本発明に関する具体的な動作の一例において、開閉弁6は第15の本発明における電磁式開閉弁の具体的な実施の一例である。
【0138】
燃料電池システムが動作中は開閉弁6は開状態であり、制御部15によって第2の通電量を印加され開弁保持状態を継続する制御がなされている。図10において、制御部15は圧力計が検出する圧力が目標圧力に対して所定の圧力範囲を外れたか否かを監視している(S501)。なお、本動作の一例では、燃料ガス供給流路3を通流する燃料ガスの圧力を圧力計60を用いて検出し、「所定の圧力範囲を外れたか否かを監視」とは、例えば「検知圧力が目標圧力の2倍以上になったか否かを監視」している。検知圧力が所定の圧力範囲を外れていない(検知圧力が目標圧力の2倍未満ある)場合はステップS501に戻り、上述の監視を継続する。一方ステップS501で所定の圧力範囲を外れた場合、すなわち検知圧力が目標圧力の2倍以上になった場合、電磁式開閉弁が何らかの原因で遮断したと判断し、電磁式開閉弁の開弁動作を開始する。なお本動作の一例では電磁式開閉弁とは開閉弁6のことであり、開閉弁6に対してステップS502を実施する。まず、流量計の検知流量に基づくフィードバック制御を中断し(S502)し、ついで電磁式開閉弁である開閉弁6に対して第2の通電量より大きい通電量を印加し(S503)、開閉弁6を開弁させる。なお本動作の一例における「検知流量に基づくフィードバック制御」とは、燃料ガス流量計8の検知流量に基づいてポンプ2の能力値を変化させる制御のことである。一般的に1秒程度の開弁動作で電磁式開閉弁は開弁動作状態が安定することが知られているが、1秒程度の開弁動作のうち最初の0.1〜0.2秒で電磁式開閉弁は開弁し、残りの0.8〜0.9秒は開弁状態を安定させるための時間であるため、印加を0.5秒間保持(S504)した後、制御部15は中断していたフィードバック制御を再開する(S505)。そしてさらに通電量より大きい通電量の印加を0.5秒間保持(S506)した後、制御部15は電磁式開閉弁である開閉弁6への通電量を第2の通電量に戻し(S
507)、開弁保持状態を継続する。
【0139】
本実施の形態の変形例2における燃料電池システムの構成をとると上述した作用・効果に加えて、制御部15は、電磁式開閉弁である開閉弁6に第2の通電量より大きい通電量を供給する期間のうち、開閉弁6が閉弁したと判断した時点から再度開弁したと判断できるまでの間はフィードバック制御が中断されているため、開閉弁6の開弁よりも前でのフィードバック制御によるポンプ2の能力値増加を防止することができ、開閉弁6の開弁により通流する燃料ガスは、開閉弁6の閉弁前のポンプ2の能力値で供給するために、流量が急増することなく安定して燃料ガスが燃料電池1に通流することが実現できるとともに、より短時間でフィードバック制御を再開できるために燃料電池1へ供給する燃料ガス流量の安定化を実現することができる。
【0140】
なお、第15の本発明に関する具体的な動作では、開閉弁6と圧力計60を、第15の本発明における電磁式開閉弁と圧力計の具体的な実施の一例として説明したがこの限りではなく、開閉弁5と圧力計60または、開閉弁7と圧力計60を、第15の本発明における電磁式開閉弁と圧力計の具体的な実施の一例としても構わない。まず開閉弁5と圧力計60の場合、圧力計60は開閉弁5の排出側の圧力を検知しているため、上述した第15の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁6を開閉弁5と読み替え、「所定の圧力範囲を外れたか否かを監視」とは例えば「検知圧力が目標圧力の半分以下になったか否かを監視」している、とすることによりあきらかである。一方、開閉弁7と圧力計60の場合、圧力計60は開閉弁7の供給側の圧力を検知しているため、上述した第15の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁6を開閉弁5と読み替えることにより明らかである。またさらには本実施の形態では、開閉弁6のみに対して第15の本発明に関する具体的な動作を実施する説明をしたがこの限りではなく、複数の電磁式開閉弁としての開閉弁5、6、7に対して第15の本発明に関する具体的な動作を実施しても構わない。
【0141】
また、開閉弁6と圧力計60を、第15の本発明における電磁式開閉弁と圧力計の具体的な実施の一例として説明したがこの限りではなく、開閉弁12と圧力計61または、開閉弁13と圧力計61を、第15の本発明における電磁式開閉弁と圧力計の具体的な実施の一例としても構わない。これらの場合は上述した第15の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁6を、各々、開閉弁12または開閉弁13と読み替えることにより明らかである。
【0142】
また、第15の本発明に関する具体的な動作では、開閉弁12のみに対して第15の本発明に関する具体的な動作を実施する説明をしたがこの限りではなく、複数の電磁式開閉弁としての開閉弁12、13に対して第15の本発明に関する具体的な動作を実施しても構わない。
【0143】
また、なお第6の本発明に関する具体的な動作では、ステップS504での保持時間を0.5秒としたがこの限りではなく、上述した具体的な動作で明らかなように、開弁が終わっている0.2秒以上かつ、通電量を第2の通電量に戻す(S507)前である1.0秒未満の中で任意に設定しても構わない。
【0144】
(実施の形態5)
図11は、本発明の本実施の形態5における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。図11において、図5と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0145】
本実施の形態における燃料電池システムは、実施の形態1における燃料電池システムと比して、圧力計62、63、64、65が各々、開閉弁39と原料ガス流量計43との間
の原料ガス供給流路34、開閉弁47と第1空気流量計49との間の第1空気供給流路45、開閉弁52と第2空気流量計53との間の第2空気供給流路51、およびに開閉弁56と水流量計57との間の水供給流路55配せられるように構成している点で異なる。
【0146】
次に本実施の形態に示す燃料電池システムにおいて、第16の本発明に関する具体的な動作の一例について図8を参照しながら説明する。なお後述する第16の本発明に関する具体的な動作の一例において、開閉弁38は第16の本発明における電磁式開閉弁の具体的な実施の一例である。
【0147】
燃料電池システムが動作中は開閉弁38は開状態であり、制御部58によって第2の通電量を印加され開弁保持状態を継続する制御がなされている。図8において、制御部58は圧力計が検出する検知圧力が目標圧力に対して所定の圧力範囲を外れたか否かを監視している(S301)。なお本動作の一例では、原料ガス供給流路34を通流する原料ガスの圧力を圧力計62を用いて検出し、「所定の圧力範囲を外れたか否かを監視」とは、例えば「検知圧力が目標圧力の半分未満になったか否かを監視」している。検知圧力が所定の圧力範囲を外れていない(検知流量が目標流量の半分以上ある)場合はステップS301に戻り、上述の監視を継続する。一方ステップS301で所定の圧力範囲を外れた場合、すなわち検知圧力が目標圧力の半分未満になった場合、電磁式開閉弁が何らかの原因で遮断したと判断し、電磁式開閉弁に対して第2の通電量より大きい通電量を印加し(S302)、電磁式開閉弁を開弁させる。なお本動作の一例では電磁式開閉弁とは開閉弁38のことであり、開閉弁38に対してステップS302を実施する。一般的に1秒程度の開弁動作で電磁式開閉弁は開弁動作状態が安定することが知られているため、印加を1秒間保持(S303)した後、制御部58は電磁式開閉弁である開閉弁38への通電量を第2の通電量に戻し(S304)、開弁保持状態を継続する。
【0148】
本実施の形態における燃料電池システムの構成をとると、制御部58は、電磁式開閉弁である開閉弁38を第2の通電量で開弁保持状態に制御し、かつ、流体通流検知器の具体的一例である圧力計62で検知されるガスの圧力が所定の圧力範囲を外れた場合に開閉弁38が閉弁したと判断し、開閉弁38に第2の通電量より大きい通電量を供給することにより開閉弁38を開くように制御することができるため、燃料電池31での発電に必要な燃料ガスを生成している燃料処理機32に供給する原料ガスの制御を行なう省電力化電磁式開閉弁である開閉弁38がノイズや振動等によって閉弁する異常が起こった場合に、異常を検知して再度開弁を行なうように制御することが可能となり、燃料電池システムの運転を継続することが実現できる。
【0149】
なお、本実施の形態では、開閉弁38と圧力計62を、第16の本発明における電磁式開閉弁と圧力計の具体的な実施の一例として説明したがこの限りではなく、開閉弁39と圧力計62または、開閉弁40と圧力計62、開閉弁41と圧力計62を、第16の本発明における電磁式開閉弁と流量計の具体的な実施の一例としても構わない。これらの場合は上述した第16の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁38を、各々、開閉弁39、40または41と読み替え、電磁式電磁弁に対して圧力計が供給側に配置されている場合は「所定の圧力範囲を外れたか否かを監視」とは例えば「検知圧力が目標圧力の2倍以上になったか否かを監視」し、排出側に配置されている場合は「所定の圧力範囲を外れたか否かを監視」とは例えば「検知圧力が目標圧力の半分以下になったか否かを監視」する、とすることによりあきらかである。
【0150】
なお、本実施の形態では、開閉弁38のみに対して第16の本発明に関する具体的な動作を実施する説明をしたがこの限りではなく、複数の電磁式開閉弁としての開閉弁38、39、40、41に対して第16の本発明に関する具体的な動作を実施しても構わない。
【0151】
次に、本実施の形態に示す燃料電池システムにおいて、第18の本発明に関する具体的な動作の一例について図8を参照しながら説明する。なお後述する第18の本発明に関する具体的な動作の一例において、開閉弁52は第18の本発明における電磁式開閉弁の具体的な実施の一例である。
【0152】
燃料電池システムが動作中は開閉弁52は開状態であり、制御部58によって第2の通電量を印加され開弁保持状態を継続する制御がなされている。図8において、制御部58は圧力計が検出する検知圧力が目標圧力に対して所定の圧力範囲を外れたか否かを監視している(S301)。なお本動作の一例では、第2空気供給流路51を通流する空気の圧力を圧力計64を用いて検出し、「所定の圧力範囲を外れたか否かを監視」とは、例えば「検知圧力が目標圧力の2倍以上になったか否かを監視」している。検知圧力が所定の圧力範囲を外れていない(検知圧力が目標圧力の2倍未満である)場合はステップS301に戻り、上述の監視を継続する。一方ステップS301で所定の圧力範囲を外れた場合、すなわち検知圧力が目標圧力の2倍以上になった場合、電磁式開閉弁が何らかの原因で遮断したと判断し、電磁式開閉弁に対して第2の通電量より大きい通電量を印加し(S302)、電磁式開閉弁を開弁させる。なお本動作の一例では電磁式開閉弁とは開閉弁52のことであり、開閉弁52に対してステップS302を実施する。一般的に1秒程度の開弁動作で電磁式開閉弁は開弁動作状態が安定することが知られているため、印加を1秒間保持(S303)した後、制御部58は電磁式開閉弁である開閉弁52への通電量を第2の通電量に戻し(S304)、開弁保持状態を継続する。
【0153】
本実施の形態における燃料電池システムの構成をとると、制御部58は、電磁式開閉弁である開閉弁52を第2の通電量で開弁保持状態に制御し、かつ、圧力計64で検知される空気の圧力が所定の圧力範囲を外れた場合に開閉弁52が閉弁したと判断し、開閉弁52に第2の通電量より大きい通電量を供給することにより開閉弁52を開くように制御することができるため、燃料電池31での発電に必要な燃料ガスを生成している燃料処理機32に供給する空気の制御を行なう省電力化電磁式開閉弁である開閉弁52がノイズや振動等によって閉弁する異常が起こった場合に、異常を検知して再度開弁を行なうように制御することが可能となり、燃料電池システムの運転を継続することが実現できる。
【0154】
なお、本実施の形態では、開閉弁52と圧力計64を、第18の本発明における電磁式開閉弁と圧力計の具体的な実施の一例として説明したがこの限りではなく、開閉弁40と圧力計64または、開閉弁41と圧力計64を、第18の本発明における電磁式開閉弁と圧力計の具体的な実施の一例としても構わない。これらの場合は上述した第18の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁52を、各々、開閉弁40、41と読み替え、電磁式電磁弁に対して圧力計が供給側に配置されている場合は「所定の圧力範囲を外れたか否かを監視」とは例えば「検知圧力が目標圧力の2倍以上になったか否かを監視」し、排出側に配置されている場合は「所定の圧力範囲を外れたか否かを監視」とは例えば「検知圧力が目標圧力の半分以下になったか否かを監視」する、とすることによりあきらかである。
【0155】
また、本実施の形態では、開閉弁52のみに対して第18の本発明に関する具体的な動作を実施する説明をしたがこの限りではなく、複数の電磁式開閉弁としての開閉弁52、40、41に対して第18の本発明に関する具体的な動作を実施しても構わない。
【0156】
さらに、本実施の形態に示す燃料電池システムにおいて、第20の本発明に関する具体的な動作の一例について図8を参照しながら説明する。なお後述する第20の本発明に関する具体的な動作の一例において、開閉弁56は第20の本発明における電磁式開閉弁の具体的な実施の一例である。
【0157】
燃料電池システムが動作中は開閉弁56は開状態であり、制御部58によって第2の通
電量を印加され開弁保持状態を継続する制御がなされている。図2において、制御部58は圧力計が検出する検知圧力が目標圧力に対して所定の圧力範囲を外れたか否かを監視している(S301)。なお本動作の一例では、水供給流路55を通流する水の圧力を圧力計65を用いて検出し、「所定の圧力範囲を外れたか否かを監視」とは、例えば「検知圧力が目標圧力の2倍以上になったか否かを監視」している。検知圧力が所定の圧力範囲を外れていない(検知圧力が目標圧力の2倍未満である)場合はステップS301に戻り、上述の監視を継続する。一方ステップS301で所定の圧力範囲を外れた場合、すなわち検知圧力が目標圧力の2倍以上になった場合、電磁式開閉弁が何らかの原因で遮断したと判断し、電磁式開閉弁に対して第2の通電量より大きい通電量を印加し(S302)、電磁式開閉弁を開弁させる。なお本動作の一例では電磁式開閉弁とは開閉弁56のことであり、開閉弁56に対してステップS302を実施する。一般的に1秒程度の開弁動作で電磁式開閉弁は開弁動作状態が安定することが知られているため、印加を1秒間保持(S303)した後、制御部58は電磁式開閉弁である開閉弁56への通電量を第2の通電量に戻し(S304)、開弁保持状態を継続する。
【0158】
本実施の形態における燃料電池システムの構成をとると、制御部58は、電磁式開閉弁である開閉弁56を第2の通電量で開弁保持状態に制御し、かつ、圧力計65で検知される水の圧力が所定の圧力範囲を外れた場合に開閉弁56が閉弁したと判断し、開閉弁56に第2の通電量より大きい通電量を供給することにより開閉弁56を開くように制御することができるため、燃料電池31での発電に必要な燃料ガスを生成している燃料処理機32に供給する水の制御を行なう省電力化電磁式開閉弁である開閉弁56がノイズや振動等によって閉弁する異常が起こった場合に、異常を検知して再度開弁を行なうように制御することが可能となり、燃料電池システムの運転を継続することが実現できる。
【0159】
なお、本実施の形態では、開閉弁56と圧力計65を、第20の本発明における電磁式開閉弁と圧力計の具体的な実施の一例として説明したがこの限りではなく、開閉弁40と圧力計65または、開閉弁41と圧力計65を、第20の本発明における電磁式開閉弁と圧力計の具体的な実施の一例としても構わない。これらの場合は上述した第20の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁56を、各々、開閉弁40、41と読み替えることにより明らかである。またさらには本実施の形態では、開閉弁56のみに対して第20の本発明に関する具体的な動作を実施する説明をしたがこの限りではなく、複数の電磁式開閉弁としての開閉弁56、40、41に対して第20の本発明に関する具体的な動作を実施しても構わない。
【0160】
(実施の形態6)
図12は、本発明の本実施の形態6における燃料電池システムの構成を示すブロック図である。図12において、図6と同じ構成要素については同じ符号を用い、説明を省略する。
【0161】
本実施の形態における燃料電池システムは、実施の形態3における燃料電池システムと比して、圧力計66が開閉弁52と第2空気流量計53との間の第2空気供給流路59に配せられるように構成している点で異なる。
【0162】
次に、本実施の形態に示す燃料電池システムにおいて、第19の本発明に関する具体的な動作の一例について図8を参照しながら説明する。なお後述する第19の本発明に関する具体的な動作の一例において、開閉弁47は第19の本発明における電磁式開閉弁の具体的な実施の一例である。
【0163】
燃料電池システムが動作中は開閉弁47は開状態であり、制御部58によって第2の通電量を印加され開弁保持状態を継続する制御がなされている。図8において、制御部58
は圧力計が検出する検知圧力が目標圧力に対して所定の圧力範囲を外れたか否かを監視している(S301)。なお本動作の一例では、第2空気供給流路59を通流する空気の圧力を圧力計66を用いて検出し、「所定の圧力範囲を外れたか否かを監視」とは、例えば「検知圧力が目標圧力の2倍以上になったか否かを監視」している。検知圧力が所定の圧力範囲を外れていない(検知圧力が目標圧力の2倍未満ある)場合はステップS301に戻り、上述の監視を継続する。一方ステップS301で所定の圧力範囲を外れた場合、すなわち検知圧力が目標圧力の2倍以上になった場合、電磁式開閉弁が何らかの原因で遮断したと判断し、電磁式開閉弁に対して第2の通電量より大きい通電量を印加し(S302)、電磁式開閉弁を開弁させる。なお本動作の一例では電磁式遮断弁とは開閉弁47のことであり、開閉弁47に対してステップS302を実施する。一般的に1秒程度の開弁動作で電磁式開閉弁は開弁動作状態が安定することが知られているため、印加を1秒間保持(S303)した後、制御部58は電磁式開閉弁である開閉弁47への通電量を第2の通電量に戻し(S304)、開弁保持状態を継続する。
【0164】
本実施の形態における燃料電池システムの構成をとると、制御部58は、電磁式開閉弁である開閉弁47を第2の通電量で開弁保持状態に制御し、かつ、流体通流検知器の具体的一例である圧力計66で検知されるガスの圧力が所定の圧力範囲を外れた場合に開閉弁47が閉弁したと判断し、開閉弁47に第2の通電量より大きい通電量を供給することにより開閉弁47を開くように制御することができるため、燃料電池31に供給する空気の制御を行なう省電力化電磁式開閉弁である開閉弁47がノイズや振動等によって閉弁する異常が起こった場合に、異常を検知して再度開弁を行なうように制御することが可能となり、燃料電池システムの運転を継続することが実現できる。
【0165】
なお、本実施の形態では、開閉弁47と圧力計66を、第19の本発明における電磁式開閉弁と圧力計66の具体的な実施の一例として説明したがこの限りではなく、開閉弁48と圧力計66を、第19の本発明における電磁式開閉弁と圧力計の具体的な実施の一例としても構わない。これらの場合は上述した第19の本発明に関する具体的な動作に示す開閉弁47を開閉弁48と読み替えることにより明らかである。
【0166】
また、本実施の形態では、開閉弁47のみに対して第19の本発明に関する具体的な動作を実施する説明をしたがこの限りではなく、複数の電磁式開閉弁としての開閉弁47、48に対して第19の本発明に関する具体的な動作を実施しても構わない。
【産業上の利用可能性】
【0167】
以上のように、本発明にかかる燃料電池システムは、省電力化電磁弁が閉弁する異常が起こった場合に異常を検知して再度開弁を行なうように制御することができるため、省電力化電磁弁を用いて燃料電池に供給する流体の制御を行なう燃料電池システムに有用である。
【符号の説明】
【0168】
1、31、101 燃料電池
2、9、33、44、50、54 ポンプ
3、35、108 燃料ガス供給流路
4、36、110 燃料ガス排出流路
5、6、7、12、13、38、39、40、41、42、47、48、52、104、106、109、111、113、56 開閉弁
8 燃料ガス流量計
10、45 第1空気供給流路
11、46 空気排出流路
14、49 第1空気流量計
15、54、58 制御部
32、102 燃料処理機
34、103 原料ガス供給流路
37、112 燃料ガスバイパス流路
43 原料ガス流量計
51、59 第2空気供給流路
53 第2空気流量計
55 水供給流路
57 水流量計
60、61、62、63、64、65、66 圧力計
105 水流路
107 バーナ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料ガス及び酸化剤ガスを用いて発電を行なう燃料電池と、
前記燃料電池に前記燃料ガスを供給する燃料ガス供給部と、
前記燃料電池に前記酸化剤ガスを供給する第1酸化剤ガス供給部と、
前記燃料電池及び前記燃料ガス供給部を連通する燃料ガス供給経路と、
前記燃料電池及び前記第1酸化剤ガス供給部を連通する第1酸化剤ガス供給経路と、
発電に使用しなかった残余燃料ガスを前記燃料電池から排出する燃料ガス排出経路と、
発電に使用しなかった残余酸化剤ガスを前記燃料電池から排出する酸化剤ガス排出経路と、
前記燃料ガス供給部、前記第1酸化剤ガス供給部、前記燃料ガス供給経路上、前記第1酸化剤ガス供給経路上、前記燃料ガス排出経路又は前記酸化剤ガス排出経路に設けられた電磁式開閉弁と、
前記電磁式開閉弁に供給される流体の通流状態を検知する流体通流検知器と、
前記電磁式開閉弁に第1の通電量を供給することにより前記電磁式開閉弁を開弁する開弁動作状態、前記電磁式開閉弁に前記第1の通電量より小さい第2の通電量を供給することにより開弁状態を保持する開弁保持状態、及び、前記電磁式開閉弁への通電を停止する閉弁状態のうちのいずれかの状態に前記電磁式開閉弁を制御する制御部と、
を備え、
前記制御部は、前記電磁式開閉弁を前記開弁保持状態に制御し、かつ、前記流体通流検知器で検知される流体の通流状態が遮断されたと判断した場合に、前記電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給することを特徴とする燃料電池システム。
【請求項2】
前記制御部は、前記電磁式開閉弁を前記開弁保持状態に制御し、かつ、前記流体通流検知器で検知される流体の通流状態が遮断されたと判断した場合に、前記電磁式開閉弁に第1の通電量を供給することを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
【請求項3】
前記流体通流検知器とは前記電磁式開閉弁に供給される前記流体の流量を検知する流量計であり、流体の通流状態が遮断されたと判断した場合とは、前記流量計で検知される流体の流量が所定の流量範囲を外れた場合である請求項1または請求項2のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項4】
前記制御部は前記流量計で検知される流体の流量が目標の値となるようにフィードバック制御を行ない、かつ、前記流量計で検知される流体の流量が前記所定の流量範囲を外れたか否かを第1の周期で検知し、前記第1の周期より長い第2の周期で前記フィードバック制御を行う、請求項3記載の燃料電池システム。
【請求項5】
前記制御部は前記流量計で検知される流体の流量が目標の値となるようにフィードバック制御を行ない、かつ、前記電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給する期間は前記フィードバック制御を中断することを特徴とする請求項3記載の燃料電池システム。
【請求項6】
前記制御部は前記流量計で検知される流体の流量が目標の値となるようにフィードバック制御を行ない、かつ、前記電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給開始してから所定の期間は前記フィードバック制御を中断することを特徴とする請求項3記載の燃料電池システム。
【請求項7】
前記燃料ガス供給部は、原料ガス及び水を用いて前記燃料ガスを生成する燃料処理部と、前記燃料処理部に原料ガスを供給する原料ガス供給経路と、を有し、
前記電磁式開閉弁は、前記燃料ガス供給経路上、前記燃料ガス排出経路上又は前記原料
ガス供給経路上に設けられ、
前記流量計は、前記燃料ガス供給経路上又は前記原料ガス供給経路上に設けられ、
前記流量計で検知される流体の流量が所定の流量範囲を外れた場合とは、前記流量計で検知されるガスの流量が所定の流量以下になる場合である、請求項3から請求項6のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項8】
前記電磁式開閉弁は、前記第1酸化剤ガス供給経路上又は前記酸化剤ガス排出経路上に設けられ、
前記流量計は、前記第1酸化剤ガス供給経路上に設けられ、
前記流量計で検知される流体の流量が所定の流量範囲を外れた場合とは、前記流量計で検知されるガスの流量が所定の流量以下になる場合である、請求項3から請求項6のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項9】
前記燃料ガス供給部は、原料ガス、水及び酸化剤ガスを用いて前記燃料ガスを生成する燃料処理部と、前記燃料処理部に酸化剤ガスを供給する第2酸化剤ガス供給部と、前記燃料処理部及び前記第2酸化剤ガス供給部を連通する第2酸化剤ガス供給経路を有し、
前記電磁式開閉弁は、前記第2酸化剤ガス供給経路上、前記燃料ガス供給経路または前記燃料ガス排出流路上に設けられ、
前記流量計は、前記第2酸化剤ガス供給経路上に設けられ、
前記流量計で検知される流体の流量が所定の流量範囲を外れた場合とは、前記流量計で検知されるガスの流量が所定の流量以下になる場合である、請求項3から請求項6のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項10】
前記燃料ガス供給部は、原料ガス、水及び酸化剤ガスを用いて前記燃料ガスを生成する燃料処理部を有し、
前記第1酸化剤ガス供給部は、前記第1酸化剤ガス供給経路から分岐して前記燃料処理部に酸化剤ガスを供給する第2酸化剤ガス供給経路を有し、
前記電磁式開閉弁は、前記第1酸化剤ガス供給経路のうちの分岐より下流側の経路上又は前記酸化剤ガス排出経路上に設けられ、
前記流量計は、前記第2酸化剤ガス供給経路上に設けられ、
前記流量計で検知される流体の流量が所定の流量範囲を外れた場合とは、前記流量計で検知されるガスの流量が所定の流量以上になる場合である、請求項3から請求項6のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項11】
前記燃料ガス供給部は、原料ガス及び水を用いて前記燃料ガスを生成する燃料処理部と、前記燃料処理部に水を供給する水供給経路と、を有し、
前記電磁式開閉弁は、前記燃料ガス供給経路上、前記燃料ガス排出経路上又は前記水供給経路上に設けられ、
前記流量計は、前記燃料ガス供給経路上又は前記水供給経路上に設けられ、
前記流量計で検知される流体の流量が所定の流量範囲を外れた場合とは、前記流量計で検知される前記水供給経路を通流する水の流量、または前記流量計で検知される前記燃料ガス供給経路または前記燃料ガス排出流路を通流するガスの流量が所定の流量以下になる場合である、請求項3から請求項6のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項12】
前記流体通流検知器とは前記電磁式開閉弁の供給側または排出側の前記流体の圧力を検知する圧力計であり、流体の通流状態が遮断されたと判断した場合とは、前記圧力計で検知される流体の圧力が所定の圧力範囲を外れた場合である請求項1または請求項2のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項13】
前記電磁式開閉弁に供給される前記流体の流量を検知する流量計を備え、
前記制御部は前記流量計で検知される流体の流量が目標の値となるようにフィードバック制御を行ない、かつ、前記圧力計で検知される流体の圧力が前記所定の圧力範囲を外れたか否かを第1の周期で検知し、前記第1の周期より長い第2の周期で前記フィードバック制御を行う、請求項12記載の燃料電池システム。
【請求項14】
前記電磁式開閉弁に供給される前記流体の流量を検知する流量計を備え、
前記制御部は前記流量計で検知される流体の流量が目標の値となるようにフィードバック制御を行ない、かつ、前記電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給する期間は前記フィードバック制御を中断することを特徴とする請求項12記載の燃料電池システム。
【請求項15】
前記電磁式開閉弁に供給される前記流体の流量を検知する流量計を備え、
前記制御部は前記流量計で検知される流体の流量が目標の値となるようにフィードバック制御を行ない、かつ、前記電磁式開閉弁に第2の通電量より大きい通電量を供給開始してから所定の期間は前記フィードバック制御を中断することを特徴とする請求項12記載の燃料電池システム。
【請求項16】
前記燃料ガス供給部は、原料ガス及び水を用いて前記燃料ガスを生成する燃料処理部と、前記燃料処理部に原料ガスを供給する原料ガス供給経路と、を有し、
前記電磁式開閉弁は、前記燃料ガス供給経路上、前記燃料ガス排出経路上又は前記原料ガス供給経路上に設けられ、
前記圧力計は、前記燃料ガス供給経路上又は前記原料ガス供給経路上に設けられ、
前記圧力計で検知される流体の圧力が所定の圧力範囲を外れた場合とは、前記圧力計で検知される前記電磁式開閉弁の供給側のガスの圧力が第1の所定の圧力以上になる、または、前記圧力計で検知される前記電磁式開閉弁の排出側のガスの圧力が第2の所定の圧力以下になる場合である、請求項12から請求項15のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項17】
前記電磁式開閉弁は、前記第1酸化剤ガス供給経路上又は前記酸化剤ガス排出経路上に設けられ、
前記圧力計は、前記第1酸化剤ガス供給経路上に設けられ、
前記圧力計で検知される流体の圧力が所定の圧力範囲を外れた場合とは、前記圧力計で検知される前記電磁式開閉弁の供給側のガスの圧力が第1の所定の圧力以上になる、または、前記圧力計で検知される前記電磁式開閉弁の排出側のガスの圧力が第2の所定の圧力以下になる場合である、請求項12から請求項15のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項18】
前記燃料ガス供給部は、原料ガス、水及び酸化剤ガスを用いて前記燃料ガスを生成する燃料処理部と、前記燃料処理部に酸化剤ガスを供給する第2酸化剤ガス供給部と、前記燃料処理部及び前記第2酸化剤ガス供給部を連通する第2酸化剤ガス供給経路を有し、
前記電磁式開閉弁は、前記第2酸化剤ガス供給経路上、前記燃料ガス供給経路または前記燃料ガス排出流路上に設けられ、
前記圧力計は、前記第2酸化剤ガス供給経路上に設けられ、
前記圧力計で検知される流体の圧力が所定の圧力範囲を外れた場合とは、前記圧力計で検知される前記電磁式開閉弁の供給側のガスの圧力が第1の所定の圧力以上になる、または、前記圧力計で検知される前記電磁式開閉弁の排出側のガスの圧力が第2の所定の圧力以下になる場合である、請求項12から請求項15のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項19】
前記燃料ガス供給部は、原料ガス、水及び酸化剤ガスを用いて前記燃料ガスを生成する
燃料処理部を有し、
前記第1酸化剤ガス供給部は、前記第1酸化剤ガス供給経路から分岐して前記燃料処理部に酸化剤ガスを供給する第2酸化剤ガス供給経路を有し、
前記電磁式開閉弁は、前記第1酸化剤ガス供給経路のうちの分岐より下流側の経路上又は前記酸化剤ガス排出経路上に設けられ、
前記圧力計は、前記第2酸化剤ガス供給経路上に設けられ、
前記圧力計で検知される流体の圧力が所定の圧力範囲を外れた場合とは、前記圧力計で検知されるガスの圧力が所定の圧力以上になる場合である、請求項12から請求項15のいずれかに記載の燃料電池システム。
【請求項20】
前記燃料ガス供給部は、原料ガス及び水を用いて前記燃料ガスを生成する燃料処理部と、前記燃料処理部に水を供給する水供給経路と、を有し、
前記電磁式開閉弁は、前記燃料ガス供給経路上、前記燃料ガス排出経路上又は前記水供給経路上に設けられ、
前記圧力計は、前記燃料ガス供給経路上又は前記水供給経路上に設けられ、
前記圧力計で検知される流体の圧力が所定の圧力範囲を外れた場合とは、
前記圧力計で検知される前記電磁式開閉弁の供給側のガスまたは水の圧力が第1の所定の圧力以上になる、または、前記圧力計で検知される前記電磁式開閉弁の排出側のガスまたは水の圧力が第2の所定の圧力以下になる場合である、請求項12から請求項15のいずれかに記載の燃料電池システム。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate


【公開番号】特開2012−226987(P2012−226987A)
【公開日】平成24年11月15日(2012.11.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−93734(P2011−93734)
【出願日】平成23年4月20日(2011.4.20)
【出願人】(000005821)パナソニック株式会社 (73,050)
【Fターム(参考)】