説明

燃料電池用燃料酸化触媒とその製造方法、燃料電池システムの改質部及び燃料電池システム

【課題】活性に優れ、低温で燃料の酸化触媒反応を起こす燃料電池用燃料酸化触媒とその製造方法、燃料電池システムの改質部及び燃料電池システムを提供する。
【解決手段】本発明は、燃料酸化触媒、その製造方法、これを含む改質部、及びこれを含む燃料電池システムに関し、前記燃料酸化触媒はCeO、MO(ここで、Mは遷移金属である。)、及びCuOを含む金属酸化物を含む。前記燃料酸化触媒は、貴金属を含まなくても、燃料の酸化触媒反応に対する活性が優れて、低温で燃料の酸化触媒反応が起こる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池用燃料酸化触媒とその製造方法、燃料電池システムの改質部及び燃料電池システムに関し、より詳細には、活性に優れ、低温で燃料の酸化触媒反応を起こす燃料電池用燃料酸化触媒とその製造方法、燃料電池システムの改質部及び燃料電池システムに関する。
【背景技術】
【0002】
燃料電池(Fuel Cell)は、炭化水素系の燃料を利用して、電気エネルギーを発生する発電システムで構成される。
【0003】
このような燃料電池は、高分子電解質型燃料電池(Polymer Electrolyte Membrane Fuel Cell)と、直接酸化型燃料電池に区分される。
【0004】
この中で高分子電解質型燃料電池は、出力特性が優れて、作動温度が低く、速い始動及び応答特性のため、自動車のような移動用電源はもちろん、住宅、公共建物のような分散用電源、及び電子機器用のような小型電源など、その応用範囲が広い長所を有する。
【0005】
このような高分子電解質型燃料電池方式を採用した燃料電池システムは、スタック(stack)と呼ばれる燃料電池本体(以下、「スタック」という。)と、燃料を改質して、水素を含有する改質ガスを発生させ、この改質ガスをスタックに供給する燃料改質部と、酸化剤をスタックに供給するための酸化剤供給部を備える。従って、スタックでは燃料改質部から供給される改質ガス、及び酸化剤供給部から供給される酸化剤の電気化学的反応によって、電気エネルギーを発生させる。
【0006】
【特許文献1】米国特許第5139994号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
この中で、燃料改質部は、燃料酸化触媒による燃料の酸化方式で熱エネルギーを発生させる熱源部と、この熱エネルギーを利用した燃料の改質反応によって、改質ガスを発生させる改質反応部を含んで構成される。しかしながら、従来の燃料改質部における熱源部では、高温で燃料酸化触媒による気体燃料の酸化触媒反応が起こるため、燃料酸化触媒を高温に予熱しなければならない。従って、燃料電池システムの熱効率及び作動開示時間の遅延が問題となっている。また、特許文献1には、低温でも燃料の酸化反応が起こるPt触媒の製造方法について開示されているが、前記Pt触媒は値段が高いという短所がある。
【0008】
そこで、本発明は、このような問題に鑑みてなされたもので、その目的は、活性に優れ、低温で燃料の酸化触媒反応を起こすことが可能な、新規かつ改良された燃料電池用燃料酸化触媒とその製造方法、および、この酸化触媒を含む燃料電池システムの改質部及び燃料電池システムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明のある観点によれば、CeO、MO(ここで、Mは遷移金属である。)、及びCuOを含む金属酸化物を含有する燃料電池用燃料酸化触媒が提供される。
【0010】
前記Mは、Ni、Co、Fe、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよく、前記Mは、Feであってもよい。
【0011】
前記燃料酸化触媒は、前記CeOを10〜30質量%含有し、前記MOを0.1〜5質量%含有し、前記CuOを1〜10質量%含有してもよい。
【0012】
前記金属酸化物は、ZrOを更に含んでもよい。
【0013】
前記金属酸化物は、前記ZrOを5〜20質量%含有し、前記CeOを5〜20質量%含有し、前記MOを0.1〜5質量%、前記CuOを1〜10質量%含有してもよい。
【0014】
前記金属酸化物は、Al、TiO、SiO、コージェライト(cordierite)、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される担体に担持された物質であってもよい。
【0015】
上記課題を解決するために、本発明の別の観点によれば、白金系金属と、CeO、MO(ここで、Mは遷移金属である。)、及びCuOを含む金属酸化物と、を含む燃料電池用燃料酸化触媒が提供される。
【0016】
前記Mは、Ni、Co、Fe、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよく、前記Mは、Niであってもよい。
【0017】
前記白金系金属は、Pt、Pd、Ru、Rh、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよい。
【0018】
前記白金系金属は0.1〜50質量%含有され、前記CeOは10〜30質量%含有され、前記MOは0.1〜2質量%含有され、前記CuOは1〜10質量%含有されてもよい。
【0019】
前記金属酸化物は、ZrOを更に含んでもよい。
【0020】
前記金属酸化物は、前記白金系金属を0.1〜50質量%含有し、前記ZrOを5〜20質量%含有し、前記CeOを5〜20質量%含有し、前記MOを0.1〜2質量%含有し、前記CuOを1〜10質量%含有してもよい。
【0021】
前記金属酸化物は、Al、TiO、SiO、コージェライト、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される担体に担持されていてもよい。
【0022】
上記課題を解決するために、本発明の更に別の観点によれば、Ce前駆体およびM前駆体(ここで、Mは遷移金属である。)をCuが含まれている溶液に溶かした後に、加熱して金属酸化物を製造する段階を含む燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法が提供される。
【0023】
前記Ce前駆体は、Ceナイトレート、アムモニウムCeナイトレート、Ceアセテート、Ceクロライド、これらの水和物、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよい。
【0024】
前記M前駆体は、Mナイトレート、Mアセテート、Mクロライド、これらの水和物、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよい。
【0025】
前記Cuが含まれている溶液は、Cu前駆体を溶媒に溶かして製造してもよい。
【0026】
前記Cu前駆体は、Cuナイトレート、Cuアセテート、これらの水和物、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよい。
【0027】
前記Cu前駆体を溶かす溶媒は、水、メタノール、エタノール、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよい。
【0028】
前記Cuが含まれている溶液にZr前駆体を添加する段階を更に含んでもよい。
【0029】
前記Zr前駆体は、Zrナイトレート、アムモニウムZrナイトレート、Zrアセテート、Zrクロライド、これらの水和物、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよい。
【0030】
前記Cuが含まれている溶液に担体を添加する段階を更に含んでもよい。
【0031】
前記担体は、Al、TiO、SiO、コージェライト、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよい。
【0032】
前記加熱は、100〜200℃で実施してもよく、前記加熱は、1〜3時間実施してもよい。
【0033】
前記金属酸化物を仮焼する段階を更に含んでもよい。ここで、前記金属酸化物の仮焼は、450〜550℃で実施してもよく、前記金属酸化物の仮焼は、1〜3時間実施してもよい。
【0034】
白金系金属前駆体が含まれている溶液に前記金属酸化物を添加し、加熱する段階を更に含んでもよい。
【0035】
前記白金系金属前駆体は、HPtCl、Pt(C、HClPt、PtCl、PtBr、PdCl、Pd(C、Pd(C、RuCl、Ru(C、(NHRuCl、(NHRhCl、[Rh(CHCOO)、Rh(HO)(NO、これらの水和物、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよい。
【0036】
前記白金系金属前駆体を溶かす溶媒は、水、N、N−ジメチルホルムアミド(N、N−Dimethylformamide)、N、N−ジメチルメタンアミド(N、N−dimethylmethanamide)、メタノール、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよい。
【0037】
前記加熱は、100〜200℃で実施してもよく、前記加熱は、15〜45分間実施してもよい。
【0038】
前記酸化触媒を製造した後、酸化触媒を仮焼する段階を更に含んでもよい。前記酸化触媒の仮焼は、650〜750℃で実施してもよく、前記酸化触媒の仮焼は、0.5〜2時間実施してもよい。
【0039】
上記課題を解決するために、本発明の更に別の観点によれば、燃料と酸化剤の酸化触媒反応を通して熱を発生させる熱源部、及び改質触媒反応を通して燃料から水素ガスを発生させる改質反応部を含み、前記燃料酸化触媒は、CeO、MO(ここで、Mは遷移金属である。)、及びCuOを含む金属酸化物を含む燃料電池システムの改質部が提供される。
【0040】
前記Mは、Ni、Co、Fe、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよい。
【0041】
前記金属酸化物は、ZrOを更に含んでもよい。また、前記燃料酸化触媒は、白金系金属を更に含んでもよい。前記白金系金属は、Pt、Pd、Ru、Rh、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよい。
【0042】
前記燃料酸化触媒は、ZrOを更に含んでもよい。
【0043】
前記金属酸化物は、Al、TiO、SiO、コージェライト、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される担体に担持された物質であってもよい。
【0044】
上記課題を解決するために、本発明の更に別の観点によれば、燃料と酸化剤の酸化触媒反応を通して熱を発生させる熱源部、及び改質触媒反応を通して燃料から水素ガスを発生させる改質反応部を含み、前記燃料酸化触媒はCeO、MO(ここで、Mは遷移金属である。)、及びCuOを含む金属酸化物を含む燃料電池システムの改質部と、水素ガスと酸化剤が供給されて、電気エネルギーを発生させる少なくとも一つの電気発生部と、燃料を前記改質部、及び電気発生部に供給する燃料供給部と、酸化剤を前記改質部、及び電気発生部に供給する酸化剤供給部と、を含む燃料電池システムが提供される。
【0045】
前記Mは、Ni、Co、Fe、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよい。
【0046】
前記金属酸化物は、ZrOを更に含んでもよい。また、前記燃料酸化触媒は、白金系金属を更に含んでもよい。前記白金系金属は、Pt、Pd、Ru、Rh、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されてもよい。
【0047】
前記燃料酸化触媒は、ZrOを更に含んでもよい。
【0048】
前記金属酸化物は、Al、TiO、SiO、コージェライト、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される担体に担持された物質であってもよい。
【発明の効果】
【0049】
本発明の燃料酸化触媒は、酸化剤保存能力に優れるとともに、燃料と酸化剤の酸化触媒反応の活性に優れる。そのため、燃料電池システムの熱効率を向上させ、燃料電池システムの起動を速くすることが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0050】
以下に添付図面を参照しながら、本発明の好適な実施の形態について詳細に説明する。なお、本明細書及び図面において、実質的に同一の機能構成を有する構成要素については、同一の符号を付することにより重複説明を省略する。
【0051】
本発明の一実施形態に係る燃料酸化触媒は、CeO、MO及びCuOを含む金属酸化物を含む。前記Mは、遷移金属を表し、望ましい例として、例えば、Ni、Co、Fe、及びこれらの組み合わせからなる金属を使用でき、Feを最も望ましく用いられる。
【0052】
前記CeO、MO及びCuOを含む金属酸化物は、酸化剤保存所としての役割を果たす。つまり、前記金属酸化物は、燃料と酸化剤の酸化触媒反応時に燃料に酸化剤を提供する役割を果たす。前記金属酸化物には、酸化剤が豊富に含まれていて、前記燃料と酸化剤の酸化触媒反応速度を増加させ、低温でも酸化触媒反応を起こす。
【0053】
従来の熱源部において、貴金属を含まない燃料酸化触媒は、燃料の酸化触媒反応が最小373℃で始まる。従って、燃料の酸化触媒反応のためには、燃料酸化触媒を前記温度まで予熱しなければならない。そのため、燃料電池システムが正常に出力するためには一定時間の遅延が避けられない。
【0054】
しかし、本実施形態に係る燃料酸化触媒を使用する熱源部の場合、貴金属を含有しなくても最小340℃で燃料の酸化触媒反応が発生し、燃料電池システムの熱効率を向上できる。このような低温でも燃料の酸化触媒反応が起こるため、燃料が供給された後には短時間で燃料の酸化触媒反応が始まる。
【0055】
前記の燃料酸化触媒は、例えば、CeOを10〜30質量%含有するのが望ましく、15〜25質量%含有することが更に望ましい。前記CeOの含有量が10質量%未満の場合、酸化剤の拡散濃度がとても低くて望ましくなく、30質量%を超える場合には燃料酸化触媒の気孔構造及び熱的安定性が急激に低下して望ましくない。
【0056】
前記燃料酸化触媒は、例えば、MOを0.1〜5質量%含有するのが望ましく、3.5〜4.5質量%含有することが更に望ましい。前記MOの含有量が0.1質量%未満の場合、MOを含むことによって発生する効果が微々であり、5質量%を超える場合には燃料酸化触媒の活性が低下して望ましくない。
【0057】
前記燃料酸化触媒は、例えば、CuOを1〜10質量%含有するのが望ましく、2.5〜5質量%含有することが更に望ましい。前記CuOの含有量が1質量%未満の場合、前記燃料酸化触媒の酸素保存能力が低くて望ましくなく、10質量%を超える場合には燃料酸化触媒の活性が低下して望ましくない。
【0058】
前記CeO、MO及びCuOを含む金属酸化物は、例えば、Al、TiO、SiO、コージェライト、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される担体に担持された物質が望ましく、Alに担持されたものが更に望ましい。
【0059】
前記金属酸化物が前記担体に担持される場合、前記燃料酸化触媒は、例えば、CeOを10〜30質量%、MOを0.1〜5質量%、CuOを1〜10質量%、担体を55〜88.9質量%含有するのが望ましい。前記担体の含有量が55質量%未満の場合、燃料酸化触媒の機械的強度が弱くて気孔度が小さくなり、88.9質量%を超える場合、前記金属酸化物の含有量が減って、燃料酸化触媒の活性が減少する問題が生じるため望ましくない。
【0060】
また、前記金属酸化物は、CeO、MO及びCuOの固溶体であるのが望ましい。前記金属酸化物が固溶体の場合、前記CeO、MO及びCuOが分子水準で均一に分散され、酸化剤を貯蔵する能力が更に向上して、酸化剤を燃料にさらに提供し易くなる。
【0061】
本発明の第2の実施形態に係る燃料酸化触媒は、例えば、ZrO、CeO、MO及びCuOを含む金属酸化物を含む。前記Mは遷移金属を言い、望ましい例として、Ni、Co、Fe、及びこれらの組み合わせからなる金属を使用でき、Feを最も望ましく用いられる。
【0062】
本実施形態に係る燃料酸化触媒は、ZrOを更に含むことによって、高温安定性が更に向上する。つまり、前記ZrOは、例えば800℃以上の高温であっても、触媒の表面活性物質が触媒内部に溶け込んで、触媒の活性サイトの崩壊を防止する役割を果たす。
【0063】
本実施形態に係る燃料酸化触媒は、例えば、ZrOを5〜20質量%、CeOを5〜20質量%、MOを0.1〜5質量%、CuOを1〜10質量%含有するのが望ましい。
【0064】
前記ZrOの含有量が5質量%未満の場合、燃料酸化触媒の高温安定性を向上させる効果が微々であり、20質量%を超える場合、燃料酸化触媒の活性が低下して望ましくない。
【0065】
本発明の第3の実施形態に係る燃料電池用燃料酸化触媒は、例えば、白金系金属、及びCeO、MO、及びCuOを含む金属酸化物を含む。前記Mは遷移金属を表し、望ましい例として、Ni、Co、またはFeがあって、Niが最も望ましい。
【0066】
前記CeO、MO、及びCuOを含む金属酸化物は、酸化剤保存所としての役割を果たす。つまり、燃料と酸化剤の酸化触媒反応時に、白金系金属に酸化剤を提供する役割を果たす。前記燃料と酸化剤の酸化触媒反応時の前記燃料は、白金系金属から酸化剤が供給されて、酸化される。前記白金系金属は、前記金属酸化物から酸化剤が供給される。前記金属酸化物には酸化剤が豊富に含まれていて、前記燃料と酸化剤の酸化触媒反応速度を増加させる。
【0067】
本実施形態に係る燃料酸化触媒を用いる熱源部の場合、前記燃料酸化触媒を用いることによって、最小180℃でも燃料の酸化反応が起こり、熱効率を大きく向上する。このような低温でも燃料の酸化触媒反応が起こるため、燃料が供給された後には短時間で燃料の酸化触媒反応が始まる。
【0068】
前記白金系金属は、前記金属酸化物によってコーティングされてもよい。しかし、前記燃料酸化触媒の形状がこれに限定されるのではない。
【0069】
前記白金系金属は、前記燃料と前記酸化剤の酸化触媒反応に対する活性がある物質であれば、いずれも使用できるが、例えば、Pt、Pd、Ru、Rh、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される物質を用いるのが望ましく、Ptを用いるのが更に望ましい。
【0070】
本発明の燃料酸化触媒に含まれているMOの含有量は、例えば、0.1〜2質量%であるのが望ましく、0.1〜0.4質量%であるのが更に望ましい。MOの含有量が0.1質量の未満の場合、MOを含む効果が微々であり、2質量%を超える場合には活性が低下して望ましくない。
【0071】
前記燃料酸化触媒は、例えば、CeOを10〜30質量%含有するのが望ましく、15〜25質量%含有するのが更に望ましい。CeOの含有量が10質量%未満の場合、酸素拡散濃度が低くて望ましくなく、30質量%を超える場合には、気孔構造及び熱的安定性が急激に低下して望ましくない。
【0072】
前記燃料酸化触媒は、例えば、CuOを燃料酸化触媒全体に対して1〜10質量%含有するのが望ましく、2.5〜5質量%含有することが更に望ましい。CuOの含有量が1質量%未満の場合、前記燃料酸化触媒の酸素保存能力が低くて望ましくなく、10質量%を超える場合には燃料酸化触媒の活性が低下して望ましくない。
【0073】
前記燃料酸化触媒は、例えば、白金系金属を0.1〜50質量%含有するのが望ましい。前記白金系金属の含有量が0.1質量%未満の場合、燃料の酸化触媒反応の開始温度を最小180℃まで低下できず、50質量%を超える場合、酸化物の含有量が減少して、触媒の酸素保存能力が大きく増加せず、触媒の値段が高くなる問題がある。
【0074】
本発明の第4の実施形態に係る燃料酸化触媒は、例えば、白金系金属、及びZrO、CeO、MO、及びCuOを含む金属酸化物を含む。前記Mは遷移金属を表し、望ましい例として、例えば、Ni、Co、Fe、及びこれらの組み合わせからなる金属を使用でき、Niを最も望ましく使用できる。
【0075】
本実施形態に係る燃料酸化触媒は、ZrOを更に含むことによって、高温安定性が更に向上する。つまり、前記ZrOは、例えば800℃以上の高温であっても、触媒の表面活性物質が触媒内部に溶け込んで、触媒の活性サイトの崩壊を防止する役割を果たす。
【0076】
本実施形態に係る燃料酸化触媒は、例えば、白金系金属を0.1〜50質量%、ZrOを5〜20質量%、CeOを5〜20質量%、MOを0.1〜2質量%、CuOを1〜10質量%含有するのが望ましい。
【0077】
前記ZrOの含有量が5質量%未満の場合、燃料酸化触媒の高温安定性を向上させる効果がわずかであり、20質量%を超える場合、燃料酸化触媒の活性が低下して望ましくない。
【0078】
前記本発明の第1の実施形態に係る燃料酸化触媒は、Ce前駆体とM前駆体をCuが含まれている溶液に溶かした後に、加熱して金属酸化物を製造することにより製造できる。この時、前記金属酸化物を担体に担持させる場合、Cuが含まれている溶液に担体をさらに添加できる。
【0079】
前記Ce前駆体としては、例えば、Ceナイトレート、アムモニウムCeナイトレート、Ceアセテート、Ceクロライド、これらの水和物、またはこれらの混合物を使うのが望ましく、Ceナイトレート、アムモニウムCeナイトレート、これらの水和物、またはこれらの混合物を用いるのが更に望ましい。
【0080】
前記M前駆体としては、例えば、Mナイトレート、Mアセテート、Mクロライド、これらの水和物、またはこれらの混合物を使用でき、Ni(NO、Ni(OCOCH、NiCl、Fe(NO、Co(NO、これらの水和物、またはこれらの混合物を用いるのが更に望ましい。
【0081】
前記Cuが含まれている溶液は、Cu前駆体を溶媒に溶かして製造できる。前記Cu前駆体としては、例えば、Cuナイトレート、Cuアセテート、これらの水和物、またはこれらの混合物を使用できる。前記Cu前駆体を溶かす溶媒としては、水、メタノール、エタノール、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される物質が用いられる。
【0082】
前記担体は、例えば、Al、TiO、SiO、コージェライト及びこれらの組み合わせからなる群より選択される少なくとも一つであるのが望ましく、Alの場合が更に望ましい。
【0083】
前記加熱は、例えば、100〜200℃で実施するのが望ましく、110〜130℃で実施するのが更に望ましい。前記温度が100℃未満の場合、溶媒が完全に蒸発されず、200℃を超える場合、前記金属酸化物の多孔性構造が損傷される。
【0084】
また、前記加熱は、例えば、1〜3時間実施するのが望ましい。前記加熱の時間が1時間未満の場合、溶媒が完全に蒸発されず、3時間を超える場合、すでに金属酸化物が製造されて、工程費用及び時間を無駄に使うこととなる。
【0085】
前記燃料酸化触媒の製造方法は、製造された金属酸化物を仮焼(calcination)する段階を更に含むことができる。
【0086】
前記金属酸化物の仮焼は、例えば、450〜550℃で実施するのが望ましい。前記温度が450℃未満の場合、仮焼が完全に行われず、550℃を超える場合、前記金属酸化物の多孔性構造が損傷される。
【0087】
前記金属酸化物の仮焼は、例えば、1〜3時間行うのが望ましい。前記仮焼の時間が1時間未満の場合、仮焼が完全に行われず、3時間を超える場合、すでに仮焼が完了して、工程費用及び時間を無駄に使うこととなる。
【0088】
本発明の第2の実施形態に係る燃料電池用燃料酸化触媒は、Ce前駆体、M前駆体(ここで、Mは遷移金属)、Zr前駆体をCuが含まれている溶液に溶かした後に、加熱して金属酸化物を製造することにより製造できる。
【0089】
前記Zr前駆体は、例えば、Zrナイトレート、アムモニウムZrナイトレート、Zrアセテート、Zrクロライド、これらの水和物、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されることを望ましく使用できる。
【0090】
本発明の第3の実施形態に係る燃料電池用燃料酸化触媒は、白金系金属前駆体が含まれている溶液に前記製造された金属酸化物を添加して加熱して製造できる。
【0091】
前記白金系金属前駆体が含まれている溶液は、白金系金属前駆体を溶媒に溶かして、製造できる。
【0092】
前記白金系金属前駆体は、例えば、HPtCl、Pt(C、HClPt、PtCl、PtBr、PdCl、Pd(C、Pd(C、RuCl、Ru(C、(NHRuCl、(NHRhCl、[Rh(CHCOO)]、Rh(HO)(NO、これらの水和物、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されることを使用するのが望ましい。
【0093】
前記白金系金属前駆体を溶かす溶媒は、例えば、水、N、N-ジメチルホルムアミド(N、N-Dimethylformamide)、N、N-ジメチルメタンアミド(N、N-dimethylmethanamide)、メタノール、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される物質を用いるのが望ましい。
【0094】
前記加熱は、例えば、100〜200℃で行うのが望ましい。前記温度が100℃未満の場合、溶媒が完全に蒸発されず、200℃を超える場合、前記酸化触媒の多孔性構造が損傷を受ける。
【0095】
前記加熱は、例えば、15〜45分間の行うのが望ましい。前記加熱の時間が15分未満の場合、溶媒が完全に蒸発されることなく、45分を超える場合、すでに溶媒が蒸発されて、工程費用及び時間を無駄に使うこととなる。
【0096】
本発明の第4の実施形態に係る燃料電池用燃料酸化触媒は、白金系金属前駆体が含まれている溶液にZrO、CeO、MO、及びCuOを含む金属酸化物を添加して加熱して製造できる。
【0097】
前記酸化触媒の製造時、酸化触媒を製造した後、前記酸化触媒を仮焼させる工程をさらに含むのが望ましい。
【0098】
前記酸化触媒の仮焼は、例えば、650〜750℃の温度範囲で行うのが望ましい。前記温度が650℃未満の場合、仮焼が完全に行われず、750℃を超える場合、前記酸化触媒の多孔性構造が損傷を受ける。
【0099】
前記酸化触媒の仮焼は、例えば、0.5〜2時間行うのが望ましい。前記仮焼の時間が0.5時間未満の場合、仮焼が完全に行われず、2時間を超える場合、すでに仮焼が完了して、工程費用及び時間を無駄に使うこととなる。
【0100】
本発明はまた、燃料と酸化剤の酸化触媒反応を通して熱を発生させる熱源部と、改質触媒反応を通して燃料から水素ガスを発生させる改質反応部とを含む燃料電池システムの改質部を提供する。
【0101】
前記熱源部は、前記本発明の第1〜第4の実施形態に係る燃料酸化触媒、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される燃料酸化触媒を含むことが望ましい。
【0102】
本発明は、また、前記改質部と、水素ガスと酸化剤が供給されて、電気エネルギーを発生させる少なくとも一つの電気発生部と、燃料を前記改質部及び電気発生部に供給する燃料供給部と、酸化剤を前記改質部及び電気発生部に供給する酸化剤供給部と、を含む燃料電池システムを提供する。
【0103】
以下、添付図を参照して、本発明の一実施形態について本発明が属する技術分野で通常の知識を有する者が容易に実施できるように詳しく説明する。しかし、本発明は多様な形態に具現されながら、ここで説明する例に限られない。
【0104】
図1は、本発明の一実施形態に係る燃料電池システムの全体的な構成を概略的に示した図面であり、図2は、図1に示したスタックの構造を示した分解斜視図である。
【0105】
この図面を参照しながら、本実施形態に係る燃料電池システム100を説明する。この燃料電池システム100は、水素を含む燃料を改質して水素を発生させ、この水素と酸化剤が供給されて電気エネルギーを発生させる、高分子電解質型燃料電池(PEMFC)方式を採用する。
【0106】
前記燃料電池システム100における酸化剤は、水素と反応するガスであり、別途の保存空間に貯蔵された酸素または酸素を含む空気でもよい。
【0107】
本実施形態に係る燃料電池システム100は、改質部30を通して改質された改質ガスの酸化反応と酸化剤の還元反応を誘導して、電気エネルギーを発生させる電気発生部11と、燃料を改質部30に供給する燃料供給部50と、前記燃料を改質して、水素を発生させてこの水素を電気発生部11に供給する改質部30と、前記改質部30と電気発生部11に酸化剤を供給する酸化剤供給部70と、を備える。前記電気発生部11を積層して、スタック10を構成する。
【0108】
このような燃料電池システム100は、予め設定された出力量の電気エネルギーを所定ロード、例えば、ノートパソコン、PDAのような携帯用電子機器または移動通信端末機器に出力できる。
【0109】
前記改質部30は、改質触媒反応を通して水素を含む燃料から水素を発生させ、この水素をスタック10に供給する構造を有する。前記改質部30は、パイプライン等を通して、スタック10と連結設置できる。
【0110】
前記改質部30は、燃料供給部50と酸化剤供給部70から供給される燃料と酸化剤の酸化触媒反応を通して、所定の熱エネルギーを発生させる熱源部35と、前記熱源部35から発生される熱エネルギーを吸熱して、燃料供給部50から供給される燃料の改質触媒反応を通して、前記燃料から水素を発生させる改質反応部39と、を備える。また、選択的に、一酸化炭素を選択的に酸化させる一酸化炭素低減部を更に含むことができる。
【0111】
この時、改質部30の熱源部35及び改質反応部39は、各々独立的に形成して、通常の連結装置を通して連結された分離型に製作したり、または、内部に熱源部35が位置して、外部に改質反応部39が位置する2重管路の一体型に製作したりすることができる。
【0112】
前記熱源部35は、反応器本体と、この反応器本体に形成される燃料酸化触媒とを備える。前記反応器本体は、多様な形態に製作され、望ましくは所定の内部空間を有する容器タイプに形成する。
【0113】
前記燃料酸化触媒は、例えば、CeO、MO(ここで、Mは遷移金属である。)、及びCuOを含む金属酸化物を含み、白金系金属を更に含むことができる。また前記金属酸化物は、ZrOを更に含むことができる。
【0114】
前記改質反応部39は、反応器本体と、この反応器本体に形成される改質触媒と、を備える。前記反応器本体は多様な形態に製作でき、望ましくは所定の内部空間を有する容器タイプに形成できる。
【0115】
前記改質触媒は、熱源部35から発生される熱エネルギーを吸熱して、前記燃料の改質反応を促進させるための物であり、例えば、アルミナ(Al)、シリカ(SiO)またはチタン合金(TiO)からなるペレット(pellet)状の担体にニッケル(Ni)、白金(Pt)、ルテニウム(Ru)、銀(Au)、パラジウム(Pd)、銅(Cu)、亜鉛(Zn)及び銅-亜鉛合金(Cu-Zn)からなる群より選択された1種以上の触媒が担持された構造からなる。
【0116】
このような改質触媒は、反応器本体が反応基板に構成される場合、前記チャンネルの耐表面に形成でき、前記反応器本体が容器タイプからなる場合、ペレット(pellet)またはハニカム(honeycomb)タイプで形成されて反応器本体の内部空間に充填されるのが望ましい。
【0117】
前記の改質部30に燃料を供給する燃料供給部50は、燃料を貯蔵する燃料タンク51と、この燃料タンク51に連結設置されて、前記燃料タンク51から燃料を排出させる燃料ポンプ53を含む。この時、前記燃料タンク51は、改質部30の熱源部35及び改質反応部39とパイプラインを通して連結設置される。
【0118】
酸化剤供給部70は、所定のポンピングパワーで酸化剤を吸入して、この酸化剤をスタック10の電気発生部11及び前記熱源部35に各々供給する酸化剤ポンプ71を含む。前記酸化剤供給部70は、図のように、単一の酸化剤ポンプ71を通して、スタック10と熱源部35に酸化剤を供給する構造からなっているが、これに限定されずに前記スタック10及び熱源部35と各々連結設けられる一体の酸化剤ポンプを備えることもできる。
【0119】
前述のように構成される前記燃料電池システム100の作用時、改質部30から発生される水素をスタック10の電気発生部11に供給し、酸化剤を前記電気発生部11に供給すると、このスタック10では水素の酸化反応、及び酸化剤の還元反応の電気化学的な反応を通して、予め設定された出力量の電気エネルギーと水と熱を発生させる。
【0120】
一方、前記燃料電池システム100は、別途に設けられた通常のコントロールユニット(図示せず。)によって、システムの全般的な駆動、例えば、燃料供給部50及び酸化剤供給部70等の稼動を制御できる。
【0121】
図2に示したように、前記スタック10は、電気発生部11を積層して構成する。前記電気発生部11は、膜−電極接合体(MEA)12を中心に置いて、その両面にセパレータ16(または二極式プレートという)を配置して、最小単位の燃料電池を形成する。
【0122】
ここで前記膜−電極接合体12は、水素の還元反応、及び酸化剤の還元反応の電気化学反応を起こす所定面積の活性領域を有し、一面にアノード電極、他面にカソード電極を備え、二つの電極の間に電解質膜を備えた構造からなる。
【0123】
ここで前記アノード電極は、水素を酸化反応させて、水素イオン(プロトン)と電子に変換させるよう機能し、カソード電極は前記水素イオンと酸化剤を還元反応させて、所定温度の熱と水分を発生させるよう機能する。また、電解質膜は、アノード電極から生成された水素イオンをカソード電極に移動させるイオン交換の機能をする。そして、セパレータ16は、膜−電極接合体12の両側に水素と酸化剤を供給する機能以外に、前記アノード電極とカソード電極を直列接続させる伝導体の機能もする。
【0124】
このようなスタック10の構成は、通常の高分子電解質形燃料電池のスタック構成でされるため、本明細書では詳しい説明を省略する。
【実施例】
【0125】
<実験例1:金属酸化物を含む燃料酸化触媒の製造>
(実施例1)
0.307gのCu(NO・3HOを6mlの水に溶かして、Cu水溶液を製造した。5.050gのCe(NO・6HO、及び2.062gのFe(NO・6HOを前記Cu水溶液に溶かして、混合溶液を製造した。前記混合溶液に7.5gのAlを添加した。前記Alは、平均粒径が3mmであった。前記Alが添加された混合溶液を掻き回しながら、30分間の混合溶液をAlに含浸させた。前記含浸されたAlを120℃で2時間加熱させて、燃料酸化触媒を製造した。前記製造された燃料酸化触媒を500℃で1時間仮焼させた。
【0126】
前記製造された燃料酸化触媒は、CeOを20質量%、Feを4質量%、CuOを1質量%、及びAlを75質量%含有した。
【0127】
(実施例2)
燃料酸化触媒がCeOを10質量%、Feを4質量%、CuOを1質量%、及びAlを85質量%含有するように、前駆体の含有量を調節したのを除いて、実施例1と同様に実施して、燃料酸化触媒を製造した。
【0128】
(実施例3)
燃料酸化触媒がCeOを30質量%、Feを4質量%、CuOを1質量%、及びAlを65質量%含有するように、前駆体の含有量を調節したのを除いて、実施例1と同様に実施して、燃料酸化触媒を製造した。
【0129】
(実施例4)
燃料酸化触媒がCeOを20質量%、Feを0.1質量%、CuOを1質量%、及びAlを78.9質量%含有するように、前駆体の含有量を調節したのを除いて、実施例1と同様に実施して、燃料酸化触媒を製造した。
【0130】
(実施例5)
燃料酸化触媒がCeOを20質量%、Feを2質量%、CuOを1質量%、及びAlを77質量%含有するように、前駆体の含有量を調節したのを除いて、実施例1と同様に実施して、燃料酸化触媒を製造した。
【0131】
(実施例6)
燃料酸化触媒がCeOを20質量%、Feを5質量%、CuOを1質量%、及びAlを74質量%含有するように、前駆体の含有量を調節したのを除いて、実施例1と同様に実施して、燃料酸化触媒を製造した。
【0132】
(実施例7)
燃料酸化触媒がCeOを20質量%、Feを4質量%、CuOを5質量%、及びAlを71質量%含有するように、前駆体の含有量を調節したのを除いて、実施例1と同様に実施して、燃料酸化触媒を製造した。
【0133】
(実施例8)
燃料酸化触媒がCeOを20質量%、Feを4質量%、CuOを10質量%、及びAlを66質量%含有するように、前駆体の含有量を調節したのを除いて、実施例1と同様に実施して、燃料酸化触媒を製造した。
【0134】
(実施例9)
Fe(NO・6HOの代わりにNi(NO・HOを使って、CeOを20質量%、NiOを4質量%、CuOを1質量%、及びAlを75質量%含有するように、前駆体の含有量を調節したのを除いて、実施例1と同様に実施して、燃料酸化触媒を製造した。
【0135】
(実施例10)
Fe(NO・HOの代わりにCo(NO・HOを使って、CeOを20質量%、Coを4質量%、CuOを1質量%、及びAlを75質量%含有するように、前駆体の含有量を調節したのを除いて、実施例1と同様に実施して、燃料酸化触媒を製造した。
【0136】
(比較例1〜9)
比較例1〜9は、Liottaの論文(Co/CeOcomposite oxides for methane emissions abatement:Relationship between Co-CeO2 interaction and catalytic activity Applied Catalysis B:Environmental、Volume66、Issues3-4、20 July 2006、Pages 217-227、L.F.Liottaら)に記載された触媒を用いた。
【0137】
比較例1はCoを使用し、比較例2は400℃で4時間熱処理したCoを用いた。比較例3〜7は、Co及びCeOを含む触媒(以下、Co/CeOと表す)を使用し、各々Coを触媒全体に対して5、15、30、50、70質量%含有した。比較例8は、Coを触媒全体に対して30質量%含有するCo/CeOを400℃で4時間熱処理した触媒を用いた。比較例9はCeOを用いた。
【0138】
<実験例1の燃料酸化触媒を含む熱源部の製造及び性能測定>
ステンレススチール(stainless steal材質)の管状の反応器(GMS1000、Sunyoung Sys-Tech社 製品)に前記実施例1〜10で製造された燃料酸化触媒を8ml充填した。前記燃料酸化触媒を充填した反応器に空気を2l/minに供給しながら、500℃で加熱した。その後、反応器を340℃に冷却させた後、燃料及び空気を供給しながら、前記温度で燃料の酸化触媒反応が始まるのかの可否を観察した。前記燃料では、イソブタン(iso-butane)が35体積%、ノーマルブタン(n-butane)が50体積%、Cが15体積%含有されたのを用いて、燃料は279.1ml/minに供給し、空気は2000ml/minに供給した。
【0139】
実施例1による燃料酸化触媒を用いた反応器の内部の温度変化を図3に示した。図3を参照すると、340℃で燃料の酸化触媒反応が始まることが分かる。
【0140】
また、実施例2〜10の燃料酸化触媒を用いた反応器の場合にも、実施例1の燃料酸化触媒を用いた反応器の内部温度変化と類似の温度変化を表すことが分かる。
【0141】
前記比較例1〜9による燃料酸化触媒を各々U字型反応器に50mgに充填し、前記反応器に0.3体積%のCH及び0.6体積%のOを含有する混合燃料を50ml/minの流量に供給しながら燃料酸化触媒反応の開始温度を測定した。
【0142】
下記表1に実施例1による燃料酸化触媒の燃料酸化触媒を用いた反応器の燃料酸化反応開始温度、及び比較例1〜9による燃料酸化触媒の種類及び燃料酸化触媒反応開始温度を整理した。
【0143】
【表1】

【0144】
表1を参照すると、実施例1による燃料酸化触媒の燃料酸化触媒反応開始温度が比較例1〜9による燃料酸化触媒の燃料酸化触媒反応開始温度より低いことが分かる。
【0145】
<実験例2:金属酸化物及び白金系金属を含む燃料酸化触媒の製造>
(実施例11)
10.60gのCe(NO・6HO、及び0.0778gのNi(NO・6HOを7.4mlのCu水溶液(162.34gのCu(NO・3HOを500mlの水に溶かして、製造した。)に溶かして混合溶液を製造した。前記混合溶液に14.84gのAlを添加した。前記Alが添加された混合溶液を掻き回しながら、100℃で加熱させて水を蒸発させて、金属酸化物190.068gを製造した。前記金属酸化物を500℃で1時間仮焼(calcinate)させた。
【0146】
3gのHPtCl・HOを10mlの水に溶かして、白金系金属前駆体が含まれている溶液を製造した。前記白金系金属前駆体が含まれている溶液1.589mlに前記製造された金属酸化物を190.068g添加し、150℃で30分間加熱した後、冷却して、酸化触媒を製造した。前記酸化触媒を650℃で1.5時間仮焼させた。前記酸化触媒は、Ptを1質量%、NiOを0.1質量%、CuOを4質量%、CeOを21質量%、及びAlを73.9質量%含有した。
【0147】
(実施例12)
Ptを0.1質量%、NiOを0.1質量%、CuOを4質量%、CeOを21質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例11と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0148】
(実施例13)
Ptを10質量%、NiOを0.1質量%、CuOを4質量%、CeOを21質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例11と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0149】
(実施例14)
Ptを20質量%、NiOを0.1質量%、CuOを4質量%、CeOを21質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例11と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0150】
(実施例15)
Ptを30質量%、NiOを0.1質量%、CuOを4質量%、CeOを21質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例11と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0151】
(実施例16)
Ptを40質量%、NiOを0.1質量%、CuOを4質量%、CeOを21質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例11と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0152】
(実施例17)
Ptを50質量%、NiOを0.1質量%、CuOを4質量%、CeOを21質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例11と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0153】
(実施例18)
Ptを1質量%、NiOを0.5質量%、CuOを4質量%、CeOを21質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例11と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0154】
(実施例19)
Ptを1質量%、NiOを1質量%、CuOを4質量%、CeOを21質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例11と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0155】
(実施例20)
Ptを1質量%、NiOを1.5質量%、CuOを4質量%、CeOを21質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例11と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0156】
(実施例21)
Ptを1質量%、NiOを2質量%、CuOを4質量%、CeOを21質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例11と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0157】
(実施例22)
Ptを1質量%、NiOを0.1質量%、CuOを1質量%、CeOを21質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例11と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0158】
(実施例23)
Ptを1質量%、NiOを0.1質量%、CuOを10質量%、CeOを21質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例11と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0159】
(実施例24)
Ptを1質量%、NiOを0.1質量%、CuOを4質量%、CeOを10質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例11と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0160】
(実施例25)
Ptを1質量%、NiOを0.1質量%、CuOを4質量%、CeOを30質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例11と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0161】
<実験例2の燃料酸化触媒を含む熱源部の製造及び性能測定>
管状の反応器に前記実施例11〜25で製造された酸化触媒を9mlに充填した。前記反応器にイソブタン(iso-butane)が35体積%、ノーマルブタン(nomal-butane)が50体積%、Cが15体積%含有されている燃料を279.1ml/minに供給し、空気を2000ml/minに供給した。
【0162】
前記反応機内部での温度変化を測定し、実施例11の燃料酸化触媒を用いた反応機内部の温度変化を図4に示した。図4を参照すると、180℃でも燃料の酸化触媒反応が始まることが分かる。実施例12〜25の場合、実施例11と類似する程度の温度変化を示し、180℃付近で燃料の酸化触媒反応が始まった。
【0163】
(比較例10〜24)
比較例10〜17は、Torncronaの論文(Low temperature catalytic activity of cobalt oxide and ceria promoted Pt and Pd:-influence of pretreatment and gas composition、applied Catalysis B:Environmental、Volume 14、Issues 1-2、5 December 1997、Pages 131-145、A.Torncronaら)に記載された酸化触媒を用いた。用いた酸化触媒は、表2に示した。前記比較例10〜17の酸化触媒を用いて、燃料の酸化触媒反応が始まる温度を測定し、その結果も共に表2に示した。
【0164】
比較例18は、米国特許第5345011号に記載された酸化触媒を用いた。用いた酸化触媒は表2に表した。前記比較例18の酸化触媒を用いて、燃料の酸化触媒反応が始まる温度を測定し、その結果も共に表2に示した。
【0165】
比較例19〜22は、米国特許第5139994号に記載された酸化触媒を用いた。用いた酸化触媒は表2に示した。前記比較例19〜22の酸化触媒を用いて、燃料の酸化触媒反応が始まる温度を測定し、その結果も共に表2に示した。
【0166】
比較例23は、米国特許第6187709号に記載された酸化触媒を用いた。用いた酸化触媒は表2に示した。前記比較例23の酸化触媒を用いて、燃料の酸化触媒反応が始まる温度を測定し、その結果も共に表2に示した。
【0167】
比較例24は、米国特許第6086835号に記載された酸化触媒を用いた。用いた酸化触媒は表2に示した。前記比較例24の酸化触媒を用いて、燃料の酸化触媒反応が始まる温度を測定し、その結果も共に表2に示した。
【0168】
【表2】

【0169】
前記表2を参照すると、実施例11での酸化触媒反応の開始温度が比較例10〜24でより低温であることが分かる。
【0170】
<実験例3: ZrOを含む金属酸化物、及び白金系金属を含む燃料酸化触媒の製造>
(実施例26)
2.46gのZr(NO・4HO、2.78gのCe(NO・6HO、及び0.04gのNi(NO・6HOを9mlのCu水溶液(1.23gのCu(NO・3HOを9mlの水に溶かして、製造した。)に溶かして、混合溶液を製造した。前記混合溶液に7.39gのAlを添加した。前記Al価添加された混合溶液を掻き回しながら、120℃で2時間加熱させて、水を蒸発させて、金属酸化物を製造した。
【0171】
3gのHPtCl・HOを10mlの水に溶かして、白金系金属前駆体が含まれている溶液を製造した。前記白金系金属前駆体が含まれている溶液0.33mlに前記製造された金属酸化物を添加し、150℃で30分間の加熱した後、冷却して、酸化触媒を製造した。前記酸化触媒を650℃で1.5時間仮焼させた。前記酸化触媒はPtを1質量%、NiOを0.1質量%、CuOを4質量%、CeOを11質量%、ZrOを10質量%、及びAlを73.9質量%含有した。
【0172】
(実施例27)
Ptを10質量%、NiOを0.1質量%、CuOを4質量%、CeOを11質量%、ZrOを10質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例26と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0173】
(実施例28)
Ptを20質量%、NiOを0.1質量%、CuOを4質量%、CeOを11質量%、ZrOを10質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例26と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0174】
(実施例29)
Ptを30質量%、NiOを0.1質量%、CuOを4質量%、CeOを11質量%、ZrOを10質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例26と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0175】
(実施例30)
Ptを40質量%、NiOを0.1質量%、CuOを4質量%、CeOを11質量%、ZrOを10質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例26と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0176】
(実施例31)
Ptを50質量%、NiOを0.1質量%、CuOを4質量%、CeOを11質量%、ZrOを10質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例26と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0177】
(実施例32)
Ptを1質量%、NiOを1質量%、CuOを4質量%、CeOを11質量%、ZrOを10質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例26と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0178】
(実施例33)
Ptを1質量%、NiOを2質量%、CuOを4質量%、CeOを11質量%、ZrOを10質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例26と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0179】
(実施例34)
Ptを1質量%、NiOを0.1質量%、CuOを1質量%、CeOを11質量%、ZrOを10質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例26と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0180】
(実施例35)
Ptを1質量%、NiOを0.1質量%、CuOを10質量%、CeOを11質量%、ZrOを10質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例26と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0181】
(実施例36)
Ptを1質量%、NiOを0.1質量%、CuOを4質量%、CeOを5質量%、ZrOを10質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例26と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0182】
(実施例37)
Ptを1質量%、NiOを0.1質量%、CuOを4質量%、CeOを15質量%、ZrOを10質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例26と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0183】
(実施例38)
Ptを1質量%、NiOを0.1質量%、CuOを4質量%、CeOを20質量%、ZrOを10質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例26と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0184】
(実施例39)
Ptを1質量%、NiOを0.1質量%、CuOを4質量%、CeOを11質量%、ZrOを5質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例26と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0185】
(実施例40)
Ptを1質量%、NiOを0.1質量%、CuOを4質量%、CeOを11質量%、ZrOを15質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例26と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0186】
(実施例41)
Ptを1質量%、NiOを0.1質量%、CuOを4質量%、CeOを11質量%、ZrOを20質量%、及びAlを73.9質量%含有することを除いて、実施例26と同様に実施して、酸化触媒を製造した。
【0187】
<実験例3の燃料酸化触媒を含む熱源部の製造及び性能測定>
管状の反応器に前記実施例26〜41で製造された酸化触媒を8mlに充填した。前記反応器にイソブタン(iso-butane)が35体積%、ノーマルブタン(nomal-butane)が50体積%、Cが15体積%に含まれている燃料を279.1ml/minに供給し、空気を8300ml/minに供給した。
【0188】
前記製造された燃料酸化触媒の高温安定性を測定し、実施例26の燃料酸化触媒を用いた反応器の結果を図5に表した。図5を参照すれば、実施例26の燃料酸化触媒は1100℃以上の温度で100分間維持しても触媒の活性が維持されることが分かる。
【0189】
実施例27〜41の燃料酸化触媒の場合にも、1100℃以上の温度で100分間維持しても触媒の活性が維持されることが分かる。
【0190】
前記反応機内部での温度変化を測定し、実施例26の燃料酸化触媒を用いた反応機内部の温度変化を図6に表した。図6を参照すると、約130℃でも燃料の酸化触媒反応が始まることが分かる。
【0191】
実施例27〜41の燃料酸化触媒の場合にも、約130℃で燃料の酸化触媒反応が始まることが分かる。
【0192】
以上、添付図面を参照しながら本発明の好適な実施形態について説明したが、本発明はかかる例に限定されないことは言うまでもない。当業者であれば、特許請求の範囲に記載された範疇内において、各種の変更例または修正例に想到し得ることは明らかであり、それらについても当然に本発明の技術的範囲に属するものと了解される。
【図面の簡単な説明】
【0193】
【図1】本発明の実施例1による燃料電池システムの構造を概略的に示した図である。
【図2】図1に示したスタックの構造を示した分解斜視図である。
【図3】本発明の実施例1による燃料酸化触媒を用いた熱源部内部の温度変化を示したグラフである。
【図4】本発明の実施例11による燃料酸化触媒を用いた熱源部内部の温度変化を示したグラフである。
【図5】本発明の実施例26による燃料酸化触媒の高温安定性を示したグラフである。
【図6】本発明の実施例26による燃料酸化触媒を用いた熱源部内部の温度変化を示したグラフである。
【符号の説明】
【0194】
10 スタック
11 電気発生部
30 改質部
35 熱源部
39 改質反応部
50 燃料供給部
51 燃料タンク
53 燃料ポンプ
70 酸化剤供給部
71 酸化剤ポンプ
100 燃料電池システム

【特許請求の範囲】
【請求項1】
CeO、MO(ここで、Mは遷移金属である。)及びCuOを含む金属酸化物を含有することを特徴とする、燃料電池用燃料酸化触媒。
【請求項2】
前記Mは、Ni、Co、Fe及びこれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池用燃料酸化触媒。
【請求項3】
前記Mは、Feであることを特徴とする、請求項2に記載の燃料電池用燃料酸化触媒。
【請求項4】
前記燃料酸化触媒は、前記CeOを10〜30質量%含有し、前記MOを0.1〜5質量%含有し、前記CuOを1〜10質量%含有することを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池用燃料酸化触媒。
【請求項5】
前記金属酸化物は、ZrOを更に含むことを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池用燃料酸化触媒。
【請求項6】
前記金属酸化物は、前記ZrOを5〜20質量%含有し、前記CeOを5〜20質量%含有し、前記MOを0.1〜5質量%含有し、前記CuOを1〜10質量%含有することを特徴とする、請求項5に記載の燃料電池用燃料酸化触媒。
【請求項7】
前記金属酸化物は、Al、TiO、SiO、コージェライト、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される担体に担持された物質であることを特徴とする、請求項1に記載の燃料電池用燃料酸化触媒。
【請求項8】
白金系金属と、
CeO、MO(ここで、Mは遷移金属である。)、及びCuOを含む金属酸化物と、
を含むことを特徴とする、燃料電池用燃料酸化触媒。
【請求項9】
前記Mは、Ni、Co、Fe、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項8に記載の燃料電池用燃料酸化触媒。
【請求項10】
前記Mは、Niであることを特徴とする、請求項9に記載の燃料電池用燃料酸化触媒。
【請求項11】
前記白金系金属は、Pt、Pd、Ru、Rh、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項8に記載の燃料電池用燃料酸化触媒。
【請求項12】
前記白金系金属は0.1〜50質量%含有され、前記CeOは10〜30質量%含有され、前記MOは0.1〜2質量%含有され、前記CuOは1〜10質量%含有されることを特徴とする、請求項8に記載の燃料電池用燃料酸化触媒。
【請求項13】
前記金属酸化物は、ZrOを更に含むことを特徴とする、請求項8に記載の燃料電池用燃料酸化触媒。
【請求項14】
前記金属酸化物は、前記白金系金属を0.1〜50質量%含有し、前記ZrOを5〜20質量%含有し、前記CeOを5〜20質量%含有し、前記MOを0.1〜2質量%含有し、前記CuOを1〜10質量%含有することを特徴とする、請求項13に記載の燃料電池用燃料酸化触媒。
【請求項15】
前記金属酸化物は、Al、TiO、SiO、コージェライト、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される担体に担持されたことを特徴とする、請求項8に記載の燃料電池用燃料酸化触媒。
【請求項16】
Ce前駆体およびM前駆体(ここで、Mは遷移金属である。)をCuが含まれている溶液に溶かした後に、加熱して金属酸化物を製造する段階を含むことを特徴とする、燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項17】
前記Ce前駆体は、Ceナイトレート、アムモニウムCeナイトレート、Ceアセテート、Ceクロライド、これらの水和物、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項16に記載の燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項18】
前記M前駆体は、Mナイトレート、Mアセテート、Mクロライド、これらの水和物、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項16に記載の燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項19】
前記Cuが含まれている溶液は、Cu前駆体を溶媒に溶かして製造することを特徴とする、請求項16に記載の燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項20】
前記Cu前駆体は、Cuナイトレート、Cuアセテート、これらの水和物、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項19に記載の燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項21】
前記Cu前駆体を溶かす溶媒は、水、メタノール、エタノール、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項19に記載の燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項22】
前記Cuが含まれている溶液にZr前駆体を添加する段階を更に含むことを特徴とする、請求項16に記載の燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項23】
前記Zr前駆体は、Zrナイトレート、アムモニウムZrナイトレート、Zrアセテート、Zrクロライド、これらの水和物、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項22に記載の燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項24】
前記Cuが含まれている溶液に担体を添加する段階を更に含むことを特徴とする、請求項16に記載の燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項25】
前記担体は、Al、TiO、SiO、コージェライト、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項24に記載の燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項26】
前記加熱は、100〜200℃で実施することを特徴とする、請求項16に記載の燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項27】
前記加熱は、1〜3時間実施することを特徴とする、請求項16に記載の燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項28】
前記金属酸化物を仮焼する段階を更に含むことを特徴とする、請求項16に記載の燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項29】
前記金属酸化物の仮焼は、450〜550℃で実施することを特徴とする、請求項28に記載の燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項30】
前記金属酸化物の仮焼は、1〜3時間実施することを特徴とする、請求項28に記載の燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項31】
白金系金属前駆体が含まれている溶液に前記金属酸化物を添加し、加熱する段階を更に含むことを特徴とする、請求項16に記載燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項32】
前記白金系金属前駆体は、HPtCl、Pt(C、HClPt、PtCl、PtBr、PdCl、Pd(C、Pd(C、RuCl、Ru(C、(NHRuCl、(NHRhCl、[Rh(CHCOO)、Rh(HO)(NO、これらの水和物、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項31に記載の燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項33】
前記白金系金属前駆体を溶かす溶媒は、水、N、N−ジメチルホルムアミド、N、N−ジメチルメタンアミド、メタノール、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項31に記載の燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項34】
前記加熱は、100〜200℃で実施することを特徴とする、請求項31に記載の燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項35】
前記加熱は、15〜45分間実施することを特徴とする、請求項31に記載の燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項36】
前記酸化触媒を製造した後、酸化触媒を仮焼する段階を更に含むことを特徴とする、請求項31に記載の燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項37】
前記酸化触媒の仮焼は、650〜750℃で実施することを特徴とする、請求項36に記載の燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項38】
前記酸化触媒の仮焼は、0.5〜2時間実施することを特徴とする、請求項36に記載の燃料電池用燃料酸化触媒の製造方法。
【請求項39】
燃料と酸化剤の酸化触媒反応を通して熱を発生させる熱源部、及び改質触媒反応を通して燃料から水素ガスを発生させる改質反応部を含み、
前記燃料酸化触媒は、CeO、MO(ここで、Mは遷移金属である。)、及びCuOを含む金属酸化物を含むことを特徴とする、燃料電池システムの改質部。
【請求項40】
前記Mは、Ni、Co、Fe、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項39に記載の燃料電池システムの改質部。
【請求項41】
前記金属酸化物は、ZrOを更に含むことを特徴とする、請求項39に記載の燃料電池システムの改質部。
【請求項42】
前記燃料酸化触媒は、白金系金属を更に含むことを特徴とする、請求項39に記載の燃料電池システムの改質部。
【請求項43】
前記白金系金属は、Pt、Pd、Ru、Rh、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項42に記載の燃料電池システムの改質部。
【請求項44】
前記燃料酸化触媒は、ZrOを更に含むことを特徴とする、請求項42に記載の燃料電池システムの改質部。
【請求項45】
前記金属酸化物は、Al、TiO、SiO、コージェライト、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される担体に担持された物質であることを特徴とする、請求項39に記載の燃料電池システムの改質部。
【請求項46】
燃料と酸化剤の酸化触媒反応を通して熱を発生させる熱源部、及び改質触媒反応を通して燃料から水素ガスを発生させる改質反応部を含み、前記燃料酸化触媒はCeO、MO(ここで、Mは遷移金属である。)、及びCuOを含む金属酸化物を含む燃料電池システムの改質部と、
水素ガスと酸化剤が供給されて、電気エネルギーを発生させる少なくとも一つの電気発生部と、
燃料を前記改質部、及び電気発生部に供給する燃料供給部と、
酸化剤を前記改質部、及び電気発生部に供給する酸化剤供給部と、
を含むことを特徴とする、燃料電池システム。
【請求項47】
前記Mは、Ni、Co、Fe、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項46に記載の燃料電池システム。
【請求項48】
前記金属酸化物は、ZrOを更に含むことを特徴とする、請求項46に記載の燃料電池システム。
【請求項49】
前記燃料酸化触媒は、白金系金属を更に含むことを特徴とする、請求項46に記載の燃料電池システム。
【請求項50】
前記白金系金属は、Pt、Pd、Ru、Rh、及びこれらの組み合わせからなる群より選択されることを特徴とする、請求項49に記載の燃料電池システム。
【請求項51】
前記燃料酸化触媒は、ZrOを更に含むことを特徴とする、請求項49に記載の燃料電池システム。
【請求項52】
前記金属酸化物は、Al、TiO、SiO、コージェライト、及びこれらの組み合わせからなる群より選択される担体に担持された物質であることを特徴とする、請求項46に記載の燃料電池システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−119685(P2008−119685A)
【公開日】平成20年5月29日(2008.5.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−275454(P2007−275454)
【出願日】平成19年10月23日(2007.10.23)
【出願人】(590002817)三星エスディアイ株式会社 (2,784)
【Fターム(参考)】