説明

燃料電池膜、ゲル及び製法

【課題】新規の中間体ゲルを経由した燃料電池膜の形成を開示する。
【解決手段】1つの実施形態は、ポリアゾールを、水に安定なポリアゾール可溶化酸に溶解してポリアゾール−酸溶液を形成し、前記ポリアゾール−酸溶液の層を基材に塗布してポリアゾール−酸フィルムを形成し、前記ポリアゾール−酸フィルムを水と接触させてポリアゾール−酸ゲルを形成し、そして前記ポリアゾール−酸ゲルをドーピング酸に接触させて前記燃料電池ポリアゾール膜を形成することを含む、燃料電池ポリアゾール膜の製造方法を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燃料電池膜、ゲル及び製法に関する。この出願は、2007年6月21日に出願した米国仮特許出願連続No.60/945517に基づく優先権を主張し、その開示内容全体が、あらゆる目的のために参照して組み込まれる。
【背景技術】
【0002】
典型的な燃料電池は水素と酸素を水に変換し、その過程で電気を生み出す。燃料電池には、自動車及び発電所をふくめ、バックアップ用の電源など数多くの用途の可能性がある。燃料電池の1種類としてプロトン交換膜燃料電池がある。典型的なプロトン交換膜燃料電池は、流動場プレートに囲まれた触媒被覆膜を含む。例えば、当該膜の一方の面がアノードとして機能し、水素ガスが供給される。当該膜の他方の面がカソードとして機能して酸素をあたえるために空気が供給される。
【0003】
前記アノードでは、触媒が、水素分子がその電子を放出して水素イオン(プロトン)になる反応を触媒する。このプロトンは前記膜を通過してカソードに到達する。前記の電子は、膜の周りを動いてカソードに(電気回路を通って)運ばれ、電流を作り出す。前記カソードでは、前記プロトンが酸素と結合して燃料電池の排出物(水)を生じるという別の反応が生起する。燃料電池は直流電圧を生み出すが、これは直接使用されてもよいし、交流機器のために交流電流に変換されてもよい。
【0004】
燃料電池膜の材料としては、酸基が化学的に結合した重合体(例えば、パーフルオロスルホン酸)が挙げられる。この種類の膜はプロトン伝導のために水和が必要であり、このため燃料電池の操作温度が通常80℃〜90℃付近に制限される。また、重合体膜は、リン酸を添加したポリベンズイミダゾールなど、遊離した状態の酸を含むものでもよい。この種の膜は、高温(200℃まで)で操作されて高いCO許容域、速い電気化学反応速度、水管理の必要性がないシステム、熱交換機の好ましい条件、及び、より高品質の廃熱を与える燃料電池で使用できる。
【0005】
ポリベンズイミダゾールの製造には単調で時間のかかる多数の過程が必要である。燃料電池のポリベンズイミダゾール膜を製造する従来法では、高温で塩化リチウム/N,N−ジメチルアセトアミド溶液に溶解することが必要である。次いで重合体を薄膜状に成形し、水で十分に洗浄して残留塩を除去し、オーブンで乾燥してから、長時間かけてリン酸を添加する。酸含量は通常、非常に低く、液体電解質と比較したイオン伝導度も同様である。トリフルオロ酢酸とリン酸の混合溶媒にポリベンズイミダゾールを溶かすという別の方法もある。溶液をフィルム状に成形し、高温下でトリフルオロ酢酸を蒸発させる。トリフルオロ酢酸は高価であり、また、ポリベンズイミダゾールのなかにはトリフルオロ酢酸に溶けない種類のものもある。さらに、ポリベンズイミダゾールの溶解度は、混合溶媒中のリン酸含量が増加するに従い低下するので、生産する膜中のリン酸含量が制限される。
【0006】
ポリベンズイミダゾール燃料電池を製造する別の方法としては、ポリリン酸中で重合体を重合する方法もある。重合溶液から直接フィルムを成形する。次いでポリリン酸をリン酸に加水分解すると、リン酸を含むポリベンズイミダゾールが得られる。しかしながら、ポリリン酸はポリベンズイミダゾールにとって貧溶媒であるので、ポリリン酸法の使用は制限される。また、ポリリン酸はきわめて粘性であるから、200℃を超える成形温度が必要になる。もうひとつの問題は、ポリリン酸中でのポリベンズイミダゾールの低い合成効率であり、フィルム中の固形分量が10%未満になり、得られる膜中に低分子量のポリベンズイミダゾール又はモノマーが残留することも多い。
【発明の開示】
【0007】
したがって、ここでは、燃料電池膜を製造する効率的で経済的な方法、及び、燃料電池膜の製法において有用な、新規の中間体であるゲルを開示する。一実施形態は燃料電池ポリアゾール膜を製造する方法を提供する。この実施形態は、ポリアゾールを、水に安定なポリアゾール可溶化酸に溶解してポリアゾール−酸溶液を形成することを含む。前記ポリアゾール−酸溶液の層を基材に塗布してポリアゾール−酸フィルムを形成する。前記ポリアゾール−酸フィルムを水と接触させてポリアゾール−酸ゲルを形成する。前記ポリアゾール−酸ゲルをドーピング酸に接触させて前記燃料電池ポリアゾール膜を形成する。
【0008】
他の実施形態は、ポリアゾールを、水に安定なポリアゾール可溶化酸に溶解してポリアゾール−酸溶液を形成することを含む、燃料電池ポリアゾール膜を製造する方法を提供する。前記ポリアゾール−酸溶液の層を基材に塗布してポリアゾール−酸フィルムを形成する。前記ポリアゾール−酸フィルムを水と接触させてポリアゾール−酸ゲルを形成する。水を用いて前記ポリアゾール−酸ゲルから前記ポリアゾール可溶化酸を洗い流してポリアゾール−水ゲルを形成する。前記ポリアゾール−水ゲルをドーピング酸に接触させて前記燃料電池ポリアゾール膜を形成する。
【0009】
他の実施形態は、ポリアゾールと、1種以上のスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンカルボン酸、ベンゼンスルホン酸、クロロスルホン酸、及び、フルオロスルホン酸とを含有するゲルを提供する。
【0010】
略号及び定義
ここで使用する略号は化学及び生物学の分野で通常の意味を持つものである。
【0011】
用語「アルキル」はこれ自体、又は、他の置換基の一部として、特記のないかぎり、直鎖(すなわち非分枝)若しくは分枝鎖、又はその組合せを意味し、完全に飽和でも、モノ−又はポリ不飽和であってもよく、指定の炭素原子数(すなわちC1−C10は1〜10個の炭素を意味する)を持つジ−及び多価基をも含みうる。飽和炭化水素基の例には、メチル、エチル、n−プロピル、イソプロピル、n−ブチル、t−ブチル、イソブチル、sec−ブチル、(シクロヘキシル)メチル、以下の同族体及び異性体、例えばn−ペンチル、n−ヘキシル、n−ヘプチル、n−オクチル等の基が含まれるが、これらに限定されない。不飽和アルキル基は1以上の二重結合又は三重結合を持つものである。不飽和アルキル基の例にはビニル、2−プロピニル、クロチル、2−イソペンテニル、2(ブタジエニル)、2,4−ペンタジエニル、3−(1,4−ペンタジエニル)、エチニル、1−及び3−プロピニル、3−ブチニル、及びより高級の同族体及び異性体が含まれるが、これらに限定されない。
【0012】
用語「ヘテルアルキル」はこれ自体、又は、他の用語と組み合わせて、特記のないかぎり、安定な直鎖若しくは分枝鎖、又は環状の炭化水素基、あるいはその組合せを意味し、少なくとも1つの炭素原子と、O、N、P、Si及びSから選択される少なくとも1つのヘテロ原子を含み、ここで、窒素及び硫黄原子は場合に応じて酸化されていてもよく、窒素ヘテロ原子は場合に応じて4級化されていてもよい。ヘテロ原子O、N、P、S及びSiは、ヘテロアルキル基の内部の部位か、又は、アルキル基がその分子の残りの構造に結合している部位に置かれてもよい。例には、-CH2-CH2-O-CH3, -CH2-CH2-NH-CH3, -CH2-CH2-N(CH3)-CH3, -CH2-S-CH2-CH3, -CH2-CH2-S(O)-CH3, -CH2-CH2-S(O)2-CH3, -CH=CH-O-CH3, -Si(CH3)3, -CH2-CH=N-OCH3, -CH=CH-N(CH3)-CH3, -O-CH3, -O-CH2-CH3, 及び-CNが含まれるが、これらに限定されない。例えば-CH2-NH-OCH3 及び -CH2-O-Si(CH3)3など、2個までのヘテロ原子は連続していてもよい。上述のように、ここで使用するヘテロアルキル基には、-C(O)R', -C(O)NR', -NR'R", -OR', -SR', 及び/又は -SO2R'などヘテロ原子を介してその分子の残りの構造に結合している基も含まれる。「ヘテロアルキル」を記載した後、-NR'R"など特定のヘテロアルキル基を記載した場合、ヘテロアルキルと-NR'R"という用語は重複したものではなく、排他的なものでもないと理解されたい。むしろ、特定のヘテロアルキル基は明確性を付け加えるために記載している。すなわち、ここでは、用語「ヘテロアルキル」は-NR'R"など特定のヘテロアルキル基を除外しているものと解釈すべきではない。
【0013】
用語「シクロアルキル」及び「ヘテロシクロアルキル」はこれ自体、又は、他の用語と組み合わせて、特記のないかぎり、それぞれ環状の「アルキル」及び「ヘテロアルキル」を表す。さらに、ヘテロシクロアルキルについては、ヘテロ原子はヘテロ環がその分子の残りの構造に結合している箇所を占めていてもよい。シクロアルキルの例には、シクロペンチル、シクロヘキシル、1−シクロヘキセニル、3−シクロヘキセニル、シクロヘプチル等が含まれるが、これらに限定されない。ヘテロシクロアルキルの例には、1−(1,2,5,6−テトラヒドロピリジル)、1−ピペリジニル、2−ピペリジニル、3−ピペリジニル、4−モルホリニル、4−モルホリニル、テトラヒドロフラン−2−イル、テトラヒドロフラン−3−イル、テトラヒドロチエン−2−イル、テトラヒドロチエン−3−イル、1−ピペラジニル、2−ピペラジニル等が含まれるが、これらに限定されない。
【0014】
用語「ハロ」又は「ハロゲン」はそれ自体、又は他の置換基の一部として、特記のない限り、フッ素、塩素、臭素、又はヨウ素原子を意味する。さらに「ハロアルキル」等の用語にはモノハロアルキル及びポリハロアルキルを含む意味がある。例えば、用語「ハロ(C1−C4)アルキル」には、限定されないが、トリフルオロメチル、2,2,2−トリフルオロエチル、4−クロロブチル、3−ブロモプロピル等を含む意味がある。
【0015】
用語「アリール」は、特記のない限り、ポリ不飽和の芳香族系炭化水素基を意味し、単環であってもよく、縮合しているか、又は共有結合で連結している多環(好ましくは1〜3個の環)であってもよい。用語「ヘテロアリール」は、N、O及びSから選択される1〜4個のヘテロ原子を含むアリール基(又は環)を意味し、ここで、窒素及び硫黄原子は場合に応じて酸化されていてもよく、窒素原子は場合に応じて4級化されていてもよい。ヘテロアリール基は、炭素又はヘテロ原子を介してその分子の残りの構造に結合していてもよい。限定されないが、アリール及びヘテロアリール基の例には、フェニル、1−ナフチル、2−ナフチル、4−ビフェニル、1−ピロリル、2−ピロリル、3−ピロリル、3−ピラゾリル、2−イミダゾリル、4−イミダゾリル、ピラジニル、2−オキサゾリル、4−オキサゾリル、2−フェニル−4オキサゾリル、5−オキサゾリル、3−イソオキサゾリル、4−イソオキサゾリル、5−イソオキサゾリル、2−チアゾリル、4−チアゾリル、5−チアゾリル、2−フリル、3−フリル、2−チエニル、3−チエニル、2−ピリジル、3−ピリジル、4−ピリジル、2−ピリミジル、4−ピリミジル、5−ベンゾチアゾリル、プリニル、2−ベンズイミダゾリル、5−インドリル、1−イソキノリル、5−イソキノリル、2−キノキサリニル、5−キノキサリニル、3−キノリル、及び、6−キノリル等が含まれる。上述したアリール及びヘテロアリール環系それぞれの置換基は、後述する許容可能な置換基の群から選択される。
【0016】
ここで使用する用語「オキソ」は炭素原子に二重結合している酸素を意味する。
【0017】
アリール及びヘテロアリール基の置換基には種々あり、例えば、-OR', -NR'R", -SR', -ハロゲン, -SiR'R"R''', -OC(O)R', -C(O)R', -CO2R', -CONR'R", -OC(O)NR'R", -NR"C(O)R', -NR'-C(O)NR"R"', -NR"C(O)2R', -NR-C(NR'R"R''')=NR'''', -NR-C(NR'R")=NR''', -S(O)R', -S(O)2R', -S(O)2NR'R", -NRSO2R', -CN及び-NO2, -R', -N3, -CH(Ph)2, フルオロ(C1-C4)アルコキシ, 及びフルオロ(C1-C4)アルキルから選択され、ゼロから、その芳香族環系の空き価数の総数に至るまでの個数を含む。R', R", R'"及びR""は、好ましくは、独立して、水素、置換又は無置換のアルキル、置換又は無置換のヘテロアルキル、置換又は無置換のシクロアルキル、置換又は無置換のヘテロシクロアルキル、置換又は無置換のアリール及び置換又は無置換のヘテロアリールから選択される。
【0018】
アリール又はヘテロアリール環の隣接原子上にある2つの置換基は場合に応じて、式-T-C(O)-(CRR')q-U-の環を形成してもよく、ここで、T及びUは、独立して、-NR-, -O-, -CRR'- 又は単結合であり、q は0〜3の整数である。また、アリール又はヘテロアリール環の隣接原子上にある2つの置換基は場合に応じて、式-A-(CH2)r-B-の基で置き換えられてもよく、ここでA及びBは、独立して、-CRR'-, -O-, -NR-, -S-, -S(O)-, -S(O)2-, -S(O)2NR'-又は単結合であり、r は1〜4の整数である。こうして形成された新しい環の単結合の1つは場合に応じて、二重結合で置き換えられてもよい。また、アリール又はヘテロアリール環の隣接原子上にある2つの置換基は場合に応じて、式-(CRR')s-X'-(C"R''')d-の基で置き換えられてもよく、ここで、s及びdは独立して、0〜3の整数であり、X'は-O-, -NR'-, -S-, -S(O)-, -S(O)2-, 又は-S(O)2NR'-である。置換基R, R', R" 及びR'"は、好ましくは、独立して、水素、置換又は無置換のアルキル、置換又は無置換のシクロアルキル、置換又は無置換のヘテロシクロアルキル、置換又は無置換のアリール及び置換又は無置換のヘテロアリールから選択される。
【0019】
ここで使用する、用語「ヘテロ原子」及び「環ヘテロ原子」は、酸素(O)、窒素(N)、硫黄(S)、リン(P)及びケイ素(Si)を含むものを意味する。
【0020】
ここで使用する「置換基」は以下の部位から選択される基を意味する。
(A) -OH, -NH2, -SH, -CN, -CF3, -NO2, オキソ、ハロゲン、無置換アルキル、無置換ヘテロアルキル、無置換シクロアルキル、無置換ヘテロシクロアルキル、無置換アリール、無置換ヘテロアリール、及び
(B) アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールであって、以下から選択される少なくとも1つの置換基で置換されたもの:
(i) オキソ、-OH, -NH2, -SH, -CN, -CF3, -NO2, ハロゲン、無置換アルキル、無置換ヘテロアルキル、無置換シクロアルキル、無置換ヘテロシクロアルキル、無置換アリール、無置換ヘテロアリール、及び
(ii) アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール及びヘテロアリールであって、以下から選択される少なくとも1つの置換基で置換されたもの:
(a) オキソ、-OH, -NH2, -SH, -CN, -CF3, -NO2, ハロゲン、無置換アルキル、無置換ヘテロアルキル、無置換シクロアルキル、無置換ヘテロシクロアルキル、無置換アリール、無置換ヘテロアリール、及び
(b) アルキル、ヘテロアルキル、シクロアルキル、ヘテロシクロアルキル、アリール又はヘテロアリールであって、オキソ、-OH, -NH2, -SH, -CN, -CF3, -NO2, ハロゲン、無置換アルキル、無置換ヘテロアルキル、無置換シクロアルキル、無置換ヘテロシクロアルキル、無置換アリール、及び、無置換ヘテロアリールから選択される少なくとも1つの置換基で置換されたもの。
【0021】
ここで使用する「サイズ限定置換基」は、「置換基」について上述したすべての置換基から選択される基を意味するが、ただし、各置換又は無置換アルキルは置換又は無置換C1-C20アルキルであり、各置換又は無置換ヘテロアルキルは置換又は無置換の2〜20員環ヘテロアルキルであり、各置換又は無置換シクロアルキルは置換又は無置換C4-C8シクロアルキルであり、各置換又は無置換ヘテロシクロアルキルは置換又は無置換の4〜8員環ヘテロシクロアルキルである。
【0022】
ここで使用する「低級置換基」は、「置換基」について上述したすべての置換基から選択される基を意味するが、ただし、各置換又は無置換アルキルは置換又は無置換C1-C8アルキルであり、各置換又は無置換ヘテロアルキルは置換又は無置換の2〜8員環ヘテロアルキルであり、各置換又は無置換シクロアルキルは置換又は無置換C5-C7シクロアルキルであり、各置換又は無置換ヘテロシクロアルキルは置換又は無置換の5〜7員環ヘテロシクロアルキルである。
【0023】
燃料電池ポリアゾール膜の製造方法
図1では、燃料電池ポリアゾール膜の製造方法100の一実施形態を説明するフローチャートを示す。この方法は、102で、ポリアゾールを、水に安定なポリアゾール可溶化酸に溶解してポリアゾール−酸溶液を形成する工程を有することができる。104で、前記ポリアゾール−酸溶液の層を基材に塗布してポリアゾール−酸フィルムを形成する。106で、前記ポリアゾール−酸フィルムを水と接触させてポリアゾール−酸ゲルを形成する。108で、前記ポリアゾール−酸ゲルをドーピング酸に接触させて前記燃料電池ポリアゾール膜を形成する。
【0024】
図2では、燃料電池ポリアゾール膜の製造方法200の別の実施形態を説明するフローチャートを示す。この方法200は、202で、ポリアゾールを、水に安定なポリアゾール可溶化酸に溶解してポリアゾール−酸溶液を形成する工程を有する。204で、前記ポリアゾール−酸溶液の層を基材に塗布してポリアゾール−酸フィルムを形成する。206で、前記ポリアゾール−酸フィルムを水と接触させてポリアゾール−酸ゲルを形成する。208で、水を用いて前記ポリアゾール−酸ゲルから前記ポリアゾール可溶化酸を洗い流してポリアゾール−水ゲルを形成する。前記ポリアゾール−水ゲルをドーピング酸に接触させて前記燃料電池ポリアゾール膜を形成する。
【0025】
開示した実施形態で有用なポリアゾールとしては、アゾール含有繰り返し単位(すなわち、少なくとも1つのアゾール部位を含む繰り返し重合サブユニット)を含むポリマーが挙げられる。アゾール部位は2価、3価、又は4価のアゾール基である。ここで使用する「アゾール」は、縮合環構造含有多環を含む5員環又は6員環の窒素含有ヘテロシクロアルキル又はへテロアリールを意味する。有用なポリアゾールとしては、以下のアゾールを含む繰り返し単位を有する重合体が挙げられる:ベンズイミダゾール(すなわちポリベンズイミダゾール)、イミダゾール(すなわちポリイミダゾール)、トリアゾール(すなわちポリトリアゾール)、ベンゾトリアゾール(すなわちポリベンゾトリアゾール)、ピリジン(すなわちポリピリジン)、ピラジン(すなわちポリピラジン)、ピリミジン(すなわちポリピリミジン)、テトラザピレン(すなわちポリテトラザピレン)、オキサゾール(すなわちポリオキサゾール)、イソオキサゾール(すなわちポリイソオキサゾール)、ベンゾオキサゾール(すなわちポリベンゾオキサゾール)、ベンゾオキサジアゾール(すなわちポリベンゾオキサジアゾール)、ピラゾール(すなわちポリピラゾール)、イソチアゾール(すなわちポリイソチアゾール)、ベンゾチアゾール(すなわちポリベンゾチアゾール)、インダゾール(すなわちポリインダゾール)、及び、キノキサゾリン(すなわちポリキノキサゾリン)。ある実施形態では、ポリアゾールは、ポリベンズイミダゾール、ポリイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリキノキサリン、ポリチアジアゾール、ポリピリジン、ポリピリミジン、又は、ポリテトラザピレンである。ある種の実施形態では、ポリアゾールはポリベンズイミダゾールである。ポリアゾールは、ポリ(2,2’−(1,4−フェニレン)−5,5’−ビベンズイミダゾール)、ポリ(2,2’−(1,3−フェニレン)−5,5’−ビベンズイミダゾール)、及び、ポリ(2,5−ベンズイミダゾール)であってもよい。
【0026】
アゾール繰り返し単位の部分又は全体を形成するアゾールは、無置換(すなわち他のアゾール繰り返し単位との化学結合又は他のアゾール繰り返し単位との連結以外に置換基がない)であってもよい。他の実施形態では、アゾールは、−NH2, -OH, オキソ、ハロゲン、置換又は無置換アルキル、置換又は無置換ヘテロアルキル、置換又は無置換シクロアルキル、置換又は無置換ヘテロシクロアルキル、置換又は無置換アリール、又は、置換又は無置換ヘテロアリールで置換されている。ある実施形態では、上述した各置換基は少なくとも1つの置換基で置換されている。より具体的には、ある実施形態では、上述した各置換アルキル、置換ヘテロアルキル、置換シクロアルキル、置換ヘテロシクロアルキル、置換アリール、置換ヘテロアリールは、少なくとも1つの置換基で置換されている。他の実施形態では、これら基の少なくとも1つ又は全ては少なくとも1つのサイズ限定置換基で置換されている。あるいは、これら基の少なくとも1つ又は全ては少なくとも1つの低級置換基で置換されている。他の実施形態では、各置換又は無置換アルキルは置換又は無置換C1-C20アルキルであり、各置換又は無置換ヘテロアルキルは置換又は無置換の2〜20員環ヘテロアルキルであり、各置換又は無置換シクロアルキルは置換又は無置換C4-C8シクロアルキルであり、各置換又は無置換ヘテロシクロアルキルは置換又は無置換の4〜8員環ヘテロシクロアルキルである。あるいは、各置換又は無置換アルキルは置換又は無置換C1-C8アルキルであり、各置換又は無置換ヘテロアルキルは置換又は無置換の2〜8員環ヘテロアルキルであり、各置換又は無置換シクロアルキルは置換又は無置換C5-C7シクロアルキルであり、各置換又は無置換ヘテロシクロアルキルは置換又は無置換の5〜7員環ヘテロシクロアルキルである。
【0027】
ある実施形態では、前記ドーピング酸は、ドーピング酸水溶液の一部を形成する。ここで使用するドーピング酸水溶液は、水とドーピング酸を含む溶液である。ドーピング酸は、プロトン伝導性燃料電池膜で有用なプロトン供与性化合物である。有用なドーピング酸としては、例えば、リン酸及び硫酸が挙げられる。すなわち、ある実施形態では、ドーピング酸水溶液はリン酸水溶液又は硫酸水溶液である。
【0028】
ある実施形態によると、本方法は、ポリアゾールを、水に安定なポリアゾール可溶化酸に溶解してポリアゾール−酸溶液を形成する工程を含む。水に安定なポリアゾール可溶化酸は、ポリアゾールを溶解可能であるが、水との接触時に加水分解しない酸である。化学分野で加水分解反応は周知であり、正式には、水分子が1つの反応物質を、2つの分離した非水化合物(ひとつの化合物では水分子の水酸基を含み、2つめの化合物では水分子の水素を含む)に分割する反応を意味する。単に酸を水に溶かすことは加水分解反応とはみなさない。しかし、水を用いてポリホスホン酸をリン酸に化合物に分割することは加水分解反応とみなされる。すなわち、ポリリン酸は、水に安定なポリアゾール可溶化酸ではない。
【0029】
ある実施形態では、水に安定なポリアゾール可溶化酸は、1種以上のスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンカルボン酸、ベンゼンスルホン酸、クロロスルホン酸、及び、フルオロスルホン酸を含有する。ある種の実施形態では、水に安定なポリアゾール可溶化酸はメタンスルホン酸である。ある実施形態では、水に安定なポリアゾール可溶化酸はpKaが0〜−14である。他の実施形態では、水に安定なポリアゾール可溶化酸はpKaが0〜−5である。
【0030】
上述のとおり、水に安定なポリアゾール可溶化酸はポリアゾールを溶解可能な酸である。ある実施形態では、水に安定なポリアゾール可溶化酸はポリアゾールを溶解可能であり、これによって、200℃未満、150℃未満、又は、120℃未満の温度でポリアゾール−酸溶液を形成する。ある実施形態では、ポリアゾール−酸溶液は、20℃〜120℃、80℃〜120℃、又は、105℃〜115℃の温度で形成される。
【0031】
ある実施形態は、前記ポリアゾール−酸溶液の層を基材に塗布してポリアゾール−酸フィルムを形成する工程も含む。ポリアゾール−酸フィルムは、溶解したポリアゾール、及び、水に安定なポリアゾール可溶化酸を含む液膜(すなわち層)である。層を塗布してのフィルムの形成は、成膜の分野で公知の技術を使用して実施可能であり、例えば、注型、吹付け、ドクターブレードによる展着、ガードナーナイフの使用、押出等が挙げられる。基材は、塗布及び成膜条件下でポリアゾール−酸溶液及びポリアゾール−酸フィルムに対して化学的に不活性なものが好ましい。ガラス、又は、テフロン(登録商標)若しくはポリエチレンフタレート重合体等のポリマーなど、適当な基材材料を使用することができる。有用な基材は、限定されないが、ポリエチレンテレフタレート(PET), ポリテトラフルオロエチレン(PTFE), ポリヘキサフルオロプロピレン、PTFEとヘキサフルオロプロピレンとの共重合体、ポリイミド、ポリフェニレンスルフィド(PPS)、及び、ポリプロピレン(PP)等の材料から構成することができる。前記溶液の粘度は、例えば揮発性有機溶媒を添加して、必要に応じて調整してもよい。層及び/又はフィルムの厚みは、10〜4000μm、15〜3500μm、20〜3000μm、30〜1500μm、又は、50〜1200μmであってよい。
【0032】
ポリアゾール−酸フィルムの形成後、当該フィルムを水と接触させてポリアゾール−酸ゲルを形成する。ポリアゾール−酸ゲルは、水、ポリアゾール、及び、水に安定なポリアゾール可溶化酸を含む半固体物質である。液状の水をフィルムに適用する(例えば、フィルムを液状の水に浸漬したり、水をフィルムに吹き付ける)、室温で外気からフィルムに水を吸収させる、フィルム及び/又は外気を加熱して外気中の水をフィルムに吸収させる、など各種の水接触技術が有用である。ある種の実施形態では、フィルムからゲルを形成するのに必要な時間を制御するために外気の湿度を調節する。
【0033】
ある実施形態では、ポリアゾール−酸ゲルをドーピング酸に接触させて燃料電池ポリアゾール膜を形成する。通常、ポリアゾール−酸ゲルをドーピング酸に接触させることで、水に安定なポリアゾール可溶化酸をゲルから除去する。例えば、ポリアゾール−酸ゲルをドーピング酸の液体浴(例えばドーピング酸水溶液)に漬けることができる。次に、水に安定なポリアゾール可溶化酸を、拡散力、又は、ある実施形態では浸透力によりゲルから排出する。ドーピング酸は、水溶液の状態でも、非水溶液の状態でもよい。ドーピング酸が非水溶液として存在する場合、非水系溶媒(例えばアルコール)は、膜から蒸発することができる。
【0034】
ある実施形態では、ドーピング酸を添加する前に、水を用いてポリアゾール−酸ゲルから水に安定なポリアゾール可溶化酸を洗い流してポリアゾール−水ゲルを形成する。水浴にゲルを漬けるなど適当な洗い流し技術を使用できる。水浴に淡水を継続的又は定期的に導入して、酸を含む水を継続的又は定期的に除去することで、拡散力でゲルから酸を洗い流すことができる。また、水を用いて酸をゲルから洗い流すのに浸透力を使用することもできる。水は純水でもよいし、緩衝溶液などの水溶液であってもよい。最後に、ポリアゾール−水ゲルをドーピング酸(例えば、上述したようなドーピング酸の水溶液又は非水溶液)に接触させて燃料電池ポリアゾール膜を形成する。
【0035】
ゲル
別の態様では、ある実施形態は、ポリアゾールと、1種以上のスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンカルボン酸、ベンゼンスルホン酸、クロロスルホン酸、及び、フルオロスルホン酸とを含有するゲルを提供する。このゲルを、使用する酸や酸類に応じて、例えば、ポリアゾール−メタンスルホン酸ゲル等として言及する場合がある。ポリアゾール−メタンスルホン酸ゲルは、上述した燃料電池ポリアゾール膜の製法におけるポリアゾール−酸ゲル中間体である。ある実施形態では、ポリアゾールは、1種以上のポリベンズイミダゾール、ポリイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリキノキサリン、ポリチアジアゾール、ポリピリジン、ポリピリミジン、及び、ポリテトラザピレンを含む。ポリアゾールは、1種以上のポリ(2,2’−(1,4−フェニレン)−5,5’−ビベンズイミダゾール)、ポリ(2,2’−(1,3−フェニレン)−5,5’−ビベンズイミダゾール)、又は、ポリ(2,5−ベンズイミダゾール)、及び/又は、ここで他の場所で掲げた他のポリアゾールのいずれかを含んでもよい。ある種の実施形態では、ポリアゾールはポリベンズイミダゾールである。ポリアゾール−メタンスルホン酸ゲルはさらに水を含んでもよい。
【0036】
他の実施形態は、実質的にポリアゾールと水からなるゲルを提供する。「実質的にポリアゾールと水からなるゲル」とは、ポリアゾール、水、及び、場合により、燃料電池ポリアゾール膜の製造における有用な中間体であるポリアゾール−水ゲルの基本的かつ新規の特性に影響しない添加物を含むゲルを意味する。ある実施形態では、ポリアゾールは、1種以上のポリベンズイミダゾール、ポリイミダゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリオキサジアゾール、ポリキノキサリン、ポリチアジアゾール、ポリピリジン、ポリピリミジン、及び、ポリテトラザピレンを含む。ある種の実施形態では、ポリアゾールはポリベンズイミダゾールである。ポリアゾールは、ポリ(2,2’−(1,4−フェニレン)−5,5’−ビベンズイミダゾール)、ポリ(2,2’−(1,3−フェニレン)−5,5’−ビベンズイミダゾール)、又は、ポリ(2,5−ベンズイミダゾール)、又は、ここに記載した他のポリアゾールのいずれかを含んでもよい。
【0037】
燃料電池膜の形成方法、及び、燃料電池膜の形成に使用する中間物質に関する各種実施形態は、実体的に例示されたものであり、多数の変更が可能であるから、これら特殊な実施形態又は具体例は限定的な意味で考慮されるべきでないことを理解されたい。本開示の主題は、ここで開示した各種プロセス、システム、及び構造、並びに、他の特徴、機能、作用、及び/又は性質の、すべての新規かつ非自明な組合せ、及び、副組合せ、さらにはこれらの均等物すべてを含む。
【図面の簡単な説明】
【0038】
【図1】燃料電池膜の形成方法の実施形態を説明するフローチャート
【図2】燃料電池膜の形成方法の別の実施形態を説明するフローチャート

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池ポリアゾール膜を製造する方法であって、
a.ポリアゾールを、水に安定なポリアゾール可溶化酸に溶解してポリアゾール−酸溶液を形成し、
b.前記ポリアゾール−酸溶液の層を基材に塗布してポリアゾール−酸フィルムを形成し、
c.前記ポリアゾール−酸フィルムを水と接触させてポリアゾール−酸ゲルを形成し、そして
d.前記ポリアゾール−酸ゲルをドーピング酸に接触させて前記燃料電池ポリアゾール膜を形成する、ことを含む方法。
【請求項2】
前記ドーピング酸は、1種以上のリン酸及び硫酸を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記ポリアゾールは、1種以上のポリベンズイミダゾール、ポリイミダゾール、ポリトリアゾール、ポリピラジン、ポリピリミジン、ポリテトラピレン、ポリオキサゾール、ポリインダゾール、ポリイソオキサゾール、ポリイソチアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサジアゾール、ポリオキサジアゾール、ポリピラゾール、ポリキノキサリン、キノキサゾリン、ポリチアジアゾール、ポリピリジン、ポリテトラザピレン、ポリ(2,2’−(1,4−フェニレン)−5,5’−ビベンズイミダゾール)、ポリ(2,2’−(1,3−フェニレン)−5,5’−ビベンズイミダゾール)、及び、ポリ(2,5−ベンズイミダゾール)を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記ポリアゾールは、ポリベンズイミダゾールを含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項5】
前記水に安定なポリアゾール可溶化酸は、1種以上のスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンカルボン酸、ベンゼンスルホン酸、クロロスルホン酸、及び、フルオロスルホン酸を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記水に安定なポリアゾール可溶化酸は、メタンスルホン酸を含有する、請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記ポリアゾール−酸溶液は、200℃未満の温度で形成される、請求項1に記載の方法。
【請求項8】
前記基材は、ガラス基材又はポリマー基材である、請求項1に記載の方法。
【請求項9】
燃料電池ポリアゾール膜を製造する方法であって、
a.ポリアゾールを、水に安定なポリアゾール可溶化酸に溶解してポリアゾール−酸溶液を形成し、
b.前記ポリアゾール−酸溶液の層を基材に塗布してポリアゾール−酸フィルムを形成し、
c.前記ポリアゾール−酸フィルムを水と接触させてポリアゾール−酸ゲルを形成し、
d.水を用いて前記ポリアゾール−酸ゲルから前記ポリアゾール可溶化酸を洗い流してポリアゾール−水ゲルを形成し、そして
e.前記ポリアゾール−水ゲルをドーピング酸に接触させて前記燃料電池ポリアゾール膜を形成する、ことを含む方法。
【請求項10】
前記ドーピング酸は、1種以上のリン酸及び硫酸を含有する、請求項9に記載の方法。
【請求項11】
前記ポリアゾールは、1種以上のポリベンズイミダゾール、ポリイミダゾール、ポリトリアゾール、ポリピラジン、ポリピリミジン、ポリテトラピレン、ポリオキサゾール、ポリインダゾール、ポリイソオキサゾール、ポリイソチアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサジアゾール、ポリオキサジアゾール、ポリピラゾール、ポリキノキサリン、キノキサゾリン、ポリチアジアゾール、ポリピリジン、ポリテトラザピレン、ポリ(2,2’−(1,4−フェニレン)−5,5’−ビベンズイミダゾール)、ポリ(2,2’−(1,3−フェニレン)−5,5’−ビベンズイミダゾール)、及び、ポリ(2,5−ベンズイミダゾール)を含有する、請求項9に記載の方法。
【請求項12】
前記水に安定なポリアゾール可溶化酸は、pKaが0〜−14である、請求項9に記載の方法。
【請求項13】
前記ポリアゾールは、ポリベンズイミダゾールを含有する、請求項9に記載の方法。
【請求項14】
前記水に安定なポリアゾール可溶化酸は、1種以上のスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンカルボン酸、ベンゼンスルホン酸、クロロスルホン酸、及び、フルオロスルホン酸を含有する、請求項9に記載の方法。
【請求項15】
前記水に安定なポリアゾール可溶化酸は、メタンスルホン酸を含有する、請求項9に記載の方法。
【請求項16】
前記ポリアゾール−酸溶液は、200℃未満の温度で形成される、請求項9に記載の方法。
【請求項17】
前記基材は、ガラス基材又はポリマー基材である、請求項9に記載の方法。
【請求項18】
ポリアゾールと、1種以上のスルホン酸、メタンスルホン酸、トリフルオロメタンスルホン酸、トリフルオロメタンカルボン酸、ベンゼンスルホン酸、クロロスルホン酸、及び、フルオロスルホン酸とを含有するゲル。
【請求項19】
さらに水を含有する、請求項18に記載のゲル。
【請求項20】
前記ポリアゾールは、1種以上のポリベンズイミダゾール、ポリイミダゾール、ポリトリアゾール、ポリピラジン、ポリピリミジン、ポリテトラピレン、ポリオキサゾール、ポリインダゾール、ポリイソオキサゾール、ポリイソチアゾール、ポリベンゾチアゾール、ポリベンゾオキサゾール、ポリベンゾオキサジアゾール、ポリオキサジアゾール、ポリピラゾール、ポリキノキサリン、キノキサゾリン、ポリチアジアゾール、ポリピリジン、ポリテトラザピレン、ポリ(2,2’−(1,4−フェニレン)−5,5’−ビベンズイミダゾール)、ポリ(2,2’−(1,3−フェニレン)−5,5’−ビベンズイミダゾール)、及び、ポリ(2,5−ベンズイミダゾール)を含有する、請求項18に記載のゲル。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate


【公開番号】特開2009−4367(P2009−4367A)
【公開日】平成21年1月8日(2009.1.8)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−125616(P2008−125616)
【出願日】平成20年5月13日(2008.5.13)
【出願人】(508143661)クリアエッジ パワー, インコーポレイテッド (5)
【Fターム(参考)】