説明

燃料電池装置を洗浄および不動態化するための方法および組成物

燃料電池の冷却系を処理するための洗浄剤-不動態化剤組成物と処理方法が記載される。洗浄剤-不動態化剤は、錯化剤、界面活性剤、腐食抑制剤、および溶媒を含む。この洗浄剤-不動態化剤は、燃料電池の冷却液の導電率が増大する原因となる燃料電池の冷却系の中を循環する汚染物質を低減させる。さらに、不動態化剤は燃料電池装置における表面腐食を低減させる。

【発明の詳細な説明】
【発明の詳細な説明】
【0001】
背景
燃料電池は、自動車で現在用いられている内燃機関に取って代わるか、あるいはこれを補うことを含めて、様々な適用において用いるために提案される低公害で効率のよい電力源である。燃料電池集成体は、アノード(すなわち、酸化反応が起こる負に荷電した電極)、カソード(すなわち、還元反応が起こる正に荷電した電極)、およびこれら二つの電極の間にある電解質を含む。車両のエンジンとして用いるのに十分な電力を生み出すために、燃料電池エンジンは典型的に、直列に接続された多数の燃料電池集成体(例えば約100以上の燃料電池)を含む燃料電池のスタック(積重ね)を用いる。単一の燃料電池は約0.6ボルト〜約1.0ボルトのDC電圧で作動するであろうが、自動車の燃料電池スタックは125ボルト〜450ボルトのDC電圧で作動するだろう。
【0002】
燃料電池装置において、個々の燃料電池の要素、例えばアノード、カソード、および/または双極板(bipolar plate)は、冷却液の流路を有する。冷却液の流路は、燃料電池スタックの中の各々の燃料電池集成体の周りで冷却液を循環させる。冷却液が冷却液流路を通って循環する際、燃料電池スタックの温度は、冷却液の流れと温度を調節することによって制御されるだろう。
【0003】
しかし、燃料電池スタックの周囲の冷却系は、燃料電池スタック自体と同じ電圧にさらされる。燃料電池スタックの内部での電気衝撃の可能性を低減するために、冷却液は、例えば約5マイクロジーメンス/cm(μS/cm)未満のような低い導電率を有していなければならない。燃料電池装置の通常の操作を行なう間、冷却液系の部品の腐食、浸出、および分解は、冷却液の導電率を増大させうるイオン種の生成をもたらすかもしれない。冷却液が導電率の限度を超えるのを防ぐために、混合床のイオン交換樹脂フィルターを用いて、生成するイオン種を除去することができる。低い導電率という要件および混合床のイオン交換樹脂の使用が予定されるために、腐食抑制剤の使用はこれらの系には適していないかもしれない。この理由の少なくとも一部は、多くの腐食抑制剤がイオン種を含むことである。有効な腐食保護性を与えるために用いられる抑制剤の濃度において、その抑制剤を含む冷却液は、約5μS/cm未満という許容限度よりも高い導電率を有するかもしれない。さらに、これらのイオン腐食抑制剤は、混合床イオン交換樹脂によって除去されるかもしれない。
【0004】
従って、燃料電池装置を作動させる間およびその寿命の間に冷却液の導電率を所望のレベルに維持するための組成物と方法、および/または燃料電池装置を使用する間にその腐食を防ぐための組成物と方法に対する必要性が残っている。
【0005】
概要
一つの面において、燃料電池の冷却液系を処理するための洗浄剤-不動態化剤組成物は、錯化剤;界面活性剤;腐食抑制剤;および溶媒を含み、このときその洗浄剤-不動態化剤組成物は追加の非生物分解性のアミノカルボキシレート(non-biodegradable aminocarboxylates)を含んでいない。
【0006】
別の面において、燃料電池の冷却液系を処理するための洗浄剤-不動態化剤組成物は、錯化剤;界面活性剤;シリケート、1以上のケイ素-炭素結合を有するオルガノシラン系化合物、テトラアルキルオルトケイ酸エステル、またはこれらの組合せ;アゾール;ピロホスフェート(ピロリン酸塩);および溶媒を含む。
【0007】
燃料電池の冷却液系を処理する方法は、燃料電池の冷却液系を洗浄剤-不動態化剤組成物と接触させ、そして燃料電池の冷却液系をすすぎ溶媒(rinse solvent)ですすぎ洗いすることを含む。
【0008】
上記の態様およびその他の態様は、以下の詳細な説明、図面、および添付する特許請求の範囲から当業者によって認識され、理解されるだろう。
詳細な説明
冷却液の導電率を研究している間に、燃料電池の冷却液系と接触する新しい部品は、冷却液と接触する前に洗浄することができ、それによって冷却液の導電率の望ましくない増大が低減される、ということが発見された。さらに、燃料電池装置の通常の操作を行なう間、冷却液系の部品の腐食、浸出、および分解は、冷却液の導電率を増大させうるイオン種の生成をもたらすかもしれない。従って、燃料電池装置を定期的に洗浄することが望ましい。装置の腐食を低減させ、そして装置の有効寿命を増大させるために、新しい冷却液を加える前に、および/または冷却液系に新しい部品を取り付けた後に、燃料電池の冷却液系を不動態化することも望ましい。不動態化によって燃料電池の冷却液系の要素の表面に保護膜が形成され、これがその要素を腐食から保護する。
【0009】
ここにおいて発明者らは、組み合わせた形の洗浄剤-不動態化剤組成物は、燃料電池の冷却液系における金属表面と非金属表面の洗浄と不動態化の両方を達成するために用いうる、ということを発見した。洗浄剤(cleaner)は燃料電池の冷却液系の内部を洗浄し、油、スラッジ(沈殿物)、腐食生成物、およびその他の望ましくない汚染物質、および/または燃料電池の冷却液系の表面の堆積物を除去する。洗浄剤は、これらの種類のものを洗浄剤溶液中に分散および/または溶解させるだろう。不動態化剤(passivator)は、燃料電池の冷却液系の金属表面上に耐久性のある保護膜が形成されるのを促進する。この保護膜は、冷却液系のその後の通常の作動を行なう間に金属表面が腐食する傾向を低下させるだろう。組み合わせの洗浄剤-不動態化剤組成物で処理された後、冷却液系は排液され、そしてすすぎ溶媒(rinse solvent)すなわち脱イオン水ですすぎ洗いされるだろう。すすぎ液の導電率が特定の低いレベルまで低下したら、冷却液系は排液される。次いで、冷却液系の通常の作動のための冷却液が加えられる。
【0010】
燃料電池の冷却液系のための組み合わせの洗浄剤-不動態化剤組成物は、単一の処理パッケージの形のものであっても、あるいは一方が洗浄剤組成物を収容していて他方が不動態化剤組成物を収容している二つのパッケージの形のものであってもよい。適用の手順を簡便にするためには、単一の処理パッケージが用いられるだろう。良好な不動態化を達成し、そして処理後により耐久性の高い保護膜を形成させるためには、二つのパッケージによる処理が用いられるかもしれない。洗浄プロセスおよび/または不動態化プロセスは10℃〜100℃の温度で行なうことができる。堆積物を除去する速度を増大させ、不動態化プロセスを速め、そしてより良好な保護層が形成されるのを促進するためには、洗浄プロセスと不動態化プロセスのいずれか一方または両方を周囲温度よりも高い温度、例えば約30℃〜約100℃で実施してもよい。
【0011】
洗浄剤-不動態化剤組成物は、錯化剤、界面活性剤、腐食抑制剤、溶媒、場合によって用いられる消泡剤、場合によって用いられるpH調整剤、場合によって用いられる殺生物剤、および場合によって用いられる着色剤および/または染料を含む。洗浄剤組成物は、錯化剤、界面活性剤、腐食抑制剤、溶媒、場合によって用いられる消泡剤、場合によって用いられるpH調整剤、場合によって用いられる殺生物剤、および場合によって用いられる着色剤および/または染料を含む。不動態化剤組成物は、腐食抑制剤、溶媒、場合によって用いられる消泡剤、場合によって用いられるpH調整剤、場合によって用いられる殺生物剤、および場合によって用いられる着色剤および/または染料を含む。洗浄剤および/または不動態化剤の個々の成分は、一つよりも多い作用を有するかもしれない。例えば、特定のpH調整剤は腐食抑制剤としても作用する場合があり(例えば、ホウ砂および硝酸)、そして特定の腐食抑制剤は錯化剤としても作用する場合がある(例えば、ピロリン酸カリウム)。
【0012】
ここで用いる場合、錯化剤という用語はキレート化剤を含む。錯化剤として挙げられるものは、ヒドロキシカルボキシレート(例えば、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、グルカル酸、グルコヘプトン酸、グリコール酸、およびこれらの異性体および塩);ホスホネートおよびホスフィネート[例えば、HEDP(1-1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸)、PBTC(2-ホスホノ-ブタン-1,2,4-トリカルボン酸)、AMP(アミノトリ(メチレンホスホン酸))、HPA(ヒドロキシホスホノ酢酸)、HMDTMP(ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸))、DTPA(ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸))、Bricorr 288(ホスホノコハク酸、およびそのモノ、ビスおよびポリマー付加物)、PSO(ホスフィノコハク酸、およびそのモノ、ビスおよびオリゴマー付加物)、およびこれらの異性体および塩];非生物分解性のアミノカルボキシレート[例えば、EDTA(エチレンジアミンテトラ酢酸)、およびNTA(ニトリロ三酢酸)];生物分解性のアミノカルボキシレート[例えば、EDDS{(S,S)-エチレンジアミン二コハク酸}、IDSA(イミノ二コハク酸)、MGDA(メチレン二酢酸)、エチレンジアミン-N,N’-グルタル酸、2-ヒドロキシプロピレンジアミン-N,N’-二コハク酸、およびヒドロキシエチレンジアミン三酢酸、およびこれらの異性体および塩];カルボキシレートおよびジカルボキシレート(例えば、シュウ酸、安息香酸、ギ酸、酢酸、スルファミン酸、アジピン酸、コハク酸、および過酢酸);アクリレート系ポリマー、コポリマーおよびターポリマー[例えば、ポリアクリレート、アクリレート-アクリルアミドコポリマー、アクリレート-AMPS(アクリルアミドメチレンスルホン酸)コポリマー、アクリレート-マレエートコポリマー、アクリレート-ヒドロキシプロピルアクリレートコポリマー、アクリレート-スルホン酸コポリマー、アクリレート-アクリルアミド-スルホン酸ターポリマー、スルホアルキル化アクリルアミドアクリレートターポリマー、アミン置換スルホメチル化アクリルアミドアクリレートターポリマー、ポリメタクリル酸、アクリレート-メタクリレートコポリマー、ホスフィネート-アクリレートコポリマー、アクリレート- AMPS-スチレンスルホネートターポリマー、アクリレート- AMPS-ホスフィネートターポリマー];マレイン酸系ポリマー(例えば、ポリマレイン酸、無水ポリマレイン酸、スチレンスルホネート-マレイン酸コポリマー、スルホン化スチレン無水マレイン酸);ポリアスパラギン酸およびアスパラギン酸系コポリマー;その他同種類のもの;および前記の錯化剤の1以上を含む組合せであろう。一つの態様において、錯化剤はクエン酸である。別の態様において、洗浄剤および/または不動態化剤は、EDTAおよびNTAなどの非生物分解性のアミノカルボキシレートを含んでいなくてもよい。さらに別の態様において、洗浄剤および/または不動態化剤は、非生物分解性のアミノカルボキシレートのみならず生物分解性のアミノカルボキシレートを含んでいなくてもよい。すなわち、追加のアミノカルボキシレートを含んでいなくてもよい。
【0013】
界面活性剤は油とグリースを除去するために用いられる。界面活性剤として挙げられるものは、非イオン界面活性剤[例えば、(a)EO-PO(エチレンオキシド-プロピレンオキシド)ブロックコポリマー、これは例えばBASF Corp.からのPluronic L61、L62、L63、L64、L65、L81、およびL101、およびその他のEP-PO、EO-PO-EO、PO-EO-POブロックコポリマーであってTetronicおよびTetronic R、Pluronic LおよびR、Alkatronicの商品名のもの;(b)ノニルフェノキシエトキシレート(NPE)、これは例えばIgepal CO(CDN)、Tergitol NPの系列、Makronの系列、Alkasurf NP、Sulfonic Nの系列、その他のもの、(c)オクチルフェノールエトキシレート(OPE)、これは例えばTriton Xの系列、Sulfonic NP、Sulfonic OPの系列、Igepal CA(CDN)、および(d)第一および第二エトキシル化アルコール、これは例えばAlfonic、DeSonicおよびTergitol 15-Sの系列、Neodolブランド、および(e)ポリエチレン脂肪酸、例えばタル油、および(f)ポリプロピレンオキシドまたはポリプロピレングリコール(PPG)およびポリエチレンオキシドまたはポリエチレングリコールおよびその他同種類のもの];陰イオン界面活性剤、これは例えばナトリウムジオクチルスルホスクシネート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、スルホン化ジフェニルオキシド、およびその他同種類のもの;陽イオン界面活性剤、これは例えばエトキシル化エーテルアミン;両性界面活性剤、これは例えば脂肪酸のアミン誘導体とイミダゾリン誘導体のいずれか、およびその他同種類のもの;ヒドロトロープ界面活性剤、これは例えばナトリウムアルキルナフタレンスルホネート、リン酸芳香族または脂肪族エステル、およびナトリウムキシレンスルホネート;アルコール界面活性剤(例えばShell Chemicalsから入手できるNeodolブランドアルコール界面活性剤);および前記の界面活性剤の1以上を含む組合せであろう。特定の態様において、界面活性剤はEO-POブロックコポリマーおよび/またはアルコキシル化アルコール、例えばTomahからTomadol 25-12として入手できるエトキシル化線状アルコールを含む。
【0014】
腐食抑制剤は、燃料電池の冷却液系における腐食を低減させるために用いられる。腐食抑制剤として挙げられるものは、アルミニウムの腐食抑制剤(例えば、シリケート;1〜20の炭素原子を含むアルキル基を有するテトラアルキルオルトケイ酸エステル(例えば、テトラメチルオルトシリケート、テトラエチルオルトシリケート、およびその他同種類のもの));および/またはケイ素-炭素結合を有するオルガノシラン系化合物[すなわち、水の存在下で加水分解してシラノール(すなわち、Si-OH基を有する化合物)を形成することのできる化合物]、これは例えばナトリウム(トリヒドロキシシリル)-プロピルメチルホスホネートまたはDow CorningからのQ1-6083、およびアルコキシシラン、これは例えばSilquest(登録商標)Y-5560シラン(すなわち、ポリアルキレンオキシドアルコキシシラン)、Silquest(登録商標)A-186[2-(3,4-エポキシシクロヘキシル)エチルトリメトキシシラン]、Silquest(登録商標)A-187(3-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン)、3-アミノプロピルトリエトキシシラン、N-2-(アミノエチル)-3-アミノプロピルトリメトキシシラン、オクチルトリエトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、クロロプロピルトリエトキシシラン、クロロプロピルトリメトキシシラン、3-(トリメトキシシリル)プロピルジメチルオクタデシルアンモニウムクロリド、ビストリエトキシシリルプロピルテトラスルフィド、ビストリエトキシシリルプロピルジスルフィド、またはOSi SpecialtiesあるいはGE Siliconesから入手できるその他のSilquest(登録商標)タイプのシラン、およびDow Corningおよびその他の供給会社から入手できるシラン系カップリング剤;ベンゾエートなどのカルボキシレート、C5 - C16ジカルボキシレート;C5 - C16モノカルボン酸;ネオ酸(neoacids);アルキル(C1−C14)シクロヘキセン酸およびその塩;硝酸塩;亜硝酸塩;リン酸塩;および前記のアルミニウム腐食抑制剤の1以上を含む組合せ;四六黄銅(yellow metal)の腐食抑制剤(例えば、ベンゾトリアゾールやトリルトリアゾールなどのヒドロカルビルトリアゾール、メルカプトベンゾチアゾールなどのチアゾール、ベンゾイミダゾールなどのイミダゾール、およびその他のアゾール);鉄系金属の腐食抑制剤(例えば、オルトホスフェート、ピロホスフェート、ヘキサメタホスフェート、ポリホスフェート、ホスホネート、ホスフィネート、モリブデート、バナデート、タングステート、ボレート(ホウ酸塩)、シリケート、亜鉛化合物、カルボキシレート、およびその他同種類のもの);および前記の腐食抑制剤の1以上を含む組合せであろう。一つの態様においては、腐食抑制剤はアルミニウムの腐食抑制剤、四六黄銅の腐食抑制剤、および鉄系金属の腐食抑制剤を含む。別の態様において、腐食抑制剤はシリケート、テトラアルキルオルトケイ酸エステル、ケイ素-炭素結合を有するオルガノシラン系化合物、または前記の化合物の1以上を含む組合せ;アゾール;およびピロホスフェートを含む。
【0015】
場合によって用いられるものである消泡剤として挙げられるものは、シリコーン、例えばOSI Specialties、Dow Corningまたはその他の供給会社から入手できるSAG 10または類似の製品;エチレンオキシド-プロピレンオキシド(EO-PO)ブロックコポリマーおよびプロピレンオキシド-エチレンオキシド-プロピレンオキシド(PO-EO-PO)ブロックコポリマー(例えば、Pluronic L61、Pluronic L81、またはその他のPluronic製品とPluronic C製品);ポリ(エチレンオキシド)またはポリ(プロピレンオキシド)、これは例えばPPG 2000(すなわち、平均分子量が2000のポリプロピレンオキシド);疎水性の非晶質シリカ;ポリジオルガノシロキサン系の製品(例えば、ポリジメチルシロキサン(PDMS)を含む製品、およびその他同種類のもの);脂肪酸または脂肪酸エステル(例えば、ステアリン酸、およびその他同種類のもの);脂肪アルコール、アルコキシル化アルコールおよびポリグリコール;ポリエーテルポリオールアセテート、ポリエーテルエトキシル化ソルビトールヘキサオレエート、およびポリ(エチレンオキシド-プロピレンオキシド)モノアリルエーテルアセテート;ワックス、ナフサ、ケロセンおよび芳香油;および前記の消泡剤の1以上を含む組合せであろう。特定の界面活性剤は、界面活性剤と消泡剤の組合せの作用を有するかもしれない。
【0016】
本発明において、場合によって用いられるものであるpH調整剤は、洗浄溶液のpHを緩衝して調整するための薬剤を含む。pH調整剤として挙げられるものは、ボレート(ホウ酸塩)、ホスフェート、カーボネート、塩基(例えば、NaOH、KOH)、酸(例えば、H2SO4、H3PO4、およびHNO3);およびその他同種類のもの;および前記のpH調整剤の1以上を含む組合せであろう。
【0017】
場合によって用いられるものである殺生物剤として挙げられるものは、1以上の非酸化性の殺生物剤、例えば、グルタルアルデヒド、イソチアゾロン類(例えば、5-クロロ-2-メチル-4-イソチアゾリン-5-オン、および2-メチル-4-イソチアゾリン-3-オン)、2-ブロモ-2-ニトロプロパン-1,3-ジオール、2,2-ジブロモ-3-ニトリロプロピオンアミド、ドデシルグアニジン、塩酸塩、ジチオカルバメート、メチレンビスチオシアネート、第四アミン、2-(チオシアノメチルチオ)ベンゾチアゾール、テトラキスヒドロキシメチルホスホニウムスルフェート、2-ニトロ-2-ヒドロキシメチル-1,3-プロパンジオール、および前記の殺生物剤の1以上を含む組合せであろう。殺生物剤は、所望のレベルの殺生物活性が生じるのに十分な量で用いられる。
【0018】
場合によって用いられるものである着色剤および/または染料としては、例えば、Abbey Color Inc.からの「Alizarine Green」、「Uranine Yellow」または「Green AGS-liquid」、Crompton & Knowles Corp.からの「Orange II(Acid Orange 7)」、または「Intracid Rhodamine WT(Acid Red 388)」、およびその他同種類のもの、および前記の着色剤と染料の1以上を含む組合せがある。着色剤および/または染料は、所望の色が与えられるのに十分な量で用いられる。
【0019】
洗浄剤および/または不動態化剤組成物のための適当な溶媒として挙げられるものは、例えば、水;グリコール、これは例えばエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、および1,3-プロパンジオール、ブチレングリコール;アルコール、これは例えばメタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、およびフルフロールおよびグリセロール、グリセロールのモノエチルエーテル、グリセロールのジメチルエーテル、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、メトキシエタノール、および前記の溶媒の1以上を含む組合せである。
【0020】
一つの部分の洗浄剤-不動態化剤系は、この洗浄剤-不動態化剤系の総重量に基づいて、錯化剤を約0.1wt%〜約50wt%、好ましくは約0.2wt%〜約30wt%、そしてより好ましくは約0.4wt%〜約20wt%;界面活性剤を約0.003wt%〜約10wt%、好ましくは約0.006wt%〜約5wt%、そしてより好ましくは約0.008wt%〜約2.5wt%;消泡剤を約0wt%〜約1wt%、好ましくは約0.002wt%〜約0.5wt%、そしてより好ましくは約0.003wt%〜約0.2wt%;腐食抑制剤を約0.001wt%〜約10wt%、好ましくは約0.003wt%〜約5wt%、そしてより好ましくは約0.005wt%〜約3wt%;pHを約pH4〜約pH13、好ましくは約pH5〜約pH12.5、そしてより好ましくは約pH6〜約pH12に調整するのに十分な量の緩衝およびpH調整剤;および溶媒を約20wt%〜約99.7wt%、好ましくは約40wt%〜約99.5wt%、そしてより好ましくは約60wt%〜約99.4wt%の量で含む。
【0021】
洗浄剤は好ましくは、この洗浄剤の総重量に基づいて、錯化剤を約0.2wt%〜約50wt%、好ましくは約0.3wt%〜約40wt%、そしてより好ましくは約0.4wt%〜約30wt%;界面活性剤を約0.003wt%〜約10wt%、好ましくは約0.006wt%〜約5wt%、そしてより好ましくは約0.008wt%〜約2.5wt%;消泡剤を約0wt%〜約1wt%、好ましくは約0.002wt%〜約0.5wt%、そしてより好ましくは約0.002wt%〜約0.2wt%;腐食抑制剤を約0.001wt%〜約10wt%、好ましくは約0.003wt%〜約5wt%、そしてより好ましくは約0.005wt%〜約3wt%;pHを約pH1〜約pH13、好ましくは約pH2〜約pH11、そしてより好ましくは約pH3〜約pH9に調整するのに十分な量の緩衝およびpH調整剤;および溶媒を約20wt%〜約99.8wt%、好ましくは約40wt%〜約99.7wt%の量で含む。
【0022】
不動態化剤は好ましくは、この不動態化剤の総重量に基づいて、消泡剤を約0wt%〜約2wt%、好ましくは約0.002wt%〜約1wt%、そしてより好ましくは約0.003wt%〜約0.5wt%;腐食抑制剤を約0.001wt%〜約10wt%、好ましくは約0.002wt%〜約6wt%、そしてより好ましくは約0.003wt%〜約5wt%; pHを約pH6〜約pH13、好ましくは約pH7〜約pH12.5、そしてより好ましくは約pH7.5〜約pH11.5に調整するのに十分な量の緩衝およびpH調整剤;および溶媒を約80wt%〜約99.5wt%、好ましくは約90wt%〜約99wt%の量で含む。
【0023】
一つの態様において、洗浄剤-不動態化剤組成物の腐食抑制剤は、シリケート、テトラアルキルオルトケイ酸エステル、ケイ素-炭素結合を有するオルガノシラン系化合物、または前記の化合物の1以上を含む組合せ;アゾール化合物;およびピロホスフェート化合物を含む。シリケートおよび/またはテトラアルキルオルトケイ酸エステルは、存在する場合、洗浄剤および/または不動態化剤組成物の総重量の約0.005wt%〜約1wt%、好ましくは約0.01wt%〜約0.7wt%、そしてより好ましくは約0.02wt%〜約0.5wt%で含まれる。ケイ素-炭素結合を有するオルガノシラン系化合物は、存在する場合、洗浄剤および/または不動態化剤組成物の総重量の約0.001wt%〜約1wt%、好ましくは約0.005wt%〜約0.5wt%、そしてより好ましくは約0.01wt%〜約0.2wt%で含まれる。アゾール化合物は、洗浄剤および/または不動態化剤組成物の総重量の約0.0002wt%〜約2wt%、好ましくは約0.001wt%〜約1wt%、そしてより好ましくは約0.002wt%〜約0.6wt%で含まれる。ピロホスフェートは、洗浄剤および/または不動態化剤組成物の総重量の約0.001wt%〜約1wt%、好ましくは約0.002wt%〜約0.8wt%、そしてより好ましくは約0.0025wt%〜約0.5wt%で含まれる。
【0024】
洗浄剤-不動態化剤組成物が単一のパッケージの洗浄剤-不動態化剤組成物の形のものである場合、組成物のpHは約pH4〜約pH13、あるいは約pH7〜約pH12.5であろう。洗浄剤組成物と不動態化剤組成物が二つのパッケージに分離されている場合、洗浄剤のpHは約pH1〜約pH13、あるいは約pH3〜約pH11であろう。不動態化剤組成物は約pH6〜約pH13、あるいは約pH7〜約pH12.5のpHを有するだろう。洗浄剤組成物のpHが約7よりも小さい場合、1以上の酸素除去剤と鉄イオン(ferric ion)還元剤、例えばエリトルベート(erythorbate)、スルフィット(sulfite)、ビスルフィットなどを添加することによって、洗浄が行なわれる間の腐食を最少にすることができる。
【0025】
燃料電池装置を洗浄しそして不動態化する方法は、燃料電池装置を上記の(一つの部分または二つの部分のいずれかの)洗浄剤-不動態化剤組成物と接触させることを含む。洗浄剤-不動態化剤組成物と接触させた後、燃料電池装置は好ましくはすすぎ溶媒、例えば、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、フルフロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセロール、グリセロールのモノエチルエーテル、グリセロールのジメチルエーテル、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、メトキシエタノール、または前記の溶媒の1以上を含む組合せ、などのすすぎ溶媒ですすぎ洗いされる。接触工程とすすぎ洗い工程は好ましくは、その後に燃料電池装置と接触する冷却液の導電率が、燃料電池装置がこの冷却液にさらされてから約1時間後に、約5マイクロジーメンス/cm未満に維持されるのに十分なやり方で行なわれる。この試験のための冷却液は、約10wt%〜約100wt%の水と約10wt%〜約90wt%のアルコールを含む。アルコールは例えば、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、フルフロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセロール、グリセロールのモノエチルエーテル、グリセロールのジメチルエーテル、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、メトキシエタノール、および前記のアルコールの1以上を含む組合せを含む。この試験のための冷却液は、冷却液の導電率を顕著に変化させる役割をする添加剤を何も含まないはずである。
【0026】
この洗浄剤-不動態化剤は燃料電池装置の処理、例えばPEMFC(プロトン交換膜燃料電池またはポリマー電解質膜燃料電池)、PAFC(リン酸燃料電池)、MCFC(溶融炭酸塩燃料電池)、SOFC(固体酸化物燃料電池)、およびAFC(アルカリ燃料電池)などの処理に用いることができる。
【0027】
本発明を以下の非限定的な実施例によってさらに例証する。
実施例1.洗浄剤-不動態化剤組成物
【0028】
【表1】

【0029】
この実施例において、濃縮した洗浄剤-不動態化剤が10倍に希釈された(270mlの脱イオン水(DI水)+30mlの洗浄剤-不動態化剤)。燃料電池の冷却液系で典型的に用いられる部材を模擬するために用いられた試料は、二つの鋳造アルミニウムのクーポン(板状試験片)、二つの黄銅のクーポン、二つのステンレス鋼(SS316)のクーポン、一つのろう接したアルミニウムのクーポン、一つのシリコーンのガスケット、および二つのヴァイトン(Viton)Oリングであった。試料の総表面積は194平方センチメートルで、試料は互いに電気接続された。ガラス瓶の底にテフロン(登録商標)のブロックが置かれ、そして金属のクーポンが瓶の中のテフロン(登録商標)ブロックの上に置かれた。洗浄剤-不動態化剤の溶液がガラス瓶の中に加えられ、そして溶液が80℃に達した後に20分間加熱された。次いで、洗浄剤-不動態化剤の溶液を除去するために、試料を伴ったガラス瓶は300mlのDI水を用いて2回DI水ですすぎ洗いされ、そしてこのすすぎ液は捨てられた。次いで、300mlのDI水がガラス瓶の中に加えられ、そしてこの溶液の導電率が時間の関数として記録された。比較として、洗浄剤-不動態化剤の処理を行なわずに、300mlのDI水の中に浸漬された同じ試料を使用して溶液の導電率を記録することによって、ブランクの試験(空試験)が行なわれた。得られた結果を下に示す。
【0030】
【表2】

【0031】
表2からわかるように、ブランク試験の試料については、試料にさらした水の導電率が0分での1.8μS/cmから18時間での38μS/cmへとかなりの増大を示す。洗浄剤-不動態化剤で処理した試料にさらした水は、初期の導電率がわずか0.36μS/cmで、18時間後には3.21μS/cmへの増大を示す。従って、この実施例において、洗浄剤-不動態化剤の処理を行なうことによって、試料にさらした水の導電率の発現は低減した。
【0032】
実施例2.代替の洗浄剤-不動態化剤系
【0033】
【表3】

【0034】
実施例2の洗浄剤-不動態化剤の処理剤は実施例1のものと同じであるが、ただし界面活性剤/消泡剤の量を2倍にした。用いられた試料は、一つの鋳造アルミニウムのクーポン、一つの黄銅の管の断片、一つのステンレス鋼(SS316)のクーポン、一つのろう接したアルミニウムのクーポン、一つのシリコーンのガスケット、および二つのヴァイトンOリングであった。試料の総表面積は120平方センチメートルであった。試料は互いに電気接続された。二組の試料が、300mlの水道水を入れたガラス瓶に別々に入れられた。試料は水道水の中で5日間かけて予め腐食され、その後DI水ですすぎ洗いされ、そしてペーパータオルで乾燥された。次いで、試料はきれいなガラス瓶の中に置かれた。
【0035】
濃縮した洗浄剤-不動態化剤が10倍に希釈された(270mlのDI水+30mlの洗浄剤-不動態化剤)。洗浄剤-不動態化剤の溶液がガラス瓶の中に加えられ、そして溶液が80℃に達した後に20分間加熱された。次いで、洗浄剤-不動態化剤の溶液を除去するために、試料を伴ったガラス瓶は300mlのDI水を用いて2回DI水ですすぎ洗いされ、そしてこのすすぎ液は捨てられた。次いで、300mlのDI水がガラス瓶の中に加えられ、そしてこの溶液の導電率が時間の関数として記録された。比較として、洗浄剤-不動態化剤の処理を行なわずに、300mlのDI水の中に浸漬された同じ試料を使用して溶液の導電率を記録することによって、ブランクの試験が行なわれた。得られた結果を下に示す。
【0036】
【表4】

【0037】
表4からわかるように、ブランク試験の試料については、試料にさらした水の導電率が0分での1.8μS/cmから22時間での22.1μS/cmへとかなりの増大を示す。洗浄剤-不動態化剤で処理した試料にさらした水は、初期の導電率がわずか0.34μS/cmで、22時間後には6.88μS/cmへの増大を示す。従って、この実施例において、洗浄剤-不動態化剤の処理を行なうことによって、試料にさらした水の導電率の発現は低減した。
【0038】
実施例3.代替の洗浄剤-不動態化剤
【0039】
【表5】

【0040】
実施例1において用いたものと類似する試験手順が用いられた。一つの違いは、これらの試験において洗浄-不動態化工程が室温、例えば約22℃において実施されたことである。試料は実施例2において用いたものと(量と種類の点で)同様であった。
【0041】
【表6】

【0042】
この結果は、実施例3の配合物を用いた場合、発泡状態にあるために、より多くのすすぎ洗い工程が必要になったことを示す。実施例3における洗浄-不動態化処理剤にさらした後、試験試料を含む溶液の導電率を1.47μS/cmまで低減させるのに、3回のDI水によるすすぎ洗いが用いられた。
【0043】
実施例4.代替の洗浄剤-不動態化剤による処理
【0044】
【表7】

【0045】
実施例1において用いたものと類似する試験手順が用いられた。一つの違いは、これらの試験において洗浄-不動態化工程が室温、例えば約22℃において実施されたことである。試料は実施例2において用いたものと(量と種類の点で)同様であった。
【0046】
【表8】

【0047】
この結果は、実施例4の配合物については、発泡状態にあるために、より多くのすすぎ洗い工程が必要になったことを示す。実施例4における洗浄-不動態化処理剤にさらした後、5回のDI水によるすすぎ洗いを行なった後の導電率は1.62μS/cmであった。
【0048】
要約すると、実施例1〜4における試験の結果は、DI水だけでの試料の複数回のすすぎ洗いによっては低い導電率を維持するには十分ではなく、それは、腐食によって新しいイオン種が発生することと、おそらくは試料の表面からの汚染物質の除去が不完全であることのためである、ということを示す。さらに、洗浄剤-不動態化剤処理において用いられる界面活性剤は、洗浄溶液を除去するのに必要なすすぎ洗いの回数に影響を及ぼす。洗浄工程の間に発生する発泡が、この問題の原因であるかもしれない。最後に、この処理剤の-不動態化能力は、処理剤の組成と適用温度に依存する。処理温度の(例えば80℃への)増大と適切に配合された処理剤の使用は、適切な結果を得ること、すなわち適切な洗浄、用いられた処理剤のすすぎ洗いによる容易な除去、および試料表面上への高度に有効で耐久性の高い保護性の不動態膜の形成を得ることを可能にするはずである。
【0049】
比較実施例5.不動態化剤だけを用いる処理
洗浄剤-不動態化剤処理を用いることによるアルミニウム表面のための向上した腐食保護の利益が、この実施例において論証される。8.04平方センチメートルの表面積を有する同一の3003アルミニウム板の状クーポンが、(1)実施例1において説明したのと同じ溶液で、80℃で20分間の洗浄-不動態化温度を用いる処理、(2)実施例1におけるものと同じ溶液であるが、しかし温度を40℃とする処理、(3)DI水だけでの処理、(4)無処理(ブランク)、および(5)下に示す不動態化剤処理溶液による80℃で20分間の処理、に供された。
【0050】
【表9】

【0051】
処理を行なった後、アルミニウム板はDI水ですすぎ洗いされ、そして空気で飽和させた50wt%エチレングリコール+50%DI水+Clとして100ppmの塩化物(NaClから)の溶液の中に浸漬された。30分後、腐食電位(約−0.6V/AgAgClから+1.0V/AgAgClまでの範囲)からの領域における直線分極(linear polarization)とアノード分極を含む電気化学的な測定が行なわれた。図1において、曲線1は80℃で用いられた実施例1の洗浄剤-不動態化剤についてのもの、曲線2は40℃で用いられた実施例2の洗浄剤-不動態化剤についてのもの、曲線3は洗浄剤-不動態化剤処理を行なわないブランクのもの、曲線4は80℃で脱イオン水処理を行なったもの、そして曲線5は表9におけるように不動態化剤処理だけを80℃で行なったものについてのものである。アノード分極曲線の結果(図1)は、80℃で処理された実施例1の溶液が最良の総体的な腐食保護を与えたことを示す。アノード電流は、ブランクすなわち処理を行なわないものよりも概ね1オーダー以上低かった。言い換えると、腐食保護の効率は約90%以上であった。40℃で処理された実施例1の溶液は、わずかに高い不動態膜破壊可能性および0.0V/AgAgClよりもアノード側の電位領域においてもっと低いアノード電流を有しているという点で、二番目に良好な腐食保護を与えた。不動態化剤で処理したものは、約0V/AgAgClにおいて不動態膜が破壊するよりも低い電位において最良の腐食保護を与えただけである。脱イオン水で処理したものは、ブランクのものよりも極めてわずかに改善された腐食保護を与えた。
【0052】
実施例6.洗浄剤-不動態化剤による処理
【0053】
【表10】

【0054】
【表11】

【0055】
表11に示すように、処理後に120分経過したときでさえ、洗浄剤-不動態化剤は、水を用いたブランクと比較して2倍以上の導電率の改善を与える。
開示された洗浄剤-不動態化剤組成物は、単純な水による洗浄と比較して、モデルの系にさらした水の導電率の低下をもたらす。洗浄剤-不動態化剤を用いる処理によって、燃料電池の冷却液系において循環する冷却液の導電率が低下すると予想される。実施例で示されたように、洗浄剤と不動態化剤を用いることによって、表面の腐食の低減だけでなく循環する汚染物質の低減ももたらされる。従って、開示された洗浄剤-不動態化剤を用いることによって、燃料電池の冷却液系において循環する冷却液の導電率は、許容できる限度の範囲内に維持されるだろう。
【0056】
ここで開示された全ての範囲は、包括的かつ組み合わせることのできるものである。好ましい態様に関して本発明を説明したが、本発明の範囲から逸脱することなく、様々な変更を行うことや本発明の要素を等価物で置き換えることができることを、当業者であれば理解するであろう。さらに、本発明の本質的な範囲から逸脱することなく、本発明の教示に特定の条件や物質を適合させるために多くの修正を行なってもよい。従って、本発明を実施するために考えられる最良の形態として開示された特定の態様に本発明が限定されるものではなく、本発明は添付の特許請求の範囲に入る全ての態様を含んでいるであろう、ということが意図されている。
【図面の簡単な説明】
【0057】
【図1】図1は、あるタイプのアルミニウムであるAl 3003の腐食保護性に及ぼす異なる洗浄剤-不動態化剤処理の影響を示す、電流(I)対電位分極の曲線を示す。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
燃料電池の冷却液系を処理するための洗浄剤-不動態化剤組成物であって:
錯化剤;
界面活性剤;
腐食抑制剤;および
溶媒;を含み、
このとき洗浄剤-不動態化剤組成物は追加の非生物分解性のアミノカルボキシレートを含んでいない、前記組成物。
【請求項2】
洗浄剤-不動態化剤組成物は追加のアミノカルボキシレートを含んでいない、請求項1に記載の洗浄剤-不動態化剤組成物。
【請求項3】
錯化剤は、ヒドロキシカルボキシレート;ホスホネート;ホスフィネート;カルボキシレート;ジカルボキシレート;アクリレート系ポリマー、コポリマーまたはターポリマー;マレイン酸系ポリマー、コポリマーまたはターポリマー;ポリアスパラギン酸;アスパラギン酸系コポリマー;または前記の錯化剤の1以上を含む組合せである、請求項1に記載の洗浄剤-不動態化剤組成物。
【請求項4】
錯化剤は、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、グルカル酸、グルコヘプトン酸、グリコール酸、HEDP(1-1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸)、PBTC(2-ホスホノ-ブタン-1,2,4-トリカルボン酸)、AMP(アミノトリ(メチレンホスホン酸))、HPA(ヒドロキシホスホノ酢酸)、HMDTMP(ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸))、DTPA(ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸))、ホスホノコハク酸、またはそのモノ、ビスおよびオリゴマー付加物、ホスフィノコハク酸、またはそのモノ、ビスおよびオリゴマー付加物、シュウ酸、安息香酸、ギ酸、酢酸、スルファミン酸、アジピン酸、コハク酸、過酢酸、ポリアクリレート、アクリレート-アクリルアミドコポリマー、アクリレート-AMPS(アクリルアミドメチレンスルホン酸)コポリマー、アクリレート-マレエートコポリマー、アクリレート-ヒドロキシプロピルアクリレートコポリマー、アクリレート-スルホネートコポリマー、アクリレート-アクリルアミド-スルホネートターポリマー、アミン置換スルホアリル化アクリルアミドアクリレートターポリマー、ポリマレイン酸、無水ポリマレイン酸、ポリメタクリル酸、アクリレート-メタクリレートコポリマー、スチレンスルホネート-マレイン酸コポリマー、ホスフィネート-アクリレートコポリマー、アクリレート- AMPS-スチレンスルホネートターポリマー、アクリレート- AMPS-ホスフィネートターポリマー、ポリアスパラギン酸、アスパラギン酸系コポリマー、前記の錯化剤のいずれかの異性体または塩、または前記の錯化剤の1以上を含む組合せである、請求項3に記載の洗浄剤-不動態化剤組成物。
【請求項5】
錯化剤はクエン酸を含む、請求項4に記載の洗浄剤-不動態化剤組成物。
【請求項6】
腐食抑制剤は、シリケート;1〜20の炭素原子を含むアルキル基を有するテトラアルキルオルトケイ酸エステル;ケイ素-炭素結合を有するオルガノシラン系化合物;カルボキシレート;C5 - C16ジカルボキシレート;C5 - C16モノカルボン酸;ネオ酸;アルキル(C1−C14)シクロヘキセン酸またはその塩;硝酸塩;亜硝酸塩;リン酸塩;アゾール;ヒドロカルビルトリアゾール;チアゾール;イミダゾール;オルトホスフェート;ピロホスフェート;ヘキサメタホスフェート;ポリホスフェート;ホスホネート;ホスフィネート;モリブデート;バナデート;タングステート;ボレート;シリケート;亜鉛化合物;または前記の腐食抑制剤の1以上を含む組合せである、請求項1に記載の洗浄剤-不動態化剤組成物。
【請求項7】
腐食抑制剤は、シリケート、ケイ素-炭素結合を有するオルガノシラン系化合物、テトラアルキルオルトケイ酸エステル、またはこれらの組合せ;アゾール;およびピロホスフェートである、請求項6に記載の洗浄剤-不動態化剤組成物。
【請求項8】
界面活性剤は、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー、アルコキシル化アルコール、ノニルフェニルエトキシレート、オクタフェニルエトキシレート、第一エトキシル化アルコール、第二エトキシル化アルコール、ポリエチレン脂肪酸、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレングリコール、ナトリウムジオクチルスルホスクシネート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、スルホン化ジフェニルオキシド、エトキシル化エーテルアミン;両性界面活性剤、脂肪酸のアミン誘導体またはイミダゾリン誘導体、ナトリウムアルキルナフタレンスルホネート、リン酸芳香族または脂肪族エステル、ナトリウムキシレンスルホネート、アルコール界面活性剤、または前記の界面活性剤の1以上を含む組合せである、請求項1に記載の洗浄剤-不動態化剤組成物。
【請求項9】
消泡剤、pH調整剤、殺生物剤、着色剤、染料、または前記の薬剤の1以上を含む組合せをさらに含む、請求項1に記載の洗浄剤-不動態化剤組成物。
【請求項10】
溶媒は、水、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ブチレングリコール、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、フルフロール、グリセロール、グリセロールのモノエチルエーテル、グリセロールのジメチルエーテル、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、メトキシエタノール、または前記の溶媒の1以上を含む組合せである、請求項1に記載の洗浄剤-不動態化剤組成物。
【請求項11】
約pH4〜約pH13のpHを有する一つの部分の洗浄剤-不動態化剤系の形態になっている、請求項1に記載の洗浄剤-不動態化剤組成物。
【請求項12】
洗浄剤組成物と不動態化剤組成物を含む二つの部分の組成物の形態になっていて、このとき洗浄剤組成物は約pH1〜約pH13のpHを有し、不動態化剤組成物は約pH6〜約pH13のpHを有する、請求項1に記載の洗浄剤-不動態化剤組成物。
【請求項13】
燃料電池の冷却液系を処理するための洗浄剤-不動態化剤組成物であって:
錯化剤;
界面活性剤;
シリケート、ケイ素-炭素結合を有するオルガノシラン系化合物、テトラアルキルオルトケイ酸エステル、またはこれらの組合せ;
アゾール;
ピロホスフェート;および
溶媒;
を含む、前記組成物。
【請求項14】
錯化剤は、ヒドロキシカルボキシレート;ホスホネート;ホスフィネート;カルボキシレート;ジカルボキシレート;アクリレート系ポリマー、コポリマーまたはターポリマー;マレイン酸系ポリマー、コポリマーまたはターポリマー;ポリアスパラギン酸;アスパラギン酸コポリマー;または前記の錯化剤の1以上を含む組合せである、請求項13に記載の洗浄剤-不動態化剤組成物。
【請求項15】
錯化剤は、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、グルカル酸、グルコヘプトン酸、グリコール酸、HEDP(1-1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸)、PBTC(2-ホスホノ-ブタン-1,2,4-トリカルボン酸)、AMP(アミノトリ(メチレンホスホン酸))、HPA(ヒドロキシホスホノ酢酸)、HMDTMP(ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸))、DTPA(ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸))、ホスホノコハク酸、またはそのモノ、ビスおよびオリゴマー付加物、ホスフィノコハク酸、またはそのモノ、ビスおよびオリゴマー付加物、シュウ酸、安息香酸、ギ酸、酢酸、スルファミン酸、アジピン酸、コハク酸、過酢酸、ポリアクリレート、アクリレート-アクリルアミドコポリマー、アクリレート-AMPS(アクリルアミドメチレンスルホン酸)コポリマー、アクリレート-マレエートコポリマー、アクリレート-ヒドロキシプロピルアクリレートコポリマー、アクリレート-スルホネートコポリマー、アクリレート-アクリルアミド-スルホネートターポリマー、アミン置換スルホアリル化アクリルアミドアクリレートターポリマー、ポリマレイン酸、無水ポリマレイン酸、ポリメタクリル酸、アクリレート-メタクリレートコポリマー、スチレンスルホネート-マレイン酸コポリマー、ホスフィネート-アクリレートコポリマー、アクリレート- AMPS-スチレンスルホネートターポリマー、アクリレート- AMPS-ホスフィネートターポリマー、ポリアスパラギン酸、アスパラギン酸系コポリマー、前記の錯化剤のいずれかの異性体または塩、または前記の錯化剤の1以上を含む組合せである、請求項14に記載の洗浄剤-不動態化剤組成物。
【請求項16】
錯化剤はクエン酸を含む、請求項15に記載の洗浄剤-不動態化剤組成物。
【請求項17】
界面活性剤は、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー、アルコキシル化アルコール、ノニルフェニルエトキシレート、オクタフェニルエトキシレート、第一エトキシル化アルコール、第二エトキシル化アルコール、ポリエチレン脂肪酸、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレングリコール、ナトリウムジオクチルスルホスクシネート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、スルホン化ジフェニルオキシド、エトキシル化エーテルアミン;両性界面活性剤、脂肪酸のアミン誘導体またはイミダゾリン誘導体、ナトリウムアルキルナフタレンスルホネート、リン酸芳香族または脂肪族エステル、ナトリウムキシレンスルホネート、アルコール界面活性剤、または前記の界面活性剤の1以上を含む組合せである、請求項13に記載の洗浄剤-不動態化剤組成物。
【請求項18】
消泡剤、pH調整剤、殺生物剤、着色剤、染料、または前記の薬剤の1以上を含む組合せをさらに含む、請求項13に記載の洗浄剤-不動態化剤組成物。
【請求項19】
溶媒は、水、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ブチレングリコール、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、およびフルフロール、およびグリセロール、グリセロールのモノエチルエーテル、グリセロールのジメチルエーテル、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、メトキシエタノール、または前記の溶媒の1以上を含む組合せである、請求項13に記載の洗浄剤-不動態化剤組成物。
【請求項20】
約pH4〜約pH13のpHを有する一つの部分の洗浄剤-不動態化剤系の形態になっている、請求項13に記載の洗浄剤-不動態化剤組成物。
【請求項21】
洗浄剤組成物と不動態化剤組成物を含む二つの部分の組成物の形態になっていて、このとき洗浄剤組成物は約pH1〜約pH13のpHを有し、不動態化剤組成物は約pH6〜約pH13のpHを有する、請求項13に記載の洗浄剤-不動態化剤組成物。
【請求項22】
燃料電池の冷却液系を処理する方法であって、
燃料電池の冷却液系を洗浄剤-不動態化剤組成物と接触させ、そして燃料電池の冷却液系をすすぎ溶媒ですすぎ洗いすることを含む、前記方法。
【請求項23】
すすぎ溶媒は、水、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、フルフロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセロール、グリセロールのモノエチルエーテル、グリセロールのジメチルエーテル、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、メトキシエタノール、または前記の溶媒の1以上を含む組合せである、請求項22に記載の方法。
【請求項24】
洗浄剤-不動態化剤組成物は、
錯化剤、
界面活性剤、
腐食抑制剤、および
溶媒、
を含む、請求項22に記載の方法。
【請求項25】
錯化剤は追加の非生物分解性のアミノカルボキシレートを含んでいない、請求項24に記載の方法。
【請求項26】
錯化剤は追加のアミノカルボキシレートを含んでいない、請求項24に記載の方法。
【請求項27】
錯化剤は、ヒドロキシカルボキシレート;ホスホネート;ホスフィネート;カルボキシレート;ジカルボキシレート;アクリレート系ポリマー、コポリマーまたはターポリマー;ポリアスパラギン酸;アスパラギン酸コポリマー;または前記の錯化剤の1以上を含む組合せである、請求項24に記載の方法。
【請求項28】
錯化剤は、クエン酸、酒石酸、グルコン酸、グルカル酸、グルコヘプトン酸、グリコール酸、HEDP(1-1-ヒドロキシエチリデン-1,1-ジホスホン酸)、PBTC(2-ホスホノ-ブタン-1,2,4-トリカルボン酸)、AMP(アミノトリ(メチレンホスホン酸))、HPA(ヒドロキシホスホノ酢酸)、HMDTMP(ヘキサメチレンジアミンテトラ(メチレンホスホン酸))、DTPA(ジエチレントリアミンペンタ(メチレンホスホン酸))、ホスホノコハク酸、またはそのモノ、ビスおよびオリゴマー付加物、ホスフィノコハク酸、またはそのモノ、ビスおよびオリゴマー付加物、シュウ酸、安息香酸、ギ酸、酢酸、スルファミン酸、アジピン酸、コハク酸、過酢酸、ポリアクリレート、アクリレート-アクリルアミドコポリマー、アクリレート-AMPS(アクリルアミドメチレンスルホン酸)コポリマー、アクリレート-マレエートコポリマー、アクリレート-ヒドロキシプロピルアクリレートコポリマー、アクリレート-スルホン酸コポリマー、アクリレート-アクリルアミド-スルホン酸ターポリマー、ポリマレイン酸、無水ポリマレイン酸、ポリメタクリル酸、アクリレート-メタクリレートコポリマー、スチレンスルホネート-マレイン酸コポリマー、ホスフィネート-アクリレートコポリマー、アクリレート- AMPS-スチレンスルホネートターポリマー、アクリレート- AMPS-ホスフィネートターポリマー、ポリアスパラギン酸、アスパラギン酸系コポリマー、前記の錯化剤のいずれかの異性体または塩、または前記の錯化剤の1以上を含む組合せである、請求項27に記載の方法。
【請求項29】
錯化剤はクエン酸を含む、請求項28に記載の方法。
【請求項30】
腐食抑制剤は、シリケート;1〜20の炭素原子を含むアルキル基を有するテトラアルキルオルトケイ酸エステル;ケイ素-炭素結合を有するオルガノシラン系化合物;カルボキシレート;C5 - C16ジカルボキシレート;C5 - C16モノカルボン酸;ネオ酸;アルキル(C1−C14)シクロヘキセン酸またはその塩;硝酸塩;亜硝酸塩;リン酸塩;アゾール;ヒドロカルビルトリアゾール;チアゾール;イミダゾール;オルトホスフェート;ピロホスフェート;ヘキサメタホスフェート;ポリホスフェート;ホスホネート;ホスフィネート;モリブデート;バナデート;タングステート;ボレート;シリケート;亜鉛化合物;または前記の腐食抑制剤の1以上を含む組合せである、請求項24に記載の方法。
【請求項31】
腐食抑制剤は、シリケート、ケイ素-炭素結合を有するオルガノシラン系化合物、テトラアルキルオルトケイ酸エステル、またはこれらの組合せ;アゾール;およびピロホスフェートを含む、請求項30に記載の方法。
【請求項32】
界面活性剤は、エチレンオキシド-プロピレンオキシドブロックコポリマー、アルコキシル化アルコール、ノニルフェニルエトキシレート、オクタフェニルエトキシレート、第一エトキシル化アルコール、第二エトキシル化アルコール、ポリエチレン脂肪酸、ポリプロピレンオキシド、ポリエチレングリコール、ナトリウムジオクチルスルホスクシネート、ナトリウムドデシルベンゼンスルホネート、スルホン化ジフェニルオキシド、エトキシル化エーテルアミン;両性界面活性剤、脂肪酸のアミン誘導体またはイミダゾリン誘導体、ナトリウムアルキルナフタレンスルホネート、リン酸芳香族または脂肪族エステル、ナトリウムキシレンスルホネート、アルコール界面活性剤、または前記の界面活性剤の1以上を含む組合せである、請求項24に記載の方法。
【請求項33】
洗浄剤-不動態化剤組成物は、消泡剤、pH調整剤、殺生物剤、着色剤、染料、または前記の薬剤の1以上を含む組合せをさらに含む、請求項24に記載の方法。
【請求項34】
溶媒は、水、エチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、1,3-プロパンジオール、ブチレングリコール、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、ブタノール、フルフロール、グリセロール、グリセロールのモノエチルエーテル、グリセロールのジメチルエーテル、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、メトキシエタノール、または前記の溶媒の1以上を含む組合せである、請求項24に記載の方法。
【請求項35】
洗浄剤-不動態化剤組成物は、約pH4〜約pH13のpHを有する一つの部分の洗浄剤-不動態化剤系の形態になっている、請求項24に記載の方法。
【請求項36】
洗浄剤-不動態化剤組成物は、洗浄剤組成物と不動態化剤組成物を含む二つの部分の組成物の形態になっていて、このとき洗浄剤組成物は約pH1〜約pH13のpHを有し、不動態化剤組成物は約pH6〜約pH13のpHを有する、請求項24に記載の方法。
【請求項37】
洗浄剤、不動態化剤、または両者と接触させる工程は、約10℃〜約100℃の温度で行なわれる、請求項23に記載の方法。
【請求項38】
洗浄剤、不動態化剤、または両者と接触させる工程は、約30℃〜約100℃の温度で行なわれる、請求項23に記載の方法。
【請求項39】
接触させる工程は、冷却液の導電率が、この冷却液にさらされてから約1時間後に、約5マイクロジーメンス/cm未満に維持されるのに十分なものであり、このとき冷却液は約10wt%〜約100wt%の水と約0wt%〜約90wt%のアルコールを含む、請求項22に記載の方法。
【請求項40】
アルコールは、メタノール、エタノール、プロパノール、ブタノール、フルフロール、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、1,2-プロピレングリコール、1,3-プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、ブチレングリコール、グリセロール、グリセロールのモノエチルエーテル、グリセロールのジメチルエーテル、1,2,6-ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、メトキシエタノール、または前記のアルコールの1以上を含む組合せである、請求項39に記載の方法。

【図1】
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【公表番号】特表2007−536707(P2007−536707A)
【公表日】平成19年12月13日(2007.12.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−511503(P2007−511503)
【出願日】平成17年5月3日(2005.5.3)
【国際出願番号】PCT/US2005/015335
【国際公開番号】WO2005/108644
【国際公開日】平成17年11月17日(2005.11.17)
【出願人】(500575824)ハネウェル・インターナショナル・インコーポレーテッド (1,504)
【Fターム(参考)】