説明

燃料電池装置

【課題】容易に所定の位置でのシール部材の組立が可能で、組立不良による気体又は液体の漏洩が発生し難い熱交換器を備えた燃料電池装置を提供する。
【解決手段】燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電を行なう燃料電池装置において、排熱利用熱交換器11の容器35とその蓋体36をシールするシールパッキン37を、蓋体36と一体化しているため、排熱利用交換器11の組立が容易で、所定の位置として、容器35の凹溝部41と蓋体36表面の間でのシールパッキン37の組込みが困難であることによる容器35内の気体又は液体の漏洩が発生しにくい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、所定ガスによる電気化学反応により発電を行なう燃料電池装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、新発電システムの一つとして、発電が容易であるというメリットを有する燃料電池装置が考えられている。こうした燃料電池装置は、所定ガスによる電気化学的反応により発電を行なう燃料電池とにより基本的に構成される。また、上記基本的な構成において、各々の構成要素を円滑に動作させるために、所定動作を制御する制御器としてのコントローラなどが配置されている(特許文献1)。
【特許文献1】特開平3−108266号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで上記構成においては、特に熱交換器の容器のシール部材は、求められる一定の形状で成形することが困難であり、変形等が発生し、これにより所定の位置でシール部材を組み込むことが非常に困難であるという問題点があり、それにより気体又は液体の漏洩が発生するなどの不具合が発生していた。
【0004】
本発明は上記問題点を解決しようとするものであり、容易に所定の位置でのシール部材の組立が可能で、組立不良による気体又は液体の漏洩が発生し難い熱交換器を備えた燃料電池装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明における請求項1の燃料電池装置では、所定ガスによる電気化学反応により発電を行なう燃料電池装置において、熱交換器の容器とその蓋体をシールするシール部材を、前記容器又は前記蓋体と一体化したことを特徴とする。
【0006】
本発明における請求項2の燃料電池装置では、前記シール部材を、略三角形に形成したことを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明の請求項1の燃料電池装置によれば、シール部材を容器又は蓋体のどちらか一方と一体化してあるため、熱交換器の組立が容易で、所定の位置でのシール部材の組込みが困難であることによる気体又は液体の漏洩が発生しにくい。
【0008】
本発明の請求項2の燃料電池装置によれば、所定のシール高さを確保でき、シール部材を介しての容器と蓋体のシール位置がずれることを防ぐことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0009】
以下、本発明における燃料電池装置の好ましい実施形態について、添付図面を参照しながら説明する。本装置の構成を示す図1において、1は燃料ガスを昇圧する昇圧ブロアで、この昇圧ブロア1の吐出口には活性炭などからなる脱硫器2が接続される。また脱硫器2の出口には、触媒からなる改質部とこの改質部を加熱するバーナー部とにより構成される改質器3の入口が接続され、改質器3の出口には、触媒からなるCOシフト反応器4の入口が接続される。さらに、COシフト反応器4の出口には、触媒からなるCO選択酸化器5の入口が接続される。CO選択酸化器5の出口は燃料電池6のアノード7に接続され、アノード7の出口は改質器3のバーナー部に接続される。
【0010】
燃料電池6は、触媒を担持した電極としてのアノード7とカソード8との間に、固体高分子からなる電解質膜9を挟持すると共に、アノード7およびカソード8のそれぞれに燃料ガスや空気を送り込むための流路を形成したセパレータ(図示せず)を備えて構成される。また10は、空気供給装置としての空気ブロアで、この空気ブロア10の吐出口は3方向に分岐され、1つは燃料電池6のカソード8へ、他の1つは改質器3のバーナー部へ、他のもう1つはCO選択酸化器5へそれぞれ接続される。
【0011】
燃料電池6を構成するカソード8のガス口すなわちカソード排気ガスの出口は、熱回収装置としての排熱利用熱交換器11のガス口に接続される。また、排熱利用熱交換器11には、フィルター(孔径1ミクロン)などからなる浄化装置12と、イオン交換樹脂からなるイオン交換装置13と、水ポンプ14が順次接続される。水ポンプ14の吐出口は2方向に分岐され、一方の吐出口は燃料電池6のアノード7に接続され、他方の吐出口は水蒸気発生用熱交換器15を経由して、改質器3の入口に接続される。
【0012】
改質器3を構成するバーナー部の燃焼排気ガスの出口は、水蒸気発生用熱交換器15の入口に接続される。そして、この改質器3のバーナー部からの燃焼排気ガスは、水蒸気発生用熱交換器15を経由して燃料電池6のカソード8のガス口に接続されることで、燃料電池6からのカソード排気ガスと共に、排熱利用熱交換器11に送り出されるようになっている。
【0013】
16は市水の流入量を制御する電磁弁で、その出口は排熱利用熱交換器11を経由し、熱利用外部機器である貯湯槽17の温水入口18と、放熱装置(クーリングモジュール)19の温水入口20にそれぞれ接続される。また21は、貯湯層17の温水出口である。そして、貯湯槽17の冷水出口22と放熱装置19の冷水出口23は、三方弁24を経由して循環ポンプ25の入口に接続され、循環ポンプ25の出口は排熱利用熱交換器11に接続される。放熱装置19には放熱用ファン26が設けられており、放熱装置19に導入された温水を外部から取り込んだ空気の強制対流により冷却し、冷水として冷水出口23より排出するようになっている。さらに27は、図3に示す燃料電池装置の外郭たるパッケージ28内の空気を強制対流で外部に放出する送風装置としての換気ファンである。
【0014】
その他、この図1には図示していないが、後に図2において示すようにガス,空気および水の流れや温度を制御するためのセンサー,コントローラおよび開閉器(例えば電磁弁)などの補助機器29や、燃料電池6で得た直流発電電力を交流電力に変換するインバータ30や、装置の運転を制御する制御装置(図示せず)なども、本装置内に配置・接続される。
【0015】
図2に装置全体の概略構成を表しており、31は天然ガスなどの燃料ガス(原燃料)から水素ガスを生成する改質装置であり、この改質装置31は図1に示す昇圧ブロア1、脱硫器2、改質器3、COシフト反応器4、CO選択酸化器5、水蒸気発生用熱交換器15から構成されるものである。
【0016】
酸化剤ガスとしての酸素(空気)を供給する空気供給装置としての空気ブロワ10からの酸素と改質装置31からの水素ガスが、燃料電池6により電気化学反応を起こし、燃料電池6内で発電を行なうようになっている。また30は、燃料電池6で発生した電気エネルギー(直流電力)を商用電圧・周波数の交流電力に変換する電力変換装置としてのインバータである。改質装置31や燃料電池6で発生する熱(排ガス)は回収装置すなわち熱回収装置である排熱利用熱交換器11により回収され、交換器である熱交換器(図示せず)に接続可能な外部の熱利用機器である例えば温水器としての貯湯槽17や床暖房機器などの熱利用外部機器に供給される。その他、これらの各構成要素を円滑に動作させるために、例えばポンプや、電磁弁や、これらのポンプおよび電磁弁などを制御する制御器としてのコントローラなどの補助機器29が設けられている。
【0017】
図4は燃料電池装置のパッケージ28内部に収容される排熱利用熱交換器11の外郭の分解斜視図である。
【0018】
同図において、排熱利用熱交換器11の外郭33は、開口部34を有する有底筒状に形成され内側に収納空間を備えた容器35と、開口部34を閉塞可能に形成された蓋体36と、容器35と蓋体36を気密又は液密にシールするためのシールパッキン37から構成されている。
【0019】
シールパッキン37は、図4に示すようにシリコーンゴムやフッ素ゴムなどの弾性材料から形成される環状体であり、図5に示すように環状体の軸方向と直交方向の断面形状は、一方に平坦部38を備え、この平坦部38と対向する方向である断面高さ方向に向けて断面幅方向の寸法(シール幅)Wを減少させて略先細状に形成された鋭角状の先細部39を備えた略三角形状に形成されている。ここで、シールパッキン37の平坦部38から先細部39までの断面高さ方向の寸法(シール高さ)をHとする。
【0020】
また、容器35には、開口部34の全周に亘り外側に向けて突設して形成された蓋体取付部としてのフランジ部40を備えており、このフランジ部40と開口部34周縁との間にはシールパッキン37の先細部39が押圧可能な凹溝部41が形成されている。
【0021】
続いて、蓋体36とシールパッキン37との取付構造について説明する。容器35の開口部34に対向する側の蓋体36表面にシールパッキン37の平坦部38を溶着、接着、又は、インサート成形等により固着して、蓋体36とシールパッキン37を一体化している。
【0022】
さらに上記構成の燃料電池装置では、改質装置31のバーナー排ガス出口(図示せず)を、熱回収装置である排熱利用熱交換器11のバーナー排ガス入口(図示せず)よりも高い位置に設けてもよい。また、燃料電池6のカソード排ガス出口(図示せず)を、熱回収装置である排熱利用熱交換器11のカソード排ガス入口(図示せず)よりも高い位置に設けてもよい。さらに、改質装置31のバーナー排ガス出口(図示せず)と熱回収装置である排熱利用熱交換器11のバーナー排ガス入口(図示せず)との間を連結するバーナー排ガス配管(図示せず)を、排熱利用熱交換器11側に下り勾配となるように傾斜させて配管してもよい。また、燃料電池6のカソード排ガス出口(図示せず)と熱回収装置である排熱利用熱交換器11のカソード排ガス入口(図示せず)との間を連結するカソード排ガス配管(図示せず)を、排熱利用熱交換器11側に下り勾配となるように傾斜させて配管してもよい。
【0023】
次に、上記構成についてその作用を説明する。燃料電池装置としての運転を開始すると、燃料ガスが改質装置31の昇圧ブロア1に入って昇圧され、脱硫器2に送り出される。ここで燃料ガスに含まれる硫黄分が脱硫剤の吸着作用により取り除かれる。なお、本実施例では脱硫剤として活性炭を用いたが、他の触媒を用いてもよく、要するに燃料ガス中に含まれる硫黄分を除去できればよい。脱硫器2により硫黄分を除去する目的は、その後の改質器3などの触媒が燃料硫黄分により劣化するのを防止することにある。
【0024】
脱硫器2を通過した燃料ガスは、水蒸気発生用熱交換器15で発生した水蒸気と混合され、改質器3の改質部に入る。この改質部はバーナー部により約750℃前後に加熱されており、燃料ガスはここで触媒の作用により水素ガスと炭酸ガス(二酸化炭素)とに変化する。しかし、ここで生成したガスには、一酸化炭素も若干含まれているが、後述する固体高分子型の燃料電池6は、一酸化炭素によりその性能が著しく低下するため、一酸化炭素の濃度を一定値以下にする必要がある。
【0025】
改質器3を通過した燃料ガスは、次のCOシフト反応器4に入り、ここでも触媒の作用により一酸化炭素は水蒸気と反応して水素ガスと二酸化炭素とに変化し、一酸化炭素の濃度はかなり低いレベルにまで低下する。COシフト反応器4を通過した燃料ガスは、さらにCO選択反応器5に入り、空気ブロア10により送り込まれた空気(酸素)と混合され、その中に含まれる一酸化炭素が触媒の作用により二酸化炭素に変化する。この時点で初めて燃料電池6に悪影響を及ぼさない濃度まで、燃料ガス中に含まれる一酸化炭素の濃度を下げることができる。
【0026】
CO選択反応器5を通過した燃料ガスは、燃料電池6の一方の電極であるアノード7に送り込まれる。また、他方の電極であるカソード8には、空気ブロア10により空気(酸素)が送り込まれる。アノード7の水素は触媒の作用によりイオン化し、電解膜質9を通ってカソード8側の酸素と結び付く。これにより、水が生成されると同時に反応熱が発生する。またこの電気化学反応によって、アノード7にマイナス極、カソード8にプラス極の電位が生じ、燃料電池6より電力を取り出すことができる。
【0027】
アノード7を通過した燃料ガスは、大部分の水素ガスが消費されているが、まだかなりの濃度で水素ガスを含んでおり、これを改質器3のバーナー部に戻して、空気ブロア10により送り込まれた空気と混合させ、バーナー部で燃焼する。これにより、残留する水素ガスを改質器の昇温に用いることができる。このように燃料電池からの蒸気凝縮水が保有する熱エネルギーを効率よく利用することができる。
【0028】
カソード8を通過した空気は、燃料電池6で発生した水(水蒸気)と熱を有しており、この空気は排熱利用熱交換器11を通過して水に戻り、その後、この水は浄化装置12により不純物が除去される。さらに、次のイオン交換装置13により水中の電解質が除去された状態で、水ポンプ14によって燃料電池6のアノード7に送り込まれ、固体高分子膜(電解質膜9)の加湿および燃料電池6の冷却に使用される。同じく水ポンプ14により、水蒸気発生用熱交換器15に送り込まれた水は、改質器3のバーナー部から排出されるバーナー排ガスによって加熱され、水蒸気となって昇圧ブロア1からの燃料ガスと共に改質器3の改質部に入る。その際、燃料電池6のカソード排ガス出口(図示せず)は、排熱利用熱交換器11のカソード排ガス入口(図示せず)よりも高い位置に設けられており、しかもカソード排ガス配管(図示せず)は、排熱利用熱交換器11側に下り勾配となるように傾斜配管されているので、カソード排ガス配管(図示せず)を通過する蒸気凝縮水は途中で逆流することなく、スムーズに排熱利用熱交換器11に送り出されるので、排ガス中の蒸気凝縮水が燃料電池6に逆流することを防止して、発電性能を低下させること無く安全な運転を可能とすることができる。
【0029】
水蒸気発生用熱交換器15を通過したバーナー排気ガスは、カソード8からの排気ガスと一緒になって排熱利用熱交換器11に送り込まれ、そこで持っている熱エネルギーを放出する。ここでも、改質装置31のバーナー排ガス出口(図示せず)は、排熱利用熱交換器11のバーナー排ガス入口(図示せず)よりも高い位置に設けられており、しかもバーナー排ガス配管(図示せず)は、排熱利用熱交換器11側に下り勾配となるように傾斜配管されているので、バーナー排ガス配管(図示せず)を通過する蒸気凝縮水は途中で逆流することなく、スムーズに排熱利用熱交換器11に送り出される。
【0030】
次に排熱利用熱交換器11の外郭33の組立方法を説明する。容器35の開口部34を蓋体36で閉塞する際に、蓋体36に予め一体に設けたシールパッキン37の先細部39を蓋体36が閉まる方向(図6中、矢印Fにて標記)に容器35の凹溝部41へ押圧させると、シールパッキン37はシール高さH方向に圧縮されて弾性変形する。このシールパッキン37に生じる弾性復元力により、シールパッキン37の先細部39及び平坦部38は凹溝部41表面及び蓋体36表面へとそれぞれ押圧されて、シールパッキン37の凹溝部41表面及び蓋体36表面への密着度が高まる。このようにシールパッキン37の弾性復元力による所定のシール力を得ることで容器35と蓋体36は液密又は気密にシールされて、排熱利用熱交換器11の容器35内の水・ガスの漏洩を防止する。その後、容器35のフランジ部40と蓋体36の外周部を螺子部材等の固定手段(図示せず)によって固定することで排熱利用熱交換器11の外郭33の組立が完了する。
【0031】
ここで、予めシールパッキン37を蓋体36に一体的に設けたことにより、シールパッキン37を介して容器35と蓋体36を気密又は液密にシールする場合において容器35の開口部34を蓋体36によって閉塞する際に、シールパッキン37の先細部39を開口部34外周に形成された凹溝部41に押接させるだけで、容器35の開口部34外周と蓋体36表面との間に配置することで容器35の開口部34を気密又は液密にシールするシールパッキン37の組込みを容易に行うことが可能となり、排熱利用熱交換器11の外郭33の組立不良による容器35内の水・ガスの漏洩(リーク)を防ぐことができる。
【0032】
また、図4及び図5に示すようにシールパッキン37を、断面略三角形状に形成して、三角形の底辺部に相当する平坦部38を蓋体36表面に固着して、平坦部38に対向する三角形の頂点に相当する先細部39を容器35の凹溝部41に対向させて配置することにより、シールパッキン37を介して容器35と蓋体36をシールする場合、蓋体36を閉める方向F(図5参照)へ蓋体36に力を加えて、シールパッキン37を容器35と蓋体36の間でシール高さH方向に圧縮して弾性変形させることで得られるシールパッキン37の弾性復元力によってシールパッキン37を容器35と蓋体36に密着させて、容器35と蓋体36を気密又は液密にシールする際のシールパッキン37を弾性変形させるために必要となる弾性変形しろとしてのシール高さHを確保することが可能となり、蓋体36を閉める時、最初に最もシール幅Wが狭く図4及び図5に示すように鋭角に形成された先細部39をシール高さH方向に圧縮して弾性変形させるための蓋体36を閉める力(以下、蓋閉力と呼称)は弱い力で、その後、蓋体36を閉めていくに伴い容器35と蓋体36との間でシール高さH方向に圧縮されていくシールパッキン37の弾性変形部分が先細部39から底面部38へとシール幅Wが広がるにつれ、蓋閉力も強い力が必要になる様にして、最初から強い蓋閉力を不要としたことで、シールパッキン37の位置決めを容易し、シールパッキン37を介して容器35と蓋体36を気密又は液密にシールする排熱利用熱交換器11の外郭33の組立性を向上させ、外郭33の組立不良による容器35内の水・ガスの漏洩が発生しにくくすることができる。
【0033】
以上のように本実施例では請求項1に対応しており、燃料ガスと酸化剤ガスとの電気化学反応により発電を行なう燃料電池装置において、熱交換器たる排熱利用熱交換器11の容器35とその蓋体36をシールするシール部材たるシールパッキン37を、蓋体36と一体化している。
【0034】
この場合、シールパッキン37が蓋体36に一体化してあるため、排熱利用交換器11の組立が容易で、所定の位置として、容器35の凹溝部41と蓋体36表面の間でのシールパッキン37の組込みが困難であることによる容器35内の気体又は液体の漏洩が発生しにくい。
【0035】
また本実施例は請求項2に対応しており、シール部材たるシールパッキン37を、断面略三角形に形成したことにより、シールパッキン37に所定のシール力を得る為のシール高さHを確保でき、蓋体36を閉じる時、最初は弱い力で蓋体36を閉じて、その後、蓋体36が閉じる際に変形するシールパッキン37のシール幅Wが広がるにつれ、蓋体36を閉じるために強い力が必要になる様にして、蓋体36を閉じるのに最初から強い力を不要とし、蓋体36を閉じる時に蓋体36に不要な力をかけて、シールパッキン37を介しての容器35と蓋体36とのシール位置がずれることを防ぐことができる。
【0036】
本発明は上記実施例に限定されるものではなく、本発明の要旨の範囲内において種々の変形実施が可能である。例えば、実施例ではシールパッキン37は蓋体に一体化しているが、このシールパッキン37は容器のフランジ部40に一体化させても構わない。また実施例では固体高分子型の燃料電池装置について説明したが、溶融炭素型や固体酸化物型などの他の発電方式でも構わない。また、1つの空気ブロア10でカソード8,CO選択酸化器5,改質器3のバーナーへ空気を送っているが、別々の空気ブロアを用いてもかまわない。水ポンプ14も同様、アノード7,排熱利用熱交換器11に別々の水ポンプを用いてもかまわない。排熱利用についても、上記実施例では温水に利用しているが、暖房に用いてもよいなど用途を問わない。また、吸気を必要とする装置として、空気ブロア10,放熱用ファン26,換気ファン27を挙げ、凍結の虞のある装置として水ポンプ14,浄化装置12,イオン交換装置13を挙げているが、特にこれらの装置に限定するものではない。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】本発明の燃料電池装置の詳細な説明図である。
【図2】同上、燃料電池装置の概略を示すブロック構成図である。
【図3】同上、燃料電池装置の外観を示す斜視図である。
【図4】同上、排熱利用熱交換器の外郭の分解斜視図である。
【図5】同上、排熱利用熱交換器の外郭の断面図である。
【図6】同上、図5の状態から蓋体を閉めた状態を示す断面図である。
【符号の説明】
【0038】
11 排熱利用熱交換器(熱交換器)
35 容器
36 蓋体
37 シールパッキン(シール部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定ガスによる電気化学反応により発電を行なう燃料電池装置において、熱交換器の容器とその蓋体をシールするシール部材を、前記容器又は前記蓋体と一体化したことを特徴とする燃料電池装置。
【請求項2】
前記シール部材を、略三角形に形成したことを特徴とする請求項1記載の燃料電池装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−7739(P2010−7739A)
【公開日】平成22年1月14日(2010.1.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−166571(P2008−166571)
【出願日】平成20年6月25日(2008.6.25)
【出願人】(390010168)東芝ホームテクノ株式会社 (292)
【Fターム(参考)】