説明

燐光性および発光共役ポリマー、並びに電界発光アセンブリへのその使用方法

【課題】共役しており、中和しており、かつ少なくとも1つの共有結合した燐光性金属錯体を含有する燐光性ポリマーの提供。
【解決手段】本発明は、その放射が、任意にポリマー鎖の蛍光と組み合わせた、共有結合した金属錯体の燐光をベースとする、燐光性または発光性共役ポリマーに関する。本発明はまた、上記ポリマーの製造方法および電界発光アセンブリへの上記ポリマーの使用方法に関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、燐光性または発光共役ポリマー、任意に上記ポリマー鎖の発光と組み合わせて共有結合した金属錯体の燐光性をベースとしたそれらの放射、それらの製造放射および電界発光配列(electroluminescent arrengement)におけるそれらの使用方法に関する。
【背景技術】
【0002】
導電性有機およびポリマー材料が、オプトエレクトロニクス用途、例えば発光ダイオード(LED)、太陽光電池、レーザーダイオード、電界効果トランジスタおよびセンサにますます使用されている。
【0003】
蒸着によって適用された低分子量有機化合物をベースとした配列(非特許文献1)に加えて、電界発光配列におけるポリマー、例えばポリ(p‐フェニレン)(PPP)、ポリ(p‐フェニレンビニレン)(PPV)およびポリ‐2,7‐(フルオレン)(PF)が開示されている(非特許文献2)。
【0004】
有機発光ダイオードにおける発光は、通常、好ましくは蛍光発光プロセスによって行われる。しかしながら、発光は励起一重項状態からのみ行われるので、蛍光エミッタを含む配列の電界発光(EL)量子効率が、電子‐正孔の再結合によって形成される一重項励起子(25%)の三重項励起子(75%)の低い理論比によって制限される。燐光性エミッタの優位性は、全励起子を発光のために使用することができるため、発光に起因する上記一重項および三重項状態の両方、即ち、内部量子効率が100%以下であってもよいことである。
【0005】
規定通りに、上記有機電界発光(EL)配列は、発光層に加えて、有機電荷輸送化合物を含む1以上の層を含有する。上記層の連続物における基本構造は以下の通りである。
1 キャリア、支持体
2 ベース電極
3 正孔注入層
4 正孔輸送層
5 発光層
6 電子輸送層
7 電子注入層
8 上部電極
9 接触子
10 カバー、包皮
【0006】
上記層1〜10が、上記電界発光配列を構成する。上記層3〜7が電界発光素子を構成する。発光層(5)と電子輸送層(6)の間に更に正孔ブロッキング層が存在してもよい。
【0007】
上記構造は最も一般的な場合を表し、1つの層が多数の役割を果たすような個々の層を省略することによって簡略化することができる。最も簡略化した場合には、EL配列は、発光を含む全ての機能を果たす有機層がその間に存在する2つの電極から成る。
【0008】
LED中の多層系は、上記層が気相から連続的に適用される化学蒸着法(CVD)、またはキャスティング法によって形成され得る。上記化学蒸着法は、エミッタとして有機分子を使用する構造化LED製造用シャドーマスク技術と組み合わせて用いられる。しかしながら、真空下で行われなければならない、かつ連続操作ができない、そのような気相法は、費用や時間がかかる。溶液からの塗布方法、例えばキャスティング(例えば、スピンコーティング)およびすべてのタイプの印刷方法(インクジェット、フレキソ印刷、スクリーン印刷等)が、工程速度が高く、装置が複雑でなく、付随するコスト削減のため、一般的好ましい。ポリマーエミッタを構造化する上記印刷技術、特にインクジェット技術が、現在、かなり注目されている(非特許文献3、特許文献1)。
【0009】
上記電界発光配列の効率を増大するため、燐光性ドーパントの有機LEDへの導入が提案されてきた。EL配列におけるドーパントとしての緑色燐光を発するアセチルアセトン酸ビス(2‐フェニルピリジン)イリジウム(III)[(ppy)Ir(acac)]錯体の使用に対して、19%の外部EL効率が得られた(非特許文献4)。
【0010】
今日まで、主に燐光性ドーパント(小さい分子(small molecule))を含む電界発光配列が開示されてきた。一般に、室温で燐光を発する金属錯体(例えば、炭素‐窒素によって環式金属化したイリジウム(III)錯体または白金(II)錯体)を、真空蒸着法によって、有機分子またはポリマーマトリックス中にランダムに分布させる。更に、上記ドーピングは、ドーパントおよび有機マトリックスを共に溶媒中に溶解することおよびキャスティング法による次の塗布によって影響され得る(例えば、非特許文献5)。
【0011】
溶液からの塗布に有用であるが、EL配列において非常に低い0.1%のEL効率しか有さない、塊状のフルオレニル‐ピリジンまたはフルオレニル‐フェニルピリジン配位子を有する可溶性低分子量イリジウム錯体が、最近、合成された(非特許文献6)。
【0012】
EL配列における上記低分子量燐光性エミッタ材料の不都合な点は、消光プロセス、一般におよび特に、長い燐光性寿命による発光中心の飽和および/またはドーパントのマイグレーションプロセスによって生じる、比較的高い電流密度での発光効率の減少である(非特許文献7)。
【0013】
近年、燐光性金属錯体のポリマーへの直接共有結合が報告された。特許文献2には、ジアザ‐(ビピリジル)配位子によって共役ポリマー骨格と錯体化されるイリジウム金属錯体が開示されている。開示されたポリマーは、反対イオン(多価電解質)によって、荷電され、かつ包囲されて、結果として電界内でマイグレーションを生じ、そのマイグレーションが上記配列の安定性に悪影響を与える。しかしながら、これらのポリマーの発光は、橙色または赤色スペクトル領域に制限される。特許文献3には、燐光性金属錯体を含有する分岐状の共役または部分共役ポリマーが開示されており、モノマーの選択によって上記共役を妨害し、結果として望ましくない共役長さの縮小を引き起こし、それにより上記層による荷電キャリアの輸送が低下するという悪影響を生じる。更に、イリジウム‐モノマー混合物の使用のために特定組成を有するポリマーを調製することができなくなり、これは上記層による荷電キャリアの輸送に対して同様に不都合である。特許文献4には、発光性金属錯体を含有する芳香族繰り返しユニットをベースとするポリマーマトリックスが開示されている。
【0014】
高い発光効率を有するポリマーLEDの製造に関して、簡単で経済的なキャスティングまたは印刷方法によって加工でき、かつ高い外部量子効率およびOLEDデバイスにおける長寿命を得ることができる有効な電界発光ポリマーエミッタ材料に対するかなりの要求が有る(OLED=有機発光ダイオード)。
【0015】
従って、例えば、前述のLEDにおけるエミッタ材料としての使用に好適であり、溶液からの塗布に有用である改善された燐光性ポリマーを提供することが目的であった。
【0016】
特に、白色有機発光ダイオード、即ち、白色光を放射する発光ダイオードが、液晶スクリーンの経済的バックライトとして、フラットイルミネーション光源として、またはカラーフィルターとの組み合わせによるフルカラーディスプレイの製造に対して、ますます興味深いものとなりつつある。
【0017】
有機発光ダイオードを用いて白色光を発することに関して様々な可能性や概念がある。白色光は、三原色、赤色、緑色および青色の加法混色により形成するか、または補色、例えば青色と黄色光を混合することにより形成することができる。トータル可視スペクトル領域400〜800nmにわたる非常に広くて均一な放射を有する時に、発光ダイオードは白色に見える。
【0018】
この放射は通常、単一エミッタ材料を用いては実現されないため、異なる色を有するエミッタ材料(成分)の混合物を使用しなければならない。異なる色を有するエミッタの均一で分離された放射を達成するために、個々のエミッタ材料を異なる層に互いから分離するように発光ダイオードの構造を選択することが優位性を有することが立証された。この分離なしに、例えば、青色と緑色または赤色エミッタ間の問題点のみを有して制御することができるエネルギー輸送プロセスを一般に行うと、青色成分が減少し、赤色成分が増加する(特許文献5)。しかしながら、荷電キャリア再結合、放射の予備調整を有効に、かつ各層毎にバランスをとって行うことを確実にする必要があるため、異なる層での上記エミッタの分離も重要である。これによって、付加的な中間層(例えば、それぞれの層での励起状態の配置のため)を含む複雑な多層構造となり(特許文献6)、従って、費用がかかり、大量生産にはあまり魅力がないものとなる。
【0019】
青色放射ポリマー、例えばポリフルオレンまたはポリビニルカルバゾール、および好適な赤色または橙色ドーピング染料を含有する白色ポリマー発光ダイオードが開示されている。ドーパント濃度は非常に正確に設定されなければならず、かつしばしば%オーダーのフラクションのみである(非特許文献8)。エミッタ層における低分子量ドーパントの分離、結晶化および/またはマイグレーションのため、ドーピングの場合にはいつも、長期安定性の低下の危険性がある。
【0020】
複数のエミッタ成分の選択により、個々のエミッタ成分の「特異なエージング(differential ageing)」と呼ばれる更に重大な不都合、即ち、白色点(多くの場合、無色点としても表される)からの色配置のずれを引き起こす個々のエミッタの異なる程度の迅速な退色を有する。
【0021】
各場合において異なる電流‐電圧‐輝度特性を有する種々のエミッタ成分が用いられるので、現在まで公知の白色発光ダイオードの多くは、色配置の印加電圧および輝度への依存性を示す。
【0022】
現在まで、ポリマー白色1部品エミッタ材料をベースとするたった2つの例が、文献に開示されている。
【0023】
非特許文献9には、1層発光ダイオードにおいて白色光を放射する、オキサジアゾール、フェニレン‐ビニレンおよびアルキルエーテルユニットを含有するコポリマーが開示されている。最大効率はたった0.071cd/Aであり、操作電圧は非常に高く、電流は低く、かつ上記発光ダイオードは、色配置の電圧へのかなりの依存性を示す(12V青色‐緑色、20V実質的に白色)。非特許文献10では、2層構造(銅フタロシアニン正孔注入層およびポリマーエミッタ層)において白色光を放射する、ジエチニルフルオレンおよびチオフェンユニットを含有するコポリマーが研究されている。その外部量子効率はたった0.01%であり、電圧11V以上でのみ電界発光が検出可能であり、かつデバイスを通過する電流は低い(19Vで23.7mA/cm)。それらは低い効率および満足できない電流‐電圧‐輝度特性を有するために、両方の例は工業用途には適合しない。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0024】
【特許文献1】国際公開第WO 99/54936号パンフレット
【特許文献2】米国特許第0015432 A1号明細書
【特許文献3】欧州特許第1 138 746 A1号明細書
【特許文献4】国際公開第WO 01/96454号パンフレット
【特許文献5】欧州特許第A 1 182 244号明細書
【特許文献6】米国特許第A 6,447,934号明細書
【非特許文献】
【0025】
【非特許文献1】タン(Tang)等のAppl.Phys.Lett.1987年、第51巻、第913頁
【非特許文献2】A.クラフト(Kraft)等のAngew.Chem.Int.Ed.1998年、第37巻、第402頁
【非特許文献3】ヤング(Yang)等のAppl.Phys.Lett.1998年、第72巻、第21号、第2660頁
【非特許文献4】C.アダチ(Adachi)等のJ.Appl.Phys.2001年、第90巻、第5048頁
【非特許文献5】S.ラマンスキー(Lamansky)のオーガニック・エレクトロニクス(Organic Electronics)2001年、第2巻、第53頁
【非特許文献6】J.C.オストロースキー(Ostrowski)等のChem.Commun.2002年、第784〜785頁
【非特許文献7】M.A.バルド(Baldo)等のPure Appl.Chem.1999年、第71巻、第11号、第2095頁
【非特許文献8】キド(Kido)等のアプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters)1995年、第67巻、第16号、第2281頁
【非特許文献9】リー(Lee)等のアプライド・フィジックス・レターズ(Applied Physics Letters)2001年、第79巻、第3号、第308頁
【非特許文献10】ザン(Zhan)等のシンセティック・メタルズ(Synthetic Metals)、2001年、第124巻、第323頁
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0026】
本発明は、共役しており、中和しており、かつ少なくとも1つの共有結合した燐光性金属錯体を含有する燐光性ポリマーの提供を目的とする。
【0027】
更なる目的は、白色光を放射し、溶液から加工することができる1部品エミッタ材料を提供することである。これらは好ましくは、簡単なデバイス構造、例えば2層構造(正孔注入層およびエミッタ層)において、有効な白色放射を示すべきである。
【課題を解決するための手段】
【0028】
従って、本発明は、共役しており、中和しており、かつ少なくとも1つの共有結合した燐光性金属錯体を含有する燐光性ポリマーに関する。
【発明の効果】
【0029】
本発明は、共役しており、中和しており、かつ少なくとも1つの共有結合した燐光性金属錯体を含有する燐光性ポリマーを提供することができる。
【0030】
驚くべきことに、共役および中和され、少なくとも1つの共有結合した燐光性金属錯体燐光性ポリマーは、例えば前述のLEDにおけるエミッタ材料としての使用に好適であり、溶液からの塗布に有用であることが見出された。
【図面の簡単な説明】
【0031】
【図1】本発明の燐光性ポリマーの典型的な電界発光スペクトルである。
【図2】本発明の燐光性ポリマーの蛍光バンドのみを比較のために示した電界発光スペクトルである。
【図3】本発明の燐光性ポリマーの典型的な電界発光スペクトルである。
【発明を実施するための形態】
【0032】
本明細書中では、共役した(conjugated)の語により、上記ポリマーの主鎖が完全に、または部分的に共役されていてもよいことを意味する。上記主鎖中の大きな共役長さは、良好な荷電キャリア輸送に対して優位であり、従って、そのような共役長さを有するポリマー、特に完全に共役した主鎖を有するポリマーが好ましい。
【0033】
本発明の燐光性共役ポリマーは好ましくは直鎖状であり、本明細書では、ある場合にはそれらは、燐光性金属錯体の共有結合に用いられるが、上記ポリマーの生長部位にはならず、従って分岐点にならない短い側鎖のみを含有することができることを意味する。
【0034】
本発明の燐光性共役ポリマーは、電気励起の結果として、電界燐光性、即ち、例えばOLEDにおける燐光性を示す。しかしながら、それらは光学励起によっても燐光性を生じる。
【0035】
これらは、好ましくは、少なくとも1つの配位子Lによって共役結合された少なくとも1つの燐光性金属錯体を含有し、上記配位子Lが以下の式I〜XXIXc:
【化1】

【化2】

【化3】

(式中、Rは、同一または異なっていてもよく、互いに独立して、H、F、CF、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシ基、任意にC〜C30アルキル置換したC〜C20アリールユニットおよび/または、環C原子5〜9個および窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される環ヘテロ原子1〜3個を有する任意にC〜C30アルキル置換したヘテロアリールユニットを表し、および/または直鎖状または分岐状の部分的にフッ素化または過フッ素化したC〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノまたはアルキルアリールアミノ基を表すか、或いはアルキル‐またはアリールカルボニル基、C〜C30アルキルを意味するアルキルおよびC〜C20アリールを意味するアリールを表し、かつ
Arは、任意に置換したフェニレン、ビフェニレン、ナフチレン、チエニレンおよび/またはフルオレニレンユニットを表す。)
のユニットを表す燐光性共役ポリマーである。
【0036】
本発明の燐光性共役ポリマーにおいては、Lは前述の側鎖の1つとして主鎖に直接共有結合した共役主鎖の構成要素であっても、またはスペーサー(spacer)として後述するリンカー(linker)によって上記主鎖に共有結合していても、または上記ポリマーの末端基の構成要素であってもよい。
【0037】
本発明の燐光性共役ポリマーにおいては、Lは好ましくは、共役主鎖の構成要素であるか、または上記末端基の構成要素である。
【0038】
本発明の好ましい態様では、本発明の燐光性共役ポリマー中のLは、上記末端基の構成要素である。
【0039】
金属中心への配位の場合、対応する配位部位で前述の配位子ユニットLからHを任意に除去することができ、そして本発明の燐光性共役ポリマー中のLは、これらの任意に除去したH原子を有さない前述の構造を表す。これは、元のヒドロキシル基からの場合、特に炭素配位部位および酸素配位部位を介しての配位を用いる場合であってもよい。同様のものが、最初に後述される配位子LおよびLに適用する。
【0040】
本発明は特に好ましくは、以下の一般式AおよびB‐IまたはAおよびB‐IIの繰り返しユニットを含有するか、或いは以下の一般式CまたはD:
【化4】

【化5】

(式中、Ar、ArおよびArは、同一または異なっていてもよく、互いに独立して、任意にC〜C30アルキル置換したC〜C20アリールユニットおよび/または、環C原子5〜9個および窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される環ヘテロ原子1〜3個を有する任意にC〜C30アルキル置換したヘテロアリールユニットを表し、
およびLは、同一または異なっていてもよく、かつ
は、前述の意味の内の1つであり、構造B‐II、CおよびDの場合、第2のものが存在するなら2つの結合位置の内の1つがH、F、CF、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシ基、任意にC〜C30アルキル置換したC〜C20アリールユニットおよび/または環C原子5〜9個および窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される環ヘテロ原子1〜3個を有する任意にC〜C30アルキル置換したヘテロアリールユニットによって、および/または直鎖状または分岐状の部分的にフッ素化または過フッ素化したC〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノまたはアルキルアリールアミノ基によって、或いはアルキル‐またはアリールカルボニル基、C〜C30アルキルを意味するアルキルおよびC〜C20アリールを意味するアリールによって飽和されており、
は、Lと独立して、前述のLの意味の内の1つであり、2つの結合位置が互いに独立して、または第2の結合位置がない場合には上記結合位置が、H、F、CF、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシ基、任意にC〜C30アルキル置換したC〜C20アリールユニットおよび/または環C原子5〜9個および窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される環ヘテロ原子1〜3個を有する任意にC〜C30アルキル置換したヘテロアリールユニットによって、および/または直鎖状または分岐状の部分的にフッ素化または過フッ素化したC〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノまたはアルキルアリールアミノ基によって、或いはアルキル‐またはアリールカルボニル基、C〜C30アルキルを意味するアルキルおよびC〜C20アリールを意味するアリールによって飽和されており、かつ結合位置が上記式I〜XXIX中の*で印をつけた位置として表され、
上記配位子LおよびLが、キレート状に上記金属Mを錯体化し、
Mは、イリジウム(III)、白金(II)、オスミウム(II)、ガリウム(III)またはロジウム(III)を表し、
nは、3〜10,000の整数を表し、
zは、0〜3の整数を表し、
Spは、スペーサー、特に直鎖状または分岐状C〜C15アルキレンユニット或いは窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される鎖ヘテロ原子1〜3個を有するC〜C15ヘテロアルキレンユニット、C〜C20アリーレンユニットおよび/または環C原子5〜9個および窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される環ヘテロ原子1〜3個を有するヘテロアリーレンユニット、或いはC〜C12アルキレンカルボン酸ユニットまたはC〜C12アルキレンジカルボン酸ユニットまたはC〜C12アルキレンカルボキサミドユニットまたはC〜C12アルキレンジカルボキサミドユニットである)
の構造を有する燐光性共役ポリマーに関する。
【0041】
本明細書中では、上記一般式Dは、ArおよびArは異なり、ブロックの形でまたはランダムに交互に分布する繰り返しユニット‐Ar‐および‐Ar‐を含有するコポリマー鎖を形成するという意味であると解されるべきであり、上記コポリマー鎖は、2つの合計量が100%になる場合に、0.1〜99.9%の量の繰り返しユニット‐Ar‐および0.1〜99.9%の量の繰り返しユニット‐Ar‐を含有することができる。上記ポリマー中の全繰り返しユニット‐Ar‐および‐Ar‐の合計数はnである。
【0042】
繰り返しユニットB‐Ia中のArおよびArが、繰り返しユニットA中のArと同一である場合、上記式に対応する本発明の燐光性共役ポリマーは、以下の一般式AおよびB‐Ib:
【化6】

(式中、Ar、L、L、Mおよびzは前述の意味を有する。)
の繰り返しユニットを含有する。
【0043】
本発明の目的のために、一般式AおよびB‐I、即ちB‐IaおよびB‐Ib、またはB‐IIの繰り返しユニットを含有する本発明のポリマーは、一般式Aの各々複数の異なるユニット、特に2つの異なるユニット、即ち、一般式Aの複数の異なるユニットおよび一般式B‐I、即ちB‐IaおよびB‐Ib、またはB‐IIのユニットを含有してもよい。
【0044】
本発明は、特に好ましくは、更に、
Ar、ArおよびArは、同一または異なっていてもよく、互いに独立して、式XXXおよびXXXIのチオフェンユニット、式XXXII〜XXXIVのベンゼン、ビフェニルおよびフルオレンユニットおよび/または式XXXV〜XXXXXIVの複素環および/または式XXXXXV〜XXXXXXIIIのユニットから選択されるユニットを表す
【化7】

【化8】

【化9】

(式中、Rは、同一または異なっていてもよく、互いに独立して、H、F、CF、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシ基、任意にC〜C30アルキル置換したC〜C20アリールユニットおよび/または、環C原子5〜9個および窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される環ヘテロ原子1〜3個を有する任意にC〜C30アルキル置換したヘテロアリールユニットを表し、および/または直鎖状または分岐状の部分的にフッ素化または過フッ素化したC〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノまたはアルキルアリールアミノ基を表すか、或いはアルキル‐またはアリールカルボニル基、C〜C30アルキルを意味するアルキルおよびC〜C20アリールを意味するアリールを表し、および
およびLは同一または異なり、かつ前述の意味を有し、M、n、zおよびSpは前述の意味を有する)
一般式AおよびB‐Ia、AおよびB‐IbまたはAおよびB‐IIの繰り返しユニットを含有するか、或いは一般式CまたはDの構造を有する燐光性共役ポリマーに関する。
【0045】
これらは、特に好ましくは、Ar、ArおよびArは、同一または異なっていてもよく、互いに独立して、式XXXおよびXXXIのチオフェンユニット、式XXXII〜XXXIVのベンゼン、ビフェニルおよびフルオレンユニットおよび/または式XXXXXVI〜XXXXXXのユニットから選択されるユニットを表し、
【化10】

およびLが、式I、II、III、VIII、XVIII、XX、XXI、XXIII、XXIV、XXVIIa、XXVIII、XXIXおよびXXIXaから選択されるユニットである
【化11】

【化12】

(式中、Rは、前述の意味の内の1つを有し、
Mは、オスミウム(II)、イリジウム(III)、白金(II)またはロジウム(III)を表し、
nは、5〜500の整数を表し、
zは、1〜3の整数を表し、
Spは、C〜C‐アルキレンオキシまたはC〜C‐アルキレンカルボン酸またはC〜Cアルキレンジカルボン酸を表す)
一般式AおよびB‐Ia、AおよびB‐IbまたはAおよびB‐IIの繰り返しユニットを含有するか、または一般式CまたはDの構造を有する燐光性共役ポリマーである。
【0046】
これらは、更に特に好ましくは、以下の一般式AおよびB‐I‐1〜B‐I‐6またはAおよびB‐II‐1〜B‐II‐4から選択される繰り返しユニットを含有するか、或いは一般式C‐1、C‐2またはC‐3或いはD‐1、D‐2またはD‐3の構造を有する
【化13】

【化14】

(Arが、
【化15】

から選択されるユニットを表し、好ましくは
【化16】

から選択されるユニットを表し、
Arが、
【化17】

から選択されるユニットを表し、
Lが、
【化18】

から選択される配位子を表し、
が、ドデシルを表し、
が、n‐オクチルおよび2‐エチルヘキシルを表し、
が、メチルおよびエチルを表し、
が、メチルおよびn‐ヘキシルを表し、
が、メチルおよびフェニルを表し、
が、H、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基或いは直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシ基を表し、
Zが、CHまたはC=O基を表し、
nが、前述の意味を有する)
燐光性共役ポリマーである。
【0047】
本発明の好ましい態様では、LまたはLは特に、以下の式:
【化19】

から選択される配位子を表す。
【0048】
得られる本発明の燐光性ポリマーは、特に赤色エミッタに好適である。
【0049】
繰り返しユニットAおよびBの合計数はpであり、Bは一般式B‐I(即ち、B‐IaまたはB‐Ib)或いはB‐II、好ましくはB‐I‐1〜B‐I‐5またはB‐I‐6或いはB‐II‐1〜B‐II‐4を表し、pは3〜10,000、好ましくは5〜500の整数を表す。上記繰り返しユニットAおよびBは、上記ポリマー中において、ブロックの形でまたはランダムに交互に分布してもよい。2つの合計量が100%になる場合に、ポリマー中の繰り返しユニットの合計数をベースとする、繰り返しユニットAの量は0〜99.9%、好ましくは75.0〜99.9%であってもよく、ポリマー中の繰り返しユニットの合計数をベースとする、繰り返しユニットBの量は0.1〜100%、好ましくは0.1〜25%であってもよい。
【0050】
本明細書で、前述のユニットL、L、Ar、ArまたはAr中のすべての基Rは、これらのユニットの内からの異なるユニット中で同一または異なっていてもよく、かつ、これらのユニットの内の1つの中で同一または異なっていてもよい。
【0051】
結合位置としても表される、すべての前述および以下の一般式において*で印をつけた位置は、それぞれのユニットの更に同一または異なるユニットへの結合が影響を受ける位置を意味するものと解されるべきである。
【0052】
本発明の燐光性共役ポリマーの末端基では、例えば一般式C、C‐1、C‐2またはC‐3或いはD、D‐1、D‐2またはD‐3の構造を有する本発明の燐光性ポリマーの場合には、好ましくは燐光性金属錯体が配位子Lによって結合するか、或いは一般式AおよびBの繰り返しユニットを有する本発明の燐光性ポリマーの場合には、自由結合位置が好ましくはHまたはアリール、特に好ましくはフェニルによって飽和される。
【0053】
好ましい態様では、本発明の燐光性共役ポリマーは特定の組成を有する公知の燐光性ポリマーを超える優位性を有し(本明細書中で特定の組成は、鎖長とは関係しない);本発明の燐光性共役ポリマーは、非錯体化配位子ポリマーと同様に、鎖長分布または分子量分布(Mw)を有する。この特定の組成は、容易に精製することができ、明確に特徴づけることができ、対応する遷移金属前駆体錯体で錯体化することができる非錯体化配位子ポリマーの特殊な調製の結果である。
【0054】
驚くべきことに、燐光性共役ポリマーは、白色光を放射し、溶液から製造することができる少なくとも1つの共有結合した燐光性金属錯体の燐光性に加えて、その共役主鎖において蛍光性を示すことが更に見出された。
【0055】
本発明のそのような燐光性ポリマーは、以下に発光ポリマー(luminescent polymer)として表される。
【0056】
より好ましくは、本発明の発光ポリマーおよびそれらの成分に対する構造の数は、本発明の燐光性ポリマーの数には依存しない。本発明の発光ポリマーの構造およびそれらの成分に対する数は、括弧( )内に表示され、従って、本発明の燐光性ポリマーおよびそれらの成分に対する数とは容易に区別される。
【0057】
従って、本発明は、共役主鎖を有し、少なくとも1つの共有結合金属錯体を含有し、発光が該共役主鎖の蛍光および該少なくとも1つの共有結合金属錯体の燐光の組合せであることを特徴とする発光ポリマーに関する。
【0058】
本明細書中で、共役した(conjugated)とは、上記ポリマーの主鎖が完全に、または部分的に共役されていてもよいことを意味する。上記主鎖中の大きな共役長さは、良好な荷電キャリア輸送に対して優位であり、従って、そのような共役長さを有するポリマー、特に完全に共役した主鎖を有するポリマーが好ましい。
【0059】
本発明の発光ポリマーは好ましくは直鎖状であり、本明細書では、ある場合にはそれらは、燐光性金属錯体の共有結合に用いられるが、上記ポリマーの生長部位にはならず、従って分岐点にならない短い側鎖のみを含有することができることを意味する。
【0060】
本発明の発光ポリマーは、電気励起の結果として、電界発光性、即ち、例えばOLEDにおける発光を示す。しかしながら、それらは光学励起によっても発光する。
【0061】
本発明の発光ポリマーは、好ましくは白色光を放射する。本明細書中では、白色光は、CIE 1931(国際照明委員会;Commission Internationale de l’Eclairage)の色度図における色配置によって定義され、色座標xが値0.20〜0.46を有し、xと独立して、色座標yが値0.20〜0.46を有する光を意味すると解されるべきである。本明細書中では、これにより、白色光はCIE 1931の色度図においてx=0.33±0.13およびy=0.33±0.13の色座標によって定義され、xおよびyは互いに独立して、0.20〜0.46の同一または異なる値を表すことができる色配置を有する白色または白色状の光である。色座標を表す上記値の範囲は連続な値の範囲である。特に好ましくは、本発明の発光ポリマーは、CIE 1931の色度図における色配置によって定義され、色座標xが値0.28〜0.38を有し、xと独立して、色座標yが値0.28〜0.38を有することができる白色光を放射する。
【0062】
本明細書中では、放射光は、上記共役主鎖の蛍光性と少なくとも1つの共有結合した金属錯体の燐光性の組み合わせであり、放射光は、それぞれの場合に個々に考慮され、白色と異なる色であってもよく、これも好ましい。上記放射光を全体として白色に見えるようにするのは、例えば原色、赤色、緑色および青色の放射光、または補色の混合物の加法混色だけである。
【0063】
本発明は好ましくは、少なくとも1つの金属錯体が、同一または異なっていてもよく、上記共役主鎖の分子鎖末端に共有結合している発光ポリマーに関する。
【0064】
これらは、特に好ましくは、以下の一般式(Ia)または(Ib):
【化20】

[式中、Arは、任意に置換されたフェニレンユニット(IIa)または(IIb)、ビフェニレンユニット(IIc)、フルオレニレンユニット(IId)、ジヒドロインデノフルオレニレンユニット(IIe)、スピロビフルオレニレン(IIf)、ジヒドロフェナントリレンユニット(IIg)またはテトラヒドロピレニレンユニット(IIh)から選択されるユニットを表し、
【化21】

Arは、Arと異なり、(IIa)〜(IIq):
【化22】

【化23】

から成る群から選択されるユニットを表し、
およびLは、各場合において、それぞれ同一または異なっていてもよく、かつ
は、以下の式(IIIa‐1)〜(IIId‐1):
【化24】

(ここで、Arは、任意に置換したフェニレン、ビフェニレン、ナフチレン、チエニレンまたはフルオレニレンユニットから選択されるユニットを表す。)
の配位子であり、
は、Lと独立して、以下の式(IVa‐1)〜(IVy‐1):
【化25】

【化26】

のユニットから選択される配位子であり、
上記LおよびLは、キレート状に上記金属Mを錯体化し、
Mは、イリジウム(III)、白金(II)、オスミウム(II)またはロジウム(III)を表し、
nは、3〜10,000、好ましくは10〜5,000、より好ましくは20〜1,000、最も好ましくは40〜500の整数を表し、
zは、1〜3の整数を表し、
Rは、同一または異なる基であり、互いに独立して、H、F、CF、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状の部分的にフッ素化または過フッ素化したC〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシ基、任意にC〜C30アルキル置換したC〜C20アリールユニットおよび/または、環C原子5〜9個および窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される環ヘテロ原子1〜3個を有する任意にC〜C30アルキル置換したヘテロアリールユニットを表し、および/または直鎖状または分岐状の部分的にフッ素化または過フッ素化したC〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノまたはアルキルアリールアミノ基を表すか、或いはアルキル‐またはアリールカルボニル基、C〜C30アルキルを意味するアルキルおよびC〜C20アリールを意味するアリールを表す。]
の構造を有する発光ポリマーである。
【0065】
上記発光ポリマーは好ましくは分子量分布を有するため、上記および以下の一般式(Ia)および(Ib)において、nは繰り返しユニットの平均数を意味すると解されるべきである。
【0066】
上記金属中心への配位の場合、対応する配位部位で前述の配位子ユニットLまたはLからHを任意に除去することができ、そして本発明の燐光性共役ポリマー中のLは、これらの任意に除去したH原子を有さない前述の構造を表す。これは、特に炭素配位部位および酸素配位部位を介しての配位を用いる、元のヒドロキシル基からの場合であってもよい。
【0067】
これらは特に好ましくは、以下の一般式(Ia‐1)、(Ia‐2)、(Ib‐1)、(Ib‐2)、(Ia‐3)または(Ib‐3):
【化27】

【化28】

(式中、Rは、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基、或いは直鎖状または分岐状の部分的にフッ素化または過フッ素化したC〜C22アルキル基を表し、かつ
n、Ar、ArおよびLは前述の意味を有する。)
の構造を有する発光ポリマーである。
【0068】
本明細書中では、上記一般式(Ib‐1)、(Ib‐2)および(Ib‐3)は、ArおよびArは異なり、ブロックの形でまたはランダムに交互に分布する繰り返しユニット‐Ar‐および‐Ar‐を含有するコポリマー鎖を形成し、上記コポリマー鎖は、2つの合計量が100%になる場合に、0.1〜99.9%の量の繰り返しユニット‐Ar‐および0.1〜99.9%の量の繰り返しユニット‐Ar‐を含有することができるという意味であると解されるべきである。上記ポリマー中の全繰り返しユニット‐Ar‐および‐Ar‐の合計数はnである。
【0069】
本発明はまた好ましくは、上記少なくとも1つの金属錯体が、同一または異なっていてもよく、上記共役主鎖に共有結合している発光ポリマーに関する。
【0070】
これらは、特に好ましくは、以下の一般式(Ic‐1)および(Id)、または(Ic‐1)、(Ic‐2)および(Id):
【化29】

[式中、Arは、任意に置換されたフェニレンユニット(IIa)または(IIb)、ビフェニレンユニット(IIc)、フルオレニレンユニット(IId)、ジヒドロインデノフルオレニレンユニット(IIe)、スピロビフルオレニレン(IIf)、ジヒドロフェナントリレンユニット(IIg)またはテトラヒドロピレニレンユニット(IIh)から選択されるユニットを表し、
【化30】

Arは、Arと異なり、(IIa)〜(IIq):
【化31】

から成る群から選択されるユニットを表し、
およびLは、各場合において、それぞれ同一または異なっていてもよく、かつ
は、以下の式(IIIa‐2)〜(IIIi‐1):
【化32】

の配位子であり、
は、Lと独立して、以下の式(IVa‐1)〜(IVy‐1):
【化33】

【化34】

のユニットから選択される配位子であり、
上記LおよびLは、キレート状に上記金属Mを錯体化し、
Mは、イリジウム(III)、白金(II)、オスミウム(II)またはロジウム(III)を表し、
nは、3〜10,000、好ましくは10〜5,000、より好ましくは20〜1,000、最も好ましくは40〜500の整数を表し、
zは、1〜3の整数を表し、
Rは、同一または異なる基であり、互いに独立して、H、F、CF、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状の部分的にフッ素化または過フッ素化したC〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシ基、任意にC〜C30アルキル置換したC〜C20アリールユニットおよび/または
環C原子5〜9個および窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される環ヘテロ原子1〜3個を有する任意にC〜C30アルキル置換したヘテロアリールユニットを表し、および/または直鎖状または分岐状の部分的にフッ素化または過フッ素化したC〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノまたはアルキルアリールアミノ基を表すか、或いはアルキル‐またはアリールカルボニル基、C〜C30アルキルを意味するアルキルおよびC〜C20アリールを意味するアリールを表す。]
のn回繰り返しユニットを含有する発光ポリマーである。
【0071】
これらは、更に特に好ましくは、以下の一般式(Ic‐1)〜(Id‐1):
【化35】

(式中、Rは、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基、或いは直鎖状または分岐状の部分的にフッ素化または過フッ素化したC〜C22アルキル基を表し、かつ
n、ArおよびLは前述の意味を有する。)
のn回繰り返しユニットを含有する発光ポリマーである。
【0072】
繰り返しユニット(Ic)および(Id)[ここで、(Ic)は一般式(Ic‐1)または(Ic‐1)および(Ic‐2)を表し、かつ(Id)は一般式(Id)または(Id‐1)を表す。]の合計数はnであり、nは3〜10,000、好ましくは10〜5,000、より好ましくは20〜1,000、最も好ましくは40〜500であり、本明細書中では、本発明の発光ポリマーは好ましくは分子量分布を有するため、nは繰り返しユニットの平均数を意味するといつも解される。
【0073】
上記繰り返しユニット(Ic)および(Id)は、上記ポリマー中において、ブロックの形でまたはランダムに交互に分布してもよい。2つの合計量が100%になる場合に、ポリマー中の繰り返しユニットの合計数をベースとする、繰り返しユニット(Ic)の量は0.1〜99.9%、好ましくは75.0〜99.9%であってもよく、ポリマー中の繰り返しユニットの合計数をベースとする、繰り返しユニット(Id)の量は0.1〜100%、好ましくは0.1〜25%であってもよい。好ましい態様では、同様に2つの合計量が100%になる場合に、ポリマー中の繰り返しユニットの合計数をベースとする、繰り返しユニット(Id)の量は0.01〜15%、好ましくは0.01〜10%、より好ましくは0.01〜5%であり、本発明の発光ポリマーのこれらの好ましい態様における繰り返しユニットの合計数をベースとする、繰り返しユニット(Ic)の量は85〜99.99%、好ましくは90〜99.99%、より好ましくは95〜99.99%であってもよい。前述の%デ‐タは、物質の量(モル%)をベースとするデータである。
【0074】
本発明の発光ポリマーの好ましい態様では、Lが、以下の式:
【化36】

のユニットから選択される配位子を表す。
【0075】
これらの好ましい態様の発光ポリマーは、Lに対する前述のユニットに加えて、以下の式:
【化37】

のユニットから選択されるそれらの配位子も任意に含有する。
【0076】
本発明の更に好ましい態様は、ArおよびArが、互いに独立して、以下の式:
【化38】

(式中、Rは、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基を表す)
のユニットを表すそれらの発光ポリマーである。
【0077】
本明細書中では、前述のユニットL、L、Ar、ArまたはAr中のすべての基Rは、これらのユニットの内からの異なるユニット中で同一または異なっていてもよく、かつ、これらのユニットの内の1つの中で同一または異なっていてもよい。
【0078】
結合位置としても表される、すべての前述および以下の一般式において*で印をつけた位置は、それぞれのユニットの更に同一または異なるユニットへの結合が行われる位置を意味するものと解されるべきである。
【0079】
本発明の発光ポリマーの末端基(末端結合位置)では、例えば一般式(Ia)または(Ib)或いは(Ia‐1)、(Ia‐2)、(Ia‐3)、(Ib‐1)、(Ib‐2)または(Ib‐3)の構造を有する本発明の発光ポリマーの場合には、好ましくは燐光性金属錯体が配位子Lによって結合するか、或いは一般式(Ic)および(Id)の繰り返しユニットを含有する本発明の発光ポリマーの場合には、自由結合位置が好ましくはHまたはアリール、特に好ましくはフェニルによって飽和される。
【0080】
励起エネルギーが少なくとも1つの上記燐光性金属錯体に完全には輸送されないか、またはそこに残存しないように、即ち、励起エネルギーの一部が上記共役ポリマー主鎖に残存し、上記少なくとも1つの金属錯体の燐光性に加えて、上記共役主鎖の蛍光性を提供するように、上記共役ポリマー主鎖および少なくとも1つの共有結合燐光性金属錯体を選択する場合に、本発明の発光ポリマーが得られる。
【0081】
これは、共役主鎖がフルオレニル繰り返しユニットを含有する本発明のポリマーの例示により説明される。例えば、黄色または緑色の燐光を有するそのような共役ポリフルオレン主鎖をイリジウム錯体と組み合わせると、上記ポリフルオレン主鎖から少なくとも1つのイリジウム錯体へのエネルギー輸送がただ不完全に行われるにすぎない。励起エネルギーの一部が、上記ポリフルオレン主鎖の青色蛍光に変換され、他の部分が少なくとも1つのイリジウム錯体の燐光に変換される。
【0082】
これに対して、この場合には上記励起エネルギーをポリフルオレン主鎖から少なくとも1つのイリジウム錯体に有効に輸送するため、ポリフルオレン主鎖の赤色燐光を有するイリジウム錯体との組み合わせは排他的に少なくとも1つのイリジウム錯体の赤色燐光を提供する。
【0083】
本発明の燐光性または発光ポリマーは、発光スペクトル(例えば、電界発光スペクトル)をベースとして区別することができる。本発明の燐光性ポリマーの発光スペクトルは、典型的な燐光スペクトルであり、燐光バンドを有するが、蛍光バンドは有さない。これに対して、本発明の発光ポリマーの発光スペクトルは、燐光バンドに加えて、蛍光バンドも有する。図1には、本発明の燐光性ポリマーの典型的な電界発光スペクトルが示され、図3には、本発明の燐光性ポリマーの典型的な電界発光スペクトルが示されており、青色ポリフルオレン蛍光の黄色‐緑色イリジウム燐光との重ね合わせが明らかである。これに対して、図2には、比較のために、上記ポリフルオレンの蛍光バンドのみを示す電界発光スペクトルが示されている。
【0084】
本発明の燐光性または発光ポリマーは、電界発光、即ち、電気励起による、例えばOLEDにおける発光を示す。しかしながら、本発明の燐光性または発光ポリマーの電界発光スペクトルは、その電界発光スペクトルと異なってもよく、結果として、放射光の色が、励起(電気励起または光学励起)によっても異なってもよい。
【0085】
本発明は更に、非錯体化配位子ポリマーが、イリジウム(III)、白金(II)、オスミウム(II)またはロジウム(III)前駆体錯体、好ましくはイリジウム(III)前駆体錯体、特に以下の一般式E:
【化39】

(式中、Lは、前述の意味を有する。)
のイリジウム(III)前駆体錯体で錯体化されている本発明の燐光性または発光ポリマーの製造方法に関する。
【0086】
上記一般式Eのイリジウム前駆体錯体の活性化が、予め必要であり、例えば銀(I)塩、特にトリフルオロメタンスルホン酸銀(I)を、有機溶媒または溶媒混合物、例えばジクロロメタンおよび/またはアセトニトリル中で撹拌することによって行う。例えば炭素配位部位および酸素配位部位の両方を介して、上記配位子Lによりキレート状に遷移金属を錯体化する場合に、そのような活性化が必要となる。
【0087】
非錯体化配位子ポリマーは、一般式Aまたは(Ic)および/またはF:
【化40】

[式中、Xは、前述のAr、ArまたはArと同様であっても、或いはL(上記一般式B‐Ia、B‐Ibまたは(Id)の定義の)と同様であってもよい)またはそれらの組み合わせであってもよく、繰り返しユニットAまたは(Ic)および/またはFの合計数はnまたはpであり、nおよびpは前述の意味を有する。]
の繰り返しユニットを含有するすべてのポリマーである。上記非錯体化配位子ポリマーは、各場合に一般式CまたはD或いは(Ia)または(Ib)の定義の配位子Lで、分子鎖末端において官能化されていても、或いはHまたはアリールで飽和されていてもよい。
【0088】
この方法は更に、上記ポリマー中の上記遷移金属含量、特にイリジウム含量を、配位子ポリマーの遷移金属錯体、特にイリジウム前駆体錯体に対する当量比の選択によって容易に変化させる優位性を有する。
【0089】
イリジウム前駆体錯体の合成は、文献、例えばS.スプローズ(Sprouse)、K.A.キング(King)、P.J.スペラン(Spellane)、R.J.ワッツ(Watts)のJ.Am.Chem.Soc.、1984年、第106巻、第6647〜6653頁または国際公開第 01/41512号パンフレットに開示されている。上記配位子ポリマーの合成が、文献、例えばT.ヤマモト(Yamamoto)等のJ.Am.Chem.Soc.、1996年、第118巻、第10389〜10399頁、T.ヤマモト(Yamamoto)等のマクロモレキュールズ(Macromolecules)、1992年、第25巻、第1214〜1223頁、およびR.D.ミラー(Miller)のマクロモレキュールズ(Macromolecules)、1998年、第31巻、第1099〜1103頁に記載された実施例と同様に行うことができる。
【0090】
本発明の燐光性共役ポリマーは、溶液からの塗布に有用であり、付加的なドーピングまたはブレンドなしに1つの工程で塗布することができ、同時に長い寿命およびEL配列における高い外部量子効率を有するという、低分子量燐光性金属錯体を超える優位性を有する。
【0091】
本発明の発光ポリマーは、同様に溶液からの塗布に有用であり、ポリマーと低分子量ドーパントとの混合物または異なる色を有するエミッタ材料の混合物と比較して、付加的なドーピングまたはブレンドなしに1つの工程で塗布することができるという優位性を有する。
【0092】
本発明の燐光性または発光ポリマーは更に、ポリマーおよび燐光性金属錯体が分離することができず、従って、上記金属錯体が結晶化することができないという優位性を有する。最近、そのような分離および結晶化プロセスが、ポリマーおよび混合した低分子量イリジウム錯体のブレンド系に対して開示されている(ノー(Noh)等のジャーナル・オブ・ケミカル・フィジックス(Journal of Chemical Physics)、2003年、第118巻、第6号、第2853〜2864頁)。
【0093】
驚くべきことに、本発明の発光ポリマーが、白色1部品(one‐component)エミッタ材料として好適であることを見出した。本発明の白色エミッタは、異なるスペクトル領域において蛍光性および燐光性有することを特徴とする。それらは、低い操作電圧およびスイッチ電圧(switch‐on voltage)であっても放射する優位性を有し、良好な電流電圧輝度特性を示し、2層ダイオード構造においてでも高い効率を有する白色光を発する(正孔注入層およびエミッタ層)。
【0094】
従って、本発明の燐光性または発光ポリマーは、発光部品(例えば有機またはポリマーLED、レーザーダイオード)に、インジケータまたはディスプレイ(TV、コンピュータモニター)に、LCDおよび時計のバックライト用に、イルミネーション要素として、フラットパネル光源に、ビルボードおよび情報掲示板として、モバイル通信装置に、家庭用電気機器のディスプレイ(例えば、洗濯機、冷蔵庫、電気掃除機等)に、室内イルミネーションおよび自動車分野でのダッシュボードのイルミネーション用に、または変位システムにおける一体型ディスプレイとして、の用途に特に好適である。
【0095】
本発明の発光ポリマーは、例えば液晶ディスプレイの経済的バックライトとして、平坦なイルミネーション光源としての、発光部品、例えば白色有機発光ダイオードにおける白色エミッタ材料の用途に、またはカラーフィルターとの組み合わせによるフルカラーディスプレイの製造に特に好適である。
【0096】
従って、発光部品中のエミッタとしての本発明の燐光性または発光ポリマーの使用も、本発明に従うものである。
【0097】
低分子量エミッタ材料に比較して、この点で、それらは、外部量子効率の低下を引き起こす励起プロセスを回避するという優位性を有する。これらは、低分子量エミッタの場合、マイグレーションプロセスのために、イリジウム濃度の増加に伴って(局所蓄積)、より大きな程度で起こる。本発明の燐光性または発光ポリマーにおいて、上記イリジウム錯体は、上記ポリマーとの共有結合のために、マイグレーションプロセスには有用ではない。
【0098】
本発明の白色エミッタは更に、1部品エミッタであり、エネルギー輸送プロセスおよび前述の「特異なエージング(differential ageing)」の不都合を示さず、従って、比較的長い操作時間での色配置における無色点とも呼ばれる白色点からのずれが生じないという優位性を有する。更に、本発明の白色エミッタは、通常、印加電圧により、放射光の色配置の視覚的に認知できるほどの依存性は示さない。
【0099】
特定の色配置を設定または最適化するため、本発明の異なるポリマーをブレンドすることができ、例えば本発明の燐光性ポリマーに更なる本発明の燐光性ポリマー、および/または本発明の発光ポリマーをブレンドすることができる。例えば、白色光を補色、青色および黄色により形成する場合、上記光は白色に見えるが、赤色スペクトル成分は存在せず、この光によって照らされる物体の色の再現性が十分に得られなくなる。そのような場合に、本発明の赤色放射ポリマーの混合が有用である。更に、赤色カラーフィルターは上記赤色を除くすべてのスペクトル成分が漏れるため、カラーフィルターを用いて赤色光が形成されるべき場合には、赤色スペクトル成分は絶対に必須である。
【0100】
従って、本発明は更に、1つ以上の本発明の燐光性ポリマーおよび1つ以上の本発明の発光ポリマーを含有するブレンド、並びに発光部品中のエミッタとしての上記ブレンドの使用方法に関する。
【0101】
本発明の燐光性および発光ポリマーのブレンドを使用する代わりに、対応する色配置の設定または色配置の最適化を達成するために、それらを種々の層に連続して塗布することもできる。
【0102】
本発明は更に、少なくとも1つの本発明の燐光性または発光ポリマーを含有する電界発光配列に関する。本発明の燐光性または発光ポリマーは、発光材料として提供される。
【0103】
本発明の燐光性または発光ポリマーの発光材料としての使用することは、付加的成分、例えばバインダー、マトリックス材料または電荷輸送化合物は発光層に絶対的に必須ではないが、上記付加的成分を含有してもよいという、公知の低分子量発光材料を超える優位性を有する。
【0104】
本発明はまた、1つ以上の本発明の燐光性ポリマーおよび1つ以上の本発明の発光ポリマーを含む電界発光配列に関する。
【0105】
本発明は好ましくは、更に正孔注入層を含む電界発光配列に関する。
【0106】
これらは、特に好ましくは、上記正孔注入層が一般式G:
【化41】

(式中、AおよびAは、互いに独立して、水素、任意に置換したC〜C20アルキル、CHOHまたはC〜C14アリールを表すか、或いは任意に置換したC〜C13アルキレンまたはC〜C14アリーレン、好ましくはC〜Cアルキレン、特に好ましくはエチレンを共に意味し、かつ
mは、2〜10,000、好ましくは5〜5,000の整数を表す。)
の中性またはカチオン性ポリチオフェンから成る電界発光配列である。
【0107】
上記一般式Gのポリチオフェンは、欧州特許第A 0 440 957号明細書および同A 0 339 340号に開示されている。使用した分散体または溶液の調製の記載が、欧州特許第A 0 440 957号明細書および独国特許第A 42 11 459号明細書に開示されている。
【0108】
上記ポリチオフェンは好ましくは、例えば、中性ポリチオフェンの酸化剤での処理によって得られるような、カチオン性の形で分散体または溶液に用いられる。通常用いられる酸化剤、例えばペルオキソ二硫酸カリウムを上記酸化に用いる。上記酸化の結果として、上記ポリチオフェンは正電荷を有する(数および位置が十分に決定されていないため、式による表示なし)。欧州特許第A 0 339 340号明細書の情報によれば、それらはキャリア上に直接、調製することができる。
【0109】
好ましいカチオン性または中性ポリチオフェンは、以下の式G‐a:
【化42】

(式中、QおよびQは、互いに独立して、水素、任意に置換したC〜C18アルキル、好ましくはC〜C10アルキル、特に好ましくはC〜Cアルキル、C〜C12アルケニル、好ましくはC〜Cアルケニル、C〜Cシクロアルキル、好ましくはシクロペンチルもしくはシクロヘキシル、C〜C15アラルキル、好ましくはフェニル−C〜Cアルキル、C〜C10アリール、好ましくはフェニルまたはナフチル、C〜C18アルコキシ、好ましくはC〜C10アルコキシ、例えばメトキシ、エトキシ、n‐プロポキシまたはイソプロポキシ、或いはC〜C18アルコキシエステルを表し、前述の基は少なくとも1つのスルホネート基で置換されることができ、
mは、前述の意味を有する。)
の構造ユニットから構成される。
【0110】
カチオン性または中性ポリ‐3,4‐(エチレン‐1,2‐ジオキシ)チオフェンが、特に好ましい。
【0111】
上記正電荷を相殺するため、上記ポリチオフェンのカチオン性の形は、アニオン、好ましくはポリアニオンを含む。
【0112】
好ましく用いられるポリアニオンは、重合カルボン酸、例えばポリアクリル酸、ポリメタクリル酸またはポリマレイン酸、並びに重合スルホン酸、例えばポリスチレンスルホン酸およびポリビニルスルホン酸、のアニオンである。これらのポリカルボン酸およびポリスルホン酸は、ビニルカルボン酸およびビニルスルホン酸の他の重合性モノマー(例えばアクリル酸エステルおよびスチレン)とのコポリマーであってもよい。
【0113】
ポリスチレンスルホン酸のアニオンが、反対イオンとして、特に好ましい。
【0114】
上記ポリアニオンを提供する上記多酸の分子量は、好ましくは1,000〜2,000,000、特に好ましくは2,000〜500,000である。上記多酸またはそれらのアルカリ金属塩、例えばポリスチレンスルホン酸およびポリアクリル酸は市販されており、また、公知の方法で作製することができる(例えば、ホーベン‐ウェイル(Houben‐Weyl)のMethoden der organischen Chemie[Methods of Organic Chemistry]、第E20巻、Makromolekulare Stoffe[Macromolecular Substances]、パート2、1987年、第1141頁以下参照)。
【0115】
ポリジオキシチオフェンおよびポリアニオンの分散体の形成に必要な遊離多酸の代わりに、上記多酸および対応する量の一酸塩基(monoacid)のアルカリ金属塩の混合物を用いてもよい。
【0116】
任意に存在する正孔輸送層(hole‐conducting layer)は、好ましくは正孔注入層に隣接しており、好ましくは1つ以上の芳香族第3アミン化合物、好ましくは任意に置換したトリフェニルアミン化合物、特に好ましくは以下の式K:
【化43】

(式中、Rは、水素、任意に置換したアルキルまたはハロゲンを表し、
およびRは、互いに独立して、任意に置換したC〜C10アルキル、好ましくはC〜Cアルキル、特にメチル、エチル、n‐プロピルまたはイソプロピル、n‐ブチル、イソブチル、s‐ブチルまたはt‐ブチル、アルコキシカルボニル‐置換したC〜C10アルキル、好ましくはC〜Cアルコキシカルボニル‐C〜Cアルキル、例えばメトキシ‐、エトキシ‐、プロポキシ‐またはブトキシカルボニル‐C〜Cアルキル、アリール、アラルキルまたはシクロアルキル、それぞれが任意に置換しており、好ましくはフェニル‐C〜Cアルキル、ナフチル‐C〜Cアルキル、シクロペンチル、フェニルまたはナフチル、それぞれがC〜Cアルキルおよび/またはC〜Cアルコキシによって置換されている、を表す。)
のトリス‐1,3,5‐(アミノフェニル)ベンゼン化合物を含有する。
【0117】
前述の基用の任意に存在する置換基は、例えば直鎖状または分岐状アルキル、シクロアルキル、アリール、ハロゲノアルキル、ハロゲン、アルコキシおよびスルホ基を意味するものと解されるべきである。
【0118】
およびRは、互いに独立して、特に好ましくは非置換フェニルまたはナフチル、或いはメチル、エチル、n‐プロピル、イソプロピル、メトキシ、エトキシ、n‐プロポキシおよび/またはイソプロポキシによってそれぞれがモノ置換からトリ置換されたフェニルまたはナフチルを表す。
【0119】
は、好ましくは水素、C〜Cアルキル、例えばメチル、エチル、n‐プロピルまたはイソプロピル、n‐ブチル、イソブチル、s‐ブチルまたはt‐ブチル、或いは塩素を表す。
【0120】
電子写真用用いられる、そのような化合物およびそれらの調製が、米国特許第A 4,923,774号明細書に開示されている。トリス‐ニトロフェニル化合物は、例えば一般に公知の触媒水素化(例えばラネーニッケル存在下)によって、上記トリス‐フェニルアミン化合物に変換することができる(ホーベン‐ウェイル(Houben‐Weyl)、4/1C、14−102、ウルマン(Ullmann)(4)13,135−148)。上記アミノ化合物は、公知の方法により置換ハロゲノベンゼンと反応する。
【0121】
第3アミノ化合物に加えて、更に、例えば第3アミノ化合物との混合物の形の正孔輸送剤(hole conductor)を、上記電界発光素子を製造するのに任意に用いてもよい。一方では、これらは、上記式Kの1つ以上の化合物であってもよく、異性体の混合物も含み、他方では、異なる構造を有する正孔輸送化合物の上記式Kの第3アミノ化合物との混合物を用いてもよい。
【0122】
使用可能な正孔注入および正孔伝導材料が、欧州特許第A 0 532 798号明細書に開示されている。
【0123】
芳香族アミンとの混合物の場合、上記化合物は如何なる所望の比で用いてもよい。
【0124】
任意に存在する電子輸送層は、好ましくは発光層と隣接し、好ましくはAlq(q=8‐ヒドロキシキノリネート)、Gaq、Al(qa)、Ga(qa)またはGa(qa)OR、Ga(qa)OCORまたはGa(qa)‐O‐Ga(qa)から成る群から選択されるガリウム錯体(ここで、Rは置換または非置換アルキル、アリール、アリールアルキルまたはシクロアルキルを表し、qaは以下の式:
【化44】

を表す。)
を含有する。
【0125】
上記ガリウム錯体の調製が、欧州特許第A 949695号明細書および独国特許第19812258号明細書に開示されている。上記電子輸送層は、蒸着法(例えばAlq)、または好ましくは溶液から容易に可溶なガリウム錯体をスピンコーティング、キャスティングまたはナイフコーティングにより塗布することによって適用することができる。好適な溶媒は、例えばメタノール、エタノール、n‐プロパノールまたはイソプロパノールである。
【0126】
特に好ましい態様では、本発明の電界発光配列は、発光層および電子輸送層の間に正孔ブロッキング層を含んでもよい。好ましくは、上記正孔ブロッキング層は、バソクプロイン(BCP;bathocuproin)またはTPBI(1,3,5‐トリス[N‐フェニルベンズイミダゾール‐2‐イル]ベンゼン)を含有する。
【化45】

【0127】
上記電子注入層は、アルカリ金属フッ化物またはアルカリ金属酸化物、或いはアルカリ金属との反応によりn‐ドーピングした有機化合物から成る。上記電子注入層は、好ましくはLiF、LiO、Liキノレート等を含有する。
【0128】
正孔注入層とカソードの間に存在する少なくとも1つの層は、多数の機能を発揮する、即ち、層が例えば、正孔注入、正孔輸送、電界発光(発光)、正孔ブロック、電子輸送および/または電子注入物質を含有してもよい。
【0129】
上部電極は、透明であってもよい導電性物質から成る。好ましくは、蒸着、スパッタリングまたは白金合金化(platinization)等の技術により適用することができる、金属、例えばCa、Ba、Li、Sm、Al、Ag、Au、Mg、In、Sn等、またはこれらの金属の2つ以上の合金が好適である。
【0130】
ガラス、極薄ガラス(可撓性ガラス)またはプラスチックが、導電層を提供される透明基板(基材)として好適である。特に好適なプラスチックは、ポリカーボネート、ポリエステル、コポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン或いは環状ポリオレフィンまたは環状オレフィンコポリマー、水素化スチレンポリマーまたは水素化スチレンコポリマーである。
【0131】
本発明の好ましい態様は、電界発光素子が正孔注入層および発光層を含む2層構造である電界発光配列に関する。
【0132】
本発明の更に好ましい態様は、電界発光素子が発光層を含む1層構造である電界発光配列に関する。
【0133】
劣化、特に空中酸素および水による劣化を防止するため、本発明の上記配列は、酸素および水に対する高拡散バリアを有する材料でカプセル化してもよい。好適な材料は、極薄ガラス(スコット・ディスプレイグラス(Schott Displayglas)社製)および蒸着により金属酸化物または金属硝化物で被覆してもよいポリマーラミネート系(SiO、Al、MgO、Si等;ポリビニルアルコール、Aclar、ポリビニリデンジフルオライド等)である。
【0134】
本発明に記載の燐光性または発光ポリマーに加えて、上記発光層には、造膜性を向上し、発光色を適合させ、および/または荷電キャリア輸送性に影響を与えるためにブレンドの形で、当業者に公知の更なる燐光性または発光ポリマーおよび/または導電性ポリマーを含有してもよい。上記ブレンドポリマーは通常、95重量%以下、好ましくは80重量%以下の量で用いられる。
【0135】
上記電界発光配列は、直流電圧0.1〜100V、好ましくは1〜100Vを印加時に、波長200〜2000nm、好ましくは400〜800nmの光を放射する。他のスペクトル領域における付加的な放射はそれによって妨げられないが、全体として放射された光の視覚的に認知することができる色に影響は与えない。
【0136】
本発明の電界発光配列は、例えばインジケータ内のレーザーダイオードとして、またはディスプレイ(TV、コンピュータモニター)として、LCDおよび時計のバックライト用に、イルミネーション要素として、フラットパネル光源に、情報掲示板として、モバイル通信装置に、家庭用電気機器のインジケーター(例えば、洗濯機、冷蔵庫、電気掃除機等)に、または変位システムにおける一体型ディスプレイ(integrated displays in displacement systems)として、使用することができる。
【0137】
上記燐光性または発光共役ポリマーが溶液から塗布される、上記電界発光配列中の電界発光素子の製造は、更に本発明に従うものである。
【0138】
上記電界発光素子の製造のために、上記燐光性または発光ポリマーは、好適な溶媒中に溶解し、好ましくはスピンコーティング、キャスティング、含浸、ナイフコーティング、スクリーン印刷、インクジェット印刷、フレキソ印刷またはオフセット印刷によって、好適な基板に溶液から塗布する。工程速度をより高く、かつ形成される廃棄物をより少なくするため、この方法は、実質的なコスト削減および工程技術の簡略化が達成され、かつ広範囲の適用を行うので、低分子量エミッタ材料の場合に用いられる蒸着法(例えば、CVD)に比較して、優位性を有する。特に、費用のかかるマスク技術および平版印刷法を用いることなく、印刷技術により複雑な構造の目標適用を行う。
【0139】
好適な溶媒には、アルコール、ケトン、芳香族炭化水素、ハロゲン化芳香族炭化水素、ハロゲン化炭化水素、またはこれらの混合物等がある。好ましい溶媒は、トルエン、o‐/m‐/p‐キシレン、クロロベンゼン、ジ‐およびトリクロロベンゼン、クロロホルム、THF等である。上記燐光性または発光ポリマーの溶媒濃度は、0.1〜20重量%、好ましくは0.5〜10重量%、特に好ましくは0.5〜3重量%である。上記発光層の層厚さは、5nm〜1μm、好ましくは5nm〜500nm、より好ましくは20nm〜500nm、最も好ましくは20nm〜100nmである。
【0140】
上記基板は、例えば透明電極を提供される、ガラスまたはプラスチック材料であってもよい。上記プラスチック材料は、例えばポリカーボネート、ポリエステル、例えばポリエチレンテレフタレートまたはポリエチレンナフタレート、コポリカーボネート、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリイミド、ポリエチレン、ポリプロピレン或いは環状ポリオレフィンまたは環状オレフィンコポリマー、水素化スチレンポリマーまたは水素化スチレンコポリマーのフィルムであってもよい。上記基板は更に、EL配列の基本構造に含まれる層1〜層10、好ましくは層1〜層7(本明細書段落[0006]参照)の内の1以上の層を含む層配列であってもよく、1層が複数のこれらの層の機能を果たすことも可能である。
【0141】
好適な透明電極には、金属酸化物、例えば酸化インジウム錫(ITO)、酸化錫(NESA)、酸化亜鉛、ドーピングした酸化錫、ドーピングした酸化亜鉛等;半透明金属フィルム、例えばAu、Pt、Ag、Cu等;導電性ポリマー、例えばポリチオフェン、ポリアニリン等;がある。上記透明電極の厚さは、3nm〜約数μm、好ましくは10nm〜500nmである。
【実施例】
【0142】
後述の全ての分子量は、GPC(ゲル浸透クロマトグラフィー;ポリスチレン標準に対して校正、ジクロロメタン溶媒)により決定した。
【0143】
使用したイリジウム前駆体錯体:
【化46】

【0144】
(実施例1):一般式AおよびB‐I‐1(Ar=2,7‐(9,9‐ジ‐n‐オクチル)フルオレニル、R=オクチル、L=2‐フェニルピリジン(ppy))の繰り返しユニットを有するポリマーの合成
【化47】

【0145】
ジクロロメタン25ミリリットル/アセトリトリル1.25ミリリットル中の67mgの(ppy)Ir(μ‐Cl)Ir(ppy)および32.1mgのトリフルオロメタンスルホン酸銀を窒素雰囲気下および光のない状態で還流下10.5時間撹拌した。生成した塩化銀を濾過により分離除去し、溶媒を蒸留除去した後、アニソールおよび2‐エトキシエタノールの混合物(85:15)25ミリリットル中に溶解した配位子ポリマー、ポリ‐[(9,9’‐ジ‐n‐オクチル‐2,7‐フルオレニル)‐co‐(2,5‐ピリジル)](ユニットA数:ユニットB‐I‐1数=12:1;Mw=88,100(D=2.82);200mg)を加えた。上記溶液を還流下で窒素雰囲気下23時間撹拌した。上記溶液を濾過し、13ミリリットルまで蒸発させた後、上記ポリマーを400ミリリットルのメタノール中で沈殿させた。減圧乾燥後、次のメタノール/アセトン(1:1)を用いたソックスレー(Soxhlet)抽出により、橙色繊維状生成物として所望の燐光性ポリマー195.6mgを得た。
H‐NMR(400 MHz、CDCl、TMS):δ=9.09 (Hppy)、8.58 (Hppy), 8.26 (Hppy), 7.9−7.6 (HPolyfluorene+Hppy), 6.94 (Hppy), 6.48 (Hppy), 2.12 (HCH), 1.14 (HCH), 0.82 (HCH);フォトルミネセンス(石英ガラス基材上薄膜、λex=296nm);λem,max=630nm
【0146】
一般式AおよびB‐I‐1またはAおよびB‐I‐2の繰り返しユニットを有するその他の燐光性ポリマーの合成を、同様の方法により実施することができる。
【0147】
(実施例2‐a):一般式C‐1(Ar=2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレニル、R=ヘキシル、L=2‐ベンゾ[b]チオフェン‐2‐イル‐ピリジン(bthpy))のポリマーの合成
【化48】

末端基‐官能化(サリチルアルデヒド‐n‐ヘキシルイミン)ポリ‐2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレン(Mw=8,400(D=2.1);400mg)、65mgの(bthpy)Ir(μ−Cl)Ir(bthpy)および14mgの炭酸ナトリウムを、1,2‐ジクロロエタン(50ミリリットル)およびエタノール(10ミリリットル)の混合物中で、窒素雰囲気下で還流下40時間加熱した。冷却後、クロロホルム(40ミリリットル)を加え、濾過した。上記濾液を濃縮し、シリカゲル(CHCl)を通してクロマトグラフィ分析した。上記生成物フラクションを組み合わせ、濃縮し(5ミリリットル)、上記生成物を300ミリリットルのメタノール中で沈殿させた。減圧乾燥後、UVランプ下、強い赤色発光を示す黄橙色綿状固体としての366mgの所望の生成物を得た。
H‐NMR(CDCl、400 MHz、TMS):δ= 8.89 (d), 8.47 (d), 8.17 (s), 7.90 - 7.60 (HAr ポリフロオレン), 7.53 (m), 7.35 (m), 7.05 (m), 6.92 (t), 6.81 (m), 6.37 (d), 6.09 (d), 3.15 (br, HN-CH) 2.12 (m, HCH, ポリフロオレン), 1.14 (br, HCH, ポリフロオレン), 0.82 (t, HCH, ポリフロオレン); GPC (CHCl): Mw = 10,500; フォトルミネセンス(石英ガラス基材上薄膜、λex = 372 nm), λem,max = 612 nm; エレクトロルミネッセンス: λem, max = 612 nm。
【0148】
(実施例2‐b):一般式C‐1(Ar=2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレニル、R=ヘキシル、L=2‐ベンゾ[b]チオフェン‐2‐イル‐ピリジン(bthpy))のポリマーの合成
末端基‐官能化(サリチルアルデヒド‐n‐ヘキシルイミン)ポリ‐2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレン(Mw=35,200(D=3.4);700mg)、40mgの(bthpy)Ir(μ−Cl)Ir(bthpy)および8.5mgの炭酸ナトリウム、1,2‐ジクロロエタン(50ミリリットル)およびエタノール(10ミリリットル)を用いた以外は、実施例2‐aと同様とした。反応時間:32時間。上記生成物の単離後、UVランプ下、強い赤色発光を示す603mgの黄橙色繊維状固体を得た。
【0149】
(実施例3):一般式C‐1(Ar=2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレニル、R=ヘキシル、L=2‐(2−チエニル)ピリジン(thpy))のポリマーの合成
【化49】

末端基‐官能化(サリチルアルデヒド‐n‐ヘキシルイミン)ポリ‐2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレン(Mw=8,400(D=2.1);400mg)、55mgの(thpy)Ir(μ−Cl)Ir(thpy)および14mgの炭酸ナトリウムを、1,2‐ジクロロエタン(50ミリリットル)およびエタノール(10ミリリットル)の混合物中で、窒素雰囲気下で還流下27時間加熱した。冷却後、クロロホルム(40ミリリットル)を加え、濾過した。上記濾液を濃縮し、シリカゲル(CHCl)を通してクロマトグラフィ分析した。上記生成物フラクションを組み合わせ、濃縮し(4ミリリットル)、上記生成物を300ミリリットルのメタノール中で沈殿させた。減圧乾燥後、UVランプ下、弱い橙色発光を示す黄橙色綿状固体としての332mgの所望の生成物を得た。
H‐NMR(CDCl、400 MHz、TMS):δ= 8.99 (d), 7.90 - 7.60 (HAr-polyfluorene), 7.53 (m), 7.35 (m), 7.05 (d), 6.62 (m), 5.91 (d), 3.75 (br, HN-CH2) 2.12 (m, HCH2,polyfluorene), 1.14 (br, HCH2,polyfluorene), 0.82 (t, HCH3,polyfluorene).
【0150】
(実施例4):一般式C‐1(Ar=2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレニル、R=ヘキシル、L=2‐フェニル‐ベンゾチアゾール(btz))のポリマーの合成
【化50】

末端基‐官能化(サリチルアルデヒド‐n‐ヘキシルイミン)ポリ‐2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレン(Mw=8,400(D=2.1);250mg)、39mgの(btz)Ir(μ−Cl)Ir(btz)および10mgの炭酸ナトリウムを、1,2‐ジクロロエタン(30ミリリットル)およびエタノール(6ミリリットル)の混合物中で、窒素雰囲気下で還流下36時間加熱した。冷却後、クロロホルム(40ミリリットル)を加え、濾過した。上記濾液を濃縮し、シリカゲル(CHCl)を通してクロマトグラフィ分析した。上記生成物フラクションを組み合わせ、濃縮し(10ミリリットル)、上記生成物を500ミリリットルのメタノール中で沈殿させた。減圧乾燥後、UVランプ(366nm)下、強い橙色発光を示す橙色固体としての180mgの所望の生成物を得た。
H‐NMR(CDCl、400 MHz、TMS):δ= 8.75 (d), 8.63 (d), 8.03 (s), 7.90 - 7.60 (HAr-polyfluorene), 7.5 - 7.3 (m), 6.87 (m), 6.73 (m), 6.62 (m), 6.41 (t), 6.26 (d), 5.99 (d), 3.48, 3.28 (br, HN-CH2), 2.12 (m, HCH2,polyfluorene), 1.14 (br, HCH2,polyfluorene), 0.82 (t, HCH3,polyfluorene). フォトルミネセンス(石英ガラス基材上薄膜、λex = 452nm): λem, max = 581, 614(sh) nm; エレクトロルミネッセンス λem,max = 570(sh), 612 nm。
【0151】
(実施例5):一般式AおよびB‐I‐6(Ar=2,7‐(9,9‐ジ‐2‐エチルヘキシル)フルオレニル、R=ヘキシル、L=2‐ベンゾ[b]チオフェン‐2‐イル‐(5‐トリフルオロメチル)ピリジン(bthpy‐cf3))の繰り返しユニットを有するポリマーの合成
【化51】

比98.5(A):1.5(B‐I‐6)で2,7‐(9,9’‐ジ‐2‐エチルヘキシル)フルオレンユニットAおよび3,5‐ブリッジ非錯体化サリチル‐N‐ヘキシルイミンユニットB‐I‐6を含有するランダムポリフルオレン配位子コポリマー(Mw=53,900(D=2.15);250mg)、11mgの(bthpy‐cf3)Ir(μ−Cl)Ir(bthpy‐cf3)および0.8mgのナトリウムメタノラート(sodium methanolate)を、クロロホルム(15ミリリットル)およびメタノール(1ミリリットル)の混合物中で、窒素雰囲気下で還流下20時間加熱した。実施例23と同様にして、UVランプ下、強く深い赤色発光を示す211mgの繊維状黄色固体を得た。
H-NMR分光分析法からの錯体化の証明
フィルム発光スペクトル:(λexc = 411 nm): λem,max = 640 nm)
【0152】
(実施例6):一般式C‐2(Ar=2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレニル、R=メチル、L=2‐(2‐チエニル)ピリジン(thpy))のポリマーの合成
【化52】

末端基‐官能化(4‐ベンゾイルアセトン)ポリ‐2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレン(Mw=7,600(D=1.8);250mg)、65mgの(thpy)Ir(μ−Cl)Ir(thpy)および63.6mgの炭酸ナトリウムを、2‐エトキシエタノール(15ミリリットル)中で、窒素雰囲気下で還流下13.5時間撹拌した。冷却後、水(30ミリリットル)を加え、撹拌し、クロロホルム(3×50ミリリットル)で抽出した。上記抽出物を乾燥するまで蒸発させ、再びクロロホルム中に入れ、上記生成物をメタノール中に入れることによって沈殿させた。シリカゲル(クロロホルム)を通してクロマトグラフィ分析した後、上記生成物フラクションを蒸発させ、再びメタノール中で沈殿させた。減圧乾燥後、UVランプ(366nm)下、強い橙色発光を示す黄橙色綿状生成物97.8mgを得た。
H‐NMR(CDCl、400 MHz、TMS):δ=8.44 (d), 8.40 (d), 8.17 (d), 8.08 (d), 7.90 - 7.60 (HAr−polyfluorene), 7.51 (m), 7.34 (m), 6.90 (m), 6.25 (d), 6.23 (d), 5.98 (s), 2.12 (br, HCH2, polyfluorene), 1.98 (s), 1.14 (br, HCH2, polyfluorene), 0.82 (t, HCH3,polyfluorene).
【0153】
(実施例7):一般式C‐2(Ar=2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレニル、R=メチル、L=2‐ベンゾ[b]‐チオフェン‐2‐イル‐ピリジン(bthpy))のポリマーの合成
【化53】

クロロホルム(22.5ミリリットル)中に溶解した、末端基‐官能化(4‐ベンゾイルアセトン)ポリ‐2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレン(Mw=19,500(D=2.3);300mg)および39mgの(bthpy)Ir(μ−Cl)Ir(bthpy)を窒素雰囲気下でメタノール(0.75ミリリットル)中のナトリウムメチラート(2.4mg)の溶液に滴下して加え、室温で1時間撹拌し、次いで還流下で5.5時間撹拌した。冷却後、クロロホルム(20ミリリットル)を加え、濾過し、上記濾液を蒸発させた。シリカゲル(ジクロロメタン)を通してクロマトグラフィ分析した後、上記生成物フラクションを濃縮し(5ミリリットル)、400ミリリットルのメタノール中で沈殿させた。減圧乾燥後、UVランプ(366nm)下、強い赤色発光を示す橙色綿状生成物203mgを得た。
H‐NMR(CDCl、400 MHz、TMS):δ=8.53 (d), 8.48 (d), 7.90 - 7.60 (HAr−polyfluorene), 7.40 - 7.30 (m), 7.09 (m), 6.98 (m), 6.84 (t), 6.30 (d), 6.27 (d), 6.02 (s), 2.12 (br, HCH2, polyfluorene), 1.96 (s), 1.14 (br, HCH2, polyfluorene), 0.82 (t, HCH3, polyfluorene)
【0154】
(実施例8):一般式C‐2(Ar=2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレニル、R=メチル、L=4‐フルオロフェニル‐2‐ピリジン(fpp))のポリマーの合成
【化54】

クロロホルム(15ミリリットル)中に溶解した、末端基‐官能化(4‐ベンゾイルアセトン)ポリ‐2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレン(Mw=19,500(D=2.3);200mg)および23mgの(fpp)Ir(μ−Cl)Ir(fpp)を、窒素雰囲気下でメタノール(0.5ミリリットル)中のナトリウムメチラート(1.6mg)の溶液に滴下して加え、室温で1時間撹拌し、次いで還流下で5時間撹拌した。冷却後、濾過し、上記濾液を乾燥するまで蒸発させた。上記生成物を、再びジクロロホルム中に入れ、シリカゲル(ジクロロホルム)を通してクロマトグラフィ分析した。上記生成物フラクションを濃縮し、メタノール中で沈殿させた。減圧乾燥後、UVランプ(366nm)下、青色発光を示す黄色生成物192mgを得た。
H‐NMR(CDCl、400 MHz、TMS):δ=9.13 (d), 8.54 (d), 8.49 (d), 7.90 - 7.60 (HAr-polyfluorene), 7.40 - 7.30 (m), 7.15 (m), 6.60 (d), 6.58 (d), 5.99 (s), 5.95 (m), 5.92 (d), 2.12 (br, HCH2,polyfluorene), 1.97 (s), 1.14 (br, HCH2,polyfluorene), 0.82(t,HCH3,polyfluorene).
【0155】
(実施例9)
実施例2‐aからの本発明の物質を、有機発光ダイオード(OLED)を製造するのに用いた。上記OLEDの製造に以下の方法を採用した。
1.ITO基板の洗浄
ITO被覆ガラス(メルク・バルザース社(Merck Balzers AG)、FL、パート(Part)No.253 674 XO)を、50mm×50mm片(基板)にカットした。次いで、上記基板を、超音波洗浄浴中の3%濃度のMucasol水溶液中で15分間洗浄した。その後、上記基板を蒸留水で濯ぎ、遠心機中で回転させた。この濯ぎおよび乾燥工程を10回繰り返した。
【0156】
2.ベイトロン(Baytron)P層の塗布
約10ミリリットルの1.3%濃度のポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスルホン酸溶液(バイエル社(Bayer AG)ベイトロン(Baytron)P、TP AI 4083)を濾過した(ミリポア(Millipore)HV、0.45μm)。次いで、この基板をスピンコーター上に配置し、この基板のITOを被覆した側に濾液を散布した。次いで、ターンテーブルを500rpmで3分間にわたって回転させることによって、上澄み液を除去した。次いで、このようにして被覆した基板をホットプレートで5分間にわたって110℃で乾燥させる。この層の厚さは60nmである(Tencor、Alphastep 200)。
【0157】
3.エミッタ層の塗布
実施例2‐aからの本発明の物質の1重量%トルエン溶液5ミリリットルを濾過し(ミリポア(Millipore)HV、0.45μm)、乾燥したベイトロン(Baytron)P層上に散布した。次いで、上記上澄み液を、上記ターンテーブルを300rpmで30秒間回転させることによって除去した。次いで、このようにして被覆した基板をホットプレート上110℃で5分間乾燥した。トータル層厚さは150nmであった。
4.金属カソードの適用
金属電極を上記有機層系に蒸着により適用した。この目的に使用した蒸着ユニット(エドワーズ(Edwards)社)を、不活性ガスグローブボックス(ブラウン(Braun)社)中に組み込んだ。上記基板を、穴あきマスク(穴直径2.5mm)上に下向きに上記有機層と共に配置した。厚さ30nmのCa層、および次いで厚さ200nmのAg層を、圧力p=10−3Paで2つの蒸着用ボートから連続的に蒸着することによって適用した。蒸着速度は、Caに対して10Å/秒およびAgに対して20Å/秒であった。
【0158】
5.上記OLEDの特徴化
上記有機LEDの2つの電極を導線によって電圧源に接続した。正極を上記ITO電極と接続し、負極を金属電極と接続した。光ダイオード(EG&G社 C30809E)によって検出されるOLED電流および電界発光強度を、電圧の関数としてプロットした。次いで、上記電界発光のスペクトル分布を、ガラスファイバー分光計によって測定した(ツァイス(Zeiss)社 MSC501)。すべてのOLED特徴化を、不活性条件下、グローブボックス中で行った。電圧6Vを超えると、電界発光を検出することができる。上記電界発光の色は赤色であり、スペクトル電界発光分布の極大は電圧に依存せず、612nm(図1参照)であった。上記発光のCIE色座標は、x=0.660;y=0.332であった。
図1:実施例9の電界発光スペクトル
【0159】
(比較例1)
ステップ3(エミッタ層の塗布)が以下のように異なる以外は、実施例9と同様とした。
3.エミッタ層の塗布
ポリ‐2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレン(以下の構造式参照)の1重量%クロロホルム溶液5ミリリットルを濾過し(ミリポア(Millipore)HV、0.45μm)、乾燥したベイトロン(Baytron)P層上に散布した。次いで、上記上澄み液を、上記ターンテーブルを2,500rpmで120秒間回転させることによって除去した。次いで、このようにして被覆した基板をホットプレート上110℃で5分間乾燥した。トータル層厚さは250nmであった。
【化55】

【0160】
比較例1における上記電界発光の色は青みをおびており、スペクトル電界発光分布の極大は438.5nm(図2参照)であった。CIE色座標は、x=0.164;y=0.113であった。
図2:比較例1の電界発光スペクトル
【0161】
実施例9と比較して、Ir錯体の上記ポリフルオレン配位子基への共有結合が、上記発光色を変えることが明らかに示されている。
【0162】
(比較例2)
ステップ3(エミッタ層の塗布)が以下のように異なる以外は、実施例9と同様とした。
3.エミッタ層の塗布
97重量%のポリ‐2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレン(実施例8参照)および3重量%のトリス(2‐フェニルピリジン)イリジウム(以下の構造式参照)の1重量%クロロホルム溶液5ミリリットルを濾過し(ミリポア(Millipore)HV、0.45μm)、乾燥したベイトロン(Baytron)P層上に散布した。次いで、上記上澄み液を、上記ターンテーブルを2,500rpmで150秒間回転させることによって除去した。次いで、このようにして被覆した基板をホットプレート上110℃で5分間乾燥した。トータル層厚さは250nmであった。
【化56】

【0163】
比較例1に記載のものに対応するこの構造の電界発光スペクトル(図2参照)、即ち、上記スペクトルは純粋なポリ‐2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレンの上記スペクトルと同一である。
【0164】
この例は、簡単な混合によるIr錯体を用いた上記ポリフルオレンエミッタポリマーのドーピングによって、イリジウム錯体の所望の発光が得られないことを示している。
【0165】
(実施例10):一般式(Ia‐1)(Ar=2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレニル、R=ヘキシル、L=4‐フルオロフェニル‐2‐ピリジン(fpp))のポリマーの合成
【化57】

【0166】
4モル%の非錯体化サリチル‐N‐ヘキシルイミン末端基を含有する配位子ポリマー600mg、30mg(0.026ミリモル)の(fpp)Ir(μ−Cl)Ir(fpp)および7.8mgの炭酸ナトリウム(0.074ミリモル)を、1,2‐ジクロロエタン(42ミリリットル)およびエタノール(8ミリリットル)の混合物中で、窒素雰囲気下で還流下38時間加熱した。濾過後、上記溶液を乾燥するまで蒸発し、上記残渣を少量のクロロホルム中に入れ、シリカゲル(CHCl)を通してクロマトグラフィ分析した。上記生成物フラクションを濃縮し(15ミリリットル)、800ミリリットルのメタノール中に入れることによって沈殿させた。吸引濾過およびオイルポンプからの減圧下での乾燥によって、507mgの生成物(黄色、繊維状)を得た。
【0167】
上記ポリマーは4モル%の末端基を含有する、即ち、イリジウム錯体濃度は、上記ポリマー中の上記フルオレン誘導体フラクションをベースとして、4モル%である。
【0168】
上記生成物は、UV照射下(366nm)で白色発光を示す。
GPC(PSに対するCHCl):Mw=40,100。
H‐NMR(400MHz、CDCl/TMS中、25℃)による錯体化の特徴化および検出。
【0169】
(実施例11):一般式(Ia‐1)(Ar=2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレニル、R=ヘキシル、L=4‐フルオロフェニル‐2‐ピリジン(fpp))のポリマーの合成
1,2‐ジクロロエタン(15ミリリットル)およびエタノール(2.8ミリリットル)の混合物中の、2モル%の非錯体化サリチル‐N‐ヘキシルイミン末端基を含有する200mgの配位子ポリマー(Mw=71,300)、5mg(0.004ミリモル)の(fpp)Ir(μ−Cl)Ir(fpp)および1.3mgの炭酸ナトリウム(0.011ミリモル)を用いて実施例10と同様にして上記合成を行った。反応時間は、還流下で38時間であった。反応後、123mgの生成物(淡黄色、繊維状)を得た。
【0170】
上記ポリマーは実施例10のポリマーと同一であるが、実施例11のポリマーは、たった2モル%の末端基を含有する、即ち、イリジウム錯体濃度は、上記ポリマー中の上記フルオレン誘導体フラクションをベースとして、2モル%である。
【0171】
上記生成物は、UV照射下(366nm)で白色発光を示す。
H‐NMR(400MHz、CDCl/TMS中、25℃)による錯体化の特徴化および検出。
【0172】
(実施例12):一般式(Ia‐1)(Ar=2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレニル、R=ヘキシル、L=フェニル‐2‐ピリジン(ppy))のポリマーの合成
【化58】

【0173】
1,2‐ジクロロエタン(15ミリリットル)およびエタノール(3ミリリットル)の混合物中の、2モル%の非錯体化サリチル‐N‐ヘキシルイミン末端基を含有する170mgの配位子ポリマー(Mw=71,300)、4.3mg(0.004ミリモル)の(ppy)Ir(μ−Cl)Ir(ppy)および1mgの炭酸ナトリウム(0.009ミリモル)を用いて実施例10と同様にして上記合成を行った。反応時間は、還流下で8時間であった。反応後、127mgの生成物(黄色、繊維状)を得た。
【0174】
上記ポリマーは、2モル%の末端基を含有する、即ち、イリジウム錯体濃度は、上記ポリマー中の上記フルオレン誘導体フラクションをベースとして、2モル%である。
【0175】
上記生成物は、UV照射下(366nm)で白色発光を示す。
H‐NMR(400MHz、CDCl/TMS中、25℃)による錯体化の特徴化および検出。
フィルム発光スペクトル:(λexc = 398 nm): λem = 439, 465, 550 nm。
【0176】
(実施例13):一般式(Ia‐1)(Ar=2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレニル、R=ヘキシル、L=フェニル‐2‐ピリジン(ppy))のポリマーの合成
1,2‐ジクロロエタン(25ミリリットル)およびエタノール(4ミリリットル)の混合物中の、1モル%の非錯体化サリチル‐N‐ヘキシルイミン末端基を含有する350mgの配位子ポリマー(Mw=122,600)、8.6mg(0.008ミリモル)の(ppy)Ir(μ−Cl)Ir(ppy)および2.2mgの炭酸ナトリウム(0.02ミリモル)を用いて実施例12と同様にして上記合成を行った。反応時間は、還流下で18.5時間であった。反応後、284mgの生成物(淡黄色、繊維状)を得た。
【0177】
上記ポリマーは実施例12のポリマーと同一であるが、実施例13の生成物は、たった1モル%の末端基を含有する、即ち、イリジウム錯体濃度は、上記ポリマー中の上記フルオレン誘導体フラクションをベースとして、1モル%である。
【0178】
(実施例14):一般式(Ic‐1)および(Id‐1)(Ar=2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレニル、R=ヘキシル、L=2‐(2−チエニル)ピリジン(thpy))の繰り返しユニットを有するポリマーの合成
【化59】

【0179】
メタノール(1ミリリットル)およびクロロホルム(30ミリリットル)の混合物中の、上記ポリマーにランダムに導入される2.5モル%の3,5‐結合した非錯体化サリチル‐N‐ヘキシルイミン繰り返しユニットを含有する300mgの配位子ポリマー(Mw=89,700)、17mg(0.015ミリモル)の(thpy)Ir(μ−Cl)Ir(thpy)および1.7mgのナトリウムメタノラート(0.031ミリモル)を用いて実施例10と同様にして上記合成を行った。反応時間は、還流下で12時間であった。反応完了後、上記生成物を再びCHCl(10ミリリットル)中に入れ、アセトンおよびメタノールの1:1混合物(400ミリリットル)中に入れることによって沈殿させた。吸引濾過およびオイルポンプからの減圧下での乾燥によって、232mgの生成物(黄色、繊維状)を得た。
【0180】
上記ポリマーは、上記ポリマー中の上記フルオレン誘導体フラクションをベースとして、ポリマーの主鎖中に2.5モル%のイリジウム錯体を含有する。
【0181】
上記生成物は、UV照射(366nm)への曝露により白色発光を示す。
H‐NMR(400MHz、CDCl/TMS中、25℃)による錯体化の特徴化および検出。
【0182】
(実施例15):一般式(Ic‐1)および(Id‐1)(Ar=2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレニル、R=ヘキシル、L=フェニル‐2‐ピリジン(ppy))の繰り返しユニットを有するポリマーの合成
【化60】

【0183】
メタノール(1ミリリットル)およびクロロホルム(20ミリリットル)の混合物中の、上記ポリマーにランダムに導入される2.5モル%の3,5‐結合した非錯体化サリチル‐N‐ヘキシルイミン繰り返しユニットを含有する300mgの配位子ポリマー(Mw=89,700)、16mg(0.015ミリモル)の(ppy)Ir(μ−Cl)Ir(ppy)および1.7mgのナトリウムメタノラート(0.031ミリモル)を用いて実施例14と同様にして上記合成を行った。反応時間は、還流下で8時間であった。反応後、189mgの生成物(黄色、繊維状)を得た。
【0184】
上記ポリマーは、上記ポリマー中の上記フルオレン誘導体フラクションをベースとして、ポリマーの主鎖中に2.5モル%のイリジウム錯体を含有する。
【0185】
上記生成物は、UV照射下(366nm)で白色発光を示す。
H‐NMR(400MHz、CDCl/TMS中、25℃)による錯体化の特徴化および検出。
【0186】
(実施例16):一般式(Ic‐1)および(Id‐1)(Ar=2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレニル、R=ヘキシル、L=4‐フルオロフェニル‐2‐ピリジン(fpp)の繰り返しユニットを有するポリマーの合成
【化61】

【0187】
メタノール(1ミリリットル)およびクロロホルム(20ミリリットル)の混合物中の、上記ポリマーにランダムに導入される2.5モル%の3,5‐結合した非錯体化サリチル‐N‐ヘキシルイミン繰り返しユニットを含有する300mgの配位子ポリマー(Mw=89,700)、17.1mg(0.015ミリモル)の(fpp)Ir(μ−Cl)Ir(fpp)および1.7mgのナトリウムメタノラート(0.031ミリモル)を用いて実施例14と同様にして上記合成を行った。反応時間は、還流下で8時間であった。反応後、175mgの生成物(黄色、繊維状)を得た。
【0188】
上記ポリマーは、上記ポリマー中の上記フルオレン誘導体フラクションをベースとして、ポリマーの主鎖中に2.5モル%のイリジウム錯体を含有する。
【0189】
上記生成物は、UV照射下(366nm)で白色発光を示す。
H‐NMR(400MHz、CDCl/TMS中、25℃)による錯体化の特徴化および検出。
【0190】
(実施例17):一般式(Ic‐1)の繰り返しユニットおよび一般式(Id‐1)の種々の繰り返しユニット(Ar=2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレニル、R=ヘキシル、L=フェニル‐2‐ピリジン(ppy)または2‐ベンゾ[b]チオフェン‐2‐イル‐ピリジン(bthpy))有するポリマーの合成
【化62】

【0191】
メタノール(1ミリリットル)およびクロロホルム(20ミリリットル)の混合物中の、上記ポリマーにランダムに導入される2.5モル%の3,5‐結合した非錯体化サリチル‐N‐ヘキシルイミン繰り返しユニットを含有する200mgの配位子ポリマー、3.3mg(3.1ミクロモル)の(ppy)Ir(μ−Cl)Ir(ppy)および、0.3mg(0.24ミクロモル)の(bthpy)Ir(μ−Cl)Ir(bthpy)および1mgのナトリウムメタノラート(0.02ミリモル)を用いて実施例14と同様にして上記合成を行った。反応時間は、還流下で8時間であった。反応後、106mgの生成物(黄色)を得た。
【0192】
上記ポリマーは、上記ポリマー中の上記フルオレン誘導体含量をベースとして、ポリマーの主鎖中に全体で2.5モル%のイリジウム錯体を含有する。上記ポリマーは、共役したポリマー主鎖にランダムに導入される、スペクトル的に異なる発光特性を有する2つの異なるイリジウム錯体、ビス(フェニル‐2‐ピリジン)イリジウム‐サリチルイミン[(ppy)Ir(sal)]およびビス(2‐ベンゾ[b]チオフェン‐2‐イル‐ピリジン)イリジウム‐サリチルイミン[(bthpy)Ir(sal)]を含有する。(ppy)Ir(sal)の(bthpy)Ir(sal)に対する比は、約93:7である。
【0193】
H‐NMR(400MHz、CDCl/TMS中、25℃)による錯体化の特徴化および検出。
上記生成物は、UVランプ下(366nm)で白色発光を示す。
【0194】
(実施例18):一般式(Ia‐2)(Ar=2,5‐(2‐エチルヘキシルオキシ)フェニレン、R=メチル、L=フェニル‐2‐ピリジン(ppy))のポリマーの合成
【化63】

【0195】
メタノール(1ミリリットル)およびクロロホルム(15ミリリットル)の混合物中の、2モル%の末端ベンゾイルアセトン配位子基を含有する250mgの配位子ポリマー(Mw=48,300)、19mg(0.018ミリモル)の(ppy)Ir(μ−Cl)Ir(ppy)および3mgのナトリウムメタノラート(0.055ミリモル)を用いて実施例14と同様にして上記合成を行った。反応時間は、還流下で22時間であった。反応後、206mgの生成物(淡黄色、繊維状)を得た。
【0196】
上記ポリマーは、2モル%の末端基を含有する、即ち、イリジウム錯体濃度は、上記ポリマー中の上記フェニレン誘導体含量をベースとして、2モル%である。
【0197】
上記生成物は、UVランプ下(366nm)で白色発光を示す。
H‐NMR(400MHz、CDCl/TMS中、25℃)による錯体化の特徴化および検出。
フィルム発光スペクトル:(λexc = 370 nm):λem = 413, 580 nm。
【0198】
(実施例19):一般式(Ia‐2)(Ar=2,5‐(2‐エチルヘキシルオキシ)フェニレン、R=メチル、L=4‐フルオロフェニル‐2‐ピリジン(fpp))のポリマーの合成
【化64】

【0199】
メタノール(1ミリリットル)およびクロロホルム(20ミリリットル)の混合物中の、2モル%の末端ベンゾイルアセトン配位子基を含有する200mgの配位子ポリマー(Mw=48,300)、18.5mg(0.016ミリモル)の(fpp)Ir(μ−Cl)Ir(fpp)および2.5mgのナトリウムメタノラート(0.04ミリモル)を用いて実施例14と同様にして上記合成を行った。反応時間は、還流下で12.5時間であった。反応後、170mgの生成物(淡黄色、繊維状)を得た。
【0200】
上記ポリマーは、2モル%の末端基を含有する、即ち、イリジウム錯体濃度は、上記ポリマー中のフェニレン誘導体含量をベースとして、2モル%である。
【0201】
上記生成物は、UVランプ下(366nm)で白色発光を示す。
H‐NMR(400MHz、CDCl/TMS中、25℃)による錯体化の特徴化および検出。
フィルム発光スペクトル:(λexc = 373 nm):λem = 413, 597 nm。
【0202】
(実施例20)
実施例11からの本発明のポリマーを、OLED構造体中のエミッタ層として評価した。上記OLED構造体の製造に以下の方法を採用した。
1.ITO基板の構造
表面抵抗20Ω/スクエアを有するITO被覆ガラス(MDT、メルク社(Merck KgaA)を、50mm×50mm基板にカットし、フォトレジスト技術および次のエッチングによって2mm幅および10mm長さのITOランドを残すように構造化した。
【0203】
2.ITO基板の洗浄
上記基板を、アセトン含浸クロスを用いて手作業で拭き、次いで超音波洗浄浴中の3%濃度のMucasol水溶液中で15分間洗浄した。その後、上記基板を蒸留水で10回濯ぎ、次いで遠心機中で回転させた。
【0204】
3.ベイトロン(Baytron)P層(正孔注入層)の塗布
約10ミリリットルの1.6%濃度のポリエチレンジオキシチオフェン/ポリスルホン酸溶液(H.C.スタルク社(Starck GmbH)、ベイトロン(Baytron)P、TP AI 4083)を濾過した(ミリポア(Millipore)HV、0.45μm)。次いで、洗浄した基板をスピンコーター上に置き、上記基板のITO被覆側に濾液を散布した。次いで、カバーを閉じたターンテーブルを2,500rpmで2分間回転させることによって、上記上澄み液を除去した。次いで、このようにして被覆した基板をホットプレート上110℃で5分間乾燥した。層厚さは50nmであった(テンカー社(Tencor)、アルファステップ(Alphastep)500)。
【0205】
4.エミッタ層(発光層)の塗布
実施例11記載のポリマーをクロロホルム(1重量%)中に溶解した。上記溶液を濾過し(ミリポア(Millipore)HV、0.45μm)、乾燥したベイトロン(Baytron)P層上に散布した。次いで、上記上澄み液を、ターンテーブルを3,000rpmで30秒間回転させることによって除去し(コンバック(Convac)スピンコーター)、10秒後、カバーをチャックの上に上げた。次いで、このようにして被覆した基板をホットプレート上110℃で5分間乾燥した。ベイトロン(Baytron)P層およびエミッタ層のトータル層厚さは150nmであった。
【0206】
5.金属カソードの適用
金属電極を上記有機層系に蒸着により適用した。この目的に使用した蒸着ユニット(エドワーズ(Edwards)社)を、不活性ガスグローブボックス(ブラウン(Braun)社)中に組み込んだ。上記基板を、1mm幅および約10mm長さのスロットを有する蒸着マスク上に下向きに上記有機層と共に配置した。厚さ30nmのCa層、および次いで厚さ200nmのAg層を、圧力p=10−3Paで2つの蒸着用ボートから連続的に蒸着することによって適用した。蒸着速度は、Caに対して10Å/秒およびAgに対して20Å/秒であった。
【0207】
6.上記OLEDの特徴化
上記有機LEDの2つの電極を導線によって電圧源に接続した。正極を上記ITO電極と接続し、負極を金属電極と接続した。OLED電流および電界発光強度を、電圧の関数としてプロットした。上記電界発光は、光ダイオード(EG&G社 C30809E)によって検出される。各場合の電圧パルス時間は、300ミリ秒である。上記電圧パルス間の待機時間は1秒である。次いで、上記電界発光(EL)のスペクトル分布を、ガラスファイバー分光計カード(セントロニック(Sentronic)CDI‐PDA)によって測定した。ルミナンスメータ(LS 100 Minolta)によって発光を測定する。すべてのOLED特徴化を、不活性条件下、グローブボックス中で行った。
【0208】
結果
電圧4Vを超えると、電界発光を検出することができる。12Vで、上記電流密度は1.3A/cmであり、輝度は180cd/m(12Vでの効率:η=0.014cd/A)である。以下のCIE色座標:x=0.28、y=0.31は、電界発光スペクトル(図3)から計算される。従って、色配置は無彩色点に近づき、上記発光は白色のように見える。
図3:実施例20の電界発光スペクトル
【0209】
(実施例21)
実施例13の本発明のポリマーを、OLED構造体のエミッタ層として評価した。上記4が以下のようになる以外は、実施例20と同様の方法で行った。
4.エミッタ層(発光層)の塗布
実施例13記載のポリマーをトルエン(1重量%)中に溶解した。上記溶液を濾過し(ミリポア(Millipore)HV、0.45μm)、乾燥したベイトロン(Baytron)P層上に散布した。次いで、上記上澄み液を、カバーを開けてターンテーブルを600rpmで30秒間回転させることによって除去した(K.ジュース(Suess)RC‐13スピンコーター)。次いで、このようにして被覆した基板をホットプレート上110℃で5分間乾燥した。ベイトロン(Baytron)P層およびエミッタ層のトータル層厚さは150nmであった。
【0210】
結果
電圧4Vを超えると、電界発光を検出することができる。11.8Vで、上記電流密度は300mA/cmであり、輝度は260cd/m(11.8Vでの効率:η=0.087cd/A)であった。以下のCIE色座標:x=0.29、y=0.31は、電界発光スペクトルから計算される。従って、色配置は無彩色点に近づき、上記発光は白色のように見える。
【0211】
(実施例22)
実施例12の本発明のポリマーを、OLED構造体(OLED‐a)のエミッタ層として評価した。比較のため、2モル%のビス(フェニル‐2‐ピリジン)‐イリジウム‐(サリチル‐N‐ヘキシルイミン)とブレンドした純粋なポリフルオレンを含有するOLED構造体を評価した(OLED‐b)。上記2つのエミッタシステムは、同量(2モル%)のIr錯体を含有する。
【化65】

【0212】
上記4が以下のようになる以外は、実施例20と同様の方法で行った。
4a.エミッタ層としての実施例12の本発明のポリマーの塗布
実施例12記載のポリマーをトルエン(1重量%)中に溶解した。上記溶液を濾過し(ミリポア(Millipore)HV、0.45μm)、乾燥したベイトロン(Baytron)P層上に散布した。次いで、上記上澄み液を、カバーを閉じてターンテーブルを400rpmで30秒間回転させることによって除去した(K.ジュース(Suess)RC‐13スピンコーター)。次いで、このようにして被覆した基板をホットプレート上110℃で5分間乾燥した。ベイトロン(Baytron)P層およびエミッタ層のトータル層厚さは150nmであった。
【0213】
4b.エミッタ層としてのポリマーブレンドの塗布
69.5gのポリフルオレン(フルオレニレン繰り返しユニット179.1ミクロモル)および2.4mg(3.4ミクロモル)のビス(フェニル‐2‐ピリジン)‐イリジウム‐(サリチル‐N‐ヘキシルイミン)を、28.69gのクロロホルム中に溶解した。上記溶液を濾過し(ミリポア(Millipore)HV、0.45μm)、乾燥したベイトロン(Baytron)P層上に散布した。次いで、上記上澄み液を、ターンテーブルを200rpmで30秒間回転させることによって除去した(K.ジュース(Suess)RC‐13スピンコーター)。10秒後、カバーを上げた。次いで、このようにして被覆した基板をホットプレート上110℃で5分間乾燥した。ベイトロン(Baytron)P層およびエミッタ層のトータル層厚さは150nmであった。
【0214】
実施例20に記載のようにカソードとして金属層を用いて、蒸着によって、4aおよび4bに従って作製した層構造体OLED‐aおよびOLED‐bを提供した。
【0215】
結果
OLED‐aの場合、電圧4Vを超えるとすぐに電界発光を検出することができ、OLED‐bの場合、電圧5Vを超えると電界発光を検出することができる。12Vで、電流密度および輝度はそれぞれ、OLED‐aに対して85mA/cmおよび170cd/mであり、OLED‐bに対して500mA/cmおよび110cd/mであり、12Vでの効率はそれぞれ、OLED‐aに対してη=0.2cd/Aであり、OLED‐bに対してη=0.022cd/Aであった。以下のCIE色座標:OLED‐aに対してx=0.38、y=0.44およびOLED‐bに対してx=0.35、y=0.34は、電界発光スペクトルから計算される。
【0216】
この比較例は、Ir錯体の共有結合はIr錯体の上記ポリマーとの混合物より有効なOLEDを提供することを示している。例えば、OLED‐aはOLED‐bより10倍高い効率を示している。
【0217】
(実施例23):一般式C‐1(Ar=2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレニル、R=ヘキシル、L=2‐ベンゾ[b]チオフェン‐2‐イル‐ピリジン(bthpy))の赤色‐燐光性ポリマーの合成
【化66】

約2モル%の配位子ユニットを含有する末端基‐官能化(サリチルアルデヒド‐N‐ヘキシルイミン)ポリ‐2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)フルオレン(Mw=48,700(D=2.3);2,280mg)、114mgの(bthpy)Ir(μ−Cl)Ir(bthpy)および24.7mgの炭酸ナトリウムを、1,2‐ジクロロエタン(160ミリリットル)およびエタノール(30ミリリットル)の混合物中で、窒素雰囲気下で還流下40.5時間加熱した。更にアセトン/メタノール(1:1)中でクロロホルムから生成物の再沈殿を行った以外は実施例2‐aと同様にした。UVランプ下で強い赤色発光を示す繊維状黄色固体1,780mgを得た。
H‐NMR分光分析法による錯体化の検出。
エレクトロルミネッセンス: λem, max = 612 nm。
【0218】
(実施例24):一般式AおよびB‐I‐6(Ar=2,7‐(9,9‐ジ‐n‐オクチル)フルオレニル、R=ヘキシル、L=2‐ベンゾ[b]チオフェン‐2‐イル‐ピリジン(bthpy))の繰り返しユニットを有する赤色‐燐光性ポリマーの合成
【化67】

モル比97.5(A):2.5(B‐I‐6)で2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)‐フルオレンユニットAおよび3,5‐ブリッジ非錯体化サリチル‐N‐ヘキシルイミンユニットB‐I‐6を含有するランダムポリフルオレン配位子コポリマー(Mw=119,400(D=3.43);1,650mg)、110mgの(bthpy)Ir(μ−Cl)Ir(bthpy)および9mgのナトリウムメタノラートを、クロロホルム(100ミリリットル)およびメタノール(2.5ミリリットル)の混合物中で、窒素雰囲気下で還流下21時間加熱した。アセトン/メタノール(1:2)中でクロロホルムから生成物の再沈殿を行った以外は、実施例23と同様にした。UVランプ下、強く赤色発光を示す1,430mgの繊維状黄色固体を得た。
H‐NMR分光分析法による錯体化の検出。
【0219】
(実施例25):一般式Aの種々の繰り返しユニットおよび一般式B‐I‐6の繰り返しユニット(Ar=2,7‐(9,9‐ジ‐n‐オクチル)フルオレニルおよび2,5‐ジフェニレン[1.3.4]オキサジアゾール、R=ヘキシル、L=2‐ベンゾ[b]チオフェン‐2‐イル‐ピリジン(bthpy))を有する赤色‐燐光性ポリマーの合成
【化68】

モル比75(A‐1):23(A‐2):2(B‐I‐6)で2,7‐(9,9’‐ジ‐n‐オクチル)‐フルオレンユニットA‐1、ジフェニルオキサジアゾールユニットA‐2および3,5‐ブリッジ非錯体化サリチル‐N‐ヘキシルイミンユニットB‐I‐6を含有するランダムポリフルオレン配位子ターポリマー(Mw=67,000(D=2.17);300mg)、16.9mgの(bthpy)Ir(μ−Cl)Ir(bthpy)および1.4mgのナトリウムメタノラートを、クロロホルム(20ミリリットル)およびメタノール(1ミリリットル)の混合物中で、窒素雰囲気下で還流下15時間加熱した。実施例23と同様にした。UVランプ下、強く赤色発光を示す163mgの繊維状黄色固体を得た。
H‐NMR分光分析法による錯体化の検出。
フィルム発光スペクトル:(λexc = 399 nm): λem, max = 619 nm.
【0220】
(実施例26):一般式C‐1(Ar=2,5‐(1‐エチルヘキシルオキシ)フェニレン、R=ヘキシル、L=フェニル‐2‐ピリジン(ppy))の黄色‐燐光性ポリマーの合成
【化69】

約5モル%の末端サリチル‐N‐ヘキシルイミン配位子基を含有する200mgの配位子ポリマー(Mw=18,200;D=1.99)、25.6mg(0.024ミリモル)の(ppy)Ir(μ−Cl)Ir(ppy)および3mgのナトリウムメタノラート(0.055ミリモル)を、メタノール(1ミリリットル)およびクロロホルム(20ミリリットル)の混合物中で、還流下で9時間反応させた。実施例23と同様にして、生成物130mg(黄色粉末)を得た。
上記生成物は、UVランプ下(366nm)で強い黄色発光を示す。
H‐NMR(400MHz、CDCl/TMS中、25℃)による錯体化の特徴化および検出。
フィルム発光スペクトル:(λexc = 446 nm): λem, max = 580 nm。
【0221】
(実施例27):一般式C‐3(Ar=2,5‐(1,4‐ジオクチルオキシ)フェニレン、R=メチル、L=4‐フルオロ‐フェニル‐2‐ピリジン(fpp))の緑色‐燐光性ポリマーの合成
【化70】

【0222】
約2モル%の末端ベンジルアセチルアセトン配位子基を含有する600mgの配位子ポリマー(Mw=22,100;D=1.86)、28mg(0.024ミリモル)の(fpp)Ir(μ−Cl)Ir(fpp)および2.7mgのナトリウムメタノラート(0.05ミリモル)を、メタノール(1ミリリットル)およびクロロホルム(30ミリリットル)の混合物中で、還流下で26.5時間反応させた。実施例23と同様にして、生成物515mg(黄色粉末)を得た。
上記生成物は、UVランプ下(366nm)で強い緑色発光を示す。
H‐NMR(400MHz、CDCl/TMS中、25℃)による錯体化の特徴化および検出。
フィルム発光スペクトル:(λexc = 362 nm):λem, max = 502 nm、422nmに共役ポリマーからの弱い残余蛍光。
【0223】
(実施例28)
実施例23および24の本発明のポリマーをそれぞれ、OLED構造体のエミッタ層として評価した。上記OLED構造体は、実施例20と同様の方法で製造した。比較のため、0.95モル%(比較例1)または1.9モル%(比較例2)のビス(2‐ベンゾ[b]チオフェン‐2‐イル‐ピリジン)‐イリジウム‐(サリチル‐N‐ヘキシルイミン)[(bthpy)Ir(sal)]とブレンドした純粋なポリフルオレンを含有する2つのOLED構造体を評価した。
【化71】

【0224】
【表1】

【0225】
上記結果は、OLED構造体中に本発明の燐光性ポリマーを用いて、高いEL強度および高い効率が達成されることを示している。更に、上記結果は、層厚さを変化させることにより、EL強度および効率を変えることができることも示している。更に、上記結果は、共有結合したIr錯体により、同等の電圧で、ドーパントとして同一ポリマーマトリックスに加えられた分子Ir錯体より実質的に高い輝度が得られることも示している。従って、本発明のポリマー(23、24)は、分子ドーパントを有する上記ポリマー(比較例1および2)より実質的に有効である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
共役しており、中和しており、かつ少なくとも1つの共有結合した燐光性金属錯体を含有することを特徴とする燐光性ポリマー。
【請求項2】
少なくとも1つの配位子Lによって共有結合された少なくとも1つの燐光性金属錯体を含有し、該配位子Lが以下の式I〜XXIX:
【化1】

【化2】

(式中、Rは、同一または異なっていてもよく、互いに独立して、H、F、CF、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシ基、任意にC〜C30アルキル置換したC〜C20アリールユニットおよび/または、環C原子5〜9個および窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される環ヘテロ原子1〜3個を有する任意にC〜C30アルキル置換したヘテロアリールユニットを表し、かつ
Arは、任意に置換したフェニレン、ビフェニレン、ナフチレン、チエニレンおよびフルオレニレンユニットを表す。)
のユニットを表す請求項1記載の燐光性共役ポリマー。
【請求項3】
以下の一般式AおよびB‐IaまたはAおよびB‐IIの繰り返しユニットを含有するか、或いは以下の一般式CまたはDの構造を有する:
【化3】

(式中、Ar、ArおよびArは、同一または異なっていてもよく、互いに独立して、任意にC〜C30アルキル置換したC〜C20アリールユニットおよび/または、環C原子5〜9個および窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される環ヘテロ原子1〜3個を有する任意にC〜C30アルキル置換したヘテロアリールユニットを表し、
およびLは、同一または異なっていてもよく、かつ
は、請求項2記載のLの内の1つを意味し、構造B‐II、CおよびDの場合、2つの結合位置の内の1つがH、F、CF、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシ基、任意にC〜C30アルキル置換したC〜C20アリールユニットおよび/または、環C原子5〜9個および窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される環ヘテロ原子1〜3個を有する任意にC〜C30アルキル置換したヘテロアリールユニットによって飽和されており、
は、Lと独立して、請求項2記載のLの内の1つを意味し、2つの結合位置が互いに独立して、H、F、CF、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシ基、任意にC〜C30アルキル置換したC〜C20アリールユニットおよび/または、環C原子5〜9個および窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される環ヘテロ原子1〜3個を有する任意にC〜C30アルキル置換したヘテロアリールユニットによって飽和されており、
上記配位子LおよびLにより、キレート状に該金属Mを錯体化し、
Mは、イリジウム(III)、白金(II)、オスミウム(II)またはガリウム(III)を表し、
nは、3〜10,000の整数を表し、
zは、0〜3の整数を表し、
Spは、スペーサー、特に直鎖状または分岐状C〜C15アルキレンユニット或いは窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される鎖ヘテロ原子1〜3個を有するC〜C15ヘテロアルキレンユニット、C〜C20アリーレンユニットおよび/または環C原子5〜9個および窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される環ヘテロ原子1〜3個を有するヘテロアリーレンユニットまたはC〜C12アルキレンカルボン酸またはC〜C12アルキレンジカルボン酸またはC〜C12アルキレンカルボキサミドまたはC〜C12アルキレンジカルボキサミドユニットである)
請求項1または2記載の燐光性共役ポリマー。
【請求項4】
Ar、ArおよびArは、同一または異なっていてもよく、互いに独立して、式XXXおよびXXXIのチオフェンユニット、式XXXII〜XXXIVのベンゼン、ビフェニルおよびフルオレンユニットおよび/または式XXXV〜XXXXXIVの複素環を表す
【化4】

【化5】

(式中、Rは、同一または異なっていてもよく、互いに独立して、H、F、CF、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシ基、任意にC〜C30アルキル置換したC〜C20アリールユニットおよび/または、環C原子5〜9個および窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される環ヘテロ原子1〜3個を有する任意にC〜C30アルキル置換したヘテロアリールユニットを表す)
一般式AおよびB‐IaまたはAおよびB‐IIの繰り返しユニットを含有し、あるいは、一般式CまたはDの構造を有する請求項1〜3のいずれか1項記載の燐光性共役ポリマー。
【請求項5】
Ar、ArおよびArは、同一または異なっていてもよく、互いに独立して、式XXXおよびXXXIのチオフェンユニット並びに式XXXII〜XXXIVのベンゼン、ビフェニルおよびフルオレンユニットを表し、
【化6】

およびLが、式I、II、III、VIII、XVIII、XX、XXI、XXIV、XXVII、XXVIIIおよびXXIXから選択されるユニット、
【化7】

【化8】

(式中、Rは、請求項2〜4のいずれか1項記載と同様であり、
Mは、オスミウム(II)、イリジウム(III)および白金(II)を表し、
nは、5〜500の整数を表し、
zは、1〜3の整数を表し、
Spは、C〜C‐アルキレンオキシ‐またはC〜C‐アルキレンカルボン酸またはC〜Cアルキレンジカルボン酸を表す)である、
一般式AおよびB‐IaまたはAおよびB‐IIの繰り返しユニットを含有し、あるいは、一般式CまたはDの構造を有する請求項1〜4のいずれか1項記載の燐光性共役ポリマー。
【請求項6】
以下の一般式AおよびB‐I‐1〜B‐I‐5、またはAおよびB‐II‐1およびB‐II‐4から選択される繰り返しユニットを含有するか、或いは一般式C‐1およびC‐2の構造を有する
【化9】

【化10】

【化11】

(Arが、
【化12】

を表し、
Arが、
【化13】

を表し、
Lが、
【化14】

を表し、
が、ドデシルを表し、
が、n‐オクチルおよび2‐エチルヘキシルを表し、
が、メチルおよびエチルを表し、
が、メチルおよびn‐ヘキシルを表し、
が、メチルおよびフェニルを表し、
Zが、CHまたはC=O基を表し、
nが、請求項3〜5のいずれか1項記載のnの内の少なくとも1つである)
請求項1〜5のいずれか1項記載の燐光性共役ポリマー。
【請求項7】
少なくとも1つの配位子Lによって共有結合された少なくとも1つの燐光性金属錯体を含有し、該配位子Lが以下の式I〜XXIXc:
【化15】

【化16】

【化17】

(式中、Rは、同一または異なっていてもよく、互いに独立して、H、F、CF、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシ基、任意にC〜C30アルキル置換したC〜C20アリールユニットおよび/または、環C原子5〜9個および窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される環ヘテロ原子1〜3個を有する任意にC〜C30アルキル置換したヘテロアリールユニットを表し、および/または直鎖状または分岐状の部分的にフッ素化または過フッ素化したC〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノまたはアルキルアリールアミノ基を表すか、或いはアルキル‐またはアリールカルボニル基、C〜C30アルキルを意味するアルキルおよびC〜C20アリールを意味するアリールを表し、かつ
Arが、任意に置換したフェニレン、ビフェニレン、ナフチレン、チエニレンおよび/またはフルオレニレンユニットを表す。)
のユニットを表す請求項1記載の燐光性共役ポリマー。
【請求項8】
以下の一般式AおよびB‐Ia、AおよびB‐IbまたはAおよびB‐IIの繰り返しユニットを含有し、あるいは、以下の一般式CまたはDの構造を有する:
【化18】

(式中、Ar、ArおよびArは、同一または異なっていてもよく、互いに独立して、任意にC〜C30アルキル置換したC〜C20アリールユニットおよび/または、環C原子5〜9個および窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される環ヘテロ原子1〜3個を有する任意にC〜C30アルキル置換したヘテロアリールユニットを表し、
およびLは、同一または異なっていてもよく、かつ
は、前述の請求項記載のものの内の1つであり、構造B‐II、CおよびDの場合、2つの結合位置の内の1つがH、F、CF、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシ基、任意にC〜C30アルキル置換したC〜C20アリールユニットおよび/または、環C原子5〜9個および窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される環ヘテロ原子1〜3個を有する任意にC〜C30アルキル置換したヘテロアリールユニットによって、および/または直鎖状または分岐状の部分的にフッ素化または過フッ素化したC〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノまたはアルキルアリールアミノ基によって、或いはアルキル‐またはアリールカルボニル基、C〜C30アルキルを意味するアルキルおよびC〜C20アリールを意味するアリールによって飽和されており、
は、Lと独立して、前述の請求項記載のLの内の1つであり、2つの結合位置が互いに独立して、H、F、CF、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシ基、任意にC〜C30アルキル置換したC〜C20アリールユニットおよび/または、環C原子5〜9個および窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される環ヘテロ原子1〜3個を有する任意にC〜C30アルキル置換したヘテロアリールユニットによって、および/または直鎖状または分岐状の部分的にフッ素化または過フッ素化したC〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノまたはアルキルアリールアミノ基によって、或いはアルキル‐またはアリールカルボニル基、C〜C30アルキルを意味するアルキルおよびC〜C20アリールを意味するアリールによって飽和されており、かつ結合位置が上記式I〜XXIX中の*で印をつけた位置として表され、
該配位子LおよびLにより、キレート状に該金属Mを錯体化し、
Mは、イリジウム(III)、白金(II)、オスミウム(II)、ガリウム(III)またはロジウム(III)を表し、
nは、3〜10,000の整数を表し、
zは、0〜3の整数を表し、
Spは、スペーサー、特に直鎖状または分岐状C〜C15アルキレンユニット或いは窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される鎖ヘテロ原子1〜3個を有するC〜C15ヘテロアルキレンユニット、C〜C20アリーレンユニットおよび/または環C原子5〜9個および窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される環ヘテロ原子1〜3個を有するヘテロアリーレンユニット、或いはC〜C12アルキレンカルボン酸ユニットまたはC〜C12アルキレンジカルボン酸ユニットまたはC〜C12アルキレンカルボキサミドユニットまたはC〜C12アルキレンジカルボキサミドユニットである)
請求項1または7記載の燐光性共役ポリマー。
【請求項9】
Ar、ArおよびArは、同一または異なっていてもよく、互いに独立して、式XXXおよびXXXIのチオフェンユニット、式XXXII〜XXXIVのベンゼン、ビフェニルおよびフルオレンユニットおよび/または式XXXV〜XXXXXIVの複素環および/または式XXXXXV〜XXXXXXIIIのユニット、
【化19】

【化20】

【化21】

(式中、Rは、同一または異なっていてもよく、互いに独立して、H、F、CF、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシ基、任意にC〜C30アルキル置換したC〜C20アリールユニットおよび/または、環C原子5〜9個および窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される環ヘテロ原子1〜3個を有する任意にC〜C30アルキル置換したヘテロアリールユニットを表し、および/または直鎖状または分岐状の部分的にフッ素化または過フッ素化したC〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシカルボニル基、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、アルキルアミノ、ジアルキルアミノ、アリールアミノ、ジアリールアミノまたはアルキルアリールアミノ基を表すか、或いはアルキル‐またはアリールカルボニル基、C〜C30アルキルを意味するアルキルおよびC〜C20アリールを意味するアリールを表す)を表す、
一般式AおよびB‐Ia、AおよびB‐IbまたはAおよびB‐IIの繰り返しユニットを含有し、あるいは、一般式CまたはDの構造を有する請求項1、7、8のいずれか1項記載の燐光性共役ポリマー。
【請求項10】
以下の一般式AおよびB‐I‐1〜B‐I‐6、またはAおよびB‐II‐1〜B‐II‐4から選択される繰り返しユニットを含有するか、或いは一般式C‐1、C‐2またはC‐3或いはD‐1、D‐2またはD‐3の構造を有する
【化22】

【化23】

【化24】

(Arが、
【化25】

を表し、
Arが、
【化26】

を表し、
Lが、
【化27】

【化28】

を表し、
が、ドデシルを表し、
が、n‐オクチルおよび2‐エチルヘキシルを表し、
が、メチルおよびエチルを表し、
が、メチルおよびn‐ヘキシルを表し、
が、メチルおよびフェニルを表し、
が、H、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基或いは直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシ基を表し、
Zが、CHまたはC=O基を表し、
nが、請求項8記載のnと同様である)
請求項1または7〜9のいずれか1項記載の燐光性共役ポリマー。
【請求項11】
共役主鎖を有し、少なくとも1つの共有結合金属錯体を含有し、発光が該共役主鎖の蛍光および該少なくとも1つの共有結合金属錯体の燐光の組合せであることを特徴とする発光ポリマー。
【請求項12】
白色光を放射する請求項11の発光ポリマー。
【請求項13】
CIE 1931の色度図においてx=0.33±0.13およびy=0.33±0.13の色座標によって定義される光を放射する請求項11または12記載の発光ポリマー。
【請求項14】
前記少なくとも1つの金属錯体が、同一または異なっていてもよく、前記共役主鎖の分子鎖末端に共有結合している請求項11〜13のいずれか1項記載の発光ポリマー。
【請求項15】
以下の一般式(Ia)または(Ib):
【化29】

[式中、Arは、任意に置換されたフェニレンユニット(IIa)または(IIb)、ビフェニレンユニット(IIc)、フルオレニレンユニット(IId)、ジヒドロインデノフルオレニレンユニット(IIe)、スピロビフルオレニレン(IIf)、ジヒドロフェナントリレンユニット(IIg)またはテトラヒドロピレニレンユニット(IIh)を表し、
【化30】

Arは、Arと異なり、(IIa)〜(IIq):
【化31】

【化32】

から成る群から選択されるユニットを表し、
およびLは、それぞれ同一または異なっていてもよく、かつ
は、以下の式(IIIa‐1)〜(IIId‐1):
【化33】

(ここで、Arは、任意に置換したフェニレン、ビフェニレン、ナフチレン、チエニレンまたはフルオレニレンユニットを表す。)
の配位子であり、
は、Lと独立して、以下の式(IVa‐1)〜(IVy‐1):
【化34】

【化35】

のユニットから選択される配位子であり、
該配位子LおよびLは、キレート状に該金属Mを錯体化し、
Mは、イリジウム(III)、白金(II)、オスミウム(II)またはロジウム(III)を表し、
nは、3〜10,000の整数を表し、
zは、1〜3の整数を表し、
Rは、同一または異なる基であり、互いに独立して、H、F、CF、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状の部分的にフッ素化または過フッ素化したC〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシ基、任意にC〜C30アルキル置換したC〜C20アリールユニットおよび/または、環C原子5〜9個および窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される環ヘテロ原子1〜3個を有する任意にC〜C30アルキル置換したヘテロアリールユニットを表す。]
の構造を有する請求項14記載の発光ポリマー。
【請求項16】
以下の一般式(Ia‐1)〜(Ib‐2):
【化36】

(式中、Rは、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基、或いは直鎖状または分岐状の部分的にフッ素化または過フッ素化したC〜C22アルキル基を表し、かつ
n、Ar、ArおよびLは請求項15に記載のものと同様である。)
の構造を有する請求項14または15記載の発光ポリマー。
【請求項17】
以下の一般式(Ia‐3)または(Ib‐3):
【化37】

(式中、Rは、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基、或いは直鎖状または分岐状の部分的にフッ素化または過フッ素化したC〜C22アルキル基を表し、かつ
n、Ar、ArおよびLは請求項15に記載のものと同様である。)
の構造を有する請求項14または15記載の発光ポリマー。
【請求項18】
前記少なくとも1つの金属錯体が、同一または異なっていてもよく、前記共役主鎖に共有結合している請求項11〜13のいずれか1項記載の発光ポリマー。
【請求項19】
以下の一般式(Ic‐1)および(Id)、または、(Ic‐1)、(Ic‐2)および(Id):
【化38】

【化39】

[式中、Arは、任意に置換されたフェニレンユニット(IIa)または(IIb)、ビフェニレンユニット(IIc)、フルオレニレンユニット(IId)、ジヒドロインデノフルオレニレンユニット(IIe)、スピロビフルオレニレンユニット(IIf)、ジヒドロフェナントリレンユニット(IIg)またはテトラヒドロピレニレンユニット(IIh)を表し、
【化40】

Arは、Arと異なり、(IIa)〜(IIq):
【化41】

から成る群から選択されるユニットを表し、
およびLは、それぞれ同一または異なっていてもよく、かつ
は、以下の式(IIIa‐2)〜(IIIi‐1):
【化42】

【化43】

の配位子であり、
は、Lと独立して、以下の式(IVa‐1)〜(IVy‐1):
【化44】

【化45】

【化46】

のユニットから選択される配位子であり、
該配位子LおよびLは、キレート状に該金属Mを錯体化し、
Mは、イリジウム(III)、白金(II)、オスミウム(II)またはロジウム(III)を表し、
nは、3〜10,000の整数を表し、
zは、1〜3の整数を表し、
Rは、同一または異なる基であり、互いに独立して、H、F、CF、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状の部分的にフッ素化または過フッ素化したC〜C22アルキル基、直鎖状または分岐状C〜C22アルコキシ基、任意にC〜C30アルキル置換したC〜C20アリールユニットおよび/または、環C原子5〜9個および窒素、酸素および硫黄から成る群から選択される環ヘテロ原子1〜3個を有する任意にC〜C30アルキル置換したヘテロアリールユニットを表す。]
のn回繰り返しユニットを含有する請求項18記載の発光ポリマー。
【請求項20】
以下の一般式(Ic‐1)および(Id‐1):
【化47】

(式中、Rは、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基、或いは直鎖状または分岐状の部分的にフッ素化または過フッ素化したC〜C22アルキル基を表し、かつ
n、ArおよびLは請求項18に記載のものと同様である。)
のn回繰り返しユニットを含有する請求項19記載の発光ポリマー。
【請求項21】
前記Lが、以下の式:
【化48】

のユニットから選択される配位子を表す請求項15〜20のいずれか1項記載の発光ポリマー。
【請求項22】
前記ArおよびArが、互いに独立して、以下の式:
【化49】

(式中、Rは、直鎖状または分岐状C〜C22アルキル基を表す)
のユニットを表す請求項15〜21のいずれか1項記載の発光ポリマー。
【請求項23】
前記nが、10〜5,000、好ましくは20〜1,000、より好ましくは40〜500の整数を表す請求項15〜22のいずれか1項記載の発光ポリマー。
【請求項24】
非錯体化配位子ポリマーが、イリジウム(III)、白金(II)、オスミウム(II)またはロジウム(III)前駆体錯体で錯体化される請求項1〜23のいずれか1項記載の燐光性または発光ポリマーの製造方法。
【請求項25】
前記非錯体化配位子ポリマーが、以下の一般式E:
【化50】

(式中、Lは、請求項1〜23のいずれか1項記載のものの内の少なくとも1つである。)
のイリジウム(III)前駆体錯体で錯体化される請求項24記載の燐光性または発光ポリマーの製造方法。
【請求項26】
発光部品におけるエミッターとしての請求項1〜23のいずれか1項記載の燐光性または発光ポリマー或いはそれらのブレンドの使用方法。
【請求項27】
請求項1〜23のいずれか1項記載の少なくとも1種の燐光性または発光ポリマー或いはそれらのブレンドを含有する電界発光配列。
【請求項28】
正孔注入層を含む請求項27記載の電界発光配列。
【請求項29】
請求項1〜23のいずれか1項記載の燐光性または発光ポリマー或いはそれらのブレンドを溶液から塗布する請求項27または28記載の電界発光配列の電界発光素子の製造方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2010−13662(P2010−13662A)
【公開日】平成22年1月21日(2010.1.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−234890(P2009−234890)
【出願日】平成21年10月9日(2009.10.9)
【分割の表示】特願2004−510351(P2004−510351)の分割
【原出願日】平成15年5月30日(2003.5.30)
【出願人】(307046626)ハー・ツェー・シュタルク・ゲゼルシャフト・ミット・ベシュレンクテル・ハフツング (6)
【氏名又は名称原語表記】H.C. Starck GmbH
【Fターム(参考)】