説明

物体を処理する方法、特に、半導体素子を洗浄する方法および装置

本発明は、物体、特に、半導体素子を超音波を用いて連続的に洗浄することに関し、被洗浄物体が液体中に配置されるものである。さらに、本発明は、本発明による方法を実施する装置に関する。本発明の基本概念は、液体で満たしたタンク(5)内の被洗浄物体(2)の表面が、タンク(5)内にある少なくとも一つの音源(8a)によって発せられた少なくとも一つの振動最大点を通過することである。一実施形態によれば、タンク(5)内に位置した音源フィールド(8)が搬送方向(4)に対して傾斜して配置される。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、超音波を用いて物体、特に半導体素子を洗浄することに関し、被洗浄物体が液体中に配置されるものである。さらに、本発明は、本発明による方法を実施する装置に関する。
【背景技術】
【0002】
一般に、超音波を用いた洗浄はよく知られている。超音波洗浄は主に、工業用の部品製造で使用されており、特に電気工学、精密機械学、金属加工、または回路基板の製造においても利用されている。この種の物体の洗浄について他の典型的な適用分野は、医療技術のほか光産業においてもみることができる。超音波の使用は物体から汚染粒子を除去するのに特に役立つものであり、例えばブラシまたは研磨手段などの機械的な洗浄装置が不純物に到達しこれを除去するのが不十分である場合に、提案されるものである。
【0003】
本発明の方法によるものと同様に当該技術分野で知られる方法による超音波洗浄については、適した超音波振動子を用いた超音波発生器から発せられる音波が液状媒体を介して被洗浄物体に送られるように、被洗浄物体を液体中に配置する必要がある。いわゆる音源フィールドが、被洗浄物体に突き当たる音波を発する。
【0004】
特に、処理の間に半導体から、例えばウェーハまたはディスクから形成される粒子のほか汚染粒子を除去するために、半導体製造プロセスの間に異なる洗浄工程が必要となる。特に、例えば切削など、半導体素子(基板)の機械的処理から発生するこれらの粒子は、基板の材料からなる切削粒子である。また、いわゆる「スラリー」すなわち研磨粉のエマルジョンが使用されることが多い。このスラリーは、グリコールまたは油を含有する混合物中に炭化ケイ素または酸化アルミニウムを含めたものである。これらの不純物(微粉、粒子、有機化合物の残留物等)は、求められる製造物の特性を確保するために、一回または数回の洗浄工程で除去する必要がある。
【0005】
従来技術で知られる方法では、初めに、例えば、ウェーハまたはディスクなどの被洗浄物体をキャリヤに仕分けする。続いて、これらを適した液体を含むタンク内に手動によりまたは自動的に沈め、キャリヤを定置するか、または別の方法として、操作システムまたは手動のいずれかにより洗浄タンク内を移動させる。
【0006】
良好な洗浄結果を得るため、一般には、異なる液体および/または異なる音源を備えた数個の異なるタンク、例えば、10〜20個のタンクが設けられる。音源自体は異なる周波数を発するため、個々のタンクで異なる洗浄結果がもたらされる。
【0007】
洗浄効果を補助するために、タンクは一般に暖かくして操作され、温度は通常30℃から60℃までの間で調整される。周波数は超音波領域にあり、通例、洗浄タンクの底部に位置するほかその内壁にも部分的に位置する音源によって発せられる。別の方法として、またはこれに加えて、いわゆる水中振動子が用いられるが、これは、洗浄タンクのうち、洗浄槽内の音波の分布を極力均一にしたいと思う箇所に配置するのが好ましい。従来技術の好ましい別の方法では、水中振動子を平板振動子として設け、多くの場合、被洗浄物体の下方に配置する。平板振動子は通常、面積の大きい部品に対して、音波が物体全体に達するのを確実にするために使用されるものである。
【0008】
乾燥を含めたこのような洗浄プロセスの合計時間は約一時間に達するのが典型であり、多くの場合、手動による補助または機械的な補助による移動工程が数回必要であり、その結果破損率が比較的高くなる。このため、特に200mmのエッジ長さおよび200μmを下回る幅を有する将来のウェーハを処理することを考慮すると、被洗浄物体をさらに高速に、安価に、丁寧に処理できるような代わりの洗浄方法が必要である。
【0009】
米国特許第4,979,994B号明細書がプリント回路基板を洗浄する方法およびその装置を開示しており、プリント回路基板が液体中で音波によって処理される。電気部品とプリント回路基板との間の空間においても洗浄を確実に行うために、音源フィールドの向きを傾斜させており、つまり、プリント回路基板の垂直線に向けて−60度から+60度までの間の角度だけ傾斜させている。また、これらのアンダーカットは反射によって到達される。個々の音源フィールドと音波が照射されたプリント回路基板とは、相互に対して定置されたままである。
【0010】
DE−C 1 078 406は、超音波によって金属を洗浄する装置を開示している。装置は、漏斗の形状をした回転ドラムからなる。音源フィールドは、その位置がドラムの周囲の面に沿って調節可能であり、定置されている。
【0011】
DE 192 22 423 C2は、基板、特に半導体ウェーハを処理する装置を開示している。これらの基板は、流体タンク内の棒状のキャリヤ要素に載置される。洗浄歩留まりを良好にするために、基板を備えたキャリヤ要素を昇降させることができ、音源フィールドから基板までの距離を任意に長くすることも短くすることもできる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0012】
本発明の目的は、特に脆弱な物体を音波を利用して洗浄する方法および/または装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0013】
本発明の基本概念は、洗浄タンク内の被洗浄物体の表面に少なくとも一つの振動最大点が確実に突き当たるように設計された方法および装置を提供することであり、前記の振動最大点はタンク内にある少なくとも一つの音源によって発せられる。この振動最大点は、いわゆる波腹に相当する。
【0014】
よって、請求項1による方法および/または請求項2による装置を提供する。
【0015】
本発明によれば、態様は、以下に示した様々な手段を用いて実現可能である。これらの代替の実施形態に共通する特性は、最大振幅を有するそれぞれの振動最大点が被洗浄物体に突き当たることである。この目的のために、音源と被処理物体との間の機械的距離を数ミリメートルの精度になるべく調整する必要がある。このような洗浄タンクの液体への超音波の印加は、従来技術に対して最適にされたものであり、すべての実施形態において同様に確保されている。
【0016】
液体中の超音波の波長λは、10mmから80mmまでであるのが典型であり、周波数は20kHzから132kHzまでであり、液体は水である。(例えば、25kHzの周波数については、水中の波長は約59mmである。)
【0017】
音源は、いわゆる音源フィールドとして作られていることが好ましい。以下では、音源フィールドという用語は、少なくともそれら自体が同相で発する数個の振動源からなる装置を示す。特に、このような音源フィールドは、平面状の表面を有する平板振動子であり得る。
【0018】
上述のような従来技術の欠点を取り除くことのほかに、好適な実施形態による本発明の重要な利点は、物体の洗浄を、手動によりまたは自動的に配置し直すことまたは仕分けし直すことを必要とせず、継続して実行できることである。
【0019】
本発明によれば、これは、搬送装置によって液体を介して被洗浄物体を搬送することにより有益に達成できる。このような搬送システムについての例が、国際公開第2003/086913 A1号パンフレットに開示されている。物体は、その搬送の間、異なって調整された一連の音源に沿って通過し、これらの音源は洗浄液体中に配置されており、超音波領域の周波数を発する。代替となる実施形態において実現される音源フィールドと被洗浄物体の表面との間の正確な空間的相関関係により、音波がそれらの振動最大点で被洗浄物体に確実に突き当たる。これは、以下に示すように、直接的または間接的に達成可能である。
【0020】
機械的には、音源フィールドは、液体で満たされたタンク内に被洗浄物体に対して規定の距離を置いて配置できる。
【0021】
しかし、タンク内に設けられる他の内部部品のほか、液体の組成および温度、また被洗浄物体で起こり得る反射は、通常、差異をもたらすことになり、これにより既定の波腹が変位する。このため、最適な機械的条件にあるにもかかわらず、音波の少なくとも一つの波腹が最大振幅で被洗浄物体に突き当たることが保証できないという不確実性が存在する。
【0022】
本発明の第1の態様では、個々の音源フィールドは、被洗浄物体はこれに沿って搬送装置によって通過するのが好ましいが、搬送方向に平行には配置されず、傾斜している。この場合、傾斜している、とは、音源フィールドがその表面とともに、被洗浄物体によって定まる面に平行に向いておらず、規定の傾角が音源フィールドの面と被洗浄物体の面との間に存在するということを意味するものである。ここで、傾角は、搬送方向とは無関係である。これは、傾角が搬送方向に沿うことがあるということ、つまり、音源フィールドから被搬送物体の面までの距離が増大するか、またはこれと逆になるということを意味している。
【0023】
本発明によれば、連続的な実施形態では、物体がタンクを通って搬送される間に二つ以上の音源フィールドが配置されていることを提唱する。これらは、異なる周波数によって駆動可能なものとしてもよい。同一の周波数によって駆動される個々の音源フィールドは、タンクのセパレータによって相互に隔てられていることが好ましい。第1の洗浄工程の初めは、粗く大きい粒子を除去するために、低周波数(例えば、25kHz)で開始することを提案する。作業の実際の特性によって、搬送方向に周波数を徐々に高くして(例えば、40kHz以上)用いることが好ましく、これにより、開始領域から終了領域までにおいて、粗粒子から微粒子までが連続的に継続して除去される。これらの周波数はメガサウンド帯域までに及び、メガサウンド帯域は800kHzから2MHzまでの周波数を用いるものである。ここで、個々の音源フィールドの被洗浄物体の搬送面までの距離のほか、それらの傾角にも変化をつけることが可能である。
【0024】
良好な洗浄結果を得るため、かつ少なくとも一つの振動最大点を音源フィールドに沿って通過する物体に突き当てるという課題を解決するために、本発明では、物体の搬送面に対する音源フィールドの傾角がλ/2よりも確実に小さいことを提案する。ここで、λは音源フィールドの発する波長である。振動領域の中心の上方で波腹の理論的位置を調整し、音源フィールド全体をλ/2よりも確実に小さい値まで傾斜させることが有益であるということがわかった。物体の搬送面に対する音源フィールドの傾角がλ/4である場合、またはλ/8である場合であっても、非常に効果的な洗浄結果が得られる。音源フィールドを平行に配置した場合、音源フィールドの傾角は、必要であれば代替手段として、音波が上述の伝搬特性を示すように集束反射面をフィールドと被処理物体との間に配置して設けることにより得られる。水平に向き付けられた音源フィールドを有する別の代替の実施形態は、被洗浄物体を水平位置から傾角に少なくとも一時的に移動させるものである。
【0025】
別の実施形態では、傾斜した音源フィールドは、少なくとも部分的に搬送面と平行に誘導され、これにより搬送方向について移動される。
【0026】
本発明の別の態様では、以上の発明性のある原理は、音源フィールドが移動可能でありかつ物体に対する相対的な移動を考慮したものである限り、音源フィールドを搬送面に平行に水平に配置することによっても実現可能である。実際は、洗浄する物体に対して水平に向き付けられた音源フィールドの位置が変更可能であることにより、移動経路において、音波の波腹が被処理物体に最大振幅で少なくとも一回突き当たることになる。
【0027】
このため、好適な実施形態では、音源フィールドは移動可能であり、被洗浄物体の搬送方向に平行に配置され、この移動は搬送方向に垂直に(鉛直に)行われる。
【0028】
さらに均一な洗浄を達成するため、別の実施形態による移動は、搬送方向に垂直に(鉛直に)かつ水平に(平行に)行われることが有益であり、この垂直かつ水平な移動は連続してまたは同時に行われる。
【0029】
別の実施形態では、上に開示した実施形態の組み合わせを提供する。これは、音源フィールドの三次元の移動が起こることを意味する。好ましい組み合わせでは、音源フィールドは、例えば、移動可能であり、被洗浄物体の搬送方向に対して傾斜して配置されており、この移動は搬送方向に対して垂直に、または垂直かつ水平に行われる。この組み合わせによる方法によっても、少なくとも一つの振動最大点が被洗浄物体に確実に突き当たる。
【0030】
すでに言及した本発明の実施形態は、音源フィールドを搬送方向または搬送面に平行に被洗浄物体に対して相対的に移動させるものであるが、安定した音場を極力多く確立させるために、この相対移動をゆっくりと行うことが有益である。ここで、搬送方向に垂直な振幅はλ/2よりも確実に小さいのが典型であり、ここでλは音源フィールドの発する波長である。特に好適な実施形態では、搬送方向に垂直に計測される振幅はλ/4である。被洗浄物体がタンク内にある間は、この振幅を少なくとも一回通過させる必要がある。
【0031】
本発明の実施形態では、物体は、搬送装置、例えば、回転式搬送システムに配置される。ここで、物体は、次々に配置され水平に向き付けられた数個の搬送ローラによって搬送される。個々の搬送ローラは、ローラのそれぞれの上端部が流体の表面の高さ、つまり、流体の上部境界にほぼ位置するように流体中に配置され、これにより個々の物体の下面が流体面と直接接触して浸される。ここで、物体の端部でメニスカスが形成される。このため、重力と表面張力との相互作用が物体を引き下げ、物体を浮かばせることなくローラに接触させたままにさせる。これにより、ローラ運搬システムは、物体を制御し規定して搬送することができる。
【0032】
特に好適な実施形態では、搬送ローラは少なくとも二つの支持要素を備えており、これらは搬送ローラの二つの溝部の領域に配置されていることが有益である。支持要素間の距離は、被処理物体の幅によって定められる。音源フィールドの領域では、被洗浄物体が十分な空間を有していることが強く求められる。このため、案内要素は、特にこの領域ではさらに間隔をあけてあり、搬送ローラと反対側に配置され被洗浄物体を囲む押し下げ手段は運動の自由度が大きく、このため起こり得る力を物体からそらすことができる。これにより、目的は、洗浄する品物に加えられる力を極力小さくして達せられる。このようにして、破損率が大幅に低下する。
【0033】
搬送ローラは少なくとも二つの部分で構成され、スピンドル要素と、スピンドル要素を取り囲む少なくとも一つのトラック要素とからなることが好ましい。音源フィールドの領域では、個々の搬送ローラのスピンドル要素が相互にさらに間隔を置いているため、音源フィールドから発せられた音波がさらに良好に被洗浄物体に突き当たる。スピンドルは、伝搬する音波をほんのわずか妨げる材料からなる。
【0034】
本発明の別の態様では、本発明による方法を実施するための装置を提供する。この装置の重要な特性は、プロセス制御に関する上記の情報から生じるものであり、請求項2に要約してある。
【0035】
本発明による方法を実施すると、すでに言及した利点のほか、既知の方法と比較して、処理時間が大幅に低下するという結果になる。本発明により、約一時間という一般的な処理時間を約10分に低減できることが証明されている。
【0036】
本発明の別の重要な利点は、本発明による方法を実施すると、洗浄槽で化学薬品を共用することが省かれるということである。さらに、本発明により、本発明により達成される顕著な洗浄結果の悪化を心配する必要なく、洗浄液の温度を室温、つまり、約15℃から25℃までの値に調整できるようになる。
【0037】
代替の方法では、鉱物質を一部除去した水またはイオンを一部除去した水を洗浄媒体として用いることができる。
【0038】
しかし、この文脈には、本発明により、共通の温度を適用すること、および/または洗浄液中に化学薬剤を使用することが当然含まれるということを明確に示しておく。
【0039】
以下の説明、図面、請求項から、さらに利点がもたらされる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0040】
図1は、本発明による、物体2、特にディスクの形状をしたウェーハを洗浄するための装置1の概略を示すものである。
【0041】
物体2は、搬送装置3により、タンク5を通って搬送方向4に移動される。タンク5は、液体6で満たしてある。搬送装置3自体は、駆動ローラ3aおよび押し下げ手段3bからなることが好ましく(図2)、駆動ローラ3aは、矢印7の方向に回転動作するため、搬送方向4に物体2を駆動するのに役立つものである。逆の動作で回転する押し下げ手段3bは、物体2が液体6中で浮かないことを確実にするのに役立つものである。
【0042】
タンク5は、異なる領域、いわゆるセグメント5a、5b、5cに分割されている。セグメント5a、5b、5cはいずれも流体的に相互に連結されており、搬送装置3を介して用いられるものである。ここに示した例証となる実施形態については、少なくとも一つの音源フィールド8が各セグメント5a、5b、5cに配置されている。この音源フィールド8は、その音源8aから、音源フィールドの上方に配置される各物体2の方向に音波8bを発する。個々の音源フィールド8を取り囲む液体6により、音源フィールド8により発生した音波が液体に印加され、物体2に送られる。
【0043】
例証となる別の実施形態では、詳細には示さないが、一つ以上の音源フィールド8をセグメント内に配置することも可能である。
【0044】
セグメント5a、5b、5cは、本発明による方法を実施するため、またその装置のために、必ずしも必要であるというわけではない。これらは単に、個々の領域をさらに容易に明らかにするため、かつ異なる洗浄領域を詳述するのに役立つものである。本発明では、示したセグメントの数も固定されるものではなく、実際の必要条件を考慮して自由に選択可能である。
【0045】
音源フィールド8は、セグメント5a、5b、5c内で、搬送方向4に平行な向きとならないように配置されており、傾斜を示している。これは、搬送方向4に対して傾斜して配置されることを意味しており、原理上の傾斜の配置は両方向で行われる(それぞれ、搬送方向に沿って、またはこれと反対に)。この傾斜した配置により、搬送方向4の水平面9と個々の音源フィールド8の面10との間に角度αが形成される。この規定した傾角はλ/2よりも小さいことが好ましく、ここで、λは、音源フィールド8が発生させた音波を発する波長である。
【0046】
例証となる本実施形態では、音源フィールド8は、個々のセグメント5a、5b、5c内に定置される。
【0047】
方法
ここでは、例証として平坦な、つまり平らなウェーハの形状をした個々の物体2が、それぞれ搬送装置3の第1のセクタAに送られ(つまり、別の処理工程から引き渡され)、搬送装置3(押し下げ手段3bのほか搬送ローラ3a)によって搬送方向4に移動される。適切な始動段階の後、被洗浄物体2が第1のセクタ5aに到達し、第1の音源フィールド8上を通過する。本発明による音源フィールド8上を通過する間、その音源フィールド8の配置により、少なくとも一つの波腹が物体の表面に最大振幅で突き当たる。連続して、物体2はこのセグメント5aから次のセグメント5b等に搬送される。各音源フィールド8の上方で処理が繰り返される。
【0048】
ここに示した方法および装置1については、個々の音源フィールド8が個々のセグメント5a、5b、5cに配置され、本発明による装置内の周波数がある音源フィールド8から次の音源フィールド8に段階的かつ直線的に増大するように配置されているのが好ましい。本発明による装置の終端部Eにおいて、連続的なプロセスで処理された洗浄された物体が降ろされ、別の設備に移送される。
【図面の簡単な説明】
【0049】
【図1】本発明による方法を実施するための、物体を洗浄する装置、特にそれぞれがウェーハまたはディスクの形状をした半導体素子を洗浄する装置の概略図を示すものである。
【図2】図1の部分図を示し、被洗浄物体の搬送を明確にするのに役立つものである。
【符号の説明】
【0050】
1 装置
2 物体(ウェーハ)
3 搬送装置
3a 搬送ローラ
3b 押し下げ手段
4 搬送方向
5 タンク
5a セグメント
5b セグメント
5c セグメント
6 液体
7 矢印(回転方向)
8 音源フィールド
8a 音源
8b 音波
9 面(搬送面、搬送方向4の面)
10 面(音源フィールド8の)
A 開始部(第1のセクタ)
E 終端部
α 角度
λ 波長

【特許請求の範囲】
【請求項1】
液体(6)および音源フィールドを備えたタンク(5)内で、物体を処理する方法、特に、半導体素子を洗浄する方法であって、前記物体(2)が前記タンク(5)を通って搬送装置(3)上を連続的に搬送され、前記液体(6)に音波(8b)を印加する前記音源フィールド(8)が以下の位置、
I.前記被洗浄物体(2)の搬送方向(4)の面(9)に対して定置されかつ傾斜している前記音源フィールド(8)の配置、
II.前記被洗浄物体(2)の搬送方向(4)の面(9)に対して移動可能でありかつ傾斜している前記音源フィールド(8)の配置であって、前記移動が前記搬送方向(4)に平行に行われる配置、
III.前記被洗浄物体(2)の搬送方向(4)の面(9)に対して移動可能でありかつ平行である前記音源フィールド(8)の配置であって、前記移動が前記搬送方向(4)に垂直に行われる配置、
IV.前記被洗浄物体(2)の搬送方向(4)の面(9)に対して移動可能でありかつ平行である前記音源フィールド(8)の配置であって、前記移動が前記搬送方向(4)に垂直かつ水平に行われる配置、または
V.前記被洗浄物体(2)の搬送方向(4)の面(9)に対して移動可能でありかつ傾斜している前記音源フィールド(8)の配置であって、前記移動が前記搬送方向(4)に垂直に、または垂直かつ水平に行われる配置
のうち一つを任意選択的に有する方法。
【請求項2】
液体(6)および音源フィールドを備えたタンク(5)内で、物体(2)を処理し洗浄する装置、特に、半導体素子を洗浄する装置であって、前記物体(2)が前記タンク(5)を通って搬送装置(3)上を連続的に搬送され、前記液体(6)に音波(8b)を印加する音源フィールド(8)が以下の位置、
I.前記被洗浄物体(2)の搬送方向(4)の面(9)に対して定置されかつ傾斜している前記音源フィールド(8)の配置、
II.前記被洗浄物体(2)の搬送方向(4)の面(9)に対して移動可能でありかつ傾斜している前記音源フィールド(8)の配置であって、前記移動が前記搬送方向(4)に平行に行われる配置、
III.前記被洗浄物体(2)の搬送方向(4)の面(9)に対して移動可能でありかつ平行である前記音源フィールド(8)の配置であって、前記移動が前記搬送方向(4)に垂直に行われる配置、
IV.前記被洗浄物体(2)の搬送方向(4)の面(9)に対して移動可能でありかつ平行である前記音源フィールド(8)の配置であって、前記移動が前記搬送方向(4)に垂直かつ水平に行われる配置、または
V.前記被洗浄物体(2)の搬送方向(4)の面(9)に対して移動可能でありかつ傾斜している前記音源フィールド(8)の配置であって、前記移動が前記搬送方向(4)に垂直に、または垂直かつ水平に行われる配置
のうち一つを任意選択的に有する装置。
【請求項3】
前記音源フィールド(8)が、前記被洗浄物体(2)に対して、前記音源フィールド(8)により発生した音波(8b)が前記物体(2)にその振動最大点で突き当たるように配置されていることを特徴とする請求項2に記載の装置。
【請求項4】
前記音源フィールド(8)がλ/2よりも確実に小さく傾斜しており、λが、発せられる音波(8b)の波長を示すことを特徴とする請求項3に記載の装置。
【請求項5】
前記音源フィールド(8)が異なる周波数を発することを特徴とする請求項2〜4の少なくとも一項に記載の装置。
【請求項6】
前記音源フィールド(8)によって発せられた周波数が搬送方向(矢印4)に増大することを特徴とする請求項5に記載の装置。
【請求項7】
前記物体(2)を装填する前記搬送装置(3)が、前記搬送方向(4)に対して垂直に延在しかつ相互に距離を置いて配置された搬送要素を備えることを特徴とする請求項2〜6の少なくとも一項に記載の装置。
【請求項8】
前記音源フィールド(8)が、搬送方向(4)に次々と連続的に配置されていることを特徴とする請求項2〜7の少なくとも一項に記載の装置。
【請求項9】
前記音源フィールド(8)が前記搬送方向(4)の面に対して同一の傾角αを有することを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記音源フィールド(8)が前記搬送方向(4)の面に対して異なる傾角αを有することを特徴とする請求項8に記載の装置。
【請求項11】
前記タンク内の液体(6)の温度が室温に調整されていることを特徴とする請求項2〜10の少なくとも一項に記載の装置。
【請求項12】
前記液体(6)の温度が15℃から25℃までの値に調整されていることを特徴とする請求項11に記載の装置。
【請求項13】
前記搬送要素が、前記音源フィールド(8)の近くでの前記被洗浄物体(2)の搬送のために、前記搬送装置(3)の残りの部分と比較して相互にさらに距離を置いた搬送ローラを備えていることを特徴とする請求項1〜12の少なくとも一項に記載の装置。
【請求項14】
前記搬送要素が搬送ローラ、ならびに少なくとも部分的に押し下げ手段を備えていることを特徴とする請求項2〜13の少なくとも一項に記載の装置。

【図1】
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【図2】
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【公表番号】特表2008−533727(P2008−533727A)
【公表日】平成20年8月21日(2008.8.21)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−501156(P2008−501156)
【出願日】平成18年3月15日(2006.3.15)
【国際出願番号】PCT/DE2006/000468
【国際公開番号】WO2006/097087
【国際公開日】平成18年9月21日(2006.9.21)
【出願人】(504382349)レナ ゾンデルマシーネン ゲーエムベーハー (10)
【Fターム(参考)】