物体判定装置、方法及びプログラム
【課題】前処理を行うことなく、移動物体であるか静止物体であるか判定する。
【解決手段】物体判定装置は、物体までの距離を測定して距離データを生成する距離測定装置1と、距離データから位置データを生成する処理を行う距離データ処理部2と、位置データを記憶する位置データ記憶部3と、位置データの集合である位置データ集合を抽出する位置データ集合抽出部4と、位置データ集合の領域面積に基づいて物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定する移動物体判定部5と、を備えている。
【解決手段】物体判定装置は、物体までの距離を測定して距離データを生成する距離測定装置1と、距離データから位置データを生成する処理を行う距離データ処理部2と、位置データを記憶する位置データ記憶部3と、位置データの集合である位置データ集合を抽出する位置データ集合抽出部4と、位置データ集合の領域面積に基づいて物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定する移動物体判定部5と、を備えている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体判定装置、方法及びプログラムに係り、特に、移動物体であるか静止物体であるかを判定する物体判定装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザレーダ等の距離測定装置を用いて、歩行者、自転車等の移動物体を検出技術が提案されている。
【0003】
特許文献1では、降雨や霧などの悪天候下でも歩行者を検出できる横断歩行者検出方法が開示されている。特許文献1に記載された技術は、道路の路側のポールの上部に取り付けられ、横断歩道の長さ方向をスキャンして、3Dデータを生成して、移動体を検出するものである。
【0004】
また、特許文献2では、監視領域の環境が変動する状況下などであっても、移動物体を安定して検出することができる移動物体検出装置及び方法が開示されている。具体的には、特許文献2に記載された技術は、レーザレーダ10の計測結果に基づいて検出領域内におけるレーザレーダ10から背景にある物体までの距離情報を示す背景距離マップを生成し、背景距離マップメモリ22に予め記憶されている背景距離マップの距離情報とレーザレーダ10の計測結果との差から検出領域内の移動物体を検出する。
【特許文献1】特開2002−140790号公報
【特許文献2】特開2005−300259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された技術は、レーザセンサの位置と測定範囲の位置を固定しなければ、移動物体を検出することができない問題がある。また、特許文献2に記載された技術は、移動体を直接検出する前に、背景距離マップを生成する手間がかかってしまう。また、レーザレーダの位置が常に変化する場合には、背景が連続的に変化するので、背景距離マップを使用することできなくなる問題もある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するために提案されたものであり、前処理を行うことなく、移動物体であるか静止物体であるか判定することができる物体判定装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る物体判定装置は、物体までの距離を測定して距離情報を生成する距離測定手段と、前記距離測定手段により生成された距離情報に基づいて、前記物体の第1の位置情報を生成する位置情報生成手段と、前記位置情報生成手段により生成された前記第1の位置情報の所定時間の累積値に基づいて、前記物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定する判定手段と、を備えている。
【0008】
距離測定手段は、物体までの距離を示す距離情報を生成する。位置情報生成手段は、物体までの距離情報から物体の位置情報を生成する。この位置情報は、所定時間累積される。ここで、静止物体の位置情報の累積値は同じ位置に累積されるが、移動物体の位置情報の累積値は様々な位置に累積される。よって、位置情報の累積値は、移動物体であるか静止物体であるかの指標となる。
【0009】
したがって、上記物体判定装置は、物体までの距離を測定して距離情報を生成し、生成された距離情報に基づいて物体の第1の位置情報を生成し、第1の位置情報の所定時間の累積値に基づいて物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定することにより、前処理を行うことなく、物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定することができる。
【0010】
なお、本発明は、物体判定方法及びプログラムにも適用可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る物体判定装置は、前処理を行うことなく、物体が移動物体であるか静止物体であるか判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る物体判定装置の構成を示すブロック図である。物体判定装置は、物体までの距離を測定して距離データを生成する距離測定装置1と、距離データから位置データを生成する処理を行う距離データ処理部2と、位置データを記憶する位置データ記憶部3と、位置データの集合である位置データ集合を抽出する位置データ集合抽出部4と、位置データ集合の領域面積に基づいて物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定する移動物体判定部5と、を備えている。
【0014】
図2は、物体判定装置による物体検出状況を示す図である。距離測定装置1は、図2に示すように、距離測定範囲をスキャンできるように、ポール8の上端部に取り付けられている。ここでは、距離測定範囲に移動物体6及び静止物体7が存在するものとする。距離測定装置1は、レーザ光を右から左に(又は左から右に)所定角度毎に振りながら扇形にスキャンすることによってレーザ光が照射される範囲内に存在する物体の距離を測定する。
【0015】
以上のように構成された物体判定装置は、物体判定ルーチンに従って所定の処理を実行する。
【0016】
図3は、物体判定ルーチンを示すフローチャートである。
【0017】
ステップS10では、距離測定装置1は、距離測定範囲内に存在する物体の距離を測定し、距離データを生成して、ステップS11に移行する。なお、本実施形態では、距離測定装置1としてレーザセンサを例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、距離測定装置1として、赤外線センサやレーダなどを用いてもよい。
【0018】
ステップS11では、距離データ処理部2は、距離測定装置1で生成された距離データに基づいて、グローバル座標系(絶対座標系)における位置データを生成して、ステップS12に進む。なお、位置データは、距離測定装置1の位置、距離測定装置1から物体までの距離を示す距離データ、物体にレーザが照射されたときのレーザ照射角度から算出される。
【0019】
図4は、ある時刻における位置データの検出結果を示す図である。距離測定装置1がレーザ光をスキャンすることによって、移動物体6、静止物体7のそれぞれについて、複数の距離が測定され、それに対応する複数の位置データが生成される。
【0020】
ステップS12では、位置データ記憶部3は、図5に示すように、距離データ処理部2で生成された位置データをグリッド状マップ11に記憶して、ステップS13に進む。ここで、位置データ記憶部3は、位置データを所定時間記憶する。具体的には、位置データ記憶部3は、時刻tの位置データと、過去(時刻(t−1)、(t−2)、・・・、(t−N))の位置データと、を記憶する。
【0021】
図6は、所定時間記憶された位置データを示す図である。同図に示すように、移動物体6の位置データである移動物体位置データは、移動軌跡に沿って記憶される。静止物体7の位置データである静止物体位置データは、同じ位置に重ねて記憶される。ただし、同図の黒グリッドは現在時刻tの位置データを表し、斜線グリッドは過去の位置データを表す。
【0022】
ステップS13では、位置データ集合抽出部4は、位置データ記憶部3に累積して記憶された位置データから位置データ集合を抽出する。位置データ集合を抽出するために、位置データ集合抽出部4は、グリッド状マップ11に配置された位置データに対して、膨張処理及び伸縮処理を行う。以下では、グリッド状マップ11にデータが記録されているグリッドを「1−グリッド」、データが記録されていないグリッドを「0−グリッド」という。
【0023】
最初に、位置データ集合抽出部4は、1−グリッドを一層太くする膨張処理を行う。位置データ集合抽出部4は、具体的には、注目するグリッドの周辺8近傍のうちの1つでも1−グリッドがあれば、その注目するグリッドを1−グリッドにする。
【0024】
図7は、膨張処理後の位置データを示す図である。なお、斜線グリッドは元の位置データ、黒色グリッドは膨張処理によって記録された位置データである。位置データ集合抽出部4は、このような膨張処理を行うことによって、図6に示すように離散的であった位置データを連続的な位置データに変換する。
【0025】
次に、位置データ集合抽出部4は、1−グリッドを一層細くする収縮処理を行う。位置データ集合抽出部4は、具体的には、注目する1−グリッドに1つでも0−グリッドが隣接している場合は、その注目する1−グリッドを0−グリッドにする。換言すると、周囲がすべて1−グリッドで囲われている1−グリッドのみを抽出する。
【0026】
図8は、収縮処理後の位置データを示す図である。なお、斜線グリッドは図6に示す当初から存在した位置データ(1−グリッド)であり、黒色グリッドは膨張処理により記録された1−グリッドである。位置データ集合抽出部4は、このような収縮処理を行うことによって、グリッド状マップ11上に離散的なノイズがある場合には、そのノイズを除去することができる。
【0027】
なお、膨張処理、収縮処理の回数は1回に限らず、それぞれ複数回であってもよい。そして、位置データ集合抽出部4は、グリッド状マップ11から位置データ集合を抽出して、ステップS14に進む。
【0028】
また、距離測定装置1は、レーザ光を所定角度毎に振りながらスキャンするので、物体までの距離が長くなると、1つの物体に対して得られる距離データの数が少なく、かつ離散的になる。逆に、物体までの距離が短くなると、距離データの数が多く、かつ連続的になる。そこで、膨張処理、収縮処理の回数を距離測定装置1から物体までの距離に応じて変更してもよい。
【0029】
ステップS14では、移動物体判定部5は、位置データ集合抽出部4で抽出された位置データ集合の領域面積を計算し、その領域面積が所定の閾値以上であるか否かを判定する。ここでは、領域面積として、位置データ集合を形成するグリッド数を用いる。
【0030】
図9は、移動物体6と静止物体7の位置データ集合を示す図である。ここでは、膨張・伸縮処理については省略している。同図に示すように、静止物体7の位置データ集合は小さくなっているのに対して、移動物体6の位置データ集合はその移動方向に沿って大きくなっている。すなわち、移動物体6の位置データ集合の領域面積は、静止物体7の位置データ集合の領域面積に比べて、大きくなる。
【0031】
そこで、移動物体判定部5は、閾値を静止物体7の位置データ集合の領域面積に比べて十分大きい値に設定することにより、物体が移動物体6であるか静止物体7であるかを判定することができる。
【0032】
上記では、移動物体判定部5は、位置データ集合抽出部4で抽出された位置データ集合の領域面積を計算し、その領域面積が所定の閾値以上であるか否かで移動物体6と静止物体7を判定しているが、判定方法として位置データ集合の領域面積の時間変化率を利用することにより次のように変更してもよい。
【0033】
静止物体7の位置データ集合の領域面積は、時間変化に関わらず一定である。これに対して、移動物体6の位置データ集合の領域面積は、時間変化に伴い常に変化する。つまり、移動物体6の領域面積の時間変化率は静止物体7の領域面積の時間変化率よりも大きくなる。
【0034】
そこで、閾値を静止物体7の領域面積の時間変化率に比べて十分大きい値に設定することにより、物体が移動物体6であるか静止物体であるかを判定することができる。そして、ステップS14において、肯定判定のときはステップS16に進み、否定判定のときはステップS15に進む。
【0035】
ステップS15では、移動物体判定部5は、物体を静止物体として判定して処理を終了する。ステップS16では、移動物体判定部5は、物体を移動物体として判定して処理を終了する。
【0036】
以上のように、第1の実施形態に係る物体判定装置は、物体までの距離データを位置データに変換し、位置データ集合の領域面積に基づいて、物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定する。したがって、物体判定装置は、予め物体の配置が分からなくても、位置データ集合の領域面積を計算することができるので、物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定することができる。
【0037】
また、物体判定装置は、物体の位置データに対して膨張処理を行うことによって離散的な位置データを連続的な位置データにすることによって、位置データ集合を容易に抽出することができる。また、物体判定装置は、物体の位置データに対して収縮処理を行うことによってノイズの影響を除去することができる。
【0038】
[第2の実施形態]
つぎに、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。第2の実施形態では、距離測定装置1が移動可能である点、および距離データ処理部2に一部の処理が追加された点が、第1の実施形態と異なっている。
【0039】
図10は、第2の実施形態に係る物体判定装置による物体検出状況を示す図である。本実施形態では、距離測定装置1は、所定の領域全体を移動可能な移動体14に搭載され、領域全体を俯瞰している。したがって、距離測定装置1の位置及び姿勢は時間毎に変化する。また、移動体14は、複数の車輪と各車輪の回転角速度を検出する図示しないエンコーダとを備えている。そして、移動体14は、各車輪の回転角速度を検出して、この情報を距離データ処理部2に供給する。
【0040】
ここで、距離データ処理部2は、距離測定装置1で測定された距離データに基づいて、グローバル座標系の位置データではなく、距離測定装置1の現在位置を中心としたローカル座標系(相対座標系)の位置データを算出する。よって、距離データ処理部2は、ローカル座標系の位置データをグローバル座標系の位置データに変換する必要がある。そのためには、現時刻tのグローバル座標系における移動体14の位置及び姿勢が分かればよい。
【0041】
距離データ処理部2は、移動体14から供給される情報に基づいて、移動体14の車体速度を算出し、車体速度を時間積分することによって移動体14の移動距離及びその位置を算出する。また、距離データ処理部2は、移動体14の進行方向に対して平行な2つの車輪の回転角速度の差に基づいて、移動体14の姿勢を算出する。なお、このような移動体14の位置及び姿勢の算出方法は、公知のオドメトリを用いることができる。そして、距離データ処理部2は、移動体14のグローバル座標系の位置データを用いて、物体のローカル座標系の位置データをグローバル座標系の位置データに変換する。以降は、第1の実施形態と同様に、位置データ記憶部3、位置データ集合抽出部4、移動物体判定部5が、それぞれ図3に示すステップS12からステップS16を実行する。
【0042】
以上のように、第2の実施形態に係る物体判定装置は、物体までの距離を測定する距離測定装置1が移動可能な場合には、距離測定装置1のグローバル座標系の位置データを算出して、この位置データを用いて物体のグローバル座標系の位置データを算出する。これにより、物体判定装置は、距離測定装置1が移動可能であっても、簡単に物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定することができる。
【0043】
[第3の実施形態]
つぎに、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、上述した実施形態と同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。第3の実施形態では、距離測定装置1が上下方向にレーザ光を照射できる点が、第2の実施形態と異なっている。
【0044】
図11は、第3の実施形態に係る物体判定装置による物体検出状況を示す図である。移動体14上には、距離測定装置稼働部15が設けられている。距離測定装置稼働部15は、所定の軸を中心に距離測定装置1を上下方向に揺動することができる。
【0045】
図12は、移動物体6の上下方向に距離測定装置1によってレーザ光が照射された状態を示す図である。これにより、移動物体6の高さも算出可能になる。この場合、距離データ処理部2は、グローバル座標系の位置データ(x,y,z)を算出する。x座標及びy座標は、第2の実施形態で説明した手法によって算出される。z座標は、距離測定装置1と物体までの相対的な距離と、測定時の距離測定装置1の位置及び地面に対する角度に基づいて容易に算出される。
【0046】
そして、位置データ記憶部3は、距離データ処理部2で算出されたグローバル座標系の位置データ(x,y,z)のうち、x座標及びy座標のみをx−y軸で構成されるグリッド状マップ11に記録する。
【0047】
図13は、グローバル座標系の位置データ(x,y,z)をx−y軸で構成されるグリッド状マップ11に記録した状態を示す図である。以降は、第1及び第2の実施形態と同様に、位置データ集合抽出部4、移動物体判定部5が、それぞれ図3に示すステップS13からステップS16を実行する。
【0048】
以上のように、第3の実施形態に係る物体判定装置は、物体の3次元座標データを生成して物体の高さを検出すると共に、その3次元座標データのうちの2次元座標の位置データを用いることによって、物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定することができる。
【0049】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内で設計上の変更をされたものにも適用可能であるのは勿論である。
【0050】
例えば、第2及び第3の実施形態では、距離データ処理部2が距離測定装置1のグローバル座標系の位置データを算出したが、距離測定装置1自身又は移動体14がそれを算出してもよい。また、物体判定装置は1つの物体に対して複数の位置データを算出したが、少なくとも1つ以上の位置データを算出できればよい。
【0051】
また、第3の実施形態では、距離測定装置1を距離測定装置稼働部15で上下方向に揺動させて物体の3次元データを生成する代わりに、物体の形状と距離を同時に計測できる測定装置を利用して3次元座標データを生成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る物体判定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】物体判定装置による物体検出状況を示す図である。
【図3】物体判定ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】ある時刻における位置データの検出結果を示す図である。
【図5】距離データ処理部で生成された位置データをグリッド状マップに記憶した状態を示す図である。
【図6】所定時間記憶された位置データを示す図である。
【図7】膨張処理後の位置データを示す図である。
【図8】収縮処理後の位置データを示す図である。
【図9】移動物体と静止物体の位置データ集合を示す図である。
【図10】第2の実施形態に係る物体判定装置による物体検出状況を示す図で
【図11】第3の実施形態に係る物体判定装置による物体検出状況を示す図である。
【図12】移動物体の上下方向に距離測定装置によってレーザ光が照射された状態を示す図である。
【図13】グローバル座標系の位置データ(x,y,z)をx−y軸で構成されるグリッド状マップに記録した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1 距離測定装置
2 距離データ処理部
3 位置データ記憶部
4 位置データ集合抽出部
5 移動物体判定部
6 移動物体
7 静止物体
11 グリッド状マップ
14 移動体
15 距離測定装置稼働部
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体判定装置、方法及びプログラムに係り、特に、移動物体であるか静止物体であるかを判定する物体判定装置、方法及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、レーザレーダ等の距離測定装置を用いて、歩行者、自転車等の移動物体を検出技術が提案されている。
【0003】
特許文献1では、降雨や霧などの悪天候下でも歩行者を検出できる横断歩行者検出方法が開示されている。特許文献1に記載された技術は、道路の路側のポールの上部に取り付けられ、横断歩道の長さ方向をスキャンして、3Dデータを生成して、移動体を検出するものである。
【0004】
また、特許文献2では、監視領域の環境が変動する状況下などであっても、移動物体を安定して検出することができる移動物体検出装置及び方法が開示されている。具体的には、特許文献2に記載された技術は、レーザレーダ10の計測結果に基づいて検出領域内におけるレーザレーダ10から背景にある物体までの距離情報を示す背景距離マップを生成し、背景距離マップメモリ22に予め記憶されている背景距離マップの距離情報とレーザレーダ10の計測結果との差から検出領域内の移動物体を検出する。
【特許文献1】特開2002−140790号公報
【特許文献2】特開2005−300259号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかし、特許文献1に記載された技術は、レーザセンサの位置と測定範囲の位置を固定しなければ、移動物体を検出することができない問題がある。また、特許文献2に記載された技術は、移動体を直接検出する前に、背景距離マップを生成する手間がかかってしまう。また、レーザレーダの位置が常に変化する場合には、背景が連続的に変化するので、背景距離マップを使用することできなくなる問題もある。
【0006】
本発明は、上述した課題を解決するために提案されたものであり、前処理を行うことなく、移動物体であるか静止物体であるか判定することができる物体判定装置、方法及びプログラムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る物体判定装置は、物体までの距離を測定して距離情報を生成する距離測定手段と、前記距離測定手段により生成された距離情報に基づいて、前記物体の第1の位置情報を生成する位置情報生成手段と、前記位置情報生成手段により生成された前記第1の位置情報の所定時間の累積値に基づいて、前記物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定する判定手段と、を備えている。
【0008】
距離測定手段は、物体までの距離を示す距離情報を生成する。位置情報生成手段は、物体までの距離情報から物体の位置情報を生成する。この位置情報は、所定時間累積される。ここで、静止物体の位置情報の累積値は同じ位置に累積されるが、移動物体の位置情報の累積値は様々な位置に累積される。よって、位置情報の累積値は、移動物体であるか静止物体であるかの指標となる。
【0009】
したがって、上記物体判定装置は、物体までの距離を測定して距離情報を生成し、生成された距離情報に基づいて物体の第1の位置情報を生成し、第1の位置情報の所定時間の累積値に基づいて物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定することにより、前処理を行うことなく、物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定することができる。
【0010】
なお、本発明は、物体判定方法及びプログラムにも適用可能である。
【発明の効果】
【0011】
本発明に係る物体判定装置は、前処理を行うことなく、物体が移動物体であるか静止物体であるか判定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、本発明の好ましい実施の形態について図面を参照しながら詳細に説明する。
【0013】
[第1の実施形態]
図1は、本発明の第1の実施形態に係る物体判定装置の構成を示すブロック図である。物体判定装置は、物体までの距離を測定して距離データを生成する距離測定装置1と、距離データから位置データを生成する処理を行う距離データ処理部2と、位置データを記憶する位置データ記憶部3と、位置データの集合である位置データ集合を抽出する位置データ集合抽出部4と、位置データ集合の領域面積に基づいて物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定する移動物体判定部5と、を備えている。
【0014】
図2は、物体判定装置による物体検出状況を示す図である。距離測定装置1は、図2に示すように、距離測定範囲をスキャンできるように、ポール8の上端部に取り付けられている。ここでは、距離測定範囲に移動物体6及び静止物体7が存在するものとする。距離測定装置1は、レーザ光を右から左に(又は左から右に)所定角度毎に振りながら扇形にスキャンすることによってレーザ光が照射される範囲内に存在する物体の距離を測定する。
【0015】
以上のように構成された物体判定装置は、物体判定ルーチンに従って所定の処理を実行する。
【0016】
図3は、物体判定ルーチンを示すフローチャートである。
【0017】
ステップS10では、距離測定装置1は、距離測定範囲内に存在する物体の距離を測定し、距離データを生成して、ステップS11に移行する。なお、本実施形態では、距離測定装置1としてレーザセンサを例に挙げて説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、距離測定装置1として、赤外線センサやレーダなどを用いてもよい。
【0018】
ステップS11では、距離データ処理部2は、距離測定装置1で生成された距離データに基づいて、グローバル座標系(絶対座標系)における位置データを生成して、ステップS12に進む。なお、位置データは、距離測定装置1の位置、距離測定装置1から物体までの距離を示す距離データ、物体にレーザが照射されたときのレーザ照射角度から算出される。
【0019】
図4は、ある時刻における位置データの検出結果を示す図である。距離測定装置1がレーザ光をスキャンすることによって、移動物体6、静止物体7のそれぞれについて、複数の距離が測定され、それに対応する複数の位置データが生成される。
【0020】
ステップS12では、位置データ記憶部3は、図5に示すように、距離データ処理部2で生成された位置データをグリッド状マップ11に記憶して、ステップS13に進む。ここで、位置データ記憶部3は、位置データを所定時間記憶する。具体的には、位置データ記憶部3は、時刻tの位置データと、過去(時刻(t−1)、(t−2)、・・・、(t−N))の位置データと、を記憶する。
【0021】
図6は、所定時間記憶された位置データを示す図である。同図に示すように、移動物体6の位置データである移動物体位置データは、移動軌跡に沿って記憶される。静止物体7の位置データである静止物体位置データは、同じ位置に重ねて記憶される。ただし、同図の黒グリッドは現在時刻tの位置データを表し、斜線グリッドは過去の位置データを表す。
【0022】
ステップS13では、位置データ集合抽出部4は、位置データ記憶部3に累積して記憶された位置データから位置データ集合を抽出する。位置データ集合を抽出するために、位置データ集合抽出部4は、グリッド状マップ11に配置された位置データに対して、膨張処理及び伸縮処理を行う。以下では、グリッド状マップ11にデータが記録されているグリッドを「1−グリッド」、データが記録されていないグリッドを「0−グリッド」という。
【0023】
最初に、位置データ集合抽出部4は、1−グリッドを一層太くする膨張処理を行う。位置データ集合抽出部4は、具体的には、注目するグリッドの周辺8近傍のうちの1つでも1−グリッドがあれば、その注目するグリッドを1−グリッドにする。
【0024】
図7は、膨張処理後の位置データを示す図である。なお、斜線グリッドは元の位置データ、黒色グリッドは膨張処理によって記録された位置データである。位置データ集合抽出部4は、このような膨張処理を行うことによって、図6に示すように離散的であった位置データを連続的な位置データに変換する。
【0025】
次に、位置データ集合抽出部4は、1−グリッドを一層細くする収縮処理を行う。位置データ集合抽出部4は、具体的には、注目する1−グリッドに1つでも0−グリッドが隣接している場合は、その注目する1−グリッドを0−グリッドにする。換言すると、周囲がすべて1−グリッドで囲われている1−グリッドのみを抽出する。
【0026】
図8は、収縮処理後の位置データを示す図である。なお、斜線グリッドは図6に示す当初から存在した位置データ(1−グリッド)であり、黒色グリッドは膨張処理により記録された1−グリッドである。位置データ集合抽出部4は、このような収縮処理を行うことによって、グリッド状マップ11上に離散的なノイズがある場合には、そのノイズを除去することができる。
【0027】
なお、膨張処理、収縮処理の回数は1回に限らず、それぞれ複数回であってもよい。そして、位置データ集合抽出部4は、グリッド状マップ11から位置データ集合を抽出して、ステップS14に進む。
【0028】
また、距離測定装置1は、レーザ光を所定角度毎に振りながらスキャンするので、物体までの距離が長くなると、1つの物体に対して得られる距離データの数が少なく、かつ離散的になる。逆に、物体までの距離が短くなると、距離データの数が多く、かつ連続的になる。そこで、膨張処理、収縮処理の回数を距離測定装置1から物体までの距離に応じて変更してもよい。
【0029】
ステップS14では、移動物体判定部5は、位置データ集合抽出部4で抽出された位置データ集合の領域面積を計算し、その領域面積が所定の閾値以上であるか否かを判定する。ここでは、領域面積として、位置データ集合を形成するグリッド数を用いる。
【0030】
図9は、移動物体6と静止物体7の位置データ集合を示す図である。ここでは、膨張・伸縮処理については省略している。同図に示すように、静止物体7の位置データ集合は小さくなっているのに対して、移動物体6の位置データ集合はその移動方向に沿って大きくなっている。すなわち、移動物体6の位置データ集合の領域面積は、静止物体7の位置データ集合の領域面積に比べて、大きくなる。
【0031】
そこで、移動物体判定部5は、閾値を静止物体7の位置データ集合の領域面積に比べて十分大きい値に設定することにより、物体が移動物体6であるか静止物体7であるかを判定することができる。
【0032】
上記では、移動物体判定部5は、位置データ集合抽出部4で抽出された位置データ集合の領域面積を計算し、その領域面積が所定の閾値以上であるか否かで移動物体6と静止物体7を判定しているが、判定方法として位置データ集合の領域面積の時間変化率を利用することにより次のように変更してもよい。
【0033】
静止物体7の位置データ集合の領域面積は、時間変化に関わらず一定である。これに対して、移動物体6の位置データ集合の領域面積は、時間変化に伴い常に変化する。つまり、移動物体6の領域面積の時間変化率は静止物体7の領域面積の時間変化率よりも大きくなる。
【0034】
そこで、閾値を静止物体7の領域面積の時間変化率に比べて十分大きい値に設定することにより、物体が移動物体6であるか静止物体であるかを判定することができる。そして、ステップS14において、肯定判定のときはステップS16に進み、否定判定のときはステップS15に進む。
【0035】
ステップS15では、移動物体判定部5は、物体を静止物体として判定して処理を終了する。ステップS16では、移動物体判定部5は、物体を移動物体として判定して処理を終了する。
【0036】
以上のように、第1の実施形態に係る物体判定装置は、物体までの距離データを位置データに変換し、位置データ集合の領域面積に基づいて、物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定する。したがって、物体判定装置は、予め物体の配置が分からなくても、位置データ集合の領域面積を計算することができるので、物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定することができる。
【0037】
また、物体判定装置は、物体の位置データに対して膨張処理を行うことによって離散的な位置データを連続的な位置データにすることによって、位置データ集合を容易に抽出することができる。また、物体判定装置は、物体の位置データに対して収縮処理を行うことによってノイズの影響を除去することができる。
【0038】
[第2の実施形態]
つぎに、本発明の第2の実施形態について説明する。なお、第1の実施形態と同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。第2の実施形態では、距離測定装置1が移動可能である点、および距離データ処理部2に一部の処理が追加された点が、第1の実施形態と異なっている。
【0039】
図10は、第2の実施形態に係る物体判定装置による物体検出状況を示す図である。本実施形態では、距離測定装置1は、所定の領域全体を移動可能な移動体14に搭載され、領域全体を俯瞰している。したがって、距離測定装置1の位置及び姿勢は時間毎に変化する。また、移動体14は、複数の車輪と各車輪の回転角速度を検出する図示しないエンコーダとを備えている。そして、移動体14は、各車輪の回転角速度を検出して、この情報を距離データ処理部2に供給する。
【0040】
ここで、距離データ処理部2は、距離測定装置1で測定された距離データに基づいて、グローバル座標系の位置データではなく、距離測定装置1の現在位置を中心としたローカル座標系(相対座標系)の位置データを算出する。よって、距離データ処理部2は、ローカル座標系の位置データをグローバル座標系の位置データに変換する必要がある。そのためには、現時刻tのグローバル座標系における移動体14の位置及び姿勢が分かればよい。
【0041】
距離データ処理部2は、移動体14から供給される情報に基づいて、移動体14の車体速度を算出し、車体速度を時間積分することによって移動体14の移動距離及びその位置を算出する。また、距離データ処理部2は、移動体14の進行方向に対して平行な2つの車輪の回転角速度の差に基づいて、移動体14の姿勢を算出する。なお、このような移動体14の位置及び姿勢の算出方法は、公知のオドメトリを用いることができる。そして、距離データ処理部2は、移動体14のグローバル座標系の位置データを用いて、物体のローカル座標系の位置データをグローバル座標系の位置データに変換する。以降は、第1の実施形態と同様に、位置データ記憶部3、位置データ集合抽出部4、移動物体判定部5が、それぞれ図3に示すステップS12からステップS16を実行する。
【0042】
以上のように、第2の実施形態に係る物体判定装置は、物体までの距離を測定する距離測定装置1が移動可能な場合には、距離測定装置1のグローバル座標系の位置データを算出して、この位置データを用いて物体のグローバル座標系の位置データを算出する。これにより、物体判定装置は、距離測定装置1が移動可能であっても、簡単に物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定することができる。
【0043】
[第3の実施形態]
つぎに、本発明の第3の実施形態について説明する。なお、上述した実施形態と同一の部位には同一の符号を付し、重複する説明は省略する。第3の実施形態では、距離測定装置1が上下方向にレーザ光を照射できる点が、第2の実施形態と異なっている。
【0044】
図11は、第3の実施形態に係る物体判定装置による物体検出状況を示す図である。移動体14上には、距離測定装置稼働部15が設けられている。距離測定装置稼働部15は、所定の軸を中心に距離測定装置1を上下方向に揺動することができる。
【0045】
図12は、移動物体6の上下方向に距離測定装置1によってレーザ光が照射された状態を示す図である。これにより、移動物体6の高さも算出可能になる。この場合、距離データ処理部2は、グローバル座標系の位置データ(x,y,z)を算出する。x座標及びy座標は、第2の実施形態で説明した手法によって算出される。z座標は、距離測定装置1と物体までの相対的な距離と、測定時の距離測定装置1の位置及び地面に対する角度に基づいて容易に算出される。
【0046】
そして、位置データ記憶部3は、距離データ処理部2で算出されたグローバル座標系の位置データ(x,y,z)のうち、x座標及びy座標のみをx−y軸で構成されるグリッド状マップ11に記録する。
【0047】
図13は、グローバル座標系の位置データ(x,y,z)をx−y軸で構成されるグリッド状マップ11に記録した状態を示す図である。以降は、第1及び第2の実施形態と同様に、位置データ集合抽出部4、移動物体判定部5が、それぞれ図3に示すステップS13からステップS16を実行する。
【0048】
以上のように、第3の実施形態に係る物体判定装置は、物体の3次元座標データを生成して物体の高さを検出すると共に、その3次元座標データのうちの2次元座標の位置データを用いることによって、物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定することができる。
【0049】
なお、本発明は、上述した実施の形態に限定されるものではなく、特許請求の範囲に記載された範囲内で設計上の変更をされたものにも適用可能であるのは勿論である。
【0050】
例えば、第2及び第3の実施形態では、距離データ処理部2が距離測定装置1のグローバル座標系の位置データを算出したが、距離測定装置1自身又は移動体14がそれを算出してもよい。また、物体判定装置は1つの物体に対して複数の位置データを算出したが、少なくとも1つ以上の位置データを算出できればよい。
【0051】
また、第3の実施形態では、距離測定装置1を距離測定装置稼働部15で上下方向に揺動させて物体の3次元データを生成する代わりに、物体の形状と距離を同時に計測できる測定装置を利用して3次元座標データを生成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0052】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る物体判定装置の構成を示すブロック図である。
【図2】物体判定装置による物体検出状況を示す図である。
【図3】物体判定ルーチンを示すフローチャートである。
【図4】ある時刻における位置データの検出結果を示す図である。
【図5】距離データ処理部で生成された位置データをグリッド状マップに記憶した状態を示す図である。
【図6】所定時間記憶された位置データを示す図である。
【図7】膨張処理後の位置データを示す図である。
【図8】収縮処理後の位置データを示す図である。
【図9】移動物体と静止物体の位置データ集合を示す図である。
【図10】第2の実施形態に係る物体判定装置による物体検出状況を示す図で
【図11】第3の実施形態に係る物体判定装置による物体検出状況を示す図である。
【図12】移動物体の上下方向に距離測定装置によってレーザ光が照射された状態を示す図である。
【図13】グローバル座標系の位置データ(x,y,z)をx−y軸で構成されるグリッド状マップに記録した状態を示す図である。
【符号の説明】
【0053】
1 距離測定装置
2 距離データ処理部
3 位置データ記憶部
4 位置データ集合抽出部
5 移動物体判定部
6 移動物体
7 静止物体
11 グリッド状マップ
14 移動体
15 距離測定装置稼働部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物体までの距離を測定して距離情報を生成する距離測定手段と、
前記距離測定手段により生成された距離情報に基づいて、前記物体の第1の位置情報を生成する位置情報生成手段と、
前記位置情報生成手段により生成された前記第1の位置情報の所定時間の累積値に基づいて、前記物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定する判定手段と、
を備えた物体判定装置。
【請求項2】
前記距離測定手段は、移動可能であり、
前記位置情報生成手段は、前記距離測定手段の絶対位置情報に基づいて前記第1の位置情報を第2の位置情報に変換し、
前記判定手段は、前記位置情報生成手段により変換された前記第2の位置情報の所定時間の累積値に基づいて、前記物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定する
請求項1に記載の物体判定装置。
【請求項3】
前記位置情報生成手段により生成された位置情報を膨張させ、膨張した位置情報であって他の位置情報で囲まれている位置情報のみを抽出して位置情報を収縮する処理を行う位置情報処理手段を更に備え、
前記判定手段は、前記位置情報処理手段により処理された位置情報を用いて前記物体を判定する
請求項1または請求項2に記載の物体判定装置。
【請求項4】
物体までの距離を測定して距離情報を生成し、
前記生成された距離情報に基づいて、前記物体の第1の位置情報を生成し、
前記生成された前記第1の位置情報の所定時間の累積値に基づいて、前記物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定する
物体判定方法。
【請求項5】
物体までの距離を測定して距離情報を生成し、
前記生成された距離情報に基づいて、前記物体の第1の位置情報を生成し、
前記生成された前記第1の位置情報の所定時間の累積値の時間変化率に基づいて、前記物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定する
物体判定方法。
【請求項6】
コンピュータに、
距離測定手段によって生成された物体までの距離を示す距離情報に基づいて、前記物体の第1の位置情報を生成させ、
前記生成された前記第1の位置情報の所定時間の累積値に基づいて、前記物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定させる
物体判定プログラム。
【請求項1】
物体までの距離を測定して距離情報を生成する距離測定手段と、
前記距離測定手段により生成された距離情報に基づいて、前記物体の第1の位置情報を生成する位置情報生成手段と、
前記位置情報生成手段により生成された前記第1の位置情報の所定時間の累積値に基づいて、前記物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定する判定手段と、
を備えた物体判定装置。
【請求項2】
前記距離測定手段は、移動可能であり、
前記位置情報生成手段は、前記距離測定手段の絶対位置情報に基づいて前記第1の位置情報を第2の位置情報に変換し、
前記判定手段は、前記位置情報生成手段により変換された前記第2の位置情報の所定時間の累積値に基づいて、前記物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定する
請求項1に記載の物体判定装置。
【請求項3】
前記位置情報生成手段により生成された位置情報を膨張させ、膨張した位置情報であって他の位置情報で囲まれている位置情報のみを抽出して位置情報を収縮する処理を行う位置情報処理手段を更に備え、
前記判定手段は、前記位置情報処理手段により処理された位置情報を用いて前記物体を判定する
請求項1または請求項2に記載の物体判定装置。
【請求項4】
物体までの距離を測定して距離情報を生成し、
前記生成された距離情報に基づいて、前記物体の第1の位置情報を生成し、
前記生成された前記第1の位置情報の所定時間の累積値に基づいて、前記物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定する
物体判定方法。
【請求項5】
物体までの距離を測定して距離情報を生成し、
前記生成された距離情報に基づいて、前記物体の第1の位置情報を生成し、
前記生成された前記第1の位置情報の所定時間の累積値の時間変化率に基づいて、前記物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定する
物体判定方法。
【請求項6】
コンピュータに、
距離測定手段によって生成された物体までの距離を示す距離情報に基づいて、前記物体の第1の位置情報を生成させ、
前記生成された前記第1の位置情報の所定時間の累積値に基づいて、前記物体が移動物体であるか静止物体であるかを判定させる
物体判定プログラム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【公開番号】特開2007−263725(P2007−263725A)
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−88703(P2006−88703)
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成19年10月11日(2007.10.11)
【国際特許分類】
【出願日】平成18年3月28日(2006.3.28)
【出願人】(000003609)株式会社豊田中央研究所 (4,200)
【Fターム(参考)】
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