説明

物体識別システム及びプログラム

【課題】物体表面に形成される画像に基づくランダム性を利用して識別対象の物体のパターンと照合すべきパターンの数を絞り込む。
【解決手段】それぞれ表面に固有のパターンを有し、表面に画像が形成された複数の物体ごとの撮像画像を取得し、複数の物体ごとに、当該物体について取得された撮像画像における、当該物体に形成された画像に基づく特徴に応じて、当該物体を複数の分類のいずれかに分類し、複数の物体ごとに、当該物体の識別情報と、当該物体の表面が有するパターンを示すパターン画像と、当該物体の分類とを関連付けて登録し、複数の物体のうちの1つの対象物体を撮像した対象物体撮像画像に基づいて、当該対象物体の分類の候補を取得し、取得された分類に関連付けて登録されたパターン画像を取得し、取得されたパターン画像のうち、対象物体撮像画像と照合したパターン画像に関連付けられた識別情報を、対象物体の識別情報として特定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物体識別システム及びプログラムに関する。
【背景技術】
【0002】
物体ごとに表面に現れるパターンが異なることがあり、当該パターンを利用して物体の真贋を判定したり、物体を識別したりする技術がある。例えば、下記の特許文献1では、紙を構成する繊維の絡み具合の違いから紙の表面に固有のパターンが現れることを利用して、紙ごとに取得したパターンをデータベースに記憶し、識別対象の紙から取得したパターンをデータベースに記憶されたパターンと照合して、対象の紙を識別することを行っている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2004−085212号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
本発明の目的の一つは、物体表面に形成される画像に基づくランダム性を利用して識別対象の物体のパターンと照合すべきパターンの数を絞り込むことができる物体識別システム及びプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0005】
上記目的を達成する請求項1に記載の発明は、それぞれ表面に固有のパターンを有し、当該表面に予め定められた画像が形成された複数の物体ごとの撮像画像を取得する取得手段と、前記複数の物体ごとに、当該物体について前記取得手段により取得された撮像画像における、当該物体に形成された前記予め定められた画像に基づく当該物体の特徴に応じて、当該物体を複数の分類のいずれかに分類する分類手段と、前記複数の物体ごとに、当該物体の識別情報と、当該物体の表面が有するパターンを示すパターン画像と、当該物体の分類とを関連付けて登録する登録手段と、前記複数の物体のうちの1つの物体である対象物体を撮像した対象物体撮像画像に基づいて、前記分類手段により当該対象物体の分類の候補を取得する分類取得手段と、前記分類取得手段により取得された分類に関連付けて前記登録手段により登録されたパターン画像を取得するパターン画像取得手段と、前記パターン画像取得手段により取得されたパターン画像のうち、前記対象物体撮像画像と照合したパターン画像に関連付けられた識別情報を、前記対象物体の識別情報として特定する特定手段と、を含むことを特徴とする物体識別システムである。
【0006】
また、請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の物体識別システムにおいて、前記分類手段は、前記複数の物体ごとに、当該物体について前記取得手段により取得された撮像画像における、当該物体の基準位置に対して前記予め定められた画像が形成された位置のずれに応じて、当該物体を前記複数の分類のいずれかに分類することを特徴とする。
【0007】
また、請求項3に記載の発明は、請求項1に記載の物体識別システムにおいて、前記分類手段は、前記複数の物体ごとに、当該物体について前記取得手段により取得された撮像画像における、当該物体に形成された前記予め定められた画像に含まれるノイズのパターンに応じて、当該物体を前記複数の分類のいずれかに分類することを特徴とする。
【0008】
また、請求項4に記載の発明は、請求項1に記載の物体識別システムにおいて、前記分類手段は、前記複数の物体ごとに、当該物体について前記取得手段により取得された撮像画像における、当該物体の基準位置に対して前記予め定められた画像が形成された位置のずれ、及び、当該物体に形成された前記予め定められた画像に含まれるノイズのパターンの組み合わせに応じて、当該物体を前記複数の分類のいずれかに分類することを特徴とする。
【0009】
また、請求項5に記載の発明は、請求項1乃至4のいずれかに記載の物体識別システムにおいて、前記分類取得手段は、前記対象物体の分類の候補を優先順位とともに取得し、前記パターン画像取得手段は、前記分類取得手段により取得された分類ごとに、当該分類に関連付けて前記登録手段により登録されたパターン画像を、当該分類の優先順位に関連付けて取得し、前記特定手段は、優先順位が高いパターン画像の順に前記対象物体撮像画像との照合を行うことを特徴とする。
【0010】
また、請求項6に記載の発明は、画像形成装置と、撮像装置と、物体識別装置と、を含み、前記画像形成装置は、それぞれ表面に固有のパターンを有する物体の表面に予め定められた画像を形成する画像形成手段を含み、前記撮像装置は、前記複数の物体を撮像する撮像手段を含み、前記物体識別装置は、前記撮像装置から前記複数の物体ごとの撮像画像を取得する取得手段と、前記複数の物体ごとに、当該物体について前記取得手段により取得された撮像画像における、当該物体に形成された前記予め定められた画像に基づく当該物体の特徴に応じて、当該物体を複数の分類のいずれかに分類する分類手段と、前記複数の物体ごとに、当該物体の識別情報と、当該物体の表面が有するパターンを示すパターン画像と、当該物体の分類とを関連付けて登録する登録手段と、前記複数の物体のうちの1つの物体である対象物体を撮像した対象物体撮像画像に基づいて、前記分類手段により当該対象物体の分類の候補を取得する分類取得手段と、前記分類取得手段により取得された分類に関連付けて前記登録手段により登録されたパターン画像を取得するパターン画像取得手段と、前記パターン画像取得手段により取得されたパターン画像のうち、前記対象物体撮像画像と照合したパターン画像に関連付けられた識別情報を、前記対象物体の識別情報として特定する特定手段と、を含むことを特徴とする物体識別システムである。
【0011】
また、請求項7に記載の発明は、それぞれ表面に固有のパターンを有し、当該表面に予め定められた画像が形成された複数の物体ごとの撮像画像を取得する取得手段と、前記複数の物体ごとに、当該物体について前記取得手段により取得された撮像画像における、当該物体に形成された前記予め定められた画像に基づく当該物体の特徴に応じて、当該物体を複数の分類のいずれかに分類する分類手段と、前記複数の物体ごとに、当該物体の識別情報と、当該物体の表面が有するパターンを示すパターン画像と、当該物体の分類とを関連付けて登録する登録手段と、前記複数の物体のうちの1つの物体である対象物体を撮像した対象物体撮像画像に基づいて、前記分類手段により当該対象物体の分類の候補を取得する分類取得手段と、前記分類取得手段により取得された分類に関連付けて前記登録手段により登録されたパターン画像を取得するパターン画像取得手段と、前記パターン画像取得手段により取得されたパターン画像のうち、前記対象物体撮像画像と照合したパターン画像に関連付けられた識別情報を、前記対象物体の識別情報として特定する特定手段としてコンピュータを機能させるためのプログラムである。
【発明の効果】
【0012】
請求項1、6及び7に記載の発明によれば、物体表面に形成される画像に基づくランダム性を利用して識別対象の物体のパターンと照合すべきパターンの数を絞り込むことができる。
【0013】
請求項2に記載の発明によれば、物体表面に形成される画像の位置が物体ごとに異なることを利用して識別対象の物体のパターンと照合すべきパターンの数を絞り込むことができる。
【0014】
請求項3に記載の発明によれば、物体表面に形成される画像に含まれるノイズのパターンが物体ごとに異なることを利用して識別対象の物体のパターンと照合すべきパターンの数を絞り込むことができる。
【0015】
請求項4に記載の発明によれば、物体表面に形成される画像の位置のずれと、物体表面に形成される画像に含まれるノイズのパターンとの組み合わせを利用することで、どちらか一方を利用する場合に比べて、識別対象の物体のパターンと照合すべきパターンの数をより少なくすることができる。
【0016】
請求項5に記載の発明によれば、識別対象の物体と照合する可能性の高いパターンの順に照合処理を実行できる。
【図面の簡単な説明】
【0017】
【図1】本実施形態に係る物体識別システムのシステム構成図である。
【図2】物体識別装置の機能ブロック図である。
【図3】撮像画像の一例を示す図である。
【図4】位置ずれベクトルの具体例を説明する図である。
【図5】二値化した印字画像パターンの具体例を説明する図である。
【図6】クラスAによる分類処理の具体例を説明する図である。
【図7】クラスBの分類ごとに予め生成される代表パターンの例を示す図である。
【図8】パターン採取領域の一例を示す図である。
【図9】パターン情報テーブルの一例を示す図である。
【図10】クラスAの分類候補の一例を示す図である。
【図11】登録処理のフローチャートの一例である。
【図12】照合処理のフローチャートの一例である。
【図13】照合処理のフローチャートの一例である。
【図14A】照合処理のフローチャートの一例である。
【図14B】照合処理のフローチャートの一例である。
【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を実施するための実施の形態(以下、実施形態という)を、図面に従って説明する。
【0019】
図1には、本実施形態に係る物体識別システム1のシステム構成図を示した。図1に示されるように、物体識別システム1は、画像形成装置2、撮像装置4、及び物体識別装置10を含み、撮像装置4と物体識別装置10とはデータ通信可能に接続されている。
【0020】
画像形成装置2は、例えば物体の製造ライン5上に設けられ、製造ライン5を流れる物体の表面に予め定められた画像(例えば文字画像等)を形成する。本実施形態では、物体を、その表面に予め定められた文字が印字される円形錠剤とした例について説明する。なお、画像形成装置2は、錠剤の表面に刻印により画像形成してもよいし、食用インクを用いて印刷(グラビア印刷等)してもよい。以下、錠剤の表面に印字される画像を印字画像と称する。
【0021】
撮像装置4は、画像形成装置2により表面に画像形成が行われた物体(錠剤)を撮像する装置であり、画像形成装置2と同様に製造ライン5上に設けられることとしてよい。撮像装置4は、予め定められた解像度(例えば600dpi)により物体を撮像し、撮像した撮像画像を物体識別装置10に出力する。
【0022】
物体識別装置10は、撮像装置4から物体(錠剤)の撮像画像を取得し、取得した撮像画像に基づいて各物体(錠剤)の識別情報と表面パターン情報とを登録するとともに、識別対象の物体(錠剤)の表面パターン情報と、登録された物体(錠剤)の表面パターン情報とを照合して、識別対象の物体(錠剤)の識別情報を特定する処理を行うコンピュータである。以下、物体識別装置10の詳細について説明する。
【0023】
図2には、物体識別装置10の機能ブロック図を示した。図2に示されるように、物体識別装置10は、撮像画像取得部12、個体画像抽出部14、個体情報付与部16、画像特徴抽出部18、分類部20、表面パターン取得部22、個体情報登録部24、対象画像取得部26、分類情報取得部28、比較パターン取得部30、対象パターン取得部32、パターン照合部34、及び照合結果出力部36を備える。
【0024】
物体識別装置10に備えられる上記の各部の機能は、CPU等の制御手段、メモリ等の記憶手段、外部デバイスとデータを送受信する入出力手段等を備えたコンピュータが、コンピュータ読み取り可能な情報記憶媒体に格納されたプログラムを読み込み実行することで実現されるものとしてよい。なお、プログラムは光ディスク、磁気ディスク、磁気テープ、光磁気ディスク、フラッシュメモリ等の情報記憶媒体によってコンピュータたる物体識別装置10に供給されることとしてもよいし、インターネット等のデータ通信網を介して供給されることとしてもよい。
【0025】
撮像画像取得部12は、撮像装置4から物体(錠剤)の撮像画像を取得する。例えば、撮像装置4と物体識別装置10とは、有線又は無線のネットワークを介して接続され、撮像画像取得部12は、当該ネットワークを介して撮像装置4から送信される撮像画像を受信することとしてよい。
【0026】
図3には、撮像画像取得部12により取得される撮像画像の一例を示した。本実施形態に係る錠剤の製造ライン5では、N個の錠剤が搬送方向に対して垂直に並べられていることとし、図3に示される撮像画像には、撮像装置4により撮像されたN個の錠剤の画像が含まれていることとする。もちろん、撮像画像の態様は上記の例に限られるものではなく、錠剤1つ1つを撮像してもよいし、N×M(Mは2以上の整数)の錠剤をまとめて撮像することとしてもよい。
【0027】
個体画像抽出部14は、撮像画像取得部12により取得した撮像画像に含まれる物体(錠剤)の1つ1つに対応する画像領域(個体画像)を抽出する。例えば、個体画像抽出部14は、撮像画像に含まれるエッジを検出し、検出したエッジに基づいて1つの物体(錠剤)に対応する画像領域を抽出することとしてよい。
【0028】
個体情報付与部16は、個体画像抽出部14により抽出した各物体に対応する個体画像に、識別情報(錠剤ID)等の情報を付与する。例えば、個体情報付与部16は、錠剤IDを、製造ラインの識別情報(製造ラインID)、製造ライン上での行(搬送方向と垂直)番号(1〜Nのいずれか)、製造ライン上での列(搬送方向)番号、製造日時の組み合わせにより生成することとしてよい。錠剤IDを上記の態様で生成した場合には、錠剤IDから、製造日、製造ライン、製造ライン上のどの位置で生成されたかが分かる。また、錠剤IDには、錠剤が格納される容器を識別する容器ID等の情報を含めてもよいし、こうした情報を関連付けて記憶しておくこととしてもよい。
【0029】
画像特徴抽出部18は、個体画像抽出部14により抽出された物体ごとの個体画像に含まれる物体表面に形成された印字画像に基づいて、物体ごとの画像特徴を抽出する。以下、本実施形態において用いる画像特徴の例を2つ説明する。
【0030】
第1の画像特徴は、物体(錠剤)と、当該物体(錠剤)に形成される印字画像との位置関係のランダム性に着目し、当該位置関係を画像特徴としたものである。例えば、第1の画像特徴としては、物体(錠剤)の基準位置(例えば、物体の中心位置)に対する、印字画像の重心位置のずれを示す位置ずれベクトルを用いることとしてよい。
【0031】
図4には、位置ずれベクトルの具体例を説明する図を示した。図4に示されるように、画像特徴抽出部18は、個体画像の外接円(又は外接矩形)の中心を物体の基準位置(座標中心(0,0))とする。さらに、画像特徴抽出部18は、個体画像を二値化して、物体に形成された印字画像を抽出するとともに、当該抽出された印字画像の外接矩形の重心位置を特定し、基準位置を始点、重心位置を終点とした位置ずれベクトルを得る。
【0032】
次に、第2の画像特徴について説明する。第2の画像特徴は、物体(錠剤)に形成される印字画像に含まれるノイズのランダム性に着目し、二値化した印字画像のパターンを画像特徴としたものである。
【0033】
図5には、二値化した印字画像パターンの具体例を説明する図を示した。図5に示した印字画像パターンは、例えば個体画像を二値化して得た黒画素群の外接矩形の重心位置を中心とした予め定められたサイズ(横W、縦H)の画像領域を抽出して得たものである。抽出する画像領域のサイズは、印字画像の元データにより形成される理想的な印字画像のサイズに基づいて決定することとしてよい。ここで、物体ごとに抽出される印字画像パターンには物体ごとに固有のノイズが含まれる。
【0034】
分類部20は、画像特徴抽出部18により物体(錠剤)の個体画像ごとに抽出した第1の画像特徴、及び第2の画像特徴の少なくとも一方に基づいて、各物体(錠剤)を複数の分類のいずれかに分類する。以下、分類部20による分類処理の例を説明する。
【0035】
まず、分類部20が、各物体の個体画像から抽出された第1の画像特徴(位置ずれベクトル)に基づいて、当該各物体を分類する例(第1の例)について説明する。以下、第1の画像特徴による分類をクラスAによる分類と称する。
【0036】
図6には、クラスAによる分類処理の具体例を説明する図を示した。図6に示されるように、それぞれの位置ずれベクトルの始点を原点とする座標系において、座標範囲ごとに分類(分類G1〜Gn(nは2以上の整数))を定め、位置ずれベクトルの終点が属する座標範囲に基づいて、位置ずれベクトルが対応する物体を分類することとする。図6に示した例では、座標系を36の座標範囲に分割し、それぞれの座標範囲に分類を対応させている(G1〜G36)。例えば、第1の物体に係る位置ずれベクトルはG15に、第2の物体に係る位置ずれベクトルはG22に分類される。なお、図6に示した例では、各分類の座標範囲の大きさは均等としたが、原点からの距離に従って座標範囲を変えることとしてよく、例えば、原点から遠ざかるに従って座標範囲を大きく設定するようにしてもよい。
【0037】
また、図6に示した例では、位置ずれベクトルの属する座標範囲に基づいて、位置ずれベクトルを分類することとしたが、位置ずれベクトルの長さに基づいて位置ずれベクトルを分類することとしてもよい。具体的には、分類ごとに位置ずれベクトルの長さの範囲を定め、位置ずれベクトルの長さが属する範囲に応じて分類を決定することとしてよい。この際に、位置ずれベクトルの長さには、位置ずれベクトルの始点の画素と終点の画素とのユークリッド距離を用いてもよいし、市街地距離(マンハッタン距離)を用いてもよい。
【0038】
次に、分類部20が、各物体の個体画像から抽出された第2の画像特徴(印字画像パターン)に基づいて、当該各物体を分類する例(第2の例)について説明する。以下、第2の画像特徴による分類をクラスBによる分類と称する。
【0039】
図7には、第2の例において、クラスBの分類g1〜gm(mは2以上の整数)ごとに予め生成される代表パターンの例を示した。まず、分類部20は、印字画像のデータに、1〜mの異なるランダムノイズを重畳して、第1〜第mの異なるパターンを生成し、生成した第1〜第mのパターンを分類g1〜gmの代表パターンとして割り当てる。
【0040】
次に、分類部20は、各物体の個体画像から抽出された印字画像パターンと、分類g1〜gmのそれぞれの代表パターンとの類似度(距離)をそれぞれ算出し、各物体の分類を、その印字画像パターンが最も類似している(すなわち最も距離が小さい)代表パターンの属する分類に決定する。
【0041】
最後に、分類部20が、各物体の個体画像から抽出された第1の画像特徴(位置ずれベクトル)と第2の画像特徴(印字画像パターン)との組み合わせに基づいて、当該各物体を分類する例(第3の例)について説明する。
【0042】
第3の例では、第1の例に基づく分類G1〜Gnと、第2の例に基づく分類g1〜gmとの組み合わせにより、1〜n・m個の分類Gij(i=1,・・・,n、j=1,・・・,m)を生成し、iを上述した第1の例に基づいて決定し、jを上述した第2の例に基づいて決定することとする。
【0043】
表面パターン取得部22は、個体画像抽出部14により抽出した各物体の個体画像から、予め定められた領域(パターン採取領域)の画像情報(表面パターン情報)を取得する。例えば、パターン採取領域は、個体画像における印字画像が形成された画像領域以外の画像領域に設定することとしてよい。
【0044】
図8には、パターン採取領域の一例を示した。図8に示す例では、個体画像において、印字画像の外接矩形の右辺と接する位置に予め定められたサイズ(例えば32ドット×32ドット)の領域をパターン採取領域50に設定したものである。
【0045】
個体情報登録部24は、物体について、個体情報付与部16により付与された識別情報と、分類部20により決定した分類情報と、表面パターン取得部22により取得された表面パターン情報とを関連付けてデータベースに登録する。
【0046】
図9には、個体情報登録部24により登録されたパターン情報テーブルの一例を示した。図9に示されるパターン情報テーブルには、物体識別情報(錠剤ID)、分類情報(クラスAの分類、クラスBの分類)、表面パターン情報が関連付けて記憶される。
【0047】
以上が、物体の製造時に、全物体(錠剤)の情報をデータベースに登録する処理である。次に、例えば製造された物体(錠剤)が流通した後に取得された1つの物体(錠剤)を対象物体として、対象物体の識別情報を特定する処理の詳細について説明する。
【0048】
対象画像取得部26は、対象物体を撮像した撮像画像を取得する。対象画像取得部26は、例えば図示しない撮像装置4から、当該撮像装置4により対象物体を撮像した撮像画像を取得することとしてよい。なお、対象画像取得部26は、取得した対象物体の撮像画像が正立していない(予め定められた方向を向いていない)場合には、撮像画像を回転させて正立させる画像処理を実行することとしてよい。具体的には、撮像画像に含まれる印字画像の向きが予め定められた方向を向くように、撮像画像を回転させることとしてよい。
【0049】
画像特徴抽出部18は、対象画像取得部26により取得した撮像画像に含まれる対象物体の表面に形成された印字画像に基づいて、対象物体の画像特徴を抽出する。画像特徴の抽出処理の詳細については上述した処理と同様であるため説明を省略する。
【0050】
分類情報取得部28は、画像特徴抽出部18により抽出された対象物体の画像特徴に基づいて分類部20により行われる分類の結果に基づいて、対象物体の属する分類の候補を取得する。
【0051】
例えば、画像特徴に第1の画像特徴(位置ずれベクトル)を用いる場合には、対象物体の位置ずれベクトルが属する座標領域を第1候補の分類とし、他の座標領域のうち位置ずれベクトルに近い順に第2候補〜第K候補の分類として取得することとしてよい。候補数Kは予め定められていてもよいし、位置ずれベクトルとの距離が閾値内にある座標領域の数としてもよい。
【0052】
図10には、対象画像の位置ずれベクトルに基づいて取得されるクラスAの分類の一例を示した。図10に示されるように、位置ずれベクトルが分類G11にある場合に、G11が第1候補となり、位置ずれベクトルの境界に近い分類G12が第2候補、次に境界に近い分類G5が第3候補としてよい。
【0053】
また、画像特徴に第2の画像特徴(印字画像パターン)を用いる場合には、印字画像パターンとの代表パターンが類似する順に第1〜第K候補のクラスBの分類を取得することとしてよい。候補数Kは予め定められていてもよいし、代表パターンとの類似度(距離)が閾値内にある代表パターンの数としてもよい。
【0054】
そして、画像特徴に第1の画像特徴(位置ずれベクトル)と第2の画像特徴(印字画像パターン)との組み合わせを用いる場合には、分類Gijのうち、iを第1の画像特徴に基づいて取得し、jを第2の画像特徴に基づいて取得することとしてよい。
【0055】
比較パターン取得部30は、分類情報取得部28により取得された分類に関連付けて個体情報登録部24により登録された表面パターン情報を取得する。なお、分類情報取得部28により第1〜第Kの分類の候補が取得された場合には、第1〜第Kの分類の順に関連付けられた表面パターン情報を取得することとしてよい。
【0056】
対象パターン取得部32は、対象物体の撮像画像から、対象物体の表面パターン情報(以下、対象表面パターン情報)を取得する。例えば、対象パターン取得部32は、対象物体の撮像画像から、予め定められた領域(対象パターン採取領域)の画像情報(表面パターン情報)を取得することとしてよい。なお、対象パターン採取領域は、パターン採取領域を含む画像領域であることとしてよい。また、対象パターン採取領域は、個体画像における印字画像が形成された画像領域以外に設定することとしてよい。
【0057】
パターン照合部34は、対象パターン取得部32により取得された対象表面パターン情報と、比較パターン比較パターン取得部30により取得されたそれぞれの表面パターン情報とを比較し、対象表面パターン情報と照合する表面パターン情報を特定する。具体的には、パターン照合部34は、第i(iの初期値=1)候補の分類について取得された各表面パターン情報と対象表面パターン情報とを比較し、この中で対象表面パターン情報と照合する表面パターン情報がない場合にiをインクリメントして、新たな第i候補の分類について取得された各表面パターン情報と対象表面パターン情報とを比較する処理を、対象表面パターン情報と照合する表面パターン情報が現れるか、照合する表面パターン情報がなくなるまで繰り返し実行する。パターン照合部34は、対象表面パターン情報と照合する表面パターン情報が特定された場合には、当該特定された表面パターン情報に関連付けて登録された識別情報(錠剤ID)をデータベースから取得することとしてよい。
【0058】
照合結果出力部36は、パターン照合部34による照合結果を出力する。照合結果出力部36は、パターン照合部34により対象物体と照合する物体の識別情報が特定された場合にはその識別情報を、対象物体と照合する物体の識別情報が特定されなかった場合にはその旨を、ディスプレイに表示したり、印刷装置により印刷したりすること等により出力することとしてよい。
【0059】
次に、物体識別装置10により行われる処理の流れを、フローチャートを参照しながら説明する。
【0060】
まず、図11に示したフローチャートを参照しながら、登録対象の各物体(錠剤)の表面パターン情報を登録する処理(登録処理)の流れを説明する。
【0061】
図11に示したように、物体識別装置10は、登録識別対象の物体(錠剤)の撮像画像を取得する(S101)。ここで、物体識別装置10は、クラスAの分類を登録しない場合には(S102:N)、S109に進み、クラスAの分類を登録する場合には(S102:Y)、撮像画像に含まれる対象物体の外接形状を抽出するとともに(S103)、抽出した外接形状の中心位置を特定する(S104)。
【0062】
次に、物体識別装置10は、撮像画像を二値化して(S105)、物体に形成された印字画像を特定し(S106)、特定した印字画像の重心位置を算出する(S107)。物体識別装置10は、S104で特定した中心位置とS107で算出した重心位置との位置ずれに基づいて、登録識別対象の物体のクラスAに係る分類を決定する(S108)。
【0063】
次に、物体識別装置10は、クラスBの分類を登録しない場合には(S109:N)、S113に進み、クラスBの分類を登録する場合には(S109:Y)、撮像画像を二値化して特定した印字画像の重心位置を中心として、印字画像のサイズに基づいて予め定められた大きさの画像領域(印字画像パターン)を抽出する(S110)。そして、物体識別装置10は、S110で抽出した画像領域の画像パターンと、予め定められたクラスBに係る各分類の代表パターンとの類似度を算出し(S111)、最も類似している代表パターンに基づいて、登録識別対象の物体のクラスBに係る分類を決定する(S112)。
【0064】
物体識別装置10は、登録識別対象の物体の撮像画像において印字画像が含まれる領域以外の予め定められた位置及び大きさの領域から表面パターン情報を抽出し(S113)、登録識別対象の物体の識別情報と、S107やS109で決定した分類の情報と、S113で抽出した表面パターン情報とを関連付けてデータベースに登録する(S114)。
【0065】
物体識別装置10は、登録識別対象の物体が残っている場合には(S115:N)、S101に戻り、登録識別対象の物体が残っていない場合には(S115:Y)、登録処理を終える。
【0066】
次に、物体識別装置10により行われる照合識別対象の物体(錠剤)を、登録された物体と照合する処理(照合処理)の流れを、図12、図13、図14A及び図14Bに示したフローチャートを参照しながら説明する。
【0067】
図12には、照合処理の第1の例を説明するフローチャートを示した。図12に示したフローチャートは、クラスAの分類を用いて照合処理を行う例について説明したものである。
【0068】
図12に示されるように、物体識別装置10は、照合識別対象の物体(錠剤)の撮像画像を取得する(S201)。物体識別装置10は、撮像画像に含まれる対象物体の外接形状を抽出するとともに(S202)、抽出した外接形状の中心位置を特定する(S203)。
【0069】
次に、物体識別装置10は、撮像画像を二値化して(S204)、物体に形成された印字画像を特定し(S205)、特定した印字画像の重心位置を算出する(S206)。物体識別装置10は、S203で特定した中心位置とS206で算出した重心位置との位置ずれに基づいて、照合識別対象の物体についてクラスAに係る分類の候補(第1〜第N)を決定する(S207)。
【0070】
物体識別装置10は、照合識別対象の物体の撮像画像から、印字画像が含まれる領域以外の予め定められた位置及び大きさの領域から照合に用いる表面パターン情報(対象表面パターン情報)を抽出する(S208)。
【0071】
物体識別装置10は、S207で決定した候補のうち第i(iの初期値=1)の候補に係る分類に関連付けて登録された表面パターン情報をそれぞれ取得し(S209)、取得した表面パターン情報の中に対象表面パターン情報に照合する表面パターン情報があるか否かを判定する(S210)。ここで、照合する表面パターン情報がないと判定された場合であって(S210:N)、iがNに達していないときには(S211:Y)、iをインクリメントして(S212)、S209に戻り、S211でiがNに達しているとき(S211:N)には、照合する物体無しとして(S213)、処理を終了する。一方で、物体識別装置10は、S210で照合する表面パターン情報があると判定された場合には(S210:Y)、当該照合した表面パターン情報に関連付けられた識別情報を、照合識別対象の物体の識別情報に決定して(S214)、処理を終了する。
【0072】
図13には、照合処理の第2の例を説明するフローチャートを示した。図13に示したフローチャートは、クラスBの分類を用いて照合処理を行う例について説明したものである。
【0073】
図13に示されるように、物体識別装置10は、照合識別対象の物体(錠剤)の撮像画像を取得する(S301)。物体識別装置10は、撮像画像を二値化して(S302)、物体に形成された印字画像を特定し(S303)、特定した印字画像の重心位置を算出する(S304)。
【0074】
次に、物体識別装置10は、S304で算出された印字画像の重心位置を中心として、印字画像のサイズに基づいて予め定められた大きさの画像領域(印字画像パターン)を抽出する(S305)。そして、物体識別装置10は、S305で抽出した画像領域の画像パターンと、予め定められたクラスBに係る各分類の代表パターンとの類似度を算出し(S306)、類似している代表パターンの順に基づいて、照合識別対象の物体についてクラスBに係る分類の候補(第1〜第M)を決定する(S307)。
【0075】
物体識別装置10は、照合識別対象の物体の撮像画像から、印字画像が含まれる領域以外の予め定められた位置及び大きさの領域から照合に用いる表面パターン情報(対象表面パターン情報)を抽出する(S308)。
【0076】
物体識別装置10は、S307で決定した候補のうち第i(iの初期値=1)の候補に係る分類に関連付けて登録された表面パターン情報をそれぞれ取得し(S309)、取得した表面パターン情報の中に対象表面パターン情報に照合する表面パターン情報があるか否かを判定する(S310)。ここで、照合する表面パターン情報がないと判定された場合であって(S310:N)、iがMに達していないときには(S311:Y)、iをインクリメントして(S312)、S309に戻り、S311でiがMに達しているとき(S311:N)には、照合する物体無しとして(S313)、処理を終了する。一方で、物体識別装置10は、照合する表面パターン情報があると判定された場合には(S310:Y)、当該照合した表面パターン情報に関連付けられた識別情報を、照合識別対象の物体の識別情報に決定して(S314)、処理を終了する。
【0077】
図14A及び図14Bには、照合処理の第3の例を説明するフローチャートを示した。図14A及び図14Bに示したフローチャートは、クラスA及びクラスBの分類を用いて照合処理を行う例について説明したものである。
【0078】
図14Aに示されるように、物体識別装置10は、照合識別対象の物体(錠剤)の撮像画像を取得する(S401)。物体識別装置10は、撮像画像に含まれる対象物体の外接形状を抽出するとともに(S402)、抽出した外接形状の中心位置を特定する(S403)。
【0079】
次に、物体識別装置10は、撮像画像を二値化して(S404)、物体に形成された印字画像を特定し(S405)、特定した印字画像の重心位置を算出する(S406)。物体識別装置10は、S403で特定した中心位置とS406で算出した重心位置との位置ずれに基づいて、照合識別対象の物体についてクラスAに係る分類の候補(第1〜第N)を決定する(S407)。
【0080】
次に、物体識別装置10は、S406で算出された印字画像の重心位置を中心として、印字画像のサイズに基づいて予め定められた大きさの画像領域(印字画像パターン)を抽出する(S408)。そして、物体識別装置10は、S408で抽出した画像領域の画像パターンと、予め定められたクラスBに係る各分類の代表パターンとの類似度を算出し(S409)、類似している代表パターンの順に基づいて、照合識別対象の物体についてクラスBに係る分類の候補(第1〜第M)を決定する(S410)。
【0081】
物体識別装置10は、照合識別対象の物体の撮像画像から、印字画像が含まれる領域以外の予め定められた位置及び大きさの領域から照合に用いる表面パターン情報(対象表面パターン情報)を抽出する(S411)。
【0082】
次に、図14Bに示されるように、物体識別装置10は、S407で決定した候補のうち第i(iの初期値=1)の候補に係るクラスAの分類Giと、S410で決定した候補のうち第j(jの初期値=1)の候補に係るクラスBの分類gjに関連付けて登録された表面パターン情報をそれぞれ取得し(S412)、取得した表面パターン情報の中に対象表面パターン情報に照合する表面パターン情報があるか否かを判定する(S413)。ここで、照合する表面パターン情報がないと判定された場合であって(S413:N)、jがMに達していないときには(S414:N)、jをインクリメントして(S415)、S412に戻る。
【0083】
物体識別装置10は、S414でiがMに達している場合(S414:Y)であって、iがNに達していないときには(S416:N)、iをインクリメントして(S417)、S412に戻る。また、S416でiがNに達している場合には(S416:Y)、照合する物体無しとして(S418)、処理を終了する。
【0084】
一方で、物体識別装置10は、S413で照合する表面パターン情報があると判定された場合には(S413:Y)、当該照合した表面パターン情報に関連付けられた識別情報を、照合識別対象の物体の識別情報に決定して(S419)、処理を終了する。
【0085】
なお、図14A及び図14Bに示したフローチャートにおいて、クラスAの第i候補に対してクラスBの第1〜M候補を順次組み合わせながら照合する例を示したが、クラスBの第j候補に対してクラスAの第1〜N候補を順次組み合わせながら照合してもよいし、クラスAの第i候補とクラスBの第j候補のi+jの値が小さい順にクラスAの第i候補とクラスBの第j候補とを順次組み合わせながら照合することとしてもよい。
【0086】
以上説明した物体識別システム1では、物体の表面に形成された印字画像に基づく画像特徴を利用して、物体の表面パターン情報と照合するパターンの数を絞り込むことにより、このような絞り込みをしない場合と比べて、照合処理のステップ数が少なくなる。さらに、それぞれ独立の画像特徴に基づくクラスAとクラスBの両方を用いて物体の表面パターン情報と照合するパターンの数を絞り込んだ場合には、どちらか一方を用いる場合と比べて、照合処理のステップ数がより少なくなる。
【0087】
本発明は上記の実施形態に限定されるものではない。例えば、上記の実施形態では、物体に円形錠剤を用いた例を説明したが、表面にランダムパターンと、予め定められた画像が印刷される物体であれば、電子部品等の他の物体に適用することとしてもよいのはもちろんである。
【0088】
また、上記の実施形態において、物体識別装置10が登録処理と照合処理とを実行する例を説明したが、登録処理を実行する登録装置と、照合処理を実行する照合装置をそれぞれ分けて構成してもよい。この場合には、登録装置が、撮像画像取得部12、個体画像抽出部14、個体情報付与部16、画像特徴抽出部18、分類部20、表面パターン取得部22、個体情報登録部24を備え、照合装置が、対象画像取得部26、分類情報取得部28、比較パターン取得部30、対象パターン取得部32、パターン照合部34、及び照合結果出力部36を備えることとしてよい。
【符号の説明】
【0089】
1 物体識別システム、2 画像形成装置、4 撮像装置、5 製造ライン、10 物体識別装置、12 撮像画像取得部、14 個体画像抽出部、16 個体情報付与部、18 画像特徴抽出部、20 分類部、22 表面パターン取得部、24 個体情報登録部、26 対象画像取得部、28 分類情報取得部、30 比較パターン取得部、32 対象パターン取得部、34 パターン照合部、36 照合結果出力部、50 パターン採取領域。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
それぞれ表面に固有のパターンを有し、当該表面に予め定められた画像が形成された複数の物体ごとの撮像画像を取得する取得手段と、
前記複数の物体ごとに、当該物体について前記取得手段により取得された撮像画像における、当該物体に形成された前記予め定められた画像に基づく当該物体の特徴に応じて、当該物体を複数の分類のいずれかに分類する分類手段と、
前記複数の物体ごとに、当該物体の識別情報と、当該物体の表面が有するパターンを示すパターン画像と、当該物体の分類とを関連付けて登録する登録手段と、
前記複数の物体のうちの1つの物体である対象物体を撮像した対象物体撮像画像に基づいて、前記分類手段により当該対象物体の分類の候補を取得する分類取得手段と、
前記分類取得手段により取得された分類に関連付けて前記登録手段により登録されたパターン画像を取得するパターン画像取得手段と、
前記パターン画像取得手段により取得されたパターン画像のうち、前記対象物体撮像画像と照合したパターン画像に関連付けられた識別情報を、前記対象物体の識別情報として特定する特定手段と、を含む
ことを特徴とする物体識別システム。
【請求項2】
前記分類手段は、前記複数の物体ごとに、当該物体について前記取得手段により取得された撮像画像における、当該物体の基準位置に対して前記予め定められた画像が形成された位置のずれに応じて、当該物体を前記複数の分類のいずれかに分類する
ことを特徴とする請求項1に記載の物体識別システム。
【請求項3】
前記分類手段は、前記複数の物体ごとに、当該物体について前記取得手段により取得された撮像画像における、当該物体に形成された前記予め定められた画像に含まれるノイズのパターンに応じて、当該物体を前記複数の分類のいずれかに分類する
ことを特徴とする請求項1に記載の物体識別システム。
【請求項4】
前記分類手段は、前記複数の物体ごとに、当該物体について前記取得手段により取得された撮像画像における、当該物体の基準位置に対して前記予め定められた画像が形成された位置のずれ、及び、当該物体に形成された前記予め定められた画像に含まれるノイズのパターンの組み合わせに応じて、当該物体を前記複数の分類のいずれかに分類する
ことを特徴とする請求項1に記載の物体識別システム。
【請求項5】
前記分類取得手段は、前記対象物体の分類の候補を優先順位とともに取得し、
前記パターン画像取得手段は、前記分類取得手段により取得された分類ごとに、当該分類に関連付けて前記登録手段により登録されたパターン画像を、当該分類の優先順位に関連付けて取得し、
前記特定手段は、優先順位が高いパターン画像の順に前記対象物体撮像画像との照合を行う
ことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の物体識別システム。
【請求項6】
画像形成装置と、撮像装置と、物体識別装置と、を含み、
前記画像形成装置は、それぞれ表面に固有のパターンを有する物体の表面に予め定められた画像を形成する画像形成手段を含み、
前記撮像装置は、
前記複数の物体を撮像する撮像手段を含み、
前記物体識別装置は、
前記撮像装置から前記複数の物体ごとの撮像画像を取得する取得手段と、
前記複数の物体ごとに、当該物体について前記取得手段により取得された撮像画像における、当該物体に形成された前記予め定められた画像に基づく当該物体の特徴に応じて、当該物体を複数の分類のいずれかに分類する分類手段と、
前記複数の物体ごとに、当該物体の識別情報と、当該物体の表面が有するパターンを示すパターン画像と、当該物体の分類とを関連付けて登録する登録手段と、
前記複数の物体のうちの1つの物体である対象物体を撮像した対象物体撮像画像に基づいて、前記分類手段により当該対象物体の分類の候補を取得する分類取得手段と、
前記分類取得手段により取得された分類に関連付けて前記登録手段により登録されたパターン画像を取得するパターン画像取得手段と、
前記パターン画像取得手段により取得されたパターン画像のうち、前記対象物体撮像画像と照合したパターン画像に関連付けられた識別情報を、前記対象物体の識別情報として特定する特定手段と、を含む
ことを特徴とする物体識別システム。
【請求項7】
それぞれ表面に固有のパターンを有し、当該表面に予め定められた画像が形成された複数の物体ごとの撮像画像を取得する取得手段と、
前記複数の物体ごとに、当該物体について前記取得手段により取得された撮像画像における、当該物体に形成された前記予め定められた画像に基づく当該物体の特徴に応じて、当該物体を複数の分類のいずれかに分類する分類手段と、
前記複数の物体ごとに、当該物体の識別情報と、当該物体の表面が有するパターンを示すパターン画像と、当該物体の分類とを関連付けて登録する登録手段と、
前記複数の物体のうちの1つの物体である対象物体を撮像した対象物体撮像画像に基づいて、前記分類手段により当該対象物体の分類の候補を取得する分類取得手段と、
前記分類取得手段により取得された分類に関連付けて前記登録手段により登録されたパターン画像を取得するパターン画像取得手段と、
前記パターン画像取得手段により取得されたパターン画像のうち、前記対象物体撮像画像と照合したパターン画像に関連付けられた識別情報を、前記対象物体の識別情報として特定する特定手段
としてコンピュータを機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図5】
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【図7】
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【図9】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14A】
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【図14B】
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【図3】
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【図4】
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【図6】
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【図8】
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【図10】
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【公開番号】特開2013−25557(P2013−25557A)
【公開日】平成25年2月4日(2013.2.4)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−159678(P2011−159678)
【出願日】平成23年7月21日(2011.7.21)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】