説明

物品供給方法およびその装置

【課題】複数品種の袋体を詰め合わせる。
【解決手段】第1袋体10が所定数連なった第1連包体12と、第1袋体10と異なる品種の物品が包装された第2袋体14が所定数連なった第2連包体16とを夫々形成する。各連包体12,16を、袋体10,14が重なるように折り重ね手段26,28で折り重ねる。折り重ね手段26,28から移送手段30,32で移送された連包体12,16を集合させて、供給コンベヤ34によって横形製袋充填機の充填位置Zへ向けて移送する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、複数品種の袋体を詰め合わせるための物品供給方法およびその装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
菓子やインスタント食品などの物品を小分けにして包装した後に、各袋体を1つの大きな袋などにまとめて詰め合わせることが従来から行われている。例えば特許文献1の如く、搬入コンベヤで搬送されてきた複数の袋体を、ロボットハンドに配設された吸着手段などによって所定個数ずつ取り上げて移送し、包装機の供給コンベヤ上に複数段に積み重ねて載置し、積み重ねられた複数の袋体を包装機で一括包装することがなされている。しかし、供給コンベヤに対して吸着手段などによって袋体を移載する際に、搬送コンベヤに所定個数の袋体が揃っていなかったり、袋体が吸着手段などから外れ落ちてしまうなどが要因で、供給コンベヤに載置された袋体が規定数に合致せず、このまま一括包装されることがある。そこで、一括包装により得られた袋詰品の重さを計測することで、欠品の有無を検査することが行われている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2011−32031号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
例えば1食分の味噌等の主材が包装された袋体と1食分の乾燥具材等の副材が包装された袋体とを複数食分まとめて一括包装するインスタント食品の場合、主材の袋体と副材の袋体の重量差が大きいため、袋詰品の重量を計測して検査を行うと、主材などの累積誤差によるものか、副材の数が規定数に合致しないのか判別することができない。また、検査員によって目視確認することも考えられるが、主材および副材の数をカウントする手間などによって生産性が大きく低下してしまう。
【0005】
すなわち本発明は、従来の技術に内在する前記問題に鑑み、これらを好適に解決するべく提案されたものであって、複数品種の袋体を良好に詰め合わせることができる物品供給方法およびその装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項1に係る発明の物品供給方法は、
物品を包装した袋体を、品種毎に規定された袋体の数に合うよう詰め合わせるために供給する物品供給方法であって、
前記袋体が連なった連包体を前記品種毎に形成し、それらの連包体のうちの少なくとも1つの連包体を、折り重ね手段で袋体同士を折り重ねてから移送手段で移送し、前記品種毎の袋体総数が前記規定された数に合うよう各品種の連包体を集合させ、供給手段によって移送するようにしたことを特徴とする。
請求項1に係る発明によれば、袋体単体ではなく、袋体を連ねて形成した連包体として取り扱うことで、個々の袋体が脱落したり、袋体がばらけたりすること等はなく、複数品種の袋体を集合させ易く、複数品種の袋体の数を品種毎に規定された袋体の数に揃えて移送することができる。また、連包体が脱落等していれば、複数品種の袋体の集合状態が大きく変化することから、目視によって欠品の有無を確認できる。更に、各品種の連包体を集合させた状態で重量を計測して欠品などを検査する際には、連包体単位で重量の変化を計測すればよく、規定された袋体の数に合致していない品種の判別が有利になる。そして、少なくとも1つの連包体を折り重ねるから、袋または箱に充填し易く、袋体が充填された袋または箱の見栄えを良好にできる。
【0007】
請求項2に係る発明では、1つの品種の袋体総数に対して他の品種の袋体総数の和が整数倍になるよう、前記連包体を集合させることを特徴とする。
請求項2に係る発明によれば、例えば食品などで1つの品種の袋体に主材を包装し、他の品種の袋体に副材を包装した各連包体を複数組分詰め合わせる際に、主材と副材との数が1対1の比率で規定されている場合には、副材の種類を連包体単位で変化させることができる。また、1つの主材に対し、副材が複数種類規定されている場合には、複数品種を1組とした詰め合わせを行うことができる。
【0008】
請求項3に係る発明では、前記袋体間の連結箇所で袋体を折り返して折り重ねられた前記連包体の少なくとも1つは、前記供給手段にて各袋体が起立状態で載置されると共に、該供給手段の移送方向に交差して並ぶ連包体の両端に対して該両端の間に位置する連結箇所の少なくとも1つが供給手段における移送する側に突出するよう該連包体を折り曲げて移送することを特徴とする。
請求項3に係る発明によれば、連包体の両端より、その間に位置する連結箇所が移送する側に突出するように連包体を折り曲げて移送するので、各袋体を起立状態に維持することができ、袋体を詰め合わせし易い。
【0009】
請求項4に係る発明では、同一品種の前記連包体を2つ以上集合させて、該品種における規定された袋体数とすることを特徴とする。
請求項4に係る発明によれば、同一品種の連包体が複数からなることで、各品種の連包体を集合させた際などに、夫々の連包体の位置の自由度を高くすることができる。
【0010】
請求項5に係る発明では、前記品種毎の袋体数が前記規定された数に対応するよう各品種の連包体をコンベヤからなる前記供給手段に集合させ、横形製袋充填機の充填位置へ向けて移送することを特徴とする。
請求項5に係る発明によれば、横形製袋充填機で一括包装された袋の重さによって検査を行う場合に、仮に欠品が生じていると連包体単位で重さが変化するので、欠品の有無を判別できる。また、各品種の連包体をコンベヤ上に集合させて、充填位置へ向けて移送する際に、目視などにより欠品等の確認が可能となる。
【0011】
前記課題を克服し、所期の目的を達成するため、本願の請求項6に係る発明の物品供給装置は、
物品を包装した袋体を、品種毎に規定された袋体の数に合うよう詰め合わせるために供給する物品供給装置であって、
前記袋体を連ねて前記品種毎に形成された連包体のうちの少なくとも1つの連包体を、袋体同士が重なるように折り重ねる折り重ね手段と、
該折り重ね手段で折り畳まれた連包体を含む連包体を移送する移送手段と、
該移送手段で移送されて前記品種毎の袋体総数が前記規定された数に合うよう集合させた各品種の連包体を移送する供給手段とを備えたことを特徴とする。
請求項6に係る発明によれば、請求項1に係る発明と同様の作用効果が得られる。
【発明の効果】
【0012】
本発明に係る物品供給方法およびその装置によれば、複数品種の袋体を良好に詰め合わせることができる。
【図面の簡単な説明】
【0013】
【図1】本発明の好適な実施例に係る物品供給装置を示す概略斜視図である。
【図2】図1のA部拡大図である。
【図3】図1のB部拡大図である。
【発明を実施するための形態】
【0014】
次に、本発明に係る物品供給方法およびその装置につき、好適な実施例を挙げて、添付図面を参照して以下に説明する。なお、実施例では、複数品種の袋体を横形製袋充填機によって一括包装する場合を例示する。
【実施例】
【0015】
図1に示すように、実施例に係る物品供給装置は、例えば1食分の乾燥具材等の物品が包装された所定数(実施例では3袋)の第1袋体10からなる第1連包体12と、1食分の味噌等の物品が包装された所定数(実施例では6袋)の第2袋体14からなる第2連包体16とを集合させて、品種毎に規定された袋体10,14の数に合うよう横形製袋充填機における袋への充填位置Zに向けて移送するように構成されている。連包体12,16は、縦形製袋充填機などの装置によって横シール部(図2参照)を介して多数の袋体10,14が連続するよう形成された帯状連包体20から、袋体10,14に封入される物品の品種などに基づき設定される数に応じた袋体10,14が連なるように切り離して形成される。すなわち、連包体12,16は、同じ品種の物品が個々に封入された2袋以上の袋体10,14からなり、同じ品種の袋体10,14の大きさは同じになっている。また、連包体12,16において袋体10,14同士を繋ぐ横シール部には、ミシン目や、切り込みによるフィルムの薄肉化などの脆弱化加工が施された連結箇所18(図2参照)が幅方向に延在するように形成されており、連結箇所18で容易に分離可能になっている。なお、実施例では、味噌等の主材となる物品が包装された第2袋体14は、乾燥具材等の副材が包装された第1袋体10よりも重く、規定された総数の第2袋体14全体として、規定された総数の第1袋体10全体よりも重い。ここで、袋体10,14の品種とは、袋体10,14に封入される物品の品種や、袋体10,14に施された印刷や袋の形などの形態等に基づく品種を指す。
【0016】
図1〜図3に示すように、物品供給装置は、供給部22,24から供給された連包体12,16を折り重ねる折り重ね手段26,28と、この折り重ね手段26,28で折り重ねた連包体12,16を移送する移送手段30,32と、この移送手段30,32で移送された連包体12,16を横形製袋充填機における充填位置Zへ向けて移送する供給コンベヤ(供給手段)34とを有している。供給コンベヤ34は、搬送面が回転可能に支持された複数のローラ35からなり、所定間隔で並んだ押送部材36によってローラ35に載置された連包体12,16を押送するよう構成されている。供給コンベヤ34には、品種に応じて夫々規定された数の第1連包体12と第2連包体16とが載置され、品種毎の袋体総数が規定された数に合うよう各品種の連包体12,16を集合させる。ここで、1つの品種の袋体総数に対して他の品種の袋体総数の和が整数倍になるよう、連包体12,16が集合され、実施例では、第2連包体16(何れか1つの品種の連包体)の数(実施例では2本)に対応して、第1連包体12(他の品種の連包体)の数(実施例では4本)が設定され、第2袋体14の袋体総数(実施例では12袋)に、第1袋体10の袋体総数(実施例では12袋)を対応させている。供給コンベヤ34の下流端側には、横形製袋充填機における製袋手段38が配置され、供給コンベヤ34が、原反ロール40から繰り出されて製袋手段38で筒状に成形された充填位置ZとなるフィルムF内に集合させた規定数の連包体12,14をまとめて供給することで、横形製袋充填機が、複数品種の袋体10,14を一括包装して、複数品種の袋体10,14を詰め合わせた1つのピロー包装体(袋)を形成する。なお、図示しないが実施例のピロー包装体は、フィルムFの繰り出し方向前側(供給コンベヤ34による移送方向前側)に位置する横シール部がガゼット折りされて、このガゼット折りされた側を底面とする縦置き形態とされる。
【0017】
前記供給コンベヤ34の側方には、該供給コンベヤ34の移送方向に離間して複数(6基)の折り重ね手段26,28が並設され(図1参照)、各折り重ね手段26,28に対応して移送手段30,32が1基ずつ配設されている。実施例では、第1連包体12用の折り重ね手段26(以下、第1折り重ね手段という)が供給コンベヤ34の上流側から下流側に向けて4基並べて配設されると共に、第2連包体16用の折り重ね手段28(以下、第2折り重ね手段という)が第1折り重ね手段26の下流側に2基並べて配設されている。そして、1基の第1折り重ね手段26に対応して、1基の供給部22(第1供給部という)が配設される一方、2基の第2折り重ね手段26,26に対応して、1基の供給部24(第2供給部という)が配設されている。
【0018】
前記第1供給部22は、帯状連包体20の連結箇所18を所定数の第1袋体10毎に分離する分離手段23,23を有し(図2参照)、所定数の第1袋体10からなる第1連包体12を形成して、この第1連包体12を負圧等によって吸着保持可能な第1移載手段(図示せず)によって対応の第1折り重ね手段26に供給している。なお、帯状連包体20は、縦形製袋充填機等の装置から直接供給されたり、縦形製袋充填機等の装置で形成されてコイル状に巻かれたり、あるいは折り重ねられた状態から引き出されたりする等、適宜の態様で第1供給部22に供給される。第2供給部24は、ベルトコンベヤからなり、所定数の第2袋体14が連なるように形成された第2連包体16を、ベルト上に複数列(実施例では4列)で並べて供給している。また、第2供給部24は、2基の第2折り重ね手段28,28の間に搬送終端部が配置され、該搬送終端部には、第2連包体16を第2供給部24から両側方の第2折り重ね手段28,28に対して夫々2本ずつ振り分ける第2移載手段44が配設されている(図3参照)。第2移載手段44は、第2供給部24で到来する第2連包体の本数に合わせて4基の振分体45を有し、2基の振分体45,45が、第2供給部24と対応する側の第2折り重ね手段28との間を一体的に移動するよう構成される。各振分体45には、第2袋体14を負圧等によって吸着保持し得る吸着ヘッド45aが、第2袋体14の数に合わせて並設されている。
【0019】
前記第1および第2折り重ね手段26,28は、対応の供給部22,24から移載手段44によって連包体12,16が載置されるベッド46,50と、このベッド46,50に載置された連包体12,16を袋体10,14の並び方向と直交する方向へ押送する押送片48,52と、連包体12,16において外側に位置する袋体10,14を押し上げて内側の袋体10,14上に折り重ねる折り曲げアーム(図示せず)とを備えている。折り重ね手段26,28は、移載手段44によりベッド46,50の受取位置Rに載置された連包体12,16を、折り曲げアームによって折り重ね作業を行う位置(以下、作業位置Sという)で夫々停止するように、押送片48,52によって順次押送するよう構成されている。折り曲げアームは、ベッド46,50の下方に退避した位置からベッド46,50の上方に突き出し、ベッド46,50の上方において連包体12,16の外側から内側に向かう円弧状の軌跡で変位するよう構成され、作業位置Sに到来した連包体12,16における外側の袋体10,14を連結箇所18で折り返して内側の袋体10,14の上に重ねるようになっている。なお、第2ベッド50の引取位置Tには、図示しない昇降装置が配設されており、その昇降装置で先行して折り重ねた第2連包体16を該引取位置Tにおいて上昇させて待機させた後、後続して折り重ねた第2連包体16上に先行の第2連包体16が重ねて載置される。
【0020】
各折り重ね手段26,28に対応して配設された移送手段30,32は、折り重ねられた連包体12,16を保持可能なロボットハンド31,33を有するロボットが用いられている。ロボットハンド31,33は、ベッド46,50の引取位置Tと供給コンベヤ34における載置位置との間を移動するよう構成される。移送手段30,32は、ロボットハンド31,33によって折り重ね状態を保ったまま連包体12,16を保持して、引取位置Tから供給コンベヤ34において載置位置となる押送部材36,36の間に連包体12,16を載置し得るように、供給コンベヤ34とタイミングを合わせて動作制御される。供給コンベヤ34の載置位置には、4基の第1折り重ね手段26の夫々から第1移送手段30によって夫々の第1連包体12の第1袋体10が折り重なった状態を維持するように第1連包体12が1本ずつ移送されて、4本の第1連包体12が移送方向に直交する幅方向に2列に並ぶと共に2段に積み重ねた状態で載置される。また、供給コンベヤ34には、第2ベッド50の引取位置Tにおいて2段に重ねられた2本の第2連包体16が第2折り重ね手段28に対応する第2移送手段32によって一括して移送される。ここで、第2移送手段32は、前記載置位置での第2連包体16の姿勢および向きを変更できるように構成されると共に、ロボットハンド33で保持した第2連包体16を外側から縮めるように挟持して、第2連包体16を折り曲げ可能になっている。
【0021】
次に、実施例に係る物品供給装置を用いた物品供給方法について説明する。第1供給部22において帯状連包体20から3袋の第1袋体10が連なるように切り離されて形成された第1連包体12を、第1供給部22から第1移載手段によって第1ベッド46の受取位置Rに第1袋体10を一列に伸ばして寝かせた姿勢で載置する。第1連包体12を、第1押送片48によって受取位置Rから第1の作業位置Sに押送する。第1の作業位置Sにおいて外側に位置する第1袋体10の一方を、第1ベッド46の下方から突出した折り曲げアームで押し上げることで連結箇所18で折り返して、当該外側の第1袋体10を中央に位置する第1袋体10の上に載置する。第1連包体12を、第1押送片48によって第1の作業位置Sから第2の作業位置Sに押送し、第2の作業位置Sにおいて外側に位置する第1袋体10の他方を、折り曲げアームで押し上げることで連結箇所18で折り返して、当該外側の第1袋体10を先に重ねられた2段の第1袋体10の上に載置する。このように、3袋の第1袋体10が上下3段に重なるように第1連包体12を折り重ねた後に、第1連包体12を第1押送片48によって引取位置Tに押送する。この際、4基の第1折り重ね手段26の夫々において、第1連包体12が並行して折り重ねられている。
【0022】
そして、最上流に位置する第1折り重ね手段26から対応の第1移送手段30によって、供給コンベヤ34において該第1折り重ね手段26より遠い側(奥側)に第1連包体12を載置し、上流から2番目に位置する第1折り重ね手段26から対応の第1移送手段30によって、先に供給コンベヤ34に載置された第1連包体12の手前側に第1連包体12を載置する。また、上流から3番目に位置する第1折り重ね手段26から対応の第1移送手段30によって、供給コンベヤ34において奥側に載置された第1連包体12上に第1連包体12を載置し、最下流に位置する第1折り重ね手段26から対応の第1移送手段30によって、供給コンベヤ34において手前側に載置された第1連包体12上に第1連包体12を載置する。このように、第1移送手段30によって供給コンベヤ34のタイミングを合わせて所要位置の押送部材36,36間に第1連包体12を順次載置することで、4本の第1連包体12が押送部材36,36間において2列2段の状態で集合される。
【0023】
前記第2供給部24の搬送終端部に到来した4本の第2連包体16を、第2移載手段44によって両側の第2折り重ね手段28における第2ベッド50の受取位置Rに2本ずつ振り分けて載置する。第2ベッド50の受取位置Rにおいて第2袋体14を一列に伸ばして寝かせた姿勢で並べて載置された2本の第2連包体16,16を、第2押送片52によって夫々押送する。第1の作業位置Sに到来した先行の第2連包体16について、外側に位置する第2袋体14の両方を、第2ベッド50の下方から突出する折り曲げアームで押し上げることで連結箇所18で折り返して、当該外側の第2袋体14を内側に位置する第2袋体14の上に載置する。第2連包体16を、第2押送片52によって第1の作業位置Sから第2の作業位置Sに押送し、第2の作業位置Sにおいて2段に重なった外側に位置する第2袋体14の両方を、折り曲げアームで押し上げることで連結箇所18で折り返して、当該外側の第2袋体14を内側に位置する第2袋体14の上に載置する。このように、第2袋体14が2列に並んで上下3段に重なるように第2連包体16を折り重ねた後に、第2連包体16を第2押送片52によって引取位置Tに押送する。ここで、後続の第2連包体16は、先行の第2連包体16が第2の作業位置Sで折り重ねられているときに第1の作業位置Sで折り重ねられ、先行の第2連包体16が引取位置Tにあるときに第2の作業位置Sで折り重ねられる。引取位置Tにおいて先行の第2連包体16を、昇降装置によって持ち上げて上方で待機させ、第2押送片52によって引取位置Tに押送されてきた後続の第2連包体16の上に、第2連包体16を昇降装置によって載置して、引取位置Tにおいて2本の第2連包体16,16が上下に重ねられる。なお、2基の第2折り重ね手段28,28の夫々において、第2連包体16が並行して折り重ねられている。
【0024】
前記引取位置Tにおいてまとめられた2本の第2連包体16,16を、第2移送手段32によって一緒に取り上げて、水平軸回りに90°回転して姿勢を変えると共に、第2袋体14が2列で並ぶように折り重ねられた2本の第2連包体16,16を、中央部に位置する連結箇所18で折り曲げる。そして、供給コンベヤ34において先に載置された4本の第1連包体12が到来するタイミングに合わせて、2本の第2連包体16,16を4本の第1連包体12に対する移送方向前側に載置する。2本の連包体16,16は、供給コンベヤ34にて各袋体14が起立状態で載置されると共に、供給コンベヤ34の移送方向に交差して並ぶ第2連包体16の両端に対して該両端の間に位置する連結箇所18が供給コンベヤ34における移送する側に突出するように折り曲げて移送される。すなわち、2本の連包体16,16は、幅方向中央部の連結箇所18が移送方向前側に突出するように折れ曲がると共に連結箇所18が上下に延在する立てた姿勢となっている。品種毎の袋体数が規定された数に対応するように供給コンベヤ34上に集合させた複数の連包体12,16を、原反ロール40から繰り出されて製袋手段38で筒状に成形されたフィルムF内に供給コンベヤ34からまとめて供給することで、2つの品種の袋体10,14を一括包装して、1つのピロー包装体に詰め合わせる。
【0025】
このように、複数品種の袋体10,14を一括包装する際に、袋体10,14単体ではなく、袋体10,14を連ねて形成した連包体12,14として取り扱うことで、連包体12,16の移送や折り重ねなどにおいて、個々の袋体10,14が脱落したり、袋体10,14がばらけたりすること等はなく、複数品種の袋体10,14を集合させ易く、複数品種の袋体10,14の数を品種毎に規定された袋体10,14の数に揃えて横形製袋充填機における充填位置Zへ向けて移送することができる。また、連包体12,16が脱落等していれば、複数品種の袋体10,14の集合状態が大きく変化することから、目視によって欠品の有無を確認できる。更に、各品種の連包体12,16を集合させた状態で重量を計測して欠品などを検査する際には、連包体12,16単位で重量の変化を計測すればよく、規定された袋体10,14の数に合致していない品種の判別が有利になる。そして、各連包体12,16は、折り曲げた状態でまとめられるから、充填位置ZにおいてフィルムF内に充填し易く、複数の袋体10,16が充填されたピロー包装体の見栄えを良好にできる。同一品種の連包体12,16を2つ以上集合させて、該品種における規定された袋体数としているので、各品種の連包体12,16を集合させた際などに、夫々の連包体12,16の位置の自由度を高くすることができる。これにより、充填位置Zで一括包装する際に、袋の形態などに合わせて連包体12,16を適切に詰め合わせることができ、得られたピロー包装体の見栄えを向上し得る。そして、複数品種の袋体10,14を集合させて供給するので、リパックし易くなるなど生産性が良好になる。
【0026】
1つの品種の袋体総数に対して他の品種の袋体総数の和が整数倍になるよう、連包体12,16を集合させるから、実施例のように、1つの品種の袋体14に主材を包装し、他の品種の袋体10に副材を包装した各連包体12,16を複数組分詰め合わせる際に、主材と副材との数が1対1の比率で規定されている場合には、副材の種類を連包体12単位で変化させることができる。また、1つの主材に対し、副材が複数種類規定されている場合には、複数品種を1組とした詰め合わせを行うことができる。また、複数品種の袋体10,12を袋体数の対応した連包体12,16の本数によって揃えているから、複数品種の袋体10,12が揃っているか否かをより容易に判別することができる。
【0027】
横形製袋充填機で一括包装されたピロー包装体の重さによって検査を行う場合に、仮に欠品が生じていると連包体12,16単位で重さが変化するので、袋体10,14における物品の重量の累積誤差によるものか、あるいは第1袋体10または第2袋体14の数が規定数に合致していないのか判別することができ、欠品の有無を良好に確認し得る。また、各品種の連包体12,16をコンベヤ上に集合させて、充填位置Zへ向けて移送する際に、目視やカメラ等の撮像手段などにより欠品等の確認が可能となる。
【0028】
前記供給コンベヤ34において、第2連包体16は、その両端より幅方向中央部が移送する側に突出するように折り曲げられいるので、各第2袋体14を起立状態に維持することができ、横形製袋充填機における充填位置Zで一括包装し易い。供給コンベヤ34において集合された複数の連包体12,16の中で移送方向前側に配置された第2連包体16が、移送方向前側に向かうつれて先窄まりになっているので、横形製袋充填機において筒状のフィルムF内に供給する際に、複数の連包体12,16がフィルムFに引っ掛かり難く、複数品種の袋体10,14を安定して一括包装することができる。ここで、供給コンベヤ34において集合させた複数の連包体12,16の中で第1袋体10からなる第1連包体12と比べて重い第2袋体14からなる第2連包体16が、ピロー包装体において底側になる移送方向前側に配置されているので、得られたピロー包装体は底側に重心が位置するから縦置き姿勢で安定する。
【0029】
(変更例)
本発明は実施例の構成に限定されるものではなく、例えば、以下のようにも変更実施可能である。なお、以下の変更例に限らず、実施例に記載した構成については、本発明の主旨の範囲内において種々の実施形態を採用し得る。
(1)複数品種の袋体10,14を、箱詰め機における箱の充填位置へ向けて供給し、箱詰め機によって複数品種の袋体10,14を箱詰めしてもよい。また、品種毎に規定された袋体の数に合うよう集合させた連包体を、袋や箱に手作業で詰め合わせてもよい。
(2)包装機における充填位置Zへ向けて連包体12,16を移送する供給手段は、ベルトなどからなるコンベヤに限られず、ベッドの上に集合させた連包体12,16をプッシャで押して移送するなどの方式を採用し得る。
(3)連包体12,16を集合させる順序および配置は、同じ品種の連包体12,16をまとめたり、異なる品種の連包体12,16を交互にする等、適宜選択可能である。
(4)連包体12,16を集合させる際の姿勢は、全部または一部の連包体12,16が上下に袋体10,14が重なっていても、全部または一部の連包体12,16が供給手段の幅方向または移送方向に袋体10,14が重なっていてもよい。
(5)袋体の品種は、3品種以上であってもよい。例えば、4基の折り重ね手段から夫々異なる具材が包装された袋体からなる連包体を供給したり、2つの折り重ね手段から夫々異なる味噌が包装された袋体からなる連包体を供給してもよい。
(6)何れか1つの品種の袋体の総数に対して、他の品種の袋体の総数の和が2倍以上の整数倍であってもよい。例えば、3以上の品種を組み合わせる場合は、1つの品種の袋体の総数に対して設定される夫々の他の品種の袋体の数は、同じでも揃っていなくてもよい。ある品種の袋体の総数が10袋に規定される場合、他の2品種の袋体を5袋ずつとすることで袋体の総数を合わせたり、他の2品種の袋体を10ずつとすることで、3つの品種の袋体の組としてもよい。
(7)1つの品種を、複数の連包体に分けて形成してもよい。
(8)連包体を構成する袋体の数は、2袋であっても、3袋以上であってもよい。
(9)ロボットハンドに配設された吸着等の保持手段を用いて、夫々の連包体12,16の袋体10,14を折り重ねる等の方式で、折り重ね手段を構成してもよい。
(10)押送部材36を挟んで供給コンベヤ34における移送方向前後に、連包体12,16を分けて載置した状態で充填位置Zへ移送し、一括包装してもよい。
(11)ベルトなどからなるコンベヤで、夫々の連包体12,16を載置位置に集合させる移送手段を構成してもよい。
(12)連包体12,16は、袋体10,14の全てを折り重ねても、袋体10,14の一部だけを折り重ねてもよい。
(13)複数の連包体のうちの1本の連包体だけを折り重ね手段で折り重ねる等、全部ではなく一部の連包体の袋体を折り重ねてもよい。
(14)供給手段において各袋体が起立姿勢で載置される連包体は、その両端の間に位置する連結箇所の2つ以上が供給手段における移送する側に突出するよう折り曲げて移送してもよい。
【符号の説明】
【0030】
10 第1袋体(袋体),12 第1連包体(連包体),14 第2袋体(袋体),
16 第2連包体(連包体),26 第1折り重ね手段(折り重ね手段),
28 第2折り重ね手段(折り重ね手段),30 第1移送手段(移送手段),
32 第2移送手段(移送手段),34 供給コンベヤ(供給手段))

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を包装した袋体(10,14)を、品種毎に規定された袋体(10,14)の数に合うよう詰め合わせるために供給する物品供給方法であって、
前記袋体(10,14)が連なった連包体(12,16)を前記品種毎に形成し、それらの連包体(12,16)のうちの少なくとも1つの連包体(12,16)を、折り重ね手段(26,28)で袋体(10,14)同士を折り重ねてから移送手段(30,32)で移送し、前記品種毎の袋体総数が前記規定された数に合うよう各品種の連包体(12,16)を集合させ、供給手段(34)によって移送するようにした
ことを特徴とする物品供給方法。
【請求項2】
1つの品種の袋体総数に対して他の品種の袋体総数の和が整数倍になるよう、前記連包体(12,16)を集合させることを特徴とする請求項1記載の物品供給方法。
【請求項3】
前記袋体(14,14)間の連結箇所(18)で袋体(14)を折り返して折り重ねられた前記連包体(16)の少なくとも1つは、前記供給手段(34)にて各袋体(14)が起立状態で載置されると共に、該供給手段(34)の移送方向に交差して並ぶ連包体(16)の両端に対して該両端の間に位置する連結箇所(18)の少なくとも1つが供給手段(34)における移送する側に突出するよう該連包体(16)を折り曲げて移送することを特徴とする請求項1または2記載の物品供給方法。
【請求項4】
同一品種の前記連包体(12,16)を2つ以上集合させて、該品種における規定された袋体数とすることを特徴とする請求項1〜3の何れか一項に記載の物品供給方法。
【請求項5】
前記品種毎の袋体数が前記規定された数に対応するよう各品種の連包体(12,16)をコンベヤからなる前記供給手段(34)に集合させ、横形製袋充填機の充填位置(Z)へ向けて移送することを特徴とする請求項1〜4の何れか一項に記載の物品供給方法。
【請求項6】
物品を包装した袋体(10,14)を、品種毎に規定された袋体(10,14)の数に合うよう詰め合わせるために供給する物品供給装置であって、
前記袋体(10,14)を連ねて前記品種毎に形成された連包体(12,16)のうちの少なくとも1つの連包体(12,16)を、袋体(10,14)同士が重なるように折り重ねる折り重ね手段(26,28)と、
該折り重ね手段(26,28)で折り畳まれた連包体(12,16)を含む連包体(12,16)を移送する移送手段(30,32)と、
該移送手段(30,32)で移送されて前記品種毎の袋体総数が前記規定された数に合うよう集合させた各品種の連包体(12,16)を移送する供給手段(34)とを備えた
ことを特徴とする物品供給装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【公開番号】特開2013−103769(P2013−103769A)
【公開日】平成25年5月30日(2013.5.30)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−246390(P2011−246390)
【出願日】平成23年11月10日(2011.11.10)
【出願人】(000136387)株式会社フジキカイ (129)
【Fターム(参考)】