物品保管装置
【課題】収納部に未収納の物品がある場合であっても、終了処理を実行することが可能な物品保管装置を提供すること。
【解決手段】鍵管理ユニットに収納部に全ての鍵が返却済みである場合には(ステップS32でYES)、制御部は、鍵管理ユニットに対し施錠指示を送信する(ステップS37)。ログインしている利用者(の権限)が行員であるときは(ステップS36でNO)、重要度が「高」または「中」の鍵が全て返却済みであり、かつ重要度が「低」の鍵が未返却のときは(ステップS38でYES)、制御部は、鍵管理ユニット21に対し、施錠指示を送信する。これに対し、重要度が「高」または「中」の鍵が未返却のときは(ステップS38でNO)、制御部は、鍵管理ユニットに対して施錠指示を送信しない。
【解決手段】鍵管理ユニットに収納部に全ての鍵が返却済みである場合には(ステップS32でYES)、制御部は、鍵管理ユニットに対し施錠指示を送信する(ステップS37)。ログインしている利用者(の権限)が行員であるときは(ステップS36でNO)、重要度が「高」または「中」の鍵が全て返却済みであり、かつ重要度が「低」の鍵が未返却のときは(ステップS38でYES)、制御部は、鍵管理ユニット21に対し、施錠指示を送信する。これに対し、重要度が「高」または「中」の鍵が未返却のときは(ステップS38でNO)、制御部は、鍵管理ユニットに対して施錠指示を送信しない。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、物品を保管する物品保管装置、とくに鍵を収納する鍵収納ユニットを備える物品保管装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、金融機関等のオフィスに設置され、複数の従業員によって共用される書類や電子機器等(以下、「物品」とする)を保管するための物品保管装置が知られている。物品保管装置は、物品を収納するための収納部を有した収納ユニットと、各収納部の施解錠操作を行うための操作制御ユニットとを備えている。この収納ユニットとして、たとえば、鍵を収納するための鍵ホルダを多数有する収納部を備える鍵管理ユニットが用いられることがある。
【0003】
鍵管理ユニットの各収納部には、扉が開閉可能に設けられている。通常の運用では、扉は閉じられ、かつ施錠されている。鍵を持ち出し/返却する場合、オペレータは、操作制御ユニットを操作して鍵管理ユニットの扉を解錠するとともに、その扉を手で開け、鍵ホルダから鍵を持ち出し/返却する。そして、オペレータは、鍵の取出し/返却後にその扉を手で閉めるとともに、操作制御ユニットを操作して扉を施錠する。
【0004】
物品保管装置では、鍵管理ユニットに関し、前述のような通常の運用に加えて、扉を常時開状態とする鍵管理ユニット扉開放運用が用意されている場合がある。鍵管理ユニット扉開放運用では、たとえば営業開始時に管理者により扉が解錠された後は、扉は開状態にされる。そして、扉はたとえば営業終了時まで開状態のまま維持され、営業終了時になると、扉が閉じられるとともに扉が施錠される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−156845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
鍵管理ユニット扉開放運用中における鍵管理ユニットの扉の施錠処理は、管理者の権限を有する利用者(以下、単に「管理者」という場合もある)にのみ許容されている。また、鍵管理ユニットに全ての鍵が返却されている場合は、管理者であるか否かによらずに、扉への施錠が許容されている。したがって、鍵管理ユニットに全ての鍵が返却されている場合には、管理者の権限を有さない利用者であっても扉を施錠できるが、鍵管理ユニットに未返却の鍵がある場合には、管理者によらなければ扉を施錠できない。
【0007】
しかしながら、管理者がオフィス内に不在である場合なども想定され、未返却の鍵がある場合の全てにおいて、管理者の操作を要求するのは不便である。また、鍵管理ユニットに収納される鍵の中には重要度の低い鍵(たとえば事務用品ロッカーの鍵等)も含まれている。したがって、鍵管理ユニットに未返却の鍵があっても、その鍵が重要度の低い鍵である場合は、管理者によらずに扉の施錠を行えることが望まれている。
【0008】
そこで、この発明の目的は、収納部に未収納の物品がある場合であっても、終了処理を実行することが可能な物品保管装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、予め定める複数の物品を収納するための収納部(B1〜B12)と、前記収納部に収納される各物品の重要度を設定する設定手段(105)と、前記収納部内における未収納の物品の重要度に基づいて、所定の終了処理の実行を許容または禁止する許可/禁止手段(105)とを含む、物品保管装置(1)である。
なお、括弧内の数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、特許請求の範囲を実施形態に限定する趣旨ではない。以下、この項において同じ。
【0010】
この構成によれば、収納部に未収納(未返却)の物品がある場合には、当該物品の重要度に基づいて、終了処理の実行が許容または禁止される。すなわち、収納部に未収納の物品がある場合であっても、物品の重要度いかんによっては、終了処理が許可される場合がある。したがって、収納部に未収納の物品がある場合であっても、終了処理を実行することが可能である。
【0011】
請求項2記載の発明は、利用者の権限を設定する手段(105)をさらに含み、前記許可/禁止手段は、前記終了処理を実行可能な利用者を、利用者の権限、ならびに前記収納部内における未収納の物品の重要度に基づいて、前記終了処理の実行を許可または禁止する、請求項1記載の物品保管装置である。
この構成によれば、収納部に未収納の物品がある場合には、利用者の権限および当該物品の重要度に基づいて、終了処理の実行が許容または禁止される。すなわち、収納部に未収納の物品がある場合であっても、物品の重要度および/または利用者の権限いかんによっては、終了処理が許可される場合がある。したがって、収納部に未収納の物品がある場合であっても、終了処理を実行することが可能である。
【0012】
請求項3に記載のように、前記許可/禁止手段は、前記利用者のうち特定の利用者に対しては、本人以外の1または複数の利用者の認証を許可条件として含むものであってもよい。
この発明の一実施形態にかかる物品保管装置では、請求項4に記載されているように、前記収納部は、施解錠可能な扉(215)を備えており、前記終了処理は、前記扉の施錠処理であってもよい。この場合、収納部に未収納の物品がある場合には、当該物品の重要度に基づいて、扉の施錠が許容または禁止されるので、収納部に未収納の物品がある場合であっても、扉を施錠することが可能である。
【0013】
そして、この場合、請求項5に記載のように、未収納の物品がある前記収納部の前記扉が施錠されたことに基づいてその旨を報知する報知手段(105,102)を備えていてもよい。この場合、予め定める利用者が扉を施錠した旨が報知される。そして、予め定める利用者がたとえば比較的低い権限を有する利用者である場合には、未収納の物品があり、かつかかる利用者により扉が施錠された旨を、たとえば比較的高い権限を有する利用者に対して報知することができる。
【0014】
かかる報知は、前記物品保管装置のシャットダウン処理に関連して実行されるものであってもよい。未収納の物品がある旨を、シャットダウン処理に関連して、報知先に認識させることができる。
また、この発明の別の実施形態にかかる物品保管装置では、請求項6に記載のように、前記終了処理は、前記物品保管装置のシャットダウン処理を含むものであってもよい。この場合、収納部に未収納の物品がある場合には、当該物品の重要度に基づいて、物品保管装置のシャットダウン処理が許容または禁止されるので、収納部に未収納の物品がある場合であっても、物品保管装置をシャットダウンさせることが可能である。
【0015】
さらにまた、請求項7に記載のように、前記物品は鍵であり、また、前記収納部は、複数の前記鍵を保持可能な鍵ホルダ(A1〜A30)を有するものであってもよい。この場合、収納部に未返却の鍵がある場合には、当該鍵の重要度に基づいて、終了処理の実行が許容または禁止される。したがって、収納部に未返却の鍵がある場合であっても、終了処理を実行することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態にかかる物品保管装置の外観正面図である。
【図2】図1に示す鍵管理ユニットの外観斜視図である。
【図3】図1に示す物品保管装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示す利用者管理テーブルの一例を示す図である。
【図5】図3に示す鍵管理テーブルの一例を示す図である。
【図6】図3に示す鍵重要度−利用者権限対応テーブルの一例を示す図である。
【図7】図1に示す鍵管理ユニットの電気的構成を示すブロック図である。
【図8】図1に示す通帳管理ユニットの電気的構成を示すブロック図である。
【図9】図1に示す物品保管装置が実行する処理手順を示すフローチャートである
【図10】鍵持出処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】タッチパネルLCDに表示される鍵持出/鍵返却選択画面の一例を示す図である。
【図12】タッチパネルLCDに表示される鍵位置案内画面の一例を示す図である。鍵位置案内画面の一例を示す図である。
【図13】タッチパネルLCDに表示される鍵持出処理完了画面の一例を示す図である。
【図14】鍵管理ユニット扉開放運用中における扉閉じ処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】タッチパネルLCDに表示される鍵持出/扉閉じ選択画面の一例を示す図である。
【図16】図3に示す鍵重要度−利用者権限対応テーブルの他の例を示す図である。
【図17】タッチパネルLCDに表示される二者認証要求画面の一例を示す図である。
【図18】タッチパネルLCDに表示される非管理者施錠確認画面の一例を示す図である。
【図19】本発明の他の実施形態にかかる物品保管装置のシャットダウン処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる物品保管装置1の外観正面図である。物品保管装置1は、操作制御ユニット10と、鍵管理ユニット21と、通帳管理ユニット22と、一般ユニット23,24とを備え、たとえば銀行等の金融機関のオフィスに設置されている。このように、物品保管装置1は、ユニット10,21〜24を複数組み合わせて構成されており、各ユニット21〜24では、保管対象の物品の種類(性質)に応じた物品管理が行われている。
【0018】
一般ユニット23,24は、物品を収納する収納部B3〜B9と、各収納部B3〜B9の扉を施解錠する施解錠部とを有する収納ユニットである。具体的には、一般ユニット23は、4つの収納部B3〜B6と、各収納部B3〜B6の扉を施解錠する4つの施解錠部とを備え、ファイルや束通帳等の物品を保管する重要物管理ユニットである。また、一般ユニット24は、3つの収納部B7〜B9と、各収納部B7〜B9の扉を施解錠する3つの施解錠部とを備え、融資書類等のとくに重要な物品を保管する耐火ユニットである。
【0019】
一方、鍵管理ユニット21および通帳管理ユニット22は、物品を収納するための収納部B1,B2,B10〜B12と、各収納部B1,B2,B10〜B12の扉を施解錠するための施解錠部と、各収納部B1,B2,B10〜B12に収納された物品を管理するための管理部とを備えている。
鍵管理ユニット21は、複数の鍵の持ち出しや返却を個別に管理する管理収納ユニットである。具体的には、鍵管理ユニット21は、2つの収納部B1,B2のうち収納部B2内に複数個(たとえば最大30個)の鍵を保管する。
【0020】
図2は、鍵管理ユニット21の外観斜視図である。図2を参照して、鍵管理ユニット21の具体的な構成について説明する。
鍵管理ユニット21の収納部B2は、収納部B2内を開閉する扉215と、扉215を施解錠する扉施錠部212と、収納部B2内部に設けられた鍵ホルダ部213とを有している。扉215は、本体(筐体)に対して片開き可能に設けられている。
【0021】
物品保管装置1には、鍵管理ユニット21の扉215に関連して、通常運用と鍵管理ユニット扉開放運用とが用意されている。通常運用とは、扉215を常時閉状態とし、鍵を持ち出す/返却する場合を除いて扉215を施錠しておく運用である。これに対し、鍵管理ユニット扉開放運用とは、扉215を常時開状態としておく運用である。
扉215を、鍵管理ユニット21の前面に対して約90度をなす姿勢になるまで引き出した後、鍵管理ユニット21の奥方向へとスライド移動させることにより、収納部B2の本体の側板と鍵ホルダ部213との間に形成される収納スペース内に収納することができるようになっている。鍵管理ユニット扉開放運用中(鍵管理ユニット扉開放運用が設定された状態)に開状態の扉215をこの収納スペース内に収納しておけば、扉215が邪魔にならない。
【0022】
扉施錠部212は、扉215をロック(施錠)するためのロック板と、ロック板を駆動するためのモータとを備えている。モータの回転に伴って、ロック板の先端部が上下動するようになっている。ロック板の先端部がたとえば下位置にあるときは、扉215の上下中間位置に配設された係合部215aと係合し、扉215は施錠状態になる。一方、ロック板の先端部がたとえば上位置にあるときは、扉215の係合部215aとロック板とは係合せず、扉215は解錠状態になる。すなわち、モータを用いてロック板の先端部を上下動させることにより、扉215の施解錠が行われるようになっている。
【0023】
鍵ホルダ部213は、複数の鍵ホルダA1〜A30を備えている。各鍵ホルダA1〜A30は、鍵ホルダ部213に抜き出し不能に挿入されている。これらの鍵ホルダA1〜A30は、操作制御ユニット10からの制御信号(指示)に基づいて個別に施錠または解錠可能に設けられている。言い換えれば、鍵ホルダ部213は個別施解錠部である。
なお、各鍵ホルダA1〜A30の上部には、鍵ホルダA1〜A30の状態を利用者に報知するためのランプRが1対1に対応して設けられている。具体的には、各ランプRは、対応する鍵ホルダA1〜A30が施錠されている場合には消灯され、対応する鍵ホルダA1〜A30が解錠されている場合には緑色に照光(点灯)され、鍵ホルダ部213から鍵ホルダA1〜A30が抜き出されている場合(不挿入または不完全挿入の場合)には赤色に照光(点灯)されるようになっている。
【0024】
鍵ホルダ部213は、非常時用ダイヤルロック216を備えている。この非常時用ダイヤルロック216は、故障時や停電時等に、鍵ホルダA1〜A30を手動で解錠するために用いられる。
再び、図1を参照して、通帳管理ユニット22について説明する。通帳管理ユニット22は、収納されているバラ通帳(以下、単に「通帳」とする)を計数するための通帳計数部を備えた管理収納ユニットである。通帳管理ユニット22は、3つの収納部B10〜B12を有している。収納部B10および収納部B11内には、それぞれ複数の通帳が保管されている。
【0025】
各収納部B10,B11は、4つの個別収納部に区分けされており、個別収納部毎に異なる種類の通帳を収納することができるようになっている。また、通帳計数部は、各個別収納部に収納された通帳を個別に計数する。
操作制御ユニット10は、一般ユニット23,24および管理収納ユニット21,22の施解錠等を制御する制御ユニットである。利用者は、物品保管装置1から物品を持ち出す場合には、この操作制御ユニット10に設けられたタッチパネルLCD(Liquid Crystal Display。報知手段)102を操作して、目的の物品が保管されているユニット21,22,23,24の収納部の扉を解錠する。
【0026】
物品保管装置1は、利用者が鍵管理ユニット21から鍵を持ち出す操作を行う場合、ログイン中の利用者が解除権限を有する鍵ホルダの位置を示した鍵位置案内画面(図12参照)を、タッチパネルLCD102に対して表示する。また、物品保管装置1は、ログイン中の利用者が通帳管理ユニット22から通帳を持ち出す操作を行う場合、当該利用者が持ち出そうとしている通帳が収納されている個別収納部の位置を示した通帳位置案内画面を、タッチパネルLCD102に対して表示する。
【0027】
このように、タッチパネルLCD102に鍵位置案内画面や通帳位置案内画面を表示することによって、利用者は、目的とする鍵や通帳が、鍵管理ユニット21や通帳管理ユニット22のどの位置に収納されているかを容易に把握することができる。
しかも、図1に示すように、物品保管装置1では、鍵管理ユニット21や通帳管理ユニット22が操作制御ユニット10に隣接する位置に配置されている。したがって、物品保管装置1では、鍵管理ユニット21や通帳管理ユニット22が、タッチパネルLCD102の近傍に位置している。そのため、利用者は、クッチパネルLCD102に表示された鍵位置案内画面を目視しながら、鍵ホルダ部213に対して鍵を持ち出す/返却することができる。これにより、鍵の持ち出し/返却のための操作を、より一層容易に行うことができる。
【0028】
さらに、物品保管装置1では、片開き可能なドア型の扉215を有する鍵管理ユニット21を操作制御ユニット10と同じ高さに配置し、手前側に引き出し可能な引出し型の扉を有する通帳管理ユニット22を、操作制御ユニット10よりも低い位置に配置している。これにより、鍵ホルダ部213や個別収納部の視認性を高めることができる。
なお、以下の説明において、床面直上に設置される通帳管理ユニット22および一般ユニット24を下段ユニットといい、また、下段ユニットの上方に設置される操作制御ユニット10、鍵管理ユニット21および一般ユニット23を上段ユニットという場合がある。
【0029】
図3は、物品保管装置1の電気的構成を示すブロック図である。なお、図3には、物品保管装置1の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示している。
物品保管装置1は、操作制御ユニット10と、被制御ユニット20とを備えている。ここで、被制御ユニット20とは、鍵管理ユニット21、通帳管理ユニット22および一般ユニット23,24を含む趣旨である。
【0030】
操作制御ユニット10は、カードリーダ101と、タッチパネルLCD102と、記憶部104と、制御部105(終了処理の実行を許可または禁止する手段,設定手段,利用者の権限を設定する手段,報知手段)とを備えている。
カードリーダ101(図1も併せて参照)は、磁気カードからID(Identification)を読み取る読取装置である。タッチパネルLCD102は、各種の操作画面等を表示したり、指先等でタッチされた情報を制御部105へ伝えたりする表示操作部である。
【0031】
記憶部104は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスによって構成されている。記憶部104には、被制御ユニット管理情報104a、利用者管理テーブル104b、物品管理情報104c、および鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dが記憶されている。物品管理情報104cには、たとえば鍵管理テーブル104eが含まれている。
【0032】
被制御ユニット管理情報104aは、被制御ユニット20である鍵管理ユニット21、通帳管理ユニット22および一般ユニット23,24に関する情報である。被制御ユニット管理情報104aは、各ユニット21,22,23,24の位置情報、鍵ホルダ部213の状態に関する情報(以下、「鍵ホルダ状態情報」という)、通帳計数部222による計数結果情報等を含んでいる。
【0033】
図4は、利用者管理テーブル104bの一例を示す図である。利用者管理テーブル104bには、物品保管装置1に登録済みの利用者のデータが格納(記憶)されている。
利用者管理テーブル104bには、利用者名、利用者が解錠権限を有する扉(以下、「権限扉」という)、利用者が持出権限を有する鍵(以下、「権限鍵」という)および利用者の権限が、利用者のIDに対応付けて格納されている。すなわち、物品保管装置1には、利用者が、ID、権限扉、権限鍵および利用者の権限に関連付けて登録されている。また、利用者のIDとは、利用者に配布されたカード(磁気カードやICカード等)のカードIDである。
【0034】
利用者の権限とは、物品保管装置1を管理する上での各利用者に付与された権限(の度合い)をいう。この利用者の権限は、利用者の役職および/または職務に応じて当該利用者に付与されている。図4では、利用者の権限は、管理者および行員の2段階に区分けされている。利用者の権限として、図4に示す「管理者」または「行員」のような役職(および/または職務)のまま利用者管理テーブル104bに格納するものであってもよいし、「高」または「低」のような権限度合いのまま利用者管理テーブル104bに格納するものであってもよい。
【0035】
物品保管装置1への利用者の登録、すなわち利用者管理テーブル104bへのデータの格納は、操作制御ユニット10のタッチパネルLCD102の操作によって行う。
図4では、物品保管装置1に登録されている利用者の一例として、「栄光太郎」、「栄光二郎」および「栄光三郎」が挙げられている。利用者「栄光一郎」には「012」のカードIDを有するカードが配布されている。この利用者「栄光一郎」は、収納部B1〜B12の扉を開閉する権限を有しており、鍵ホルダA1〜A30から鍵を持ち出す権限を有しており、また、利用者の権限は「管理者」(高い権限)である。
【0036】
また、利用者「栄光二郎」には「345」のカードIDを有するカードが配布されている。この利用者「栄光二郎」は、収納部B3〜B5の扉を開閉する権限を有しており、鍵ホルダA11〜A30から鍵を持ち出す権限を有しており、また、利用者の権限は「行員」(低い権限)である。さらに、利用者「栄光三郎」には「678」のカードIDを有するカードが配布されている。この利用者「栄光三郎」は、収納部B3〜B5の扉を開閉する権限を有しており、鍵ホルダA21〜A30から鍵を持ち出す権限を有しており、また、利用者の権限は「行員」(低い権限)である。
【0037】
図4では、物品保管装置1に登録済みの利用者の一例として、「栄光太郎」、「栄光二郎」および「栄光三郎」の3名を挙げているが、実際にはより多くの利用者を物品保管装置1に登録できることはいうまでもない。
図5は、鍵管理テーブル104eの一例を示す図である。鍵管理テーブル104eには、鍵管理ユニット21の収納部B2に収納されるべき鍵のデータが格納されている。具体的には、鍵管理テーブル104eには、鍵が収納される鍵ホルダと、当該鍵の種類と、当該鍵の重要度とが格納(記憶)されている。鍵の重要度とは、当該鍵に対応する錠が設けられた機器・装置(たとえば、金庫、ATMなど)の重要度や、当該機器・装置に収納される物品の重要度などを考慮して決定される重要度をいう。この実施形態では、鍵の重要度はたとえば3段階に区分けされている。
【0038】
図5では、鍵管理ユニット21に収納される鍵の一例として「金庫」の鍵、「ATM」の鍵、「通帳管理ユニット」22の鍵および「事務用品ロッカー」の鍵が挙げられている。「金庫」の鍵の収納先は鍵ホルダA1であり、鍵の重要度は「高」である。「ATM」の鍵の収納先は鍵ホルダA2であり、鍵の重要度は「高」である。「通帳管理ユニット」22の鍵の収納先は鍵ホルダA11であり、鍵の重要度は「中」である。「事務用品ロッカー」の鍵の収納先は鍵ホルダA21であり、鍵の重要度は「低」である。
【0039】
図6は、鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dの一例を示す図である。
鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dは、鍵管理ユニット扉開放運用中に鍵管理ユニット21の収納部B2の扉215の施錠処理を許容/禁止を決定するために参照されるテーブルである。鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dには、未返却の鍵の重要度に対応して、扉215に対する利用者の施錠権限が記憶されている。図6の鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dでは、重要度が「高」の鍵が未返却の場合、または重要度が「高」の鍵が全て返却済みであって重要度が「中」の鍵が未返却の場合には、「管理者」の権限(高い権限)を有する利用者は扉215に対する施錠権限を有するが、「行員」の権限(低い権限)しか有さない利用者は扉215に対する施錠権限を有さない。また、図6の鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dでは、重要度が「高」の鍵の全ておよび重要度が「中」の鍵が全て返却済みであって重要度が「低」の鍵が未返却の場合、ならびに全ての鍵が返却済みである場合には、いずれの権限を有する利用者も、扉215に対する施錠権限を有する。
【0040】
再び、図3を参照して制御部105について説明する。
制御部105は、被制御ユニット20からの情報の取得、利用者の認証、タッチパネルLCD102の表示制御、被制御ユニット20への各種指示等の処理を行う処理部である。制御部105は、情報取得部105a、認証部105b、表示制御部105cおよび指示部105dを備えている。
【0041】
情報取得部105aは、被制御ユニット20から情報を取得する処理部である。たとえば、情報取得部105aは、鍵管理ユニット21、通帳管理ユニット22および一般ユニット23,24から、各ユニット21〜24の位置情報や収納部B1〜B12の扉の開閉状態情報等を取得する。
また、情報取得部105aは、鍵管理ユニット21から鍵ホルダA1〜A30の位置情報や鍵ホルダ状態情報を取得する。鍵ホルダ状態情報には、各鍵ホルダA1〜A30が施錠状態/解錠状態のいずれにあるかを示す施解錠情報や、各鍵ホルダA1〜A30に鍵が返却された状態であるか否か(鍵が返却された状態/鍵が持ち出された状態のいずれであるか)を示す有無情報等を含んでいる。さらに、情報取得部105aは、通帳管理ユニット22から個別収納部の位置情報や通帳計数部222による計数結果情報等を取得する。
【0042】
認証部105bは、利用者の認証を行う処理部である。具体的には、認証部105bは、利用者が所持するカードから読み取ったIDをカードリーダ101から受け取ると、受け取ったIDが利用者管理テーブル104bに記憶されているIDと一致するか否かを判定し、両者が一致した場合に、利用者を認証する。
表示制御部105cは、タッチパネルLCD102に対して各種の画面を表示させる処理部である。たとえば、表示制御部105cは、認証部105bによって利用者が認証された場合には、利用者に対して各種の操作を選択させるための種々の画面をタッチパネルLCD102に表示させる。
【0043】
指示部105dは、被制御ユニット20に含まれる収納部B1〜B12の扉の施解錠、通帳管理ユニット22に対する通帳計数処理の実行等を指示する処理部である。
図7は、鍵管理ユニット21の電気的構成を示すブロック図である。
鍵管理ユニット21は、I/F(Interface)部211と、扉施錠部212と、鍵ホルダ部213と、鍵管理部214とを備えている。鍵管理部214は、鍵ホルダ施解錠指示部214aと、状態検知部214bと、記憶部214cと、情報通知部214dとを備えている。
【0044】
I/F部211は、操作制御ユニット10と通信を行うための処理部である。具体的には、I/F部211は、操作制御ユニット10から、鍵管理ユニット21の扉(扉215)の解錠指示または施錠指示を受け取ると、受け取った指示に基づいて、鍵管理ユニット21の扉(扉215)の施解錠を行う。
なお、I/F部211は、鍵管理ユニット21に対する解錠指示や施錠指示だけでなく、鍵管理ユニット21の下部に設置された下段ユニット、すなわち、一般ユニット24の扉に対する解錠指示や施錠指示も受け取る。そして、I/F部211は、一般ユニット24に対する解錠指示または施錠指示を操作制御ユニット10から受け取ると、受け取った指示に従って一般ユニット24の扉の施解錠を行う。なお、操作制御ユニット10およびI/F部211間、隣接する上段ユニットのI/F部間、I/F部および下段ユニット間の通信インタフェイスとしては、たとえばRS−485を用いることができる。
【0045】
また、I/F部211は、鍵管理ユニット21の扉215が解錠または施錠されると、扉215が解錠または施錠された旨を操作制御ユニット10に対して通知する。I/F部211は、下段ユニットである一般ユニット24の扉が解錠または施錠された場合も同様の処理を行う。
鍵ホルダ部213は、30個の鍵ホルダA1〜A30を個別に施解錠する。たとえば、鍵ホルダ部213は、鍵ホルダA1を解錠すべき旨の指示を受けたならば、鍵ホルダA1のみを解錠し、鍵ホルダA1〜A5を解錠すべき旨の指示を受けたならば、鍵ホルダA1〜A5をまとめて解錠する。
【0046】
鍵管理部214は、鍵ホルダ部213への施解錠指示、鍵ホルダA1〜A30の状態の検知、鍵ホルダA1〜A30の状態の記憶や通知等の処理を行う処理部である。具体的には、鍵管理部214は、鍵ホルダ施解錠指示部214aと、状態検知部214bと、記憶部214cと、情報通知部214dとを備えている。なお、鍵管理部214および操作制御ユニット10問の通信は、I/F部211経由ではなく、LAN(Local Area Network)等を用いて直接行われる。
【0047】
鍵ホルダ施解錠指示部214aは、鍵ホルダ部213に対し、鍵ホルダA1〜A30の解錠または施錠を指示する処理部である。具体的には、鍵ホルダ施解錠指示部214aは、操作制御ユニット10の指示部105dから鍵ホルダA1〜A30の解錠指示または施錠指示を受け取ると、受け取った指示に従って、鍵ホルダ部213に対して鍵ホルダA1〜A30の解錠指示または施錠指示を行う。
【0048】
状態検知部214bは、鍵ホルダ部213の状態の検知を行う処理部である。具体的には、状態検知部214bは、各鍵ホルダA1〜A30が施錠状態/解錠状態のいずれにあるか、および各鍵ホルダA1〜A30に鍵が返却された状態であるか否か(鍵が返却された状態/鍵が持ち出された状態のいずれであるか)を検知する。状態検知部214bによって検知された各鍵ホルダA1〜A30の状態(施錠状態/解錠状態のいずれにあるか、および各鍵ホルダA1〜A30に鍵が返却された状態であるか否か)は、鍵ホルダ状態情報として記憶部214cに記憶される。
【0049】
記憶部214cは、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスによって構成されている。記憶部214cは、鍵ホルダA1〜A30の位置情報や、各鍵ホルダA1〜A30の状態等を記憶している。
情報通知部214dは、記憶部214cに記憶された情報を操作制御ユニット10に対して通知する処理部である。具体的には、情報通知部214dは、記憶部214cに記憶されている情報が更新された場合に、更新された鍵ホルダ状態情報を記憶部214cから取り出して操作制御ユニット10に対して通知する。また、情報通知部214dは、物品保管装置1の起動時に、各鍵ホルダA1〜A30の位置情報を操作制御ユニット10に対して通知する。
【0050】
図8は、通帳管理ユニット22の電気的構成を示すブロック図である。通帳管理ユニット22は、扉施錠部221と、通帳計数部222と、通帳精査部223とを備えている。また、通帳精査部223は、計数指示部223aと、記憶部223bと、情報通知部223cとを備えている。扉施錠部221は、通帳管理ユニット22の扉の施解錠を行うための施解錠部である。
【0051】
また、扉施錠部221は、通帳管理ユニット22の上部に設置された一般ユニット23のI/F部からの指示に従って収納部B10〜B12の扉の施解錠を行う。
通帳計数部222は、通帳管理ユニット22の収納部B10(図1参照)に収納された通帳を計数するための機構である。
通帳計数部222は、反射型センサ(図示しない)と、この反射型センサが取り付けられたセンサ基板とを含む。反射型センサは、発光素子と受光素子とを備えるセンサである。反射型センサは、センサ基板の稼働に伴って、収納部B10内を前後方向に移動する。反射型センサは、センサ基板の稼働に伴って、発光素子が通帳に光を照射し、かつその反射光を受光素子が受光しつつ、収納部B10内を、前後方向に移動す(手前側から奥側へと移動す)る。そして、通帳計数部222は、受光素子が受光した反射光の受光レベルに基づいて通帳間の凹凸を検出し、この凹凸の数に基づいて通帳の数を決定する。通帳計数部222は、かかる通帳計数処理を完了すると、計数処理が完了した旨を情報通知部223cに通知するとともに、計数結果を記憶部223bに記憶する。
【0052】
通帳精査部223は、通帳計数部222に対する通帳の計数指示、計数結果情報の記憶および通知といった処理を行う処理部である。具体的には、通帳精査部223は、計数指示部223aと、記憶部223bと、情報通知部223cとを備えている。
計数指示部223aは、通帳計数部222に対して通帳計数処理の実行を指示する処理部である。具体的には、計数指示部223aは、操作制御ユニット10の指示部105dから通帳計数処理の実行指示を受け取った場合に、通帳計数部222に対して通帳計数処理の実行を指示する。
【0053】
記憶部223bは、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスによって構成されている。記憶部223bは、通帳計数部222による計数結果情報を記憶する。
情報通知部223cは、記憶部223bに記憶された計数結果情報を操作制御ユニット10に対して通知する処理部である。具体的には、情報通知部223cは、計数処理が完了した旨を通帳計数部222から受け取ると、更新前の計数結果および更新後の計数結果を記憶部223bから取得する。
【0054】
そして、情報通知部223cは、更新前後の計数結果を用いて、持ち出された通帳数または補充された通帳数を算出し、更新後の計数結果とともに計数結果情報として操作制御ユニット10へ通知する。たとえば、更新前の計数結果が「131」であり、更新後の計数結果が「123」である場合、情報通知部223cは、持ち出された通帳数「8」および更新後の計数結果「123」を、計数結果情報として、操作制御ユニット10へ通知する。
【0055】
図9は、物品保管装置1が実行する処理手順を示すフローチャートである
物品保管装置1は、電源が投入されると、初期化処理を行う(ステップS1)。この初期化処理において、操作制御ユニット10の情報取得部105aは、被制御ユニット20の位置情報、鍵ホルダA1〜A30の位置情報、鍵ホルダ状態情報、計数結果情報等を取得し、被制御ユニット管理情報104aとして記憶部104に記憶させる。初期化処理を終えると、物品保管装置1では、操作制御ユニット10の表示制御部105cが、タッチパネルLCD102に待機画面を表示させる(ステップS2)。
【0056】
次いで、操作制御ユニット10の認証部105bは、ログイン操作が行われたか否かを判定する(ステップS3)。なお、認証部105bは、カードリーダ101に磁気カードが通された場合に、ログイン操作が行われたと判定する。かかる処理において、ログイン操作が行われたと判定した場合(ステップS3でYES)、ステップS4の処理へ移行する。
【0057】
ステップS4において、認証部105bは、利用者の認証(ユーザ認証)に成功したか否かを判定する。具体的には、認証部105bは、カードリーダ101によって磁気カードから読み取ったIDが利用者管理テーブル104bとして記憶されているIDと一致した場合に、利用者の認証に成功したと判定する。なお、認証部105bは、カードリーダ101による認証だけでなく、ID入力による認証も行ってもよい。
【0058】
ステップS4において利用者の認証に失敗した場合(ステップS4でNO)、表示制御部105cは、認証に失敗した旨をタッチパネルLCD102に対して表示させる(ステップS5)。そして、ステップS5の処理を終えた場合、またはステップS3においてログイン操作が行われていない場合(ステップS3でNO)、操作制御ユニット10は、ステップS3以降の処理を繰り返す。
【0059】
一方、利用者の認証に成功したと判定した場合(ステップS4でYES)、次いで、表示制御部105cは、タッチパネルLCD102に操作選択画面(操作メニュー画面)を表示させる(ステップS6)。ここで、操作選択画面には、鍵管理ユニット21、通帳管理ユニット22および一般ユニット23,24にそれぞれ対応するアイコン(操作ボタン)が表示される。
【0060】
次いで、操作制御ユニット10の制御部105は、操作選択画面において鍵管理ユニット21に対応するアイコンが選択されたか否かを判定する(ステップS7)。かかる処理において、鍵管理ユニット21に対応するアイコンが選択されたと判定した場合(ステップS7でYES)、物品保管装置1は、鍵持出処理または鍵返却処理を実行する(ステップS9)。かかる鍵持出処理および鍵返却処理については後述する。
【0061】
一方、ステップS7において鍵管理ユニット21に対応するアイコンが選択されていないとき(ステップS7でNO)、操作制御ユニット10の制御部105は、通帳管理ユニット22に対応するアイコンが選択されたか否かを判定する(ステップS10)。かかる処理において、通帳管理ユニット22に対応するアイコンが選択されたと判定した場合(ステップS10でYES)、制御部105は、さらに、通帳選択操作が行われたか否かを判定する(ステップS11)。
【0062】
具体的には、操作選択画面において通帳管理ユニット22に対応するアイコンが選択されると、表示制御部105cは、タッチパネルLCD102に対して通帳選択画面を表示させる。通帳選択画面は、利用者に、通帳管理ユニット22内の複数種類の通帳の中から一の通帳を選択させるための画面である。そして、この通帳選択画面において一の通帳が選択されると、制御部105は、通帳選択操作が行われたと判定する。制御部105は、ステップS11において通帳選択操作が行われたと判定すると(ステップS11でYES)、その後、通帳出入処理を実行する(ステップS13)。
【0063】
一方、ステップS10において通帳管理ユニット22に対応するアイコンが選択されていないとき(ステップS10でNO)、操作制御ユニット10の制御部105は、一般ユニット23,24に対応するアイコンが選択されたか否かを判定する(ステップS14)。かかる処理において、一般ユニット23,24に対応するアイコンが選択されたと判定した場合(ステップS14でYES)、制御部105は、収納部の選択操作が行われたか否かを判定する(ステップS15)。
【0064】
具体的には、操作選択画面において一般ユニット23,24に対応するアイコンが選択されると、表示制御部105cは、収納部選択画面をタッチパネルLCD102に対して表示させる。収納部選択画面は、一般ユニット23,24の収納部B3〜B9の中から一の収納部を利用者に選択させるための画面である。そして、この収納部選択画面においてある収納部が利用者によって選択されると(ステップS15でYES)、制御部105は、選択操作が行われた収納部B3〜B9の物品出入処理を実行する(ステップS17)。
【0065】
物品出入処理では、まず、操作制御ユニット10の指示部105dが、利用者によって選択された収納部の解錠指示を行う。ここで、上段ユニットである一般ユニット23の収納部B3〜B6が選択された場合には、指示部105dは、一般ユニット23のI/F部に対して収納部の解錠を指示する。これに対し、下段ユニットである一般ユニット24の収納部B7〜B9が選択された場合には、指示部105dは、一般ユニット24の上部に設置された鍵管理ユニット21のI/F部211経由で収納部の解錠を指示する。そして、解錠指示を受けた一般ユニット23,24は、この指示に従って収納部の解錠を行う。
【0066】
ステップS9の鍵持出処理、ステップS13の通帳出入処理もしくはステップS17の物品出入処理がそれぞれ終了したとき、またはステップS14において一般ユニット23,24に対応するアイコンが選択されていないとき(ステップS14でNO)、操作制御ユニット10の制御部105は、ログアウト操作が行われたか否かを判定する(ステップS18)。かかる処理において、ログアウト操作が行われていないとき(ステップS18でNO)、制御部105は、ステップS6以降の処理を繰り返す。一方、ログアウト操作が行われたと判定した場合(ステップS18でYES)、制御部105は、ステップS2以降の処理を繰り返す。
【0067】
図10は、鍵持出処理の流れを示すフローチャートである。図11〜図13は、鍵持出処理に際してタッチパネルLCD102に表示される画面の一例である。以下、鍵管理ユニット21に関連して通常運用中(通常運用が設定された状態)である場合を例に挙げて説明する。
鍵持出処理の実行に先立って、タッチパネルLCD102に、鍵持出/鍵返却選択画面(図11参照)が表示される。この鍵持出/鍵返却選択画面では、鍵持出処理の実行を指示するための鍵持出ボタン291および鍵を返却するための鍵返却処理を指示するための鍵返却ボタン292が画面中央に設けられている。この鍵持出/扉閉じ選択画面では、また、画面の隅(図11では左下隅)に、前の表示画面に戻るための戻るボタン293が配置されている。
【0068】
鍵持出/鍵返却選択画面(図11参照)において、タッチ操作により鍵持出ボタン291が選択されると、操作制御ユニット10の指示部105dは、被制御ユニット管理情報104aを参照し、鍵管理ユニット21の収納部B2(図1参照)の扉215が開状態であるか否かを判定する(ステップS21)。
扉215が開状態でない場合(ステップS21でNO)、すなわち、扉215が閉状態である場合には、操作制御ユニット10は、鍵管理ユニット21の扉215を解錠する(ステップS22)。具体的には、操作制御ユニット10の指示部105dが、鍵管理ユニット21のI/F部211に対して扉施錠部212の解錠指示を行い、I/F部211が扉施錠部212の解錠を実行する。
【0069】
ステップS22の処理の終了後、またはステップS21において扉215が開状態である場合(ステップS21でYES)、操作制御ユニット10は、ログイン中の利用者が解錠権限を有する鍵ホルダをまとめて解錠する(ステップS23)。
具体的には、物品保管装置1では、操作制御ユニット10の指示部105dが、利用者管理テーブル104bを参照し、ログイン中の利用者に対応する権限鍵情報(当該利用者が解錠権限を有する鍵ホルダなどの情報)を取得する。次いで、指示部105dは、取得した権限鍵情報を含む鍵ホルダ解錠指示を鍵管理ユニット21の鍵ホルダ施解錠指示部214aに対して指示する。鍵ホルダ施解錠指示部214aは、鍵ホルダ解錠指示を受け取ると、その鍵ホルダ解錠指示に含まれる権限鍵情報に対応する鍵ホルダ、すなわちログイン中の利用者が解錠権限を有する鍵ホルダを解錠する。
【0070】
次いで、操作制御ユニット10の表示制御部105cは、タッチパネルLCD102に鍵位置案内画面(図12参照)を表示させる(ステップS24)。
鍵位置案内画面は、持ち出し可能な鍵の位置を利用者に把握させるための画面である。鍵位置案内画面には、鍵ホルダ部213を模式的に描いた鍵ホルダ部画像が設けられている。この鍵ホルダ部画像には、鍵ホルダ部213に設けられた各鍵ホルダA1〜A30に対応する鍵ホルダの画像が、各鍵ホルダA1〜A30と同様の配置で表示される。そして、鍵位置案内画面(鍵ホルダ部画像)では、利用者が鍵を持ち出すことのできる鍵ホルダに対応する鍵ホルダの画像が、他の鍵ホルダの画像とは異なる態様(たとえば異なる色)で表示される。また、鍵位置案内画面には、鍵ホルダ部画像の他に、ログイン中の利用者の利用者名およびID、鍵を持ち出すべき旨のメッセージ311、操作完了時に押下される決定ボタン312等が表示される。
【0071】
次いで、操作制御ユニット10の制御部105は、利用者が操作を完了したか否かを判定する(ステップS25)。具体的には、制御部105は、鍵位置案内画面に表示された決定ボタン312が押下された場合に、利用者が操作を完了したと判定する。かかる処理において、利用者が操作を完了したと判定すると(ステップS25でYES)、制御部105は、解錠状態にある鍵ホルダ、すなわちログイン中の利用者が解錠権限を有する鍵ホルダを施錠する(ステップS26)。
【0072】
具体的には、鍵位置案内画面に表示された決定ボタン312が押下されると、操作制御ユニット10の指示部105dは、鍵管理ユニット21の鍵ホルダ施解錠指示部214aに対して鍵ホルダの施錠を指示する。そして、鍵ホルダ施解錠指示部214aは、鍵ホルダの施錠指示を受け取ると、解錠状態にある鍵ホルダを施錠する。
次いで、物品保管装置1では、鍵ホルダ状態情報の更新が行われる(ステップS27)。具体的には、鍵管理ユニット21の状態検知部214bが検知した各鍵ホルダA1〜A30の状態(施錠状態/解錠状態のいずれにあるか、および各鍵ホルダA1〜A30に鍵が返却された状態であるか否か)を検知する。記憶部214cに記憶されている鍵ホルダA1〜A30の状態が、状態検知部214bが検知された状態に更新される。そして、情報通知部214dは、状態検知部214bによって更新された鍵ホルダ状態情報を操作制御ユニット10に対して通知する。操作制御ユニット10の情報取得部105aは、情報通知部214dから通知された鍵ホルダ状態情報を記憶部104に記憶する。
【0073】
鍵持出処理の終了に際し、操作制御ユニット10の表示制御部105cは、タッチパネルLCD102に鍵持出処理完了画面(図13参照)を表示させる。この鍵持出処理完了画面では、物品保管装置1(タッチパネルLCD102)に対する操作を終了する(ログアウトする)ためのログアウトボタン321および操作選択画面に移行するための操作選択ボタン322が画面中央に設けられている。また、鍵持出処理完了画面の画面上部には、鍵持出処理が完了した旨のメッセージ323が設けられている。
【0074】
前述の説明では、利用者が解錠権限を有する鍵ホルダをまとめて解錠する場合を例に挙げたが、利用者によって選択された鍵ホルダだけを解錠することとしてもよい。この場合、操作制御ユニット10の指示部105dは、鍵位置案内画面において利用者によって押下された鍵ホルダ画像に対応する鍵ホルダの解錠のみを鍵ホルダ施解錠指示部214aに対して指示するようにすればよい。
【0075】
また、鍵持出/鍵返却選択画面(図11参照)において、タッチ操作により鍵返却ボタン292が選択されると、鍵返却処理が実行される。鍵返却処理は鍵持出処理とほぼ同様の処理であるので説明を省略する。
次に、鍵管理ユニット扉開放運用について説明する。鍵管理ユニット扉開放運用は、
扉215を常時開状態としておく運用である。この鍵管理ユニット扉開放運用中では、たとえば毎日の営業開始時に扉215が解錠され、その後、扉215は開状態のまま維持される。そして、たとえば営業終了時に扉215が閉められ施錠される。
【0076】
鍵管理ユニット扉開放運用中における鍵持出処理は、概ね図10に示す通常運用中の鍵持出処理と同様の処理が行われるが、鍵管理ユニット扉開放運用中は常時扉215が解錠状態にあるので、ステップS21およびステップS22の処理はスキップされる。
図14は、鍵管理ユニット扉開放運用中における扉閉じ処理の流れを示すフローチャートである。
【0077】
扉閉じ処理の実行に先立って、タッチパネルLCD102に、鍵持出/扉閉じ選択画面(図15参照)が表示される。この鍵持出/扉閉じ選択画面では、鍵持出処理の実行を指示するための鍵持出ボタン301および扉215の施錠処理の実行を指示するための扉閉じボタン302が画面中央に設けられている。この鍵持出/扉閉じ選択画面では、また、画面の隅(図15では左下隅)に、前の表示画面に戻るための戻るボタン303が配置されている。
【0078】
この鍵持出/扉閉じ選択画面(図15参照)において、タッチ操作により扉閉じボタン302が選択されると(ステップS31でYES)、操作制御ユニット10の制御部105は、記憶部214cを参照し、物品保管装置1に登録されている(鍵管理テーブル104eに記憶されている)全ての鍵が返却された状態であるか、および未返却の鍵がある場合にその鍵がいずれの鍵ホルダに収納されるべきであるかを調べる(ステップS32)。全ての鍵が返却済みである場合には(ステップS32でYES)、制御部105(指示部105d)は、鍵管理ユニット21に対し、施錠指示を送信する(ステップS37)。これにより、扉215が施錠される。
【0079】
未返却の鍵がある場合には(ステップS32でNO)、制御部105は、利用者管理テーブル104bを参照して、ログイン中の利用者の権限を取得するとともに(ステップS33)、鍵管理テーブル104eを参照して、未返却の鍵の重要度を取得する(ステップS34)。そして、制御部105は、ログイン中の利用者の権限および未返却の鍵の重要度を取得し、鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dに基づいて、ログイン中の利用者が施錠権限を有しているか否かを調べる(ステップS36)。
【0080】
ログイン中の利用者が施錠権限を有する場合(ステップS36でYES)は、扉の施錠動作(ステップS37)を行い、終了する。図6に示す本実施形態の場合、管理者は、重要度が「高」の鍵が未返却の場合、重要度が「中」の鍵が未返却の場合、または重要度が「低」の鍵が未返却の場合を問わず、すなわち未返却の鍵の種類を問わず、扉215に対する施錠権限を有している。
【0081】
したがって、ログインしている利用者(の権限)が管理者であるときは(ステップS36でYES)、制御部105(指示部105d)は、鍵管理ユニット21に対し、施錠指示を送信する(ステップS37)。これにより、扉215が施錠される。
一方、行員(の権限を有する利用者)は、重要度が「低」の鍵が未返却の場合に、扉215に対する施錠権限を有しているが、重要度が「高」の鍵が未返却の場合または重要度が「中」の鍵が未返却の場合には、扉215に対する施錠権限を有していない。言い換えれば、行員は、重要度が「低」の鍵が未返却の場合には、施錠処理の実行が許容されているが、重要度が「高」または「中」である鍵が未返却の場合には、施錠処理の実行が禁止されている。
【0082】
したがって、ログインしている利用者(の権限)が行員であるときは(ステップS36でNO)、重要度が「高」または「中」の鍵が全て返却済みであり、かつ重要度が「低」の鍵が未返却のときは(ステップS38でYES)、制御部105(指示部105d)は、鍵管理ユニット21に対し、施錠指示を送信する(ステップS37)。これにより、扉215が施錠される。これに対し、利用者が施錠権限を有しない場合(ステップS36でNO)、エラー表示(ステップS40)を行い、終了する。本実施形態の場合、ログイン中の利用者が行員で、重要度が「高」または「中」の鍵が未返却のときは、制御部105は、鍵管理ユニット21に対して施錠指示を送信せず、「管理者による閉じ処理ではありません」や「未返却の鍵があります」などのエラー表示をタッチパネルLCD102に表示させる(ステップS40)。その後、図14に示す扉閉じ処理は終了する。
【0083】
扉閉じ処理の終了に際し、操作制御ユニット10の表示制御部105cは、タッチパネルLCD102に扉閉じ処理完了画面を表示させる。この扉閉じ処理完了画面は、図13に示す鍵持出処理完了画面と同様の画面である。扉閉じ処理完了画面の画面には、鍵持出処理完了画面のメッセージ323に代えて、扉閉じ処理が完了した旨のメッセージが設けられている。
【0084】
以上により、この実施形態によれば、鍵管理ユニット21の収納部21Bに未返却の鍵がある場合には、利用者の権限および当該鍵の重要度に基づいて、施錠処理の実行が許容または禁止される。収納部21Bに未返却の鍵があっても、その鍵の重要度が「低」である場合は、管理者の権限を有する者によらずに、行員の権限を有する者が施錠処理を実行することができる。
【0085】
したがって、管理者が不在である場合であっても、扉215の施錠処理を行うことができる。また、事務用品ロッカーの鍵のように未返却の鍵の重要度が低い場合に限って行員による施錠処理が許可されているに過ぎないので、管理者によらない施錠処理が行われても特段の問題は生じない。
図16は、鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dの他の例を示す図である。
【0086】
この図16に示す鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dが、図6に示す鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dと相違する点は、利用者の権限が2段階ではなく、管理者、行員およびバイトの3段階に区分けされている点、および利用者の認証に2者認証が要求されている点である。以下、具体的に説明する。
図16の鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dでは、重要度が「高」の鍵が未返却の場合には、「管理者」の権限(最も高い権限)を有する利用者は扉215に対する施錠権限を有するが、「バイト」の権限(最も低い権限)しか有さない利用者は扉215に対する施錠権限を有さない。また、この場合、「行員」の権限(「管理者」と「バイト」との間の中間の権限)を有する利用者は、二者認証を条件に扉215に対する施錠権限を有する。ここで、二者認証とは、本人以外の一人の利用者(物品管理装置1に、二者認証の認証者として予め登録された利用者。以下、「二者認証者」という)の認証を条件に、施錠権限を付与することをいう。すなわち、行員は、単独では扉215を施錠することはできないが、二者認証者が認証されることにより、扉215を施錠することができる。この場合、タッチパネルLCD102に、図17に示す二者認証要求画面が表示される。二者認証画面では、二者認証者のカードをカードリーダ101に通すことを促す旨の画像およびメッセージ331が設けられている。また、画面の隅(図17では左下隅)に、前の表示画面に戻るための戻るボタン332が配置されている。そして、二者認証者のカードをカードリーダ101に通すことにより、二者認証が認証され、扉215の施錠が行われる。なお、この場合、二者認証者としての登録は、「行員」または「管理者」の権限を有するものに限られる。
【0087】
図16の鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dでは、重要度が「高」の鍵が全て返却済みであって重要度が「中」の鍵が未返却の場合には、「管理者」の権限および「行員」の権限を有する利用者は扉215に対する施錠権限を有するが、「バイト」の権限を有する利用者は、二者認証を条件に扉215に対する施錠権限を有する。すなわち、「バイト」の権限を有する利用者は、単独では扉215を施錠することはできないが、本人以外の利用者が認証されることにより、扉215を施錠することができる。この場合、タッチパネルLCD102に、二者認証要求画面(図17参照)が表示され、二者認証者のカードをカードリーダ101に通すことにより、二者認証が認証され、扉215の施錠が行われる。
【0088】
また、図16の鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dでは、重要度が「高」の鍵の全ておよび重要度が「中」の鍵が全て返却済みであって重要度が「低」である鍵が未返却の場合、ならびに全ての鍵が返却済みである場合には、いずれの権限を有する利用者も、扉215に対する施錠権限を有する。
なお、図16を用いて、特定の利用者に対して二者認証を要求する場合を例に挙げて説明したが、二者認証に代えて、本人以外の複数(2人以上)の利用者の認証を許可条件として要求する複数(三者以上)認証が採用されていてもよい。
【0089】
さらに、前述の実施形態(図1〜図17の実施形態)において、行員やバイトの権限を有する利用者(高い権限を有しない利用者)によって施錠処理が実行された場合に、その旨をタッチパネルLCD102に表示することもできる。より詳しくは、物品管理装置1の前回の電源オン時以降に、行員やバイトの権限を有する利用者によって施錠処理が行われた場合には、シャットダウン処理に関連して、その旨が表示されるものであってもよい。また、この物品保管装置1では、シャットダウン処理の実行(操作)は、管理者(高い権限を有する利用者)にのみ許容されている。
【0090】
具体的には、たとえばタッチパネルLCD102に表示されるシャットダウンボタンの押操作などが、管理者の権限を有する利用者によって行われた場合には、シャットダウン処理の実行に先立って、タッチパネルLCD102に図18に示す非管理者施錠確認画面が表示される。
この非管理者施錠確認画面では、「鍵○○(鍵ホルダA○)が未返却で利用者名□□□により扉がクローズされました。」という、ログイン中の利用者に対して確認を促すメッセージが表示されるとともに、「シャットダウンを続行して良いですか?」という、ログイン中の利用者に対する問い掛けのメッセージが表示される。その後、管理者の権限を有する利用者は、非管理者施錠確認画面中の「はい」ボタン341(図18参照)または「いいえ」ボタン342を押操作する。「はい」ボタン341が操作されると、シャットダウン処理が続行され、また、「いいえ」ボタン342が操作されると、シャットダウン処理が中止される。
【0091】
この場合、未返却の鍵があることを、管理者の権限を有する利用者が知ることができ、これにより、未返却の鍵があることを管理者の権限を有する利用者が知らないまま物品保管装置1が電源オフされるのを防止することができる。
また、この場合において、未返却の鍵を収納すべき鍵ホルダの位置を、タッチパネルLCD102にグラフィック表示するものであってもよい。
【0092】
さらに、この場合において、物品保管装置1ではシャットダウン処理の実行(操作)が、行員やバイトの権限を有する利用者(高い権限を有しない利用者)に許容されている場合を考える。この場合において、前回の電源オン時以降に、行員やバイトの権限を有する利用者によって施錠処理が実行されているときには、管理者の権限を有する利用者(高い権限を有する利用者)のみにシャットダウン処理の実行を許容してもよい。
【0093】
図19は、本発明の他の実施形態にかかる物品保管装置のシャットダウン処理を示すフローチャートである。
この実施形態では、鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dは、物品保管装置1において終了処理としてのシャットダウン処理の実行を許容/禁止を決定するために参照されるテーブルである。この鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dの内容が図6と同様の内容である場合を例に挙げて説明する。
【0094】
鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dには、未返却の鍵の重要度に対応して、扉215に対する利用者のシャットダウン権限が記憶されている。この鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dでは、重要度が「高」の鍵が未返却の場合、または重要度が「高」の鍵が全て返却済みであって重要度が「中」の鍵が未返却の場合には、「管理者」の権限(高い権限)を有する利用者は物品保管装置1に対するシャットダウン権限を有するが、「行員」の権限(低い権限)しか有さない利用者は物品保管装置1に対するシャットダウン権限を有さない。また、図6の鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dでは、重要度が「高」の鍵の全ておよび重要度が「中」の鍵が全て返却済みであって重要度が「低」の鍵が未返却の場合、ならびに全ての鍵が返却済みである場合には、いずれの権限を有する利用者も、物品保管装置1に対するシャットダウン権限を有する。
【0095】
図19を参照して、タッチパネルLCD102に表示されるシャットダウンボタンの押操作などが行われると(ステップS51でYES)、操作制御ユニット10の制御部105は、記憶部214cを参照し、物品保管装置1に登録されている(鍵管理テーブル104eに記憶されている)全ての鍵が返却された状態であるか、および未返却の鍵がある場合にその鍵がいずれの鍵ホルダに収納されるべきであるかを調べる(ステップS52)。全ての鍵が返却済みである場合には(ステップS52でYES)、制御部105は、シャットダウン処理を実行する(ステップS57)。
【0096】
未返却の鍵がある場合には(ステップS52でNO)、制御部105は、利用者管理テーブル104bを参照して、ログイン中の利用者の権限を取得するとともに(ステップS53)、鍵管理テーブル104eを参照して、未返却の鍵の重要度を取得する(ステップS54)。そして、制御部105は、ログイン中の利用者の権限および未返却の鍵の重要度を取得し、鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dに基づいて、ログイン中の利用者が、シャットダウン権限を有しているか否かを調べる(ステップS56)。
【0097】
ログイン中の利用者が施錠権限を有する場合(ステップS56でYES)は、シャットダウン処理(ステップS57)を行い、終了する。図6に示す本実施形態の場合、管理者は、重要度が「高」の鍵が未返却の場合、重要度が「中」の鍵が未返却の場合、または重要度が「低」の鍵が未返却の場合を問わず、すなわち未返却の鍵の種類を問わず、物品保管装置1に対するシャットダウン権限を有している。
【0098】
したがって、ログインしている利用者(の権限)が管理者であるときは(ステップS56でYES)、制御部105は、シャットダウン処理を実行する(ステップS57)。
一方、行員(の権限を有する利用者)は、重要度が「低」の鍵が未返却の場合に、物品保管装置1に対するシャットダウン権限を有しているが、重要度が「高」の鍵が未返却の場合または重要度が「中」の鍵が未返却の場合には、物品保管装置1に対するシャットダウン権限を有していない。言い換えれば、行員は、重要度が「低」の鍵が未返却の場合には、シャットダウン処理の実行が許容されているが、重要度が「高」または「中」である鍵が未返却の場合には、シャットダウン処理の実行が禁止されている。
【0099】
したがって、ログインしている利用者(の権限)が行員であるときは(ステップS56でNO)、重要度が「高」または「中」の鍵が全て返却済みであり、かつ重要度が「低」の鍵が未返却のときは(ステップS58でYES)、制御部105は、シャットダウン処理を実行する(ステップS57)。これにより、扉215が施錠される。これに対し、利用者がシャットダウン権限を有しない場合(ステップS56でNO)、エラー表示(ステップS59)を行い、終了する。本実施形態の場合、ログイン中の利用者が行員で、重要度が「高」または「中」の鍵が未返却のときは、制御部105は、シャットダウン処理を実行せず、「管理者によるシャットダウン処理ではありません」や「未返却の鍵があります」などのエラー表示をタッチパネルLCD102に表示させる(ステップS59)。その後、図19のシャットダウン処理は終了する。
【0100】
以上により、この実施形態によれば、鍵管理ユニット21の収納部21Bに未返却の鍵がある場合には、利用者の権限および当該鍵の重要度に基づいて、シャットダウン処理の実行が許容または禁止される。収納部21Bに未返却の鍵があっても、その鍵の重要度が「低」である場合は、管理者の権限を有する者によらずに、行員の権限を有する者がシャットダウン処理を実行することができる。
【0101】
この実施形態において、鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dの内容が、図6ではなく、図16と同様の内容であってもよい。
以上、この発明の2つの実施形態を例に挙げて説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の各実施形態において、物品保管装置1に登録される利用者の権限が4段階以上に区分けされていてもよい。また、物品保管装置1に登録される鍵の重要度は、2段階に区分けされるものであってもよいし、4段階以上に区分けされるものであってもよい。
【0102】
また、前述の各実施形態では、ユーザ認証において、カードリーダ101による認証だけを行う場合を例に挙げて説明したが、タッチパネルLCD102を用いて利用者に自分のIDを入力させてもよい。かかる場合には、認証部105bは、利用者によって入力されたIDをタッチパネルLCD102から受け取り、受け取ったIDが利用者管理テーブル104bに記憶されているIDと一致するか否かを判定すればよい、
前述の各実施形態では、磁気読み取り式のカードリーダ101を備えるとして説明したが、物品保管装置1には、カードリーダ101に代えて、またはカードリーダ101とともに、非接触IC対応の非接触式のカードが備えられていてもよい。利用者が所持するカードとしてICカードを用いることができる。
【0103】
また、鍵持出処理/鍵返却処理の際に、タッチパネルLCD102に鍵位置案内画面を表示しなくてもよい。
また、終了処理として、鍵管理ユニット21の収納部B2の扉215の施錠処理を例に挙げて説明したが、鍵管理ユニット21の別の収納部B1の扉の施錠処理であってもよいし、他のユニット22〜24の収納部B3〜B12の扉の施錠処理であってもよい。
【0104】
たとえば、一般ユニット23,24の各収納部B3〜B9に収納されているファイルの冊数が、ファイルの種別毎に物品管理装置1(操作制御ユニット10)に管理されている場合を考慮する。この場合、ある収納部B3〜B9に収納されている全てのファイルの種別について、ファイルの冊数が予め定める冊数と一致する場合には、利用者の権限によらず、いずれの利用者も当該収納部B3〜B9の扉の施錠処理をすることができるとする。また、ある収納部B3〜B9に収納されているある種類のファイルの冊数が予め定める冊数に足りないとき、管理者の権限を有する利用者でなければその収納部の扉を施錠することができないとし、足りないファイルが重要度の低いファイルであるときは、行員やバイト(高い権限を有さない利用者)であっても、その扉の施錠処理の実行が許容されていてもよい。
【0105】
ファイルなどの物品の収納数や種類は、物品の出し入れの際の利用者による操作入力などにより把握してもよいし、それぞれの物品にICタグを貼り付け、各収納部に収納されている物品を識別するようにしてもよい。
また、この場合、全てのファイルの種別について、ファイルの冊数が予め定める冊数と一致する場合には、利用者の権限によらず、いずれの利用者も、物品保管装置1のシャットダウン処理をすることができるとする。また、ある収納部B3〜B9に収納されているある種類のファイルの冊数が予め定める冊数に足りないとき、管理者の権限を有する利用者でなければ、物品保管装置1のシャットダウン処理が実行できないとし、足りないファイルが重要度の低いファイルであるときは、行員やバイト(高い権限を有さない利用者)であっても、物品保管装置1のシャットダウン処理の実行が許容されていてもよい。
【0106】
また、各収納部B1〜B12に関して、扉が施錠されていない状態でシャットダウン操作が行われた場合には、「ロックされていません」などの警告を表示するものであってもよい。また、扉が施錠されていない状態でシャットダウン操作が行われた場合には、そのシャットダウン処理の実行が停止(中断)されるようになっていてもよい。
また、収納部B1〜B12に収納すべき物品が未返却(未収納)である場合や、各収納部B1〜B12に収納されている物品の数と収納すべき物品の数とが異なる場合の他、収納されている物品数が確定できない場合も、終了処理(扉の施錠処理や物品保管装置1のシャットダウン処理)を実行可能な利用者を限定してもよい。物品数が確定できない場合の原因として、鍵ホルダA1〜A30の状態を検出するためのセンサや通帳計数部222の故障の他、物品保管装置1に登録されている物品数の未入力や、物品の取り出し/返却にかかる物品数の未入力が考えられる。
【0107】
また、通帳管理ユニット22に収納されている通帳の数が予め定める数未満である場合に、通帳を補充すべき旨をタッチパネルLCD102に表示するようにしてもよい。さらに、このとき補充用の束通帳がどの収納部に収納されているかを表示してもよい
管理収納ユニットは、鍵管理ユニット21や通帳管理ユニット22に限られない。また、管理収納ユニットは、光学式センサや重量センサを用いて収納されている棒金の個数や金額を計数する棒金管理ユニットであってもよい。
【0108】
また、管理収納ユニットは、入金時(収納時)に金種を識別することによって、収納されている貨幣の金額を計数する入金管理ユニットであってもよく、出金時(取り出し時)金種を識別することによって、収納されている貨幣の金額を計数する出金管理ユニットであってもよい。また、管理収納ユニットは、入金管理ユニットおよび出金管理ユニットの双方の機能を兼ね備えた入出金管理ユニットであってもよい。
【0109】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0110】
1 物品保管装置
21 鍵管理ユニット
102 タッチパネルLCD(報知手段)
105 制御部(終了処理の実行を許可または禁止する手段,設定手段,利用者の権限を設定する手段,報知手段)
212 扉施錠部
215 扉
A1〜A30 鍵ホルダ
B1〜B12 収納部
【技術分野】
【0001】
この発明は、物品を保管する物品保管装置、とくに鍵を収納する鍵収納ユニットを備える物品保管装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来から、金融機関等のオフィスに設置され、複数の従業員によって共用される書類や電子機器等(以下、「物品」とする)を保管するための物品保管装置が知られている。物品保管装置は、物品を収納するための収納部を有した収納ユニットと、各収納部の施解錠操作を行うための操作制御ユニットとを備えている。この収納ユニットとして、たとえば、鍵を収納するための鍵ホルダを多数有する収納部を備える鍵管理ユニットが用いられることがある。
【0003】
鍵管理ユニットの各収納部には、扉が開閉可能に設けられている。通常の運用では、扉は閉じられ、かつ施錠されている。鍵を持ち出し/返却する場合、オペレータは、操作制御ユニットを操作して鍵管理ユニットの扉を解錠するとともに、その扉を手で開け、鍵ホルダから鍵を持ち出し/返却する。そして、オペレータは、鍵の取出し/返却後にその扉を手で閉めるとともに、操作制御ユニットを操作して扉を施錠する。
【0004】
物品保管装置では、鍵管理ユニットに関し、前述のような通常の運用に加えて、扉を常時開状態とする鍵管理ユニット扉開放運用が用意されている場合がある。鍵管理ユニット扉開放運用では、たとえば営業開始時に管理者により扉が解錠された後は、扉は開状態にされる。そして、扉はたとえば営業終了時まで開状態のまま維持され、営業終了時になると、扉が閉じられるとともに扉が施錠される。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開平5−156845号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
鍵管理ユニット扉開放運用中における鍵管理ユニットの扉の施錠処理は、管理者の権限を有する利用者(以下、単に「管理者」という場合もある)にのみ許容されている。また、鍵管理ユニットに全ての鍵が返却されている場合は、管理者であるか否かによらずに、扉への施錠が許容されている。したがって、鍵管理ユニットに全ての鍵が返却されている場合には、管理者の権限を有さない利用者であっても扉を施錠できるが、鍵管理ユニットに未返却の鍵がある場合には、管理者によらなければ扉を施錠できない。
【0007】
しかしながら、管理者がオフィス内に不在である場合なども想定され、未返却の鍵がある場合の全てにおいて、管理者の操作を要求するのは不便である。また、鍵管理ユニットに収納される鍵の中には重要度の低い鍵(たとえば事務用品ロッカーの鍵等)も含まれている。したがって、鍵管理ユニットに未返却の鍵があっても、その鍵が重要度の低い鍵である場合は、管理者によらずに扉の施錠を行えることが望まれている。
【0008】
そこで、この発明の目的は、収納部に未収納の物品がある場合であっても、終了処理を実行することが可能な物品保管装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0009】
請求項1記載の発明は、予め定める複数の物品を収納するための収納部(B1〜B12)と、前記収納部に収納される各物品の重要度を設定する設定手段(105)と、前記収納部内における未収納の物品の重要度に基づいて、所定の終了処理の実行を許容または禁止する許可/禁止手段(105)とを含む、物品保管装置(1)である。
なお、括弧内の数字は、後述の実施形態における対応構成要素等を表すが、特許請求の範囲を実施形態に限定する趣旨ではない。以下、この項において同じ。
【0010】
この構成によれば、収納部に未収納(未返却)の物品がある場合には、当該物品の重要度に基づいて、終了処理の実行が許容または禁止される。すなわち、収納部に未収納の物品がある場合であっても、物品の重要度いかんによっては、終了処理が許可される場合がある。したがって、収納部に未収納の物品がある場合であっても、終了処理を実行することが可能である。
【0011】
請求項2記載の発明は、利用者の権限を設定する手段(105)をさらに含み、前記許可/禁止手段は、前記終了処理を実行可能な利用者を、利用者の権限、ならびに前記収納部内における未収納の物品の重要度に基づいて、前記終了処理の実行を許可または禁止する、請求項1記載の物品保管装置である。
この構成によれば、収納部に未収納の物品がある場合には、利用者の権限および当該物品の重要度に基づいて、終了処理の実行が許容または禁止される。すなわち、収納部に未収納の物品がある場合であっても、物品の重要度および/または利用者の権限いかんによっては、終了処理が許可される場合がある。したがって、収納部に未収納の物品がある場合であっても、終了処理を実行することが可能である。
【0012】
請求項3に記載のように、前記許可/禁止手段は、前記利用者のうち特定の利用者に対しては、本人以外の1または複数の利用者の認証を許可条件として含むものであってもよい。
この発明の一実施形態にかかる物品保管装置では、請求項4に記載されているように、前記収納部は、施解錠可能な扉(215)を備えており、前記終了処理は、前記扉の施錠処理であってもよい。この場合、収納部に未収納の物品がある場合には、当該物品の重要度に基づいて、扉の施錠が許容または禁止されるので、収納部に未収納の物品がある場合であっても、扉を施錠することが可能である。
【0013】
そして、この場合、請求項5に記載のように、未収納の物品がある前記収納部の前記扉が施錠されたことに基づいてその旨を報知する報知手段(105,102)を備えていてもよい。この場合、予め定める利用者が扉を施錠した旨が報知される。そして、予め定める利用者がたとえば比較的低い権限を有する利用者である場合には、未収納の物品があり、かつかかる利用者により扉が施錠された旨を、たとえば比較的高い権限を有する利用者に対して報知することができる。
【0014】
かかる報知は、前記物品保管装置のシャットダウン処理に関連して実行されるものであってもよい。未収納の物品がある旨を、シャットダウン処理に関連して、報知先に認識させることができる。
また、この発明の別の実施形態にかかる物品保管装置では、請求項6に記載のように、前記終了処理は、前記物品保管装置のシャットダウン処理を含むものであってもよい。この場合、収納部に未収納の物品がある場合には、当該物品の重要度に基づいて、物品保管装置のシャットダウン処理が許容または禁止されるので、収納部に未収納の物品がある場合であっても、物品保管装置をシャットダウンさせることが可能である。
【0015】
さらにまた、請求項7に記載のように、前記物品は鍵であり、また、前記収納部は、複数の前記鍵を保持可能な鍵ホルダ(A1〜A30)を有するものであってもよい。この場合、収納部に未返却の鍵がある場合には、当該鍵の重要度に基づいて、終了処理の実行が許容または禁止される。したがって、収納部に未返却の鍵がある場合であっても、終了処理を実行することが可能である。
【図面の簡単な説明】
【0016】
【図1】本発明の一実施形態にかかる物品保管装置の外観正面図である。
【図2】図1に示す鍵管理ユニットの外観斜視図である。
【図3】図1に示す物品保管装置の電気的構成を示すブロック図である。
【図4】図3に示す利用者管理テーブルの一例を示す図である。
【図5】図3に示す鍵管理テーブルの一例を示す図である。
【図6】図3に示す鍵重要度−利用者権限対応テーブルの一例を示す図である。
【図7】図1に示す鍵管理ユニットの電気的構成を示すブロック図である。
【図8】図1に示す通帳管理ユニットの電気的構成を示すブロック図である。
【図9】図1に示す物品保管装置が実行する処理手順を示すフローチャートである
【図10】鍵持出処理の流れを示すフローチャートである。
【図11】タッチパネルLCDに表示される鍵持出/鍵返却選択画面の一例を示す図である。
【図12】タッチパネルLCDに表示される鍵位置案内画面の一例を示す図である。鍵位置案内画面の一例を示す図である。
【図13】タッチパネルLCDに表示される鍵持出処理完了画面の一例を示す図である。
【図14】鍵管理ユニット扉開放運用中における扉閉じ処理の流れを示すフローチャートである。
【図15】タッチパネルLCDに表示される鍵持出/扉閉じ選択画面の一例を示す図である。
【図16】図3に示す鍵重要度−利用者権限対応テーブルの他の例を示す図である。
【図17】タッチパネルLCDに表示される二者認証要求画面の一例を示す図である。
【図18】タッチパネルLCDに表示される非管理者施錠確認画面の一例を示す図である。
【図19】本発明の他の実施形態にかかる物品保管装置のシャットダウン処理を示すフローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0017】
以下では、この発明の実施の形態を、添付図面を参照して詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態にかかる物品保管装置1の外観正面図である。物品保管装置1は、操作制御ユニット10と、鍵管理ユニット21と、通帳管理ユニット22と、一般ユニット23,24とを備え、たとえば銀行等の金融機関のオフィスに設置されている。このように、物品保管装置1は、ユニット10,21〜24を複数組み合わせて構成されており、各ユニット21〜24では、保管対象の物品の種類(性質)に応じた物品管理が行われている。
【0018】
一般ユニット23,24は、物品を収納する収納部B3〜B9と、各収納部B3〜B9の扉を施解錠する施解錠部とを有する収納ユニットである。具体的には、一般ユニット23は、4つの収納部B3〜B6と、各収納部B3〜B6の扉を施解錠する4つの施解錠部とを備え、ファイルや束通帳等の物品を保管する重要物管理ユニットである。また、一般ユニット24は、3つの収納部B7〜B9と、各収納部B7〜B9の扉を施解錠する3つの施解錠部とを備え、融資書類等のとくに重要な物品を保管する耐火ユニットである。
【0019】
一方、鍵管理ユニット21および通帳管理ユニット22は、物品を収納するための収納部B1,B2,B10〜B12と、各収納部B1,B2,B10〜B12の扉を施解錠するための施解錠部と、各収納部B1,B2,B10〜B12に収納された物品を管理するための管理部とを備えている。
鍵管理ユニット21は、複数の鍵の持ち出しや返却を個別に管理する管理収納ユニットである。具体的には、鍵管理ユニット21は、2つの収納部B1,B2のうち収納部B2内に複数個(たとえば最大30個)の鍵を保管する。
【0020】
図2は、鍵管理ユニット21の外観斜視図である。図2を参照して、鍵管理ユニット21の具体的な構成について説明する。
鍵管理ユニット21の収納部B2は、収納部B2内を開閉する扉215と、扉215を施解錠する扉施錠部212と、収納部B2内部に設けられた鍵ホルダ部213とを有している。扉215は、本体(筐体)に対して片開き可能に設けられている。
【0021】
物品保管装置1には、鍵管理ユニット21の扉215に関連して、通常運用と鍵管理ユニット扉開放運用とが用意されている。通常運用とは、扉215を常時閉状態とし、鍵を持ち出す/返却する場合を除いて扉215を施錠しておく運用である。これに対し、鍵管理ユニット扉開放運用とは、扉215を常時開状態としておく運用である。
扉215を、鍵管理ユニット21の前面に対して約90度をなす姿勢になるまで引き出した後、鍵管理ユニット21の奥方向へとスライド移動させることにより、収納部B2の本体の側板と鍵ホルダ部213との間に形成される収納スペース内に収納することができるようになっている。鍵管理ユニット扉開放運用中(鍵管理ユニット扉開放運用が設定された状態)に開状態の扉215をこの収納スペース内に収納しておけば、扉215が邪魔にならない。
【0022】
扉施錠部212は、扉215をロック(施錠)するためのロック板と、ロック板を駆動するためのモータとを備えている。モータの回転に伴って、ロック板の先端部が上下動するようになっている。ロック板の先端部がたとえば下位置にあるときは、扉215の上下中間位置に配設された係合部215aと係合し、扉215は施錠状態になる。一方、ロック板の先端部がたとえば上位置にあるときは、扉215の係合部215aとロック板とは係合せず、扉215は解錠状態になる。すなわち、モータを用いてロック板の先端部を上下動させることにより、扉215の施解錠が行われるようになっている。
【0023】
鍵ホルダ部213は、複数の鍵ホルダA1〜A30を備えている。各鍵ホルダA1〜A30は、鍵ホルダ部213に抜き出し不能に挿入されている。これらの鍵ホルダA1〜A30は、操作制御ユニット10からの制御信号(指示)に基づいて個別に施錠または解錠可能に設けられている。言い換えれば、鍵ホルダ部213は個別施解錠部である。
なお、各鍵ホルダA1〜A30の上部には、鍵ホルダA1〜A30の状態を利用者に報知するためのランプRが1対1に対応して設けられている。具体的には、各ランプRは、対応する鍵ホルダA1〜A30が施錠されている場合には消灯され、対応する鍵ホルダA1〜A30が解錠されている場合には緑色に照光(点灯)され、鍵ホルダ部213から鍵ホルダA1〜A30が抜き出されている場合(不挿入または不完全挿入の場合)には赤色に照光(点灯)されるようになっている。
【0024】
鍵ホルダ部213は、非常時用ダイヤルロック216を備えている。この非常時用ダイヤルロック216は、故障時や停電時等に、鍵ホルダA1〜A30を手動で解錠するために用いられる。
再び、図1を参照して、通帳管理ユニット22について説明する。通帳管理ユニット22は、収納されているバラ通帳(以下、単に「通帳」とする)を計数するための通帳計数部を備えた管理収納ユニットである。通帳管理ユニット22は、3つの収納部B10〜B12を有している。収納部B10および収納部B11内には、それぞれ複数の通帳が保管されている。
【0025】
各収納部B10,B11は、4つの個別収納部に区分けされており、個別収納部毎に異なる種類の通帳を収納することができるようになっている。また、通帳計数部は、各個別収納部に収納された通帳を個別に計数する。
操作制御ユニット10は、一般ユニット23,24および管理収納ユニット21,22の施解錠等を制御する制御ユニットである。利用者は、物品保管装置1から物品を持ち出す場合には、この操作制御ユニット10に設けられたタッチパネルLCD(Liquid Crystal Display。報知手段)102を操作して、目的の物品が保管されているユニット21,22,23,24の収納部の扉を解錠する。
【0026】
物品保管装置1は、利用者が鍵管理ユニット21から鍵を持ち出す操作を行う場合、ログイン中の利用者が解除権限を有する鍵ホルダの位置を示した鍵位置案内画面(図12参照)を、タッチパネルLCD102に対して表示する。また、物品保管装置1は、ログイン中の利用者が通帳管理ユニット22から通帳を持ち出す操作を行う場合、当該利用者が持ち出そうとしている通帳が収納されている個別収納部の位置を示した通帳位置案内画面を、タッチパネルLCD102に対して表示する。
【0027】
このように、タッチパネルLCD102に鍵位置案内画面や通帳位置案内画面を表示することによって、利用者は、目的とする鍵や通帳が、鍵管理ユニット21や通帳管理ユニット22のどの位置に収納されているかを容易に把握することができる。
しかも、図1に示すように、物品保管装置1では、鍵管理ユニット21や通帳管理ユニット22が操作制御ユニット10に隣接する位置に配置されている。したがって、物品保管装置1では、鍵管理ユニット21や通帳管理ユニット22が、タッチパネルLCD102の近傍に位置している。そのため、利用者は、クッチパネルLCD102に表示された鍵位置案内画面を目視しながら、鍵ホルダ部213に対して鍵を持ち出す/返却することができる。これにより、鍵の持ち出し/返却のための操作を、より一層容易に行うことができる。
【0028】
さらに、物品保管装置1では、片開き可能なドア型の扉215を有する鍵管理ユニット21を操作制御ユニット10と同じ高さに配置し、手前側に引き出し可能な引出し型の扉を有する通帳管理ユニット22を、操作制御ユニット10よりも低い位置に配置している。これにより、鍵ホルダ部213や個別収納部の視認性を高めることができる。
なお、以下の説明において、床面直上に設置される通帳管理ユニット22および一般ユニット24を下段ユニットといい、また、下段ユニットの上方に設置される操作制御ユニット10、鍵管理ユニット21および一般ユニット23を上段ユニットという場合がある。
【0029】
図3は、物品保管装置1の電気的構成を示すブロック図である。なお、図3には、物品保管装置1の特徴を説明するために必要な構成要素のみを示している。
物品保管装置1は、操作制御ユニット10と、被制御ユニット20とを備えている。ここで、被制御ユニット20とは、鍵管理ユニット21、通帳管理ユニット22および一般ユニット23,24を含む趣旨である。
【0030】
操作制御ユニット10は、カードリーダ101と、タッチパネルLCD102と、記憶部104と、制御部105(終了処理の実行を許可または禁止する手段,設定手段,利用者の権限を設定する手段,報知手段)とを備えている。
カードリーダ101(図1も併せて参照)は、磁気カードからID(Identification)を読み取る読取装置である。タッチパネルLCD102は、各種の操作画面等を表示したり、指先等でタッチされた情報を制御部105へ伝えたりする表示操作部である。
【0031】
記憶部104は、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスによって構成されている。記憶部104には、被制御ユニット管理情報104a、利用者管理テーブル104b、物品管理情報104c、および鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dが記憶されている。物品管理情報104cには、たとえば鍵管理テーブル104eが含まれている。
【0032】
被制御ユニット管理情報104aは、被制御ユニット20である鍵管理ユニット21、通帳管理ユニット22および一般ユニット23,24に関する情報である。被制御ユニット管理情報104aは、各ユニット21,22,23,24の位置情報、鍵ホルダ部213の状態に関する情報(以下、「鍵ホルダ状態情報」という)、通帳計数部222による計数結果情報等を含んでいる。
【0033】
図4は、利用者管理テーブル104bの一例を示す図である。利用者管理テーブル104bには、物品保管装置1に登録済みの利用者のデータが格納(記憶)されている。
利用者管理テーブル104bには、利用者名、利用者が解錠権限を有する扉(以下、「権限扉」という)、利用者が持出権限を有する鍵(以下、「権限鍵」という)および利用者の権限が、利用者のIDに対応付けて格納されている。すなわち、物品保管装置1には、利用者が、ID、権限扉、権限鍵および利用者の権限に関連付けて登録されている。また、利用者のIDとは、利用者に配布されたカード(磁気カードやICカード等)のカードIDである。
【0034】
利用者の権限とは、物品保管装置1を管理する上での各利用者に付与された権限(の度合い)をいう。この利用者の権限は、利用者の役職および/または職務に応じて当該利用者に付与されている。図4では、利用者の権限は、管理者および行員の2段階に区分けされている。利用者の権限として、図4に示す「管理者」または「行員」のような役職(および/または職務)のまま利用者管理テーブル104bに格納するものであってもよいし、「高」または「低」のような権限度合いのまま利用者管理テーブル104bに格納するものであってもよい。
【0035】
物品保管装置1への利用者の登録、すなわち利用者管理テーブル104bへのデータの格納は、操作制御ユニット10のタッチパネルLCD102の操作によって行う。
図4では、物品保管装置1に登録されている利用者の一例として、「栄光太郎」、「栄光二郎」および「栄光三郎」が挙げられている。利用者「栄光一郎」には「012」のカードIDを有するカードが配布されている。この利用者「栄光一郎」は、収納部B1〜B12の扉を開閉する権限を有しており、鍵ホルダA1〜A30から鍵を持ち出す権限を有しており、また、利用者の権限は「管理者」(高い権限)である。
【0036】
また、利用者「栄光二郎」には「345」のカードIDを有するカードが配布されている。この利用者「栄光二郎」は、収納部B3〜B5の扉を開閉する権限を有しており、鍵ホルダA11〜A30から鍵を持ち出す権限を有しており、また、利用者の権限は「行員」(低い権限)である。さらに、利用者「栄光三郎」には「678」のカードIDを有するカードが配布されている。この利用者「栄光三郎」は、収納部B3〜B5の扉を開閉する権限を有しており、鍵ホルダA21〜A30から鍵を持ち出す権限を有しており、また、利用者の権限は「行員」(低い権限)である。
【0037】
図4では、物品保管装置1に登録済みの利用者の一例として、「栄光太郎」、「栄光二郎」および「栄光三郎」の3名を挙げているが、実際にはより多くの利用者を物品保管装置1に登録できることはいうまでもない。
図5は、鍵管理テーブル104eの一例を示す図である。鍵管理テーブル104eには、鍵管理ユニット21の収納部B2に収納されるべき鍵のデータが格納されている。具体的には、鍵管理テーブル104eには、鍵が収納される鍵ホルダと、当該鍵の種類と、当該鍵の重要度とが格納(記憶)されている。鍵の重要度とは、当該鍵に対応する錠が設けられた機器・装置(たとえば、金庫、ATMなど)の重要度や、当該機器・装置に収納される物品の重要度などを考慮して決定される重要度をいう。この実施形態では、鍵の重要度はたとえば3段階に区分けされている。
【0038】
図5では、鍵管理ユニット21に収納される鍵の一例として「金庫」の鍵、「ATM」の鍵、「通帳管理ユニット」22の鍵および「事務用品ロッカー」の鍵が挙げられている。「金庫」の鍵の収納先は鍵ホルダA1であり、鍵の重要度は「高」である。「ATM」の鍵の収納先は鍵ホルダA2であり、鍵の重要度は「高」である。「通帳管理ユニット」22の鍵の収納先は鍵ホルダA11であり、鍵の重要度は「中」である。「事務用品ロッカー」の鍵の収納先は鍵ホルダA21であり、鍵の重要度は「低」である。
【0039】
図6は、鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dの一例を示す図である。
鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dは、鍵管理ユニット扉開放運用中に鍵管理ユニット21の収納部B2の扉215の施錠処理を許容/禁止を決定するために参照されるテーブルである。鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dには、未返却の鍵の重要度に対応して、扉215に対する利用者の施錠権限が記憶されている。図6の鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dでは、重要度が「高」の鍵が未返却の場合、または重要度が「高」の鍵が全て返却済みであって重要度が「中」の鍵が未返却の場合には、「管理者」の権限(高い権限)を有する利用者は扉215に対する施錠権限を有するが、「行員」の権限(低い権限)しか有さない利用者は扉215に対する施錠権限を有さない。また、図6の鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dでは、重要度が「高」の鍵の全ておよび重要度が「中」の鍵が全て返却済みであって重要度が「低」の鍵が未返却の場合、ならびに全ての鍵が返却済みである場合には、いずれの権限を有する利用者も、扉215に対する施錠権限を有する。
【0040】
再び、図3を参照して制御部105について説明する。
制御部105は、被制御ユニット20からの情報の取得、利用者の認証、タッチパネルLCD102の表示制御、被制御ユニット20への各種指示等の処理を行う処理部である。制御部105は、情報取得部105a、認証部105b、表示制御部105cおよび指示部105dを備えている。
【0041】
情報取得部105aは、被制御ユニット20から情報を取得する処理部である。たとえば、情報取得部105aは、鍵管理ユニット21、通帳管理ユニット22および一般ユニット23,24から、各ユニット21〜24の位置情報や収納部B1〜B12の扉の開閉状態情報等を取得する。
また、情報取得部105aは、鍵管理ユニット21から鍵ホルダA1〜A30の位置情報や鍵ホルダ状態情報を取得する。鍵ホルダ状態情報には、各鍵ホルダA1〜A30が施錠状態/解錠状態のいずれにあるかを示す施解錠情報や、各鍵ホルダA1〜A30に鍵が返却された状態であるか否か(鍵が返却された状態/鍵が持ち出された状態のいずれであるか)を示す有無情報等を含んでいる。さらに、情報取得部105aは、通帳管理ユニット22から個別収納部の位置情報や通帳計数部222による計数結果情報等を取得する。
【0042】
認証部105bは、利用者の認証を行う処理部である。具体的には、認証部105bは、利用者が所持するカードから読み取ったIDをカードリーダ101から受け取ると、受け取ったIDが利用者管理テーブル104bに記憶されているIDと一致するか否かを判定し、両者が一致した場合に、利用者を認証する。
表示制御部105cは、タッチパネルLCD102に対して各種の画面を表示させる処理部である。たとえば、表示制御部105cは、認証部105bによって利用者が認証された場合には、利用者に対して各種の操作を選択させるための種々の画面をタッチパネルLCD102に表示させる。
【0043】
指示部105dは、被制御ユニット20に含まれる収納部B1〜B12の扉の施解錠、通帳管理ユニット22に対する通帳計数処理の実行等を指示する処理部である。
図7は、鍵管理ユニット21の電気的構成を示すブロック図である。
鍵管理ユニット21は、I/F(Interface)部211と、扉施錠部212と、鍵ホルダ部213と、鍵管理部214とを備えている。鍵管理部214は、鍵ホルダ施解錠指示部214aと、状態検知部214bと、記憶部214cと、情報通知部214dとを備えている。
【0044】
I/F部211は、操作制御ユニット10と通信を行うための処理部である。具体的には、I/F部211は、操作制御ユニット10から、鍵管理ユニット21の扉(扉215)の解錠指示または施錠指示を受け取ると、受け取った指示に基づいて、鍵管理ユニット21の扉(扉215)の施解錠を行う。
なお、I/F部211は、鍵管理ユニット21に対する解錠指示や施錠指示だけでなく、鍵管理ユニット21の下部に設置された下段ユニット、すなわち、一般ユニット24の扉に対する解錠指示や施錠指示も受け取る。そして、I/F部211は、一般ユニット24に対する解錠指示または施錠指示を操作制御ユニット10から受け取ると、受け取った指示に従って一般ユニット24の扉の施解錠を行う。なお、操作制御ユニット10およびI/F部211間、隣接する上段ユニットのI/F部間、I/F部および下段ユニット間の通信インタフェイスとしては、たとえばRS−485を用いることができる。
【0045】
また、I/F部211は、鍵管理ユニット21の扉215が解錠または施錠されると、扉215が解錠または施錠された旨を操作制御ユニット10に対して通知する。I/F部211は、下段ユニットである一般ユニット24の扉が解錠または施錠された場合も同様の処理を行う。
鍵ホルダ部213は、30個の鍵ホルダA1〜A30を個別に施解錠する。たとえば、鍵ホルダ部213は、鍵ホルダA1を解錠すべき旨の指示を受けたならば、鍵ホルダA1のみを解錠し、鍵ホルダA1〜A5を解錠すべき旨の指示を受けたならば、鍵ホルダA1〜A5をまとめて解錠する。
【0046】
鍵管理部214は、鍵ホルダ部213への施解錠指示、鍵ホルダA1〜A30の状態の検知、鍵ホルダA1〜A30の状態の記憶や通知等の処理を行う処理部である。具体的には、鍵管理部214は、鍵ホルダ施解錠指示部214aと、状態検知部214bと、記憶部214cと、情報通知部214dとを備えている。なお、鍵管理部214および操作制御ユニット10問の通信は、I/F部211経由ではなく、LAN(Local Area Network)等を用いて直接行われる。
【0047】
鍵ホルダ施解錠指示部214aは、鍵ホルダ部213に対し、鍵ホルダA1〜A30の解錠または施錠を指示する処理部である。具体的には、鍵ホルダ施解錠指示部214aは、操作制御ユニット10の指示部105dから鍵ホルダA1〜A30の解錠指示または施錠指示を受け取ると、受け取った指示に従って、鍵ホルダ部213に対して鍵ホルダA1〜A30の解錠指示または施錠指示を行う。
【0048】
状態検知部214bは、鍵ホルダ部213の状態の検知を行う処理部である。具体的には、状態検知部214bは、各鍵ホルダA1〜A30が施錠状態/解錠状態のいずれにあるか、および各鍵ホルダA1〜A30に鍵が返却された状態であるか否か(鍵が返却された状態/鍵が持ち出された状態のいずれであるか)を検知する。状態検知部214bによって検知された各鍵ホルダA1〜A30の状態(施錠状態/解錠状態のいずれにあるか、および各鍵ホルダA1〜A30に鍵が返却された状態であるか否か)は、鍵ホルダ状態情報として記憶部214cに記憶される。
【0049】
記憶部214cは、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスによって構成されている。記憶部214cは、鍵ホルダA1〜A30の位置情報や、各鍵ホルダA1〜A30の状態等を記憶している。
情報通知部214dは、記憶部214cに記憶された情報を操作制御ユニット10に対して通知する処理部である。具体的には、情報通知部214dは、記憶部214cに記憶されている情報が更新された場合に、更新された鍵ホルダ状態情報を記憶部214cから取り出して操作制御ユニット10に対して通知する。また、情報通知部214dは、物品保管装置1の起動時に、各鍵ホルダA1〜A30の位置情報を操作制御ユニット10に対して通知する。
【0050】
図8は、通帳管理ユニット22の電気的構成を示すブロック図である。通帳管理ユニット22は、扉施錠部221と、通帳計数部222と、通帳精査部223とを備えている。また、通帳精査部223は、計数指示部223aと、記憶部223bと、情報通知部223cとを備えている。扉施錠部221は、通帳管理ユニット22の扉の施解錠を行うための施解錠部である。
【0051】
また、扉施錠部221は、通帳管理ユニット22の上部に設置された一般ユニット23のI/F部からの指示に従って収納部B10〜B12の扉の施解錠を行う。
通帳計数部222は、通帳管理ユニット22の収納部B10(図1参照)に収納された通帳を計数するための機構である。
通帳計数部222は、反射型センサ(図示しない)と、この反射型センサが取り付けられたセンサ基板とを含む。反射型センサは、発光素子と受光素子とを備えるセンサである。反射型センサは、センサ基板の稼働に伴って、収納部B10内を前後方向に移動する。反射型センサは、センサ基板の稼働に伴って、発光素子が通帳に光を照射し、かつその反射光を受光素子が受光しつつ、収納部B10内を、前後方向に移動す(手前側から奥側へと移動す)る。そして、通帳計数部222は、受光素子が受光した反射光の受光レベルに基づいて通帳間の凹凸を検出し、この凹凸の数に基づいて通帳の数を決定する。通帳計数部222は、かかる通帳計数処理を完了すると、計数処理が完了した旨を情報通知部223cに通知するとともに、計数結果を記憶部223bに記憶する。
【0052】
通帳精査部223は、通帳計数部222に対する通帳の計数指示、計数結果情報の記憶および通知といった処理を行う処理部である。具体的には、通帳精査部223は、計数指示部223aと、記憶部223bと、情報通知部223cとを備えている。
計数指示部223aは、通帳計数部222に対して通帳計数処理の実行を指示する処理部である。具体的には、計数指示部223aは、操作制御ユニット10の指示部105dから通帳計数処理の実行指示を受け取った場合に、通帳計数部222に対して通帳計数処理の実行を指示する。
【0053】
記憶部223bは、不揮発性メモリやハードディスクドライブといった記憶デバイスによって構成されている。記憶部223bは、通帳計数部222による計数結果情報を記憶する。
情報通知部223cは、記憶部223bに記憶された計数結果情報を操作制御ユニット10に対して通知する処理部である。具体的には、情報通知部223cは、計数処理が完了した旨を通帳計数部222から受け取ると、更新前の計数結果および更新後の計数結果を記憶部223bから取得する。
【0054】
そして、情報通知部223cは、更新前後の計数結果を用いて、持ち出された通帳数または補充された通帳数を算出し、更新後の計数結果とともに計数結果情報として操作制御ユニット10へ通知する。たとえば、更新前の計数結果が「131」であり、更新後の計数結果が「123」である場合、情報通知部223cは、持ち出された通帳数「8」および更新後の計数結果「123」を、計数結果情報として、操作制御ユニット10へ通知する。
【0055】
図9は、物品保管装置1が実行する処理手順を示すフローチャートである
物品保管装置1は、電源が投入されると、初期化処理を行う(ステップS1)。この初期化処理において、操作制御ユニット10の情報取得部105aは、被制御ユニット20の位置情報、鍵ホルダA1〜A30の位置情報、鍵ホルダ状態情報、計数結果情報等を取得し、被制御ユニット管理情報104aとして記憶部104に記憶させる。初期化処理を終えると、物品保管装置1では、操作制御ユニット10の表示制御部105cが、タッチパネルLCD102に待機画面を表示させる(ステップS2)。
【0056】
次いで、操作制御ユニット10の認証部105bは、ログイン操作が行われたか否かを判定する(ステップS3)。なお、認証部105bは、カードリーダ101に磁気カードが通された場合に、ログイン操作が行われたと判定する。かかる処理において、ログイン操作が行われたと判定した場合(ステップS3でYES)、ステップS4の処理へ移行する。
【0057】
ステップS4において、認証部105bは、利用者の認証(ユーザ認証)に成功したか否かを判定する。具体的には、認証部105bは、カードリーダ101によって磁気カードから読み取ったIDが利用者管理テーブル104bとして記憶されているIDと一致した場合に、利用者の認証に成功したと判定する。なお、認証部105bは、カードリーダ101による認証だけでなく、ID入力による認証も行ってもよい。
【0058】
ステップS4において利用者の認証に失敗した場合(ステップS4でNO)、表示制御部105cは、認証に失敗した旨をタッチパネルLCD102に対して表示させる(ステップS5)。そして、ステップS5の処理を終えた場合、またはステップS3においてログイン操作が行われていない場合(ステップS3でNO)、操作制御ユニット10は、ステップS3以降の処理を繰り返す。
【0059】
一方、利用者の認証に成功したと判定した場合(ステップS4でYES)、次いで、表示制御部105cは、タッチパネルLCD102に操作選択画面(操作メニュー画面)を表示させる(ステップS6)。ここで、操作選択画面には、鍵管理ユニット21、通帳管理ユニット22および一般ユニット23,24にそれぞれ対応するアイコン(操作ボタン)が表示される。
【0060】
次いで、操作制御ユニット10の制御部105は、操作選択画面において鍵管理ユニット21に対応するアイコンが選択されたか否かを判定する(ステップS7)。かかる処理において、鍵管理ユニット21に対応するアイコンが選択されたと判定した場合(ステップS7でYES)、物品保管装置1は、鍵持出処理または鍵返却処理を実行する(ステップS9)。かかる鍵持出処理および鍵返却処理については後述する。
【0061】
一方、ステップS7において鍵管理ユニット21に対応するアイコンが選択されていないとき(ステップS7でNO)、操作制御ユニット10の制御部105は、通帳管理ユニット22に対応するアイコンが選択されたか否かを判定する(ステップS10)。かかる処理において、通帳管理ユニット22に対応するアイコンが選択されたと判定した場合(ステップS10でYES)、制御部105は、さらに、通帳選択操作が行われたか否かを判定する(ステップS11)。
【0062】
具体的には、操作選択画面において通帳管理ユニット22に対応するアイコンが選択されると、表示制御部105cは、タッチパネルLCD102に対して通帳選択画面を表示させる。通帳選択画面は、利用者に、通帳管理ユニット22内の複数種類の通帳の中から一の通帳を選択させるための画面である。そして、この通帳選択画面において一の通帳が選択されると、制御部105は、通帳選択操作が行われたと判定する。制御部105は、ステップS11において通帳選択操作が行われたと判定すると(ステップS11でYES)、その後、通帳出入処理を実行する(ステップS13)。
【0063】
一方、ステップS10において通帳管理ユニット22に対応するアイコンが選択されていないとき(ステップS10でNO)、操作制御ユニット10の制御部105は、一般ユニット23,24に対応するアイコンが選択されたか否かを判定する(ステップS14)。かかる処理において、一般ユニット23,24に対応するアイコンが選択されたと判定した場合(ステップS14でYES)、制御部105は、収納部の選択操作が行われたか否かを判定する(ステップS15)。
【0064】
具体的には、操作選択画面において一般ユニット23,24に対応するアイコンが選択されると、表示制御部105cは、収納部選択画面をタッチパネルLCD102に対して表示させる。収納部選択画面は、一般ユニット23,24の収納部B3〜B9の中から一の収納部を利用者に選択させるための画面である。そして、この収納部選択画面においてある収納部が利用者によって選択されると(ステップS15でYES)、制御部105は、選択操作が行われた収納部B3〜B9の物品出入処理を実行する(ステップS17)。
【0065】
物品出入処理では、まず、操作制御ユニット10の指示部105dが、利用者によって選択された収納部の解錠指示を行う。ここで、上段ユニットである一般ユニット23の収納部B3〜B6が選択された場合には、指示部105dは、一般ユニット23のI/F部に対して収納部の解錠を指示する。これに対し、下段ユニットである一般ユニット24の収納部B7〜B9が選択された場合には、指示部105dは、一般ユニット24の上部に設置された鍵管理ユニット21のI/F部211経由で収納部の解錠を指示する。そして、解錠指示を受けた一般ユニット23,24は、この指示に従って収納部の解錠を行う。
【0066】
ステップS9の鍵持出処理、ステップS13の通帳出入処理もしくはステップS17の物品出入処理がそれぞれ終了したとき、またはステップS14において一般ユニット23,24に対応するアイコンが選択されていないとき(ステップS14でNO)、操作制御ユニット10の制御部105は、ログアウト操作が行われたか否かを判定する(ステップS18)。かかる処理において、ログアウト操作が行われていないとき(ステップS18でNO)、制御部105は、ステップS6以降の処理を繰り返す。一方、ログアウト操作が行われたと判定した場合(ステップS18でYES)、制御部105は、ステップS2以降の処理を繰り返す。
【0067】
図10は、鍵持出処理の流れを示すフローチャートである。図11〜図13は、鍵持出処理に際してタッチパネルLCD102に表示される画面の一例である。以下、鍵管理ユニット21に関連して通常運用中(通常運用が設定された状態)である場合を例に挙げて説明する。
鍵持出処理の実行に先立って、タッチパネルLCD102に、鍵持出/鍵返却選択画面(図11参照)が表示される。この鍵持出/鍵返却選択画面では、鍵持出処理の実行を指示するための鍵持出ボタン291および鍵を返却するための鍵返却処理を指示するための鍵返却ボタン292が画面中央に設けられている。この鍵持出/扉閉じ選択画面では、また、画面の隅(図11では左下隅)に、前の表示画面に戻るための戻るボタン293が配置されている。
【0068】
鍵持出/鍵返却選択画面(図11参照)において、タッチ操作により鍵持出ボタン291が選択されると、操作制御ユニット10の指示部105dは、被制御ユニット管理情報104aを参照し、鍵管理ユニット21の収納部B2(図1参照)の扉215が開状態であるか否かを判定する(ステップS21)。
扉215が開状態でない場合(ステップS21でNO)、すなわち、扉215が閉状態である場合には、操作制御ユニット10は、鍵管理ユニット21の扉215を解錠する(ステップS22)。具体的には、操作制御ユニット10の指示部105dが、鍵管理ユニット21のI/F部211に対して扉施錠部212の解錠指示を行い、I/F部211が扉施錠部212の解錠を実行する。
【0069】
ステップS22の処理の終了後、またはステップS21において扉215が開状態である場合(ステップS21でYES)、操作制御ユニット10は、ログイン中の利用者が解錠権限を有する鍵ホルダをまとめて解錠する(ステップS23)。
具体的には、物品保管装置1では、操作制御ユニット10の指示部105dが、利用者管理テーブル104bを参照し、ログイン中の利用者に対応する権限鍵情報(当該利用者が解錠権限を有する鍵ホルダなどの情報)を取得する。次いで、指示部105dは、取得した権限鍵情報を含む鍵ホルダ解錠指示を鍵管理ユニット21の鍵ホルダ施解錠指示部214aに対して指示する。鍵ホルダ施解錠指示部214aは、鍵ホルダ解錠指示を受け取ると、その鍵ホルダ解錠指示に含まれる権限鍵情報に対応する鍵ホルダ、すなわちログイン中の利用者が解錠権限を有する鍵ホルダを解錠する。
【0070】
次いで、操作制御ユニット10の表示制御部105cは、タッチパネルLCD102に鍵位置案内画面(図12参照)を表示させる(ステップS24)。
鍵位置案内画面は、持ち出し可能な鍵の位置を利用者に把握させるための画面である。鍵位置案内画面には、鍵ホルダ部213を模式的に描いた鍵ホルダ部画像が設けられている。この鍵ホルダ部画像には、鍵ホルダ部213に設けられた各鍵ホルダA1〜A30に対応する鍵ホルダの画像が、各鍵ホルダA1〜A30と同様の配置で表示される。そして、鍵位置案内画面(鍵ホルダ部画像)では、利用者が鍵を持ち出すことのできる鍵ホルダに対応する鍵ホルダの画像が、他の鍵ホルダの画像とは異なる態様(たとえば異なる色)で表示される。また、鍵位置案内画面には、鍵ホルダ部画像の他に、ログイン中の利用者の利用者名およびID、鍵を持ち出すべき旨のメッセージ311、操作完了時に押下される決定ボタン312等が表示される。
【0071】
次いで、操作制御ユニット10の制御部105は、利用者が操作を完了したか否かを判定する(ステップS25)。具体的には、制御部105は、鍵位置案内画面に表示された決定ボタン312が押下された場合に、利用者が操作を完了したと判定する。かかる処理において、利用者が操作を完了したと判定すると(ステップS25でYES)、制御部105は、解錠状態にある鍵ホルダ、すなわちログイン中の利用者が解錠権限を有する鍵ホルダを施錠する(ステップS26)。
【0072】
具体的には、鍵位置案内画面に表示された決定ボタン312が押下されると、操作制御ユニット10の指示部105dは、鍵管理ユニット21の鍵ホルダ施解錠指示部214aに対して鍵ホルダの施錠を指示する。そして、鍵ホルダ施解錠指示部214aは、鍵ホルダの施錠指示を受け取ると、解錠状態にある鍵ホルダを施錠する。
次いで、物品保管装置1では、鍵ホルダ状態情報の更新が行われる(ステップS27)。具体的には、鍵管理ユニット21の状態検知部214bが検知した各鍵ホルダA1〜A30の状態(施錠状態/解錠状態のいずれにあるか、および各鍵ホルダA1〜A30に鍵が返却された状態であるか否か)を検知する。記憶部214cに記憶されている鍵ホルダA1〜A30の状態が、状態検知部214bが検知された状態に更新される。そして、情報通知部214dは、状態検知部214bによって更新された鍵ホルダ状態情報を操作制御ユニット10に対して通知する。操作制御ユニット10の情報取得部105aは、情報通知部214dから通知された鍵ホルダ状態情報を記憶部104に記憶する。
【0073】
鍵持出処理の終了に際し、操作制御ユニット10の表示制御部105cは、タッチパネルLCD102に鍵持出処理完了画面(図13参照)を表示させる。この鍵持出処理完了画面では、物品保管装置1(タッチパネルLCD102)に対する操作を終了する(ログアウトする)ためのログアウトボタン321および操作選択画面に移行するための操作選択ボタン322が画面中央に設けられている。また、鍵持出処理完了画面の画面上部には、鍵持出処理が完了した旨のメッセージ323が設けられている。
【0074】
前述の説明では、利用者が解錠権限を有する鍵ホルダをまとめて解錠する場合を例に挙げたが、利用者によって選択された鍵ホルダだけを解錠することとしてもよい。この場合、操作制御ユニット10の指示部105dは、鍵位置案内画面において利用者によって押下された鍵ホルダ画像に対応する鍵ホルダの解錠のみを鍵ホルダ施解錠指示部214aに対して指示するようにすればよい。
【0075】
また、鍵持出/鍵返却選択画面(図11参照)において、タッチ操作により鍵返却ボタン292が選択されると、鍵返却処理が実行される。鍵返却処理は鍵持出処理とほぼ同様の処理であるので説明を省略する。
次に、鍵管理ユニット扉開放運用について説明する。鍵管理ユニット扉開放運用は、
扉215を常時開状態としておく運用である。この鍵管理ユニット扉開放運用中では、たとえば毎日の営業開始時に扉215が解錠され、その後、扉215は開状態のまま維持される。そして、たとえば営業終了時に扉215が閉められ施錠される。
【0076】
鍵管理ユニット扉開放運用中における鍵持出処理は、概ね図10に示す通常運用中の鍵持出処理と同様の処理が行われるが、鍵管理ユニット扉開放運用中は常時扉215が解錠状態にあるので、ステップS21およびステップS22の処理はスキップされる。
図14は、鍵管理ユニット扉開放運用中における扉閉じ処理の流れを示すフローチャートである。
【0077】
扉閉じ処理の実行に先立って、タッチパネルLCD102に、鍵持出/扉閉じ選択画面(図15参照)が表示される。この鍵持出/扉閉じ選択画面では、鍵持出処理の実行を指示するための鍵持出ボタン301および扉215の施錠処理の実行を指示するための扉閉じボタン302が画面中央に設けられている。この鍵持出/扉閉じ選択画面では、また、画面の隅(図15では左下隅)に、前の表示画面に戻るための戻るボタン303が配置されている。
【0078】
この鍵持出/扉閉じ選択画面(図15参照)において、タッチ操作により扉閉じボタン302が選択されると(ステップS31でYES)、操作制御ユニット10の制御部105は、記憶部214cを参照し、物品保管装置1に登録されている(鍵管理テーブル104eに記憶されている)全ての鍵が返却された状態であるか、および未返却の鍵がある場合にその鍵がいずれの鍵ホルダに収納されるべきであるかを調べる(ステップS32)。全ての鍵が返却済みである場合には(ステップS32でYES)、制御部105(指示部105d)は、鍵管理ユニット21に対し、施錠指示を送信する(ステップS37)。これにより、扉215が施錠される。
【0079】
未返却の鍵がある場合には(ステップS32でNO)、制御部105は、利用者管理テーブル104bを参照して、ログイン中の利用者の権限を取得するとともに(ステップS33)、鍵管理テーブル104eを参照して、未返却の鍵の重要度を取得する(ステップS34)。そして、制御部105は、ログイン中の利用者の権限および未返却の鍵の重要度を取得し、鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dに基づいて、ログイン中の利用者が施錠権限を有しているか否かを調べる(ステップS36)。
【0080】
ログイン中の利用者が施錠権限を有する場合(ステップS36でYES)は、扉の施錠動作(ステップS37)を行い、終了する。図6に示す本実施形態の場合、管理者は、重要度が「高」の鍵が未返却の場合、重要度が「中」の鍵が未返却の場合、または重要度が「低」の鍵が未返却の場合を問わず、すなわち未返却の鍵の種類を問わず、扉215に対する施錠権限を有している。
【0081】
したがって、ログインしている利用者(の権限)が管理者であるときは(ステップS36でYES)、制御部105(指示部105d)は、鍵管理ユニット21に対し、施錠指示を送信する(ステップS37)。これにより、扉215が施錠される。
一方、行員(の権限を有する利用者)は、重要度が「低」の鍵が未返却の場合に、扉215に対する施錠権限を有しているが、重要度が「高」の鍵が未返却の場合または重要度が「中」の鍵が未返却の場合には、扉215に対する施錠権限を有していない。言い換えれば、行員は、重要度が「低」の鍵が未返却の場合には、施錠処理の実行が許容されているが、重要度が「高」または「中」である鍵が未返却の場合には、施錠処理の実行が禁止されている。
【0082】
したがって、ログインしている利用者(の権限)が行員であるときは(ステップS36でNO)、重要度が「高」または「中」の鍵が全て返却済みであり、かつ重要度が「低」の鍵が未返却のときは(ステップS38でYES)、制御部105(指示部105d)は、鍵管理ユニット21に対し、施錠指示を送信する(ステップS37)。これにより、扉215が施錠される。これに対し、利用者が施錠権限を有しない場合(ステップS36でNO)、エラー表示(ステップS40)を行い、終了する。本実施形態の場合、ログイン中の利用者が行員で、重要度が「高」または「中」の鍵が未返却のときは、制御部105は、鍵管理ユニット21に対して施錠指示を送信せず、「管理者による閉じ処理ではありません」や「未返却の鍵があります」などのエラー表示をタッチパネルLCD102に表示させる(ステップS40)。その後、図14に示す扉閉じ処理は終了する。
【0083】
扉閉じ処理の終了に際し、操作制御ユニット10の表示制御部105cは、タッチパネルLCD102に扉閉じ処理完了画面を表示させる。この扉閉じ処理完了画面は、図13に示す鍵持出処理完了画面と同様の画面である。扉閉じ処理完了画面の画面には、鍵持出処理完了画面のメッセージ323に代えて、扉閉じ処理が完了した旨のメッセージが設けられている。
【0084】
以上により、この実施形態によれば、鍵管理ユニット21の収納部21Bに未返却の鍵がある場合には、利用者の権限および当該鍵の重要度に基づいて、施錠処理の実行が許容または禁止される。収納部21Bに未返却の鍵があっても、その鍵の重要度が「低」である場合は、管理者の権限を有する者によらずに、行員の権限を有する者が施錠処理を実行することができる。
【0085】
したがって、管理者が不在である場合であっても、扉215の施錠処理を行うことができる。また、事務用品ロッカーの鍵のように未返却の鍵の重要度が低い場合に限って行員による施錠処理が許可されているに過ぎないので、管理者によらない施錠処理が行われても特段の問題は生じない。
図16は、鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dの他の例を示す図である。
【0086】
この図16に示す鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dが、図6に示す鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dと相違する点は、利用者の権限が2段階ではなく、管理者、行員およびバイトの3段階に区分けされている点、および利用者の認証に2者認証が要求されている点である。以下、具体的に説明する。
図16の鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dでは、重要度が「高」の鍵が未返却の場合には、「管理者」の権限(最も高い権限)を有する利用者は扉215に対する施錠権限を有するが、「バイト」の権限(最も低い権限)しか有さない利用者は扉215に対する施錠権限を有さない。また、この場合、「行員」の権限(「管理者」と「バイト」との間の中間の権限)を有する利用者は、二者認証を条件に扉215に対する施錠権限を有する。ここで、二者認証とは、本人以外の一人の利用者(物品管理装置1に、二者認証の認証者として予め登録された利用者。以下、「二者認証者」という)の認証を条件に、施錠権限を付与することをいう。すなわち、行員は、単独では扉215を施錠することはできないが、二者認証者が認証されることにより、扉215を施錠することができる。この場合、タッチパネルLCD102に、図17に示す二者認証要求画面が表示される。二者認証画面では、二者認証者のカードをカードリーダ101に通すことを促す旨の画像およびメッセージ331が設けられている。また、画面の隅(図17では左下隅)に、前の表示画面に戻るための戻るボタン332が配置されている。そして、二者認証者のカードをカードリーダ101に通すことにより、二者認証が認証され、扉215の施錠が行われる。なお、この場合、二者認証者としての登録は、「行員」または「管理者」の権限を有するものに限られる。
【0087】
図16の鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dでは、重要度が「高」の鍵が全て返却済みであって重要度が「中」の鍵が未返却の場合には、「管理者」の権限および「行員」の権限を有する利用者は扉215に対する施錠権限を有するが、「バイト」の権限を有する利用者は、二者認証を条件に扉215に対する施錠権限を有する。すなわち、「バイト」の権限を有する利用者は、単独では扉215を施錠することはできないが、本人以外の利用者が認証されることにより、扉215を施錠することができる。この場合、タッチパネルLCD102に、二者認証要求画面(図17参照)が表示され、二者認証者のカードをカードリーダ101に通すことにより、二者認証が認証され、扉215の施錠が行われる。
【0088】
また、図16の鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dでは、重要度が「高」の鍵の全ておよび重要度が「中」の鍵が全て返却済みであって重要度が「低」である鍵が未返却の場合、ならびに全ての鍵が返却済みである場合には、いずれの権限を有する利用者も、扉215に対する施錠権限を有する。
なお、図16を用いて、特定の利用者に対して二者認証を要求する場合を例に挙げて説明したが、二者認証に代えて、本人以外の複数(2人以上)の利用者の認証を許可条件として要求する複数(三者以上)認証が採用されていてもよい。
【0089】
さらに、前述の実施形態(図1〜図17の実施形態)において、行員やバイトの権限を有する利用者(高い権限を有しない利用者)によって施錠処理が実行された場合に、その旨をタッチパネルLCD102に表示することもできる。より詳しくは、物品管理装置1の前回の電源オン時以降に、行員やバイトの権限を有する利用者によって施錠処理が行われた場合には、シャットダウン処理に関連して、その旨が表示されるものであってもよい。また、この物品保管装置1では、シャットダウン処理の実行(操作)は、管理者(高い権限を有する利用者)にのみ許容されている。
【0090】
具体的には、たとえばタッチパネルLCD102に表示されるシャットダウンボタンの押操作などが、管理者の権限を有する利用者によって行われた場合には、シャットダウン処理の実行に先立って、タッチパネルLCD102に図18に示す非管理者施錠確認画面が表示される。
この非管理者施錠確認画面では、「鍵○○(鍵ホルダA○)が未返却で利用者名□□□により扉がクローズされました。」という、ログイン中の利用者に対して確認を促すメッセージが表示されるとともに、「シャットダウンを続行して良いですか?」という、ログイン中の利用者に対する問い掛けのメッセージが表示される。その後、管理者の権限を有する利用者は、非管理者施錠確認画面中の「はい」ボタン341(図18参照)または「いいえ」ボタン342を押操作する。「はい」ボタン341が操作されると、シャットダウン処理が続行され、また、「いいえ」ボタン342が操作されると、シャットダウン処理が中止される。
【0091】
この場合、未返却の鍵があることを、管理者の権限を有する利用者が知ることができ、これにより、未返却の鍵があることを管理者の権限を有する利用者が知らないまま物品保管装置1が電源オフされるのを防止することができる。
また、この場合において、未返却の鍵を収納すべき鍵ホルダの位置を、タッチパネルLCD102にグラフィック表示するものであってもよい。
【0092】
さらに、この場合において、物品保管装置1ではシャットダウン処理の実行(操作)が、行員やバイトの権限を有する利用者(高い権限を有しない利用者)に許容されている場合を考える。この場合において、前回の電源オン時以降に、行員やバイトの権限を有する利用者によって施錠処理が実行されているときには、管理者の権限を有する利用者(高い権限を有する利用者)のみにシャットダウン処理の実行を許容してもよい。
【0093】
図19は、本発明の他の実施形態にかかる物品保管装置のシャットダウン処理を示すフローチャートである。
この実施形態では、鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dは、物品保管装置1において終了処理としてのシャットダウン処理の実行を許容/禁止を決定するために参照されるテーブルである。この鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dの内容が図6と同様の内容である場合を例に挙げて説明する。
【0094】
鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dには、未返却の鍵の重要度に対応して、扉215に対する利用者のシャットダウン権限が記憶されている。この鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dでは、重要度が「高」の鍵が未返却の場合、または重要度が「高」の鍵が全て返却済みであって重要度が「中」の鍵が未返却の場合には、「管理者」の権限(高い権限)を有する利用者は物品保管装置1に対するシャットダウン権限を有するが、「行員」の権限(低い権限)しか有さない利用者は物品保管装置1に対するシャットダウン権限を有さない。また、図6の鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dでは、重要度が「高」の鍵の全ておよび重要度が「中」の鍵が全て返却済みであって重要度が「低」の鍵が未返却の場合、ならびに全ての鍵が返却済みである場合には、いずれの権限を有する利用者も、物品保管装置1に対するシャットダウン権限を有する。
【0095】
図19を参照して、タッチパネルLCD102に表示されるシャットダウンボタンの押操作などが行われると(ステップS51でYES)、操作制御ユニット10の制御部105は、記憶部214cを参照し、物品保管装置1に登録されている(鍵管理テーブル104eに記憶されている)全ての鍵が返却された状態であるか、および未返却の鍵がある場合にその鍵がいずれの鍵ホルダに収納されるべきであるかを調べる(ステップS52)。全ての鍵が返却済みである場合には(ステップS52でYES)、制御部105は、シャットダウン処理を実行する(ステップS57)。
【0096】
未返却の鍵がある場合には(ステップS52でNO)、制御部105は、利用者管理テーブル104bを参照して、ログイン中の利用者の権限を取得するとともに(ステップS53)、鍵管理テーブル104eを参照して、未返却の鍵の重要度を取得する(ステップS54)。そして、制御部105は、ログイン中の利用者の権限および未返却の鍵の重要度を取得し、鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dに基づいて、ログイン中の利用者が、シャットダウン権限を有しているか否かを調べる(ステップS56)。
【0097】
ログイン中の利用者が施錠権限を有する場合(ステップS56でYES)は、シャットダウン処理(ステップS57)を行い、終了する。図6に示す本実施形態の場合、管理者は、重要度が「高」の鍵が未返却の場合、重要度が「中」の鍵が未返却の場合、または重要度が「低」の鍵が未返却の場合を問わず、すなわち未返却の鍵の種類を問わず、物品保管装置1に対するシャットダウン権限を有している。
【0098】
したがって、ログインしている利用者(の権限)が管理者であるときは(ステップS56でYES)、制御部105は、シャットダウン処理を実行する(ステップS57)。
一方、行員(の権限を有する利用者)は、重要度が「低」の鍵が未返却の場合に、物品保管装置1に対するシャットダウン権限を有しているが、重要度が「高」の鍵が未返却の場合または重要度が「中」の鍵が未返却の場合には、物品保管装置1に対するシャットダウン権限を有していない。言い換えれば、行員は、重要度が「低」の鍵が未返却の場合には、シャットダウン処理の実行が許容されているが、重要度が「高」または「中」である鍵が未返却の場合には、シャットダウン処理の実行が禁止されている。
【0099】
したがって、ログインしている利用者(の権限)が行員であるときは(ステップS56でNO)、重要度が「高」または「中」の鍵が全て返却済みであり、かつ重要度が「低」の鍵が未返却のときは(ステップS58でYES)、制御部105は、シャットダウン処理を実行する(ステップS57)。これにより、扉215が施錠される。これに対し、利用者がシャットダウン権限を有しない場合(ステップS56でNO)、エラー表示(ステップS59)を行い、終了する。本実施形態の場合、ログイン中の利用者が行員で、重要度が「高」または「中」の鍵が未返却のときは、制御部105は、シャットダウン処理を実行せず、「管理者によるシャットダウン処理ではありません」や「未返却の鍵があります」などのエラー表示をタッチパネルLCD102に表示させる(ステップS59)。その後、図19のシャットダウン処理は終了する。
【0100】
以上により、この実施形態によれば、鍵管理ユニット21の収納部21Bに未返却の鍵がある場合には、利用者の権限および当該鍵の重要度に基づいて、シャットダウン処理の実行が許容または禁止される。収納部21Bに未返却の鍵があっても、その鍵の重要度が「低」である場合は、管理者の権限を有する者によらずに、行員の権限を有する者がシャットダウン処理を実行することができる。
【0101】
この実施形態において、鍵重要度−利用者権限対応テーブル104dの内容が、図6ではなく、図16と同様の内容であってもよい。
以上、この発明の2つの実施形態を例に挙げて説明したが、この発明は他の形態で実施することもできる。
たとえば、前述の各実施形態において、物品保管装置1に登録される利用者の権限が4段階以上に区分けされていてもよい。また、物品保管装置1に登録される鍵の重要度は、2段階に区分けされるものであってもよいし、4段階以上に区分けされるものであってもよい。
【0102】
また、前述の各実施形態では、ユーザ認証において、カードリーダ101による認証だけを行う場合を例に挙げて説明したが、タッチパネルLCD102を用いて利用者に自分のIDを入力させてもよい。かかる場合には、認証部105bは、利用者によって入力されたIDをタッチパネルLCD102から受け取り、受け取ったIDが利用者管理テーブル104bに記憶されているIDと一致するか否かを判定すればよい、
前述の各実施形態では、磁気読み取り式のカードリーダ101を備えるとして説明したが、物品保管装置1には、カードリーダ101に代えて、またはカードリーダ101とともに、非接触IC対応の非接触式のカードが備えられていてもよい。利用者が所持するカードとしてICカードを用いることができる。
【0103】
また、鍵持出処理/鍵返却処理の際に、タッチパネルLCD102に鍵位置案内画面を表示しなくてもよい。
また、終了処理として、鍵管理ユニット21の収納部B2の扉215の施錠処理を例に挙げて説明したが、鍵管理ユニット21の別の収納部B1の扉の施錠処理であってもよいし、他のユニット22〜24の収納部B3〜B12の扉の施錠処理であってもよい。
【0104】
たとえば、一般ユニット23,24の各収納部B3〜B9に収納されているファイルの冊数が、ファイルの種別毎に物品管理装置1(操作制御ユニット10)に管理されている場合を考慮する。この場合、ある収納部B3〜B9に収納されている全てのファイルの種別について、ファイルの冊数が予め定める冊数と一致する場合には、利用者の権限によらず、いずれの利用者も当該収納部B3〜B9の扉の施錠処理をすることができるとする。また、ある収納部B3〜B9に収納されているある種類のファイルの冊数が予め定める冊数に足りないとき、管理者の権限を有する利用者でなければその収納部の扉を施錠することができないとし、足りないファイルが重要度の低いファイルであるときは、行員やバイト(高い権限を有さない利用者)であっても、その扉の施錠処理の実行が許容されていてもよい。
【0105】
ファイルなどの物品の収納数や種類は、物品の出し入れの際の利用者による操作入力などにより把握してもよいし、それぞれの物品にICタグを貼り付け、各収納部に収納されている物品を識別するようにしてもよい。
また、この場合、全てのファイルの種別について、ファイルの冊数が予め定める冊数と一致する場合には、利用者の権限によらず、いずれの利用者も、物品保管装置1のシャットダウン処理をすることができるとする。また、ある収納部B3〜B9に収納されているある種類のファイルの冊数が予め定める冊数に足りないとき、管理者の権限を有する利用者でなければ、物品保管装置1のシャットダウン処理が実行できないとし、足りないファイルが重要度の低いファイルであるときは、行員やバイト(高い権限を有さない利用者)であっても、物品保管装置1のシャットダウン処理の実行が許容されていてもよい。
【0106】
また、各収納部B1〜B12に関して、扉が施錠されていない状態でシャットダウン操作が行われた場合には、「ロックされていません」などの警告を表示するものであってもよい。また、扉が施錠されていない状態でシャットダウン操作が行われた場合には、そのシャットダウン処理の実行が停止(中断)されるようになっていてもよい。
また、収納部B1〜B12に収納すべき物品が未返却(未収納)である場合や、各収納部B1〜B12に収納されている物品の数と収納すべき物品の数とが異なる場合の他、収納されている物品数が確定できない場合も、終了処理(扉の施錠処理や物品保管装置1のシャットダウン処理)を実行可能な利用者を限定してもよい。物品数が確定できない場合の原因として、鍵ホルダA1〜A30の状態を検出するためのセンサや通帳計数部222の故障の他、物品保管装置1に登録されている物品数の未入力や、物品の取り出し/返却にかかる物品数の未入力が考えられる。
【0107】
また、通帳管理ユニット22に収納されている通帳の数が予め定める数未満である場合に、通帳を補充すべき旨をタッチパネルLCD102に表示するようにしてもよい。さらに、このとき補充用の束通帳がどの収納部に収納されているかを表示してもよい
管理収納ユニットは、鍵管理ユニット21や通帳管理ユニット22に限られない。また、管理収納ユニットは、光学式センサや重量センサを用いて収納されている棒金の個数や金額を計数する棒金管理ユニットであってもよい。
【0108】
また、管理収納ユニットは、入金時(収納時)に金種を識別することによって、収納されている貨幣の金額を計数する入金管理ユニットであってもよく、出金時(取り出し時)金種を識別することによって、収納されている貨幣の金額を計数する出金管理ユニットであってもよい。また、管理収納ユニットは、入金管理ユニットおよび出金管理ユニットの双方の機能を兼ね備えた入出金管理ユニットであってもよい。
【0109】
その他、特許請求の範囲に記載された事項の範囲で種々の設計変更を施すことが可能である。
【符号の説明】
【0110】
1 物品保管装置
21 鍵管理ユニット
102 タッチパネルLCD(報知手段)
105 制御部(終了処理の実行を許可または禁止する手段,設定手段,利用者の権限を設定する手段,報知手段)
212 扉施錠部
215 扉
A1〜A30 鍵ホルダ
B1〜B12 収納部
【特許請求の範囲】
【請求項1】
予め定める複数の物品を収納するための収納部と、
前記収納部に収納される各物品の重要度を設定する設定手段と、
前記収納部内における未収納の物品の重要度に基づいて、所定の終了処理の実行を許容または禁止する許可/禁止手段とを含む、物品保管装置。
【請求項2】
利用者の権限を設定する手段をさらに含み、
前記許可/禁止手段は、前記終了処理を実行可能な利用者を、利用者の権限、ならびに前記収納部内における未収納の物品の重要度に基づいて、前記終了処理の実行を許可または禁止する、請求項1記載の物品保管装置。
【請求項3】
前記許可/禁止手段は、前記利用者のうち特定の利用者に対しては、本人以外の1または複数の利用者の認証を許可条件として含む、請求項2記載の物品保管装置。
【請求項4】
前記収納部は、施解錠可能な扉を備え、
前記終了処理は、前記扉の施錠処理である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の物品保管装置。
【請求項5】
未収納の物品がある前記収納部の前記扉が施錠されたことに基づいてその旨を報知する報知手段を備える、請求項4記載の物品保管装置。
【請求項6】
前記終了処理は、前記物品保管装置のシャットダウン処理を含む、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の物品保管装置。
【請求項7】
前記物品は鍵であり、
前記収納部は、複数の前記鍵を保持可能な鍵ホルダを有する、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の物品保管装置。
【請求項1】
予め定める複数の物品を収納するための収納部と、
前記収納部に収納される各物品の重要度を設定する設定手段と、
前記収納部内における未収納の物品の重要度に基づいて、所定の終了処理の実行を許容または禁止する許可/禁止手段とを含む、物品保管装置。
【請求項2】
利用者の権限を設定する手段をさらに含み、
前記許可/禁止手段は、前記終了処理を実行可能な利用者を、利用者の権限、ならびに前記収納部内における未収納の物品の重要度に基づいて、前記終了処理の実行を許可または禁止する、請求項1記載の物品保管装置。
【請求項3】
前記許可/禁止手段は、前記利用者のうち特定の利用者に対しては、本人以外の1または複数の利用者の認証を許可条件として含む、請求項2記載の物品保管装置。
【請求項4】
前記収納部は、施解錠可能な扉を備え、
前記終了処理は、前記扉の施錠処理である、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の物品保管装置。
【請求項5】
未収納の物品がある前記収納部の前記扉が施錠されたことに基づいてその旨を報知する報知手段を備える、請求項4記載の物品保管装置。
【請求項6】
前記終了処理は、前記物品保管装置のシャットダウン処理を含む、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の物品保管装置。
【請求項7】
前記物品は鍵であり、
前記収納部は、複数の前記鍵を保持可能な鍵ホルダを有する、請求項1ないし6のいずれか一項に記載の物品保管装置。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【公開番号】特開2012−36592(P2012−36592A)
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−175641(P2010−175641)
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年2月23日(2012.2.23)
【国際特許分類】
【出願日】平成22年8月4日(2010.8.4)
【出願人】(000001432)グローリー株式会社 (1,344)
【Fターム(参考)】
[ Back to top ]