説明

物品保護緩衝装置、物品固定装置、及び物品梱包装置

【課題】 輸送中に起こり得る物品への衝撃を緩和させることはもちろん、上述のような梱包、包装に対する設備投資、コスト、時間を少なくでき、部品管理等も容易化することを可能にする物品保護緩衝装置、及び梱包装置を提供する。
【解決手段】 物品1の外側周面との間に隙間を残して囲むための囲繞体4と、該囲繞体4と前記物品1の外側周面との間の隙間に配置されその通常状態よりも湾曲させた状態あるいは予め湾曲形成された複数の緩衝体部材11からなる緩衝体10とから構成する。またベース202上の物品1にベルト装置を巻きかけて固定する物品固定装置において、各ベルト端部211に取り付けられた紐状部材231,232,233、234と、この紐状部材231,232,233、234を引くことにより、前記ベルト端部211をベース202上の物品1の下部位置に引き込むよう案内するガイド部材240とを備えた

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、画像形成装置等の物品の運搬等に用いる物品保護緩衝装置、物品緩衝載置装置、及び物品梱包装置に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンタ、ファクシミリ等の画像形成装置のような製商品のように、運搬時の取扱いに注意を要する物品を、生産工場からユーザーの設置先まで壊したりすることなく運搬することは、製造メーカとしては大きな関心事の一つであり、トラック、鉄道貨車、
船等の多くの輸送機関を使用して運搬されることを前提に包装設計がなされるのがごく一般的である。特に、運搬途中での積替え、一時保管等が行われることを前提に、運搬中に物品を毀損しないよう設計することが重要視されている。
【0003】
また、現在の物流環境においては、生産された物品、商品を工場から出荷する際には、大別して2通りの輸送経路が考えられる。1つ目は一度倉庫に保管されてからユーザーへ渡される場合、2つ目はメーカから直接ユーザーへ届けられる場合である。いずれにしても、そのユーザーに渡されて設置されるまでの過程で受けるさまざまな外的衝撃、輸送環境から物品を守り、物品の品質を落とすことなくユーザーの手元まで届けることが重要な課題である。すなわち製商品の物流過程においては、トラック等の輸送機関の運搬時に発生する振動や衝撃、各倉庫拠点、作業点で行われる積替え、保管時の荷役作業等において発生する外的ハザード(移動によるイナーシャや傾き等)に対して、製商品の品質を保持し、かつ運搬性及び荷役作業性に対しては有効な機能を有する包装形態を提供することが望まれている。そこで、物品を図25に示す物品包装装置に配置することが行われる。この物品包装装置は、物品1の載置体となるベース2、ベース2上に搭載した物品1の四周の側面との間に隙間3を残して囲む囲繞体4としての4本の支柱5及び4面の側壁体6とからなる。囲繞体4の頂部を覆う天蓋体7を含む構成であってもよい。そして、囲繞体4と物品1の外側周面との間の隙間3に適当な緩衝材を挟み込み物品の破損等を防止するようにしている。
【0004】
また、物品の一般的な包装方式として、段ボール外装箱とEPS(発泡ポリスチレン)等の緩衝体を用いたものが挙げられる。しかしながら近年の環境問題に対する関心の高まりの中、一度の物品輸送ごとに廃棄物を排出することは好ましくない。物品の種類ごとあるいは物品の細部形状が変わるごとに外装箱・緩衝体種類を変更ことは、コスト・開発労力の面から無駄が多く、物品サイズ・形状にとらわれずに梱包可能な包装方式の開発が望まれている。
【0005】
このような、物品サイズ・形状にとらわれない包装方式として、図26に示すようなものがある。これは、自動車用シートベルトと同等のベルトを用いて物品を固定するものである。すなわち、物品1の載置体となるベース102上に搭載した物品1にベルト110,120を掛け渡し、ベルト110,120に長さアジャスト機構を持たせることにより、一定範囲の物品サイズ・形状の物品1を固定するものである。なお、図中図中111,121は、アジャスト機構であるバックル、103、104はベース102に開設された長孔でベルト110,120がこの長孔103,104を通ってベース102の裏側に取り付けられている。
【0006】
しかしながら、ベルト110,120のベースへの固定位置103,104が物品1の底辺縁部から離れていると物品が不安定となることがある。このため、図13に示すように、ベルトの固定位置を物品1直下部(図中13中に長孔203、204で示した)とすることが考えられる。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
そのため、一般的には運搬する物品の形状に合わせた緩衝体を構成することにより梱包するようにしており、物品ごとに包装材に対する設備投資、設計作業等のコスト及び時間を必要としているのが現状である。また、そのような設計、管理を行うため、部品の種類が増え、それによって部品管理が煩雑になっている。
【0008】
本発明は、輸送中に起こり得る物品への衝撃を緩和させることはもちろん、上述のような梱包、包装に対する設備投資、コスト、時間を少なくでき、部品管理等も容易化することを可能にする物品保護緩衝装置、及び梱包装置を提供することを目的とする。
【0009】
また、上述したベルトを使用した梱包方式では、ベルト210,220を物品1の直下でベース202に固定にすると、物品1の荷降ろし時にキャスタ8の通る部分(図14中符号7)にベルト端縁211が配置されることになり、バックル212がキャスタ8に巻き込まれれば、バックル212が破損するということも起こり得る。
【0010】
また、本発明は、簡単かつ短時間にベルトをキャスタ通過部から移動できるようにし、物品をベースから迅速に移動させることができるようにすること目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】

本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0012】
請求項1の発明は、物品の外側周面との間に隙間を残して囲むための囲繞体と、該囲繞体と前記物品の外側周面との間の隙間に配置されその通常状態よりも湾曲させた状態で配設可能、あるいは予め湾曲形成された複数の緩衝体部材からなる緩衝体とを備えたことを特徴とする物品保護緩衝装置である。
【0013】
請求項2の発明は、物品の載置体と、該載置体上に搭載した前記物品の四周側面との間に隙間を残して囲むための囲繞体と、該囲繞体と前記物品の外側周面との間の隙間に、その通常状態よりも湾曲させた状態で配置可能、あるいは予め湾曲形成された複数の緩衝体部材からなる緩衝体とからなることを特徴とする物品保護緩衝装置である。
【0014】
請求項3の発明は、請求項1または2のいずれかの物品保護緩衝装置において、前記緩衝体部材は、均質な材質で一層に構成されていることを特徴とする。
【0015】
請求項4の発明は、物品保護緩衝装置において、請求項1または2の物品保護緩衝装置において、前記緩衝体部材は、複数の層部材で構成されていることを特徴とする。
【0016】
請求項5の発明は、請求項4の物品保護緩衝装置において、前記緩衝部材を構成する層部材が異なる幅寸法で構成され、各層部材は両幅方向両端縁で固定され湾曲形成されていることを特徴とする。
【0017】
請求項6の発明は、請求項1ないし5のいずれかの物品保護緩衝装置において、前記緩衝体部材のうち少なくとも物品に接触する部位は、物品の硬度より低い硬度の材質で形成されていることを特徴とする。
【0018】
請求項7の発明は、請求項1ないし6のいずれかの物品保護緩衝装置において、前記緩衝体部材のうち少なくとも物品に接触する部位は、物品の材質に影響を与えない材質で形成されていることを特徴とする。
【0019】
請求項8の発明は、請求項4ないし7のいずれかの物品保護緩衝装置において、各層部材は同一の材質で形成されていることを特徴とする。
【0020】
請求項9の発明は、請求項4ないし7のいずれかの物品保護緩衝装置において、各層部材は異なる材質で形成されていることを特徴とする。
【0021】
請求項10の発明は、請求項3の緩衝体部材と、請求項4の緩衝体部材とを組み合わせて緩衝体としたことを特徴とする。
【0022】
請求項11の発明は、物品の外側周面との間に隙間を残して囲むための囲繞体と、該囲繞体と前記物品の外側周面との間の隙間に配置されその通常状態よりも湾曲させた状態で配設可能な1または複数の緩衝体部材からなり、前記緩衝体部材は2枚の板材間に複数のリブ材を挟み込んで中空部を形成した中空部材で形成したことを特徴とする物品保護緩衝装置であることを特徴とする。
【0023】
請求項12の発明は、請求項11の物品保護緩衝装置において、複数の緩衝体部材を組み合わせて緩衝体として構成したことを特徴とする。
【0024】
請求項13の発明は、請求項11の物品保護緩衝装置において、一の緩衝体部材を湾曲した板形状とし、他の緩衝部材を前記一の緩衝部材と異なる形状とし前記一の緩衝体の湾曲内部に配置したことを特徴とする。
【0025】
請求項14の発明は、請求項11の物品保護緩衝装置において、複数の緩衝体部材を湾曲した同形状のものとし、この緩衝体部材を重ね合わせて緩衝材を構成したことを特徴とする。
【0026】
請求項15の発明は、請求項11ないし14の物品保護緩衝装置において、前記緩衝体のリブ材は同方向、あるいは異なる方向に向けて形成されていることを特徴とする。
【0027】
請求項16の発明は、載置台上の物品にベルト装置を巻きかけて物品を載置台上に固定するベルト装置の複数の端部が載置台の載置面に配置された物品固定装置において、前記各ベルト端部に取り付けられた紐状部材と、この紐状部材を引くことにより、前記ベルト端部を載置台上の物品の下部位置に引き込むよう案内するガイド部材とを備えたことを特徴とする物品固定装置であることを特徴とする。
【0028】
請求項17の発明は、請求項16の物品固定装置において、前記紐状部材が、前記載置面に取り付けられたすべてのベルト装置に取り付けられていることを特徴とする。
【0029】
請求項18の発明は、請求項16及び17の前項記載の物品固定装置において、ベルト端部への取付端部と反対側端部には輪状の指掛部材を備えたことを特徴とする。
【0030】
請求項19の発明は、請求項16ないし18のいずれかの物品固定装置において、前記紐状部材はその両端が、対となる物品ベルトに取り付けられていることを特徴とする。
【0031】
請求項20の発明は、請求項17ないし19の物品固定装置において、紐状部材のベルト端部への取り付け端部がベルト装置のバックルに接合されていることを特徴とする。
【0032】
請求項21の発明は、請求項17ないし20の物品固定装置において、紐状部材のベルトへの取り付け側の端部が輪状に形成され、前記ベルトが前記輪状部を貫通していることを特徴とする。
【0033】
請求項22の発明は、請求項17ないし21の物品固定装置において、紐状部材のベルトへの取り付け端部に輪状の取付部材が配置され、前記ベルトが前記その輪状部材中を貫通していることを特徴とする。
【0034】
請求項23の発明は、請求項17ないし11の物品固定装置において、紐状部材のベルトへの取り付け端部に大きさの異なる2つの穴部を形成した略8字状の取付部材が配置され、紐状部材は取付の小さい方の穴部に結合され、ベルトは大きい方の穴部を貫通していることを特徴とする。
【0035】
請求項24の発明は、請求項17ないし23の物品固定装置において、前記ガイド部材が略コ字状でありその2本の脚部が前記載置面に固着されていることを特徴とする。
【0036】
請求項25の発明は、請求項17ないし23の物品固定装置において、前記ガイド部材が略M字状でありその3本の脚部が前記載置面に固着されていることを特徴とする。
【0037】
請求項26の発明は、請求項17ないし23の物品固定装置において、前記ガイド部材が輪状で、該ガイド部材は、前記載置台に取付部材で接合されていることを特徴とすることを特徴とする。
【0038】
請求項27の発明は、請求項25記載の物品固定装置において、前記略M字型のガイド部材に貫通される複数の紐状部材は、該ガイド部材より引っ張り部分端部側で接合され抜け止め部が形成されていることを特徴とする。
【0039】
請求項28の発明は、請求項17ないし27の物品固定装置において、載置台面あるいは載置台側面には、紐状部材の引っ張り端部を結合する結合部材を備えたことを特徴とする。
【0040】
請求項29の発明は、請求項17ないし25記載の装置において、紐状部材を引っ張る側の物品外周部の載置台上あるいは載置台側面に紐状部材を係止する係止突起を備えたことを特徴とする。
【0041】
請求項30の発明は、請求項17ないし25のいずれかの物品固定装置において、載置台上には紐状部材の引っ張り方向を変更する偏向ガイド部材を備え、該偏向ガイド部材に紐状部材が貫通していることを特徴とする。
【0042】
請求項31の発明は、請求項30の物品固定装置において、前記偏向ガイド部材貫通した紐状部材のさらに外側に抜け止め部を設けたことを特徴とする。
【0043】
請求項32の発明は、請求項23の物品固定装置において、ベルトの載置台との結合部分に突起部が付けられており、その厚みが8の字状部材の大きい方の穴を通過できる幅よりも厚くしたことを特徴とする。
【0044】
請求項33の発明は、請求項32記載の物品固定装置において、ベルトを重ねて縫い合わせたて形成した縫い合わせ部を突起物として形成したことを特徴とする。
【0045】
請求項34の発明は、請求項1ないし15の物品保護緩衝装置のいずれか、または請求項16ないし33のいずれかの物品固定装置を用いてなることを特徴とする物品梱包装置である。
【発明の効果】
【0046】
本発明は、物品の外形が異なる大きさや形状からなるものであっても、ある程度の違いであれば簡単に対応できる汎用性に富んだものとなり、簡易な包装でも衝撃等による損傷を防ぐことができ、開梱後のゴミ等もほとんど出さずに済む環境にやさしい梱包、包装を可能とし、かつ繰り返し使用も可能とする。
【発明を実施するための最良の形態】
【0047】
以下本発明を実施するための最良の形態を、図に示す実施例を参照して説明する。なお以下では、多数の実施例について説明するが、先行する実施例と共通する構成、作用については説明を省略することがある。
【実施例1】
【0048】
本例に係る物品保護緩衝装置は、図1に示すように、物品1の載置体となるベース2、ベース2上に搭載した物品1の四周の側面との間に隙間3を残して囲む囲繞体4としての4本の支柱5及び4面の側壁体6とからなる。囲繞体4の頂部を覆う天蓋体7を含む構成であってもよい。そして、囲繞体4と物品1の外側周面との間の隙間3に本例に係る緩衝体10を配置している。
【0049】
前記緩衝体10は、2枚の湾曲形成した緩衝体部材11を2枚並べて、物品1と側壁体6との間の隙間3に配置する。この緩衝体部材11は通常平板状であるときよりも湾曲させた状態で配置するようにしてもよい。緩衝体部材を湾曲変形させて隙間3に配置するときには、ベース2や側壁体6に所定のストッパを配置しておく。
【0050】
本例に係る緩衝体部材11は、均質な材質で一層に構成されており、物品に接触する部位は、物品1の硬度より低い硬度の材質で形成されている。また、緩衝体部材11は予め湾曲形成される素材例えば樹脂等で形成される。緩衝体部材11を変形して湾曲させる場合には、弾性(あるいは可撓性及び復元性)を有する樹脂等、例えば段プラ等と称される段ボールプラスチック等からなる平板材から構成され、緩衝対称となる物品1の外周面よりも硬度の低い素材あるいは軟らかい素材とすることが加傷防止の点から好ましい。また緩衝体の素材は、物品1の外周面を構成する材料に対して移行等の影響を及ぼさない材料であることが好ましい。物品1に緩衝体部材11が長期間接触したまま放置された場合でも、移行等による劣化を引き起こさないで済むためである。
【0051】
また、本実施例では、湾曲させ得る緩衝体10を物品1の外周部に使用することより、物品1の外観形状のサイズの違いに順応でき、かつ湾曲による緩衝機能を側面の衝撃吸収と固定機能を併せて持つことができる。すなわち図の状態またはこれに天蓋体を載せた後、簡易なポリ袋等で覆った程度の荷姿のままトラック等に搭載すれば、輸送中に囲繞体4内で物品1が移動しようとし、あるいは移動しても、緩衝体8によって側面への衝撃が加わることと、それによる損傷を防ぐことができる。
【0052】
また物品1をユーザー所要の場所等の搬入し、梱包を解いた後は、緩衝体10が単なる平板材に戻るので、ヒモやテープ材等で束ねる等して容積を減らすことによって簡単に搬出でき、開梱時の廃棄ゴミがほとんど出ないようにすることができる。このような包装は環境にやさしいものであり、かつ繰り返し使用することが可能となる。特に本実施例では、従来の一体化された緩衝部材に比べ、部材を簡素化できるため、製造コストを引き下げることができる。また本例では緩衝体部材を複数枚で構成することにより、回収時に重ねるあわせることができるので、そのサイズを縮小できるため、回収輸送コストを低減することができる。
【0053】
なお図示の実施例では、緩衝体10の高さ寸法を囲繞体4の高さ寸法と同一またはほぼ同一としてあり、物品1の側面全体を囲繞体4に対して非接触に保ち得るようにしてあるが、梱包対象となる物品によっては、囲繞体4よりも高さが低い構成としてもよい。緩衝体10を囲繞体4の高さ方向の任意の位置に取り付けられる構成としてもよい。また支柱5は、内、外周面とも曲面形状の断面形状を有するが、もちろんアングル状の断面形状のものであってもよい。また側壁体6は、上下に2分したタイプのもの(図では符号6a、6bとして示す。)を用いているが、もちろん分断していないタイプのものや、3分割以上したもの等も用いることができる。さらに、天蓋体7については、図示のような蓋状のものでなくてもよいことはもちろんである。またさらにベース2は、いわゆるフォークリフトを使用可能なパレット状のものとしてあるが、このようなものには限定されない。
【0054】
また緩衝体部材11が平面状であることで、材料メーカの供給するごく一般的な材料を必要形状に加工する程度で形成できるため、緩衝体製作用に専用の金型を製作すること等も必要なく、コストも安く入手できる。長期間の使用においては、使用回数に応じて緩衝機能、損傷程度等の機能的なチェックを設ける必要が生じ得るが、図示の実施例のように緩衝体10の固定を必要最小限に留めることで、長期使用でも問題ないようにすることができる。また図示の実施例では緩衝体10を完全には固定しなので、緩衝体の交換、補修等を簡単に行える。物品1を輸送中にトラック等に思わぬ衝撃、振動が生じ、これによって緩衝体が破損することをどうしても避けることができないのが現状であり、その関係上で緩衝体の定期的なメンテナンスが長期的に見た場合に重要な要素となっているが、本実施例の装置では破損等が生じても修復、交換等のメンテナンスと、そのための時間や作業性の容易化、効率化が図れる。
【実施例2】
【0055】
本実施例は、図3に示すように、緩衝体20を構成する緩衝体部材21は、重ね合わせた2枚の湾曲部材22,23を貼り合わせて構成されている。本例の湾曲部材22,23は、上述した第1の実施例に係る緩衝体部材11と同一の素材で構成されている。
本例によれば、緩衝体部材の弾性が増し、耐衝撃性が向上する。また、複数の湾曲部材の材料特性が等しいものとすることができる。例えば弾性が等しい材料(プラ段段であれば目付け量が同じもの)を重ね合わせることができる。このようにすれば、同じ材料を用いることとなり、安価な緩衝体を提供できる。
【0056】
さらに、複数の湾曲部材の材料特性が異なるものとすることができる。例えば湾曲部材を弾性の異なる材料(プラ段であれば目付け量の異なるもの)が重ね合わせされた構造とすることができる。弾性の異なる材料を重ね合わせることにより、梱包対象となる物品に適した弾性をも持つ緩衝体を提供できる。
【0057】
そしてまた、湾曲部材の材料特性を変える場合、物品に面した湾曲材料22を物品の外装部材料よりも軟らかい素材とし、物品1に面しない湾曲部材23比較的硬い材料で構成することができる。本実施例によれば、物品に面しない湾曲部材23の材料を固くすることにより、耐衝撃性が向上し、同時に物品に面する湾曲部材22を軟らかくすることにより、物品の損傷を防止することができる。
【実施例3】
【0058】
本実施例は、図4に示すように、では、緩衝体30を構成する緩衝体部材31は、重ね合わせた2枚の曲率が異なる湾曲部材22,23の端縁部を接合し、両湾曲部材22,23間に空隙34を設けるようにしている。なお、本例の湾曲部材32,33は、上述した第1の実施例に係る緩衝体部材11と同一の素材で構成されている。本例によれば、緩衝体部材の弾性が増し、耐衝撃性が向上する。また、緩衝体部材単体での自立性が高まり、梱包作業時の作業性が向上する。
【実施例4】
【0059】
本実施例は、図5に示すように、緩衝体40を3枚の緩衝体部材41,41,42で構成したものである。両側に配置される2枚の緩衝体部材41は2枚の湾曲部材45,46を貼り合わせて構成し、中央に配置される緩衝部材42は、単一の湾曲部材で構成されている。本実施例によれば、物品の端部に配置された緩衝体部材41で大きな衝撃を受けるような構成にでき、衝撃吸収時の物品の挙動が安定する。また、緩衝部材42は緩衝体部材41の位置決めスペーサーとして作用させることができる。
【実施例5】
【0060】
図6は本発明に係る物品保護緩衝装置の第5の実施例を示すものである。本実施例では、物品保護緩衝装置物品は、物品1の載置体となるベース2、ベース2上に搭載した物品1の四周の側面との間に隙間3を残して囲む囲繞体4としての4本の支柱5及び4面の側壁体6とからなる。囲繞体4の頂部を覆う天蓋体7を含む構成であってもよい。そして、囲繞体4と物品1の外側周面との間の隙間3に本例に係る緩衝体50を配置している。
【0061】
本例に係る緩衝体50は、図7(a)、(b)に示すように、2枚の板材51,51間に複数のリブ材52を同一方向に配置し中空部53を形成した部材で形成してなるものである。緩衝体50は、湾曲させ得る弾性(あるいは可撓性及び復元性)を有する樹脂等、例えば段プラ等と称される段ボールプラスチック等からなる平板材である。緩衝対象となる物品1の外周面よりも硬度の低い素材あるいは軟らかい素材とすることが加傷防止の点から好ましい。また緩衝体8の素材は、物品1の外周面を構成する材料に対して移行等の影響を及ぼさない材料であることが好ましい。物品1に緩衝体50が長期間接触したまま放置された場合でも、移行等による劣化を引き起こさないで済むためである。
【実施例6】
【0062】
図8は本発明に係る物品保護緩衝装置の第6の実施例を示すものである。本例では緩衝体60は物品側に配置され段プラを全体湾曲形成して形成した緩衝体部材61と、前記側壁体6の外側に配置され、その内側端縁部を折り曲げ形成した2枚の異形緩衝体部材62,63とからなる。本例では異形緩衝体部材62はその湾曲形成部を付き合わせ、端部を前記緩衝体部材61の外縁部に一致するように配置されている。また、前記緩衝体部材61のリブ材64の形成方向を図上で水平方向とし、前記異形緩衝体部材62、63のリブ材66の形成方向を同垂直方向としている。
【0063】
本実施例によれば、平板状の段プラ板を湾曲させ緩衝体部材61を構成して側壁体6の内側コーナ間に嵌め込み、かつ湾曲に伴う内部空間に異形緩衝体部材62,63を配置するので、物品1の重量、物品強度が異なる場合であっても、緩衝体部材61と異形緩衝体部材62,63の組み合わせにより、物品に加わる衝撃を効率よく和らげることができる。
【実施例7】
【0064】
図9は本発明に係る物品保護緩衝装置の第7の実施例を示すものである。本例では、緩衝体70として、2枚の同形状の湾曲部材71,72を接合したものである。本例では湾曲部材71と湾曲部材72を構成する段プラのリブ材73,74を同じ方向、すなわちリブ材73,74を図中で水平方向となるように構成したものである。なお、本例では、湾曲部材は2枚とし、同じ材質のものを用いたが、湾曲部材は2枚以上であってもよいし、またその材質、特性は異なるものであってもよい。
【0065】
例えば、図10に示すように、緩衝体80として、2枚の同形状の湾曲部材81,82を接合し両湾曲部材81、82のリブ材83,84が直交する、すなわちリブ材83を図中で水平方向、リブ材84を図中で鉛直方向に延設するように構成したてもよい。
【0066】
本実施例では緩衝体部材である湾曲部材を適宜重ね合わせることで、物品の物品強度の強弱に合せた緩衝特性を持たせることができる。
【実施例8】
【0067】
次に、本発明に係る物品固定装置の実施例について説明する。以下の各例は、図11に示したように、自動車用シートベルトと同等のベルトを用いて物品1をパレット等のベース202を固定するものである。すなわち、物品1の載置体となるベース202上に搭載した物品1にベルト210,220を掛け渡し、ベルト210,220に長さアジャスト機構を持たせることにより、一定範囲の物品サイズ・形状の物品1を固定するものである。
【0068】
なお、図中図中211,221は、アジャスト機構であるバックル、203、204はベース202に開設された長孔でベルト210,220が貫通してベース202裏面で固定されている。本例では、該長孔203、204はベース202上であって、物品1の設置範囲内に設けられている。従って図12に示すように、ベルト210,220は、物品1の荷降ろし時にキャスタ8の通る部分(図12中符号7)にベルト端部211が配置されることになる。本実施例は、ベルト端部211に設けられたバックル212に紐状部材231,232,233、234を取り付け、紐状部材231,232,233、234を引くことにより、ベルト端部211及びバックル212をキャスタ8の通過領域9より内側に引き込めるようにしている。
【0069】
本実施例では、図12に示すように、紐状部材231,232,233、234の先端にはオペレータが指を掛前記紐状部材231,232,233、234を引っ張るための指掛部材260が設けられている。また、ベース202には、図11中奥側のバックル212に取り付けられた紐状部材231,232を方向変換するガイド部材240と、図11中手前側のバックル212に取り付けられた紐状部材233,234を方向変換すると共に、前記紐状部材231,232を案内するガイド部材250とが配置されている。
【0070】
本例では指掛部材260は、図13に示すように、環状であり、その穴部を4本の紐状部材311(231,232,233、234)が貫通して折り返し、カシメ材313で固定される。なおこの指掛部材の形状及びカシメ材の構成は本例に限られることなくどのような形状及び形態であってもよい。また、前記例では紐状部材231,232,233、234はバックル212に取り付けるものとして説明したが、ベルト端部211に取り付けベルト端部211と共にバックル212を移動できるようにしてもよい。
【0071】
このような装置において、紐状部材の先端の指掛部材260を引っ張ると、紐状部材231,232,233、234がガイド部材240,250を介してベルト端部211及びバックル212を物品1内側方向に引っ張り、ベルト端部211及びバックル212は物品1の下部に移動される。
【0072】
従って実施例に係る物品固定装置によれば、キャスタ8付きの物品1を荷降ろしする場合、ベルト210,220を外し、指掛部材260を摘んでベルト端部211及びバックル212は物品1の下部に移動させると、ベルト端部211及びバックル212をキャスタ通過領域9の内側に移動させることができる。このため、キャスタ8にベルト端部211またはバックル212が当接することなく、簡単・短時間かつ確実に物品1をベース202上から移動させることができる。
【0073】
図14は、実施例の変形例1に係る物品固定装置の取付部320を示している。本変形例では紐状部材を2本とし一方の紐状部材321の両端をそれぞれ前記バックル212またはベルト端部211に接続し、他の一本の紐状部材322の両端をそれぞれバックル212またはベルト端部211に接続している。そして、両紐状部材321,322の中央部はガイド部材240,250を介して延設され、カシメ材323で固着されることにより指掛用の環状部333を形成している。本例によれば、ベース202中心線に対して、ベルト210が左右対称ではない場合でも、紐状部材321,322の長さ及びガイド部材240,250の位置を変更することにより物品固定装置320を円滑に作動させることができる。
【0074】
次に実施例に係る物品固定装置の紐状部材とベルトとの取付部について説明する。本例では、図15に示すように、取付部320は、紐状部材331の端部にカシメ部材332を用いて環状部333を形成し、この環状部333内にベルト端部211を挿通させて構成している。本例によれば、ベルト端部211収納時に環状部333がベルト端部211に沿ってスライドし、ベルト端部211が環状部333で折りたたまれる形で物品1の下部へ収納される。本例によれば、単純にバックルを引き込む場合に比べて約2倍の長さのベルトを収納することができる。
【0075】
図16は、紐状部材とベルトとの取付部の変形例を示している。本例では、取付部333は、紐状部材341のベルト側の端部に略D字状の取付部材342取り付けて構成しており、この取付部材342の開口部343にベルト端部211を通過させている。本例では、前記例と同様に単純にバックルを引き込む場合に比べて約2倍の長さのベルトを収納することができる他、収納時のベルト端部211のねじれを抑えることができ、スムーズにベルト端部を収納することができる。
【0076】
図17は、紐状部材とベルトとの取付部の変形例を示している。本例では、取付部350は紐状部材351のベルト側の端部に大小2つの開口353,354を開設した略D字状の輪郭を備えた取付部材352取り付けており、この取付部材352の大きい方の開口部353にベルト端部211を通過させている。本例では、前記例と同様に単純にバックルを引き込む場合に比べて約2倍の長さのベルトを収納することができる他、紐状部材351が確実にベルト端部211の幅方向の中心部を引っ張ることができ、ベルト端部211と紐状部材351とが絡まることなく、スムーズにベルト端部を収納することができる。
【0077】
次に、本実施例に係る物品固定装置のガイド部材について説明する。本例においてガイド部材410は、図18に示すように、尖端部413を備えた2本の脚部411,411と両脚部411,411を連結する梁部412とからなる略コ字状の釘部材として形成される。本例によれば、左右に伸びる紐状部材231,232,233、234は、引っ張り時にそれぞれガイドの左右の部分に当たるため、スムーズに紐状部材が移動することができる。またコの字状の釘部材は市販品であるため、コストを抑制できる。
【0078】
次に、本実施例に係る物品固定装置のガイド部材の変形例について説明する。本例においてガイド部材420は、図19に示すように、尖端部424を備えた3本の脚部421,422、423と両脚部411,411を連結する梁部412とからなる略M字状の釘部材として形成される。本例によれば、左右に伸びる紐状部材231,232,233、234は、引っ張り時にそれぞれガイドの左右の部分に当たるため、スムーズに紐状部材が移動することができる。また、左右に伸びる紐状部材231,232,233、234がそれぞれ違う経路を通るため、紐状部材231,232,233、234が絡まることがない。
【0079】
なおこの例に係るガイド部材を使用するときには、図20に示すように、紐状部材231,232,233、234を纏めるカシメ部材425を使用するすると紐状部材が、引っ張り部分からベルト側に逆行することを防げるため、物品輸送時に引っ張り用の紐状部材が、物品下部に潜り込むのを防ぐことができる。なお、カシメ部材に替え結び目を設けてもよい。
【0080】
図21は本実施例に係る物品固定装置のガイド部材の他の変形例を示している。本例では、ガイド部材430は、紐状部材231,232,233、234を通す環状部材431と、環状部材431を取り付ける帯状の固定部材432と、固定部材をベース202に固定する鋲部材433とから構成されている。本例によれば、ガイド部材430に、上方から荷重が加わっても変形や破壊を起こすことがなく、作業性・保守性が向上する。
【0081】
次に、本実施例に係る物品固定装置の紐状部材231,232,233、234の端部に設けた指掛部材260、環状部333をベース202上あるいはベース202側面に結合する結合構造について説明する。図22は、実施例に係る結合構造450を示している。本例ではベース202上あるいは側面には、紐状部材231,232,233、234の環状部451を固定する固定部材452を設けている。本例ではこの固定部材452は、ベース202上で環状部451を係止する帯状部材453と帯状部材453をベース202に固定する鋲部材454,455とからなる。本例によれば、紐状部材231,232,233、234が輸送中にベース202に載置した物品1の下部に潜り込んでしまうことがなくなり荷解き作業が円滑に行える。
【0082】
図23は紐状部材端部の固定構造の変形例を示している。この固定構造460では、ベース202上あるいはベース側面に紐状部材231,232,233、234の環状部461を引っ掛けるフック462が設けられている。本例によれば、紐状部材231,232,233、234が輸送中にベース202に載置した物品1の下部に潜り込んでしまうことがなくなり荷解き作業が円滑に行える。
【0083】
図24は紐状部材端部の固定構造の変形例を示している。この固定構造470では、
ベース202上に図18で示したガイド部材と同様のガイド部材427が設けられている。本例では、このガイド部材427内に紐状部材231,232,233、234の環状部471を通し、環状部471には、ガイド部材427の外側に紐状部材231,232,233、234に摩擦を持って嵌挿されたリング状の固定部材473を設けるようにしている。本例によれば、紐状部材を上向きに引っ張ったとしても、紐状部材231,232,233、234が物品1に接触することなく、スムーズにベルトを収納することができる。他固定部材により環状部471が物品1の下部に入り込むことがなくなる。

なお、上記固定部材は、上記例に限られることなく他の形状の部材あるいは結び目を付けてもよい。
【0084】
図25は前記図17に示した取付部材352を使用した物品固定装置の変形例を示している。本例では、ベルト端部211は、ベース202の長孔204から取り出されている。そして、取付部材352の開口部353はベルト端部211の幅寸法よりやや大きな隙間寸法を備えている。また、図25(d)に示すように、ベルト端部211には長孔204に相当する個所には、開口部353の開口寸法より大きい寸法で開口部353を通過できない停止部材481が固着されている。
【0085】
本例によれば、図16(c)に示すように、停止部材481がない場合に生じるベルト端部の引っ掛かり(図中482の円で示した)が生じるのを防止する。すなわち、図27(a)、(b)に示すように取付部材352を停止部材481で留まらせ、ベルト端部211をスムーズに収納する(折りたたむ)ことが可能となる。
【0086】
なお、前記停止部材481に替え、停止部材481が取り付けられる部分にベルトを重ねて縫い合わせて、取付部材352の開口部353を通過できないように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0087】
【図1】本発明の物品保護緩衝装置の実施例を示す斜視図である。
【図2】図1に示した物品保護緩衝装置を示す斜視図である。
【図3】実施例2に係る物品保護緩衝装置の緩衝体を示す斜視図である。
【図4】実施例3に係る物品保護緩衝装置の緩衝体を示す斜視図である。
【図5】実施例4に係る物品保護緩衝装置の緩衝体を示す斜視図である。
【図6】実施例5に係る物品保護緩衝装置を示す斜視図である。
【図7】図6に示した物品保護緩衝装置の緩衝体を示す図であり、(a)は斜視図、(b)は一部拡大斜視図である。
【図8】実施例6に係る物品保護緩衝装置の緩衝体を示す斜視図である。
【図9】実施例7に係る物品保護緩衝装置の緩衝体を示す斜視図である。
【図10】実施例7に係る物品保護緩衝装置の緩衝体を示す斜視図である。
【図11】実施例8に係る物品固定装置を示す斜視図である。
【図12】図8に係る物品固定装置の構成を示す図である。
【図13】図8に示した物品固定装置の拡大図である。
【図14】図8に示した物品固定装置の変形例を示す概念図である。
【図15】図8に示した物品固定装置の紐状部材とベルトとの取付部の一例を示す図である。
【図16】図8に示した物品固定装置の紐状部材とベルトとの取付部の変形例を示す図である。
【図17】図8に示した物品固定装置の紐状部材とベルトとの取付部の変形例を示す図である。
【図18】図8に示した物品固定装置の紐状部材のガイド部材の一例を示す斜視図である。
【図19】図8に示した物品固定装置の紐状部材のガイド部材の変形例を示す斜視図である。
【図20】図8に示した物品固定装置の紐状部材のガイド部材の変形例を示す斜視図である。
【図21】図8に示した物品固定装置の紐状部材のガイド部材の変形例を示す斜視図である。
【図22】図8に示した物品固定装置の紐状部材のベースへの固定構造の一例を示す斜視図である。
【図23】図8に示した物品固定装置の紐状部材のベースへの固定構造の変形例を示す斜視図である。
【図24】図8に示した物品固定装置の紐状部材のベースへの固定構造の変形例を示す斜視図である。
【図25】図17に示した取付部材を使用した物品固定装置の変形例を示す図であり、(a)、(b)は作動を示す正面図、(c)は不具合を示す正面図、(d)はベルト端部に設けられる停止部材を示す拡大図である。
【図26】本発明の物品保護緩衝装置に使用される梱包材を示す斜視図である。
【図27】従来の物品固定装置を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0088】
1 物品
2 ベース
3 隙間
4 囲繞体
5 支柱
6 側壁体
7 天蓋体
8 キャスタ
9 キャスタ通過領域
10 緩衝体
11 緩衝体部材
20 緩衝体
21、22,23 緩衝体部材
30 緩衝体
31 緩衝体部材
32,33 湾曲部材
34 空隙
40 緩衝体
41,41,42 緩衝体部材
45,46 湾曲部材
50 緩衝体
51 板材
52 リブ材
53 中空部
60 緩衝体
61 緩衝体部材
62,63 異形緩衝体部材
64、65,66 リブ材
70 緩衝体
71,72 湾曲部材
72 湾曲部材
73,74 リブ材
80 緩衝体
81,82 湾曲部材
83,84 リブ材
102 ベース
103,104 固定位置
110,120 ベルト
202 ベース
203、204 取付部
210,220 ベルト
211 ベルト端縁
212 バックル
231,232,233、234 紐状部材
240 ガイド部材
250 ガイド部材
260 指掛部材
311 紐状部材
313 カシメ材
320 取付部
321,322 紐状部材
323 カシメ材
331 紐状部材
332 カシメ部材
333 環状部
341 紐状部材
342 取付部材
343 開口部
350 取付部
351 紐状部材
352 取付部材
353,354 開口
353 開口部
410 ガイド部材
411,411 脚部
412 梁部
413 尖端部
420 ガイド部材
421,422、423 脚部
424 尖端部
425 カシメ部材
427 ガイド部材
430 ガイド部材
431 環状部材
432 固定部材
433 鋲部材
450 結合構造
451 環状部
452 固定部材
453 帯状部材
454,455 鋲部材
460 固定構造
461 環状部
462 フック
470 固定構造
471 環状部
473 固定部材
481 停止部材

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の外側周面との間に隙間を残して囲むための囲繞体と、該囲繞体と前記物品の外側周面との間の隙間に配置されその通常状態よりも湾曲させた状態で配設可能、あるいは予め湾曲形成された複数の緩衝体部材からなる緩衝体とからなることを特徴とする物品保護緩衝装置。
【請求項2】
物品の載置体と、該載置体上に搭載した前記物品の四周側面との間に隙間を残して囲むための囲繞体と、該囲繞体と前記物品の外側周面との間の隙間に、その通常状態よりも湾曲させた状態で配置可能、あるいは予め湾曲形成された複数の緩衝体部材からなる緩衝体とを備えたことを特徴とする物品保護緩衝装置。
【請求項3】
請求項1または2のいずれかの物品保護緩衝装置において、前記緩衝体部材は、均質な材質で一層に構成されていることを特徴とする物品保護緩衝装置。
【請求項4】
請求項1または2の物品保護緩衝装置において、前記緩衝体部材は、複数の層部材で構成されていることを特徴とする物品保護緩衝装置。
【請求項5】
請求項4の物品保護緩衝装置において、前記緩衝部材を構成する層部材が異なる幅寸法で構成され、各層部材は両幅方向両端縁で固定され湾曲形成されていることを特徴とする物品保護緩衝装置。
【請求項6】
請求項1ないし5のいずれかの物品保護緩衝装置において、前記緩衝体部材のうち少なくとも物品に接触する部位は、物品の硬度より低い硬度の材質で形成されていることを特徴とする物品保護緩衝装置。
【請求項7】
請求項1ないし6のいずれかの物品保護緩衝装置において、前記緩衝体部材のうち少なくとも物品に接触する部位は、物品の材質に影響を与えない材質で形成されていることを特徴とする物品保護緩衝装置。
【請求項8】
請求項4ないし7のいずれかの物品保護緩衝装置において、各層部材は同一の材質で形成されていることを特徴とする物品保護緩衝装置。
【請求項9】
請求項4ないし7のいずれかの物品保護緩衝装置において、各層部材は異なる材質で形成されていることを特徴とする物品保護緩衝装置。
【請求項10】
請求項3の緩衝体部材と、請求項4の緩衝体部材とを組み合わせて緩衝体としたことを特徴とする物品保護緩衝装置。
【請求項11】
物品の外側周面との間に隙間を残して囲むための囲繞体と、該囲繞体と前記物品の外側周面との間の隙間に配置されその通常状態よりも湾曲させた状態で配設可能な1または複数の緩衝体部材からなり、前記緩衝体部材は2枚の板材間に複数のリブ材を挟み込んで中空部を形成した中空部材で形成したことを特徴とする物品保護緩衝装置
【請求項12】
請求項11の物品保護緩衝装置において、複数の緩衝体部材を組み合わせて緩衝体として構成したことを特徴とする物品保護緩衝装置。
【請求項13】
請求項11の物品保護緩衝装置において、一の緩衝体部材を湾曲した板形状とし、他の緩衝部材を前記一の緩衝部材と異なる形状とし前記一の緩衝体の湾曲内部に配置したことを特徴とする物品保護緩衝装置。
【請求項14】
請求項11の物品保護緩衝装置において、複数の緩衝体部材を湾曲した同形状のものとし、この緩衝体部材を重ね合わせて緩衝材を構成したことを特徴とする物品保護緩衝装置。
【請求項15】
請求項11ないし14の物品保護緩衝装置において、前記緩衝体のリブ材は同方向、あるいは異なる方向に向けて形成されていることを特徴とする物品保護緩衝装置。
【請求項16】
載置台上の物品にベルト装置を巻きかけて物品を載置台上に固定するベルト装置の複数の端部が載置台の載置面に配置された物品固定装置において、前記各ベルト端部に取り付けられた紐状部材と、この紐状部材を引くことにより、前記ベルト端部を載置台上の物品の下部位置に引き込むよう案内するガイド部材とを備えたことを特徴とする物品固定装置
【請求項17】
請求項16の物品固定装置において、前記紐状部材が、前記載置面に取り付けられたすべてのベルト装置に取り付けられていることを特徴とする物品固定装置。
【請求項18】
請求項16及び17の前項記載の物品固定装置において、ベルト端部への取付端部と反対側端部には輪状の指掛部材を備えたことを特徴とする物品固定装置。
【請求項19】
請求項16ないし18のいずれかの物品固定装置において、前記紐状部材はその両端が、対となる物品ベルトに取り付けられていることを特徴とする物品固定装置。
【請求項20】
請求項17ないし19の物品固定装置において、紐状部材のベルト端部への取り付け端部がベルト装置のバックルに接合されていることを特徴とする物品固定装置。
【請求項21】
請求項17ないし20の物品固定装置において、紐状部材のベルトへの取り付け側の端部が輪状に形成され、前記ベルトが前記輪状部を貫通していることを特徴とする物品固定装置。
【請求項22】
請求項17ないし21の物品固定装置において、紐状部材のベルトへの取り付け端部に輪状の取付部材が配置され、前記ベルトが前記その輪状部材中を貫通していることを特徴とする物品固定装置。
【請求項23】
請求項17ないし11の物品固定装置において、紐状部材のベルトへの取り付け端部に大きさの異なる2つの穴部を形成した略8字状の取付部材が配置され、紐状部材は取付の小さい方の穴部に結合され、ベルトは大きい方の穴部を貫通していることを特徴とする物品固定装置。
【請求項24】
請求項17ないし23の物品固定装置において、前記ガイド部材が略コ字状でありその2本の脚部が前記載置面に固着されていることを特徴とする物品固定装置。
【請求項25】
請求項17ないし23の物品固定装置において、前記ガイド部材が略M字状でありその3本の脚部が前記載置面に固着されていることを特徴とする物品固定装置。
【請求項26】
請求項17ないし23の物品固定装置において、前記ガイド部材が輪状で、該ガイド部材は、前記載置台に取付部材で接合されていることを特徴とする物品固定装置。
【請求項27】
請求項25記載の物品固定装置において、前記略M字型のガイド部材に貫通される複数の紐状部材は、該ガイド部材より引っ張り部分端部側で接合され抜け止め部が形成されていることを特徴とする物品固定装置。
【請求項28】
請求項17ないし27の物品固定装置において、載置台面あるいは載置台側面には、紐状部材の引っ張り端部を結合する結合部材を備えたことを特徴とする物品固定装置。
【請求項29】
請求項17ないし25記載の装置において、紐状部材を引っ張る側の物品外周部の載置台上あるいは載置台側面に紐状部材を係止する係止突起を備えたことを特徴とする物品固定装置。
【請求項30】
請求項17ないし25のいずれかの物品固定装置において、載置台上には紐状部材の引っ張り方向を変更する偏向ガイド部材を備え、該偏向ガイド部材に紐状部材が貫通していることを特徴とする物品固定装置。
【請求項31】
請求項30の物品固定装置において、前記偏向ガイド部材貫通した紐状部材のさらに外側に抜け止め部を設けたことを特徴とする物品固定装置。
【請求項32】
請求項23の物品固定装置において、ベルトの載置台との結合部分に突起部が付けられており、その厚みが8の字状部材の大きい方の穴を通過できる幅よりも厚くしたことを特徴とする物品固定装置。
【請求項33】
請求項32記載の物品固定装置において、ベルトを重ねて縫い合わせたて形成した縫い合わせ部を突起物として形成したことを特徴とする物品固定装置。
【請求項34】
請求項1ないし15の物品保護緩衝装置のいずれか、または請求項16ないし33のいずれかの物品固定装置を用いてなることを特徴とする物品梱包装置。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【公開番号】特開2006−16032(P2006−16032A)
【公開日】平成18年1月19日(2006.1.19)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2004−194558(P2004−194558)
【出願日】平成16年6月30日(2004.6.30)
【出願人】(000006747)株式会社リコー (37,907)
【Fターム(参考)】