物品処理設備
【課題】物品収納棚の構成を簡素なものとして、全体構成の簡素化を図ることができる物品処理設備を提供する。
【解決手段】物品収納棚の物品搬出入用の物品載置体50を、その物品収納棚1の外方に突出する物品授受用の突出位置と物品収納棚の内部に引退する引退位置とに出退自在に設け、物品搬送体3を、物品収納棚に対する物品移載箇所に停止した状態において、突出位置の物品載置体50に対して物品の受け渡し及び受け取りを行うように構成し、その物品搬送体3に、物品移載箇所に停止した状態において、物品載置体50を突出位置と引退位置とに出退操作する出退操作手段S1を設ける。
【解決手段】物品収納棚の物品搬出入用の物品載置体50を、その物品収納棚1の外方に突出する物品授受用の突出位置と物品収納棚の内部に引退する引退位置とに出退自在に設け、物品搬送体3を、物品収納棚に対する物品移載箇所に停止した状態において、突出位置の物品載置体50に対して物品の受け渡し及び受け取りを行うように構成し、その物品搬送体3に、物品移載箇所に停止した状態において、物品載置体50を突出位置と引退位置とに出退操作する出退操作手段S1を設ける。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を収納する物品収納部を縦横に備えた物品収納棚と、前記物品収納棚に対する物品移載箇所を経由する移動経路に沿って移動自在な物品搬送体とが設けられ、前記物品収納棚の物品搬出入用の物品載置体が、その物品収納棚の外方に突出する物品授受用の突出位置と前記物品収納棚の内部に引退する引退位置とに出退自在に設けられ、前記物品搬送体が、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記突出位置の前記物品載置体に対して物品の受け渡し及び受け取りを行うように構成された物品処理設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる物品処理設備では、物品載置体を突出位置と引退位置とに出退自在に設けて、物品の搬出入を行わないときには、物品載置体を引退位置に引退させておき、物品収納棚に対して物品を搬出入すべく物品搬送体が物品移載箇所に停止して物品載置体に対して物品の受け渡し及び受け取りを行う際は、物品搬送体による物品の受け渡し及び受け取りが行えるように物品載置体を突出位置に突出させるように構成されていた。
そして、物品収納棚に、物品載置体を突出位置と引退位置とに出退操作する出退操作手段が設けられていた(例えば、特許文献1参照。)。
ちなみに、物品収納棚の外方に突出する突出位置と物品収納棚の内部に引退する引退位置とに出退自在な物品載置体を設けて、物品を物品収納棚の内部と外部とに移動させるものであるから、物品載置体を引退状態に引退させておくことによって物品載置体が突出する空間を有効利用することができ、また、物品収納棚や物品搬送体をダウンフロー式のクリーン空間に配置した場合では、物品載置体を引退状態に引退させておくことによって、ダウンフローの気流が物品収納棚から突出する物品載置体にて乱されないようにすることができる。
【0003】
【特許文献1】特表2006−515256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、物品収納棚に備える物品載置体は1つとは限らず多数備えられる場合があり、また、物品載置体を備える物品収納棚も1つとは限らず物品搬送体の移動経路に沿って多数設けられる場合があるから、上記した従来の物品処理設備のように、物品載置体を出退操作する出退操作手段を物品収納棚に設けた場合では、物品載置体を多数設けるとその多数の物品載置体の夫々に対して出退操作手段を設けることとなるため、物品収納棚の構成が複雑なものとなり、物品処理設備全体の構成の複雑化を招く虞がある。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、物品収納棚の構成を簡素なものとして、全体構成の簡素化を図ることができる物品処理設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明にかかる物品処理設備は、物品を収納する物品収納部を縦横に備えた物品収納棚と、前記物品収納棚に対する物品移載箇所を経由する移動経路に沿って移動自在な物品搬送体とが設けられ、前記物品収納棚の物品搬出入用の物品載置体が、その物品収納棚の外方に突出する物品授受用の突出位置と前記物品収納棚の内部に引退する引退位置とに出退自在に設けられ、前記物品搬送体が、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記突出位置の前記物品載置体に対して物品の受け渡し及び受け取りを行うように構成されたものであって、その第1特徴構成は、
前記物品搬送体に、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記物品載置体を前記突出位置と前記引退位置とに出退操作する出退操作手段が設けられている点にある。
【0007】
すなわち、物品搬送体に設けられた出退操作手段にて、物品載置体を突出位置と引退位置とに出退操作するように構成されているから、物品載置体を突出位置と引退位置とに出退操作する出退操作手段を物品搬送体に設けることによって、多数備える物品載置体の夫々に対して出退操作手段を設ける必要がなく、物品収納棚の構成が簡素なものとなるため、物品処理設備全体の構成の簡素化を図ることができる。
従って、物品収納棚の構成を簡素なものとして、全体構成の簡素化を図ることができる物品処理設備を提供することができるに至った。
【0008】
本発明にかかる物品処理設備の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記物品収納棚に、前記物品載置体の出退移動方向に移動自在に可動案内ガイドを案内支持する主案内ガイドが設けられ、前記物品載置体が、その出退移動方向に移動自在に前記可動案内ガイドに案内支持されている点にある。
【0009】
すなわち、物品載置体を主案内ガイドに物品載置体の出退移動方向に移動自在に案内支持して、物品載置体の移動ストロークを主案内ガイドのみで得る構成であると、主案内ガイドの長さが物品載置体の移動ストロークよりも長くなり、物品載置体を設置するための設置空間が物品を収納する空間としては出退移動方向に必要以上に大きなものとなるため、物品収納棚の収納効率が低下してしまうものであるが、可動案内ガイドを主案内ガイドに物品載置体の出退移動方向に移動自在に案内支持させ、物品載置体を可動案内ガイドにその出退移動方向に移動自在に案内支持させて、物品載置体の引退位置から突出位置への移動ストロークを主案内ガイドと可動案内ガイドとの2つのガイドで得る構成とすることにより、主案内ガイドと可動案内ガイドとの夫々の長さを物品載置体の移動ストロークより短くすることができ、物品載置体を設置するための設置空間を物品を収納する空間と同程度又は必要以上に大きくなるとしてもその大きくなる量を抑えることができるため、物品収納棚の収納効率の低下を抑えることができる。
従って、物品載置体を必要な移動ストロークで出退移動させることができながらも、物品収納棚の収納効率の低下を抑制することができる物品処理設備を提供することができるに至った。
【0010】
本発明にかかる物品処理設備の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成において、前記物品搬送体が、前記物品載置体よりも上方の移動経路に沿って移動するように構成され、且つ、前記物品載置体に対する物品受け渡し及び受け取りのために昇降操作自在な物品保持部を備えるように構成され、前記物品収納棚に、前記引退位置の前記物品載置体と記物品収納部との間で物品を搬送すべく水平移動並びに昇降移動自在な物品移載装置が設けられている点にある。
【0011】
すなわち、物品搬送体が物品載置体よりも上方の移動経路に沿って移動するように構成されているから、物品搬送体の移動経路の下方に空間が形成されるため、この物品搬送体の移動経路の下方の空間を有効利用することができ、また、物品搬送体と物品載置体との間での物品の受け渡し及び受け取りを行いながら、物品載置体と物品収納部との間での物品の搬送を行うことができるため、物品の搬送を効率よく行うことができ、もって、設備内の空間を有効利用することがでながら、物品を効率よく搬送することができる物品処理設備を提供することができるに至った。
【0012】
本発明にかかる物品処理設備の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれか1つにおいて、前記物品収納棚及び前記物品搬送体が、ダウンフロー式のクリーン空間内に設置されている点にある。
【0013】
すなわち、物品載置体は、物品収納棚の外方に突出物品授受用の突出位置と物品収納棚の内部に引退する引退位置とに出退自在に設けられているから、物品収納棚や物品搬送体をダウンフロー式のクリーン空間内に設置したとしても、物品の搬出入を行わないときは、物品載置体を引退位置に引退させておくことによって、ダウンフローの気流の乱れを抑制することができ、クリーン空間内に発生した塵埃を乱れの少ないダウンフローによって床側に鎮めることができるため、物品収納棚に収納されている物品や物品搬送体にて搬送されている物品が汚染され難くすることができ、もって、ダウンフローの乱れを抑えて物品が汚染され難い物品処理設備を提供することができるに至った。
【0014】
本発明にかかる物品処理設備の第5特徴構成は、第3又は第4特徴構成において、前記物品収納棚に対して前記物品載置体の突出方向に離間し且つ前記物品載置体に対向する箇所に、前記物品収納棚側に突出する物品授受位置と前記物品収納棚から離れる側に引退する物品保管位置とに出退移動自在な物品保管棚が設けられ、前記物品搬送体が、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記物品授受位置の前記物品保管棚に対して物品の受け渡し及び受け取りを行うように構成されている点にある。
【0015】
すなわち、物品搬送体が、物品授受位置の物品保管棚に対して物品の受け渡し及び受け取りを行うように構成されているから、物品保管棚にも物品を収納することができるため、この物品保管棚にも物品を収納することによって物品処理設備における物品の収納数を増大させることができ、もって、物品の収納数を増大させることができる物品処理設備を提供することができるに至った。
【0016】
本発明にかかる物品処理設備の第6特徴構成は、第5特徴構成において、前記物品搬送体に、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記物品保管棚を前記物品授受位置と前記物品保管位置とに出退操作する物品保管棚操作手段が設けられている点にある。
【0017】
すなわち、物品搬送体に設けられた物品保管棚操作手段にて、物品保管棚を物品授受位置と物品保管位置とに出退操作するように構成されているから、物品保管棚を物品授受位置と物品保管位置とに出退操作する物品保管棚操作手段を物品搬送体に設けることによって、物品搬送体の移動経路に沿って多数備える物品保管棚の夫々に物品保管棚操作手段を設ける必要がなく、多数備える物品保管棚の夫々の構成が簡素なものとなるから、物品処理設備全体の構成の簡素化を図ることができる。
従って、物品保管棚の構成を簡素なものとして、全体構成の簡素化を図ることができる物品処理設備を提供することができるに至った。
【0018】
本発明にかかる物品処理設備の第7特徴構成は、第5又は第6特徴構成において、前記物品保管棚の出退方向に棚支持用可動ガイドを案内支持する固定ガイドが、前記物品保管棚の物品保管位置に対応して設けられ、前記物品保管棚が、その出退移動方向に出退自在に前記棚支持用可動ガイドに案内支持されている点にある。
【0019】
すなわち、棚支持用可動ガイドが固定ガイドに物品保管棚の出退移動方向に移動自在に案内支持され、物品保管棚が棚支持用可動ガイドにその出退移動方向に移動自在に案内支持されて、物品保管棚の物品授受位置から物品保管位置への移動ストロークを固定ガイドと棚支持用可動ガイドとの2つのガイドで得る構成であるから、固定ガイドと棚支持用可動ガイドとの夫々を出退移動方向に短くすることができるため、物品保管棚の配置スペースを小さくすることができる。
従って、物品保管棚を必要な移動ストロークで出退移動させることができながらも、物品保管棚の配置スペースを小さくすることができる物品処理設備を提供することができるに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る物品処理設備の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、物品処理設備は、床面上に設置される物品収納棚1と、天井に吊り下げ支持される保管用棚2と、前記物品収納棚1に対する物品移載箇所及び前記保管用棚2に対する物品移載箇所を経由する移動経路に沿って移動自在な物品搬送体としての移動車3とを備えて構成されている。
そして、物品収納棚1は、物品としての容器5を収納する物品収納部1aを縦横に備えて構成され、保管用棚2は、1つの容器5を一時的に保管するように構成されている。
ちなみに、図示は省略するが、物品処理設備には半導体基板の製造途中での半製品等に対して所定の処理を行う物品処理部も備えられており、移動経路は物品処理部に対する物品移載箇所も経由するように設定されている。
【0021】
図2に示すように、前記物品収納棚1の物品搬出入用の載置板50が、その物品収納棚1の外方に突出する物品授受用の突出位置(図6参照)と前記物品収納棚1の内部に引退する引退位置(図7参照)とに出退自在に設けられており、前記移動車3が、前記物品収納棚1に対する物品移載箇所に停止した状態において、前記突出位置の前記載置板50に対して容器5の受け渡し及び受け取りを行うように構成されている。
また、保管用棚2の支持板81は、前記物品収納棚1側に突出する物品授受位置(図7参照)と前記物品収納棚1から離れる側に引退する物品保管位置(図6参照)とに出退移動自在に設けられており、前記移動車3が、前記保管用棚2に対する物品移載箇所に停止した状態において、前記物品授受位置の前記支持板81に対して容器5の受け渡し及び受け取りを行うように構成されている。
ちなみに、載置板50が物品載置体に相当し、支持板81が物品保管棚に相当するものであり、また、物品収納棚1に対する物品移載箇所と、この物品収納棚1に設けられた載置板50の正面に位置する支持板81(保管用棚2)に対する物品移載箇所とは同じ箇所に設定されている。
【0022】
図2に示すように、天井近くには、移動車3を案内支持する案内レール8が配設されており、移動車3は、案内レール8に案内支持されながら前記載置板50よりも上方の移動経路に沿って移動するように構成されている。
そして、移動車3の移動経路の横一側方には物品収納棚1が配設され、また、移動車3の移動経路の横他側方には保管用棚2が配設されており、支持板81が、前記物品収納棚1に対して前記載置板50の突出方向に離間し且つ前記載置板50に対向する箇所に設けられている。
また、図3及び図4に示すように、前記移動体3は、前記載置板50及び前記支持板81に対する物品受け渡し及び受け取りのために昇降操作自在な物品保持部23を備えるように構成されている。
【0023】
図2に示すように、前記物品収納棚1、前記保管用棚2及び前記移動車3が、ダウンフロー式のクリーン空間内に設置されている。つまり、物品収納棚1、保管用棚2及び移動車3が設置された空間の床が多孔状のグレーティング床29にて形成され、天井がHEPAフィルタなどからなるエアーフィルタ30にて形成されており、通風ファン31にて、グレーティング床29から吸気した空気をプレフィルタ32を介してエアーフィルタ30から浄化空気として下向きに噴き出す形態で循環させて、物品収納棚1、前記保管用棚2及び移動車3が設置された空間をダウンフロー式のクリーン空間とされている。
そして、空気が循環する循環経路の途中には外気取入流路33及び排気流路34が接続されており、送風ファン31にて循環されるクリーン空間内の空気の一部が外気と交換されている。
【0024】
次に、移動車3について説明する。
図3及び図4に示すように、前記移動車3は、案内レール8の内方空間部に位置して案内レール8にて案内される上方車体9と、この上方車体9の下方に位置して上方車体9と前後の連結杆10、11にて連結される下方車体12とを備えて構成されている。
【0025】
前記上方車体9は、案内レール8の内方空間部に設けられるマグネット13に近接対向させる状態で一次コイル14を備えて構成されている。そして、上方車体9は、マグネット13と一次コイル14とからなるリニアモータによる推進力によって案内レール8に沿って移動するように構成されている。
また、上方車体9には、案内レール8の内方空間部に形成された走行案内面16上を転動する走行輪15と案内レール8の内方空間部に形成された振止案内面18上を転動する振止輪17とが備えられている。
さらに、上方車体9には、受電コイル20が設けられており、案内レール8に沿って設けられた給電線19に交流電流を通電させて磁界を発生させ、この磁界により移動車3側での必要電力を受電コイル20に発生させて、移動車3に対して無接触状態で給電を行うように構成されている。
【0026】
前記下方車体12は、前記連結杆10、11が連結され且つ移動車3の前後方向に伸びる前後枠体21、前後枠体21の走行方向前端箇所及び走行方向後端箇所から下方に延びる前後一対の縦枠体22から構成されて、側面視にて下方側が開放されたコ字状に形成されている。前記物品保持部23は、この下方車体12に備えられている。
物品保持部23は、回転ドラム26に巻き掛けられた4本のワイヤ6にて吊り下げ支持されており、下方車体12は、ドラム駆動用モータ25にて回転ドラム26を正逆回転させて4本のワイヤ6を同時に巻き取り及び繰り出しすることによって、物品保持部23を略水平姿勢に維持しながら昇降操作するように構成されている。
そして、前記物品保持部23には、容器5の上部に形成されたフランジ5aを把持する一対の把持具23aが設けられている。そして、一対の把持具23aが把持動作用モータ27の正逆回転により互いに近づく方向に揺動してフランジ5aを把持する把持姿勢と、一対の把持具23aが互いに離れる方向に揺動して把持を解除する解除姿勢とに切り換え自在に構成されている。
尚、物品保持部23は、図外の旋回用モータにて旋回操作されるように構成されている。
【0027】
また、前記移動車3に、前記物品収納棚1に対する物品移載箇所に停止した状態において、前記載置板50を前記突出位置と前記引退位置とに出退操作する出退操作手段S1と、前記保管用棚2に対する物品移載箇所に停止した状態において、前記支持板81を前記物品授受位置と前記物品保管位置とに出退操作する物品保管棚操作手段S2とが設けられている。
図6及び図7に示すように、出退操作手段S1と物品保管棚操作手段S2との夫々は、移動車3に固定された棚前後方向に長尺状のベース63と、そのベースに対して棚前後方向に移動自在に設けられた長尺状の操作体64と、その操作体64の先端部の下面側に設けられた係合ローラ65とを備えて構成されている。そして、出退操作手段S1と物品保管棚操作手段S2との夫々は、図外のアクチュエータの作動によりベース63に対して操作体64を出退させて、係合ローラ65を棚側に移動させる突出作動及び棚から離れる側に移動させる引退作動を行うように構成されている。
【0028】
次に、物品収納棚1について説明する。
図2に示すように、前記物品収納棚1に、前記引退位置の前記載置板50と前記物品収納部1aとの間で容器5を搬送すべく水平移動並びに昇降移動自在な物品移載装置としてのスタッカークレーン4が設けられている。
つまり、物品収納棚1は、出し入れ方向が互いに対向するように間隔を隔てて設置された一対の収納棚部分1Aを備えて構成されており、これらの一対の収納棚部分1Aどうしの間に、棚横幅方向に沿って水平移動するスタッカークレーン4が設けられている。
スタッカークレーン4についての詳細な説明は省略するが、棚横幅方向に沿って走行する走行台車に案内ポストが立設されており、この案内ポストに沿って昇降移動する昇降台に自己と物品収納部1aや載置板50との間で容器5を授受するフォーク装置4aが備えられている。
ちなみに、各収納棚部分1Aには物品収納部1aが縦横に備えられている。
【0029】
また、図5に示すように、前記物品収納棚1に、前記載置板50の出退移動方向に移動自在に可動案内用レール46を案内支持する主案内用レール40が設けられ、前記載置板50が、その出退移動方向に移動自在に前記可動案内用レール46に案内支持されている。ちなみに、可動案内用レール46が可動案内ガイドに相当し、主案内用レール40が主案内ガイドに相当する。
そして、物品収納棚1には、物品搬出入用の物品搬出入部1bが備えられており、この物品搬出入部1bは、移動車3の移動経路が位置する側の収納棚部分1Aにおける上から2段目で且つ棚横幅方向に並ぶ2つの収納部1aに相当する部分に形成されている。
また、物品収納棚1は壁部にて覆われているが、壁部における物品搬出入部1bに対応する部分は開口しており、この開口から容器5を搬出入するように構成されている。
【0030】
次に、物品収納棚1における物品搬出入部1bについて説明するが、棚前後方向における移動車3が位置する側を前方側、スタッカークレーン4が位置する側を後方側として説明する。
図5に示すように、物品収納棚1における物品搬出入部1bには、主案内枠36が、棚横幅方向に並ぶ一対の支柱35に亘って架設されており、可動案内枠37が、主案内枠36に対して棚前後方向(載置板50の出退移動方向)に移動自在に直接に案内支持され、物品載置枠7が、可動案内枠37に対して棚前後方向に移動自在に直接に案内支持されるとともに、前記出退操作手段S1にて直接に操作される収納用被操作体55と、この収納用被操作体55を物品載置枠7と連動させる収納用リンク機構38と、物品載置枠7を引退位置にロックする収納用ロック手段R1とが備えられている。
【0031】
図8及び図9に示すように、前記主案内枠36は、前記物品搬出入部1bにおける上部において棚横幅方向に並ぶ一対の支柱35に亘って架設された架設部材39と、前端部が架設部材39に連結支持された左右一対の前記主案内用レール40と、この左右一対の主案内用レール40の後端部を互いに連結する主案内用連結部材41と、前記可動案内枠37の棚前後方向での移動を設定範囲に規制する左右一対の主案内用規制部材42とを備えて構成されている。ちなみに、主案内用レール36は載置板50の載置面と同じ高さに設けられている。
そして、左右一対の主案内用レール40の夫々は、前後方向視での断面形状が内方側が開放するコ字状に形成されるとともに、後端が前端より下方に位置する後傾姿勢で設けられており、可動案内枠37を自重にて後方側に付勢する状態で案内支持するように構成されている。
また、左右一対の主案内用規制部材42の夫々には、主案内用レール40の後部下端に内方側に突出する状態に連結支持されて可動案内枠37の主案内枠36に対する設定移動範囲より後方側への移動を規制する引退用の主案内用規制部材42と、主案内用レール40の前部下端に内方側に突出する状態に連結支持されて可動案内枠37の主案内枠36に対する設定移動範囲より前方側への移動を規制する突出用の主案内用規制部材42とが備えられている。
【0032】
前記可動案内枠37は、板状の可動案内板44と、この可動案内板44の後部における棚横幅方向の両端部に設けられた左右一対の可動案内用被案内部材45と、左右一対の可動案内用被案内部材45の間に位置するように設けられた左右一対の可動案内用レール46と、主案内用規制部材42に接当する左右一対の可動案内用被接当部材47と、前記物品載置枠7の棚前後方向での移動を設定範囲に規制する左右一対の可動案内用規制部材48とを備えて構成されている。ちなみに、可動案内用レール46は、可動載置板44及び左右一対の可動案内用被案内部材45を介して主案内用レール40に間接的に案内支持されており、載置板50よりも少し下方に位置するように設けられている。
そして、左右一対の可動案内用被案内部材45の夫々は、前後一対の被案内輪45aにて構成されて前記主案内用レール40に対して転動するように構成されており、これら前後一対の被案内輪45aは、可動案内用レール46の長手方向に沿う状態に並べて設けられており、可動案内枠37は、主案内枠36にて後端部が前端部より下方に位置する後傾姿勢で案内支持されている。
また、左右一対の可動案内用被接当部材47の夫々は、可動案内板44の可動案内用被案内部材45と可動案内用レール46との間における後部に下方側に突出する状態に連結支持されて引退用や突出用の主案内用規制部材42に接当するように構成されている。
また、左右一対の可動案内用規制部材48の夫々は、可動案内板44の可動案内用被案内部材45と可動案内用レール46との間における後部に上方側に突出する状態に連結支持されて物品載置枠7の可動案内枠37に対する設定移動範囲より後方側への移動を規制する引退用の可動案内用規制部材48と、可動案内板44の可動案内用被案内部材45と可動案内用レール46との間における前部に上方側に突出する状態に連結支持されて物品載置枠7の可動案内枠37に対する設定移動範囲より前方側への移動を規制する突出用の可動案内用規制部材48とが備えられている。
【0033】
前記物品載置枠7は、容器5を載置支持する板状の載置板50と、載置板50の後部における棚横幅方向の両端部に設けられた左右一対の載置用被案内部材51と、可動案内用規制部材48に接当する左右一対の載置用被接当部材52とを備えて構成されている。
そして、左右一対の載置用被案内部材51の夫々は、リニアブロックにて構成されており、リニアガイドにて構成された前記可動案内用レール46に対して摺動するように構成されている。
また、載置用被案内部材51の夫々は、載置板50に対して後傾姿勢で連結支持されており、載置板50の載置面を水平な姿勢としながらも可動案内枠37にて後端部が前端部より下方に位置する後傾姿勢で案内支持されるように構成されている。
また、左右一対の載置用被接当部材52の夫々は、載置板50の後部に横外方側に突出する状態に連結支持されて引退用や突出用の可動案内用規制部材48に接当するように構成されている。
【0034】
前記載置板50は、後部にスタッカークレーン4におけるフォーク装置4aが昇降するための空間を形成すべくU字状に切り欠かれており、載置板50における切り欠きの棚横幅方向の両側並びに前方側とに計3つの物品位置決め部材53が設けられている。つまり、容器5の下面には、物品位置決め部材53の夫々に対応して3つの被係合部5bが形成されており、この被係合部5bに物品位置決め部材53を係合させた状態で容器5を載置支持することにより、容器5が載置板50に対して棚前後方向や棚横幅方向にずれないように構成されている。
ちなみに、可動案内枠37の可動案内板44と物品載置枠7の載置板50との間には、スタッカークレーン4におけるフォーク装置4aを挿抜するための空間が形成されている。
【0035】
前記収納用被操作体55は、前記一対の支柱35に亘って架設された架設部材39に縦軸心P1回りに揺動自在に支持されており、縦軸心P1周りでの揺動によって、先端が縦軸心P1より前方側に位置する接近位置と先端が縦軸心P1より後方側に位置する離間位置とに移動自在に支持されており、この収納用被操作体55は、載置板50に載置支持された容器5より上方に位置するように設けられている。
収納用被操作体55には、近接位置に位置する状態において棚前後方向と交差する方向に沿って縦軸心P1側に延びる溝部55aが設けられている。この溝部55aは、前端側の端部を前方側に開口させて、く字状に形成されている。
そして、収納用被操作体55と載置板50とは、収納用被操作体55が近接位置に位置する状態では載置板50が引退位置に位置し、収納用被操作体55が離間位置に位置する状態では載置板50が突出位置となるように、収納用リンク機構38にて連動連結されている。
尚、図示は省略するが、移動経路の棚横幅方向の両側には、操作体64に接当して係合ローラ65を適性操作位置に案内する一対の案内ローラが備えられている。
【0036】
前記収納用リンク機構38は、収納用被操作体55と一体に縦軸心P1周りに揺動する被操作リンク56と、被操作リンク56の先端部に一端部が枢支連結された連動リンク57と、先端部に連動リンク57の他端部が枢支連結され且つ基端部が棒状部材58の上端部に固着されて縦軸心P2周りに揺動する上部リンク59と、基端部が棒状部材58の下端部に固着されて先端部にローラ体60を回転自在に備えた下部リンク61とを備えて構成されている。ちなみに、被操作リンク56、連動リンク57及び上部リンク59は、載置板50に載置支持された容器5より上方に位置するように設けられており、下部リンク61が載置支持体7より下方に位置するように設けられている。
そして、ローラ体60は、載置板50の下面に連結支持されたローラ係合部材54に係合しており、ローラ体60が棚前後方向に移動するに伴って載置板50も棚前後方向に移動するように構成されている。
ちなみに、ローラ係合部材54は、ローラ体60が係合する溝穴を棚横幅方向に長く形成して、ローラ体60がローラ係合部材54に対して棚横幅方向に移動することを許容するように構成されている。
【0037】
図5に示すように、前記収納用ロック手段R1は、後端部が横軸心P3周りに揺動自在に連結支持された揺動部材67と、その揺動部材67に一体的に設けられて前記収納用被操作体55が近接位置から離間位置に移動することを接当規制する規制板68と、揺動部材67に回転自在に設けられた解除用ローラ69とを備え、規制板68が収納用被操作体55の移動経路に進入するロック状態と規制板68が収納用被操作体55の移動経路から退避するロック解除状態とに切り換えられるように構成されている。
【0038】
次に、載置板50を突出位置と引退位置とに出退操作した際の、可動案内枠37、物品載置枠7、収納用ロック手段R1、収納用リンク機構38、収納用被操作体55の動きについて説明する。尚、収納用ロック手段R1の動きについては図示を省略する。
【0039】
載置板50を引退位置から突出位置に突出操作する場合は、移動車3を物品収納棚1に対する物品移載箇所に停止させた状態で、移動車3に設けられた出退操作手段S1を突出作動させる。
すると、収納用ロック手段R1は、出退操作手段S1の突出作動の初期に、突出する操作体64にて解除用ローラ69が押し上げ操作されて揺動部材67が上方に揺動し、これによって規制板68が収納用被操作体55の移動経路から退避してロック解除状態に切り換えられる。
そして、図10〜図12に示すように、収納用被操作体55は、出退操作手段S1の突出作動により、係合ローラ65が収納用被操作体55の溝部55aに係合した後に溝部55aの奥側の側面が押し操作されて平面視で反時計回りに近接位置から離間位置に切り換え操作される。
このように収納用被操作体55が近接位置から離間位置に平面視で反時計回りに操作されると、被操作リンク56、上部リンク59、下部リンク61の夫々も反時計回りに揺動してローラ体60が前方側に移動することによって、載置板50が引退位置から突出位置に移動する。
そして、載置板50が引退位置から突出位置に移動する際は、まず、物品載置枠7の載置用被案内部材51が可動案内枠37の可動案内用レール46上を摺動して物品載置枠7が可動案内枠37に対して前方側に移動し、図11に示すように、物品載置枠7が可動案内枠37に対する設定移動範囲の前端まで移動すると、突出用の可動案内用規制部材48が載置用被接当部材52に接当する。その後、可動案内枠37が物品載置枠7に押される形態で物品載置枠7と可動案内枠37とが一体的に前方側に向けて移動することにより、図12に示すように、可動案内枠37の被案内輪45aが主案内枠36の主案内用レール40上を転動して可動案内枠37が主案内枠36に対して前方側に移動して、載置板50が突出位置まで移動する。
【0040】
また、載置板50を突出位置から引退位置に引退操作する場合は、上記したように突出作動させた出退操作手段S1を引退作動させる。
すると、図10〜図12に示すように、収納用被操作体55は、出退操作手段S1の引退作動により係合ローラ65にて離間位置から近接位置に引き操作された後に係合ローラ65が溝部55aから離脱するように構成されている。そして、出退操作手段S1の引退作動の末期に、収納用ロック手段R1は、引退する操作体64が解除用ローラ69の下方から引き抜かれて揺動部材67が自重にて下方に揺動し、これによって規制板68が収納用被操作体55の移動経路に進入してロック状態に切り換えられるように構成されている。
上記ように収納用被操作体55が離間位置から近接位置に平面視で時計回りに操作されると、被操作リンク56、上部リンク59、下部リンク61の夫々が時計回りに揺動してローラ体60が後方側に移動することによって、載置板50が突出位置から引退位置に移動する。
そして、載置板50が突出位置から引退位置に移動する際は、まず、物品載置枠7の載置用被案内部材51が可動案内枠37の可動案内用レール46上を摺動して物品載置枠7が可動案内枠37に対して後方側に移動し、物品載置枠7が可動案内枠37に対する設定移動範囲の後端まで移動すると、引退用の可動案内用規制部材48が載置用被接当部材52に接当する。その後、可動案内枠37が物品載置枠7に押される形態で物品載置枠7と可動案内枠37とが一体的に後方側に向けて移動することにより、図10に示すように、可動案内枠37の被案内輪45aが主案内枠36の主案内用レール40上を転動して可動案内枠37が主案内枠36に対して後方側に移動して、載置板50が引退位置まで移動する。
【0041】
次に、保管用棚2について説明するが、棚前後方向における移動車3が位置する側を前方側、その反対側を後方側として説明する。
図5に示すように、前記支持板81の出退方向に支持板81を案内支持する固定枠用レール76が、前記支持板81の物品保管位置に対応して設けられ、前記支持板81が、その出退移動方向に出退自在に前記固定枠用レール76に案内支持されている。
また、前記支持板81の物品保管位置に対応して、前記物品保管棚操作手段S2にて直接に操作される保管用被操作体73と、この保管用被操作体73を支持板81と連動させる保管用リンク機構74と、支持板81を引退位置にロックする保管用ロック手段R2とが備えられている。尚、保管用被操作体73及び保管用ロック手段R2は、それぞれ収納用被操作体55及び収納用ロック手段R1と同様に構成されているため説明は省略する。
【0042】
図6及び図7に示すように、支持板81の物品保管位置に対応して、左右一対の前記固定枠用レール76を備えた固定枠71が備えられており、左右一対の固定枠用レール76は、天井側から吊り下げ支持されて連結部材にて互いに連結されており、支持板81に支持された容器5の上端と同じ高さに設けられている。また、左右一対の固定枠用レール76の夫々は、後端が前端より下方に位置する後傾姿勢で設けられており、案内支持する支持アーム体78を自重にて後方側に付勢する状態で案内支持するように構成されている。
【0043】
また、支持板81の物品保管位置に対応して備えられた支持アーム体78は、前後方向に伸びる形状に形成されて互い連結部材にて連結される状態で左右一対備えられており、左右一対の支持アーム体78夫々の後部に左右一対の保管用被案内部材80が備えられ、下部に容器5を載置支持する前記支持板81が備えられている。
そして、左右一対の支持アーム体78の夫々は、棚前後方向に沿って延びて保管用被案内部材80を支持する上部と、この上部の前端から下方に延びる中間部、この中間部の下端から前方に延びる下部とから形成されている。
また、前記左右一対の支持アーム体78の夫々における中間部及び下部には、その長手方向に間隔を隔てて複数の孔部が形成されており、支持アーム体78の軽量化が図られている。
前記支持板81は、左右一対の支持アーム体78における下部を互いに連結する一対の連結部材に亘って備えられており、この支持板81には、載置板50と同様に三角形状に3つの物品位置決め部材53が設けられている。
左右一対の保管用被案内部材80の夫々は、前後一対の被案内ローラにて構成されて前記固定枠用レール76に対して転動するように構成されており、固定枠71にて後端側が前端側より下方に位置する後傾姿勢で案内支持されている。つまり、左右一対の保管用被案内部材80の夫々は、支持板81の載置面を水平な姿勢としながらも後方側の被案内ローラが前方側の被案内ローラより下方に位置した状態で固定枠71にて案内支持されている。
【0044】
前記保管用リンク機構74は、保管用被操作体73と同じ縦軸心周りに揺動する第1リンクと、第1リンクの先端部に一端部が枢支連結された第2リンクと、中間部に第2リンクの他端部が枢支連結された基端側の縦軸心周りに揺動する第3リンクと、基端部が第3リンクに枢支連結され且つ先端部に支持アーム体78の後端部に枢支連結される枢支部86aを備えた第4リンクとを備えて構成されている。
つまり、保管用リンク機構74は、保管用被操作体73が近接位置から離間位置に平面視で反時計回りに操作されると、第1リンク、第3リンクの夫々が反時計回りに揺動して枢支部86aが前方側に移動することによって、支持板81を物品保管位置から物品授受位置に移動させ、また、保管用被操作体73が離間位置から近接位置に平面視で時計回りに操作されると、第1リンク、第3リンクの夫々が時計回りに揺動して枢支部86aが後方側に移動することによって、支持板81を物品授受位置から物品保管位置に移動させるように構成されている。
【0045】
〔別実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、物品保管位置に対応する箇所に、支持板81の出退移動方向に支持板81を案内支持する固定枠用レール76を設け、支持板81を、その出退移動方向に出退自在に固定枠用レール76に案内支持されるように構成して、ガイドとして固定枠用レール76のみを備える構成としたが、図13及び図14に示すように、物品保管位置に対応する箇所に、支持板81の出退移動方向に案内レール87を案内支持する固定枠用レール76を設け、支持板81を、その出退移動方向に出退自在に案内レール87に案内支持されるように構成して、ガイドとして固定枠用レール76と案内レール87とを備える構成としてもよい。
ちなみに、この実施の形態では、図13及び図14に示すように、物品保管位置に対応する箇所に備えた棚支持用枠88に、左右一対の固定枠用レール76にて直接に案内される左右一対の保管用被案内部材89と前記案内レール87とを備え、案内レール87にて支持アーム体78に支持された保管用案内部材(図示せず)を案内するように構成されている。また、棚支持用可動ガイド88には、支持アーム体78の棚前後方向での移動を設定移動範囲に規制する移動規制部材90を備えて構成されており、移動規制部材90は、支持アーム体78の棚支持用可動枠88に対する設定移動範囲より後方側への移動を規制する引退用の移動規制部材90と、支持アーム体78の棚支持用可動枠88に対する設定移動範囲より前方側への移動を規制する突出用の移動規制部材90とが備えられている。
尚、固定枠用レール76が固定ガイドに相当し、棚支持用可動レール88が棚支持用可動ガイドに相当する。
【0046】
ちなみに、主案内用レール40の可動案内用レール46に対するガイド構造、可動案内用レール46の載置板50に対するガイド構造、固定枠用レール76の支持板81に対するガイド構造、固定枠用レール76の案内レール87に対するガイド構造、及び、案内レール87の支持板81に対するガイド構造は夫々、転動式、摺動式等、適宜変更可能であり、例えば、主案内用レール40の可動案内用レール46に対するガイド構造を可動案内用レール46の載置板50に対するガイド構造のように摺動式に構成してもよく、また、可動案内用レール46の載置板50に対するガイド構造を主案内用レール40の可動案内用レール46に対するガイド構造のように転動式に構成してもよい。
また、転動式のガイド構造としては、前後方向視がコ字状のレールの内部空間を輪体を転動させる構成の他に、棒状のレールの上面と下面とを上下に振り分けられた複数の輪体を転動させる構成でもよい。
【0047】
(2) 上記実施の形態では、物品収納棚1に、載置板50の出退移動方向に移動自在に可動案内用レール46を案内支持する主案内用レール40を設け、載置板50を、その出退移動方向に移動自在に可動案内用レール46に案内支持するように構成して、ガイドとして主案内用レール40と可動案内用レール46とを備える構成としたが、物品収納棚1に、載置板50の出退方向に移動自在に載置板50を案内支持する主案内用レール40を設け、載置板50を、その出退方向に移動自在に主案内用レール40に案内支持するように構成して、ガイドとして主案内用レール40のみを備える構成としてもよい。
【0048】
(3) 上記実施の形態では、物品収納棚1、保管用棚2(支持板81)及び物品搬送体3を、清浄空気をダウンフローさせるダウンフロー式のクリーン空間に設置したが、物品収納棚1、物品保管棚2及び物品搬送体3を、ダウンフロー式ではないクロス張りの簡易式のクリーン空間に設置してもよく、また、クリーン化されていない空間に設置してもよい。
【0049】
(4) 上記実施の形態では、支持板81を物品授受位置と物品保管位置とに出退操作する物品保管棚操作手段S2を物品搬送体3に設けたが、支持板81を物品授受位置と物品保管位置とに出退操作する物品保管棚操作手段S2を支持板81の物品保管位置に対応して設けてもよく、例えば、固定枠71に支持された電動モータを物品保管棚操作手段S2として設けてもよい。
【0050】
(5) 上記実施の形態では、物品収納棚1に対して載置板50の突出方向に離間し且つ載置板50に対向する箇所に支持板81を設けたが、支持板81を設けなくてもよく、また、物品収納棚1に対して載置板50の突出方向に離間し且つ載置板50に対向する箇所にも別の物品収納棚1を設けてもよい。
【0051】
(6) 上記実施の形態では、上方車体9を駆動させる方式として、リニアモータにより推進力を得て駆動させるリニアモータ式を例示しているが、例えば、走行輪15を回転駆動する電動モータを設け、この電動モータにて走行輪15を回転駆動させることにより上方車体9を駆動させる方式を用いてもよい。
【0052】
(7) 上記実施の形態では、回転ドラム26にワイヤ6を巻き掛けたて物品保持部23を昇降操作するように構成したが、例えば、回転ドラム26にベルトを巻き掛けて物品保持部23を昇降操作するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】物品処理設備の平面図
【図2】物品処理設備の側面図
【図3】移動車の側面図
【図4】移動車の正面図
【図5】突出位置の載置板及び物品保管位置の支持板を示す側面図
【図6】突出位置の載置板及び物品保管位置の支持板を示す斜視図
【図7】引退位置の載置板及び物品授受位置の支持板を示す斜視図
【図8】物品載置体の背面図
【図9】物品載置体のガイド構造を示す分解斜視図
【図10】引退位置の載置板を示す作用図
【図11】移動途中の載置板を示す作用図
【図12】突出位置の載置板を示す作用図
【図13】別実施の形態における物品保管位置の支持板を示す斜視図
【図14】別実施の形態における物品授受位置の支持板を示す斜視図
【符号の説明】
【0054】
1 物品収納棚
1a 物品収納部
3 物品搬送体
4 物品移載装置
5 物品
23 物品保持部
40 主案内ガイド
46 可動案内ガイド
50 載置板
71 固定ガイド
81 支持板
88 棚支持用可動ガイド
S1 出退操作手段
S2 物品保管棚操作手段
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を収納する物品収納部を縦横に備えた物品収納棚と、前記物品収納棚に対する物品移載箇所を経由する移動経路に沿って移動自在な物品搬送体とが設けられ、前記物品収納棚の物品搬出入用の物品載置体が、その物品収納棚の外方に突出する物品授受用の突出位置と前記物品収納棚の内部に引退する引退位置とに出退自在に設けられ、前記物品搬送体が、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記突出位置の前記物品載置体に対して物品の受け渡し及び受け取りを行うように構成された物品処理設備に関する。
【背景技術】
【0002】
かかる物品処理設備では、物品載置体を突出位置と引退位置とに出退自在に設けて、物品の搬出入を行わないときには、物品載置体を引退位置に引退させておき、物品収納棚に対して物品を搬出入すべく物品搬送体が物品移載箇所に停止して物品載置体に対して物品の受け渡し及び受け取りを行う際は、物品搬送体による物品の受け渡し及び受け取りが行えるように物品載置体を突出位置に突出させるように構成されていた。
そして、物品収納棚に、物品載置体を突出位置と引退位置とに出退操作する出退操作手段が設けられていた(例えば、特許文献1参照。)。
ちなみに、物品収納棚の外方に突出する突出位置と物品収納棚の内部に引退する引退位置とに出退自在な物品載置体を設けて、物品を物品収納棚の内部と外部とに移動させるものであるから、物品載置体を引退状態に引退させておくことによって物品載置体が突出する空間を有効利用することができ、また、物品収納棚や物品搬送体をダウンフロー式のクリーン空間に配置した場合では、物品載置体を引退状態に引退させておくことによって、ダウンフローの気流が物品収納棚から突出する物品載置体にて乱されないようにすることができる。
【0003】
【特許文献1】特表2006−515256号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、物品収納棚に備える物品載置体は1つとは限らず多数備えられる場合があり、また、物品載置体を備える物品収納棚も1つとは限らず物品搬送体の移動経路に沿って多数設けられる場合があるから、上記した従来の物品処理設備のように、物品載置体を出退操作する出退操作手段を物品収納棚に設けた場合では、物品載置体を多数設けるとその多数の物品載置体の夫々に対して出退操作手段を設けることとなるため、物品収納棚の構成が複雑なものとなり、物品処理設備全体の構成の複雑化を招く虞がある。
【0005】
本発明は、上記実状に鑑みて為されたものであって、その目的は、物品収納棚の構成を簡素なものとして、全体構成の簡素化を図ることができる物品処理設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
この目的を達成するために、本発明にかかる物品処理設備は、物品を収納する物品収納部を縦横に備えた物品収納棚と、前記物品収納棚に対する物品移載箇所を経由する移動経路に沿って移動自在な物品搬送体とが設けられ、前記物品収納棚の物品搬出入用の物品載置体が、その物品収納棚の外方に突出する物品授受用の突出位置と前記物品収納棚の内部に引退する引退位置とに出退自在に設けられ、前記物品搬送体が、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記突出位置の前記物品載置体に対して物品の受け渡し及び受け取りを行うように構成されたものであって、その第1特徴構成は、
前記物品搬送体に、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記物品載置体を前記突出位置と前記引退位置とに出退操作する出退操作手段が設けられている点にある。
【0007】
すなわち、物品搬送体に設けられた出退操作手段にて、物品載置体を突出位置と引退位置とに出退操作するように構成されているから、物品載置体を突出位置と引退位置とに出退操作する出退操作手段を物品搬送体に設けることによって、多数備える物品載置体の夫々に対して出退操作手段を設ける必要がなく、物品収納棚の構成が簡素なものとなるため、物品処理設備全体の構成の簡素化を図ることができる。
従って、物品収納棚の構成を簡素なものとして、全体構成の簡素化を図ることができる物品処理設備を提供することができるに至った。
【0008】
本発明にかかる物品処理設備の第2特徴構成は、第1特徴構成において、前記物品収納棚に、前記物品載置体の出退移動方向に移動自在に可動案内ガイドを案内支持する主案内ガイドが設けられ、前記物品載置体が、その出退移動方向に移動自在に前記可動案内ガイドに案内支持されている点にある。
【0009】
すなわち、物品載置体を主案内ガイドに物品載置体の出退移動方向に移動自在に案内支持して、物品載置体の移動ストロークを主案内ガイドのみで得る構成であると、主案内ガイドの長さが物品載置体の移動ストロークよりも長くなり、物品載置体を設置するための設置空間が物品を収納する空間としては出退移動方向に必要以上に大きなものとなるため、物品収納棚の収納効率が低下してしまうものであるが、可動案内ガイドを主案内ガイドに物品載置体の出退移動方向に移動自在に案内支持させ、物品載置体を可動案内ガイドにその出退移動方向に移動自在に案内支持させて、物品載置体の引退位置から突出位置への移動ストロークを主案内ガイドと可動案内ガイドとの2つのガイドで得る構成とすることにより、主案内ガイドと可動案内ガイドとの夫々の長さを物品載置体の移動ストロークより短くすることができ、物品載置体を設置するための設置空間を物品を収納する空間と同程度又は必要以上に大きくなるとしてもその大きくなる量を抑えることができるため、物品収納棚の収納効率の低下を抑えることができる。
従って、物品載置体を必要な移動ストロークで出退移動させることができながらも、物品収納棚の収納効率の低下を抑制することができる物品処理設備を提供することができるに至った。
【0010】
本発明にかかる物品処理設備の第3特徴構成は、第1又は第2特徴構成において、前記物品搬送体が、前記物品載置体よりも上方の移動経路に沿って移動するように構成され、且つ、前記物品載置体に対する物品受け渡し及び受け取りのために昇降操作自在な物品保持部を備えるように構成され、前記物品収納棚に、前記引退位置の前記物品載置体と記物品収納部との間で物品を搬送すべく水平移動並びに昇降移動自在な物品移載装置が設けられている点にある。
【0011】
すなわち、物品搬送体が物品載置体よりも上方の移動経路に沿って移動するように構成されているから、物品搬送体の移動経路の下方に空間が形成されるため、この物品搬送体の移動経路の下方の空間を有効利用することができ、また、物品搬送体と物品載置体との間での物品の受け渡し及び受け取りを行いながら、物品載置体と物品収納部との間での物品の搬送を行うことができるため、物品の搬送を効率よく行うことができ、もって、設備内の空間を有効利用することがでながら、物品を効率よく搬送することができる物品処理設備を提供することができるに至った。
【0012】
本発明にかかる物品処理設備の第4特徴構成は、第1〜第3特徴構成のいずれか1つにおいて、前記物品収納棚及び前記物品搬送体が、ダウンフロー式のクリーン空間内に設置されている点にある。
【0013】
すなわち、物品載置体は、物品収納棚の外方に突出物品授受用の突出位置と物品収納棚の内部に引退する引退位置とに出退自在に設けられているから、物品収納棚や物品搬送体をダウンフロー式のクリーン空間内に設置したとしても、物品の搬出入を行わないときは、物品載置体を引退位置に引退させておくことによって、ダウンフローの気流の乱れを抑制することができ、クリーン空間内に発生した塵埃を乱れの少ないダウンフローによって床側に鎮めることができるため、物品収納棚に収納されている物品や物品搬送体にて搬送されている物品が汚染され難くすることができ、もって、ダウンフローの乱れを抑えて物品が汚染され難い物品処理設備を提供することができるに至った。
【0014】
本発明にかかる物品処理設備の第5特徴構成は、第3又は第4特徴構成において、前記物品収納棚に対して前記物品載置体の突出方向に離間し且つ前記物品載置体に対向する箇所に、前記物品収納棚側に突出する物品授受位置と前記物品収納棚から離れる側に引退する物品保管位置とに出退移動自在な物品保管棚が設けられ、前記物品搬送体が、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記物品授受位置の前記物品保管棚に対して物品の受け渡し及び受け取りを行うように構成されている点にある。
【0015】
すなわち、物品搬送体が、物品授受位置の物品保管棚に対して物品の受け渡し及び受け取りを行うように構成されているから、物品保管棚にも物品を収納することができるため、この物品保管棚にも物品を収納することによって物品処理設備における物品の収納数を増大させることができ、もって、物品の収納数を増大させることができる物品処理設備を提供することができるに至った。
【0016】
本発明にかかる物品処理設備の第6特徴構成は、第5特徴構成において、前記物品搬送体に、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記物品保管棚を前記物品授受位置と前記物品保管位置とに出退操作する物品保管棚操作手段が設けられている点にある。
【0017】
すなわち、物品搬送体に設けられた物品保管棚操作手段にて、物品保管棚を物品授受位置と物品保管位置とに出退操作するように構成されているから、物品保管棚を物品授受位置と物品保管位置とに出退操作する物品保管棚操作手段を物品搬送体に設けることによって、物品搬送体の移動経路に沿って多数備える物品保管棚の夫々に物品保管棚操作手段を設ける必要がなく、多数備える物品保管棚の夫々の構成が簡素なものとなるから、物品処理設備全体の構成の簡素化を図ることができる。
従って、物品保管棚の構成を簡素なものとして、全体構成の簡素化を図ることができる物品処理設備を提供することができるに至った。
【0018】
本発明にかかる物品処理設備の第7特徴構成は、第5又は第6特徴構成において、前記物品保管棚の出退方向に棚支持用可動ガイドを案内支持する固定ガイドが、前記物品保管棚の物品保管位置に対応して設けられ、前記物品保管棚が、その出退移動方向に出退自在に前記棚支持用可動ガイドに案内支持されている点にある。
【0019】
すなわち、棚支持用可動ガイドが固定ガイドに物品保管棚の出退移動方向に移動自在に案内支持され、物品保管棚が棚支持用可動ガイドにその出退移動方向に移動自在に案内支持されて、物品保管棚の物品授受位置から物品保管位置への移動ストロークを固定ガイドと棚支持用可動ガイドとの2つのガイドで得る構成であるから、固定ガイドと棚支持用可動ガイドとの夫々を出退移動方向に短くすることができるため、物品保管棚の配置スペースを小さくすることができる。
従って、物品保管棚を必要な移動ストロークで出退移動させることができながらも、物品保管棚の配置スペースを小さくすることができる物品処理設備を提供することができるに至った。
【発明を実施するための最良の形態】
【0020】
以下、本発明に係る物品処理設備の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1及び図2に示すように、物品処理設備は、床面上に設置される物品収納棚1と、天井に吊り下げ支持される保管用棚2と、前記物品収納棚1に対する物品移載箇所及び前記保管用棚2に対する物品移載箇所を経由する移動経路に沿って移動自在な物品搬送体としての移動車3とを備えて構成されている。
そして、物品収納棚1は、物品としての容器5を収納する物品収納部1aを縦横に備えて構成され、保管用棚2は、1つの容器5を一時的に保管するように構成されている。
ちなみに、図示は省略するが、物品処理設備には半導体基板の製造途中での半製品等に対して所定の処理を行う物品処理部も備えられており、移動経路は物品処理部に対する物品移載箇所も経由するように設定されている。
【0021】
図2に示すように、前記物品収納棚1の物品搬出入用の載置板50が、その物品収納棚1の外方に突出する物品授受用の突出位置(図6参照)と前記物品収納棚1の内部に引退する引退位置(図7参照)とに出退自在に設けられており、前記移動車3が、前記物品収納棚1に対する物品移載箇所に停止した状態において、前記突出位置の前記載置板50に対して容器5の受け渡し及び受け取りを行うように構成されている。
また、保管用棚2の支持板81は、前記物品収納棚1側に突出する物品授受位置(図7参照)と前記物品収納棚1から離れる側に引退する物品保管位置(図6参照)とに出退移動自在に設けられており、前記移動車3が、前記保管用棚2に対する物品移載箇所に停止した状態において、前記物品授受位置の前記支持板81に対して容器5の受け渡し及び受け取りを行うように構成されている。
ちなみに、載置板50が物品載置体に相当し、支持板81が物品保管棚に相当するものであり、また、物品収納棚1に対する物品移載箇所と、この物品収納棚1に設けられた載置板50の正面に位置する支持板81(保管用棚2)に対する物品移載箇所とは同じ箇所に設定されている。
【0022】
図2に示すように、天井近くには、移動車3を案内支持する案内レール8が配設されており、移動車3は、案内レール8に案内支持されながら前記載置板50よりも上方の移動経路に沿って移動するように構成されている。
そして、移動車3の移動経路の横一側方には物品収納棚1が配設され、また、移動車3の移動経路の横他側方には保管用棚2が配設されており、支持板81が、前記物品収納棚1に対して前記載置板50の突出方向に離間し且つ前記載置板50に対向する箇所に設けられている。
また、図3及び図4に示すように、前記移動体3は、前記載置板50及び前記支持板81に対する物品受け渡し及び受け取りのために昇降操作自在な物品保持部23を備えるように構成されている。
【0023】
図2に示すように、前記物品収納棚1、前記保管用棚2及び前記移動車3が、ダウンフロー式のクリーン空間内に設置されている。つまり、物品収納棚1、保管用棚2及び移動車3が設置された空間の床が多孔状のグレーティング床29にて形成され、天井がHEPAフィルタなどからなるエアーフィルタ30にて形成されており、通風ファン31にて、グレーティング床29から吸気した空気をプレフィルタ32を介してエアーフィルタ30から浄化空気として下向きに噴き出す形態で循環させて、物品収納棚1、前記保管用棚2及び移動車3が設置された空間をダウンフロー式のクリーン空間とされている。
そして、空気が循環する循環経路の途中には外気取入流路33及び排気流路34が接続されており、送風ファン31にて循環されるクリーン空間内の空気の一部が外気と交換されている。
【0024】
次に、移動車3について説明する。
図3及び図4に示すように、前記移動車3は、案内レール8の内方空間部に位置して案内レール8にて案内される上方車体9と、この上方車体9の下方に位置して上方車体9と前後の連結杆10、11にて連結される下方車体12とを備えて構成されている。
【0025】
前記上方車体9は、案内レール8の内方空間部に設けられるマグネット13に近接対向させる状態で一次コイル14を備えて構成されている。そして、上方車体9は、マグネット13と一次コイル14とからなるリニアモータによる推進力によって案内レール8に沿って移動するように構成されている。
また、上方車体9には、案内レール8の内方空間部に形成された走行案内面16上を転動する走行輪15と案内レール8の内方空間部に形成された振止案内面18上を転動する振止輪17とが備えられている。
さらに、上方車体9には、受電コイル20が設けられており、案内レール8に沿って設けられた給電線19に交流電流を通電させて磁界を発生させ、この磁界により移動車3側での必要電力を受電コイル20に発生させて、移動車3に対して無接触状態で給電を行うように構成されている。
【0026】
前記下方車体12は、前記連結杆10、11が連結され且つ移動車3の前後方向に伸びる前後枠体21、前後枠体21の走行方向前端箇所及び走行方向後端箇所から下方に延びる前後一対の縦枠体22から構成されて、側面視にて下方側が開放されたコ字状に形成されている。前記物品保持部23は、この下方車体12に備えられている。
物品保持部23は、回転ドラム26に巻き掛けられた4本のワイヤ6にて吊り下げ支持されており、下方車体12は、ドラム駆動用モータ25にて回転ドラム26を正逆回転させて4本のワイヤ6を同時に巻き取り及び繰り出しすることによって、物品保持部23を略水平姿勢に維持しながら昇降操作するように構成されている。
そして、前記物品保持部23には、容器5の上部に形成されたフランジ5aを把持する一対の把持具23aが設けられている。そして、一対の把持具23aが把持動作用モータ27の正逆回転により互いに近づく方向に揺動してフランジ5aを把持する把持姿勢と、一対の把持具23aが互いに離れる方向に揺動して把持を解除する解除姿勢とに切り換え自在に構成されている。
尚、物品保持部23は、図外の旋回用モータにて旋回操作されるように構成されている。
【0027】
また、前記移動車3に、前記物品収納棚1に対する物品移載箇所に停止した状態において、前記載置板50を前記突出位置と前記引退位置とに出退操作する出退操作手段S1と、前記保管用棚2に対する物品移載箇所に停止した状態において、前記支持板81を前記物品授受位置と前記物品保管位置とに出退操作する物品保管棚操作手段S2とが設けられている。
図6及び図7に示すように、出退操作手段S1と物品保管棚操作手段S2との夫々は、移動車3に固定された棚前後方向に長尺状のベース63と、そのベースに対して棚前後方向に移動自在に設けられた長尺状の操作体64と、その操作体64の先端部の下面側に設けられた係合ローラ65とを備えて構成されている。そして、出退操作手段S1と物品保管棚操作手段S2との夫々は、図外のアクチュエータの作動によりベース63に対して操作体64を出退させて、係合ローラ65を棚側に移動させる突出作動及び棚から離れる側に移動させる引退作動を行うように構成されている。
【0028】
次に、物品収納棚1について説明する。
図2に示すように、前記物品収納棚1に、前記引退位置の前記載置板50と前記物品収納部1aとの間で容器5を搬送すべく水平移動並びに昇降移動自在な物品移載装置としてのスタッカークレーン4が設けられている。
つまり、物品収納棚1は、出し入れ方向が互いに対向するように間隔を隔てて設置された一対の収納棚部分1Aを備えて構成されており、これらの一対の収納棚部分1Aどうしの間に、棚横幅方向に沿って水平移動するスタッカークレーン4が設けられている。
スタッカークレーン4についての詳細な説明は省略するが、棚横幅方向に沿って走行する走行台車に案内ポストが立設されており、この案内ポストに沿って昇降移動する昇降台に自己と物品収納部1aや載置板50との間で容器5を授受するフォーク装置4aが備えられている。
ちなみに、各収納棚部分1Aには物品収納部1aが縦横に備えられている。
【0029】
また、図5に示すように、前記物品収納棚1に、前記載置板50の出退移動方向に移動自在に可動案内用レール46を案内支持する主案内用レール40が設けられ、前記載置板50が、その出退移動方向に移動自在に前記可動案内用レール46に案内支持されている。ちなみに、可動案内用レール46が可動案内ガイドに相当し、主案内用レール40が主案内ガイドに相当する。
そして、物品収納棚1には、物品搬出入用の物品搬出入部1bが備えられており、この物品搬出入部1bは、移動車3の移動経路が位置する側の収納棚部分1Aにおける上から2段目で且つ棚横幅方向に並ぶ2つの収納部1aに相当する部分に形成されている。
また、物品収納棚1は壁部にて覆われているが、壁部における物品搬出入部1bに対応する部分は開口しており、この開口から容器5を搬出入するように構成されている。
【0030】
次に、物品収納棚1における物品搬出入部1bについて説明するが、棚前後方向における移動車3が位置する側を前方側、スタッカークレーン4が位置する側を後方側として説明する。
図5に示すように、物品収納棚1における物品搬出入部1bには、主案内枠36が、棚横幅方向に並ぶ一対の支柱35に亘って架設されており、可動案内枠37が、主案内枠36に対して棚前後方向(載置板50の出退移動方向)に移動自在に直接に案内支持され、物品載置枠7が、可動案内枠37に対して棚前後方向に移動自在に直接に案内支持されるとともに、前記出退操作手段S1にて直接に操作される収納用被操作体55と、この収納用被操作体55を物品載置枠7と連動させる収納用リンク機構38と、物品載置枠7を引退位置にロックする収納用ロック手段R1とが備えられている。
【0031】
図8及び図9に示すように、前記主案内枠36は、前記物品搬出入部1bにおける上部において棚横幅方向に並ぶ一対の支柱35に亘って架設された架設部材39と、前端部が架設部材39に連結支持された左右一対の前記主案内用レール40と、この左右一対の主案内用レール40の後端部を互いに連結する主案内用連結部材41と、前記可動案内枠37の棚前後方向での移動を設定範囲に規制する左右一対の主案内用規制部材42とを備えて構成されている。ちなみに、主案内用レール36は載置板50の載置面と同じ高さに設けられている。
そして、左右一対の主案内用レール40の夫々は、前後方向視での断面形状が内方側が開放するコ字状に形成されるとともに、後端が前端より下方に位置する後傾姿勢で設けられており、可動案内枠37を自重にて後方側に付勢する状態で案内支持するように構成されている。
また、左右一対の主案内用規制部材42の夫々には、主案内用レール40の後部下端に内方側に突出する状態に連結支持されて可動案内枠37の主案内枠36に対する設定移動範囲より後方側への移動を規制する引退用の主案内用規制部材42と、主案内用レール40の前部下端に内方側に突出する状態に連結支持されて可動案内枠37の主案内枠36に対する設定移動範囲より前方側への移動を規制する突出用の主案内用規制部材42とが備えられている。
【0032】
前記可動案内枠37は、板状の可動案内板44と、この可動案内板44の後部における棚横幅方向の両端部に設けられた左右一対の可動案内用被案内部材45と、左右一対の可動案内用被案内部材45の間に位置するように設けられた左右一対の可動案内用レール46と、主案内用規制部材42に接当する左右一対の可動案内用被接当部材47と、前記物品載置枠7の棚前後方向での移動を設定範囲に規制する左右一対の可動案内用規制部材48とを備えて構成されている。ちなみに、可動案内用レール46は、可動載置板44及び左右一対の可動案内用被案内部材45を介して主案内用レール40に間接的に案内支持されており、載置板50よりも少し下方に位置するように設けられている。
そして、左右一対の可動案内用被案内部材45の夫々は、前後一対の被案内輪45aにて構成されて前記主案内用レール40に対して転動するように構成されており、これら前後一対の被案内輪45aは、可動案内用レール46の長手方向に沿う状態に並べて設けられており、可動案内枠37は、主案内枠36にて後端部が前端部より下方に位置する後傾姿勢で案内支持されている。
また、左右一対の可動案内用被接当部材47の夫々は、可動案内板44の可動案内用被案内部材45と可動案内用レール46との間における後部に下方側に突出する状態に連結支持されて引退用や突出用の主案内用規制部材42に接当するように構成されている。
また、左右一対の可動案内用規制部材48の夫々は、可動案内板44の可動案内用被案内部材45と可動案内用レール46との間における後部に上方側に突出する状態に連結支持されて物品載置枠7の可動案内枠37に対する設定移動範囲より後方側への移動を規制する引退用の可動案内用規制部材48と、可動案内板44の可動案内用被案内部材45と可動案内用レール46との間における前部に上方側に突出する状態に連結支持されて物品載置枠7の可動案内枠37に対する設定移動範囲より前方側への移動を規制する突出用の可動案内用規制部材48とが備えられている。
【0033】
前記物品載置枠7は、容器5を載置支持する板状の載置板50と、載置板50の後部における棚横幅方向の両端部に設けられた左右一対の載置用被案内部材51と、可動案内用規制部材48に接当する左右一対の載置用被接当部材52とを備えて構成されている。
そして、左右一対の載置用被案内部材51の夫々は、リニアブロックにて構成されており、リニアガイドにて構成された前記可動案内用レール46に対して摺動するように構成されている。
また、載置用被案内部材51の夫々は、載置板50に対して後傾姿勢で連結支持されており、載置板50の載置面を水平な姿勢としながらも可動案内枠37にて後端部が前端部より下方に位置する後傾姿勢で案内支持されるように構成されている。
また、左右一対の載置用被接当部材52の夫々は、載置板50の後部に横外方側に突出する状態に連結支持されて引退用や突出用の可動案内用規制部材48に接当するように構成されている。
【0034】
前記載置板50は、後部にスタッカークレーン4におけるフォーク装置4aが昇降するための空間を形成すべくU字状に切り欠かれており、載置板50における切り欠きの棚横幅方向の両側並びに前方側とに計3つの物品位置決め部材53が設けられている。つまり、容器5の下面には、物品位置決め部材53の夫々に対応して3つの被係合部5bが形成されており、この被係合部5bに物品位置決め部材53を係合させた状態で容器5を載置支持することにより、容器5が載置板50に対して棚前後方向や棚横幅方向にずれないように構成されている。
ちなみに、可動案内枠37の可動案内板44と物品載置枠7の載置板50との間には、スタッカークレーン4におけるフォーク装置4aを挿抜するための空間が形成されている。
【0035】
前記収納用被操作体55は、前記一対の支柱35に亘って架設された架設部材39に縦軸心P1回りに揺動自在に支持されており、縦軸心P1周りでの揺動によって、先端が縦軸心P1より前方側に位置する接近位置と先端が縦軸心P1より後方側に位置する離間位置とに移動自在に支持されており、この収納用被操作体55は、載置板50に載置支持された容器5より上方に位置するように設けられている。
収納用被操作体55には、近接位置に位置する状態において棚前後方向と交差する方向に沿って縦軸心P1側に延びる溝部55aが設けられている。この溝部55aは、前端側の端部を前方側に開口させて、く字状に形成されている。
そして、収納用被操作体55と載置板50とは、収納用被操作体55が近接位置に位置する状態では載置板50が引退位置に位置し、収納用被操作体55が離間位置に位置する状態では載置板50が突出位置となるように、収納用リンク機構38にて連動連結されている。
尚、図示は省略するが、移動経路の棚横幅方向の両側には、操作体64に接当して係合ローラ65を適性操作位置に案内する一対の案内ローラが備えられている。
【0036】
前記収納用リンク機構38は、収納用被操作体55と一体に縦軸心P1周りに揺動する被操作リンク56と、被操作リンク56の先端部に一端部が枢支連結された連動リンク57と、先端部に連動リンク57の他端部が枢支連結され且つ基端部が棒状部材58の上端部に固着されて縦軸心P2周りに揺動する上部リンク59と、基端部が棒状部材58の下端部に固着されて先端部にローラ体60を回転自在に備えた下部リンク61とを備えて構成されている。ちなみに、被操作リンク56、連動リンク57及び上部リンク59は、載置板50に載置支持された容器5より上方に位置するように設けられており、下部リンク61が載置支持体7より下方に位置するように設けられている。
そして、ローラ体60は、載置板50の下面に連結支持されたローラ係合部材54に係合しており、ローラ体60が棚前後方向に移動するに伴って載置板50も棚前後方向に移動するように構成されている。
ちなみに、ローラ係合部材54は、ローラ体60が係合する溝穴を棚横幅方向に長く形成して、ローラ体60がローラ係合部材54に対して棚横幅方向に移動することを許容するように構成されている。
【0037】
図5に示すように、前記収納用ロック手段R1は、後端部が横軸心P3周りに揺動自在に連結支持された揺動部材67と、その揺動部材67に一体的に設けられて前記収納用被操作体55が近接位置から離間位置に移動することを接当規制する規制板68と、揺動部材67に回転自在に設けられた解除用ローラ69とを備え、規制板68が収納用被操作体55の移動経路に進入するロック状態と規制板68が収納用被操作体55の移動経路から退避するロック解除状態とに切り換えられるように構成されている。
【0038】
次に、載置板50を突出位置と引退位置とに出退操作した際の、可動案内枠37、物品載置枠7、収納用ロック手段R1、収納用リンク機構38、収納用被操作体55の動きについて説明する。尚、収納用ロック手段R1の動きについては図示を省略する。
【0039】
載置板50を引退位置から突出位置に突出操作する場合は、移動車3を物品収納棚1に対する物品移載箇所に停止させた状態で、移動車3に設けられた出退操作手段S1を突出作動させる。
すると、収納用ロック手段R1は、出退操作手段S1の突出作動の初期に、突出する操作体64にて解除用ローラ69が押し上げ操作されて揺動部材67が上方に揺動し、これによって規制板68が収納用被操作体55の移動経路から退避してロック解除状態に切り換えられる。
そして、図10〜図12に示すように、収納用被操作体55は、出退操作手段S1の突出作動により、係合ローラ65が収納用被操作体55の溝部55aに係合した後に溝部55aの奥側の側面が押し操作されて平面視で反時計回りに近接位置から離間位置に切り換え操作される。
このように収納用被操作体55が近接位置から離間位置に平面視で反時計回りに操作されると、被操作リンク56、上部リンク59、下部リンク61の夫々も反時計回りに揺動してローラ体60が前方側に移動することによって、載置板50が引退位置から突出位置に移動する。
そして、載置板50が引退位置から突出位置に移動する際は、まず、物品載置枠7の載置用被案内部材51が可動案内枠37の可動案内用レール46上を摺動して物品載置枠7が可動案内枠37に対して前方側に移動し、図11に示すように、物品載置枠7が可動案内枠37に対する設定移動範囲の前端まで移動すると、突出用の可動案内用規制部材48が載置用被接当部材52に接当する。その後、可動案内枠37が物品載置枠7に押される形態で物品載置枠7と可動案内枠37とが一体的に前方側に向けて移動することにより、図12に示すように、可動案内枠37の被案内輪45aが主案内枠36の主案内用レール40上を転動して可動案内枠37が主案内枠36に対して前方側に移動して、載置板50が突出位置まで移動する。
【0040】
また、載置板50を突出位置から引退位置に引退操作する場合は、上記したように突出作動させた出退操作手段S1を引退作動させる。
すると、図10〜図12に示すように、収納用被操作体55は、出退操作手段S1の引退作動により係合ローラ65にて離間位置から近接位置に引き操作された後に係合ローラ65が溝部55aから離脱するように構成されている。そして、出退操作手段S1の引退作動の末期に、収納用ロック手段R1は、引退する操作体64が解除用ローラ69の下方から引き抜かれて揺動部材67が自重にて下方に揺動し、これによって規制板68が収納用被操作体55の移動経路に進入してロック状態に切り換えられるように構成されている。
上記ように収納用被操作体55が離間位置から近接位置に平面視で時計回りに操作されると、被操作リンク56、上部リンク59、下部リンク61の夫々が時計回りに揺動してローラ体60が後方側に移動することによって、載置板50が突出位置から引退位置に移動する。
そして、載置板50が突出位置から引退位置に移動する際は、まず、物品載置枠7の載置用被案内部材51が可動案内枠37の可動案内用レール46上を摺動して物品載置枠7が可動案内枠37に対して後方側に移動し、物品載置枠7が可動案内枠37に対する設定移動範囲の後端まで移動すると、引退用の可動案内用規制部材48が載置用被接当部材52に接当する。その後、可動案内枠37が物品載置枠7に押される形態で物品載置枠7と可動案内枠37とが一体的に後方側に向けて移動することにより、図10に示すように、可動案内枠37の被案内輪45aが主案内枠36の主案内用レール40上を転動して可動案内枠37が主案内枠36に対して後方側に移動して、載置板50が引退位置まで移動する。
【0041】
次に、保管用棚2について説明するが、棚前後方向における移動車3が位置する側を前方側、その反対側を後方側として説明する。
図5に示すように、前記支持板81の出退方向に支持板81を案内支持する固定枠用レール76が、前記支持板81の物品保管位置に対応して設けられ、前記支持板81が、その出退移動方向に出退自在に前記固定枠用レール76に案内支持されている。
また、前記支持板81の物品保管位置に対応して、前記物品保管棚操作手段S2にて直接に操作される保管用被操作体73と、この保管用被操作体73を支持板81と連動させる保管用リンク機構74と、支持板81を引退位置にロックする保管用ロック手段R2とが備えられている。尚、保管用被操作体73及び保管用ロック手段R2は、それぞれ収納用被操作体55及び収納用ロック手段R1と同様に構成されているため説明は省略する。
【0042】
図6及び図7に示すように、支持板81の物品保管位置に対応して、左右一対の前記固定枠用レール76を備えた固定枠71が備えられており、左右一対の固定枠用レール76は、天井側から吊り下げ支持されて連結部材にて互いに連結されており、支持板81に支持された容器5の上端と同じ高さに設けられている。また、左右一対の固定枠用レール76の夫々は、後端が前端より下方に位置する後傾姿勢で設けられており、案内支持する支持アーム体78を自重にて後方側に付勢する状態で案内支持するように構成されている。
【0043】
また、支持板81の物品保管位置に対応して備えられた支持アーム体78は、前後方向に伸びる形状に形成されて互い連結部材にて連結される状態で左右一対備えられており、左右一対の支持アーム体78夫々の後部に左右一対の保管用被案内部材80が備えられ、下部に容器5を載置支持する前記支持板81が備えられている。
そして、左右一対の支持アーム体78の夫々は、棚前後方向に沿って延びて保管用被案内部材80を支持する上部と、この上部の前端から下方に延びる中間部、この中間部の下端から前方に延びる下部とから形成されている。
また、前記左右一対の支持アーム体78の夫々における中間部及び下部には、その長手方向に間隔を隔てて複数の孔部が形成されており、支持アーム体78の軽量化が図られている。
前記支持板81は、左右一対の支持アーム体78における下部を互いに連結する一対の連結部材に亘って備えられており、この支持板81には、載置板50と同様に三角形状に3つの物品位置決め部材53が設けられている。
左右一対の保管用被案内部材80の夫々は、前後一対の被案内ローラにて構成されて前記固定枠用レール76に対して転動するように構成されており、固定枠71にて後端側が前端側より下方に位置する後傾姿勢で案内支持されている。つまり、左右一対の保管用被案内部材80の夫々は、支持板81の載置面を水平な姿勢としながらも後方側の被案内ローラが前方側の被案内ローラより下方に位置した状態で固定枠71にて案内支持されている。
【0044】
前記保管用リンク機構74は、保管用被操作体73と同じ縦軸心周りに揺動する第1リンクと、第1リンクの先端部に一端部が枢支連結された第2リンクと、中間部に第2リンクの他端部が枢支連結された基端側の縦軸心周りに揺動する第3リンクと、基端部が第3リンクに枢支連結され且つ先端部に支持アーム体78の後端部に枢支連結される枢支部86aを備えた第4リンクとを備えて構成されている。
つまり、保管用リンク機構74は、保管用被操作体73が近接位置から離間位置に平面視で反時計回りに操作されると、第1リンク、第3リンクの夫々が反時計回りに揺動して枢支部86aが前方側に移動することによって、支持板81を物品保管位置から物品授受位置に移動させ、また、保管用被操作体73が離間位置から近接位置に平面視で時計回りに操作されると、第1リンク、第3リンクの夫々が時計回りに揺動して枢支部86aが後方側に移動することによって、支持板81を物品授受位置から物品保管位置に移動させるように構成されている。
【0045】
〔別実施の形態〕
(1) 上記実施の形態では、物品保管位置に対応する箇所に、支持板81の出退移動方向に支持板81を案内支持する固定枠用レール76を設け、支持板81を、その出退移動方向に出退自在に固定枠用レール76に案内支持されるように構成して、ガイドとして固定枠用レール76のみを備える構成としたが、図13及び図14に示すように、物品保管位置に対応する箇所に、支持板81の出退移動方向に案内レール87を案内支持する固定枠用レール76を設け、支持板81を、その出退移動方向に出退自在に案内レール87に案内支持されるように構成して、ガイドとして固定枠用レール76と案内レール87とを備える構成としてもよい。
ちなみに、この実施の形態では、図13及び図14に示すように、物品保管位置に対応する箇所に備えた棚支持用枠88に、左右一対の固定枠用レール76にて直接に案内される左右一対の保管用被案内部材89と前記案内レール87とを備え、案内レール87にて支持アーム体78に支持された保管用案内部材(図示せず)を案内するように構成されている。また、棚支持用可動ガイド88には、支持アーム体78の棚前後方向での移動を設定移動範囲に規制する移動規制部材90を備えて構成されており、移動規制部材90は、支持アーム体78の棚支持用可動枠88に対する設定移動範囲より後方側への移動を規制する引退用の移動規制部材90と、支持アーム体78の棚支持用可動枠88に対する設定移動範囲より前方側への移動を規制する突出用の移動規制部材90とが備えられている。
尚、固定枠用レール76が固定ガイドに相当し、棚支持用可動レール88が棚支持用可動ガイドに相当する。
【0046】
ちなみに、主案内用レール40の可動案内用レール46に対するガイド構造、可動案内用レール46の載置板50に対するガイド構造、固定枠用レール76の支持板81に対するガイド構造、固定枠用レール76の案内レール87に対するガイド構造、及び、案内レール87の支持板81に対するガイド構造は夫々、転動式、摺動式等、適宜変更可能であり、例えば、主案内用レール40の可動案内用レール46に対するガイド構造を可動案内用レール46の載置板50に対するガイド構造のように摺動式に構成してもよく、また、可動案内用レール46の載置板50に対するガイド構造を主案内用レール40の可動案内用レール46に対するガイド構造のように転動式に構成してもよい。
また、転動式のガイド構造としては、前後方向視がコ字状のレールの内部空間を輪体を転動させる構成の他に、棒状のレールの上面と下面とを上下に振り分けられた複数の輪体を転動させる構成でもよい。
【0047】
(2) 上記実施の形態では、物品収納棚1に、載置板50の出退移動方向に移動自在に可動案内用レール46を案内支持する主案内用レール40を設け、載置板50を、その出退移動方向に移動自在に可動案内用レール46に案内支持するように構成して、ガイドとして主案内用レール40と可動案内用レール46とを備える構成としたが、物品収納棚1に、載置板50の出退方向に移動自在に載置板50を案内支持する主案内用レール40を設け、載置板50を、その出退方向に移動自在に主案内用レール40に案内支持するように構成して、ガイドとして主案内用レール40のみを備える構成としてもよい。
【0048】
(3) 上記実施の形態では、物品収納棚1、保管用棚2(支持板81)及び物品搬送体3を、清浄空気をダウンフローさせるダウンフロー式のクリーン空間に設置したが、物品収納棚1、物品保管棚2及び物品搬送体3を、ダウンフロー式ではないクロス張りの簡易式のクリーン空間に設置してもよく、また、クリーン化されていない空間に設置してもよい。
【0049】
(4) 上記実施の形態では、支持板81を物品授受位置と物品保管位置とに出退操作する物品保管棚操作手段S2を物品搬送体3に設けたが、支持板81を物品授受位置と物品保管位置とに出退操作する物品保管棚操作手段S2を支持板81の物品保管位置に対応して設けてもよく、例えば、固定枠71に支持された電動モータを物品保管棚操作手段S2として設けてもよい。
【0050】
(5) 上記実施の形態では、物品収納棚1に対して載置板50の突出方向に離間し且つ載置板50に対向する箇所に支持板81を設けたが、支持板81を設けなくてもよく、また、物品収納棚1に対して載置板50の突出方向に離間し且つ載置板50に対向する箇所にも別の物品収納棚1を設けてもよい。
【0051】
(6) 上記実施の形態では、上方車体9を駆動させる方式として、リニアモータにより推進力を得て駆動させるリニアモータ式を例示しているが、例えば、走行輪15を回転駆動する電動モータを設け、この電動モータにて走行輪15を回転駆動させることにより上方車体9を駆動させる方式を用いてもよい。
【0052】
(7) 上記実施の形態では、回転ドラム26にワイヤ6を巻き掛けたて物品保持部23を昇降操作するように構成したが、例えば、回転ドラム26にベルトを巻き掛けて物品保持部23を昇降操作するように構成してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0053】
【図1】物品処理設備の平面図
【図2】物品処理設備の側面図
【図3】移動車の側面図
【図4】移動車の正面図
【図5】突出位置の載置板及び物品保管位置の支持板を示す側面図
【図6】突出位置の載置板及び物品保管位置の支持板を示す斜視図
【図7】引退位置の載置板及び物品授受位置の支持板を示す斜視図
【図8】物品載置体の背面図
【図9】物品載置体のガイド構造を示す分解斜視図
【図10】引退位置の載置板を示す作用図
【図11】移動途中の載置板を示す作用図
【図12】突出位置の載置板を示す作用図
【図13】別実施の形態における物品保管位置の支持板を示す斜視図
【図14】別実施の形態における物品授受位置の支持板を示す斜視図
【符号の説明】
【0054】
1 物品収納棚
1a 物品収納部
3 物品搬送体
4 物品移載装置
5 物品
23 物品保持部
40 主案内ガイド
46 可動案内ガイド
50 載置板
71 固定ガイド
81 支持板
88 棚支持用可動ガイド
S1 出退操作手段
S2 物品保管棚操作手段
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納する物品収納部を縦横に備えた物品収納棚と、
前記物品収納棚に対する物品移載箇所を経由する移動経路に沿って移動自在な物品搬送体とが設けられ、
前記物品収納棚の物品搬出入用の物品載置体が、その物品収納棚の外方に突出する物品授受用の突出位置と前記物品収納棚の内部に引退する引退位置とに出退自在に設けられ、
前記物品搬送体が、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記突出位置の前記物品載置体に対して物品の受け渡し及び受け取りを行うように構成された物品処理設備であって、
前記物品搬送体に、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記物品載置体を前記突出位置と前記引退位置とに出退操作する出退操作手段が設けられている物品処理設備。
【請求項2】
前記物品収納棚に、前記物品載置体の出退移動方向に移動自在に可動案内ガイドを案内支持する主案内ガイドが設けられ、
前記物品載置体が、その出退移動方向に移動自在に前記可動案内ガイドに案内支持されている請求項1記載の物品処理設備。
【請求項3】
前記物品搬送体が、前記物品載置体よりも上方の移動経路に沿って移動するように構成され、且つ、前記物品載置体に対する物品受け渡し及び受け取りのために昇降操作自在な物品保持部を備えるように構成され、
前記物品収納棚に、前記引退位置の前記物品載置体と記物品収納部との間で物品を搬送すべく水平移動並びに昇降移動自在な物品移載装置が設けられている請求項1又は2記載の物品処理設備。
【請求項4】
前記物品収納棚及び前記物品搬送体が、ダウンフロー式のクリーン空間内に設置されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品処理設備。
【請求項5】
前記物品収納棚に対して前記物品載置体の突出方向に離間し且つ前記物品載置体に対向する箇所に、前記物品収納棚側に突出する物品授受位置と前記物品収納棚から離れる側に引退する物品保管位置とに出退移動自在な物品保管棚が設けられ、
前記物品搬送体が、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記物品授受位置の前記物品保管棚に対して物品の受け渡し及び受け取りを行うように構成されている請求項3又は4に記載の物品処理設備。
【請求項6】
前記物品搬送体に、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記物品保管棚を前記物品授受位置と前記物品保管位置とに出退操作する物品保管棚操作手段が設けられている請求項5記載の物品処理設備。
【請求項7】
前記物品保管棚の出退方向に棚支持用可動ガイドを案内支持する固定ガイドが、前記物品保管棚の物品保管位置に対応して設けられ、
前記物品保管棚が、その出退移動方向に出退自在に前記棚支持用可動ガイドに案内支持されている請求項5又は6に記載の物品処理設備。
【請求項1】
物品を収納する物品収納部を縦横に備えた物品収納棚と、
前記物品収納棚に対する物品移載箇所を経由する移動経路に沿って移動自在な物品搬送体とが設けられ、
前記物品収納棚の物品搬出入用の物品載置体が、その物品収納棚の外方に突出する物品授受用の突出位置と前記物品収納棚の内部に引退する引退位置とに出退自在に設けられ、
前記物品搬送体が、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記突出位置の前記物品載置体に対して物品の受け渡し及び受け取りを行うように構成された物品処理設備であって、
前記物品搬送体に、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記物品載置体を前記突出位置と前記引退位置とに出退操作する出退操作手段が設けられている物品処理設備。
【請求項2】
前記物品収納棚に、前記物品載置体の出退移動方向に移動自在に可動案内ガイドを案内支持する主案内ガイドが設けられ、
前記物品載置体が、その出退移動方向に移動自在に前記可動案内ガイドに案内支持されている請求項1記載の物品処理設備。
【請求項3】
前記物品搬送体が、前記物品載置体よりも上方の移動経路に沿って移動するように構成され、且つ、前記物品載置体に対する物品受け渡し及び受け取りのために昇降操作自在な物品保持部を備えるように構成され、
前記物品収納棚に、前記引退位置の前記物品載置体と記物品収納部との間で物品を搬送すべく水平移動並びに昇降移動自在な物品移載装置が設けられている請求項1又は2記載の物品処理設備。
【請求項4】
前記物品収納棚及び前記物品搬送体が、ダウンフロー式のクリーン空間内に設置されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品処理設備。
【請求項5】
前記物品収納棚に対して前記物品載置体の突出方向に離間し且つ前記物品載置体に対向する箇所に、前記物品収納棚側に突出する物品授受位置と前記物品収納棚から離れる側に引退する物品保管位置とに出退移動自在な物品保管棚が設けられ、
前記物品搬送体が、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記物品授受位置の前記物品保管棚に対して物品の受け渡し及び受け取りを行うように構成されている請求項3又は4に記載の物品処理設備。
【請求項6】
前記物品搬送体に、前記物品移載箇所に停止した状態において、前記物品保管棚を前記物品授受位置と前記物品保管位置とに出退操作する物品保管棚操作手段が設けられている請求項5記載の物品処理設備。
【請求項7】
前記物品保管棚の出退方向に棚支持用可動ガイドを案内支持する固定ガイドが、前記物品保管棚の物品保管位置に対応して設けられ、
前記物品保管棚が、その出退移動方向に出退自在に前記棚支持用可動ガイドに案内支持されている請求項5又は6に記載の物品処理設備。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【公開番号】特開2008−214074(P2008−214074A)
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−57210(P2007−57210)
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成20年9月18日(2008.9.18)
【国際特許分類】
【出願日】平成19年3月7日(2007.3.7)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】
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