説明

物品収納設備

【課題】学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習する学習作業の簡素化及びその学習作業に要する時間の短縮化を図ることができる物品収納設備の提供。
【解決手段】収納部5に対して移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向での設置位置を目標水平距離情報及び目標昇降距離情報を求めるための設定設置条件に定める状態で設置された学習用マーク体24が、学習用マーク体検出手段にて移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向における少なくとも一端部を検出したときの水平移動距離検出手段又は昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、学習水平距離情報及び学習昇降距離情報の一方を学習可能で、且つ、学習用マーク体検出手段にて一方向における両端部の夫々を検出したときの水平移動距離検出手段又は昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、学習水平距離情報及び学習昇降距離情報の他方を学習可能な形態に構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、収納部を縦横に複数並べて備えた物品収納棚と、前記物品収納棚の前方の移動空間において移載手段を水平移動させる水平移動手段と前記移載手段を昇降移動させる昇降移動手段とを備えた物品搬送装置と、前記移載手段の水平移動方向において基準水平位置から前記移載手段までの水平移動距離を検出する水平移動距離検出手段と、前記移載手段の昇降移動方向において基準昇降位置から前記移載手段までの昇降移動距離を検出する昇降移動距離検出手段と、前記水平移動手段の作動、前記昇降移動手段の作動、及び、前記移載手段の作動を制御する制御手段とが設けられ、前記制御手段が、前記複数の収納部の夫々における目標停止位置についての前記移載手段の水平移動方向での基準水平位置からの目標水平距離情報及び前記移載手段の昇降移動方向での基準昇降位置からの目標昇降距離情報、前記水平移動距離検出手段の検出情報、並びに、前記昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、前記収納部の目標停止位置に前記移載手段を位置させるべく、前記水平移動手段の作動及び前記昇降移動手段の作動を制御し、且つ、その目標停止位置において前記移載手段にて前記収納部に対する物品の出し入れを行うべく、前記移載手段の作動を制御するように構成されている物品収納設備に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような物品収納設備は、例えば、自動倉庫などに適応され、移動空間において物品搬送装置の移載手段を水平移動及び昇降移動させて収納部の目標停止位置に位置させて、その目標停止位置にて移載手段にて物品の出し入れを行うことにより、物品収納棚の収納部への物品の入庫や物品収納棚の収納部からの物品の出庫を行うものである。
前記目標停止位置は、物品の出し入れを適正に行うための位置であり、複数の収納部の夫々に対して定められている。この目標停止位置は、移載手段の水平移動方向での基準水平位置からの目標水平距離情報及び移載手段の昇降移動方向での基準昇降位置からの目標昇降距離情報から定められている。
そして、各収納部を予め定めた設計位置に誤差なく位置させるように物品収納棚を組み立てることが難しいことから、物品収納棚を組み立てた状態で実際に移載手段を移動させることにより、複数の収納部の夫々における目標停止位置についての目標水平距離情報及び目標昇降距離情報を求めるようにしている。
【0003】
従来の物品収納設備では、複数の収納部の夫々に対して移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向での設置位置を目標水平距離情報及び目標昇降距離情報を求めるための設定設置条件に定める状態で設置された複数の学習用マーク体と、移載手段と一体的に移動する状態で物品搬送装置に装備されて、学習用マーク体を検出する学習用マーク体検出手段とが設けられている。そして、制御手段が、学習用マーク体検出手段にて学習用マーク体を検出したときの水平移動距離検出手段の検出情報及び昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、複数の学習用マーク体の夫々についての移載手段の水平移動方向での基準水平位置からの学習水平距離情報及び移載手段の昇降移動方向での基準昇降位置からの学習昇降距離情報を学習し、その学習した学習水平距離情報及び学習昇降距離情報、並びに、設定設置条件に対応する情報に基づいて、目標水平距離情報及び目標昇降距離情報を求めるように構成されている(例えば、特許文献1参照。)。
【0004】
この従来の物品収納設備では、学習用マーク体が、平面視にて矩形状に形成され、学習用マーク体検出手段にて移載手段の水平移動方向の両端部の夫々を検出したときの水平移動距離検出手段の検出情報に基づいて、学習水平距離情報を学習可能で、且つ、学習用マーク体検出手段にて移載手段の昇降移動方向の両端部の夫々を検出したときの昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、学習昇降距離情報を学習可能な形態に構成されている。
【0005】
【特許文献1】特開平8−244914号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の物品収納設備では、学習用マーク体検出手段にて学習用マーク体における移載手段の水平移動方向の両端部の夫々を検出するように移載手段を水平移動させることにより学習水平距離情報を学習し、且つ、学習用マーク体検出手段にて学習用マーク体における移載手段の昇降移動方向の両端部の夫々を検出するように移載手段を昇降移動させることにより学習昇降距離情報を学習することになる。したがって、複数の学習用マーク体の夫々についての学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習するためには、学習用マーク体検出手段にて学習用マーク体における移載手段の水平移動方向の両端部の夫々を検出するように移載手段を水平移動させるとともに、学習用マーク体検出手段にて学習用マーク体における移載手段の昇降移動方向の両端部の夫々を検出するように移載手段を昇降移動させなければならない。
【0007】
説明を加えると、複数の学習用マーク体の全てについて学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習するためには、例えば、まず、移載手段の水平移動方向に並ぶ複数の学習用マーク体を学習用マーク体検出手段にて順次検出するように移載手段を水平移動させて、移載手段の水平移動方向において物品収納棚の端部まで移載手段を移動させると、その物品収納棚の端部にて折り返して移載手段の昇降移動方向に隣接する位置において移載手段の水平移動方向に並ぶ複数の学習用マーク体を学習用マーク体検出手段にて順次検出する形態で、複数の学習用マーク体の全てについて学習用マーク体検出手段にて順次検出するように移載手段を移動させる。そして、次に、移載手段の昇降移動方向に並ぶ複数の学習用マーク体を学習用マーク体検出手段にて順次検出するように移載手段を昇降移動させて、移載手段の昇降移動方向において物品収納棚の端部まで移載手段を移動させると、その物品収納棚の端部にて折り返して移載手段の水平移動方向に隣接する位置において移載手段の昇降移動方向に並ぶ複数の学習用マーク体を学習用マーク体検出手段にて順次検出する形態で、複数の学習用マーク体の全てについて学習用マーク体検出手段にて順次検出するように移載手段を移動させなければならない。
このように、学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習するためには、移載手段を移動させる距離が長くなり、学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習する学習作業が複雑で且つその学習作業に要する時間が増大する虞があった。
【0008】
本発明は、かかる点に着目してなされたものであり、その目的は、学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習する学習作業の簡素化及びその学習作業に要する時間の短縮化を図ることができる物品収納設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0009】
この目的を達成するために、本発明にかかる物品収納設備の第1特徴構成は、収納部を縦横に複数並べて備えた物品収納棚と、前記物品収納棚の前方の移動空間において移載手段を水平移動させる水平移動手段と前記移載手段を昇降移動させる昇降移動手段とを備えた物品搬送装置と、前記移載手段の水平移動方向において基準水平位置から前記移載手段までの水平移動距離を検出する水平移動距離検出手段と、前記移載手段の昇降移動方向において基準昇降位置から前記移載手段までの昇降移動距離を検出する昇降移動距離検出手段と、前記水平移動手段の作動、前記昇降移動手段の作動、及び、前記移載手段の作動を制御する制御手段とが設けられ、前記制御手段が、前記複数の収納部の夫々における目標停止位置についての前記移載手段の水平移動方向での基準水平位置からの目標水平距離情報及び前記移載手段の昇降移動方向での基準昇降位置からの目標昇降距離情報、前記水平移動距離検出手段の検出情報、並びに、前記昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、前記収納部の目標停止位置に前記移載手段を位置させるべく、前記水平移動手段の作動及び前記昇降移動手段の作動を制御し、且つ、その目標停止位置において前記移載手段にて前記収納部に対する物品の出し入れを行うべく、前記移載手段の作動を制御するように構成されている物品収納設備において、
前記複数の収納部の夫々に対して前記移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向での設置位置を前記目標水平距離情報及び前記目標昇降距離情報を求めるための設定設置条件に定める状態で設置された複数の学習用マーク体と、前記移載手段と一体的に移動する状態で前記物品搬送装置に装備されて、前記学習用マーク体を検出する学習用マーク体検出手段とが設けられ、前記制御手段が、前記学習用マーク体検出手段にて前記学習用マーク体を検出したときの前記水平移動距離検出手段又は前記昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、前記複数の学習用マーク体の夫々についての前記移載手段の水平移動方向での基準水平位置からの学習水平距離情報及び前記移載手段の昇降移動方向での基準昇降位置からの学習昇降距離情報を学習し、その学習した前記学習水平距離情報及び前記学習昇降距離情報、並びに、前記設定設置条件に対応する情報に基づいて、前記目標水平距離情報及び前記目標昇降距離情報を求めるように構成され、前記学習用マーク体が、前記学習用マーク体検出手段にて前記移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向における少なくとも一端部を検出したときの前記水平移動距離検出手段又は前記昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、前記学習水平距離情報及び前記学習昇降距離情報の一方を学習可能で、且つ、前記学習用マーク体検出手段にて前記一方向における両端部の夫々を検出したときの前記水平移動距離検出手段又は前記昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、前記学習水平距離情報及び前記学習昇降距離情報の他方を学習可能な形態に構成されている点にある。
【0010】
前記移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向において学習用マーク体検出手段にて学習用マーク体の両端部を検出するように移載手段を移動させると、学習用マーク体検出手段にて少なくとも学習用マーク体の一端部を検出したときの水平移動距離検出手段又は昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、学習水平距離情報及び学習昇降距離情報の一方を学習でき、且つ、学習用マーク体検出手段にて学習用マーク体の両端部を検出したときの水平移動距離検出手段又は昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、学習水平距離情報及び学習昇降距離情報の他方を学習できることになる。
【0011】
したがって、学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習するためには、学習用マーク体検出手段にて移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向における学習用マーク体の両端部の夫々を検出するように移載手段を水平移動方向及び昇降移動方向の一方向に移動させるだけでよいことになる。このように、移載手段を水平移動方向及び昇降移動方向の一方向に移動させるだけで学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習することができ、学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習する学習作業の簡素化及びその学習作業に要する時間の短縮化を図ることができる物品収納設備を提供できるに至った。
【0012】
本発明にかかる物品収納設備の第2特徴構成は、前記制御手段が、前記移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向に並ぶ前記複数の学習用マーク体を前記学習用マーク体検出手段にて順次検出するように前記移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向に前記移載手段を移動させるべく、前記水平移動手段の作動及び前記昇降移動手段の作動を制御し、且つ、前記学習用マーク体検出手段にて前記学習用マーク体の少なくとも一端部を検出したときの前記水平移動距離検出手段又は前記昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、前記学習水平距離情報及び前記学習昇降距離情報の一方を学習するとともに、前記学習用マーク体検出手段にて前記学習用マーク体の両端部の夫々を検出したときの前記水平移動距離検出手段又は前記昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、前記学習水平距離情報及び前記学習昇降距離情報の他方を学習する学習処理を実行するように構成されている点にある。
【0013】
前記制御手段が学習処理を実行することにより、移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向に並ぶ複数の学習用マーク体を学習用マーク体検出手段にて順次検出するように移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向に移載手段を移動させて、前記学習用マーク体検出手段にて前記学習用マーク体の両端部の夫々を検出するごとに、その学習用マーク体における学習水平距離情報及び学習昇降処理情報を学習しながら、移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向に並ぶ複数の学習用マーク体についての学習水平距離情報及び学習昇降処理情報を学習できることになる。
したがって、移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向に並ぶ複数の学習用マーク体についての学習水平距離情報及び学習昇降処理情報を学習するためには、複数の学習用マーク体を学習用マーク体検出手段にて順次検出するように移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向に移載手段を移動させるだけでよく、学習作業の簡素化及びその学習作業に要する時間の短縮化を図ることができる。
【0014】
本発明にかかる物品収納設備の第3特徴構成は、前記制御手段が、前記学習処理において、前記移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向において前記物品収納棚の端部まで前記移載手段を移動させると、その前記物品収納棚の端部にて折り返して前記移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の他方向に隣接する位置において前記一方向に並ぶ前記複数の学習用マーク体を前記学習用マーク体検出手段にて順次検出する形態で、前記複数の学習用マーク体の全てについて前記学習用マーク体検出手段にて順次検出するように前記移載手段を移動させるべく、前記水平移動手段の作動及び前記昇降移動手段の作動を制御するように構成されている点にある。
【0015】
前記学習処理では、移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向に並ぶ複数の学習用マーク体を学習用マーク体検出手段にて順次検出して複数の学習用マーク体についての学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習しながら、移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向に物品収納棚の端部まで移載手段を移動させると、その物品収納棚の端部にて折り返して移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の他方向に隣接する位置において前記一方向に並ぶ複数の学習用マーク体を学習用マーク体検出手段にて順次検出して複数の学習用マーク体についての学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習しながら、移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向に物品収納棚の端部まで移載手段を移動させることを繰り返して、複数の学習用マーク体の全てにおける学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習できることになる。
このように、水平移動方向及び昇降移動方向の一方向に移載手段を移動させるときには、常時、学習用マーク体検出手段にて学習用マーク体を検出する形態で、物品収納棚に対して移載手段を蛇行状に移動させながら、複数の学習用マーク体の全てにおける学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習でき、学習処理において無駄な移載手段の移動を極力無くすことができる。したがって、学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習するために、移載手段を効率よく移動させることができ、学習作業の簡素化及びその学習作業に要する時間の短縮化を図ることができる。
【0016】
本発明にかかる物品収納設備の第4特徴構成は、前記複数の収納部の夫々に対して、前記移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向での設置位置を前記移載手段が目標停止位置に位置したときに前記学習用マーク体検出手段にて検出可能な位置に定めた状態で停止位置確認用マーク体が設置され、前記制御手段が、前記移載手段を目標停止位置に位置させたときに、前記学習用マーク体検出手段にて前記停止位置確認用マーク体を検出しない場合には異常であると判別するように構成されている点にある。
【0017】
前記移載手段が目標停止位置に位置すると、学習用マーク体検出手段にて停止用確認用マーク体を検出できることになるので、制御手段は、移載手段を目標停止位置に位置させたときに、学習用マーク体検出手段にて停止用確認用マーク体を検出しているか否かによって、移載手段が実際に目標停止位置に位置しているか否かを確認できる。
そして、制御手段は、移載手段を目標停止位置に位置させたときに、学習用マーク体検出手段にて停止位置確認用マーク体を検出しない場合には異常であると判別することにより、作業者などが何らかの異常により移載手段が実際には目標停止位置に位置していないことを把握できる。したがって、移載手段が実際に目標停止位置に位置していないにもかかわらず、誤って移載手段にて物品の出し入れを行ってしまうことを防止できる。
【0018】
本発明にかかる物品収納設備の第5特徴構成は、前記学習用マーク体が、前記移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向において、前記停止位置確認用マーク体の幅よりも大きな幅となるように構成されている点にある。
【0019】
前記学習用マーク体検出手段は、学習用マーク体と停止位置確認用マーク体との両方を検出することができるので、停止位置確認用マーク体を学習用マーク体の近くに設置すると、学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習するときに、学習用マーク体検出手段が学習用マーク体ではなく停止位置確認用マーク体を検出してしまう虞がある。そして、学習用マーク体検出手段が停止位置確認用マーク体を検出しているにもかかわらず、水平移動距離検出手段又は昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習してしまうと、誤った学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習してしまうことになる。
前記移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向において、学習用マーク体を停止位置確認用マーク体の幅よりも大きな幅とすることにより、制御手段が、移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向における両端部の夫々を学習用マーク体検出手段にて検出したときの水平移動距離検出手段又は昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、その一方向における幅情報を求めて、停止位置確認用マーク体を検出しているのか又は学習用マーク体を検出しているのかを判別できることになる。したがって、制御手段は、学習用マーク体検出手段が停止位置確認用マーク体を検出しているにもかかわらず、学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習してしまうことを防止することができ、誤った学習水平距離情報及び学習昇降距離情報の学習を防止できる。
【0020】
本発明にかかる物品収納設備の第6特徴構成は、前記学習用マーク体と前記停止位置確認用マーク体とが、前記収納部に装着される単一の基体に設けられている点にある。
【0021】
前記学習用マーク体と停止位置確認用マーク体とが設けられた単一の基体を収納部に装着するだけで、学習用マーク体及び停止位置確認用マーク体を設置することができ、その設置作業の簡素化を図ることができる。そして、学習用マーク体及び停止位置確認用マーク体は、お互いの相対位置を適切な位置に設置することが求められるが、基体において学習用マーク体と停止位置確認用マーク体との相対位置を適正な位置に設置することができる。したがって、収納部に学習用マーク体を装着するときに、学習用マーク体と停止位置確認用マーク体との相対位置の調整を行わなくてもよく、設置作業の簡素化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
本発明にかかる物品収納設備の実施形態について図面に基づいて説明する。
この物品収納設備は、図1に示すように、物品1を出し入れする前面が互いに対向するように間隔を隔てて設置した2つの物品収納棚2と、2つの物品収納棚2どうしの間に形成した移動空間3を自動往復走行する物品搬送装置としてのスタッカークレーン4とを備えて構成されている。
【0023】
各物品収納棚2は、前後一対の支柱2aが棚横幅方向(水平方向)に間隔を隔てて複数立設され、前後一対の支柱2aの夫々には、載置支持部2bが上下方向に間隔を隔てて複数配設されている。
前記収納部5は、左右一対の載置支持部2bにて物品1を載置支持する形態で物品1を収納するように構成されている。そして、収納部5は、棚上下幅方向(上下方向)及び棚横幅方向に複数並ぶように設けられている。
【0024】
前記物品収納棚2に入庫する物品1や物品収納棚2から出庫した物品1を載置支持する入出庫用の荷載置台6が、棚横幅方向において物品収納棚2に隣接する箇所に設置されている。
前記移動空間3には、物品収納棚2の棚横幅方向の全範囲および入出庫用の荷載置台6にわたる走行レール7が床面に設置され、物品収納棚2の棚横幅方向の全範囲および入出庫用の荷載置台6にわたるガイドレール8が天井側に設置されている。そして、スタッカークレーン4がガイドレール8にて案内されながら走行レール7上を水平移動するように設けられている。
【0025】
前記スタッカークレーン4は、図2に示すように、走行レール7に沿って走行自在な走行台車9、その走行台車9に立設された昇降マスト10に沿って昇降自在な昇降台11、その昇降台11に装着された移載手段としての物品移載装置12(例えば、フォーク式の物品移載装置)を備えて構成されている。このように、スタッカークレーン4は、走行台車9の走行作動により物品移載装置12を水平移動自在で且つ昇降台11の昇降作動により物品移載装置12を昇降移動自在に構成されている。
そして、スタッカークレーン4は、走行台車9の走行作動、昇降台11の昇降作動、および、物品移載装置12の移載作動により、入出庫用の荷載置台6に対して物品1を移載し且つ収納部5に対して物品1の出し入れを行うように構成されている。
【0026】
前記スタッカークレーン4において、昇降マスト10は、走行台車9の前端部と後端部の夫々に1つずつ前後一対設けられている。そして、昇降マスト10の上端部には、前後一対の昇降マスト10の上端部どうしを連結する上部フレーム13が設けられている。この上部フレーム13は、ガイドレール8にて案内されるように設けられている。
【0027】
前記昇降台11は、走行台車9に立設した前後一対の昇降マスト10にて昇降自在に案内支持されており、その左右両側に連結した昇降用ワイヤ14にて吊下げ支持されるようになっている。
前記昇降用ワイヤ14は、上部フレーム13に設けた案内プーリ15と一方の昇降マスト10に設けた案内プーリ16とに巻き掛けられて、走行台車9の一端に装備した巻き取りドラム17に巻回されている。
前記巻き取りドラム17には、昇降移動手段としてのインバータ式の昇降用電動モータ18が設けられている。そして、昇降用電動モータ18が正逆に回転駆動することにより、昇降用ワイヤ14の繰り出し操作や巻き取り操作を行い、昇降台11を昇降移動させて物品移載装置12を昇降移動させるように構成されている。
【0028】
前記昇降台11には、物品移載装置12の昇降移動方向において基準昇降位置から物品移載装置12までの昇降移動距離を検出する昇降移動距離検出手段としての昇降用ロータリエンコーダ19が設けられている。
前記基準昇降位置は、昇降台11が走行台車9上に位置するときの物品移載装置12の位置に定められている。この基準昇降位置については、図示は省略するが、昇降台11側に装備のリミットスイッチなどの検出体にて走行台車9側に装備の被検出ドグを検出することにより基準昇降位置を検出するようにしている。そして、昇降用ロータリエンコーダ19の回転軸には、昇降マスト10の長手方向に沿って設けられたチェーンに歯合するスプロケットが設けられ、基準昇降位置を検出してからの昇降台11の昇降移動距離を検出することにより、基準昇降位置から物品移載装置12までの昇降移動距離を検出している。
【0029】
前記スタッカークレーン4において、走行台車9には、走行レール7の長手方向に間隔を隔てて前後一対の走行車輪20が配置されている。前後一対の走行車輪20のうち、一方の走行車輪20aは駆動車輪として構成され、他方の走行車輪20bは遊転自在な従動車輪として構成されている。前記駆動車輪20aには、水平移動手段としてのインバータ式の走行用電動モータ21が設けられている。そして、走行用電動モータ21が正逆に回転駆動することにより、走行台車9を走行レール7に沿って走行させて物品移載装置12を水平移動させるように構成されている。
【0030】
前記走行台車9には、物品移載装置12の水平移動方向において基準水平位置から物品移載装置12までの水平移動距離を検出する水平移動距離検出手段としての走行用ロータリエンコーダ22が設けられている。
前記基準水平位置は、走行レール7の入出庫用の荷載置台6側の端部に定められている。この基準水平位置については、図示は省略するが、走行台車9側に装備のリミットスイッチなどの検出体にて地上側に装備の被検出ドグを検出することにより基準水平位置を検出するようにしている。そして、水平用ロータリエンコーダ22の回転軸には、走行レール7の長手方向に沿って設けられたチェーンに歯合するスプロケットが設けられ、基準水平位置を検出してからの走行台車9の水平移動距離を検出することにより、基準水平位置から物品移載装置12までの水平移動距離を検出している。
【0031】
図3に示すように、スタッカークレーン4の運転を制御する制御手段としての運転制御装置23が設けられている。前記運転制御装置23は、2つの入出庫用の荷載置台6から移載対象の入出庫用の荷載置台6を選択する又は複数の収納部5から移載対象の収納部5を選択して、移載対象の入出庫用の荷載置台6に対応する目標停止位置又は移載対象の収納部5に対応する目標停止位置に物品移載装置12を移動させるべく、走行台車9の走行作動及び昇降台11の昇降作動を制御し、かつ、その目標停止位置において物品移載装置12が入出庫用の荷載置台6に対する物品1の移載又は移載対象の収納部5に対して物品1の出し入れを行うべく、物品移載装置12の移載作動を制御するように構成されている。
【0032】
ちなみに、運転制御装置23は、地上側に設けられた地上側コントローラとスタッカークレーン側に設けられたクレーン側コントローラとを通信自在に備えた2つのコントローラから構成されているものや、地上側に設けられた地上側コントローラとスタッカークレーン側に設けられた昇降用電動モータ18や走行用電動モータ21などの機器とを通信自在に備えた1つのコントローラから構成されているものを適応することができる。
【0033】
前記収納部5についての目標停止位置は、収納部5に対する物品1の出し入れを適正に行うための位置であり、複数の収納部5の夫々に対して定められている。そして、目標停止位置は、物品移載装置12の水平移動方向での基準水平位置からの目標水平距離情報及び物品移載装置12の昇降移動方向での基準昇降位置からの目標昇降距離情報により定められる。
この実施形態では、収納部5に対して物品1を卸すときの卸し用の目標停止位置を収納部5についての目標停止位置として定めている。そして、卸し用の目標停止位置は、物品1を載置支持した状態でフォークを出退させるときに物品1が支柱2aや載置支持部2bとの衝突を回避できるように定められている。
また、収納部5に物品1を卸すときの掬い用の目標停止位置が、物品移載装置12の昇降移動方向において卸し用の目標停止位置よりも設定距離下方側に定められている。
【0034】
入出庫用の荷載置台6についての目標停止位置も、収納部5についての目標停止位置と同様に、荷載置台6に対する物品1の移載を適正に行うための位置であり、収納部5についての目標停止位置と同様に、物品移載装置12の水平移動方向での基準水平位置からの目標水平距離情報及び物品移載装置12の昇降移動方向での基準昇降位置からの目標昇降距離情報により定められる。
【0035】
前記運転制御装置23は、走行用ロータリエンコーダ22の検出情報及び目標水平距離情報に基づいて、物品移載装置12の水平移動方向において目標停止位置に物品移載装置12を水平移動させるべく、走行用電動モータ21の作動を制御する走行制御部23a、昇降用ロータリエンコーダ19の検出情報及び目標昇降距離情報に基づいて、物品移載装置12の昇降移動方向において目標停止位置に物品移載装置12を昇降移動させるべく、昇降用電動モータ18の作動を制御する昇降制御部23b、荷載置台6に対する物品1の移載又は収納部5に対して物品1の出し入れを行うべく、物品移載装置12の移載作動を制御する移載制御部23cから構成されている。
【0036】
前記走行制御部23aは、走行用電動モータ21を作動開始させて走行台車9の走行作動を開始し、走行用ロータリエンコーダ22にて検出される水平移動距離が移載対象の荷載置台6又は収納部5における目標水平距離情報になると、走行用電動モータ21の作動を停止させて、物品移載装置12の水平移動方向において目標停止位置に物品移載装置12を位置させる。
前記昇降制御部23bは、収納部5又は荷載置台6に物品1を卸すときには、昇降用電動モータ18を作動開始させて昇降台11の昇降作動を開始し、昇降用ロータリエンコーダ19にて検出される昇降移動距離が移載対象の荷載置台6又は収納部5における目標昇降距離情報になると、昇降用電動モータ18の作動を停止させて、物品移載装置12の昇降移動方向において目標停止位置に物品移載装置12を位置させる。また、昇降制御装置23bは、収納部5又は荷載置台6から物品1を掬い取るときには、収納部5又は荷載置台6に物品1を卸すときと同様の動作を行い、目標停止位置から設定距離だけ下方位置である掬い用の目標停止位置に物品移載装置12を位置させるようにしている。
前記移載制御部23cは、収納部5又は荷載置台6に物品1を卸すときにおいては、物品1を載置支持した状態でフォークを突出させたのち、昇降台11の下降により物品移載装置12を掬い用の目標停止位置まで下降させて物品1を収納部5又は荷載置台6に卸し、その後フォークを引退させるべく、フォーク式の物品移載装置12を作動させる。また、移載制御部23cは、収納部5又は荷載置台6から物品1を掬い取るときにおいては、フォークを突出させたのち昇降台11の上昇により物品移載装置12を目標停止位置まで昇降させて物品1を掬い取り、その後物品1を載置支持した状態でフォークを引退させるべく、フォーク式の物品移載装置12を作動させる。
【0037】
前記複数の収納部5の夫々に対応する目標停止位置に物品移載装置12を移動させるためには、運転制御装置23が、複数の目標停止位置についての目標水平距離情報及び目標昇降距離情報を取得しておくことが必要である。
そこで、図4に示すように、運転制御装置23が、学習用マーク体検出手段としての学習用マーク体検出センサ25にて学習用マーク体24を検出したときの走行用ロータリエンコーダ22の検出情報に基づいて、複数の学習用マーク体24の夫々についての物品移載装置12の水平移動方向での基準水平位置からの学習水平距離情報及び物品移載装置12の昇降移動方向での基準昇降位置からの学習昇降距離情報を学習し、その学習した学習水平距離情報及び学習昇降距離情報、並びに、設定設置条件に対応する情報に基づいて、目標水平距離情報及び目標昇降距離情報を求めるように構成されている。ちなみに、図4は物品収納棚2の各収納部5を模式的に示したものである。
前記学習用マーク体24は、図5に示すように、複数の収納部5の夫々に対して物品移載装置12の水平移動方向及び昇降移動方向での設置位置を目標水平距離情報及び目標昇降距離情報を求めるための設定設置条件に定める状態で設置されている。
前記学習用マーク体検出センサ25は、図2に示すように、物品移載装置12と一体的に移動する状態でスタッカークレーン4に装備されて、学習用マーク体24を検出するように構成されている。
【0038】
図5及び図6に基づいて、学習用マーク体24について説明する。
前記学習用マーク体24は、その中心P1が目標停止位置Mに対して物品移載装置12の水平移動方向に設定水平距離Sだけ離れた位置で且つ物品移載装置12の昇降移動方向に設定昇降距離Tだけ離れた位置となるように設置されている。
このように、学習用マーク体24の設置位置における設定設置条件が、学習用マーク体24の中心P1から物品移載装置12の水平移動方向に設定水平距離Sだけ離れた位置で且つ物品移載装置12の昇降移動方向に設定昇降距離Tだけ離れた位置に目標停止位置が位置するような条件に定められている。
【0039】
そして、学習用マーク体24は、学習用マーク体検出センサ25にて物品移載装置12の水平移動方向における少なくとも一端部を検出したときの走行用ロータリエンコーダ22の検出情報に基づいて、学習水平距離情報を学習可能で、且つ、学習用マーク体検出センサ25にて物品移載装置12の水平移動方向における両端部の夫々を検出したときの走行用ロータリエンコーダ22の検出情報に基づいて、学習昇降距離情報を学習可能な形態に構成されている。
【0040】
説明を加えると、学習用マーク体24は、物品移載装置12の昇降移動方向において上辺が下辺よりも短い台形状に形成されている。そして、学習用マーク体24は、学習用マーク体検出センサ25にて物品移載装置12の水平移動方向における両端部の夫々を検出したときの走行用ロータリエンコーダ22の検出情報に基づいて、学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習可能な形態に構成されている。学習水平距離情報は、基準水平位置から学習用マーク体24の中心P1までの距離を示すものである。学習昇降距離情報は、基準昇降位置から学習用マーク体24の中心P1までの距離を示すものである。
【0041】
前記運転制御装置23は、複数の学習用マーク体24の夫々についての学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習する学習処理を実行可能に構成されている。そして、物品収納棚2を組み立てた状態において、学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習する必要があるときに、例えば、人為操作式の操作部による指令や作業者の入力によって、運転制御装置23が学習処理を実行するように構成されている。
【0042】
前記運転制御装置23は、図4に示すように、学習処理において、物品移載装置12の水平移動方向に並ぶ複数の学習用マーク体24を学習用マーク体検出センサ25にて順次検出するように水平移動方向に物品移載装置12を移動させるべく、走行用電動モータ21の作動及び昇降用電動モータ18の作動を制御し、且つ、学習用マーク体検出センサ25にて学習用マーク体24の少なくとも一端部を検出したときの走行用ロータリエンコーダ22の検出情報に基づいて、学習水平距離情報を学習するとともに、学習用マーク体検出センサ25にて学習用マーク体24の両端部の夫々を検出したときの走行用ロータリエンコーダ22の検出情報に基づいて、学習昇降距離情報を学習するように構成されている。
【0043】
また、運転制御装置23は、学習処理において、図4中矢印にて示すように、物品移載装置12の水平移動方向において物品収納棚2の端部まで物品移載装置12を移動させると、その物品収納棚2の端部にて折り返して物品移載装置12の昇降移動方向に隣接する位置において物品移載装置12の水平移動方向に並ぶ複数の学習用マーク体24を学習用マーク体検出センサ25にて順次検出する形態で、複数の学習用マーク体24の全てについて学習用マーク体検出センサ25にて順次検出するように物品移載装置12を移動させるべく、走行用電動モータ21の作動及び昇降用電動モータ18の作動を制御するように構成されている。
このとき、各段の収納部5において物品移載装置12を水平移動させる位置は、物品移載装置12の昇降移動方向において基準昇降位置からの距離が予め定められている学習用設定位置Bである。この学習用設定位置Bは、例えば、各収納部5を予め定めた設計位置に誤差なく位置させるように物品収納棚2を組み立てた場合に、物品移載装置12の水平移動方向に並ぶ複数の学習用マーク体24の中心P1を学習用マーク体検出センサ25が通過するように定められている。
【0044】
図6に基づいて、学習処理における学習水平距離情報及び学習昇降距離情報の求め方について説明する。
まず、学習水平距離情報Xについて説明する。
前記運転制御装置23は、学習用マーク体検出センサ25にて学習用マーク体24の一端部(点A1)を検出したときの走行用ロータリエンコーダ22による検出距離V1と学習用マーク体検出センサ25にて学習用マーク体24の他端部(点A2)を検出したときの走行用ロータリエンコーダ22による検出距離V2とから、下記〔数1〕にて基準水平位置から学習用マーク体24の中心P1までの学習水平距離情報Xを求める。
【0045】
〔数1〕
X=(V1+V2)/2
【0046】
次に、学習昇降距離情報Yについて説明する。
前記学習処理において物品移載装置12を水平移動させる位置は、学習用設定位置Bである。この学習用設定位置Bは、基準昇降位置から学習用設定位置Bまでの距離が学習用設定距離Gとなっている。前記学習用設定位置Bは、物品移載装置12の水平移動方向に並ぶ複数の学習用マーク体24の中心P1を学習用マーク体検出センサ25が通過するように定められているが、物品収納棚2を組み立てるときの誤差などによって、実際に学習用マーク体検出センサ25が通過する学習用設定位置Bは、学習用マーク体24の中心P1からずれてしまうことがある。そこで、物品移載装置12の昇降移動方向において学習用マーク体24の中心P1に対する学習用設定位置Bのずれ量(Q2−Q1)を求めることにより学習昇降距離情報Yを求めるようにしている。
【0047】
前記運転制御装置23は、学習用マーク体検出センサ25にて学習用マーク体24の一端部(点A1)を検出したときの走行用ロータリエンコーダ22による検出距離V1、学習用マーク体検出センサ25にて学習用マーク体24の他端部(点A2)を検出したときの走行用ロータリエンコーダ22による検出距離V2、学習用マーク体24の上辺の長さR1、学習用マーク体24の中心P1における横幅R2、学習用マーク体24の上端から中心P1までの距離(学習用マーク体24における点A3と点A5との間の距離)Q2、学習用設定距離Gから、下記〔数2〕〜〔数5〕にて基準昇降位置から学習用マーク体24の中心P1までの学習昇降距離情報Yを求める。
R1,R2,Q2については、台形状の学習用マーク体24の大きさにより定まる固定値である。
【0048】
説明すると、まず、走行用ロータリエンコーダ22による検出距離V1,V2と学習用マーク体24の上辺の長さR1とから、下記〔数2〕にて学習用マーク体24における点A1と点A4との間の距離W1を求める。また、学習用マーク体24の上辺の長さR1と学習用マーク体24の中心P1における横幅R2から、下記〔数3〕にて学習用マーク体24における点A6とA5との間の距離W2を求める。
そして、三角形A3,A4,A1と三角形A3,A5,A6とが相似であるので、点A3と点A4との間の距離Q1、点A1と点A4との間の距離W1、点A3と点A5との間の距離Q2、点A6と点A5との間の距離W2において、Q1:W1=Q2:W2の関係が成り立つ。したがって、下記〔数4〕にて点A3と点A4との間の距離Q1を求める。
最後に、点A3と点A4との間の距離Q1、点A3と点A5との間の距離Q2から学習用マーク体24の中心P1に対する学習用設定位置Bのずれ量(Q2−Q1)を求めて、そのずれ量(Q2−Q1)と学習用設定距離Gとから、下記〔数5〕にて基準昇降位置から学習用マーク体24の中心P1までの学習昇降距離情報Yを求める。
【0049】
〔数2〕
W1=((V2−V1)−R1)/2
〔数3〕
W2=(R2−R1)/2
〔数4〕
Q1=W1×Q2/W2
〔数5〕
Y=G−(Q2−Q1)
【0050】
前記運転制御装置23は、学習用マーク体検出センサ25にて学習用マーク体24を検出するたびに、その学習用マーク体24の夫々について学習水平距離情報X及び学習昇降距離情報Yを求める形態で、図7に示すように、物品移載装置12の水平移動方向に並ぶ複数の学習用マーク体24についての学習水平距離情報X11,X12,X13,X14及び学習昇降距離情報Y11,Y12,Y13,Y14を求めるように構成されている。
そして、運転制御装置23は、物品収納棚2の端部まで物品移載装置12を水平移動させると、その物品収納棚2の端部にて折り返して1つ上段の収納部5において物品移載装置12の水平移動方向に並ぶ複数の学習用マーク体24を学習用マーク体検出センサ25にて順次検出するように物品移載装置12の昇降移動方向での学習用設定位置Bにて物品移載装置12を水平移動させて、物品移載装置12の水平移動方向に並ぶ複数の学習用マーク体24についての学習水平距離情報X21,X22,X23,X24及び学習昇降距離情報Y21,Y22,Y23,Y24を求めるように構成されている。
また、運転制御装置23は、物品収納棚2の端部まで物品移載装置12を水平移動させると、その物品収納棚2の端部にて折り返して1つ上段の収納部5において物品移載装置12の水平移動方向に並ぶ複数の学習用マーク体24を学習用マーク体検出センサ25にて順次検出するように物品移載装置12の昇降移動方向での学習用設定位置Bにて物品移載装置12を水平移動させて、物品移載装置12の水平移動方向に並ぶ複数の学習用マーク体24についての学習水平距離情報X31,X32,X33,X34及び学習昇降距離情報Y31,Y32,Y33,Y34を求めるように構成されている。
そして、運転制御装置23は、物品収納棚2の端部にて折り返す形態で、物品移載装置12の水平移動方向に並ぶ複数の学習用マーク体24を学習用マーク体検出センサ25にて順次検出するように物品移載装置12の昇降移動方向での学習用設定位置Bにて物品移載装置12を水平移動させることを繰り返して、複数の学習用マーク体24の全てについての学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習するように構成されている。
【0051】
前記運転制御装置23は、複数の学習用マーク体24の全てについての学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習すると、その学習した学習水平距離情報及び学習昇降距離情報、並びに、設定設置条件に対応する情報に基づいて、目標水平距離情報及び目標昇降距離情報を求めるように構成されている。
説明を加えると、設定設置条件は、学習用マーク体24の中心P1から物品移載装置12の水平移動方向に設定水平距離Sだけ離れた位置で且つ物品移載装置12の昇降移動方向に設定昇降距離Tだけ離れた位置に目標停止位置が位置するような条件に定められている。したがって、運転制御装置23は、学習した学習水平距離情報Xと設定水平距離Sとから、目標停止位置Mについての目標水平距離情報Mx(=X−S)を求め、学習した学習昇降距離情報Yと設定昇降距離Tとから、目標停止位置Mについての目標昇降距離情報My(=Y+T)を求める。
このようにして、運転制御装置23は、物品収納棚2を組み立てた状態において、複数の収納部5の夫々における目標停止位置についての目標水平距離情報及び目標昇降距離情報を求めるように構成されている。
【0052】
また、各収納部5を予め定めた設計位置に誤差なく位置させるように物品収納棚2を組み立てることができれば、複数の収納部5の夫々における目標停止位置は、実際に物品収納棚2を組み立てなくても、仮基準用の目標停止位置M1として求めることができる。したがって、仮基準用の目標停止位置M1についての仮基準用の目標水平距離情報及び目標昇降距離情報については、物品収納棚2を組み立てる前に予め求めておくことができる。
そこで、運転制御装置23は、仮基準用の目標停止位置M1についての仮基準用の目標水平距離情報と学習処理などの処理を行うことにより求めた実際の目標停止位置Mについての目標水平距離情報との誤差ΔX、及び、仮基準用の目標停止位置M1についての仮基準用の目標昇降距離情報と学習処理などの処理を行うことにより求めた実際の目標停止位置Mについての目標昇降距離情報との誤差ΔYを求める。そして、運転制御装置23は、目標停止位置についての目標水平距離情報及び目標昇降距離情報として、仮基準用の目標停止位置M1についての仮基準用の目標水平距離情報を誤差ΔXにて補正した情報及び仮基準用の目標停止位置M1についての仮基準用の目標昇降距離情報を誤差ΔYにて補正した情報を取得しておくことができる。
【0053】
前記荷載置台6に対応する目標停止位置に物品移載装置12を移動させるためには、運転制御装置23が、荷載置台6に対応する目標停止位置についての目標水平距離情報及び目標昇降距離情報を取得しておくことが必要である。したがって、運転制御装置23が、荷載置台6に対応する目標停止位置についての目標水平距離情報及び目標昇降距離情報を求めるようにしている。
この場合、運転制御装置23が、どのようにして荷載置台6に対応する目標停止位置についての目標水平距離情報及び目標昇降距離情報を求めるかは各種の求め方を適応することができる。例えば、物品移載装置12にて実際に荷載置台6に対する物品1の移載を行うことにより目標水平距離情報及び目標昇降距離情報を求めることができる。また、収納部5に対応する目標停止位置を求めるのと同様に、荷載置台6に対して学習用マーク体24を設置し、運転制御装置23が、その学習用マーク体24についての学習水平距離情報及び学習昇降距離情報を学習することにより、目標水平距離情報及び目標昇降距離情報を求めることができる。
【0054】
前記複数の収納部5の夫々には、学習用マーク体24の他に、図8に示すように、物品移載装置12の水平移動方向及び昇降移動方向での設置位置を物品移載装置12が目標停止位置Mに位置したときに学習用マーク体検出センサ25にて検出可能な位置に定めた状態で停止位置確認用マーク体26が設置されている。
そして、運転制御装置23は、物品移載装置12を目標停止位置に位置させたときに、学習用マーク体検出センサ25にて停止位置確認用マーク体26を検出しない場合には異常であると判別するように構成されている。前記運転制御装置23が、異常であると判別すると、物品移載装置12の作動を停止して異常であることを報知するようにしている。したがって、物品移載装置12が目標停止位置に位置していない状態で誤って物品1の出し入れを行うことを防止して、物品1が支柱2aや載置支持部2bに衝突するのを回避することができる。
【0055】
前記停止位置確認用マーク体26は、図5に示すように、その中心P2が目標停止位置Mに対して物品移載装置12の水平移動方向の基準水平位置から離れる側に設定水平距離Sだけ離れ且つ物品移載装置12の昇降移動方向の基準水平位置に近づく側に第1設定昇降距離T1だけ離れるように設置されている。そして、学習用マーク体24は、その中心P1が停止位置確認用マーク体26の中心P2に対して物品移載装置12の昇降移動方向の基準水平位置に近づく側に第2設定昇降距離T2だけ離れるように設置されている。
【0056】
前記停止位置確認用マーク体26は、物品移載装置12の水平移動方向における幅と物品移載装置12の昇降移動方向における幅とが同じ正方形状に形成されている。そして、停止位置確認用マーク体26における物品移載装置12の水平移動方向及び昇降移動方向における幅は、目標停止位置に物品移載装置を位置させるときに目標停止位置に対する物品移載装置12の位置ずれを許容可能な許容範囲に相当するものである。また、停止位置確認用マーク体26における物品移載装置12の水平移動方向及び昇降移動方向における幅は、学習用マーク体検出センサ25にて的確に検出できる範囲でより小さなものが望ましい。
【0057】
前記学習用マーク体24は、図6に示すように、物品移載装置12の水平移動方向において、停止位置確認用マーク体26の幅よりも大きな幅となるように構成されている。つまり、物品移載装置12の水平移動方向において、学習用マーク体24の最小幅となる上辺が、停止位置確認用マーク体26の幅よりも大きくなるように構成されている。したがって、運転制御装置23は、学習処理において、学習用マーク体検出センサ25にて学習用マーク体24を検出しているのか又は停止位置確認用マーク体26を検出しているのかを判別することができ、学習水平距離情報及び学習昇降距離情報の学習を誤って行ってしまうことを防止することができる。
【0058】
前記学習用マーク体24と停止位置確認用マーク体26とは、図9に示すように、収納部5に装着される単一の基体27に設けられている。前記基体27は、矩形状の反射体28とその反射体28と同じ大きさの矩形状の非反射体29とを重ね合せて構成されている。そして、非反射体29の打ち抜きにより学習用マーク体24と停止位置確認用マーク体26とが形成されている。前記学習用マーク体検出センサ25は、測定用の光を投射して反射光を受光することにより学習用マーク体24及び停止位置確認用マーク体26を検出する光学式のセンサにて構成されている。
【0059】
このように、単一の基体27に学習用マーク体24と停止位置確認用マーク体26とが設けられているので、単に、学習用マーク体24の設置位置が設定設置条件となるように基体27を収納部5に対して設置するだけで、学習用マーク体24及び停止位置確認用マーク体26を適切な位置に設置することができる。したがって、学習用マーク体24と停止位置確認用マーク体26との設置作業の簡素化を図ることができる。
【0060】
〔別実施形態〕
(1)上記実施形態では、学習用マーク体24が、学習用マーク体検出センサ25にて物品移載装置12の水平移動方向における少なくとも一端部を検出したときの走行用ロータリエンコーダ22の検出情報に基づいて、学習水平距離情報を学習可能で、且つ、学習用マーク体検出センサ25にて物品移載装置12の水平移動方向における両端部の夫々を検出したときの走行用ロータリエンコーダ22の検出情報に基づいて、学習昇降距離情報を学習可能な形態に構成されているが、学習用マーク体24の形態について適宜変更が可能である。
【0061】
例えば、上記実施形態における台形状の学習用マーク体24を右側辺よりも左側辺が大きくなるように横向きに設置することにより、学習用マーク体検出センサ25にて物品移載装置12の昇降移動方向における少なくとも一端部を検出したときの昇降用ロータリエンコーダ19の検出情報に基づいて、学習昇降距離情報を学習可能で、且つ、学習用マーク体検出センサ25にて物品移載装置12の昇降移動方向における両端部の夫々を検出したときの昇降用ロータリエンコーダ19の検出情報に基づいて、学習水平距離情報を学習可能な形態に構成することもできる。
この場合、運転制御装置23は、学習処理において、物品移載装置12の昇降移動方向に並ぶ複数の学習用マーク体24を学習用マーク体検出センサ25にて順次検出するように昇降移動方向に物品移載装置12を移動させるべく、走行用電動モータ21の作動及び昇降用電動モータ18の作動を制御し、且つ、学習用マーク体検出センサ25にて学習用マーク体24の少なくとも一端部を検出したときの昇降用ロータリエンコーダ19の検出情報に基づいて、学習昇降距離情報を学習するとともに、学習用マーク体検出センサ25にて学習用マーク体24の両端部の夫々を検出したときの昇降用ロータリエンコーダ19の検出情報に基づいて、学習水平距離情報を学習する。
【0062】
(2)上記実施形態では、学習用マーク体24の形状として台形状を例示したが、例えば、二等辺三角形、直角三角形、半円形なども適応可能であり、学習用マーク体24の形状は適宜変更が可能である。そして、学習用マーク体24の形状としては、物品移載装置12の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向において中心に対して左右対称で且つその一方向における幅が他方向において順次異なる形状、例えば、二等辺三角形などが望ましい。
【0063】
(3)上記実施形態では、学習用マーク体24の設置位置における設定設置条件が、学習用マーク体24の中心P1から物品移載装置12の水平移動方向に設定水平距離Sだけ離れた位置で且つ物品移載装置12の昇降移動方向に設定昇降距離Tだけ離れた位置に目標停止位置が位置するような条件に定められているが、学習用マーク体24の設置位置における設定設置条件をどのような条件とするかは適宜変更が可能である。
例えば、学習用マーク体24を停止位置確認用マーク体26の設置位置を求めるための第1設定設置条件に定める状態で設置し、停止位置確認用マーク体26を目標水平距離情報及び目標昇降距離情報を求めるための第2設定設置条件に定める状態で設置して、設定設置条件を第1設定設置条件と第2設定設置条件とから構成することもできる。この場合には、学習した学習水平距離情報及び学習昇降距離情報と第1設定設置条件と第2設定設置条件とに基づいて、目標水平距離情報及び目標昇降距離情報を求めることになる。
【0064】
(4)上記実施形態では、卸し用の目標停止位置と掬い用の目標停止位置とのうち、卸し用の目標停止位置を目標停止位置としているが、掬い用の目標停止位置を目標停止位置として実施することもできる。つまり、目標停止位置を各収納部5に対してどのような位置に設定するかは適宜変更が可能である。
【0065】
(5)上記実施形態では、運転制御装置23が、学習処理において、物品移載装置12の水平移動方向において物品収納棚2の端部まで物品移載装置12を移動させると、その物品収納棚2の端部にて折り返して物品移載装置12の昇降移動方向に隣接する位置において物品移載装置12の水平移動に並ぶ複数の学習用マーク体24を学習用マーク体検出センサ25にて順次検出する形態で、複数の学習用マーク体24の全てについて学習用マーク体検出センサ25にて順次検出するように物品移載装置12を移動させるべく、走行用電動モータ21の作動及び昇降用電動モータ18の作動を制御しているが、運転制御装置23が、学習処理において、どのような形態で、複数の学習用マーク体24の全てについて学習用マーク体検出センサ25にて順次検出するように物品移載装置12を移動させるかは適宜変更が可能である。
例えば、物品移載装置12の水平移動方向において物品収納棚2の端部から端部まで物品移載装置12を往復移動させたのち、物品移載装置12の昇降移動方向に隣接する位置において物品移載装置12の水平移動に並ぶ複数の学習用マーク体24を学習用マーク体検出センサ25にて順次検出する形態で、複数の学習用マーク体24の全てについて学習用マーク体検出センサ25にて順次検出するように物品移載装置12を移動させることもできる。
【0066】
(6)上記実施形態では、停止位置確認用マーク体26を設けているが、この停止位置確認用マーク体26を設けずに実施することもできる。
【0067】
(7)上記実施形態では、水平移動距離検出手段として、走行用ロータリエンコーダ22を設けたが、例えば、光学式のレーザ測距計などを適応することも可能であり、水平移動距離検出手段をどのような距離検出手段としてするかは適宜変更が可能である。
また、昇降移動距離検出手段についても、どのような距離検出手段としてするかは適宜変更が可能である。
【図面の簡単な説明】
【0068】
【図1】物品収納設備の斜視図
【図2】スタッカークレーンの側面図
【図3】物品収納設備の制御ブロック図
【図4】物品収納棚の各収納部の概略図
【図5】収納部の拡大図
【図6】学習用マーク体及び停止位置確認用マーク体を示す図
【図7】物品収納棚の一部を示す図
【図8】収納部の拡大図
【図9】学習用マーク体及び停止位置確認用マーク体を示す図
【符号の説明】
【0069】
2 物品収納棚
3 移動空間
4 物品搬送装置
5 収納部
12 移載手段
18 昇降移動手段
19 昇降移動距離検出手段
21 水平移動手段
22 水平移動距離検出手段
23 制御手段
24 学習用マーク体
25 学習用マーク体検出手段
26 停止位置確認用マーク体
27 基体

【特許請求の範囲】
【請求項1】
収納部を縦横に複数並べて備えた物品収納棚と、
前記物品収納棚の前方の移動空間において移載手段を水平移動させる水平移動手段と前記移載手段を昇降移動させる昇降移動手段とを備えた物品搬送装置と、
前記移載手段の水平移動方向において基準水平位置から前記移載手段までの水平移動距離を検出する水平移動距離検出手段と、
前記移載手段の昇降移動方向において基準昇降位置から前記移載手段までの昇降移動距離を検出する昇降移動距離検出手段と、
前記水平移動手段の作動、前記昇降移動手段の作動、及び、前記移載手段の作動を制御する制御手段とが設けられ、
前記制御手段が、前記複数の収納部の夫々における目標停止位置についての前記移載手段の水平移動方向での基準水平位置からの目標水平距離情報及び前記移載手段の昇降移動方向での基準昇降位置からの目標昇降距離情報、前記水平移動距離検出手段の検出情報、並びに、前記昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、前記収納部の目標停止位置に前記移載手段を位置させるべく、前記水平移動手段の作動及び前記昇降移動手段の作動を制御し、且つ、その目標停止位置において前記移載手段にて前記収納部に対する物品の出し入れを行うべく、前記移載手段の作動を制御するように構成されている物品収納設備であって、
前記複数の収納部の夫々に対して前記移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向での設置位置を前記目標水平距離情報及び前記目標昇降距離情報を求めるための設定設置条件に定める状態で設置された複数の学習用マーク体と、
前記移載手段と一体的に移動する状態で前記物品搬送装置に装備されて、前記学習用マーク体を検出する学習用マーク体検出手段とが設けられ、
前記制御手段が、前記学習用マーク体検出手段にて前記学習用マーク体を検出したときの前記水平移動距離検出手段又は前記昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、前記複数の学習用マーク体の夫々についての前記移載手段の水平移動方向での基準水平位置からの学習水平距離情報及び前記移載手段の昇降移動方向での基準昇降位置からの学習昇降距離情報を学習し、その学習した前記学習水平距離情報及び前記学習昇降距離情報、並びに、前記設定設置条件に対応する情報に基づいて、前記目標水平距離情報及び前記目標昇降距離情報を求めるように構成され、
前記学習用マーク体が、前記学習用マーク体検出手段にて前記移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向における少なくとも一端部を検出したときの前記水平移動距離検出手段又は前記昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、前記学習水平距離情報及び前記学習昇降距離情報の一方を学習可能で、且つ、前記学習用マーク体検出手段にて前記一方向における両端部の夫々を検出したときの前記水平移動距離検出手段又は前記昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、前記学習水平距離情報及び前記学習昇降距離情報の他方を学習可能な形態に構成されている物品収納設備。
【請求項2】
前記制御手段が、前記移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向に並ぶ前記複数の学習用マーク体を前記学習用マーク体検出手段にて順次検出するように前記移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向に前記移載手段を移動させるべく、前記水平移動手段の作動及び前記昇降移動手段の作動を制御し、且つ、前記学習用マーク体検出手段にて前記学習用マーク体の少なくとも一端部を検出したときの前記水平移動距離検出手段又は前記昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、前記学習水平距離情報及び前記学習昇降距離情報の一方を学習するとともに、前記学習用マーク体検出手段にて前記学習用マーク体の両端部の夫々を検出したときの前記水平移動距離検出手段又は前記昇降移動距離検出手段の検出情報に基づいて、前記学習水平距離情報及び前記学習昇降距離情報の他方を学習する学習処理を実行するように構成されている請求項1に記載の物品収納設備。
【請求項3】
前記制御手段が、前記学習処理において、前記移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向において前記物品収納棚の端部まで前記移載手段を移動させると、その前記物品収納棚の端部にて折り返して前記移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の他方向に隣接する位置において前記一方向に並ぶ前記複数の学習用マーク体を前記学習用マーク体検出手段にて順次検出する形態で、前記複数の学習用マーク体の全てについて前記学習用マーク体検出手段にて順次検出するように前記移載手段を移動させるべく、前記水平移動手段の作動及び前記昇降移動手段の作動を制御するように構成されている請求項2に記載の物品収納設備。
【請求項4】
前記複数の収納部の夫々に対して、前記移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向での設置位置を前記移載手段が目標停止位置に位置したときに前記学習用マーク体検出手段にて検出可能な位置に定めた状態で停止位置確認用マーク体が設置され、
前記制御手段が、前記移載手段を目標停止位置に位置させたときに、前記学習用マーク体検出手段にて前記停止位置確認用マーク体を検出しない場合には異常であると判別するように構成されている請求項1〜3のいずれか1項に記載の物品収納設備。
【請求項5】
前記学習用マーク体が、前記移載手段の水平移動方向及び昇降移動方向の一方向において、前記停止位置確認用マーク体の幅よりも大きな幅となるように構成されている請求項4に記載の物品収納設備。
【請求項6】
前記学習用マーク体と前記停止位置確認用マーク体とが、前記収納部に装着される単一の基体に設けられている請求項4又は5に記載の物品収納設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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