説明

物品収納設備

【課題】 清掃が途中で中断しても、全ての収納部を満遍なく清掃することができる物品収納設備を提供する。
【解決手段】収納部を複数備える物品収納棚と、物品を搬入及び搬出する物品搬送装置と、物品搬送装置により収納部に移送され、移送先の収納部を清掃する収納部清掃手段と、物品搬送装置の作動を制御する制御手段とが備えられた物品収納設備において、清掃履歴情報を保持する清掃履歴保持手段が備えられ、制御手段が、物品を搬入及び搬出する通常運転状態と、清掃手段を移送する清掃運転状態とに切り換え自在に構成され、かつ、清掃運転状態において、清掃履歴情報に基づいて、清掃した時期が古い収納部ほど優先して抽出される清掃対象抽出条件を満たす収納部を抽出し、清掃対象の収納部に対して収納部清掃手段を移送させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を収納する収納部を複数備える物品収納棚と、前記収納部に対して物品を搬入及び搬出する物品搬送装置と、前記物品搬送装置により前記収納部に移送され、移送先の前記収納部を清掃する収納部清掃手段と、前記物品搬送装置の作動を制御する制御手段とが備えられた物品収納設備に関する。
【背景技術】
【0002】
上記のような物品収納設備では、物品搬送装置が、例えば、水平方向に往復走行自在な走行体、その走行体から立設された昇降マストに沿って昇降自在な昇降台、及び、その昇降台に装着されたフォーク式の移載装置を備えたスタッカークレーンにて構成されている。そして、物品収納棚は、例えば、前後一対の支柱が棚横幅方向に間隔を隔てて複数立設され、その前後一対の支柱の夫々に物品載置体が設けられている。そして、物品収納棚の収納部が、左右一対の物品載置体にて物品を載置支持する形態で物品を収納するように構成されている。
【0003】
このような物品収納設備では、物品の搬入及び搬出に伴って発生する塵埃が、収納部に蓄積される。特に、収納部に物品載置体を設け、物品を物品載置体で載置支持する形態の場合は、収納部の物品載置体に塵埃が溜り易くなる。そのため、物品載置体に塵埃が蓄積されることを防止するために、収納部を清掃する必要がある。そこで、従来の物品収納設備においても、物品搬送装置による物品の搬入及び搬出が行われない空き時間を利用して、制御手段を清掃運転状態に切り換えて、収納部清掃手段を物品搬送装置により収納部に移送して、収納部清掃手段により収納部を清掃するようにしている。
【0004】
上記従来の物品収納設備では、制御手段は、清掃運転状態において、物品収納棚の特定の収納部から清掃を開始し、収納部の並び方向に沿った一定の順序で収納部を清掃するべく、物品搬送装置により収納部清掃手段を移送するように構成されている(例えば、特許文献1(段落「0011」)参照)。特許文献1に記載された物品搬送設備では、物品収納棚の最上段の左端又は右端に位置する収納部から清掃を開始し、続いて、隣に並ぶ収納部に、水平方向に空き状態の収納部を順次清掃し、その段の清掃が完了すると、1段下の収納部を逆方向に水平方向に清掃するようにして、これを物品収納棚の最下段まで繰り返すという順序で清掃するようにしている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】実開平6‐61814号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
上記従来の物品搬送設備であると、制御手段が清掃運転状態に切り換えられる度に、物品収納棚の特定の収納部から清掃が開始され、収納部の並び方向に沿った一定の順序で収納部が清掃される。そのため、十分な空き時間が確保できない場合、つまり、清掃運転状態での運転時間が、物品収納棚における全ての収納部を清掃することができるだけの時間より短い場合は、物品収納棚における全ての収納部の清掃が完了する前に当該清掃運転状態での運転が中断され、一部の収納部は清掃されないまま残る。そして、次回の清掃運転状態での運転では、前回の清掃運転状態での運転と同様に、物品収納棚の特定の収納部から清掃が開始され、収納部の並び方向に沿った一定の順序で収納部が清掃される。そのため、清掃運転状態での運転時間が、物品収納棚における全ての収納部を清掃することができるだけの時間より短い場合が連続すると、特定の収納部及びそれに近い収納部が毎回掃除され、当該特定の収納部から遠い収納部は掃除されないことになる。このように、従来の物品収納設備では、十分な空き時間を確保できない限り、物品収納棚における全ての収納部を満遍なく掃除することができないという不都合があった。
【0007】
本発明は上記実情に鑑みて為されたものであって、その目的は、物品収納棚における複数の収納部についての清掃が途中で中断しても、物品収納棚における全ての収納部を満遍なく清掃することができる物品収納設備を提供する点にある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
この目的を達成するために、本発明に係る物品収納設備の第1特徴構成は、物品を収納する収納部を複数備える物品収納棚と、前記収納部に対して物品を搬入及び搬出する物品搬送装置と、前記物品搬送装置により前記収納部に移送され、移送先の前記収納部を清掃する収納部清掃手段と、前記物品搬送装置の作動を制御する制御手段とが備えられた物品収納設備において、
前記収納部と前記収納部が清掃された時期とを関連付けた清掃履歴情報を保持する清掃履歴保持手段が備えられ、前記制御手段が、前記収納部に対して物品を搬入及び搬出するべく前記物品搬送装置の作動を制御する通常運転状態と、前記収納部に対して前記清掃手段を移送するべく前記物品搬送装置の作動を制御する清掃運転状態とに切り換え自在に構成され、かつ、前記清掃運転状態において、前記清掃履歴保持手段が保持する前記清掃履歴情報に基づいて、清掃された時期が古い収納部ほど優先して抽出されるように予め設定された清掃対象抽出条件を満たす前記収納部を清掃対象の収納部として抽出し、前記清掃対象の収納部に対して前記収納部清掃手段を移送させるべく前記物品搬送装置の作動を制御する点にある。
【0009】
本特徴構成によれば、物品搬送装置の作動を制御する制御手段が、収納部に対して物品を搬入及び搬出するべく物品搬送装置の作動を制御する通常運転状態と、収納部に対して清掃手段を移送するべく物品搬送装置の作動を制御する清掃運転状態とに切り換え自在に構成されているので、収納部に対する物品の搬入及び搬出を行うべきときは、制御手段を通常運転状態に切り換え、収納部の清掃を行うべきときは、制御手段を清掃運転状態に切り換えることで、収納部に対する物品の搬出入と収納部の清掃とを使い分けて、必要な作業を行わせることができる。
そして、清掃運転状態では、清掃対象抽出条件を満たす収納部を抽出することで、清掃された時期が古い収納部ほど優先して清掃対象の収納部として抽出することができる。そして、清掃対象として抽出された収納部が清掃されると、当該清掃された収納部の清掃履歴情報が、清掃履歴保持手段において更新される。そのため、十分な空き時間が確保できない場合等の、清掃運転状態での運転時間が物品収納棚における全ての収納部を清掃することができるだけの時間より短い場合には、物品収納棚における全ての収納部の清掃が完了する前に当該清掃運転状態での運転が中断され、清掃されなかった収納部が残るが、今回の清掃運転状態での運転時間中に清掃された収納部については清掃履歴情報が更新されるので、今回の清掃運転状態での運転時間中に清掃されなかった収納部は、次回の清掃運転状態での運転においては、今回の清掃運転状態での運転時間中に清掃された収納部よりも優先して清掃対象として抽出される。
これにより、ある清掃運転状態での運転時間中に清掃されなかった収納部が発生しても、次回以降の清掃運転状態での運転では、清掃対象の収納部として優先して抽出され、清掃されることになる。
このように、物品収納棚における複数の収納部についての清掃が途中で中断しても、清掃運転状態での運転を繰り返すことで、物品収納棚における全ての収納部を満遍なく清掃することができる。
【0010】
本発明に係る物品収納設備の第2特徴構成は、前記制御手段が、前記通常運転状態において、前記清掃履歴情報に基づいて、物品が収納されていない前記収納部のうち、前記収納部が清掃された時期が最も新しい前記収納部に優先して物品を搬入させるように前記物品搬送装置の作動を制御する点にある。
【0011】
本特徴構成によれば、通常運転状態において、収納部に対して物品を搬入する場合は、物品が収納されていない空き状態の収納部のうち、清掃された時期が最も新しい収納部に優先して物品が搬入されるため、清掃された時期が古い収納部が空き状態の収納部として残ることになる。すなわち、清掃の必要性が高い、清掃された時期が古い収納部を、清掃しやすい空き状態として残すことができる。これにより、清掃運転状態に切り換えた場合に、清掃の必要性が高い、清掃された時期が古い収納部を、効率よく清掃することができる。
【0012】
本発明に係る物品収納設備の第3特徴構成は、前記制御手段が、前記清掃運転状態に切り換わると、前記清掃対象の収納部のうち、最も上方に位置する前記清掃対象の収納部に、最初に前記収納部清掃手段を移送させ、それ以降は、上方に位置する前記清掃対象の収納部ほど優先して、前記収納部清掃手段を移送させるように前記物品搬送装置の作動を制御する点にある。
【0013】
本特徴構成によれば、収納部に対して清掃手段を移送する清掃運転状態において、収納部を上方から下方の順に清掃する。したがって、上方の収納部の清掃により下方に塵埃が落下した場合でも、後ほど下方の収納部の清掃において、これを清掃対象とすることができる。これにより、より清掃効果の高い順序で収納部を清掃することができる。
【0014】
本発明に係る物品収納設備の第4特徴構成は、前記物品収納棚が、前記収納部を上下方向に複数並べて配置して構成されるベイを左右方向に複数並べて構成されており、前記制御手段が、前記清掃運転状態において、前記収納部清掃手段が位置している清掃対象の収納部が存在するベイに他の清掃対象の収納部が存在する場合は、当該ベイとは異なる他のベイに存在する清掃対象の収納部より優先する形態で、前記収納部清掃手段を移送させるように前記物品搬送装置の作動を制御する点にある。
【0015】
本特徴構成によれば、物品収納棚の清掃を、上下方向に複数並べた収納部で構成されるベイを単位として行う。すなわち、ベイに含まれる清掃対象の収納部のうち、最も上方に位置する清掃対象の収納部から清掃を開始して、それ以降、当該ベイにおいて、下方に清掃対象の収納部があれば、当該収納部を順次清掃する。そして、当該ベイに含まれる全ての清掃対象の収納部の清掃が完了すると、当該ベイを単位とする清掃は完了であり、次に優先される清掃対象の収納部を含むベイを単位とする清掃に移行する。
このように、上方の収納部を優先して清掃する清掃運転状態において、ベイを単位として清掃することで、物品搬送装置は、主に上方から下方への一方向に収納部清掃手段を移送すればよく、ベイ間に亘る左右方向の移送を、対象としたベイを単位とする清掃を終えて、次のベイに移行する場合に限定することができる。
これにより、できる限りベイ間の移送を抑え、効率よく収納部を清掃することができる。
【0016】
本発明に係る物品収納設備の第5特徴構成は、前記制御部が、前記清掃運転状態において、前記清掃対象の収納部に物品が収納されている場合は、前記物品搬送装置により前記収納部に収納されている物品を搬出した上で、当該収納部に前記収納部清掃手段を移送するように前記物品搬送装置の作動を制御する点にある。
【0017】
本特徴構成によれば、清掃運転状態において、清掃対象として抽出された収納部に物品が収納されており、当該収納部の清掃が出来ない状況であっても、当該収納部に収納されている物品を搬出した上で、当該収納部に収納部清掃手段を移送することで、清掃を行うことができる。
【0018】
本発明に係る物品収納設備の第6特徴構成は、前記収納部清掃手段が、前記物品搬送装置に対して着脱可能な掃出具で構成されており、前記物品搬送装置の作動により、前記掃出具を移動させて前記収納部を清掃する点にある。
【0019】
本特徴構成によれば、例えばモップなどの比較的簡単な構成で収納部清掃手段を実現できる。また、収納部清掃手段は、物品搬送装置に着脱可能な掃出具であるので、物品搬送装置による搬出入の動作を、清掃動作である掃き出し動作に利用することができる。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】第1実施形態に係る物品収納設備の斜視図である。
【図2】第1実施形態に係る収納部及び収納部清掃手段である掃出具を装着した物品搬送装置の斜視図である。
【図3】第1実施形態に係る物品収納設備の制御ブロック図である。
【図4】第1実施形態に係る搬出入履歴情報のデータ構造図である。
【図5】第1実施形態に係る清掃履歴情報のデータ構造図である。
【図6】第1実施形態に係る物品収納設備への搬入の優先順位を示す説明図である。
【図7】第1実施形態に係る物品収納設備の清掃運転状態における制御フロー図である。
【図8】第1実施形態に係る物品収納設備において、上方に位置する収納部を優先する場合の清掃の優先順位を示す説明図である。
【図9】第2実施形態に係る物品収納設備において、上方及び同一ベイを優先する場合の清掃の優先順位を示す説明図である。
【図10】別実施形態に係る物品収納設備において、清掃日時を優先する場合の清掃の優先順位を示す説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0021】
〔第1実施形態〕
本発明に係る物品収納設備の第1実施形態を、図面に基づいて説明する。
本発明に係る物品収納設備は、図1に示すように、物品Bを出し入れする前面が互いに対向するように間隔を隔てて設置した二つの物品収納棚1と、二つの物品収納棚1どうしの間に形成した走行通路2を自動走行する物品搬送装置としてのスタッカークレーン3とを設けて構成されている。
【0022】
各物品収納棚1は、前後一対の支柱4が棚横幅方向(水平方向)に間隔を隔てて複数立設され、棚横幅方向に間隔を隔てた複数の支柱4の夫々において、物品Bを載置支持する物品載置体5が前後一対の支柱4にわたる状態で連結されている。
【0023】
前記物品収納棚1における収納部6は、上下方向及び棚横幅方向に複数並ぶように複数設けられている。そして、複数の収納部6の夫々は、棚横幅方向に隣接する支柱4の間で左右一対の物品載置体5にて物品Bを載置支持する形態で物品Bを収納するように構成されている。
【0024】
前記走行通路2には、その床側に走行レール7が走行通路2の長手方向に沿って設置され、その天井側にガイドレール8が走行通路2の長手方向に沿って設置されている。
そして、走行レール7の一端側には、スタッカークレーン3の運転を管理する制御手段としての地上側コントローラ9と、走行レール7を挟んで一対の荷載置台10とが設けられている。
【0025】
前記スタッカークレーン3は、走行レール7に沿って走行自在な走行台車11と、その走行台車11に立設された昇降マスト12に沿って昇降自在な昇降台13と、その昇降台13に装備されたフォーク式の物品移載装置14とを備えて構成されている。
そして、スタッカークレーン3は、走行台車11の走行作動、昇降台13の昇降作動、及び、物品移載装置14の移載作動により、複数の収納部6及び荷載置台10に対する物品Bの収納及び取り出しを行うように物品Bを搬送するように構成されている。
【0026】
前記昇降マスト12は、走行台車11の前端部と後端部の夫々に一つずつ前後一対設けられている。そして、昇降マスト12の上端部には、前後一対の昇降マスト12の上端部どうしを連結する上部フレーム15がガイドレール8にて案内されるように設けられている。
【0027】
前記昇降台13は、走行台車11に立設した前後一対の昇降マスト12にて昇降自在に案内支持されており、その左右両側に連結した昇降用ワイヤにて吊下げ支持されるようになっている。
前記昇降用ワイヤは、上部フレーム15に設けた案内プーリと一方の昇降マスト12に設けた案内プーリとに巻き掛けられて、走行台車11の一端に装備した巻き取りドラムに連結されている。そして、巻き取りドラムをインバータ式の昇降用電動モータ20にて正逆に駆動回転させて、昇降用ワイヤの繰り出し操作や巻き取り操作により昇降台13を昇降させるように構成されている。
【0028】
前記昇降台13には、上下方向での昇降台13の昇降位置を検出する昇降用ロータリエンコーダ21が設けられている。昇降用ロータリエンコーダ21の回転軸には、昇降マスト12の長手方向に沿って設けられたチェーンに歯合するスプロケットが設けられている。そして、昇降用ロータリエンコーダ21は、昇降台13の昇降距離から上下方向での昇降台13の昇降位置を検出する。
【0029】
また、走行台車11には、走行レール7上を走行自在な前後二つの走行車輪が設けられている。二つの走行車輪のうち走行台車11の一端側の走行車輪が、インバータ式の走行用電動モータ23にて駆動される駆動用走行車輪として構成されている。また、走行台車11の他端側の走行車輪が、遊転自在な従動用走行車輪として構成されている。
そして、走行台車11は、走行用電動モータ23の作動により駆動用走行車輪を回転駆動させて走行レール7に沿って往復走行するように構成されている。
【0030】
前記走行台車11には、水平方向での走行台車11の走行位置を検出する走行用ロータリエンコーダ24が設けられている。図示は省略するが、走行用ロータリエンコーダ24の回転軸には、走行レール7の長手方向に沿って設けられたチェーンに歯合するスプロケットが設けられている。そして、走行用ロータリエンコーダ24は、走行台車11の走行距離から水平方向での走行台車11の走行位置を検出する。
【0031】
本実施形態の収納部清掃手段は、図2に示すように、物品移載装置14に対して着脱可能な掃出具26で構成されている。掃出具26は、掃出具着脱手段である固着具28により、フォーク14aに固定された状態で物品移載装置14に装着されて使用される。物品移載装置14に装着された掃出具26は、後述するように、物品移載装置14により清掃する収納部6に移送され、物品移載装置14におけるフォーク14aを前後に繰り返し出退させることで、移送先の収納部6を構成する左右一対の物品載置体5が清掃され、これにより移送先の収納部6が清掃される。
【0032】
このスタッカークレーン3には、図3に示すように、地上側コントローラ9からの指令に基づいて、スタッカークレーン3の作動を制御するクレーン制御装置25が設けられている。そして、クレーン制御装置25に対して、昇降用ロータリエンコーダ21の検出情報及び走行用ロータリエンコーダ24の検出情報が入力されるように構成されている。
【0033】
地上側コントローラ9とクレーン制御装置25とは、無線通信や赤外線通信等により各種の情報を通信自在に構成されており、クレーン制御装置25は、地上側コントローラ9からの指令に基づいて、スタッカークレーン3の作動を制御するように構成されている。
【0034】
また、地上側コントローラ9は、物品収納棚1に備えられた複数の収納部6の夫々への物品Bの搬入及び搬出に関する情報である搬出入情報を保持する搬出入情報保持手段としての搬出入履歴データベース36、及び、収納部6と収納部6が清掃された時期である清掃日時情報とを関連付けた清掃履歴情報を保持する清掃履歴保持手段としての清掃履歴データベース37、と通信自在に設けられており、物品収納棚1に備えられた複数の収納部6の夫々に関する搬出入情報及び清掃履歴情報を参照及び更新可能に構成されている。
【0035】
〔搬出入情報保持手段〕
搬出入履歴データベース36は、図4に示すように、物品収納棚1に備えられた複数の収納部6の中から特定の収納部6を特定するための情報である収納部特定情報と、前記収納部6への搬入及び搬出に関する情報である搬出入情報とを含んで構成されている。
【0036】
搬出入履歴データベース36では、収納部6が備えられた物品収納棚1を特定するための位置情報であるバンク、収納部6の走行レール7方向の位置を特定するための位置情報であるベイ、収納部6の走行レール7と鉛直な上下方向の位置を特定するための位置情報であるレベルから構成される、収納部6を特定する収納部位置情報が収納部特定情報として保持されている。また、搬出入情報は、収納部6に物品Bを搬入した日時である搬入日時、及び、収納部6から物品Bを搬出した日時である搬出日時を含んで保持されている。
【0037】
〔清掃履歴保持手段〕
清掃履歴データベース37は、図5に示すように、物品収納棚1に備えられた複数の収納部6の中から特定の収納部6を特定するための情報である収納部特定情報と、前記収納部6が清掃された時期を表す情報である清掃時期情報とを含んで構成されている。
【0038】
清掃履歴データベース37では、収納部6が備えられた物品収納棚1を特定するための位置情報であるバンク、収納部6の走行レール7方向の位置を特定するための位置情報であるベイ、収納部6の走行レール7と鉛直な上下方向の位置を特定するための位置情報であるレベルから構成される、収納部6を特定する収納部位置情報が収納部特定情報として保持されている。また、清掃時期情報は、収納部6が最近に清掃された日時である清掃日時として保持されている。
【0039】
〔クレーン制御装置〕
前記クレーン制御装置25は、走行用ロータリエンコーダ24の検出情報及び昇降用ロータリエンコーダ21の検出情報に基づいて、物品移載用の目標位置或いは収納部清掃用の目標位置に昇降台13を位置させるべく、走行用電動モータ23の作動及び昇降用電動モータ20の作動を制御し、且つ、目標位置に昇降台13を停止させた状態で、収納部6又は荷載置台10との間で物品Bを移載するべく、或いは、収納部6を清掃するべく、物品移載装置14の作動を制御するように構成されている。
【0040】
前記物品移載用の目標位置は、複数の収納部6の夫々及び荷載置台10の夫々に対応して定められており、掬い用の目標位置と卸し用の目標位置とがある。掬い用の目標位置は、収納部6又は荷載置台10から物品Bを搬出させるための目標位置であり、卸し用の目標位置は、収納部6又は荷載置台10に物品Bを搬入させるための目標位置である。掬い用の目標位置及び卸し用の目標位置は、上下方向において卸し用の目標位置が掬い用の目標位置よりも上方側に位置し且つ水平方向において同じ位置となるように定められている。
【0041】
また、前記収納部清掃用の目標位置についても同様に、複数の収納部6の夫々に対応して定められている。収納部清掃用の目標位置は、収納部6を構成する左右一対の物品載置体5を収納部清掃手段である掃出具26で清掃させるための目標位置である。収納部清掃用の目標位置は、上下方向において掬い用の目標位置よりも上方側に位置し且つ水平方向において同じ位置となるように定められている。収納部清掃用の目標位置は、物品移載装置14に装着された掃出具26の下面が、収納部6を構成する物品載置体5の上面よりも少し上方となるように定められている。
【0042】
そして、クレーン制御装置25は、走行制御部25aと、昇降制御部25bと、移載制御部25cとを備えて構成されている。
走行制御部25aは、走行用ロータリエンコーダ24の検出情報に基づいて、複数の目標位置のうち指令された目標位置に昇降台13を位置させるように走行台車11を走行させるべく、走行用電動モータ23の作動を制御する。
昇降制御部25bは、昇降用ロータリエンコーダ21の検出情報に基づいて、複数の目標位置のうち指令された目標位置に昇降台13を位置させるように昇降台13を昇降させるべく、昇降用電動モータ20の作動を制御する。
移載制御部25cは、収納部6又は荷載置台10との間で物品Bを移載すべく、物品移載装置14の作動を制御する。
【0043】
〔物品搬送装置の動作〕
前記スタッカークレーン3の動作として、通常運転状態において、荷載置台10の物品Bを複数の収納部6のいずれかに搬入する場合と、複数の収納部6のいずれかに収納されている物品Bを荷載置台10に搬出する場合と、清掃運転状態において、複数の収納部6のいずれかを掃出具26で清掃する場合がある。
【0044】
〔通常運転状態〕
搬入要求や搬出要求などの物品搬送要求は、地上側コントローラ9が通常運転状態にある場合に、作業者による入力や上位コントローラからの指令などにより地上側コントローラ9に入力され、地上側コントローラ9は、物品搬送要求が入力されると、クレーン制御装置25に対して搬入指令又は搬出指令を指令して、スタッカークレーン3にて物品Bを搬送するように構成されている。
【0045】
通常運転状態では、地上側コントローラ9が、クレーン制御装置25に対して搬入指令或いは搬出指令を指令することにより、荷載置台10の物品Bを複数の収納部6のいずれかに搬入すべく、或いは、複数の収納部6のいずれかに収納されている物品Bを荷載置台10に搬出すべく、物品Bを搬送させるようにしている。
【0046】
〔物品の搬入〕
通常運転状態における、物品Bの搬入について説明する。
通常運転状態において、地上側コントローラ9に搬入要求が入力されると、地上側コントローラ9は、物品Bを搬入させる搬入先の収納部6を決定し、クレーン制御装置25に対して、荷載置台10の物品Bを搬入先の収納部6に搬入させるように、搬入指令を指令する。
【0047】
地上側コントローラ9は、物品Bを搬入させる収納部6を、収納部6の搬出入情報及び清掃履歴情報に基づいて決定するように構成されている。
すなわち、地上側コントローラ9は、搬出入履歴データベース36の搬入日時及び搬出日時を参照し、まず、物品が収納されていない、空き状態の収納部6を抽出する。そして、清掃履歴データベース37の清掃日時を参照し、抽出した前記空き状態の収納部6の中で、清掃日時が最も新しい収納部6を、搬入先の収納部6とし、優先して物品を搬入させるように制御する。
【0048】
搬入先の決定の具体例を、図6を用いて説明する。
図6は、図4の搬出入履歴、及び、図5の清掃履歴を持つバンク=1の物品収納棚1を模式的に表した説明図であり、左右方向に1〜3のベイ、上下方向に1〜3のレベルにより、9つの収納部6を構成している。
【0049】
収納部6の各々に記載された日時は各々の収納部が清掃された清掃日時を表している。例えば、(ベイ、レベル)=(1、3)の収納部6に記載された「清 5/28 11:33」の日時は、(ベイ、レベル)=(1、3)の収納部6が「5月28日11時33分」に清掃されたことを示している。
【0050】
収納部6内に図示された物品Bは、収納部6に搬入された物品を表しており、図6(A)では、9つの収納部6のうち、(ベイ、レベル)=(1、1)、(1、3)、(2、2)、(3、2)、(3、3)の5つの収納部6に物品Bが収納されている。
【0051】
地上側コントローラ9は、搬入要求が入力されると、搬出入履歴データベース36の搬入日時を参照し、物品が収納されていない空き状態の収納部6を抽出する。すなわち、地上側コントローラ9は、図4に示された搬出入履歴データベース36において、搬入日が「空」となっている収納部6を抽出する。
図4の搬出入履歴データベース36を参照すると、バンク=1の物品収納棚では、(ベイ、レベル)=(1、2)(2、1)(2、3)(3、1)の4つの収納部6が空き状態であることが抽出される。
【0052】
地上側コントローラ9は、続いて、抽出した前記空き状態の収納部6について、清掃履歴データベース37の清掃日時を参照し、抽出した前記空き状態の収納部6の中で、清掃日時が最も新しい収納部6を、物品Bを搬入させる搬入先の収納部6として決定する。
図5の清掃履歴データベース37を参照すると、バンク=1の物品収納棚について、秋状態として抽出した4つの収納部6の清掃日時は各々、(ベイ、レベル)=(1、2)について「5/28 11:36」、(2、1)について「4/04 11:39」、(2、3)について「3/10 22:05」、(3、1)について「3/22 11:47」である。この場合、清掃日時が最も新しい(ベイ、レベル)=(1、2)の収納部6を、物品Bを搬入させる搬入先の収納部6として決定する。
【0053】
このように、清掃日時が最も新しい収納部6を搬入先の収納部6とし、優先して物品Bを搬入させるように制御することで、空き状態の収納部6には、清掃された時期が古い収納部6が残ることになる。すなわち、清掃の必要性が高い、清掃された時期が古い収納部6を、清掃しやすい空き状態の収納部6として残すことができる。これにより、清掃運転状態に切り換えた場合に、清掃の必要性が高い、清掃された時期が古い収納部6を、効率よく清掃することができる。
【0054】
なお、複数の物品Bを搬入する場合は、上記の搬入先の収納部6の決定を、物品Bの搬入の都度に行う。例えば、図6(A)の清掃履歴を持つ物品収納棚1に複数の物品Bを搬入する場合、空き状態の収納部6への搬入の優先順序は、図6(B)において、清掃日時の下の数字で示したように、(ベイ、レベル)=(1、2)(2、1)(3、1)(2、3)の順序となる。よって、上記に従って搬入先の収納部6を決定し、図6(A)の清掃履歴を持つ物品収納棚1に2つの物品Bを搬入する場合、図6(C)に示すように、(ベイ、レベル)=(1、2)(2、1)の収納部6に物品Bを搬入することになる。
【0055】
搬入先の収納部6を決定した後、地上側コントローラ9は、搬入指令で、物品Bを取り出す荷載置台10に対応する掬い用の目標位置、及び、物品Bを搬入する前記搬入先の収納部6に対応する卸し用の目標位置を指令する。クレーン制御装置25は、搬入指令に基づいて、指令された荷載置台10から物品Bを掬う掬い用の移載処理を実行したのち、指令された収納部6に物品Bを卸す卸し用の移載処理を実行するように構成されている。
【0056】
前記掬い用の移載処理について説明する。
まず、走行制御部25aが走行用電動モータ23の作動を制御し且つ昇降制御部25bが昇降用電動モータ20の作動を制御して、指令された荷載置台10又は収納部6に対応する掬い用の目標位置に昇降台13を位置させる。そして、掬い用の目標位置に昇降台13を停止させると、移載制御部25cが物品移載装置14の作動を制御して、物品移載装置14のフォーク14aを突出させる。その後、昇降制御部25bが昇降用電動モータ20の作動を制御して、昇降台13を設定距離だけ上昇させて、指令された荷載置台10又は収納部6からフォーク14aに物品Bを載置支持させる。そして、移載制御部25cが物品移載装置14の作動を制御して、フォーク14aを引退させることにより指令された荷載置台10又は収納部6から物品Bを掬う。
【0057】
続いて、前記卸し用の移載処理について説明する。
まず、走行制御部25aが走行用電動モータ23の作動を制御し且つ昇降制御部25bが昇降用電動モータ20の作動を制御して、指令された荷載置台10又は収納部6に対応する卸し用の目標位置に昇降台13を位置させる。そして、卸し用の目標位置に昇降台13を停止させると、移載制御部25cが物品移載装置14の作動を制御して、物品移載装置14のフォーク14aを突出させる。その後、昇降制御部25bが昇降用電動モータ20の作動を制御して、昇降台13を設定距離だけ下降させて、フォーク14aに載置支持された物品Bを指令された荷載置台10又は収納部6に載置支持させる。そして、移載制御部25cが物品移載装置14の作動を制御して、フォーク14aを引退させることにより荷載置台10又は収納部6に物品Bを卸す。
【0058】
搬入指令により指定された収納部6への物品Bの卸し用の移載処理が完了すると、クレーン制御装置25は、地上側コントローラ9に搬入の完了を通知する。クレーン制御装置25から搬入完了通知を受けた地上側コントローラ9は、指令された収納部6について搬入が完了したことを反映するように、搬出入データベース37の当該収納部6についての搬出入情報を更新する。すなわち、搬入した収納部6について、クレーン制御装置25から通知された搬入完了の日時で、搬入日時を更新する。
【0059】
〔物品の搬出〕
通常運転状態における、物品Bの搬出について説明する。
通常運転状態において、地上側コントローラ9に搬出要求が入力されると、地上側コントローラ9は、クレーン制御装置25に対して、搬出元の収納部6の物品Bを搬出先の荷載置台10に搬送するように、搬出指令を指令する。
【0060】
搬出指令では、搬出元の収納部6に対応する掬い用の目標位置、及び、搬出先の荷載置台10に対応する卸し用の目標位置を指令する。クレーン制御装置25は、搬出指令に基づいて、指令された収納部6から物品Bを掬う前記掬い用の移載処理を実行したのち、指令された荷載置台10に物品Bを卸す前記卸し用の移載処理を実行するように構成されている。
【0061】
荷載置台10への物品Bの卸し用の移載処理が完了すると、クレーン制御装置25は、地上側コントローラ9に搬出の完了を通知する。クレーン制御装置25から搬出完了通知を受けた地上側コントローラ9は、指令された収納部6について、搬出が完了したことを反映するように、搬出入データベース37の搬出入情報を更新する。すなわち、搬出した収納部6について、クレーン制御装置25から通知された搬出完了の日時で、搬出日時を更新する。
【0062】
〔清掃運転状態:収納部の清掃〕
地上側コントローラ9は、上記のように、通常運転状態において、スタッカークレーン3にて物品搬送を行うことができるが、物品収納棚1は、収納部6の物品載置体5に塵埃などが溜まる虞があることから、通常運転状態での運転が行われない時間帯、例えば、昼休みの時間帯や、一日の作業が終了した後の時間帯などに、作業者が図示しない運転モード切換スイッチを押下操作して、清掃運転状態に移行し、収納部6の物品載置体5を清掃できるようになっている。以下で、物品収納設備1における収納部6の清掃について説明する。
【0063】
収納部6の清掃は、図7に示すように、S100〜S150のステップで実行される。
清掃運転状態(ステップS100)に移行すると、地上側コントローラ9は、搬出入履歴データベース36や清掃履歴データベース37を参照して、予め設定された清掃対象抽出条件を満たす収納部6を、清掃対象の収納部6として抽出する(ステップS110)。
清掃対象抽出条件は、搬出入履歴データベース36の搬出入情報や、清掃履歴データベース37の清掃履歴情報に関連して与えられる抽出条件である。清掃対象抽出条件は、予め所定の条件が設定されていてもよいし、地上側コントローラ9や上位コントローラから、作業者が設定できる構成としてもよい。
【0064】
地上側コントローラ9は、清掃対象抽出条件を満たす清掃対象の収納部6を抽出した後、抽出された清掃対象の収納部6から、実際に清掃する清掃先の収納部6を決定する(ステップS120)。
本実施形態では、清掃対象の収納部6のうち、最も上方に位置する収納部6を最初の清掃先の収納部6とし、それ以降は、上方に位置する収納部6ほど優先して清掃先の収納部6としながら、下方の収納部6に移動していくように、清掃先の収納部6を決定する。
このような順序で清掃対象の収納部6を清掃することで、上方の収納部6の清掃により下方に塵埃が落下した場合でも、下方の収納部6の清掃において、これを清掃対象とすることができるため、より清掃効果の高い順序で収納部6を清掃することができる。
【0065】
上記で説明した清掃対象の抽出(ステップS110)及び清掃先の決定(ステップS120)の具体例を、図8を用いて説明する。図8は、図6と同様の表記により、図4の搬出入履歴、及び、図5の清掃履歴を持つバンク=1の物品収納棚1を模式的に表した説明図である。
【0066】
本具体例では、清掃日を「6月10日」とし、清掃対象抽出条件として、「バンク=1の物品収納棚に含まれる収納部のうち、1ヶ月以上清掃されていない収納部であって、空き状態の収納部を清掃する」という条件が与えられたものとする。
【0067】
地上側コントローラ9は、前記清掃対象抽出条件から、清掃履歴データベース37の清掃日時を参照し、1か月以上清掃されていない収納部6を抽出する。すなわち、地上側コントローラ9は、図5に示された清掃履歴データベース37において、清掃日時が、今回の清掃日「6月10日」の「1ヶ月以上」前である「5月10日」以前の収納部6を抽出する。
図5の清掃履歴データベース37を参照すると、バンク=1の物品収納棚では、(ベイ、レベル)=(2、1)(2、2)(2、3)(3、1)(3、2)の5つの収納部6が「1ヶ月以上清掃されていない収納部」として抽出される。
【0068】
そして、搬出入履歴データベース36の搬入日を参照し、上記で抽出された5つの収納部6のうち、「空き状態の収納部」を抽出する。すなわち、地上側コントローラ9は、図4に示された搬出入履歴データベース36において、上記で抽出された5つの収納部のうち、「搬入日」が「空」である収納部を抽出する。
図4の搬出入履歴データベース37を参照すると、上記で抽出された収納部のうち、(ベイ、レベル)=(2、1)(2、3)(3、1)の3つの収納部が「1ヶ月以上清掃されていない収納部」として抽出される。
【0069】
以上のように、本具体例の清掃対象の抽出(ステップS110)では、搬出入履歴データベース36の搬出入情報や清掃履歴データベース37の清掃時期情報を参照して、清掃対象抽出条件「バンク=1の物品収納棚に含まれる収納部のうち、1ヶ月以上清掃されていない収納部であって、空き状態の収納部」を満たす清掃対象の収納部として、(ベイ、レベル)=(2、1)(2、3)(3、1)の3つの収納部6が抽出される。
【0070】
続いて、地上側コントローラ9は、抽出された清掃対象の収納部から、清掃先の収納部6を決定する(ステップS120)。
本実施形態では、清掃対象の収納部のうち、最も上方に位置する収納部6を最初の清掃先とすることから、清掃対象の収納部(ベイ、レベル)=(2、1)(2、3)(3、1)の3つの収納部6の中で、最も上方に位置する(ベイ、レベル)=(2、3)の収納部6が、最初の清掃先の収納部6として決定される。
【0071】
以上のように、図8(A)の物品収納棚1を、「バンク=1の物品収納棚に含まれる収納部のうち、1ヶ月以上清掃されていない収納部であって、空き状態の収納部を清掃する」という清掃対象抽出条件に基づいて、「6月10日」に清掃する場合は、図8(B)において、清掃日時の下の数字で示したように、まず(ベイ、レベル)=(2、3)の収納部6が最初に清掃される。そして、その後、例えば(ベイ、レベル)=(2、1)(3、1)の順に清掃される。
【0072】
地上側コントローラ9は、清掃先の収納部6を決定した後、清掃準備を行う(ステップS130)。清掃準備では、例えば、清掃先の収納部6に物品Bが収納されている場合の前記清掃先の収納部6からの物品Bの搬出(清掃を目的とする搬出)や、フォーク14aへの掃出具26の装着を行う。
【0073】
〔清掃を目的とする搬出〕
清掃を目的とする搬出としての、清掃対象の収納部6からの物品Bの搬出は、通常運転状態における物品Bの搬出とほぼ同様である。すなわち、地上側コントローラ9は、搬出指令と同様に、物品Bが収納されている清掃対象の収納部6に対応する掬い用の目標位置、及び、当該物品Bの搬入先に対応する卸し用の目標位置を、クレーン制御装置25に指令する。
【0074】
清掃対象の収納部6から搬出した物品Bの搬出先には、例えば、他の収納部6や物品載置台10が考えられる。他の収納部6を搬出先として搬出させる場合は、清掃履歴データベース37を参照して、清掃された時期が最も新しい収納部6を優先して搬出先として決定し、当該収納部6に物品Bを搬出するようにスタッカークレーン3を制御すれば、清掃の必要性が高い、清掃された時期が古い収納部6を、清掃しやすい空き状態として残すことができる。また、そのようにして決定された搬出先の収納部6は、清掃された時期が最も新しいことから、次に清掃が必要となるのが比較的遅い収納部6と考えられ、清掃のために搬出を要求される可能性が低く、効率のよい搬出先と考えられる。
【0075】
清掃準備が終わると、地上側コントローラ9は、クレーン制御装置25に対して清掃指令を指令し、清掃を開始させる(ステップS140)。清掃指令では、清掃する収納部6に対応する清掃用の目標位置を指令する。クレーン制御装置25は、清掃指令に基づいて、指令された収納部6を清掃する清掃処理を実行するように構成されている。
すなわち、地上側コントローラ9は、スタッカークレーン3により清掃対象の収納部6に対して掃出具26を移送させ、掃出具26で清掃対象の収納部6を清掃させるべく、クレーン制御装置25に清掃指令として指令する。
【0076】
前記清掃処理について説明する。
まず、走行制御部25aが走行用電動モータ23の作動を制御し且つ昇降制御部25bが昇降用電動モータ20の作動を制御して、指令された収納部6に対応する清掃用の目標位置に昇降台13を位置させる。そして、清掃用の目標位置に昇降台13を停止させると、移載制御部25cが物品移載装置14の作動を制御して、物品移載装置14のフォーク14aを突出させる。その後、昇降制御部25bが昇降用電動モータ20の作動を制御して、昇降台13を設定距離だけ下降させて、フォーク14aに装着された掃出具26の下面が、物品載置体5の上面に当接する状態とする。そして、掃出具26の下面を、物品載置体5の上面に当接させたまま、移載制御部25cが物品移載装置14の作動を制御して、フォーク14aを前後に繰り返し出退させる。これにより、収納部6を構成する物品載置体5上の塵埃が、掃出具26によって物品載置体5から掃出され、収納部6が清掃される。
【0077】
指令された収納部6の清掃が完了すると、クレーン制御装置25は、地上側コントローラ9に清掃の完了を通知する。クレーン制御装置25から清掃完了通知を受けた地上側コントローラ9は、指令された収納部6について、清掃の完了を反映するために、清掃履歴データベース37の清掃履歴情報を更新する(ステップS150)。すなわち、清掃した収納部6について、クレーン制御装置25から通知された清掃完了日時で、清掃日時を更新する。
【0078】
地上側コントローラ9は、清掃履歴情報の更新後、清掃運転状態が継続中であれば、清掃先の決定に戻り、清掃作業を継続する(ステップS160:Yes→ステップS120)。
清掃運転状態において、全ての清掃対象の収納部6の清掃が完了した場合や、作業者により運転モード切換スイッチを押下操作された場合は、通常運転状態への切換指令が指令され、通常運転状態に切り換えられるようになっている。
【0079】
地上側コントローラ9は、通常運転状態への切換指令を受けた場合は、通常運転状態に移行するための清掃終了処理を行う(ステップS160:No→S170)。清掃終了処理には、例えば、フォーク14aからの掃出具26を脱着させるために、スタッカークレーン3を、ホームポジションに移動することが含まれる。
【0080】
そして、清掃終了処理が完了すると、清掃運転状態から通常運転状態に移行し、収納部6の清掃を終了する(ステップS200)。
【0081】
図8(C)は、図8(A)(B)で説明した「清掃対象の抽出」(ステップS110)及び「清掃先の決定」(ステップS120)に従って清掃を開始したところ、清掃運転状態の途中で作業者から通常運転状態への切換指示があったため、清掃を中断した場合の物品収納棚1の様子を示す説明図である。
【0082】
図8(C)の実施例では、(ベイ、レベル)=(2、3)(2、1)の2つの収納部6しか清掃できなかったため、清掃日時が更新されているのは、これら2つの収納部のみである。しかし、清掃した収納部6の清掃日時は更新されるため、例えば図8(C)の物品収納棚1において、図8(B)の翌日の「6月11日」を清掃日として、図8(B)と同じ清掃対象抽出条件「バンク=1の物品収納棚に含まれる収納部のうち、1ヶ月以上清掃されていない収納部であって、空き状態の収納部を清掃する」で清掃対象を抽出した場合には、(ベイ、レベル)=(2、3)(2、1)の2つの収納部6は清掃対象として抽出されず、前日清掃されなかった(ベイ、レベル)=(3、1)の収納部だけが清掃対象として抽出される。
【0083】
このように、本実施形態のように、清掃履歴情報を参照して清掃対象の収納部6を抽出し、清掃対象の収納部6を清掃する構成とすれば、ある清掃運転状態での運転において清掃できなかった収納部6が発生しても、次回以降の清掃運転状態での運転により、清掃対象の収納部6として優先して抽出され、清掃される。これにより、物品収納棚1における複数の収納部6についての清掃が途中で中断しても、物品収納棚1における全ての収納部6を満遍なく清掃することができる。
【0084】
〔第2実施形態〕
第2実施形態では、上方に位置する清掃対象の収納部6を優先して清掃するだけでなく、同一のベイに備えられた清掃対象の収納部6を、他のベイの清掃対象の収納部6に優先して清掃する。すなわち、物品収納棚1が、収納部6を上下方向に複数並べて配置して構成されるベイを、左右方向に複数並べて構成されている場合に、収納部清掃手段が位置している清掃対象の収納部6が存在するベイに、他の清掃対象の収納部6が存在する場合は、当該ベイとは異なる他のベイに存在する清掃対象の収納部6より優先する形態で、収納部清掃手段が位置している清掃対象の収納部6が存在するベイと同一のベイに存在している他の清掃対象の収納部6を、清掃先の収納部とする。また、清掃対象の収納部6に物品Bが収納されている場合は、物品搬送装置により当該収納部6に収納されている当該物品Bを搬出した上で、当該収納部6を清掃する。
なお、第2実施形態と第1実施形態は、清掃先の決定方法(ステップS120)は異なるが、設備構成や、物品Bの搬出入や清掃時のスタッカークレーン3の制御や、履歴情報の更新等の制御、清掃運転状態における制御フローは同様である。したがって、以下では主に、第1実施形態と異なる清掃先の決定方法(ステップS120)及び清掃準備(ステップS130)について説明する。
【0085】
図9(A)は、図8(A)と同様に、図4の搬出入履歴、及び、図5の清掃履歴を持つバンク=1の物品収納棚1を模式的に表した説明図である。本実施例では、図9(A)の物品収納棚1に対して、清掃日を「6月15日」、清掃対象抽出条件を「バンク=1の物品収納棚1に含まれる収納部6のうち、1ヶ月以上清掃されていない収納部6を清掃する」という条件が与えられたものとする。
【0086】
地上側コントローラ9は、清掃対象抽出条件に基づき、清掃日「6月15日」から「1ヶ月以上清掃されていない収納部」として、清掃履歴データベース37を参照することで、清掃対象の収納部6として、清掃日が「5月15日」以前である(ベイ、レベル)=(2、1)(2、2)(2、3)(3、1)(3、2)の5つの収納部6を抽出する(ステップS110)。そして、最も上方に位置する(ベイ、レベル)=(2、3)の収納部6を、最初の清掃先として決定する(ステップS120)。
【0087】
また、本実施形態では、同一のベイに備えられた清掃対象の収納部6の清掃を、他のベイの清掃対象の収納部6に優先して清掃するところ、地上側コントローラ9は、最初の清掃先である(ベイ、レベル)=(2、3)の収納部6と同一のベイ(ベイ=2)に、清掃対象の収納部6(ベイ、レベル)=(2、2)(2、1)があることを判別する。したがって、これらの収納部6を、他の清掃対象の収納部6に優先して清掃するように制御する。すなわち、清掃の優先順序として、最初の清掃先である(ベイ、レベル)=(2、3)の収納部6の後、当該収納部6と同一のベイ(ベイ=2)に存在する清掃対象の収納部6について、上方に位置する収納部6を優先し、(ベイ、レベル)=(2、2)(2、1)の順に清掃するように、スタッカークレーン3の作動を制御する。
【0088】
また、本実施形態では、清掃対象の収納部6に物品Bが収納されている場合は、当該物品Bを当該収納部6から搬出した上で当該収納部6を清掃するところ、地上側コントローラ9は、搬出入履歴データベース36の搬入日を参照し、清掃対象の収納部6として抽出された収納部6のうち、(ベイ、レベル)=(2、2)(3、2)の2つの収納部6について、物品Bが収納されていることを判別する。したがって、これらの収納部6については、清掃前に、清掃を目的とする搬出を行う。
【0089】
すなわち、地上側コントローラ9は、上記実施例において、(ベイ、レベル)=(2、3)の収納部6を最初の清掃先を決定した後(ステップS120)、清掃準備として、(ベイ、レベル)=(2、3)の収納部6と同一のベイに、他の清掃対象の収納部6(ベイ、レベル)=(2、2)(2、1)が存在することを判別し、また、(ベイ、レベル)=(2、2)の収納部6については、物品Bが収納されていることを判別する。そして、最初の清掃先の収納部6(ベイ、レベル)=(2、3)の清掃準備として、同一のベイに備えられた清掃対象の収納部6であり、物品Bが収納されている(ベイ、レベル)=(2、2)の収納部6に対して、清掃を目的とする搬出を行う(ステップS130)。そして、当該ベイに備えられた清掃対象の収納部6を全て空き状態とした上で、清掃を開始する(ステップS140)。
【0090】
このように、同一のベイに備えられた複数の清掃対象の収納部6を清掃する場合は、当該ベイの最初の清掃先の収納部6の清掃前に、当該ベイに備えられた清掃対象の収納部6を全て空き状態とすることで、上方の清掃対象の収納部6の清掃で掃出された塵埃が、同一のベイの下方の収納部6に降下し、当該清掃対象の収納部6に収納されている物品Bに降りかかるという不都合を避けることができる。
【0091】
以上では、主にベイ=2の収納部6の清掃先の決定及び清掃準備について述べたが、他のベイについても同様である。すなわち、(ベイ、レベル)=(2、1)の収納部6の清掃後は、清掃が完了していない清掃対象の収納部6(ベイ、レベル)=(3、1)(3、2)のうち、最も上方に位置する(ベイ、レベル)=(3、2)の収納部6を次の清掃先の収納部6として決定する(ステップS120)。
【0092】
その後、清掃準備として、同一のベイ=3に存在する他の清掃対象の収納部6(ベイ、レベル)=(3、1)を判別し、また、(ベイ、レベル)=(3、2)に物品Bが収納されているのを判別すると、当該ベイの最初の清掃先である(ベイ、レベル)=(3、2)の収納部6の清掃を開始する前に、(ベイ、レベル)=(3、2)の収納部6について、清掃を目的とする搬出を行う(ステップS130)。
【0093】
そして、ベイ=3に存在する清掃対象の収納部6を全て空き状態とした後、(ベイ、レベル)=(3、2)の収納部6の清掃を開始する(ステップS140)。
【0094】
以上のように、第2実施形態では、清掃日を「6月15日」、清掃対象抽出条件を「バンク=1の物品収納棚1に含まれる収納部6のうち、1ヶ月以上清掃されていない収納部6を清掃する」とした場合、図9(A)の物品収納棚1を、図9(B)に示すように、(ベイ、レベル)=(2、2)(3、2)に収納されている物品Bを搬出することを前提として、(ベイ、レベル)=(2、3)(2、2)(2、1)(3、2)(3、1)の順に優先して清掃する。
【0095】
図9(C)は、上記の条件の下、所定の制限時間で、第2実施形態により、図9(A)の物品収納棚1を清掃した実施例の説明図である。収納部6の清掃の優先順位は図9(B)のようになるが、この実施例では、制限時間のため、ベイ=2の3つの清掃対象の収納部6のみ、清掃が行われている。(ベイ、レベル)=(2、2)の物品Bは、搬出された上で清掃されており、また、清掃履歴から、上方に位置する収納部6から優先して清掃が行われたことがわかる。
【0096】
〔別実施形態〕以下、本発明の別実施形態について説明する。
【0097】
(1)上記実施形態では、清掃先の決定について、清掃対象の収納部のうち、上方に位置する収納部ほど優先するもの、同一のベイの清掃対象の収納部を優先するものを例示したが、長らく清掃されていない収納部を優先して清掃すべく、清掃された時期の古い収納部を優先したり、或いは、近々搬入される収納部を優先して清掃すべく、搬出入履歴データベースに搬入予定日を設け、搬入予定日の近い収納部を優先したり、或いは、空き状態が続いており、塵埃が溜りやすいと考えられる収納部を優先して清掃すべく、搬出入履歴データベースにおいて、搬出日が古い収納部を優先して清掃を行うようにしてもよい。
図10に、清掃された時期が古い収納部を優先した例を示す。図10(A)の物品収納棚1の空き状態の収納部6について、清掃された時期が古い収納部を優先して清掃先を決定すると、図10(B)の順に優先される。
【0098】
(2)上記実施形態では、収納部6を、一対の物品載置体5で構成するものを例示したが、本発明は、収納部に塵埃が蓄積する支持体を備えたものであれば対象とすることができ、例えば、収納部6が、1枚の載置板で構成されていてもよい。
【0099】
(3)上記実施形態では、清掃対象の収納部に物品が収納されている場合は、清掃を目的とする搬出として、当該物品を搬出した上で清掃する構成を例示したが、当該収納部の清掃後、搬出した物品を搬出元の収納部に戻す構成としてもよい。このように構成すれば、清掃された時期が最新の収納部に物品を収納することができるため、次回以降の清掃を効率よく行えるとともに、収納部を満遍なく清掃しやすくなる。
【0100】
(4)上記実施形態では、収納部清掃手段として、物品搬送装置14に着脱可能な掃出具26を例示したが、収納部清掃手段の具体的構成は、適宜変更可能である。
例えば、塵埃を吸引する吸引具や、粘着力により塵埃を吸着する吸着具であってもよい。また、送風により塵埃を除去する送風手段や、或いは、物品搬送装置により収納部に収納されて、収納された当該収納部を清掃する掃除ユニットのようなものであってもよい。
【0101】
(5)上記実施形態では、物品搬送装置として、走行レール7に沿って走行自在な走行台車11と、その走行台車11に立設された昇降マスト12に沿って昇降自在な昇降台13と、その昇降台13に装備されたフォーク式の物品移載装置14とを備えたスタッカークレーン3を例示したが、その他各種の物品搬送装置を適応することができる。
例えば、床面に立設された一対の昇降ポストに沿って昇降自在な走行レールと、その走行レールに沿って走行自在で且つ物品移載装置を備えた走行体とを備えた物品搬送装置を適用することができる。
【0102】
(6)上記実施形態では、制御手段(地上側コントローラ9)と、搬出入履歴情報保持手段(搬出入履歴データベース36)及び清掃履歴情報保持手段(清掃履歴データベース37)とが独立した構成を例示したが、制御手段と搬出入履歴情報保持手段及び清掃履歴情報保持手段とは、一体として備えられていてもよい。
【0103】
(7)上記実施形態では、卸し用の移載処理と清掃処理とで作動が異なる構成を例示したが、卸し用の移載処理と清掃処理とが同様の作動により構成されていてもよい。すなわち、例えば、昇降台13の目標位置や、物品移載装置14、フォーク14aの作動が、卸し用の移載処理と清掃処理とで同様の作動により構成されていてもよい。
【0104】
(8)上記実施形態では、作業者が運転モード切換スイッチを押下操作することにより、通常運転状態と清掃運転状態とを切り換える構成を例示したが、予め設定された清掃運転開始日時や、定期的な清掃運転開始時刻が来た場合に、自動的に切り換える構成としてもよい。
【符号の説明】
【0105】
1 物品収納棚
3 物品搬送装置
6 収納部
9 制御手段
26 収納部清掃手段
37 清掃履歴保持手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品を収納する収納部を複数備える物品収納棚と、
前記収納部に対して物品を搬入及び搬出する物品搬送装置と、
前記物品搬送装置により前記収納部に移送され、移送先の前記収納部を清掃する収納部清掃手段と、
前記物品搬送装置の作動を制御する制御手段とが備えられた物品収納設備であって、
前記収納部と前記収納部が清掃された時期とを関連付けた清掃履歴情報を保持する清掃履歴保持手段が備えられ、
前記制御手段が、前記収納部に対して物品を搬入及び搬出するべく前記物品搬送装置の作動を制御する通常運転状態と、前記収納部に対して前記清掃手段を移送するべく前記物品搬送装置の作動を制御する清掃運転状態とに切り換え自在に構成され、かつ、
前記清掃運転状態において、前記清掃履歴保持手段が保持する前記清掃履歴情報に基づいて、清掃された時期が古い収納部ほど優先して抽出されるように予め設定された清掃対象抽出条件を満たす前記収納部を清掃対象の収納部として抽出し、前記清掃対象の収納部に対して前記収納部清掃手段を移送させるべく前記物品搬送装置の作動を制御する物品収納設備。
【請求項2】
前記制御手段が、前記通常運転状態において、前記清掃履歴情報に基づいて、物品が収納されていない前記収納部のうち、前記収納部が清掃された時期が最も新しい前記収納部に優先して物品を搬入させるように前記物品搬送装置の作動を制御する請求項1に記載の物品収納設備。
【請求項3】
前記制御手段が、前記清掃運転状態に切り換わると、前記清掃対象の収納部のうち、最も上方に位置する前記清掃対象の収納部に、最初に前記収納部清掃手段を移送させ、それ以降は、上方に位置する前記清掃対象の収納部ほど優先して、前記収納部清掃手段を移送させるように前記物品搬送装置の作動を制御する請求項1又は2に記載の物品収納設備。
【請求項4】
前記物品収納棚が、前記収納部を上下方向に複数並べて配置して構成されるベイを左右方向に複数並べて構成されており、
前記制御手段が、前記清掃運転状態において、前記収納部清掃手段が位置している清掃対象の収納部が存在するベイに他の清掃対象の収納部が存在する場合は、当該ベイとは異なる他のベイに存在する清掃対象の収納部より優先する形態で、前記収納部清掃手段を移送させるように前記物品搬送装置の作動を制御する請求項3に記載の物品収納設備。
【請求項5】
前記制御部が、前記清掃運転状態において、前記清掃対象の収納部に物品が収納されている場合は、前記物品搬送装置により前記収納部に収納されている物品を搬出した上で、当該収納部に前記収納部清掃手段を移送するように前記物品搬送装置の作動を制御する請求項1〜4のいずれか1項に記載の物品収納設備。
【請求項6】
前記収納部清掃手段が、前記物品搬送装置に対して着脱可能な掃出具で構成されており、前記物品搬送装置の作動により、前記掃出具を移動させて前記収納部を清掃する請求項1〜5のいずれか1項に記載の物品収納設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−1363(P2012−1363A)
【公開日】平成24年1月5日(2012.1.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−140965(P2010−140965)
【出願日】平成22年6月21日(2010.6.21)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】