説明

物品取付用クランプ

【課題】 操作性およびデザイン性に優れた物品取付用クランプを提供する。
【解決手段】 本発明によるクランプ1は、前面にネジ孔21を有するベース部材2と、ネジ孔にねじ合わせられるネジ棒31が後面の中心部から突出しているハンドル部材3とを備えている。ベース部材2の前面に、観賞魚用水槽の後壁板T1に対する滑り止め機能を有する材料よりなる第1挟持部41が固定状に設けられ、ハンドル部材の後面に、後壁板に対する滑り止め機能を有する材料よりなる第2挟持部42が、ネジ棒の周りに回転自在に設けられている。ベース部材の上部に、照明器具LのアームL1の下端部が着脱自在に取り付けられる取付部22が設けられている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、壁板、天板等の板状体やフレーム等の棒状体または管状体よりなる支持体に、照明器具、インテリア商品、ディスプレイ等の物品を取り付けるのに用いられるクランプに関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、照明器具をテーブルの天板や観賞魚用水槽の壁板に取り付ける場合、一般的にクランプが用いられている。この種のクランプとしては、1対のアーム部を有するU形のベースと、ベースの一方のアーム部に貫通状にねじ込まれた雄ネジと、雄ネジの頭部に雄ネジと直交する方向にスライド自在に設けられた棒状のハンドルと、雄ネジの先端部に回転自在に設けられかつベースの他方のアーム部とともに天板等を挟持する挟持板と、ベースの外面に立上り状に設けられかつ照明装置の下端部が差し込まれる筒状の取付部とを備えてなるものが知られている(下記特許文献1参照)。
【0003】
しかしながら、上記のクランプの場合、棒状のハンドルを回して天板等を締め付ける作業がやり難く、操作性の面で問題があった。また、上記のクランプは、工具のような外観を呈しているため、デザイン性に欠けるきらいがあり、特に、観賞魚用水槽の壁板のような目に止まり易い箇所に取り付けるには好ましくなかった。
【特許文献1】実開平6−28931号公報
【発明の開示】
【0004】
本発明の目的は、操作性およびデザイン性に優れた物品取付用クランプを提供することにある。
【0005】
本発明による物品取付用クランプは、板状、棒状または管状の支持体に物品を取り付けるためのものであって、片面にネジ孔を有するベース部材と、ネジ孔にねじ合わせられるネジ棒が片面の中心部から突出しているハンドル部材とを備えてなる。ベース部材の片面およびハンドル部材の片面のうちいずれか一方に、支持体に対する滑り止め機能を有する材料よりなる第1挟持部が固定状に設けられているとともに、同他方に、支持体に対する滑り止め機能を有する材料よりなる第2挟持部がネジ棒またはネジ孔の周りに回転自在に設けられている。そして、ベース部材およびハンドル部材のうち少なくとも一方に、物品が着脱自在に取り付けられる取付部が設けられている。
【0006】
本発明の物品取付用クランプにあっては、ハンドル部材を回転させてベース部材のネジ孔にハンドル部材のネジ棒をねじ込み、第1挟持部と第2挟持部とで支持体を挟持することによって、それ自体が支持体に固定される。ここで、ハンドル部材は、その全体を片手で持ってネジ棒を中心に回転させればよいので、締付け操作を楽に行うことができる。また、第2挟持部は、これが設けられるハンドル部材またはベース部材に対して、ネジ棒またはネジ孔の周りに回転自在となされているので、支持体の締付けに伴って捩れることがなく、第1挟持部と協働して支持体を強固にかつ確実に挟持し得る。そして、上記のようにして支持体に固定されたクランプの取付部に、物品を取り付ければ、該物品の支持体への取付が完了する。
従って、本発明のクランプによれば、支持体に固定する操作を極めて簡単に行うことができる。また、本発明のクランプによれば、ベース部材とハンドル部材とを組み合わせることによって構成されているので、工具のような外観を有する従来のクランプと比べて、デザイン性を格段に向上させることができる。
【0007】
本発明による物品取付用クランプにおいて、ベース部材の片面に支持体の一部を受ける段差がネジ孔を避けて設けられているとともに、第1挟持部がベース部材の片面における段差よりも引っ込んだ部分に設けられている場合がある。
【0008】
上記の場合、支持体の一部(例えば、支持体が板状体である場合には、その端面)がベース部材の段差で受けられるため、支持体に対するクランプの位置決めが容易となる上、締付け等の際に支持体の一部が回転するネジ棒との接触によって傷付けられるのを回避することができる。
【0009】
本発明による物品取付用クランプにおいて、ベース部材の片面に、支持体と干渉しないようにハンドル部材の外周部の一部に非接触状に覆い被さるフランジ部が設けられている場合がある。
【0010】
クランプを上記のような構成とすれば、ベース部材のフランジ部によって、ベース部材とハンドル部材との間に生じる隙間が覆い隠されるので、体裁がよく、更にデザイン性を向上させることが可能となる。
【0011】
本発明による物品取付用クランプにおいて、第1挟持部および第2挟持部のうち少なくとも一方(より好ましくは両方)が、棒状または管状の支持体の表面に沿う凹弧面を有している場合がある。支持体が棒状または管状である場合、上記のような凹弧面が第1挟持部や第2挟持部に形成されていれば、該支持体を強固にかつ確実に挟持することが可能となる上、位置決めも容易となる。
支持体が真っ直ぐな縁部を有する平板状である場合、第1挟持部および第2挟持部は、通常、平坦面となされるが、滑り止め機能を高めるために表面に所要の凹凸加工が施されていてもよい。
また、支持体が湾曲した縁部を有する曲板状である場合、該支持体の表面に沿うように、第1挟持部および第2挟持部のうち一方に凹弧面が形成され、同他方に凸弧面が形成される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
次に、図1〜6を参照して本発明の実施形態を説明する。なお、以下の説明において、「前」とは図1、2、3、6の各右をいい、「後」とはこれらの図の各左をいうものとし、また、「左右」とは前から見た場合の左右をいうものとする。
【0013】
[第1実施形態]
本発明の第1実施形態が図1〜5に示されている。この実施形態では、図1に示すように、本発明を、観賞魚用水槽(T)の後壁板(T1)の上縁部に照明器具(L)を取り付けるためのクランプ(1)に適用している。
水槽(T)は、上方が開口した方形箱形のものであって、ガラス製またはアクリル樹脂製である。
照明器具(L)は、図1に示すように、アーム(L1)と、アーム(L1)の先端にユニバーサルジョイント(L3)を介して角度調整自在に取り付けられたシェード(L2)とを備えている。アーム(L1)は、直管状の下側アーム(L11)の上端部に、L形管状の上側アーム(L2)の下端部がスライド自在に嵌め込まれて、両者(L11)(L12)が1対の雄ネジ部材および雌ネジ部材よりなるロック装置(L4)によって固定される構成となっている。
【0014】
本発明によるクランプ(1)は、図2および図3に示すように、前面にネジ孔(21)を有するベース部材(2)と、ネジ孔(21)にねじ合わせられるネジ棒(31)が後面の中心部から突出している横断面円形のハンドル部材(3)とを備えている。
【0015】
ベース部材(2)の前面に、観賞魚用水槽(T)の後壁板(T1)に対する滑り止め機能を有する材料よりなる第1挟持部(41)が固定状に設けられている。また、ハンドル部材(3)の後面に、観賞魚用水槽(T)の後壁板(T1)に対する滑り止め機能を有する材料よりなる第2挟持部(42)が、ネジ棒(31)の周りに回転自在に設けられている。
【0016】
ベース部材(2)の前面に、水槽(T)の後壁板(T1)の上端面を受ける段差(23)が、ネジ孔(21)を避けて設けられている。第1挟持部(41)は、図2〜4に示すように、ベース部材(2)の前面における段差(23)よりも引っ込んだ部分(201)、即ち、段差(23)よりも下側部分に設けられている。
【0017】
ベース部材(2)の前面には、水槽(T)の後壁板(T1)と干渉しないようにハンドル部材(3)における外周部の上側部分に非接触状に覆い被さるフランジ部(24)が設けられている。
ベース部材(2)の上部には、照明器具(L)のアーム(L1)の下端部が着脱自在に取り付けられる取付部(22)が設けられている。
【0018】
ベース部材(2)は、略ディスク状のボディ(2A)を有している。ボディ(2A)は、通常、ABS樹脂等の合成樹脂によって形成されるが、その他、アルミニウム等の金属や木質材によって形成されることもある。
【0019】
ボディ(2A)の後面は、後方に向かってやや膨らんだ形態をしており、また、後面の中心部と周縁部との間には段差(251)が設けられている。ボディ(2A)後面の周縁部には、径方向に伸びる複数のリブ(252)が周方向に等間隔おきに形成されている。
【0020】
ボディ(2A)の前面は、平坦面となされていると共に、その中心部に有底孔(26)があけられている。有底孔(26)には、金属製の埋め込みナット(2B)が挿入固定され、この埋め込みナット(2B)によってネジ孔(21)が形成されている。
【0021】
ボディ(2A)の前面におけるネジ孔(21)よりもやや下方位置に、前述の段差(23)が、下向きにかつ水平方向に伸びるように形成されている。
【0022】
ボディ(2A)の前面における段差(23)よりも下側の欠円形部分(201)には、これの円弧状外縁部を除く部分に浅い凹部(27)が形成されており、該凹部(27)にシート状の滑り止め部材(4A)が貼り付けられている。この滑り止め部材(4A)によって、前述の第1挟持部(41)が形成されている。滑り止め部材(4A)の材料には、ゴムが用いられている。なお、滑り止め部材(4A)(第1挟持部(41))の材料は、支持体を構成する材料に応じて適宜のものを選択すればよく、ゴム以外にも、例えばフェルトやサンドペーパーが用いられることがある。
【0023】
フランジ部(24)は、ボディ(2A)前面における段差(23)よりも出っ張った部分(202)、即ち、段差(23)よりも上側部分の外周縁に、ボディ(2A)と一体的に形成されている。
【0024】
取付部(22)は、ボディ(2A)の周面上部からフランジ部(24)の上部にかけて立上り状に形成された筒状のものであり、ここに照明器具(L)のアーム(L1)の下端部が差し込まれるようになっている。
なお、図示は省略したが、取付部(22)の周壁にネジ孔を形成し、このネジ孔にねじ込んだネジ(ビス等)の先端によって、取付部(22)に差し込んだアーム(L1)の下端部を留めるように構成してもよい。
【0025】
段差(23)の高さは、第1挟持部(41)と第2挟持部(42)とで挟持された水槽(T)の後壁板(T1)の前面が、ベース部材(2)前面における段差(23)よりも出っ張った部分(202)とほぼ面一になるような寸法となされている。したがって、ベース部材(2)とハンドル部材(3)とで水槽(T)の後壁板(T1)を締め付けた際、第2挟持部(42)の一部が後壁板(T1)に接すると同時に、他の一部がベース部材(2)前面における段差(23)よりも出っ張った部分(202)に接することになる。
【0026】
ハンドル部材(3)は、略ディスク状のボディ(3A)を有している。ハンドル部材(3)のボディ(3A)も、通常、ABS樹脂等の合成樹脂によって形成されるが、アルミニウム等の金属や木質材によって形成することも可能である。
ハンドル部材(3)(ボディ(3A))は、横断面円形となされているため、その全体を片手で持って回転させ易く、操作性に優れている。なお、持ち易さや操作性が損なわれなければ、ハンドル部材を円形以外の横断面形状(例えば、正六角形、正八角形等の正多角形や、花弁形等)を有するものとしても構わない。
【0027】
ハンドル部材(3)のボディ(3A)の前面は、ベース部材(2)のボディ(2A)の後面と同形同大であって、ボディ(2A)後面と同様の段差(351)およびリブ(352)を有している。
【0028】
ボディ(3A)の周面には、その前端寄りに環状段差(320)が設けられており、該環状段差(320)よりも前方部分が径大部(321)、後方部分が径小部(322)となされている。径大部(322)は、その表面にセレーション(32a)を有しており、ハンドル部材(3)のネジ棒(31)をベース部材(2)のネジ孔(21)にねじ込む際の把持部として機能するものである。環状段差(320)の高さは、ベース部材(2)のフランジ部(24)の厚みよりもやや大きい寸法となされており、また、径小部(322)の前後長さは、フランジ部(24)の前後長さよりもやや小さい寸法となされている。以上の構成により、ベース部材(2)とハンドル部材(3)とをねじ合わせた際、ハンドル部材(3)周面における径小部(322)の上部に、ベース部材(2)のフランジ部(24)が非接触状に覆い被せられる。
【0029】
ボディ(3A)の後面は、平坦面となされていると共に、その中心部からネジ棒(31)が水平状に突出している。ネジ棒(31)は、インサート成形によってボディ(3A)に部分的に埋設されたボルト(3B)の軸部によって構成されている。
【0030】
ボディ(3A)の後面におけるネジ棒(31)の周囲の部分には、環状凹部(33)が形成されている。環状凹部(33)には、リング状のスペーサ(4C)が回転自在に収容されている。図5に示すように、環状凹部(33)の開口外周縁部には、複数の内方突起(331)が周方向に間隔をおいて形成されている。スペーサ(4C)は、これらの内方突起(331)を乗り越えて環状凹部(33)に強制的に嵌め入れられることによって、環状凹部(33)内において回転可能かつ前後移動不能となされている。スペーサ(4C)の後面には、滑り止め部材(4B)が貼り付けられており、この滑り止め部材(4B)によって、第2挟持部(42)が形成されている。滑り止め部材(4B)の材料には、ゴムが用いられている。但し、滑り止め部材(4B)(第2挟持部(42))の材料は、支持体を構成する材料に応じて適宜のものを選択すればよく、ゴム以外にも、例えばフェルトやサンドペーパー等が用いられることがある。
【0031】
次に、上記のクランプ(1)を使用して、照明器具(L)を水槽(T)の後壁板(T1)に取り付ける手順の一例を説明する。
まず、ベース部材(2)を、片手で持って、その前面の第1挟持部(41)が水槽(T)における後壁板(T1)の後面上縁部に当接させられるとともに、その前面の段差(23)が後壁板(T1)の上端面に当接させられるように配置保持する。
次に、ハンドル部材(3)を、もう一方の手で持って、そのネジ棒(31)がベース部材(2)のネジ孔(21)にねじ込まれるように回すと、第2挟持部(42)が後壁板(T1)の前面上縁部に当接させられる。さらにベース部材(2)を回すと、第2挟持部(42)はベース部材(2)と共回りせずに後壁板(T1)の前面に強く押し付けられる。以上の操作により、ベース部材(2)の第1挟持部(41)とハンドル部材(3)の第2挟持部(42)とによって後壁板(T1)が締め付けられ、クランプ(1)が水槽(T)の後壁板(T1)に固定される。
最後に、ベース部材(2)の取付部(22)に、照明器具(L)のアーム(L1)の下端部を差し込む。こうして、図1に示すように、クランプ(1)によって、照明器具(L)が水槽(T)の後壁板(T1)の上縁部に取り付けられる。
【0032】
上記の通り、この実施形態のクランプ(1)は、図1〜5に示すような形態のベース部材(2)およびハンドル部材(3)を組み合わせることによって構成されているため、工具に似ていた従来のクランプとは異なって、シンプルかつコンパクトでデザイン性に富む外観を呈しており、観賞魚用水槽(T)の後壁板(T1)に照明器具(L)を取り付ける場合にも支障なく使用することができる。その上、図1に示すように、ベース部材(2)とハンドル部材(3)との隙間が上方からベース部材(2)のフランジ部(24)によって覆い隠されるため、後側板(T1)を挟持した取付状態においてもクランプ(1)全体としての一体感があって、体裁が良く、これがデザイン性を更に高める要因となっている。
また、上記のクランプ(1)にあっては、水槽(T)への取付に際して、ベース部材(2)を片手で所要位置に保持しながら、ハンドル部材(3)を他方の手全体で持ってそのネジ棒(31)がベース部材(2)のネジ孔(21)にねじ込まれるように回すだけでよいから、取付作業を簡単にかつ楽に行うことができる。しかも、この実施形態では、ハンドル部材(3)の周面にセレーション(32a)が形成されているので、ここを持てば、ハンドル部材(3)を回転させる際にも不用意に滑ることがなく、締付け操作をよりスムーズに行うことができる。
更に、この実施形態では、ベース部材(2)とハンドル部材(3)とで水槽(T)の後壁板(T1)を締め付けた際に、第2挟持部(42)の一部が後壁板(T1)に接すると同時に、他の一部がベース部材(2)の前面における段差(23)よりも出っ張った部分(202)に接するため、ガタツキや緩みが生じ難い。
【0033】
[第2実施形態]
図6には本発明の第2実施形態が示されている。この実施形態では、本発明を、水平管状フレーム(F)の長さ中間部に、図1と同様の構成を有する照明器具(L)を取り付けるためのクランプ(1)に適用している。
この実施形態のクランプ(11)は、以下の点を除いて、第1実施形態のクランプ(1)と実質的に同一の構造を有している。即ち、図6に示すクランプ(11)では、その第1挟持部(41)および第2挟持部(42)が、管状フレーム(F)の表面に沿う凹弧面(411)(421)を有するものとなされている。
【0034】
ベース部材(2)の前面における段差(23)の下側部分(201)に形成される凹部(271)は、半円弧状の横断面を有する水平溝形のものとなされている。第1挟持部(41)は、この凹部(271)に貼り付けられた滑り止め部材(4A)によって形成されている。
【0035】
ハンドル部材(3)のスペーサ(4C)には、その後面の下側部分に、円弧状の横断面を有する水平溝形の凹部(45)が設けられている。第2挟持部(42)は、上記凹部(45)を含むスペーサ(4C)の後面全体に貼り付けられた滑り止め部材(4B)によって形成されている。
【0036】
上記のクランプ(11)も、第1実施形態のクランプ(1)とほぼ同様に、支持体である管状フレーム(F)に取り付けることができる。この際、第1挟持部(41)の凹弧面(411)および第2挟持部(42)の凹弧面(421)によって、管状フレーム(F)の位置決めが容易となり、また、フレーム(F)との接触面積が大きいため、十分な締付け強度を確保することが可能となっている。
【0037】
なお、この実施形態では、段差(23)には、フレーム(F)の一部が接触していないが、上述のように、凹弧面(411)(421)によって、フレーム(F)の位置決めが行われ、また、それに付随して回転するネジ棒(31)との接触も回避される。もっとも、より大きな外径を有するフレーム(F)にクランプ(11)を取り付ける場合には、段差(23)が、フレーム(F)の上部と接触して、第1実施形態と同様に位置決め作用およびネジ棒(31)との接触回避の作用を奏することもあり得る。
【0038】
上記の各実施形態は例示にすぎず、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜に変更を加えた上で本発明を実施することも勿論可能である。
即ち、例えば、上記各実施形態では、取付部がベース部材に設けられているが、支持体が天板等の水平な板状体である場合には、図1のハンドル部材の前面に取付部を形成して、該取付部が上向きとなるような態様で使用してもよい。また、水平および垂直双方の板状体への取付に適用できるように、ベース部材およびハンドル部材それぞれに取付部を形成するようにしてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0039】
【図1】本発明の第1実施形態に係るクランプの使用状態を示す側面図である。
【図2】第1実施形態のクランプの垂直縦断面図である。
【図3】第1実施形態のクランプをベース部材とハンドル部材とに分離した状態を示す側面図である。
【図4】ベース部材の正面図である。
【図5】ハンドル部材の背面図である。
【図6】本発明の第2実施形態に係るクランプの垂直縦断面図である。
【符号の説明】
【0040】
(T):観賞魚用水槽
(T1):後壁板(支持体)
(L):照明器具(物品)
(1)(11):クランプ
(2):ベース部材
(21):ネジ孔
(22):取付部
(23):段差
(24):フランジ部
(3):ハンドル部材
(31):ネジ棒
(41):第1挟持部
(42):第2挟持部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
板状、棒状または管状の支持体に物品を取り付けるためのクランプであって、
片面にネジ孔を有するベース部材と、ネジ孔にねじ合わせられるネジ棒が片面の中心部から突出しているハンドル部材とを備えてなり、
ベース部材の前記片面およびハンドル部材の前記片面のうちいずれか一方に、支持体に対する滑り止め機能を有する材料よりなる第1挟持部が固定状に設けられているとともに、同他方に、支持体に対する滑り止め機能を有する材料よりなる第2挟持部がネジ棒またはネジ孔の周りに回転自在に設けられており、
ベース部材およびハンドル部材のうち少なくとも一方に、物品が着脱自在に取り付けられる取付部が設けられていることを特徴とする、物品取付用クランプ。
【請求項2】
ベース部材の前記片面に支持体の一部を受ける段差がネジ孔を避けて設けられているとともに、第1挟持部がベース部材の前記片面における段差よりも引っ込んだ部分に設けられていることを特徴とする、請求項1記載の物品取付用クランプ。
【請求項3】
ベース部材の前記片面に、支持体と干渉しないようにハンドル部材の外周部の一部に非接触状に覆い被さるフランジ部が設けられていることを特徴とする、請求項2記載の物品取付用クランプ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2008−130239(P2008−130239A)
【公開日】平成20年6月5日(2008.6.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−310079(P2006−310079)
【出願日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【出願人】(393029893)株式会社第一工芸 (2)
【Fターム(参考)】