説明

物品持出管理システム及びこのシステムに用いられるサーバ,携帯型通信端末、並びにプログラム

【課題】ユーザ自身が携帯型通信端末を利用して施設から持ち出す物品の情報を入力することで物品貸し出し業務の無人化を図るとともに、物品の不正な持ち出しを防止する。
【解決手段】携帯型通信端末3は、物品識別コードm1が入力されるとその物品識別コードにより識別される物品Mの特定情報をサーバ1に問合せ、応答のあった物品特定情報を表示する。この表示された物品特定情報で特定される物品の持ち出しが宣言されると、その物品をサーバ1に通知する。サーバ1は、各物品Mの物品識別コードm1に対応して物品特定情報とともに持出禁止状態を示す情報を記憶部で記憶する。携帯型通信端末3からの問合せに対して記憶部から問合せのあった物品の特定情報を読出し、問合せ元の携帯型通信端末3に返信する。また、携帯型通信端末3からの持出宣言に対して記憶部を検索して持出宣言のあった物品の持出禁止状態を解除する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レンタルショップ、図書館、実売店舗等において、ユーザ自身が携帯電話,PHS(Personal Handy-phone System),携帯情報端末等の携帯型通信端末を利用して物品の借入または購入を行う際の物品の持ち出しを管理する物品持出管理システムに関する。
【背景技術】
【0002】
近年、音楽CD(Compact Disc),DVD(Digital Video Disc),書籍等のレンタルショップや販売店では、商品1品毎にRFID(Radio Frequency Identification)等と称される無線タグを付すとともに、店の出入口にゲート式アンテナを備えた無線タグ認識装置を設置し、この無線タグ認識装置で無線タグを認識すると警告を発するようにした物品持出管理システムは、既に知られている。
【0003】
このようなシステムが導入された店では、レジの店員は会計を終えた商品から無線タグを取り外す。これを徹底させることにより、例えば会計を済ませていない商品を持って客が店の外に出ようとすると、その商品には無線タグが付されているため、この無線タグを無線タグ認識装置が認識して警告が発せられるので、物品の不正な持ち出しを防ぐことができる。
【0004】
しかし、この種の物品持出管理システムでは、レジの店員は会計を終えた商品から無線タグを取り外さなければならないので、手間がかかる。そこで従来、レジのPOS(Point Of Sales)端末に商品の情報を入力する際に、その商品に付されている無線タグのデータを自動的に書き換えたり、無線タグそのものを破壊したりすることで、無線タグを取り外す手間をなくす考えはすでに知られていた(例えば、特許文献1参照)。
【0005】
一方、ワイヤレス電話等の携帯型通信端末を使った購買取引を可能にする電子ショッピングシステムも既に知られている。この既知の技術は、バーコードリーダが取り付けられた携帯型通信端末を用いる。携帯型通信端末を所持する客は、店舗に陳列されている商品に付されているバーコードや、店舗外にてカタログ等に商品とともに表示されたバーコードをバーコードリーダで走査することにより、購入したい商品の情報を入力することができる。また、購入商品に対する支払いも、携帯型通信端末を用いてできるようになる(例えば、特許文献2参照)。
【特許文献1】特開2000−184087号公報
【特許文献2】特開2005−182458号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
例えばレンタルショップや図書館等において、従来の電子ショッピングシステムのように、ユーザが携帯型通信端末を利用して自身が借り入れる物品(音楽CD,DVD,書籍等)の情報を入力し、借入に代金がかかる場合はその代金も携帯型通信端末を用いて決済することができるシステムを構築する。こうすることによって、物品貸出業務の無人化を図ることができる。しかしそのためには、物品の不正な持ち出しを防止するための新たな仕組みが必要となる。すなわち、従来の無線タグを用いた物品持出管理システムでは、物品に取り付けられている無線タグを取り外したりまたは破壊したり、あるいは無線タグのデータを書き換えたりするために人員が必要で、無人化は困難であった。
【0007】
本発明はこのような事情に基づいてなされたもので、その目的とするところは、ユーザ自身が携帯型通信端末を利用して施設から持ち出す物品の情報を入力することで物品貸し出し業務の無人化を図るとともに、物品の不正な持ち出しを確実に防止することができる物品持出管理システム及びこのシステムに用いられるサーバ並びに携帯型通信端末、さらにはこのサーバ並びに携帯型通信端末に実装されるプログラムを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は、例えば携帯電話,PHS,携帯情報端末等の携帯型通信端末と、この携帯型通信端末と通信が可能なサーバとを備えた物品持出管理システムにある。
携帯型通信端末は、持出対象の各物品にそれぞれ付された物品識別コードを入力するコード入力手段と、このコード入力手段を介して物品識別コードが入力されるとその物品識別コードにより識別される物品の特定情報をサーバに問合せる物品問合せ手段と、この物品問合せ手段による問合せに対してサーバから応答のあった物品特定情報を表示する表示手段と、この表示手段により表示された物品特定情報で特定される物品の持ち出しを宣言する持出宣言手段と、この持出宣言手段により持ち出しが宣言された物品をサーバに通知する持出宣言通知手段とを備える。
【0009】
サーバは、各物品にそれぞれ付された物品識別コードに対応してその物品の特定情報とともに持出禁止状態を示す情報を記憶する物品情報記憶部と、携帯型通信端末からの問合せに対して物品情報記憶部を検索して問合せのあった物品の特定情報を読出し、問合せ元の携帯型通信端末に返信する情報応答手段と、携帯型通信端末からの持出宣言に対して前記物品情報記憶部を検索して持出宣言のあった物品の持出禁止状態を解除する持出禁止解除手段とを備える。
【発明の効果】
【0010】
かかる手段を講じた本発明によれば、ユーザ自身が携帯型通信端末を利用して施設から持ち出す物品の情報を入力することで物品貸し出し業務の無人化を図ることができるとともに、物品の不正な持ち出しを防止できる効果を奏する。
【発明を実施するための最良の形態】
【0011】
以下、本発明を実施するための最良の形態について、図面を用いて説明する。
なお、この実施の形態は、音楽CD,DVD,書籍等の物品を貸出商品とするレンタルショップを例示し、ユーザ(客)が携帯型通信端末を利用して自身が借り入れる商品に関する情報を入力することで、借入業務の無人化を図るのに適した物品持出管理システムに関するものである。携帯型通信端末としては、携帯電話,PHS,携帯情報端末等が考えられるが、本実施の形態では、携帯電話を用いる。
【0012】
図1は、本実施の形態における物品持出管理システムの概要図である。本システムは、レンタルショップの本部に設けられた店舗管理サーバ1と、同レンタルショップの店舗に構築された店舗システム2と、同レンタルショップの会員となった客によって操作される携帯電話3とから構成される。店舗管理サーバ1は、インターネット,ISDN(Integrated Services Digital Network)等の広域のネットワーク4上に設けられている。
【0013】
店舗システム2は、会員自身によって操作される会員用端末5、店員によって操作される店員用端末6、一対のゲート式アンテナ7A,7Bを備えた無線タグ認識装置7、及びこの無線タグ認識装置7に接続された警報装置8とから構成されている。会員用端末5,店員用端末6及び無線タグ認識装置7は、店舗内LAN(Local Area Network)9で接続されている。店舗内LAN9にはルータ41が接続されており、前記会員用端末5,店員用端末6及び無線タグ認識装置7は、ルータ41を介してネットワーク4上の店舗管理サーバ1とデータの送受信を行える。
【0014】
携帯電話3も、その携帯電話3に対応した基地局42の交信領域内であれば、当該基地局42を介してネットワーク4上の店舗管理サーバ1とデータの送受信を行えるようになっている。また携帯電話3は、貸出対象の商品(音楽CD,DVD,書籍等)Mにそれぞれ付されている二次元データコードm1を光学的に入力するコード入力手段を備えている。
【0015】
各商品Mには、上記二次元データコードm1の他、無線タグm2がそれぞれ付されている。二次元データコードm1は、各商品Mにそれぞれ付された固有の物品識別コードである商品コードを二次元データコード化したものである。無線タグm2は、RFID、RFタグ、電子タグ等とも称され、アンテナとICチップとを内蔵した小型の情報記憶媒体であり、自らデータを送信する機能を有さない受動型、いわゆるパッシブ型のタグを使用している。無線タグm2のメモリにも、当該無線タグm2が付されている商品固有の商品コードが記憶されている。
【0016】
店舗管理サーバ1は、商品データベース101、料金データベース102、会員データベース103、会員別履歴データベース104及び買物カゴデータベース105を管理するデータベースサーバとしての機能を有する。これらのデータベース101〜105は、店舗管理サーバ1に内蔵されていてもよいし、外部接続された記憶装置に設けられていてもよい。
【0017】
商品データベース101には、図2に示すように、貸出商品1品毎に付される固有の商品コードに対応して、その商品を特定可能な商品名の他、新旧区分,貸出条件,貸出状況,返却期限,貸出会員及び持出禁止フラグの各項目からなる商品データレコードが、商品点数分記憶されている。因みに、同一商品が複数品ある場合には、各々に異なる商品コードが付されている。
【0018】
新旧区分は、対応する商品が新作に属するか旧作に属するかを識別するデータである。貸出条件は、対応する商品の貸出可能最長期間である。貸出状況は、対応する商品が未貸出なのか、買物カゴに入れられているのか、貸出中なのかを識別するデータである。返却期限及び貸出会員は、対応する商品が貸出中の場合において、その返却期限日と借りている会員の会員コードである。持出禁止フラグは、対応する商品が店舗から不正に持ち出されるのを防止するためのセキュリティ情報であって、この実施の形態では、セキュリティが働く持出禁止状態のときを“1”とし、セキュリティが解除された持出許可状態のときを“0”とする。
【0019】
ここに、商品データベース101は、各貸出商品(物品)Mにそれぞれ付された商品コード(物品識別コード)に対応してその商品の名称等の特定情報とともに、持出禁止状態を示す情報(持出禁止フラグ)を記憶する物品情報記憶部として機能する。
【0020】
料金データベース102は、図3に示すように、貸出商品の新旧区分毎に貸出期間別の料金を予め設定記憶したものである。また、図示しないが、1日当りの延滞料金も当該料金データベース102に記憶されている。
【0021】
会員データベース103には、図4に示すように、会員コード、会員名、個人情報(住所,電話番号等)、決済情報及びカゴDBNoの各項目からなる会員データレコードが、会員人数分記憶されている。
【0022】
会員コードは、各会員を識別するために会員毎に予め設定された一意のコードである。決済情報は、貸出商品の代金決済に必要な情報であり、例えばクレジットカード情報やプリペイド金額情報などである。カゴDBNoは、対応する会員コードで特定される会員がレンタルショップで商品を借りる際に、その借入内容に対応した情報が一時的に格納される買物カゴテーブルT2の一意の番号である。
【0023】
会員別履歴データベース104は、図5に示すように、各会員の会員コードが設定された貸出履歴テーブルT1が記憶されている。各貸出履歴テーブルT1には、店舗を特定する店舗コードとともに、その店舗が貸し出した商品の履歴として貸出日,商品コード,貸出期間,返却期限及び返却フラグの各情報(貸出履歴レコード)が記憶される。ここで、返却フラグは、対応するレコードの商品が貸出中なのか返却されたのかを識別するフラグである。
【0024】
買物カゴデータベース105には、図6に示すように、一意のカゴDBNoがそれぞれ設定された買物カゴテーブルT2が記憶されている。各買物カゴテーブルT2には、店舗コード及び貸出日と、商品コード,商品名,貸出期間,返却期限及び価格の貸出商品レコードと、全貸出商品の合計金額とが記憶される。買物カゴテーブルT2は、1ユーザの借入開始時に買物カゴデータベース105に追加され、そのユーザの決済完了後に買物カゴデータベース105から削除される。
【0025】
図7は、携帯電話3の要部構成を示すブロック図である。携帯電話3は、データ記憶部31、電話回路部32、表示部33、キー入力部34、撮像部35、プログラム記憶部36、コードデコード部37、ネットワーク接続部38、無線通信部39、及びこれらを制御する制御部30で構成されている。
【0026】
データ記憶部31は、各種のデータを電源オフ時も安定に記憶保持するための領域であり、特に、当該携帯電話3を使用する会員の会員コードが格納されたエリアA1が形成されている。
【0027】
電話回路部32、表示部33、キー入力部34及び撮像部35は、既存のカメラ付携帯電話に実装されている周知のデバイスである。
【0028】
プログラム記憶部36は、制御部30で実行される各種のアプリケーションプログラムが保存される領域で、特に、携帯電話3を物品貸出業務用の携帯型通信端末として機能させるための貸出決済プログラムP1が保存されている。なお、貸出決済プログラムP1は、当該携帯電話3の所有者がレンタルショップの会員となったことを条件に、店舗管理サーバ1からネットワーク4経由でダウンロードされる。なお、貸出決済プログラムP1を携帯電話3にダウンロードする方法はこれに限定されるものではなく、例えばUSBインターフェイスを備えた携帯電話であれば、パソコン等からUSBケーブルを介してダウンロードしてもよい。あるいは、後述する近距離無線を利用して会員用端末5または店員用端末6から携帯電話3にダウンロードしてもよい。
【0029】
コードデコード部37は、撮像部35で撮像したバーコードや二次元データコードをデコードする。ネットワーク接続部38は、基地局42を介してネットワーク4に接続する。無線通信部39は、赤外線通信,RFID(Radio Frequency Identification)等の近距離無線通信方式を用いて通信を行う。
【0030】
ここに、撮像部35及びコードデコード部37は、持出対象の各商品Mにそれぞれ付された二次元データコードm1、すなわち商品コード(物品識別コード)を入力するコード入力手段として機能する。
【0031】
図8は、会員用端末5の要部構成を示すブロック図である。会員用端末5は、記憶部51、表示部52、キー入力部53、ネットワーク接続部54、無線通信部55、及びこれらを制御する制御部50で構成されている。
【0032】
記憶部51は、各種のデータを電源オフ時も安定に記憶保持するための領域であり、特に、当該会員用端末5が設置されている店舗に対して一意に設定された店舗コードのエリアA2が形成されている。ネットワーク接続部54は、ルータ41を介してネットワーク4に接続する。無線通信部55は、携帯電話3等が有する無線通信部39との間で近距離無線によりデータの送受信を行う。
【0033】
かかる構成の会員用端末5は、会員がレンタルショップに入店し、商品の借入を行う際に、会員自身が操作して自己の携帯電話3に店舗コードを登録するためのものである。こうして店舗コードが登録された携帯電話3は、当該店舗コードで識別される店舗内において、貸出商品の情報入力用端末として機能させることができる。
【0034】
図9は、店員用端末6の要部構成を示すブロック図である。店員用端末6は、記憶部61、表示部62、キー入力部63、スキャナ部64、プリンタ部65、時計部66、ネットワーク接続部67、無線通信部68、及びこれらを制御する制御部60で構成されている。
【0035】
記憶部61は、ROM(Read Only Memory)領域及びRAM(Random Access Memory)領域を有する。表示部62、キー入力部63、スキャナ部64及びプリンタ部65は、既存のレンタルショップに設置されているPOS(Point Of Sales)端末や電子式キャッシュレジスタに実装されている入出力デバイスである。時計部66は、現在の日付及び時刻を計時する。ネットワーク接続部67は、ルータ41を介してネットワーク4に接続する。無線通信部68は、携帯電話3等が有する無線通信部との間で近距離無線によりデータの送受信を行う。
【0036】
かかる構成の店員用端末6は、主に会員から返却された商品の情報を入力することで返却処理を行い、延滞料金がある場合はその決済を処理するためのものである。また、各種データベース101〜105に対する新規データの追加や旧データの変更,削除等にも供せられる。
【0037】
図10は、無線タグ認識装置7の要部構成を示すブロック図である。無線タグ認識装置7は、記憶部71、警報装置インターフェイス72、無線タグリーダ73、ネットワーク接続部74、及びこれらを制御する制御部70で構成されている。
【0038】
記憶部71は、ROM領域及びRAM領域を有する。警報装置インターフェイス72は、警報装置8に対して駆動信号を出力する。無線タグリーダ73は、一対のゲート式アンテナ7A,7Bから放射される問合せ電波に応答した無線タグm2から、そのメモリに記憶されているデータ(商品コード)を非接触で読み取る。ネットワーク接続部74は、ルータ41を介してネットワーク4に接続する。
【0039】
ゲート式アンテナ7A,7Bは、店舗の出入口通路に対峙して設置されている。警報装置8は、例えば警告表示灯と音声合成器とから構成され、ゲート式アンテナ7A,7Bの近傍に設けられている。
【0040】
かかる構成の無線タグ認識装置7は、ゲート式アンテナ7A,7Bを介して出入口通路を通過する商品Mから無線タグm2のメモリ情報を読み取る。そして、この読み取った情報から商品Mの不正持出が認識された場合には、警報装置8を動作させて表示と音声とによる警報を発するようになっている。
【0041】
図11は、店舗管理サーバ1の要部構成を示すブロック図である。店舗管理サーバ1はデータ記憶部11、表示部12、キー入力部13、データベース入出力部14、プログラム記憶部15、時計部16、ネットワーク接続部17、及びこれらを制御する制御部10で構成されている。
【0042】
データ記憶部11は、各種のデータを電源オフ時も安定に記憶保持するための領域である。表示部12及びキー入力部13は、既存のサーバ用コンピュータに実装されているデバイスである。データベース入出力部14は、前記商品データベース101、料金データベース102、会員データベース103,会員別履歴データベース104及び買物カゴデータベース105に対してデータの書込みや読出しを行う。
【0043】
プログラム記憶部15は、制御部10で実行される各種のアプリケーションプログラムが保存される領域で、特に、携帯電話3を用いた貸出商品の入力受付及びその決済を処理する貸出管理プログラムP2が保存されている。時計部16は、現在の日付及び時刻を計時する。ネットワーク接続部17は、ネットワーク4に接続する。
【0044】
以上の如く構成された携帯電話3、会員用端末5、店員用端末6、無線タグ認識装置7及び店舗管理サーバ1からなる物品持出管理システムは、以下の如く作用する。はじめに、会員が自身の携帯電話3を使用して借入商品の情報を入力し、借入代金の決済を行うまでの作用について、図12〜図27を用いて説明する。
【0045】
図12乃至図16は、携帯電話3の制御部30が実行する主要な制御手順を示す流れ図である。携帯電話3は、キー入力部34の操作入力により貸出決済プログラムP1が起動すると、制御部30が、この貸出決済プログラムP1に従い図12乃至図16の流れ図に示す手順で各部を制御する。
【0046】
図17は、会員用端末5の制御部50が実行する主要な制御手順を示す流れ図である。会員用端末5は、携帯電話3と近距離無線によりデータ通信が行われるのを待機しており、データ通信が行われると図17の流れ図に示す手順で各部を制御する。
【0047】
図18乃至図26は、店舗管理サーバ1の制御部10が実行する主要な制御手順を示す流れ図である。店舗管理サーバ1には、貸出管理プログラムP2が常駐している。そして店舗管理サーバ1は、貸出決済プログラムP1が起動中の携帯電話3や会員用端末5からネットワーク4を通じて与えられる各種の要求に対し、貸出管理プログラムP2に従って、図18乃至図26の流れ図に示す手順でその要求に応じた処理を実行する。
【0048】
図27は、貸出決済プログラムP1が起動中の携帯電話3の表示部23に表示される画面G1〜G8の一例である。
【0049】
携帯電話3の制御部30は、貸出決済プログラムP1が起動されると、図12の処理を開始する。先ず、ST(ステップ)301として会員用端末5と近距離無線通信により接続されるのを待機する。無線通信部39を介して会員用端末5と近距離無線通信が確立されると、制御部30は、ST302として会員用端末5からの要求に応じて、データ記憶部31のエリアA1で記憶している会員コードを会員用端末5に無線送信する。
【0050】
一方、会員用端末5の制御部50は、図17に示すように、ST501として携帯電話3と近距離無線通信により接続されるのを待機している。そして、無線通信部55を介して携帯電話3と近距離無線通信が確立されたならば、制御部50は、ST502としてその携帯電話3に対して会員コードの要求コマンドを無線送信する。
【0051】
このコマンドに応答して携帯電話3から会員データを受信すると(ST503のYES)、制御部50は、ST504として会員問合せコマンドを店舗管理サーバ1に送信する。この会員問合せコマンドには、記憶部51のエリアA2に記憶されている店舗コードと、携帯電話3から受信した会員コードとが含まれる。会員問合せコマンドは、会員用端末5からLAN9及びルータ41を介し、ネットワーク4を経由して、店舗管理サーバ1に送信される。
【0052】
店舗管理サーバ1の制御部10は、上記会員問合せコマンドを受信すると、図18の流れ図に示す処理を実行する。先ず、ST101として受信した会員問合せコマンドから会員コードを取得し、この会員コードを検索キーとして会員データベース103を検索する。そして、会員データベース103から検索キーと一致する会員コードの会員データレコードを検出したならば(ST102のYES)、制御部10は、ST103として新規の買物カゴテーブルT2を作成し、買物カゴデータベース105に追加する。この新規の買物カゴテーブルT2には、未使用のカゴDBNoと、受信した会員問合せコマンドに含まれる店舗コードと、時計部16で計時されている現在日付のデータがセットされる。
【0053】
次に、制御部10は、ST104として会員データベース103の検出された会員データレコードに、上記新規の買物カゴテーブルT2にセットされたカゴDBNoを書き込む。しかる後、制御部10は、ST105としてコマンド送信元の会員用端末5に対して許諾応答を返信する。
【0054】
なお、会員データベース103を検索した結果、所望する会員データレコードを検出できなかった場合には、制御部10は、ST106としてエラー応答をコマンド送信元の会員用端末5に返信する。
【0055】
会員用端末5の制御部50は、会員問合せコマンドを店舗管理サーバ1に送信した後、上記サーバ1からの応答を待機する。そして、許諾応答を受信すると(ST505のYES)、制御部50は、ST506として近距離無線通信が確立されている携帯電話3に対してエリアA2内の店舗コードを無線送信する。他方、エラー応答を受信した場合には(ST505のNO)、制御部50は、ST507として同携帯電話3に対してエラー応答を無線通信する。
【0056】
携帯電話3の制御部30は、会員用端末5に会員コードを無線送信した後、応答を待機する。そして、会員用端末5から店舗コードを受信したならば(ST303のYES)、制御部30は、ST304としてその店舗コードをデータ記憶部31で記憶する。なお、エラー応答を受信した場合には、所定のエラー処理を行う。
【0057】
ST304にて店舗コードをデータ記憶部31で記憶した後、制御部30は、ST305としてネットワーク接続部38を制御して、ネットワーク4上の店舗管理サーバ1との回線接続を図る。その結果、店舗管理サーバ1との回線が接続されたならば(ST306のYES)、制御部30は、ST307として表示部33にメニュー画面G1を表示させる。
【0058】
上記メニュー画面G1の一表示例を図27(a)に示す。図示するように、メニュー画面G1には、「コード読取」ボタンB1と「買物カゴ」ボタンB2とが表示される。制御部30は、いずれかのボタンB1,B2が選択入力されるか、「終了」の指示入力がされるのを待機する。
【0059】
ここで、キー入力部34の操作によって「コード読取」ボタンB1が選択入力されたならば(ST308のYES)、制御部30は、図13のST321の処理に進む。すなわち制御部30は、撮像部35を起動して、二次元データコードの読取り動作を一定時間作動させる。その結果、表示部33の所定枠内に二次元データコードが位置し、撮像部25で読み取られたならば(ST322のYES)、制御部30は、ST323として撮像部35を停止する。また、ST324としてコードデコード部27を動作させて読み取った二次元データコードをデコードする(コード入力手段)。
【0060】
その結果、二次元データコードから商品コードがデコードされた場合には(ST325のYES)、制御部30は、ST326としてこの商品コードを含む商品問合せコマンドを生成し、ネットワーク4を通じて店舗管理サーバ1に送信する(物品問合せ手段)。
【0061】
店舗管理サーバ1の制御部10は、上記商品問合せコマンドを受信すると、図19の流れ図に示す処理を実行する。先ず、ST111として受信した商品問合せコマンドから商品コードを取得し、この商品コードを検索キーとして商品データベース101を検索する。その結果、商品データベース101から検索キーと一致する商品コードを含む商品データレコードを検出したならば(ST112のYES)、制御部10は、ST113としてその商品データレコードの貸出状況が未貸出であるか否かを判断する。そして、未貸出であった場合には、制御部10は、ST114としてその商品データレコードから商品特定情報である商品名と新旧区分及び貸出条件を含む商品情報を取得し、コマンド送信元の携帯電話3に返信する(情報応答手段)。
【0062】
なお、商品データベース101を検索した結果、該当する商品データレコードを検出できなかった場合(ST112のNO)、または該当する商品データレコードを検出したが、貸出状況が未貸出でなかった場合(ST113のNO)には、制御部10は、ST115として貸出不可応答をコマンド送信元の携帯電話3に返信する。
【0063】
携帯電話3の制御部30は、商品問合せコマンドを送信後、応答を待機する。そして、店舗管理サーバ1から商品情報の応答があった場合には(ST327のYES)、制御部30は、ST328として表示部33に商品情報画面G2を表示させる(表示手段)。
【0064】
上記商品情報画面G2の一表示例を図27(b)に示す。図示するように、商品情報画面G2には、店舗管理サーバ1から受信した商品情報中の商品名[AAAA]等の商品特定情報が表示される。また、「借入」ボタンB3と、「メニュー」ボタンB4とが表示される。制御部30は、いずれかのボタンB3,B4が選択入力されるのを待機する。
【0065】
ここで、キー入力部34の操作によって「借入」ボタンB3が選択入力されたならば(持出宣言手段:ST329のYES)、制御部30は、ST330として料金問合せコマンドを生成し、ネットワーク4を通じて店舗管理サーバ1に送信する。この料金問合せコマンドには、二次元データコードからデコードした商品コードと、エリアA1内の会員コードとが含まれる(持出宣言通知手段)。
【0066】
店舗管理サーバ1の制御部10は、上記料金問合せコマンドを受信すると、図20の流れ図に示す処理を実行する。先ず、ST121として受信した料金問合せコマンドから商品コードを取得し、この商品コードを検索キーとして商品データベース101を検索する。その結果、商品データベース101から検索キーと一致する商品コードを含む商品データレコードを検出したならば(ST122のYES)、制御部10は、ST123としてその商品データレコードから新旧区分のデータを取得する。さらに、ST124としてこの新旧区分のデータで料金データベース102を参照して、料金情報を作成する。この料金情報には、当日の日付と貸出期間とから算出される返却期限日と、その新旧区分と貸出期間とに対応した価格データとが含まれる。しかる後、制御部10は、ST125としてこの料金情報を問合せ元の携帯電話3に返信する。
【0067】
携帯電話3の制御部30は、料金問合せコマンドを送信後、応答を待機する。そして、店舗管理サーバ1から料金情報の応答があった場合には(ST331のYES)、制御部30は、ST332として表示部33に料金情報画面G3を表示させる。
【0068】
上記料金情報画面G3の一表示例を図27(c)に示す。図示するように、料金情報画面G3には、店舗管理サーバ1から受信した料金情報中の貸出期間を示すボタンB5,B6と、その貸出期間に相当する返却期限並びに料金が表示される。制御部30は、いずれかのボタンが入力されるか、「取消」の指示入力がされるのを待機する。
【0069】
ここで、キー入力部34の操作によっていずれかの貸出期間のボタンB5またはB6が選択入力された場合には、制御部30は、図14のST341の処理に進む。すなわち制御部30は、商品貸出コマンドを生成し、ネットワーク4を通じて店舗管理サーバ1に送信する。この商品貸出コマンドには、二次元データコードからデコードした商品コード及びエリアA1内の会員コードと、選択入力されたボタンB5またはB6に対応した貸出期間及びそれに対応した返却期限並びに貸出料金の情報とが含まれる。
【0070】
店舗管理サーバ1の制御部10は、上記商品貸出コマンドを受信すると、図21の流れ図に示す処理を実行する。先ず、ST131として受信した商品貸出コマンドから会員コードを取得し、この会員コードを検索キーとして会員データベース103を検索する。その結果、会員データベース103から検索キーと一致する会員コードを含む会員データレコードを検出したならば(ST132のYES)、制御部10は、ST133としてその会員データレコードからカゴDBNoを取得する。
【0071】
次に、制御部10は、ST134として受信した商品貸出コマンドの情報に基づき商品コード,商品名,貸出期間,返却期限及び価格からなる貸出商品レコードを作成する。そしてこの貸出商品レコードを、買物カゴデータベース105に記憶された各買物カゴテーブルT2のうち、ST133の処理で取得したカゴDBNoの買物カゴテーブルT2に追加登録する。
【0072】
次に、制御部10は、ST135として受信した商品貸出コマンドに含まれる商品コードで商品データベース101を検索し、当該商品コードを含む商品データレコードの貸出状況データを「買物カゴ」と変更する。しかる後、ST136として貸出商品レコードが追加登録された買物カゴテーブルT2の内容(買物カゴ情報)を、コマンド送信元の携帯電話3に返信する。
【0073】
携帯電話3の制御部30は、商品貸出コマンドを送信後、応答を待機する。そして、店舗管理サーバ1から買物カゴ情報の応答があったならば(ST342のYES)、制御部30は、ST343として表示部33に買物カゴ画面G4を表示させる。
【0074】
上記買物カゴ画面G4の一表示例を図27(d)に示す。図示するように、買物カゴ画面G4には、店舗管理サーバ1から受信した買物カゴ情報に含まれる貸出商品の商品名及び貸出期間を一覧とした貸出商品リストL1と、貸出料金の合計金額と、「メニュー」ボタンB7、「決済」ボタンB8及び「キャンセル」ボタンB9とが表示される。また、貸出商品リストL1には、各貸出商品に対応して、当該商品に対するセキュリティが未だ解除されていないことを示す鍵閉マークM1が表示されている。
【0075】
ここで、キー入力部34の操作によって「メニュー」ボタンB7が選択入力された場合には(ST344のYES)、制御部30は、表示部33の画面をメニュー画面G1に戻す。
【0076】
一方、「決済」ボタンB8が選択入力された場合には(ST346のYES)、制御部30は、決済問合せコマンドを作成し、ネットワーク4を通じて店舗管理サーバ1に送信する。この決済問合せコマンドには、エリアA1内の会員コードが含まれる。
【0077】
店舗管理サーバ1の制御部10は、上記決済問合せコマンドを受信すると、図22の流れ図に示す処理を実行する。先ず、ST141として受信した決済問合せコマンドから会員コードを取得し、この会員コードを検索キーとして会員データベース103を検索する。その結果、会員データベース103から検索キーと一致する会員コードを含む会員データレコードを検出したならば(ST142のYES)、制御部10は、ST143としてその会員データレコードから決済情報とカゴDBNoとを取得する。
【0078】
次に、制御部10は、ST144として買物カゴデータベース105を検索して、取得したカゴDBNoがセットされている買物カゴテーブルT2を読み出す。そして、この買物カゴテーブルT2から全貸出商品の価格を合計して決済金額を算出する。
【0079】
次に、制御部10は、ST145としてこの決済金額について会員データレコードから取得した決済情報で決済可能か否かを判断する。そして、決済可能である場合には、ST146として決済処理を行う(決済処理手段)。例えば、決済情報がクレジットカード情報であった場合には、そのクレジットカード情報でクレジットカード会社に問合せを行い、決済が可能であるか否かを判断する。決済が可能な場合、すなわちクレジットカード会社から許諾応答があった場合には、決済金額をクレジット金額として引き落とす処理を行う。また、決済情報がプリペイド金額であった場合には、そのプリペイド金額と決済金額とを比較して、決済が可能であるか否かを判断する。決済が可能な場合、すなわちプリペイド金額が決済金額以上残っている場合には、そのプリペイド金額から決済金額を減額する処理を行う。
【0080】
次に、制御部10は、ST147としてこの買物カゴテーブルT2から商品貸出レコードを1レコードずつ取得する。そして、1レコードを取得する毎に、制御部10は、ST148としてそのレコード中の商品コードで商品データベース101を検索し、この商品コードがセットされた商品データレコードに、返却期限と貸出会員のデータをセットする。また、ST149として貸出状況のデータを「貸出中」に変更する。さらに、ST150として持出禁止フラグを“0”に解除する(持出禁止解除手段)。
【0081】
制御部10は、買物カゴテーブルT2から商品貸出レコードを1レコード取得する毎に、上記ST147〜ST150の各処理を繰返し実行する。そして、次の貸出商品レコードがないことを確認したならば(ST151のYES)、制御部10は、ST152として決済問合せコマンドから取得した会員コードで会員別履歴データベース104を検索し、この会員コードがセットされた貸出履歴テーブルT1に、上記買物カゴテーブルT2の内容を追加する。このとき、返却フラグは、未返却を示す情報とする。
【0082】
しかる後、制御部10は、ST153として決済完了応答をコマンド送信元の携帯電話3に送信する。なお、ST145の処理で決済不能と判断された場合には、制御部10は、ST154として決済不可応答をコマンド送信元の携帯電話3に送信する。
【0083】
携帯電話3の制御部30は、決済問合せコマンドを送信後、応答を待機する。そして、店舗管理サーバ1から決済完了応答を受信した場合には(ST348のYES)、制御部30は、ST349として表示部33に貸出完了画面G5を表示する。
【0084】
上記貸出完了画面G5の一表示例を図27(e)に示す。図示するように、貸出完了画面G5には、貸出商品リストL2と、「終了」ボタンB10とが表示される。貸出商品リストL2は、各貸出商品に対応して表示されていた鍵閉マークM1が、セキュリティが解除されたことを示す鍵開マークM2に変更されている。
【0085】
ここで、キー入力部34の操作によって「終了」ボタンB10が選択入力された場合には(ST350のYES)、制御部30は、ST351として終了コマンドを生成し、ネットワーク4を通じて店舗管理サーバ1に送信する。この終了コマンドには、エリアA1内の会員コードが含まれる。
【0086】
店舗管理サーバ1の制御部10は、上記終了コマンドを受信すると、図23の流れ図に示す処理を実行する。先ず、ST161として受信した終了コマンドから会員コードを取得し、この会員コードを検索キーとして会員データベース103を検索する。その結果、会員データベース103から検索キーと一致する会員コードを含む会員データレコードを検出したならば(ST162のYES)、制御部10は、ST163としてその会員データレコードからカゴDBNoとを取得する。
【0087】
次に、制御部10は、ST164として買物カゴデータベース105を検索して、取得したカゴDBNoがセットされている買物カゴテーブルT2を読み出す。ここで、買物カゴテーブルT2に貸出商品レコードが記憶されていた場合には(ST164のYES)、制御部10は、ST165としてその全ての貸出商品レコードの商品コードで商品データベース101を検索し、対応する貸出状況のデータが全て「貸出中」に変更されているか否かをチェックする。その結果、全て「貸出中」に変更されていた場合(ST166のYES)、あるいは、読み出した買物カゴテーブルT2に貸出商品レコードがセットされていなかった場合(ST164のNO)には、制御部10は、ST167としてコマンド送信元の携帯電話3に終了許可応答を返信する。しかる後、ST168として終了コマンドから取得した会員コードがセットされている会員データレコードからカゴDBNoをクリアする。また、ST169として買物カゴデータベース105からそのカゴDBNoの買物カゴテーブルT2を削除する。
【0088】
なお、商品データベース101を検索した結果、少なくとも1つの貸出商品に対する貸出状況データが「貸出中」でなかった場合には、制御部10は、ST170としてコマンド送信元の携帯電話3に終了不可応答を返信するものとなっている。
【0089】
携帯電話3の制御部30は、終了コマンドを送信後、店舗管理サーバ1からの応答を待機する。そして、終了許可応答を受信したならば(ST352のYES)、制御部30は、ST353としてデータ記憶部31に記憶した店舗コードをクリアする。また、ST354として表示部33の画面を消去して、貸出決済プログラムP1を終了させるものとなっている。
【0090】
なお、携帯電話3の制御部30は、ST321の処理で撮像部35を起動したが、一定時間を経過しても二次元データコードを読み取れなかったときには(ST334のYES)、撮像部35を停止して(ST335)、画面をメニュー画面G1に戻す。
【0091】
また、ST326の処理で商品問合せコマンドを店舗管理サーバ1に送信したが、商品情報の応答を受信できなかった場合には(ST327のNO)、制御部30は、ST336として、表示部33に図27の(f)で示すような貸出不可画面G6を表示させる。そして、キー入力部34の操作入力により貸出不可画面G6の「OK」ボタンB11が操作入力されたならば(ST337のYES)、制御部30は、画面をメニュー画面G1に戻す。
【0092】
同様に、ST328の処理で表示された商品情報画面G2から「メニュー」ボタンB4が操作入力された場合(ST338のYES)、及びST3328の処理で表示された料金情報画面G3から取消の指示入力があった場合(ST339のYES)も、制御部30は、画面をメニュー画面G1に戻す。
【0093】
このメニュー画面G1を表示している状態において、「買物カゴ」ボタンB2が操作入力された場合には(ST309のYES)、制御部30は、図15のST361の処理に進む。すなわち、買物カゴ問合せコマンドを生成し、ネットワーク4を通じて店舗管理サーバ1に送信する。この買物カゴ問合せコマンドには、エリアA1内の会員コードが含まれる。
【0094】
店舗管理サーバ1の制御部10は、上記買物カゴ問合せコマンドを受信すると、図24の流れ図に示す処理を実行する。先ず、ST171として受信した買物カゴ問合せコマンドから会員コードを取得し、この会員コードを検索キーとして会員データベース103を検索する。その結果、会員データベース103から検索キーと一致する会員コードを含む会員データレコードを検出したならば(ST172のYES)、制御部10は、ST173としてその会員データレコードからカゴDBNoを取得する。しかる後、制御部10は、ST174として取得したカゴDBNoの買物カゴテーブルT2に記憶されている情報を読出し、コマンド送信元の携帯電話3に返信する。
【0095】
携帯電話3の制御部30は、買物カゴ問合せコマンドを送信後、応答を待機する。そして、店舗管理サーバ1から買物カゴ情報の応答があったならば(ST362のYES)、制御部30は、ST343の処理に進む。すなわち、表示部33に買物カゴ画面G4を表示させる。
【0096】
この買物カゴ画面G4を表示している状態において、「キャンセル」ボタンB2が操作入力された場合には(ST345のYES)、制御部30は、図16のST371の処理に進む。すなわち、表示部33にキャンセル画面G7を表示させる。
【0097】
上記キャンセル画面G7の一表示例を図27(g)に示す。図示するように、キャンセル画面G7には、買物カゴ画面G4のリストL1にキャンセル商品選択用のチェックボックスが付加されたリストL3と、「キャンセル」ボタンB12及び「全てキャンセル」ボタンB13とが表示される。
【0098】
ここで、キー入力部34の操作によって「キャンセル」ボタンB12が選択入力された場合には(ST374のYES)、制御部30は、ST374としてキャンセル対象商品が選択されているか否かを判断する。すなわち、リストL3のチェックボックスにチェックが付されているか否かを判断する。チェックが付されていない場合には、キャンセル対象商品の選択無しに「キャンセル」ボタンB12が入力操作されたので、制御部30は、キャンセルが取消されたものとみなす。そして、前記ST361の処理に進み、買物カゴ問合せコマンドを店舗管理サーバ1に送信する。
【0099】
リストL3のチェックボックスにチェックが付されていた場合には、キャンセル対象商品が選択されているので(ST374のYES)、制御部30は、ST375として選択取消コマンドを作成し、店舗管理サーバ1に送信する。この選択取消コマンドには、キャンセル対象商品として選択された商品の商品コードと、エリアA1内の会員コードとが含まれる。
【0100】
店舗管理サーバ1の制御部10は、上記選択取消コマンドを受信すると、図25の流れ図に示す処理を実行する。先ず、ST181として受信した選択取消コマンドから会員コードを取得し、この会員コードを検索キーとして会員データベース103を検索する。その結果、会員データベース103から検索キーと一致する会員コードを含む会員データレコードを検出したならば(ST182のYES)、制御部10は、ST183としてその会員データレコードからカゴDBNoを取得する。
【0101】
次に、制御部10は、ST184として買物カゴデータベース105を検索して、取得したカゴDBNoがセットされている買物カゴテーブルT2を読み出す。そして、この買物カゴテーブルT2に、受信した選択取消コマンドに含まれる商品コード、すなわち選択取消対象商品の商品コードを含む貸出商品レコードが記憶されているか否かを判断する。そして記憶されている場合には(ST185のYES)、制御部10は、ST186としてその取消対象商品の商品コードで商品データベース101を検索して、その商品コードを含む商品データレコードの貸出状況データを「未貸出」とする。また、ST187として買物カゴテーブルT2から取消対象商品の商品コードを含む貸出商品レコードを削除する。しかる後、制御部10は、ST188としてキャンセル完了応答をコマンド送信元の携帯電話3に返信する。
【0102】
携帯電話3の制御部30は、選択取消コマンドを送信後、店舗管理サーバ1からの応答を待機する。そして、キャンセル完了応答を受信したならば(ST376のYES)、表示部33にキャンセル完了画面G8を表示させる。
【0103】
上記キャンセル完了画面G8の一表示例を図27(h)に示す。図示するように、キャンセル完了画面G8には、客セルが終了したことを示すメッセージとともに、「買物カゴ」ボタンB14が表示される。
【0104】
ここで、キー入力部34の操作によって「買物カゴ」ボタンB14が選択入力された場合には(ST378のYES)、制御部30は、前記ST361の処理に進み、買物カゴ問合せコマンドを店舗管理サーバに送信する。
【0105】
一方、キャンセル画面G7を表示している状態において、キー入力部34の操作により「全てキャンセル」ボタンB13が選択入力された場合には(ST372のYES)、制御部30は、ST379として一括取消コマンドを作成し、店舗管理サーバ1に送信する。この一括取消コマンドには、エリアA1内の会員コードが含まれる。
【0106】
店舗管理サーバ1の制御部10は、上記一括取消コマンドを受信すると、図26の流れ図に示す処理を実行する。先ず、ST191として受信した一括取消コマンドから会員コードを取得し、この会員コードを検索キーとして会員データベース103を検索する。その結果、検索キーと一致する会員コードを含む会員データレコードを会員データベース103から検出したならば(ST192のYES)、制御部10は、ST193としてその会員データレコードからカゴDBNoを取得する。
【0107】
次に、制御部10は、ST194として買物カゴデータベース105を検索して、取得したカゴDBNoがセットされている買物カゴテーブルT2を読み出す。そして、この買物カゴテーブルT2にセットされている貸出商品レコードを選択取消対象商品のレコードとして抽出する。そして制御部10は、ST195としてその全ての取消対象商品の商品コードで商品データベース101を検索して、その商品コードを含む商品データレコードの貸出状況データを全て「未貸出」とする。また、ST196として買物カゴテーブルT2から全ての貸出商品レコードを削除する。しかる後、制御部10は、ST197としてキャンセル完了応答をコマンド送信元の携帯電話3に返信する。
【0108】
携帯電話3の制御部30は、一括取消コマンドを送信後、応答を待機する。そして、店舗管理サーバ1からキャンセル完了応答を受信したならば(ST376のYES)、表示部33にキャンセル完了画面G8を表示させる。ここで、キー入力部34の操作によって「買物カゴ」ボタンB14が選択入力された場合には(ST378のYES)、制御部30は、前記ST361の処理に進み、買物カゴ問合せコマンドを店舗管理サーバ1に送信する。
【0109】
一方、メニュー画面G1が表示されている状態において、「終了」の指示入力が行われた場合には(ST310のYES)、制御部30は、ST311として前記終了コマンドを店舗管理サーバ1に送信する。
【0110】
この終了コマンドを受信した店舗管理サーバ1の制御部10は、前述した図23の処理を実行する。
【0111】
そこで、終了コマンドを送信した制御部30は、応答を待機する。そして、店舗管理サーバ1から終了許可応答を受信したならば(ST312のYES)、制御部30は、ST313としてデータ記憶部31に記憶していた店舗コードをクリアする。また、ST314として表示部33の画面を消去して、貸出決済プログラムP1を終了させる。
【0112】
他方、店舗管理サーバ1から終了不可応答を受信した場合には、制御部30は、ST315として表示部33に未決済の商品があることを示すメッセージを「OK」ボタンとともに表示させる。そして、「OK」ボタンが入力されたならば(ST317のYES)、制御部30は、画面をメニュー画面G1に戻す。
【0113】
このような作用により、会員は、レンタルショップに入ると、先ず、自身の携帯電話3を会員用端末5に近づける。そうすると、携帯電話3と会員用端末5との間で近距離無線通信が行われて、携帯電話3の会員コードが会員用端末5に送信される。これにより、会員用端末5から店舗管理サーバ1に会員問合せコマンドが送信され、当該会員に対する新規の買物カゴテーブルT2が作成される。また、携帯電話3には、当該ショップの店舗コードが記憶される。また、携帯電話3は、店舗管理サーバ1との回線接続が図られ、回線が接続されると、携帯電話の表示部33にメニュー画面G1が表示される。
【0114】
そこで会員は、借入したい商品Mを見つけると、メニュー画面G1の「コード読取」ボタンB1を入力操作する。そうすると、携帯電話3の撮像部35が起動するので、その借入商品Mに付されている二次元データコードm1を撮像部35で読み取る。そうすると、この二次元データコードm1がデコードされて、当該商品Mの商品コードmがデコードされ、この商品コードを含む商品問合せコマンドが店舗管理サーバ1に送信される。
【0115】
店舗管理サーバ1では、商品データベース101が検索され、当該商品Mの商品名を含む商品情報応答が返信される。かくして、携帯電話3の表示部33に商品情報画面G2が表示されるので、会員は、商品Mの内容を確認する。そして、借り入れを決めた場合には、商品情報画面G2の「借入」ボタンB3を操作入力する。そうすると、料金問合せコマンドが店舗管理サーバ1に送信される。
【0116】
これにより、店舗管理サーバ1からは料金情報応答が返信され、携帯電話3の表示部33に料金情報画面G3が表示される。そこで会員は、借入商品Mの貸出期間を決定し、画面G3上の貸出期間に対応したボタンB5またはB6を操作入力する。そうすると、商品貸出コマンドが店舗管理サーバ1に送信される。
【0117】
これにより、店舗管理サーバ1では当該会員に対する買物カゴテーブルT2に、当該借入商品Mに対する貸出商品レコードが記憶される。そして、この買物カゴテーブルT2の情報が返信されて、携帯電話3の表示部33に買物カゴ画面G4が表示される。
【0118】
その後、会員は、別の借入商品があった場合には、買物カゴ画面G4の「メニュー」ボタンB7を操作入力する。そうすると、表示部33の画面がメニュー画面G1に戻るので、上記と同様な操作を繰り返す。
【0119】
こうして、借入商品の情報入力を全て終了したならば、会員は、買物カゴ画面G4の「決済」ボタンB8を操作入力する。そうすると、決済問合せコマンドが店舗管理サーバ1に送信される。
【0120】
これにより、店舗管理サーバ1では当該会員の決済情報を元に決済処理が実行される。そして、決済が完了したならば、決済完了応答が携帯電話3に送信され、携帯電話3の表示部33に貸出完了画面G5が表示される。
【0121】
また、店舗管理サーバ1では、当該会員に対する買物カゴテーブルT2の内容が当該会員の貸出履歴テーブルT1に移される。また、商品データベース101において、当該会員が借り入れた全ての商品の商品データレコードに、返却期限と貸出会員の会員コードとがセットされる。さらに同商品データレコードの貸出状況データが「貸出中」に変更されるとともに、持出禁止フラグが禁止状態“1”から持出許可状態“0”に解除される。
【0122】
貸出完了画面G5を確認した会員は、「終了」ボタンB10を操作入力する。そうすると、画面が消去され、貸出決済プログラムP1が終了するので、会員は店を出る。
【0123】
以上で、会員が自身の携帯電話3を使用して借入商品の情報を入力し、借入代金の決済を行うまでの作用の説明を終了する。
次に、決済を終えた会員が店を出るまでの作用について、図28及び図29を用いて説明する。
【0124】
図28は、無線タグ認識装置7の制御部70が実行する主要な制御手順を示す流れ図である。すなわち制御部70は、ST701として一対のゲート式アンテナ7A,7Bにより無線タグm2が検出されるのを待機している。そして、無線タグm2が検出されたならば、ST702としてその無線タグのメモリデータから商品コードを取得する。そして、ST703としてこの商品コードを含む貸出問合せコマンドを作成し、ネットワーク4を介して店舗管理サーバ1に送信する。
【0125】
店舗管理サーバ1の制御部10は、上記貸出問合せコマンドを受信すると、図29の流れ図に示す処理を実行する。先ず、ST201として受信した貸出問合せコマンドから商品コードを取得し(コード取得手段)、この商品コードを検索キーとして商品データベース101を検索する。そして、商品データベース101から検索キーと一致する商品コードがセットされた商品データレコードを検出したならば(ST202のYES)、制御部10は、ST203としてその商品データレコードの持出禁止フラグをチェックする(持出判定手段)。
【0126】
ここで、持出禁止フラグが“0”に解除されていた場合には、制御部10は、特に応答を返すことなく、今回の処理を終了する。これに対し、持出禁止フラグが“0”に解除されていなかった場合、すなわち”1”の持出禁止状態であった場合には、制御部10は、ST204としてその商品データレコードから貸出状況データを取得する。そして、この貸出状況データを含む持出不可応答を、コマンド送信元の無線タグ認識装置7に送信する(警告手段)。
【0127】
無線タグ認識装置7の制御部70は、貸出問合せコマンドを送信した後、ST704として店舗管理サーバ1から持出禁止応答を受信したか否かを判断する。持出禁止応答を受信しなかった場合には、ST701に戻り、次の無線タグm2を検出するのを待機する。
【0128】
これに対し、持出禁止応答を受信した場合には、制御部70は、ST705としてその持出禁止応答に含まれる貸出状況データを判別する。そして、貸出状況データが「買物カゴ」であった場合には、貸出入力を行って買物カゴに入れた貸出商品の決済を終了していないユーザが店の出入口を通過しようとしたので、制御部70は、ST706として警報装置8に対して決済忘れの警告を発するように通知する。一方、貸出状況データが「未貸出」であった場合には、貸出入力をしていない商品を持って人が店の出入口を通過しようとしたので、制御部70は、ST707として警報装置8に対して未決済商品所持を警告するように通知する。その後、制御部70は、ST701に戻り、次の無線タグm2を検出するのを待機する。
【0129】
前出したように、借入商品Mの決済を終えた会員は、借入商品Mを持って店を出る。このとき、ゲート式アンテナ7A,7Bが設置されている出入口通路を通るので、借入商品Mに付されている無線タグm2が無線タグ認識装置7によって認識される。そうすると、この無線タグm2のメモリに記憶されているデータ、すなわち当該借入商品Mの商品コードを含む貸出問合せコマンドが無線タグ認識装置7から店舗管理サーバ1に送信される。
【0130】
これにより、店舗管理サーバ1では商品データベース101が検索されて、当該借入商品Mの商品データレコードに含まれている持出禁止フラグがチェックされる。ここで、当該借入商品Mの決済が完了している場合には、持出禁止フラグは“0”に解除されているので、警告が発せされることはない。
【0131】
ところが、例えば会員が決済操作を忘れて店を出ようとした場合には、持出禁止フラグは“0”に解除されていないので、警報装置8から警告が発せされる。この場合、当該商品の商品データレコードに含まれている貸出状況データは「買物カゴ」であるので、決済忘れを報知する警告が発せられる。
【0132】
一方、商品Mの情報を携帯電話3から入力することもなく客(会員でない場合も考えられる)が商品Mを持って店から出ようとした場合には、その商品Mの貸出状況データは「未決済」であるので、未決済商品保持、いわゆる万引を報知する警告が発せられる。
【0133】
以上で、決済を終えた会員が店を出るまでの作用の説明を終了する。
次に、会員から商品の返却を受けたときの作用について、図30,図31を用いて説明する。
図30は、店員用端末6における制御部60の返却登録業務選択時の主要な処理手順を示す流れ図である。すなわち制御部60は、キー入力部63の操作入力により返却登録業務が選択されると、ST601として携帯電話3と近距離無線通信により接続されるのを待機している。そして、無線通信部68を介して携帯電話3と近距離無線通信が確立されたならば、制御部60は、ST602としてその携帯電話3に対して会員コードの要求コマンドを無線送信する。このコマンドに応答して携帯電話3から会員データを受信すると(ST603のYES)、制御部60は、ST604としてその会員コードを記憶部61に一時記憶する。
【0134】
次に、制御部60は、ST605として商品コードが読み取られるのを待機する。そして、スキャナ部64を介して商品Mに付されている二次元データコードm1が読み取られたならば、制御部60は、その二次元データコードm1から商品コードを取得する。そして、この商品コードと、記憶部61に記憶した会員コードとを含む返却問合せコマンドを作成して、ネットワーク4を介して店舗管理サーバ1に送信する。
【0135】
店舗管理サーバ1の制御部10は、上記返却問合せコマンドを受信すると、図31の流れ図に示す処理を実行する。先ず、ST211として受信した返却問合せコマンドから会員コードと商品コードを取得する。そして、会員別履歴データベース104に記憶されている会員別貸出履歴テーブルT1のなかから、取得した会員コードがセットされている貸出履歴テーブルT1を検索する。そして、取得した商品コードを含む貸出履歴レコードの有無を判別する。
【0136】
ここで、該当する貸出履歴レコードが記憶されていたならば(ST212のYES)、制御部10は、ST213としてその貸出履歴レコードの返却フラグを、返却済を示す“1”にセットする。
【0137】
次に、制御部10は、ST214としてその貸出履歴レコードの返却期限が切れているか否かを判断する。返却期限の日付が時計部16で計時されている現在日付よりも過去の日付であった場合には、返却期限が切れているので、制御部10は、ST215としてその期限切れの日数を算出し、その日数分の延滞料金を算出する。
【0138】
しかる後、制御部10は、ST216として返却許諾応答をコマンド送信元の店員用端末6に返信する。このとき、返却期限が切れていた場合には、ST215の処理で算出した延滞料金のデータを上記返却許諾応答に含ませる。
【0139】
その後、制御部10は、ST217としてその貸出履歴レコードの商品コードを検索キーとして商品データベース101を検索し、検索キーとしての商品コードがセットされた商品データレコードから返却期限及び貸出会員コードのデータをクリアする。また、ST218としてこの商品データレコードの貸出状況のデータを「未貸出」に変更する。さらに、この商品データレコードの持出禁止フラグを“1”に再設定する。
【0140】
店員用端末6の制御部60は、返却問合せコマンドを送信後、応答を待機する。そして、店舗管理サーバ1から返却許諾応答を受信したならば(ST608のYES)、制御部60は、ST609としてその応答に延滞料金データが含まれているか否かを判断する。そして、含まれている場合には、その延滞料金データを記憶部61で記憶する。
【0141】
次に、制御部60は、ST610として締め入力が行われたか否かを判断する。締め入力が行われていない場合には、ST605に戻り、次の商品コードが入力されるのを待機する。
【0142】
キー入力部63の操作入力により締め入力が行われた場合には、1人の客が借りた商品の返却登録が終了したので、制御部60は、ST611として記憶部61で記憶している延滞料金の合計を算出する。そして、延滞料金が発生していた場合には(ST612のYES)、制御部60は、ST612としてこの延滞料金の支払受付処理を実行する。キー入力部63の操作入力により客から延滞料金の支払いを受けたことを確認するか、延滞料金が発生していなかった場合には(ST612のNO)、制御部60は、表示部62に返却終了のメッセージを表示させる。以上で、一人の客からの商品返却業務を終了する。
【0143】
このように、店員は会員から借入商品Mの返却を受けると、先ず、この会員の携帯電話3を店員用端末6にかざしてもらう。そうすると、この携帯電話3から会員コードを取得できるので、次に、返却された商品Mの二次元データコードm1をスキャナ部64でスキャニングする。そうすると、この二次元データコードm1から返却商品Mに付されている商品コードがデコードされ、この商品コードと当該会員の会員コードとを含む返却問合せコマンドが店舗管理サーバ1に送信される。
【0144】
店舗管理サーバ1では、会員別履歴データベース104が検索され、当該会員の貸出履歴テーブルT1から返却のあった商品の貸出履歴レコードが返却済のレコードに更新される。また、返却のあった商品Mの商品データレコードから返却期限及び貸出会員の会員コードがクリアされる。さらに、同商品データレコードの貸出状況データが「未貸出」に変更されるとともに、持出禁止フラグが持出禁止状態の“1”にセットされる。すなわち、貸出前の状態に戻る。
【0145】
このように本実施の形態によれば、会員であるユーザ自身が携帯電話3を利用してレンタルショップから借り入れる商品Mの情報入力及びその代金決済を完了できるので、商品貸出し業務の無人化を図ることができる。しかも、決済のし忘れや万引があった場合には、ユーザが店を出る際に警告が発せられるので、このような不正を確実に阻止できる効果も奏する。
【0146】
なお、この発明は前記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0147】
例えば、前記実施の形態では、各商品Mに二次元データコードm1を付し、携帯電話3の撮像部35を利用したコード読取機能により上記二次元データコードm1を読み取るようにしたが、二次元データコードm1の代わりにバーコードを付し、同じくコード読取機能により上記バーコードを読み取るようにしてもよい。
【0148】
また、携帯電話3に無線タグのデータを認識する装置を付加することによって、二次元データコードm1やバーコードを読み取る代わりに、商品に付された無線タグm2の情報を非接触で読み取るようにしてもよい。こうすることにより、商品Mから二次元データコードやバーコードを省略することができる。
【0149】
また、本発明はレンタルショップだけでなく、図書館でも適用することができる。ただし、図書館の場合は、貸出の際に料金が発生しない上、貸出期間の一定なので、例えば携帯電話3は、商品情報画面G3の「借入」ボタンB3が入力されると、決済問合せコマンドと同等のコマンドを店舗管理サーバ1に送信するようにしてもよい。こうすることにより、ユーザが借り入れる書籍等の持出禁止フラグが“0”に解除されるので、ユーザが書籍等をもって店を出ようとしても警告が発せられることはない。逆に、書籍等を万引きしようとして図書館を出ようとした場合には警告が発せられるので、万引きを未然に防止することができる。
【0150】
また、前記実施の形態では、店舗管理サーバ1に各種データベース101〜105を設けたが、店舗システム2の店舗内LAN9に大容量記憶装置とそのドライブ装置を接続し、大容量記憶装置にこれらのデータベースを記憶保持する。そして、会員用端末5,店員用端末6及び無線タグ認識装置7がそれぞれ上記大容量記憶装置内のデータベースを適時参照して、店舗管理サーバ1と同様の受信コマンド処理機能を実行するように構成してもよい。こうすることにより、店舗管理サーバ1を省略することができ、1店舗だけの閉鎖的なシステムを構築することができる。
【0151】
また、本実施の形態では携帯電話3と店舗管理サーバ1に発明を実施する機能(プログラム)が予め記録されている場合で説明をしたが、これに限らず同様の機能をネットワークから装置にダウンロードしても良いし、同様の機能を記録媒体に記憶させたものを装置にインストールしてもよい。記録媒体としては、CD−ROM等プログラムを記憶でき、かつ装置が読み取り可能な記録媒体であれば、その形態は何れの形態であっても良い。またこのように予めインストールやダウンロードにより得る機能は装置内部のOS(オペレーティング・システム)等と協働してその機能を実現させるものであってもよい。
【0152】
この他、前記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組合せにより種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。さらに、異なる実施形態に亘る構成要素を組合わせてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0153】
【図1】本発明の一実施の形態における物品持出管理システムの概要図。
【図2】同実施の形態における商品データベースのデータ構造を示す模式図。
【図3】同実施の形態における料金データベースのデータ構造を示す模式図。
【図4】同実施の形態における会員データベースのデータ構造を示す模式図。
【図5】同実施の形態における会員別履歴データベースのデータ構造を示す模式図。
【図6】同実施の形態における買物カゴデータベースのデータ構造を示す模式図。
【図7】同実施の形態における携帯電話の要部構成を示すブロック図。
【図8】同実施の形態における会員用端末の要部構成を示すブロック図。
【図9】同実施の形態における店員用端末の要部構成を示すブロック図。
【図10】同実施の形態における無線タグ認識装置の要部構成を示すブロック図。
【図11】同実施の形態における店舗管理サーバの要部構成を示すブロック図。
【図12】同実施の形態において、携帯電話の制御部が実行する主要な制御処理手順を示す流れ図。
【図13】図12のST308において、「コード読取」ボタンが入力された後の制御部の主要な制御処理手順を示す流れ図。
【図14】図13のST333において、「貸出期間」ボタンが入力された後の制御部の主要な制御処理手順を示す流れ図。
【図15】図12のST309において、「買物カゴ」ボタンが入力された後の制御部の主要な制御処理手順を示す流れ図。
【図16】図14のST345において、「キャンセル」ボタンが入力された後の制御部の主要な制御処理手順を示す流れ図。
【図17】同実施の形態において、会員用端末の制御部が実行する主要な制御処理手順を示す流れ図。
【図18】同実施の形態において、店舗管理サーバの制御部が実行する会員問合せコマンド受信処理の要部を示す流れ図。
【図19】同実施の形態において、店舗管理サーバの制御部が実行する商品問合せコマンド受信処理の要部を示す流れ図。
【図20】同実施の形態において、店舗管理サーバの制御部が実行する料金問合せコマンド受信処理の要部を示す流れ図。
【図21】同実施の形態において、店舗管理サーバの制御部が実行する商品貸出コマンド受信処理の要部を示す流れ図。
【図22】同実施の形態において、店舗管理サーバの制御部が実行する決済問合せコマンド受信処理の要部を示す流れ図。
【図23】同実施の形態において、店舗管理サーバの制御部が実行する終了コマンド受信処理の要部を示す流れ図。
【図24】同実施の形態において、店舗管理サーバの制御部が実行する買物カゴ問合せコマンド受信処理の要部を示す流れ図。
【図25】同実施の形態において、店舗管理サーバの制御部が実行する選択取消コマンド受信処理の要部を示す流れ図。
【図26】同実施の形態において、店舗管理サーバの制御部が実行する一括取消コマンド受信処理の要部を示す流れ図。
【図27】同実施の形態において、携帯電話の表示部に表示される各種画面の一例を示す模式図。
【図28】同実施の形態において、無線タグ認識装置の制御部が実行する主要な制御処理手順を示す流れ図。
【図29】同実施の形態において、店舗管理サーバの制御部が実行する貸出問合せコマンド受信処理の要部を示す流れ図。
【図30】同実施の形態において、会員用端末の制御部が実行する返却登録業務処理の要部処理手順を示す流れ図。
【図31】同実施の形態において、店舗管理サーバの制御部が実行する返却問合せコマンド受信処理の要部を示す流れ図。
【符号の説明】
【0154】
1…店舗管理サーバ、3…携帯電話、4…ネットワーク、5…会員用端末、6…店員用端末、7…無線タグ認識装置、7A,7B…ゲート式アンテナ、8…警報装置、10,30,40,50,60,70…制御部、101…商品データベース、102…料金データベース、103…会員データベース、104…会員別履歴データベース、105…買物カゴデータベース、P1…貸出決済プログラム、P2…貸出管理プログラム。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
携帯型通信端末と、前記携帯型通信端末と通信が可能なサーバとを備え、
前記携帯型通信端末は、
持出対象の各物品にそれぞれ付された物品識別コードを入力するコード入力手段と、このコード入力手段を介して物品識別コードが入力されるとその物品識別コードにより識別される物品の特定情報を前記サーバに問合せる物品問合せ手段と、この物品問合せ手段による問合せに対して前記サーバから応答のあった物品特定情報を表示する表示手段と、この表示手段により表示された物品特定情報で特定される物品の持ち出しを宣言する持出宣言手段と、この持出宣言手段により持ち出しが宣言された物品を前記サーバに通知する持出宣言通知手段とを具備し、
前記サーバは、
前記各物品にそれぞれ付された物品識別コードに対応してその物品の特定情報とともに持出禁止状態を示す情報を記憶する物品情報記憶部と、前記携帯型通信端末からの問合せに対して前記物品情報記憶部を検索して問合せのあった物品の特定情報を読出し、問合せ元の前記携帯型通信端末に返信する情報応答手段と、前記携帯型通信端末からの持出宣言に対して前記物品情報記憶部を検索して持出宣言のあった物品の持出禁止状態を解除する持出禁止解除手段とを具備したことを特徴とする物品持出管理システム。
【請求項2】
前記各物品にそれぞれ付され、その付されている物品の物品識別コードを無線発信する無線タグと、前記無線タグから発信される物品識別コードを非接触で読み取る無線タグ認識装置とをさらに備え、
前記サーバは、
前記無線タグ認識装置で読み取られた物品識別コードを取得するコード取得手段と、このコード取得手段により取得した物品識別コードで前記物品情報記憶部を検索して当該物品識別コードに対応する物品の持出禁止状態が解除されているか否かを判定する持出判定手段と、この持出判定手段により前記持出禁止状態が解除されていないと判定されると警告を発する警告手段とをさらに具備したことを特徴とする請求項1記載の物品持出管理システム。
【請求項3】
前記サーバは、
前記物品毎に前記携帯型通信端末から特定情報の問合せ中か否かを識別する情報を記憶する状況記憶手段をさらに具備し、
前記警告手段は、前記持出禁止状態が解除されていないと判定された商品が特定情報の問合せ中か否かにより警告内容を異ならせることを特徴とする請求項2記載の物品持出管理システム。
【請求項4】
前記携帯型通信端末の持出宣言手段は、表示手段により表示された物品特定情報で特定される物品の決済を要求する手段を含み、
前記サーバは、前記携帯型通信端末からの持出宣言に対して該当する物品の持ち出しに要する代金を決済処理する手段を有することを特徴とする請求項1記載の物品持出管理システム。
【請求項5】
持出対象の各物品にそれぞれ付された物品識別コードを入力するコード入力手段及び物品の持ち出しを宣言する持出宣言手段を備えた携帯型通信端末と通信が可能なサーバにおいて、
前記各物品にそれぞれ付された物品識別コードに対応してその物品の名称等の特定情報とともに持出禁止状態を示す情報を記憶する物品情報記憶部と、前記携帯型通信端末からそのコード入力手段を介して入力された物品識別コードにより識別される商品の特定情報問合せに対して前記物品情報記憶部を検索して問合せのあった物品の特定情報を読出し、問合せ元の前記携帯型通信端末に返信する情報応答手段と、前記携帯型通信端末の持出宣言手段により物品の持ち出しが宣言されたことに応じて前記物品情報記憶部を検索して持出宣言のあった物品の持出禁止状態を解除する持出禁止解除手段とを具備したことを特徴とするサーバ。
【請求項6】
各物品にそれぞれ付されている無線タグからその物品の物品識別コードを非接触で読み取る無線タグ認識装置を接続し、
前記無線タグ認識装置で読み取られた物品識別コードを取得するコード取得手段と、このコード取得手段により取得した物品識別コードで前記物品情報記憶部を検索して当該物品識別コードに対応する物品の持出禁止状態が解除されているか否かを判定する持出判定手段と、この持出判定手段により前記持出禁止状態が解除されていないと判定されると警告を発する警告手段とをさらに具備したことを特徴とする請求項5記載のサーバ。
【請求項7】
前記物品毎に前記携帯型通信端末から特定情報の問合せ中か否かを識別する情報を記憶する状況記憶手段をさらに具備し、
前記警告手段は、前記持出禁止状態が解除されていないと判定された商品が特定情報の問合せ中か否かにより警告内容を異ならせることを特徴とする請求項6記載のサーバ。
【請求項8】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の物品管理システムに用いられる携帯型通信端末。
【請求項9】
請求項1乃至4のいずれか1項に記載の物品管理システムに用いられる携帯型通信端末として機能するコンピュータに実装され、このコンピュータを、
持出対象の各物品にそれぞれ付された物品識別コードの入力を受付ける手段と、前記物品識別コードが入力されるとその物品識別コードにより識別される物品の特定情報をサーバに問合せる手段と、前記サーバから応答のあった物品特定情報を表示部に表示させる手段と、表示された物品特定情報で特定される物品の持ち出し宣言を受付ける手段と、持ち出しが宣言された物品を前記サーバに通知する手段として機能させるためのプログラム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【公開番号】特開2008−269145(P2008−269145A)
【公開日】平成20年11月6日(2008.11.6)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−109412(P2007−109412)
【出願日】平成19年4月18日(2007.4.18)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】