説明

物品搬送設備

【課題】物品の搬送中に確実にバーコードを読み取ることができ、さらに搬送能力の低下を防止できる物品搬送設備を提供することを目的とする。
【解決手段】バーコードリーダ25の配置位置(X,Y)と、読取対象の物品11より1つ下流の物品11のエリアセンサにより検出された高さHに応じて、1つ下流の物品11と読取対象の物品11とに必要な最小距離(間隔)Kが求められ、この最小距離Kにより物品間隔制御が行われる。この最小距離Kにより先行する1つ下流の物品11によりバーコードリーダ25の光路が妨害されることなく、読取対象の物品11のバーコード24を正常に読み取ることができるとともに、物品11の間隔を、先行する1つ下流の物品11が最も背の高い物品の場合の間隔と比較して縮めることが可能となり、搬送能力を向上することができる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、物品を搬送する物品搬送設備、特に搬送中に前記物品のコードの読み取りを行う物品搬送設備に関するものである。
【背景技術】
【0002】
上記搬送中に前記物品のコードの読み取りを行う物品搬送設備の一例が、特許文献1に開示されている。
この物品搬送設備では、物品の搬送中にバーコード読取部により物品のバーコードを読み取り、読み取った結果に基づいて物品を仕分けるようにしている。前記バーコード読取部は、搬送コンベヤの上方及び両側部に配設された、複数の例えばXビーム方式のバーコードリーダからなるバーコードリーダ群から構成されており、物品の上面に付されたバーコードを2台の上面バーコードリーダによって読み取る一方で、物品の前面及び後面に付されたバーコードについては、上面バーコードリーダの物品搬送方向下流及び上流側にそれぞれ配設された2台の前面バーコードリーダ及び後面バーコードリーダによって読み取っている。
【特許文献1】特開2001−233439号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかし、物品の前面または後面に付されたバーコードを、物品搬送方向下流及び上流側にそれぞれ配設されたバーコードリーダに読み取るには、前後に搬送される物品にて読取対象の物品のバーコードが隠れないように、物品の間隔を広げる必要があり、広げると搬送能力が低下するという課題があった。この課題を図8を参照しながら説明する。
【0004】
図8(a)に示すように、バーコード読み取り位置に到達した物品51の前面のバーコード52を検出するために、搬送面53の物品搬送方向の斜め上方下流側にバーコードリーダ54を配置するとき、レーザスキャナのバーコードリーダ54の標準的な読取距離Lは、数センチから数十センチであり、またバーコードの読取可能角度(バーコードのバーの幅および間隔を読み取れる角度であり、正面から見て左右方向および上下方向から読み取り可能な角度)θも所定角度(例えば、45゜)以内に制限されることから、バーコードリーダ54は、読取距離Lは短くて済むように、バーコードの読取可能角度θの角度上方に配置される。読取距離Lが短い程、バーコードリーダ54は安価となる。
【0005】
このように配置されたバーコードリーダ54のとき、物品51間の間隔Aが狭いと、下流側に先行する物品51が背の高い物品51’の場合、この背の高い物品51’にバーコードリーダ54のレーザの光路が邪魔されて後続の物品51の前面に付されたバーコード52を読み取ることができず、よって最も背の高い物品51’が常に搬送されていると仮定し、仮想線で示す背の高い物品51’が搬送されてきても後続の物品51の前面に付されたバーコード52を読み取ることができる最も広い間隔Bを設定している。そして、このように広い間隔Bを常に必要とすると、物品51の搬送効率が低下するという課題が発生する。
【0006】
またバーコード読み取り位置に到達した物品51の前面に付されたバーコード52を、物品搬送方向の斜め横「側方」下流に配置されたバーコードリーダ54にて読み取る場合は、図8(b)に示すように、横幅(物品搬送方向とは直角な左右方向の幅)が最大である読取対象の物品(最大読取り幅の物品)51”の前面に付されたバーコード52が、下流側に先行する物品51’に隠れないように物品51’からの間隔Dが必要となる。よって、物品51,51’,51”を搬送する際、物品間隔を最も広い間隔Dに設定していた。このように、広い間隔Dを常に必要とすると、物品51,51’,51”の搬送効率を低下するという課題が発生する。なお、仮想線で示す横幅の狭い物品51がバーコード読み取り位置に到達してきても、この時点ではバーコードリーダ54はバーコード52を読み取ることはできず、この横幅の狭い物品51のバーコード52が、バーコードリーダ54のレーザの光路位置まで移動してきてはじめて読み取られる。
【0007】
そこで本発明は、物品の搬送中に確実にバーコードを読み取ることができ、さらに搬送能力の低下を防止できる物品搬送設備を提供することを目的としたものである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記した目的を達成するために、本発明の請求項1に記載の発明は、連続して物品を搬送する搬送手段を備えるとともに、前記搬送手段により前記物品を搬送中に、前記物品の搬送方向を向いた前面に取り付けられた符号を読み取る読取手段を備えた物品搬送設備であって、
前記読取手段を、前記符号の読み取り可能な上向きの読取可能角度、および前記読取手段の読取距離に基づいて、前記符号の読み取り位置の前記搬送方向下流、斜め上方に配置し、前記符号の読み取り位置より上流に、前記物品の高さを検出する高さ検出手段を設け、前記読取手段の配置位置と、読取対象の物品より1つ下流の物品の前記高さ検出手段により検出された高さに応じて、読取対象の物品が前記符号の読み取り位置に到達したときにこの物品の符号を読み取ることができる、この読取対象の物品とその1つ下流の物品との最小距離を求め、前記読取対象の物品より1つ下流の物品と、前記読取対象の物品との間隔を前記求めた最小距離に制御する物品間隔制御を行うことを特徴としたものである。
【0009】
上記構成によれば、符号が物品の前面に取り付けられ、この符号を読み取るために符号の読み取り位置の搬送方向下流、斜め上方に読取手段を配置するとき、読取対象の物品より1つ下流の物品の検出された高さにより、読取対象の物品が符号の読み取り位置に到達したときにこの物品の符号を読み取ることができる、前記1つ下流の物品との最小距離が求められ、前記1つ下流の物品と前記読取対象の物品との間隔が前記求めた最小距離に制御される。よって、読取対象の物品より1つ下流の物品により、読取手段により読取対象の物品の符号を読み取ることができなくなる状況を防ぐことができ、前記符号を正常に読み取ることができるとともに、搬送される物品の間隔を、1つ下流の物品が最も背が高い物品の場合と比較して縮めることが可能となり、搬送能力が向上する。
【0010】
また、請求項2に記載の発明は、連続して物品を搬送する搬送手段を備えるとともに、前記搬送手段により前記物品を搬送中に、前記物品の搬送方向とは反対を向いた後面に取り付けられた符号を読み取る読取手段を備えた物品搬送設備であって、
前記読取手段を、前記符号の読み取り可能な上向きの読取可能角度、および前記読取手段の読取距離に基づいて、前記符号の読み取り位置の前記搬送方向上流、斜め上方に配置し、前記符号の読み取り位置より上流に、前記物品の高さを検出する高さ検出手段を設け、前記読取手段の配置位置と、読取対象の物品より1つ上流の物品の前記高さ検出手段により検出された高さに応じて、読取対象の物品が前記符号の読み取り位置に到達したときにこの物品の符号を読み取ることができる、この読取対象の物品とその1つ上流の物品との最小距離を求め、前記読取対象の物品と、前記読取対象の物品より1つ上流の物品との間隔を、前記求めた最小に制御する物品間隔制御を行うことを特徴としたものである。
【0011】
上記構成によれば、符号が物品の後面に取り付けられ、この符号を読み取るために符号の読み取り位置の物品の搬送方向上流、斜め上方に読取手段を配置するとき、読取対象の物品より1つ上流の物品の検出された高さにより、読取対象の物品が符号の読み取り位置に到達したときにこの物品の符号を読み取ることができる、この読取対象の物品とその1つ上流の物品との最小距離が求められ、前記読取対象の物品と前記1つ上流の物品との間隔が、前記求めた最小距離に制御される。よって、読取対象の物品より1つ上流の物品により、読取手段により読取対象の物品の符号を読み取ることができなくなる状況を防ぐことができ、前記符号を正常に読み取ることができるとともに、搬送される物品の間隔を、1つ上流の物品が最も背が高い物品の場合と比較して縮めることが可能となり、搬送能力が向上する。
【0012】
また請求項3に記載の発明は、連続して物品を搬送する搬送手段を備えるとともに、前記搬送手段により前記物品を、搬送手段の一側端に幅寄せして搬送中に、前記物品の搬送方向を向いた前面に取り付けられた符号を読み取る読取手段を備えた物品搬送設備であって、
前記読取手段を、前記符号の読み取り可能な左右の向きの読取可能角度、および前記読取手段の読取距離、および前記搬送手段により搬送される、物品搬送方向とは直角な左右方向の物品の幅の最大値に基づいて、前記符号の読み取り位置の前記搬送方向下流、かつ前記物品を幅寄せした搬送手段の一側端の斜め側方に配置し、前記符号の読み取り位置より上流に、前記物品の幅を検出する幅検出手段を設け、前記読取手段の配置位置と、読取対象の物品の前記幅検出手段により検出された幅に応じて、読取対象の物品の1つ下流に位置する物品の後端が前記符号の読み取り位置を通過したとき、読取対象の物品の符号を前記読取手段により読み取ることができる、前記1つ下流に位置する物品と前記読取対象の物品の最小距離を求め、前記1つ下流に位置する物品と、前記読取対象の物品との間隔を、前記求めた最小距離に制御する物品間隔制御を行うことを特徴としたものである。
【0013】
上記構成によれば、符号が物品の前面に取り付けられ、この符号を読み取るために符号の読み取り位置の物品の搬送方向下流、かつ前記物品を幅寄せした搬送手段の一側端の斜め側方に読取手段を配置するとき、読取対象の物品の検出された幅により、読取対象の物品の1つ上流に位置する物品が符号の読み取り位置に到達したときに、読取対象の物品の符号を読み取ることができる、この読取対象の物品とその1つ下流の物品との最小距離が求められ、前記1つ下流の物品と前記読取対象の物品との間隔が、前記求めた最小距離に制御される。よって、読取対象の物品より1つ下流の物品により、読取手段により読取対象の物品の符号を読み取ることができなくなる状況を防ぐことができ、読取対象の物品の幅に応じて前記符号を正常に読み取ることができ、また搬送される物品の間隔を、読取対象の物品が最も幅が広い物品の場合と比較して縮めることが可能となり、搬送能力が向上する。
【0014】
また請求項4に記載の発明は、連続して物品を搬送する搬送手段を備えるとともに、前記搬送手段により前記物品を、搬送手段の一側端に幅寄せして搬送中に、前記物品の搬送方向とは反対を向いた後面に取り付けられた符号を読み取る読取手段を備えた物品搬送設備であって、
前記読取手段を、前記符号の読み取り可能な左右の向きの読取可能角度、および前記読取手段の読取距離、および前記搬送手段により搬送される、物品搬送方向とは直角な左右方向の物品の幅の最大値に基づいて、前記符号の読み取り位置の前記搬送方向上流、かつ前記物品を幅寄せした搬送手段の一側端の斜め側方に配置し、前記符号の読み取り位置より上流に、前記物品の幅を検出する幅検出手段を設け、前記読取手段の配置位置と、読取対象の物品の前記幅検出手段により検出された幅に応じて、読取対象の物品の1つ上流に位置する物品の前端が前記符号の読み取り位置を通過したとき、読取対象の物品の符号を前記読取手段により読み取ることができる、前記読取対象の物品と前記1つ上流に位置する物品との最小距離を求め、前記読取対象の物品と、前記1つ上流に位置する物品との間隔を、前記求めた最小距離に制御する物品間隔制御を行うことを特徴としたものである。
【0015】
上記構成によれば、符号が物品の後面に取り付けられ、この符号を読み取るために符号の読み取り位置の物品の搬送方向上流、斜め側方に読取手段を配置するとき、読取対象の物品の検出された幅により、読取対象の物品の1つ上流に位置する物品が符号の読み取り位置に到達したときに、読取対象の物品の符号を読み取ることができる、この読取対象の物品とその1つ上流の物品との最小距離が求められ、前記上流の物品と前記読取対象の物品との間隔が前記求めた最小距離に制御される。よって、前記1つ上流の物品により、読取手段により読取対象の物品の符号を読み取ることができなくなる状況を防ぐことができ、読取対象の物品の幅に応じて前記符号を正常に読み取ることができ、また搬送される物品の間隔を、読取対象の物品が最も幅が広い物品の場合と比較して縮めることが可能となり、搬送能力が向上する。
【0016】
また請求項5に記載の発明は、連続して物品を搬送する搬送手段を備えるとともに、前記搬送手段により前記物品を、搬送手段の一側端に幅寄せして搬送中に、前記物品の搬送方向を向いた前面に取り付けられた符号を読み取る読取手段を備えた物品搬送設備であって、
前記読取手段を、前記符号の読み取り可能な左右の向きの読取可能角度、および前記読取手段の読取距離、および前記搬送手段により搬送される、物品搬送方向とは直角な左右方向の物品の幅の最大値に基づいて、前記符号の読み取り位置の前記搬送方向下流、かつ前記物品を幅寄せした搬送手段の一側端とは逆の側端の斜め側方に配置し、前記符号の読み取り位置より上流に、前記物品の幅を検出する幅検出手段を設け、前記読取手段の配置位置と、読取対象の物品の1つ下流に位置する物品の前記幅検出手段により検出された幅に応じて、読取対象の物品の前端が前記符号の読み取り位置を通過したとき、読取対象の物品の符号を前記読取手段により読み取ることができる、前記1つ下流に位置する物品と前記読取対象の物品の最小距離を求め、前記1つ下流に位置する物品と、前記読取対象の物品との間隔を、前記求めた最小距離に制御する物品間隔制御を行うことを特徴としたものである。
【0017】
上記構成によれば、符号が物品の前面に取り付けられ、この符号を読み取るために符号の読み取り位置の物品の搬送方向下流、かつ前記物品を幅寄せした搬送手段の一側端とは逆の側端の斜め側方に読取手段を配置するとき、読取対象の物品の1つ下流に位置する物品の検出された幅により、読取対象の物品の前端が符号の読み取り位置に到達したときに、読取対象の物品の符号を読み取ることができる、この読取対象の物品とその1つ下流の物品との最小距離が求められ、前記1つ下流の物品と前記読取対象の物品との間隔が、前記求めた最小距離に制御される。よって、読取対象の物品より1つ下流の物品により、読取手段により読取対象の物品の符号を読み取ることができなくなる状況を防ぐことができ、読取対象の物品より1つ下流の物品の幅に応じて前記符号を正常に読み取ることができ、また搬送される物品の間隔を、読取対象の物品より1つ下流の物品が最も幅が広い物品の場合と比較して縮めることが可能となり、搬送能力が向上する。
【0018】
また請求項6に記載の発明は、連続して物品を搬送する搬送手段を備えるとともに、前記搬送手段により前記物品を、搬送手段の一側端に幅寄せして搬送中に、前記物品の搬送方向とは反対を向いた後面に取り付けられた符号を読み取る読取手段を備えた物品搬送設備であって、
前記読取手段を、前記符号の読み取り可能な左右の向きの読取可能角度、および前記読取手段の読取距離、および前記搬送手段により搬送される、物品搬送方向とは直角な左右方向の物品の幅の最大値に基づいて、前記符号の読み取り位置の前記搬送方向上流、かつ前記物品を幅寄せした搬送手段の一側端とは逆の側端の斜め側方に配置し、前記符号の読み取り位置より上流に、前記物品の幅を検出する幅検出手段を設け、前記読取手段の配置位置と、読取対象の物品の1つ上流に位置する物品の前記幅検出手段により検出された幅に応じて、読取対象の物品の後端が前記符号の読み取り位置を通過したとき、読取対象の物品の符号を前記読取手段により読み取ることができる、前記読取対象の物品と前記1つ上流に位置する物品との最小距離を求め、前記読取対象の物品と、前記1つ上流に位置する物品との間隔を、前記求めた最小距離に制御する物品間隔制御を行うことを特徴としたものである。
【0019】
上記構成によれば、符号が物品の後面に取り付けられ、この符号を読み取るために符号の読み取り位置の物品の搬送方向上流、かつ前記物品を幅寄せした搬送手段の一側端とは逆の側端の斜め側方に読取手段を配置するとき、読取対象の物品の1つ上流に位置する物品の検出された幅により、読取対象の物品の後端が符号の読み取り位置に到達したときに、読取対象の物品の符号を読み取ることができる、この読取対象の物品とその1つ上流の物品との最小距離が求められ、前記上流の物品と前記読取対象の物品との間隔が前記求めた最小距離に制御される。よって、前記1つ上流の物品により、読取手段により読取対象の物品の符号を読み取ることができなくなる状況を防ぐことができ、読取対象の物品より1つ上流の物品の幅に応じて前記符号を正常に読み取ることができ、また搬送される物品の間隔を、読取対象の物品より1つ上流の物品が最も幅が広い物品の場合と比較して縮めることが可能となり、搬送能力が向上する。
【0020】
また請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の発明であって、前記符号は、物品を特定するバーコードであり、前記読取手段がバーコードリーダまたは照明付きカメラ装置であることを特徴としたものである。
【0021】
上記構成によれば、物品を特定するバーコードが、バーコードリーダまたは照明付きカメラ装置により読み取られる。この読み取られたバーコードに基づいて物品の搬送・仕分けが実行される。
【0022】
また請求項8に記載の発明は、請求項1〜請求項7のいずれかに記載の発明であって、前記搬送手段へ物品を切り出す切り出し手段を備え、物品間隔制御を、前記切り出し手段により前記搬送手段へ物品を切り出すタイミングにより行うことを特徴としたものである。
【0023】
上記構成によれば、搬送手段へ物品を切り出すタイミングにより物品間隔が制御される。
また請求項9に記載の発明は、請求項8に記載の発明であって、前記切り出し手段は、複数の搬送経路から搬送されてきた物品を合流させる合流手段としての機能を有することを特徴としたものである。
【0024】
上記構成によれば、複数の搬送経路から搬送されてきた物品は合流され、搬送手段へ切り出される。
また請求項10に記載の発明は、請求項1〜請求項9のいずれかに記載の発明であって、前記搬送手段の搬送方向の下流に複数の分岐経路が設けられ、前記読取手段により読み取られた物品の符号に基づいて、この物品を前記分岐経路の1つに仕分ける物品仕分け手段を備えたことを特徴としたものである。
【0025】
上記構成によれば、読取手段により読み取られた物品の符号によって分岐経路が特定され、物品仕分け手段により、物品は特定された分岐経路へ仕分けられる。
【発明の効果】
【0026】
本発明の物品搬送設備は、読取対象の物品の符号が、物品の側方ではなく、前面または後面に取り付けられているとき、前後で搬送される物品により妨害されることなく、読取対象の物品の符号を正常に読み取ることができるとともに、搬送される物品の間隔を縮めることができ、搬送能力を向上することができる、という効果を有している。
【発明を実施するための最良の形態】
【0027】
以下、本発明の実施の形態における物品搬送設備について、図面を参照しながら説明する。
[実施の形態1]
本実施の形態1の物品搬送設備は、複数(図では2本)の搬送経路により搬送されてきた物品を合流させて搬出する合流装置を備え、さらに搬送方向の下流に仕分け装置を備えている。
【0028】
図1に示すように、物品搬送設備1は、複数台(図では2台)のアキュムレーションコンベヤ3A,3B、これらアキュムレーションコンベヤ3A,3Bの台数と同じ台数の複数台(図では2台)の速度調整・切り出しコンベヤ4A,4B、転換装置(合流装置)5、主搬送コンベヤ(搬送手段の一例)6、仕分け装置(物品仕分け手段の一例)7を備えている。また図1において、8は2台の速度調整・切り出しコンベヤ4A,4Bの制御装置である。上記2台のアキュムレーションコンベヤ3A,3Bと2台の速度調整・切り出しコンベヤ4A,4Bにより、複数(図では2本)の搬送経路が形成されている。また転換装置5により搬送手段を形成する主搬送コンベヤ6へ物品を切り出す切り出し手段、および複数の搬送経路から搬送されてきた物品を合流させる合流手段が構成され、主搬送コンベヤ6へ物品を切り出すタイミングの調整は、2台の速度調整・切り出しコンベヤ4A,4Bと転換装置5により実行される。
【0029】
上記アキュムレーションコンベヤ3A,3Bは、搬送方向における上流側に平行に配置され、各アキュムレーションコンベヤ3A,3Bはそれぞれ、上流端に位置して物品(例えば、段ボール箱)11が投入される投入部と、投入部から搬出された物品11を順次蓄積・搬送する複数のストレージ部と、下流端に位置する取出部を備え、投入部に投入された物品11は、取出部から物品11が搬出されると、あるいは取出部に物品11が存在しないときに、複数のストレージ部を順送りされ、取出部まで搬送される。
【0030】
上記2台の速度調整・切り出しコンベヤ4A,4Bはそれぞれ、アキュムレーションコンベヤ3A,3Bの下流端に連結され、アキュムレーションコンベヤ3A,3Bから搬入された物品11の搬送速度を上げる速度制御(詳細は後述する)を行うとともに、その物品11を転換装置5へ物品間隔を制御して切り出す切り出し制御(詳細は後述する)を行う。これら速度調整・切り出しコンベヤ4A,4Bはそれぞれ、上流側から順に、ベルトコンベヤ装置から構成される上流コンベヤ12、中流コンベヤ13、および下流コンベヤ14から構成されている。
【0031】
前記上流コンベヤ12は、アキュムレーションコンベヤ3A,3Bの下流側に連結され、アキュムレーションコンベヤ3A,3Bから順次搬送されてくる物品11を加速しながら中流コンベヤ13へ搬送する速度制御を行う。また上流コンベヤ12にはそれぞれ、上流コンベヤ12上の物品11を検出する光電スイッチ15が配置されている。
【0032】
また上記中流コンベヤ13はそれぞれ、上流コンベヤ12の下流側に連結され、上流コンベヤ12から搬送されてくる物品11を、さらに加速しながら下流コンベヤ14へ搬送する速度制御を行う。また中流コンベヤ13にはそれぞれ、中流コンベヤ13上の物品11を検出する光電スイッチ16と、物品11の高さを検出するエリアセンサ(高さ検出手段の一例)18が配置されている。
【0033】
また上記下流コンベヤ14はそれぞれ、中流コンベヤ13の下流側に連結され、中流コンベヤ13から搬送されてくる物品11を、さらに加速する速度制御と、転換装置5へ物品11を切り出す切り出し制御を行う。また下流コンベヤ14の下流側にはそれぞれ、下流コンベヤ14より搬出される物品11を検出する光電スイッチ19{切り出し手段用(切り出し制御用)検出手段}が配置されている。
【0034】
上記転換装置5は、速度調整・切り出しコンベヤ4A,4Bの下流端に連結されており、2台の速度調整・切り出しコンベヤ4A,4Bから搬入された物品11を搬送しながら中心へ並行移動させ、主搬送コンベヤ6へ搬出する。転換装置5の方式としては、例えばローラ方式(ローラコンベヤで搬送しながら案内ガイドを使用して物品を左右方向にスライドさせる方式)、ベルト方式(ベルトコンベヤで搬送しながら案内ガイドを使用して物品を左右方向にスライドさせる方式)、シュースライド方式{スラットコンベヤで搬送しながら可動体(スライドシュー)により物品を左右方向にスライドさせる方式}等が採用される。
【0035】
上記主搬送コンベヤ6は、ベルトコンベヤ装置から構成され、転換装置5の下流端に連結されており、転換装置5より搬出された物品11を搬送し、仕分け装置7へ搬出する。主搬送コンベヤ6の搬送速度は、転換装置5の搬送速度と同一としており、転換装置5で実現される物品11間の間隔(詳細は後述する)が崩れないようにしている。またこの主搬送コンベヤ6に沿って、物品11が予め設定されたバーコード読み取り位置(符号の読み取り位置)Pに搬送されてきたことを検出する光電スイッチ23が設けられ、主搬送コンベヤ6の上方に、前記光電スイッチ23が動作したときに、すなわち物品11が前記バーコード読み取り位置Pに搬送されたときに、物品11の前面に設けられたバーコード(物品を特定する符号の一例)24を斜め上方から読み取るバーコードリーダ(読取手段の一例)25が設けられている。
【0036】
上記仕分け装置7は、シュースライド型(押出式)の自動仕分け装置で、スラットコンベヤに左右方向にスライドするスライドシューを組み込んだものであり、前記バーコードリーダ25により読み取られたバーコード24に基づいて複数の分岐位置に配置された仕分けシュート(分岐経路の一例)27の1つにスライドシューが導かれ、物品11を押し出し、仕分けを行うよう構成されている。
【0037】
上記バーコードリーダ25は、主搬送コンベヤ6の前記バーコード読取位置Pに到達した物品11のバーコードを読み取る読取手段を構成しており、図2に示すように、バーコード読取位置Pを基準としてバーコードリーダ25の配置位置(X,Y)を設定している。Xはバーコード読取位置Pから搬送方向下流方向への距離、Yは主搬送コンベヤ6の搬送面からの高さを表している。いま、バーコード24の読取可能角度をθ、バーコード24の物品11の下端からの取付高さをe、バーコードリーダ25から照射されるレーザ光の誤差を配慮したバーコードリーダ25の読取余裕代をh、バーコードリーダ25の読取距離をL、物品11の最大高さをHmaxとすると、配置位置(X,Y)は次の式(1)により求められる。
【0038】
X=Lcosθ
Y=Lsinθ+e …(1)
但し、Y>(Hmax+h)を満たす読取距離Lが可能なバーコードリーダ25を選定しているものとしている。
【0039】
このように、バーコード24の読取可能角度θ、およびバーコードリーダ25の読取距離Lに基づいて、バーコード読取位置Pの搬送方向下流、斜め上方に配置されている。
このようにバーコードリーダ25が配置されているとき、バーコード読取位置Pに搬送されてきた物品(読取対象の物品)11のバーコード24を読み取るに必要な1つ下流の物品11との最小距離Kは、バーコードリーダ25の光路が、先行する1つ下流の物品11の読取余裕代h上方を通過すればよいので、前記1つ下流の物品11のエリアセンサ18により検出された高さをHとすると、次の式(2)により求められる。
【0040】
K=(H+h−e)÷tanθ …(2)
但し、K≧Kminとする。このKminは、下流の仕分け装置7において物品11を仕分けシュート27に仕分けるために最小限必要な距離である。
【0041】
今、θが45゜のとき、
K=H+h−e
で求められ、hとeは固定値であるから、最小距離Kは1つ下流の物品11の高さHで求められる。そして、1つ下流の物品11の高さHが最大のHmaxのとき、最小距離Kは最大のKmaxとなる。
【0042】
このように、読取対象の物品11と1つ下流の物品11と間隔(距離)が最小距離Kのとき、読取対象の物品11のバーコード24は正常に読み取られることから物品11の間隔をこの最小距離Kまで縮めることが可能となる。したがって、中流コンベヤ13に設けたエリアセンサ18により、物品11の高さHが検出された時点で、最小距離Kを式(2)により求め、この物品11を転換装置5へ切り出すとき、1つ前に切り出した物品11とのと間隔を求めた最小距離Kとすると、物品間隔を縮めることが可能で、且つこの物品11のバーコードを正常に読み取ることができる。
【0043】
このように最小距離Kを求め、2つの速度調整・切り出しコンベヤ4A,4Bからこの最小距離Kの間隔で物品11を切り出す物品間隔制御を制御装置8により行っている。制御装置8には、速度調整・切り出しコンベヤ4Aの光電スイッチ15,16,19,エリアセンサ18からそれぞれ物品検出信号と物品11の高さHのデータを入力され、同じく速度調整・切り出しコンベヤ4Bの光電スイッチ15,16,19,エリアセンサ18からそれぞれ物品検出信号と物品11の高さHのデータが入力されており、これら入力に応じて制御装置8は、各速度調整・切り出しコンベヤ4A,4Bの上流コンベヤ12、中流コンベヤ13、および下流コンベヤ14を駆動して順送りで物品11を搬送させるととともに、図3に示すように、2つの下流コンベヤ14より上記最小距離Kの間隔で転換装置5へ物品11を切り出す物品間隔制御を実行する。
【0044】
すなわち、各物品11はエリアセンサ18を通過すると、エリアセンサ18により物品11の高さ(先端部)が検出され、式(2)により最小距離Kが求められ、記憶される。そして、図3(a)に示すように、先行するトリガ対象の物品11(1つ下流の物品11に相当する)が光電スイッチ19により通過が確認されると(転換装置5への搬出終了が確認されると)、この先行物品11の高さにより求められた距離Kが検索され、次に搬送されてくる読取対象(および制御対象)の物品11が求められる。そして、この読取対象の物品11が、転換装置5へ切り出される時点で、先行物品11との距離が、求めた最小距離Kとなるように、先行物品11が転換装置5により搬送される速度(一定速度)と、読取対象の物品11の位置から転換装置5までの距離とにより、下流コンベヤ14の搬送速度を求め、求めた搬送速度で下流コンベヤ14を駆動して物品11を転換装置5へ切り出す。読取対象の物品11の位置は、通過する中流コンベヤ13の光電スイッチ16のオン・オフのタイミングと中流コンベヤ13の搬送速度で求めることで可能である。なお、制御装置8は、上記各アキュムレーションコンベヤ3A,3Bへ、上流コンベヤ12への物品11の搬出許可信号を出力しており、この出力のタイミングをずらすことにより、先行物品11の転換装置5への搬出終了が確認された時点で、読取対象の物品11は中流コンベヤ13に位置する。
【0045】
また制御装置8は、上記転換装置5へ、物品11を搬出する毎に搬出する物品11の長さを含む搬出データを出力している。物品11の長さは、例えば光電スイッチ15が物品11を検出している時間と上流コンベヤ12の搬送速度により求めることができる。
【0046】
各アキュムレーションコンベヤ3A,3Bは、制御装置8より搬出許可信号を入力すると、取出部から物品11を上流コンベヤ12へ搬出する。また転換装置5は制御装置8より搬出データを入力すると、搬出データの物品11の長さに応じて可動体21A,21Bの数を選択し、これら数の可動体21A,21Bを左右方向へ移動させて物品11を並行に中央へ移動させ、主搬送コンベヤ6へ搬出する。
【0047】
上記構成による作用を説明する。
物品11の前面にバーコード24が取り付けられるとき、まずバーコードリーダ25が、バーコードの読取可能角度θ、およびバーコードリーダ25の読取距離Lに基づいて、読み取り位置の物品11の搬送方向下流、斜め上方に配置され、物品11のバーコード読取位置Pより上流に、物品11の高さを検出するエリアセンサ18が設置される。
【0048】
そして、アキュムレーションコンベヤ3A,3Bにそれぞれ蓄積された物品11は、交互に各速度調整・切り出しコンベヤ4A,4Bの上流コンベヤ12へ搬出され、中流コンベヤ13、下流コンベヤ14と順送りされる毎に増速され、転換装置5へ排出されて合流される。このとき、読取対象の物品11の1つ下流の物品11と読取対象の物品11の間隔は、最小距離Kに設定され、転換装置5で中央に移動された物品11は、最小距離Kで主搬送コンベヤ6へ切り出され、主搬送コンベヤ6により搬送されている物品11は、光電スイッチ23により検出されると、すなわちバーコード読取位置Pへ到達すると、バーコードリーダ25によりバーコード24が読み取られる。このとき、前記1つ下流の物品11の高さHに応じて、最小距離Kが設定されることからバーコード24は正常に読み取れるとともに、物品11の間隔が、1つ下流の物品11が最も背が高い物品11のときの最小距離Kmaxと比較して縮められ、搬送能力が向上される。
【0049】
そして、この物品11のバーコードにより物品11が特定され、仕分け装置7により目的の仕分けシュート27へ仕分けられる。
以上のように実施の形態1によれば、バーコードリーダ25の配置位置(X,Y)と、読取対象の物品11より1つ下流の物品11のエリアセンサ18により検出された高さHに応じて、前記1つ下流の物品11と読取対象の物品11とに必要な最小距離(間隔)Kが求められ、この最小距離Kにより物品間隔制御が行われ、主搬送コンベヤ6へ切り出されることにより、先行する1つ下流の物品11によりバーコードリーダ25の光路が妨害されることを防ぐことができ、読取対象の物品11のバーコード24を正常に読み取ることができるとともに、物品11の間隔を、先行する1つ下流の物品11が最も背の高い物品11のときの最小距離Kmaxと比較して縮めることができ、搬送能力を向上することができる。
[実施の形態2]
実施の形態1では、物品11の「前面」に取り付けられるバーコード24を読み取るために、バーコードリーダ25をバーコード読取位置Pより搬送方向下流の上方位置に配置した場合について説明したが、実施の形態2では、物品11の「後面(物品の搬送方向とは裏面に位置する面)」に取り付けられるバーコード24を読み取るために、バーコードリーダ25’をバーコード読取位置Pより搬送方向上流の上方位置に配置した場合について説明する。
【0050】
物品11の後面に取り付けられたバーコード24を、搬送方向上流の上方位置から読み取る場合、読取対象の物品11に対して上流より、背の高さが高い物品11が接近すると読取対象の物品11のバーコード24が読み取り不能となる。
【0051】
図2(b)に最も高さが高い物品11が上流から配送されてきたことを考慮したバーコードリーダ25’の配置位置(X,Y)の図を示す。実施の形態1と同様に、式(1)により求められる。なお、この配置位置(X,Y)は、実施の形態1とは逆の方向(上流方向)となる。
【0052】
X=Lcosθ
Y=Lsinθ+e …(1)
但し、Y>(Hmax+h)を満たす読取距離Lが可能なバーコードリーダ25’を選定しているものとしている。
【0053】
このとき、バーコード読取位置Pに読取対象の物品11の後端がバーコード読み取り位置Pに位置するとき、読取対象の物品11のバーコード24を読み取るために必要な1つ「上流」の物品11との最小距離Kは、バーコードリーダ25’の光路が、1つ「上流」の物品11の読取余裕代h上方を通過すればよいので、上記式(2)と同様に求められる。なお、Hは読取対象の物品11の1つ上流に位置する物品11の高さである。Kは、hとeは固定値であるから、1つ上流の物品11の高さHで求められる。
【0054】
K=(H+h−e)÷tanθ …(2)
そして、1つ上流の物品11の高さHが最大のHmaxのとき、最小距離Kは最大のKmaxとなる。
【0055】
物品間隔制御は、図3(b)に示すように、読取対象およびトリガ対象の物品11が、下流コンベヤ14の光電スイッチ19により転換装置5へ搬出されたことが検出されたとき、制御対象である1つ上流の物品11のエリアセンサ18により検出された物品11の高さHにより、この1つ上流の物品11と読取対象の物品11との最小距離Kを式(2)により求める。
【0056】
そして、1つ上流の物品11が転換装置5へ切り出される時点で、読取対象の物品11とこの1つ上流の物品11との距離が、求めた最小距離Kとなるように、物品11が転換装置5により搬送される速度(一定速度)と、下流コンベヤ14による搬送距離とにより、下流コンベヤ14の搬送速度を求め、中流コンベヤ13から物品11を下流コンベヤ14へ搬出するとともに、求めた搬送速度で下流コンベヤ14を駆動して1つ上流の物品11を転換装置へ切り出す。
【0057】
上記構成により、アキュムレーションコンベヤ3A,3Bにそれぞれ蓄積された物品11は、交互に各速度調整・切り出しコンベヤ4A,4Bの上流コンベヤ12へ搬出され、中流コンベヤ13、下流コンベヤ14と順送りされる毎に増速され、転換装置5へ排出されて合流される。このとき、読取対象の物品11と1つ上流の物品11との間隔は、最小距離Kに設定され、転換装置5で中央に移動された物品11は、距離Kで主搬送コンベヤ6へ切り出され、主搬送コンベヤ6により搬送されている読取対象の物品11は、光電スイッチ23によりその後端が検出されると、すなわち読み取り位置Pを通過すると、後面のバーコード24がバーコードリーダ25’により読み取られる。このとき、1つ上流の物品11の高さHに応じて、距離Kが設定されることからバーコード24は正常に読み取れるとともに、物品11の間隔が、1つ上流の物品11が最も背の高い物品11のときの最小距離Kmaxと比較して、縮められ、搬送能力が向上される。
【0058】
そして、この物品11のバーコードにより物品11が特定され、仕分け装置7により目的の仕分けシュート27へ仕分けられる。
以上のように本実施の形態2によれば、実施の形態1とは読取対象の物品11が先行する以外は、実施の形態1と同様の効果を得ることができる。すなわち、バーコードリーダ25’の配置位置(X,Y)と、読取対象の物品11より1つ上流の物品11のエリアセンサ18により検出された高さHに応じて、読取対象の物品11と前記1つ上流の物品11との間に必要な最小距離(間隔)Kが求められ、この最小距離Kにより物品間隔制御が行われ、主搬送コンベヤ6へ切り出されることにより、バーコード24を正常に読み取ることができるとともに、物品11の間隔を、1つ上流の物品11が最も背が高い物品11のときの最小距離Kmaxと比較して縮めることができ、搬送能力を向上することができる。
[実施の形態3]
図4に本実施の形態3における物品搬送設備の構成図を示す。なお、上記実施の形態1と同様の構成には同一の符号を付して説明を省略する。
【0059】
実施の形態1では、物品11の「前面」に取り付けられたバーコード24を読み取るために、バーコードリーダ25をバーコード読取位置Pより搬送方向下流の上方位置に配置した場合について説明したが、実施の形態3では、図4に示すように、物品11の前面に取り付けられたバーコード24を読み取るために、バーコードリーダ25をバーコード読取位置Pより搬送方向「下流」の「側方」位置に配置した場合について説明する。このようにバーコードリーダ25をバーコード読取位置Pより搬送方向下流の「側方」位置に配置した場合、エリアセンサ18に代えて、上方から垂直下方に光路を設けた複数の光電スイッチからなる幅センサ18’を設け、中流コンベヤ13の下流端で、物品11の幅Wを測定している。
【0060】
図5(a)に示すように、バーコードリーダ25は、主搬送コンベヤ6のバーコード読取位置Pに到達したトリガ対象の物品11の1つ上流の物品11(読取対象および制御対象の物品に相当する)のバーコードを読み取る読取手段を構成しており、バーコード読取位置Pを基準として搬送方向下流の「側方」に、バーコードリーダ25の配置位置(X,Y)を設定している。このとき、バーコード24は物品11の隅に配置されることから、物品11の幅が物品11により変わるとき、読取対象の物品11とトリガ対象の先行する1つ下流の物品11との距離を可変とする必要がある。上記Xはバーコード読取位置Pから搬送方向下流方向への距離、Yは主搬送コンベヤ6の側端部からの左右方向の距離を表している。なお、高さ方向の位置は、バーコード24が物品11の高さ方向の取付位置により設定される。いま、バーコード24の読取可能角度をθ、バーコード24の物品11の側端からの取付位置(幅方向の長さ)をd、バーコードリーダ25の読取余裕代をh、幅センサ18’により検出された物品11の幅をW、バーコードリーダ25の読取距離をL、物品11の最大幅をWmaxとすると、次の式(3)により求められる。
【0061】
X=(Y−h)cosθ
Y=Lsinθ−(Wmax−d) …(3)
但し、Y>hを満たす読取距離Lが可能なバーコードリーダ25を選定しているものとしている。
【0062】
このように、バーコード24の読み取り可能角度θ、およびバーコードリーダ25の読取距離Lに基づいて、バーコード読取位置Pの搬送方向下流、斜め側方に配置されている。
【0063】
このようにバーコードリーダ25が配置されているとき、バーコード読取位置Pの1つ上流に搬送されてきた物品(読取対象の物品)11のバーコード24を読み取るに必要な、先行するバーコード読取位置Pの物品(トリガ対象の物品)11の後端と読取対象の物品11との最小距離Kは、バーコードリーダ25の光路が、バーコード読取位置Pの物品11の読取余裕代h側方を通過すればよいので、次の式(4)により求められる。
【0064】
K=(W−d+h)÷tanθ …(4)
但し、K≧Kminとする。このKminは、下流の仕分け装置7において物品11を仕分けシュート27に仕分けるために最小限必要な距離である。
【0065】
今、θが45゜のとき、
K=W−d+h
で求められ、dとhは固定値であるから、最小距離Kは読取対象の物品11の幅Wで求められる。そして、読取対象の物品11の幅Wが最大のWmaxのとき、最小距離Kは最大のKmaxとなる。
【0066】
物品間隔制御について説明する。
各物品11は幅センサ18’を通過すると、幅センサ18’により物品11の幅Wが検出され、式(4)により最小距離Kが求められ、記憶される。そして、図6(a)に示すように、先行する物品11(1つ下流のトリガ対象の物品11に相当する)が光電スイッチ19により通過が確認されると(転換装置5への搬出終了が確認されると)、この先行する物品11の1つ下流に位置する物品11(読取対象の物品11に相当する)の幅Wにより求められた最小距離Kが検索される。そして、この読取対象の物品11が、転換装置5へ切り出される時点で、先行物品11との距離が、求めた最小距離Kとなるように、先行物品11が転換装置5により搬送される速度(一定速度)と、読取対象の物品11の位置から転換装置5までの距離とにより、下流コンベヤ14の搬送速度を求め、求めた搬送速度で下流コンベヤ14を駆動して物品11を転換装置5へ切り出す。読取対象の物品11の位置は、通過する中流コンベヤ13の光電スイッチ16のオン・オフのタイミングと中流コンベヤ13の搬送速度で求めることが可能である。
【0067】
上記構成により、アキュムレーションコンベヤ3A,3Bにそれぞれ蓄積された物品11は、交互に各速度調整・切り出しコンベヤ4A,4Bの上流コンベヤ12へ搬出され、中流コンベヤ13、下流コンベヤ14と順送りされる毎に増速され、転換装置5へ排出されて合流される。このとき、読取対象の物品11と先行する1つ下流の物品11との間隔は、最小距離Kに設定され、転換装置5で主搬送コンベヤ6の側方右端に並ぶように移動された物品11は、距離Kで主搬送コンベヤ6へ切り出され、主搬送コンベヤ6により搬送されている読取対象の物品11は、光電スイッチ23により先行する1つ下流の物品11の後端が検出されると、すなわち読み取り位置Pを通過すると、読取対象の物品11の前面のバーコード24がバーコードリーダ25により読み取られる。このとき、読取対象の物品11の幅Wに応じて、最小距離Kが設定されることからバーコード24は正常に読み取れる。
【0068】
そして、この物品11のバーコード24により物品11が特定され、仕分け装置7により目的の仕分けシュート27へ仕分けられる。
以上のように本実施の形態3によれば、バーコードリーダ25の配置位置(X,Y)と、読取対象の物品11の幅センサ18’により検出された幅Wに応じて、先行する1つ下流の物品11と読取対象の物品11との間に必要な最小距離(間隔)Kが求められ、この距離Kにより物品間隔制御が行われ、主搬送コンベヤ6へ切り出されることにより、バーコード24を正常に読み取ることができる。また物品11の間隔を、幅Wが最大のWmaxの物品11のときの最小距離Kmaxと比較して縮めることができ、搬送能力を向上することができる。
[実施の形態4]
実施の形態3では、物品11の前面に取り付けられたバーコード24を読み取るために、バーコードリーダ25をバーコード読取位置Pより搬送方向下流の側方位置に配置した場合について説明したが、実施の形態4では、物品11の「後面」に取り付けられたバーコード24を読み取るために、図4に一点鎖線で示すように、バーコードリーダ25’をバーコード読取位置Pより搬送方向「上流」の側方位置に配置した場合について説明する。
【0069】
図5(b)に示すように、バーコードリーダ25’は、主搬送コンベヤ6のバーコード読取位置Pに到達した物品(制御対象の物品に相当する)11の1つ上流の物品11(読取対象およびトリガ対象の物品に相当する)のバーコード24を読み取る読取手段を構成しており、バーコード読取位置Pを基準として搬送方向「上流」の側方に、バーコードリーダ25’の配置位置(X,Y)を設定している。このとき、バーコード24は物品11の隅に配置されることから、図5(b)に示すように、物品11の幅が物品11により変わるとき、バーコード読取位置Pに到達した物品11と、この物品11より1つ下流の物品(読取対象の物品に相当する)11との距離を可変とする必要がある。上記Xはバーコード読取位置Pから搬送方向上流方向への距離、Yは主搬送コンベヤ6の側端部からの左右方向の距離を表している。このとき、実施の形態3と同様に、次の式(3)により求められる。
【0070】
X=(Y−h)cosθ
Y=Lsinθ−(Wmax−d) …(3)
但し、Y>hを満たす読取距離Lが可能なバーコードリーダ25’を選定しているものとしている。
【0071】
このように、バーコード24の読み取り可能角度θ、およびバーコードリーダ25’の読取距離Lに基づいて、バーコード読取位置Pの搬送方向「上流」、斜め側方に配置されている。
【0072】
このようにバーコードリーダ25’が配置されているとき、バーコード読取位置Pの下流に搬送され先行する物品(読取対象の物品)11のバーコード24を読み取るに必要な、この読取対象の物品11とバーコード読取位置Pの物品11の先端との最小距離Kは、バーコードリーダ25’の光路が、バーコード読取位置Pの物品11の読取余裕代h側方を通過すればよいので、実施の形態3と同様に、次の式(4)により求められる。
【0073】
K=(W−d+h)÷tanθ …(4)
但し、K≧Kminとする。
今、θが45゜のとき、
K=W−d+h
で求められ、dとhは固定値であるから、最小距離Kは読取対象の物品11の幅Wで求められる。そして、読取対象の物品11の幅Wが最大のWmaxのとき、最小距離Kは最大のKmaxとなる。
【0074】
物品間隔制御について説明する。
各物品11は幅センサ18’を通過すると、幅センサ18’により物品11の幅Wが検出され、式(4)により最小距離Kが求められ、記憶される。そして、図6(b)に示すように、読取対象の物品11が光電スイッチ19により通過が確認されると(転換装置5への搬出終了が確認されると)、この読取対象の物品11の幅Wにより求められた最小距離Kが検索される。そして、1つ上流に位置する物品11が、転換装置5へ切り出される時点で、先行する読取対象の物品11との距離が、求めた最小距離Kとなるように、先行する物品11が転換装置5により搬送される速度(一定速度)と、1つ上流に位置する物品11の現在位置から転換装置5までの距離とにより、下流コンベヤ14の搬送速度を求め、求めた搬送速度で下流コンベヤ14を駆動して物品11を転換装置5へ切り出す。1つ上流に位置する物品11の位置は、通過する中流コンベヤ13の光電スイッチ16のオン・オフのタイミングと中流コンベヤ13の搬送速度で求めることが可能である。
【0075】
上記構成により、アキュムレーションコンベヤ3A,3Bにそれぞれ蓄積された物品11は、交互に各速度調整・切り出しコンベヤ4A,4Bの上流コンベヤ12へ搬出され、中流コンベヤ13、下流コンベヤ14と順送りされる毎に増速され、転換装置5へ排出されて合流される。このとき、先行する読取対象の物品11と1つ上流の物品11との間隔は、最小距離Kに設定され、転換装置5で主搬送コンベヤ6の側方右端に並ぶように移動された物品11は、最小距離Kで主搬送コンベヤ6へ切り出され、主搬送コンベヤ6により搬送されている読取対象の物品11は、光電スイッチ23により1つ上流の物品11の先端が検出されると、すなわち読み取り位置Pに到達すると、先行する読取対象の物品11の後面のバーコード24がバーコードリーダ25’により読み取られる。このとき、読取対象の物品11の幅Wに応じて、最小距離Kが設定されることからバーコード24は正常に読み取れる。
【0076】
そして、この物品11のバーコードにより物品11が特定され、仕分け装置7により目的の仕分けシュート27へ仕分けられる。
以上のように本実施の形態4によれば、バーコードリーダ25’の配置位置(X,Y)と、読取対象の物品11の幅センサ18’により検出された幅Wに応じて、先行する読取対象の物品11と1つ上流の物品11との間に必要な最小距離(間隔)Kが求められ、この最小距離Kにより1つ上流の物品11の物品間隔制御が行われることにより、バーコード24を正常に読み取ることができる。また物品11の間隔を、幅Wが最大のWmaxの物品11のときの最小距離Kmaxと比較して縮めることができ、搬送能力を向上することができる。
[実施の形態5]
実施の形態3では、物品11の前面に取り付けられたバーコード24を読み取るために、バーコードリーダ25をバーコード読取位置Pより搬送方向「下流」の「側方」位置に配置し、主搬送コンベヤ6のバーコードリーダ25側に幅寄せした物品11のバーコード24を読み取るようにしているが、実施の形態5では、物品11を主搬送コンベヤ6のバーコードリーダ25側と逆の側に幅寄せ(反幅寄せ)した場合について説明する。また実施の形態3と同様に上方から垂直下方に光路を設けた複数の光電スイッチからなる幅センサ18’を設け、中流コンベヤ13の下流端で、物品11の幅Wを測定している。
【0077】
バーコードリーダ25は、主搬送コンベヤ6のバーコード読取位置Pに到達した物品(制御対象の物品に相当する)11のバーコード24を読み取る読取手段を構成しており、バーコード読取位置Pを基準としてバーコードリーダ25の配置位置(X,Y)を設定している。Xはバーコード読取位置Pから搬送方向下流方向への距離、Yは主搬送コンベヤ6の側端(反幅寄せした側の側端)からの左右方向の距離を表している。
【0078】
図7(a)に示すように、バーコード24の読取可能角度をθ、バーコード24の物品11の側端からの取付位置(幅方向の長さ)をd、バーコードリーダ25の読取余裕代をh、幅センサ18’により検出された物品11の幅をW、バーコードリーダ25の読取距離をL、物品11の最大幅をWmax、主搬送コンベヤ6の左右の幅をVとすると、X,Yは次の式(5)により求められる。
【0079】
X=Lcosθ
Y=Lsinθ+d …(5)
但し、Y>(Wmax+h)、かつY>Vを満たす読取距離Lが可能なバーコードリーダ25を選定しているものとしている。
【0080】
このようにバーコードリーダ25が配置されているとき、バーコード読取位置Pに搬送されてきた物品(読取対象及び制御対象の物品)11のバーコード24を読み取るのに必要な、読取対象の物品11より先行する1つ下流の物品(トリガ対象の物品)11の後端と読取対象の物品11との最小距離Kは、バーコードリーダ25の光路が、1つ下流の物品11の読取余裕代h側方を通過すればよいので、上記式(6)により求められる。幅Wは、読取対象の物品11の1つ下流の物品11の幅である。
【0081】
K=(W−d+h)÷tanθ …(6)
但し、K≧Kminとする。このKminは、下流の仕分け装置7において物品11を仕分けシュート27に仕分けるために最小限必要な距離である。
【0082】
今、θが45゜のとき、
K=W−d+h
で求められ、dとhは固定値であるから、最小距離Kは1つ下流の物品11の幅Wで求められる。そして、読取対象の1つ下流の物品11の幅Wが最大のWmaxのとき、最小距離Kは最大のKmaxとなる。
【0083】
物品間隔制御について説明する。
各物品11は幅センサ18’を通過すると、幅センサ18’により物品11の幅Wが検出され、式(6)により最小距離Kが求められ、記憶される。そして、図6(a)に示すように、先行する物品11(1つ下流のトリガ対象の物品11に相当する)が光電スイッチ19により通過が確認されると(転換装置5への搬出終了が確認されると)、この先行する物品11(トリガ対象の物品11に相当する)の幅Wにより求められた最小距離Kが検索される。そして、前記読取対象の物品11が、転換装置5へ切り出される時点で、先行物品11との距離が、求めた最小距離Kとなるように、先行物品11が転換装置5により搬送される速度(一定速度)と、読取対象の物品11の位置から転換装置5までの距離とにより、下流コンベヤ14の搬送速度を求め、求めた搬送速度で下流コンベヤ14を駆動して物品11を転換装置5へ切り出す。読取対象の物品11の位置は、通過する中流コンベヤ13の光電スイッチ16のオン・オフのタイミングと中流コンベヤ13の搬送速度で求めることが可能である。
【0084】
上記構成により、アキュムレーションコンベヤ3A,3Bにそれぞれ蓄積された物品11は、交互に各速度調整・切り出しコンベヤ4A,4Bの上流コンベヤ12へ搬出され、中流コンベヤ13、下流コンベヤ14と順送りされる毎に増速され、転換装置5へ排出されて合流される。このとき、先行するトリガ対象の物品11と読取対象の物品11との間隔は、最小距離Kに設定され、転換装置5で主搬送コンベヤ6の「側方左端」に並ぶように移動された物品11は、最小距離Kで主搬送コンベヤ6へ切り出され、主搬送コンベヤ6により搬送されている読取対象の物品11の先端が光電スイッチ23により検出されると、すなわち読み取り位置Pに到達すると、この読取対象の物品11の前面のバーコード24がバーコードリーダ25により読み取られる。このとき、トリガ対象の物品11の幅Wに応じて、最小距離Kが設定されることからバーコード24は正常に読み取れる。
【0085】
そして、この物品11のバーコードにより物品11が特定され、仕分け装置7により目的の仕分けシュート27へ仕分けられる。
以上のように本実施の形態5によれば、バーコードリーダ25の配置位置(X,Y)と、読取対象の物品11より1つ下流のトリガ対象の物品11の幅センサ18’により検出された幅Wに応じて、トリガ対象の物品11と1つ上流の読取対象の物品11との間に必要な最小距離(間隔)Kが求められ、この最小距離Kにより読取対象の物品11の物品間隔制御が行われることにより、バーコード24を正常に読み取ることができる。また物品11の間隔を、幅Wが最大のWmaxの物品11のときの最小距離Kmaxと比較して縮めることができ、搬送能力を向上することができる。
[実施の形態6]
実施の形態5では、物品11の前面に取り付けられたバーコード24を読み取るために、バーコードリーダ25をバーコード読取位置Pより搬送方向下流の側方位置に配置した場合について説明したが、実施の形態6では、物品11の「後面」に取り付けられたバーコード24を読み取るために、バーコードリーダ25’をバーコード読取位置Pより搬送方向「上流」の側方位置に配置した場合について説明する。
【0086】
図7(b)に示すように、バーコードリーダ25’は、主搬送コンベヤ6のバーコード読取位置Pに到達した物品(読取対象およびトリガ対象の物品に相当する)11のバーコード24を読み取る読取手段を構成しており、バーコード読取位置Pを基準として搬送方向「上流」の側方に、バーコードリーダ25’の配置位置(X,Y)を設定している。このとき、バーコード24は物品11の隅に配置されることから、図7(b)に示すように、物品11の幅が物品11により変わるとき、バーコード読取位置Pに到達した物品11と、この物品11より1つ上流の物品(制御対象の物品に相当する)11との距離を可変とする必要がある。上記Xはバーコード読取位置Pから搬送方向上流方向への距離、Yは主搬送コンベヤ6の側端部(反幅寄せした側の側端)からの左右方向の距離を表している。このとき、実施の形態5と同様に、X,Yは次の式(5)により求められる。
【0087】
X=Lcosθ
Y=Lsinθ+d …(5)
但し、Y>(Wmax+h)、かつY>Vを満たす読取距離Lが可能なバーコードリーダ25を選定しているものとしている。
【0088】
このようにバーコードリーダ25’が配置されているとき、バーコード読取位置Pに搬送されてきた物品(読取対象及びトリガ対象の物品)11の後面のバーコード24を読み取るのに必要な読取対象の物品11の後端とこの読取対象の物品11の1つ上流の物品(制御対象の物品)11の前端との最小距離Kは、バーコードリーダ25’の光路が、1つ上流の物品11の読取余裕代h側方を通過すればよいので、実施の形態5と同様に、次の式(6)により求められる。幅Wは、読取対象の物品11の1つ上流の物品11の幅である。
【0089】
K=(W−d+h)÷tanθ …(6)
但し、K≧Kminとする。このKminは、下流の仕分け装置7において物品11を仕分けシュート27に仕分けるために最小限必要な距離である。
【0090】
今、θが45゜のとき、
K=W−d+h
で求められ、dとhは固定値であるから、最小距離Kは1つ上流の物品11の幅Wで求められる。そして、制御対象の1つ上流の物品11の幅Wが最大のWmaxのとき、最小距離Kは最大のKmaxとなる。
【0091】
物品間隔制御について説明する。
各物品11は幅センサ18’を通過すると、幅センサ18’により物品11の幅Wが検出され、式(5)により最小距離Kが求められ、記憶される。そして、図6(b)に示すように、読取対象の物品11が光電スイッチ19により通過が確認されると(転換装置5への搬出終了が確認されると)、この読取対象の物品11の1つ上流の物品11の幅Wにより求められた最小距離Kが検索される。そして、1つ上流に位置する物品11が、転換装置5へ切り出される時点で、先行する読取対象の物品11との距離が、求めた最小距離Kとなるように、先行する物品11が転換装置5により搬送される速度(一定速度)と、1つ上流に位置する物品11の現在位置から転換装置5までの距離とにより、下流コンベヤ14の搬送速度を求め、求めた搬送速度で下流コンベヤ14を駆動して物品11を転換装置5へ切り出す。1つ上流に位置する物品11の位置は、通過する中流コンベヤ13の光電スイッチ16のオン・オフのタイミングと中流コンベヤ13の搬送速度で求めることが可能である。
【0092】
上記構成により、アキュムレーションコンベヤ3A,3Bにそれぞれ蓄積された物品11は、交互に各速度調整・切り出しコンベヤ4A,4Bの上流コンベヤ12へ搬出され、中流コンベヤ13、下流コンベヤ14と順送りされる毎に増速され、転換装置5へ排出されて合流される。このとき、先行する読取対象の物品11と1つ上流の物品11との間隔は、最小距離Kに設定され、転換装置5で主搬送コンベヤ6の「側方左端」に並ぶように移動された物品11は、最小距離Kで主搬送コンベヤ6へ切り出され、主搬送コンベヤ6により搬送されている読取対象の物品11は、光電スイッチ23によりその後端が検出されると、すなわち読み取り位置Pに到達すると、この読取対象の物品11の後面のバーコード24がバーコードリーダ25’により読み取られる。このとき、制御対象の1つ上流の物品11の幅Wに応じて、最小距離Kが設定されることからバーコード24は正常に読み取れる。
【0093】
そして、この物品11のバーコードにより物品11が特定され、仕分け装置7により目的の仕分けシュート27へ仕分けられる。
以上のように本実施の形態6によれば、バーコードリーダ25’の配置位置(X,Y)と、読取対象の物品11より1つ上流の物品11の幅センサ18’により検出された幅Wに応じて、読取対象の物品11と1つ上流の物品11との間に必要な最小距離(間隔)Kが求められ、この最小距離Kにより1つ上流の物品11の物品間隔制御が行われることにより、バーコード24を正常に読み取ることができる。また物品11の間隔を、幅Wが最大のWmaxの物品11のときの最小距離Kmaxと比較して縮めることができ、搬送能力を向上することができる。
【0094】
なお、実施の形態1〜6では、搬送経路は2本であったが、1本でも3本以上であってもよく、搬送経路から主搬送コンベヤ6へ物品11が切り出されるとき、物品間隔制御が行われる切り出し手段であればよい。
【0095】
また実施の形態1〜6では、読取手段をバーコードリーダ25,25’により形成しているが、バーコードリーダに代えて照明付きカメラ装置を設け、このカメラ装置により撮像された画像の解析によりバーコードを検出するようにしてもよい。また物品11を特定する符号は、バーコードに限ることはなく、数字やアルファベットなどでもよい。
【0096】
また実施の形態1〜6では、物品11を段ボール箱としているが、バーコード(符号)24が取り付けられ、バーコード24により特定される物品であればよい。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】本発明の実施の形態1,2における物品の合流が行われる物品搬送設備の構成図である。
【図2】同物品搬送設備における物品間隔制御を行う間隔を求める説明図である。
【図3】同物品搬送設備における物品間隔制御の動作説明図である。
【図4】本発明の実施の形態3,4,5,6における物品の合流が行われる物品搬送設備の構成図である。
【図5】本発明の実施の形態3,4における物品搬送設備における物品間隔制御を行う間隔を求める説明図である。
【図6】同物品搬送設備における物品間隔制御の動作説明図である。
【図7】本発明の実施の形態5,6における物品搬送設備における物品間隔制御を行う間隔を求める説明図である。
【図8】従来の同物品搬送設備における課題を説明する説明図である。
【符号の説明】
【0098】
1 物品搬送設備
3A,3B アキュムレーションコンベヤ
4A,4B 速度調整・切り出しコンベヤ
5 転換装置
6 主搬送コンベヤ
7 仕分け装置
8 制御装置
11 物品
12 上流コンベヤ
13 中流コンベヤ
14 下流コンベヤ
15,16,19,23 光電スイッチ
18 エリアセンサ(高さ検出手段の一例)
18’ 幅センサ(幅検出手段の一例)
24 バーコード
25,25’ バーコードリーダ
27 仕分けシュート
θ バーコードの読取可能角度
d バーコードの物品の側端からの幅方向の取付位置
e バーコードの物品の下端からの取付高さ
h 余裕代
H 検出した物品の高さ
L 読取距離
P バーコード読み取り位置
V 主搬送コンベヤの幅
W 検出した物品の幅

【特許請求の範囲】
【請求項1】
連続して物品を搬送する搬送手段を備えるとともに、前記搬送手段により前記物品を搬送中に、前記物品の搬送方向を向いた前面に取り付けられた符号を読み取る読取手段を備えた物品搬送設備であって、
前記読取手段を、前記符号の読み取り可能な上向きの読取可能角度、および前記読取手段の読取距離に基づいて、前記符号の読み取り位置の前記搬送方向下流、斜め上方に配置し、
前記符号の読み取り位置より上流に、前記物品の高さを検出する高さ検出手段を設け、
前記読取手段の配置位置と、読取対象の物品より1つ下流の物品の前記高さ検出手段により検出された高さに応じて、読取対象の物品が前記符号の読み取り位置に到達したときにこの物品の符号を読み取ることができる、この読取対象の物品とその1つ下流の物品との最小距離を求め、
前記読取対象の物品より1つ下流の物品と、前記読取対象の物品との間隔を前記求めた最小距離に制御する物品間隔制御を行うこと
を特徴とする物品搬送設備。
【請求項2】
連続して物品を搬送する搬送手段を備えるとともに、前記搬送手段により前記物品を搬送中に、前記物品の搬送方向とは反対を向いた後面に取り付けられた符号を読み取る読取手段を備えた物品搬送設備であって、
前記読取手段を、前記符号の読み取り可能な上向きの読取可能角度、および前記読取手段の読取距離に基づいて、前記符号の読み取り位置の前記搬送方向上流、斜め上方に配置し、
前記符号の読み取り位置より上流に、前記物品の高さを検出する高さ検出手段を設け、
前記読取手段の配置位置と、読取対象の物品より1つ上流の物品の前記高さ検出手段により検出された高さに応じて、読取対象の物品が前記符号の読み取り位置に到達したときにこの物品の符号を読み取ることができる、この読取対象の物品とその1つ上流の物品との最小距離を求め、
前記読取対象の物品と、前記読取対象の物品より1つ上流の物品との間隔を、前記求めた最小に制御する物品間隔制御を行うこと
を特徴とする物品搬送設備。
【請求項3】
連続して物品を搬送する搬送手段を備えるとともに、前記搬送手段により前記物品を、搬送手段の一側端に幅寄せして搬送中に、前記物品の搬送方向を向いた前面に取り付けられた符号を読み取る読取手段を備えた物品搬送設備であって、
前記読取手段を、前記符号の読み取り可能な左右の向きの読取可能角度、および前記読取手段の読取距離、および前記搬送手段により搬送される、物品搬送方向とは直角な左右方向の物品の幅の最大値に基づいて、前記符号の読み取り位置の前記搬送方向下流、かつ前記物品を幅寄せした搬送手段の一側端の斜め側方に配置し、
前記符号の読み取り位置より上流に、前記物品の幅を検出する幅検出手段を設け、
前記読取手段の配置位置と、読取対象の物品の前記幅検出手段により検出された幅に応じて、読取対象の物品の1つ下流に位置する物品の後端が前記符号の読み取り位置を通過したとき、読取対象の物品の符号を前記読取手段により読み取ることができる、前記1つ下流に位置する物品と前記読取対象の物品の最小距離を求め、
前記1つ下流に位置する物品と、前記読取対象の物品との間隔を、前記求めた最小距離に制御する物品間隔制御を行うこと
を特徴とする物品搬送設備。
【請求項4】
連続して物品を搬送する搬送手段を備えるとともに、前記搬送手段により前記物品を、搬送手段の一側端に幅寄せして搬送中に、前記物品の搬送方向とは反対を向いた後面に取り付けられた符号を読み取る読取手段を備えた物品搬送設備であって、
前記読取手段を、前記符号の読み取り可能な左右の向きの読取可能角度、および前記読取手段の読取距離、および前記搬送手段により搬送される、物品搬送方向とは直角な左右方向の物品の幅の最大値に基づいて、前記符号の読み取り位置の前記搬送方向上流、かつ前記物品を幅寄せした搬送手段の一側端の斜め側方に配置し、
前記符号の読み取り位置より上流に、前記物品の幅を検出する幅検出手段を設け、
前記読取手段の配置位置と、読取対象の物品の前記幅検出手段により検出された幅に応じて、読取対象の物品の1つ上流に位置する物品の前端が前記符号の読み取り位置を通過したとき、読取対象の物品の符号を前記読取手段により読み取ることができる、前記読取対象の物品と前記1つ上流に位置する物品との最小距離を求め、
前記読取対象の物品と、前記1つ上流に位置する物品との間隔を、前記求めた最小距離に制御する物品間隔制御を行うこと
を特徴とする物品搬送設備。
【請求項5】
連続して物品を搬送する搬送手段を備えるとともに、前記搬送手段により前記物品を、搬送手段の一側端に幅寄せして搬送中に、前記物品の搬送方向を向いた前面に取り付けられた符号を読み取る読取手段を備えた物品搬送設備であって、
前記読取手段を、前記符号の読み取り可能な左右の向きの読取可能角度、および前記読取手段の読取距離、および前記搬送手段により搬送される、物品搬送方向とは直角な左右方向の物品の幅の最大値に基づいて、前記符号の読み取り位置の前記搬送方向下流、かつ前記物品を幅寄せした搬送手段の一側端とは逆の側端の斜め側方に配置し、
前記符号の読み取り位置より上流に、前記物品の幅を検出する幅検出手段を設け、
前記読取手段の配置位置と、読取対象の物品の1つ下流に位置する物品の前記幅検出手段により検出された幅に応じて、読取対象の物品の前端が前記符号の読み取り位置を通過したとき、読取対象の物品の符号を前記読取手段により読み取ることができる、前記1つ下流に位置する物品と前記読取対象の物品の最小距離を求め、
前記1つ下流に位置する物品と、前記読取対象の物品との間隔を、前記求めた最小距離に制御する物品間隔制御を行うこと
を特徴とする物品搬送設備。
【請求項6】
連続して物品を搬送する搬送手段を備えるとともに、前記搬送手段により前記物品を、搬送手段の一側端に幅寄せして搬送中に、前記物品の搬送方向とは反対を向いた後面に取り付けられた符号を読み取る読取手段を備えた物品搬送設備であって、
前記読取手段を、前記符号の読み取り可能な左右の向きの読取可能角度、および前記読取手段の読取距離、および前記搬送手段により搬送される、物品搬送方向とは直角な左右方向の物品の幅の最大値に基づいて、前記符号の読み取り位置の前記搬送方向上流、かつ前記物品を幅寄せした搬送手段の一側端とは逆の側端の斜め側方に配置し、
前記符号の読み取り位置より上流に、前記物品の幅を検出する幅検出手段を設け、
前記読取手段の配置位置と、読取対象の物品の1つ上流に位置する物品の前記幅検出手段により検出された幅に応じて、読取対象の物品の後端が前記符号の読み取り位置を通過したとき、読取対象の物品の符号を前記読取手段により読み取ることができる、前記読取対象の物品と前記1つ上流に位置する物品との最小距離を求め、
前記読取対象の物品と、前記1つ上流に位置する物品との間隔を、前記求めた最小距離に制御する物品間隔制御を行うこと
を特徴とする物品搬送設備。
【請求項7】
前記符号は、物品を特定するバーコードであり、前記読取手段がバーコードリーダまたは照明付きカメラ装置であること
を特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の物品搬送設備。
【請求項8】
前記搬送手段へ物品を切り出す切り出し手段を備え、
物品間隔制御を、前記切り出し手段により前記搬送手段へ物品を切り出すタイミングにより行うこと
を特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の物品搬送設備。
【請求項9】
前記切り出し手段は、複数の搬送経路から搬送されてきた物品を合流させる合流手段としての機能を有すること
を特徴とする請求項8に記載の物品搬送設備。
【請求項10】
前記搬送手段の搬送方向の下流に複数の分岐経路が設けられ、前記読取手段により読み取られた物品の符号に基づいて、この物品を前記分岐経路の1つに仕分ける物品仕分け手段を備えたこと
を特徴とする請求項1〜請求項9のいずれか1項に記載の物品搬送設備。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2008−184250(P2008−184250A)
【公開日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−17229(P2007−17229)
【出願日】平成19年1月29日(2007.1.29)
【出願人】(000003643)株式会社ダイフク (1,209)
【Fターム(参考)】