物品管理システム
【課題】 故意・過失に関わらず、物品の持ち出しや紛失の発生を極力抑え、物品の貸出や返却の管理を行うことができる物品管理システムを提供すること。
【解決手段】 借方タグのID情報に対して、保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が可能なID情報であると判定する場合と、保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定する場合とを物品の無断持ち出しの可能性を高めることなく適切に変更する物品管理システム。
【解決手段】 借方タグのID情報に対して、保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が可能なID情報であると判定する場合と、保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定する場合とを物品の無断持ち出しの可能性を高めることなく適切に変更する物品管理システム。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、Radio_Frequency_IDentification(以下、RFIDと称す)システムを用いた物品管理システムに関するものであり、特に、貸出や返却の対象となる物品に、その物品の識別番号などのID情報が記録されたRFIDタグが貼付され、貸出や返却の際にRFIDタグから物品のID情報をRFIDリーダに読み取らせて、物品の貸出や返却の管理を行うものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、RFIDシステムを用いた物品管理システムには、借方の情報と物品の情報とを関連付ける(紐付ける)ことを主とするもの、物品の無断持ち出しを制限するもの、物品の位置を把握するもの、物品の返却を促すものなどがある。
【0003】
RFIDシステムにおける借方の情報と物品の情報とを関連付ける(紐付ける)ことを主とするものには、物品に無線タグ(RFIDタグ)を貼り付けて、利用者(借方)に無線タグ(RFIDタグ)を保持させ、管理サーバには、物品の貸出返却処理をおこなう際、物品の識別情報(物品に貼り付けられた無線タグのID情報)と貸出返却処理をおこなう利用者の利用者情報(利用者が保持する無線タグのID情報)とを含む貸出返却情報と、貸出返却情報に基づいた物品の貸出返却処理に関する履歴情報と、物品が関連する分野情報とを含む物品管理情報とが保存され、利用者端末(貸出返却処理端末)によって、貸出返却処理のうち物品の貸出処理がおこなわれる場合、利用者に分野情報を含む物品管理情報を報知可能するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、RFIDシステムにおける借方の情報と物品の情報とを関連付ける(紐付ける)ことを主とするものには、物品に無線タグ(RFIDタグ)を貼り付けて、物品の貸出返却を行う搬送者(借方)に無線タグ(RFIDタグ)を保持させ、2組の無線タグリーダ(リーダ部)を設置することにより、自動的に且つローコストに、物品の貸出或いは返却を判別するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
RFIDシステムにおける物品の無断持ち出しを制限するものには、物品持ち出し監視ゲートが、貸出の行われた物品に付された非接触タグ(RFIDタグ)の識別子(ID情報)を格納する貸出し中タグ識別子テーブルを有し、アンテナを介して読み取った物品に付された非接触タグの識別子と貸出し中タグ識別子テーブルの内容とを比較して、物品の無断持ち出し行為の発生を検出するものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
また、RFIDシステムにおける物品の無断持ち出しを制限するものには、警報出力部が、物品に貼り付けられたICタグ(RFIDタグ)から読み取った識別情報(ID情報)に基づいて、通信が不能になったICタグを特定し、特定されたICタグについて状態記憶部に記憶されている通信状態を、警備モードが設定されている場合には「不明」に更新し、警備解除モードが設定されている場合には「非監視」に更新することにより、警備モードが設定されている場合、通信状態が「不明」に更新されたときに、警報情報を生成するものがある(例えば、特許文献4参照)。
【0007】
RFIDシステムにおける物品の位置を把握するものには、非接触型ICタグ(RFIDタグ)を用いて、倉庫(保管エリア)に物品を頻繁に搬入又は搬出しても、人手を使わずに自動的に在庫情報を収集して機械的に管理することができるものがある(例えば、特許文献5参照)。
【0008】
RFIDシステムにおける物品の返却を促すものには、物品に非接触ICタグ(RFIDタグ)を貼り付けて、利用者(借方)にICカードを保持させ、管理用サーバが、物品が返却制限時間以内に返却されたか否かの判定を行う返却判定手段と、返却判定手段による判定で返却制限時間以内に返却されていないと判定された場合に、利用者IDコード(ID情報)を特定し、利用者が利用者IDコードを用いるネットワークシステムの利用をできない状態に制限するものがある(例えば、特許文献6参照)。なお、特許文献7には、電子メールを用いて、物品の返却忘れを防止することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−191514号公報(第1図乃至第7図)
【特許文献2】特開2003−146413号公報(第1図及び第2図)
【特許文献3】特開2001−266261号公報(第1図乃至第5図)
【特許文献4】特開2010−282513号公報(第1図乃至第3図)
【特許文献5】特開2002−193448号公報(第1図、第2図、第5図乃至第8図)
【特許文献6】特開2007−045592号公報(第1図乃至第4図)
【特許文献7】特開2008−197935号公報(第1図乃至第8図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、従来のRFIDシステムを用いた物品管理システムにおいて、RFIDシステムにおける借方の情報と物品の情報とを関連付ける(紐付ける)ことを主とするものは、利便性が向上するという長所はあるが、故意・過失に関わらず、物品の持ち出しや紛失を制限を意図したものではないという課題があった。また、物品の無断持ち出しを制限するものは、故意の物品の持ち出しを制限することはできるものの、物品が保管される監視領域内でRFIDタグを読み取る設備がない場所などに物品を誤って放置するなどの過失による物品の持ち出しや紛失を制限することは想定していないという課題があった。なお、特許文献5や特許文献6及び7には、故意・過失に関わらず、物品の持ち出しや紛失を制限することや防止することに関する記載はない。
【0011】
近年、研究機関や設計・工場設備などの敷地全体をセキュリティエリアと定義して、セキュリティエリアとセキュリティエリア外との人的・物的アクセスを監視カメラ、赤外線センサ、FBGセンサなどの監視システムや監視員などを用いて制限していることが多く、従来のRFIDシステムを用いた物品管理システムが、うまく機能しなかった場合でも、セキュリティエリア外へ物品を持ち出す行為を監視システムや監視員により、未然に防ぐことができるようになってきている。したがって、研究機関や設計・工場設備などの敷地内で物品の移動を管理する場合(例えば、研究機関や設計・工場設備などの敷地内での試験や実験に使用する計測器などの物品の貸出や返却を管理する場合)は、故意による物品の持ち出しや紛失だけでなく、過失による物品の持ち出しや紛失を防ぐことが重要となってきている。特に、計測器などの高価かつ必要不可欠な物品の紛失・遺失は、物品の所有者や管理者に多大な影響を与える。しかし、計測器は、その用途などの性質から、使用者(借方)間で管理者(貸方)に連絡せずに又貸しなどを行う可能性が高いと想到される。
【0012】
この発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、故意・過失に関わらず、物品の持ち出しや紛失の発生を極力抑え、物品の貸出や返却の管理を行うことができる物品管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明に係る物品管理システムは、物品が保管された保管エリアを包含する貸出返却処理エリア内で、前記保管エリアに保管された物品ごとに取り付けられたRFIDタグである物品タグのID情報とRFIDタグである借方タグのID情報とを紐付けて、物品を前記貸出返却エリアの外部に持ち出し可能とする貸出処理を行ったのちに、借方タグのID情報と物品タグのID情報との紐付けを解除して、物品を前記保管エリアに返却するための返却処理を行う物品管理システムであって、前記保管エリア内のRFIDタグのID情報を読み取る保管エリア内部リーダ部と、前記保管エリアと前記貸出返却処理エリアとを仕切る保管エリア仕切り手段と、RFIDタグのID情報を読み取って、そのID情報が認証されたときに前記保管エリア仕切り手段を開錠させて前記保管エリア仕切り手段を進入又は退出が可能な状態にする保管エリア入退リーダ部と、前記貸出返却処理エリア内のRFIDタグのID情報を読み取る貸出返却処理エリア内部リーダ部と、前記貸出返却処理エリアと外部とを仕切る貸出返却処理エリア仕切り手段と、RFIDタグのID情報を読み取って、そのID情報が認証されたときに前記貸出返却処理エリア仕切り手段を開錠させて前記貸出返却処理エリア仕切り手段を進入又は退出が可能な状態にする貸出返却処理エリア入退リーダ部と、借方タグのID情報、物品タグのID情報、借方タグのID情報と物品タグのID情報との紐付けの有無を示す関連情報、借方タグのID情報の認証が可能か不可能かを示す認証情報を記憶するデータベースサーバ部と、このデータベースサーバ部に記憶された各情報に基づいて、前記保管エリア内部リーダ部、前記保管エリア入退リーダ部、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部、前記貸出返却処理エリア入退リーダ部が読み取ったRFIDタグのID情報を認証が可能か不可能かを判定する機能、及び、前記データベースサーバ部に記憶された各情報を変更する機能を有する制御部と、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取った借方タグのID情報が前記制御部により認証されたとき、その借方タグのID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧又は前記保管エリア内に保管された物品の一覧の少なくとも一方を表示する表示部を有し、表示された物品の一覧から物品を選択することが可能な入力部を有する貸出返却処理端末とを備えたものである。
【0014】
請求項1の発明に係る物品管理システムは、前記貸出返却処理端末の入力部に、前記保管エリア内に保管された物品の一覧から物品を選択する入力があった場合は、前記制御部が、前記保管エリア内の物品のうち、選択された物品に取り付けられた物品タグのID情報と前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取り認証された借方タグのID情報とを紐付けて前記データベースサーバ部に記憶されている前記関連情報を更新し、前記認証された借方タグのID情報が、前記保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が可能なID情報であり、及び、前記貸出返却処理エリア入退リーダ部により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、前記データベースサーバ部に記憶されている前記認証情報を変更したのちに、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が、前記認証された借方タグのID情報とこの借方タグのID情報に紐付けされた全ての物品タグのID情報とを読み取ったときに、読み取られたID情報のうち、借方タグのID情報に対して、前記貸出返却処理エリア入退リーダ部により読み取られると認証が可能なID情報であり、前記保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、前記データベースサーバ部に記憶されている前記認証情報を変更しておく貸出処理を行うものであることを特徴とし、前記貸出返却処理端末の入力部に、借方タグのID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧から物品を選択する入力があった場合は、前記制御部が、借方タグのID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグのID情報を前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取ったときに、借方タグのID情報と物品タグのID情報との紐付けを解除して前記データベースサーバ部に記憶されている前記関連情報を更新し、この更新によって、紐付けを解除された借方タグのID情報が前記保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が可能なID情報であり、及び、前記貸出返却処理エリア入退リーダ部により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、前記データベースサーバ部に記憶されている前記認証情報を変更したのちに、その前記認証情報が変更された借方タグが前記保管エリア入退リーダ部により読み取られ、前記保管エリアから退出する認証が可能と判定してから、前記保管エリア内部リーダ部が、紐付けを解除された物品タグのID情報を読み取ったときに、紐付けを解除された借方タグのID情報が前記保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が不可能なID情報であり、及び、前記貸出返却処理エリア入退リーダ部により読み取られると認証が可能なID情報であると判定するように、前記データベースサーバ部に記憶されている前記認証情報を変更しておく返却処理を行うものであることを特徴とするものである。
【0015】
請求項2の発明に係る物品管理システムは、前記貸出返却処理端末の表示部が、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取った借方タグのID情報が前記制御部により認証されたとき、その借方タグのID情報と紐付けられたID情報がある場合は、そのID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧のみを表示するもの、又は、そのID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧のみを選択可能にするものである請求項1に記載のものである。
【0016】
請求項3の発明に係る物品管理システムは、前記制御部が電子メールサーバに接続され、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取った借方タグのID情報が前記制御部により認証され、前記貸出返却処理端末の入力部に、前記保管エリア内に保管された物品の一覧から物品を選択する入力があった場合、選択された物品の返却期限を入力する旨の表示を前記貸出返却処理端末の表示部し、前記前記貸出返却処理端末の入力部を介して、前記物品の返却期限を入力可能とし、前記前記貸出返却処理端末の入力部に入力された返却期限を前記制御部が前記データベースサーバ部に記憶される前記関連情報へ追記することを特徴とする請求項1又は2に記載のものである。
【0017】
請求項4の発明に係る物品管理システムは、前記貸出返却処理端末の入力部に、借方タグのID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧から物品を選択する入力があった場合、前記制御部が、借方タグのID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグのID情報を前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取ったときに、借方タグのID情報と物品タグのID情報との紐付けを解除して前記データベースサーバ部に記憶されている前記関連情報を更新し、前記関連情報に追記された返却期限を抹消することを特徴とする請求項3に記載のものである。
【0018】
請求項5の発明に係る物品管理システムは、前記関連情報へ追記された返却期限が日付で定義されるものであって、前記制御部が前記関連情報へ追記された返却期限の前日までに、前記電子メールサーバを介してメールを送信することを特徴とする請求項3又は4に記載のものである。
【0019】
請求項6の発明に係る物品管理システムは、前記関連情報へ追記された返却期限が日付で定義されるものであって、前記制御部が前記関連情報へ追記された返却期限の当日以降に、前記電子メールサーバを介してメールを送信することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のものである。
【0020】
請求項7の発明に係る物品管理システムは、物品を持ち出す外部に貸出先エリアが存在するものであって、前記制御部に制御され、前記貸出先エリア内のRFIDタグのID情報を読み取る貸出先エリア内部リーダ部と、前記貸出先エリアと外部とを仕切る貸出先エリア仕切り手段と、前記制御部に制御され、RFIDタグのID情報を読み取って、そのID情報が認証されたときに前記貸出先エリア仕切り手段を開錠させて前記貸出先エリア仕切り手段を進入又は退出が可能な状態にする貸出先エリア入退リーダ部とを備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のものである。
【0021】
請求項8の発明に係る物品管理システムは、前記制御部が、前記保管エリア内部リーダ部、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部、前記貸出先エリア内部リーダ部に対して同時にRFIDタグのID情報の読み取り動作又は順次、RFIDタグのID情報の読み取り動作を行わせる請求項7に記載のものである。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、請求項1に係る発明によれば、保管エリアの入退室に制限をかけているにもかかわらず、借方タグのID情報に対して、保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が可能なID情報であると判定する場合と、保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定する場合とを、物品の無断持ち出しの可能性を高めることなく適切に変更することが可能な物品管理システムを得ることができる。
【0023】
請求項2に係る発明によれば、請求項1の効果に加えて、貸出返却処理端末の表示部に適切な表示をさせることが可能な物品管理システムを得ることができる。
【0024】
請求項3に係る発明によれば、請求項1及び2の効果に加えて、返却期限をシステムに組み込みやすい物品管理システムを得ることができる。
【0025】
請求項4に係る発明によれば、請求項3の効果に加えて、返却期限の管理を容易にする可能性が高まった物品管理システムを得ることができる。
【0026】
請求項5に係る発明によれば、請求項3及び4の効果に加えて、返却期限が過ぎた物品の返却の督促を電子メールで行うことができる物品管理システムを得ることができる。
【0027】
請求項6に係る発明によれば、請求項3〜5の効果に加えて、物品の返却期限の前に事前に返却期限の報知を電子メールで行うことができる物品管理システムを得ることができる。
【0028】
請求項7に係る発明によれば、請求項1〜6の効果に加えて、貸出先エリアに持ち出された物品も管理することができる物品管理システムを得ることができる。
【0029】
請求項8に係る発明によれば、請求項7の効果に加えて、保管エリア及び貸出先エリアにおける物品の所在を容易に確認することができる物品管理システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの構成の模式図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの構成の機能ブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムに用いる借方タグと物品タグのID情報及び関連情報のテーブル(一例)である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの貸出・返却処理(入退室)エリア模式図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの貸出・返却処理(入退室)エリア入室フローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの貸出・返却処理(入退室)エリアにおける貸出処理フローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア模式図(貸出処理中)である。
【図8】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア入室(貸出処理中)フローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア退室(貸出処理中)フローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア模式図である。
【図11】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア内物品検出フローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア内物品検出フローチャートである。
【図13】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア内物品検出フローチャートである。
【図14】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア内物品検出フローチャートである。
【図15】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア内物品検出フローチャートである。
【図16】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの貸出・返却処理(入退室)エリアにおける貸出処理フローチャートである。
【図17】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの貸出・返却処理(入退室)エリア模式図である。
【図18】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの貸出・返却処理(入退室)エリア退室フローチャートである。
【図19】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア内物品検出フローチャートである。
【図20】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムに用いる借方タグと物品タグのID情報及び関連情報のテーブル(一例)である。
【図21】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの物品返却督促電子メール送信処理のフローチャートである。
【図22】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの貸出・返却処理(入退室)エリアにおける返却処理フローチャートである。
【図23】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア模式図(返却処理中)である。
【図24】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア入室(返却処理中)フローチャートである。
【図25】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア入室(返却処理中)フローチャートである。
【図26】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア入室(返却処理中)フローチャートである。
【図27】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの構成の模式図である。
【図28】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムに用いる借方タグと物品タグのID情報及び関連情報のテーブル(一例)である。
【図29】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの貸出・返却処理(入退室)エリアにおける貸出処理フローチャートである。
【図30】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの作業エリア模式図である。
【図31】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの作業エリア入室フローチャートである。
【図32】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの作業エリア退室フローチャートである。
【図33】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムに用いる借方タグと物品タグのID情報及び関連情報のテーブル(一例)である。
【図34】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの貸出・返却処理(入退室)エリアにおける貸出処理フローチャートである。
【図35】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの作業エリア模式図である。
【図36】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの作業エリア入室フローチャートである。
【図37】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの作業エリア退室フローチャートである。
【図38】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの作業エリア模式図(貸出処理中)である。
【図39】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの保管エリア内物品検出フローチャートである。
【図40】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの保管エリア内物品検出フローチャートである。
【図41】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの保管エリア内物品検出フローチャートである。
【図42】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの物品返却督促電子メール送信処理のフローチャートである。
【図43】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの貸出・返却処理(入退室)エリアにおける返却処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本願では、管理対象の物品が計測器など測定器具・実験器具である場合を例として説明するが、これに限るものではない。本願では、各エリア(貸出返却処理エリア,保管エリア,貸出先エリア(物品を使って作業する作業エリア)など)への出入りを入室・退室と称するが、これは入場・退場と称してもよい。つまり、各エリアは後述する仕切り手段(保管エリア仕切り手段など)によってエリア内とエリア外との人的・物的アクセスが制限できるフィールドであれば部屋などに限るものではないことを意味する。本願で使用されるRFIDシステムは、各リーダ部(保管エリア内部リーダ部など)に接続され、リーダ部の制御により電波(質問波)をRFIDタグに送信することにより、そのRFIDタグのID情報がRFIDタグから電波(返信波)よって返信され、それを受信するアンテナ部を有する一般的なものであれば、通信方式や使用周波数は制限されない。なお、RFIDタグの一括読み取りが必要な場面では、現状の技術水準では電波方式が好適であるという制限はあるが、使用周波数を限定する事項ではない。
【0032】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について図1〜26を用いて説明する。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。図1、図2、図4、図7、図10、図17、図23において、1は計測器などの物品ごとに貼り付けられたRFIDタグである物品タグ、2は物品を借りる作業者(借方)ごとに配布されたRFIDタグである借方タグ(作業者個人を特定するIDカードの機能を含むものとする)、また、実施の形態2で説明する作業エリアの管理者が保有するRFIDタグも便宜上、借方タグ2と称する。もちろん、作業エリアの管理者が借方(作業者)であってもよい。3は作業者が使用するものであって、物品タグが貼り付けられた物品を積載して運搬する台車である。なお、実施の形態1に係る物品管理システムは、物品が保管された保管エリアを包含する貸出返却処理エリア内で、保管エリアに保管された物品ごとに取り付けられた物品タグ1のID情報と借方タグ2のID情報とを紐付けて、物品を貸出返却エリアの外部に持ち出し可能とする貸出処理を行ったのちに、借方タグ2のID情報と物品タグ1のID情報との紐付けを解除して、物品を保管エリアに返却するための返却処理を行うものである。
【0033】
・保管エリアの構成
図1、図2、図4、図7、図10、図17、図23において、4は保管エリア内のRFIDタグのID情報を読み取る保管エリア内部リーダ部、5は保管エリア内部リーダ部4に接続され、保管エリア内部リーダ部4の制御により電波をRFIDタグに送信することにより、そのRFIDタグのID情報を電波よって返信されてきたときに受信するアンテナ部である。保管エリア内部リーダ部4は、RFIDタグへの書き込み機能を有するリーダライタでもよい(図2では、リーダライタを指す「R/W」との表記をしているが、リーダ機能だけのものでもよい)。また、保管エリア内部リーダ部4は、アンテナ部5と一体型でもよい。6は保管エリアと貸出返却処理エリアとを仕切る保管エリア仕切り手段であり、扉やフラッパーゲートなどが想定される。7はRFIDタグのID情報を読み取って、そのID情報が認証されたときに保管エリア仕切り手段6を開錠させて保管エリア仕切り手段6を進入又は退出が可能な状態にする保管エリア入退リーダ部、7aは保管エリア入退リーダ部7が読み取った借方タグ2のID情報の認証が不可能と判断された場合に、LEDなどの光源を用いた回転灯や警告灯などの照明装置を点灯又は点滅させることで、不正(認証不可)を報知する報知部であり、照明装置に限らず、不正を画面上に表示して報知する表示装置や不正を音声で報知するスピーカなどの音声発生装置でもよい。8は保管エリア入退リーダ部7に接続され、保管エリア入退リーダ部7の制御により電波をRFIDタグに送信することにより、そのRFIDタグのID情報を電波よって返信されてきたときに受信するアンテナ部である。保管エリア入退リーダ部7は、RFIDタグへの書き込み機能を有するリーダライタでもよい(図2では、リーダライタを指す「R/W」との表記をしているが、リーダ機能だけのものでもよい)。また、保管エリア入退リーダ部7は、アンテナ部8と一体型でもよい。
【0034】
・貸出返却処理(入退室)エリアの構成
図1、図2、図4、図7、図10、図17、図23において、9は貸出返却処理エリア内のRFIDタグのID情報を読み取る貸出返却処理エリア内部リーダ部、10は貸出返却処理エリア内部リーダ部9に接続され、貸出返却処理エリア内部リーダ部9の制御により電波をRFIDタグに送信することにより、そのRFIDタグのID情報を電波よって返信されてきたときに受信するアンテナ部である。貸出返却処理エリア内部リーダ部9は、RFIDタグへの書き込み機能を有するリーダライタでもよい(図2では、リーダライタを指す「R/W」との表記をしているが、リーダ機能だけのものでもよい)。11は貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取った借方タグのID情報が後述の制御部16により認証されたとき、その借方タグ2のID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグ1が取り付けられた物品の一覧又は保管エリア内に保管された物品の一覧の少なくとも一方を表示する表示部を有し、表示された物品の一覧から物品を選択することが可能な入力部を有する貸出返却処理端末(貸出返却登録端末)である。「選択する」とは、物品管理システムにおいて、貸出可能な物品(又は返却する物品)とその物品を選択するための入力信号を予め決めておき、貸出返却処理端末11の入力部から入力される入力信号が、前述の予め決めた入力信号である場合を意味する。よって、作業者が適切な入力信号を貸出返却処理端末11に生成させるために、貸出返却処理端末11の表示部には、貸出返却処理端末11の入力部の適切な操作を作業者に促す表示を行う必要がある。また、貸出返却処理端末(貸出返却登録端末)11は、汎用のPC及びそのPCに組み込まれたソフトウェアなどで構成される。貸出返却処理端末11(貸出返却登録端末11)の表示部は液晶ディスプレイなどが想定される。貸出返却処理端末11(貸出返却登録端末11)の入力部はキーボード、マウス、タッチパネルなどが想定される(入力部がタッチパネルの場合は、入力部が表示部も兼ねることになる)。12は貸出返却処理エリアと外部とを仕切る貸出返却処理エリア仕切り手段であり、扉やフラッパーゲートなどが想定される。13はRFIDタグのID情報を読み取って、そのID情報が認証されたときに貸出返却処理エリア仕切り手段12を開錠させて貸出返却処理エリア仕切り手段12を進入又は退出が可能な状態にする貸出返却処理エリア入退リーダ部、13aは貸出返却処理エリア入退リーダ部13が読み取った借方タグ2のID情報の認証が不可能と判断された場合に、LEDなどの光源を用いた回転灯や警告灯などの照明装置を点灯又は点滅させることで、不正(認証不可)を報知する報知部であり、報知部13aは報知部7aと同様に照明装置に限らず、不正を画面上に表示して報知する表示装置や不正を音声で報知するスピーカなどの音声発生装置でもよい。14は貸出返却処理エリア入退リーダ部13に接続され、貸出返却処理エリア入退リーダ部13の制御により電波をRFIDタグに送信することにより、そのRFIDタグのID情報を電波よって返信されてきたときに受信するアンテナ部である。貸出返却処理エリア入退リーダ部13は、RFIDタグへの書き込み機能を有するリーダライタでもよい(図2では、リーダライタを指す「R/W」との表記をしているが、リーダ機能だけのものでもよい)。
【0035】
・物品管理システムの制御の構成
図1、図2、図4、図7、図10、図17、図23において、15は借方タグ2のID情報、物品タグ1のID情報、借方タグ2のID情報と物品タグ1のID情報との紐付けの有無を示す関連情報、借方タグ2のID情報の認証が可能か不可能かを示す認証情報を記憶し、これらの情報が更新(変更・追記)された履歴やタイミングも記録することが可能なデータベースサーバ部、16はデータベースサーバ部15に記憶された前述の各情報を適宜参照して、保管エリア内部リーダ部4、保管エリア入退リーダ部7、貸出返却処理エリア内部リーダ部9、貸出返却処理エリア入退リーダ部13を制御し、それらが読み取ったRFIDタグのID情報を認証が可能か不可能かを判定する機能とデータベースサーバ部15に記憶された各情報を更新(変更・追記)する機能とを有し、物品の返却日(返却期間)や所定時間などをカウントすることが可能なタイマー機能も有する制御部、17は制御部16に接続され、制御部16からの依頼により対象の電子メールアドレス(メールアドレス)に電子メールを送信するメールサーバ(電子メールサーバ)である。メールサーバ17や電子メールのシステムは、一般的なものでよい。18は借方タグ2を保有する作業者が使用者となっているユーザ端末である。ユーザ端末18は、電子メールが受信できるメーラーを有するものであれば、汎用のPCや携帯電話などなんであってもよい。借方タグ2の関連情報として、電子メールアドレスがデータベースサーバ部15に保存されているので、制御部16は必要に応じて、借方タグ2に対応する作業者が使用するユーザ端末18(実施形態2では、ユーザ端末24も含む)へメールサーバ17を介して電子メールを送ることができる。
【0036】
・データベースサーバ部15に記憶される物品タグ1及び借方タグ2の情報
図3(a)は借方タグ2のID情報及び関連情報のテーブル(一例)、図3(b)は物品タグ1のID情報及び関連情報のテーブル(一例)である。図3(a)には借方タグ2の関連情報として、「作業者コード」,「貸出・返却処理中」,「紐付け情報」,「メールアドレス」をテーブル中に記載しているが、借方タグ2の関連情報として新たに情報を追加・追記してもよい。なお、本願では、全ての借方タグ2(ID情報が「00」,「01」,「02」,「03」,「04」,「05」のもの)は、貸出返却処理エリアへの入室や貸出返却処理端末11の使用を許可されているものとするが、この貸出返却処理エリアへの入室や貸出返却処理端末11の使用の許可又は不許可も、図3(a)のテーブルには表記していないが、借方タグ2の関連情報のうち、特に、借方タグ2のID情報の認証が可能か不可能かを示す認証情報として記憶されているものとする。この認証情報は、後述する紐付け情報とを更新(変更・追記)タイミングを連動させて、制御部16が借方タグ2のID情報の認証が可能か不可能かの情報を変更することが可能なものである。詳細は後述する物品管理システムの動作や運用方法(物品管理方法)で説明する。また、借方タグ2のうち、ID情報が「00」のものを借方タグ00,ID情報が「01」のものを借方タグ01,ID情報が「02」のものを借方タグ02,ID情報が「03」のものを借方タグ03,ID情報が「04」のものを借方タグ04,ID情報が「05」のものを借方タグ05とする。
【0037】
図3(a)において、「作業者コード」とは作業者の個人を特定するものである。「貸出・返却処理中」とは、まず、貸出処理中が貸出返却処理端末11により物品の貸出処理を開始して完了するまでの状態かを示すものであり、そして返却処理中が貸出返却処理端末11により物品の返却処理を開始して完了するまでの状態かを示すものである。ここで、借方タグ00と借方タグ05は「貸出・返却処理中」が否で「紐付け情報」が無いので、物品を一つも借りていない状態であることが分かる。一方、借方タグ01は「貸出・返却処理中」が否で「紐付け情報」が一つのあるので、物品を一つ借りている状態であることが分かる。詳しくは、ID情報が「CC」の物品タグ1が貼り付けられた物品を借りていることが分かる。「紐付け情報」とは借方タグ2を保有する作業者が借りようとする(貸出処理中)又は借りている最中(貸出中)の物品の物品タグ1とを紐付けているものである。例えば、図3(a)の事例では借方タグ01に、物品タグ1のID情報が「CC」ものが紐付けられている。図3(a)では「紐付け情報」を五つまで表記することができるようにしているが、これに限るものではない。「メールアドレス」とは電子メールアドレスを指し、前述の通り、制御部16は必要に応じて、借方タグ2に対応する作業者が使用するユーザ端末18へメールサーバ17を介して電子メールを送ることができる。なお、テーブルに関する詳細は後述する物品管理システムの動作や運用方法(物品管理方法)で説明する。
【0038】
図3(b)には物品タグ1の関連情報として、「物品名」,「メーカ名」,「紐付け情報」,「返却日(予定)」、「貸出・返却処理中」をテーブル中に記載しているが、物品タグ1の関連情報として新たに情報を追加・追記してもよい。また、物品タグ1のうち、ID情報が「AA」のものを物品タグAA,ID情報が「BB」のものを物品タグBB,ID情報が「CC」のものを物品タグCC,ID情報が「DD」のものを物品タグEE,ID情報が「EE」のものを物品タグEE,ID情報が「FF」のものを物品タグFF,ID情報が「GG」のものを物品タグGG,ID情報が「HH」のものを物品タグHHとする。図3(b)に記載の物品タグ1のID情報及び関連情報のテーブルを貸出返却処理端末11の表示部が表示することにより、物品のランナップや物品の貸出状況を確認することができるが、物品タグ1の「ID情報」や「紐付け情報」など一部の項目(情報)を伏せて表示してもよい。
【0039】
図3(b)において、「物品名」とは物品タグ1が貼り付けられた物品の品名を示している。「メーカ名」とは物品タグ1が貼り付けられた物品を製造又は販売するメーカの名称を示している。「紐付け情報」とは借方タグ2を保有する作業者が借りようとする(貸出処理中)又は借りている最中(貸出中)の物品の物品タグ1とを紐付けているものである。例えば、図3(b)の事例では物品タグAAに、借方タグ02が紐付けられている。「返却日(予定)」とは物品タグ1が貼り付けられた物品が貸し出されたとき設定されたその物品の返却日、つまり、返却期限を示すものである。図3(b)の事例では返却日としているが、これに限るものではなく、返却時間まで設定してもよい。また、返却期限の設定を返却日ではなく、「貸出日(貸出時間)プラス所定日(所定時間)」という設定にしてもよい。「貸出・返却処理中」とは、まず、貸出処理中が貸出返却処理端末11により物品の貸出処理を開始して完了するまでの状態かを示すものであり、そして返却処理中が貸出返却処理端末11により物品の返却処理を開始して完了するまでの状態かを示すものである。ここで、物品タグBBは「貸出・返却処理中」が否で「紐付け情報」が無いので、借りられていない状態であり、保管エリアに存在することが分かる。一方、物品タグCCは「貸出・返却処理中」が否で「紐付け情報」があるので、借りられている状態であることが分かる。詳しくは、借方タグ01を保有する作業者が、物品タグCCが添付された物品(計測器3)を借りていることが分かる。なお、テーブルに関する詳細は後述する物品管理システムの動作や運用方法(物品管理方法)で説明する。
【0040】
次に、実施の形態1に係る物品管理システムの動作や運用方法(物品管理方法)を説明する。この説明は、物品管理システムの構成の模式図・機能ブロック図に加えて、フローチャートを用いて進めるが、各フローチャートにおける各処理ステップ(Step)はS○○○○と称し、各処理ステップのうち、エラー処理ステップ(ERROR)はE○○○○と称する。なお、○には正の整数又は零が入る。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。実施の形態1に係る物品管理システムの動作や運用方法(物品管理方法)は、制御部16が物品タグ1や借方タグ2のID情報を収集し、そのデータを時系列にデータベースサーバ部15へ保存することにより行う。もちろん、データベースサーバ部15に保存されている物品タグ1のID情報と関連情報、借方タグ2のID情報と関連情報も使用する。
【0041】
図4及び5を用いて管理返却処理(入退室)エリアへの入室を説明する。図4が示すように、台車3を押してきた作業者の胸には、借方タグ2がIDカードとして掛けられている。この作業者が、扉である貸出返却処理エリア仕切り手段12(以下、扉12と称する)の前(貸出返却処理エリアの外)に来て、アンテナ部14が放射する電波の覆域に借方タグ2が入ったときに、アンテナ部14を介して貸出返却処理エリア入退リーダ部13が借方タグ2のID情報を読み取る(S0501)。貸出返却処理エリア入退リーダ部13に読み取られたID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S0502)。制御部16が認証できないと判定した場合(ID情報に対応する認証情報がない場合やID情報が認証不可能と認証情報に記憶されている場合)は、エラーとして処理して、S0501へ戻る(E0501)。E0501は、報知部13aにより不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。制御部16が認証できると判定した場合(ID情報が認証可能と認証情報に記憶されている場合)は、制御部16が貸出返却処理エリア入退リーダ部13を介して扉12を開錠させる(S0503)。S0503は、扉12の施錠するステップを含んでいてもよい。
【0042】
図6を用いて、作業者が管理返却処理(入退室)エリアへの入室した後に、貸出返却処理端末11を用いて、物品を借りる貸出処理、つまり、貸出返却処理端末11の入力部に、保管エリア内に保管された物品の一覧から物品を選択する入力があった場合の処理を説明する。管理返却処理(入退室)エリアへ入室した作業者が、貸出返却処理端末11に接続されたアンテナ部10が放射する電波の覆域に借方タグ2をかざしたときに、アンテナ部10を介して貸出返却処理エリア内部リーダ部9が借方タグ2のID情報を読み取る(S0601)。貸出返却処理エリア内部リーダ部9に読み取られたID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S0602)。制御部16が認証できないと判定した場合(ID情報に対応する認証情報がない場合やID情報が認証不可能と認証情報に記憶されている場合)は、エラーとして処理して、S0601へ戻る(E0601)。E0601は、貸出返却処理端末11の表示部により不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。制御部16が認証できると判定した場合(ID情報が認証可能と認証情報に記憶されている場合)は、貸出返却処理端末11が、その表示部に保管エリア内に保管された物品の一覧(例えば、図3(b)に記載のテーブル)を表示する(S0602)。
【0043】
貸出返却処理端末11は、作業者が閲覧できるよう、表示部に保管エリア内に保管された物品の一覧を表示し、作業者は貸出を希望する物品が貸出中でない場合は、その物品の貸出を希望するために、つまり、貸出処理を開始するために、貸出返却処理端末11の入力部を用いて、対象の物品を選択することができる。これは複数の物品を選択するようにしてもよい。貸出返却処理端末11は作業者による外部からの入力が貸出返却処理端末11の入力部にあったときに入力信号が生成される(S0603)。貸出返却処理端末11の表示部に表示される保管エリア内に保管された物品の一覧が、物品が貸出処理中や返却処理中であるかどうかを表示しない場合は、S0603の後にS0604を実行するが、そうでない場合は、このステップ(S0604)を省略して、S0605を行う。具体的には、S0605は、貸出返却処理端末11の表示部に他に借りたい物品があるかどうかを作業者へ報知する(アイコンなどを表示する)ステップである。他に借りたい物品があるという入力が貸出返却処理端末11の入力部にあった場合は、S0603へ戻り、他に借りたい物品がないという貸出返却処理端末11の入力部にあった場合は、S0606へ進む。なお、S604は(NO)の場合は、S0603へ戻る。
【0044】
S0606では、作業者が借りようとする物品の返却日を貸出返却処理端末11の入力部を介して、作業者に入力を促す表示を貸出返却処理端末11の表示部に表示する。作業者が返却日を入力する。この入力により、制御部16は、作業者が借りようとする物品の返却日をデータベースサーバ部の関連情報に記憶(更新・追記)する。S0606で行う返却日の設定は、システム上自由に設定できる(作業者が自由に入力することができる)ようにしてもよいし、物品ごと、或いは、作業者ごと、若しくは、その両方の組み合わせごとに設定できる返却期間に制限をかけてもよい。これらの設定は、物品タグ1や借方タグ2により、物品の個体識別や作業者の個人識別を行っているので容易に実行できる。次に、S0607では、借方タグ2と物品タグ1(物品タグ1は単品の場合もあれば複数の場合もある)との紐付け処理を行う。借方タグ2の認証情報に認証制限を付与する処理も行う。
【0045】
S0607では、制御部16が、貸出返却処理端末11を操作する作業者が所持する借方タグ2のID情報、つまり、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2のID情報と保管エリア内の物品のうち、選択された物品に取り付けられた物品タグ1のID情報とを紐付けてデータベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2及び物品タグ1の関連情報を更新(記憶・追記)する。このS0607を借方タグ02が、借方タグ02を所持する作業者が物品タグAA,物品タグDD,物品タグGGを借りようとする場合を例にして説明する。なお、図3の状態が前述の更新の結果であるとする。図3(a)に記載されたテーブルは、S0607の処理によって、借方タグ02の関連情報として、「紐付け情報」が三つの物品タグ1のID情報(物品タグAA,物品タグDD,物品タグGG)と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。また、借方タグ02の関連情報として、「貸出・返却処理中」が貸出処理中と記憶(更新・追記)される。
【0046】
図3(b)に記載されたテーブルは、S0607の処理によって、物品タグAAの関連情報として、「紐付け情報」が借方タグ02と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。物品タグDDの関連情報として、「紐付け情報」が借方タグ02と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。物品タグGGの関連情報として、「紐付け情報」が借方タグ02と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。また、物品AA,物品タグDD,物品タグGGの関連情報として、それぞれの「返却日(予定)」が貸出処理中と記憶(更新・追記)される。同じく、S0607では、制御部16が、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2のID情報が、保管エリア入退リーダ部4により読み取られると認証が可能なID情報であり、及び、貸出返却処理エリア入退リーダ部13により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、データベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2の認証情報を変更(更新・追記)する。
【0047】
この認証情報の変更や認証情報自体は、図3に記載のテーブルでは、直接的には表示してないが、借方タグ2の関連情報である「貸出・返却処理中」が貸出処理中となっていることで、間接的に認証情報の変更が実行されていることを示していることになっている。これは、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2のID情報が、「保管エリア入退リーダ部7により読み取られると認証が可能なID情報」かつ「貸出返却処理エリア入退リーダ部13により読み取られると認証が不可能なID情報」と認証情報を変更する目的が、物品タグ1と借方タグ2とを紐付けて貸出処理を開始することで、初めて、借方タグ2を保有する作業者が保管エリアに入室できるようにし、図16のフローチャートを用いて後述する貸出処理が完了(終了)するまでは、貸出返却処理エリアから退室できなようにすることであり、これを換言すると、借方タグ2を保有する作業者が保管エリアに入室できるが、貸出返却処理エリアから退室できないようになっている期間が貸出処理中といえるからである。
【0048】
図7及び8を用いて貸出処理における保管エリアへの入室を説明する。図7に示す台車3を押してきた作業者の胸に掛けられた借方タグ2は、S0601〜S0607までの処理を経たものとする。この作業者が、扉である保管エリア仕切り手段6(以下、扉6と称する)の前(保管エリアの外であって、貸出返却処理エリア内)に来て、アンテナ部8が放射する電波の覆域に借方タグ2が入ったときに、アンテナ部8を介して保管エリア入退リーダ部7が借方タグ2のID情報を読み取る(S0801)。保管エリア入退リーダ部7に読み取られたID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S0802)。制御部16が認証できると判定した場合(S0601〜S0607までの処理を経た借方タグ2のID情報、つまり、借方タグ2の関連情報が貸出処理中と記憶(更新・変更)されている場合)は、制御部16が保管エリア入退リーダ部7を介して扉6を開錠させる(S0803)。S0803は、扉6の施錠するステップを含んでいてもよい。なお、図7に示す台車3を押してきた作業者の胸に掛けられた借方タグ2が、S0601〜S0607までの処理を経たものでない場合、つまり、制御部16が認証できないと判定した場合は、エラーとして処理して、S0801へ戻る(E0801)。E0801は、報知部7aにより不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。
【0049】
S0801〜S0803の各ステップを経た借方タグ2を所持する作業者は、保管エリアに入室することができるので、保管エリア内が貸出処理中の物品を探し出して、対象の物品を台車3に載せて保管エリアからの退室することになる。例えば、借方タグ2が借方タグ02である場合、作業者は、物品タグAAが貼り付けられた物品,物品タグDDが貼り付けられた物品,物品タグGGが貼り付けられた物品を探すことになる。この場合を想定して説明を進める。作業者が物品を探す際に見つけられないというトラブルを防ぐために、各物品に名札やステッカーを貼ってもよいし、貸出返却処理端末11を用いて、物品の選択する際に、その物品の概観写真や保管エリア内での配置を貸出返却処理端末11の表示部に表示させてもよい。
【0050】
図9を用いて保管エリアからの退室を説明する。作業者が、物品タグAAが貼り付けられた物品,物品タグDDが貼り付けられた物品,物品タグGGが貼り付けられた物品を台車3に載せて、扉6の前(保管エリア内)に来て、アンテナ部8が放射する電波の覆域に借方タグ2が入ったときに、アンテナ部8を介して保管エリア入退リーダ部7が借方タグ2のID情報を読み取る(S0901)。保管エリア入退リーダ部7に読み取られたID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S0902)。制御部16が認証できると判定した場合(S0601〜S0607までの処理を経た借方タグ2のID情報、つまり、借方タグ2の関連情報が貸出処理中と記憶(更新・変更)されている場合)は、制御部16が保管エリア入退リーダ部7を介して扉6を開錠させる(S0903)。S0903は、扉6の施錠するステップを含んでいてもよい。なお、借方タグ2が、S0601〜S0607までの処理を経たものでない場合、つまり、制御部16が認証できないと判定した場合は、エラーとして処理して、S0901へ戻る(E0901)。E0901は、報知部7aにより不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。
【0051】
S901〜S903の処理では、借方タグ02を所持する作業者は、物品タグAAが貼り付けられた物品,物品タグDDが貼り付けられた物品,物品タグGGが貼り付けられた物品以外の物品を保管エリアから持ち出す可能性がある。悪意のある物品持ち出しを防ぐ必要がある場合は、保管エリア内の物品の有無を周期的に調査する処理を行えばよい。過失よる物品持ち出しだけが問題である場合は、図16のフローチャートを用いて後述する貸出処理が完了(終了)させることにより防ぐことができる。
【0052】
ここで、保管エリア内の物品の有無を周期的に調査する処理に関して図10〜15を用いて説明する。この周期的な調査は、制御部16が保管エリア内部リーダ部4を用いて、物品タグ1のID情報を収集し、そのデータを時系列にデータベースサーバ部15へ保存することにより行う。もちろん、データベースサーバ部15に保存されている物品タグ1のID情報と関連情報、借方タグ2のID情報と関連情報も使用する。図10は保管エリア内でのRFIDタグ(物品タグ1)の読み取りを模式的に示したものである。このような状態で、図11〜15の処理フロー(処理ステップ)を所定の周期で実行して保管エリア内の物品の有無を調査する。所定の周期は、求めるセキュリティの度合いに応じて設定すればよい。高いセキュリティを求められる場合は、短い周期で図11〜15の処理フロー(処理ステップ)を実行すればよい。
【0053】
図11を用いて、制御部16によるメインの処理フローを説明する。まず、S1101にて、アンテナ部5を介して保管エリア内の物品タグ1のID情報を保管エリア内部リーダ部4が読み取る。ここで、処理フローには記載していないが、仮に保管エリア内部リーダ部4が借方タグ2のID情報を読み取った場合は、作業者が作業中(保管エリアに入室中)ということで、S1101からエンド(終了)に移行してもよい。保管エリア内部リーダ部4が読み取った物品タグ1のID情報が前回の読み取り時に読み取られた物品タグ1のID情報と比較する(S1102)。比較の結果、変化が無い場合は、エンド(終了)に移行して処理を終了する。新たなID情報が増えた場合、つまり、物品が増えた場合は、図12に示す制御部16によるサブの処理フロー1を実行する。新たなID情報が増え、無くなったID情報がある場合、つまり、新たに増えた物品と無くなった物品とがある場合は、図14に示す制御部16によるサブの処理フロー2を実行する。
【0054】
S1102の比較の結果、無くなったID情報がある場合、つまり、無くなった物品がある場合は、S1104を実行する。S1104は、無くなったID情報を有する物品タグ1が貼り付けられた物品が処理中(貸出処理中又は後述する返却処理中)又は貸出中かの判定を関連情報により行うものである。処理中又は貸出中であれば、エンド(終了)に移行して処理を終了する。処理中又は貸出中でなければ、物品が紛失したことになり、何らかの報知を行うエラー処理(E1101)を行う。このS1104の処理を図3(b)のテーブルを例にして説明すると、物品タグAA,物品タグDD,物品タグEE,物品タグFF,物品タグGG,物品タグHHは処理中となり、物品タグCCは貸出中となる。しかし、物品タグBBのID情報が保管エリア内部リーダ部4で読み取れないとなった場合は、物品タグBBが貼り付けられた物品が紛失したことになる。
【0055】
図12に示す制御部16によるサブの処理フロー1を説明する。S1201は、新たなに増えたID情報が返却処理済み又は返却処理中であるかの判定を関連情報により行う。そうであれば、エンド(終了)に移行して処理を終了する。そうでない場合は、図13に示す制御部16によるサブの処理フロー3を実行する。ここで、新たなに増えたID情報が返却処理済み又は返却処理中である場合の処理を図3(b)のテーブルを例にして説明する。増えたID情報が物品タグBBのものであれば、返却処理済みということなり、増えたID情報が物品タグFF又は物品タグHHのものであれば、返却処理中ということなる。
【0056】
図13に示す制御部16によるサブの処理フロー3を説明する。S1301は、新たなに増えたID情報が貸出中であるかの判定を関連情報により行う。新たなに増えたID情報が貸出中であれば、後述する返却処理を行わずに物品を保管エリアに持ち込んだことになるので、何らかの報知を行うエラー処理(E1301)を行う。ここで、新たなに増えたID情報が貸出中である場合の処理を図3(b)のテーブルを例にして説明する。増えたID情報が物品タグCCのものであれば、貸出中ということなる。S1301は、新たなに増えたID情報が貸出中ではない場合は、貸出処理中の物品を再度、保管エリアに持ち込んだと判定し、エンド(終了)に移行して処理を終了する。ここで、新たなに増えたID情報が貸出中である場合の処理を図3(b)のテーブルを例にして説明する。増えたID情報が物品タグAA,物品タグDD,物品タグEE,物品タグGGのものであれば、貸出処理中の物品を再度、保管エリアに持ち込んだということなる。
【0057】
図14に示す制御部16によるサブの処理フロー2を説明する。まず、S1401を実行する。S1401は、無くなったID情報を有する物品タグ1が貼り付けられた物品が処理中(貸出処理中又は後述する返却処理中)又は貸出中かの判定を関連情報により行うものである。処理中又は貸出中であれば、S1402に進む。処理中又は貸出中でなければ、S1403に進む。S1402は、新たなに増えたID情報が返却処理済み又は返却処理中であるかの判定を関連情報により行う。そうであれば、エンド(終了)に移行して処理を終了する。そうでない場合は、図13に示す制御部16によるサブの処理フロー3を実行する。ここで、新たなに増えたID情報が返却処理済み又は返却処理中である場合の処理を図3(b)のテーブルを例にして説明する。増えたID情報が物品タグBBのものであれば、返却処理済みということなり、増えたID情報が物品タグFF又は物品タグHHのものであれば、返却処理中ということなる。
【0058】
S1403は、S1401の処理で物品が紛失していることが判明していることになり、何らかの報知を行うエラー処理(E1401又は後述のE1501或いはE1502)を行うことを前提に、新たなに増えたID情報が返却処理済み又は返却処理中であるかの判定を関連情報により行う。そうであれば、エラー処理(E1401)を行ってS1401に戻る。そうでない場合は、図15に示す制御部16によるサブの処理フロー4を実行する。ここで、新たなに増えたID情報が返却処理済み又は返却処理中である場合の処理を図3(b)のテーブルを例にして説明する。増えたID情報が物品タグBBのものであれば、返却処理済みということなり、増えたID情報が物品タグFF又は物品タグHHのものであれば、返却処理中ということなる。
【0059】
図15に示す制御部16によるサブの処理フロー4を説明する。S1501は、新たなに増えたID情報が貸出中であるかの判定を関連情報により行う。新たなに増えたID情報が貸出中であれば、後述する返却処理を行わずに物品を保管エリアに持ち込んだことになるので、何らかの報知を行うエラー処理とS1401の処理で物品が紛失したことを報知するエラー処理(E1501)を行う。ここで、新たなに増えたID情報が貸出中である場合の処理を図3(b)のテーブルを例にして説明する。増えたID情報が物品タグCCのものであれば、貸出中ということなる。S1301は、新たなに増えたID情報が貸出中ではない場合は、貸出処理中の物品を再度、保管エリアに持ち込んだと判定し、S1401の処理で物品が紛失したことを報知するエラー処理(E1502)を行ってエンド(終了)に移行して処理を終了する。ここで、新たなに増えたID情報が貸出中である場合の処理を図3(b)のテーブルを例にして説明する。増えたID情報が物品タグAA,物品タグDD,物品タグEE,物品タグGGのものであれば、貸出処理中の物品を再度、保管エリアに持ち込んだということなる。
【0060】
次に、貸出処理を完了させるための処理フロー(処理ステップ)を図16により説明する。図6に示す処理フローののち、図9を用いて説明した処理により保管エリアからの物品タグ1が貼り付けられた物品を台車3に載せて退室し、つまり、管理返却処理(入退室)エリアへ入室した作業者は、貸出返却処理エリア内部リーダ部9のアンテナ部8のところまで来る。作業者が貸出返却処理端末11に接続されたアンテナ部10が放射する電波の覆域に借方タグ2と物品タグ1とをかざしたときに、アンテナ部10を介して貸出返却処理エリア内部リーダ部9が借方タグ2のID情報と借方タグ2のID情報と物品タグ1のID情報を読み取る(S1601)。貸出返却処理エリア内部リーダ部9に読み取られた借方タグ2のID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S1602)。制御部16が認証できないと判定した場合(ID情報に対応する認証情報がない場合やID情報が認証不可能と認証情報に記憶されている場合)は、エラーとして処理して、S1601へ戻る(E1601)。E1601は、貸出返却処理端末11の表示部により不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。制御部16が認証できると判定した場合(ID情報が認証可能と認証情報に記憶されている場合)は、S1603へ進む。
【0061】
S1603では、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取った物品タグ1のID情報のうち、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取った借方タグ2のID情報に紐付けされていないものがないかを判定する。借方タグ2のID情報に紐付けされていない物品タグ1のID情報がある場合は、エラーとして処理して、S1603へ戻る(E1602)。E1602は、貸出返却処理端末11の表示部により紐付けされていない物品があることとその物品に関する情報を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。制御部16が紐付けされていない物品はないと判定した場合は、S1604へ進む。なお、S1603の処理は、作業者が所持する借方タグ2が、図3のテーブルに記載の借方タグ02である場合は、物品タグAAが貼り付けられた物品,物品タグDDが貼り付けられた物品,物品タグGGが貼り付けられた物品以外があれば、エラーとして処理されることになる(E1602)。
【0062】
S1604では、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が、認証された借方タグ2のID情報とこの借方タグ2のID情報に紐付けされた全ての物品タグ1のID情報があるかどうかを判定する。全ての物品タグ1のID情報がない場合は、エラーとして処理して、S1603へ戻る(E1602)。なお、S1604の処理は、作業者が所持する借方タグ2が、図3のテーブルに記載の借方タグ02である場合は、物品タグAAが貼り付けられた物品,物品タグDDが貼り付けられた物品,物品タグGGが貼り付けられた物品が全て無いと、エラーとして処理されることになる(E1602)。貸出返却処理エリア内部リーダ部9が、認証された借方タグ2のID情報とこの借方タグ2のID情報に紐付けされた全ての物品タグ1のID情報とを読み取った場合は、制御部16が、貸出返却処理端末11を操作する作業者が所持する借方タグ2のID情報、つまり、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2の関連情報と貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された物品に取り付けられた物品タグ1の関連情報とのうち、「貸出・返却処理中」を貸出処理中から否に変更してデータベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2及び物品タグ1の関連情報を更新(変更・追記)する。
【0063】
このS1604における借方タグ2及び物品タグ1の関連情報の更新を図3のテーブルに記載の借方タグ02が、借方タグ02を所持する作業者が物品タグAA,物品タグDD,物品タグGGを借りようとする場合を例にして説明する。S1604の処理によって、借方タグ02の関連情報として、「貸出・返却処理中」が貸出処理中から否と記憶(更新・追記)される。物品タグAA,物品タグDD,物品タグGGの関連情報として、「貸出・返却処理中」が貸出処理中から否と記憶(更新・追記)される。
【0064】
同じく、S1604では、制御部16が、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2のID情報が、貸出返却処理エリア入退リーダ部13により読み取られると認証が可能なID情報であり、及び、保管エリア入退リーダ部7により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、データベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2の認証情報を変更(更新・追記)する。この認証情報の変更や認証情報自体は、図3に記載のテーブルでは、直接的には表示してないが、借方タグ2の関連情報である「貸出・返却処理中」が否となっていることで、間接的に認証情報の変更が実行されていることを示していることになっている。これは、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2のID情報が、「貸出返却処理エリア入退リーダ部13により読み取られると認証が可能なID情報」かつ「保管エリア入退リーダ部7により読み取られると認証が不可能なID情報」と認証情報を変更する目的が、借方タグ2とを紐付けた物品タグ1を保管エリアから全て持ち出したことが確認できたので、借方タグ2を保有する作業者が保管エリアに入室できないようにし、貸出処理が完了(終了)したのちは、貸出返却処理エリアから退室できるようにすることであり、これを換言すると、借方タグ2を保有する作業者が保管エリアに入室できないが、貸出返却処理エリアから退室できる時期は貸出処理が完了したときといえるからである。
【0065】
図17及び18を用いて、貸出処理が完了後に、作業者が貸出返却処理(入退室)エリアからの退室を説明する。図17が示すように、台車3を押してきた作業者が、扉12の前(貸出返却処理エリア内)に来て、アンテナ部14が放射する電波の覆域に借方タグ2が入ったときに、アンテナ部14を介して貸出返却処理エリア入退リーダ部13が借方タグ2のID情報を読み取る(S1801)。貸出返却処理エリア入退リーダ部13に読み取られたID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S1802)。制御部16が認証できないと判定した場合(ID情報に対応する認証情報がない場合やID情報が認証不可能と認証情報に記憶されている場合)は、エラーとして処理して、S1801へ戻る(E1801)。E0501は、報知部13aにより不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。制御部16が認証できると判定した場合(ID情報が認証可能と認証情報に記憶されている場合)は、S1803へ進むが、図6及び図16に記載の処理フローで、認証情報自体の変更が行われている場合は、S1803及びS1804の処理を飛ばして、S1805へ進み、制御部16が貸出返却処理エリア入退リーダ部13を介して扉12を開錠させる。S1805は、扉12の施錠するステップを含んでいてもよい。なお、貸出処理が完了した後に、貸出返却処理エリアから退室せずにそのまま後述する返却処理を開始してもよい。
【0066】
図18に記載の処理フローにおいて、図6及び図16に記載の処理フローで、認証情報自体の変更が行われておらず、借方タグ2の関連情報である「貸出・返却処理中」が貸出処理中又は否となっていることで、間接的に認証情報の変更が実行されている場合は、S1803及びS1804の処理を行う。まず。S1803では、借方タグ2の関連情報の「貸出・返却処理中」及び「紐付け情報」から、貸出処理を行っているかを判断する。貸出処理を行っていない場合は、前述のS1805へ進み、貸出処理を行っている場合は、前述のS1804へ進む。S1804では、借方タグ2の関連情報の「貸出・返却処理中」から、貸出処理が終了しているかを判定して、終了していない場合は、前述のE1801へ進み、終了している場合は、前述のS1805へ進む。なお、S1803及びS1804は一体的に処理してよい。この一体的な処理とは、借方タグ2の関連情報の「貸出・返却処理中」のみを参照して、否であれば、S1805へ進み。貸出処理中であれば、E1801へ進む処理となる。
【0067】
以上のような図4〜18を用いて処理を説明した実施の形態1に係る物品管理システム(物品管理方法)では、作業者が、必要に応じて、物品が管理されている保管エリアへの入室が可能となるだけでなく、貸出処理が完了していないと貸出返却処理エリアから退室ができないので、物品を誤って貸出返却処理エリアから持ち出すおそれがないという効果を奏する。また、貸出処理の対象となっている物品の貸出返却処理エリアからの持ち出し忘れも防ぐことができるという効果を奏する。さらに、扉12を行き来する人の通行量が多い場合や扉12に繋がる通路が狭い場合でも、借方タグ2だけ認証するための設備だけで、貸出返却処理エリアからの退室を許可できるので、適用範囲が広いという効果を奏する。
【0068】
なお、貸出返却処理エリアの扉12において、全ての借方タグ2と物品タグ1を十分読み取れるだけの設備がある場合は、図18で説明した処理のS1803とS1804とを拡張して、物品の貸出処理を行っていない作業者が物品タグ1とともに貸出返却処理エリアから退室させないという機能を追加することができる。具体的には、S1803のステップで、制御部16の制御によって、貸出返却処理エリア入退リーダ部13がアンテナ部14を介して物品タグ1のID情報を読み取る処理フローを追加すればよい。例えば、S1803では物品の貸出処理を行っていないが、物品タグ1のID情報が読み取られた場合はE1801へ進むという処理が考えられる。また、S1804では物品の貸出処理が完了しているが、借方タグ2と紐付けられていない物品タグ1のID情報が読み取られた場合はE1801へ進むという処理が考えられる。これは、貸出返却処理エリアの扉12から貸出返却処理エリアへ入室する際にも同じことがいえるだけでなく、保管エリアへの入退室にも同じことがいえる。
【0069】
これまでは、貸出処理の開始から終了までを説明したが、ここでは、貸出返却処理端末11を作業者が操作して物品の貸出処理を開始したが、作業者が貸出返却処理エリア内で、別の作業を開始したり休憩したりして、保管エリアから対象の物品を引き取るまでに時間が掛かり、物品が有効活用できないおそれがある場合に実行することが好適な図19に記載の物品引き取り忘れ報知処理を説明する。この物品引き取り忘れ報知処理は、基本の処理フローは、図11〜15を用いて説明した「保管エリア内の物品の有無を周期的に調査する処理」のS1101とS1102との処理の間にS1901の処理を加えたものである。ここでは、S1901とその後段の処理であるS1902及びS1903とを説明する。
【0070】
図19に記載のS1101にて、アンテナ部5を介して保管エリア内の物品タグ1のID情報を保管エリア内部リーダ部4が読み取る。ここで、処理フローには記載していないが、仮に保管エリア内部リーダ部4が借方タグ2のID情報を読み取った場合は、作業者が作業中(保管エリアに入室中)ということで、S1101からエンド(終了)に移行してもよい。次に、S1901では、保管エリア内部リーダ部4が読み取った物品タグ1のID情報と関連情報とから、物品の貸出処理中のものがないかを制御部16が確認する。貸出処理中のものがない場合はS1102に進み、貸出処理中のものがある場合はS1902に進む。具体的なS1901の処理は、制御部16が物品タグ1の関連情報の「貸出・返却処理中」をデータベースサーバ部15から参照することで実行するものである。
【0071】
S1902では、貸出処理中となっている物品タグが、貸出処理開始から所定時間が経過しているかどうかを制御部16が判定する。所定時間が経過していない場合はS1102に進み、所定時間が経過している場合はS1903へ進む。所定時間をどのように設定するかは、貸出返却処理エリアで作業者が貸出返却処理端末11を操作して、自身が所有する借方タグ1のID情報と物品タグ1のID情報とを関連情報で紐付けることで開始される貸出処理の開始から、作業者が保管エリアから紐付けられた物品タグが添付された物品を全て持ち出すために十分な時間を作業者の移動速度、貸出返却処理端末11から保管エリアの扉6までの距離、保管エリアの物品が配置された場所から扉6までの距離などを考慮して設定すればよい。
【0072】
S1903では、制御部16が、貸出処理の開始から所定時間が経過している物品タグ1のID情報と紐付けられたID情報を有する借方タグ2を保有する作業者(借方)のメールアドレスをデータベースサーバ部15に記憶されている関連情報から得て、メールサーバ17を介して作業者(借方)のユーザ端末18へ電子メールを送付する。電子メールの内容は、貸出処理中の物品の引き取り忘れを報知する内容であればなんでもよい。S1903の処理の後、S1102へ進む。なお、貸出処理中である物品に貼り付けられた物品タグ1のID情報と紐付けられたID情報を有する借方タグ2は認証情報が変更されており、貸出返却処理エリアからの退室が出来ない状態となっているので、メールサーバ17を介して作業者(借方)のユーザ端末18へ電子メールを送付しても作業者がメールを見ることができない環境である場合がある。そこで、実施の形態1に係る物品管理システムにおいて物品引き取り忘れ報知処理を行う場合は、ユーザ端末18が携帯電話やモバイルPCなどの作業者が携帯できるような端末であることが望ましい。
【0073】
次に、図20及び21を用いて返却期限が過ぎても物品の返却処理(後述)が完了されていない場合に、作業者へ返却を督促する電子メールを送付する処理を説明する。図20(a)は借方タグ2のID情報及び関連情報のテーブル(一例)、図20(b)は物品タグ1のID情報及び関連情報のテーブル(一例)であり、それぞれ図3(a)と図3(b)と比較すると、図3では貸出処理中であった借方タグ02が、図20では貸出処理が完了した状態になっていることが分かる。紐付けられた物品タグAA,物品DD,物品GGも同様に、図3では貸出処理中であったが、図20では貸出処理が完了した状態になっている。
【0074】
図21は、作業者へ返却を督促する電子メールを送付する処理を示している。この処理は、所定の周期で実行すればよいが、所定の周期で実行して保管エリア内の物品の有無を調査する。所定の周期は求めるセキュリティや物品の活用効率の度合いに応じて設定すればよい。高いセキュリティや物品の活用効率を求められる場合は、短い周期で実行すればよい。S2101にて、制御部16はデータベースサーバ部15の物品タグ1の関連情報である「返却日(予定)」を参照して、返却期限が過ぎていないかどうかを判定する。返却期限が過ぎていない場合は、エンド(終了)に移行して処理を終了する。ここでは、関連情報へ追記された返却期限が日付で定義されるものであって、制御部16が関連情報へ追記された返却期限の当日以降に、メールサーバ17を介して電子メールをユーザ端末へ送信することを前提に説明を進めるが、これに限るものではなく、返却期限を日付ではなく、時間で設定してもよい。また、「貸出日(貸出時間)プラス所定日(所定時間)」という設定にしてもよい。これらの場合は、日付単位でなく時間単位で作業者へ返却を督促する電子メールを発信することが可能となる。なお、このような時間単位での処理が日付単位での処理を包含していることはいうまでもない。
【0075】
S2101の処理の結果、返却期限が過ぎている場合は、S2102にて、返却期限が過ぎている物品タグ1のID情報に紐付けられたID情報を有する借方タグ2の関連情報からメールアドレスを得て、制御部16がそのメールアドレスへメールサーバ17を介して、物品の返却を督促する内容のテキストや画像を有する電子メールをユーザ端末18に送る。その後、S2103にて、返却期限が過ぎている物品の所在を確認する(実際は、返却期限が過ぎている物品に添付された物品タグ1の所在を確認する)。所在の確認の仕方は後述する。返却期限が過ぎている物品に添付された物品(物品タグ1)のうち、S2103の処理により所在が不明と判定されると、エラーとして処理して、S2102へ戻る(E2101)。
【0076】
E2101は、報知部13aなどの報知手段により物品の所在が不明であることを作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよく、特に、作業者へはS2102での処理を利用して電子メールを送信して物品の所在が不明であること報知するとよい。具体的には、E2101を経由した場合のS2102の処理として、返却期限が過ぎ、所在が不明な物品タグ1のID情報に紐付けられたID情報を有する借方タグ2の関連情報からメールアドレスを得て、制御部16がそのメールアドレスへメールサーバ17を介して、物品の返却を督促する内容と物品の所在が不明になっている内容とのテキストや画像を有する電子メールをユーザ端末18に送る。
【0077】
ここで、所在の確認の仕方を説明する。実施の形態1に係る物品管理システムの制御部16が直接的又は間接的に制御することが可能なリーダ部が、貸出返却処理エリア及び保管エリア(貸出返却処理エリア内部リーダ部9、貸出返却処理エリア入退リーダ部13、保管エリア内部リーダ部4、保管エリア入退リーダ部7を含む)や、物品(物品タグ1)が存在する可能性がある貸出先エリア(実施の形態2で説明する三つの「作業エリア」も含む)に配置されているとする。制御部16が上記の各リーダ部に対して同時にRFIDタグ(物品タグ1)のID情報の読み取り動作又は順次、RFIDタグのID情報の読み取り動作を行わせることにより、物品タグの所在を確認する。ここでいう所在確認は、制御部16が直接的又は間接的に制御することが可能なリーダ部が設置されているエリアに対象の物品があるかないかを判断するものであるので、上記の「物品の所在が不明になっている内容」の電子メールは、必ずしも作業者自身も物品の所在が分からないということではないといえる。
【0078】
S2103の処理により所在が特定できたと判定されるとS2104に進み。S2104にて、制御部16は、S2103の処理の完了後、所定時間(任意で設定可能な時間)経過後に返却期限が過ぎた物品の返却の有無を再度確認する。確認の方法は、S2101と同様に、制御部16はデータベースサーバ部15の物品タグ1の関連情報である「返却日(予定)」に加え、「紐付け情報」や「貸出・返却処理中」を参照して行う。具体的には、「紐付け情報」が解除されている場合や「貸出・返却処理中」が返却処理中となっている場合であれば、返却が終了したと判断する。これは厳密には、返却処理中のため、作業者が貸出返却処理エリア又は保管エリア内で物品を運んでいる最中である場合も含む。作業者が貸出返却処理エリア又は保管エリア内で物品を運んでいる最中であっても、後述するが返却処理が開始されると終了するまでは貸出返却処理エリアから退室できないので、返却が終了したとみなしても支障がないからである。
【0079】
S2104にて、物品の返却の有無を再度確認して返却されていない場合は、S2102へ戻り、再度、督促のために電子メールを作業者のユーザ端末18へ送る。物品の返却の有無を再度確認して返却されている場合(返却されているとみなしてもよい場合)は、エンド(終了)に移行して処理を終了させる。
【0080】
S2102においては、督促のための電子メールを返却期限が過ぎた物品(物品タグ1)を対象にしているが、関連情報へ追記された返却期限が日付で定義されるものであって、制御部16が関連情報へ追記された返却期限の前日までに、メールサーバ17を介して電子メールを事前報知として送信してもよい。この場合でも、S2102以降の処理を行ってもよい。また、返却期限を日付ではなく、時間で設定してもよい。さらに、「貸出日(貸出時間)プラス所定日(所定時間)」という設定にしてもよい。これらの場合は、日付単位でなく時間単位で作業者へ返却期限を事前に報知する電子メールを発信することが可能となる。なお、このような時間単位での処理が日付単位での処理を包含していることはいうまでもない。
【0081】
次に、物品の返却処理を主に図22〜26を用いて説明する。作業者は物品を返却する際には、返却する物品(物品タグ)を台車3に載せた作業者(借方タグ2)は、扉12から、貸出返却処理エリアへ入室する。なお、作業者は、返却期限が過ぎている・過ぎていないに関わらず、借りている全ての物品を一度に持ってくる必要はない。ここでの貸出返却処理エリアへの入室は、図4及び5で説明した処理と同様なので、説明は省略するが、図17及び18で説明した事項の補足説明である「貸出返却処理エリアの扉12において、全ての借方タグ2と物品タグ1を十分読み取れるだけの設備がある場合」は、借方タグ2だけでなく、物品タグ1を読み込んでもよい。
【0082】
図22を用いて、作業者が管理返却処理(入退室)エリアへの入室した後に、貸出返却処理端末11を用いて、物品を返す返却処理、つまり、貸出返却処理端末11の入力部に、借方タグ2のID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグ1が取り付けられた物品の一覧から物品を選択する入力があった場合の処理を説明する。管理返却処理(入退室)エリアへ入室した作業者は、貸出返却処理エリア内部リーダ部9のアンテナ部8のところまで来る。作業者が貸出返却処理端末11に接続されたアンテナ部10が放射する電波の覆域に借方タグ2と物品タグ1とをかざしたときに、アンテナ部10を介して貸出返却処理エリア内部リーダ部9が借方タグ2のID情報と借方タグ2のID情報と物品タグ1のID情報を読み取る(S2201)。貸出返却処理エリア内部リーダ部9に読み取られた借方タグ2のID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S2202)。制御部16が認証できないと判定した場合(ID情報に対応する認証情報がない場合やID情報が認証不可能と認証情報に記憶されている場合)は、エラーとして処理して、S2201へ戻る(E2201)。E2201は、貸出返却処理端末11の表示部により不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。制御部16が認証できると判定した場合(ID情報が認証可能と認証情報に記憶されている場合)は、S2212へ進む。S2212の処理は、S2201及びS2202の処理と一体的に実行してもよい。また、S2212の処理は、S2203の処理の後に実行してもよい。
【0083】
S2212において、貸出返却処理端末11の表示部が、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取った借方タグ2のID情報が制御部16により認証されたとき、その借方タグ2のID情報と紐付けられたID情報がある場合は、そのID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧のみを表示するもの、又は、そのID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧のみを選択可能し、作業者は、貸出返却処理端末11の表示部に表示された保管エリア内に保管された物品の一覧を閲覧し、返却処理を開始するために、貸出返却処理端末11の入力部を用いて、対象の物品を選択することができる。これは複数の物品を選択するようにしてもよい。貸出返却処理端末11の入力部は作業者による外部からの入力がある(S2212)。
【0084】
なお、前述のS2212における「そのID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧のみを表示する」とは、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取った借方タグ2のID情報が制御部16により認証されたとき、その借方タグ2のID情報と紐付けられたID情報がある場合でも、全ての借方タグ2のID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグ1が全て無い場合は、ある(有る)物品タグ1の情報をだけを貸出返却処理端末11の表示部に表示することを指す。また、そのID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧のみを選択可能し」とは、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取った借方タグ2のID情報が制御部16により認証されたとき、その借方タグ2のID情報と紐付けられたID情報がある場合でも、全ての借方タグ2のID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグ1が全て無い場合は、ある(有る)物品タグ1の情報をだけを貸出返却処理端末11の入力部を用いて作業者が選択可能とすることを指す。
【0085】
S2203では、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取った物品タグ1のID情報のうち、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取った借方タグ2のID情報に紐付けされていないものがないかを判定する。借方タグ2のID情報に紐付けされていない物品タグ1のID情報がある場合は、エラーとして処理して、S2201へ戻る(E2201)。E2201は、貸出返却処理端末11の表示部により紐付けされていない物品があることとその物品に関する情報を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。制御部16が紐付けされていない物品はないと判定した場合は、S2204へ進む。なお、S2203の処理は、作業者が所持する借方タグ2が、図20のテーブルに記載の借方タグ02である場合は、物品タグAAが貼り付けられた物品,物品タグDDが貼り付けられた物品,物品タグGGが貼り付けられた物品以外があれば、エラーとして処理されることになる(E2201)。
【0086】
S2204では、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が、認証された借方タグ2のID情報とこの借方タグ2のID情報に紐付けされた全ての物品タグ1のID情報があるかどうかを判定する。全ての物品タグ1のID情報がある場合は、そしてS2205へ進む。S2205では、制御部16が、貸出返却処理端末11を操作する作業者が所持する借方タグ2のID情報、つまり、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2の関連情報と貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された物品に取り付けられた物品タグ1の関連情報とのうち、「貸出・返却処理中」を否から返却処理中に変更してデータベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2及び物品タグ1の関連情報を更新(変更・追記)する。物品タグ1の関連情報の「返却日(予定)」を抹消してデータベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2及び物品タグ1の関連情報を更新(変更・追記)する。なお、抹消とは、対象の物品タグ1の関連情報としては抹消するだけで、データベースサーバ部15上の情報の履歴としては残しておいてよい。物品タグ1の関連情報の「返却日(予定)」がないことにより、図21を用いて説明した作業者へ返却を督促する電子メールを送付する処理のS2102による作業者への無駄な返却を督促する電子メールの送信を避けることができる。さらに、S2204では、借方タグ2の認証情報に認証制限を付与する処理も行う。
【0087】
なお、S2205における借方タグ2のID情報に紐付けされた全ての物品タグ1のID情報があるかどうかを判定するとは、S2212で作業者が返却を希望するとして選択したもの全てでもよいし、S2212で作業者が返却を希望するとして選択していなくても、「貸出返却処理エリア内部リーダ部9が借方タグ2のID情報に紐付けされた物品タグ1のID情報」があれば強制的に「貸出・返却処理中」を否から返却処理中に変更してデータベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2及び物品タグ1の関連情報を更新してもよい。両方の場合を前提に説明を進める。
【0088】
このS2205における借方タグ2及び物品タグ1の関連情報の更新を図20のテーブルに記載の借方タグ02が、借方タグ02を所持する作業者が物品タグAA,物品タグDD,物品タグGGを返そうとする場合を例にして説明する。S2205の処理によって、借方タグ02の関連情報として、「貸出・返却処理中」が否から返却処理中と記憶(更新・追記)される。物品タグAA,物品タグDD,物品タグGGの関連情報として、「貸出・返却処理中」が否から返却処理中と記憶(更新・追記)される。
【0089】
同じく、S2205では、制御部16が、借方タグ2のID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグ1のID情報を貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取ったときに、借方タグ2のID情報と物品タグ1のID情報との紐付けを解除してデータベースサーバ部15に記憶されている関連情報を更新(変更・追記)し、この更新によって、紐付けを解除された借方タグ2のID情報が保管エリア入退リーダ部9により読み取られると認証が可能なID情報であり、及び、貸出返却処理エリア入退リーダ部13により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、データベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2の認証情報を変更(更新・追記)を行い、S2205からエンド(終了)に移行して処理を終了する。
【0090】
この認証情報の変更や認証情報自体は、図3や図20に記載のような形式のテーブルでは、直接的には表示とはならないが、借方タグ2の関連情報である「貸出・返却処理中」が返却処理中となっていることで、間接的に認証情報の変更が実行されていることを示していることになっている。これは、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2のID情報が、「保管エリア入退リーダ部9により読み取られると認証が可能なID情報」かつ「貸出返却処理エリア入退リーダ部13により読み取られると認証が不可能なID情報」と認証情報を変更する目的が、物品タグ1と借方タグ2とを紐付けを解除して返却処理を開始することで、借方タグ2を保有する作業者が保管エリアに入室できるようにし、返却処理が完了(終了)するまでは、貸出返却処理エリアから退室できなようにすることであり、これを換言すると、借方タグ2を保有する作業者が保管エリアに入室できるが、貸出返却処理エリアから退室できないようになっている期間が返却処理中といえるからである。
【0091】
S2204にて、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が、認証された借方タグ2のID情報とこの借方タグ2のID情報に紐付けされた全ての物品タグ1のID情報とを読み取れない場合はS2206へ進む。S2206では、借方タグ2のID情報とID情報が紐付けられている物品タグ1のうち、貸出返却処理エリア内部リーダ部9がID情報を読み込めなかったものの関連情報の「返却日(予定)」を制御部16がデータベースサーバ部15から得て、返却日を過ぎていない場合はS2207を介して前述のS2205に進み、返却日を過ぎている場合はS2208に進む。S2207は物品の返却日と名前を貸出返却処理端末11の表示部に表示して作業者(借方)に報知する。S2207は省略することは可能であるが、貸出返却処理端末11の表示部に物品タグ1の関連情報として、「返却日(予定)」を表示していない場合は実行すると、返却日の事前報知となる。S2208は物品の返却期限が過ぎていることと物品の名前とを貸出返却処理端末11の表示部に表示して作業者(借方)に報知(警告)してS2209に進む。
【0092】
S2209は、前述のS2103と同じ処理を行う。S2208の処理により所在が不明と判定されると、エラーとして処理して、S2208へ戻る(E2202)。E2202は、貸出返却処理端末11の表示部により物品の所在が不明であることを作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよく、特に、作業者へはS2208での処理を利用して電子メールも送信して物品の所在が不明であること報知するとよい。具体的には、E2202を経由した場合のS2208の処理として、返却期限が過ぎ、所在が不明な物品タグ1のID情報に紐付けられたID情報を有する借方タグ2の関連情報からメールアドレスを得て、制御部16がそのメールアドレスへメールサーバ17を介して、物品の返却を督促する内容と物品の所在が不明になっている内容とのテキストや画像を有する電子メールをユーザ端末18に送る。
【0093】
S2209の処理により所在が特定できたと判定されるとS2205(バックグランド処理として、S2210)に進む。貸出返却処理端末11(制御部16)のバックグランド処理としてのS2210を説明する。S2210にて、制御部16は、S2209の処理の完了後、所定時間(任意で設定可能な時間)経過後に返却期限が過ぎた物品の返却の有無を再度確認する。確認の方法は、前述のS2101と同様に、制御部16はデータベースサーバ部15の物品タグ1の関連情報である「返却日(予定)」に加え、「紐付け情報」や「貸出・返却処理中」を参照して行う。具体的には、「紐付け情報」が解除されている場合や「貸出・返却処理中」が返却処理中となっている場合であれば、返却が終了したと判断する。これは厳密には、返却処理中のため、作業者が貸出返却処理エリア又は保管エリア内で物品を運んでいる最中である場合も含む。作業者が貸出返却処理エリア又は保管エリア内で物品を運んでいる最中であっても、返却処理が開始されると終了するまでは貸出返却処理エリアから退室できないので、返却が終了したとみなしても支障がないからであるからである。
【0094】
S2210にて、物品の返却の有無を再度確認して返却されていない場合は、S2211を経由して図21に記載のS2102へ進み、再度、督促のために電子メールを作業者のユーザ端末18へ送る。物品の返却の有無を再度確認して返却されている場合(返却されているとみなしてもよい場合)は、エンド(終了)に移行して処理を終了させる。S2208(S2102)においては、督促のための電子メールを返却期限が過ぎた物品(物品タグ1)を対象にしているが、関連情報へ追記された返却期限が日付で定義されるものであって、制御部16が関連情報へ追記された返却期限の前日までに、メールサーバ17を介して電子メールを事前報知として送信してもよい。この場合でも、S2102以降の処理を行ってもよい。これらは図21を用いた説明と同様である。
【0095】
図23及び24を用いて返却処理における保管エリアへの入室を説明する。図23に示す台車3を押してきた作業者の胸に掛けられた借方タグ2は、S2201〜S02205(S2206〜S2209を経た場合も含む)までの処理を経たものとする。この作業者が、扉6の前(保管エリアの外であって、貸出返却処理エリア内)に来て、アンテナ部8が放射する電波の覆域に借方タグ2が入ったときに、アンテナ部8を介して保管エリア入退リーダ部7が借方タグ2のID情報を読み取る(S2401)。保管エリア入退リーダ部7に読み取られたID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S2402)。制御部16が認証できると判定した場合(S2201〜S02205(S2206〜S2209を経た場合も含む)までの処理を経た借方タグ2のID情報、つまり、借方タグ2の関連情報が返却処理中と記憶(更新・変更)されている場合)は、制御部16の制御により、保管エリア内部リーダ部4がアンテナ部5から質問波を送信してRFIDタグ(物品タグ1)のID情報の読み取りを開始させ(S2403)、制御部16が保管エリア入退リーダ部7を介して扉6を開錠させる(S2404)。S02404は、扉6の施錠するステップを含んでいてもよい。なお、図23に示す台車3を押してきた作業者の胸に掛けられた借方タグ2は、S2201〜S02205(S2206〜S2209を経た場合も含む)までの処理を経たものでない場合、つまり、制御部16が認証できないと判定した場合は、エラーとして処理して、S2401へ戻る(E2401)。E2401は、報知部7aにより不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。
【0096】
S2201〜S02205(S2206〜S2209を経た場合も含む)の各ステップを経た借方タグ2を所持する作業者は、保管エリアに入室することができるので、保管エリア内が返却処理中の物品を元の場所に戻して、保管エリアからの退室することになる。作業者が物品を返す際に元の場所が見つけられないというトラブルを防ぐために、各物品の置き場所に名札やステッカーを貼ってもよいし、貸出返却処理端末11を用いて、物品の返却処理を行う際(返却処理の開始)に、その物品の置き場所の写真や保管エリア内での配置を貸出返却処理端末11の表示部に表示させてもよい。
【0097】
図25を用いて保管エリアからの退室を説明する。作業者が返却処理中の物品を元のおき場所に戻して、扉6(保管エリア内)に来て、アンテナ部8が放射する電波の覆域に借方タグ2が入ったときに、アンテナ部8を介して保管エリア入退リーダ部7が借方タグ2のID情報を読み取る(S2501)。保管エリア入退リーダ部7に読み取られたID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S2502)。制御部16が認証できると判定した場合(S2201〜S02205(S2206〜S2209を経た場合も含む)までの処理を経た借方タグ2のID情報、つまり、借方タグ2の関連情報が返却処理中と記憶(更新・変更)されている場合)は、制御部16が保管エリア入退リーダ部7を介して扉6を開錠させ、その施錠する(S2503)。なお、借方タグ2は、S2201〜S02205(S2206〜S2209を経た場合も含む)までの処理を経たものでない場合、つまり、制御部16が認証できないと判定した場合は、エラーとして処理して、S0901へ戻る(E2501)。E2501は、報知部7aにより不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。
【0098】
S2503によって扉6が施錠された後、若しくは、同時に、保管エリア内部リーダ部4又は保管エリア入退リーダ部7によって、保管エリア内に借方タグ2が存在しないかどうかを判定する(S2504)。保管エリア内に借方タグ2が存在する場合は、報知部7aにより作業者へ保管エリアから退室するように警告してS2503へ戻る。保管エリア内に借方タグ2が存在しない場合は、S2505に進む。S2505では、制御部16によって制御される保管エリア内部リーダ部4が物品タグ1の関連情報の「貸出・返却処理中」が返却処理中であるものがあるかどうかを物品タグ1に質問波を送信してID情報を読み取って確認する。つまり、作業者が貸出返却処理端末11を操作して返却処理の開始されたときに、借方タグ2のID情報との紐付けが解除された物品タグ1のID情報を読み取って確認する。読み取れない場合は、エラーとして処理して、S2505へ戻る(E2502)。E2502は、報知部7aにより不正(返却が完了していない)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。読み取れた場合はS2506に進む。
【0099】
S2506は省略しても構わないが、返却処理中に処理に関係のない物品が持ち出される可能性を減じたい場合は実行するとよい。S2506の詳細は、図26を用いて説明する。S2506を介したS2601では、保管エリア内部リーダ部4が読み取った物品タグ1のID情報が前回の読み取り時に読み取られた物品タグ1のID情報と比較する。比較の結果、変化が無い場合は、エンド(終了)に移行して処理を終了して、S2507へ進む。新たなID情報が増えた場合、つまり、物品が増えた場合は、前述の図12に示す制御部16によるサブの処理フロー1(図13に示す制御部16によるサブの処理フロー3も必要に応じて実行)を実行し、エンド(終了)に移行して処理を終了して、S2507へ進む。新たなID情報が増え、無くなったID情報がある場合、つまり、新たに増えた物品と無くなった物品とがある場合は、前述の図14に示す制御部16によるサブの処理フロー2(図13に示す制御部16によるサブの処理フロー3も必要に応じて実行、図15に示す制御部16によるサブの処理フロー4も必要に応じて実行)を実行し、エンド(終了)に移行して処理を終了して、S2507へ進む。S2507へ進む
【0100】
S2501〜S2506の処理を整理すると、図22を用いて説明した処理により認証情報が変更された借方タグ2が保管エリア入退リーダ部7により読み取られ、保管エリアから退出する認証が可能と判定してから、保管エリア内部リーダ部4が、紐付けを解除された物品タグのID情報を読み取ったときにS2507が実行されることになる。S2507は、返却処理を完了させるための処理フロー(処理ステップ)である。前述の通り、図22に示す処理フローののち、図25を用いて説明した処理(S2506まで)により作業者は保管エリアから退室することができる。
【0101】
S2507は、この保管エリアから退室した作業者が貸出返却処理エリアからも退室可能とする処理である。制御部16が、保管エリアから退室した作業者が所持する借方タグ2のID情報と保管エリア内部リーダ部4が読み取り認証された物品に取り付けられた物品タグ1(S2505)の関連情報とのうち、「貸出・返却処理中」を返却処理中から否に変更してデータベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2及び物品タグ1の関連情報を更新(変更・追記)する。
【0102】
同じく、S2507では、制御部16が、紐付けを解除された借方タグのID情報が保管エリア入退リーダ部7により読み取られると認証が不可能なID情報であり、及び、貸出返却処理エリア入退リーダ部9により読み取られると認証が可能なID情報であると判定するように、データベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2の認証情報を変更(更新・追記)する。この認証情報の変更や認証情報自体は、図3や図20に記載のテーブルでは、直接的には表示してないが、借方タグ2の関連情報である「貸出・返却処理中」が否となっていることで、間接的に認証情報の変更が実行されていることを示していることになっている。これは、紐付けを解除された借方タグ2のID情報が、「保管エリア入退リーダ部7により読み取られると認証が不可能なID情報」かつ「貸出返却処理エリア入退リーダ部9により読み取られると認証が可能なID情報」と認証情報を変更する目的が、物品タグ1を保管エリアへ返却したことが確認できたので、借方タグ2を保有する作業者が保管エリアに入室できないようにし、返却処理が完了(終了)したのちは、貸出返却処理エリアから退室できるようにすることであり、これを換言すると、借方タグ2を保有する作業者が保管エリアに入室できないが、貸出返却処理エリアから退室できる時期は返却処理が完了したときといえるからである。なお、返却処理が完了した場合、作業者は貸出返却処理エリアから退室せずに、貸出返却処理端末11を操作して貸出処理を開始することも可能である。
【0103】
このように説明したとおり、実施の形態1に係る物品管理システム(物品管理方法)は、計測器などの物品が保管された保管エリアへの自由な立入りを制限と保管エリアを包含する貸出返却処理エリアへの自由な立入りを制限とを貸出処理や返却処理の各ステップに応じて変更することが容易なので、立入りを制限が設定されているにも関わらず、作業者にストレスを感じさせずに、物品の管理や貸出・返却が行えるだけでなく、作業者の過失による物品の紛失の可能性を減じることができるという効果を奏する。また、確実に保管エリア(貸出返却処理エリア)から持ち出したという履歴がデータベースサーバ部15から読み取る制御部16を備えているので、どこに、誰が、何を、いつ持ち出したのかを把握することと、確実に返却させるための借方タグ1を持つ作業者への返却通達を実施することができるという効果を奏する。さらに、物品タグ1と物品を持ち出しする作業者の情報を記録した借方タグ2を備えているので、物品タグ1と借方タグ2を読取、持ち出す物品を管理し、保管エリア(貸出返却処理エリア)から持ち出したという履歴を物品ごとに管理できる。また、各エリアの情報を集約するとどこに、誰が、何を、いつ持ち出したのかを把握することができるという効果を奏する。
【0104】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2について図27〜43を用いて説明する。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。また、実施の形態2では実施の形態1と共通的な部分の説明は省略する場合がある。実施の形態1は貸出返却処理エリアから物品の持ち出し先を言及していなかったが、実施の形態2では物品の持ち出し先の管理も含めた物品管理システム(物品管理方法)を説明する。
【0105】
具体的には、実施の形態2に係る物品管理システムは、物品を持ち出す外部に貸出先エリア(作業エリア)が存在するものであって、実施の形態1に係る物品管理システムの構成に加えて、制御部16に制御され、作業エリア内のRFIDタグのID情報を読み取る貸出先エリア内部リーダ部(作業エリア内部リーダ部)19と、作業エリア内部リーダ部19に接続されたアンテナ部20と、(作業エリア内部リーダ部19は、RFIDタグへの書き込み機能を有するリーダライタでもよい(図27では、リーダライタを指す「R/W」との表記をしているが、リーダ機能だけのものでもよい))作業エリアと外部とを仕切る貸出先エリア仕切り手段(作業エリア仕切り手段)20と、制御部16に制御され、RFIDタグのID情報を読み取って、そのID情報が認証されたときに保管エリア仕切り手段を開錠させて保管エリア仕切り手段を進入又は退出が可能な状態にする貸出先エリア入退リーダ部(作業エリア入退リーダ部)21と、作業エリア入退リーダ部21に接続されたアンテナ部23と(作業エリア入退リーダ部21は、RFIDタグへの書き込み機能を有するリーダライタでもよい(図27では、リーダライタを指す「R/W」との表記をしているが、リーダ機能だけのものでもよい))を備えている(図27、図30、図35、図38)。実施の形態2では、作業エリアが三つある場合を例に説明を行う。そのため、上記の実施の形態2に係る物品管理システムの構成要素は、それぞれ、符号にアルファベットを添え字として付して区別する。作業エリア1は「a」、作業エリア2は「b」、作業エリア3は「c」とする。
【0106】
・作業エリアの構成
図30、図35、図38において、19a(19b,19c)は作業エリア1(作業エリア2,作業エリア3)内のRFIDタグのID情報を読み取る作業エリア内部リーダ部、20a(20b,20c)は作業エリア内部リーダ部19a(作業エリア内部リーダ部19b、作業エリア内部リーダ部19c)に接続され、作業エリア内部リーダ部19a(作業エリア内部リーダ部19b、作業エリア内部リーダ部19c)の制御により電波をRFIDタグに送信することにより、そのRFIDタグのID情報を電波よって返信されてきたときに受信するアンテナ部である。作業エリア内部リーダ部19a(作業エリア内部リーダ部19b、作業エリア内部リーダ部19c)は、RFIDタグへの書き込み機能を有するリーダライタでもよい。
【0107】
・作業エリアの構成
図30、図35、図38において、21a(21b,21c)は作業エリア1(作業エリア2,作業エリア3)と外部とを仕切る作業エリア仕切り手段であり、扉やフラッパーゲートなどが想定される。22a(22b,22c)はRFIDタグのID情報を読み取って、そのID情報が認証されたときに作業エリア仕切り手段21a(21b,21c)を開錠させて作業エリア仕切り手段21a(21b,21c)を進入又は退出が可能な状態にする作業エリア入退リーダ部、22dは作業エリア入退リーダ部22a(22b,22c)が読み取った借方タグ2のID情報の認証が不可能と判断された場合に、LEDなどの光源を用いた回転灯や警告灯などの照明装置を点灯又は点滅させることで、不正(認証不可)を報知する報知部であり、照明装置に限らず、不正を画面上に表示して報知する表示装置や不正を音声で報知するスピーカなどの音声発生装置でもよい。23a(23b,23c)は作業エリア入退リーダ部(22b,22c)に接続され、作業エリア入退リーダ部(22b,22c)の制御により電波をRFIDタグに送信することにより、そのRFIDタグのID情報を電波よって返信されてきたときに受信するアンテナ部である。作業エリア入退リーダ部(22b,22c)は、RFIDタグへの書き込み機能を有するリーダライタでもよい。また、作業エリア入退リーダ部(22b,22c)は、アンテナ部23a(23b,23c)と一体型でもよい。
【0108】
図27において、24は借方タグ2を保有する作業者が使用者となっており、特に、借方タグ2の関連情報として、「管理作業エリア」が設定されているものが持つユーザ端末である。ユーザ端末24は汎用のPCや携帯電話などの電子メールが受信できるものであればなんでもよい。借方タグ2の関連情報として、電子メールアドレスがデータベースサーバ部15に保存されているので、制御部16は必要に応じて、借方タグ2に対応する作業者が使用するユーザ端末24へメールサーバを介して電子メールを送ることができる。
【0109】
図27は実施の形態2に係る物品管理システムの構成の模式図であり、実施の形態1に係る物品管理システムの構成との大きな違いは、貸出・返却処理(入退室)エリアの外に物品(物品タグ1)の所在を把握できる作業エリアが三ヶ所ある点である。なお、作業エリアは一箇所であっても複数所であってもよい。
【0110】
・データベースサーバ部15に記憶される物品タグ1及び借方タグ2の情報
図28(a)は借方タグ2のID情報及び関連情報のテーブル(一例)、図28(b)は物品タグ1のID情報及び関連情報のテーブル(一例)である。図28(a)には借方タグ2の関連情報として、「作業者コード」,「貸出・返却処理中」,「紐付け情報」,「管理作業エリア」,「メールアドレス」をテーブル中に記載しているが、借方タグ2の関連情報として新たに情報を追加・追記してもよい。なお、本願では、全ての借方タグ2(ID情報が「00」,「01」,「02」,「03」,「04」,「05」のもの)は、作業エリア1,2,3への入室を許可されているものとするが、この作業エリアへの入室の許可又は不許可も、図28(a)のテーブルには表記していないが、借方タグ2の関連情報のうち、特に、借方タグ2のID情報の認証が可能か不可能かを示す認証情報として記憶されているものとする。この認証情報は、後述する紐付け情報とを更新(変更・追記)タイミングを連動させて、制御部16が借方タグ2のID情報の認証が可能か不可能かの情報を変更することが可能なものである。詳細は後述する物品管理システムの動作や運用方法(物品管理方法)で説明する。図28(a)において、「管理作業エリア」とは作業者が管理する作業エリアがある場合、記憶されているものである。「メールアドレス」とは電子メールアドレスを指し、制御部16は必要に応じて、借方タグ2に対応する作業者が使用するユーザ端末18やユーザ端末24へメールサーバを介して電子メールを送ることができる。
【0111】
図28(b)には物品タグ1の関連情報として、「物品名」,「メーカ名」,「紐付け情報」,「返却日(予定)」、「貸出・返却処理中」,「作業エリア」をテーブル中に記載しているが、物品タグ1の関連情報として新たに情報を追加・追記してもよい。図28(b)に記載の物品タグ1のID情報及び関連情報のテーブルを貸出返却処理端末11の表示部が表示することにより、物品のランナップや物品の貸出状況を確認することができるが、物品タグ1の「ID情報」や「紐付け情報」など一部の項目(情報)を伏せて表示してもよい。図3(b)において、「作業エリア」とは物品タグ1が貼り付けられた物品が貸出処理の後に持ち込まれる作業エリアを示している。
【0112】
次に、物品を設定した作業エリアだけに持ち出す場合の実施の形態2に係る物品管理システム(物品管理方法)の貸出処理,作業エリア入室,返却処理の一連の処理と作業エリア内の物品の有無を周期的に調査する処理を説明する。管理返却処理(入退室)エリアへの入室は実施の形態1と同様なので説明は省略する(図4及び5)。図28及び29により、作業者が管理返却処理(入退室)エリアへの入室した後に、貸出返却処理端末11を用いて、物品を借りる貸出処理、つまり、貸出返却処理端末11の入力部に、保管エリア内に保管された物品の一覧から物品を選択する入力があった場合の処理を説明する。図29に記載のS0605までの処理は、実施の形態1と同様なので説明は省略する(図6)。S0605は、貸出返却処理端末11の表示部に他に借りたい物品があるかどうかを作業者へ報知するアイコンなどを表示するステップである。他に借りたい物品があるという入力が貸出返却処理端末11の入力部にあった場合は、S0603へ戻り、他に借りたい物品がないという貸出返却処理端末11の入力部にあった場合は、S2901へ進む。
【0113】
S2901では、作業者が借りようとする物品の使用場所を貸出返却処理端末11の入力部を介して、作業者に入力を促す表示を貸出返却処理端末11の表示部に表示する。作業者が使用場所(作業エリア1,作業エリア2,作業エリア3から選択する形式でも、作業者が自ら作業エリア1,作業エリア2,作業エリア3のいずれかを入力する形式でもよい)を入力する。この入力により、制御部16は、作業者が借りようとする物品の使用場所をデータベースサーバ部の関連情報を更新(記憶・追記)する。S2901で行う使用場所の設定は、物品ごと、或いは、作業者ごと、若しくは、その両方の組み合わせごとに設定できる使用場所に制限をかけてもよい。例えば、作業者が管理する作業エリアしか登録できないなどが考えられる。これらの設定は、物品タグ1や借方タグ2により、物品の個体識別や作業者の個人識別を行っているので容易に実行できる。次に、S0606では、作業者が借りようとする物品の返却日入力させる処理を行う。
【0114】
S0607では、制御部16が、貸出返却処理端末11を操作する作業者が所持する借方タグ2のID情報、つまり、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2のID情報と保管エリア内の物品のうち、選択された物品に取り付けられた物品タグ1のID情報とを紐付けてデータベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2及び物品タグ1の関連情報を更新(記憶・追記)する。このS0607を借方タグ02が、借方タグ02を所持する作業者が物品タグAA,物品タグDD,物品タグGGを借りようとする場合を例にして説明する。なお、図28の状態が前述の更新の結果であるとする。図28(a)に記載されたテーブルは、S0607の処理によって、借方タグ02の関連情報として、「紐付け情報」が三つの物品タグ1のID情報(物品タグAA,物品タグDD,物品タグGG)と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。また、借方タグ02の関連情報として、「貸出・返却処理中」が貸出処理中と記憶(更新・追記)される。
【0115】
図28(b)に記載されたテーブルは、S0607の処理によって、物品タグAAの関連情報として、「紐付け情報」が借方タグ02と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。物品タグDDの関連情報として、「紐付け情報」が借方タグ02と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。物品タグGGの関連情報として、「紐付け情報」が借方タグ02と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。また、物品AA,物品タグDD,物品タグGGの関連情報として、それぞれの「返却日(予定)」が貸出処理中と記憶(更新・追記)される。さらに、物品AA,物品タグDD,物品タグGGの関連情報として、それぞれの「作業エリア」」が「1」,「3」,「2」と記憶(更新・追記)される。同じく、S0607では、制御部16が、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2のID情報が、保管エリア入退リーダ部4により読み取られると認証が可能なID情報であり、及び、貸出返却処理エリア入退リーダ部13により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、データベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2の認証情報を変更(更新・追記)する。
【0116】
実施の形態2における「貸出処理における保管エリアへの入室」,「保管エリアからの退室」,「保管エリア内の物品の有無を周期的に調査」,「貸出処理を完了させるための処理フロー」,「貸出処理が完了後に、作業者が貸出返却処理(入退室)エリアからの退室」は、実施の形態1と同様なので説明は省略する。作業者が貸出返却処理エリアからの退室して作業エリアに入場する場合を説明する。ここでは、作業エリア1に入室する場合を例とって説明を行うが他の作業エリア2や作業エリア3でも同様である。
【0117】
図30及び31を用いて作業エリア(作業エリア1)への入室を説明する。図30に示す台車3を押してきた作業者が、フラッパーゲート(図上は、簡略化のためにフラップ部分(扉)を省略している)である保管エリア仕切り手段21a(以下、フラッパーゲート21aと称する)の前(作業エリア1の外)に来て、フラッパーゲート21aの門柱部分に複数形成されたアンテナ部23aが放射する電波の覆域に借方タグ2や物品タグ1が入ったときに、アンテナ部21aを介して作業エリア入退リーダ部22aが借方タグ2及び物品タグ1のID情報を読み取る(S3101)。作業エリア入退リーダ部22aに読み取られた借方タグ2のID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S3102)。作業エリア入退リーダ部22aに読み取られた物品タグ1のID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている関連情報の「作業エリア」の内容から判定する(S3103)。S3102とS3103との処理は順序が逆転してもよい。S3102とS3103の処理により、制御部16が認証できると判定した場合は、制御部16が作業エリア入退リーダ部22aを介してフラッパーゲート21aを開錠させて作業者が作業エリアへ入室することを可能にする。(S3104)。S3104は、フラッパーゲート21aの施錠するステップを含んでいてもよい。なお、図30に示す台車3を押してきた作業者の胸に掛けられた借方タグ2又は物品タグ1が、制御部16が認証できないと判定した場合は、エラーとして処理して、S3101へ戻る(E3101)。E3101は、報知部7aにより不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。
【0118】
図32を用いて作業エリアからの退室を説明する。作業者が、物品タグ01が貼り付けられた物品を台車3に載せて、フラッパーゲート21aの前(作業エリア1内)に来て、アンテナ部21aが放射する電波の覆域に借方タグ2や物品タグ1が入ったときに、アンテナ部21aを介して作業エリア入退リーダ部22aが借方タグ2及び物品タグ2のID情報を読み取る(S3201)。作業エリア入退リーダ部22aに読み取られた借方タグ2のID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S3202)。作業エリア入退リーダ部22aに読み取られた物品タグ1のID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている関連情報の「作業エリア」の内容から判定する(S3203)。S3202とS3203との処理は順序が逆転してもよい。S3202とS3203の処理により、制御部16が認証できると判定した場合は、制御部16が作業エリア入退リーダ部22aを介してフラッパーゲート21aを開錠させて作業者が作業エリアから退室することを可能にする。(S3204)。S3204は、フラッパーゲート21aの施錠するステップを含んでいてもよい。なお、図30に示す台車3を押してきた作業者の胸に掛けられた借方タグ2又は物品タグ1が、制御部16が認証できないと判定した場合は、エラーとして処理して、S3201へ戻る(E3201)。E3201は、報知部7aにより不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。
【0119】
作業エリアが、貸出返却処理エリアと異なり、作業者が入退室する頻度が低い場合は、複数のアンテナ部23aにより、上記の物品タグ1と借方タグ2との両方を読むことが可能であるが、貸出返却処理エリアの入退室ように、借方タグ2だけを読む処理を行って、作業エリア内で不正な物品タグ1のID情報を検出するようにしてもよい(作業エリア内の物品の有無を周期的に調査する処理)。作業エリア内の物品の有無を周期的に調査する処理や返却処理と返却処理のための貸出返却処理エリアへの入室の処理は、後述の物品を設定した作業エリアだけではなく、通過する作業エリアにも持ち出す場合とほぼ同様なので、まとめて説明する。
【0120】
次に、物品を設定した作業エリアだけではなく、通過する作業エリアにも持ち出す場合の実施の形態2に係る物品管理システム(物品管理方法)の貸出処理,作業エリア入室,返却処理の一連の処理と作業エリア内の物品の有無を周期的に調査する処理を説明する。この場合は、作業が台車3で一度に複数の作業エリアに物品を配布することができるので、物品を放りっぱなしする可能性を低減できる。管理返却処理(入退室)エリアへの入室は実施の形態1と同様なので説明は省略する(図4及び5)。図33及び34により、作業者が管理返却処理(入退室)エリアへの入室した後に、貸出返却処理端末11を用いて、物品を借りる貸出処理、つまり、貸出返却処理端末11の入力部に、保管エリア内に保管された物品の一覧から物品を選択する入力があった場合の処理を説明する。図34に記載のS0605までの処理は、実施の形態1と同様なので説明は省略する(図6)。S0605は、貸出返却処理端末11の表示部に他に借りたい物品があるかどうかを作業者へ報知するアイコンなどを表示するステップである。他に借りたい物品があるという入力が貸出返却処理端末11の入力部にあった場合は、S0603へ戻り、他に借りたい物品がないという貸出返却処理端末11の入力部にあった場合は、S2901へ進み、S3401へ進むが、S2901とS3401との処理は前後してもよい。
【0121】
S2901では、作業者が借りようとする物品の使用場所を貸出返却処理端末11の入力部を介して、作業者に入力を促す表示を貸出返却処理端末11の表示部に表示する。作業者が使用場所(作業エリア1,作業エリア2,作業エリア3から選択する形式でも、作業者が自ら作業エリア1,作業エリア2,作業エリア3のいずれかを入力する形式でもよい)を入力する。この入力により、制御部16は、作業者が借りようとする物品の使用場所をデータベースサーバ部の関連情報を更新(記憶・追記)する。S2901で行う使用場所の設定は、物品ごと、或いは、作業者ごと、若しくは、その両方の組み合わせごとに設定できる使用場所に制限をかけてもよい。例えば、作業者が管理する作業エリアしか登録できないなどが考えられる。これらの設定は、物品タグ1や借方タグ2により、物品の個体識別や作業者の個人識別を行っているので容易に実行できる。
【0122】
S3401では、作業者が借りようとする物品の通過させる場所を貸出返却処理端末11の入力部を介して、作業者に入力を促す表示を貸出返却処理端末11の表示部に表示する。作業者が通過場所(作業エリア1,作業エリア2,作業エリア3から選択する形式でも、作業者が自ら作業エリア1,作業エリア2,作業エリア3のいずれかを入力する形式でもよい)を入力する。この入力により、制御部16は、作業者が借りようとする物品の通過させる場所をデータベースサーバ部の関連情報を更新(記憶・追記)する。S3401で行う通過場所(通過エリア)の設定は、物品ごと、或いは、作業者ごと、若しくは、その両方の組み合わせごとに設定できる使用場所に制限をかけてもよい。例えば、作業者が管理する作業エリアしか登録できないなどが考えられる。これらの設定は、物品タグ1や借方タグ2により、物品の個体識別や作業者の個人識別を行っているので容易に実行できる。次に、S0606では、作業者が借りようとする物品の返却日入力させる処理を行う。
【0123】
S0607では、制御部16が、貸出返却処理端末11を操作する作業者が所持する借方タグ2のID情報、つまり、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2のID情報と保管エリア内の物品のうち、選択された物品に取り付けられた物品タグ1のID情報とを紐付けてデータベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2及び物品タグ1の関連情報を更新(記憶・追記)する。このS0607を借方タグ02が、借方タグ02を所持する作業者が物品タグAA,物品タグDD,物品タグGGを借りようとする場合を例にして説明する。なお、図22の状態が前述の更新の結果であるとする。図33(a)に記載されたテーブルは、S0607の処理によって、借方タグ02の関連情報として、「紐付け情報」が三つの物品タグ1のID情報(物品タグAA,物品タグDD,物品タグGG)と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。また、借方タグ02の関連情報として、「貸出・返却処理中」が貸出処理中と記憶(更新・追記)される。
【0124】
図33(b)に記載されたテーブルは、S0607の処理によって、物品タグAAの関連情報として、「紐付け情報」が借方タグ02と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。物品タグDDの関連情報として、「紐付け情報」が借方タグ02と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。物品タグGGの関連情報として、「紐付け情報」が借方タグ02と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。また、物品AA,物品タグDD,物品タグGGの関連情報として、それぞれの「返却日(予定)」が貸出処理中と記憶(更新・追記)される。さらに、物品AA,物品タグDD,物品タグGGの関連情報として、それぞれの「作業エリア」」が「1」,「3」,「2」と記憶(更新・追記)される。加えて、物品AA,物品タグDD,物品タグGGの関連情報として、それぞれの「作業エリア」」が物品AA「2と3」,物品タグDD「1と2」,物品タグGG「1と3」と記憶(更新・追記)される。同じく、S0607では、制御部16が、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2のID情報が、保管エリア入退リーダ部4により読み取られると認証が可能なID情報であり、及び、貸出返却処理エリア入退リーダ部13により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、データベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2の認証情報を変更(更新・追記)する。
【0125】
実施の形態2における「貸出処理における保管エリアへの入室」,「保管エリアからの退室」,「保管エリア内の物品の有無を周期的に調査」,「貸出処理を完了させるための処理フロー」,「貸出処理が完了後に、作業者が貸出返却処理(入退室)エリアからの退室」は、実施の形態1と同様なので説明は省略する。作業者が貸出返却処理エリアからの退室して作業エリアに入場する場合を説明する。ここでは、図33に記載の借方タグ02(貸出処理は完了とする)と物品AA,物品タグDD,物品タグGG(貸出処理は完了とする)とをと保持して作業者が、作業エリア1に入室する場合を例とって説明を行うが他の作業エリア2や作業エリア3でも同様である。
【0126】
図35及び36を用いて作業エリア(作業エリア1)への入室を説明する。図35に示す物品AAが貼り付けられた物品,物品タグDDが貼り付けられた物品,物品タグGGが貼り付けられた物品を載せた台車3を押してきた作業者が、フラッパーゲート(図上は、簡略化のためにフラップ部分(扉)を省略している)であるフラッパーゲート21aの前(作業エリア1の外)に来て、フラッパーゲート21aの門柱部分に複数形成されたアンテナ部23aが放射する電波の覆域に借方タグ02や物品AA,物品タグDD,物品タグGGが入ったときに、アンテナ部21aを介して作業エリア入退リーダ部22aが借方タグ02及び物品AA,物品タグDD,物品タグGGのID情報を読み取る(S3101)。作業エリア入退リーダ部22aに読み取られた借方タグ02のID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S3102)。
【0127】
S3601では、二つの判定のいずれかが認証が可能となればよい。一つ目は、作業エリア入退リーダ部22aに読み取られた物品AA,物品タグDD,物品タグGGのID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている関連情報の「作業エリア」の内容から判定する。なお、物品AA,物品タグDD,物品タグGGにおいては、関連情報の「作業エリア」が作業エリア1となっているものは、物品AAなので、物品AAが認証可能で、物品タグDD,物品タグGGが認証不可能となる。二つ目は、作業エリア入退リーダ部22aに読み取られた物品AA,物品タグDD,物品タグGGのID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている関連情報の「通過エリア」の内容から判定する。なお、物品AA,物品タグDD,物品タグGGにおいては、関連情報の「通過エリア」が作業エリア1となっているものは、物品タグDD,物品タグGGなので、物品タグDD,物品タグGGが認証可能で、物品AAが認証不可能となる。S3102とS3601との処理は順序が逆転してもよい。
【0128】
S3102とS3601の処理により、制御部16が認証できると判定した場合は、制御部16が作業エリア入退リーダ部22aを介してフラッパーゲート21aを開錠させて作業者が作業エリアへ入室することを可能にする。(S3104)。S3104は、フラッパーゲート21aの施錠するステップを含んでいてもよい。なお、図30に示す台車3を押してきた作業者の胸に掛けられた借方タグ2又は物品タグ1が、制御部16が認証できないと判定した場合は、エラーとして処理して、S3101へ戻る(E3101)。E3101は、報知部7aにより不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。
【0129】
図37を用いて作業エリアからの退室を説明する。物品AAが貼り付けられた物品,物品タグDDが貼り付けられた物品,物品タグGGが貼り付けられた物品を載せた台車3を作業者が作業エリアへ入室して、作業エリア1内に物品AAが貼り付けられた物品を置き、物品タグDDが貼り付けられた物品,物品タグGGが貼り付けられた物品を台車3に載せて作業エリアから退室する場合を前提に説明を行う。
【0130】
物品タグDDが貼り付けられた物品,物品タグGGが貼り付けられた物品を載せた台車3を押してきた作業者が、フラッパーゲート21aの前(作業エリア1内)に来て、複数のアンテナ部23aが放射する電波の覆域に借方タグ02や物品タグDD,物品タグGGが入ったときに、アンテナ部21aを介して作業エリア入退リーダ部22aが借方タグ02及び物品AA,物品タグDD,物品タグGGのID情報を読み取る(S3201)。作業エリア入退リーダ部22aに読み取られた借方タグ02のID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S3202)。
【0131】
S3701では、二つの判定のいずれかが認証が可能となればよい。一つ目は、作業エリア入退リーダ部22aに読み取られた物品タグDD,物品タグGGのID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている関連情報の「作業エリア」の内容から判定する。なお、物品タグDD,物品タグGGにおいては、関連情報の「作業エリア」が作業エリア1となっているものはないので、物品タグDD,物品タグGGが認証不可能となる。二つ目は、作業エリア入退リーダ部22aに読み取られた物品タグDD,物品タグGGのID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている関連情報の「通過エリア」の内容から判定する。なお、物品タグDD,物品タグGGにおいては、関連情報の「通過エリア」が作業エリア1となっているものは、両方なので、物品タグDD,物品タグGGが認証可能でである。S3202とS3701との処理は順序が逆転してもよい。
【0132】
S3202とS3701の処理により、制御部16が認証できると判定した場合は、制御部16が作業エリア入退リーダ部22aを介してフラッパーゲート21aを開錠させて作業者が作業エリアから退室することを可能にする。(S3204)。S3204は、フラッパーゲート21aの施錠するステップを含んでいてもよい。
【0133】
作業エリアが、貸出返却処理エリアと異なり、作業者が入退室する頻度が低い場合は、複数のアンテナ部23aにより、上記の物品タグ1と借方タグ2との両方を読むことが可能であるが、貸出返却処理エリアの入退室ように、借方タグ2だけを読む処理を行って、作業エリア内で不正な物品タグ1のID情報を検出するようにしてもよい(作業エリア内の物品の有無を周期的に調査する処理)。また、作業エリア内の物品の有無を周期的に調査する処理は、上記のように、上記の物品タグ1と借方タグ2との両方を読むことが可能である場合でも、作業エリア内の物品管理として実行できる。
【0134】
ここで、作業エリア(作業エリア1)内の物品の有無を周期的に調査する処理に関して図38〜41を用いて説明する。ここでは、作業エリア1に入室する場合を例とって説明を行うが他の作業エリア2や作業エリア3でも同様である。作業エリア1内の周期的な調査は、制御部16が作業エリア内部リーダ部19aを用いて、物品タグ1のID情報を収集し、そのデータを時系列にデータベースサーバ部15へ保存することにより行う。もちろん、データベースサーバ部15に保存されている物品タグ1のID情報と関連情報、借方タグ2のID情報と関連情報も使用する。図38は作業エリア1内でのRFIDタグ(物品タグ1)の読み取りを模式的に示したものである。このような状態で、図39〜41の処理フロー(処理ステップ)を所定の周期で実行して作業エリア内の物品の有無を調査する。所定の周期は、求めるセキュリティの度合いに応じて設定すればよい。高いセキュリティを求められる場合は、短い周期で図39〜41の処理フロー(処理ステップ)を実行すればよい。
【0135】
図39を用いて、制御部16によるメインの処理フローを説明する。まず、S3901にて、アンテナ部20aを介して作業エリア1内の物品タグ1のID情報を複数の作業エリア内部リーダ部19aが読み取る。保管エリア内部リーダ部4が読み取った物品タグ1のID情報が前回の読み取り時に読み取られた物品タグ1のID情報と比較する(S3902)。比較の結果、変化が無い場合は、エンド(終了)に移行して処理を終了する。新たなID情報が増えた場合、つまり、物品が増えた場合は、図40に示す制御部16によるサブの処理フローaを実行する。新たなID情報が増え、無くなったID情報がある場合、つまり、新たに増えた物品と無くなった物品とがある場合は、図41に示す制御部16によるサブの処理フローbを実行する。S3902の比較の結果、無くなったID情報がある場合、つまり、無くなった物品がある場合は、S3906を実行する。S3906は、無くなったID情報を有する物品タグ1が貼り付けられた物品が処理中(貸出処理中又は後述する返却処理中)かの判定を関連情報により行うものである。処理中であれば、エンド(終了)に移行して処理を終了する。処理中でなければ、物品が紛失したことになり、何らかの報知を行うエラー処理(E3901)を行う。
【0136】
図40に示す制御部16によるサブの処理フローaを説明する。S4001は、新たなに増えたID情報が返却処理中であるかの判定を関連情報により行う。そうであれば、エンド(終了)に移行して処理を終了する。そうでない場合は、S4001に戻り、何らかの報知を行うエラー処理(E4001)を行う。図41に示す制御部16によるサブの処理フローbを説明する。まず、S4101を実行する。S4101は、無くなったID情報を有する物品タグ1が貼り付けられた物品が処理中(貸出処理中又は後述する返却処理中)かの判定を関連情報により行うものである。処理中であれば、S1402に進む。処理中でなければ、S4103に進む。S4102は、新たなに増えたID情報が貸出処理済みであるかの判定を関連情報により行う。そうであれば、エンド(終了)に移行して処理を終了する。そうでない場合は、S4102に戻り、何らかの報知を行うエラー処理(E4101)を行う。S4103は、S4101の処理で物品が紛失していることが判明していることになり、何らかの報知を行うエラー処理(E4102)を行うことを前提に、新たなに増えたID情報が貸出処理済みであるかの判定を関連情報により行う。そうであれば、エラー処理(E4102)を行ってS4101に戻る。そうでない場合は、S4101の処理で物品が紛失していることが判明、さらに、S4103の処理で物品が貸出処理などもなく持ち込まれていることが判明していることになり、何らかの報知を行うエラー処理(E4103)を行ってS4101に戻る。
【0137】
次に、作業者へ返却を督促する電子メールを送付する処理を説明するが、実施の形態2に係る物品管理システム(物品管理方法)では、物品が持ち出させている先の作業エリアの管理者にも返却を督促する電子メールを送付する構成となっている。図42は、作業者及び作業エリアの管理者へ返却を督促する電子メールを送付する処理を示している。この処理は、所定の周期で実行すればよいが、所定の周期で実行して作業エリア内の物品の有無を調査する。所定の周期は求めるセキュリティや物品の活用効率の度合いに応じて設定すればよい。高いセキュリティや物品の活用効率を求められる場合は、短い周期で実行すればよい。S2101〜S2103までの処理は実施の形態1の説明と同様であるので省略する(図21)。S2103ののち、S4201にて、返却期限が過ぎている物品タグ1の関連情報である「作業エリア」(設定されておれば「通過エリア」も)から設定されている作業エリアを得て、その作業エリアと、関連情報である「管理作業エリア」で設定されている作業エリアとが一致する借方タグ2の関連情報からメールアドレスを得て、制御部16がそのメールアドレスへメールサーバ17を介して、物品の返却を督促する内容のテキストや画像を有する電子メールをユーザ端末24に送る。送付先の電子メール形式(ヘッダ)は、「写し(CC,BCC)」でもよいし「宛先(TO)」でもよい。
【0138】
なお、S2103にて、返却期限が過ぎている物品の所在を確認する(実際は、返却期限が過ぎている物品に添付された物品タグ1の所在を確認する)。所在の確認の仕方は後述する。返却期限が過ぎている物品に添付された物品(物品タグ1)のうち、S2104の処理により所在が不明と判定されると、エラーとして処理して、S2102へ戻るが(E2101)、E2101で、作業者と後段のS4201の処理を行う前に管理者へはS2102での処理を利用して電子メールを送信して物品の所在が不明であること報知してもよい。もちろん、S2102において、常に、作業者と管理者へ電子メールを送信してもよい。
【0139】
ここで、実施の形態2に係る物品管理システムのS2103おける所在の確認の仕方を説明する。実施の形態2に係る物品管理システムの制御部16が直接的又は間接的に制御することが可能なリーダ部が、貸出返却処理エリア及び保管エリア並びに作業エリア(貸出返却処理エリア内部リーダ部9、貸出返却処理エリア入退リーダ部13、保管エリア内部リーダ部4、保管エリア入退リーダ部7、作業エリア内部リーダ部19、作業エリア入退リーダ部22を含む)に配置されているとする。制御部16が上記の各リーダ部に対して同時にRFIDタグ(物品タグ1)のID情報の読み取り動作又は順次、RFIDタグのID情報の読み取り動作を行わせることにより、物品タグの所在を確認する。ここでいう所在確認は、制御部16が直接的又は間接的に制御することが可能なリーダ部が設置されているエリアに対象の物品があるかないかを判断するものであるので、上記の「物品の所在が不明になっている内容」の電子メールは、必ずしも作業者自身や管理者自身も物品の所在が分からないということではないといえる。
【0140】
S2103の処理により所在が特定できたと判定されるとS2104に進み。S2104にて、物品の返却の有無を再度確認して返却されていない場合は、S2102へ戻り、再度、督促のために電子メールを作業者のユーザ端末18へ送る。物品の返却の有無を再度確認して返却されている場合(返却されているとみなしてもよい場合)は、エンド(終了)に移行して処理を終了させる。
【0141】
次に、図43を用いて物品の返却処理を説明する。貸出返却処理エリアへの入室処理とS2204までの処理とは、実施の形態1と同様なので(図22など)、S2204以降を説明する。S2204では、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が、認証された借方タグ2のID情報とこの借方タグ2のID情報に紐付けされた全ての物品タグ1のID情報があるかどうかを判定する。全ての物品タグ1のID情報がある場合は、そしてS2205へ進む。S2205では、制御部16が、貸出返却処理端末11を操作する作業者が所持する借方タグ2のID情報、つまり、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2の関連情報と貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された物品に取り付けられた物品タグ1の関連情報とのうち、「貸出・返却処理中」を否から返却処理中に変更してデータベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2及び物品タグ1の関連情報を更新(変更・追記)する。物品タグ1の関連情報の「返却日(予定)」と「作業エリア」(設定されておれば「通過エリア」も)を抹消してデータベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2及び物品タグ1の関連情報を更新(変更・追記)する。なお、抹消とは、対象の物品タグ1の関連情報としては抹消するだけで、データベースサーバ部15上の情報の履歴としては残しておいてよい。物品タグ1の関連情報の「返却日(予定)」や「作業エリア」(設定されておれば「通過エリア」も)がないことにより、図21を用いて説明した作業者や管理者へ返却を督促する電子メールを送付する処理のS2102及びS4201による作業者,管理者への無駄な返却を督促する電子メールの送信を避けることができる。さらに、S2204では、借方タグ2の認証情報に認証制限を付与する処理も行う。
【0142】
なお、S2205における借方タグ2のID情報に紐付けされた全ての物品タグ1のID情報があるかどうかを判定するとは、S2212で作業者が返却を希望するとして選択したもの全てでもよいし、S2212で作業者が返却を希望するとして選択していなくても、「貸出返却処理エリア内部リーダ部9が借方タグ2のID情報に紐付けされた物品タグ1のID情報」があれば強制的に「貸出・返却処理中」を否から返却処理中に変更してデータベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2及び物品タグ1の関連情報を更新してもよい。両方の場合を前提に説明を進める。
【0143】
このS2205の処理によって、借方タグ2の関連情報として、「貸出・返却処理中」が否から返却処理中と記憶(更新・追記)される。物品タグ1の関連情報として、「貸出・返却処理中」が否から返却処理中と記憶(更新・追記)される。同じく、S2205では、制御部16が、借方タグ2のID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグ1のID情報を貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取ったときに、借方タグ2のID情報と物品タグ1のID情報との紐付けを解除してデータベースサーバ部15に記憶されている関連情報を更新(変更・追記)し、この更新によって、紐付けを解除された借方タグ2のID情報が保管エリア入退リーダ部9により読み取られると認証が可能なID情報であり、及び、貸出返却処理エリア入退リーダ部13により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、データベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2の認証情報を変更(更新・追記)を行い、S2205からエンド(終了)に移行して処理を終了する。
【0144】
S2204にて、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が、認証された借方タグ2のID情報とこの借方タグ2のID情報に紐付けされた全ての物品タグ1のID情報とを読み取れない場合はS2206へ進む。S2206,S2207,S2208,S2209の処理は、実施の形態1と同様なので(図22)、説明は省略する。
【0145】
S2209の処理により所在が特定できたと判定されると、S4301を行ってから、S2205(バックグランド処理として、S2210)に進む。S4301では、返却期限が過ぎている物品が作業エリアにある場合は、その作業エリアの管理者に返却を依頼する電子メールを送付する。その作業エリアが物品の使用場所として登録されていない場所であれば、物品の使用場所として登録されている作業エリアの管理者にも返却を依頼する電子メールを送付する。この場合は、物品が現在ある作業エリアも電子メールにて報知すればよい。
【0146】
貸出返却処理端末11(制御部16)のバックグランド処理としてのS2210を説明する。S2210にて、制御部16は、S2209の処理の完了後、所定時間(任意で設定可能な時間)経過後に返却期限が過ぎた物品の返却の有無を再度確認する。確認の方法は、前述のS2101と同様に、制御部16はデータベースサーバ部15の物品タグ1の関連情報である「返却日(予定)」に加え、「紐付け情報」や「貸出・返却処理中」を参照して行う。具体的には、「紐付け情報」が解除されている場合や「貸出・返却処理中」が返却処理中となっている場合であれば、返却が終了したと判断する。これは厳密には、返却処理中のため、作業者が貸出返却処理エリア又は保管エリア内で物品を運んでいる最中である場合も含む。作業者が貸出返却処理エリア又は保管エリア内で物品を運んでいる最中であっても、返却処理が開始されると終了するまでは貸出返却処理エリアから退室できないので、返却が終了したとみなしても支障がないからであるからである。
【0147】
S2210にて、物品の返却の有無を再度確認して返却されていない場合は、S4302を経由して図42に記載のS4302へ進み、再度、督促のために電子メールを作業者のユーザ端末18へ送る。物品の返却の有無を再度確認して返却されている場合(返却されているとみなしてもよい場合)は、エンド(終了)に移行して処理を終了させる。S2208(S2102)においては、督促のための電子メールを返却期限が過ぎた物品(物品タグ1)を対象にしているが、関連情報へ追記された返却期限が日付で定義されるものであって、制御部16が関連情報へ追記された返却期限の前日までに、メールサーバ17を介して電子メールを事前報知として送信してもよい。この場合でも、S2102以降の処理を行ってもよい。これらは図42を用いた説明と同様である。また、管理者への電子メール発信も同様である。
【0148】
返却処理における保管エリアへの入室・退室、その後の貸出返却処理エリアから退室の処理は実施の形態1と同様なので説明は省略する。
【0149】
このように説明したとおり、実施の形態2に係る物品管理システム(物品管理方法)は、計測器などの物品が保管された保管エリアへの自由な立入りを制限と保管エリアを包含する貸出返却処理エリアへの自由な立入りを制限とを貸出処理や返却処理の各ステップに応じて変更することが容易なので、立入りを制限が設定されているにも関わらず、作業者にストレスを感じさせずに、物品の管理や貸出・返却が行えるだけでなく、作業者の過失による物品の紛失の可能性を減じることができるという効果を奏する。また、確実に保管エリア(貸出返却処理エリア)から持ち出し、確実に物品(物品タグ1)が存在する可能性があるエリア(実施の形態2で説明した三つの「作業エリア」も含む)に持ち込んだという履歴がデータベースサーバ部15から読み取る制御部16を備えているので、どこに、誰が、何を、いつ持出/持込したのかを把握することと、確実に返却させるための借方タグ1を持つ作業者への返却通達を実施することができるという効果を奏する。さらに、物品タグ1と物品を持出/持込する作業者の情報を記録した借方タグ2を備えているので、物品タグ1と借方タグ2を読取、持ち出す物品を管理し、保管エリア(貸出返却処理エリア)から持ち出し、確実に物品(物品タグ1)が存在する可能性があるエリア(実施の形態2で説明した三つの「作業エリア」も含む)に持ち込んだという履歴を物品ごとに管理できるという効果を奏する。また、各エリアの情報を集約するとどこに、誰が、何を、いつ持出/持込したのかを把握することができるという効果を奏する。
【符号の説明】
【0150】
1・・物品タグ、2・・借方タグ、3・・台車、4・・保管エリア内部リーダ部、5・・アンテナ部、6・・保管エリア仕切り手段(扉)、7・・保管エリア入退リーダ部、7a・・報知部、8・・アンテナ部、9・・貸出返却処理エリア内部リーダ部、10・・アンテナ部、11・・貸出返却処理端末(貸出返却登録端末)、12・・貸出返却処理エリア仕切り手段(扉)、13・・貸出返却処理エリア入退リーダ部、13a・・報知部、14・・アンテナ部、15・・データベースサーバ部、16・・制御部、17・・メールサーバ、18・・ユーザ端末、19・・作業エリア内部リーダ部、19a・・作業エリア内部リーダ部、19b・・作業エリア内部リーダ部、19c・・作業エリア内部リーダ部、20・・アンテナ部、20a・・アンテナ部、20b・・アンテナ部、20c・・アンテナ部、21・・作業エリア仕切り手段(フラッパーゲート)、21a・・作業エリア仕切り手段(フラッパーゲート)、21b・・作業エリア仕切り手段(フラッパーゲート)、21c・・作業エリア仕切り手段(フラッパーゲート)、22・・作業エリア入退リーダ部(フラッパーゲート)、22a・・作業エリア入退リーダ部(フラッパーゲート)、22b・・作業エリア入退リーダ部(フラッパーゲート)、22c・・作業エリア入退リーダ部(フラッパーゲート)、21d・・報知部、23・・アンテナ部、23a・・アンテナ部、23b・・アンテナ部、23c・・アンテナ部、24・・ユーザ端末。
【技術分野】
【0001】
この発明は、Radio_Frequency_IDentification(以下、RFIDと称す)システムを用いた物品管理システムに関するものであり、特に、貸出や返却の対象となる物品に、その物品の識別番号などのID情報が記録されたRFIDタグが貼付され、貸出や返却の際にRFIDタグから物品のID情報をRFIDリーダに読み取らせて、物品の貸出や返却の管理を行うものに関する。
【背景技術】
【0002】
従来、RFIDシステムを用いた物品管理システムには、借方の情報と物品の情報とを関連付ける(紐付ける)ことを主とするもの、物品の無断持ち出しを制限するもの、物品の位置を把握するもの、物品の返却を促すものなどがある。
【0003】
RFIDシステムにおける借方の情報と物品の情報とを関連付ける(紐付ける)ことを主とするものには、物品に無線タグ(RFIDタグ)を貼り付けて、利用者(借方)に無線タグ(RFIDタグ)を保持させ、管理サーバには、物品の貸出返却処理をおこなう際、物品の識別情報(物品に貼り付けられた無線タグのID情報)と貸出返却処理をおこなう利用者の利用者情報(利用者が保持する無線タグのID情報)とを含む貸出返却情報と、貸出返却情報に基づいた物品の貸出返却処理に関する履歴情報と、物品が関連する分野情報とを含む物品管理情報とが保存され、利用者端末(貸出返却処理端末)によって、貸出返却処理のうち物品の貸出処理がおこなわれる場合、利用者に分野情報を含む物品管理情報を報知可能するものがある(例えば、特許文献1参照)。
【0004】
また、RFIDシステムにおける借方の情報と物品の情報とを関連付ける(紐付ける)ことを主とするものには、物品に無線タグ(RFIDタグ)を貼り付けて、物品の貸出返却を行う搬送者(借方)に無線タグ(RFIDタグ)を保持させ、2組の無線タグリーダ(リーダ部)を設置することにより、自動的に且つローコストに、物品の貸出或いは返却を判別するものがある(例えば、特許文献2参照)。
【0005】
RFIDシステムにおける物品の無断持ち出しを制限するものには、物品持ち出し監視ゲートが、貸出の行われた物品に付された非接触タグ(RFIDタグ)の識別子(ID情報)を格納する貸出し中タグ識別子テーブルを有し、アンテナを介して読み取った物品に付された非接触タグの識別子と貸出し中タグ識別子テーブルの内容とを比較して、物品の無断持ち出し行為の発生を検出するものがある(例えば、特許文献3参照)。
【0006】
また、RFIDシステムにおける物品の無断持ち出しを制限するものには、警報出力部が、物品に貼り付けられたICタグ(RFIDタグ)から読み取った識別情報(ID情報)に基づいて、通信が不能になったICタグを特定し、特定されたICタグについて状態記憶部に記憶されている通信状態を、警備モードが設定されている場合には「不明」に更新し、警備解除モードが設定されている場合には「非監視」に更新することにより、警備モードが設定されている場合、通信状態が「不明」に更新されたときに、警報情報を生成するものがある(例えば、特許文献4参照)。
【0007】
RFIDシステムにおける物品の位置を把握するものには、非接触型ICタグ(RFIDタグ)を用いて、倉庫(保管エリア)に物品を頻繁に搬入又は搬出しても、人手を使わずに自動的に在庫情報を収集して機械的に管理することができるものがある(例えば、特許文献5参照)。
【0008】
RFIDシステムにおける物品の返却を促すものには、物品に非接触ICタグ(RFIDタグ)を貼り付けて、利用者(借方)にICカードを保持させ、管理用サーバが、物品が返却制限時間以内に返却されたか否かの判定を行う返却判定手段と、返却判定手段による判定で返却制限時間以内に返却されていないと判定された場合に、利用者IDコード(ID情報)を特定し、利用者が利用者IDコードを用いるネットワークシステムの利用をできない状態に制限するものがある(例えば、特許文献6参照)。なお、特許文献7には、電子メールを用いて、物品の返却忘れを防止することが記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0009】
【特許文献1】特開2010−191514号公報(第1図乃至第7図)
【特許文献2】特開2003−146413号公報(第1図及び第2図)
【特許文献3】特開2001−266261号公報(第1図乃至第5図)
【特許文献4】特開2010−282513号公報(第1図乃至第3図)
【特許文献5】特開2002−193448号公報(第1図、第2図、第5図乃至第8図)
【特許文献6】特開2007−045592号公報(第1図乃至第4図)
【特許文献7】特開2008−197935号公報(第1図乃至第8図)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
しかし、従来のRFIDシステムを用いた物品管理システムにおいて、RFIDシステムにおける借方の情報と物品の情報とを関連付ける(紐付ける)ことを主とするものは、利便性が向上するという長所はあるが、故意・過失に関わらず、物品の持ち出しや紛失を制限を意図したものではないという課題があった。また、物品の無断持ち出しを制限するものは、故意の物品の持ち出しを制限することはできるものの、物品が保管される監視領域内でRFIDタグを読み取る設備がない場所などに物品を誤って放置するなどの過失による物品の持ち出しや紛失を制限することは想定していないという課題があった。なお、特許文献5や特許文献6及び7には、故意・過失に関わらず、物品の持ち出しや紛失を制限することや防止することに関する記載はない。
【0011】
近年、研究機関や設計・工場設備などの敷地全体をセキュリティエリアと定義して、セキュリティエリアとセキュリティエリア外との人的・物的アクセスを監視カメラ、赤外線センサ、FBGセンサなどの監視システムや監視員などを用いて制限していることが多く、従来のRFIDシステムを用いた物品管理システムが、うまく機能しなかった場合でも、セキュリティエリア外へ物品を持ち出す行為を監視システムや監視員により、未然に防ぐことができるようになってきている。したがって、研究機関や設計・工場設備などの敷地内で物品の移動を管理する場合(例えば、研究機関や設計・工場設備などの敷地内での試験や実験に使用する計測器などの物品の貸出や返却を管理する場合)は、故意による物品の持ち出しや紛失だけでなく、過失による物品の持ち出しや紛失を防ぐことが重要となってきている。特に、計測器などの高価かつ必要不可欠な物品の紛失・遺失は、物品の所有者や管理者に多大な影響を与える。しかし、計測器は、その用途などの性質から、使用者(借方)間で管理者(貸方)に連絡せずに又貸しなどを行う可能性が高いと想到される。
【0012】
この発明は、上記のような課題を解消するためになされたもので、故意・過失に関わらず、物品の持ち出しや紛失の発生を極力抑え、物品の貸出や返却の管理を行うことができる物品管理システムを提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0013】
この発明に係る物品管理システムは、物品が保管された保管エリアを包含する貸出返却処理エリア内で、前記保管エリアに保管された物品ごとに取り付けられたRFIDタグである物品タグのID情報とRFIDタグである借方タグのID情報とを紐付けて、物品を前記貸出返却エリアの外部に持ち出し可能とする貸出処理を行ったのちに、借方タグのID情報と物品タグのID情報との紐付けを解除して、物品を前記保管エリアに返却するための返却処理を行う物品管理システムであって、前記保管エリア内のRFIDタグのID情報を読み取る保管エリア内部リーダ部と、前記保管エリアと前記貸出返却処理エリアとを仕切る保管エリア仕切り手段と、RFIDタグのID情報を読み取って、そのID情報が認証されたときに前記保管エリア仕切り手段を開錠させて前記保管エリア仕切り手段を進入又は退出が可能な状態にする保管エリア入退リーダ部と、前記貸出返却処理エリア内のRFIDタグのID情報を読み取る貸出返却処理エリア内部リーダ部と、前記貸出返却処理エリアと外部とを仕切る貸出返却処理エリア仕切り手段と、RFIDタグのID情報を読み取って、そのID情報が認証されたときに前記貸出返却処理エリア仕切り手段を開錠させて前記貸出返却処理エリア仕切り手段を進入又は退出が可能な状態にする貸出返却処理エリア入退リーダ部と、借方タグのID情報、物品タグのID情報、借方タグのID情報と物品タグのID情報との紐付けの有無を示す関連情報、借方タグのID情報の認証が可能か不可能かを示す認証情報を記憶するデータベースサーバ部と、このデータベースサーバ部に記憶された各情報に基づいて、前記保管エリア内部リーダ部、前記保管エリア入退リーダ部、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部、前記貸出返却処理エリア入退リーダ部が読み取ったRFIDタグのID情報を認証が可能か不可能かを判定する機能、及び、前記データベースサーバ部に記憶された各情報を変更する機能を有する制御部と、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取った借方タグのID情報が前記制御部により認証されたとき、その借方タグのID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧又は前記保管エリア内に保管された物品の一覧の少なくとも一方を表示する表示部を有し、表示された物品の一覧から物品を選択することが可能な入力部を有する貸出返却処理端末とを備えたものである。
【0014】
請求項1の発明に係る物品管理システムは、前記貸出返却処理端末の入力部に、前記保管エリア内に保管された物品の一覧から物品を選択する入力があった場合は、前記制御部が、前記保管エリア内の物品のうち、選択された物品に取り付けられた物品タグのID情報と前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取り認証された借方タグのID情報とを紐付けて前記データベースサーバ部に記憶されている前記関連情報を更新し、前記認証された借方タグのID情報が、前記保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が可能なID情報であり、及び、前記貸出返却処理エリア入退リーダ部により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、前記データベースサーバ部に記憶されている前記認証情報を変更したのちに、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が、前記認証された借方タグのID情報とこの借方タグのID情報に紐付けされた全ての物品タグのID情報とを読み取ったときに、読み取られたID情報のうち、借方タグのID情報に対して、前記貸出返却処理エリア入退リーダ部により読み取られると認証が可能なID情報であり、前記保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、前記データベースサーバ部に記憶されている前記認証情報を変更しておく貸出処理を行うものであることを特徴とし、前記貸出返却処理端末の入力部に、借方タグのID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧から物品を選択する入力があった場合は、前記制御部が、借方タグのID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグのID情報を前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取ったときに、借方タグのID情報と物品タグのID情報との紐付けを解除して前記データベースサーバ部に記憶されている前記関連情報を更新し、この更新によって、紐付けを解除された借方タグのID情報が前記保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が可能なID情報であり、及び、前記貸出返却処理エリア入退リーダ部により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、前記データベースサーバ部に記憶されている前記認証情報を変更したのちに、その前記認証情報が変更された借方タグが前記保管エリア入退リーダ部により読み取られ、前記保管エリアから退出する認証が可能と判定してから、前記保管エリア内部リーダ部が、紐付けを解除された物品タグのID情報を読み取ったときに、紐付けを解除された借方タグのID情報が前記保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が不可能なID情報であり、及び、前記貸出返却処理エリア入退リーダ部により読み取られると認証が可能なID情報であると判定するように、前記データベースサーバ部に記憶されている前記認証情報を変更しておく返却処理を行うものであることを特徴とするものである。
【0015】
請求項2の発明に係る物品管理システムは、前記貸出返却処理端末の表示部が、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取った借方タグのID情報が前記制御部により認証されたとき、その借方タグのID情報と紐付けられたID情報がある場合は、そのID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧のみを表示するもの、又は、そのID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧のみを選択可能にするものである請求項1に記載のものである。
【0016】
請求項3の発明に係る物品管理システムは、前記制御部が電子メールサーバに接続され、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取った借方タグのID情報が前記制御部により認証され、前記貸出返却処理端末の入力部に、前記保管エリア内に保管された物品の一覧から物品を選択する入力があった場合、選択された物品の返却期限を入力する旨の表示を前記貸出返却処理端末の表示部し、前記前記貸出返却処理端末の入力部を介して、前記物品の返却期限を入力可能とし、前記前記貸出返却処理端末の入力部に入力された返却期限を前記制御部が前記データベースサーバ部に記憶される前記関連情報へ追記することを特徴とする請求項1又は2に記載のものである。
【0017】
請求項4の発明に係る物品管理システムは、前記貸出返却処理端末の入力部に、借方タグのID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧から物品を選択する入力があった場合、前記制御部が、借方タグのID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグのID情報を前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取ったときに、借方タグのID情報と物品タグのID情報との紐付けを解除して前記データベースサーバ部に記憶されている前記関連情報を更新し、前記関連情報に追記された返却期限を抹消することを特徴とする請求項3に記載のものである。
【0018】
請求項5の発明に係る物品管理システムは、前記関連情報へ追記された返却期限が日付で定義されるものであって、前記制御部が前記関連情報へ追記された返却期限の前日までに、前記電子メールサーバを介してメールを送信することを特徴とする請求項3又は4に記載のものである。
【0019】
請求項6の発明に係る物品管理システムは、前記関連情報へ追記された返却期限が日付で定義されるものであって、前記制御部が前記関連情報へ追記された返却期限の当日以降に、前記電子メールサーバを介してメールを送信することを特徴とする請求項3〜5のいずれかに記載のものである。
【0020】
請求項7の発明に係る物品管理システムは、物品を持ち出す外部に貸出先エリアが存在するものであって、前記制御部に制御され、前記貸出先エリア内のRFIDタグのID情報を読み取る貸出先エリア内部リーダ部と、前記貸出先エリアと外部とを仕切る貸出先エリア仕切り手段と、前記制御部に制御され、RFIDタグのID情報を読み取って、そのID情報が認証されたときに前記貸出先エリア仕切り手段を開錠させて前記貸出先エリア仕切り手段を進入又は退出が可能な状態にする貸出先エリア入退リーダ部とを備えたことを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載のものである。
【0021】
請求項8の発明に係る物品管理システムは、前記制御部が、前記保管エリア内部リーダ部、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部、前記貸出先エリア内部リーダ部に対して同時にRFIDタグのID情報の読み取り動作又は順次、RFIDタグのID情報の読み取り動作を行わせる請求項7に記載のものである。
【発明の効果】
【0022】
以上のように、請求項1に係る発明によれば、保管エリアの入退室に制限をかけているにもかかわらず、借方タグのID情報に対して、保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が可能なID情報であると判定する場合と、保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定する場合とを、物品の無断持ち出しの可能性を高めることなく適切に変更することが可能な物品管理システムを得ることができる。
【0023】
請求項2に係る発明によれば、請求項1の効果に加えて、貸出返却処理端末の表示部に適切な表示をさせることが可能な物品管理システムを得ることができる。
【0024】
請求項3に係る発明によれば、請求項1及び2の効果に加えて、返却期限をシステムに組み込みやすい物品管理システムを得ることができる。
【0025】
請求項4に係る発明によれば、請求項3の効果に加えて、返却期限の管理を容易にする可能性が高まった物品管理システムを得ることができる。
【0026】
請求項5に係る発明によれば、請求項3及び4の効果に加えて、返却期限が過ぎた物品の返却の督促を電子メールで行うことができる物品管理システムを得ることができる。
【0027】
請求項6に係る発明によれば、請求項3〜5の効果に加えて、物品の返却期限の前に事前に返却期限の報知を電子メールで行うことができる物品管理システムを得ることができる。
【0028】
請求項7に係る発明によれば、請求項1〜6の効果に加えて、貸出先エリアに持ち出された物品も管理することができる物品管理システムを得ることができる。
【0029】
請求項8に係る発明によれば、請求項7の効果に加えて、保管エリア及び貸出先エリアにおける物品の所在を容易に確認することができる物品管理システムを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0030】
【図1】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの構成の模式図である。
【図2】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの構成の機能ブロック図である。
【図3】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムに用いる借方タグと物品タグのID情報及び関連情報のテーブル(一例)である。
【図4】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの貸出・返却処理(入退室)エリア模式図である。
【図5】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの貸出・返却処理(入退室)エリア入室フローチャートである。
【図6】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの貸出・返却処理(入退室)エリアにおける貸出処理フローチャートである。
【図7】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア模式図(貸出処理中)である。
【図8】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア入室(貸出処理中)フローチャートである。
【図9】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア退室(貸出処理中)フローチャートである。
【図10】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア模式図である。
【図11】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア内物品検出フローチャートである。
【図12】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア内物品検出フローチャートである。
【図13】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア内物品検出フローチャートである。
【図14】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア内物品検出フローチャートである。
【図15】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア内物品検出フローチャートである。
【図16】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの貸出・返却処理(入退室)エリアにおける貸出処理フローチャートである。
【図17】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの貸出・返却処理(入退室)エリア模式図である。
【図18】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの貸出・返却処理(入退室)エリア退室フローチャートである。
【図19】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア内物品検出フローチャートである。
【図20】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムに用いる借方タグと物品タグのID情報及び関連情報のテーブル(一例)である。
【図21】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの物品返却督促電子メール送信処理のフローチャートである。
【図22】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの貸出・返却処理(入退室)エリアにおける返却処理フローチャートである。
【図23】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア模式図(返却処理中)である。
【図24】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア入室(返却処理中)フローチャートである。
【図25】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア入室(返却処理中)フローチャートである。
【図26】この発明の実施の形態1に係る物品管理システムの保管エリア入室(返却処理中)フローチャートである。
【図27】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの構成の模式図である。
【図28】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムに用いる借方タグと物品タグのID情報及び関連情報のテーブル(一例)である。
【図29】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの貸出・返却処理(入退室)エリアにおける貸出処理フローチャートである。
【図30】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの作業エリア模式図である。
【図31】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの作業エリア入室フローチャートである。
【図32】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの作業エリア退室フローチャートである。
【図33】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムに用いる借方タグと物品タグのID情報及び関連情報のテーブル(一例)である。
【図34】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの貸出・返却処理(入退室)エリアにおける貸出処理フローチャートである。
【図35】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの作業エリア模式図である。
【図36】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの作業エリア入室フローチャートである。
【図37】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの作業エリア退室フローチャートである。
【図38】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの作業エリア模式図(貸出処理中)である。
【図39】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの保管エリア内物品検出フローチャートである。
【図40】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの保管エリア内物品検出フローチャートである。
【図41】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの保管エリア内物品検出フローチャートである。
【図42】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの物品返却督促電子メール送信処理のフローチャートである。
【図43】この発明の実施の形態2に係る物品管理システムの貸出・返却処理(入退室)エリアにおける返却処理フローチャートである。
【発明を実施するための形態】
【0031】
本願では、管理対象の物品が計測器など測定器具・実験器具である場合を例として説明するが、これに限るものではない。本願では、各エリア(貸出返却処理エリア,保管エリア,貸出先エリア(物品を使って作業する作業エリア)など)への出入りを入室・退室と称するが、これは入場・退場と称してもよい。つまり、各エリアは後述する仕切り手段(保管エリア仕切り手段など)によってエリア内とエリア外との人的・物的アクセスが制限できるフィールドであれば部屋などに限るものではないことを意味する。本願で使用されるRFIDシステムは、各リーダ部(保管エリア内部リーダ部など)に接続され、リーダ部の制御により電波(質問波)をRFIDタグに送信することにより、そのRFIDタグのID情報がRFIDタグから電波(返信波)よって返信され、それを受信するアンテナ部を有する一般的なものであれば、通信方式や使用周波数は制限されない。なお、RFIDタグの一括読み取りが必要な場面では、現状の技術水準では電波方式が好適であるという制限はあるが、使用周波数を限定する事項ではない。
【0032】
実施の形態1.
以下、この発明の実施の形態1について図1〜26を用いて説明する。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。図1、図2、図4、図7、図10、図17、図23において、1は計測器などの物品ごとに貼り付けられたRFIDタグである物品タグ、2は物品を借りる作業者(借方)ごとに配布されたRFIDタグである借方タグ(作業者個人を特定するIDカードの機能を含むものとする)、また、実施の形態2で説明する作業エリアの管理者が保有するRFIDタグも便宜上、借方タグ2と称する。もちろん、作業エリアの管理者が借方(作業者)であってもよい。3は作業者が使用するものであって、物品タグが貼り付けられた物品を積載して運搬する台車である。なお、実施の形態1に係る物品管理システムは、物品が保管された保管エリアを包含する貸出返却処理エリア内で、保管エリアに保管された物品ごとに取り付けられた物品タグ1のID情報と借方タグ2のID情報とを紐付けて、物品を貸出返却エリアの外部に持ち出し可能とする貸出処理を行ったのちに、借方タグ2のID情報と物品タグ1のID情報との紐付けを解除して、物品を保管エリアに返却するための返却処理を行うものである。
【0033】
・保管エリアの構成
図1、図2、図4、図7、図10、図17、図23において、4は保管エリア内のRFIDタグのID情報を読み取る保管エリア内部リーダ部、5は保管エリア内部リーダ部4に接続され、保管エリア内部リーダ部4の制御により電波をRFIDタグに送信することにより、そのRFIDタグのID情報を電波よって返信されてきたときに受信するアンテナ部である。保管エリア内部リーダ部4は、RFIDタグへの書き込み機能を有するリーダライタでもよい(図2では、リーダライタを指す「R/W」との表記をしているが、リーダ機能だけのものでもよい)。また、保管エリア内部リーダ部4は、アンテナ部5と一体型でもよい。6は保管エリアと貸出返却処理エリアとを仕切る保管エリア仕切り手段であり、扉やフラッパーゲートなどが想定される。7はRFIDタグのID情報を読み取って、そのID情報が認証されたときに保管エリア仕切り手段6を開錠させて保管エリア仕切り手段6を進入又は退出が可能な状態にする保管エリア入退リーダ部、7aは保管エリア入退リーダ部7が読み取った借方タグ2のID情報の認証が不可能と判断された場合に、LEDなどの光源を用いた回転灯や警告灯などの照明装置を点灯又は点滅させることで、不正(認証不可)を報知する報知部であり、照明装置に限らず、不正を画面上に表示して報知する表示装置や不正を音声で報知するスピーカなどの音声発生装置でもよい。8は保管エリア入退リーダ部7に接続され、保管エリア入退リーダ部7の制御により電波をRFIDタグに送信することにより、そのRFIDタグのID情報を電波よって返信されてきたときに受信するアンテナ部である。保管エリア入退リーダ部7は、RFIDタグへの書き込み機能を有するリーダライタでもよい(図2では、リーダライタを指す「R/W」との表記をしているが、リーダ機能だけのものでもよい)。また、保管エリア入退リーダ部7は、アンテナ部8と一体型でもよい。
【0034】
・貸出返却処理(入退室)エリアの構成
図1、図2、図4、図7、図10、図17、図23において、9は貸出返却処理エリア内のRFIDタグのID情報を読み取る貸出返却処理エリア内部リーダ部、10は貸出返却処理エリア内部リーダ部9に接続され、貸出返却処理エリア内部リーダ部9の制御により電波をRFIDタグに送信することにより、そのRFIDタグのID情報を電波よって返信されてきたときに受信するアンテナ部である。貸出返却処理エリア内部リーダ部9は、RFIDタグへの書き込み機能を有するリーダライタでもよい(図2では、リーダライタを指す「R/W」との表記をしているが、リーダ機能だけのものでもよい)。11は貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取った借方タグのID情報が後述の制御部16により認証されたとき、その借方タグ2のID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグ1が取り付けられた物品の一覧又は保管エリア内に保管された物品の一覧の少なくとも一方を表示する表示部を有し、表示された物品の一覧から物品を選択することが可能な入力部を有する貸出返却処理端末(貸出返却登録端末)である。「選択する」とは、物品管理システムにおいて、貸出可能な物品(又は返却する物品)とその物品を選択するための入力信号を予め決めておき、貸出返却処理端末11の入力部から入力される入力信号が、前述の予め決めた入力信号である場合を意味する。よって、作業者が適切な入力信号を貸出返却処理端末11に生成させるために、貸出返却処理端末11の表示部には、貸出返却処理端末11の入力部の適切な操作を作業者に促す表示を行う必要がある。また、貸出返却処理端末(貸出返却登録端末)11は、汎用のPC及びそのPCに組み込まれたソフトウェアなどで構成される。貸出返却処理端末11(貸出返却登録端末11)の表示部は液晶ディスプレイなどが想定される。貸出返却処理端末11(貸出返却登録端末11)の入力部はキーボード、マウス、タッチパネルなどが想定される(入力部がタッチパネルの場合は、入力部が表示部も兼ねることになる)。12は貸出返却処理エリアと外部とを仕切る貸出返却処理エリア仕切り手段であり、扉やフラッパーゲートなどが想定される。13はRFIDタグのID情報を読み取って、そのID情報が認証されたときに貸出返却処理エリア仕切り手段12を開錠させて貸出返却処理エリア仕切り手段12を進入又は退出が可能な状態にする貸出返却処理エリア入退リーダ部、13aは貸出返却処理エリア入退リーダ部13が読み取った借方タグ2のID情報の認証が不可能と判断された場合に、LEDなどの光源を用いた回転灯や警告灯などの照明装置を点灯又は点滅させることで、不正(認証不可)を報知する報知部であり、報知部13aは報知部7aと同様に照明装置に限らず、不正を画面上に表示して報知する表示装置や不正を音声で報知するスピーカなどの音声発生装置でもよい。14は貸出返却処理エリア入退リーダ部13に接続され、貸出返却処理エリア入退リーダ部13の制御により電波をRFIDタグに送信することにより、そのRFIDタグのID情報を電波よって返信されてきたときに受信するアンテナ部である。貸出返却処理エリア入退リーダ部13は、RFIDタグへの書き込み機能を有するリーダライタでもよい(図2では、リーダライタを指す「R/W」との表記をしているが、リーダ機能だけのものでもよい)。
【0035】
・物品管理システムの制御の構成
図1、図2、図4、図7、図10、図17、図23において、15は借方タグ2のID情報、物品タグ1のID情報、借方タグ2のID情報と物品タグ1のID情報との紐付けの有無を示す関連情報、借方タグ2のID情報の認証が可能か不可能かを示す認証情報を記憶し、これらの情報が更新(変更・追記)された履歴やタイミングも記録することが可能なデータベースサーバ部、16はデータベースサーバ部15に記憶された前述の各情報を適宜参照して、保管エリア内部リーダ部4、保管エリア入退リーダ部7、貸出返却処理エリア内部リーダ部9、貸出返却処理エリア入退リーダ部13を制御し、それらが読み取ったRFIDタグのID情報を認証が可能か不可能かを判定する機能とデータベースサーバ部15に記憶された各情報を更新(変更・追記)する機能とを有し、物品の返却日(返却期間)や所定時間などをカウントすることが可能なタイマー機能も有する制御部、17は制御部16に接続され、制御部16からの依頼により対象の電子メールアドレス(メールアドレス)に電子メールを送信するメールサーバ(電子メールサーバ)である。メールサーバ17や電子メールのシステムは、一般的なものでよい。18は借方タグ2を保有する作業者が使用者となっているユーザ端末である。ユーザ端末18は、電子メールが受信できるメーラーを有するものであれば、汎用のPCや携帯電話などなんであってもよい。借方タグ2の関連情報として、電子メールアドレスがデータベースサーバ部15に保存されているので、制御部16は必要に応じて、借方タグ2に対応する作業者が使用するユーザ端末18(実施形態2では、ユーザ端末24も含む)へメールサーバ17を介して電子メールを送ることができる。
【0036】
・データベースサーバ部15に記憶される物品タグ1及び借方タグ2の情報
図3(a)は借方タグ2のID情報及び関連情報のテーブル(一例)、図3(b)は物品タグ1のID情報及び関連情報のテーブル(一例)である。図3(a)には借方タグ2の関連情報として、「作業者コード」,「貸出・返却処理中」,「紐付け情報」,「メールアドレス」をテーブル中に記載しているが、借方タグ2の関連情報として新たに情報を追加・追記してもよい。なお、本願では、全ての借方タグ2(ID情報が「00」,「01」,「02」,「03」,「04」,「05」のもの)は、貸出返却処理エリアへの入室や貸出返却処理端末11の使用を許可されているものとするが、この貸出返却処理エリアへの入室や貸出返却処理端末11の使用の許可又は不許可も、図3(a)のテーブルには表記していないが、借方タグ2の関連情報のうち、特に、借方タグ2のID情報の認証が可能か不可能かを示す認証情報として記憶されているものとする。この認証情報は、後述する紐付け情報とを更新(変更・追記)タイミングを連動させて、制御部16が借方タグ2のID情報の認証が可能か不可能かの情報を変更することが可能なものである。詳細は後述する物品管理システムの動作や運用方法(物品管理方法)で説明する。また、借方タグ2のうち、ID情報が「00」のものを借方タグ00,ID情報が「01」のものを借方タグ01,ID情報が「02」のものを借方タグ02,ID情報が「03」のものを借方タグ03,ID情報が「04」のものを借方タグ04,ID情報が「05」のものを借方タグ05とする。
【0037】
図3(a)において、「作業者コード」とは作業者の個人を特定するものである。「貸出・返却処理中」とは、まず、貸出処理中が貸出返却処理端末11により物品の貸出処理を開始して完了するまでの状態かを示すものであり、そして返却処理中が貸出返却処理端末11により物品の返却処理を開始して完了するまでの状態かを示すものである。ここで、借方タグ00と借方タグ05は「貸出・返却処理中」が否で「紐付け情報」が無いので、物品を一つも借りていない状態であることが分かる。一方、借方タグ01は「貸出・返却処理中」が否で「紐付け情報」が一つのあるので、物品を一つ借りている状態であることが分かる。詳しくは、ID情報が「CC」の物品タグ1が貼り付けられた物品を借りていることが分かる。「紐付け情報」とは借方タグ2を保有する作業者が借りようとする(貸出処理中)又は借りている最中(貸出中)の物品の物品タグ1とを紐付けているものである。例えば、図3(a)の事例では借方タグ01に、物品タグ1のID情報が「CC」ものが紐付けられている。図3(a)では「紐付け情報」を五つまで表記することができるようにしているが、これに限るものではない。「メールアドレス」とは電子メールアドレスを指し、前述の通り、制御部16は必要に応じて、借方タグ2に対応する作業者が使用するユーザ端末18へメールサーバ17を介して電子メールを送ることができる。なお、テーブルに関する詳細は後述する物品管理システムの動作や運用方法(物品管理方法)で説明する。
【0038】
図3(b)には物品タグ1の関連情報として、「物品名」,「メーカ名」,「紐付け情報」,「返却日(予定)」、「貸出・返却処理中」をテーブル中に記載しているが、物品タグ1の関連情報として新たに情報を追加・追記してもよい。また、物品タグ1のうち、ID情報が「AA」のものを物品タグAA,ID情報が「BB」のものを物品タグBB,ID情報が「CC」のものを物品タグCC,ID情報が「DD」のものを物品タグEE,ID情報が「EE」のものを物品タグEE,ID情報が「FF」のものを物品タグFF,ID情報が「GG」のものを物品タグGG,ID情報が「HH」のものを物品タグHHとする。図3(b)に記載の物品タグ1のID情報及び関連情報のテーブルを貸出返却処理端末11の表示部が表示することにより、物品のランナップや物品の貸出状況を確認することができるが、物品タグ1の「ID情報」や「紐付け情報」など一部の項目(情報)を伏せて表示してもよい。
【0039】
図3(b)において、「物品名」とは物品タグ1が貼り付けられた物品の品名を示している。「メーカ名」とは物品タグ1が貼り付けられた物品を製造又は販売するメーカの名称を示している。「紐付け情報」とは借方タグ2を保有する作業者が借りようとする(貸出処理中)又は借りている最中(貸出中)の物品の物品タグ1とを紐付けているものである。例えば、図3(b)の事例では物品タグAAに、借方タグ02が紐付けられている。「返却日(予定)」とは物品タグ1が貼り付けられた物品が貸し出されたとき設定されたその物品の返却日、つまり、返却期限を示すものである。図3(b)の事例では返却日としているが、これに限るものではなく、返却時間まで設定してもよい。また、返却期限の設定を返却日ではなく、「貸出日(貸出時間)プラス所定日(所定時間)」という設定にしてもよい。「貸出・返却処理中」とは、まず、貸出処理中が貸出返却処理端末11により物品の貸出処理を開始して完了するまでの状態かを示すものであり、そして返却処理中が貸出返却処理端末11により物品の返却処理を開始して完了するまでの状態かを示すものである。ここで、物品タグBBは「貸出・返却処理中」が否で「紐付け情報」が無いので、借りられていない状態であり、保管エリアに存在することが分かる。一方、物品タグCCは「貸出・返却処理中」が否で「紐付け情報」があるので、借りられている状態であることが分かる。詳しくは、借方タグ01を保有する作業者が、物品タグCCが添付された物品(計測器3)を借りていることが分かる。なお、テーブルに関する詳細は後述する物品管理システムの動作や運用方法(物品管理方法)で説明する。
【0040】
次に、実施の形態1に係る物品管理システムの動作や運用方法(物品管理方法)を説明する。この説明は、物品管理システムの構成の模式図・機能ブロック図に加えて、フローチャートを用いて進めるが、各フローチャートにおける各処理ステップ(Step)はS○○○○と称し、各処理ステップのうち、エラー処理ステップ(ERROR)はE○○○○と称する。なお、○には正の整数又は零が入る。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。実施の形態1に係る物品管理システムの動作や運用方法(物品管理方法)は、制御部16が物品タグ1や借方タグ2のID情報を収集し、そのデータを時系列にデータベースサーバ部15へ保存することにより行う。もちろん、データベースサーバ部15に保存されている物品タグ1のID情報と関連情報、借方タグ2のID情報と関連情報も使用する。
【0041】
図4及び5を用いて管理返却処理(入退室)エリアへの入室を説明する。図4が示すように、台車3を押してきた作業者の胸には、借方タグ2がIDカードとして掛けられている。この作業者が、扉である貸出返却処理エリア仕切り手段12(以下、扉12と称する)の前(貸出返却処理エリアの外)に来て、アンテナ部14が放射する電波の覆域に借方タグ2が入ったときに、アンテナ部14を介して貸出返却処理エリア入退リーダ部13が借方タグ2のID情報を読み取る(S0501)。貸出返却処理エリア入退リーダ部13に読み取られたID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S0502)。制御部16が認証できないと判定した場合(ID情報に対応する認証情報がない場合やID情報が認証不可能と認証情報に記憶されている場合)は、エラーとして処理して、S0501へ戻る(E0501)。E0501は、報知部13aにより不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。制御部16が認証できると判定した場合(ID情報が認証可能と認証情報に記憶されている場合)は、制御部16が貸出返却処理エリア入退リーダ部13を介して扉12を開錠させる(S0503)。S0503は、扉12の施錠するステップを含んでいてもよい。
【0042】
図6を用いて、作業者が管理返却処理(入退室)エリアへの入室した後に、貸出返却処理端末11を用いて、物品を借りる貸出処理、つまり、貸出返却処理端末11の入力部に、保管エリア内に保管された物品の一覧から物品を選択する入力があった場合の処理を説明する。管理返却処理(入退室)エリアへ入室した作業者が、貸出返却処理端末11に接続されたアンテナ部10が放射する電波の覆域に借方タグ2をかざしたときに、アンテナ部10を介して貸出返却処理エリア内部リーダ部9が借方タグ2のID情報を読み取る(S0601)。貸出返却処理エリア内部リーダ部9に読み取られたID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S0602)。制御部16が認証できないと判定した場合(ID情報に対応する認証情報がない場合やID情報が認証不可能と認証情報に記憶されている場合)は、エラーとして処理して、S0601へ戻る(E0601)。E0601は、貸出返却処理端末11の表示部により不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。制御部16が認証できると判定した場合(ID情報が認証可能と認証情報に記憶されている場合)は、貸出返却処理端末11が、その表示部に保管エリア内に保管された物品の一覧(例えば、図3(b)に記載のテーブル)を表示する(S0602)。
【0043】
貸出返却処理端末11は、作業者が閲覧できるよう、表示部に保管エリア内に保管された物品の一覧を表示し、作業者は貸出を希望する物品が貸出中でない場合は、その物品の貸出を希望するために、つまり、貸出処理を開始するために、貸出返却処理端末11の入力部を用いて、対象の物品を選択することができる。これは複数の物品を選択するようにしてもよい。貸出返却処理端末11は作業者による外部からの入力が貸出返却処理端末11の入力部にあったときに入力信号が生成される(S0603)。貸出返却処理端末11の表示部に表示される保管エリア内に保管された物品の一覧が、物品が貸出処理中や返却処理中であるかどうかを表示しない場合は、S0603の後にS0604を実行するが、そうでない場合は、このステップ(S0604)を省略して、S0605を行う。具体的には、S0605は、貸出返却処理端末11の表示部に他に借りたい物品があるかどうかを作業者へ報知する(アイコンなどを表示する)ステップである。他に借りたい物品があるという入力が貸出返却処理端末11の入力部にあった場合は、S0603へ戻り、他に借りたい物品がないという貸出返却処理端末11の入力部にあった場合は、S0606へ進む。なお、S604は(NO)の場合は、S0603へ戻る。
【0044】
S0606では、作業者が借りようとする物品の返却日を貸出返却処理端末11の入力部を介して、作業者に入力を促す表示を貸出返却処理端末11の表示部に表示する。作業者が返却日を入力する。この入力により、制御部16は、作業者が借りようとする物品の返却日をデータベースサーバ部の関連情報に記憶(更新・追記)する。S0606で行う返却日の設定は、システム上自由に設定できる(作業者が自由に入力することができる)ようにしてもよいし、物品ごと、或いは、作業者ごと、若しくは、その両方の組み合わせごとに設定できる返却期間に制限をかけてもよい。これらの設定は、物品タグ1や借方タグ2により、物品の個体識別や作業者の個人識別を行っているので容易に実行できる。次に、S0607では、借方タグ2と物品タグ1(物品タグ1は単品の場合もあれば複数の場合もある)との紐付け処理を行う。借方タグ2の認証情報に認証制限を付与する処理も行う。
【0045】
S0607では、制御部16が、貸出返却処理端末11を操作する作業者が所持する借方タグ2のID情報、つまり、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2のID情報と保管エリア内の物品のうち、選択された物品に取り付けられた物品タグ1のID情報とを紐付けてデータベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2及び物品タグ1の関連情報を更新(記憶・追記)する。このS0607を借方タグ02が、借方タグ02を所持する作業者が物品タグAA,物品タグDD,物品タグGGを借りようとする場合を例にして説明する。なお、図3の状態が前述の更新の結果であるとする。図3(a)に記載されたテーブルは、S0607の処理によって、借方タグ02の関連情報として、「紐付け情報」が三つの物品タグ1のID情報(物品タグAA,物品タグDD,物品タグGG)と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。また、借方タグ02の関連情報として、「貸出・返却処理中」が貸出処理中と記憶(更新・追記)される。
【0046】
図3(b)に記載されたテーブルは、S0607の処理によって、物品タグAAの関連情報として、「紐付け情報」が借方タグ02と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。物品タグDDの関連情報として、「紐付け情報」が借方タグ02と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。物品タグGGの関連情報として、「紐付け情報」が借方タグ02と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。また、物品AA,物品タグDD,物品タグGGの関連情報として、それぞれの「返却日(予定)」が貸出処理中と記憶(更新・追記)される。同じく、S0607では、制御部16が、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2のID情報が、保管エリア入退リーダ部4により読み取られると認証が可能なID情報であり、及び、貸出返却処理エリア入退リーダ部13により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、データベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2の認証情報を変更(更新・追記)する。
【0047】
この認証情報の変更や認証情報自体は、図3に記載のテーブルでは、直接的には表示してないが、借方タグ2の関連情報である「貸出・返却処理中」が貸出処理中となっていることで、間接的に認証情報の変更が実行されていることを示していることになっている。これは、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2のID情報が、「保管エリア入退リーダ部7により読み取られると認証が可能なID情報」かつ「貸出返却処理エリア入退リーダ部13により読み取られると認証が不可能なID情報」と認証情報を変更する目的が、物品タグ1と借方タグ2とを紐付けて貸出処理を開始することで、初めて、借方タグ2を保有する作業者が保管エリアに入室できるようにし、図16のフローチャートを用いて後述する貸出処理が完了(終了)するまでは、貸出返却処理エリアから退室できなようにすることであり、これを換言すると、借方タグ2を保有する作業者が保管エリアに入室できるが、貸出返却処理エリアから退室できないようになっている期間が貸出処理中といえるからである。
【0048】
図7及び8を用いて貸出処理における保管エリアへの入室を説明する。図7に示す台車3を押してきた作業者の胸に掛けられた借方タグ2は、S0601〜S0607までの処理を経たものとする。この作業者が、扉である保管エリア仕切り手段6(以下、扉6と称する)の前(保管エリアの外であって、貸出返却処理エリア内)に来て、アンテナ部8が放射する電波の覆域に借方タグ2が入ったときに、アンテナ部8を介して保管エリア入退リーダ部7が借方タグ2のID情報を読み取る(S0801)。保管エリア入退リーダ部7に読み取られたID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S0802)。制御部16が認証できると判定した場合(S0601〜S0607までの処理を経た借方タグ2のID情報、つまり、借方タグ2の関連情報が貸出処理中と記憶(更新・変更)されている場合)は、制御部16が保管エリア入退リーダ部7を介して扉6を開錠させる(S0803)。S0803は、扉6の施錠するステップを含んでいてもよい。なお、図7に示す台車3を押してきた作業者の胸に掛けられた借方タグ2が、S0601〜S0607までの処理を経たものでない場合、つまり、制御部16が認証できないと判定した場合は、エラーとして処理して、S0801へ戻る(E0801)。E0801は、報知部7aにより不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。
【0049】
S0801〜S0803の各ステップを経た借方タグ2を所持する作業者は、保管エリアに入室することができるので、保管エリア内が貸出処理中の物品を探し出して、対象の物品を台車3に載せて保管エリアからの退室することになる。例えば、借方タグ2が借方タグ02である場合、作業者は、物品タグAAが貼り付けられた物品,物品タグDDが貼り付けられた物品,物品タグGGが貼り付けられた物品を探すことになる。この場合を想定して説明を進める。作業者が物品を探す際に見つけられないというトラブルを防ぐために、各物品に名札やステッカーを貼ってもよいし、貸出返却処理端末11を用いて、物品の選択する際に、その物品の概観写真や保管エリア内での配置を貸出返却処理端末11の表示部に表示させてもよい。
【0050】
図9を用いて保管エリアからの退室を説明する。作業者が、物品タグAAが貼り付けられた物品,物品タグDDが貼り付けられた物品,物品タグGGが貼り付けられた物品を台車3に載せて、扉6の前(保管エリア内)に来て、アンテナ部8が放射する電波の覆域に借方タグ2が入ったときに、アンテナ部8を介して保管エリア入退リーダ部7が借方タグ2のID情報を読み取る(S0901)。保管エリア入退リーダ部7に読み取られたID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S0902)。制御部16が認証できると判定した場合(S0601〜S0607までの処理を経た借方タグ2のID情報、つまり、借方タグ2の関連情報が貸出処理中と記憶(更新・変更)されている場合)は、制御部16が保管エリア入退リーダ部7を介して扉6を開錠させる(S0903)。S0903は、扉6の施錠するステップを含んでいてもよい。なお、借方タグ2が、S0601〜S0607までの処理を経たものでない場合、つまり、制御部16が認証できないと判定した場合は、エラーとして処理して、S0901へ戻る(E0901)。E0901は、報知部7aにより不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。
【0051】
S901〜S903の処理では、借方タグ02を所持する作業者は、物品タグAAが貼り付けられた物品,物品タグDDが貼り付けられた物品,物品タグGGが貼り付けられた物品以外の物品を保管エリアから持ち出す可能性がある。悪意のある物品持ち出しを防ぐ必要がある場合は、保管エリア内の物品の有無を周期的に調査する処理を行えばよい。過失よる物品持ち出しだけが問題である場合は、図16のフローチャートを用いて後述する貸出処理が完了(終了)させることにより防ぐことができる。
【0052】
ここで、保管エリア内の物品の有無を周期的に調査する処理に関して図10〜15を用いて説明する。この周期的な調査は、制御部16が保管エリア内部リーダ部4を用いて、物品タグ1のID情報を収集し、そのデータを時系列にデータベースサーバ部15へ保存することにより行う。もちろん、データベースサーバ部15に保存されている物品タグ1のID情報と関連情報、借方タグ2のID情報と関連情報も使用する。図10は保管エリア内でのRFIDタグ(物品タグ1)の読み取りを模式的に示したものである。このような状態で、図11〜15の処理フロー(処理ステップ)を所定の周期で実行して保管エリア内の物品の有無を調査する。所定の周期は、求めるセキュリティの度合いに応じて設定すればよい。高いセキュリティを求められる場合は、短い周期で図11〜15の処理フロー(処理ステップ)を実行すればよい。
【0053】
図11を用いて、制御部16によるメインの処理フローを説明する。まず、S1101にて、アンテナ部5を介して保管エリア内の物品タグ1のID情報を保管エリア内部リーダ部4が読み取る。ここで、処理フローには記載していないが、仮に保管エリア内部リーダ部4が借方タグ2のID情報を読み取った場合は、作業者が作業中(保管エリアに入室中)ということで、S1101からエンド(終了)に移行してもよい。保管エリア内部リーダ部4が読み取った物品タグ1のID情報が前回の読み取り時に読み取られた物品タグ1のID情報と比較する(S1102)。比較の結果、変化が無い場合は、エンド(終了)に移行して処理を終了する。新たなID情報が増えた場合、つまり、物品が増えた場合は、図12に示す制御部16によるサブの処理フロー1を実行する。新たなID情報が増え、無くなったID情報がある場合、つまり、新たに増えた物品と無くなった物品とがある場合は、図14に示す制御部16によるサブの処理フロー2を実行する。
【0054】
S1102の比較の結果、無くなったID情報がある場合、つまり、無くなった物品がある場合は、S1104を実行する。S1104は、無くなったID情報を有する物品タグ1が貼り付けられた物品が処理中(貸出処理中又は後述する返却処理中)又は貸出中かの判定を関連情報により行うものである。処理中又は貸出中であれば、エンド(終了)に移行して処理を終了する。処理中又は貸出中でなければ、物品が紛失したことになり、何らかの報知を行うエラー処理(E1101)を行う。このS1104の処理を図3(b)のテーブルを例にして説明すると、物品タグAA,物品タグDD,物品タグEE,物品タグFF,物品タグGG,物品タグHHは処理中となり、物品タグCCは貸出中となる。しかし、物品タグBBのID情報が保管エリア内部リーダ部4で読み取れないとなった場合は、物品タグBBが貼り付けられた物品が紛失したことになる。
【0055】
図12に示す制御部16によるサブの処理フロー1を説明する。S1201は、新たなに増えたID情報が返却処理済み又は返却処理中であるかの判定を関連情報により行う。そうであれば、エンド(終了)に移行して処理を終了する。そうでない場合は、図13に示す制御部16によるサブの処理フロー3を実行する。ここで、新たなに増えたID情報が返却処理済み又は返却処理中である場合の処理を図3(b)のテーブルを例にして説明する。増えたID情報が物品タグBBのものであれば、返却処理済みということなり、増えたID情報が物品タグFF又は物品タグHHのものであれば、返却処理中ということなる。
【0056】
図13に示す制御部16によるサブの処理フロー3を説明する。S1301は、新たなに増えたID情報が貸出中であるかの判定を関連情報により行う。新たなに増えたID情報が貸出中であれば、後述する返却処理を行わずに物品を保管エリアに持ち込んだことになるので、何らかの報知を行うエラー処理(E1301)を行う。ここで、新たなに増えたID情報が貸出中である場合の処理を図3(b)のテーブルを例にして説明する。増えたID情報が物品タグCCのものであれば、貸出中ということなる。S1301は、新たなに増えたID情報が貸出中ではない場合は、貸出処理中の物品を再度、保管エリアに持ち込んだと判定し、エンド(終了)に移行して処理を終了する。ここで、新たなに増えたID情報が貸出中である場合の処理を図3(b)のテーブルを例にして説明する。増えたID情報が物品タグAA,物品タグDD,物品タグEE,物品タグGGのものであれば、貸出処理中の物品を再度、保管エリアに持ち込んだということなる。
【0057】
図14に示す制御部16によるサブの処理フロー2を説明する。まず、S1401を実行する。S1401は、無くなったID情報を有する物品タグ1が貼り付けられた物品が処理中(貸出処理中又は後述する返却処理中)又は貸出中かの判定を関連情報により行うものである。処理中又は貸出中であれば、S1402に進む。処理中又は貸出中でなければ、S1403に進む。S1402は、新たなに増えたID情報が返却処理済み又は返却処理中であるかの判定を関連情報により行う。そうであれば、エンド(終了)に移行して処理を終了する。そうでない場合は、図13に示す制御部16によるサブの処理フロー3を実行する。ここで、新たなに増えたID情報が返却処理済み又は返却処理中である場合の処理を図3(b)のテーブルを例にして説明する。増えたID情報が物品タグBBのものであれば、返却処理済みということなり、増えたID情報が物品タグFF又は物品タグHHのものであれば、返却処理中ということなる。
【0058】
S1403は、S1401の処理で物品が紛失していることが判明していることになり、何らかの報知を行うエラー処理(E1401又は後述のE1501或いはE1502)を行うことを前提に、新たなに増えたID情報が返却処理済み又は返却処理中であるかの判定を関連情報により行う。そうであれば、エラー処理(E1401)を行ってS1401に戻る。そうでない場合は、図15に示す制御部16によるサブの処理フロー4を実行する。ここで、新たなに増えたID情報が返却処理済み又は返却処理中である場合の処理を図3(b)のテーブルを例にして説明する。増えたID情報が物品タグBBのものであれば、返却処理済みということなり、増えたID情報が物品タグFF又は物品タグHHのものであれば、返却処理中ということなる。
【0059】
図15に示す制御部16によるサブの処理フロー4を説明する。S1501は、新たなに増えたID情報が貸出中であるかの判定を関連情報により行う。新たなに増えたID情報が貸出中であれば、後述する返却処理を行わずに物品を保管エリアに持ち込んだことになるので、何らかの報知を行うエラー処理とS1401の処理で物品が紛失したことを報知するエラー処理(E1501)を行う。ここで、新たなに増えたID情報が貸出中である場合の処理を図3(b)のテーブルを例にして説明する。増えたID情報が物品タグCCのものであれば、貸出中ということなる。S1301は、新たなに増えたID情報が貸出中ではない場合は、貸出処理中の物品を再度、保管エリアに持ち込んだと判定し、S1401の処理で物品が紛失したことを報知するエラー処理(E1502)を行ってエンド(終了)に移行して処理を終了する。ここで、新たなに増えたID情報が貸出中である場合の処理を図3(b)のテーブルを例にして説明する。増えたID情報が物品タグAA,物品タグDD,物品タグEE,物品タグGGのものであれば、貸出処理中の物品を再度、保管エリアに持ち込んだということなる。
【0060】
次に、貸出処理を完了させるための処理フロー(処理ステップ)を図16により説明する。図6に示す処理フローののち、図9を用いて説明した処理により保管エリアからの物品タグ1が貼り付けられた物品を台車3に載せて退室し、つまり、管理返却処理(入退室)エリアへ入室した作業者は、貸出返却処理エリア内部リーダ部9のアンテナ部8のところまで来る。作業者が貸出返却処理端末11に接続されたアンテナ部10が放射する電波の覆域に借方タグ2と物品タグ1とをかざしたときに、アンテナ部10を介して貸出返却処理エリア内部リーダ部9が借方タグ2のID情報と借方タグ2のID情報と物品タグ1のID情報を読み取る(S1601)。貸出返却処理エリア内部リーダ部9に読み取られた借方タグ2のID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S1602)。制御部16が認証できないと判定した場合(ID情報に対応する認証情報がない場合やID情報が認証不可能と認証情報に記憶されている場合)は、エラーとして処理して、S1601へ戻る(E1601)。E1601は、貸出返却処理端末11の表示部により不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。制御部16が認証できると判定した場合(ID情報が認証可能と認証情報に記憶されている場合)は、S1603へ進む。
【0061】
S1603では、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取った物品タグ1のID情報のうち、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取った借方タグ2のID情報に紐付けされていないものがないかを判定する。借方タグ2のID情報に紐付けされていない物品タグ1のID情報がある場合は、エラーとして処理して、S1603へ戻る(E1602)。E1602は、貸出返却処理端末11の表示部により紐付けされていない物品があることとその物品に関する情報を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。制御部16が紐付けされていない物品はないと判定した場合は、S1604へ進む。なお、S1603の処理は、作業者が所持する借方タグ2が、図3のテーブルに記載の借方タグ02である場合は、物品タグAAが貼り付けられた物品,物品タグDDが貼り付けられた物品,物品タグGGが貼り付けられた物品以外があれば、エラーとして処理されることになる(E1602)。
【0062】
S1604では、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が、認証された借方タグ2のID情報とこの借方タグ2のID情報に紐付けされた全ての物品タグ1のID情報があるかどうかを判定する。全ての物品タグ1のID情報がない場合は、エラーとして処理して、S1603へ戻る(E1602)。なお、S1604の処理は、作業者が所持する借方タグ2が、図3のテーブルに記載の借方タグ02である場合は、物品タグAAが貼り付けられた物品,物品タグDDが貼り付けられた物品,物品タグGGが貼り付けられた物品が全て無いと、エラーとして処理されることになる(E1602)。貸出返却処理エリア内部リーダ部9が、認証された借方タグ2のID情報とこの借方タグ2のID情報に紐付けされた全ての物品タグ1のID情報とを読み取った場合は、制御部16が、貸出返却処理端末11を操作する作業者が所持する借方タグ2のID情報、つまり、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2の関連情報と貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された物品に取り付けられた物品タグ1の関連情報とのうち、「貸出・返却処理中」を貸出処理中から否に変更してデータベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2及び物品タグ1の関連情報を更新(変更・追記)する。
【0063】
このS1604における借方タグ2及び物品タグ1の関連情報の更新を図3のテーブルに記載の借方タグ02が、借方タグ02を所持する作業者が物品タグAA,物品タグDD,物品タグGGを借りようとする場合を例にして説明する。S1604の処理によって、借方タグ02の関連情報として、「貸出・返却処理中」が貸出処理中から否と記憶(更新・追記)される。物品タグAA,物品タグDD,物品タグGGの関連情報として、「貸出・返却処理中」が貸出処理中から否と記憶(更新・追記)される。
【0064】
同じく、S1604では、制御部16が、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2のID情報が、貸出返却処理エリア入退リーダ部13により読み取られると認証が可能なID情報であり、及び、保管エリア入退リーダ部7により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、データベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2の認証情報を変更(更新・追記)する。この認証情報の変更や認証情報自体は、図3に記載のテーブルでは、直接的には表示してないが、借方タグ2の関連情報である「貸出・返却処理中」が否となっていることで、間接的に認証情報の変更が実行されていることを示していることになっている。これは、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2のID情報が、「貸出返却処理エリア入退リーダ部13により読み取られると認証が可能なID情報」かつ「保管エリア入退リーダ部7により読み取られると認証が不可能なID情報」と認証情報を変更する目的が、借方タグ2とを紐付けた物品タグ1を保管エリアから全て持ち出したことが確認できたので、借方タグ2を保有する作業者が保管エリアに入室できないようにし、貸出処理が完了(終了)したのちは、貸出返却処理エリアから退室できるようにすることであり、これを換言すると、借方タグ2を保有する作業者が保管エリアに入室できないが、貸出返却処理エリアから退室できる時期は貸出処理が完了したときといえるからである。
【0065】
図17及び18を用いて、貸出処理が完了後に、作業者が貸出返却処理(入退室)エリアからの退室を説明する。図17が示すように、台車3を押してきた作業者が、扉12の前(貸出返却処理エリア内)に来て、アンテナ部14が放射する電波の覆域に借方タグ2が入ったときに、アンテナ部14を介して貸出返却処理エリア入退リーダ部13が借方タグ2のID情報を読み取る(S1801)。貸出返却処理エリア入退リーダ部13に読み取られたID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S1802)。制御部16が認証できないと判定した場合(ID情報に対応する認証情報がない場合やID情報が認証不可能と認証情報に記憶されている場合)は、エラーとして処理して、S1801へ戻る(E1801)。E0501は、報知部13aにより不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。制御部16が認証できると判定した場合(ID情報が認証可能と認証情報に記憶されている場合)は、S1803へ進むが、図6及び図16に記載の処理フローで、認証情報自体の変更が行われている場合は、S1803及びS1804の処理を飛ばして、S1805へ進み、制御部16が貸出返却処理エリア入退リーダ部13を介して扉12を開錠させる。S1805は、扉12の施錠するステップを含んでいてもよい。なお、貸出処理が完了した後に、貸出返却処理エリアから退室せずにそのまま後述する返却処理を開始してもよい。
【0066】
図18に記載の処理フローにおいて、図6及び図16に記載の処理フローで、認証情報自体の変更が行われておらず、借方タグ2の関連情報である「貸出・返却処理中」が貸出処理中又は否となっていることで、間接的に認証情報の変更が実行されている場合は、S1803及びS1804の処理を行う。まず。S1803では、借方タグ2の関連情報の「貸出・返却処理中」及び「紐付け情報」から、貸出処理を行っているかを判断する。貸出処理を行っていない場合は、前述のS1805へ進み、貸出処理を行っている場合は、前述のS1804へ進む。S1804では、借方タグ2の関連情報の「貸出・返却処理中」から、貸出処理が終了しているかを判定して、終了していない場合は、前述のE1801へ進み、終了している場合は、前述のS1805へ進む。なお、S1803及びS1804は一体的に処理してよい。この一体的な処理とは、借方タグ2の関連情報の「貸出・返却処理中」のみを参照して、否であれば、S1805へ進み。貸出処理中であれば、E1801へ進む処理となる。
【0067】
以上のような図4〜18を用いて処理を説明した実施の形態1に係る物品管理システム(物品管理方法)では、作業者が、必要に応じて、物品が管理されている保管エリアへの入室が可能となるだけでなく、貸出処理が完了していないと貸出返却処理エリアから退室ができないので、物品を誤って貸出返却処理エリアから持ち出すおそれがないという効果を奏する。また、貸出処理の対象となっている物品の貸出返却処理エリアからの持ち出し忘れも防ぐことができるという効果を奏する。さらに、扉12を行き来する人の通行量が多い場合や扉12に繋がる通路が狭い場合でも、借方タグ2だけ認証するための設備だけで、貸出返却処理エリアからの退室を許可できるので、適用範囲が広いという効果を奏する。
【0068】
なお、貸出返却処理エリアの扉12において、全ての借方タグ2と物品タグ1を十分読み取れるだけの設備がある場合は、図18で説明した処理のS1803とS1804とを拡張して、物品の貸出処理を行っていない作業者が物品タグ1とともに貸出返却処理エリアから退室させないという機能を追加することができる。具体的には、S1803のステップで、制御部16の制御によって、貸出返却処理エリア入退リーダ部13がアンテナ部14を介して物品タグ1のID情報を読み取る処理フローを追加すればよい。例えば、S1803では物品の貸出処理を行っていないが、物品タグ1のID情報が読み取られた場合はE1801へ進むという処理が考えられる。また、S1804では物品の貸出処理が完了しているが、借方タグ2と紐付けられていない物品タグ1のID情報が読み取られた場合はE1801へ進むという処理が考えられる。これは、貸出返却処理エリアの扉12から貸出返却処理エリアへ入室する際にも同じことがいえるだけでなく、保管エリアへの入退室にも同じことがいえる。
【0069】
これまでは、貸出処理の開始から終了までを説明したが、ここでは、貸出返却処理端末11を作業者が操作して物品の貸出処理を開始したが、作業者が貸出返却処理エリア内で、別の作業を開始したり休憩したりして、保管エリアから対象の物品を引き取るまでに時間が掛かり、物品が有効活用できないおそれがある場合に実行することが好適な図19に記載の物品引き取り忘れ報知処理を説明する。この物品引き取り忘れ報知処理は、基本の処理フローは、図11〜15を用いて説明した「保管エリア内の物品の有無を周期的に調査する処理」のS1101とS1102との処理の間にS1901の処理を加えたものである。ここでは、S1901とその後段の処理であるS1902及びS1903とを説明する。
【0070】
図19に記載のS1101にて、アンテナ部5を介して保管エリア内の物品タグ1のID情報を保管エリア内部リーダ部4が読み取る。ここで、処理フローには記載していないが、仮に保管エリア内部リーダ部4が借方タグ2のID情報を読み取った場合は、作業者が作業中(保管エリアに入室中)ということで、S1101からエンド(終了)に移行してもよい。次に、S1901では、保管エリア内部リーダ部4が読み取った物品タグ1のID情報と関連情報とから、物品の貸出処理中のものがないかを制御部16が確認する。貸出処理中のものがない場合はS1102に進み、貸出処理中のものがある場合はS1902に進む。具体的なS1901の処理は、制御部16が物品タグ1の関連情報の「貸出・返却処理中」をデータベースサーバ部15から参照することで実行するものである。
【0071】
S1902では、貸出処理中となっている物品タグが、貸出処理開始から所定時間が経過しているかどうかを制御部16が判定する。所定時間が経過していない場合はS1102に進み、所定時間が経過している場合はS1903へ進む。所定時間をどのように設定するかは、貸出返却処理エリアで作業者が貸出返却処理端末11を操作して、自身が所有する借方タグ1のID情報と物品タグ1のID情報とを関連情報で紐付けることで開始される貸出処理の開始から、作業者が保管エリアから紐付けられた物品タグが添付された物品を全て持ち出すために十分な時間を作業者の移動速度、貸出返却処理端末11から保管エリアの扉6までの距離、保管エリアの物品が配置された場所から扉6までの距離などを考慮して設定すればよい。
【0072】
S1903では、制御部16が、貸出処理の開始から所定時間が経過している物品タグ1のID情報と紐付けられたID情報を有する借方タグ2を保有する作業者(借方)のメールアドレスをデータベースサーバ部15に記憶されている関連情報から得て、メールサーバ17を介して作業者(借方)のユーザ端末18へ電子メールを送付する。電子メールの内容は、貸出処理中の物品の引き取り忘れを報知する内容であればなんでもよい。S1903の処理の後、S1102へ進む。なお、貸出処理中である物品に貼り付けられた物品タグ1のID情報と紐付けられたID情報を有する借方タグ2は認証情報が変更されており、貸出返却処理エリアからの退室が出来ない状態となっているので、メールサーバ17を介して作業者(借方)のユーザ端末18へ電子メールを送付しても作業者がメールを見ることができない環境である場合がある。そこで、実施の形態1に係る物品管理システムにおいて物品引き取り忘れ報知処理を行う場合は、ユーザ端末18が携帯電話やモバイルPCなどの作業者が携帯できるような端末であることが望ましい。
【0073】
次に、図20及び21を用いて返却期限が過ぎても物品の返却処理(後述)が完了されていない場合に、作業者へ返却を督促する電子メールを送付する処理を説明する。図20(a)は借方タグ2のID情報及び関連情報のテーブル(一例)、図20(b)は物品タグ1のID情報及び関連情報のテーブル(一例)であり、それぞれ図3(a)と図3(b)と比較すると、図3では貸出処理中であった借方タグ02が、図20では貸出処理が完了した状態になっていることが分かる。紐付けられた物品タグAA,物品DD,物品GGも同様に、図3では貸出処理中であったが、図20では貸出処理が完了した状態になっている。
【0074】
図21は、作業者へ返却を督促する電子メールを送付する処理を示している。この処理は、所定の周期で実行すればよいが、所定の周期で実行して保管エリア内の物品の有無を調査する。所定の周期は求めるセキュリティや物品の活用効率の度合いに応じて設定すればよい。高いセキュリティや物品の活用効率を求められる場合は、短い周期で実行すればよい。S2101にて、制御部16はデータベースサーバ部15の物品タグ1の関連情報である「返却日(予定)」を参照して、返却期限が過ぎていないかどうかを判定する。返却期限が過ぎていない場合は、エンド(終了)に移行して処理を終了する。ここでは、関連情報へ追記された返却期限が日付で定義されるものであって、制御部16が関連情報へ追記された返却期限の当日以降に、メールサーバ17を介して電子メールをユーザ端末へ送信することを前提に説明を進めるが、これに限るものではなく、返却期限を日付ではなく、時間で設定してもよい。また、「貸出日(貸出時間)プラス所定日(所定時間)」という設定にしてもよい。これらの場合は、日付単位でなく時間単位で作業者へ返却を督促する電子メールを発信することが可能となる。なお、このような時間単位での処理が日付単位での処理を包含していることはいうまでもない。
【0075】
S2101の処理の結果、返却期限が過ぎている場合は、S2102にて、返却期限が過ぎている物品タグ1のID情報に紐付けられたID情報を有する借方タグ2の関連情報からメールアドレスを得て、制御部16がそのメールアドレスへメールサーバ17を介して、物品の返却を督促する内容のテキストや画像を有する電子メールをユーザ端末18に送る。その後、S2103にて、返却期限が過ぎている物品の所在を確認する(実際は、返却期限が過ぎている物品に添付された物品タグ1の所在を確認する)。所在の確認の仕方は後述する。返却期限が過ぎている物品に添付された物品(物品タグ1)のうち、S2103の処理により所在が不明と判定されると、エラーとして処理して、S2102へ戻る(E2101)。
【0076】
E2101は、報知部13aなどの報知手段により物品の所在が不明であることを作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよく、特に、作業者へはS2102での処理を利用して電子メールを送信して物品の所在が不明であること報知するとよい。具体的には、E2101を経由した場合のS2102の処理として、返却期限が過ぎ、所在が不明な物品タグ1のID情報に紐付けられたID情報を有する借方タグ2の関連情報からメールアドレスを得て、制御部16がそのメールアドレスへメールサーバ17を介して、物品の返却を督促する内容と物品の所在が不明になっている内容とのテキストや画像を有する電子メールをユーザ端末18に送る。
【0077】
ここで、所在の確認の仕方を説明する。実施の形態1に係る物品管理システムの制御部16が直接的又は間接的に制御することが可能なリーダ部が、貸出返却処理エリア及び保管エリア(貸出返却処理エリア内部リーダ部9、貸出返却処理エリア入退リーダ部13、保管エリア内部リーダ部4、保管エリア入退リーダ部7を含む)や、物品(物品タグ1)が存在する可能性がある貸出先エリア(実施の形態2で説明する三つの「作業エリア」も含む)に配置されているとする。制御部16が上記の各リーダ部に対して同時にRFIDタグ(物品タグ1)のID情報の読み取り動作又は順次、RFIDタグのID情報の読み取り動作を行わせることにより、物品タグの所在を確認する。ここでいう所在確認は、制御部16が直接的又は間接的に制御することが可能なリーダ部が設置されているエリアに対象の物品があるかないかを判断するものであるので、上記の「物品の所在が不明になっている内容」の電子メールは、必ずしも作業者自身も物品の所在が分からないということではないといえる。
【0078】
S2103の処理により所在が特定できたと判定されるとS2104に進み。S2104にて、制御部16は、S2103の処理の完了後、所定時間(任意で設定可能な時間)経過後に返却期限が過ぎた物品の返却の有無を再度確認する。確認の方法は、S2101と同様に、制御部16はデータベースサーバ部15の物品タグ1の関連情報である「返却日(予定)」に加え、「紐付け情報」や「貸出・返却処理中」を参照して行う。具体的には、「紐付け情報」が解除されている場合や「貸出・返却処理中」が返却処理中となっている場合であれば、返却が終了したと判断する。これは厳密には、返却処理中のため、作業者が貸出返却処理エリア又は保管エリア内で物品を運んでいる最中である場合も含む。作業者が貸出返却処理エリア又は保管エリア内で物品を運んでいる最中であっても、後述するが返却処理が開始されると終了するまでは貸出返却処理エリアから退室できないので、返却が終了したとみなしても支障がないからである。
【0079】
S2104にて、物品の返却の有無を再度確認して返却されていない場合は、S2102へ戻り、再度、督促のために電子メールを作業者のユーザ端末18へ送る。物品の返却の有無を再度確認して返却されている場合(返却されているとみなしてもよい場合)は、エンド(終了)に移行して処理を終了させる。
【0080】
S2102においては、督促のための電子メールを返却期限が過ぎた物品(物品タグ1)を対象にしているが、関連情報へ追記された返却期限が日付で定義されるものであって、制御部16が関連情報へ追記された返却期限の前日までに、メールサーバ17を介して電子メールを事前報知として送信してもよい。この場合でも、S2102以降の処理を行ってもよい。また、返却期限を日付ではなく、時間で設定してもよい。さらに、「貸出日(貸出時間)プラス所定日(所定時間)」という設定にしてもよい。これらの場合は、日付単位でなく時間単位で作業者へ返却期限を事前に報知する電子メールを発信することが可能となる。なお、このような時間単位での処理が日付単位での処理を包含していることはいうまでもない。
【0081】
次に、物品の返却処理を主に図22〜26を用いて説明する。作業者は物品を返却する際には、返却する物品(物品タグ)を台車3に載せた作業者(借方タグ2)は、扉12から、貸出返却処理エリアへ入室する。なお、作業者は、返却期限が過ぎている・過ぎていないに関わらず、借りている全ての物品を一度に持ってくる必要はない。ここでの貸出返却処理エリアへの入室は、図4及び5で説明した処理と同様なので、説明は省略するが、図17及び18で説明した事項の補足説明である「貸出返却処理エリアの扉12において、全ての借方タグ2と物品タグ1を十分読み取れるだけの設備がある場合」は、借方タグ2だけでなく、物品タグ1を読み込んでもよい。
【0082】
図22を用いて、作業者が管理返却処理(入退室)エリアへの入室した後に、貸出返却処理端末11を用いて、物品を返す返却処理、つまり、貸出返却処理端末11の入力部に、借方タグ2のID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグ1が取り付けられた物品の一覧から物品を選択する入力があった場合の処理を説明する。管理返却処理(入退室)エリアへ入室した作業者は、貸出返却処理エリア内部リーダ部9のアンテナ部8のところまで来る。作業者が貸出返却処理端末11に接続されたアンテナ部10が放射する電波の覆域に借方タグ2と物品タグ1とをかざしたときに、アンテナ部10を介して貸出返却処理エリア内部リーダ部9が借方タグ2のID情報と借方タグ2のID情報と物品タグ1のID情報を読み取る(S2201)。貸出返却処理エリア内部リーダ部9に読み取られた借方タグ2のID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S2202)。制御部16が認証できないと判定した場合(ID情報に対応する認証情報がない場合やID情報が認証不可能と認証情報に記憶されている場合)は、エラーとして処理して、S2201へ戻る(E2201)。E2201は、貸出返却処理端末11の表示部により不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。制御部16が認証できると判定した場合(ID情報が認証可能と認証情報に記憶されている場合)は、S2212へ進む。S2212の処理は、S2201及びS2202の処理と一体的に実行してもよい。また、S2212の処理は、S2203の処理の後に実行してもよい。
【0083】
S2212において、貸出返却処理端末11の表示部が、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取った借方タグ2のID情報が制御部16により認証されたとき、その借方タグ2のID情報と紐付けられたID情報がある場合は、そのID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧のみを表示するもの、又は、そのID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧のみを選択可能し、作業者は、貸出返却処理端末11の表示部に表示された保管エリア内に保管された物品の一覧を閲覧し、返却処理を開始するために、貸出返却処理端末11の入力部を用いて、対象の物品を選択することができる。これは複数の物品を選択するようにしてもよい。貸出返却処理端末11の入力部は作業者による外部からの入力がある(S2212)。
【0084】
なお、前述のS2212における「そのID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧のみを表示する」とは、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取った借方タグ2のID情報が制御部16により認証されたとき、その借方タグ2のID情報と紐付けられたID情報がある場合でも、全ての借方タグ2のID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグ1が全て無い場合は、ある(有る)物品タグ1の情報をだけを貸出返却処理端末11の表示部に表示することを指す。また、そのID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧のみを選択可能し」とは、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取った借方タグ2のID情報が制御部16により認証されたとき、その借方タグ2のID情報と紐付けられたID情報がある場合でも、全ての借方タグ2のID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグ1が全て無い場合は、ある(有る)物品タグ1の情報をだけを貸出返却処理端末11の入力部を用いて作業者が選択可能とすることを指す。
【0085】
S2203では、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取った物品タグ1のID情報のうち、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取った借方タグ2のID情報に紐付けされていないものがないかを判定する。借方タグ2のID情報に紐付けされていない物品タグ1のID情報がある場合は、エラーとして処理して、S2201へ戻る(E2201)。E2201は、貸出返却処理端末11の表示部により紐付けされていない物品があることとその物品に関する情報を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。制御部16が紐付けされていない物品はないと判定した場合は、S2204へ進む。なお、S2203の処理は、作業者が所持する借方タグ2が、図20のテーブルに記載の借方タグ02である場合は、物品タグAAが貼り付けられた物品,物品タグDDが貼り付けられた物品,物品タグGGが貼り付けられた物品以外があれば、エラーとして処理されることになる(E2201)。
【0086】
S2204では、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が、認証された借方タグ2のID情報とこの借方タグ2のID情報に紐付けされた全ての物品タグ1のID情報があるかどうかを判定する。全ての物品タグ1のID情報がある場合は、そしてS2205へ進む。S2205では、制御部16が、貸出返却処理端末11を操作する作業者が所持する借方タグ2のID情報、つまり、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2の関連情報と貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された物品に取り付けられた物品タグ1の関連情報とのうち、「貸出・返却処理中」を否から返却処理中に変更してデータベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2及び物品タグ1の関連情報を更新(変更・追記)する。物品タグ1の関連情報の「返却日(予定)」を抹消してデータベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2及び物品タグ1の関連情報を更新(変更・追記)する。なお、抹消とは、対象の物品タグ1の関連情報としては抹消するだけで、データベースサーバ部15上の情報の履歴としては残しておいてよい。物品タグ1の関連情報の「返却日(予定)」がないことにより、図21を用いて説明した作業者へ返却を督促する電子メールを送付する処理のS2102による作業者への無駄な返却を督促する電子メールの送信を避けることができる。さらに、S2204では、借方タグ2の認証情報に認証制限を付与する処理も行う。
【0087】
なお、S2205における借方タグ2のID情報に紐付けされた全ての物品タグ1のID情報があるかどうかを判定するとは、S2212で作業者が返却を希望するとして選択したもの全てでもよいし、S2212で作業者が返却を希望するとして選択していなくても、「貸出返却処理エリア内部リーダ部9が借方タグ2のID情報に紐付けされた物品タグ1のID情報」があれば強制的に「貸出・返却処理中」を否から返却処理中に変更してデータベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2及び物品タグ1の関連情報を更新してもよい。両方の場合を前提に説明を進める。
【0088】
このS2205における借方タグ2及び物品タグ1の関連情報の更新を図20のテーブルに記載の借方タグ02が、借方タグ02を所持する作業者が物品タグAA,物品タグDD,物品タグGGを返そうとする場合を例にして説明する。S2205の処理によって、借方タグ02の関連情報として、「貸出・返却処理中」が否から返却処理中と記憶(更新・追記)される。物品タグAA,物品タグDD,物品タグGGの関連情報として、「貸出・返却処理中」が否から返却処理中と記憶(更新・追記)される。
【0089】
同じく、S2205では、制御部16が、借方タグ2のID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグ1のID情報を貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取ったときに、借方タグ2のID情報と物品タグ1のID情報との紐付けを解除してデータベースサーバ部15に記憶されている関連情報を更新(変更・追記)し、この更新によって、紐付けを解除された借方タグ2のID情報が保管エリア入退リーダ部9により読み取られると認証が可能なID情報であり、及び、貸出返却処理エリア入退リーダ部13により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、データベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2の認証情報を変更(更新・追記)を行い、S2205からエンド(終了)に移行して処理を終了する。
【0090】
この認証情報の変更や認証情報自体は、図3や図20に記載のような形式のテーブルでは、直接的には表示とはならないが、借方タグ2の関連情報である「貸出・返却処理中」が返却処理中となっていることで、間接的に認証情報の変更が実行されていることを示していることになっている。これは、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2のID情報が、「保管エリア入退リーダ部9により読み取られると認証が可能なID情報」かつ「貸出返却処理エリア入退リーダ部13により読み取られると認証が不可能なID情報」と認証情報を変更する目的が、物品タグ1と借方タグ2とを紐付けを解除して返却処理を開始することで、借方タグ2を保有する作業者が保管エリアに入室できるようにし、返却処理が完了(終了)するまでは、貸出返却処理エリアから退室できなようにすることであり、これを換言すると、借方タグ2を保有する作業者が保管エリアに入室できるが、貸出返却処理エリアから退室できないようになっている期間が返却処理中といえるからである。
【0091】
S2204にて、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が、認証された借方タグ2のID情報とこの借方タグ2のID情報に紐付けされた全ての物品タグ1のID情報とを読み取れない場合はS2206へ進む。S2206では、借方タグ2のID情報とID情報が紐付けられている物品タグ1のうち、貸出返却処理エリア内部リーダ部9がID情報を読み込めなかったものの関連情報の「返却日(予定)」を制御部16がデータベースサーバ部15から得て、返却日を過ぎていない場合はS2207を介して前述のS2205に進み、返却日を過ぎている場合はS2208に進む。S2207は物品の返却日と名前を貸出返却処理端末11の表示部に表示して作業者(借方)に報知する。S2207は省略することは可能であるが、貸出返却処理端末11の表示部に物品タグ1の関連情報として、「返却日(予定)」を表示していない場合は実行すると、返却日の事前報知となる。S2208は物品の返却期限が過ぎていることと物品の名前とを貸出返却処理端末11の表示部に表示して作業者(借方)に報知(警告)してS2209に進む。
【0092】
S2209は、前述のS2103と同じ処理を行う。S2208の処理により所在が不明と判定されると、エラーとして処理して、S2208へ戻る(E2202)。E2202は、貸出返却処理端末11の表示部により物品の所在が不明であることを作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよく、特に、作業者へはS2208での処理を利用して電子メールも送信して物品の所在が不明であること報知するとよい。具体的には、E2202を経由した場合のS2208の処理として、返却期限が過ぎ、所在が不明な物品タグ1のID情報に紐付けられたID情報を有する借方タグ2の関連情報からメールアドレスを得て、制御部16がそのメールアドレスへメールサーバ17を介して、物品の返却を督促する内容と物品の所在が不明になっている内容とのテキストや画像を有する電子メールをユーザ端末18に送る。
【0093】
S2209の処理により所在が特定できたと判定されるとS2205(バックグランド処理として、S2210)に進む。貸出返却処理端末11(制御部16)のバックグランド処理としてのS2210を説明する。S2210にて、制御部16は、S2209の処理の完了後、所定時間(任意で設定可能な時間)経過後に返却期限が過ぎた物品の返却の有無を再度確認する。確認の方法は、前述のS2101と同様に、制御部16はデータベースサーバ部15の物品タグ1の関連情報である「返却日(予定)」に加え、「紐付け情報」や「貸出・返却処理中」を参照して行う。具体的には、「紐付け情報」が解除されている場合や「貸出・返却処理中」が返却処理中となっている場合であれば、返却が終了したと判断する。これは厳密には、返却処理中のため、作業者が貸出返却処理エリア又は保管エリア内で物品を運んでいる最中である場合も含む。作業者が貸出返却処理エリア又は保管エリア内で物品を運んでいる最中であっても、返却処理が開始されると終了するまでは貸出返却処理エリアから退室できないので、返却が終了したとみなしても支障がないからであるからである。
【0094】
S2210にて、物品の返却の有無を再度確認して返却されていない場合は、S2211を経由して図21に記載のS2102へ進み、再度、督促のために電子メールを作業者のユーザ端末18へ送る。物品の返却の有無を再度確認して返却されている場合(返却されているとみなしてもよい場合)は、エンド(終了)に移行して処理を終了させる。S2208(S2102)においては、督促のための電子メールを返却期限が過ぎた物品(物品タグ1)を対象にしているが、関連情報へ追記された返却期限が日付で定義されるものであって、制御部16が関連情報へ追記された返却期限の前日までに、メールサーバ17を介して電子メールを事前報知として送信してもよい。この場合でも、S2102以降の処理を行ってもよい。これらは図21を用いた説明と同様である。
【0095】
図23及び24を用いて返却処理における保管エリアへの入室を説明する。図23に示す台車3を押してきた作業者の胸に掛けられた借方タグ2は、S2201〜S02205(S2206〜S2209を経た場合も含む)までの処理を経たものとする。この作業者が、扉6の前(保管エリアの外であって、貸出返却処理エリア内)に来て、アンテナ部8が放射する電波の覆域に借方タグ2が入ったときに、アンテナ部8を介して保管エリア入退リーダ部7が借方タグ2のID情報を読み取る(S2401)。保管エリア入退リーダ部7に読み取られたID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S2402)。制御部16が認証できると判定した場合(S2201〜S02205(S2206〜S2209を経た場合も含む)までの処理を経た借方タグ2のID情報、つまり、借方タグ2の関連情報が返却処理中と記憶(更新・変更)されている場合)は、制御部16の制御により、保管エリア内部リーダ部4がアンテナ部5から質問波を送信してRFIDタグ(物品タグ1)のID情報の読み取りを開始させ(S2403)、制御部16が保管エリア入退リーダ部7を介して扉6を開錠させる(S2404)。S02404は、扉6の施錠するステップを含んでいてもよい。なお、図23に示す台車3を押してきた作業者の胸に掛けられた借方タグ2は、S2201〜S02205(S2206〜S2209を経た場合も含む)までの処理を経たものでない場合、つまり、制御部16が認証できないと判定した場合は、エラーとして処理して、S2401へ戻る(E2401)。E2401は、報知部7aにより不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。
【0096】
S2201〜S02205(S2206〜S2209を経た場合も含む)の各ステップを経た借方タグ2を所持する作業者は、保管エリアに入室することができるので、保管エリア内が返却処理中の物品を元の場所に戻して、保管エリアからの退室することになる。作業者が物品を返す際に元の場所が見つけられないというトラブルを防ぐために、各物品の置き場所に名札やステッカーを貼ってもよいし、貸出返却処理端末11を用いて、物品の返却処理を行う際(返却処理の開始)に、その物品の置き場所の写真や保管エリア内での配置を貸出返却処理端末11の表示部に表示させてもよい。
【0097】
図25を用いて保管エリアからの退室を説明する。作業者が返却処理中の物品を元のおき場所に戻して、扉6(保管エリア内)に来て、アンテナ部8が放射する電波の覆域に借方タグ2が入ったときに、アンテナ部8を介して保管エリア入退リーダ部7が借方タグ2のID情報を読み取る(S2501)。保管エリア入退リーダ部7に読み取られたID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S2502)。制御部16が認証できると判定した場合(S2201〜S02205(S2206〜S2209を経た場合も含む)までの処理を経た借方タグ2のID情報、つまり、借方タグ2の関連情報が返却処理中と記憶(更新・変更)されている場合)は、制御部16が保管エリア入退リーダ部7を介して扉6を開錠させ、その施錠する(S2503)。なお、借方タグ2は、S2201〜S02205(S2206〜S2209を経た場合も含む)までの処理を経たものでない場合、つまり、制御部16が認証できないと判定した場合は、エラーとして処理して、S0901へ戻る(E2501)。E2501は、報知部7aにより不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。
【0098】
S2503によって扉6が施錠された後、若しくは、同時に、保管エリア内部リーダ部4又は保管エリア入退リーダ部7によって、保管エリア内に借方タグ2が存在しないかどうかを判定する(S2504)。保管エリア内に借方タグ2が存在する場合は、報知部7aにより作業者へ保管エリアから退室するように警告してS2503へ戻る。保管エリア内に借方タグ2が存在しない場合は、S2505に進む。S2505では、制御部16によって制御される保管エリア内部リーダ部4が物品タグ1の関連情報の「貸出・返却処理中」が返却処理中であるものがあるかどうかを物品タグ1に質問波を送信してID情報を読み取って確認する。つまり、作業者が貸出返却処理端末11を操作して返却処理の開始されたときに、借方タグ2のID情報との紐付けが解除された物品タグ1のID情報を読み取って確認する。読み取れない場合は、エラーとして処理して、S2505へ戻る(E2502)。E2502は、報知部7aにより不正(返却が完了していない)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。読み取れた場合はS2506に進む。
【0099】
S2506は省略しても構わないが、返却処理中に処理に関係のない物品が持ち出される可能性を減じたい場合は実行するとよい。S2506の詳細は、図26を用いて説明する。S2506を介したS2601では、保管エリア内部リーダ部4が読み取った物品タグ1のID情報が前回の読み取り時に読み取られた物品タグ1のID情報と比較する。比較の結果、変化が無い場合は、エンド(終了)に移行して処理を終了して、S2507へ進む。新たなID情報が増えた場合、つまり、物品が増えた場合は、前述の図12に示す制御部16によるサブの処理フロー1(図13に示す制御部16によるサブの処理フロー3も必要に応じて実行)を実行し、エンド(終了)に移行して処理を終了して、S2507へ進む。新たなID情報が増え、無くなったID情報がある場合、つまり、新たに増えた物品と無くなった物品とがある場合は、前述の図14に示す制御部16によるサブの処理フロー2(図13に示す制御部16によるサブの処理フロー3も必要に応じて実行、図15に示す制御部16によるサブの処理フロー4も必要に応じて実行)を実行し、エンド(終了)に移行して処理を終了して、S2507へ進む。S2507へ進む
【0100】
S2501〜S2506の処理を整理すると、図22を用いて説明した処理により認証情報が変更された借方タグ2が保管エリア入退リーダ部7により読み取られ、保管エリアから退出する認証が可能と判定してから、保管エリア内部リーダ部4が、紐付けを解除された物品タグのID情報を読み取ったときにS2507が実行されることになる。S2507は、返却処理を完了させるための処理フロー(処理ステップ)である。前述の通り、図22に示す処理フローののち、図25を用いて説明した処理(S2506まで)により作業者は保管エリアから退室することができる。
【0101】
S2507は、この保管エリアから退室した作業者が貸出返却処理エリアからも退室可能とする処理である。制御部16が、保管エリアから退室した作業者が所持する借方タグ2のID情報と保管エリア内部リーダ部4が読み取り認証された物品に取り付けられた物品タグ1(S2505)の関連情報とのうち、「貸出・返却処理中」を返却処理中から否に変更してデータベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2及び物品タグ1の関連情報を更新(変更・追記)する。
【0102】
同じく、S2507では、制御部16が、紐付けを解除された借方タグのID情報が保管エリア入退リーダ部7により読み取られると認証が不可能なID情報であり、及び、貸出返却処理エリア入退リーダ部9により読み取られると認証が可能なID情報であると判定するように、データベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2の認証情報を変更(更新・追記)する。この認証情報の変更や認証情報自体は、図3や図20に記載のテーブルでは、直接的には表示してないが、借方タグ2の関連情報である「貸出・返却処理中」が否となっていることで、間接的に認証情報の変更が実行されていることを示していることになっている。これは、紐付けを解除された借方タグ2のID情報が、「保管エリア入退リーダ部7により読み取られると認証が不可能なID情報」かつ「貸出返却処理エリア入退リーダ部9により読み取られると認証が可能なID情報」と認証情報を変更する目的が、物品タグ1を保管エリアへ返却したことが確認できたので、借方タグ2を保有する作業者が保管エリアに入室できないようにし、返却処理が完了(終了)したのちは、貸出返却処理エリアから退室できるようにすることであり、これを換言すると、借方タグ2を保有する作業者が保管エリアに入室できないが、貸出返却処理エリアから退室できる時期は返却処理が完了したときといえるからである。なお、返却処理が完了した場合、作業者は貸出返却処理エリアから退室せずに、貸出返却処理端末11を操作して貸出処理を開始することも可能である。
【0103】
このように説明したとおり、実施の形態1に係る物品管理システム(物品管理方法)は、計測器などの物品が保管された保管エリアへの自由な立入りを制限と保管エリアを包含する貸出返却処理エリアへの自由な立入りを制限とを貸出処理や返却処理の各ステップに応じて変更することが容易なので、立入りを制限が設定されているにも関わらず、作業者にストレスを感じさせずに、物品の管理や貸出・返却が行えるだけでなく、作業者の過失による物品の紛失の可能性を減じることができるという効果を奏する。また、確実に保管エリア(貸出返却処理エリア)から持ち出したという履歴がデータベースサーバ部15から読み取る制御部16を備えているので、どこに、誰が、何を、いつ持ち出したのかを把握することと、確実に返却させるための借方タグ1を持つ作業者への返却通達を実施することができるという効果を奏する。さらに、物品タグ1と物品を持ち出しする作業者の情報を記録した借方タグ2を備えているので、物品タグ1と借方タグ2を読取、持ち出す物品を管理し、保管エリア(貸出返却処理エリア)から持ち出したという履歴を物品ごとに管理できる。また、各エリアの情報を集約するとどこに、誰が、何を、いつ持ち出したのかを把握することができるという効果を奏する。
【0104】
実施の形態2.
この発明の実施の形態2について図27〜43を用いて説明する。図中、同一符号は、同一又は相当部分を示しそれらについての詳細な説明は省略する。また、実施の形態2では実施の形態1と共通的な部分の説明は省略する場合がある。実施の形態1は貸出返却処理エリアから物品の持ち出し先を言及していなかったが、実施の形態2では物品の持ち出し先の管理も含めた物品管理システム(物品管理方法)を説明する。
【0105】
具体的には、実施の形態2に係る物品管理システムは、物品を持ち出す外部に貸出先エリア(作業エリア)が存在するものであって、実施の形態1に係る物品管理システムの構成に加えて、制御部16に制御され、作業エリア内のRFIDタグのID情報を読み取る貸出先エリア内部リーダ部(作業エリア内部リーダ部)19と、作業エリア内部リーダ部19に接続されたアンテナ部20と、(作業エリア内部リーダ部19は、RFIDタグへの書き込み機能を有するリーダライタでもよい(図27では、リーダライタを指す「R/W」との表記をしているが、リーダ機能だけのものでもよい))作業エリアと外部とを仕切る貸出先エリア仕切り手段(作業エリア仕切り手段)20と、制御部16に制御され、RFIDタグのID情報を読み取って、そのID情報が認証されたときに保管エリア仕切り手段を開錠させて保管エリア仕切り手段を進入又は退出が可能な状態にする貸出先エリア入退リーダ部(作業エリア入退リーダ部)21と、作業エリア入退リーダ部21に接続されたアンテナ部23と(作業エリア入退リーダ部21は、RFIDタグへの書き込み機能を有するリーダライタでもよい(図27では、リーダライタを指す「R/W」との表記をしているが、リーダ機能だけのものでもよい))を備えている(図27、図30、図35、図38)。実施の形態2では、作業エリアが三つある場合を例に説明を行う。そのため、上記の実施の形態2に係る物品管理システムの構成要素は、それぞれ、符号にアルファベットを添え字として付して区別する。作業エリア1は「a」、作業エリア2は「b」、作業エリア3は「c」とする。
【0106】
・作業エリアの構成
図30、図35、図38において、19a(19b,19c)は作業エリア1(作業エリア2,作業エリア3)内のRFIDタグのID情報を読み取る作業エリア内部リーダ部、20a(20b,20c)は作業エリア内部リーダ部19a(作業エリア内部リーダ部19b、作業エリア内部リーダ部19c)に接続され、作業エリア内部リーダ部19a(作業エリア内部リーダ部19b、作業エリア内部リーダ部19c)の制御により電波をRFIDタグに送信することにより、そのRFIDタグのID情報を電波よって返信されてきたときに受信するアンテナ部である。作業エリア内部リーダ部19a(作業エリア内部リーダ部19b、作業エリア内部リーダ部19c)は、RFIDタグへの書き込み機能を有するリーダライタでもよい。
【0107】
・作業エリアの構成
図30、図35、図38において、21a(21b,21c)は作業エリア1(作業エリア2,作業エリア3)と外部とを仕切る作業エリア仕切り手段であり、扉やフラッパーゲートなどが想定される。22a(22b,22c)はRFIDタグのID情報を読み取って、そのID情報が認証されたときに作業エリア仕切り手段21a(21b,21c)を開錠させて作業エリア仕切り手段21a(21b,21c)を進入又は退出が可能な状態にする作業エリア入退リーダ部、22dは作業エリア入退リーダ部22a(22b,22c)が読み取った借方タグ2のID情報の認証が不可能と判断された場合に、LEDなどの光源を用いた回転灯や警告灯などの照明装置を点灯又は点滅させることで、不正(認証不可)を報知する報知部であり、照明装置に限らず、不正を画面上に表示して報知する表示装置や不正を音声で報知するスピーカなどの音声発生装置でもよい。23a(23b,23c)は作業エリア入退リーダ部(22b,22c)に接続され、作業エリア入退リーダ部(22b,22c)の制御により電波をRFIDタグに送信することにより、そのRFIDタグのID情報を電波よって返信されてきたときに受信するアンテナ部である。作業エリア入退リーダ部(22b,22c)は、RFIDタグへの書き込み機能を有するリーダライタでもよい。また、作業エリア入退リーダ部(22b,22c)は、アンテナ部23a(23b,23c)と一体型でもよい。
【0108】
図27において、24は借方タグ2を保有する作業者が使用者となっており、特に、借方タグ2の関連情報として、「管理作業エリア」が設定されているものが持つユーザ端末である。ユーザ端末24は汎用のPCや携帯電話などの電子メールが受信できるものであればなんでもよい。借方タグ2の関連情報として、電子メールアドレスがデータベースサーバ部15に保存されているので、制御部16は必要に応じて、借方タグ2に対応する作業者が使用するユーザ端末24へメールサーバを介して電子メールを送ることができる。
【0109】
図27は実施の形態2に係る物品管理システムの構成の模式図であり、実施の形態1に係る物品管理システムの構成との大きな違いは、貸出・返却処理(入退室)エリアの外に物品(物品タグ1)の所在を把握できる作業エリアが三ヶ所ある点である。なお、作業エリアは一箇所であっても複数所であってもよい。
【0110】
・データベースサーバ部15に記憶される物品タグ1及び借方タグ2の情報
図28(a)は借方タグ2のID情報及び関連情報のテーブル(一例)、図28(b)は物品タグ1のID情報及び関連情報のテーブル(一例)である。図28(a)には借方タグ2の関連情報として、「作業者コード」,「貸出・返却処理中」,「紐付け情報」,「管理作業エリア」,「メールアドレス」をテーブル中に記載しているが、借方タグ2の関連情報として新たに情報を追加・追記してもよい。なお、本願では、全ての借方タグ2(ID情報が「00」,「01」,「02」,「03」,「04」,「05」のもの)は、作業エリア1,2,3への入室を許可されているものとするが、この作業エリアへの入室の許可又は不許可も、図28(a)のテーブルには表記していないが、借方タグ2の関連情報のうち、特に、借方タグ2のID情報の認証が可能か不可能かを示す認証情報として記憶されているものとする。この認証情報は、後述する紐付け情報とを更新(変更・追記)タイミングを連動させて、制御部16が借方タグ2のID情報の認証が可能か不可能かの情報を変更することが可能なものである。詳細は後述する物品管理システムの動作や運用方法(物品管理方法)で説明する。図28(a)において、「管理作業エリア」とは作業者が管理する作業エリアがある場合、記憶されているものである。「メールアドレス」とは電子メールアドレスを指し、制御部16は必要に応じて、借方タグ2に対応する作業者が使用するユーザ端末18やユーザ端末24へメールサーバを介して電子メールを送ることができる。
【0111】
図28(b)には物品タグ1の関連情報として、「物品名」,「メーカ名」,「紐付け情報」,「返却日(予定)」、「貸出・返却処理中」,「作業エリア」をテーブル中に記載しているが、物品タグ1の関連情報として新たに情報を追加・追記してもよい。図28(b)に記載の物品タグ1のID情報及び関連情報のテーブルを貸出返却処理端末11の表示部が表示することにより、物品のランナップや物品の貸出状況を確認することができるが、物品タグ1の「ID情報」や「紐付け情報」など一部の項目(情報)を伏せて表示してもよい。図3(b)において、「作業エリア」とは物品タグ1が貼り付けられた物品が貸出処理の後に持ち込まれる作業エリアを示している。
【0112】
次に、物品を設定した作業エリアだけに持ち出す場合の実施の形態2に係る物品管理システム(物品管理方法)の貸出処理,作業エリア入室,返却処理の一連の処理と作業エリア内の物品の有無を周期的に調査する処理を説明する。管理返却処理(入退室)エリアへの入室は実施の形態1と同様なので説明は省略する(図4及び5)。図28及び29により、作業者が管理返却処理(入退室)エリアへの入室した後に、貸出返却処理端末11を用いて、物品を借りる貸出処理、つまり、貸出返却処理端末11の入力部に、保管エリア内に保管された物品の一覧から物品を選択する入力があった場合の処理を説明する。図29に記載のS0605までの処理は、実施の形態1と同様なので説明は省略する(図6)。S0605は、貸出返却処理端末11の表示部に他に借りたい物品があるかどうかを作業者へ報知するアイコンなどを表示するステップである。他に借りたい物品があるという入力が貸出返却処理端末11の入力部にあった場合は、S0603へ戻り、他に借りたい物品がないという貸出返却処理端末11の入力部にあった場合は、S2901へ進む。
【0113】
S2901では、作業者が借りようとする物品の使用場所を貸出返却処理端末11の入力部を介して、作業者に入力を促す表示を貸出返却処理端末11の表示部に表示する。作業者が使用場所(作業エリア1,作業エリア2,作業エリア3から選択する形式でも、作業者が自ら作業エリア1,作業エリア2,作業エリア3のいずれかを入力する形式でもよい)を入力する。この入力により、制御部16は、作業者が借りようとする物品の使用場所をデータベースサーバ部の関連情報を更新(記憶・追記)する。S2901で行う使用場所の設定は、物品ごと、或いは、作業者ごと、若しくは、その両方の組み合わせごとに設定できる使用場所に制限をかけてもよい。例えば、作業者が管理する作業エリアしか登録できないなどが考えられる。これらの設定は、物品タグ1や借方タグ2により、物品の個体識別や作業者の個人識別を行っているので容易に実行できる。次に、S0606では、作業者が借りようとする物品の返却日入力させる処理を行う。
【0114】
S0607では、制御部16が、貸出返却処理端末11を操作する作業者が所持する借方タグ2のID情報、つまり、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2のID情報と保管エリア内の物品のうち、選択された物品に取り付けられた物品タグ1のID情報とを紐付けてデータベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2及び物品タグ1の関連情報を更新(記憶・追記)する。このS0607を借方タグ02が、借方タグ02を所持する作業者が物品タグAA,物品タグDD,物品タグGGを借りようとする場合を例にして説明する。なお、図28の状態が前述の更新の結果であるとする。図28(a)に記載されたテーブルは、S0607の処理によって、借方タグ02の関連情報として、「紐付け情報」が三つの物品タグ1のID情報(物品タグAA,物品タグDD,物品タグGG)と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。また、借方タグ02の関連情報として、「貸出・返却処理中」が貸出処理中と記憶(更新・追記)される。
【0115】
図28(b)に記載されたテーブルは、S0607の処理によって、物品タグAAの関連情報として、「紐付け情報」が借方タグ02と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。物品タグDDの関連情報として、「紐付け情報」が借方タグ02と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。物品タグGGの関連情報として、「紐付け情報」が借方タグ02と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。また、物品AA,物品タグDD,物品タグGGの関連情報として、それぞれの「返却日(予定)」が貸出処理中と記憶(更新・追記)される。さらに、物品AA,物品タグDD,物品タグGGの関連情報として、それぞれの「作業エリア」」が「1」,「3」,「2」と記憶(更新・追記)される。同じく、S0607では、制御部16が、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2のID情報が、保管エリア入退リーダ部4により読み取られると認証が可能なID情報であり、及び、貸出返却処理エリア入退リーダ部13により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、データベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2の認証情報を変更(更新・追記)する。
【0116】
実施の形態2における「貸出処理における保管エリアへの入室」,「保管エリアからの退室」,「保管エリア内の物品の有無を周期的に調査」,「貸出処理を完了させるための処理フロー」,「貸出処理が完了後に、作業者が貸出返却処理(入退室)エリアからの退室」は、実施の形態1と同様なので説明は省略する。作業者が貸出返却処理エリアからの退室して作業エリアに入場する場合を説明する。ここでは、作業エリア1に入室する場合を例とって説明を行うが他の作業エリア2や作業エリア3でも同様である。
【0117】
図30及び31を用いて作業エリア(作業エリア1)への入室を説明する。図30に示す台車3を押してきた作業者が、フラッパーゲート(図上は、簡略化のためにフラップ部分(扉)を省略している)である保管エリア仕切り手段21a(以下、フラッパーゲート21aと称する)の前(作業エリア1の外)に来て、フラッパーゲート21aの門柱部分に複数形成されたアンテナ部23aが放射する電波の覆域に借方タグ2や物品タグ1が入ったときに、アンテナ部21aを介して作業エリア入退リーダ部22aが借方タグ2及び物品タグ1のID情報を読み取る(S3101)。作業エリア入退リーダ部22aに読み取られた借方タグ2のID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S3102)。作業エリア入退リーダ部22aに読み取られた物品タグ1のID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている関連情報の「作業エリア」の内容から判定する(S3103)。S3102とS3103との処理は順序が逆転してもよい。S3102とS3103の処理により、制御部16が認証できると判定した場合は、制御部16が作業エリア入退リーダ部22aを介してフラッパーゲート21aを開錠させて作業者が作業エリアへ入室することを可能にする。(S3104)。S3104は、フラッパーゲート21aの施錠するステップを含んでいてもよい。なお、図30に示す台車3を押してきた作業者の胸に掛けられた借方タグ2又は物品タグ1が、制御部16が認証できないと判定した場合は、エラーとして処理して、S3101へ戻る(E3101)。E3101は、報知部7aにより不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。
【0118】
図32を用いて作業エリアからの退室を説明する。作業者が、物品タグ01が貼り付けられた物品を台車3に載せて、フラッパーゲート21aの前(作業エリア1内)に来て、アンテナ部21aが放射する電波の覆域に借方タグ2や物品タグ1が入ったときに、アンテナ部21aを介して作業エリア入退リーダ部22aが借方タグ2及び物品タグ2のID情報を読み取る(S3201)。作業エリア入退リーダ部22aに読み取られた借方タグ2のID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S3202)。作業エリア入退リーダ部22aに読み取られた物品タグ1のID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている関連情報の「作業エリア」の内容から判定する(S3203)。S3202とS3203との処理は順序が逆転してもよい。S3202とS3203の処理により、制御部16が認証できると判定した場合は、制御部16が作業エリア入退リーダ部22aを介してフラッパーゲート21aを開錠させて作業者が作業エリアから退室することを可能にする。(S3204)。S3204は、フラッパーゲート21aの施錠するステップを含んでいてもよい。なお、図30に示す台車3を押してきた作業者の胸に掛けられた借方タグ2又は物品タグ1が、制御部16が認証できないと判定した場合は、エラーとして処理して、S3201へ戻る(E3201)。E3201は、報知部7aにより不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。
【0119】
作業エリアが、貸出返却処理エリアと異なり、作業者が入退室する頻度が低い場合は、複数のアンテナ部23aにより、上記の物品タグ1と借方タグ2との両方を読むことが可能であるが、貸出返却処理エリアの入退室ように、借方タグ2だけを読む処理を行って、作業エリア内で不正な物品タグ1のID情報を検出するようにしてもよい(作業エリア内の物品の有無を周期的に調査する処理)。作業エリア内の物品の有無を周期的に調査する処理や返却処理と返却処理のための貸出返却処理エリアへの入室の処理は、後述の物品を設定した作業エリアだけではなく、通過する作業エリアにも持ち出す場合とほぼ同様なので、まとめて説明する。
【0120】
次に、物品を設定した作業エリアだけではなく、通過する作業エリアにも持ち出す場合の実施の形態2に係る物品管理システム(物品管理方法)の貸出処理,作業エリア入室,返却処理の一連の処理と作業エリア内の物品の有無を周期的に調査する処理を説明する。この場合は、作業が台車3で一度に複数の作業エリアに物品を配布することができるので、物品を放りっぱなしする可能性を低減できる。管理返却処理(入退室)エリアへの入室は実施の形態1と同様なので説明は省略する(図4及び5)。図33及び34により、作業者が管理返却処理(入退室)エリアへの入室した後に、貸出返却処理端末11を用いて、物品を借りる貸出処理、つまり、貸出返却処理端末11の入力部に、保管エリア内に保管された物品の一覧から物品を選択する入力があった場合の処理を説明する。図34に記載のS0605までの処理は、実施の形態1と同様なので説明は省略する(図6)。S0605は、貸出返却処理端末11の表示部に他に借りたい物品があるかどうかを作業者へ報知するアイコンなどを表示するステップである。他に借りたい物品があるという入力が貸出返却処理端末11の入力部にあった場合は、S0603へ戻り、他に借りたい物品がないという貸出返却処理端末11の入力部にあった場合は、S2901へ進み、S3401へ進むが、S2901とS3401との処理は前後してもよい。
【0121】
S2901では、作業者が借りようとする物品の使用場所を貸出返却処理端末11の入力部を介して、作業者に入力を促す表示を貸出返却処理端末11の表示部に表示する。作業者が使用場所(作業エリア1,作業エリア2,作業エリア3から選択する形式でも、作業者が自ら作業エリア1,作業エリア2,作業エリア3のいずれかを入力する形式でもよい)を入力する。この入力により、制御部16は、作業者が借りようとする物品の使用場所をデータベースサーバ部の関連情報を更新(記憶・追記)する。S2901で行う使用場所の設定は、物品ごと、或いは、作業者ごと、若しくは、その両方の組み合わせごとに設定できる使用場所に制限をかけてもよい。例えば、作業者が管理する作業エリアしか登録できないなどが考えられる。これらの設定は、物品タグ1や借方タグ2により、物品の個体識別や作業者の個人識別を行っているので容易に実行できる。
【0122】
S3401では、作業者が借りようとする物品の通過させる場所を貸出返却処理端末11の入力部を介して、作業者に入力を促す表示を貸出返却処理端末11の表示部に表示する。作業者が通過場所(作業エリア1,作業エリア2,作業エリア3から選択する形式でも、作業者が自ら作業エリア1,作業エリア2,作業エリア3のいずれかを入力する形式でもよい)を入力する。この入力により、制御部16は、作業者が借りようとする物品の通過させる場所をデータベースサーバ部の関連情報を更新(記憶・追記)する。S3401で行う通過場所(通過エリア)の設定は、物品ごと、或いは、作業者ごと、若しくは、その両方の組み合わせごとに設定できる使用場所に制限をかけてもよい。例えば、作業者が管理する作業エリアしか登録できないなどが考えられる。これらの設定は、物品タグ1や借方タグ2により、物品の個体識別や作業者の個人識別を行っているので容易に実行できる。次に、S0606では、作業者が借りようとする物品の返却日入力させる処理を行う。
【0123】
S0607では、制御部16が、貸出返却処理端末11を操作する作業者が所持する借方タグ2のID情報、つまり、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2のID情報と保管エリア内の物品のうち、選択された物品に取り付けられた物品タグ1のID情報とを紐付けてデータベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2及び物品タグ1の関連情報を更新(記憶・追記)する。このS0607を借方タグ02が、借方タグ02を所持する作業者が物品タグAA,物品タグDD,物品タグGGを借りようとする場合を例にして説明する。なお、図22の状態が前述の更新の結果であるとする。図33(a)に記載されたテーブルは、S0607の処理によって、借方タグ02の関連情報として、「紐付け情報」が三つの物品タグ1のID情報(物品タグAA,物品タグDD,物品タグGG)と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。また、借方タグ02の関連情報として、「貸出・返却処理中」が貸出処理中と記憶(更新・追記)される。
【0124】
図33(b)に記載されたテーブルは、S0607の処理によって、物品タグAAの関連情報として、「紐付け情報」が借方タグ02と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。物品タグDDの関連情報として、「紐付け情報」が借方タグ02と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。物品タグGGの関連情報として、「紐付け情報」が借方タグ02と紐付けられていると記憶(更新・追記)される。また、物品AA,物品タグDD,物品タグGGの関連情報として、それぞれの「返却日(予定)」が貸出処理中と記憶(更新・追記)される。さらに、物品AA,物品タグDD,物品タグGGの関連情報として、それぞれの「作業エリア」」が「1」,「3」,「2」と記憶(更新・追記)される。加えて、物品AA,物品タグDD,物品タグGGの関連情報として、それぞれの「作業エリア」」が物品AA「2と3」,物品タグDD「1と2」,物品タグGG「1と3」と記憶(更新・追記)される。同じく、S0607では、制御部16が、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2のID情報が、保管エリア入退リーダ部4により読み取られると認証が可能なID情報であり、及び、貸出返却処理エリア入退リーダ部13により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、データベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2の認証情報を変更(更新・追記)する。
【0125】
実施の形態2における「貸出処理における保管エリアへの入室」,「保管エリアからの退室」,「保管エリア内の物品の有無を周期的に調査」,「貸出処理を完了させるための処理フロー」,「貸出処理が完了後に、作業者が貸出返却処理(入退室)エリアからの退室」は、実施の形態1と同様なので説明は省略する。作業者が貸出返却処理エリアからの退室して作業エリアに入場する場合を説明する。ここでは、図33に記載の借方タグ02(貸出処理は完了とする)と物品AA,物品タグDD,物品タグGG(貸出処理は完了とする)とをと保持して作業者が、作業エリア1に入室する場合を例とって説明を行うが他の作業エリア2や作業エリア3でも同様である。
【0126】
図35及び36を用いて作業エリア(作業エリア1)への入室を説明する。図35に示す物品AAが貼り付けられた物品,物品タグDDが貼り付けられた物品,物品タグGGが貼り付けられた物品を載せた台車3を押してきた作業者が、フラッパーゲート(図上は、簡略化のためにフラップ部分(扉)を省略している)であるフラッパーゲート21aの前(作業エリア1の外)に来て、フラッパーゲート21aの門柱部分に複数形成されたアンテナ部23aが放射する電波の覆域に借方タグ02や物品AA,物品タグDD,物品タグGGが入ったときに、アンテナ部21aを介して作業エリア入退リーダ部22aが借方タグ02及び物品AA,物品タグDD,物品タグGGのID情報を読み取る(S3101)。作業エリア入退リーダ部22aに読み取られた借方タグ02のID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S3102)。
【0127】
S3601では、二つの判定のいずれかが認証が可能となればよい。一つ目は、作業エリア入退リーダ部22aに読み取られた物品AA,物品タグDD,物品タグGGのID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている関連情報の「作業エリア」の内容から判定する。なお、物品AA,物品タグDD,物品タグGGにおいては、関連情報の「作業エリア」が作業エリア1となっているものは、物品AAなので、物品AAが認証可能で、物品タグDD,物品タグGGが認証不可能となる。二つ目は、作業エリア入退リーダ部22aに読み取られた物品AA,物品タグDD,物品タグGGのID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている関連情報の「通過エリア」の内容から判定する。なお、物品AA,物品タグDD,物品タグGGにおいては、関連情報の「通過エリア」が作業エリア1となっているものは、物品タグDD,物品タグGGなので、物品タグDD,物品タグGGが認証可能で、物品AAが認証不可能となる。S3102とS3601との処理は順序が逆転してもよい。
【0128】
S3102とS3601の処理により、制御部16が認証できると判定した場合は、制御部16が作業エリア入退リーダ部22aを介してフラッパーゲート21aを開錠させて作業者が作業エリアへ入室することを可能にする。(S3104)。S3104は、フラッパーゲート21aの施錠するステップを含んでいてもよい。なお、図30に示す台車3を押してきた作業者の胸に掛けられた借方タグ2又は物品タグ1が、制御部16が認証できないと判定した場合は、エラーとして処理して、S3101へ戻る(E3101)。E3101は、報知部7aにより不正(認証不可)を作業者や周囲に報知するステップを含んでいてもよい。
【0129】
図37を用いて作業エリアからの退室を説明する。物品AAが貼り付けられた物品,物品タグDDが貼り付けられた物品,物品タグGGが貼り付けられた物品を載せた台車3を作業者が作業エリアへ入室して、作業エリア1内に物品AAが貼り付けられた物品を置き、物品タグDDが貼り付けられた物品,物品タグGGが貼り付けられた物品を台車3に載せて作業エリアから退室する場合を前提に説明を行う。
【0130】
物品タグDDが貼り付けられた物品,物品タグGGが貼り付けられた物品を載せた台車3を押してきた作業者が、フラッパーゲート21aの前(作業エリア1内)に来て、複数のアンテナ部23aが放射する電波の覆域に借方タグ02や物品タグDD,物品タグGGが入ったときに、アンテナ部21aを介して作業エリア入退リーダ部22aが借方タグ02及び物品AA,物品タグDD,物品タグGGのID情報を読み取る(S3201)。作業エリア入退リーダ部22aに読み取られた借方タグ02のID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている認証情報から判定する(S3202)。
【0131】
S3701では、二つの判定のいずれかが認証が可能となればよい。一つ目は、作業エリア入退リーダ部22aに読み取られた物品タグDD,物品タグGGのID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている関連情報の「作業エリア」の内容から判定する。なお、物品タグDD,物品タグGGにおいては、関連情報の「作業エリア」が作業エリア1となっているものはないので、物品タグDD,物品タグGGが認証不可能となる。二つ目は、作業エリア入退リーダ部22aに読み取られた物品タグDD,物品タグGGのID情報を制御部16が、認証が可能か不可能かをデータベースサーバ部15に記憶されている関連情報の「通過エリア」の内容から判定する。なお、物品タグDD,物品タグGGにおいては、関連情報の「通過エリア」が作業エリア1となっているものは、両方なので、物品タグDD,物品タグGGが認証可能でである。S3202とS3701との処理は順序が逆転してもよい。
【0132】
S3202とS3701の処理により、制御部16が認証できると判定した場合は、制御部16が作業エリア入退リーダ部22aを介してフラッパーゲート21aを開錠させて作業者が作業エリアから退室することを可能にする。(S3204)。S3204は、フラッパーゲート21aの施錠するステップを含んでいてもよい。
【0133】
作業エリアが、貸出返却処理エリアと異なり、作業者が入退室する頻度が低い場合は、複数のアンテナ部23aにより、上記の物品タグ1と借方タグ2との両方を読むことが可能であるが、貸出返却処理エリアの入退室ように、借方タグ2だけを読む処理を行って、作業エリア内で不正な物品タグ1のID情報を検出するようにしてもよい(作業エリア内の物品の有無を周期的に調査する処理)。また、作業エリア内の物品の有無を周期的に調査する処理は、上記のように、上記の物品タグ1と借方タグ2との両方を読むことが可能である場合でも、作業エリア内の物品管理として実行できる。
【0134】
ここで、作業エリア(作業エリア1)内の物品の有無を周期的に調査する処理に関して図38〜41を用いて説明する。ここでは、作業エリア1に入室する場合を例とって説明を行うが他の作業エリア2や作業エリア3でも同様である。作業エリア1内の周期的な調査は、制御部16が作業エリア内部リーダ部19aを用いて、物品タグ1のID情報を収集し、そのデータを時系列にデータベースサーバ部15へ保存することにより行う。もちろん、データベースサーバ部15に保存されている物品タグ1のID情報と関連情報、借方タグ2のID情報と関連情報も使用する。図38は作業エリア1内でのRFIDタグ(物品タグ1)の読み取りを模式的に示したものである。このような状態で、図39〜41の処理フロー(処理ステップ)を所定の周期で実行して作業エリア内の物品の有無を調査する。所定の周期は、求めるセキュリティの度合いに応じて設定すればよい。高いセキュリティを求められる場合は、短い周期で図39〜41の処理フロー(処理ステップ)を実行すればよい。
【0135】
図39を用いて、制御部16によるメインの処理フローを説明する。まず、S3901にて、アンテナ部20aを介して作業エリア1内の物品タグ1のID情報を複数の作業エリア内部リーダ部19aが読み取る。保管エリア内部リーダ部4が読み取った物品タグ1のID情報が前回の読み取り時に読み取られた物品タグ1のID情報と比較する(S3902)。比較の結果、変化が無い場合は、エンド(終了)に移行して処理を終了する。新たなID情報が増えた場合、つまり、物品が増えた場合は、図40に示す制御部16によるサブの処理フローaを実行する。新たなID情報が増え、無くなったID情報がある場合、つまり、新たに増えた物品と無くなった物品とがある場合は、図41に示す制御部16によるサブの処理フローbを実行する。S3902の比較の結果、無くなったID情報がある場合、つまり、無くなった物品がある場合は、S3906を実行する。S3906は、無くなったID情報を有する物品タグ1が貼り付けられた物品が処理中(貸出処理中又は後述する返却処理中)かの判定を関連情報により行うものである。処理中であれば、エンド(終了)に移行して処理を終了する。処理中でなければ、物品が紛失したことになり、何らかの報知を行うエラー処理(E3901)を行う。
【0136】
図40に示す制御部16によるサブの処理フローaを説明する。S4001は、新たなに増えたID情報が返却処理中であるかの判定を関連情報により行う。そうであれば、エンド(終了)に移行して処理を終了する。そうでない場合は、S4001に戻り、何らかの報知を行うエラー処理(E4001)を行う。図41に示す制御部16によるサブの処理フローbを説明する。まず、S4101を実行する。S4101は、無くなったID情報を有する物品タグ1が貼り付けられた物品が処理中(貸出処理中又は後述する返却処理中)かの判定を関連情報により行うものである。処理中であれば、S1402に進む。処理中でなければ、S4103に進む。S4102は、新たなに増えたID情報が貸出処理済みであるかの判定を関連情報により行う。そうであれば、エンド(終了)に移行して処理を終了する。そうでない場合は、S4102に戻り、何らかの報知を行うエラー処理(E4101)を行う。S4103は、S4101の処理で物品が紛失していることが判明していることになり、何らかの報知を行うエラー処理(E4102)を行うことを前提に、新たなに増えたID情報が貸出処理済みであるかの判定を関連情報により行う。そうであれば、エラー処理(E4102)を行ってS4101に戻る。そうでない場合は、S4101の処理で物品が紛失していることが判明、さらに、S4103の処理で物品が貸出処理などもなく持ち込まれていることが判明していることになり、何らかの報知を行うエラー処理(E4103)を行ってS4101に戻る。
【0137】
次に、作業者へ返却を督促する電子メールを送付する処理を説明するが、実施の形態2に係る物品管理システム(物品管理方法)では、物品が持ち出させている先の作業エリアの管理者にも返却を督促する電子メールを送付する構成となっている。図42は、作業者及び作業エリアの管理者へ返却を督促する電子メールを送付する処理を示している。この処理は、所定の周期で実行すればよいが、所定の周期で実行して作業エリア内の物品の有無を調査する。所定の周期は求めるセキュリティや物品の活用効率の度合いに応じて設定すればよい。高いセキュリティや物品の活用効率を求められる場合は、短い周期で実行すればよい。S2101〜S2103までの処理は実施の形態1の説明と同様であるので省略する(図21)。S2103ののち、S4201にて、返却期限が過ぎている物品タグ1の関連情報である「作業エリア」(設定されておれば「通過エリア」も)から設定されている作業エリアを得て、その作業エリアと、関連情報である「管理作業エリア」で設定されている作業エリアとが一致する借方タグ2の関連情報からメールアドレスを得て、制御部16がそのメールアドレスへメールサーバ17を介して、物品の返却を督促する内容のテキストや画像を有する電子メールをユーザ端末24に送る。送付先の電子メール形式(ヘッダ)は、「写し(CC,BCC)」でもよいし「宛先(TO)」でもよい。
【0138】
なお、S2103にて、返却期限が過ぎている物品の所在を確認する(実際は、返却期限が過ぎている物品に添付された物品タグ1の所在を確認する)。所在の確認の仕方は後述する。返却期限が過ぎている物品に添付された物品(物品タグ1)のうち、S2104の処理により所在が不明と判定されると、エラーとして処理して、S2102へ戻るが(E2101)、E2101で、作業者と後段のS4201の処理を行う前に管理者へはS2102での処理を利用して電子メールを送信して物品の所在が不明であること報知してもよい。もちろん、S2102において、常に、作業者と管理者へ電子メールを送信してもよい。
【0139】
ここで、実施の形態2に係る物品管理システムのS2103おける所在の確認の仕方を説明する。実施の形態2に係る物品管理システムの制御部16が直接的又は間接的に制御することが可能なリーダ部が、貸出返却処理エリア及び保管エリア並びに作業エリア(貸出返却処理エリア内部リーダ部9、貸出返却処理エリア入退リーダ部13、保管エリア内部リーダ部4、保管エリア入退リーダ部7、作業エリア内部リーダ部19、作業エリア入退リーダ部22を含む)に配置されているとする。制御部16が上記の各リーダ部に対して同時にRFIDタグ(物品タグ1)のID情報の読み取り動作又は順次、RFIDタグのID情報の読み取り動作を行わせることにより、物品タグの所在を確認する。ここでいう所在確認は、制御部16が直接的又は間接的に制御することが可能なリーダ部が設置されているエリアに対象の物品があるかないかを判断するものであるので、上記の「物品の所在が不明になっている内容」の電子メールは、必ずしも作業者自身や管理者自身も物品の所在が分からないということではないといえる。
【0140】
S2103の処理により所在が特定できたと判定されるとS2104に進み。S2104にて、物品の返却の有無を再度確認して返却されていない場合は、S2102へ戻り、再度、督促のために電子メールを作業者のユーザ端末18へ送る。物品の返却の有無を再度確認して返却されている場合(返却されているとみなしてもよい場合)は、エンド(終了)に移行して処理を終了させる。
【0141】
次に、図43を用いて物品の返却処理を説明する。貸出返却処理エリアへの入室処理とS2204までの処理とは、実施の形態1と同様なので(図22など)、S2204以降を説明する。S2204では、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が、認証された借方タグ2のID情報とこの借方タグ2のID情報に紐付けされた全ての物品タグ1のID情報があるかどうかを判定する。全ての物品タグ1のID情報がある場合は、そしてS2205へ進む。S2205では、制御部16が、貸出返却処理端末11を操作する作業者が所持する借方タグ2のID情報、つまり、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された借方タグ2の関連情報と貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取り認証された物品に取り付けられた物品タグ1の関連情報とのうち、「貸出・返却処理中」を否から返却処理中に変更してデータベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2及び物品タグ1の関連情報を更新(変更・追記)する。物品タグ1の関連情報の「返却日(予定)」と「作業エリア」(設定されておれば「通過エリア」も)を抹消してデータベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2及び物品タグ1の関連情報を更新(変更・追記)する。なお、抹消とは、対象の物品タグ1の関連情報としては抹消するだけで、データベースサーバ部15上の情報の履歴としては残しておいてよい。物品タグ1の関連情報の「返却日(予定)」や「作業エリア」(設定されておれば「通過エリア」も)がないことにより、図21を用いて説明した作業者や管理者へ返却を督促する電子メールを送付する処理のS2102及びS4201による作業者,管理者への無駄な返却を督促する電子メールの送信を避けることができる。さらに、S2204では、借方タグ2の認証情報に認証制限を付与する処理も行う。
【0142】
なお、S2205における借方タグ2のID情報に紐付けされた全ての物品タグ1のID情報があるかどうかを判定するとは、S2212で作業者が返却を希望するとして選択したもの全てでもよいし、S2212で作業者が返却を希望するとして選択していなくても、「貸出返却処理エリア内部リーダ部9が借方タグ2のID情報に紐付けされた物品タグ1のID情報」があれば強制的に「貸出・返却処理中」を否から返却処理中に変更してデータベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2及び物品タグ1の関連情報を更新してもよい。両方の場合を前提に説明を進める。
【0143】
このS2205の処理によって、借方タグ2の関連情報として、「貸出・返却処理中」が否から返却処理中と記憶(更新・追記)される。物品タグ1の関連情報として、「貸出・返却処理中」が否から返却処理中と記憶(更新・追記)される。同じく、S2205では、制御部16が、借方タグ2のID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグ1のID情報を貸出返却処理エリア内部リーダ部9が読み取ったときに、借方タグ2のID情報と物品タグ1のID情報との紐付けを解除してデータベースサーバ部15に記憶されている関連情報を更新(変更・追記)し、この更新によって、紐付けを解除された借方タグ2のID情報が保管エリア入退リーダ部9により読み取られると認証が可能なID情報であり、及び、貸出返却処理エリア入退リーダ部13により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、データベースサーバ部15に記憶されている借方タグ2の認証情報を変更(更新・追記)を行い、S2205からエンド(終了)に移行して処理を終了する。
【0144】
S2204にて、貸出返却処理エリア内部リーダ部9が、認証された借方タグ2のID情報とこの借方タグ2のID情報に紐付けされた全ての物品タグ1のID情報とを読み取れない場合はS2206へ進む。S2206,S2207,S2208,S2209の処理は、実施の形態1と同様なので(図22)、説明は省略する。
【0145】
S2209の処理により所在が特定できたと判定されると、S4301を行ってから、S2205(バックグランド処理として、S2210)に進む。S4301では、返却期限が過ぎている物品が作業エリアにある場合は、その作業エリアの管理者に返却を依頼する電子メールを送付する。その作業エリアが物品の使用場所として登録されていない場所であれば、物品の使用場所として登録されている作業エリアの管理者にも返却を依頼する電子メールを送付する。この場合は、物品が現在ある作業エリアも電子メールにて報知すればよい。
【0146】
貸出返却処理端末11(制御部16)のバックグランド処理としてのS2210を説明する。S2210にて、制御部16は、S2209の処理の完了後、所定時間(任意で設定可能な時間)経過後に返却期限が過ぎた物品の返却の有無を再度確認する。確認の方法は、前述のS2101と同様に、制御部16はデータベースサーバ部15の物品タグ1の関連情報である「返却日(予定)」に加え、「紐付け情報」や「貸出・返却処理中」を参照して行う。具体的には、「紐付け情報」が解除されている場合や「貸出・返却処理中」が返却処理中となっている場合であれば、返却が終了したと判断する。これは厳密には、返却処理中のため、作業者が貸出返却処理エリア又は保管エリア内で物品を運んでいる最中である場合も含む。作業者が貸出返却処理エリア又は保管エリア内で物品を運んでいる最中であっても、返却処理が開始されると終了するまでは貸出返却処理エリアから退室できないので、返却が終了したとみなしても支障がないからであるからである。
【0147】
S2210にて、物品の返却の有無を再度確認して返却されていない場合は、S4302を経由して図42に記載のS4302へ進み、再度、督促のために電子メールを作業者のユーザ端末18へ送る。物品の返却の有無を再度確認して返却されている場合(返却されているとみなしてもよい場合)は、エンド(終了)に移行して処理を終了させる。S2208(S2102)においては、督促のための電子メールを返却期限が過ぎた物品(物品タグ1)を対象にしているが、関連情報へ追記された返却期限が日付で定義されるものであって、制御部16が関連情報へ追記された返却期限の前日までに、メールサーバ17を介して電子メールを事前報知として送信してもよい。この場合でも、S2102以降の処理を行ってもよい。これらは図42を用いた説明と同様である。また、管理者への電子メール発信も同様である。
【0148】
返却処理における保管エリアへの入室・退室、その後の貸出返却処理エリアから退室の処理は実施の形態1と同様なので説明は省略する。
【0149】
このように説明したとおり、実施の形態2に係る物品管理システム(物品管理方法)は、計測器などの物品が保管された保管エリアへの自由な立入りを制限と保管エリアを包含する貸出返却処理エリアへの自由な立入りを制限とを貸出処理や返却処理の各ステップに応じて変更することが容易なので、立入りを制限が設定されているにも関わらず、作業者にストレスを感じさせずに、物品の管理や貸出・返却が行えるだけでなく、作業者の過失による物品の紛失の可能性を減じることができるという効果を奏する。また、確実に保管エリア(貸出返却処理エリア)から持ち出し、確実に物品(物品タグ1)が存在する可能性があるエリア(実施の形態2で説明した三つの「作業エリア」も含む)に持ち込んだという履歴がデータベースサーバ部15から読み取る制御部16を備えているので、どこに、誰が、何を、いつ持出/持込したのかを把握することと、確実に返却させるための借方タグ1を持つ作業者への返却通達を実施することができるという効果を奏する。さらに、物品タグ1と物品を持出/持込する作業者の情報を記録した借方タグ2を備えているので、物品タグ1と借方タグ2を読取、持ち出す物品を管理し、保管エリア(貸出返却処理エリア)から持ち出し、確実に物品(物品タグ1)が存在する可能性があるエリア(実施の形態2で説明した三つの「作業エリア」も含む)に持ち込んだという履歴を物品ごとに管理できるという効果を奏する。また、各エリアの情報を集約するとどこに、誰が、何を、いつ持出/持込したのかを把握することができるという効果を奏する。
【符号の説明】
【0150】
1・・物品タグ、2・・借方タグ、3・・台車、4・・保管エリア内部リーダ部、5・・アンテナ部、6・・保管エリア仕切り手段(扉)、7・・保管エリア入退リーダ部、7a・・報知部、8・・アンテナ部、9・・貸出返却処理エリア内部リーダ部、10・・アンテナ部、11・・貸出返却処理端末(貸出返却登録端末)、12・・貸出返却処理エリア仕切り手段(扉)、13・・貸出返却処理エリア入退リーダ部、13a・・報知部、14・・アンテナ部、15・・データベースサーバ部、16・・制御部、17・・メールサーバ、18・・ユーザ端末、19・・作業エリア内部リーダ部、19a・・作業エリア内部リーダ部、19b・・作業エリア内部リーダ部、19c・・作業エリア内部リーダ部、20・・アンテナ部、20a・・アンテナ部、20b・・アンテナ部、20c・・アンテナ部、21・・作業エリア仕切り手段(フラッパーゲート)、21a・・作業エリア仕切り手段(フラッパーゲート)、21b・・作業エリア仕切り手段(フラッパーゲート)、21c・・作業エリア仕切り手段(フラッパーゲート)、22・・作業エリア入退リーダ部(フラッパーゲート)、22a・・作業エリア入退リーダ部(フラッパーゲート)、22b・・作業エリア入退リーダ部(フラッパーゲート)、22c・・作業エリア入退リーダ部(フラッパーゲート)、21d・・報知部、23・・アンテナ部、23a・・アンテナ部、23b・・アンテナ部、23c・・アンテナ部、24・・ユーザ端末。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品が保管された保管エリアを包含する貸出返却処理エリア内で、前記保管エリアに保管された物品ごとに取り付けられたRFIDタグである物品タグのID情報とRFIDタグである借方タグのID情報とを紐付けて、物品を前記貸出返却エリアの外部に持ち出し可能とする貸出処理を行ったのちに、借方タグのID情報と物品タグのID情報との紐付けを解除して、物品を前記保管エリアに返却するための返却処理を行う物品管理システムであって、
前記保管エリア内のRFIDタグのID情報を読み取る保管エリア内部リーダ部と、前記保管エリアと前記貸出返却処理エリアとを仕切る保管エリア仕切り手段と、RFIDタグのID情報を読み取って、そのID情報が認証されたときに前記保管エリア仕切り手段を開錠させて前記保管エリア仕切り手段を進入又は退出が可能な状態にする保管エリア入退リーダ部と、前記貸出返却処理エリア内のRFIDタグのID情報を読み取る貸出返却処理エリア内部リーダ部と、前記貸出返却処理エリアと外部とを仕切る貸出返却処理エリア仕切り手段と、RFIDタグのID情報を読み取って、そのID情報が認証されたときに前記貸出返却処理エリア仕切り手段を開錠させて前記貸出返却処理エリア仕切り手段を進入又は退出が可能な状態にする貸出返却処理エリア入退リーダ部と、借方タグのID情報、物品タグのID情報、借方タグのID情報と物品タグのID情報との紐付けの有無を示す関連情報、借方タグのID情報の認証が可能か不可能かを示す認証情報を記憶するデータベースサーバ部と、このデータベースサーバ部に記憶された各情報に基づいて、前記保管エリア内部リーダ部、前記保管エリア入退リーダ部、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部、前記貸出返却処理エリア入退リーダ部が読み取ったRFIDタグのID情報を認証が可能か不可能かを判定する機能、及び、前記データベースサーバ部に記憶された各情報を変更する機能を有する制御部と、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取った借方タグのID情報が前記制御部により認証されたとき、その借方タグのID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧又は前記保管エリア内に保管された物品の一覧の少なくとも一方を表示する表示部を有し、表示された物品の一覧から物品を選択することが可能な入力部を有する貸出返却処理端末とを備え、
前記貸出返却処理端末の入力部に、前記保管エリア内に保管された物品の一覧から物品を選択する入力があった場合は、
前記制御部が、前記保管エリア内の物品のうち、選択された物品に取り付けられた物品タグのID情報と前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取り認証された借方タグのID情報とを紐付けて前記データベースサーバ部に記憶されている前記関連情報を更新し、前記認証された借方タグのID情報が、前記保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が可能なID情報であり、及び、前記貸出返却処理エリア入退リーダ部により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、前記データベースサーバ部に記憶されている前記認証情報を変更したのちに、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が、前記認証された借方タグのID情報とこの借方タグのID情報に紐付けされた全ての物品タグのID情報とを読み取ったときに、読み取られたID情報のうち、借方タグのID情報に対して、前記貸出返却処理エリア入退リーダ部により読み取られると認証が可能なID情報であり、前記保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、前記データベースサーバ部に記憶されている前記認証情報を変更しておく貸出処理を行うものであることを特徴とし、
前記貸出返却処理端末の入力部に、借方タグのID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧から物品を選択する入力があった場合は、
前記制御部が、借方タグのID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグのID情報を前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取ったときに、借方タグのID情報と物品タグのID情報との紐付けを解除して前記データベースサーバ部に記憶されている前記関連情報を更新し、この更新によって、紐付けを解除された借方タグのID情報が前記保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が可能なID情報であり、及び、前記貸出返却処理エリア入退リーダ部により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、前記データベースサーバ部に記憶されている前記認証情報を変更したのちに、その前記認証情報が変更された借方タグが前記保管エリア入退リーダ部により読み取られ、前記保管エリアから退出する認証が可能と判定してから、前記保管エリア内部リーダ部が、紐付けを解除された物品タグのID情報を読み取ったときに、紐付けを解除された借方タグのID情報が前記保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が不可能なID情報であり、及び、前記貸出返却処理エリア入退リーダ部により読み取られると認証が可能なID情報であると判定するように、前記データベースサーバ部に記憶されている前記認証情報を変更しておく返却処理を行うものであることを特徴とする物品管理システム。
【請求項2】
前記貸出返却処理端末の表示部は、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取った借方タグのID情報が前記制御部により認証されたとき、その借方タグのID情報と紐付けられたID情報がある場合は、そのID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧のみを表示するもの、又は、そのID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧のみを選択可能にするものである請求項1に記載の物品管理システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の物品管理システムは、前記制御部が電子メールサーバに接続され、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取った借方タグのID情報が前記制御部により認証され、前記貸出返却処理端末の入力部に、前記保管エリア内に保管された物品の一覧から物品を選択する入力があった場合、選択された物品の返却期限を入力する旨の表示を前記貸出返却処理端末の表示部し、前記前記貸出返却処理端末の入力部を介して、前記物品の返却期限を入力可能とし、前記前記貸出返却処理端末の入力部に入力された返却期限を前記制御部が前記データベースサーバ部に記憶される前記関連情報へ追記することを特徴とする物品管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の物品管理システムは、前記貸出返却処理端末の入力部に、借方タグのID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧から物品を選択する入力があった場合、前記制御部が、借方タグのID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグのID情報を前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取ったときに、借方タグのID情報と物品タグのID情報との紐付けを解除して前記データベースサーバ部に記憶されている前記関連情報を更新し、前記関連情報に追記された返却期限を抹消することを特徴とする物品管理システム。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の物品管理システムは、前記関連情報へ追記された返却期限が日付で定義されるものであって、前記制御部が前記関連情報へ追記された返却期限の前日までに、前記電子メールサーバを介してメールを送信することを特徴とする物品管理システム。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれかに記載の物品管理システムは、前記関連情報へ追記された返却期限が日付で定義されるものであって、前記制御部が前記関連情報へ追記された返却期限の当日以降に、前記電子メールサーバを介してメールを送信することを特徴とする物品管理システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の物品管理システムは、物品を持ち出す外部に貸出先エリアが存在するものであって、前記制御部に制御され、前記貸出先エリア内のRFIDタグのID情報を読み取る貸出先エリア内部リーダ部と、前記貸出先エリアと外部とを仕切る貸出先エリア仕切り手段と、前記制御部に制御され、RFIDタグのID情報を読み取って、そのID情報が認証されたときに前記貸出先エリア仕切り手段を開錠させて前記貸出先エリア仕切り手段を進入又は退出が可能な状態にする貸出先エリア入退リーダ部とを備えたことを特徴とする物品管理システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記保管エリア内部リーダ部、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部、前記貸出先エリア内部リーダ部に対して同時にRFIDタグのID情報の読み取り動作又は順次、RFIDタグのID情報の読み取り動作を行わせる請求項7に記載の物品管理システム。
【請求項1】
物品が保管された保管エリアを包含する貸出返却処理エリア内で、前記保管エリアに保管された物品ごとに取り付けられたRFIDタグである物品タグのID情報とRFIDタグである借方タグのID情報とを紐付けて、物品を前記貸出返却エリアの外部に持ち出し可能とする貸出処理を行ったのちに、借方タグのID情報と物品タグのID情報との紐付けを解除して、物品を前記保管エリアに返却するための返却処理を行う物品管理システムであって、
前記保管エリア内のRFIDタグのID情報を読み取る保管エリア内部リーダ部と、前記保管エリアと前記貸出返却処理エリアとを仕切る保管エリア仕切り手段と、RFIDタグのID情報を読み取って、そのID情報が認証されたときに前記保管エリア仕切り手段を開錠させて前記保管エリア仕切り手段を進入又は退出が可能な状態にする保管エリア入退リーダ部と、前記貸出返却処理エリア内のRFIDタグのID情報を読み取る貸出返却処理エリア内部リーダ部と、前記貸出返却処理エリアと外部とを仕切る貸出返却処理エリア仕切り手段と、RFIDタグのID情報を読み取って、そのID情報が認証されたときに前記貸出返却処理エリア仕切り手段を開錠させて前記貸出返却処理エリア仕切り手段を進入又は退出が可能な状態にする貸出返却処理エリア入退リーダ部と、借方タグのID情報、物品タグのID情報、借方タグのID情報と物品タグのID情報との紐付けの有無を示す関連情報、借方タグのID情報の認証が可能か不可能かを示す認証情報を記憶するデータベースサーバ部と、このデータベースサーバ部に記憶された各情報に基づいて、前記保管エリア内部リーダ部、前記保管エリア入退リーダ部、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部、前記貸出返却処理エリア入退リーダ部が読み取ったRFIDタグのID情報を認証が可能か不可能かを判定する機能、及び、前記データベースサーバ部に記憶された各情報を変更する機能を有する制御部と、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取った借方タグのID情報が前記制御部により認証されたとき、その借方タグのID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧又は前記保管エリア内に保管された物品の一覧の少なくとも一方を表示する表示部を有し、表示された物品の一覧から物品を選択することが可能な入力部を有する貸出返却処理端末とを備え、
前記貸出返却処理端末の入力部に、前記保管エリア内に保管された物品の一覧から物品を選択する入力があった場合は、
前記制御部が、前記保管エリア内の物品のうち、選択された物品に取り付けられた物品タグのID情報と前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取り認証された借方タグのID情報とを紐付けて前記データベースサーバ部に記憶されている前記関連情報を更新し、前記認証された借方タグのID情報が、前記保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が可能なID情報であり、及び、前記貸出返却処理エリア入退リーダ部により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、前記データベースサーバ部に記憶されている前記認証情報を変更したのちに、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が、前記認証された借方タグのID情報とこの借方タグのID情報に紐付けされた全ての物品タグのID情報とを読み取ったときに、読み取られたID情報のうち、借方タグのID情報に対して、前記貸出返却処理エリア入退リーダ部により読み取られると認証が可能なID情報であり、前記保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、前記データベースサーバ部に記憶されている前記認証情報を変更しておく貸出処理を行うものであることを特徴とし、
前記貸出返却処理端末の入力部に、借方タグのID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧から物品を選択する入力があった場合は、
前記制御部が、借方タグのID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグのID情報を前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取ったときに、借方タグのID情報と物品タグのID情報との紐付けを解除して前記データベースサーバ部に記憶されている前記関連情報を更新し、この更新によって、紐付けを解除された借方タグのID情報が前記保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が可能なID情報であり、及び、前記貸出返却処理エリア入退リーダ部により読み取られると認証が不可能なID情報であると判定するように、前記データベースサーバ部に記憶されている前記認証情報を変更したのちに、その前記認証情報が変更された借方タグが前記保管エリア入退リーダ部により読み取られ、前記保管エリアから退出する認証が可能と判定してから、前記保管エリア内部リーダ部が、紐付けを解除された物品タグのID情報を読み取ったときに、紐付けを解除された借方タグのID情報が前記保管エリア入退リーダ部により読み取られると認証が不可能なID情報であり、及び、前記貸出返却処理エリア入退リーダ部により読み取られると認証が可能なID情報であると判定するように、前記データベースサーバ部に記憶されている前記認証情報を変更しておく返却処理を行うものであることを特徴とする物品管理システム。
【請求項2】
前記貸出返却処理端末の表示部は、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取った借方タグのID情報が前記制御部により認証されたとき、その借方タグのID情報と紐付けられたID情報がある場合は、そのID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧のみを表示するもの、又は、そのID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧のみを選択可能にするものである請求項1に記載の物品管理システム。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の物品管理システムは、前記制御部が電子メールサーバに接続され、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取った借方タグのID情報が前記制御部により認証され、前記貸出返却処理端末の入力部に、前記保管エリア内に保管された物品の一覧から物品を選択する入力があった場合、選択された物品の返却期限を入力する旨の表示を前記貸出返却処理端末の表示部し、前記前記貸出返却処理端末の入力部を介して、前記物品の返却期限を入力可能とし、前記前記貸出返却処理端末の入力部に入力された返却期限を前記制御部が前記データベースサーバ部に記憶される前記関連情報へ追記することを特徴とする物品管理システム。
【請求項4】
請求項3に記載の物品管理システムは、前記貸出返却処理端末の入力部に、借方タグのID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグが取り付けられた物品の一覧から物品を選択する入力があった場合、前記制御部が、借方タグのID情報と紐付けられたID情報を有する物品タグのID情報を前記貸出返却処理エリア内部リーダ部が読み取ったときに、借方タグのID情報と物品タグのID情報との紐付けを解除して前記データベースサーバ部に記憶されている前記関連情報を更新し、前記関連情報に追記された返却期限を抹消することを特徴とする物品管理システム。
【請求項5】
請求項3又は4に記載の物品管理システムは、前記関連情報へ追記された返却期限が日付で定義されるものであって、前記制御部が前記関連情報へ追記された返却期限の前日までに、前記電子メールサーバを介してメールを送信することを特徴とする物品管理システム。
【請求項6】
請求項3〜5のいずれかに記載の物品管理システムは、前記関連情報へ追記された返却期限が日付で定義されるものであって、前記制御部が前記関連情報へ追記された返却期限の当日以降に、前記電子メールサーバを介してメールを送信することを特徴とする物品管理システム。
【請求項7】
請求項1〜6のいずれかに記載の物品管理システムは、物品を持ち出す外部に貸出先エリアが存在するものであって、前記制御部に制御され、前記貸出先エリア内のRFIDタグのID情報を読み取る貸出先エリア内部リーダ部と、前記貸出先エリアと外部とを仕切る貸出先エリア仕切り手段と、前記制御部に制御され、RFIDタグのID情報を読み取って、そのID情報が認証されたときに前記貸出先エリア仕切り手段を開錠させて前記貸出先エリア仕切り手段を進入又は退出が可能な状態にする貸出先エリア入退リーダ部とを備えたことを特徴とする物品管理システム。
【請求項8】
前記制御部は、前記保管エリア内部リーダ部、前記貸出返却処理エリア内部リーダ部、前記貸出先エリア内部リーダ部に対して同時にRFIDタグのID情報の読み取り動作又は順次、RFIDタグのID情報の読み取り動作を行わせる請求項7に記載の物品管理システム。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図21】
【図22】
【図23】
【図24】
【図25】
【図26】
【図27】
【図28】
【図29】
【図30】
【図31】
【図32】
【図33】
【図34】
【図35】
【図36】
【図37】
【図38】
【図39】
【図40】
【図41】
【図42】
【図43】
【公開番号】特開2012−184107(P2012−184107A)
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−50336(P2011−50336)
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成24年9月27日(2012.9.27)
【国際特許分類】
【出願日】平成23年3月8日(2011.3.8)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】
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