説明

物品管理装置および物品管理方法

【課題】ヒューマンエラーを防止してバーコードと非接触IC媒体Tの紐付けの正確性を向上できる物品管理装置1を提供し、簡便で確実な物品管理を実現する。
【解決手段】制御部21は、撮影部12で取得した撮影画像PからバーコードB1画像を取得するバーコード画像取得処理と、該バーコードB1画像からバーコード情報を読取るステップS11〜S16と、該バーコード情報をリライタブルシート31の非接触ICタグT2のUIDと紐付けしてリライタブルシート31の非接触ICタグT2と記憶部16との少なくとも一方に記憶させるステップS5,S7と、前記バーコードB1画像を前記リライタブルシート31の表面32に印刷部18により印刷して作業指図書30を発行するステップS9とを実行する構成とした。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、例えば工場内や物流現場などで物品を管理するような物品管理装置および物品管理方法に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、物品管理に用いられるシステムは、バーコードまたは非接触IC媒体が用いられている。近年は、記憶できる情報量が多く非接触通信が可能な非接触IC媒体の利用が増加してきている。
【0003】
工場など事業所内での物品の管理を非接触IC媒体に統一する場合、外部からくる物品にバーコード伝票が貼り付けられていれば、このバーコード伝票を非接触IC媒体伝票に変換することが必要である。
【0004】
バーコード伝票の情報を非接触IC媒体伝票に書き込むものとして、検品・仕分けシステムが提案されている(特許文献1参照)。このシステムは、物品に貼り付けられたバーコード伝票を読み取り、この情報に基づいて必要な出荷情報を非接触IC媒体へ書き込むものである。このバーコード伝票の読み取りと非接触IC媒体への書き込みは、コンベアで搬送される搬送経路上で順次実行される。
【0005】
しかし、この検品・仕分けシステムは、搬送経路上でバーコード伝票の読み取りと非接触IC媒体への書き込みを行うため、装置が大型化するという問題点がある。また、この検品・仕分けシステムは、搬送経路の上から記号読取装置が物品の上面のバーコード伝票を読取る構成である。このため、横倒し禁止の物品でバーコード伝票が側面に貼り付けられているような場合に、バーコード伝票を正常に読取れないという問題点がある。
【0006】
一方、このような問題が生じないようにする方法として、作業員によりバーコード伝票の情報を非接触IC媒体伝票に変換する方法が考えられる。この変換の方法として、物品からバーコード伝票を分離可能な場合と、物品からバーコード伝票を分離不可能な場合とで2通りの方法が考えられる。
【0007】
まず、バーコード伝票を物品から分離可能な場合であれば、非接触IC媒体タグ搭載のクリアポケットを用意し、このクリアポケットにバーコード伝票を挟み込むことが考えられる。この場合、挟み込み後にバーコード情報と非接触IC情報を読み取り、バーコード情報と非接触IC媒体情報とを紐付けするとよい。
【0008】
また、バーコード伝票を物品から分離不可能な場合であれば、バーコード伝票をハンディスキャナ等で読み取ってこの内容を複製した新たなバーコード伝票を作成し、このバーコード伝票を前述の非接触IC媒体搭載のクリアポケットに挟み込むことが考えられる。この場合も、挟み込み後にバーコード情報と非接触IC情報を読み取り、バーコード情報と非接触IC情報とを紐付けするとよい。
このように作業員が行えば、バーコード伝票が物品の側面にあっても問題なく読取れ、また装置も大型化しないというメリットが得られる。
【0009】
しかし、このように非接触IC媒体搭載のクリアポケットを用いる方法では、挟み込むべきバーコード伝票を別のものと取り違えるという作業ミスが発生し得るという問題がある。また、非接触IC媒体搭載のクリアポケットにバーコード伝票を正しく挟み込んでも、貼り付ける物品を間違え得るという問題もある。このため、物品管理の確実性が低くなる問題がある。
【特許文献1】特許第3050221号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0010】
この発明は、上述した問題に鑑み、ヒューマンエラーを防止してバーコードと非接触IC媒体の紐付けの正確性を向上できる物品管理装置および物品管理方法を提供し、簡便で確実な物品管理を実現することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0011】
この発明は、物品の画像を取得する画像取得手段と、各種データを記憶する記憶手段と、非接触IC媒体部と印刷可能面とを有する情報記憶印刷媒体に対して前記非接触IC媒体部の非接触IC情報の読み書きを行う非接触ICリーダライタ部および前記印刷可能面の印刷を行う印刷部を有する印刷媒体発行手段と、これらを制御する制御手段とを備え、前記制御手段は、前記画像取得手段で取得した画像からバーコード画像を取得するバーコード画像取得処理と、該バーコード画像からバーコード情報を読取るバーコード読取処理と、該バーコード情報を前記情報記憶印刷媒体の非接触IC情報と紐付けして前記情報記憶印刷媒体の非接触IC媒体部と前記記憶手段との少なくとも一方に記憶させる紐付け記憶処理と、前記バーコード画像を前記情報記憶印刷媒体の印刷可能面に前記印刷媒体発行手段の印刷部により印刷して該情報記憶印刷媒体を発行する発行処理とを実行する構成とした物品管理装置であることを特徴とする。
【0012】
前記物品の画像は、受け入れた物品を撮影した二次元の撮影画像で構成することができ、カラー画像、グレースケール画像、または2値画像等で構成することができる。
【0013】
前記画像取得手段は、CMOSカメラ、またはCCDカメラ等、撮影画像を取得する適宜の手段で構成することができる。
前記非接触IC媒体部は、アクティブタグやパッシブタグ等、適宜の非接触IC媒体で構成することができる。
【0014】
前記印刷可能面は、熱によって発色し印字および消去が可能なリライタブルシート素材、あるいは塗料を塗布できる紙等の素材など、文字や模様を印刷可能な適宜の素材で構成することができる。
【0015】
前記情報記憶印刷媒体は、非接触IC媒体が装着されたリライタブルシート、あるいは非接触IC媒体が装着された紙など、情報の読み書きと文字や模様の印刷が可能な媒体で構成することができる。
【0016】
前記印刷部は、熱によりリライタブルシートに発色させるサーマル方式印字部、あるいは塗料を噴射するインクヘッド部等、文字や模様を印刷する適宜の装置で構成することができる。
【0017】
前記印刷媒体発行手段は、スタックされた情報記憶印刷媒体に対して前記非接触ICリーダライタ部による情報の読み書きや前記印刷部によって印刷を施して発行する適宜の装置で構成することができる。
【0018】
前記バーコード画像は、一次元バーコードの画像や二次元バーコードの画像など、適宜のバーコードの画像とすることができる。
【0019】
前記バーコード画像取得処理は、テンプレートマッチング手法とモデルフィッティング手法とを利用して撮影画像からバーコード画像を抜き取る処理など、撮影画像からバーコード画像を取得する適宜の処理とすることができる。
【0020】
前記紐付け記憶処理は、前記バーコード情報と非接触IC媒体とを適宜のIDで紐付けして記憶する処理とすることができる。例えば前記記憶手段に記憶する場合は、前記非接触IC媒体のIDと、前記バーコード情報とを一緒にまたは関連付けて記憶しておくことができる。また、例えば前記情報記憶印刷媒体の非接触IC媒体部に記憶する場合は、該非接触IC媒体部にバーコード情報を記憶することで該非接触IC媒体部のIDとバーコード情報とを紐付けして記憶しておくことができる。
【0021】
この発明により、ヒューマンエラーを防止してバーコードと非接触IC媒体の紐付けの正確性を向上することができ、簡便で確実な物品管理を実現することができる。
【0022】
この発明の態様として、前記バーコード画像取得処理は、前記画像にバーコードが複数存在すれば全てのバーコード画像を抽出する構成とし、前記発行処理は、該複数のバーコード画像を1つの情報記憶印刷媒体に印刷する構成とすることができる。
これにより、複数のバーコードを取り扱うことができ、処理できる情報量を増加させることができる。
【0023】
またこの発明の態様として、前記記憶手段は、バーコードの傾きの異なる複数のテンプレートをバーコードの種類別に記憶する構成とし、前記バーコード画像取得処理は、前記画像中のバーコードを前記テンプレートと比較して傾きを検知し、前記画像中のバーコードが正面向きでない場合にこの傾きを正して正面向きのバーコード画像に変換する構成とし、前記発行処理は、前記変換後の正面向きバーコード画像を印刷する構成とすることができる。
【0024】
前記テンプレートは、バーコードを認識するためのテンプレート、あるいはバーコードを含めて伝票を認識するためのテンプレートとすることができ、例えばバーコードや伝票の特徴データまたは画像データ等、適宜のデータで構成することができる。
【0025】
この態様により、撮影画像に写っているバーコードが傾いていても、正しい向きに補正したバーコード画像を情報記憶印刷媒体に印刷することができる。
【0026】
またこの発明の態様として、前記物品に備えられた物品用非接触IC媒体と非接触通信して非接触IC情報を読み書きする物品用非接触ICリーダライタを備え、前記制御手段は、前記バーコード画像取得処理とともに、前記物品用非接触ICリーダライタにより物品用非接触IC媒体と非接触通信する非接触IC通信処理を1つの物品に対して実行する構成とし、前記物品用非接触ICリーダライタにより物品用非接触IC媒体と通信できなかった場合に、前記バーコード画像取得処理、前記バーコード読取処理、前記紐付け記憶処理、および前記発行処理を実行する構成とし、前記物品用非接触ICリーダライタにより物品用非接触IC媒体と通信できた場合に、前記物品用非接触ICリーダライタにより前記物品用非接触IC媒体から読取った物品用非接触IC情報を前記記憶手段に記憶する物品用非接触IC情報記憶処理を実行する構成とすることができる。
【0027】
前記物品用非接触IC媒体は、物品にもともと付されている非接触IC媒体であり、アクティブタグやパッシブタグ等、適宜の非接触IC媒体で構成することができる。
【0028】
前記非接触IC通信処理は、物品用非接触IC媒体のデータを読み取る処理、物品用非接触IC媒体に対して問い合わせ(ポーリング)を行う処理、あるいは物品用非接触IC媒体にデータを書き込む処理など、適宜の処理とすることができる。
【0029】
この態様により、非接触IC媒体が付されている物品は、この非接触IC媒体を利用して物品管理を行うことができ、非接触IC媒体が付されていない物品は、非接触IC媒体部を有する情報記憶印刷媒体を用いて物品を管理することができる。
【0030】
この発明の態様として、前記制御手段を、前記物品用非接触ICリーダライタにより物品用非接触IC媒体と通信できた場合に、前記バーコード画像取得処理でバーコード画像を取得できれば、前記バーコード読取処理、および前記紐付け記憶処理を実行する構成とすることができる。
【0031】
これにより、バーコードと非接触IC媒体の両方が付されている物品を受け入れた場合に、バーコードと非接触IC媒体の両方の情報を取得して物品管理することができる。
【0032】
またこの発明の態様として、前記バーコード画像取得処理は、前記テンプレートを利用してバーコードの種類も認識する構成とすることができる。
この態様により、バーコードの種類を認識して正確にバーコード情報を読み取ることができる。
【0033】
またこの発明の態様として、前記制御手段は、前記画像取得手段で取得した画像から前記バーコード画像と異なる伝票関係画像を取得する伝票関係画像取得処理と、該伝票関係画像を複数取得した場合にこれらをまとめて1つの目視用画像とする目視用画像作成処理とを実行する構成とし、前記発行処理は、前記目視用画像を前記情報記憶印刷媒体の印刷可能面に印刷する構成とすることができる。
【0034】
前記伝票関係画像は、品名、型式、ロット、数量、またはこれらの複数が文字により表示されている伝票関係の画像とすることができる。
前記伝票関係画像取得処理は、テンプレートマッチング手法とモデルフィッティング手法とを利用して撮影画像から伝票関係画像を抜き取る処理など、撮影画像から伝票関係画像を取得する適宜の処理とすることができる。
【0035】
前記目視用画像作成処理は、複数の伝票関係画像についてそれぞれ傾きを正して正面向きにした上で並べて作成するあるいは結合して作成するなど、適宜の方法により構成することができる。
【0036】
この態様により、どの物品に付する情報記憶印刷媒体であるかを目視用画像にて利用者に明確に認識させることができ、添付間違いなどのヒューマンエラーを防止できる。
【0037】
またこの発明の態様として、前記制御手段は、前記伝票関係画像から前記物品に関する物品情報を文字認識する物品情報取得処理を実行する構成とし、前記紐付け記憶処理は、前記物品情報を記憶する構成とすることができる。
【0038】
前記物品情報取得処理は、前記伝票関係画像から文字情報を認識する処理とすることができ、OCR(Optical Character Reader)と呼ばれるソフトウェアで構成することができる。
この態様により、伝票関係画像からも物品の情報を取得することができ、取得できる情報量を高めることができる。
【0039】
またこの発明の態様として、前記物品を検品した検品情報を入力する操作入力手段を備えることができる。
前記検品情報は、検品OKと検品NG、または品質レベルなど、検品結果を示す適宜の情報とすることができる。
【0040】
前記操作入力手段は、押下ボタンやタッチパネルモニタなど、入力を実行できる適宜の手段で構成することができる。
この態様により、物品を受け入れる際の検品情報を得ることができ、物品管理をさらに効率よく適切に行うことができる。
【0041】
またこの発明は、物品の画像を取得する画像取得手段と、各種データを記憶する記憶手段と、非接触IC媒体部と印刷可能面とを有する情報記憶印刷媒体に対して前記非接触IC媒体部の非接触IC情報の読み書きを行う非接触ICリーダライタ部および前記印刷可能面の印刷を行う印刷部を有する印刷媒体発行手段と、これらを制御する制御手段とを備えた物品管理装置により物品を管理する物品管理方法であって、前記制御手段により、前記画像取得手段で取得した画像からバーコード画像を取得するバーコード画像取得処理と、該バーコード画像からバーコード情報を読取るバーコード読取処理と、該バーコード情報を前記情報記憶印刷媒体の非接触IC情報と紐付けして前記情報記憶印刷媒体の非接触IC媒体部と前記記憶手段との少なくとも一方に記憶させる紐付け記憶処理と、前記バーコード画像を前記情報記憶印刷媒体の印刷可能面に前記印刷媒体発行手段の印刷部により印刷して該情報記憶印刷媒体を発行する発行処理とを実行する物品管理方法とすることができる。
【0042】
これにより、作業員に容易な操作で物品を受け入れさせることができ、ヒューマンエラーの発生を防止できる。
【発明の効果】
【0043】
この発明により、ヒューマンエラーを防止してバーコードと非接触IC媒体の紐付けの正確性を向上でき、簡便で確実な物品管理を実現することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
この発明の一実施形態を以下図面と共に説明する。
図1は、物品管理装置1の構成を説明する説明図であり、図2は物品管理装置1の構成を示すブロック図である。
【0045】
物品管理装置1は、ハンディターミナル11と、非接触ICリーダライタ14と、PC(パーソナルコンピュータ)15と、リライタブルプリンタ17とを備えている。
【0046】
ハンディターミナル11は、撮影により二次元画像である撮影画像P(Pa,Pb)を取得する撮影部12と、作業員による操作入力を受け付ける操作部13とを備えており、PC15とUSBケーブルなどの適宜の信号線で接続されている。撮影部12は、CMOSなどの画像取得装置で構成され、操作部13は押下ボタンなどの入力装置で構成されている。このハンディターミナル11は、操作部13の操作入力に従って撮影部12で撮影を行い、取得した撮影画像をPC15に送信する。このとき撮影した撮影画像Pには、物品Aに貼り付けられたバーコードB1の画像イメージ、品名Cの画像イメージ、伝票Dの画像イメージ等が含まれている。
【0047】
非接触ICリーダライタ14は、略板形状に形成されており、その上方全体の一定高さまでが通信エリアとなっている。この非接触ICリーダライタ14は、適宜の信号線で接続されたPC15からの制御信号に従って、上面に載置された物品Aに貼り付けられている非接触ICタグT1と非接触通信を行う。非接触ICリーダライタ14は、PC15の制御信号に従った非接触通信として、非接触ICタグT1の存在を問い合わせるポーリング処理、非接触ICタグに記憶されているデータを読み取る読取処理、および非接触ICタグにデータを書き込む書込処理を実行する。
【0048】
PC15は、ハードディスク等で構成される記憶部16、キーボードやマウス等で構成される入力操作部、CRTディスプレイ等の表示部20、USBコネクタ等の外部機器接続インターフェース、および制御部21等、適宜の装置が備えられている。このPC15の制御部21は、物品管理装置1全体の制御部21として機能し、ハンディターミナル11から撮影画像Pを受け取る処理、非接触ICリーダライタ14に制御信号を送信して非接触ICタグT1のタグデータを読み書きする処理、およびリライタブルプリンタ17に制御信号を送信して印刷処理および非接触IC部との非接触通信処理を実行する。
【0049】
リライタブルプリンタ17は、リライタブルシート31の表面32に書き換え可能な染料で印刷を行う印刷部18、およびリライタブルシート31に設けられた非接触ICタグT2と非接触通信してデータを読み書きする非接触ICリーダライタ部19を有している。印刷部18は、リライタブルシート31に印刷を行う際、品名イメージ33の印刷、バーコードイメージB2の印刷、およびその他のデータの印刷を行う。
【0050】
制御部21は、PC15に設けられたCPUとROMとRAMとで構成されており、ROMに記憶されたプログラムに従って起動し、記憶部16に記憶されているプログラムをRAMに展開し、このプログラムに従ってCPUが各種装置の制御処理および演算処理を実行する。
【0051】
演算処理としては、ハンディターミナル11の撮影部12から取得した撮影画像Pから伝票Dや品名CやバーコードB1をテンプレートマッチング手法およびモデルフィッティング手法によって認識し、さらにバーコードB1のデータを読み取るバーコード読取処理等がある。
【0052】
また、制御処理としては、物品Aの受け入れ時に実行する物品受入処理、およびリライタブルシート31の発行時に実行するリライタブルシート発行処理等がある。物品受入処理では、前記バーコード読取処理に加えて、非接触ICリーダライタ14を通じて物品Aの非接触ICタグT1とデータの送受信をする受入時非接触通信処理を行う。リライタブルシート発行処理では、印刷部18を通じてリライタブルシート31に印刷する発行時印刷処理、および、非接触ICリーダライタ部19を通じてリライタブルシート31の非接触ICタグT2とデータを送受信する発行時非接触通信処理を行う。
【0053】
この構成により、物品管理装置1は、受け入れた物品AにバーコードB1や非接触ICタグT1が付されている場合にこれらのデータを読み取り、施設内での物品管理に適したリライタブルシート31にバーコードイメージB2等を印刷すると共に非接触ICタグT2と物品Aを紐付けすることができる。
【0054】
なお、PC15と、ハンディターミナル11、非接触ICリーダライタ14、およびリライタブルプリンタ17との接続は、信号線によるものに限らず、無線通信による接続でもよい。
【0055】
図3は、記憶部16に記憶するデータのうち、テンプレートデータ16a、物品管理データ16b、および読取データ16cの構成を説明する説明図である。
図3(A)に示すように、テンプレートデータ16aは、テンプレートナンバー、テンプレート種別、テンプレート画像1、およびテンプレート画像2等を有している。
【0056】
テンプレートナンバーは、テンプレートを示す番号であり、重複のない番号で構成されている。
テンプレート種別は、テンプレートの種別を示すデータであり、例えば伝票の種別を表している。
【0057】
テンプレート画像(テンプレート画像1、テンプレート画像2、…)は、テンプレート詳細種別に対応する各種の画像イメージ、例えばバーコードの画像イメージや品名印刷部分の画像イメージや仕様印刷部分の画像イメージ等を記憶している。このテンプレート画像には、正面対応で撮影(またはスキャニング)したイメージ画像だけでなく、傾いたイメージ画像や遠近感のあるイメージ画像など1種類のテンプレート詳細種別に対して様々な状況で撮影したイメージ画像を記憶している。
【0058】
このテンプレートデータ16aにより、撮影部12で撮影した撮影画像Pから必要部分(伝票D部分、バーコードB1部分、品名C部分、仕様部分等)をテンプレートマッチング手法で切り出すことができる。
【0059】
また、切り出した必要部分の画像からモデルフィッティング手法によってバーコードの種類(JAN、ITF、CODE39、QR等)や文字の種類(品名、仕様等)を判別することができる。また、傾きを検出することができ、この傾きを補正することで必要部分の正面向きの画像を得ることができる。
【0060】
図3(B)に示すように、物品管理データ16bは、管理ナンバー、管理UID、管理RFIDデータ、および検品データ等を有している。
管理ナンバーは、受け入れた物品Aを含めて施設内で管理する物品を管理するためのナンバーであり、重複のないユニークな番号で構成されている。
【0061】
管理UIDは、リライタブルシート31の非接触ICタグT2に付与されているUID(非接触ICタグに付与された固有の番号)であり、非接触ICタグの工場出荷時に付与されるIDである。
【0062】
管理RFIDデータは、非接触ICタグT2によって管理する物品のデータであり、品名、型式、個数等で構成されている。
検品データは、物品を受け入れた際の検品結果が記憶されており、例えば検品OK/検品NGを示す0/1が記憶されている。
【0063】
この物品管理データ16bにより、施設内で取り扱う物品全てに非接触ICタグT2を付与し、この非接触ICタグT2で管理することができる。なお、非接触ICタグT2としては、リライタブルシート31に設けられたものだけでなく、単体の非接触ICタグT2等、管理対象の物品にあわせて種々の非接触ICタグT2を用いると良い。この場合でも、各種の非接触ICタグT2のコード体系を共通にしておくことで適切に管理できる。
【0064】
図3(C)に示すように、読取データ16cは、読取ナンバー、管理UID、目視用画像、読取文字データ、バーコード画像、バーコードデータ、読取UID、および読取RFIDデータ等を有している。
【0065】
読取ナンバーは、受け入れた物品Aの撮影画像Pや非接触ICタグT1のデータを読み取る毎に追加する連番である。
管理UIDは、物品管理データ16bの管理UIDを格納している。この管理UIDにより、受け入れた物品Aに関するデータと、施設内で管理する物品管理データ16bとを紐付けしている。なお、紐付け方法はこれに限らず、たとえば物品管理データ16bに読取データ16cの読取ナンバーを記憶させ、これによって受け入れた物品Aに関するデータと、施設内で管理する物品管理データ16bとを紐付けしてもよい。
【0066】
目視用画像は、物品Aを撮影した撮影画像Pから品名部分や仕様部分の画像を目視用に抜き出して傾き補正をかけて正面向けにした画像である。具体的には、物品Aの撮影画像Pのうち品名が写っている部分や仕様が写っている部分等をテンプレートマッチング手法等により抜き出し、この抜き出した画像にモデルフィッティング手法により傾き補正をかけて正面に向け、目視用画像とすることができる。この目視用画像は、例えば品名部分の画像イメージである品名イメージ33(図1参照)など、適宜の画像とすることができる。
【0067】
読取文字データは、伝票画像DのバーコードB1以外の部分(例えば品名C画像など)からOCRによって認識した型式、ロット、数量等を示す文字データである。
【0068】
バーコード画像は、物品Aを撮影した撮影画像Pからバーコード画像部分を抜き出して傾き補正をかけて正面向けにした画像である。具体的には、物品Aの撮影画像Pのうちバーコードが写っている部分をテンプレートマッチング手法等により抜き出し、この抜き出した画像にモデルフィッティング手法により傾き補正をかけて正面に向け、バーコード画像(図1のバーコードイメージB2)とすることができる。
【0069】
バーコードデータは、前記バーコード画像から読み取った(デコードした)データである。
読取UIDは、物品Aに貼り付けられた非接触ICタグT1から読み取った非接触ICタグT1のUID(非接触ICタグに付与された固有の番号)である。
【0070】
読取RFIDデータは、物品Aに貼り付けられた非接触ICタグT1から読み取ったデータである。このデータには、品名、型式、仕様、数量等、適宜の情報が含まれている。
【0071】
この読取データ16cにより、物品Aの受け入れ時に、該物品Aに既に付与されている適宜の情報を記憶しておくことができる。すなわち、バーコードB1が貼り付けられていれば、このバーコードB1に記憶されているデータを読み取ることができ、非接触ICタグT1が貼り付けられていれば、この非接触ICタグT1に記憶されているデータを読み取ることができる。また、外装に印刷またはシール等で貼り付けられた品名や仕様などを目視用の画像情報として記憶しておくことができる。
【0072】
図4は、物品Aの受け入れ時に、物品管理装置1の制御部21が実行する動作を示すフローチャートであり、図5は、物品管理装置1の制御部21が実行するバーコード読取処理を示すフローチャートである。
【0073】
この物品Aの受け入れ時に、作業者は、非接触ICリーダライタ14の上に物品Aを置き、ハンディターミナル11で撮影する動作を行う。これによって、物品管理装置1の制御部21が以降の動作を開始する。
【0074】
制御部21は、作業者によるハンディターミナル11の操作部13の操作を検知すると(ステップS1:Yes)、非接触ICリーダライタ14により非接触ICタグT1の検知を行う(ステップS2)。この検知は、非接触ICリーダライタ14がポーリング信号を送信することで行えばよい。
【0075】
非接触ICタグT1からの応答信号によって非接触ICタグT1を検知した場合(ステップS2:Yes)、制御部21は、バーコード読取処理を実行する(ステップS3)。
【0076】
図5に示すように、バーコード読取処理を行う御部21は、まずハンディターミナル11の撮影部12により物品Aの撮影画像Pを取得する(ステップS11)。なお、この撮影画像Pの取得は、上述したステップS1の操作検知と同時かほぼ同時に実行することが好ましい。
【0077】
制御部21は、取得した撮影画像Pに写っている伝票Dの数や位置を、テンプレートマッチング手法により取得し(ステップS12)、伝票数、位置、および傾き情報を取得する(ステップS13)。
【0078】
また、制御部21は、伝票D画像や該伝票D画像からバーコードB1画像を除いた品名C画像などの伝票関連画像からOCR処理により文字データを読み取る(ステップS14)。
【0079】
制御部21は、さらにバーコード数および位置認識を、モデルフィッティング手法により行い(ステップS15)、バーコード数、位置、および傾き情報を取得する(ステップS16)。このときに、バーコードの種類を判別でき、バーコード画像を保存できる状態になる。また、バーコードが複数あれば、全てのバーコードについての種類を判別する。
【0080】
さらに、制御部21は、バーコード画像からバーコード情報を読み取り(ステップS17)、バーコードB1画像や品名C画像や仕様画像や伝票D画像など、必要な画像を傾き補正して取得する(ステップS18)。ここでも、バーコード画像や品名画像や仕様画像や伝票画像などがそれぞれ複数あれば、複数のバーコード画像や品名画像や仕様画像や伝票画像などについて傾き補正を行う。
【0081】
このようにバーコード読取処理が終了すると、図4に戻り、制御部21は、非接触ICリーダライタ14により非接触ICタグT1の読み取りを実行する(ステップS4)。
【0082】
そして、制御部21は、バーコード読取処理で得た各種情報を記憶部16に物品管理データ16b、および読取データ16cとして登録し(ステップS5)、ステップS10に処理を進める。この登録処理の際、制御部21は、読取データ16cから必要事項を抽出してコード体系を変換して物品管理データ16bに登録し、受け入れた物品Aを施設内の他の物品と一緒に管理できるようにする。またこのとき、読取データ16cの管理UID(非接触ICタグT1から読み取ったUID)を物品管理データ16bの管理UIDに登録し、これによって読取データ16cから抽出して物品管理データ16bに登録した物品管理用のデータと非接触ICタグT1とを紐付けする。これ以降、物品Aにもともと貼り付けられている非接触ICタグT1を用いて、物品Aを施設内で他の物品と一緒に管理できる。
【0083】
なお、バーコード読取処理(ステップS3)、およびRFID読取処理(ステップS4)で型式、ロット、数量等の文字データを取得できなかった場合、この登録処理において、作業者にPC15で必要データを操作入力させることが好ましい。これにより、必要なデータを確実に取得することができ、物品管理の確実性をより高めることが可能になる。
【0084】
また、作業者が受け入れ検査によって検品した検品データ(例えば検品OK/検品NG)を、ハンディターミナル11の操作部13またはPC15の入力部(キーボードやマウス)で入力させる構成とすることが好ましい。これにより、受け入れ時点の物品Aの検品結果を登録でき、物品管理に役立てることができる。
【0085】
前記ステップS2で非接触ICタグT1を検知できなかった場合(ステップS2:No)、制御部21は、上述したバーコード読み取り処理を行う(ステップS6)。
【0086】
制御部21は、前述したステップS5と同様の登録処理を実行する(ステップS7)。ここでステップS5との違いは、後にステップS9で印刷に使用する予定のリライタブルシート31の非接触ICタグT2に付与されているUIDを用いることである。すなわち、制御部21は、リライタブルプリンタ17にセットされているリライタブルシート31の非接触ICタグT2に記憶されているUIDを読み取り、このUIDを物品管理データ16bの管理UIDおよび読取データ16cの管理UIDに登録する。物品管理データ16bおよび読取データ16cの管理UID以外のデータについては、ステップS5と同一の処理で登録する。これによって読取データ16cから抽出して物品管理データ16bに登録した物品管理用のデータと非接触ICタグT2とを紐付けする。
【0087】
なお、バーコード読取処理(ステップS6)で型式、ロット、数量等の文字データを取得できなかった場合、この登録処理において、作業者にPC15で必要データを操作入力させることが好ましい。これにより、必要なデータを確実に取得することができ、物品管理の確実性をより高めることが可能になる。
【0088】
また、作業者が受け入れ検査によって検品した検品データ(例えば検品OK/検品NG)を、ハンディターミナル11の操作部13またはPC15の入力部(キーボードやマウス)で入力させる構成とすることが好ましい。これにより、受け入れ時点の物品Aの検品結果を登録でき、物品管理に役立てることができる。
【0089】
制御部21は、ステップS11〜S18で得た各種データに基づいて伝票イメージを作成する(ステップS8)。この伝票イメージは、バーコードB1から読み取った品名イメージ33やバーコードイメージB2、その他、仕様画像や伝票画像などを組み合わせて作成する。また、このとき、ステップS13で撮影画像Pから取得した伝票を組み合わせて1つの目視用画像を作成する。
【0090】
制御部21は、作成した伝票イメージをリライタブルプリンタ17によりリライタブルシート31に印刷し、印刷したリライタブルシート31を作業指図書30(図1参照)として発行し(ステップS9)、完了処理(ステップS10)をした後に処理を終了する。この完了処理は、作業者に受け入れ用の処理が完了したことを報知する処理であり、作業者が完了を認識可能な適宜の処理とすることができる。例えば、ハンディターミナル11にLED等の出力部を備え、この出力部の出力を点灯させる、あるいは、リライタブルプリンタ17に表示部などの出力部を備え、この出力部を点灯させるか作業指図書有/作業指図書無のいずれかの表示をさせる、あるいは音声案内により完了を報知するなど、適宜の方法で知らせることができる。これにより、作業者が作業完了を認識でき、確実な処理を実現できる。
【0091】
なお、作業指図書とは、工場の生産ライン等で組立作業等をおこなう生産作業者に対して、組立作業等の手順を提示する指図書のことであり、製造指図書、生産指図書とも呼ばれるものである。
【0092】
以上の構成および動作により、作業者は1アクションで物品Aの受け入れを完了することができる。すなわち、非接触ICリーダライタ14の上に物品Aを置いてハンディターミナル11の操作部13を操作して撮影部12で撮影するだけで、物品AのバーコードB1や非接触ICタグT1に記憶されたデータを読み取って紐付けして物品管理データ16bに登録することができ、これ以降施設内で管理することができる。
【0093】
また、物品Aに非接触ICタグT1が付されている場合は、この非接触ICタグT1を利用して物品Aを管理することができる。このため、新たに非接触ICタグを貼り付ける必要がなく、受け入れ時の作業を簡潔にすることができる。
【0094】
また、物品Aに非接触ICタグT1が付されていなかった場合は、非接触ICタグT2付きの作業指図書30を発行することができる。このため、作業者は、この作業指図書30を物品Aに貼り付け等するだけで、物品Aについて非接触ICタグを用いた物品管理を行うことができる。
【0095】
作業指図書30には、品名イメージ33やバーコードイメージB2等が印刷されているため、作業者が物品Aに作業指図書30を貼り付け等する際に間違うことを容易に防止できる。すなわち、物品Aの表面に付されていて作業者が識別に用いる部分の画像を、そのまま正面向けにしてリライタブルシート31に印刷しているため、リライタブルシート31と物品Aの品名イメージ33等を見比べれば、すぐに同一のものか否か判別できる。従って、作業指図書30の貼り間違いといったヒューマンエラーを防止でき、確実性の高い物品管理を簡潔な構成で実現できる。
【0096】
また、受け入れた物品Aと、施設内でもともと管理する物品とを、いずれも非接触ICタグT(T1,T2)で管理できるため、管理方式を一元化でき便利に利用することができる。
【0097】
また、受け入れを行う際、物品Aに付されている非接触ICタグT1や、リライタブルシート31に付されている非接触ICタグT2に対して書き込みを行わず、これらの非接触ICタグT1,T2がそれぞれ記憶しているUIDを物品管理データ16bの管理UIDとして登録する構成としたため、処理時間を短くすることができる。すなわち、書き込み完了まで作業者を待たす必要がないため、多量の物品Aを受け入れて処理している際に、物品管理装置1の処理が遅れて登録処理まで完了せずにエラーになるといったことを防止できる。これにより、受け入れた物品Aを確実に管理することができる。
【0098】
また、作業者は、物品Aに付された非接触ICタグT1あるいは物品Aに付される非接触ICタグT2と、バーコードデータを物品管理データ16bとを、1回の操作で紐付けすることができる。すなわち、作業者は、バーコードB1のバーコードデータを読み込ませてさらに非接触ICリーダライタ14で非接触ICタグT1(またはT2)を読ませるといった二度の操作をする必要がなくなる。これにより、ヒューマンエラーを防止して確実な物品管理を実現することができる。
【0099】
また、受け入れた物品Aに付されているものがバーコードB1か非接触ICタグT1かを物品管理装置1が自動判別して処理するため、作業者の操作によるヒューマンエラーを防止することができる。すなわち、物品AにバーコードB1のみが付されていれば、物品管理装置1は、自動的に作業指図書30を出力する。このため、作業者は出てきた作業指図書30を物品Aに貼り付け等すれば良い。また、物品Aに非接触ICタグT1が付されていれば、物品管理装置1は作業指図書30を出力しない。このため、作業者は物品Aをそのまま受け入れればよい。このようにして、ヒューマンエラーを防止できる。また、この場合、登録処理(ステップS5,S7)の完了後に処理完了を出力部で出力すれば、作業者に処理正常完了を認識させて確実性を高めることができる。特に、作業指図書30の発行有無を出力部で知らせれば、非接触ICタグT1の付されていなかった物品Aを、作業指図書30を貼り付けないまま受け入れてしまうことを防止できる。
【0100】
また、このような物品管理装置1を工程管理に用いれば、ヒューマンエラーを防止することで物品Aを用いる工程管理の精度が高まり、生産効率を向上させることができる。すなわち、例えば複数の物品Aを受け入れる際に間違った作業指図書30が付されると、本来と異なる工程へ搬送され、生産現場に物品Aが届かずに生産計画が狂うことになる。一箇所で生産計画が狂うと、その後工程も多大な影響を受ける。しかも、過って搬送された物品Aを探すことが非常に困難であり、場合によっては再発注の必要が生じることもありえる。このように重要な工程管理に物品管理装置1を用いることで、受け入れ時の作業負荷をかけることなく確実性の高い物品管理および工程管理を実現でき、生産計画が狂うことを防止できる。
【0101】
なお、上述した物品管理装置1は、物品AのバーコードB1や非接触ICタグT1を読み取る装置に、ハンディターミナル11以外の装置を用いる構成としてもよい。
【0102】
例えば、図6(A)の斜視図に示すように、上面に透明板42を有し、内部に撮影部12および非接触ICリーダライタ14を備えるデータ交換ボックス41を使用してもよい。この場合、作業者が受け入れた物品Aに付されていた伝票50を透明板42の上に載せれば、常に撮影している撮影部12が伝票50を検知し、ステップS2〜S9を実行する構成とすればよい。
【0103】
これにより、物品Aから伝票50を剥がせる場合に、この伝票50を用いて作業者は1アクションで物品Aの受け入れを完了でき、上述したハンディターミナル11の場合と同一の効果を得ることができる。また、作業者にとってわかりやすい操作で実行できる。また、伝票50(フォーム)の大きさによる影響が少なく、種々の伝票50にフレキシブルに対応できる。
【0104】
また、図6(B)の斜視図に示すように、通過型データ交換ボックス51を利用してもよい。この通過型データ交換ボックス51は、上下に貫通するスリット孔52を備え、内部に撮影部12および非接触ICリーダライタ14を備える構成とすればよい。この場合、作業者が受け入れた物品Aに付されていた伝票50をスリット孔52に投入すれば、常に撮影している撮影部12が伝票50を検知し、ステップS2〜S9を実行する構成とすればよい。
【0105】
これにより、物品Aから伝票50を剥がせる場合に、この伝票50を用いて作業者は1アクションで物品Aの受け入れを完了でき、上述したハンディターミナル11の場合と同一の効果を得ることができる。また、伝票50を投入するだけというワンタッチ操作で実行できる。また、施設内の柱に固定して使うといったことが可能であり、省スペースで利用することができる。また、外光の影響が少なく、電波のはみ出しを防止できるため、バーコードB1画像の取得や非接触ICタグT1の読み書きの精度を高めることができる。
【0106】
また、非接触ICリーダライタ14の代わりに、ハンディターミナル11に非接触ICリーダライタを一体的に備えても良い。この場合、作業員は、物品Aを非接触ICリーダライタ14に載せる必要がなく、どこでもハンディターミナル11で操作部13を操作すれば、ハンディターミナル11に設けられた撮影部12と非接触ICリーダライタとで撮影と非接触通信を実行できる。これにより、さらに便利に利用することができる。
【0107】
また、物品管理装置1は、ネットワークに接続して物品管理システムとして構成してもよい。この場合、ネットワークに接続されたサーバを備え、該サーバにテンプレートデータ16a、物品管理データ16b、および読取データ16cを一元管理するデータベースを設ければ良い。そして、物品管理装置1は端末として利用し、物品管理装置1内のプログラムが、サーバにアクセスしてテンプレートデータ16a、物品管理データ16b、および読取データ16cを利用し、上述したステップS1〜S18の動作を実行する構成にすればよい。これにより、複数の端末を物品管理装置1として利用できるようになり、より利便性を向上させることができる。
【0108】
この発明の構成と、上述の実施形態との対応において、
この発明の画像取得手段は、実施形態の撮影部12に対応し、
以下同様に、
操作入力手段は、操作部13に対応し、
物品用非接触ICリーダライタは、非接触ICリーダライタ14に対応し、
記憶手段は、記憶部16に対応し、
テンプレートは、テンプレートデータ16aに対応し、
印刷媒体発行手段は、リライタブルプリンタ17に対応し、
制御手段は、制御部21に対応し、
情報保持印刷媒体は、リライタブルシート31に対応し、
印刷可能面は、表面32に対応し、
物品用非接触IC媒体は、非接触ICタグT1に対応し、
非接触IC媒体部は、非接触ICタグT2に対応し、
物品の画像は、物品Aの撮影画像Pに対応し、
バーコード画像は、バーコードB1画像に対応し、
伝票関係画像は、伝票D画像および品名C画像に対応し、
非接触IC情報は、UIDに対応し、
バーコード情報は、バーコードデータに対応し、
非接触IC通信処理は、ステップS4に対応し、
物品用非接触IC情報記憶処理は、ステップS5に対応し、
紐付け記憶処理は、ステップS5,S7に対応し、
目視用画像作成処理は、ステップS8に対応し、
発行処理は、ステップS9に対応し、
バーコード画像取得処理は、ステップS11,15〜S16に対応し、
伝票関係画像取得処理は、ステップS12〜14に対応し、
物品情報取得処理は、ステップS14に対応し、
バーコード読取処理は、ステップS17に対応し、
検品情報は、検品データに対応するが、
この発明は、上述の実施形態の構成のみに限定されるものではなく、多くの実施の形態を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0109】
【図1】物品管理装置の構成を説明する説明図。
【図2】物品管理装置の構成を示すブロック図。
【図3】記憶部に記憶するデータの説明図。
【図4】物品管理装置の制御部が実行する動作を示すフローチャート。
【図5】バーコード読取処理を示すフローチャート。
【図6】他の実施例のデータ交換ボックスおよび通過型データ交換ボックスの説明図。
【符号の説明】
【0110】
1…物品管理装置、12…撮影部、13…操作部、14…非接触ICリーダライタ、16…記憶部、16a…テンプレートデータ、17…リライタブルプリンタ、18…印刷部、19…非接触ICリーダライタ部、21…制御部、31…リライタブルシート、32…表面、A…物品、B…バーコード、C…品名、D…伝票、Pa,Pb…撮影画像、T1,T2…非接触ICタグ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
物品の画像を取得する画像取得手段と、
各種データを記憶する記憶手段と、
非接触IC媒体部と印刷可能面とを有する情報記憶印刷媒体に対して前記非接触IC媒体部の非接触IC情報の読み書きを行う非接触ICリーダライタ部および前記印刷可能面の印刷を行う印刷部を有する印刷媒体発行手段と、
これらを制御する制御手段とを備え、
前記制御手段は、
前記画像取得手段で取得した画像からバーコード画像を取得するバーコード画像取得処理と、
該バーコード画像からバーコード情報を読取るバーコード読取処理と、
該バーコード情報を前記情報記憶印刷媒体の非接触IC情報と紐付けして前記情報記憶印刷媒体の非接触IC媒体部と前記記憶手段との少なくとも一方に記憶させる紐付け記憶処理と、
前記バーコード画像を前記情報記憶印刷媒体の印刷可能面に前記印刷媒体発行手段の印刷部により印刷して該情報記憶印刷媒体を発行する発行処理とを実行する構成とした
物品管理装置。
【請求項2】
前記バーコード画像取得処理は、
前記画像にバーコードが複数存在すれば全てのバーコード画像を抽出する構成とし、
前記発行処理は、該複数のバーコード画像を1つの情報記憶印刷媒体に印刷する構成とした
請求項1記載の物品管理装置。
【請求項3】
前記記憶手段は、バーコードの傾きの異なる複数のテンプレートをバーコードの種類別に記憶する構成とし、
前記バーコード画像取得処理は、
前記画像中のバーコードを前記テンプレートと比較して傾きを検知し、前記画像中のバーコードが正面向きでない場合にこの傾きを正して正面向きのバーコード画像に変換する構成とし、
前記発行処理は、前記変換後の正面向きバーコード画像を印刷する構成とした
請求項1または2記載の物品管理装置。
【請求項4】
前記物品に備えられた物品用非接触IC媒体と非接触通信して非接触IC情報を読み書きする物品用非接触ICリーダライタを備え、
前記制御手段は、
前記バーコード画像取得処理とともに、前記物品用非接触ICリーダライタにより物品用非接触IC媒体と非接触通信する非接触IC通信処理を1つの物品に対して実行する構成とし、
前記物品用非接触ICリーダライタにより物品用非接触IC媒体と通信できなかった場合に、前記バーコード画像取得処理、前記バーコード読取処理、前記紐付け記憶処理、および前記発行処理を実行する構成とし、
前記物品用非接触ICリーダライタにより物品用非接触IC媒体と通信できた場合に、
前記物品用非接触ICリーダライタにより前記物品用非接触IC媒体から読取った物品用非接触IC情報を前記記憶手段に記憶する物品用非接触IC情報記憶処理を実行する構成とした
請求項1、2または3記載の物品管理装置。
【請求項5】
前記制御手段を、
前記物品用非接触ICリーダライタにより物品用非接触IC媒体と通信できた場合に、
前記バーコード画像取得処理でバーコード画像を取得できれば、前記バーコード読取処理、および前記紐付け記憶処理を実行する構成とした
請求項4記載の物品管理装置。
【請求項6】
前記バーコード画像取得処理は、
前記テンプレートを利用してバーコードの種類も認識する構成とした
請求項3記載の物品管理装置。
【請求項7】
前記制御手段は、
前記画像取得手段で取得した画像から前記バーコード画像と異なる伝票関係画像を取得する伝票関係画像取得処理と、
該伝票関係画像を複数取得した場合にこれらをまとめて1つの目視用画像とする目視用画像作成処理とを実行する構成とし、
前記発行処理は、前記目視用画像を前記情報記憶印刷媒体の印刷可能面に印刷する構成とした
請求項1から6のいずれか1つに記載の物品管理装置。
【請求項8】
前記制御手段は、
前記伝票関係画像から前記物品に関する物品情報を文字認識する物品情報取得処理を実行する構成とし、
前記紐付け記憶処理は、前記物品情報を記憶する構成とした
請求項1から7のいずれか1つに記載の物品管理装置。
【請求項9】
前記物品を検品した検品情報を入力する操作入力手段を備えた
請求項1から8のいずれか1つに記載の物品管理装置。
【請求項10】
物品の画像を取得する画像取得手段と、各種データを記憶する記憶手段と、非接触IC媒体部と印刷可能面とを有する情報記憶印刷媒体に対して前記非接触IC媒体部の非接触IC情報の読み書きを行う非接触ICリーダライタ部および前記印刷可能面の印刷を行う印刷部を有する印刷媒体発行手段と、これらを制御する制御手段とを備えた物品管理装置により物品を管理する物品管理方法であって、
前記制御手段により、
前記画像取得手段で取得した画像からバーコード画像を取得するバーコード画像取得処理と、
該バーコード画像からバーコード情報を読取るバーコード読取処理と、
該バーコード情報を前記情報記憶印刷媒体の非接触IC情報と紐付けして前記情報記憶印刷媒体の非接触IC媒体部と前記記憶手段との少なくとも一方に記憶させる紐付け記憶処理と、
前記バーコード画像を前記情報記憶印刷媒体の印刷可能面に前記印刷媒体発行手段の印刷部により印刷して該情報記憶印刷媒体を発行する発行処理とを実行する
物品管理方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2010−58974(P2010−58974A)
【公開日】平成22年3月18日(2010.3.18)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−229343(P2008−229343)
【出願日】平成20年9月8日(2008.9.8)
【出願人】(000002945)オムロン株式会社 (3,542)
【Fターム(参考)】