説明

特定のカチオン性ジアゾ化合物、直接染料としてそれを含む組成物、ケラチン繊維の染色方法、およびそのためのデバイス

【課題】 ケラチン繊維の染色に適した直接染料、染色方法、および多区画デバイスを提供する。
【解決手段】式(1) Dyel-LK-Dye2のカチオン性ジアゾ化合物。例えば下記式で示される化合物。


また、前記化合物を直接染料として含む染料組成物、またこの組成物を使用するケラチン繊維の染色方法、および多区画デバイスに関する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、特定のカチオン性ジアゾ化合物、ケラチン繊維の染色に適した媒質中にこのような化合物を直接染料として含む染料組成物、またこの組成物を使用するケラチン繊維の染色方法、および多区画デバイスに関する。
【背景技術】
【0002】
直接染料を含む染料組成物によってケラチン繊維、特に、毛髪などのヒトケラチン繊維を染色することは公知の方法である。こうした化合物は、繊維に親和性を有する有色の着色性分子である。たとえば、ニトロベンゼン型直接染料、アントラキノン染料、ニトロピリジン、およびアゾ型、キサンテン型、アクリジン型、アジン型、もしくはトリアリールメタン型染料の使用が公知の方法である。
【0003】
通常、繊維を同時に明るい色にしたい場合は、酸化剤の任意選択の存在下でこれらの染料を繊維に使用する。放置時間の経過後直ちに、繊維を濯ぎ、任意選択で洗浄し乾燥させる。
【0004】
直接染料とケラチン繊維を結合させる相互作用の性質のため、直接染料の使用から得られる着色は一時的または半永久的着色であり、繊維の表面および/または繊維の芯からの染料の脱離が、不十分な染色力、および洗浄または発汗に対する不十分な相対的耐久性の原因である。
【0005】
特定の色彩を得るためには、全てではないにせよ、多くの場合、数種の染料を一緒に混合する必要があるという事実に関連して別の困難さも生じる。しかし、各染料は、繊維に対して同じ親和性を有しておらず、これは、たとえば、1回または数回の繊維の洗浄、日光への曝露後などに、不均質な着色または経時色彩変化としてあらわれる。
【特許文献1】米国特許第5708151号明細書
【特許文献2】米国特許第3151106号明細書
【特許文献3】米国特許第5852179号明細書
【特許文献4】英国特許第1026978号明細書
【特許文献5】英国特許第1153196号明細書
【特許文献6】ドイツ国特許第2359399号明細書
【非特許文献1】J. Chem. Res., Synop.(1998),(10), 648-649
【非特許文献2】Heterocycles, 1987, 26(2) 313-317
【非特許文献3】Synth. Commun. 1999, 29(13), 2271-2276
【非特許文献4】Tetrahedron, 1983, 39(7), 1091-1101
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
本発明の目的は、既存の直接染料の欠点を有しない直接染料を提供することである。
【0007】
特に、本発明の目的の1つは、経時色彩変化の問題なしに、様々な色調が得られる直接染料を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0008】
これらの目的や他の目的は、本発明によって実現される。これらの目的の一主題は下記式(I)のカチオン性ジアゾ化合物またはその酸付加塩である。
【0009】
Dye1-LK-Dye2 (I)
〔式中、
Dye1およびDye2は、式(I)の化合物が対称とならないものであり、かつ以下を示す:
【0010】
【化1】

【0011】
[式中、
W1およびW6は、それぞれ独立に、基-NR1-または-O-を表し(式中、R1は、水素原子、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されているC1〜C20、好ましくはC1〜C16炭化水素系の鎖を表し、この鎖は1個または複数の、任意選択で置換されている3員〜7員の炭素系の環を形成していてよく、1個または複数のヘテロ原子、あるいは少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは酸素および窒素から選択したヘテロ原子を有する1個または複数の基によって任意選択で中断されていてよい)、
W'1およびW'6は、それぞれ独立に、基-NR'1R'2または-OR'3を表し(式中、R'1、R'2、およびR'3は、それぞれ独立に、水素原子、または飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されているC1〜C20、好ましくはC1〜C16炭化水素系の鎖を表し、この鎖は1個または複数の、任意選択で置換されている3員〜7員の炭素系の環を形成していてよく、1個または複数のヘテロ原子、あるいは少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは酸素および窒素から選択したヘテロ原子を有する1個または複数の基によって任意選択で中断されていてよく、R'1およびR'2は、それらが結合している窒素原子と共に、別の窒素または非窒素ヘテロ原子を任意選択で含む、任意選択で置換されている5員または7員複素環を形成していてもよい)、
W1およびW6に由来する基R1は、一緒になってまたは別々に、基LKの全てもしくは一部、およびそれぞれが結合している窒素原子と共に、カチオン性もしくは非カチオン性、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されている5員〜7員複素環を形成していてよく、
W'1およびW'6に由来する基R'1、R'2、またはR'3は、一緒になってまたは別々に、基LKの全てもしくは一部、およびそれぞれが結合している窒素または酸素原子と共に、カチオン性もしくは非カチオン性、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されている5員〜7員複素環を形成していてよく、
W2、W5、W'2、およびW'5は、それぞれ独立に、下式(a)〜(c)の基を表し:
【0012】
【化2】

【0013】
(式中、
‐ X1は、窒素原子または基CR7を表し;
‐ X2は、窒素原子または基CR8を表し;
‐ Z1は、窒素原子または基CR10を表し;
‐ Z2は、窒素原子または基CR11を表し;
‐ R4、R5、R6、R'6、R7、R8、R10、およびR11は、それぞれ独立に以下を表し:
・ 直鎖もしくは分枝、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されているC1〜C16炭化水素系の鎖であって、この鎖は1個または複数の、任意選択で置換されている3員〜6員の炭素系の環を形成していてよく、1個または複数のヘテロ原子、あるいは少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは酸素および窒素から選択したヘテロ原子を有する1個または複数の基によって任意選択で中断されていてよい鎖、
・ ヒドロキシル基、
・ C1〜C4アルコキシ基、C2〜C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基;アルコキシカルボニル基(RO-CO-)(式中、RはC1〜C4アルキル基を表す)、またはアルキルカルボニルオキシ基(RCO-O-)(式中、RはC1〜C4アルキル基を表す);
・ アミノ基、少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有し、同一でも異なっていてもよい1個または複数のC1〜C4アルキル基によって置換されているアミノ基であって、該2個のアルキル基が、それらが結合している窒素原子と共に、別の窒素または非窒素ヘテロ原子を任意選択で含む5員または6員複素環を形成していてもよいアミノ基;アルキルカルボニルアミノ基(RCO-NR-)(式中、基Rは、それぞれ独立に、C1〜C4アルキル基を表す);カルバモイル基((R)2N-CO)(式中、同一でも異なっていてもよい基Rは、それぞれ独立に、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表す);ウレイド基(N(R)2-CO-NR'-)(式中、基RおよびR'は、それぞれ独立に、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表す);スルホンアミド基((R)2N-SO2-)(式中、基Rは、それぞれ独立に、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表す);アルキルスルホニルアミノ基(RSO2-NR'-)(式中、基RおよびR'は、それぞれ独立に、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表す);グアニジウム基((R')2N-C(=NH2+)-NR-)(式中、基RおよびR'は、それぞれ独立に、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表す);
・ ニトロ基;シアノ基;ハロゲン原子、好ましくは塩素またはフッ素;
・ R4、R5、R6、R'6、R7、R8、R10、およびR11は、水素原子を表していてよく;
・ R4、R5、R6、R'6、R7、R8、R10、およびR11は、それぞれ独立に、基W'1またはW'6の全てまたは一部と共に、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されている5員〜7員複素環を任意選択で形成していてよく;
・ W'2からW'1もしくは基LKへの結合、またはW'5からW'6もしくは基LKへの結合;
・ aは、W2、W5、W'2、またはW'5から、アゾ基-N=N-への結合を表し;
・ bは、W2からW1への結合、W5からW6への結合、W'2からW'1もしくは基LKへの結合、またはW'5からW'6もしくは基LKへの結合を表し;
‐ R9は、以下を表す:
・ 水素原子、
・ 直鎖もしくは分枝、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されているC1〜C16炭化水素系の鎖であって、1個または複数の、任意選択で置換されている3員〜7員の炭素系の環を形成していてよい鎖、
‐ nおよびn'は、整数を表し、その合計は6以下である);
W3およびW4は、それぞれ独立に、下式(1)〜(11)の1つによって表されるカチオン性ヘテロ芳香族基を表す:
【0014】
【化3A】

【化3B】

【0015】
(式中、
− 主環に置換し、同一でも異なっていてもよいR'4は以下を表す:
・ 直鎖もしくは分枝、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されているC1〜C16炭化水素系の鎖であって、1個または複数の3員〜6員の炭素系の環を形成していてよく、1個または複数のヘテロ原子、あるいは少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは酸素および窒素から選択したヘテロ原子を有する1個または複数の基によって任意選択で中断されていてよい鎖;
・ ヒドロキシル基、
・ C1〜C4アルコキシ基、C2〜C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基;アルコキシカルボニル基(RO-CO-)(式中、RはC1〜C4アルキル基を表す)、またはアルキルカルボニルオキシ基(RCO-O-)(式中、RはC1〜C4アルキル基を表す);
・アミノ基、少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有する、それぞれ独立に、1個または複数のC1〜C4アルキル基によって置換されているアミノ基であって、該2個のアルキル基が、それらが結合している窒素原子と共に、別の窒素または非窒素ヘテロ原子を任意選択で含む5員または6員複素環を形成していてもよいアミノ基;アルキルカルボニルアミノ基(RCO-NR'-)(式中、基RはC1〜C4アルキル基を表し、基R'は水素またはC1〜C4アルキル基を表す);カルバモイル基((R)2N-CO-)(式中、基Rは、それぞれ独立に、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表す);ウレイド基(N(R)2-CO-NR'-)(式中、基RおよびR'は、それぞれ独立に、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表す);スルホンアミド基((R)2N-SO2-)(式中、基Rは、それぞれ独立に、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表す);アルキルスルホニルアミノ基(RSO2-NR'-)(式中、基RおよびR'は、それぞれ独立に、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表す);グアニジウム基((R')2N-C(=NH2+)-NR-)(式中、基RおよびR'は、それぞれ独立に、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表す);
・ ニトロ基;シアノ基;ハロゲン原子、好ましくは塩素またはフッ素;
・ 主環の2個の隣接する炭素原子によって保持されている2個の基R'4は、芳香族もしくは非芳香族の5員または6員の第2の環を任意選択で形成していてよく、少なくとも1個の水素;少なくとも1個のヒドロキシル基;少なくとも1個のC1〜C4アルキル基;少なくとも1個のC1〜C4アルコキシ基;少なくとも1個のC2〜C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基;少なくとも1個のアミノ基;少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有する、同一でも異なっていてもよい1個または複数のC1〜C4アルキル基によって置換されている少なくとも1個のアミノ基、によって任意選択によって置換されており、好ましくは、該第2の環は上記のように任意選択で置換されている6員芳香環であり;
‐ 四級化窒素原子によって保持されているR'5は、直鎖もしくは分枝、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されているC1〜C16炭化水素系の鎖を表し、この鎖は1個または複数の、任意選択で置換されている3員〜6員の炭素系の環を形成していてよく、1個または複数のヘテロ原子、あるいは少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは酸素、窒素、および硫黄から選択した原子を有する1個または複数の基によって任意選択で中断されていてよく;基R'5は前記四級化窒素原子に直接結合する原子が炭素原子となるものであり、
‐ R'7は、任意選択で置換されているC1〜C4アルキル基;任意選択で置換されているフェニル基;任意選択で置換されているベンジル基を表し;
‐ 結合cは、式(1)〜(11)によって定義したカチオン基と前記アゾ基を結合し;結合は、主環または第2の環上でよく;好ましくは、アゾ基との結合aは主環上であり;
‐ pは、0〜4の範囲の整数であり、p'は、0〜2の範囲の整数であり、p"は、0〜3の範囲の整数であり;主環が最高数の置換基を有していない場合、前記非置換位置には窒素原子があることは注目すべきである);
LKは、少なくとも1個のカチオン電荷を有する、飽和もしくは不飽和、直鎖もしくは分枝、環式もしくは非環式、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されているC2〜C40、好ましくはC2〜C20炭化水素系の鎖を表し、該鎖は少なくとも1個のヘテロ原子、または少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは酸素もしくは窒素を含む基によって任意選択で中断されており;LKがW'2またはW'5に結合する場合、LKは、ヘテロ原子、または少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは酸素もしくは窒素を含む基を末端としてよく;LKがW6またはW1に結合する場合、LKは-CO-および-SO2-から選択した少なくとも1個のヘテロ原子を有する基を末端としてよい];
化合物の電気的中性は、1種または複数の化粧品として許容されるアニオンAnによって確実とされる。〕
【0016】
本発明の主題は、またケラチン繊維の染色に適した媒質中に、このような化合物またはその酸付加塩を直接染料として含む染料組成物でもある。
【0017】
本発明は、また所望の効果を得るのに十分な時間、本発明による組成物を湿潤または乾燥した繊維と接触させるステップから構成されるケラチン繊維の染色方法にも関する。
【0018】
最後に、本発明は、第1の区画に本発明による組成物、および第2の区画に酸化組成物が含まれる多区画デバイスに関する。
【0019】
先に定義した式Dye1-LK-Dye2の化合物は、ケラチン繊維が敏感な場合でも、外部作用薬、特に、シャンプーなどに関して良好な定着性を示すことが判明している。
【0020】
さらに、不斉化合物によって、対称性化合物によって得られる着色よりも彩度の低い着色も可能になる。
【0021】
しかし、本発明の他の特性および利点は、提供する説明および実施例を読むことによってより顕著になる。
【0022】
以下本明細書では、別段の指示が無い限り、値範囲を区切る境界値はその範囲に含まれる。
さらに、本発明による処理の対象を形成するケラチン繊維は、ヒトのケラチン繊維、特に毛髪である。
【0023】
さらに、Dye1およびDye2は、式(I)の化合物が対称でない、すなわち、対称軸または対称平面がLKの主鎖に一致し、または主鎖に対して直角である、LKを横断する対称軸または対称平面が存在しないものである。
【0024】
本発明において、別段の指示が無い限り、
‐ アルキル基は、直鎖または分枝であり、
‐ アルキル基、または基のアルキル部分は、それが以下の基から選択した少なくとも1個の置換基を含む場合、置換されているという:
・ ヒドロキシル、
・ C1〜C4アルコキシ、C2〜C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ、
・ アミノ、少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有する、同一でも異なっていてもよい1個または複数のC1〜C4アルキル基によって置換されているアミノであって、前記アルキル基が、それらが結合している窒素と共に、少なくとも1個の他の窒素または非窒素ヘテロ原子を任意選択で含む5員または6員複素環を形成していてもよいアミノ、
‐ アリールもしくはヘテロアリール基、または基のアリールもしくはヘテロアリール部分は、それが炭素原子によって保持され、以下から選択した少なくとも1個の置換基を含む場合、置換されているという:
・ C1〜C16、好ましくはC1〜C8アルキル基であって、ヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ、C2〜C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ、アシルアミノ;少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有する2個の同一または異なるC1〜C4アルキル基によって置換されており、あるいは2個の基がそれらが結合している窒素原子と共に、別の窒素または非窒素ヘテロ原子を任意選択で含む5員〜7員、好ましくは5員または6員の複素環を形成していてもよいアミノ、から選択した1個または複数の基によって任意選択で置換されているアルキル基;
・ 塩素、フッ素、臭素などのハロゲン原子;
・ ヒドロキシル基;
・ C1〜C2アルコキシ基;C2〜C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基;
・ アミノ基;少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有する、1個または2個の同一または異なるC1〜C4アルキル基によって置換されているアミノ基、あるいは2個の任意選択で置換されているC1〜C2アルキル基を有するアミノ;
・ アシルアミノ基(-NR-COR')(式中、基Rは、水素原子、少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有するC1〜C4アルキル基であり、基R'はC1〜C2アルキル基である);カルバモイル基((R)2N-CO-)(式中、同一でも異なっていてもよい基Rは、水素原子、または少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有するC1〜C4アルキル基を表す);アルキルスルホニルアミノ基(R'SO2-NR-)(式中、基Rは、水素原子、または少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有するC1〜C4アルキル基を表し、基R'は、C1〜C4アルキル基またはフェニル基を表す);アミノスルホニル基((R)2N-SO2-)(式中、同一でも異なっていてもよい基Rは、水素原子、または少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有するC1〜C4アルキル基を表す)、
‐ 非芳香族基の環式もしくは複素環式部分は、それが炭素原子によって保持され、以下の基から選択した少なくとも1個の置換基を含む場合、置換されているという:
・ ヒドロキシル、
・ C1〜C4アルコキシ、C2〜C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ、
・ アルキルカルボニルアミノ((RCO-NR'-)(式中、基R'は、水素原子、または少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有するC1〜C4アルキル基であり、基Rは、C1〜C2アルキル基;少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有する、2個の同一または異なるC1〜C4アルキル基によって置換されているアミノ基であり、前記アルキル基は、それらが結合している窒素原子と共に、少なくとも1個の他の窒素または非窒素ヘテロ原子を任意選択で含む5員または6員複素環を形成していてもよい)
【0025】
既に示したように、本発明の第1の主題は、上記の式(I)に対応する化合物からなる。
【0026】
より具体的には、式(I)の化合物Dye1-LK-Dye2は、
基R1、R'1、R'2、およびR'3が、それぞれ独立に以下を表す:
‐ 水素原子;
‐ 任意選択で置換されているC1〜C6アルキル基;
‐ アリール部分が任意選択で置換されている、フェニルやベンジルなどのアリールまたはアリールアルキル基;
‐ W1およびW6に由来する基R1が、一緒になってまたは別々に、基LKの全てもしくは一部、およびそれぞれが結合している窒素原子と共に、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されている5員〜7員複素環を形成していてよく;
‐ W'1およびW'6に由来する基R'1、R'2、またはR'3が、一緒になってまたは別々に、基LKの全てもしくは一部、およびそれぞれが結合している窒素または酸素原子と共に、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されている5員〜7員複素環を形成していてよい。
【0027】
本発明の好ましい一実施形態によれば、同一でも異なっていてもよい基R1、R'1、R'2、およびR'3は以下を表す:
‐ 水素原子;
‐ メチル、エチル、2-ヒドロキシエチル、または2-メトキシエチルエーテルなどの任意選択で置換されているC1〜C3アルキル基;
‐ ヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ、およびアミノ基、または少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有する1個もしくは複数のC1〜C4基によって置換されているアミノ基、から選択した、1個または複数の基によって任意選択で置換されているフェニル基;
‐ 一方ではW1およびW6に由来する基R1、あるいは他方ではW'1およびW'6に由来する基R'2およびR'3は、それぞれが結合しているR'3の窒素もしくは酸素原子および基LKの全てもしくは一部と共に、1個または複数のメチル、ヒドロキシル、アミノ、または(ジ)メチルアミノ基によって任意選択で置換されている、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、またはホモピペラジン型5員〜7員複素環を形成していてよい。
【0028】
本発明のより好ましい変形形態によれば、同一でも異なっていてもよい基R1、R'1、R'2、およびR'3は以下を表す:
‐ 水素原子;
‐ メチル、エチル、または2-ヒドロキシエチル基;
‐ ヒドロキシル、メトキシ、アミノ、(ジ)メチルアミノ、または(ジ)(2-ヒドロキシエチル)アミノ基によって任意選択で置換されているフェニル基;
‐ 一方ではW1およびW6に由来する基R1、あるいは他方ではW'1およびW'6に由来する基R'2およびR'3は、それぞれが結合しているR'3の窒素もしくは酸素原子および基LKの全てもしくは一部と共に、5員〜7員複素環、例えば、ピロリジン、3-ヒドロキシピロリジン、3-ジメチルアミノピロリジン、ピペリジン、2-(2-ヒドロキシエチルピペリジン)、4-(アミノメチル)ピペリジン、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン、4-(ジメチルアミノ)ピペリジン、ピペラジン、1-メチルピペラジン、1-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン、1-(2-アミノエチル)ピペラジン、1-ヒドロキシエチルエトキシピペラジン、ホモピペラジン、または1-メチル-1,4-ペルヒドロジアゼピンなどを形成していてよい。
【0029】
基R4、R5、R6、R'6、R7、R8、R10、およびR11については、同一でも異なっていてもよいこれらの基は、より具体的には以下を表す:
‐ R4、R5、R7、R8、R10、およびR11については水素原子;
‐ 任意選択で置換されているC1〜C16、好ましくはC1〜C8アルキル基;
‐ 塩素、フッ素、または臭素などのハロゲン原子;
‐ ヒドロキシル基;
‐ C1〜C2アルコキシ基;C2〜C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基;
‐ アミノ基;少なくとも1個のヒドロキシル基またはC1〜C4ジアルキルアミノ基を任意選択で有する、同一でも異なっていてもよい1個または2個のC1〜C4アルキル基によって置換されているアミノ基;
‐ アルキルカルボニルアミノ基(RCO-NR'-)(式中、基RはC1〜C4アルキル基を表し、基R'は水素またはC1〜C4アルキル基を表す);カルバモイル基((R)2N-CO-)(式中、同一でも異なっていてもよい基Rは、水素原子、または少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有するC1〜C4アルキル基を表す);アルキルスルホニルアミノ基(R'SO2-NR-)(式中、基Rは、水素原子、または少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有するC1〜C4アルキル基を表し、基R'は、C1〜C4アルキル基を表す);アミノスルホニル基((R)2N-SO2-)(式中、同一でも異なっていてもよい基Rは、水素原子、または少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有するC1〜C4アルキル基を表す);
‐ W'2からW'1もしくは基LKへの結合、またはW'5からW'6もしくは基LKへの結合。
【0030】
より好ましくは、同一でも異なっていてもよい前記基は以下を表す:
‐ R4、R5、R6、R'6、R7、R8、R10、およびR11に対しては水素原子;
‐ ヒドロキシルおよびアシルアミノ基、または少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有する2個の同一または異なるC1〜C2アルキル基によって置換されているアミノ基から選択した1個または複数の基によって任意選択で置換されているC1〜C4アルキル基、あるいはC1〜C2アルコキシ基;
‐ アミノ基;少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有する、1個または2個の同一または異なるC1〜C2アルキル基によって置換されているアミノ基;アシルアミノ基;カルバモイル基;スルホニルアミノ基;
‐ ヒドロキシル基;C1〜C2アルコキシ基;
‐ W'2からW'1もしくは基LKへの結合、またはW'5からW'6もしくは基LKへの結合。
【0031】
本発明の好ましい一変形形態によれば、基R4、R5、R6、R'6、R7、R8、R10、およびR11は、それぞれ独立に以下を表す:
‐ R4、R5、R6、R'6、R7、R8、R10、およびR11については水素原子;
‐ メチル、エチル、プロピル、2-ヒドロキシエチル、メトキシ、エトキシ、2-ヒドロキシエチルオキシ、3-ヒドロキシプロピルオキシ、または2-メトキシエチルエーテル基;
‐ スルホニルアミノ基;アミノ、メチルアミノ、ジメチルアミノ、2-ヒドロキシエチルアミノ、3-ヒドロキシプロピルアミノまたはアシルアミノ基;ヒドロキシル基;
‐ 塩素原子;
‐ W'2からW'1もしくは基LKへの結合、またはW'5からW'6もしくは基LKへの結合。
【0032】
基R9については、それは、水素原子もしくはC1〜C15アルキル基;C2〜C6モノヒドロキシアルキル基;C2〜C6ポリヒドロキシアルキル基;(C1〜C6)アルコキシ(C2〜C6)アルキル基;任意選択で置換されているアリール基、たとえばフェニル;任意選択で置換されているアリールアルキル基、たとえばベンジル;C2〜C6アミドアルキル基;C2〜C6アミノアルキル基(アミンが2個の同一または異なる、任意選択で置換されているC1〜C4アルキル基によって置換されている)を表す。さらに、基R9は、窒素原子に直接結合している原子が炭素原子であるものである。
【0033】
R9は、水素原子、C1〜C6アルキル基もしくはC2〜C6モノヒドロキシアルキル基;C2〜C6ポリヒドロキシアルキル基;(C1〜C6)アルコキシ(C2〜C6)アルキル基;少なくとも1個の塩素原子、ヒドロキシル基、基RCO-NH-(式中、Rは、C1〜C4アルキル基、または2個の同一または異なるC1〜C4アルキル基によって置換されているアミノ基を表す)によって任意選択で置換されているフェニル基;ベンジル基;C1〜C6アミノアルキル基;C1〜C6アミノアルキル基(式中、アミンは、2個の同一または異なるC1〜C4アルキル基によって置換されている)を表すことが好ましい。さらに、基R9は、窒素原子に直接結合している原子が炭素原子であるものである。
【0034】
本発明特定の一変形形態によれば、W2、W5、W'2、およびW'5は、それぞれ独立に、式(a)または(c)の基を表す。
【0035】
この変形形態によれば、X1は、基CR7を表すことが好ましい。
【0036】
この変形形態によれば、X2は、基CR8を表すことが好ましい。
【0037】
R4、R5、R6、R'6、R7、およびR8は、それぞれ独立に、上記と同じ意味を有する。
【0038】
基W3およびW4については、これらの基は、それぞれ独立に、より具体的には、下式(1)〜(3)の複素環を表す:
【0039】
【化4】

【0040】
(式中、R'4、R'5、R'7、p、p'、およびaは、先に定義した通りである)。
【0041】
本発明の特定の一実施形態によれば、W3およびW4が、同時にイミダゾリウム基を表すことはない。
【0042】
R'5およびR'7は、水素を除き、R9と同じ定義を有することが好ましい。
【0043】
本発明の好ましい一実施形態によれば、カチオン性芳香族複素環基は、2-イミダゾリウム、2-ベンゾイミダゾリウム、2-ピリジニウム、3-ピリジニウム、4-ピリジニウム、2-キノリニウム、4-キノリニウム、3-ピラゾリウム、4-ピラゾリウム、3-インダゾリウム、4-インダゾリウム、5-インダゾリウム、6-インダゾリウム、および7-インダゾリウムから選択される。
【0044】
本発明のさらに別の特定の実施形態によれば、基W3およびW4は、それぞれ独立に、2-イミダゾリウム、2-ピリジニウム、3-ピリジニウム、4-ピリジニウム、2-キノリニウム、4-キノリニウム、3-ピラゾリウム、4-ピラゾリウム、3-インダゾリウム、4-インダゾリウム、および7-インダゾリウムから選択したカチオン性芳香族複素環を表す。
【0045】
本発明の特定の一変形形態によれば、LKは、次式によって表すことができる。
【0046】
【化5】

【0047】
[式中、
・ DおよびD'は、それぞれ独立に、直鎖もしくは分枝、飽和もしくは不飽和C1〜C14炭化水素系の結合を表し、該結合は1個または複数のヘテロ原子、あるいは少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは酸素および窒素から選択したヘテロ原子を有する1個または複数の基によって任意選択で中断されており;
・ 結合dは、結合手DおよびD'と、基W1、W6、W'2、およびW'5とを連結し;
・ qは、1以上であり、好ましくは1または2に等しく;
・ 基Rは以下を表す。
【0048】
【化6】

【0049】
[式中、
・ R12、R13、R'12およびR'13は、それぞれ独立に、C1〜C15アルキル基;C1〜C6モノヒドロキシアルキル基;C2〜C6ポリヒドロキシアルキル基;(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル基;フェニルなどのアリール基;ベンジルなどのアリールアルキル基;C1〜C6アミドアルキル基;C1〜C6アミノアルキル基;C1〜C6アミノアルキル基(式中、アミンは、1個または複数の同一または異なる、C1〜C4アルキル、(C1〜C6)アルキルカルボニル、アシルアミノ、または(C1〜C6)アルキルスルホニル基によって置換されている)を表し;
・ R12およびR13は、該基が結合している窒素原子と共に、1個または複数のヘテロ原子を含んでいてよい5員、6員、または7員の飽和カチオン性環を形成していてよく、該カチオン性環は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6モノヒドロキシアルキル基、C2〜C6ポリヒドロキシアルキル基、C1〜C6アルコキシ基、アミド基、(C1〜C6)アルキルカルボニル基、チオ基、C1〜C6チオアルキル基、(C1〜C6)アルキルチオ基、アミノ基;あるいは1個または複数の同一または異なるC1〜C6アルキル、(C1〜C6)アルキルカルボニル、アシルアミノ、または(C1〜C6)アルキルスルホニル基によって置換されているアミノ基によって置換されていてよいが、好ましくは置換されておらず;
・ R12またはR13は、DまたはD'と共に、1個または複数のヘテロ原子を含んでいてよい5員、6員、または7員の飽和カチオン性環を形成していてよく、該カチオン性環は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6モノヒドロキシアルキル基、C2〜C6ポリヒドロキシアルキル基、C1〜C6アルコキシ基、アミド基、(C1〜C6)アルキルカルボニル基、チオ基、C1〜C6チオアルキル基、(C1〜C6)アルキルチオ基、アミノ基;あるいは1個または複数の同一または異なるC1〜C6アルキル、(C1〜C6)アルキルカルボニル、アシルアミノ、または(C1〜C6)アルキルスルホニル基によって置換されているアミノ基によって置換されていてよいが、好ましくは置換されておらず;
・ R12およびR13は、W1またはW6と共に、5員、6員、または7員の飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されているカチオン性複素環を形成していてよく;
・ 同一でも異なっていてもよい環構成要素E、G、J、およびLは、ピラゾリウム、イミダゾリウム、トリアゾリウム、オキサゾリウム、イソオキサゾリウム、チアゾリウム、またはイソチアゾリウム環を形成するための炭素、酸素、硫黄、または窒素原子を表し;
・ R14は、R12と同じ意味を有するが、この基とは独立しており;
・ R15は、C1〜C6アルキル基;C1〜C6モノヒドロキシアルキル基、C2〜C6ポリヒドロキシアルキル基、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル基、C2〜C6カルバミルアルキル基、(C1〜C6)アルキルカルボキシ(C1〜C6)アルキル基、またはベンジル基を表し;基R15は窒素原子によって保持されていることが理解され;
・ 同一でも異なっていてもよいR16は、水素原子もしくはハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、C1〜C6モノヒドロキシアルキル基、C2〜C6ポリヒドロキシアルキル基、C1〜C6アルコキシ基、アミド基、カルボキシル基、C1〜C6アルキルカルボニル基、C1〜C6チオアルキル基、(C1〜C6)アルキルチオ基;(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキルカルボニル、または(C1〜C6)アルキルスルホニル基によって二置換されているアミノ基;ベンジル基;メチル、ヒドロキシル、アミノ、およびメトキシ基から選択した1個または複数の基によって任意選択で置換されているフェニル基を表し、基R16は、炭素原子によって保持されていることが理解され、
・ Anは、有機アニオンまたは無機アニオンを表し;
・ zは、1〜3の整数であり;
・ yは、0または1に等しく;
・ vは、1または2に等しい整数であり;
・ xは、0または1に等しく;
‐ x=0のときは、結合手DまたはD'の1本は、前記四級化窒素原子に結合しており、
‐ x=1のときは、結合手Dおよび/またはD'の少なくとも1本は、炭素原子に結合している)]
【0050】
式(d)の特定の一実施形態によれば、R12およびR13は、別々に、C1〜C6アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、(C1〜C6)アルコキシ(C2〜C4)アルキル基、C2〜C6アミドアルキル基、またはC2〜C6ジメチルアミノアルキル基から選択されることが好ましい。
【0051】
R12およびR13は、別々に、メチル、エチル、または2-ヒドロキシエチル基を表すことがさらに好ましい。
【0052】
この変形形態によれば、DおよびD'は、別々に、C1〜C6アルキル鎖であることが好ましく、この鎖は置換されていてよいが、好ましくは非置換である。
【0053】
式(e)の特定の一実施形態によれば、環構成要素E、G、J、およびLは、イミダゾリウム、ピラゾリウム、オキサゾリウム、またはチアゾリウム環を形成する。
【0054】
この特定の実施形態によれば、xおよびbは0に等しい。
【0055】
この実施形態によれば、DおよびD'は、置換されていてよいが、好ましくは非置換C1〜C4アルキル鎖を表す。
【0056】
さらに、R14は、メチル、エチル、または2-ヒドロキシエチル基を表すことが好ましい。
【0057】
式(f)の好ましい一実施形態によれば、R'12およびR'13は、R12およびR13と同じ意味を有するが、これらの2個の基からはそれぞれ独立している。
【0058】
この変形形態によれば、DおよびD'は、別々に、C1〜C6アルキル鎖であることが好ましく、置換されていてよいが、好ましくは非置換である。
【0059】
係数vは、1に等しいことが好ましい。
【0060】
Anは、有機アニオンもしくは無機アニオン、またはアニオン混合物であり、化合物の電気的中性を守るために、たとえば、塩化物、臭化物、フッ化物、ヨウ化物などのハロゲン化物;水酸化物;硫酸塩;硫酸水素塩;(C1〜C6)アルキル硫酸塩、たとえば、メチル硫酸塩やエチル硫酸塩;リン酸塩;炭酸塩;炭酸水素塩;過塩素酸塩;酢酸塩;酒石酸塩;クエン酸塩;シュウ酸塩;メチルスルホン酸塩などの(C1〜C6)アルキルスルホン酸塩;非置換またはC1〜C4アルキル基によって置換されているアリールスルホン酸塩、たとえば、4-トリルスルホナート、から選択される。
【0061】
式(1)の化合物の酸付加塩は、たとえば、ハロゲン化物、たとえば、塩化物や臭化物、硫酸塩;その直鎖もしくは分枝アルキル部分がC1〜C6、たとえば、メト硫酸イオンやエト硫酸イオンであるアルキル硫酸塩;水素炭酸塩、過塩素酸塩、カルボン酸塩、たとえば、酢酸塩;クエン酸塩;酒石酸塩、であることができ、単独でまたは組み合わせることができる。
【0062】
本発明の好ましい一実施形態によれば、化合物は次式に相当する。
【0063】
【化7A】

【化7B】

【化7C】

【化7D】

【0064】
[式中、
‐ R1、R3、R4、R12、R13、R'4、R'5、R'7、R'12、R'13、p、およびp'は、先に定義した通りであり;
‐ 同一でも異なっていてもよいrおよびr'は、1〜10の整数であり、好ましくは1〜6であり;
‐ 分子の電気的中性は、先に定義した1種または複数の化粧品として許容されるアニオンAnの存在によって守られている。]
【0065】
R3、R4、およびR'4は、水素原子を表すことが好ましい。
【0066】
これらの化合物は、特に、たとえば、文献、US5708151、J. Chem. Res., Synop.(1998),(10), 648-649、US3151106、US5852179、Heterocycles, 1987, 26(2) 313-317、Synth. Commun. 1999, 29(13), 2271-2276、Tetrahedron, 1983, 39(7), 1091-1101に記載されている調製方法によって得ることができる。
【0067】
本発明の別の主題は、ケラチン繊維の染色に適した媒質中に、式(I)の化合物の少なくとも1種またはその酸付加塩を直接染料として含む組成物からなる。
【0068】
式(I)の化合物または式(1)の複数の化合物のそれぞれの濃度は、染料組成物の全重量に対して0.001%〜20重量%の範囲でよく、より特に0.01%〜10重量%、好ましくは0.05%〜5重量%の範囲でよい。
【0069】
本発明による組成物は、酸化基剤(酸化ベース)を含んでいてもよい。この酸化基剤は、酸化染色に従来から使用されている酸化基剤、たとえば、オルト-フェニレンジアミン類、パラ-フェニレンジアミン類、ビス(フェニル)アルキレンジアミンなどの二重塩基、パラ-アミノフェノール類、オルト-アミノフェノール類、複素環式塩基、それらの酸付加塩、またそれらの混合物から選択してよい。
【0070】
より具体的に挙げることができるパラ-フェニレンジアミン類の中には、たとえば、
パラ-フェニレンジアミン、パラ-トリレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,5-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジプロピル-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノ-N,N-ジエチル-3-メチルアニリン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルアニリン、4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-クロロアニリン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-フルオロ-パラ-フェニレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-ヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、2-ヒドロキシメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ジメチル-3-メチル-パラ-フェニレンジアミン、N-エチル-N-(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)-パラ-フェニレンジアミン、N-(4'-アミノフェニル)-パラ-フェニレンジアミン、N-フェニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、N-(β-メトキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、4-アミノフェニルピロリジン、2-チエニル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-アミノトルエン、
およびその酸付加塩がある。
【0071】
上記パラ-フェニレンジアミン類の中では、
パラ-フェニレンジアミン、パラ-トリレンジアミン、2-イソプロピル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチル-パラ-フェニレンジアミン、2-β-ヒドロキシエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、2,6-ジエチル-パラ-フェニレンジアミン、2,3-ジメチル-パラ-フェニレンジアミン、N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)-パラ-フェニレンジアミン、2-クロロ-パラ-フェニレンジアミンおよび2-β-アセチルアミノエチルオキシ-パラ-フェニレンジアミン、
およびその酸付加塩が特に好ましい。
【0072】
挙げることができるビス(フェニル)アルキレンジアミン類の中には、たとえば、
N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)-1,3-ジアミノプロパノール、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4'-アミノフェニル)エチレンジアミン、N,N'-ビス(4-アミノフェニル)テトラ-メチレンジアミン、N,N'-ビス(β-ヒドロキシエチル)-N,N'-ビス(4-アミノフェニル)-テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(4-メチルアミノフェニル)テトラメチレンジアミン、N,N'-ビス(エチル)-N,N'-ビス(4'-アミノ-3'-メチルフェニル)エチレンジアミン、および1,8-ビス(2,5-ジアミノフェノキシ)-3,6-ジオキサオクタン、
ならびにその酸付加塩がある。
【0073】
挙げることができるパラ-アミノフェノール類の中には、たとえば、パラ-アミノフェノール、4-アミノ-3-メチルフェノール、4-アミノ-3-フルオロフェノール、4-アミノ-3-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メチルフェノール、4-アミノ-2-ヒドロキシメチルフェノール、4-アミノ-2-メトキシメチルフェノール、4-アミノ-2-アミノメチルフェノール、4-アミノ-2-((β-ヒドロキシエチルアミノメチル)フェノール、4-アミノ-2-フルオロフェノール、およびその酸付加塩がある。
【0074】
挙げることができるオルト-アミノフェノール類の中には、たとえば、2-アミノフェノール、2-アミノ-5-メチルフェノール、2-アミノ6-メチルフェノール、5-アセトアミド-2-アミノフェノール、およびその酸付加塩がある。
【0075】
挙げることができる複素環式塩基の中には、たとえば、ピリジン誘導体、ピリミジン誘導体、ピラゾール誘導体がある。
【0076】
挙げることができるピリジン誘導体の中には、たとえば、2,5-ジアミノピリジン、2-(4-メトキシフェニル)アミノ-3-アミノピリジン、2,3-ジアミノ-6-メトキシピリジン、2-(β-メトキシエチルエーテル)アミノ-3-アミノ-6-メトキシピリジン、3,4-ジアミノピリジンなどの特許GB1026978およびGB1153196に記載されている化合物、ならびにその酸付加塩がある。
【0077】
挙げることができるピリミジン誘導体の中では、たとえば、2,4,5,6-テトラアミノピリミジン、4-ヒドロキシ-2,5,6-トリアミノピリミジン、2-ヒドロキシ-4,5,6-トリアミノピリミジン、2,4-ジヒドロキシ-5,6-ジアミノピリミジン、2,5,6-トリアミノピリミジンなど、特許DE2359399、JP88-169571、JP05-163124、EP0770375、または特許出願WO96/15765に記載されている化合物;特許出願FR-A-2750048に述べられている誘導体などのピラゾロピリミジン誘導体があり、これらのなかでは、
ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン;2,5-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン;ピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,5-ジアミン;2,7-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,5-ジアミン;3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-オール;3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-5-オール;2-(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イルアミノ)エタノール、2-(7-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イルアミノ)エタノール、2-[(3-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-7-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、2-[(7-アミノピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3-イル)(2-ヒドロキシエチル)アミノ]エタノール、5,6-ジメチルピラゾロ[1,5-a]-ピリミジン-3,7-ジアミン、2,6-ジメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミン、2,5,N7,N7-テトラメチルピラゾロ[1,5-a]ピリミジン-3,7-ジアミンおよび3-アミノ-5-メチル-7-イミダゾリルプロピルアミノピラゾロ[1,5-a]-ピリミジン、
さらにその酸付加塩、および互変異性平衡が存在する場合はその互変異性体が挙げられる。
【0078】
挙げることができるピラゾール誘導体の中には、
4,5-ジアミノ-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)ピラゾール、3,4-ジアミノピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(4'-クロロベンジル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1,3-ジメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-フェニルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-メチル-3-フェニルピラゾール、4-アミノ-1,3-ジメチル-5-ヒドラジノピラゾール、1-ベンジル-4,5-ジアミノ-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-tert-ブチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-tert-ブチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチル)-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-(4'-メトキシフェニル)ピラゾール、4,5-ジアミノ-1-エチル-3-ヒドロキシメチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-メチルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-ヒドロキシメチル-1-イソプロピルピラゾール、4,5-ジアミノ-3-メチル-1-イソプロピルピラゾール、4-アミノ-5-(2'-アミノエチル)アミノ-1,3-ジメチルピラゾール、3,4,5-トリアミノピラゾール、1-メチル-3,4,5-トリアミノピラゾール、3,5-ジアミノ-1-メチル-4-メチルアミノピラゾールおよび3,5-ジアミノ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-1-メチルピラゾール、
など、特許DE3843892、DE4133957、および特許出願WO94/08969、WO94/08970、FR-A-2733749、DE19543988に記載されている化合物ならびにその酸付加塩がある。
【0079】
本発明による組成物は、ケラチン繊維の染色に従来より使用されている1種または複数のカップラーを含んでいてもよい。これらのカップラーの中で、特に、メタ-フェニレンジアミン類、メタ-アミノフェノール類、メタ-ジフェノール類、ナフタレン系のカップラー類、複素環式カップラー類、その酸付加塩、またそれらの混合物を挙げることができる。
【0080】
挙げることができる例には、
2-メチル-5-アミノフェノール、5-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メチルフェノール、6-クロロ-2-メチル-5-アミノフェノール、3-アミノフェノール、1,3-ジヒドロキシベンゼン、1,3-ジヒドロキシ-2-メチルベンゼン、4-クロロ-1,3-ジヒドロキシベンゼン、2,4-ジアミノ-1-(β-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、2-アミノ-4-(β-ヒドロキシ-エチルアミノ)-1-メトキシベンゼン、1,3-ジアミノベンゼン、1,3-ビス(2,4-ジアミノフェノキシ)プロパン、3-ウレイドアニリン、3-ウレイド-1-ジメチルアミノ-ベンゼン、セサモール、1-β-ヒドロキシエチルアミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼン、α-ナフトール、2-メチル-1-ナフトール、6-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシインドール、4-ヒドロキシ-N-メチルインドール、2-アミノ-3-ヒドロキシピリジン、6-ヒドロキシ-ベンゾモルホリン、3,5-ジアミノ-2,6-ジメトキシピリジン、1-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3,4-メチレンジオキシベンゼンおよび2,6-ビス(β-ヒドロキシエチルアミノ)トルエン
およびその酸付加塩が含まれる。
【0081】
本発明の組成物では、カップラー(1種又は複数種)は、一般に、染料組成物の全重量に対して0.001%〜10重量%の範囲の量で存在し、より好ましくは0.005%〜6重量%範囲の量で存在する。酸化基剤は、染料組成物の全重量に対して0.001%〜10重量%の範囲の量で存在することが好ましく、より好ましくは0.005%〜6重量%の範囲の量で存在する。
【0082】
一般に、酸化基剤およびカップラー用に、本発明の染料組成物の範囲の中で使用できる酸付加塩は、特に、塩酸塩、臭化水素酸塩、硫酸塩、クエン酸塩、コハク酸塩、酒石酸塩、乳酸塩、トシル酸塩、ベンゼンスルホン酸塩、リン酸塩、および酢酸塩から選択する。
【0083】
本発明による組成物は、式(1)の化合物以外に少なくとも1種の追加の直接染料を任意選択で含んでよい。この染料は、カチオン性種および非イオン性種から選択してよい。
【0084】
挙げることができる非限定的な例には、ニトロベンゼン染料、アゾ、アゾメチン、メチン、テトラアザペンタメチン、アントラキノン、ナフトキノン、ベンゾキノン、フェノチアジン、インジゴイド、キサンテン、フェナントリジン、フタロシアニン、およびトリアリールメタン系の染料、ならびに天然染料が、単独でまたは混合物として含まれる。
【0085】
その染料は、たとえば、以下の赤色または橙色ニトロベンゼン染料から選択してよい。
- 1-ヒドロキシ-3-ニトロ-4-N-(γ-ヒドロキシプロピル)アミノベンゼン、
- N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3-ニトロ-4-アミノベンゼン、
- 1-アミノ-3-メチル-4-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-6-ニトロベンゼン、
- 1-ヒドロキシ-3-ニトロ-4-N-(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、
- 1,4-ジアミノ-2-ニトロベンゼン、
- 1-アミノ-2-ニトロ-4-メチルアミノベンゼン、
- N-(β-ヒドロキシエチル)-2-ニトロ-パラ-フェニレンジアミン、
- 1-アミノ-2-ニトロ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-5-クロロベンゼン、
- 2-ニトロ-4-アミノジフェニルアミン、
- 1-アミノ-3-ニトロ-6-ヒドロキシベンゼン、
- 1-(β-アミノエチル)アミノ-2-ニトロ-4-(β-ヒドロキシエチルオキシ)ベンゼン、
- 1-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)オキシ-3-ニトロ-4-(β-ヒドロキシエチル)-アミノベンゼン、
- 1-ヒドロキシ-3-ニトロ-4-アミノベンゼン、
- 1-ヒドロキシ-2-アミノ-4,6-ジニトロベンゼン、
- 1-メトキシ-3-ニトロ-4-(β-ヒドロキシエチル)アミノベンゼン、
- 2-ニトロ-4'-ヒドロキシジフェニルアミン、および
- 1-アミノ-2-ニトロ-4-ヒドロキシ-5-メチルベンゼン。
【0086】
追加の直接染料は、黄色および黄緑色ニトロベンゼン直接染料から選択してもよく、たとえば、
- 1-β-ヒドロキシエチルオキシ-3-メチルアミノ-4-ニトロベンゼン、
- 1-メチルアミノ-2-ニトロ-5-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)オキシベンゼン、
- 1-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-メトキシ-4-ニトロベンゼン、
- 1-(β-アミノエチル)アミノ-2-ニトロ-5-メトキシベンゼン、
- 1,3-ジ(β-ヒドロキシエチル)アミノ-4-ニトロ-6-クロロベンゼン、
- 1-アミノ-2-ニトロ-6-メチルベンゼン、
- 1-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ヒドロキシ-4-ニトロベンゼン、
- N-(β-ヒドロキシエチル)-2-ニトロ-4-トリフルオロメチルアニリン、
- 4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3-ニトロベンゼンスルホン酸、
- 4-エチルアミノ-3-ニトロ安息香酸、
- 4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3-ニトロクロロベンゼン、
- 4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3-ニトロメチルベンゼン、
- 4-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)アミノ-3-ニトロトリフルオロメチルベンゼン、
- 1-(β-ウレイドエチル)アミノ-4-ニトロベンゼン、
- 1,3-ジアミノ-4-ニトロベンゼン、
- 1-ヒドロキシ-2-アミノ-5-ニトロベンゼン、
- 1-アミノ-2-[トリス(ヒドロキシメチル)メチル]アミノ-5-ニトロベンゼン、
- 1-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ニトロベンゼン、および
- 4-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-3-ニトロベンズアミド。
から選択した化合物を挙げることができる。
【0087】
青色または青紫色ニトロベンゼン直接染料、たとえば、
- 1-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-4-N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ニトロベンゼン、
- 1-(γ-ヒドロキシプロピル)アミノ-4,N,N-ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ニトロベンゼン、
- 1-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-4-(N-メチル-N-β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ニトロベンゼン、
- 1-(β-ヒドロキシエチル)アミノ-4-(N-エチル-N-β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ニトロベンゼン、
- 1-(β,γ-ジヒドロキシプロピル)アミノ-4-(N-エチル-N-β-ヒドロキシエチル)アミノ-2-ニトロベンゼン、
-2-ニトロ-パラ-フェニレンジアミンも挙げることができ、この染料は下式を有する:
【0088】
【化8】

【0089】
[式中、
‐ Rbは、C1〜C4アルキル基、またはβ-ヒドロキシエチル、β-ヒドロキシプロピル、もしくはγ-ヒドロキシプロピル基を表し;
‐ 同一でも異なっていてもよいRaおよびRcは、β-ヒドロキシエチル、β-ヒドロキシプロピル、γ-ヒドロキシプロピル、またはβ,γ-ジヒドロキシプロピル基を表し、基Rb、Rc、またはRaの少なくとも1つは、γ-ヒドロキシプロピル基を表し、Rbがγ-ヒドロキシプロピル基である場合、RbおよびRcは、同時に、β-ヒドロキシエチル基を表すことができない]で表され、フランス国特許FR2692572に記載されているものなどである。
【0090】
本発明にしたがって使用できるアゾ直接染料の中では、特許出願WO95/15144、WO95/01772、およびEP714954に記載されているカチオン性アゾ染料を挙げることができる。
【0091】
これらの化合物の中では、特に、以下の染料を挙げることができる:
1,3-ジメチル-2-[[4-(ジメチルアミノ)フェニル]アゾ]-1H-イミダゾリウムクロリド、
1,3-ジメチル-2-[(4-アミノフェニル)アゾ]-1H-イミダゾリウムクロリド、
1-メチル-4-[(メチルフェニルヒドラゾノ)メチル]ピリジニウムメチルスルファート。
【0092】
挙げることができるアゾ直接染料の中には、またカラーインデックスインターナショナル第3版に記載されている以下の染料がある。
Disperse Red 17
Acid Yellow 9
Acid Black 1
Basic Red 22
Basic Red 76
Basic Yellow 57
Basic Brown 16
Acid Yellow 36
Acid Orange 7
Acid Red 33
Acid Red 35
Basic Brown 17
Acid Yellow 23
Acid Orange 24
Disperse Black 9
【0093】
1-(4'-アミノジフェニルアゾ)-2-メチル-4-[ビス(β-ヒドロキシエチル)アミノ)ベンゼン、および4-ヒドロキシ-3-(2-メトキシフェニルアゾ)-1-ナフタレンスルホン酸も挙げることができる。
【0094】
挙げることができるキノン直接染料の中には、以下の染料:
Disperse Red 15
Solvent Violet 13
Acid Violet 43
Disperse Violet 1
Disperse Violet 4
Disperse Blue 1
Disperse Violet 8
Disperse Blue 3
Disperse Red 11
Acid Blue 62
Disperse Blue 7
Basic Blue 22
Disperse Violet 15
Basic Blue 99
さらに以下の化合物もある:
1-N-メチルモルホリニウムプロピルアミノ-4-ヒドロキシアントラキノン
1-アミノプロピルアミノ-4-メチルアミノアントラキノン
1-アミノプロピルアミノアントラキノン
5-β-ヒドロキシエチル-1,4-ジアミノアントラキノン
2-アミノエチルアミノアントラキノン
1,4-ビス(β,γ-ジヒドロキシプロピルアミノ)アントラキノン
【0095】
挙げることができるアジン染料の中には、以下の化合物がある。
Basic Blue 17
Basic Red 2
【0096】
本発明にしたがって使用できるトリアリールメタン染料の中では、以下の化合物を挙げることができる。
Basic Green 1
Acid Blue 9
Basic Violet 3
Basic Violet 14
Basic Blue 7
Acid Violet 49
Basic Blue 26
Acid Blue 7
【0097】
本発明にしたがって使用できるインドアミン染料の中では、以下の化合物を挙げることができる。
2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-[ビス(β-4'-ヒドロキシエチル)アミノ]-アニリノ-1,4-ベンゾキノン;
2-β-ヒドロキシエチルアミノ-5-(2'-メトキシ-4'-アミノ)アニリノ-1,4-ベンゾキノン;
3-N(2'-クロロ-4'-ヒドロキシ)フェニルアセチルアミノ-6-メトキシ-1,4-ベンゾキノンイミン;
3-N(3'-クロロ-4'-メチルアミノ)フェニルウレイド-6-メチル-1,4-ベンゾキノンイミン;
3-[4'-N-(エチルカルバミルメチル)アミノ]フェニルウレイド-6-メチル-1,4-ベンゾキノンイミン。
【0098】
本発明にしたがって使用できる染料、すなわち、テトラアザペンタメチン型の中では、下表に示す以下の化合物を挙げることができ、Anは先に定義した通りである。
【0099】
【化9A】

【化9B】

【0100】
本発明にしたがって使用できる天然直接染料の中では、ラウソン、ジュグロン、アリザリン、プルプリン、カルミン酸、ケルメス酸、プルプロガリン、プロトカテクアルデヒド、インジゴ、イサチン、クルクミン、スピヌロシン、およびアピゲニジンを挙げることができる。これらの天然染料を含む抽出物または浸出液も使用することができ、特にヘナ系のパップ剤または抽出物を使用することができる。
【0101】
一般に、これらが存在する場合は、組成物中の追加直接染料の含有量は、組成物重量に対して0.001%〜20重量%の範囲であり、好ましくは組成物重量に対して0.01%〜10重量%である。
【0102】
一般に、染色助剤としても知られている染色に適した媒質は、水、またはあまり水溶性ではない化合物を溶解するための少なくとも1種の有機溶媒と水との混合物からなる。
【0103】
より具体的には、有機溶媒は、エチルアルコール、イソプロピルアルコール、ヘキシレングリコール(2-メチル-2,4-ペンタンジオール)、ネオペンチルグリコール、3-メチル-1,5-ペンタンジオールなど、2〜10個の炭素原子を含む直鎖もしくは分枝、好ましくは飽和モノアルコールまたはジオール;ベンジルアルコールやフェニルエチルアルコールなどの芳香族アルコール;グリコールまたはグリコールエーテル、たとえば、エチレングリコールモノメチル、モノエチルおよびモノブチルエーテル、プロピレングリコールおよびそのエーテル、たとえば、プロピレングリコールモノメチルエーテル、ブチレングリコールおよびジプロピレングリコール;またジエチレングリコールアルキルエーテル、特にC1〜C4のもの、たとえば、ジエチレングリコールモノエチルエーテルまたはモノブチルエーテル、それら単独、または混合物、から選択する。
【0104】
通常は、上記の通常の溶媒は、それらが存在する場合、組成物全重量に対して1%〜40重量%に相当し、より好ましくは5%〜30重量%に相当する。
【0105】
本発明による染料組成物は、毛髪染色用に従来から組成物に使用されている様々なアジュバントを含んでいてもよく、アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性、もしくは双性イオン界面活性剤、またはそれらの混合物;アニオン性、カチオン性、非イオン性、両性、もしくは双性イオンポリマー、またはそれらの混合物;無機もしくは有機増粘剤、特にアニオン性、カチオン性、非イオン性、および両性会合ポリマー増粘剤;抗酸化剤、浸透剤、金属イオン封鎖剤、香料、緩衝液、分散剤、調整剤、たとえば、揮発性であってもなくてもよく、変性されていてもいなくてもよいシリコーン、被膜形成剤、セラミド、保存剤、乳白剤などを含んでよい。
【0106】
一般に、上記アジュバントは、個々のアジュバントにつき、組成物重量に対して0.01%〜20重量%の量で存在する。
【0107】
言うまでもなく、当業者は、このまたはこれらの任意選択の追加の化合物の選択に注意を払い、本発明による酸化染料組成物に本質的に備わる有利な特性が、想定した添加によって悪影響を受けない、または実質的に悪影響を受けないようにするであろう。
【0108】
一般に、本発明による染料組成物のpHは約3〜12であり、好ましくは約5〜11である。pHは、ケラチン繊維の染色に通常使用されている酸性化剤または塩基化剤を使用して、あるいは別法として標準的緩衝系を使用して所望の値に調節することができる。
【0109】
挙げることができる酸性化剤の中には、たとえば、塩酸、オルトリン酸、硫酸;酢酸、酒石酸、クエン酸、乳酸などのカルボン酸;スルホン酸など、鉱酸または有機酸がある。
【0110】
挙げることができる塩基性化剤の中には、たとえば、アンモニア水、アルカリ性炭酸塩;モノエタノールアミン、ジエタノールアミン、トリエタノールアミンなどのアルカノールアミンおよびその誘導体;水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、ならびに下式で表される化合物がある。
【0111】
【化10】

【0112】
[式中、
Wは、ヒドロキシル基またはC1〜C4アルキル基によって任意選択で置換されているプロピレン残基であり;同一でも異なっていてもよいRa、Rb、Rc、およびRdは水素原子、C1〜C4アルキル基、またはC1〜C4ヒドロキシアルキル基を表す。]
【0113】
本発明による染料組成物は、液体、クリーム、ゲルの形態など、様々な形態であってよく、またはケラチン繊維、特にヒトの毛髪の染色に適した他のどんな形態であってもよい。
【0114】
本発明による組成物は、少なくとも1種の酸化剤も含んでいてよい。その場合は、組成物を使用準備済(ready-to-use)組成物と称する。
【0115】
本発明において、用語「使用準備済組成物」は、直ちにケラチン繊維に塗布することを意図した組成物を意味し、すなわち組成物は、使用前に変更されない形態で貯蔵し、または2種以上の組成物を適宜混合することによって得ることができる。
【0116】
前記組成物は、本発明による組成物と酸化組成物との混合によって得ることもできる。
【0117】
酸化剤は、当分野で従来から使用されている任意の酸化剤でよい。すなわち、酸化剤は、過酸化水素、過酸化尿素、アルカリ金属臭素酸塩、過ホウ酸塩や過硫酸塩などの過酸塩、また酵素、その中ではペルオキシダーゼ、ウリカーゼなどの2電子酸化還元酵素、および4電子酸素添加酵素、たとえば、ラッカーゼから選択してよい。過酸化水素の使用が特に好ましい。
【0118】
一般に、酸化剤の含有量は、使用準備済組成物の重量に対して1%〜40重量%であり、好ましくは使用準備済組成物の重量に対して1%〜20重量%である。
【0119】
一般に、使用する酸化組成物は、水性組成物であり、溶液またはエマルションの形態をとってよい。通常、酸化剤を含まない組成物は、約0.5〜10重量当量の酸化組成物と混合する。
【0120】
使用準備済組成物のpHが、より具体的には4〜12であり、好ましくは7〜11.5であることは特筆する必要があろう。
【0121】
組成物のpHは、特に、本発明の詳細な説明の文脈において既に述べた酸性化剤または塩基性化剤から選択したものを使用して調節することができる。
【0122】
本発明の主題はまた、本発明による染料組成物を湿潤または乾燥したケラチン繊維に適用することを含む染色方法でもある。
【0123】
式(I)の化合物またはその酸付加塩を含み、少なくとも1種のカップラーと任意選択で組み合わせた少なくとも1種の酸化基剤を任意選択で、および少なくとも1種の追加の直接染料を任意選択で含む、染料組成物の繊維への適用は、酸化剤の存在下で実施してよい。
【0124】
この酸化剤は、式(I)の化合物、ならびに任意選択の酸化基剤、カップラー、および/または追加の直接染料を含む組成物に、使用時または直接ケラチン繊維上で添加することができる。
【0125】
酸化組成物は、毛髪の染色のために従来から組成物に使用されている、先に定義した様々なアジュバントを含んでもよい。
【0126】
酸化剤を含む酸化組成物のpHは、染料組成物と混合後、ケラチン繊維に適用するための得られた組成物のpHが、約4〜12の範囲になることが好ましく、7〜11.5がより好ましい。pHは、ケラチン繊維の染色に通常使用されている先に定義した酸性化剤または塩基性化剤によって所望の値に調節することができる。
【0127】
最終的にケラチン繊維に適用する組成物は、液体、クリーム、ゲルの形態など、様々な形態であってよく、またはケラチン繊維、特にヒトの毛髪の染色に適した他の任意の形態であってよい。
【0128】
特定の一実施形態によれば、本発明による組成物は酸化基剤およびカップラーを含まない。
【0129】
塗布する組成物は、少なくとも1種の酸化剤を任意選択で含んでよい。
【0130】
このようにして組成物は、湿潤または乾燥したケラチン繊維に適用され、所望の着色を得るのに充分な時間放置される。
【0131】
(酸化剤を含み、または含まない)どんな変形形態を用いようとも、放置時間は、一般に、数秒〜1時間であり、好ましくは3分〜30分である。
【0132】
組成物を作用させるための温度は、一般に、15〜220℃であり、さらに特に15〜80℃、好ましくは15〜40℃である。
【0133】
放置時間後、組成物を水で濯ぐことによって除去し、任意選択で続いてシャンプーにより洗浄し、次いで任意選択で乾燥する。
【0134】
本発明の別の主題は、第1の区画に本発明の染料組成物が含まれ、第2の区画に酸化組成物が含まれる多区画デバイスまたは染色「キット」である。このデバイスは、特許FR-2586913に記載されているデバイスのように、所望の混合物を毛髪に適用するための手段を備えることができる。
【0135】
以下の実施例は、実質的に限定することなく、本発明を説明する役割を果たす。
【0136】
〔実施例1〕
1/ 下記化合物6の合成:
【0137】
【化11】

【0138】
(合成スキーム)
【0139】
【化12】

【0140】
(手順)
[ステップ1]
化合物1(1g)を3つ口フラスコ中の12mlの水に撹拌しながら入れ、次いで3-アミノプロピルイミダゾール(2.8ml、8当量)を反応媒質に加える。混合物を撹拌しながら75℃(外部温度)に加熱する。
【0141】
15分後、加熱を中止し、混合物を放置して室温に冷却する。
【0142】
アセトンからの生成物の沈殿と、続くろ過の後、化合物2を回収する。暗赤紫色固体が得られる。NMRおよび質量スペクトルは化合物2に一致した。
【0143】
[ステップ2]
化合物3(20g)およびエタノール(200ml)を3つ口フラスコに入れ、6-アミノヘキサノール(43.9g、5当量)を導入する。
【0144】
混合物を撹拌しながら70℃(外部温度)に加熱する。
【0145】
10時間後、加熱を中止し、混合物を放置して室温に冷却する。
【0146】
溶媒留去後、化合物4を回収する。
【0147】
赤色固体が得られる。NMRおよび質量スペクトルは化合物4に一致した。
【0148】
[ステップ3]
化合物4(3g)、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(80ml)、塩化メタンスルホニル(4ml、6当量)、およびピリジン(4.12ml、6当量)を3つ口フラスコに入れる。
【0149】
混合物を室温で4日間撹拌する。生成物を酢酸エチルから沈殿させ、次いでろ過する。沈殿物を水に溶解し、次いでジクロロメタンで抽出する。有機相を硫酸ナトリウムによって乾燥し、ろ過し、次いで濃縮する。
【0150】
つや消し赤色粉の形態をした化合物5を回収する。
【0151】
NMRおよび質量スペクトルは化合物5に一致した。
【0152】
[ステップ4]
化合物2および5、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(4ml)、ならびに触媒量のKIを3つ口フラスコに入れる。
【0153】
混合物を95℃で14時間撹拌する。
【0154】
生成物を酢酸エチルから沈殿させ、次いでろ過する。沈殿物を数回ジクロロメタンによって洗浄する。つや消し暗紫色粉末の形態をした化合物6を回収する。
【0155】
NMRおよび質量スペクトルによって化合物5が合成されていることが示される。
【0156】
(染色実施例)
下記組成物を調製する。
【0157】
【表1】

【0158】
5×10-3mol/lの化合物6を上記組成物に溶解する。
【0159】
このようにして得られた組成物を白髪が90%含まれる毛髪の房に適用する。
【0160】
化合物6によって紫紅色色調が得られる。
【0161】
〔実施例2〕
1/ 下記化合物8の合成:
【0162】
【化13】

【0163】
(合成スキーム)
【0164】
【化14】

【0165】
(手順)
[ステップ1]
化合物1(1g)を3つ口フラスコ中の10mlの水に撹拌しながら入れ、次いで反応媒質にN-メチルピペラジン(3.3ml、10当量)を加える。混合物を室温で撹拌しながら放置する。
【0166】
1時間後、反応媒質を50mlのアセトンから沈殿させる。
【0167】
沈殿物をろ過後、化合物7を回収する。
【0168】
暗青紫色固体が得られる。NMRおよび質量スペクトルは化合物7に一致した。
【0169】
[ステップ2]
化合物2および7、1,3-ジメチル-3,4,5,6-テトラヒドロ-2(1H)-ピリミジノン(4ml)、ならびに触媒量のKIを3つ口フラスコに入れる。
【0170】
混合物を95℃で14時間撹拌する。
【0171】
生成物を酢酸エチルから沈殿させ、次いでろ過する。沈殿物を数回ジクロロメタンによって洗浄する。つや消し暗紫色粉末の形態をした化合物8を回収する。
【0172】
(染色実施例)
前述の実施例と同様の方法を実施する。化合物8によって鮮やかな暗紫色色調が得られる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下式(1)のカチオン性化合物またはその酸付加塩。
Dye1-LK-Dye2 (I)
〔式中、
Dye1およびDye2は、式(I)の化合物が対称とならないものであり、かつ以下を示す:
【化1】

[式中、
W1およびW6は、それぞれ独立に、基-NR1-または-O-を表し(式中、R1は、水素原子、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されているC1〜C20、好ましくはC1〜C16炭化水素系の鎖を表し、該鎖は1個または複数の、任意選択で置換されている3員〜7員の炭素系の環を形成していてよく、1個または複数のヘテロ原子、あるいは少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは酸素および窒素から選択したヘテロ原子を有する1個または複数の基によって任意選択で中断されていてよい);
W'1およびW'6は、それぞれ独立に、基-NR'1R'2または-OR'3を表し(式中、R'1、R'2、およびR'3は、それぞれ独立に、水素原子、または飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されているC1〜C20、好ましくはC1〜C16炭化水素系の鎖を表し、該鎖は1個または複数の、任意選択で置換されている3員〜7員の炭素系の環を形成していてよく、1個または複数のヘテロ原子、あるいは少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは酸素および窒素から選択したヘテロ原子を有する1個または複数の基によって任意選択で中断されていてよく、R'1およびR'2は、それらが結合している窒素原子と共に、別の窒素または非窒素ヘテロ原子を任意選択で含む、任意選択で置換されている5員または7員複素環を形成していてもよい);
W1およびW6に由来する基R1は、一緒になってまたは別々に、基LKの全てもしくは一部、およびそれぞれが結合している窒素原子と共に、カチオン性もしくは非カチオン性、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されている5員〜7員複素環を形成していてよく;
W'1およびW'6に由来する基R'1、R'2、またはR'3は、一緒になってまたは別々に、基LKの全てもしくは一部、およびそれぞれが結合している窒素または酸素原子と共に、カチオン性もしくは非カチオン性、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されている5員〜7員複素環を形成していてよく;
W2、W5、W'2、およびW'5は、それぞれ独立に、下式(a)〜(c)の基を表し:
【化2】

(式中、
‐ X1は、窒素原子または基CR7を表し;
‐ X2は、窒素原子または基CR8を表し;
‐ Z1は、窒素原子または基CR10を表し;
‐ Z2は、窒素原子または基CR11を表し;
‐ R4、R5、R6、R'6、R7、R8、R10、およびR11は、それぞれ独立に以下を表し:
・ 直鎖もしくは分枝、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されているC1〜C16炭化水素系の鎖であって、1個または複数の、任意選択で置換されている3員〜6員の炭素系の環を形成していてよく、1個または複数のヘテロ原子、あるいは少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは酸素および窒素から選択したヘテロ原子を有する1個または複数の基によって任意選択で中断されていてよい鎖;
・ ヒドロキシル基、
・ C1〜C4アルコキシ基、C2〜C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基(RO-CO-)(式中、RはC1〜C4アルキル基を表す)、またはアルキルカルボニルオキシ基(RCO-O-)(式中、RはC1〜C4アルキル基を表す);
・ アミノ基、少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有し、同一でも異なっていてもよい1個または複数のC1〜C4アルキル基によって置換されているアミノ基であって、該2個のアルキル基が、それらが結合している窒素原子と共に、別の窒素または非窒素ヘテロ原子を任意選択で含む5員または6員複素環を形成していてもよいアミノ基;アルキルカルボニルアミノ基(RCO-NR-)(式中、基Rは、それぞれ独立に、C1〜C4アルキル基を表す);カルバモイル基((R)2N-CO)(式中、同一でも異なっていてもよい基Rは、それぞれ独立に、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表す);ウレイド基(N(R)2-CO-NR'-)(式中、基RおよびR'は、それぞれ独立に、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表す);スルホンアミド基((R)2N-SO2-)(式中、基Rは、それぞれ独立に、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表す);アルキルスルホニルアミノ基(RSO2-NR'-)(式中、基RおよびR'は、それぞれ独立に、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表す);グアニジウム基((R')2N-C(=NH2+)-NR-)(式中、基RおよびR'は、それぞれ独立に、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表す);
・ ニトロ基;シアノ基;ハロゲン原子、好ましくは塩素またはフッ素;
・ R4、R5、R6、R'6、R7、R8、R10、およびR11は、水素原子を表していてよく;
・ R4、R5、R6、R'6、R7、R8、R10、およびR11は、それぞれ独立に、基W'1またはW'6の全てまたは一部と共に、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されている5員〜7員複素環を任意選択で形成していてよく;
・ W'2からW'1もしくは基LKへの結合、またはW'5からW'6もしくは基LKへの結合;
・ aは、W2、W5、W'2、またはW'5から、アゾ基-N=N-への結合を表し;
・ bは、W2からW1への結合、W5からW6への結合、W'2からW'1もしくは基LKへの結合、またはW'5からW'6もしくは基LKへの結合を表し;
‐ R9は、以下を表す:
・ 水素原子、
・ 直鎖もしくは分枝、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されているC1〜C16炭化水素系の鎖であって、1個または複数の、任意選択で置換されている3員〜7員の炭素系の環を形成していてよい鎖、
‐ nおよびn'は、整数を表し、その合計は6以下である);
W3およびW4は、それぞれ独立に、下式(1)〜(11)の1つによって表されるカチオン性ヘテロ芳香族基を表す:
【化3A】

【化3B】

(式中、
‐ 主環に置換し、同一でも異なっていてもよいR'4は以下を表す:
・ 直鎖もしくは分枝、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されているC1〜C16炭化水素系の鎖であって、1個または複数の3員〜6員の炭素系の環を形成していてよく、1個または複数のヘテロ原子、あるいは少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは酸素および窒素から選択したヘテロ原子を有する1個または複数の基によって任意選択で中断されていてよい鎖;
・ ヒドロキシル基、
・ C1〜C4アルコキシ基、C2〜C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基、アルコキシカルボニル基(RO-CO-)(式中、RはC1〜C4アルキル基を表す)、またはアルキルカルボニルオキシ基(RCO-O-)(式中、RはC1〜C4アルキル基を表す);
・ アミノ基、少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有する、それぞれ独立に、1個または複数のC1〜C4アルキル基によって置換されているアミノ基であって、該2個のアルキル基が、それらが結合している窒素原子と共に、別の窒素または非窒素ヘテロ原子を任意選択で含む5員または6員複素環を形成していてもよいアミノ基;アルキルカルボニルアミノ基(RCO-NR'-)(式中、基RはC1〜C4アルキル基を表し、基R'は水素またはC1〜C4アルキル基を表す);カルバモイル基((R)2N-CO-)(式中、基Rは、それぞれ独立に、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表す);ウレイド基(N(R)2-CO-NR'-)(式中、基RおよびR'は、それぞれ独立に、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表す);スルホンアミド基((R)2N-SO2-)(式中、基Rは、それぞれ独立に、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表す);アルキルスルホニルアミノ基(RSO2-NR'-)(式中、基RおよびR'は、それぞれ独立に、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表す);グアニジウム基((R')2N-C(=NH2+)-NR-)(式中、基RおよびR'は、それぞれ独立に、水素原子またはC1〜C4アルキル基を表す);
・ ニトロ基;シアノ基;ハロゲン原子、好ましくは塩素またはフッ素;
・ 主環の2個の隣接する炭素原子によって保持されている2個の基R'4は、芳香族もしくは非芳香族の5員または6員の第2の環を任意選択で形成していてよく、少なくとも1個の水素;少なくとも1個のヒドロキシル基;少なくとも1個のC1〜C4アルキル基;少なくとも1個のC1〜C4アルコキシ基;少なくとも1個のC2〜C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基;少なくとも1個のアミノ基;少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有する、同一でも異なっていてもよい1個または複数のC1〜C4アルキル基によって置換されている少なくとも1個のアミノ基、によって任意選択で置換されており、好ましくは、該第2の環は上記のように任意選択で置換されている6員芳香環であり;
・ 四級化窒素原子によって保持されているR'5は、直鎖もしくは分枝、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されているC1〜C16炭化水素系の鎖を表し、該鎖は1個または複数の、任意選択で置換されている3員〜6員の炭素系の環を形成していてよく、1個または複数のヘテロ原子、あるいは少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは酸素、窒素、および硫黄から選択した原子を有する1個または複数の基によって任意選択で中断されていてよく;基R'5は前記四級化窒素原子に直接結合する原子が炭素原子となるものであり;
‐ R'7は、任意選択で置換されているC1〜C4アルキル基;任意選択で置換されているフェニル基;任意選択で置換されているベンジル基を表し;
‐ 結合cは、式(1)〜(11)によって定義したカチオン基と前記アゾ基を結合し;前記結合は、主環または第2の環上でよく;好ましくは、前記アゾ基との結合aは主環上であり;
‐ pは、0〜4の範囲の整数であり、p'は、0〜2の範囲の整数であり、p"は、0〜3の範囲の整数であり;主環が最高数の置換基を有していない場合、前記非置換位置には窒素原子があることは注目すべきである);
LKは、少なくとも1個のカチオン電荷を有する、飽和もしくは不飽和、直鎖もしくは分枝、環式もしくは非環式、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されているC2〜C40、好ましくはC2〜C20炭化水素系の鎖を表し、該鎖は少なくとも1個のヘテロ原子、または少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは酸素もしくは窒素を含む基によって任意選択で中断されており;LKがW'2またはW'5に結合する場合、LKは、ヘテロ原子、または少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは酸素もしくは窒素を含む基を末端としてよく;LKがW6またはW1に結合する場合、LKは-CO-および-SO2-から選択した少なくとも1個のヘテロ原子を有する基を末端としてよい]、
化合物の電気的中性は、1種または複数の化粧品として許容されるアニオンAnによって確実にされる。〕
【請求項2】
R1、R'1、R'2、およびR'3が、それぞれ独立に以下を表すことを特徴とする請求項1記載の化合物。
‐ 水素原子;
‐ 任意選択で置換されているC1〜C6アルキル基;
‐ アリール部分が任意選択で置換されている、フェニルやベンジルなどのアリールまたはアリールアルキル基;
‐ W1およびW6に由来する基R1は、一緒になってまたは別々に、基LKの全てもしくは一部、およびそれぞれが結合している窒素原子と共に、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されている5員〜7員複素環を形成していてよく;
‐ W'1およびW'6に由来する基R'1、R'2、またはR'3は、一緒になってまたは別々に、基LKの全てもしくは一部、およびそれぞれが結合している窒素または酸素原子と共に、飽和もしくは不飽和、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されている5員〜7員複素環を形成していてよい。
【請求項3】
同一でも異なっていてもよい基R1、R'1、R'2、およびR'3が以下を表すことを特徴とする請求項2に記載の化合物。
‐ 水素原子、
‐ 任意選択で置換されているC1〜C3アルキル基、例えば、メチル、エチル、2-ヒドロキシエチル、または2-メトキシエチルエーテル;
‐ ヒドロキシル、C1〜C2アルコキシ、およびアミノ基、または少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有する1個もしくは複数のC1〜C4基によって置換されているアミノ基から選択した、1個または複数の基によって任意選択で置換されているフェニル基;
‐ 一方ではW1およびW6に由来する基R1、あるいは他方ではW'1およびW'6に由来する基R'2およびR'3は、それぞれが結合しているR'3の窒素もしくは酸素原子および基LKの全てもしくは一部と共に、1個または複数のメチル、ヒドロキシル、アミノ、または(ジ)メチルアミノ基によって任意選択で置換されている、ピロリジン、ピペリジン、ピペラジン、またはホモピペラジン型5員〜7員複素環を形成していてよい。
【請求項4】
同一でも異なっていてもよいR1、R'1、R'2、およびR'3が以下を表すことを特徴とする、請求項2に記載の化合物。
‐ 水素原子;
‐ メチル、エチル、または2-ヒドロキシエチル基;
‐ ヒドロキシル、メトキシ、アミノ、(ジ)メチルアミノ、または(ジ)(2-ヒドロキシエチル)アミノ基によって任意選択で置換されているフェニル基;
‐ 一方ではW1およびW6に由来する基R1、あるいは他方ではW'1およびW'6に由来する基R'2およびR'3は、それぞれが結合しているR'3の窒素もしくは酸素原子および基LKの全てもしくは一部と共に、ピロリジン、3-ヒドロキシピロリジン、3-ジメチルアミノピロリジン、ピペリジン、2-(2-ヒドロキシエチルピペリジン)、4-(アミノメチル)ピペリジン、4-(2-ヒドロキシエチル)ピペリジン、4-(ジメチルアミノ)ピペリジン、ピペラジン、1-メチルピペラジン、1-(2-ヒドロキシエチル)ピペラジン、1-(2-アミノエチル)ピペラジン、1-ヒドロキシエチルエトキシピペラジン、ホモピペラジン、または1-メチル-1,4-ペルヒドロジアゼピンなどの5員〜7員複素環を形成していてよい。
【請求項5】
同一でも異なっていてもよい基R4、R5、R6、R'6、R7、R8、R10、およびR11が以下を表すことを特徴とする、請求項1から4のいずれか一項に記載の化合物。
‐ R4、R5、R7、R8、R10、およびR11については水素原子;
‐ 任意選択で置換されているC1〜C16、好ましくはC1〜C8アルキル基;
‐ 塩素、フッ素、または臭素などのハロゲン原子;
‐ ヒドロキシル基;
‐ C1〜C2アルコキシ基;C2〜C4(ポリ)ヒドロキシアルコキシ基;
‐ アミノ基;少なくとも1個のヒドロキシル基またはC1〜C4ジアルキルアミノ基を任意選択で有する、同一でも異なっていてもよい1個または2個のC1〜C4アルキル基によって置換されているアミノ基;
‐ アルキルカルボニルアミノ基(RCO-NR'-)(式中、基RはC1〜C4アルキル基を表し、基R'は水素またはC1〜C4アルキル基を表す);カルバモイル基((R)2N-CO-)(式中、同一でも異なっていてもよい基Rは、水素原子、または少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有するC1〜C4アルキル基を表す);アルキルスルホニルアミノ基(R'SO2-NR-)(式中、基Rは、水素原子、または少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有するC1〜C4アルキル基を表し、基R'は、C1〜C4アルキル基を表す);アミノスルホニル基((R)2N-SO2-)(式中、同一でも異なっていてもよい基Rは、水素原子、または少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有するC1〜C4アルキル基を表す);
‐ W'2からW'1もしくは基LKへの結合、またはW'5からW'6もしくは基LKへの結合を表す。
【請求項6】
同一でも異なっていてもよい基R4、R5、R6、R'6、R7、R8、R10、およびR11が以下を表すことを特徴とする、請求項1から5のいずれか一項に記載の化合物。
‐ R4、R5、R6、R'6、R7、R8、R10、およびR11については水素原子;
‐ ヒドロキシルおよびアシルアミノ基、または少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有する2個の同一または異なるC1〜C2アルキル基で置換されているアミノ基、またはC1〜C2アルコキシ基、から選択した1個または複数の基によって任意選択で置換されているC1〜C4アルキル基;
‐ アミノ基;少なくとも1個のヒドロキシル基を任意選択で有する1個または2個の同一または異なるC1〜C2アルキル基によって置換されているアミノ基;アシルアミノ基;カルバモイル基;スルホニルアミノ基;
‐ ヒドロキシル基;C1〜C2アルコキシ基、
‐ W'2からW'1もしくは基LKへの結合、またはW'5からW'6もしくは基LKへの結合。
【請求項7】
基R9が、水素原子、またはC1〜C15アルキル基;C2〜C6モノヒドロキシアルキル基;C2〜C6ポリヒドロキシアルキル基;(C1〜C6)アルコキシ(C2〜C6)アルキル基;フェニルなどの、任意選択で置換されているアリール基;ベンジルなどの、任意選択で置換されているアリールアルキル基;C2〜C6アミドアルキル基;アミンが、2個の同一または異なる、任意選択で置換されているC1〜C4アルキル基によって置換されているC2〜C6アミノアルキル基を表し;さらに、基R9が、前記窒素原子に直接結合している原子が炭素原子であるものであることを特徴とする、請求項1から6のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項8】
基R9が、水素原子、C1〜C6アルキル基、もしくはC2〜C6モノヒドロキシアルキル基;C2〜C6ポリヒドロキシアルキル基;(C1〜C6)アルコキシ(C2〜C6)アルキル基;少なくとも1個の塩素原子、ヒドロキシル基、基RCO-NH-(式中、Rは、C1〜C4アルキル基、または2個の同一または異なるC1〜C4アルキル基によって置換されているアミノ基を表す)によって任意選択で置換されているフェニル基;ベンジル基;C1〜C6アミノアルキル基;C1〜C6アミノアルキル基(式中、アミンは、2個の同一または異なるC1〜C4アルキル基によって置換されている)を表し;さらに、基R9が、前記窒素原子に直接結合している原子が炭素原子であるものであることを特徴とする、請求項7に記載の化合物。
【請求項9】
同一でも異なっていてもよいW2、W5、W'2、およびW'5が、式(a)または(c)の化合物を表すことを特徴とする、請求項1から8のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項10】
X1が、基CR7を表すことを特徴とする、請求項1から9のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項11】
X2が、基CR8を表すことを特徴とする、請求項10に記載の化合物。
【請求項12】
W3およびW4が、それぞれ独立に、下式(1)〜(3)の芳香族複素環を表すことを特徴とする、請求項1から11のいずれか一項に記載の化合物。
【化4】

(式中、R'4、R'5、R'7、p、p'、およびaは、先に定義した通りである)。
【請求項13】
前記芳香族複素環が、2-イミダゾリウム、2-ベンゾイミダゾリウム、2-ピリジニウム、3-ピリジニウム、4-ピリジニウム、2-キノリニウム、4-キノリニウム、3-ピラゾリウム、4-ピラゾリウム、3-インダゾリウム、4-インダゾリウム、5-インダゾリウム、6-インダゾリウムおよび7-インダゾリウムから選択されており、前記2個の基W3またはW4の少なくとも1つが非置換イミダゾリウム基を表さないことを特徴とする、請求項12に記載の化合物。
【請求項14】
LKが、次式を表すことを特徴とする、請求項1から13のいずれか一項に記載の化合物。
【化5】

[式中、
・ DおよびD'は、それぞれ独立に、直鎖もしくは分枝、飽和もしくは不飽和のC1〜C14炭化水素系の結合を表し、該結合は1個または複数のヘテロ原子、あるいは少なくとも1個のヘテロ原子、好ましくは酸素および窒素から選択したヘテロ原子を有する1個または複数の基によって任意選択で中断されており;
・ 結合dは、結合手DおよびD'と、基W1、W6、W'2、およびW'5とを連結し;
・ qは、1以上であり、好ましくは1または2に等しく;
・ 基Rは、以下を表す:
【化6】

(式中、
・ R12、R13、R'12およびR'13は、それぞれ独立に、C1〜C15アルキル基;C1〜C6モノヒドロキシアルキル基;C2〜C6ポリヒドロキシアルキル基;(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル基;フェニルなどのアリール基;ベンジルなどのアリールアルキル基;C1〜C6アミドアルキル基;C1〜C6アミノアルキル基;C1〜C6アミノアルキル基(式中、アミンは、1個または複数の同一または異なる、C1〜C4アルキル、(C1〜C6)アルキルカルボニル、アシルアミノ、または(C1〜C6)アルキルスルホニル基によって置換されている)を表し;
・ R12およびR13は、該基が結合している窒素原子と共に、1個または複数のヘテロ原子を含んでいてよい5員、6員、または7員の飽和カチオン性環を形成していてよく、前記カチオン性環は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6モノヒドロキシアルキル基、C2〜C6ポリヒドロキシアルキル基、C1〜C6アルコキシ基、アミド基、(C1〜C6)アルキルカルボニル基、チオ基、C1〜C6チオアルキル基、(C1〜C6)アルキルチオ基、アミノ基、あるいは1個または複数の同一または異なるC1〜C6アルキル、(C1〜C6)アルキルカルボニル、アシルアミノ、または(C1〜C6)アルキルスルホニル基によって置換されているアミノ基、によって置換されていてよいが、置換されていないことが好ましく;
・ R12またはR13は、DまたはD'と共に、1個または複数のヘテロ原子を含んでいてよい5員、6員、または7員の飽和カチオン性環を形成していてよく、前記カチオン性環は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、C1〜C6アルキル基、C1〜C6モノヒドロキシアルキル基、C2〜C6ポリヒドロキシアルキル基、C1〜C6アルコキシ基、アミド基、(C1〜C6)アルキルカルボニル基、チオ基、C1〜C6チオアルキル基、(C1〜C6)アルキルチオ基、アミノ基、あるいは1個または複数の同一または異なるC1〜C6アルキル、(C1〜C6)アルキルカルボニル、アシルアミノ、または(C1〜C6)アルキルスルホニル基によって置換されているアミノ基、によって置換されていてよいが、置換されていないことが好ましく;
・ R12およびR13は、W1またはW6と共に、5員、6員、または7員の飽和もしくは不飽和の、芳香族もしくは非芳香族の任意選択で置換されているカチオン性複素環を形成していてよく;
・ 同一でも異なっていてもよい環構成要素E、G、J、およびLは、ピラゾリウム、イミダゾリウム、トリアゾリウム、オキサゾリウム、イソオキサゾリウム、チアゾリウム、またはイソチアゾリウム環を形成するための炭素、酸素、硫黄、または窒素原子を表し;
・ R14は、R12と同じ意味を有するが、この基とは独立しており;
・ R15は、C1〜C6アルキル基;C1〜C6モノヒドロキシアルキル基、C2〜C6ポリヒドロキシアルキル基、(C1〜C6)アルコキシ(C1〜C6)アルキル基、C2〜C6カルバミルアルキル基、(C1〜C6)アルキルカルボキシ(C1〜C6)アルキル基、またはベンジル基を表し;基R15は窒素原子によって保持されていることは理解され、
・ 同一でも異なっていてもよいR16は、水素もしくはハロゲン原子、C1〜C6アルキル基、C1〜C6モノヒドロキシアルキル基、C2〜C6ポリヒドロキシアルキル基、C1〜C6アルコキシ基、アミド基、カルボキシル基、C1〜C6アルキルカルボニル基、C1〜C6チオアルキル基、(C1〜C6)アルキルチオ基;(C1〜C6)アルキル、(C1〜C6)アルキルカルボニル、または(C1〜C6)アルキルスルホニル基によって二置換されているアミノ基;ベンジル基;メチル、ヒドロキシル、アミノ、およびメトキシ基から選択した1個または複数の基によって任意選択で置換されているフェニル基、を表し、基R16は、炭素原子によって保持されていることが理解され;
・ Anは、有機アニオンまたは無機アニオンを表し;
・ zは、1〜3の整数であり;
・ yは、0または1に等しく;
・ vは、1または2に等しい整数であり;
・ xは、0または1に等しく;
‐ x=0のときは、前記結合手DまたはD'の1本は、前記四級化窒素原子に結合しており、
‐ x=1のときは、前記結合手Dおよび/またはD'の少なくとも1本は、炭素原子に結合している。)]
【請求項15】
式(d)において、R12およびR13が、別々に、C1〜C6アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、(C1〜C6)アルコキシ(C2〜C4)アルキル基、C2〜C6アミドアルキル基、およびC2〜C6ジメチルアミノアルキル基から選択されていることを特徴とする、請求項14に記載の化合物。
【請求項16】
DおよびD'は、別々に、置換されていてよいC1〜C6アルキル鎖であり、さらに好ましくは非置換であることを特徴とする、請求項15に記載の化合物。
【請求項17】
式(e)において、前記環構成要素E、G、J、およびLが、イミダゾリウム、ピラゾリウム、オキサゾリウム、またはチアゾリウム環を形成し;xおよびbが、0に等しいことを特徴とする、請求項14に記載の化合物。
【請求項18】
DおよびD'は、別々に、置換されていてよいC1〜C4アルキル鎖を表し、さらに好ましくは非置換であることを特徴とする、請求項17に記載の化合物。
【請求項19】
R14が、メチル、エチル、または2-ヒドロキシエチル基を表すことを特徴とする、請求項17または18に記載の化合物。
【請求項20】
式(f)において、R'12およびR'13が、別々に、C1〜C6アルキル基、C1〜C4モノヒドロキシアルキル基、C2〜C4ポリヒドロキシアルキル基、(C1〜C6)アルコキシ(C2〜C4)アルキル基、C2〜C6アミドアルキル基、およびC2〜C6ジメチルアミノアルキル基、から選択されていることを特徴とする、請求項14に記載の化合物。
【請求項21】
DおよびD'は、別々に、置換されていてよいC1〜C6アルキル鎖であり、さらに好ましくは非置換であることを特徴とする、請求項20に記載の化合物。
【請求項22】
係数vが1に等しいことを特徴とする、請求項20または21に記載の化合物。
【請求項23】
次式に相当することを特徴とする請求項1から22のいずれか一項に記載の化合物。
【化7A】

【化7B】

【化7C】

【化7D】

[式中、
‐ R1、R3、R4、R12、R13、R'4、R'5、R'7、R'12、R'13、p、およびp'は、先に定義した通りであり;
‐ 同一でも異なっていてもよいRおよびR'は、1〜10の整数であり、好ましくは1〜6であり;
‐ 分子の電気的中性は、先に定義した1種または複数の化粧品として許容されるアニオンAnの存在によって守られている。]
【請求項24】
前記化粧品として許容されるアニオンが、塩化物、臭化物、フッ化物、ヨウ化物などのハロゲン化物;水酸化物;硫酸塩;硫酸水素塩;(C1〜C6)アルキル硫酸塩、たとえば、メチル硫酸塩やエチル硫酸塩;リン酸塩;炭酸塩;炭酸水素塩;過塩素酸塩;酢酸塩;酒石酸塩;クエン酸塩;シュウ酸塩;メチルスルホン酸塩などの(C1〜C6)アルキルスルホン酸塩;非置換の、またはC1〜C4アルキル基によって置換されているアリールスルホン酸塩、たとえば、4-トリルスルホナート、から選択されていることを特徴とする、請求項1から23のいずれか一項に記載の化合物。
【請求項25】
ケラチン繊維の染色に適した媒質中に、前記請求項1から24のいずれか一項に記載の式(I)の化合物の少なくとも1種またはその酸付加塩を直接染料として含む染料組成物。
【請求項26】
式(I)の化合物または式(1)の複数の化合物のそれぞれの含有量が、染料組成物の全重量に対して0.001%〜20重量%の範囲であり、より特には0.01%〜10重量%の範囲であることを特徴とする、請求項25に記載の組成物。
【請求項27】
少なくとも1種の追加の直接染料、および少なくとも1種のカップラーもしくはその混合物と任意選択で組み合わせた少なくとも1種の酸化基剤を含むことを特徴とする、請求項25または26に記載の組成物。
【請求項28】
前記追加の直接染料が、ニトロベンゼン染料、アゾ、アゾメチン、メチン、テトラアザペンタメチン、アントラキノン、ナフトキノン、ベンゾキノン、フェノチアジン、インジゴイド、キサンテン、フェナントリジン、フタロシアニン、およびトリアリールメタン系の染料、ならびに天然染料から、単独でまたは混合物として選択されるカチオン性または非イオン性染料であることを特徴とする、請求項27に記載の組成物。
【請求項29】
前記酸化基剤が、o-フェニレンジアミン類、p-フェニレンジアミン類、二重塩基(ダブルベース)、o-アミノフェノール類、p-アミノフェノール類および複素環式塩基、その酸付加塩、並びにそれらの混合物、から選択されることを特徴とする、請求項27に記載の組成物。
【請求項30】
前記カップラーが、m-アミノフェノール類、m-フェニレンジアミン類、m-ジフェノール類、ナフトール類、および複素環式カップラー、その酸付加塩、ならびにそれらの混合物、から選択されることを特徴とする、請求項27に記載の組成物。
【請求項31】
少なくとも1種の酸化剤を含むことを特徴とする、請求項25から30のいずれか一項に記載の組成物。
【請求項32】
ケラチン繊維の染色方法であって、請求項25から31のいずれか一項に記載の組成物を、所望の効果を得るのに十分な時間、湿潤または乾燥した前記繊維と接触させるステップから構成される方法。
【請求項33】
第1の区画が請求項25から30のいずれか一項に記載の組成物を含み、第2の区画に酸化組成物が含まれる多区画デバイス。

【公開番号】特開2006−9017(P2006−9017A)
【公開日】平成18年1月12日(2006.1.12)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2005−182483(P2005−182483)
【出願日】平成17年6月22日(2005.6.22)
【出願人】(391023932)ロレアル (950)
【Fターム(参考)】