説明

特定情報取得装置、目標物特定装置、特定情報取得方法、特定情報取得プログラム、住所特定装置、住所特定方法および住所特定プログラム

【課題】目標物がルール違反をしていた事実を特定することを目的とする。また、目標物が道路などに放置されている場合でも、目標物の位置を特定できる住所を取得することを目的とする。
【解決手段】目標物の全体画像を取得する全体画像取得部102と、目標物の識別情報の画像を取得する識別画像取得部104と、所定のラベルが付された目標物の画像であるラベル画像を取得するラベル画像取得部106と、地図情報記憶部が記憶した地図情報が示す地図画像に、目標物の位置を示すことにより位置表示画像を生成する位置表示画像生成部108とを備える。また、地図において、目標物の位置から所定の方向に向かって所定の幅で住所を有する物体を検索する住所検索部を用いて住所を特定する住所特定部158を備える。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば、工場内などにおいて放置された車両、重機、荷物などの目標物の違反を特定する技術に関する。
【背景技術】
【0002】
例えば、工場内などにおいて、車両、重機、荷物などの置場のルールがある。また、このルール違反の取締りが行われる。ルール違反を取り締る場合、ルール違反をしていた事実を特定する必要がある。従来、ルール違反をしている車両、重機、荷物などの目標物の識別情報を取得し、併せてルール違反をしていた時刻や位置などを記録している。
【0003】
また、ルール違反をしている目標物の位置として住所を記録する場合がある。ここで、住所は基本的に建物に割り振られたものである。しかし、目標物は建物内に放置されているとは限らず、道路などに放置されている場合もある。目標物が道路などに放置されている場合、近隣の建物などから住所を取得する必要がある。
【0004】
デジタル地図においては、住所が割り振られていない場所に対しても住所が割り振られている場合がある。デジタル地図で住所情報を扱う方法として住所ポリゴンを利用する方法がある。この方法では、地図の画像に対して住所ポリゴンと呼ばれる、住所情報を持ったポリゴンを重ね合わせることで地図上から住所を検索する。この住所ポリゴンは住所を構成する都道府県、市区町村、町丁目、街区、番地などのレベルで存在する。例えば道路にもこれらのポリゴンのどれかが重ね合わされているため、道路に住所が割り振られている。しかし、実際に道路には住所が存在しないため、番地レベルのような詳細な住所ポリゴンは割当てられない。そのため、この方法では、街区、町丁目レベルの大雑把な住所しか取得できない。これでは道路上のある1点の住所情報を得ようとしても、大雑把で誤差の大きな住所しか得られない。
また、この方法では、山岳など周囲に建物の少ない地形では、近くに住所が割り振られている場合が多い道路に比べ詳細な住所の取得は難しい。そのため、正確な位置情報は例えば緯度経度などで得るしかない。しかし緯度経度では正確な位置情報が得られるが、ルールについて住所毎に管理されている場合などもあり、ルール違反を取り締る場合などにおいては使用しやすいデータとは言えない。
【特許文献1】特開2000−82200号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
目標物の識別情報を取得し、併せてルール違反をしていた時刻や位置などを記録しても、目標物がルール違反をしていた事実の特定にはならないという課題がある。また、目標物が道路などに放置されている場合、大雑把で誤差の大きな住所しか得られないという課題がある。
本発明は、例えば、目標物がルール違反をしていた事実を特定することを目的とする。また、本発明は、例えば、住所が割当てられていない場所の誤差の少ない住所を特定することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明にかかる特定情報取得装置は、例えば、目標物の全体画像を画像取得装置により取得して記憶装置に記憶する全体画像取得部と、上記目標物の識別情報の画像である識別画像を画像取得装置により取得して記憶装置に記憶する識別画像取得部と、所定のラベルが付された上記目標物の画像であるラベル画像を画像取得装置により取得して記憶装置に記憶するラベル画像取得部と、地図画像を示す地図情報を記憶装置に記憶する地図情報記憶部と、上記目標物の位置を示す位置情報を入力装置により入力して記憶装置に記憶する位置入力部と、上記地図情報記憶部が記憶した地図情報が示す地図画像に、上記位置入力部が入力した位置情報が示す位置を示すことにより位置表示画像を生成して記憶装置に記憶する位置表示画像生成部と、上記全体画像取得部が取得した全体画像と、上記識別画像取得部が取得した識別画像と、上記ラベル画像取得部が取得したラベル画像と、上記位置表示画像生成部が生成した位置表示画像とを1つの特定情報として記憶装置に登録する特定情報登録部とを備えることを特徴とする。
【発明の効果】
【0007】
本発明にかかる特定情報取得装置によれば、例えば、目標物の全体画像、識別画像、ラベル画像、位置表示画像とを特定情報として記憶するため、目標物がルール違反をしていた事実の証明することが可能である。
【発明を実施するための最良の形態】
【0008】
以下、本発明の実施の形態を図に基づき説明する。
【0009】
まず、図1、図2、図3に基づき本発明の実施の形態にかかる目標物特定システム1000のハードウェア構成の一例について説明する。
【0010】
図1は、実施の形態にかかる目標物特定システム1000の外観の一例を示した図である。
図1において、目標物特定システム1000は、CRT(Cathode Ray Tube)表示装置901、キーボード(K/B)902、マウス903、コンパクトディスク装置(CDD)905、データベース908、システムユニット909、サーバ910を備え、これらはケーブルで接続されている。
さらに、目標物特定システム1000は、ローカルエリアネットワーク(LAN)942、ゲートウェイ941を介してインターネット940に接続されている。
また、システムユニット909は、ケーブルにより携帯端末装置916と接続される。さらに、携帯端末装置916は、ケーブルにより携帯印字機917と接続される。携帯端末装置916、携帯印字機917は、ケーブルと着脱可能に取り付けられている。つまり、作業者などは、携帯端末装置916と携帯印字機917とを携帯して、現場で作業を行うことができる。
ここで、CRT表示装置901は、表示装置986の一例である。また、携帯端末装置916は、特定情報取得装置100の一例である。さらに、CRT表示装置901、K/B902、マウス903、CDD905、システムユニット909は、目標物特定装置200の一例である。また、さらに、サーバ910は、証明書発行サーバ300の一例である。
【0011】
図2は、実施の形態における特定情報取得装置100のハードウェア構成の一例を示す図である。
図2において、特定情報取得装置100は、コンピュータであり、プログラムを実行するCPU(Central Processing Unit)911を備えている。CPU911は、バス912を介してROM(Read Only Memory)913、RAM(Random Access Memory)914、通信ボード915、LCD(Liquid Crystal Display)表示装置925、K/B902、カメラ918、GPS(Global Positioning System)アンテナ919と接続されている。ここで、カメラ918は、画像取得装置の一例である。
【0012】
図3は、実施の形態における目標物特定装置200と証明書発行サーバ300とのハードウェア構成の一例を示す図である。
図3において、目標物特定装置200と証明書発行サーバ300とは、コンピュータであり、プログラムを実行するCPU911を備えている。CPU911は、バス912を介してROM913、RAM914、通信ボード915、CRT表示装置901、K/B902、マウス903、FDD904、CDD905、磁気ディスク装置920と接続されている。
【0013】
ここで、RAM914は、揮発性メモリの一例である。ROM913、磁気ディスク装置920は、不揮発性メモリの一例である。これらは、記憶装置984の一例である。
また、K/B902、マウス903などは、入力装置982の一例である。
また、CPU911は、処理装置980の一例である。
また、通信ボード915は、通信装置988の一例である。通信ボード915は、LAN942等に接続されている。
【0014】
ここで、通信ボード915は、LAN942に限らず、直接、インターネット940、或いはISDN等のWAN(ワイドエリアネットワーク)に接続されていても構わない。直接、インターネット940、或いはISDN等のWANに接続されている場合、特定情報取得装置100は、インターネット940、或いはISDN等のWANに接続され、ゲートウェイ941は不用となる。
磁気ディスク装置920には、オペレーティングシステム(OS)921、ウィンドウシステム922、プログラム群923、ファイル群924が記憶されている。プログラム群923は、CPU911、OS921、ウィンドウシステム922により実行される。
【0015】
上記プログラム群923には、以下に述べる実施の形態の説明において「〜部」として説明する機能を実行するプログラムが記憶されている。プログラムは、CPU911により読み出され実行される。
ファイル群924には、以下に述べる実施の形態の説明において、「〜判定」として説明するものが、「〜ファイル」として記憶されている。
また、以下に述べる実施の形態の説明において説明するフローチャートの矢印の部分は主としてデータの入出力を示し、そのデータの入出力のためにデータは、磁気ディスク装置920、FD、光ディスク、CD、MD(ミニディスク)、DVD(Digital Versatile Disk)等のその他の記録媒体に記録される。あるいは、信号線やその他の伝送媒体により伝送される。
【0016】
また、以下に述べる実施の形態の説明において「〜部」として説明するものは、ROM913に記憶されたファームウェアで実現されていても構わない。或いは、ソフトウェアのみ、或いは、ハードウェアのみ、或いは、ソフトウェアとハードウェアとの組み合わせ、さらには、ファームウェアとの組み合わせで実施されても構わない。
【0017】
また、以下に述べる実施の形態を実施するプログラムは、また、磁気ディスク装置920、FD、光ディスク、CD、MD、DVD等のその他の記録媒体による記録装置を用いて記憶されても構わない。
【0018】
実施の形態1.
次に、実施の形態1について説明する。実施の形態1では、目標物がルール違反をしていた事実を特定するための特定情報を取得する特定情報取得装置100と、特定情報に基づき目標物がルール違反をしていた事実を特定する目標物特定装置200と、所定の事実を証明する証明書発行サーバ300とについて説明する。ここでは、一例として、工場内において、駐車してはならない場所に車両を放置している場合について説明する。
【0019】
まず、図4に基づき目標物特定システム1000の特定情報取得装置100と目標物特定装置200とによる目標物特定処理機能について説明する。図4は、特定情報取得装置100と目標物特定装置200とによる目標物特定処理機能を示す図である。
【0020】
まず、特定情報取得装置100は、車両と車両を示す識別情報との撮影をする。また、識別情報が文字情報などである場合、特定情報取得装置100は、識別情報を自動認識機能により認識する。さらに、特定情報取得装置100は、撮影したデータに電子透かしを埋め込む。次に、特定情報取得装置100は、車両が放置されている場所を特定する。特定情報取得装置100は、例えば、GPSを利用して車両の場所を検索して入力する。次に、特定情報取得装置100は、車両の位置を示す見取り図を作成する。特定情報取得装置100は、例えば、地図情報を記憶装置984に記憶しており、地図情報から位置を選択することで見取り図を作成する。次に、特定情報取得装置100は、違反ラベルを印刷する。違反ラベルは、例えば、違反内容などが記載されている。次に、特定情報取得装置100は、印刷した違反ラベルを車両に貼付して、違反ラベルが貼付された車両を撮影する。そして、特定情報取得装置100は、撮影した車両の画像(全体画像)、識別情報の画像(識別画像)、違反ラベルが貼付された車両の画像(ラベル画像)、見取り図(位置表示画像)を目標物特定データ(特定情報)として暗号化して記憶装置984に記憶する。
併せて、例えば現状通り、識別情報、時刻、車両の位置などを記録した原票を作成し、カメラなどで車両を撮影しても構わない。
【0021】
そして、目標物特定装置200は、特定情報取得装置100から特定情報を受信する。目標物特定装置200は、目標物特定データを復号して記憶装置に記憶する。目標物特定装置200は、目標物特定データにより車両が違反をしていたことを特定する。そして、目標物特定装置200は、管理本部が管理する管理サーバがある場合には管理サーバへデータを送信し、管理サーバでデータを管理しても構わない。ここで、データベース908は、管理サーバの一例である。
【0022】
次に、図5に基づき目標物特定システム1000の機能について説明する。図5は、目標物特定システム1000の機能を示す機能ブロック図である。
【0023】
目標物特定システム1000は、特定情報取得装置100、目標物特定装置200、証明書発行サーバ300を備える。
【0024】
特定情報取得装置100は、目標物が違反していたことを特定する特定情報を取得して記憶装置に記憶する。特定情報取得装置100は、特定情報取得部150、特定情報登録部152、証明書発行サーバ通信部154、電子透かし施行部156、住所特定部158、特定装置通信部160、履歴参照部162を備える。
【0025】
特定情報取得部150は、特定情報を取得する。特定情報取得部150は、全体画像取得部102、識別画像取得部104、ラベル画像取得部106、位置表示画像生成部108、地図情報記憶部110、位置取得部112、位置入力部114、地図表示部116、情報入力部118、ラベル印刷部120、処理装置980、入力装置982、記憶装置984、表示装置986、通信装置988を備える。
全体画像取得部102は、目標物の全体画像を画像取得装置により取得して記憶装置984に記憶する。全体画像取得部102は、例えば、カメラ918により目標物である車両の全景写真を撮影する。
識別画像取得部104は、目標物の識別情報の画像である識別画像を画像取得装置により取得して記憶装置984に記憶する。識別画像取得部104は、例えば、カメラ918により目標物の識別情報である車両ナンバープレートの写真を撮影する。
ラベル画像取得部106は、所定のラベルが付された目標物の画像であるラベル画像を画像取得装置により取得して記憶装置984に記憶する。ラベル画像取得部106は、後述するラベル印刷部120が印刷したラベルが貼付された目標物の画像を取得する。ラベル画像取得部106は、例えば、カメラ918により目標物に違反ラベルを貼付した画像の写真を撮影する。
位置表示画像生成部108は、後述する地図情報記憶部110が記憶した地図情報が示す地図画像に、後述する位置入力部114が入力した位置情報が示す位置を示すことにより位置表示画像を生成して記憶装置984に記憶する。また、位置表示画像生成部108は、地図画像に後述する位置取得部112が取得した現在位置情報が示す位置を示すことにより位置表示画像を生成しても構わない。つまり、位置表示画像生成部108は、例えば、地図画像に目標物の位置を示した見取り図を生成して記憶装置984に記憶する。
地図情報記憶部110は、地図画像を示す地図情報を記憶装置984に記憶する。
位置取得部112は、現在位置を示す現在位置情報を取得する。位置取得部112は、例えば、GPSにより現在位置を取得する。
位置入力部114は、目標物の位置を示す位置情報を入力装置により入力して記憶装置984に記憶する。位置入力部114は、後述する地図表示部116が表示した地図画像から位置を選択することにより位置情報を入力しても構わない。
地図表示部116は、地図情報記憶部110が記憶した地図情報が示す地図画像を表示装置986に表示する。地図表示部116は、例えば、位置取得部112が取得した現在位置情報が示す現在位置を含む範囲の地図画像を初期表示する。この処理については実施の形態3において述べる。
情報入力部118は、目標物の違反などの態様を示す態様情報を入力装置982により入力する。この場合、特定情報登録部152は、特定情報に情報入力部が入力した態様情報を併せて記憶しても構わない。
ラベル印刷部120は、情報入力部118が入力した態様情報、特定情報を取得した時刻、識別画像取得部104が取得した識別情報などを記載した違反ラベルを印刷する。ラベル印刷部120は、例えば、携帯印字機917などによりラベルを印刷する。
【0026】
特定情報登録部152は、全体画像取得部102が取得した全体画像と、識別画像取得部104が取得した識別画像と、ラベル画像取得部106が取得したラベル画像と、位置表示画像生成部108が生成した位置表示画像とを1つの特定情報として記憶装置984に登録する。特定情報登録部152は、特定情報にさらに情報を追加しても構わない。
【0027】
証明書発行サーバ通信部154は、証明書発行サーバ300と通信する。証明書発行サーバ通信部154の処理の詳細については後述する。証明書発行サーバ通信部154は、証明発行要求部122、識別コード受信部124を備える。
証明発行要求部122は、全体画像取得部102が全体画像を取得した時刻と、識別画像取得部104が識別画像を取得した時刻と、ラベル画像取得部106がラベル画像を取得した時刻と、位置表示画像生成部108が位置表示画像を生成した時刻とのすべて又は少なくともいずれか1つが正しいこと証明する電子証明書の発行を証明書発行サーバ300へ要求する。
識別コード受信部124は、証明発行要求部122の要求に対して証明書発行サーバ300により発行された電子証明書を識別する識別コードを証明書発行サーバ300から受信して記憶装置984に記憶する。
【0028】
電子透かし施行部156は、特定情報登録部152が登録した全体画像と識別画像とラベル画像と位置表示画像とのすべて又は少なくともいずれか1つに対して電子透かしを施す。電子透かし施行部156が施す電子透かしについては後述する。
【0029】
住所特定部158は、位置入力部114が入力した位置情報が示す位置の住所を特定して記憶装置984に記憶する。住所特定部158の処理については実施の形態2において説明する。
【0030】
特定装置通信部160は、目標物特定装置200と通信する。特定装置通信部160は、特定情報送信部126、情報受信部128を備える。
特定情報送信部126は、電子透かし施行部156が電子透かしを施した特定情報と、識別コード受信部124が受信した識別コードと、住所特定部158が特定した住所とを目標物特定装置200へ送信する。
情報受信部128は、特定情報取得装置100のアプリケーションなどを目標物特定装置200から受信する。
【0031】
履歴参照部162は、特定情報登録部152が記憶した特定情報や特定情報取得部150が取得中の特定情報を表示装置986に表示する。
【0032】
目標物特定装置200は、特定情報取得装置100が取得した特定情報に基づき、目標物が違反していたことを特定する。目標物特定装置200は、特定情報受信部(受信部)202、目標物特定部(特定部)204、証明確認部206、情報送信部208、処理装置980、入力装置982、記憶装置984、表示装置986、通信装置988を備える。
特定情報受信部202は、特定情報送信部126が送信した電子透かしを施した特定情報と識別コードと住所とを受信して記憶装置984に記憶する。特定情報受信部202は、例えば、特定情報取得装置100と通信装置988を介して通信して、特定情報として、全体画像取得部102が取得した全体画像と、識別画像取得部104が取得した識別画像と、ラベル画像取得部106が取得したラベル画像と、位置表示画像生成部108が生成した位置表示画像とのすべて又は少なくともいずれか1つを受信して記憶装置984に記憶しても構わない。
目標物特定部204は、特定情報受信部202が受信した全体画像と識別画像とラベル画像と位置表示画像とのすべて又は少なくともいずれか1つに基づき目標物が違反していたことを特定する。
証明確認部206は、特定情報受信部202が受信した識別コードに基づき、全体画像取得部102が全体画像を取得した時刻と、識別画像取得部104が識別画像を取得した時刻と、ラベル画像取得部106がラベル画像を取得した時刻と、位置表示画像生成部108が位置表示画像を生成した時刻とのすべて又は少なくともいずれか1つが正しいことを証明書発行サーバ300に確認する。証明確認部206の処理については後述する。
情報送信部208は、特定情報取得装置100のアプリケーションなどを特定情報取得装置100へ送信する。
【0033】
証明書発行サーバ300は、証明発行要求部122からの要求に応じて、全体画像取得部102が全体画像を取得した時刻と、識別画像取得部104が識別画像を取得した時刻と、ラベル画像取得部106がラベル画像を取得した時刻と、位置表示画像生成部108が位置表示画像を生成した時刻とのすべて又は少なくともいずれか1つが正しいこと証明する電子証明書を発行する。証明書発行サーバ300の処理については後述する。
【0034】
次に、図6、図7に基づき目標物特定システム1000の動作について説明する。まず、図6に基づき特定情報取得装置100の動作について説明する。図6は、特定情報取得装置100の動作である特定情報取得処理(特定情報取得方法、特定情報取得プログラム)を示すフローチャートである。特定情報取得処理の開始前に、地図情報記憶部110は、地図画像を示す地図情報を記憶装置984に記憶する(地図情報記憶ステップ)。
【0035】
まず、証明発行要求ステップ(S101)では、証明発行要求部122は、全体画像取得部102が全体画像を取得した時刻と、識別画像取得部104が識別画像を取得した時刻と、ラベル画像取得部106がラベル画像を取得した時刻と、位置表示画像生成部108が位置表示画像を生成した時刻とのすべて又は少なくともいずれか1つが正しいこと証明するための電子証明書の発行を証明書発行サーバへ要求する。次に、識別コード受信ステップ(S102)では、識別コード受信部124は、証明発行要求部122の要求に対して証明書発行サーバ300により発行された電子証明書を識別する識別コードを証明書発行サーバから受信して記憶装置984に記憶する。
【0036】
次に、全体画像取得ステップ(S103)では、全体画像取得部102は、目標物の全体画像を画像取得装置により取得して記憶装置984に記憶する。次に、識別画像取得ステップ(S104)では、識別画像取得部104は、目標物の識別情報の画像である識別画像を画像取得装置により取得して記憶装置984に記憶する。次に、ラベル画像取得ステップ(S105)では、所定のラベルが付された目標物の画像であるラベル画像を画像取得装置により取得して記憶装置984に記憶する。次に、位置取得ステップ(S106)では、位置取得部112は、現在位置を示す現在位置情報を取得する。次に、地図表示ステップ(S107)では、地図表示部116は、地図情報記憶部110が記憶した地図情報が示す地図画像の中の、位置取得部112が取得した現在位置情報が示す現在位置を含む範囲の地図画像を表示装置986に表示する。次に、位置入力ステップ(S108)では、位置入力部114は、目標物の位置を示す位置情報を入力装置により入力して記憶装置984に記憶する。次に、位置表示画像生成ステップ(S109)では、位置表示画像生成部108は、地図情報記憶部110が記憶した地図情報が示す地図画像に、位置入力部114が入力した位置情報が示す位置を示すことにより位置表示画像を生成して記憶装置984に記憶する。
【0037】
次に、特定情報登録ステップ(S110)では、特定情報登録部152は、全体画像取得部102が取得した全体画像と、識別画像取得部104が取得した識別画像と、ラベル画像取得部106が取得したラベル画像と、位置表示画像生成部108が生成した位置表示画像とを特定情報として記憶装置984に登録する。また、特定情報登録部152は、識別コードを特定情報と合わせて記憶する。
【0038】
次に、電子透かし施行ステップ(S111)では、電子透かし施行部156は、特定情報登録部152が登録した全体画像と識別画像とラベル画像と位置表示画像とのすべて又は少なくともいずれか1つに対して電子透かしを施す。
【0039】
また、(S108)に続き、住所特定ステップ(S112)では、住所特定部158は、位置入力部114が入力した位置情報が示す位置の住所を特定して記憶装置984に記憶する。
【0040】
そして、(S111)、(S112)に続き、特定情報送信ステップ(S113)では、特定情報送信部126は、電子透かし施行部156が電子透かしを施した特定情報と、識別コード受信部124が受信した識別コードと、住所特定部158が特定した住所とを目標物特定装置200へ送信する。
【0041】
上述したステップの順序は、上記に限られるわけではなく、例えば、(S103)と(S104)と(S105)と(S106)から(S109)までとは、順序を入れ替えしても構わない。
また、(S109)において、位置表示画像生成部108は、地図画像に位置取得部112が取得した現在位置情報が示す位置を示すことにより位置表示画像を生成しても構わない。この場合、(S107)、(S108)のステップはなくても構わない。
【0042】
次に、図7に基づき目標物特定装置200の動作について説明する。図7は、目標物特定装置200の動作である目標物特定処理(目標物特定方法、目標物特定プログラム)を示すフローチャートである。
【0043】
まず、特定情報受信ステップ(S201)では、特定情報受信部202は、特定情報送信部126が送信した電子透かしを施した特定情報と識別コードと住所とを受信して記憶装置984に記憶する。次に、証明確認ステップ(S202)では、証明確認部206は、特定情報受信部202が受信した識別コードに基づき、全体画像取得部102が全体画像を取得した時刻と、識別画像取得部104が識別画像を取得した時刻と、ラベル画像取得部106がラベル画像を取得した時刻と、位置表示画像生成部108が位置表示画像を生成した時刻とのすべて又は少なくともいずれか1つが正しいことを証明書発行サーバ300に確認する。証明の確認が取れた場合、目標物特定ステップ(S203)では、目標物特定部204は、特定情報受信部202が受信した全体画像と識別画像とラベル画像と位置表示画像とのすべて又は少なくともいずれか1つに基づき目標物が違反していたことを特定する。
【0044】
次に、図8に基づき特定情報取得装置100と目標物特定装置200との通信について説明する。図8は、特定情報取得装置100と目標物特定装置200との通信の一例を示す図である。
【0045】
特定情報取得装置100は、取得した特定情報を目標物特定装置200へ送信するため、目標物特定装置200と通信する。特定情報取得装置100は、例えば、以下の方法により目標物特定装置200と通信する。
まず、特定情報取得装置100は、現場で目標物特定データを取得する。そして、オフィスなどに戻って、特定情報取得装置100と目標物特定装置200とを接続する。例えば、目標物特定装置200と接続されたクレードルなどに特定情報取得装置100を接続することで、特定情報取得装置100と目標物特定装置200とが通信可能となる。つまり、特定情報取得装置100と目標物特定装置200とは、例えば、USB(Universal Serial Bus)などにより接続される。また、特定情報取得装置100と目標物特定装置200とは、例えば、特定情報取得装置100から目標物特定装置200への目標物特定データの送信、目標物特定装置200から特定情報取得装置100へのアプリケーションプログラムなどの送信をアクティブシンク(ActiveSync)により行う。また、通信は暗号化する。
ここでは、セキュリティを高めるため、有線による通信とした。しかし、特定情報取得装置100と目標物特定装置200とは、無線通信を行うものとしても構わない。
【0046】
次に、図9に基づき、電子透かし施行部156が行う電子透かし処理の概要について説明する。図9は、電子透かし施行部156が行う電子透かし処理の概要を示す図である。
【0047】
電子透かし施行部156は、取得した特定情報の真正性を証明するため、特定情報に電子透かしを埋め込む。ここでは、全体画像、識別画像、ラベル画像、位置表示画像を備える特定情報のすべてに対して電子透かしを埋め込むものとして説明する。しかし、これに限られず、特定情報の一部の画像にのみ電子透かしを埋め込んでも構わない。
特定情報取得装置100は、例えば、特定情報の画像のハッシュ値を求める。次に、特定情報取得装置100は、例えばロゴなどの所定の情報を電子透かしとする。そして、特定情報取得装置100は、上記ハッシュ値と上記電子透かしとを元の画像(原画像)に埋め込み、ハッシュ値と電子透かしとを埋め込みした画像を符号化して保存する。そして、例えば、目標物特定装置200が目標物の違反を特定する際、電子透かしを検出して、電子透かしとしたロゴが変更されていないことを確認することで、画像が改ざんされていないか否かを判定することができる。さらに、埋め込んだ電子透かしとハッシュ値とを外して画像のハッシュ値を求め、元の画像のハッシュ値と同じことを確認することで、画像が改ざんされていないか否かを判定することができる。これにより、特定情報取得装置100が取得した特定情報は、その情報としての価値を維持、証明することができる。ここで、電子透かしを埋め込むとは、例えば、画像の画素の輝度値に透かし情報を足し合わせることや、画像を周波数成分に変換し、特定の周波数成分に透かし情報を埋め込むことなどである。また、特定情報取得装置100は、原画像に電子透かしを埋め込んだデータのハッシュ値を求めて、データに付加して記憶しておき、目標物の違反を特定する際、電子透かしを埋め込んだデータのハッシュ値を求めて改ざんされていないか否かを判定しても構わない。
【0048】
次に、特定情報取得装置100が証明書発行サーバ300から電子証明書の発行を受ける処理と、証明確認部206が証明書発行サーバ300に情報が正しいことを確認する処理とについて説明する。ここでは、これらの処理を、例えば、COCO−DATES(登録商標)サービスを用いて実現する。
【0049】
まず、図10に基づきCOCO−DATES(登録商標)サービスの概要を説明する。図10は、COCO−DATES(登録商標)サービスの概要を示す図である。
【0050】
COCO−DATES(登録商標)センターは、識別コード発行依頼とともに位置情報を受信する。次に、COCO−DATES(登録商標)センターは、受信した位置情報に、気象衛星画像(雲の形)を符号化したデータを結合して、時刻とを証明するデータを生成する。そして、COCO−DATES(登録商標)センターは、生成したデータに対して、識別コード(証明コード)を発行する。COCO−DATES(登録商標)センターは、識別コードに基づき問合せを受けると、何時、何処で識別コードが発行されたかを証明する。
【0051】
次に、図11に基づき、COCO−DATES(登録商標)サービスにより、特定情報取得装置100が証明書発行サーバ300から電子証明書の発行を受ける処理と、証明確認部206が証明書発行サーバ300に情報が正しいことを確認する処理との一例について説明する。図11は、COCO−DATES(登録商標)サービスにより、特定情報取得装置100が証明書発行サーバ300から電子証明書の発行を受ける処理と、証明確認部206が証明書発行サーバ300に情報が正しいことを確認する処理との一例を示す図である。
【0052】
まず、証明発行要求部122は、証明書発行サーバ300であるCOCO−DATES(登録商標)センターへ電子証明書の識別コードの一例であるCOCOコードの要求を送信する(1)。COCO−DATES(登録商標)センターは、気象衛星画像(雲の形)を符号化したデータに基づき、時刻を証明するデータを生成する。そして、COCO−DATES(登録商標)センターは、生成したデータに対して、COCOコードを発行して、COCOコードを特定情報取得装置100へ送信する。識別コード受信部124は、COCOコードを受信する(2)。この際、併せて時刻を受信しても構わない。次に、特定情報取得装置100は、特定情報を取得する(3)。ここで、特定情報は、全体画像、識別画像、ラベル画像、位置表示画像のすべて又はいずれか1つ以上でも、さらに、情報を加えたものでも構わない。また、COCOコードを受信してから、特定情報を取得するまでの時間に制限を加えても構わない。次に、取得した特定情報と受信した時刻、COCOコードを記憶する。そして、特定情報送信部126は、特定情報と併せて例えばGPSにより取得した位置、時刻、COCOコードを目標物特定装置200へ送信する(4)。目標物特定装置200では、証明確認部206は、受信したCOCOコードに基づき、時刻が正しいか否かをCOCO−DATES(登録商標)センターへ問合せる(5)。これにより、特定情報を取得した時刻が第三者により証明される。
【0053】
次に、図12に基づき、COCO−DATES(登録商標)サービスにより、特定情報取得装置100が証明書発行サーバ300から電子証明書の発行を受ける処理と、証明確認部206が証明書発行サーバ300に情報が正しいことを確認する処理との他の一例について説明する。図12は、COCO−DATES(登録商標)サービスにより、特定情報取得装置100が証明書発行サーバ300から電子証明書の発行を受ける処理と、証明確認部206が証明書発行サーバ300に情報が正しいことを確認する処理との他の一例を示す図である。
【0054】
図11に示す例では、特定情報を取得する場合に、証明発行要求部122は、電子証明書の発行を依頼した。しかし、特定情報を取得する度に電子証明書を発行するのが難しい場合などは、例えば、証明発行要求部122は、作業の始業時と終業時とに時刻を証明する電子証明書の発行依頼を行う。
まず、作業の始業時に証明発行要求部122は、COCO−DATES(登録商標)センターへCOCOコードの発行の要求をしてCOCOコードを受信する(1,2,3)。特定情報取得装置100は、作業を開始して、特定情報を取得する(4)。そして、作業の終業時に、証明発行要求部122は、改めてCOCO−DATES(登録商標)センターへ時刻を証明する電子証明書の発行の依頼をしてCOCOコードを受信する(5)。そして、特定情報送信部126は、特定情報と併せて位置、時刻、COCOコードを目標物特定装置200へ送信する。目標物特定装置200では、証明確認部206は、受信したCOCOコードに基づき、時刻が正しいか否かをCOCO−DATES(登録商標)センターへ問合せる(6)。これにより、特定情報を取得したのが始業時刻と終業時刻との間であるということが第三者により証明される。
【0055】
次に、図13に基づき特定情報取得装置100のその他の特徴について説明する。図13は、特定情報取得装置100の特徴を示す図である。
【0056】
特定情報取得装置100は、目標物の画像を取得し易くするため、また、取得した特定情報の証明能力を高めるために以下のような機能を備える。
特定情報取得装置100は、画像認識機能を備える。特に特定情報取得装置100が備える画像認識機能は、歪みに強いことを特徴とする。そのため、特定情報取得装置100は、目標物の識別情報を斜めから撮影した場合であっても、認識可能である。また、特定情報取得装置100は、デジタルズーム機能を有する画像撮影装置を備える。そのため、特定情報取得装置100は、目標物の全体画像を撮影する場合であっても、識別情報を撮影する場合であっても、作業者が移動することなく撮影可能である。さらに、特定情報取得装置100は、GPS機能を備えることを特徴とする。特定情報取得装置100は、GPSにより位置情報を取得し、上述したCOCO−DATES(登録商標)を使用することで、時間と位置とを証明することができる。これにより、例えば、作業者の行動を把握することが可能である。また、さらに、特定情報取得装置100は、ストロボを備える。そのため、特定情報取得装置100は、夜間でも撮影することが可能である。
【0057】
次に、図14から図21に基づき、特定情報取得装置100の機能および操作の一例について説明する。
【0058】
まず、図14に基づきメニュー画面の一例について説明する。図14は、メニュー画面の一例を示す図である。
特定情報取得装置100を起動すると、例えば初めにメニュー画面を表示する。例えばメニューには、全体画像の撮影、位置の登録、印刷、情報の登録などがある。また、図14に示すメニューでは、作業が完了した場合に、各メニューのボタンの色を変更することで、作業の完了を把握できる。さらに、選択できないメニューの文字を薄くすることで、選択できるメニューとできないメニューとを識別してもよい。これにより、操作の順序を規定することが可能であり、操作の手順を誤る危険性を減らしている。
【0059】
次に、図15に基づき全体画像の撮影操作の一例について説明する。図15は、全体画像の撮影操作の一例を示す図である。
メニュー画面で全体画像の撮影を入力装置982により選択すると、図15に示す全体画像の撮影画面へ遷移する。全体画像の撮影画面では撮影ボタンを入力装置982により選択することで、全体画像取得部102は目標物の全体画像を撮影する。
つまり、全体画像の撮影画面では、全体画像取得部102は目標物である車両の全景を撮影する。さらに、全体画像取得部102は撮影した画像に撮影の開始時刻や違反の内容などを示す番号を併せて記憶しても構わない。また、電子透かし施行部156は記憶した画像に電子透かしを施し、画像の改ざんを防止する。
【0060】
次に、図16に基づき識別情報の撮影操作の一例について説明する。図16は、識別情報の撮影操作の一例を示す図である。
識別画像の撮影画面では画像認識ボタンを入力装置982により選択することで、識別画像取得部104は目標物の識別画像を撮影して自動認識する。次の画面では識別画像取得部104は認識した識別情報を表示装置986に表示する。この画面では、識別画像取得部104は表示した内容の修正をすることもできる。例えば、識別画像取得部104は表示項目のすべてが読み取られているか、入力されていない場合は、次の画面へ遷移できないとしても構わない。さらに次の画面では、識別画像取得部104は目標物の情報を入力装置982により入力する。識別画像取得部104は設定ボタンを選択することで情報を記憶装置984に記憶する。
また、電子透かし施行部156は撮影した画像に電子透かしを施し、画像の改ざんを防止しても構わない。
【0061】
次に、図17に基づき目標物の位置の登録操作の一例について説明する。図17は、目標物の位置の登録操作の一例を示す図である。
メニュー画面で位置の登録を入力装置982により選択すると、図17に示す位置の登録画面へ遷移する。位置の登録画面では、住所特定部158は、例えば次の方法により目標物の位置を示す情報を特定する。位置を示す情報とは、例えば、工場内の建物、通路に割当てられた名称、番号などである。位置を示す情報は、例えば工場の外では住所であっても構わない。ここでは、地図からの入力、登録リストからの入力の2通りについて説明する。住所特定部158は、位置を示す情報の特定方法を入力装置982により選択する。
まず、地図からの入力について説明する。地図表示部116は地図画像を表示装置986に表示する。次に、位置入力部114は、目標物の位置を入力装置により入力する。位置入力部114は、例えば、スタイラスペンなどで目標物である車両の位置をタップする。そして、住所特定部158は、入力された位置を示す情報を特定する。位置を示す情報が住所である場合において、入力された位置の住所を特定する方法については、実施の形態2において述べる。
次に、登録リストからの入力について説明する。住所特定部158は、位置を示す情報の候補リストを表示装置986に表示する。住所特定部158は、例えば、位置取得部112が取得した現在位置に基づいて位置を示す情報の候補を決定する。この処理については実施の形態3において述べる。そして、住所特定部158は、位置を示す情報の候補から該当の位置を示す情報を入力装置982により入力して、位置を示す情報を特定する。
【0062】
次に、図18に基づき目標物の態様の入力操作の一例について説明する。図18は、目標物の態様の入力操作の一例として違反状況の入力操作を示す図である。図18では、違反状況を選択入力する。
まず、違反状況の入力を選択する。次に、情報入力部118は表示装置986の表示から違反状況を選択する。そして、違反状況を記憶装置984に記憶する。
【0063】
次に、図19に基づき違反ラベル印刷の操作の一例について説明する。図19は、違反ラベル印刷の操作の一例を示す図である。
メニュー画面で印刷を入力装置982により選択すると、図19に示す違反ラベルの印刷画面へ遷移する。違反ラベルの印刷画面では、ラベル印刷部120は携帯印字機917などの印刷機との接続を行うラベル印刷部120は表示装置986に印刷内容を表示する。そして、ラベル印刷部120は印刷ボタンを選択して印刷機によりラベルを印刷する。
【0064】
次に、図20に基づきラベル画像の撮影操作の一例について説明する。図20は、ラベル画像の撮影操作の一例を示す図である。
図20ラベル画像取得部106は、例えばラベル印刷部120が印刷したラベルが貼付された目標物を撮影する。ラベル画像の撮影画面では車両撮影ボタンを入力装置982により選択することで、ラベル画像取得部106は目標物のラベル画像を撮影する。そして、次の画面ではラベル画像取得部106が決定を選択すると撮影した画像を記憶装置984に保存する。
つまり、ラベル画像の撮影画面では、ラベル画像取得部106は目標物である車両にラベルが貼付された画像を撮影する。さらに、ラベル画像取得部106は撮影した画像に撮影の開始時刻や違反の内容などを示す番号を併せて記憶しても構わない。また、電子透かし施行部156は記憶した画像に電子透かしを施し、画像の改ざんを防止する。
【0065】
次に、図21に基づき位置表示画像(見取り図)の入力操作の一例について説明する。図21は、位置表示画像の入力操作の一例を示す図である。
図21見取り図の作成画面では、位置表示画像生成部108は、まず、見取り図の作成方法を選択する。位置表示画像生成部108は、例えば、地図から作成、テンプレートから作成、過去の見取り図引用から見取り図の作成方法を選択する。
地図から作成を選択した場合、位置表示画像生成部108は、例えば、位置取得部112が取得した現在位置を含む地図画像に目標物の位置などを示すアイテムを配置する。
テンプレートから作成を選択した場合、位置表示画像生成部108は、見取り図作成用のテンプレートが示す地図画像に目標物の位置などを示すアイテムを配置する。
過去の見取り図引用を選択した場合、位置表示画像生成部108は、過去に作成した見取り図を修正して新しい見取り図を生成する。
上記方法などにより見取り図を作成した後、位置表示画像生成部108は戻るボタンを選択すると前の画面へ戻り、設定を選択すると作成した見取り図を記憶装置984に記憶する。
【0066】
次に、メニュー画面で情報の登録を入力装置982により選択し、上記各画面にて取得したデータを1つの特定情報として記憶装置984に登録する。
【0067】
実施の形態1にかかる目標物特定システム1000は、目標物の全体画像、識別画像、ラベル画像、位置表示画像とを特定情報として記憶する。そのため、実施の形態1にかかる目標物特定システム1000によれば、全体画像および識別画像により目標物を特定することが可能である。また、全体画像により目標物の状況を特定することが可能である。さらに、ラベル画像により目標物が違反の指摘を受けたことを示すことが可能である。また、さらに、位置表示画像により目標物が違反をした位置についても特定することができる。したがって、目標物がルール違反をしていた事実の証明することが可能である。
【0068】
さらに、実施の形態1にかかる目標物特定システム1000は、証明書発行サーバ300により、特定情報を取得した時刻の証明を受けることができる。第三者機関による証明であるため、証明能力が高い。
【0069】
また、実施の形態1にかかる目標物特定システム1000は、GPSなどにより、特定情報を取得した際の位置を証明することができる。したがって、位置表示画像により目標物が違反をした位置の証明能力が高い。
【0070】
実施の形態2.
次に、実施の形態2について説明する。実施の形態2では、地図上で住所が割当てられていない地点の住所を検索する住所特定装置400について説明する。
【0071】
住所とは基本的に建物に割り振られたものである。そのため、道路、河川、山岳、湖沼などには住所が割り振られていない。例えば、実施の形態1において目標物が車両である場合などは、車両が道路に駐車している場合なども考えられる。目標物が道路上にある場合に実施の形態1の住所特定部158は目標物の位置の住所を特定することができない。
そこで、実施の形態2では、地図上で住所が割当てられていない地点の住所を検索する住所特定装置400について説明する。
【0072】
まず、図22に基づき指定された地点に住所が割当てられていない場合の住所を検索する方法の一例を説明する。図22は、指定された地点に住所が割当てられていない場合の住所を検索する方法の一例である円状に建物を検索する方法を示す図である。
円状に建物を検索する方法では、住所特定装置400は、指定された地点から円状に住所検索面を広げ、近傍の建物から住所を取得する。例えば、複数の建物が検索された場合、住所特定装置400は、すべての建物の住所を指定された地点の住所の候補として取得しても構わない。つまり、図22においては、住所特定装置400は、住所候補Aと住所候補Bとを取得する。そして、住所特定装置400は、ユーザにどちらの建物の住所をその地点の住所とするか選択させる。ユーザに住所を選択させる場合、例えば、図22に示すように、選択している住所に該当する建物の色を変えるなどしても構わない。
【0073】
次に、図23に基づき円状に建物を検索する方法を用いた住所特定装置400の動作について説明する。図23は、円状に建物を検索する方法を用いた住所特定装置400の動作を示すフローチャートである。
【0074】
まず、位置入力ステップ(S301)では、住所特定装置400は、位置を示す位置情報を入力装置982により入力して記憶装置984に記憶する。次に、衝突判定ステップ(S302)では、住所特定装置400は、検索ゾーンが住所を有する物体と衝突したか否かを判定する。検索ゾーンが住所を有する物体と衝突したと判定した場合(S302でYES)、住所特定装置400は、(S304)へ進む。一方、検索ゾーンが住所を有する物体と衝突していないと判定した場合(S302でNO)、住所特定装置400は、(S303)へ進む。円状拡大ステップ(S303)では、住所特定装置400は、円状に検索ゾーンを拡大する。次に、住所取得ステップ(S304)では、住所特定装置400は、衝突した物体から住所を取得する。そして、位置情報作成ステップ(S305)では、住所特定装置400は、取得した住所から位置情報を作成する。
【0075】
しかし、上述した円状に建物を検索する方法では、次のような課題がある。図24、図25に基づき円状に建物を検索する方法の課題について説明する。図24、図25は、円状に建物を検索する方法の課題を示す図である。ここでは、目標物が車両であるとする。
図24に示す例では、道路がセンターラインで右車線、左車線に分かれている。ここで、車両がセンターライン付近に存在する場合の例である。この場合、目標物がある地点から円状に住所検索面を広げると、対向車線側にある建物が先に検索される場合がある。また、道路の右車線と左車線とで駐車をしてよいか否かが異なる場合がある。この場合、対向車線側の住所を目標物の住所としてしまうと、ルール違反をしたことを特定できないおそれがある。
図25に示す例では、建物が密集している。ここで、検索範囲を所定の範囲にまで広げると、多数の建物が検索される。特に円状に検索範囲を広げているため、目標物の近傍の建物ではなく、その隣の建物などずれた住所が検索されるおそれがある。同じ車線であっても、位置によって駐車をしてよいか否かが異なる場合がある。この場合、ずれた位置の建物の住所を目標物の住所としてしまうと、ルール違反をしたことを特定できないおそれがある。
【0076】
そこで、図26に基づき円状に建物を検索する方法の課題を解決する方法について説明する。図26は、円状に建物を検索する方法の課題を解決する所定の方向に建物を検索する方法を示す図である。
所定の方向に建物を検索する方法の所定の方向とは、例えば、車両の進行方向に対して垂直方向左側である。つまり、図26において、道路が左側通行である場合、車両の進行方向の左側の建物が検索される。
【0077】
次に、図27、図28に基づき所定の方向に建物を検索する方法の利点について説明する。図27、図28は、所定の方向に建物を検索する方法の利点を示す図である。
図27に示す例では、道路がセンターラインで右車線、左車線に分かれている。ここで、車両がセンターライン付近に存在する場合の例である。ここで、道路が左側通行であるとする。この場合、所定の方向に建物を検索する方法では、例えば上記のように、車両の進行方向に対して垂直方向左側の建物を検索することで、対向車線側の建物を検索することはない。
図28に示す例では、建物が密集している。所定の方向に建物を検索する方法では、上記同様車両の左側の方向に検索することで、ずれた位置の建物を検索することはない。つまり、所定の方向に建物を検索する方法では、方向性を持った検索を行うため、より精度の高い建物検索が可能である。
【0078】
次に、図29に基づき所定の方向に建物を検索する方法を用いた住所特定装置400の機能について説明する。図29は、実施の形態2にかかる方向に建物を検索する方法を用いた住所特定装置400の機能を示す機能ブロック図である。
【0079】
住所特定装置400は、地図情報記憶部110、位置取得部112、位置入力部114、地図表示部116、住所特定部158、住所検索部164、処理装置980、入力装置982、記憶装置984、表示装置986、通信装置988を備える。
【0080】
地図情報記憶部110は、住所が割当てられた物体の情報を有する地図情報を記憶装置984に記憶する。
位置取得部112は、現在位置を示す現在位置情報を取得する。位置取得部112は、例えば、GPSにより現在位置を取得する。
位置入力部114は、位置を示す位置情報を入力装置982により入力する。
地図表示部116は、地図情報記憶部110が記憶した地図情報が示す地図を表示装置986に表示する。地図表示部116は、例えば、位置取得部112が取得した現在位置情報が示す現在位置を含む範囲の地図画像を初期表示する。この処理については実施の形態3において述べる。
住所特定部158は、後述する住所検索部164が検索した物体の住所から位置の住所を特定して記憶装置984に記憶する。つまり、住所特定部158は、例えば、住所検索部164が検索した物体である建物の住所を、地図情報記憶部が記憶した物体である建物から取得する。
住所検索部164は、地図情報記憶部110が記憶した地図情報が示す地図において、位置入力部114が入力した位置情報が示す位置から所定の方向に向かって所定の幅で住所を有する物体を処理装置980により検索する。また、住所検索部164は、上記位置が道路である場合、道路の進行方向に対して垂直方向へ物体を検索する。さらに、住所検索部164は、道路の進行方向に対して垂直方向へ第1の距離だけ物体の検索を行い物体が検出されない場合、道路の進行方向に対して平行方向へ第2の距離の幅で検索を行う。また、さらに、住所検索部164は、道路の進行方向に対して垂直方向へ第1の距離だけ物体の検索を行い物体が検出されず、かつ、道路の進行方向に対して平行方向へ第2の距離の幅で第3の距離だけ物体の検索を行い物体が検出されない場合、上記位置を中心として円状に範囲を広げて物体の検索を行う。ここで、第1の距離と第2の距離と第3の距離とは同じ距離でも異なる距離でも構わない。また、住所検索部164は、地図情報記憶部110が記憶した地図情報が示す地図において、位置取得部112が取得した現在位置情報が示す位置から所定の方向に向かって所定の幅で住所を有する物体を処理装置980により検索する。
【0081】
次に、図30、図31に基づき所定の方向に建物を検索する方法を用いた住所特定装置400の動作について説明する。図30は、所定の方向に建物を検索する方法を用いた住所特定装置400の動作である住所特定処理(住所特定方法、住所特定プログラム)を示すフローチャートである。図31は、所定の方向に建物を検索する方法を用いた住所特定装置400の検索範囲拡大の例を示す図である。住所特定処理の開始前に、地図情報記憶部110は、住所が割当てられた物体の情報を有し、地図画像を示す地図情報を記憶装置984に記憶する(地図情報記憶ステップ)。
【0082】
まず、位置取得ステップ(S401)では、位置取得部112は、現在位置を示す現在位置情報を取得する。次に、地図表示ステップ(S402)では、地図表示部116は、地図情報記憶部110が記憶した地図情報が示す地図画像の中の、位置取得部112が取得した現在位置情報が示す現在位置を含む範囲の地図画像を表示装置986に表示する。次に、位置入力ステップ(S403)では、位置入力部114は、位置を示す位置情報を入力装置982により入力して記憶装置984に記憶する。
【0083】
次に、住所検索ステップ(S404)では、住所検索部164は、地図情報記憶部110が記憶した地図情報が示す地図において、位置入力部114が入力した位置情報が示す位置から所定の方向に向かって所定の幅で住所を有する物体を処理装置980により検索する。例えば、住所検索部164は、進行方向に対して垂直方向左側へ所定の幅で住所を有する物体を検索する(図31(a))。例えば、住所検索部164は、進行方向に対して垂直方向左側へ所定の幅で第1の距離だけ住所を有する物体を検索しても住所を有する物体が見つからない場合、道路の進行方向に対して平行方向へ第2の距離の幅で検索を行う(図31(b))。また、さらに、住所検索部164は、道路の進行方向に対して垂直方向へ第1の距離だけ物体の検索を行い物体が検出されず、かつ、道路の進行方向に対して平行方向へ第2の距離の幅で第3の距離だけ物体の検索を行い物体が検出されない場合、上記位置を中心として円状に範囲を広げて物体の検索を行う。
【0084】
そして、住所特定ステップ(S405)では、住所特定部158は、後述する住所検索部164が検索した物体の住所から位置の住所を特定して記憶装置984に記憶する。
【0085】
上記の方法により住所を有する物体を検索することで、検索面を道路の進行方向に対して垂直方向にだけ拡大しただけでは有効な建物が見つからないような場合でも、道路の進行方向に対して平行方向へ検索面を拡大することで有効な建物を発見することができる。また、平行方向へ検索面を拡大する場合には、例えば、道路のセンターライン(中心線)を超えないことを条件としても構わない。
【0086】
次に、図32に基づき住所検索ステップの詳細の動作について説明する。図32は、検索ステップの動作を示すフローチャートである。
【0087】
まず、住所特定装置400は、位置取得ステップ、地図表示ステップ、位置入力ステップを実行する(S501)。
【0088】
次に、住所特定装置400は、住所検索ステップを実行する(S502〜S510)。
まず、拡大方向決定ステップ(S502)では、住所検索部164は、住所を検索するゾーンの拡大方向を決定する。住所検索部164は、例えば、道路の進行方向に対して垂直方向を検索ゾーンの拡大方向とする。次に、衝突判定ステップ(S503)では、住所検索部164は、検索ゾーンが住所を有する物体と衝突したか否かを判定する。検索ゾーンが住所を有する物体と衝突したと判定した場合(S503でYES)、住所検索部164は、(S509)へ進む。一方、検索ゾーンが住所を有する物体と衝突していないと判定した場合(S503でNO)、住所検索部164は、(S504)へ進む。次に、範囲判定ステップ(S504)では、住所検索部164は、検索ゾーンの範囲が所定以上か否かを判定する。検索ゾーンの範囲が所定以上であると判定した場合(S504でYES)、住所検索部164は、(S508)へ進む。一方、検索ゾーンの範囲が所定以上でないと判定した場合(S504でNO)、住所検索部164は、(S505)へ進む。次に、縦横比判定ステップ(S505)では、住所検索部164は、検索ゾーンの縦横比が所定の範囲内か否かを判定する。つまり、住所検索部164は、上記第1の距離と上記第2の距離との比を求め、例えば進行方向に対して、垂直方向と平行方向とに検索ゾーンを交互に拡大する。そして、住所検索部164は、上記縦横比に基づき、検索ゾーンを、縦方向に拡大するか(縦方向拡大ステップ(S506))、横方向に拡大するか(横方向拡大ステップ(S507))を決定する。一方、円状拡大ステップ(S508)では、住所検索部164は、検索ゾーンの拡大方法を円状に拡大する方法に変更する。住所検索部164は、検索ゾーンが住所を有する物体に衝突するまで、検索ゾーンを円状に拡大する。
【0089】
次に、住所特定装置400は、住所特定ステップを実行する(S509、S510)。
まず、住所取得ステップ(S510)では、住所検索部164は、衝突した物体から住所を取得する。そして、位置情報作成ステップ(S510)では、住所検索部164は、取得した住所から位置情報を作成する。
【0090】
上述したように、所定の方向に建物を検索する方法は、細長い地形に対してその地形に面した建物を検索するのに有効である。また、所定の方向に建物を検索する方法では、住所検索ゾーンは道路に対して垂直に伸ばすと共に、平行にも伸ばす必要がある。垂直方向と水平方向との割合については地形、位置情報検索の目的による。円状に建物を検索する方法では、道路、河川などの地点の位置情報を、その側部に最も近い建物から取得することができる。
また、所定の方向に建物を検索する方法により、住所検索ゾーンを一定範囲まで拡大しても建物と衝突しなかった場合、例えゾーンの拡大を続けることで建物と衝突したとしても、遠すぎて位置情報として利用し難い場合がありうる。その場合、円状に建物を検索する方法に切り替え、最寄りの建物の住所を取得し、位置情報を作成する。
【0091】
実施の形態2にかかる住所特定装置400は、実施の形態1にかかる特定情報取得装置100に含まれていても構わない。上述したように実施の形態2にかかる住所特定装置400と、実施の形態1にかかる特定情報取得装置100とは同様の機能を有している。実施の形態2にかかる住所特定装置400は、実施の形態1にかかる特定情報取得装置100に含まれている場合、同様の機能については、重複して持つ必要はない。
【0092】
実施の形態2にかかる住所特定装置400は、デジタル地図上で住所を検索したい地点に住所が無い(道路、河川、山岳など)場合、近傍の建物の住所を取得、位置情報として示すものである。実施の形態2にかかる住所特定装置400は、具体的には住所を検索したい地点から、住所検索用のゾーンを一定の方法で広げ、そのゾーンと最初に衝突した建物の住所から位置情報(取得した住所の近傍)を作成する。この場合の位置情報(取得する住所)は、デジタル地図に依存する。
これにより実施の形態2にかかる住所特定装置400によれば、住所が無い地点でもある住所の近傍、という形で位置情報を示すことが出来る。例えば道路であれば、現状でもデジタル地図によっては道路などの住所が街区レベル等で存在するものもあるが、それより正確に、ある建物の側の道路、という形で示すことができる。山岳、河川、湖沼上の地点などについても、最寄りの建物を検索することで位置情報を得ることが可能になる。
【0093】
実施の形態3.
次に、実施の形態3について説明する。実施の形態3では、実施の形態1にかかる特定情報取得装置100と実施の形態2にかかる住所特定装置400とへのGPSの利用について説明する。
【0094】
まず、図33に基づきGPSを用いた地図の位置合わせについて説明する。図33は、GPSを用いた地図の位置合わせを示す図である。
GPS情報がない場合、特定情報取得装置100と住所特定装置400とが備える地図表示部116は、例えば所定の位置を初期表示する。そのため、位置入力部114が位置を入力する場合に入力したい位置は表示されていない場合がある。通常、位置入力部114が位置を入力する位置は、現在位置付近であると考えられる。
そこで、GPS情報を用いて、地図表示部116が表示する地図を、現在位置を含む地図とする。これにより、位置入力部114が位置を入力する場合の手間が少なくてすむ。
【0095】
次に、図34に基づきGPSを用いた住所の選択入力のリスト表示について説明する。図34は、GPSを用いた住所の選択入力のリスト表示を示す図である。
GPS情報がない場合、候補となる住所をすべて羅列する。したがって、住所のリストは膨大になる。リストの件数を少なくすることも考えられるが、リストを引用して入力できる住所が少なくなってしまう。
そこで、GPS情報を用いて、候補となる住所を絞り込む。例えば、緯度経度情報を所定のブロックに区切り、ブロック毎に表示する住所のリストを登録しておく。そして、GPS情報が示す位置に該当するブロックの住所のリストのみ表示することで、表示されるリストを絞り込むことができる。
【0096】
次に、図35に基づきGPSを用いた移動履歴情報について説明する。図35は、GPSを用いた移動履歴情報を示す図である。
例えば、実施の形態1にかかる特定情報取得装置100により、特定情報の取得作業を行う場合、所定の時間毎や特定情報を取得する毎に、位置情報を取得する。これにより、作業を行った履歴がわかる。また、位置情報を取得した時刻を証明書発行サーバ300により証明を受けることで、証拠能力が高まる。
また、移動履歴情報を得ることにより、住所の入力間違いの訂正なども可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0097】
【図1】実施の形態にかかる目標物特定システム1000の外観の一例を示した図。
【図2】実施の形態における特定情報取得装置100のハードウェア構成の一例を示す図。
【図3】実施の形態における目標物特定装置200と証明書発行サーバ300とのハードウェア構成の一例を示す図。
【図4】特定情報取得装置100と目標物特定装置200とによる目標物特定処理機能を示す図。
【図5】目標物特定システム1000の機能を示す機能ブロック図。
【図6】特定情報取得装置100の動作である特定情報取得処理(特定情報取得方法、特定情報取得プログラム)を示すフローチャート。
【図7】目標物特定装置200の動作である目標物特定処理(目標物特定方法、目標物特定プログラム)を示すフローチャート。
【図8】特定情報取得装置100と目標物特定装置200との通信の一例を示す図。
【図9】電子透かし施行部156が行う電子透かし処理の概要を示す図。
【図10】COCO−DATES(登録商標)サービスの概要を示す図。
【図11】COCO−DATES(登録商標)サービスにより、特定情報取得装置100が証明書発行サーバ300から電子証明書の発行を受ける処理と、証明確認部206が証明書発行サーバ300に情報が正しいことを確認する処理との一例を示す図。
【図12】COCO−DATES(登録商標)サービスにより、特定情報取得装置100が証明書発行サーバ300から電子証明書の発行を受ける処理と、証明確認部206が証明書発行サーバ300に情報が正しいことを確認する処理との他の一例を示す図。
【図13】特定情報取得装置100の特徴を示す図。
【図14】メニュー画面の一例を示す図。
【図15】全体画像の撮影操作の一例を示す図。
【図16】識別情報の撮影操作の一例を示す図。
【図17】目標物の位置の登録操作の一例を示す図。
【図18】目標物の態様の入力操作の一例として違反状況の入力操作を示す図。
【図19】違反ラベル印刷の操作の一例を示す図。
【図20】ラベル画像の撮影操作の一例を示す図。
【図21】位置表示画像の入力操作の一例を示す図。
【図22】指定された地点に住所が割当てられていない場合の住所を検索する方法の一例である円状に建物を検索する方法を示す図。
【図23】円状に建物を検索する方法を用いた住所特定装置400の動作を示すフローチャート。
【図24】円状に建物を検索する方法の課題を示す図。
【図25】円状に建物を検索する方法の課題を示す図。
【図26】円状に建物を検索する方法の課題を解決する所定の方向に建物を検索する方法を示す図。
【図27】所定の方向に建物を検索する方法の利点を示す図。
【図28】所定の方向に建物を検索する方法の利点を示す図。
【図29】実施の形態2にかかる方向に建物を検索する方法を用いた住所特定装置400の機能を示す機能ブロック図。
【図30】所定の方向に建物を検索する方法を用いた住所特定装置400の動作である住所特定処理(住所特定方法、住所特定プログラム)を示すフローチャート。
【図31】所定の方向に建物を検索する方法を用いた住所特定装置400の検索範囲拡大の例を示す図。
【図32】検索ステップの動作を示すフローチャート。
【図33】GPSを用いた地図の位置合わせを示す図。
【図34】GPSを用いた住所の選択入力のリスト表示を示す図。
【図35】GPSを用いた移動履歴情報を示す図。
【符号の説明】
【0098】
1000 目標物特定システム、100 特定情報取得装置、102 全体画像取得部、104 識別画像取得部、106 ラベル画像取得部、108 位置表示画像生成部、110 地図情報記憶部、112 位置取得部、114 位置入力部、116 地図表示部、118 情報入力部、120 ラベル印刷部、122 証明発行要求部、124 識別コード受信部、126 特定情報送信部、128 情報受信部、150 特定情報取得部、152 特定情報登録部、154 証明書発行サーバ通信部、156 電子透かし施行部、158 住所特定部、160 特定装置通信部、162 履歴参照部、164 住所検索部、200 目標物特定装置、202 特定情報受信部、204 目標物特定部、206 証明確認部、208 情報送信部、300 証明書発行サーバ、901 CRT表示装置、902 K/B、903 マウス、904 FDD、905 CDD、908 データベース、909 システムユニット、910 サーバ、911 CPU、912 バス、913 ROM、914 RAM、915 通信ボード、916 携帯端末装置、917 携帯印字機、918 カメラ、919 GPSアンテナ、920 磁気ディスク装置、921 OS、922 ウィンドウシステム、923 プログラム群、924 ファイル群、925 LCD表示装置、931 電話器、932 FAX機、940 インターネット、941 ゲートウェイ、942 LAN、980 処理装置、982 入力装置、984 記憶装置、986 表示装置、988 通信装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
目標物の全体画像を画像取得装置により取得して記憶装置に記憶する全体画像取得部と、
上記目標物の識別情報の画像である識別画像を画像取得装置により取得して記憶装置に記憶する識別画像取得部と、
所定のラベルが付された上記目標物の画像であるラベル画像を画像取得装置により取得して記憶装置に記憶するラベル画像取得部と、
地図画像を示す地図情報を記憶装置に記憶する地図情報記憶部と、
上記目標物の位置を示す位置情報を入力装置により入力して記憶装置に記憶する位置入力部と、
上記地図情報記憶部が記憶した地図情報が示す地図画像に、上記位置入力部が入力した位置情報が示す位置を示すことにより位置表示画像を生成して記憶装置に記憶する位置表示画像生成部と、
上記全体画像取得部が取得した全体画像と、上記識別画像取得部が取得した識別画像と、上記ラベル画像取得部が取得したラベル画像と、上記位置表示画像生成部が生成した位置表示画像とを1つの特定情報として記憶装置に登録する特定情報登録部と
を備えることを特徴とする特定情報取得装置。
【請求項2】
上記特定情報取得装置は、さらに、
上記特定情報登録部が登録した全体画像と識別画像とラベル画像と位置表示画像とのすべて又は少なくともいずれか1つに対して電子透かしを施す電子透かし施行部
を備えることを特徴とする請求項1記載の特定情報取得装置。
【請求項3】
上記特定情報取得装置は、さらに、
上記位置入力部が入力した位置情報が示す位置の住所を特定して記憶装置に記憶する住所特定部
を備えることを特徴とする請求項1記載の特定情報取得装置。
【請求項4】
上記特定情報取得装置は、さらに、
上記全体画像取得部が全体画像を取得した時刻と、上記識別画像取得部が識別画像を取得した時刻と、上記ラベル画像取得部がラベル画像を取得した時刻と、上記位置表示画像生成部が位置表示画像を生成した時刻とのすべて又は少なくともいずれか1つが正しいこと証明する電子証明書の発行を証明書発行サーバへ要求する証明発行要求部と、
上記証明発行要求部の要求に対して証明書発行サーバにより発行された電子証明書を識別する識別コードを証明書発行サーバから受信して記憶装置に記憶する識別コード受信部と
を備えることを特徴とする請求項1記載の特定情報取得装置。
【請求項5】
上記特定情報取得装置は、さらに、
上記地図情報記憶部が記憶した地図情報が示す地図画像を表示装置に表示する地図表示部を備え、
上記位置入力部は、上記地図表示部が表示した地図画像から位置を選択することにより位置情報を入力する
ことを特徴とする請求項1記載の特定情報取得装置。
【請求項6】
上記特定情報取得装置は、さらに、
現在位置を示す現在位置情報を取得する位置取得部を備え、
上記位置表示画像生成部は、上記地図画像に上記位置取得部が取得した現在位置情報が示す位置を示すことにより位置表示画像を生成する
ことを特徴とする請求項1記載の特定情報取得装置。
【請求項7】
上記特定情報取得装置は、さらに、
現在位置を示す現在位置情報を取得する位置取得部を備え、
上記地図表示部は、上記位置取得部が取得した現在位置情報が示す現在位置を含む範囲の地図画像を表示する
ことを特徴とする請求項5記載の特定情報取得装置。
【請求項8】
請求項1記載の特定情報取得装置と通信装置を介して通信して、上記全体画像取得部が取得した全体画像と、上記識別画像取得部が取得した識別画像と、上記ラベル画像取得部が取得したラベル画像と、上記位置表示画像生成部が生成した位置表示画像とのすべて又は少なくともいずれか1つを受信して記憶装置に記憶する受信部と、
上記受信部が受信した上記全体画像と上記識別画像と上記ラベル画像と上記位置表示画像とのすべて又は少なくともいずれか1つに基づき目標物を特定する特定部と
を備えることを特徴とする目標物特定装置。
【請求項9】
目標物の全体画像を画像取得装置により全体画像取得部が取得して記憶装置に記憶する全体画像取得ステップと、
上記目標物の識別情報の画像である識別画像を画像取得装置により識別画像取得部が取得して記憶装置に記憶する識別画像取得ステップと、
所定のラベルが付された上記目標物の画像であるラベル画像を画像取得装置によりラベル画像取得部が取得して記憶装置に記憶するラベル画像取得ステップと、
地図画像を示す地図情報を地図情報記憶部が記憶装置に記憶する地図情報記憶ステップと、
上記目標物の位置を示す位置情報を入力装置により位置入力部が入力して記憶装置に記憶する位置入力ステップと、
上記地図情報記憶ステップで記憶した地図情報が示す地図画像に、上記位置入力ステップで入力した位置情報が示す位置を示すことにより位置表示画像を位置表示画像生成部が生成して記憶装置に記憶する位置表示画像生成ステップと、
上記全体画像取得ステップで取得した全体画像と、上記識別画像取得ステップで取得した識別画像と、上記ラベル画像取得ステップで取得したラベル画像と、上記位置表示画像生成ステップで生成した位置表示画像とを1つの特定情報として特定情報登録部が記憶装置に登録する特定情報登録ステップと
を備えることを特徴とする特定情報取得方法。
【請求項10】
目標物の全体画像を画像取得装置により全体画像取得部が取得して記憶装置に記憶する全体画像取得ステップと、
上記目標物の識別情報の画像である識別画像を画像取得装置により識別画像取得部が取得して記憶装置に記憶する識別画像取得ステップと、
所定のラベルが付された上記目標物の画像であるラベル画像を画像取得装置によりラベル画像取得部が取得して記憶装置に記憶するラベル画像取得ステップと、
地図画像を示す地図情報を地図情報記憶部が記憶装置に記憶する地図情報記憶ステップと、
上記目標物の位置を示す位置情報を入力装置により位置入力部が入力して記憶装置に記憶する位置入力ステップと、
上記地図情報記憶ステップで記憶した地図情報が示す地図画像に、上記位置入力ステップで入力した位置情報が示す位置を示すことにより位置表示画像を位置表示画像生成部が生成して記憶装置に記憶する位置表示画像生成ステップと、
上記全体画像取得ステップで取得した全体画像と、上記識別画像取得ステップで取得した識別画像と、上記ラベル画像取得ステップで取得したラベル画像と、上記位置表示画像生成ステップで生成した位置表示画像とを1つの特定情報として特定情報登録部が記憶装置に登録する特定情報登録ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする特定情報取得プログラム。
【請求項11】
住所が割当てられた物体の情報を有する地図情報を記憶装置に記憶する地図情報記憶部と、
位置を示す位置情報を入力装置により入力する位置入力部と、
地図情報記憶部が記憶した地図情報が示す地図において、上記位置入力部が入力した位置情報が示す位置から所定の方向に向かって所定の幅で住所を有する物体を処理装置により検索する住所検索部と、
上記住所検索部が検索した物体の住所から上記位置の住所を特定して記憶装置に記憶する住所特定部と
を備えることを特徴とする住所特定装置。
【請求項12】
上記住所検索部は、上記位置が道路である場合、道路の進行方向に対して垂直方向へ物体を検索する
ことを特徴とする請求項11記載の住所特定装置。
【請求項13】
上記住所検索部は、道路の進行方向に対して垂直方向へ第1の距離だけ物体の検索を行い物体が検出されない場合、道路の進行方向に対して平行方向へ第2の距離の幅で検索を行う
ことを特徴とする請求項12記載の住所特定装置。
【請求項14】
上記住所検索部は、道路の進行方向に対して垂直方向へ第1の距離だけ物体の検索を行い物体が検出されず、かつ、道路の進行方向に対して平行方向へ第2の距離の幅で第3の距離だけ物体の検索を行い物体が検出されない場合、上記位置を中心として円状に範囲を広げて物体の検索を行う
ことを特徴とする請求項13記載の住所特定装置。
【請求項15】
上記住所特定装置は、さらに、
地図情報記憶部が記憶した地図情報が示す地図を表示装置に表示する地図表示部を備え、
上記位置入力部は、上記地図表示部が表示した地図画像から位置を選択することにより位置情報を入力する
ことを特徴とする請求項11記載の住所特定装置。
【請求項16】
上記住所特定装置は、さらに、
現在位置を示す現在位置情報を取得する位置取得部を備え、
上記住所検索部は、地図情報記憶部が記憶した地図情報が示す地図において、上記位置取得部が取得した現在位置情報が示す位置から所定の方向に向かって所定の幅で住所を有する物体を処理装置により検索する
ことを特徴とする請求項11記載の住所特定装置。
【請求項17】
住所が割当てられた物体の情報を有する地図情報を地図情報記憶部が記憶装置に記憶する地図情報記憶ステップと、
位置を示す位置情報を入力装置により位置入力部が入力する位置入力ステップと、
地図情報記憶ステップで記憶した地図情報が示す地図において、上記位置入力ステップで入力した位置情報が示す位置から所定の方向に向かって所定の幅で住所を有する物体処理装置により住所検索部が検索する住所検索ステップと、
上記住所検索ステップで検索した物体の住所から上記位置の住所を住所特定部が特定して記憶装置に記憶する住所特定ステップと
を備えることを特徴とする住所特定方法。
【請求項18】
住所が割当てられた物体の情報を有する地図情報を地図情報記憶部が記憶装置に記憶する地図情報記憶ステップと、
位置を示す位置情報を入力装置により位置入力部が入力する位置入力ステップと、
地図情報記憶ステップで記憶した地図情報が示す地図において、上記位置入力ステップで入力した位置情報が示す位置から所定の方向に向かって所定の幅で住所有する物体を処理装置により住所検索部が検索する住所検索ステップと、
上記住所検索ステップで検索した物体の住所から上記位置の住所を住所特定部が特定して記憶装置に記憶する住所特定ステップと
をコンピュータに実行させることを特徴とする住所特定プログラム。
【請求項19】
上記特定情報取得装置は、さらに、
住所が割当てられた物体の情報を有する地図情報を記憶装置に記憶する地図情報記憶部と、
地図情報記憶部が記憶した地図情報が示す地図において、上記位置入力部が入力した位置情報が示す位置から所定の方向に向かって所定の幅で住所を有する物体を処理装置により検索する住所検索部と、
上記住所検索部が検索した物体の住所から上記位置の住所を特定して記憶装置に記憶する住所特定部とを備え、
上記特定情報登録部は、上記住所特定部が特定した住所を特定情報と併せて登録する
ことを特徴とする請求項1記載の特定情報取得装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【図22】
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【図23】
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【図24】
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【図25】
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【図26】
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【図27】
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【図28】
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【図29】
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【図30】
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【図31】
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【図32】
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【図33】
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【図34】
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【図35】
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【公開番号】特開2007−200165(P2007−200165A)
【公開日】平成19年8月9日(2007.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−19965(P2006−19965)
【出願日】平成18年1月30日(2006.1.30)
【出願人】(000006013)三菱電機株式会社 (33,312)
【Fターム(参考)】