説明

玉軸受の溝曲率測定方法および溝曲率測定装置

【課題】 軸受軌道面の溝加工現場などでも容易に適用できて、軌道面の溝曲率を作業者の測定技術に左右されることなく低コストで高精度に測定できる玉軸受の溝曲率測定方法、およびその測定方法に用いられる溝曲率測定装置を提供する。
【解決手段】 この玉軸受の溝曲率測定方法は、表面が絶縁膜5で被覆され玉軸受のボールに模した球面を有する導体4からなる球面電極3の前記球面を、前記玉軸受の軌道面2に押し当てる。この状態で、前記球面電極3と前記軌道面2の間の静電容量を測定し、その静電容量値から前記軌道面2の溝曲率を測定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
この発明は、玉軸受の軌道面の溝曲率を測定する溝曲率測定方法、およびその測定方法に用いられる溝曲率測定装置に関する。
【背景技術】
【0002】
玉軸受には、その寿命や摩擦トルクに影響する一因子として、軸受軌道面の溝曲率比がある。溝曲率比とは溝曲率半径/ボール半径として定義され、1より大きな値である。すなわち、例えばラジアル玉軸受において、内輪あるいは外輪の軌道面の溝曲率比が大きいとボールとの接触応力が高くなり、軸受の疲労寿命が短くなる。逆に、軌道面の溝曲率比が小さいとすべり成分が増加し、軸受の摩擦トルクが大きくなる。このため、玉軸受の軸受軌道面においては、用途に応じて寿命とトルクの関係が最適となる溝曲率比が選択される。
【0003】
このように、玉軸受において、軸受軌道面の溝曲率比を決める溝曲率半径は軸受性能に対して重要な管理値であり、溝加工現場においても常時監視されるべき項目である。この場合の溝加工は研削加工であるため、切れ味を維持するのに定期的な砥石のドレッシングが必要になる。砥石のドレッシングは、ダイヤモンドを砥石に当てて砥石を削ることであるから、ダイヤモンドも徐々に摩耗する。ダイヤモンドが摩耗すると、砥石に正確な形状をつくることができなくなる。このため、前記軸受軌道面の研削加工後に、定期的に溝曲率を測定して、ダイヤモンドドレッサーの修正を行う必要がある。
上記したように、定期的に溝曲率を測定する場合において、その測定の間隔が長い場合には形状測定器のような高級な測定器を使用することができるが、測定頻度が高いと加工機の横で測定しなければならないので、形状測定器の使用は実用的ではない。
【0004】
玉軸受における軌道面の溝曲率を測定する技術について、これまで公開された事例はないが、動圧軸受の球面曲率半径を測定する方法についての技術が提案されている(例えば特許文献1)。
【特許文献1】特開昭58−193408号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
特許文献1に開示の技術は、レーザー干渉計を用いて動圧軸受の球面曲率半径を測定するものであり、レーザー光の波長レベルの分解能が高いため高精度な測定が可能である。しかし、この測定方法を玉軸受の軌道面の溝曲率の測定に用いたとしても、環境の悪い溝加工現場ではレーザー干渉計を使うことができないので、専用の場所にレーザー干渉計を設置しなければならず実用的ではない。
【0006】
この発明の目的は、軸受軌道面の溝加工現場などでも容易に適用できて、軌道面の溝曲率を作業者の測定技術に左右されることなく低コストで高精度に測定できる玉軸受の溝曲率測定方法、およびその測定方法に用いられる溝曲率測定装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
この発明の玉軸受の溝曲率測定方法は、表面が絶縁膜で被覆され玉軸受のボールに模した球面を有する導体からなる球面電極の前記球面を、前記玉軸受の軌道輪の軌道面に押し当てた状態で、前記球面電極と前記軌道面の間の静電容量を測定し、その静電容量値から前記軌道面の溝曲率を測定するものである。上記の玉軸受のボールに模した球面とは、測定対象となる玉軸受のボールとほぼ同じ曲率半径の球面のことであり、球の全体の表面となる球面であっても、また球の一部の表面となる部分的な球面であっても良い。
この測定方法によると、球面電極と軸受軌道面の間の静電容量を測定し、その測定された静電容量値から軌道面の溝曲率を測定するので、軸受軌道面の溝加工現場などでも容易に適用できて、低コストで溝曲率を測定することができる。また、作業者の測定技術に左右されることなく高精度に測定することができる。特に、前記球面電極には、玉軸受のボールに模した球面を有する導体を用い、その球面を軌道面に押し当てるので、玉軸受の軌道面とボールの接触状態を模して測定することになり、精度の良い測定が行える。
【0008】
この発明において、前記球面電極は、玉軸受のボールに模した鋼球の表面を絶縁膜で被覆したものであっても良い。
【0009】
この発明において、前記球面電極は、玉軸受の軌道面に対向する対向面となり、かつ玉軸受のボールに模した部分的な球面を有し、その球面を絶縁膜で被覆したものであっても良い。すなわち、前記球面は球の表面の一部となる面とし、球面電極の前記球面以外の部分の形状は任意の形状とする。この場合に、前記球面電極の、前記玉軸受の軌道面の軸方向に対応する幅を、前記玉軸受の軌道面における面取り部を除く幅よりも狭い面域に対向する幅としても良い。
玉軸受の軌道輪では、軌道面と外径面部とが面取り部でつながっているため、前記面取り部の寸法にばらつきがあると、軌道面の溝曲率が同じであっても前記面取り部の寸法に応じて測定される静電容量が変化し、溝曲率測定に誤差を与えることになる。そこで、球面電極の球面の幅を、玉軸受の軌道面における面取り部を除く面域よりも狭い面域に対向する幅とすると、面取り部の寸法のばらつきが、測定される静電容量に及ぼす影響を無くすことができ、測定誤差を低減して精度良く溝曲率を測定することができる。
【0010】
この発明において、前記軌道面は、ラジアル玉軸受の内輪または外輪の軌道面であっても良く、またスラスト玉軸受の軌道面であっても良い。
【0011】
この発明の玉軸受の溝曲率測定装置は、この発明の上記いずれかの玉軸受の溝曲率測定方法に用いられる測定装置であって、玉軸受の軌道輪を支持する測定台と、表面が絶縁膜で被覆され玉軸受のボールに模した球面を有する導体からなる球面電極と、この球面電極の球面を前記軌道輪の軌道面に押し当てる押し当て手段と、前記球面電極の導体および前記軌道面間に交流電圧を印加する交流電圧印加手段と、これら手段によって前記球面電極の導体および前記軌道面間の静電容量に相当する電圧発生手段と、この電圧を軌道輪の溝曲率半径に演算し出力する手段とを備えたものである。
この構成によると、この発明方法を用いて、前述のように軌道面の溝曲率を、作業者の測定技術に左右されることなく低コストで高精度に測定することができる。また、軸受軌道面の溝加工現場などにも適用することができる。
【発明の効果】
【0012】
この発明の玉軸受の溝曲率測定方法は、表面が絶縁膜で被覆され玉軸受のボールに模した球面を有する導体からなる球面電極の前記球面を、前記玉軸受の軌道輪の軌道面に押し当てた状態で、前記球面電極と前記軌道面の間の静電容量を測定し、その静電容量値から前記軌道面の溝曲率を測定するものとしたので、軸受軌道面の溝加工現場などでも容易に適用できて、軌道面の溝曲率を作業者の測定技術に左右されることなく低コストで高精度に測定することができる。
この発明の玉軸受の溝曲率測定装置は、この発明の玉軸受の溝曲率測定方法に用いられる測定装置であって、玉軸受の軌道輪を支持する測定台と、表面が絶縁膜で被覆され玉軸受のボールに模した球面を有する導体からなる球面電極と、この球面電極の球面を前記軌道輪の軌道面に押し当てる押し当て手段と、前記球面電極の導体および前記軌道面間に交流電圧を印加する交流電圧印加手段と、前記球面電極の導体および前記軌道面の静電容量に相当する電圧を溝曲率半径に演算して出力する手段とを設けたため、軸受軌道面の溝加工現場などでも問題なく使用できて、軌道面の溝曲率を作業者の測定技術に左右されることなく低コストで高精度に測定することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0013】
この発明の一実施形態を図1ないし図4と共に説明する。図1は、この実施形態の玉軸受の溝曲率測定方法の原理図を示す。同図において、球面電極3は、測定対象となる玉軸受のボールに模した球形の導体(ここでは鋼球)4の表面を絶縁膜5で被覆したものである。球面電極3の導体4の曲率半径Rbは、玉軸受の軌道輪(ここでは内輪)1における軌道面2の溝曲率半径Raよりも小さくされている。この球面電極3を、前記軌道輪1の軌道面2に押し当てると、球面電極3と軌道輪1の間にコンデンサが形成される。軌道面2の溝曲率が大きく(つまり曲率半径Raが短く)、球面電極3と軌道輪1の間の隙間が小さいと、前記コンデンサの静電容量は大きくなる。逆に、軌道面2の溝曲率が小さく(つまり曲率半径Raが長く)、球面電極3と軌道輪1の間の隙間が大きいと、前記コンデンサの静電容量は小さくなる。この玉軸受の溝曲率測定方法は、上記した原理を利用して、静電容量から軌道面2の溝曲率を測定するものである。なお、図1において、Obは前記球体4の曲率中心を、Orは軌道面2の曲率中心を、δは前記絶縁膜5の膜厚をそれぞれ示す。当然ではあるが、Ra>Rb+δの関係にあり、この関係を満足する範囲内において最大の鋼球を使用すると検出感度も高くなる。
【0014】
前記球面電極3の絶縁膜5の材料として、例えば耐摩耗性を有するセラミックを用いることができるが、この場合は被覆後の形状が乱れるという欠点がある。そこで、前記絶縁膜5の材料としては、耐摩耗性,耐薬品性に優れる樹脂の一例であるPAI(ポリアミド・イミド)樹脂や、このPAI樹脂に耐摩耗粉としてアルミナ等のセラミックを添加した材料を用いるのが望ましい。また、絶縁膜5の膜厚δが厚すぎると、溝曲率の大きな(曲率半径Raが短い)軌道面2には適用できなくなるため、ここではその膜厚δを25μmとしている。
【0015】
図1には、前記コンデンサの静電容量を検出する回路の一構成例を示している。この静電容量検出回路6は、この玉軸受の溝曲率測定方法に用いられる後述する溝曲率測定装置11の一部を構成する交流電圧印加手段14と、参照コンデンサ15と、静電容量出力手段16とを備える。
【0016】
交流電圧印加手段14は、前記球面電極3の導体4に電気的に接続されて、導体4と軌道輪1の間に交流電圧を印加する手段である。印加する交流電圧の波形は、矩形であっても正弦波形であっても良いことが実験により確認されている。また、交流電圧の周波数は、安定した測定を可能とするうえで高い方が望ましいことが実験により確認されている。具体的には、その周波数を、100kHzよりも1MHzとした方が安定した測定が可能である。
【0017】
参照コンデンサ15は、一端が軌道輪1に電気的に接続され他端が接地されることで、前記球面電極3・軌道輪1間に形成されるコンデンサと直列に接続される。参照コンデンサ15としては、測定される前記静電容量と同程度、言い換えると同じオーダーの容量のものを用いるのが望ましい。
【0018】
静電容量出力手段16は、軌道輪1に電気的に接続されて、前記球面電極3と軌道輪1間の静電容量を前記参照コンデンサ15との分圧として出力する信号処理回路である。この静電容量出力手段16は、前記分圧を整流することで前記静電容量を電圧として信号処理する整流回路部17のほか、図示しない線形回路、ゼロ点移動回路、増幅器18、表示器19など、一般的な測定器に付加されている各種回路部によって構成されている。前記整流回路部17は、ダイオード17a,17b、コンデンサ17cなどからなる。軌道面2の溝曲率と前記静電容量とは非線形な関係にあるので、前記線形回路はその関係を線形な関係に補正する。静電容量出力手段16を構成する他の回路部として、測定されたデータを記録するための出力部を設けても良い。
【0019】
図2は、上記した玉軸受の溝曲率測定方法に用いられる溝曲率測定装置11の一例を示す。この溝曲率測定装置11は、玉軸受の軌道輪1を支持する測定台12と、図1で示した球面電極3と、この球面電極3の球面を前記軌道輪1の軌道面2に押し当てる押し当て手段13と、前記球面電極3の導体4間に交流電圧を印加する交流電圧印加手段14と、玉軸受の軌道輪1に接続された参照コンデンサ15と、前記球面電極3・軌道面2間の静電容量を前記参照コンデンサ15との分圧として出力する静電容量出力手段16とを備える。交流電圧印加手段14、参照コンデンサ15、および静電容量出力手段16は、図1に示した原理図の場合と同様に、静電容量検出回路6として1つの回路装置筐体17にまとめられている。
【0020】
図2では、測定対象である玉軸受の軌道輪1を、ラジアル玉軸受の内輪とした場合を示している。前記測定台12は、概形コ字状の部材からなり、その下辺部12aには上方に向け突出する2つの下部電極7,8が設けられている。この2つの下部電極7,8は軌道輪1の調心機能も担うものであって、これら両下部電極7,8の上に軌道輪1が置かれて所定姿勢に支持される。これら2つの下部電極7,8のうち一方の下部電極7に、前記参照コンデンサ15および静電容量出力手段16が同軸線等の配線18で接続される。
【0021】
測定台12の上辺部12bには、筒状の押し当て手段13が昇降可能に垂下して設けられており、その下端に前記球面電極3が固定されている。測定台12の上辺部12bに対して、前記押し当て手段13を矢印Aのように昇降して調整することにより、測定台12に支持された前記軌道輪1の軌道面2の溝底に球面電極3が押し当てられる。球面電極3の導体4に、前記交流電圧印加手段14が前記押し当て手段13内を経由する同軸線等の配線19で接続される。前記各配線18,19の外部導体18a,19aは、前記回路装置筐体17と共に接地されている。このように接地することにより、この測定装置の信号系を飛来ノイズから防御でき、安定した測定が可能となる。
【0022】
この玉軸受の溝曲率測定方法によると、玉軸受のボールに模した球面を有する導体4の表面を絶縁膜5で被覆してなる球面電極3の球面を、玉軸受の軌道輪1の軌道面2に押し当てた状態で、球面電極3と軌道面2の間の静電容量を測定し、その測定された静電容量値から前記軌道面2の溝曲率を測定するので、軸受軌道面の溝加工現場などでも容易に適用できて、低コストで溝曲率を測定することができる。また、作業者の測定技術に左右されることなく高精度に測定することができる。特に、前記球面電極3には、玉軸受のボールに模した球面を有する導体を用い、その球面を軌道面2に押し当てるので、玉軸受の軌道面2とボールの接触状態を模して測定することになり、精度の良い測定が行える。
【0023】
また、この測定方法の実施において、図2の構成とした溝曲率測定装置11を用いた場合には、測定対象である玉軸受の軌道輪1を安定良く支持できて、その軌道面2の溝底に球面電極3を確実に押し当てることができるので、軌道面2の溝曲率を作業者の測定技術に左右されることなく低コストで高精度に測定できる。
【0024】
ところで、上記測定方法を適用する玉軸受の軌道輪1では、図3に示すように軌道面2と外径面部1aとが面取り部1bでつながっている。このため、前記面取り部1bの寸法にばらつきがあると、軌道面2における球面電極3との対向面積が変化することになる。コンデンサの両電極に相当する球面電極3と軌道面2との間の静電容量は、ギャップと対向面積と電極間の誘電率で決まるため、軌道面2の溝曲率が同じであっても前記面取り部1bの寸法に応じて前記静電容量が変化し、溝曲率測定に誤差を与えることになる。
このような測定誤差の発生を避ける対策の一例として、溝曲率測定に先立ち、軌道面2の溝深さ(図3に符号dで示す)を予め測定しておき、その溝深さに応じて測定された静電容量値を補正すれば良い。これにより、溝曲率測定への面取り部1bの影響を無くすことができる。
【0025】
図4は、上記した測定誤差の発生を避ける対策の他の例を示す。この対策例は、玉軸受のボールに模した部分的な球面4aを前記軌道面2の対向面として導体4に形成し、その球面4aに絶縁膜5を被覆して非球形の球面電極3を構成したものである。この場合の絶縁膜5で被覆される球面4aの幅Aは、前記軌道面2における面取り部1bを除く面域の幅Bよりも狭い面域に対向する幅とする。これにより、面取り部1bの寸法のばらつきが、測定される静電容量に及ぼす影響を無くすことができる。尚、AとBの差は小さいほど検出感度が高いため、A/Bは0.8以上が好ましい。
【0026】
球面電極3の導体4として、図1および図2に示すよう鋼球を用いる場合は、玉軸受のボールをそのまま利用できるので入手が容易で、球面電極3の製作コストも低減できるが、図4のように球形以外の特殊な形状の球面電極3を用いることにより、測定誤差を低減して精度良く溝曲率を測定することができる。
【0027】
なお、上記実施形態では、玉軸受の軌道面2に参照コンデンサ15を接続し、球面電極3の導体4に交流電圧を印加して、球面電極3・軌道面2間の静電容量を測定する場合について説明したが、これとは逆に、球面電極3の導体4に参照コンデンサ15を接続し、玉軸受の軌道面2に交流電圧を印加するようにしても、同様にして軌道面2の溝曲率を精度良く測定することができる。
【0028】
また、上記実施形態では、ラジアル玉軸受の内輪の軌道面を測定対象とした場合を例示して説明したが、この発明は、ラジアル玉軸受の外輪の軌道面やスラスト玉軸受の軌道面を測定対象としても、同様にその溝曲率を精度良く測定することができる。
【図面の簡単な説明】
【0029】
【図1】この発明の一実施形態にかかる玉軸受の溝曲率測定方法の原理図である。
【図2】同測定方法に用いられる溝曲率測定装置を示す構成図である。
【図3】同測定方法が適用される軌道輪における軌道面と面取り部の関係を示す説明図である。
【図4】溝曲率測定装置における球面電極の他の構成例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0030】
1…玉軸受の軌道輪
1b…面取り部
2…軌道面
3…球面電極
4…導体
5…絶縁膜
6…静電容量検出回路
11…溝曲率測定装置
12…測定台
13…押し当て手段
14…交流電圧印加手段
15…参照コンデンサ
16…静電容量出力手段

【特許請求の範囲】
【請求項1】
表面が絶縁膜で被覆され、全体または一部が玉軸受のボールに模した球面を有する導体からなる球面電極の前記球面を、前記玉軸受の軌道輪の軌道面に押し当てた状態で、前記球面電極と前記軌道面の間の静電容量を測定し、その静電容量値から前記軌道面の溝曲率を測定する玉軸受の溝曲率測定方法。
【請求項2】
請求項1において、一部が玉軸受のボールに模した球面を有する導体からなる前記球面電極の、前記玉軸受の軌道面の軸方向に対応する幅を、前記玉軸受の軌道面における面取り部を除く幅よりも狭い面域に対向する幅とした玉軸受の溝曲率測定方法。
【請求項3】
請求項1または請求項2に記載の玉軸受の溝曲率測定方法に用いられる測定装置であって、玉軸受の軌道輪を支持する測定台と、表面が絶縁膜で被覆され玉軸受のボールに模した球面を有する導体からなる球面電極と、この球面電極の球面を前記軌道輪の軌道面に押し当てる押し当て手段と、前記球面電極の導体および前記軌道面間に交流電圧を印加する交流電圧印加手段により前記球面電極・軌道面間の静電容量を電気信号に変えその信号を軌道輪の溝曲率半径に演算して出力する手段とを備えた玉軸受の溝曲率測定装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2009−180573(P2009−180573A)
【公開日】平成21年8月13日(2009.8.13)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−18547(P2008−18547)
【出願日】平成20年1月30日(2008.1.30)
【出願人】(000102692)NTN株式会社 (9,006)
【Fターム(参考)】