説明

現像ローラ、現像装置及び画像形成装置

【課題】スリーブ両端部とスリーブ中央部との間のスリーブ外周面上で均一な搬送量を得ることが可能な現像ローラ、及び長手方向で均一な画像を得ることが可能な現像装置及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】現像ローラは、外周面上に現像剤を保持する円筒状のスリーブ45と、このスリーブ45内に設けられ、5つの磁極を有するマグネットローラとを備える。このスリーブ45の外周面に複数の凹部50が形成され、複数の凹部50はスリーブ45の軸方向及び周方向に分散して配置される。スリーブ45の両端部における凹部50の密度はそれぞれ、スリーブ45の中央部における凹部50の密度よりも大きい。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、長手方向の現像スリーブの形状に関するものであり、例えば電子写真方式を用いたコピー機、プリンタ、FAX及びMFPに利用される現像ローラ、現像装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
現像装置は、感光体ドラムと対向する円筒状のマグネットローラと、現像剤が担持される外周面を有しマグネットローラの周りを回転駆動される現像スリーブと、現像スリーブの外周面上の現像剤の層の厚さを規制するドクターブレードとを備える。
【0003】
マグネットローラの内部には複数の磁極が設けられる。磁気力の作用により、現像スリーブの外周面上において、非磁性トナーを吸着した磁性キャリアからなる磁気ブラシが形成される。
【0004】
磁気ブラシが感光体ドラムの外周面に接触した状態でマグネットローラ及び感光体ドラムが回転することにより磁気ブラシは静電潜像へトナーを供給する。
【0005】
適切な量の現像剤をスリーブ外周面上に担持してトナーを感光体ドラムへ供給するため、及びスリーブ外周面上で現像剤が滑ることを防止するため、現像スリーブの外周表面は粗く加工される。
【0006】
加工例としてサンドブラスト加工やナーリング加工が知られている。
【0007】
サンドブラスト加工では、定形又は不定形の粒子が研磨剤として使われ、スリーブ外周面に微細な凹凸が形成される。ナーリング加工ではマグネットローラの回転軸に平行な溝がスリーブ外周面の全周に亘って形成される。
【0008】
従来、V溝を有する現像スリーブを採用した現像装置が公知である(特許文献1、2参照)。
【0009】
特許文献1に開示された現像装置は、現像スリーブの表面のうち感光体上の画像形成領域に対応する作像領域を含む中央部の表面を、現像スリーブの表面移動方向と直交する幅方向における中央部よりも外側に位置する両端部の表面よりも現像剤搬送能力が高くなるように形成する。
【0010】
この現像装置はマグネットローラの磁極の幅方向における両端を、現像スリーブの両端部の表面に対向させる。
【0011】
特許文献2に開示された現像装置は、現像スリーブの周長をL、現像スリーブの周方向に現れる1周当たりの溝の数をn、現像領域での現像スリーブの表面の線速をVs、現像領域での感光体ドラムの表面の線速をVp、トナー像上に現れる溝と対応したスジ状のピッチムラを視認できなくなる状態のピッチムラの最大ピッチをPとしたとき、n≧(L・Vp)/(P・Vs)の関係式を満足する構成を有する。
【0012】
また、特許文献3には、現像スリーブの表面の軸方向中央部領域における二成分現像剤の担持搬送力を軸方向両端部領域における担持搬送力よりも弱めることにより、層厚規制部材通過後の二成分現像剤の搬送量を軸方向に均一化する手段が開示されている。
【0013】
サンドブラスト処理された現像スリーブでは、長時間の使用によりスリーブ外周面の凹凸が現像剤を用いて平坦にされる。この結果、スリーブ外周面とキャリアとの間の摩擦抵抗が低下し、現像スリーブは現像剤を安定して搬送することができない。
【0014】
一方、ナーリング処理により生成された溝は、サンドブラスト処理により生成された凹部に比べて深いため、長時間の使用によって生じる摩擦抵抗の低下は大きくは生じない。
【特許文献1】特開2004−21122号公報
【特許文献2】特開2004−20581号公報
【特許文献3】特開2008−139650号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0015】
しかしながら、ナーリング処理された現像スリーブを用いて現像処理が行われた場合、現像されたトナー画像上に、溝ピッチに対応した幅を有するスジ状の不要パターンが発生するという問題がある。
【0016】
サンドブラスト処理された現像スリーブを用いて現像処理が行われた場合、スジ状の不要パターンは発生しないが、経年変化によって現像剤の搬送の安定性が損なわれるという問題がある。
【0017】
そこで、本発明は、上記の課題に鑑み、スリーブ両端部とスリーブ中央部との間のスリーブ外周面上で均一な搬送量を得ることが可能な現像ローラ、長手方向で均一な画像を得ることが可能な現像装置及び画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0018】
このような課題を解決するため、本発明の一態様によれば、外周面上に現像剤を保持する円筒状のスリーブと、スリーブ内に設けられ、複数の磁極を有するマグネットローラと、を備え、スリーブの外周面に複数の凹部が形成され、複数の凹部はスリーブの軸方向及び周方向に分散して配置され、スリーブの両端部における凹部の密度はそれぞれ、スリーブの中央部における凹部の密度よりも大きいことを特徴とする現像ローラが提供される。
【0019】
また、本発明の別の一態様によれば、現像剤を収容する容器と、前記容器に設けられ、外周面上に前記現像剤を保持する円筒状のスリーブと、前記スリーブ内に設けられ、複数の磁極を有するマグネットローラと、前記スリーブに対向して配置され、前記外周面上の前記現像剤の層の厚さを規制する規制部材とを備え、前記スリーブの前記外周面に複数の凹部が形成され、前記複数の凹部は前記スリーブの軸方向及び周方向に分散して配置され、前記スリーブの前記両端部における前記凹部の密度はそれぞれ、前記スリーブの前記中央部における前記凹部の密度よりも大きいことを特徴とする現像装置が提供される。
【0020】
また、本発明の別の一態様によれば、感光体と、前記感光体の表面を帯電させる帯電器と、前記感光体を露光して前記感光体上に潜像を形成する露光器と、前記感光体に面する開口を有し、現像剤を収容する容器と、前記容器に前記感光体と対向して設けられ、外周面上に前記現像剤を保持する円筒状のスリーブと、前記スリーブ内に設けられ、複数の磁極を有するマグネットローラと、前記容器に前記スリーブに対向して配置され、前記外周面上の前記現像剤の層の厚さを規制する規制部材と、前記スリーブにより前記現像剤が搬送されることにより、前記感光体上の前記潜像に付着したトナー像を紙に転写する転写部と、を備え、前記スリーブの前記外周面に複数の凹部が形成され、前記複数の凹部は前記スリーブの軸方向及び周方向に分散して配置され、前記スリーブの前記両端部における前記凹部の密度はそれぞれ、前記スリーブの前記中央部における前記凹部の密度よりも大きいことを特徴とする画像形成装置が提供される。
【発明の効果】
【0021】
本発明によれば、スリーブ両端部とスリーブ中央部との間のスリーブ外周面上で均一な搬送量を得ることができるようになり、長手方向で均一な画像を得ることができるようになる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
以下、本発明の実施の形態に係る現像スリーブ、現像装置及び画像形成装置について、図1乃至図9を参照しながら説明する。尚、各図において同一箇所については同一の符号を付すとともに、重複した説明は省略する。
【0023】
本実施形態に係る画像形成装置は複写機である。図1は複写機の斜視図である。複写機1は、スキャナである読取部2と、筐体3内に収納された画像形成部4と、紙を供給する給紙部5と、ユーザが操作するためのコントロールパネル6と、情報を表示する表示パネル7とを有する。
【0024】
読取部2は、原稿を走査し画像を光学的に読み取って画像データを生成する。画像形成部4は、給紙部5から供給される紙に電子写真方式によって画像データを印刷する。
【0025】
図2は画像形成部4の構成図である。同図に示される符号のうち、上述した符号と同じ要素を有する要素はそれらと同じである。
【0026】
画像形成部4は、矢印u方向に回転駆動される感光体ドラム10(感光体)を有する。感光体ドラム10の周囲には、この感光体ドラム10の回転方向の上流から下流へ向かって順に、帯電装置11(帯電器)、露光装置20(露光器)、現像装置30、転写装置400(転写部)、除電装置500及びクリーナ60が設けられる。
【0027】
帯電装置11は、感光体ドラム10の外周面を所定の電位に一様に帯電する。
【0028】
露光装置20は、図示しないレーザ光源を有し、読取部2から入力される画像データに応じてレーザ光を変調し、変調されたレーザ光を感光体ドラム10の外周面に照射する。感光体ドラム10の外周面のうち、レーザ光が照射された部分の電位は低下する。感光体ドラム10の外周面に静電潜像が形成される。
【0029】
現像装置30は、現像剤を感光体ドラム10の外周面に付着させ、静電潜像を現像する。現像剤には、トナーとキャリアとからなる2成分現像剤が用いられる。現像装置30の詳細は後述する。
【0030】
紙は、給紙部5から、感光体ドラム10と転写装置400とが対向する位置に向かって搬送される。転写装置400は感光体ドラム10上のトナー画像を紙に転写する。
【0031】
トナー画像を転写された紙は、搬送方向下流側にある定着装置70に搬送される。定着装置70は、加熱及び加圧により、トナー画像を紙に定着させる。排紙装置80は、それへの定着処理が終了した紙を筐体3の外部に排出する。
【0032】
紙への転写が終わると、感光体ドラム10の表面電荷を、除電装置500は除去する。クリーナ60は感光体ドラム10の表面に残留するトナーを除去する。以上の処理が繰り返されることにより、連続した印刷が行われる。
【0033】
図3は現像装置30の縦断面図である。同図でも既出の符号を有する要素はそれらと同じ要素を表す。断面への矢視の方向は図2の例とは変えて表示されている。
【0034】
現像装置30は、現像剤が収容される容器31と、容器31に設けられ現像剤を外周面に担持するマグネットローラ32(現像ローラ)とを有する。
【0035】
マグネットローラ32の長手方向は軸方向である。マグネットローラ32の長手方向の両端部は、容器31の容器壁に回転可能に取り付けられる。マグネットローラ32の長手方向は、感光体ドラム10の長手方向と平行である。
【0036】
容器31には、感光体ドラム10の外周面が露出する長い開口部が感光体ドラム10の長手方向に沿って形成される。マグネットローラ32の外周面は長い開口部に向く。
【0037】
容器31内でマグネットローラ32の下方には壁33が設けられる。壁33はマグネットローラ32の長手方向と平行に形成される。
【0038】
壁33により容器31の空間は、感光体ドラム10の軸方向に沿って平行に第1の室34と第2の室35とに分割される。第1の室34内には第1のオーガ36が設けられる。第2の室35内には第2のオーガ37が設けられる。
【0039】
壁33の長手方向の両端部は容器31の容器壁に接続せず、壁33と容器壁との間は開にされる。壁33の一方の開口及び他方の開口をそれぞれ介して現像剤は容器31内で循環する。2つのオーガ36、37により現像剤は撹拌され、搬送され、マグネットローラ32へと送られる。
【0040】
マグネットローラ32は、円柱状のマグネット38と、円筒状の現像スリーブ39とを有する。マグネット38は、それぞれ軸方向に延びる5個の片が組み合わせられて成る。現像スリーブ39は、内周面がマグネット38の周面を覆う。
【0041】
現像スリーブ39にはアルミニウムの管が用いられる。管の外周表面には微小凹部(micro-recesses)が多数形成される。
【0042】
マグネット38は容器31に対して固定される。現像スリーブ39は、現像スリーブ39の軸方向の端部に設けられた図示しないモータによって矢印v方向に回転駆動される。回転により感光体ドラム10の感光体に現像剤が搬送される。
【0043】
現像スリーブ39と感光体ドラム10とはそれぞれ異なる周速で回転する。感光体ドラム10の周速は、150mm/sから340mm/sの範囲内である。感光体ドラム10の周速に対するマグネットローラ32の周速は1.7倍から2.0倍である。マグネットローラ32は感光体ドラム10に対してWith方向に回転する。
【0044】
マグネットローラ32は5極の磁力を発生させる。現像極N1は感光体に現像剤像を形成するための極である。搬送極S1は現像に使用した現像剤を容器31内に搬送するための極である。剥離極N2は使用した現像剤をマグネットローラ32から剥離するための極である。
【0045】
つかみ極N3は新たな現像剤をつかむための極である。ブレード規制極S2は、マグネットローラ32外周面上の現像剤の層の厚さを規制するドクターブレード40(規制部材)と対向する極である。以上の5極からマグネットローラ32周りの磁界が構成されている。
【0046】
ドクターブレード40は板金41と、磁性のブレード本体42とからなる。板金41は現像スリーブ39とほぼ同じ長さを有する。ブレード本体42は、板金41のマグネットローラ32側の一側部に取り付けられ板金41の長さとほぼ同じ長さを有する。
【0047】
板金41の両端部は容器31の容器壁に図示しないネジにより固定される。ブレード本体42と現像スリーブ39との間のギャップが現像スリーブ39の軸方向に一定となるようにブレード本体42は板金41に固定される。
【0048】
現像装置30において、現像剤は、撹絆された時の摩擦によって生じる静電気によりトナーとキャリアとが静電結合する。互いに静電結合したトナーとキャリアとは、つかみ極N3とキャリアとの間に働く磁力によってつかみ極N3近傍の現像スリーブ39に付着する。
【0049】
付着した現像剤は、現像スリーブ39の回転により、つかみ極N3に隣接するブレード規制極S2の位置に搬送される。ブレード規制極S2に対向してドクターブレード40が位置する。
【0050】
現像剤がドクターブレード40の角部と現像スリーブ39との間隙を搬送された後、ドクターブレード40を通りすぎた現像スリーブ39の外周面には均一な厚さを有する現像剤の層が形成される。
【0051】
現像剤の層において、複数個のキャリアが1本の磁力線に沿って連なることにより1本のチェーンが形成される。複数本のチェーンの各キャリアにトナーが付着することにより磁気ブラシが形成される。
【0052】
現像スリーブ39の回転が進むと、層状に形成された現像剤は、ブレード規制極S2の位置から現像極N1の位置まで搬送され、現像領域に達する。現像領域とは現像スリーブと感光体ドラムとの間の領域を指す。
【0053】
現像スリーブ39には、電源によって所定値の電位を与えられる。現像領域では、現像スリーブ39の電位と感光体ドラム10の静電潜像上の電位との差によって電界が発生する。
【0054】
トナーは帯電しているため、トナーには電界による電気力が働く。電気力によってトナーは感光体ドラム10の静電潜像上に引付けられ、静電潜像を現像する。
【0055】
現像スリーブ39に残ったトナーとキャリアとは、現像スリーブ39の回転により、現像極N1の位置から搬送極S1の位置へ搬送され、剥離極N2の位置まで搬送される。剥離極N2とつかみ極N3とはともにN極である。
【0056】
剥離極N2及びつかみ極N3により、キャリアに対して現像スリーブ39の外周面から剥離させる力が働く。この力によって、キャリアと、キャリアに静電結合した状態のトナーとは現像スリーブ39の外周面から剥離されて第1の室34に戻る。
【0057】
現像スリーブ39の外周面上に形成されたパターンについて述べる。
【0058】
現像スリーブ39の外周面には摩擦抵抗を生じさせるための表面処理が施されている。現像剤がスリーブ外周面から離れないようにするため、及び安定した量の現像剤を現像位置まで搬送するため、表面処理は行われる。
【0059】
図4(A)はマグネットローラ32の正面図である。同図に示す符号で上述した符号と同じ符号を有する要素はそれらと同じである。図4(B)は現像スリーブ39の外周面上のパターンの一部分の拡大図である。
【0060】
現像スリーブの外周面上には、多数の微小凹部43が加工形成されている。各微小凹部43のサイズは0.20mm×0.21mmである。各微小凹部43は、現像スリーブ39の軸方向及び周方向の双方に対して分散して配置される。
【0061】
微小凹部43は、エッチング処理によって形成される。アルミニウムの管に対して、インクジェット装置がマスキング用のインクを印刷し、インクを固化させる。その後、アルミニウム管はエッチング溶液に浸される。或いは、アルミニウム管にエッチング溶液が塗られる。
【0062】
エッチングによってマスキングされない領域のアルミニウムが溶けることにより、微小凹部43が形成される。
【0063】
その後、管上のインクを除去する処理が行われて、図4(A)、図4(B)に示されるパターンを有する現像スリーブ39が生成される。
【0064】
図5は現像スリーブ39の外周面側の展開図である。同図の横方向は現像スリーブ39の長手方向を表す。縦方向は現像スリーブ39の外周円の周方向を表す。周方向の円周長が、角度0°から360°までの角度に対応して等しく分割される。
【0065】
図5に示されるように、各微小凹部43は、仮想的な複数のマス目(cell)の位置に形成される。各マス目は互いに離れる。現像スリーブ39の外周面の全域を、軸方向約0.20mm、周方向約0.21mmの四角形で分割することにより各マス目は得られる。これらのマス目はいずれも方形の分割領域である。
【0066】
1つのマス目の縦方向の長さは、周方向の角度1°(約0.21mm)に相当する。
【0067】
1つの微小凹部43とスリーブ長手方向に隣接する1つの微小凹部43との間には、1つ又は1つよりも多いマス目に相当する平坦領域が設けられる。
【0068】
1つの微小凹部43と周方向に隣接する1つの微小凹部43との間には、1つ又は1つよりも多いマス目に相当する平坦領域が設けられる。軸方向及び周方向それぞれ5つのマス目に相当する平坦領域が設けられる。
【0069】
具体的には、36個のマス目(軸方向6個、周方向6個)により1つの基本領域が構成される。1つの基本領域の内部には6個の微小凹部43が配置される。
【0070】
図6は図4(A)のWW線に沿う現像スリーブ39の断面図である。これらの図に含まれる符号のうち、上述した符号と同じ符号を有する要素はそれらと同じ要素を表す。
【0071】
微小凹部43の深さは、現像剤の搬送能力の観点と微小凹部43の加工の容易性の観点とから決められる。深さの値は50μm〜100μmの範囲であることが好ましい。
【0072】
一般に、プリントアウトされた紙を人間が見る場合、人間の目は、紙の上の離散した点よりも、連続的な直線をより容易に識別する。紙の上の直線の濃度が非常に薄い場合であっても、その直線が連続している場合、直線の存在を人間の目は識別する。
【0073】
複数本の直線が等間隔に周期的に配列されている場合、人間の目は一層容易に直線の存在を識別する。
【0074】
図5では、現像スリーブ39の外周面全域において、連続性及び周期性は、長手方向及び周方向のいずれについても識別されない。微小凹部43がスリーブ外周面の全域に亘って分散されているという印象を人の目は受ける。
【0075】
現像スリーブ39の外周面には、現像剤の搬送能力を維持しつつ、連続性及び周期性がないパターンが形成される。
【0076】
微小凹部43の開口部は、1つのマス目が有する方形の形状とほぼ同じ形状を有する。開口部は、マス目の大きさとほぼ同じ大きさを有する。微小凹部43の形状及びサイズは、必ずしもマス目の形状及びサイズと同じであることに限定されない。
【0077】
微小凹部43の開口形状は例えば円形にされてもよい。
【0078】
以上説明した図4−図6の例は、マグネットローラ32に用いられるスリーブ外周面上に形成されるパターンの第1の例である。
【0079】
スリーブには別のパターンが用いられてもよい。以下、スリーブ外周面上に形成されるパターンの第2の例を説明する。第1のパターンと第2のパターンとを比較して説明する。
【0080】
図5では、微小凹部43の間は連続していない。ドットのパターンのように各微小凹部43はスリーブ外周面上に分散している。微小凹部43はエッチング処理により得られる。
【0081】
スリーブ外周面では、表面形状が時間により変わらないので、ライフでのマグネットローラ32上における現像剤の量は変化しない。搬送量が変化しない。搬送量とは、ドクターブレード40を通過した後のマグネットローラ32上の単位面積当たりの現像剤の量を指す。
【0082】
初期からライフまでの間、安定して感光体ドラム10ヘトナーが供給される。微小凹部43が連続して配置されていないので、プリントアウトされた紙には、ハーフトーンなどの画像上にマス目形状が出現せず、高画質の画像が得られる。
【0083】
しかし、ドクターブレード40には現像剤から圧力が加わり、ドクターブレード40は変形する。ドクターブレード40の両端部は容器31にねじ止めされている。
【0084】
このため、搬送量が少ない場合でも、ドクターブレード40の長手方向の中央部は圧力により変形する。搬送量が増加した場合、ドクターブレード40の両端部での各搬送量と中央部での搬送量との間に差ができる。
【0085】
マグネットローラ32上の現像剤の層の厚さに長手方向の位置に応じて差が生じる。このため、感光体ドラム10へのトナーの供給量に差が生じる。差は長手方向の位置に応じて生じる。
【0086】
第1のパターンが形成された現像スリーブ39が用いられる場合、1枚の紙の全領域のうち、用紙搬送方向に対する紙の両縁部と紙の中央部との間で濃度差が生じる。
【0087】
そこで、本発明者は、第2のパターンが形成されたスリーブを提案する。第2のパターンは、マグネットローラ外周面上において、スリーブの両端部とスリーブの中央部との間で均一な搬送量が得られるようにしたパターンである。
【0088】
図7は第2のパターンのスリーブ形状を有するマグネットローラの正面図である。図7に示すマグネットローラ44(現像ローラ)は、円柱状の図示しないマグネットと、円筒状の現像スリーブ45(スリーブ)とを有する。
【0089】
マグネットは、それぞれ容器31に対して固定され5個の片が組み合わせられて成る。現像スリーブ45はこのマグネットを覆う。
【0090】
現像スリーブ45の外周面に現像剤が担持される。マグネットローラ44のシャフト46は現像装置30の容器31の容器壁に回転可能に設けられる。シャフト46は図示しないモータによって回転駆動される。現像スリーブ45のWW線に沿う断面の形状も図6の例と同じである。
【0091】
図8は現像スリーブ45の外周面側の展開図である。横方向は現像スリーブ45の長手方向を表す。縦方向は現像スリーブ45の側面部の外周円の周方向を表す。縦方向及び横方向には仮想的な複数のマス目が示されている。
【0092】
黒色の四角形は既に説明した微小凹部43である。マグネットローラ44では、現像スリーブ45のスリーブ外周面上にハッチ付きで表示された微小凹部50が形成されている。
【0093】
各マス目のサイズが0.2mm×0.2mmである6×6=36個のマス目からなる1つの基本領域の中に微小凹部43、50がランダムに配置される。36個のマス目はいずれも方形の分割領域である。配置された凹部が並べられることにより凹部のパターンが形成される。
【0094】
各凹部の深さは、50μmから120μmである。現像スリーブ45は、表面がエッチング処理により加工される。
【0095】
図8の左側は現像スリーブ45の一端部である。右側は現像スリーブ45の一端部と中央部との間の部位を表す。それぞれが長手方向1.2mmの幅を有する基本領域(36個のマス目)の群47、48、49が周方向に形成されている。
【0096】
基本領域の群47に属する全ての基本領域には、微小凹部50が1つずつ追加的に形成される。基本領域の群47では、36個のマス目で囲まれる1つの基本領域の中に、微小凹部43,50が7個形成される。
【0097】
基本領域の群48に属する全ての基本領域にも、微小凹部50が形成される。基本領域の群49も同様である。
【0098】
また、基本領域(36個のマス目)の群51、52、53が周方向に形成されている。基本領域の群51に属する周方向最初の基本領域には、微小凹部50を含む7個の微小凹部43、50が形成される。
【0099】
周方向2番目の基本領域には、追加的な微小凹部は形成されておらず、微小凹部43の個数は6である。周方向3番目の基本領域には、微小凹部50が形成されており、微小凹部43、50の個数は7である。
【0100】
すなわち、基本領域の群51では、微小凹部50が基本領域1つおきに追加される。基本領域の群52でも、微小凹部50が基本領域1つおきに追加される。同様に、基本領域の群53では微小凹部50が基本領域1つおきに追加される。
【0101】
また、基本領域(36個のマス目)の群54、55、56が周方向に形成されている。基本領域の群54に属する周方向最初の基本領域には、追加的な微小凹部50を含む7個の微小凹部43,50が形成される。
【0102】
周方向2番目の基本領域の微小凹部43の個数は6である。周方向3番目の基本領域の微小凹部43の個数は6である。周方向4番目の基本領域の微小凹部43、50の個数は7である。
【0103】
このパターンが周方向に沿って繰り返される。すなわち、基本領域の群54では、微小凹部50が基本領域2つおきに追加される。
【0104】
基本領域の群55に属する周方向最初の基本領域の微小凹部43の個数は6である。周方向2番目の基本領域の微小凹部43、50の個数は7である。周方向3番目の基本領域の微小凹部43の個数は6である。周方向4番目の基本領域の微小凹部43の個数は6である。周方向5番目の基本領域の微小凹部43、50の個数は7である。
【0105】
このパターンが周方向に沿って繰り返される。基本領域の群55でも、微小凹部50が基本領域2つおきに追加される。同様に、基本領域の群56では、微小凹部50が基本領域2つおきに追加される。
【0106】
また、基本領域(36個のマス目)の群57、58、59が周方向に形成されている。基本領域の群57に属する周方向最初の基本領域の微小凹部43,50の個数は7である。
【0107】
周方向2番目の基本領域と、周方向3番目の基本領域と、周方向4番目の基本領域とはいずれも6個の微小凹部43を有する。周方向5番目の基本領域の微小凹部43、50の個数は7である。
【0108】
このパターンが周方向に沿って繰り返される。すなわち、基本領域の群57では、微小凹部50が基本領域3つおきに追加される。
【0109】
基本領域の群58に属する周方向最初の基本領域の微小凹部43の個数は6である。周方向2番目の基本領域の微小凹部43、50の個数は7である。
【0110】
周方向3番目の基本領域と、周方向4番目の基本領域と、周方向5番目の基本領域とはいずれも6個の微小凹部43を有する。周方向6番目の基本領域の微小凹部43、50の個数は7である。
【0111】
このパターンが周方向に沿って繰り返される。基本領域の群58でも、微小凹部50が基本領域3つおきに追加される。同様に、基本領域の群59では、微小凹部50が基本領域3つおきに追加される。
【0112】
このように、端部から3列内にある基本領域の群47、48、49では、全ての基本領域の微小凹部の個数は7である。次の3列にある基本領域の群51、52、53では、微小凹部の個数が7である基本領域が周方向で1つおきに配置される。
【0113】
次の3列に相当する基本領域の群54、55、56では、微小凹部の個数が7である基本領域が周方向で2つおきに配置される。
【0114】
次の3列に相当する基本領域の群57、58、59では、微小凹部の個数が7である基本領域が周方向で3つおきに配置される。
【0115】
従って、現像スリーブ45は、スリーブ長手方向の位置に応じて、周方向の微小凹部の密度が異なる。現像スリーブ45の一端部から中央部側へ寄るにつれて、密度が小さくされるようスリーブ外周面上にはパターンが形成される。
【0116】
また、現像スリーブ45の図示されない中央部から他の一端部側までのパターンも、図8の例と対称的に形成される。
【0117】
このようにして、現像スリーブ45の各端部と中央部とで凹部の密度が変わる。図9に、現像スリーブの長手方向の位置と、位置における密度との関係を示す。
【0118】
また、基本領域の群54内の微小凹部50と、基本領域の群55内の微小凹部50と、基本領域の群56内の微小凹部50とは長手方向に互いにずらされる。
【0119】
7個の微小凹部43、50を持つ基本領域が長手方向に連続して並ばないように微小凹部50を追加される基本領域は選ばれる。7個の微小凹部43、50を有する基本領域が同じ値の周方向線上に配置されないように基本領域が選ばれる。
【0120】
基本領域の群57内の微小凹部50と、基本領域の群58内の微小凹部50と、基本領域の群59内の微小凹部50とも長手方向に互いにずらされる。
【0121】
このような構成の現像装置30を有する複写機1が画像形成処理を行うと、現像装置30のドクターブレード40が変形する。ドクターブレード40とマグネットローラ44とのギャップが両端部で狭くなり、センターで広くなる。
【0122】
センターでの微小凹部の密度が、両端部での微小凹部の密度よりも低いので搬送力が落ちる。長手方向の各位置では、ギャップによる現像剤の量と、追加された微小凹部50による現像剤の量とが相殺される。
【0123】
両端部とセンターとで現像剤の均一な搬送量が得られるので、1枚の紙の領域の中で濃度差がなくなる。
【0124】
マグネットローラ44のマス目のうち、穴が開いているパターンの数は、両端部で多く、センターで少ない。凹凸により現像剤が搬送されるので、マグネットローラ44の両端部では、マグネットローラ44による現像剤の搬送力が大きくなる。
【0125】
ドクターブレード40が中央部でたわんで中央部での現像剤の搬送量が多くなったとしても、両端部での現像剤の搬送量がマグネットローラ44のパターンにより大きくされている。中央部と両端部とで同じ程度の搬送量が得られる。これにより均一な画像を得ることができる。
【0126】
第2のパターンのマグネットローラ44のエッチングパターンは、中央部にて窪みが形成されている面積よりも、両端部にて窪みが形成されている面積が多い。マグネットローラ44としては、両端部でのスリーブ外周面がマグネットローラ44上の現像剤の搬送力があり、搬送量が多くなる。
【0127】
つまり、両端部での搬送量が多いことと、ドクターブレード40のたわみにより中央部の搬送量が多くなることとが相殺される。長手方向に均一な搬送量になり、長手方向で均一な画像が得られる。
【0128】
換言すれば、第2のパターンでは、スリーブ外周面に複数のマス目が作成され、各マス目にそれぞれ微小な凹部を形成した点で第1のパターンと共通する。第2のパターンは、以下の(1)〜(4)で第1のパターンと異なる。
【0129】
(1)スリーブ両端部における凹部の密度と、スリーブ中央部における凹部の密度とが変えられる。両端部における密度が高く、中央部における密度は低いようにしてスリーブ外周面に凹部が形成される。
【0130】
(2)スリーブ両端部における凹部の数が、スリーブ中央部における凹部の数よりも20%程度多くなるようにしてスリーブ外周面に凹部が形成される。
【0131】
第1のパターンを形成された現像スリーブ39を用いて発明者が実験を行ったところ、スリーブ中央部における搬送量は50mg/cm、スリーブ両端部における各搬送量は40mg/cmであった。
【0132】
第2のパターンを形成された現像スリーブでは、スリーブ両端部における凹部の数を、スリーブ中央部における凹部の数に比べて20%程度多くする。
【0133】
(3)周知の誤差拡散法などを用いることにより得られた基準閾値配列を配列パターンとして用いて凹部を配置したときも、一端部から中央部に向かう凹部の密度が、リニアに変化するようにする。
【0134】
(4)6個のマス目と6個のマス目とからなる1つの基本領域に含まれる凹部の数は6個である。この基本領域に含まれる凹部の数が増やされる場合、同じ軸方向に配置するのではなく、軸方向へ段差をつけて密度の値を分散させる。
【0135】
このように、現像スリーブ39の長手方向の両端部における微小凹部43,50の数が密であるため、左右各端部でのトナーの搬送力が上がる。
【0136】
中央部での搬送力が両端部での搬送力よりも小さくされることにより、搬送力とドクターブレード40の反りとの関係で丁度バランスがとれる。
【0137】
また、図8においては、微小凹部50が形成される密度の変化の割合は、基本領域の群の数が3列毎であった。この密度の変化の割合は、基本領域の群の数が4列毎でもよい。あるいは、この割合は5列ずつでもよい。
【0138】
また、上記実施形態では、基本領域内のマス目の数は6×6であった。マス目の数は12×12や18×18でもよい。
【0139】
6×6のサイズの場合、1つの基本領域に追加する微小凹部50の数は2又は2よりも大きくすることができる。この場合、各微小凹部43,50が互いに連続しないように配置する。
【0140】
12×12や18×18のサイズの場合でも、1つの基本領域に追加する微小凹部50の数は2又は2よりも大きくすることができる。この場合、各微小凹部43,50が互いに連続しないように配置する。
【0141】
6×6等のサイズ、1つの基本領域に追加する微小凹部50の数、各マス目の周方向及び長手方向のサイズは、現像剤の搬送量が所定値の範囲内に収まるように決められる。搬送量の値に応じて微小凹部43,50のパターンは種々変更される。
【0142】
また、6×6、12×12又は18×18のサイズの決め方は、スリーブ外周面上に所望の大きさのエリアを設定し、エリアでの目標とする面積率が得られるようにして決められる。面積率とはエリア全体面積に対する微小凹部の占める割合である。
【0143】
面積率とは、一定エリア内で穴がある部分の総面積と、穴でないところの総面積との割合である。面積率を変えるために、6×6や12×12が選択される。面積率に応じて搬送量が変わるということが用いられる。
【0144】
例えば中央部の面積率が20〜30%であるに対して、両端部の面積率が30〜35、40%になるように、マス目のサイズが選択される。現像スリーブ39では、面積率が両端部と中央部とで異なる。図9の縦軸の密度の値は面積率に相当する。
【0145】
尚、本発明は上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。
【0146】
また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合わせにより、種々の発明を形成できる。例えば、実施形態に示される全構成要素から幾つかの構成要素を削除してもよい。
【図面の簡単な説明】
【0147】
【図1】本発明の実施の形態に係る画像形成装置の斜視図である。
【図2】画像形成部の構成図である。
【図3】本発明の実施の形態に係る現像装置の縦断面図である。
【図4】(A)はマグネットローラの正面図であり、(B)は現像スリーブの外周面上のパターンの一部分の拡大図である。
【図5】第1の現像スリーブの外周面側の展開図である。
【図6】図4(A)のWW線に沿う現像スリーブの断面図である。
【図7】本発明の実施の形態に係る現像ローラの正面図である。
【図8】本発明の実施の形態に係る現像ローラの現像スリーブの外周面側の展開図である。
【図9】現像スリーブの長手方向の位置と、その位置における面積率との関係を示す図である。
【符号の説明】
【0148】
1…複写機(画像形成装置)、2…読取部、3…筐体、4…画像形成部、5…給紙部、6…コントロールパネル、7…表示パネル、10…感光体ドラム(感光体)、11…帯電装置(帯電器)、20…露光装置(露光器)、30…現像装置、31…容器、32,44…マグネットローラ(現像ローラ)、33…壁、34…第1の室、35…第2の室、36…第1のオーガ、37…第2のオーガ、38…マグネット、39,45…現像スリーブ(スリーブ)、40…ドクターブレード(規制部材)、41…板金、42…ブレード本体、43,50…微小凹部(凹部)、46…シャフト、47〜49,51〜59…群、60…クリーナ、70…定着装置、80…排紙装置、400…転写装置(転写部)、500…除電装置。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外周面上に現像剤を保持する円筒状のスリーブと、
前記スリーブ内に設けられ、複数の磁極を有するマグネットローラと、を備え、
前記スリーブの前記外周面に複数の凹部が形成され、前記複数の凹部は前記スリーブの軸方向及び周方向に分散して配置され、前記スリーブの両端部における前記凹部の密度はそれぞれ、前記スリーブの中央部における前記凹部の密度よりも大きいことを特徴とする現像ローラ。
【請求項2】
前記スリーブの前記外周面は、それぞれ前記外周面上で前記軸方向に平行な複数本の軸方向線と、それぞれ前記外周面上で前記周方向に平行な複数本の周方向線とが交差することにより区分され、それぞれが所定の面積を有する方形の複数の基本領域を有し、
前記複数の基本領域はそれぞれ更に、それぞれ前記軸方向に平行な複数本の他の軸方向線と、それぞれ前記周方向に平行な複数本の他の周方向線とが交差することにより区分され、それぞれが前記所定の面積を分割された値の面積を有する方形の複数の分割領域を有し、
前記複数の基本領域内の1つ以上の前記分割領域の位置にそれぞれ前記凹部が形成され、前記凹部の密度は、1つの前記基本領域内の前記凹部の数であることを特徴とする請求項1記載の現像ローラ。
【請求項3】
現像剤を収容する容器と、
前記容器に設けられ、外周面上に前記現像剤を保持する円筒状のスリーブと、
前記スリーブ内に設けられ、複数の磁極を有するマグネットローラと、
前記スリーブに対向して配置され、前記外周面上の前記現像剤の層の厚さを規制する規制部材とを備え、
前記スリーブの前記外周面に複数の凹部が形成され、前記複数の凹部は前記スリーブの軸方向及び周方向に分散して配置され、前記スリーブの前記両端部における前記凹部の密度はそれぞれ、前記スリーブの前記中央部における前記凹部の密度よりも大きいことを特徴とする現像装置。
【請求項4】
前記スリーブの前記外周面は、それぞれ前記外周面上で前記軸方向に平行な複数本の軸方向線と、それぞれ前記外周面上で前記周方向に平行な複数本の周方向線とが交差することにより区分され、それぞれが所定の面積を有する方形の複数の基本領域を有し、
前記複数の基本領域はそれぞれ更に、それぞれ前記軸方向に平行な複数本の他の軸方向線と、それぞれ前記周方向に平行な複数本の他の周方向線とが交差することにより区分され、それぞれが前記所定の面積を分割された値の面積を有する方形の複数の分割領域を有し、
前記複数の基本領域内の1つ以上の前記分割領域の位置にそれぞれ前記凹部が形成され、前記凹部の密度は、1つの前記基本領域内の前記凹部の数であることを特徴とする請求項3記載の現像装置。
【請求項5】
感光体と、
前記感光体の表面を帯電させる帯電器と、
前記感光体を露光して前記感光体上に潜像を形成する露光器と、
前記感光体に面する開口を有し、現像剤を収容する容器と、
前記容器に前記感光体と対向して設けられ、外周面上に前記現像剤を保持する円筒状のスリーブと、
前記スリーブ内に設けられ、複数の磁極を有するマグネットローラと、
前記容器に前記スリーブに対向して配置され、前記外周面上の前記現像剤の層の厚さを規制する規制部材と、
前記スリーブにより前記現像剤が搬送されることにより、前記感光体上の前記潜像に付着したトナー像を紙に転写する転写部と、を備え、
前記スリーブの前記外周面に複数の凹部が形成され、前記複数の凹部は前記スリーブの軸方向及び周方向に分散して配置され、前記スリーブの前記両端部における前記凹部の密度はそれぞれ、前記スリーブの前記中央部における前記凹部の密度よりも大きいことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
前記スリーブの前記外周面は、それぞれ前記外周面上で前記軸方向に平行な複数本の軸方向線と、それぞれ前記外周面上で前記周方向に平行な複数本の周方向線とが交差することにより区分され、それぞれが所定の面積を有する方形の複数の基本領域を有し、
前記複数の基本領域はそれぞれ更に、それぞれ前記軸方向に平行な複数本の他の軸方向線と、それぞれ前記周方向に平行な複数本の他の周方向線とが交差することにより区分され、それぞれが前記所定の面積を分割された値の面積を有する方形の複数の分割領域を有し、
前記複数の基本領域内の1つ以上の前記分割領域の位置にそれぞれ前記凹部が形成され、前記凹部の密度は、1つの前記基本領域内の前記凹部の数であることを特徴とする請求項5記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2009−139953(P2009−139953A)
【公開日】平成21年6月25日(2009.6.25)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−309876(P2008−309876)
【出願日】平成20年12月4日(2008.12.4)
【出願人】(000003078)株式会社東芝 (54,554)
【出願人】(000003562)東芝テック株式会社 (5,631)
【Fターム(参考)】