説明

現像剤カートリッジ

【課題】簡易な構成で、シャッタ部材を円滑に移動させることができ、開口を安定して開閉することができる現像剤カートリッジを提供すること。
【解決手段】
トナーを収容し、トナーの通過を許容する収容部開口89を有するトナーカートリッジ16において、収容部開口89を被覆してトナーの通過を規制する閉位置と、収容部開口89を開放してトナーの通過を許容する開位置とに、左右方向に沿ってスライド可能なシャッタ部材82に、シャッタ部材82とともにスライドされるカートリッジオーガ83を左右方向に沿って設ける。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、レーザプリンタなどの画像形成装置に装着される現像剤カートリッジに関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式のプリンタとして、トナー像を担持する感光体と、トナーを収容するトナーカートリッジとを備えるレーザプリンタが知られている。
【0003】
例えば、感光ドラムを備えるプロセスフレームと、プロセスフレームに着脱可能に装着されるトナーカートリッジとを備えるプロセスカートリッジを、着脱可能に備えるレーザプリンタが知られている(たとえば、下記特許文献1参照。)。
【0004】
このレーザプリンタに備えられるプロセスカートリッジでは、プロセスフレームは、感光ドラムにトナーを供給する現像部と、現像部に隣接配置され、トナーカートリッジを着脱可能に収容するカートリッジ収容部とを備えている。
【0005】
現像部とカートリッジ収容部とを仕切る仕切壁には、トナーの通過を許容するフレーム通過口が形成されており、カートリッジ収容部内には、フレーム通過口を開閉するシャッタが、仕切壁に対して対向配置されている。シャッタは、幅方向に延びる略矩形板状をなし、仕切壁に対応する湾曲形状に形成されている。
【0006】
そして、フレーム通過口を開閉するときには、シャッタが上下方向(幅方向と直交する方向)にスライドされる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】特開2009−271099号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0008】
しかるに、本体ケーシング内の他の部材との兼ね合いから、シャッタを幅方向に移動させることが要求される場合がある。
【0009】
この場合には、幅方向に長尺なシャッタを、幅方向に移動させるため、例えば、幅方向一方からシャッタを押圧したときに、シャッタの幅方向他端部が撓むなどして、シャッタを円滑に移動させることが困難となる場合がある。
【0010】
そこで、本発明の目的は、簡易な構成で、シャッタ部材を円滑に移動させることができ、開口を安定して開閉することができる現像剤カートリッジを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0011】
上記した目的を達成するため、本発明は、現像剤カートリッジであって、外部への現像剤の通過を許容する開口が形成され、現像剤を収容するケーシングと、前記開口を被覆して現像剤の通過を規制する閉位置と、前記閉位置に対して前記ケーシングの長手方向一方に変位し、前記開口を開放して現像剤の通過を許容する開位置とに直線移動可能なシャッタ部材と、前記長手方向に沿って設けられ、前記開口へ向かって現像剤を搬送するスクリュー部材とを備え、前記スクリュー部材は、前記シャッタ部材とともに直線移動されることを特徴としている。
【発明の効果】
【0012】
本発明によれば、シャッタ部材は、開口を被覆して現像剤の通過を規制する閉位置と、開口を開放して現像剤の通過を許容する開位置とに、長手方向に沿って直線移動可能である。また、シャッタ部材には、シャッタ部材とともに直線移動されるスクリュー部材が、長手方向に沿って設けられている。
【0013】
そのため、シャッタ部材は、長手方向に沿って設けられるスクリュー部材に補強されながら、スクリュー部材とともに、長手方向に沿って直線移動される。
【0014】
その結果、簡易な構成で、シャッタ部材を円滑に移動させることができ、開口を安定して開閉することができる。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の現像剤カートリッジの一例としてのトナーカートリッジが装着されるカラーレーザプリンタを示す側断面図である。
【図2】図1に示すドロワユニットの平面図である。
【図3】図2に示す操作部を説明するための説明図であって、(a)は、操作部材の正面図であり、(b)は、支持筒の斜視図であり、(c)は、支持筒の右側面図である。
【図4】図3に示す操作部の操作を説明するための説明図であって、操作部材が第2位置に配置されている状態を示し、(a)は、操作部の右側面図であり、(b)は、操作部のA−A断面図であり、(c)は、操作部材と支持筒との係合を説明する説明図である。
【図5】図3に示す操作部の操作を説明するための説明図であって、操作部材が第2位置から第1位置へ移動された状態を示し、(a)は、操作部の右側面図であり、(b)は、操作部のB−B断面図であり、(c)は、操作部材と支持筒との係合を説明する説明図である。
【図6】図3に示す操作部の操作を説明するための説明図であって、第1操作部材と第2操作部材とが噛合された状態を示し、(a)は、操作部の右側面図であり、(b)は、操作部のC−C断面図であり、(c)は、操作部材と支持筒との係合を説明する説明図である。
【図7】図3に示す操作部の操作を説明するための説明図であって、第1位置に保持された状態を示し、(a)は、操作部の右側面図であり、(b)は、操作部のD−D断面図であり、(c)は、操作部材と支持筒との係合を説明する説明図である。
【図8】図1に示すトナーカートリッジの後側から見た断面図である。
【図9】トナーカートリッジの開閉を説明するための説明図であって、シャッタ部材が閉位置に配置されている状態を示す。
【図10】トナーカートリッジの開閉を説明するための説明図であって、シャッタ部材が開位置に配置されている状態を示す。
【発明を実施するための形態】
【0016】
1.カラーレーザプリンタの全体構成
図1に示すように、カラーレーザプリンタ1は、横置きタイプのダイレクトタンデム型カラーレーザプリンタである。カラーレーザプリンタ1は、本体ケーシング2内に、用紙Pを給紙するための給紙部3と、給紙された用紙Pに画像を形成するための画像形成部4とを備えている。
(1)本体ケーシング
本体ケーシング2は、給紙部3および画像形成部4を収容する側面視略矩形状のボックス状に形成されており、その一方側壁には、後述するプロセスユニット12を着脱させるためのフロントカバー5が形成されている。フロントカバー5は、本体ケーシング2に対して下端部を支点として揺動自在に設けられている。
【0017】
なお、以下の説明において、フロントカバー5が設けられる側(図1における紙面左側)を前側とし、その反対側(図1における紙面右側)を後側とする。また、カラーレーザプリンタ1を前側から見たときを左右の基準とする。すなわち、図1の紙面手前側が右側であり、紙面奥側が左側である。
(2)給紙部
給紙部3は、用紙Pを収容する給紙トレイ6を備えている。給紙トレイ6は、本体ケーシング2内の底部に着脱自在に装着されている。給紙トレイ6の前端部上側には、ピックアップローラ7と、1対の給紙ローラ8とが設けられている。また、両給紙ローラ8の上側には、1対の搬送ローラ9と、1対のレジストローラ10とが設けられている。
【0018】
給紙トレイ6に収容されている用紙Pは、ピックアップローラ7によって1枚ずつ捌かれ、両給紙ローラ8および両搬送ローラ9の回転により、両レジストローラ10間に向けて1枚ずつ給紙され、所定のタイミングで、画像形成部4(感光ドラム17(後述)と搬送ベルト25(後述)との間)に向けて搬送される。
(3)画像形成部
画像形成部4は、スキャナユニット11、プロセスユニット12、転写ユニット13、および定着ユニット14を備えている。
(3−1)スキャナユニット
スキャナユニット11は、本体ケーシング2の上部に配置されている。スキャナユニット11は、実線で示すように、4つの感光ドラム17(後述)に向けて、画像データに基づいて、レーザービームをそれぞれ出射し、感光ドラム17(後述)を露光する。
(3−2)プロセスユニット
(3−2−1)プロセスユニットの構成
プロセスユニット12は、スキャナユニット11の下側であって、転写ユニット13の上側に配置されており、1つのドロワユニット15と、各色に対応する4つの現像剤カートリッジの一例としてのトナーカートリッジ16とを備えている。
【0019】
ドロワユニット15は、前後方向に沿って、本体ケーシング2に収容される収容位置と、本体ケーシング2から引き出される引出位置とにスライド可能に設けられ、感光ドラム17、スコロトロン型帯電器18および現像器19を備えている。
【0020】
感光ドラム17は、左右方向に長手の円筒形状に形成されており、左右に沿って設けられ、前後方向に互いに間隔を隔てて、4つ並列配置されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラック感光ドラム17K、イエロー感光ドラム17Y、マゼンタ感光ドラム17Mおよびシアン感光ドラム17Cが、順次配置されている。
【0021】
スコロトロン型帯電器18は、感光ドラム17の斜め後側上側に、感光ドラム17と間隔を隔てて対向配置されている。
【0022】
各現像器19は、各感光ドラム17に対応するように、感光ドラム17の上側において、ドロワユニット15に支持されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラック現像器19K、イエロー現像器19Y、マゼンタ現像器19Mおよびシアン現像器19Cが、順次配置されている。また、各現像器19は、それぞれ、現像ローラ20を備えている。
【0023】
現像ローラ20は、後述するが、現像器19の下端において、後側から露出されるように回転可能に支持されており、感光ドラム17に対して前上側から対向し、接触されている。
【0024】
なお、現像器19は、現像ローラ20にトナーを供給する供給ローラ21、現像ローラ20に供給されたトナーの厚みを規制する層厚規制ブレード22を備えている。
【0025】
トナーカートリッジ16は、各現像器19に対応するように、現像器19の上側においてドロワユニット15に着脱可能に支持されている。具体的には、前側から後側に向かって、ブラックトナーカートリッジ16K、イエロートナーカートリッジ16Y、マゼンタトナーカートリッジ16Mおよびシアントナーカートリッジ16Cが、順次配置されている。トナーカートリッジ16には、各色に対応する現像剤の一例としてのトナーが収容されている。
(3−2−2)プロセスユニットでの現像動作
トナーカートリッジ16内のトナーは、現像器19の供給ローラ21に供給され、さらに、現像ローラ20に供給され、供給ローラ21と現像ローラ20との間で正極性に摩擦帯電される。
【0026】
現像ローラ20に供給されたトナーは、現像ローラ20の回転に伴って、層厚規制ブレード22によって厚さが規制され、一定厚さの薄層として現像ローラ20の表面に担持される。
【0027】
一方、感光ドラム17の表面は、感光ドラム17の回転に伴って、スコロトロン型帯電器18により一様に正帯電された後、スキャナユニット11からのレーザービーム(図1破線参照。)の高速走査により露光される。これにより、用紙Pに形成すべき画像に対応した静電潜像が感光ドラム17の表面に形成される。
【0028】
感光ドラム17がさらに回転すると、現像ローラ20の表面に担持され、かつ、正帯電されているトナーが、感光ドラム17の表面に形成されている静電潜像に供給される。これにより、感光ドラム17の静電潜像は可視像化され、感光ドラム17の表面には、反転現像によるトナー像が担持される。
(3−3)転写ユニット
転写ユニット13は、本体ケーシング2内において、給紙部3の上側であって、プロセスユニット12の下側において、前後方向に沿って配置されている。この転写ユニット13は、駆動ローラ23、従動ローラ24、搬送ベルト25、および4つの転写ローラ26を備えている。
【0029】
駆動ローラ23および従動ローラ24は、前後方向に間隔を隔てて対向配置されている。
【0030】
搬送ベルト25は、各感光ドラム17に対して上下方向に対向し、その上側部分が各感光ドラム17と接触するように、駆動ローラ23および従動ローラ24の周りに巻回されている。また、搬送ベルト25は、駆動ローラ23の駆動により、各感光ドラム17と接触する搬送ベルト25の上側部分が前側から後側に向かって移動するように、周回移動されている。
【0031】
各転写ローラ26は、各感光ドラム17と、それぞれ搬送ベルト25の上側部分を挟んで対向するように、設けられている。
【0032】
そして、給紙部3から給紙された用紙Pは、搬送ベルト25によって、前側から後側に向かって、各感光ドラム17と各転写ローラ26とが対向する転写位置を順次通過するように搬送される。その搬送中に、各感光ドラム17に担持されている各色のトナー像が、用紙Pに順次転写され、カラー画像が形成される。
(3−4)定着ユニット
定着ユニット14は、転写ユニット13の後側に配置され、加熱ローラ27、および加熱ローラ27に対向する加圧ローラ28を備えている。転写ユニット13において、用紙Pに転写されたカラー画像は、用紙Pが加熱ローラ27と加圧ローラ28との間を通過する間に、加熱および加圧されることによって用紙Pに熱定着される。
(4)排紙
トナー像が定着した用紙Pは、各排紙ローラ29によって、図示しないUターンパスを通過するように搬送され、スキャナユニット11の上側に形成される排紙トレイ30上に排紙される。
2.プロセスユニットの詳細
(1)ドロワユニット
ドロワユニット15は、図2に示すように、平面視略矩形枠形状のドロワフレーム41と、ドロワフレーム41に支持される各現像器19とを備えている。
(1−1)ドロワフレーム
ドロワフレーム41は、左右1対の側板42、両側板42の前端部間に架設されるフロントビーム43、および、両側板42の後端部間に架設されるリヤビーム44を備えている。
【0033】
両側板42は、前後方向に延びる平板形状に形成され、左右において互いに間隔を隔てて対向配置されている。両側板42間には、各感光ドラム17、各スコロトロン型帯電器18および各現像器19が、左右両側から挟まれるように支持されている。
(1−1−1)操作部の構成
ドロワフレーム41の左側の側板42には、操作部45が設けられている。
【0034】
操作部45は、操作部材46と、操作部材46を支持する支持筒47とを備えている。
【0035】
操作部材46は、図3(a)に示すように、左右に延び、左側の第1操作部材48と、右側の第2操作部材49とを備えている。
【0036】
第1操作部材48は、左右に延びる略円柱形状に形成されている。また、第1操作部材48は、第1軸部57と、6つの第1係合突起51とを備えている。
【0037】
第1軸部57は、左右に延びる略円柱形状に形成されている。また、第1軸部57は、操作部材46が第1位置(後述、図7参照)に配置されているときに、右端部が、支持筒47の内側筒部56(後述)の右端部内に配置され、左端部が、支持筒47の挿通穴60から左側へ突出するような、左右方向長さに形成されている。また、第1軸部57は、右端部において、右側に向かって突出するギヤ歯50を備えている。
【0038】
ギヤ歯50は、右側へ向かう頂部を有する略三角形状に形成されており、左側へ向かうに従って右側面視時計回りに傾斜する第1ギヤ歯面65と、左側へ向かうに従って右側面視反時計回りに傾斜する第2ギヤ歯面67とを備えている。
【0039】
第1係合突起51は、第1軸部57の右端部において、外周面から径方向外側へ延びる略角柱形状に形成されており、第1軸部57の周方向に等間隔を隔てて、すなわち、周方向に60°の間隔を隔てて配置されている。
【0040】
第2操作部材49は、左右に延びる略円柱形状に形成され、第2軸部58と、左端部において、3つの第2係合突起53を備えている。
【0041】
第2軸部58は、第1軸部57よりも長尺な略円柱形状に形成されている。また、第2軸部58は、操作部材46が第2位置(後述、図4参照)に配置されているときに、左端部が、支持筒47の左端部内に配置され、右端部が、トナーカートリッジ16のシャッタ収容部85(後述)の左端部に対向されるような、左右方向長さに形成されている。また、第2軸部58は、左端部において、左側に向かって突出し、第1操作部材48のギヤ歯50に噛合可能なギヤ歯52を備えている。
【0042】
ギヤ歯52は、左側へ向かう頂部を有する略三角形状に形成されており、左側へ向かうに従って右側面視時計回りに傾斜する第1ギヤ歯面66と、左側へ向かうに従って右側面視反時計回りに傾斜する第2ギヤ歯面68とを備えている。
【0043】
各第2係合突起53は、第2軸部58の左端部において、外周面から径方向外側へ延びる略角柱形状に形成されており、周方向に等間隔を隔てて、すなわち、周方向に120°の間隔を隔てて配置されている。
【0044】
また、各第2係合突起53の配置は、各第2係合突起53が支持筒47の第2溝62(後述)に嵌合されているときに、第1操作部材48のギヤ歯50と、第2操作部材49のギヤ歯52とが、完全には噛み合わないように調整されている。詳しくは、各第2係合突起53の配置は、各第2係合突起53が支持筒47の第2溝62(後述)に嵌合されているときに、第1操作部材48のギヤ歯50と、第2操作部材49のギヤ歯52とが互いに頂部付近で当接され、かつ、第1操作部材48の第1ギヤ歯面65と、第2操作部材49の第1ギヤ歯面66とが当接されるように、調整されている。
【0045】
また、第2係合突起53は、第1係合突起51よりも長い径方向長さに形成されている。また、第2係合突起53の左端面には、左側へ向かうに従って右側面視時計回りに傾斜する当接面54が形成されている。
【0046】
支持筒47は、左右に延びる略円筒形状に形成されており、外側筒部55と内側筒部56とを一体的に備えている。
【0047】
外側筒部55は、左右に延びる略円筒形状に形成されている。外側筒部55は、左端部において、規制壁59を備えている。
【0048】
規制壁59は、外側筒部55の左端部を閉鎖するように径方向内側へ延びる略円板形状に形成されている。また、規制壁59には、外側筒部55と中心を共有する略円形状の挿通穴60が、第1操作部材48の軸部57を受け入れ可能、かつ、第1操作部材48の第1係合突起51を受け入れ不能に形成されている。
【0049】
内側筒部56は、外側筒部55の左側部分において、外側筒部55の内周面から径方向内側へ膨出するように、左右に延びる略円筒形状に形成されている。内側筒部56の内周面には、3つの第1溝61、および、3つの第2溝62が、左右に延びるように形成されている。また、内側筒部56は、6つの鋸歯を有する鋸形状に形成されており、各鋸歯に対応するように、周方向において、3つの第1傾斜部63、および、3つの第2傾斜部64を交互に備えている。
【0050】
各第1溝61は、内側筒部56の内周面から外側に向かって、内側筒部56の径方向途中まで切り欠かれ、第1操作部材48の第1係合突起51を受け入れ可能、かつ、第2操作部材49の第2係合突起53を受け入れ不能に形成されている。また、各第1溝61は、周方向に互いにほぼ等しい間隔を隔てて、すなわち、互いに略120°の間隔を隔てて、配置されている。
【0051】
各第2溝62は、内側筒部56の内周面から外側に向かって、内側筒部56の径方向すべてにわたって切り欠かれ、第1操作部材48の第1係合突起51、および、第2操作部材49の第2係合突起53を受け入れ可能に形成されている。また、各第2溝62は、各第1溝61の間に配置されるように、周方向に互いにほぼ等しい間隔を隔てて、すなわち、互いに略120°の間隔を隔てて、配置されている。
【0052】
各第1傾斜部63は、内側筒部56のうち、第2溝62の右側面視時計回り下流側端部から、第1溝61の右側面視時計回り下流側端部までにわたる部分であり、その右端面は、左側へ向かうに従って右側面視時計回りに傾斜するように形成されている。
【0053】
各第2傾斜部64は、内側筒部56のうち、第1傾斜部63の右側面視時計回り下流側端部から連続して、第2溝62の右側面視時計回り上流側端部までにわたる部分であり、その右端面は、左側へ向かうに従って右側面視時計回りに傾斜するように形成されている。また、第2傾斜部64の右側面視時計回り上流側端部は、第1傾斜部63の右側面視時計回り下流側端部よりも右側へ突出するように形成されている。
【0054】
そして、図4(a)および図4(b)に示すように、第1操作部材48は、第1軸部57が挿通穴60に右側から挿通されるとともに、各第1係合突起51が各第1溝61および各第2溝62に嵌合される(図4(c)参照)ように、支持筒47にスライド可能に挿通されている。
【0055】
また、第2操作部材49は、第1操作部材48の右側において、各第2係合突起53が各第2溝62に嵌合される(図4(c)参照)ように、支持筒47にスライド可能に挿通されている。
【0056】
このとき、第1操作部材48のギヤ歯50と、第2操作部材49のギヤ歯52とは、第1操作部材48の第1ギヤ歯面65と、第2操作部材49の第1ギヤ歯面66とが当接されるように、互いに頂部付近で当接されている。
【0057】
そして、第2操作部材49は、図示しない付勢部材により、常には、左側へ押圧されている。
【0058】
これにより、操作部材46は、常には、第1操作部材48の右端部が、支持筒47の左端部に配置され、第2操作部材49の左端部が、支持筒47の内側筒部56内に挿通される第2位置に配置されている。
【0059】
なお、このとき、各第1係合突起51が規制壁59に左側から当接されることにより、操作部材46が支持筒47から左側へ抜けることが規制されている。
【0060】
また、操作部材46は、付勢手段(図示せず)の付勢力に抗して、第2位置から右側へスライド(直線移動)されることにより、第1操作部材48の右端部が、支持筒47の内側筒部56の右端部に配置され、第2操作部材49の左端部が、支持筒47の内側筒部56よりも右側に配置される第1位置(図7参照)に配置される。
(1−1−2)操作部の操作
操作部材46を第2位置から第1位置へスライドさせるには、まず、第2位置において、第1操作部材48を右側へ押圧する。
【0061】
すると、第1操作部材48と第2操作部材49とが一体的に右側へスライドされる。
【0062】
そして、図5(b)に示すように、径方向に投影したときに第1操作部材48の右端部が内側筒部56の右端部と重なるまで、第1操作部材48が支持筒47内に押し込まれると、操作部材46が第1位置に配置され、第2操作部材49の第2係合突起53が内側筒部56の第2溝62から外れる。
【0063】
すると、付勢手段(図示せず)の付勢力により、第2操作部材49が左側へ押圧され、第1操作部材48の第1ギヤ歯面65に対して、第2操作部材49の第1ギヤ歯面66が摺動されるように、第2操作部材49が右側面視時計回りに回動され、図6(b)に示すように、第1操作部材48と第2操作部材49とが完全に噛合される。
【0064】
このとき、図6(a)および図6(c)に示すように、第2操作部材49の第2係合突起53は、内側筒部56の第1傾斜部63の右側に配置されている。
【0065】
次いで、第1操作部材48に対する押圧を解除すると、付勢手段(図示せず)の付勢力により、第2操作部材49が左側へ押圧され、第2操作部材49の第2係合突起53が、当接面54において、第1傾斜部63の右端面に当接される。
【0066】
その後、引き続き、付勢手段(図示せず)の付勢力により、第2操作部材49が左側へ押圧されると、図7(a)および図7(c)に示すように、第2係合突起53が、第1傾斜部63の右端面を右側面視時計回りに摺動されて、第2操作部材49が、右側面視時計回りに回動される。
【0067】
そして、第2係合突起53が、第1溝61の右側において、第2傾斜部64の右側面視時計回り上流側端部に当接されると、第2操作部材49のそれ以上の回動が規制される。
【0068】
このとき、第2係合突起53は、第1溝61に嵌合されずに、第1溝61の右端部に当接されている。これにより、第2操作部材49の第1位置から第2位置への移動が規制される。
【0069】
また、このとき、図7(b)に示すように、第1操作部材48のギヤ歯50と、第2操作部材49のギヤ歯52とは、完全には噛合されておらず、第1操作部材48の第1ギヤ歯面65と、第2操作部材49の第1ギヤ歯面66とが当接されるように、互いに頂部付近で当接されている。
【0070】
一方、操作部材46を第1位置から第2位置へ移動させるには、第1位置において、まず、第1操作部材48を右側へ押圧する。
【0071】
すると、第1操作部材48と第2操作部材49とが一体的に右側へスライドされ、径方向に投影したときに第1操作部材48の右端部が内側筒部56の右端部と重なるまで、第1操作部材48が支持筒47内に押し込まれたところで、第2操作部材49の第2係合突起53が、第2傾斜部64の右側面視時計回り上流側端部から外れ、第2操作部材49の右側面視時計回りの回動が許容される。
【0072】
そして、付勢手段(図示せず)の付勢力により、第2操作部材49が左側へ押圧されると、第1操作部材48の第1ギヤ歯面65に対して、第2操作部材49の第1ギヤ歯面66が摺動されるように、第2操作部材49が右側面視時計回りに回動され、第1操作部材48と第2操作部材49とが完全に噛合される。
【0073】
このとき、第2操作部材49の第2係合突起53は、内側筒部56の第2傾斜部64の右側に配置されている。
【0074】
次いで、第1操作部材48に対する押圧を解除すると、付勢手段(図示せず)の付勢力により、第2操作部材49が左側へ押圧され、第2操作部材49の第2係合突起53が、当接面54において、第2傾斜部64の右端面に当接される。
【0075】
その後、引き続き、付勢手段(図示せず)の付勢力により、第2操作部材49が左側へ押圧されると、第2操作部材49の第2係合突起53が、第2傾斜部64の右端面を右側面視時計回りに摺動される。
【0076】
すると、第2傾斜部64の右側面視時計回り下流側端部において、第2係合突起53が第2溝62に嵌合され、操作部材46の第1位置から第2位置への移動の規制が解除される。
【0077】
そして、図4(b)に示すように、付勢手段(図示せず)の付勢力により、操作部材46が、第1位置から第2位置へ移動され、第2位置に配置される。
(1−2)現像器
現像器19は、図1および図2に示すように、現像フレーム71を備えている。
【0078】
現像フレーム71は、左右に延び、後下側へ向かう頂角を有する側面視略二等辺三角形のボックス形状に形成されている。また、現像フレーム71の下端部は、後側へ向かって開放されている。現像フレーム71の下端部には、現像ローラ20が回転自在に支持されている。
【0079】
現像フレーム71の上壁は、対応するトナーカートリッジ16の外周面に沿うように、上方に向かって開放された側面視略円弧形状に形成されている。また、現像フレーム71の上端部には、2つの現像開口72が形成されている。
【0080】
各現像開口72は、現像フレーム71の上壁を上下方向に貫通するように、左右に延びる平面視略矩形状に形成されており、左右に互いに間隔を隔てて直列配置されている。各現像開口72は、トナーの通過を許容する。
【0081】
また、現像フレーム71内には、現像オーガ73が配置されている。
【0082】
現像オーガ73は、左右に延び、現像開口72の下方において回転自在に設けられている。現像オーガ73は、回転することにより、トナーカートリッジ16から現像フレーム71に供給されたトナーを左から右に搬送する。
【0083】
また、現像フレーム71内には、上記したように、現像オーガ73に対して上下方向にわずかな間隔を隔てて対向する供給ローラ21、供給ローラ21に対して後方斜め下方から接触される現像ローラ20、現像ローラ20に上方から接触される層厚規制ブレード22が設けられている。
(2)トナーカートリッジ
(2−1)トナーカートリッジの構成
トナーカートリッジ16は、図8に示すように、ケーシングの一例としてのカートリッジフレーム81と、シャッタ部材82と、スクリュー部材の一例としてのカートリッジオーガ83と、スクリュー駆動ギヤの一例としてのオーガ駆動ギヤ103とを備えている。
【0084】
カートリッジフレーム81は、左右方向に長手のボックス形状に形成され、トナーを収容するトナー収容部84と、シャッタ部材82を収容するシャッタ収容部85とを一体的に備えている。
【0085】
トナー収容部84は、左右方向に延びるボックス形状に形成され、攪拌部材の一例としてのアジテータ86を備えている。
【0086】
アジテータ86は、トナー収容部84内に左右に沿って設けられ、アジテータ軸87と羽根88とを備えている。
【0087】
アジテータ軸87は、左右に延び、左右両端において、カートリッジフレーム81の左右両側壁に、カートリッジフレーム81に対して相対回転可能に支持されている。また、アジテータ軸87の左右両端は、トナーカートリッジ16の左右両側壁を貫通し、トナーカートリッジ16の左右両側壁よりも外側に配置されている。
【0088】
羽根88は、アジテータ軸87からトナーカートリッジ16の内周面に向かって延びている。
【0089】
シャッタ収容部85は、トナー収容部84の下側後端部において、トナー収容部84に連通するように設けられ、側面視略円筒形状に形成されている(図1参照)。シャッタ収容部85には、開口の一例としての収容部開口89、操作部材挿通穴98およびオーガ駆動ギヤ支持穴99が形成されている。
【0090】
収容部開口89は、シャッタ収容部85の下端部において、現像開口72に対応するように、平面視略矩形状に形成され、左右に互いに間隔を隔てて配置され、現像器19へのトナーの通過を許可している。
【0091】
操作部材挿通穴98は、シャッタ収容部85の左端部において、第2操作部材49の右端部を受け入れ可能に形成されている。
【0092】
オーガ駆動ギヤ支持穴99は、シャッタ収容部85の右端部において、シャッタ収容部85と中心を共有し、オーガ駆動ギヤ103のオーガ支持部108(後述)を受け入れ可能な側面視略円形状に形成されている。
【0093】
シャッタ部材82は、略円筒形状に形成されており、シャッタ筒部90と、被当接部材91とを備えている。
【0094】
シャッタ筒部90は、被覆部92と、支持部材の一例としての軸受部93とを一体的に備えている。
【0095】
被覆部92は、左右に延び、カートリッジオーガ83の外周に沿う部分円筒形状に形成されており、シャッタ収容部85の下端部の内周面に対向されている。被覆部92には、シャッタ開口94が形成されている。
【0096】
シャッタ開口94は、収容部開口89に対応するように、平面視略矩形状に形成され、左右に互いに間隔を隔てて配置されている。
【0097】
また、被覆部92の外周面には、シャッタ開口94の周囲を取り囲むようにトナーシール95が貼付されている。トナーシール95は、シャッタ収容部85と被覆部92との間を、トナーが漏れないようにシールしている。
【0098】
軸受部93は、被覆部92の左端部に連続して左右に延び、被覆部92と中心軸線を共有し、左端部が閉鎖された略円筒形状に形成されている。軸受部93の左端部には、カートリッジオーガ83の左端部を受け入れ可能なオーガ支持穴96が、左右に貫通形成されている。
【0099】
カートリッジオーガ83は、左右に延び、シャッタ筒部90内に、左右に沿って設けられている。また、カートリッジオーガ83は、左端部において、軸受部93のオーガ支持穴96に回転可能に支持されている。カートリッジオーガ83は、回転することにより、トナー収容部84からシャッタ収容部85に供給されたトナーを、収容部開口89に向かって右から左に搬送する。
【0100】
被当接部材91は、シャッタ筒部90と中心を共有するように、シャッタ筒部90と同径の略円板形状に形成され、軸受部93の左側に設けられている。
【0101】
オーガ駆動ギヤ103は、左右に延びる略円筒形状に形成されており、ギヤ部107とオーガ支持部108とを一体的に備えている。
【0102】
ギヤ部107は、オーガ駆動ギヤ103の右端部に設けられている。
【0103】
オーガ支持部108は、ギヤ部107から左側へ延びる略円筒形状に形成されている。
【0104】
また、オーガ駆動ギヤ103には、オーガ支持穴104が形成されており、トナーシール105が設けられている。
【0105】
オーガ支持穴104は、オーガ駆動ギヤ103の径方向中央において、ギヤ部107およびオーガ支持部108にわたって左右に貫通形成されており、カートリッジオーガ83の右端部を、相対回転不能、かつ、左右にスライド可能に受け入れる。
【0106】
トナーシール105は、オーガ支持部108の左端部において、オーガ支持穴104の内周面に貼付され、オーガ支持部108とカートリッジオーガ83の右端部との間を、トナーが漏れないようにシールしている。
【0107】
そして、シャッタ部材82は、シャッタ収容部85内に左右にスライド自在に設けられている。
【0108】
また、オーガ駆動ギヤ103は、オーガ支持部108において、オーガ支持穴104にカートリッジオーガ83の右端部が挿通されるように、シャッタ収容部85のオーガ駆動ギヤ支持穴99に相対回転可能に挿通されている。
【0109】
つまり、カートリッジオーガ83は、その左端部が、シャッタ部材82の軸受部93に支持されるとともに、その右端部が、オーガ駆動ギヤ103のオーガ支持穴104に左右方向にスライド可能に支持されている。これにより、カートリッジオーガ83は、シャッタ部材82とともに左右方向にスライドされる。
【0110】
そして、シャッタ収容部85の左側内面と、シャッタ筒部90の右端部との間には、付勢部材の一例としての圧縮ばね97が介在されており、シャッタ部材82は、圧縮ばね97の付勢力により、常には、左側へ付勢されている。
【0111】
これにより、シャッタ部材82は、カートリッジオーガ83とともに、常には、シャッタ収容部85内において左側にスライドされており、シャッタ開口94は、収容部開口89に対して左側にずれて、シャッタ収容部85の内周面に対向されている。
【0112】
すなわち、シャッタ部材82は、収容部開口89を被覆して、トナーの通過を規制する閉位置に配置されている(図8参照)。
【0113】
また、シャッタ部材82が、圧縮ばね97の付勢力に抗して、カートリッジオーガ83とともに右側へスライド(直線移動)されると、シャッタ開口94は、収容部開口89と対向される。
【0114】
すなわち、シャッタ部材82は、閉位置に対して右側に変位し、収容部開口89を開放してトナーの通過を許容する開位置に配置される(図10参照)。
(2−2)トナーカートリッジの駆動伝達機構
アジテータ86は、攪拌部材駆動ギヤの一例としてのアジテータ駆動ギヤ101と中継ギヤ102とを備えている。
【0115】
アジテータ駆動ギヤ101は、アジテータ軸87の左端部において、アジテータ軸87に対して相対回転不能に設けられている。
【0116】
中継ギヤ102は、アジテータ軸87の右端部において、アジテータ軸87に対して相対回転不能に設けられ、オーガ駆動ギヤ103に噛合されている。
【0117】
第2操作部材49は、図9および図10に示すように、駆動入力ギヤ106を備えている。
【0118】
駆動入力ギヤ106は、第2操作部材49の左右略中央において、ドロワユニット15の左側の側板42の右側に、第2操作部材49に対して相対回転可能に設けられている。
【0119】
また、駆動入力ギヤ106は、操作部材46が第1位置に配置されたときに、アジテータ駆動ギヤ101に噛合される。
3.本体ケーシングに対するトナーカートリッジの着脱
(1)本体ケーシングに対するトナーカートリッジの着脱
本体ケーシング2にトナーカートリッジ16を装着するには、まず、ドロワユニット15にトナーカートリッジ16を装着する。
【0120】
ドロワユニット15にトナーカートリッジ16を装着するには、まず、操作部材46が第2位置に配置されている状態において、トナーカートリッジ16を、シャッタ収容部85を後側に向けて把持し、対応する現像器19の上において、シャッタ収容部85の左側に操作部材46が配置されるように位置決めする。
【0121】
次いで、トナーカートリッジ16を上側からドロワユニット15に挿入する。
【0122】
すると、現像器19の上にトナーカートリッジ16が配置され、図9に示すように、シャッタ収容部85の左側において、シャッタ部材82の被当接部材91と、第2操作部材49の右端部とが対向される。
【0123】
次いで、操作部材46の第1操作部材48を右側へ押圧する。
【0124】
すると、図10に示し、上記したように、操作部材46が第2位置から第1位置へ移動され、第1位置に保持される。これにより、シャッタ部材82は、操作部材46によって右側へ押圧され、圧縮ばね97の付勢力に抗して、閉位置から開位置へスライドされ、開位置に保持される。
【0125】
これにより、ドロワユニット15に対するトナーカートリッジ16の装着が完了される。
【0126】
次いで、本体ケーシング2にトナーカートリッジ16を装着するには、トナーカートリッジ16が装着されたドロワユニット15(プロセスユニット12)を本体ケーシング2内に押し込んで収容する。
【0127】
これにより、本体ケーシング2に対するトナーカートリッジ16の装着が完了される。
【0128】
なお、本体ケーシング2からトナーカートリッジ16を離脱させるには、プロセスユニット12を本体ケーシング2から引き出し、ドロワユニット15からトナーカートリッジ16を離脱させる。
【0129】
ドロワユニット15からトナーカートリッジ16を離脱させるには、まず、操作部材46の第1操作部材48を右側へ押圧する。
【0130】
すると、図9に示し、上記したように、操作部材46が第1位置から第2位置へ移動される。これにより、シャッタ部材82は、圧縮ばね97の付勢力により、開位置から閉位置へスライドされ、閉位置に配置される。
【0131】
その後、トナーカートリッジ16を、ドロワユニット15から上方へ引き抜き、ドロワユニット15から離脱させる。
(2)トナーカートリッジの駆動伝達
トナーカートリッジ16がドロワユニット15に装着されると、上記したように、操作部材46が第1位置に保持されて、駆動入力ギヤ106がアジテータ駆動ギヤ101に噛合される。
【0132】
そして、プロセスユニット12が本体ケーシング2内に収容されると、本体ケーシング2からの駆動力が駆動入力ギヤ106に入力される。
【0133】
すると、駆動入力ギヤ106に入力された駆動力は、アジテータ駆動ギヤ101に伝達され、これにより、アジテータ86が駆動される。
【0134】
そして、アジテータ86が駆動されると、中継ギヤ102を介してオーガ駆動ギヤ103に駆動力が伝達され、これにより、カートリッジオーガ83が駆動される。
4.作用効果
(1)このトナーカートリッジ16によれば、図9および図10に示すように、シャッタ部材82は、収容部開口89を被覆してトナーの通過を規制する閉位置と、収容部開口89を開放してトナーの通過を許容する開位置とに、左右方向に沿ってスライド可能である。また、シャッタ部材82には、シャッタ部材82とともにスライドされるカートリッジオーガ83が、左右方向に沿って設けられている。
【0135】
そのため、シャッタ部材82は、左右方向に沿って設けられるカートリッジオーガ83に補強されながら、カートリッジオーガ83とともに左右方向に沿ってスライドされる。
【0136】
その結果、簡易な構成で、シャッタ部材82を円滑にスライドさせることができ、収容部開口89を安定して開閉することができる。
(2)このトナーカートリッジ16によれば、図8に示すように、カートリッジオーガ83は、シャッタ部材82の内側に設けられている。
【0137】
そのため、カートリッジオーガ83によって、シャッタ部材82を確実に補強することができる。
(3)このトナーカートリッジ16によれば、図8に示すように、シャッタ部材82は、カートリッジオーガ83の左端部を支持する軸受部93を備えている。
【0138】
そのため、カートリッジオーガ83の左端部を支持する部材を別途設けることなく、シャッタ部材82を利用してカートリッジオーガ83の左端部を支持することができる。
【0139】
その結果、簡易な構成で、カートリッジオーガ83の左端部を支持することができ、しかも、シャッタ部材82とカートリッジオーガ83とを同時にスライドさせることができる。
(4)このトナーカートリッジ16によれば、図8に示すように、アジテータ86の右端部に設けられる中継ギヤ102と、カートリッジオーガ83の右端部を相対回転不能に支持するオーガ駆動ギヤ103とが噛合されている。
【0140】
そのため、カートリッジオーガ83を駆動させる部材を別途設けることなく、アジテータ86を駆動させる駆動力を利用して、カートリッジオーガ83を駆動させることができる。
【0141】
その結果、簡易な構成で、カートリッジオーガ83を駆動させることができる。
(5)このトナーカートリッジ16によれば、図8に示すように、シャッタ部材82を左側へ付勢する圧縮ばね97を備えている。
【0142】
そのため、常には、圧縮ばね97の付勢力により、シャッタ部材82を閉位置に配置させることができる。
【符号の説明】
【0143】
16 トナーカートリッジ
81 カートリッジフレーム
82 シャッタ部材
83 カートリッジオーガ
86 アジテータ
89 収容部開口
93 軸受部
97 圧縮ばね
101 アジテータ駆動ギヤ
102 中継ギヤ
103 オーガ駆動ギヤ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
外部への現像剤の通過を許容する開口が形成され、現像剤を収容するケーシングと、
前記開口を被覆して現像剤の通過を規制する閉位置と、前記閉位置に対して前記ケーシングの長手方向一方に変位し、前記開口を開放して現像剤の通過を許容する開位置とに直線移動可能なシャッタ部材と、
前記長手方向に沿って設けられ、前記開口へ向かって現像剤を搬送するスクリュー部材と
を備え、
前記スクリュー部材は、前記シャッタ部材とともに直線移動されることを特徴とする、現像剤カートリッジ。
【請求項2】
前記シャッタ部材は、前記スクリュー部材の外周に沿うように形成され、
前記スクリュー部材は、前記シャッタ部材の内側に設けられていることを特徴とする、請求項1に記載の現像剤カートリッジ。
【請求項3】
前記シャッタ部材は、前記スクリュー部材の前記長手方向端部を支持する支持部材を備えていることを特徴とする、請求項1または2に記載の現像剤カートリッジ。
【請求項4】
前記ケーシング内に前記長手方向に沿って設けられ、その前記長手方向両端部において、前記ケーシングの前記長手方向両端部に対して相対回転可能に支持される攪拌部材と、
前記スクリュー部材の前記長手方向一端部を相対回転不能に支持するとともに、前記ケーシングの前記長手方向一端部に対して相対回転可能に支持されるスクリュー駆動ギヤと
を備え、
前記攪拌部材は、
前記攪拌部材の前記長手方向他端部に、前記攪拌部材に対して相対回転不能に設けられ、外部から駆動力が入力される攪拌部材駆動ギヤと、
前記攪拌部材の前記長手方向一端部に、前記攪拌部材に対して相対回転不能に設けられ、前記スクリュー駆動ギヤに噛合される中継ギヤと
を備えることを特徴とする、請求項1ないし3のいずれか一項に記載の現像剤カートリッジ。
【請求項5】
前記シャッタ部材を前記長手方向他方へ付勢する付勢部材を備えていることを特徴とする、請求項1ないし4のいずれか一項に記載の現像剤カートリッジ。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2012−173533(P2012−173533A)
【公開日】平成24年9月10日(2012.9.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−35920(P2011−35920)
【出願日】平成23年2月22日(2011.2.22)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】