説明

現像剤回収装置および画像形成装置

【課題】交換頻度が少なく、設置スペースの小さい現像剤収容部を有する現像剤回収装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【解決手段】画像形成装置は、第1の廃トナー収容部(第1の現像剤収容部)77と、第1の廃トナー収容部77に現像剤を搬送するオーガ(現像剤搬送部材)107と、オーガ107による現像剤の搬送方向において、第1の廃トナー収容部77の下流側に配設された第2の廃トナー収容部(第2の現像剤収容部)90と、第1の廃トナー収容部77と第2の廃トナー収容部90とを連通するダクト部(連通部)105とを備えている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、例えば廃トナー等の現像剤を回収する現像剤回収装置および画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真法を用いた画像形成装置には、感光体から媒体にトナー像を直接転写する直接転写方式を用いたものと、感光体から中間転写体にトナー像を転写し、さらに中間転写体から媒体に転写する中間転写方式を用いたものがある。
【0003】
いずれの方式の画像形成装置においても、トナー像の転写後に、感光体や中間転写体の表面に転写残トナーが残る場合がある。そこで、感光体や中間転写体の表面に残ったトナーを回収し、交換可能なトナー回収容器に収容することが提案されている(例えば、特許文献1参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開2006−162941号公報(図1、図2)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、トナー回収容器に収容したトナーの量が規定量に達すると、トナー回収容器を交換する必要があるため、ユーザがトナー回収容器を交換するための負担が生じていた。
【0006】
本発明は、上記の課題に鑑みてなされたものであり、交換負担を軽減することができる現像剤回収装置および画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明に係る画像形成装置は、第1の現像剤収容部と、第1の現像剤収容部に現像剤を搬送する現像剤搬送部材と、現像剤搬送部材による現像剤の搬送方向において、第1の現像剤収容部の下流側に配設された第2の現像剤収容部と、第1の現像剤収容部と第2の現像剤収容部とを連通する連通部とを備えることを特徴とする。
【0008】
本発明に係る現像剤回収装置は、表面に現像剤像を担持する像担持体と、現像剤を収容する第1の現像剤収容部と、第1の現像剤収容部に現像剤を搬送する現像剤回収機構と、第1の現像剤収容部から現像剤を搬送する現像剤搬送機構と、現像剤搬送機構により搬送された現像剤を収容し、装置本体に対して取り外し可能な第2の現像剤収容部とを備え、第2の現像剤収容部は、像担持体の内側に配設されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、現像剤収容部(第1の現像剤収容部)の交換負担を少なくすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の基本構成を示す図である。
【図2】第1の実施の形態における画像形成装置の制御系を示すブロック図である。
【図3】第1の実施の形態における画像形成部、中間転写ベルトユニット、2次転写ローラユニットおよび第2の廃トナー収容部を示す側面図である。
【図4】第1の実施の形態における画像形成部、中間転写ベルトユニット、2次転写ローラユニットおよび第2の廃トナー収容部を、図3とは反対の側から見た側面図である。
【図5】第1の実施の形態における画像形成部、中間転写ベルトユニット、2次転写ローラユニットおよび第2の廃トナー収容部を、図3に示した矢印V方向から見た背面図である。
【図6】第1の実施の形態における画像形成部、中間転写ベルトユニット、2次転写ローラユニットおよび第2の廃トナー収容部を示す、図3における線分VI−VIにおける矢視方向の断面図である。
【図7】第1の実施の形態における画像形成部を装置本体から取り外す際のこれらの状態を示す断面図である。
【図8】第1の実施の形態における中間転写ベルトを装置本体から取り外す際のこれらの状態を示す背面図である。
【図9】第1の実施の形態における中間転写ベルトの装置本体から取り外す際のこれらの状態を示す断面図である。
【図10】第1の実施の形態における廃トナーの回収動作を示す図である。
【図11】第1の実施の形態におけるオーガの形状の変形例を説明するための図である。
【図12】第1の実施の形態におけるダクト部の形状の変形例を説明するための図である。
【図13】本発明の第2の実施の形態における画像形成部、中間転写ベルトユニット、2次転写ローラユニットおよび第2の廃トナー収容部を、図4と同じ側から見た側面図である。
【図14】図13における線分XIV−XIVにおける矢視方向の断面図(A)と、その一部を拡大して示す図(B)である。
【図15】第2の実施の形態における撹拌部材の動作を説明するための図である。
【発明を実施するための形態】
【0011】
第1の実施の形態.
<構成>
図1は、本発明の第1の実施の形態における画像形成装置の基本構成を示す図である。画像形成装置は、その本体1(以下、装置本体)の下部に、媒体としての用紙11を積載した用紙トレイ(媒体収容部)10を有している。用紙トレイ10は、装置本体1に対して着脱可能に装着されている。用紙トレイ10の内部には、水平な支持軸により回動可能に支持された用紙戴置板12が設けられており、用紙11は用紙戴置板12上に積載される。
【0012】
用紙トレイ10の繰り出し側には、揺動可能なリフトアップレバー13が配設されており、その揺動軸はモータ14に接離可能に連結されている。リフトアップレバー13とモータ14とは、用紙トレイ10が装置本体1に装着されることにより連結し、モータ14の回転によりリフトアップレバー13が揺動して用紙積載板12を持ち上げ、用紙11が上昇する。
【0013】
用紙積載板12が上昇したときに用紙11の上面に当接する位置に、ピックアップローラ22が設けられている。また、用紙11がピックアップローラ22に当接する高さまで上昇したことを検知するため、上昇検知部21が設けられている。上昇検知部21に隣接して、用紙トレイ10内の用紙11の残量を検知する残量センサ25が設けられている。
【0014】
ピックアップローラ22の図中右側に隣接して、フィードローラ23およびリタードローラ24が、互いに接触した状態で配置されている。ピックアップローラ22およびフィードローラ23は、給紙モータ214(図2)によって矢印方向(図中反時計回り)に回転し、用紙積載板12上に積載された用紙11を一枚ずつ図中右方向に繰り出す。また、ピックアップローラ22およびフィードローラ23は、ワンウェイクラッチ機構22a,23aを内蔵しており、給紙モータ214の回転が停止した状態でも、矢印方向に空転することができる。リタードローラ24は、トルク発生手段によって、矢印方向のトルクを発生している。
【0015】
すなわち、ピックアップローラ22は、用紙トレイ10から用紙11を繰り出す作用を有している。また、フィードローラ23およびリタードローラ24は、ピックアップローラ22によって複数枚の用紙11が同時に繰り出された場合であっても、用紙11を一枚ずつに分離して搬送路に繰り出す作用を有している。これらピックアップローラ22、フィードローラ23およびリタードローラ24は、媒体繰り出し部20を構成している。
【0016】
用紙11の繰り出し方向において、用紙繰り出し部20の下流側には、用紙11を搬送する搬送ローラ対32,34,35が、用紙11の搬送路に沿ってそれぞれ配置されている。搬送ローラ対32は、フィードローラ23およびリタードローラ24を通過した用紙11の斜行を規制して、さらに搬送する。搬送ローラ対34,35は、後述する2次転写ローラユニット80に向けて用紙11を搬送する。搬送ローラ対32,34,35は、上記の給紙モータ214からギヤ等を経由して動力が伝達され、回転する。
【0017】
搬送ローラ対32,34のそれぞれ上流側に隣接して、用紙11の通過を検知する用紙センサ31,33が配置されている。用紙センサ31,33の検知信号に基づいて、搬送ローラ32,34のそれぞれの回転のタイミングが決定される。また、搬送ローラ対35の下流側に隣接して、用紙11の通過を検知する書き込みセンサ36が配置されている。書き込みセンサ36の検知信号に基づいて、後述する画像形成部40での書き込み(印刷ヘッド43による露光)のタイミングが決定される。
【0018】
装置本体1の図中右側面には、マルチパーパストレイ(MPT)60が備えられている。MPT60は、用紙積載板61と、用紙積載板61上に積載された用紙66を繰り出すピックアップローラ62と、繰り出した用紙66を上記の搬送ローラ対34に向けて送り出す給紙ローラ63と、用紙66を1枚に分離するために給紙ローラ63に押し当てられるリタードローラ64とを備えている。
【0019】
画像形成部40は、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラックのトナー像(現像剤像)を形成する4つのプロセスユニット40Y,40M,40C,40Kを有している。これらプロセスユニット40Y,40M,40C,40Kは、装置本体1に着脱可能に装着され、図中左から右に一列に配列されている。
【0020】
プロセスユニット40Y,40M,40C,40Kは、使用するトナーを除いて共通の構成を有しているため、ここではブラックのプロセスユニット40Kの構成について説明する。
【0021】
プロセスユニット40Kは、矢印方向(図中反時計回り)に回転可能な静電潜像担持体としての感光体ドラム41を備えている。感光体ドラム41の周囲には、その回転方向に沿って、感光体ドラム41の表面を一様に帯電させる帯電部材としての帯電ローラ42と、一様に帯電した感光体ドラム41の表面に選択的に光を照射して静電潜像を形成する印刷ヘッド(露光装置)43と、感光体ドラム41の表面の静電潜像をトナー(現像剤)により現像してトナー像を形成する現像剤担持体としての現像ローラ44と、トナー像の転写後に感光体ドラム41上に残留した転写残トナーを除去するクリーニング部45とが配設されている。プロセスユニット40Kは、さらに、未使用トナーを収納して現像ローラ44に供給するトナー収納部46Kを備えている。
【0022】
各プロセスユニット40Y,40M,40C,40Kの感光体ドラム41および各ローラは、駆動源としてのモータ212Y,212M,212C,212Kからギヤ等を経由して動力が伝達されて回転する。
【0023】
画像形成部40の下側には、中間転写ベルトユニット70が配置されている。中間転写ベルトユニット70は、画像形成部40の各プロセスユニット40Y,40M,40C,40Kで形成されたトナー像を中間転写ベルト71に転写し、さらに用紙トレイ10またはMPT60(ここでは用紙トレイ10)から供給された用紙11にトナー像を転写するものである。この中間転写ベルトユニット70(交換可能ユニット)は、装置本体1に対して着脱可能に構成されている。
【0024】
中間転写ベルトユニット70は、中間転写体(像担持体)としての中間転写ベルト71と、この中間転写ベルト71を介してプロセスユニット40Y,40C,40M,40Kの各感光ドラム41に対向配置された転写ローラ(1次転写ローラ)75とを有している。転写ローラ75は、各感光ドラム41の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト71に1次転写するものであり、後述する1次転写電圧を印加されている。
【0025】
中間転写ベルト71は、無端状のベルトであり、ベルト駆動モータ213(図2)により駆動されるドライブローラ72と、2次転写バックアップローラ74と、中間転写ベルト71に張力を付加するテンショナローラ73とに張架されている。2次転写バックアップローラ74は、後述する2次転写ローラ81に対向配置され、中間転写ベルト70のトナー像を用紙11に転写するものである。これらドライブローラ72と、2次転写バックアップローラ74と、テンショナローラ73は、中間転写ベルトユニット70に具備されている。
【0026】
中間転写ベルトユニット70は、また、中間転写ベルト71の表面に残ったトナーを除去するベルトクリーニング部76と、中間転写ベルトユニット70に囲まれた内側の領域に設けられ、第1の現像剤収容部としての第1の廃トナー収容部77とを有している。
【0027】
中間転写ベルトユニット70の下側には、2次転写部としての2次転写ローラユニット80が配設されている。2字転写ローラユニット80は、上記の2次転写バックアップローラ74に対向配置された2次転写ローラ81と、2次転写ローラ81を2次転写バックアップローラ74に対して押圧付勢する付勢部材(例えばスプリング)86とを有している。2次転写ローラ81および2次転写バックアップローラ74は、用紙11の搬送方向において搬送ローラ対35の下流側に配置されており、搬送ローラ対35を通過した用紙11が2次転写ローラ81および2次転写バックアップローラ74とのニップ部に到達する。
【0028】
2次転写ローラユニット80は、また、2次転写ローラ81に当接して2次転写ローラ81に付着したトナーを吸着するクリーニング部材としてのクリーナシャフト82と、クリーナシャフト82に吸着されたトナーを除去する2次転写クリーニング部83とを備えている。
【0029】
用紙11の搬送方向において2次転写ローラユニット80の下流側(図中左側)には、定着部50が配置されている。定着部50は、ハロゲンランプ(熱源)53aを内蔵して表面に弾性体層を有するアッパローラ51と、ハロゲンランプ53bを内蔵して表面に弾性体層を有するロワローラ52とを有しており、2次転写ローラユニット80から送り出された用紙11上のトナー像に熱と圧力を印加してトナー像を融解し、用紙11に定着させる。
【0030】
用紙11の搬送方向において定着部50の下流側には、トナー像が定着した用紙11を排出するための排出ローラ対54a,54b,54c,54dと、排出された用紙11を積載するためのスタッカ部55が配設されている。排出ローラ対54a,54b,54c,54dは、搬送モータ215(図2)からギヤ等を経由して動力が伝達されて回転する。定着部50の下流側には用紙センサ56が配設されており、用紙センサ56の検知信号に基づいて排出ローラ対54a,54b,54c,54dの回転のタイミングが決定される。
【0031】
画像形成装置は、さらに、中間転写ベルトユニット70とは別体であって、装置本体1に対して着脱可能な、第2の現像剤収容部としての第2の廃トナー収容部90を備えている。第2の廃トナー収容部90には、現像剤量検出手段としての廃トナー量検出センサ218(図2)が設けられている。第2の廃トナー収容部90の内部に所定量の廃トナーが収容されると、廃トナー量検出センサ218がこれを検出し、後述する廃トナー検出制御部211(図2)に検出信号を送信する。廃トナー検出制御部211は、表示部219(図2)にアラームを表示させ、ユーザに、第2の廃トナー収容部90の交換を促す。
【0032】
図1において、鉛直方向をZ方向とし、上方を+Z方向、下方を−Z方向とする。Z方向に直交するXY面において、プロセスユニット40Y,40M,40C,40Kの配列方向をX方向とし、プロセスユニット40Y,40M,40C,40Kに沿って中間転写ベルト71が移動する方向を+X方向、反対方向を−X方向とする。各プロセスユニット40の感光体41の回転軸の方向(中間転写ベルト71の幅方向)をY方向とし、図1の紙面手前から奥に向かう方向を+Y方向、反対方向を−Y方向とする。
【0033】
図2は、第1の実施の形態における画像形成装置の制御系を示すブロック図である。画像形成装置の制御を司る画像形成制御部200は、マイクロプロセッサ、ROM、RAM、入出力ポート、タイマ等を備えて構成されており、パーソナルコンピュータ等のホスト装置220から印刷データと制御コマンドを受信して画像形成装置のシーケンス制御を行う。
【0034】
I/F制御部201は、ホスト装置220に画像形成装置の情報(プリンタ情報等)を送信すると共に、ホスト装置220から送信されたコマンドを解析し、また、ホスト装置220から送信されたデータを処理する。
【0035】
帯電電圧制御部202は、画像形成制御部200の指示により、プロセスユニット40Y,40M,40C,40Kの各感光ドラム41の表面をそれぞれ一様に帯電させるため、帯電ローラ42(42Y,42M,42C,42K)に電圧を印加する制御を行う。
【0036】
ヘッド制御部203は、画像形成制御部200の指示により、各感光ドラム41の表面を露光して静電潜像を形成するため、印刷データに従って印刷ヘッド43(43Y,43M,43C,43K)を駆動する制御を行う。
【0037】
現像電圧制御部204は、画像形成制御部200の指示により、各感光ドラム41の表面に形成された静電潜像を現像するため、現像ローラ44(44Y,44M,44C,44K)に電圧を印加する制御を行う。
【0038】
1次転写電圧制御部205は、画像形成制御部200の指示により、感光ドラム41の表面に形成されたトナー像を中間転写ベルト(像担持体)71に1次転写するため、転写ローラ75(75Y,75M,75C,75K)に1次転写電圧を印加する制御を行う。
【0039】
2次転写電圧制御部206は、画像形成制御部200の指示より、中間転写ベルト71に1次転写されたトナー像を用紙11(媒体)に2次転写するため、2次転写ローラ81に2次転写電圧を印加する制御を行う。
【0040】
画像形成駆動制御部207は、画像形成制御部200の指示により、感光ドラム41、帯電ローラ42および現像ローラ44を回転駆動するため、モータ212Y,212M,212C,212Kを駆動する制御を行う。
【0041】
ベルト駆動制御部208は、画像形成制御部200の指示により、ドライブローラ72を回転させて中間転写ベルト71を駆動するため、ベルト駆動モータ213を駆動する制御を行う。なお、ドライブローラ72の駆動に伴い、テンショナローラ73、2次転写バックアップローラ74および2次転写ローラ81も従動回転する。
【0042】
給紙搬送制御部209は、画像形成制御部200の指示により、用紙11を給紙・搬送するため、給紙モータ214、搬送モータ215およびモータ14を駆動する制御を行う。給紙モータ214は、ピックアップローラ22、フィードローラ23、搬送ローラ対32,34,35を回転駆動する。搬送モータ214は、排出ローラ対54a,54b,54c,54dを回転駆動する。モータ14(図1)は、用紙カセット10の用紙載置板12を上昇させるためのリフトアップレバー13を駆動する。
【0043】
定着制御部210は、定着部50(図1)の温度を検出するサーミスタ216から検出温度が入力され、定着部50の熱源であるハロゲンランプ53a,53bをオン・オフ制御する。定着制御部210は、また、画像形成制御部200の指示により、定着部50のアッパローラ51を回転させる定着モータ217を駆動する制御を行う。なお、アッパローラ51に当接するロワローラ52は、アッパローラ51に従動回転する。
【0044】
廃トナー量制御部211には、第2の廃トナー収容部90内の廃トナーの量を検出する廃トナー検出センサ218の信号が入力される。第2の廃トナー収容部90の内部に所定量の廃トナーが蓄積されたことが廃トナー検出センサ218により検出されると、廃トナー量制御部211は、表示部219にアラームを表示させ、ユーザに第2の廃トナー収容部90の交換を促す。
【0045】
図3は、第1の実施の形態における画像形成部40、中間転写ベルトユニット70、2次転写ローラユニット80および第2の廃トナー収容部90を示す側面図である。各画像形成部40(40Y,40M,40C,40K)のクリーニング部45は、感光ドラム41に付着したトナーを掻き落すドラムクリーニングブレード45bと、掻き落されたトナーを貯留するドラムクリーナフレーム45cと、ドラムクリーナフレーム45cに貯留された廃トナーを、感光体ドラム41の回転軸と平行な方向(具体的には、+Y方向)に搬送する第1の現像剤回収部材としてのオーガ45aとを備えている。
【0046】
中間転写ベルト71を張架するドライブローラ72、テンショナローラ73および2次転写バックアップローラ74は、中間転写ベルトユニット70のベルトフレーム78によって支持されている。ベルトフレーム78において、中間転写ベルト71の内側に囲まれた領域に、第1の現像剤収容部としての第1の廃トナー収容部77が形成されている。
【0047】
また、装置本体1には、中間転写ベルトユニット70の第1の廃トナー収容部77に+X方向に隣接するように、第2の現像剤収容部としての第2の廃トナー収容部90が配設されている。
【0048】
中間転写ベルトユニット70のベルトクリーニング部76は、中間転写ベルト71の表面に付着したトナーを掻き落すクリーニング部材としてのベルトクリーニングブレード76aと、中間転写ベルト71を挟んでベルトクリーニングブレード76aと対向するサポートシャフト76cと、ベルトクリーニングブレード76aにより掻き落された廃トナーを貯留するベルトクリーナフレーム76bと、ベルトクリーナフレーム76bに貯留された廃トナーを+Y方向に搬送する第2の現像剤回収部材としてのオーガ110とを備えている。
【0049】
2次転写ローラユニット80の2次転写クリーニング部83は、クリーナシャフト82に吸着された廃トナーを掻き落すクリーニング部材としての2次転写クリーニングブレート83bと、掻き落された廃トナーを貯留する2次転写クリーナフレーム83cと、2次転写クリーナフレーム83cに貯留された廃トナーを+Y方向に搬送する第3の現像剤回収部材としてのオーガ83aとを備える。
【0050】
図4は、第1の実施の形態における画像形成部40、中間転写ベルトユニット70、2次転写ローラユニット80および第2の廃トナー収容部90を、図3とは反対の側から見た側面図である。図4には、廃トナーの回収経路も示されている。図5は、画像形成部40、中間転写ベルトユニット70、2次転写ローラユニット80および第2の廃トナー収容部90を、図4に示した矢印V方向から見た背面図であり、一部を断面で示す。
【0051】
各プロセスユニット40Y,40M,40C,40Kのドラムクリーナフレーム45cには、それぞれ、下方に開口した開口部45eが形成されている。各プロセスユニット40Y,40M,40C,40Kの下側には、第2の現像剤搬送部としての廃トナー搬送ダクト91が配設されている。
【0052】
廃トナー搬送ダクト91は、各開口部45eにそれぞれ対向する開口部95Y,95M,95C,95Kを有してZ方向に延在する4つのダクト部(第1の連通部)94Y,94M,94C,94Kと、これらダクト部94Y,94M,94C,94Kに連通されてX方向に延在するダクト部(第2の連通部)93とを備えている。ダクト部93の内側には、第2の現像剤搬送部材としてのオーガ92が設けられており、ダクト部94Y,94M,94C,94Kから落下した廃トナーを−X方向に搬送する。また、ダクト部93の−X方向の端部(終端)に連通して、Z方向に延在するダクト部(第3の連通部)96が設けられている。ダクト部96は、下方に開口した開口部97を有している。
【0053】
中間転写ベルトユニット70のベルトフレーム78には、第1の現像剤搬送部としての廃トナー搬送ダクト100が装着されている。廃トナー搬送ダクト100は、ダクト96の開口部97と対向する開口部102を有するダクト部(第4の連通部)101と、このダクト部101と連通する第1の現像剤収容部としての第1の廃トナー収容部77とを有している。第1の廃トナー収容部77は、ここでは、プロセスユニット40Yからプロセスユニット40Cまで達する長さを有している。
【0054】
廃トナー搬送ダクト100は、さらに、第1の廃トナー収容部77の上部から−X方向に延在するダクト部(第5の連通部)104と、第1の廃トナー収容部77の上部から第2の廃トナー収容部90に向けて+X方向に延在する連通部(または第6の連通部)としてのダクト部105とを備えている。廃トナー搬送ダクト100は、また、ダクト部104から第1の廃トナー収容部77を経由してダクト部105に廃トナーを搬送する現像剤搬送部材(または第1の現像剤搬送部材)としてのオーガ107を備えている。
【0055】
ダクト部104の−X方向端部には、ダクト部108(第7の連通部)を介して、上記のベルトクリーナフレーム76b(図5参照)がY方向に連通している。このベルトクリーナフレーム76bの内部には、廃トナーを+Y方向に搬送する上記のオーガ110が備えられている。すなわち、オーガ110による廃トナーの搬送方向(+Y方向)の下流側の端部近傍で、ベルトクリーナフレーム76bとダクト部104とが連通している。ベルトクリーナフレーム76bの+Y方向端部(すなわちオーガ110の終端近傍)には、上方に開口する開口部76dが形成される。
【0056】
ダクト部105は、オーガ107によるトナー搬送方向(+X方向)において第1の廃トナー収容部77の下流側に連通して設けられている。オーガ107は、第1の廃トナー収容部77を貫通して、ダクト部105内にも延在している。これにより、廃トナー搬送ダクト100は、第1の現像剤収容部としての第1の廃トナー収容部77に廃トナーを搬送する。
【0057】
2次転写ローラクリーニング部83には、上記の2次転写クリーナフレーム83cと連通して上方に延在するダクト部(第8の連通部)83dと、ダクト83d内に設けられて廃トナーを上方に搬送するオーガ(第3の現像剤搬送部材)84とが備えられている。ダクト部83dは、オーガ84によって搬送した廃トナーをベルトクリーニング部76に搬送するため、開口部76dに対向する開口部83eを有している。これら2次転写クリーナフレーム83c、ダクト部83d、オーガ83aおよびオーガ84は、第3の現像剤搬送部としての廃トナー搬送ダクト85を構成している。
【0058】
図5に示すように、2次転写ローラクリーニング部83の開口部83eに対応する位置に、上記のベルトクリーナフレーム76bの開口部76dが形成されている。ベルトクリーナフレーム76b内に設けられたオーガ110は、符号111で示す位置、すなわちダクト104と接続される位置を基準として、廃トナーの搬送方向が逆になるように構成されている。これにより、オーガ110は、ベルトクリーニング部76および2次転写ローラクリーニング部83から回収されて搬送された廃トナーを、ダクト104に集めて搬送する。
【0059】
図4に示すように、第2の現像剤収容部としての第2の廃トナー収容部90は、オーガ107による廃トナーの搬送方向における第1の廃トナー収容部77の下流側に配設されている。第2の廃トナー収容部90は、廃トナーを収容する空間を内部に有する廃トナー回収フレーム90aを有している。この廃トナー回収フレーム90aには、ダクト部105の下方に開口する開口部106と対向する開口部90bが形成されている。
【0060】
図6は、図4に示した線分VI−VIにおける矢視方向の断面図である。廃トナー搬送ダクト91のダクト部94Yの上方に開口する開口部95Yは、ドラムクリーナフレーム45cの下方に開口する開口部45eに対向している。廃トナー搬送ダクト91のダクト部96の下方に開口する開口部97は、ベルトフレーム78に装着された廃トナー搬送ダクト100のダクト部101の上方に開口する開口部102に対向している。廃トナー搬送ダクト91は、上記の通り、装置本体1に取り付けられる。
【0061】
なお、図6から明らかなように、第1の廃トナー収容部77および第2の廃トナー収容部90は、Y方向寸法が中間転写ベルト71の幅よりも大きい。また、オーガ84,92,107およびダクト部83d,93,96,101,104,105は、中間転写ベルト71の+Y方向の外側に配置されている。これにより、例えば、中間転写ベルト71の内側に配設された第1の廃トナー収容部77から、中間転写ベルト71の外側に配設された第2の廃トナー収容部90に、ダクト部105を介して廃トナーを搬送することができる。
【0062】
図7は、画像形成部40を装置本体1から取り外す際のこれらの状態を示す図であり、図4に示した線分VI−VIにおける矢視方向の断面図に対応している。画像形成部40は、図示しない支持部材により、装置本体1に対してY方向に着脱可能に構成されている。画像形成部40を装置本体1から−Y方向に取り外すと、ドラムクリーナフレーム45cの開口部45eと、装置本体1に取り付けられた廃トナー搬送ダクト91の開口部95Y,95M,95C,95Kとの合わせ目で分割(離間)される。
【0063】
図8および図9は、中間転写ベルトユニット70を装置本体1から取り外す際のこれらの状態を示す図である。図8は、図4に示した矢印V方向から見た図に対応し、図9は、図4に示した線分VI−VIにおける矢視方向の断面図に対応する。中間転写ベルトユニット70は、図示しない支持部により、装置本体1に対してY方向に着脱可能に構成されている。
【0064】
図8に示すように、中間転写ベルトユニット70を装置本体1から−Y方向に取り外すと、ベルトクリーニング部76のベルトクリーナフレーム76bの開口部76dと、2次転写ローラクリーニング部83の2次転写クリーナフレーム83aの開口部83eとの合わせ目で分割されるようになっている。加えて、図9に示すように、廃トナー搬送ダクト100のダクト部101の開口部102と、廃トナー搬送ダクト91のダクト部96の開口部97との合わせ目で分割される。
【0065】
上記構成において、第1の廃トナー収容部77(第1の現像剤収容部)を含む中間転写ベルトユニット70(交換可能ユニット)と、装置本体1に配設された第2の廃トナー収容部90(第2の現像剤収容部)とにより、現像剤回収装置が構成されている。また、オーガ107とダクト部105とにより、第1の廃トナー収容部77から第2の廃トナー収容部90にトナーを搬送する現像剤搬送機構が構成されている。
【0066】
第1の廃トナー収容部77を含む廃トナー搬送ダクト100は、装置本体1よりも交換頻度の高い、すなわち交換周期の短い消耗品である中間転写ベルトユニット700に配設されている。また、第2の廃トナー収容部90は、中間転写ベルトユニット700よりも交換頻度の低い、すなわち交換周期の長い装置本体1(第2のユニット)に配設されている。また、廃トナー搬送ダクト91(第2の現像剤搬送部)および廃トナー搬送ダクト85(第3の現像剤搬送部)は、装置本体1側に配置されている。
【0067】
なお、上記のオーガ45a,84,92,107,110は、例えばらせん状のリブを有するスパイラル部材、またはコイルスプリングにより構成され、ドライブローラ72からギヤやねじり歯車等を介して動力伝達を受けて回転し、それぞれ所定の搬送方向に搬送力を発生する。
【0068】
<動作>
次に、本実施の形態における画像形成装置の基本動作を、図1および図2を参照して説明する。画像形成装置の画像形成制御部200(図2)は、ホスト装置220から印刷指示と印刷データを受信し、画像形成動作を開始する。まず、給紙搬送制御部209により給紙モータ214が駆動され、ピックアップローラ22が回転して用紙カセット10から用紙11を繰り出す。繰り出された用紙11は、フィードローラ23とリタードローラ24とにより一枚ずつ分離され、さらに搬送ローラ対32,34,35により搬送されて、2次転写ローラユニット80の2次転写ローラ81と2次転写バックアップローラ74とのニップ部に向かう。
【0069】
各プロセスユニット40Y,40M,40C,40Kでは、帯電電圧制御部202によって帯電電圧が印加された帯電ローラ42が、感光体ドラム41の表面を一様に帯電する。さらに、ヘッド制御部203により印刷ヘッド43が駆動され、画像情報に応じて感光体ドラム41の表面を露光し、静電潜像を形成する。現像ローラ44は、現像電圧制御部204によって現像電圧が印加され、感光体ドラム41の表面の静電潜像をトナーにより現像し、トナー像を形成する。
【0070】
中間転写ベルトユニット70の各転写ローラ75には、1次転写電圧制御部205によって1次転写電圧が印加され、各プロセスユニット40Y,40M,40C,40Kの感光体ドラム41の表面のトナー像が、中間転写ベルト71に転写される。また、2次転写ローラユニット80の2次転写ローラ81には、2次転写電圧制御部206によって2次転写電圧が印加され、2次転写ローラ81と2次転写バックアップローラ74とのニップを通過する用紙11に、中間転写ベルト71の表面のトナー像が転写される。
【0071】
2次転写ローラユニット80でトナー像が転写された用紙11は、定着部50に搬送される。定着部50では、用紙11上のトナー像に熱および圧力が加えられ、トナー像が用紙11に定着する。トナー像が定着した用紙11は、排出ローラ対54a,54b,54c,54dによりスタッカ部55に排出される。これにより、用紙11への画像形成が完了する。なお、MPT60の用紙66についても、ほぼ同様に画像形成が行われる。
【0072】
次に、本実施の形態における廃トナーの回収動作について説明する。図10は、本実施の形態における廃トナーの回収動作を示す図である。
【0073】
図10において、画像形成部40のプロセスユニット40Y,40M,40C,40Kで発生した廃トナーは、各ドラムクリーニング部45のオーガ45aによって+Y方向に搬送され、開口部45eから廃トナー搬送ダクト91の開口部95Y,95M,95C,95Kを通過してダクト部94Y,94M,94C,94K内を落下し、ダクト部93に到達する。ダクト部93に到達した廃トナーは、オーガ92によって−X方向(図中右方向)に搬送され、ダクト部93の終端からダクト部96内を落下して、廃トナー搬送ダクト100のダクト部101に到達する。
【0074】
一方、ベルトクリーニング部76で発生した廃トナーは、オーガ110によって+Y方向に搬送され、廃トナー搬送ダクト100のダクト部104に到達する。
【0075】
また、2次転写クリーニング部83で発生した廃トナーは、オーガ83aにより+Y方向に搬送された後、オーガ84により上方に搬送され、開口部83eからダクト部104に送られる。
【0076】
ダクト部104に送られた廃トナー(ベルトクリーニング部76と2次転写クリーニング部83で発生した廃トナー)は、オーガ107により+X方向に搬送され、ダクト部101から送り込まれた廃トナー(画像形成部40で発生した廃トナー)と共に、ベルトフレーム78内の第1の廃トナー収容部77に収容される。
【0077】
第1の廃トナー収容部77に収容された廃トナーは、まず、図10に符号aで示すように堆積する。廃トナーの堆積量が増加して、符号bで示すようにオーガ107の高さに達すると、廃トナーがオーガ107によって+X方向(ダクト部105側)に搬送され始める。廃トナーの堆積量がさらに増加すると、符号cで示すように、第1の廃トナー収容部77が廃トナーでほぼ充満した状態となるが、廃トナーはオーガ107によってダクト部105に搬送され、開口部106から第2の廃トナー収容部90に送られ、収容される。
【0078】
画像形成装置がさらに運転を続けると、廃トナーは第2の廃トナー収容部90に収容される。第2の廃トナー収容部90内の廃トナーの量が所定量に達すると、廃トナー量検出センサ218(図2)がこれを検出し、廃トナー検出制御部211が表示部219(図2)にアラームを表示させ、ユーザに、第2の廃トナー収容部90の交換を促す。
【0079】
中間転写ベルトユニット70の交換周期は、例えば中間転写ベルト71の耐久性等を考慮して予め定められている。そのため、中間転写ベルトユニット70は、第1の廃トナー収容部77内の廃トナーの堆積量とは無関係に交換される。ここでは、中間転写ベルトユニット70の交換時期に達するよりも前に、第1の廃トナー収容部77内の廃トナーが第2の廃トナー収容部90に搬送されるように、第1の廃トナー収容部77の容量を決定することが好ましい。このようにすれば、中間転写ベルトユニット70の交換時には、第1の廃トナー収容部77のトナー量が一杯になった状態で交換されることとなるため、第1の廃トナー収容部77の容量を必要最小限に抑え、占有スペースを小さくすることができる。
【0080】
すなわち、中間転写ベルトユニット70の交換周期をL1とし、画像形成装置の寿命L2における中間転写ベルトユニット70の平均交換回数をNとし、交換周期L1における実験的に求めた廃トナーの発生量の最大値をBMaxとすると、第1の廃トナー収容部77の収容量B1は、BMaxより小さい(B1<BMax)ことが好ましい。
【0081】
また、第1の廃トナー収容部77の収容量B1に対して、第2の廃トナー収容部90の収容量B2は、B2≧(BMax−B1)×Nであることが好ましい。このように設定すれば、画像形成装置の寿命L2に到達するまでの間、第2の廃トナー収容部90を交換せずに済むという利点がある。
【0082】
なお、第1の廃トナー収容部77に収容される廃トナーの所定量は、ダクト部105の高さ等により決定されるが、第1の廃トナー収容部77の容量(廃トナーの収容可能量)を100%としたとき、75%から100%の範囲内に設定されることが好ましい。この実施の形態では、100%としている。
【0083】
<効果>
以上説明したように、第1の実施の形態では、複数の廃トナー収容部77,90を設けると共に、そのうちの一つ(第1の廃トナー収容部77)を交換可能な中間転写ベルトユニット70の内部に配設し、第1の廃トナー収容部77に設けたオーガ107により第2の廃トナー収容部90に廃トナーを搬送して収容する。このように構成することにより、廃トナーの十分な収容量を確保することができると共に、廃トナー収容部を頻繁に交換するという負担を軽減することができる。
【0084】
また、消耗品としての中間転写ベルトユニット70に設けた第1の廃トナー収容部77に先に廃トナーを収容し、収容しきれない廃トナーを第2の廃トナー収容部90に収容するよう構成したので、第1の廃トナー収容部77が廃トナーでほぼ充満した後も、中間転写ベルトユニット70がまだ交換周期(寿命)に達していなければ、中間転写ベルトユニット70を交換せずに画像形成を続けることができる。加えて、第1の廃トナー収容部77内の廃トナーの量を検出する必要がない。
【0085】
また、上記のように構成されているため、第1の廃トナー収容部77と第2の廃トナー収容部90のそれぞれの容量に制限があっても、十分な量の廃トナーを収容することができる。加えて、中間ベルトユニット70の内部に第1の廃トナー収容部77が設けられているため、画像形成装置を小型化することができる。
【0086】
また、第1の廃トナー収容部77と第2の廃トナー収容部90とをそれぞれの上部(重力方向における上側部分)でダクト105により連通し、第1の廃トナー収容部77に廃トナーを搬送する廃トナー搬送ダクト100によって第2の廃トナー収容部90に廃トナーを搬送するよう構成したため、第1の廃トナー収容部77が廃トナーでほぼ充満した段階で、オーガ107により第2の廃トナー収容部90に廃トナーを搬送し、収容することができる。すなわち、第1/第2の廃トナー収容部77,90を切り替えるための特別な機構を設ける必要がない。
【0087】
また、第1の廃トナー収容部77を消耗品である中間転写ベルトユニット70に設けたため、中間転写ベルトユニット70が交換周期の到来により交換されれば、第1の廃トナー収容部77を交換する作業を別途行うことなく、第1の廃トナー収容部77がリフレッシュされ、改めて廃トナーを収容することが可能になる。この場合には、廃トナー収容部90の容量をいたずらに使ってしまうことはない。
【0088】
また、第2の廃トナー収容部90は、廃トナーの搬送方向における第1の廃トナー収容部77の下流側に、例えば箱状の容器として構成されていればよく、廃トナーを搬送するための特別な搬送機構を備える必要がない。そのため、第2の廃トナー収容部90の形状を、装置本体1内の実装スペースに合わせた形状にすることができ、装置本体1への実装も容易になる。
【0089】
なお、第1の実施の形態では、オーガ107が、ベルトクリーニング部76の廃トナーも搬送するように構成されているが、ベルトクリーニング部76の廃トナーを搬送する部分を別のオーガで構成してもよい。また、オーガ107が第1の廃トナー収容部77を貫通しない構成も可能である。
【0090】
また、第1の実施の形態では、廃トナーを確実に第2の廃トナー収容部90まで搬送するために、第1の廃トナー収容部77に廃トナーを搬送するオーガ107を、第2の廃トナー収容部90まで延在させたが、このような構成に限らず、第1の廃トナー収容部77から第2の廃トナー収容部90に廃トナーを搬送する構成であればよい。
【0091】
また、例えば、図11に示す変形例のように、単一のオーガ107の代わりに、2つ以上に分割されたオーガ117,118を用いてもよい。
【0092】
また、図12に示す変形例のように、ダクト105の下面119(案内面)を、第2の廃トナー収容部90に向けて傾斜させ、第1の廃トナー収容部77から溢れ出た廃トナーを傾斜面119で滑らせて第2の廃トナー収容部90に搬送しても良い。
【0093】
第2の実施の形態.
図13は、本発明の第2の実施の形態における画像形成部40、中間転写ベルトユニット70、2次転写ローラユニット80および第2の廃トナー収容部90を、図4と同じ側から見た図である。なお、第1の実施の形態で説明した構成要素と同一の構成要素には、同一の符号を付す。
【0094】
第2の実施の形態では、上述したオーガ107(図4)の代わりに、現像剤搬送部材としてのオーガ120を備えている。オーガ120は、長手方向の略中央部に偏心軸部121を有し、この偏心軸部121に撹拌部材125が取り付けられている。なお、偏心軸部121は、オーガ120の回転軸(回転中心)から所定量ずれた位置に形成された軸部である。
【0095】
撹拌部材125は、複数の孔126が形成された略板状の部材であり、その根元部分(軸部)122において、偏心軸部121に摺動可能に取り付けられている。この撹拌部材125は、第1の廃トナー収容部77に収容された廃トナーを攪拌する作用を有するものである。
【0096】
図14(A)は、図13における線分XIV−XIVにおける矢視方向の断面図である。図14(B)は、図14(A)の一部を拡大して示す図である。図14(B)に示すように、撹拌部材125の軸部122には孔部が形成されており、この孔部が、オーガ120の偏心軸部121の外周面に摺動可能に係合している。オーガ120の回転中心O1と、偏心軸部121の中心O2とは所定量ずれており、廃トナーを搬送するためにオーガ120が図中時計回りに回転すると、撹拌部材125が、図14(A)に示すように、先端を第1の廃トナー収容部77に底に接触させた状態でY方向に揺動する。
【0097】
<動作>
図15(A)〜(C)は、第2の実施の形態における第1の廃トナー収容部77の動作を示す図である。第1の廃トナー収容部77に収容された廃トナーは、図15(A)に示すように、ダクト部101の下方に位置する図中右側の領域から堆積を開始する。この状態で、オーガ120が時計回り(矢印方向)に回転すると、撹拌部材125が先端を第1の廃トナー収容部77に底に接触させた状態で矢印Bで示す方向(Y方向)に揺動し、これにより廃トナーは図中左方向に送り込まれる(図15(B))。
【0098】
オーガ120が回転を続けると、図15(C)に示すように、撹拌部材125の揺動により、廃トナーはさらに図中左方向に送り込まれる。このように、オーガ120が廃トナーを搬送するために回転を続けると、撹拌部材125が揺動を繰り返して廃トナーを図中左方向に送り込むことになり、第1の廃トナー収容部77に廃トナーを効率よく充填することができる。
【0099】
以上説明したように、本発明の第2の実施の形態によれば、第1の実施の形態の効果に加えて、撹拌部材125により廃トナーを廃トナー収容部77に充分に充填することができ、廃トナーの回収効率を向上することができる。
【0100】
なお、ここでは、板状の撹拌部材125を用いたが、このような構成に限定されるものではなく、オーガ120の回転によって廃トナーを送り込むことができる形状であればよい。また、ここでは、オーガ120の回転を利用して撹拌部材125を駆動したが、別の方法で撹拌部材125を駆動しても良い。
【0101】
上記の各実施の形態では、画像形成部40等で発生した廃トナーを回収するための構成について説明したが、本発明は、廃トナーに限らず、現像剤を回収するための構成に適用することができる。
【0102】
また、上記の各実施の形態では、第1の廃トナー収容部77(第1の現像剤収容部)を中間転写ベルトユニット70に配設したが、装置本体1に対して取り外し可能なユニットに配設されていればよい。
【0103】
また、上記の各実施の形態では、4つのプロセスユニットにより現像剤像を形成し、中間転写ベルトを介して媒体に転写する画像形成装置について説明したが、本発明は、このような画像形成装置に限らず、プロセスユニットから媒体に現像剤像を直接転写する直接転写方式の画像形成装置に適用してもよく、また、1つのプロセスユニットを用いる単色画像形成装置に適用してもよい。また、本発明は、プリンタのほか、複写機、自動原稿読み取り装置等にも適用することができる。
【符号の説明】
【0104】
1 装置本体、 10 用紙トレイ(媒体収容部)、 40 画像形成部、 40Y,40M,40C,40K プロセスユニット、 41 感光体ドラム(静電潜像担持体)、 42 帯電ローラ(帯電部材)、 43 印刷ヘッド(露光装置)、 44 現像ローラ(現像剤担持体)、 45 クリーニング部、 45a オーガ(第1の現像剤回収部材)、 50 定着部、 70 中間転写ベルトユニット(交換可能ユニット)、 71 中間転写ベルト(像担持体)、 75 転写ローラ(1次転写部)、 76 ベルトクリーニング部、 77 第1の廃トナー収容部(第1の現像剤収容部)、 78 ベルトフレーム、 80 2次転写ローラユニット(2次転写部)、 81 2次転写ローラ、 83 2次転写クリーニング部、 83a オーガ(第3の現像剤回収部材)、 83d ダクト部(第8の連通部)、 84 オーガ(第3の現像剤搬送部材)、 85 廃トナー搬送ダクト、 90 第2の廃トナー収容部(第2の現像剤収容部)、 91 廃トナー搬送ダクト(第2の現像剤搬送部)、 92 オーガ(第2の現像剤搬送部材)、 93 ダクト部(第2の連通部)、 94Y,94M,94C,94K ダクト部(第1の連通部)、 95Y,95M,95C,95K 開口部、 96 ダクト部(第3の連通部)、 97 開口部、 100 廃トナー搬送ダクト(第1の現像剤搬送部)、 101 ダクト部(第4の連通部)、 102 開口部、 104 ダクト部(第5の連通部)、 105 ダクト部(連通部、第6の連通部)、 106 開口部、 107 オーガ(第1の現像剤搬送部材)、 108 ダクト部(第7の連通部)、 110 オーガ(第2の現像剤回収部材)、 117,118 オーガ、 119 下面(案内面)、 120 オーガ(第1の現像剤搬送部材)、 121 偏心軸部、 125 撹拌部材。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
第1の現像剤収容部と、
前記第1の現像剤収容部に現像剤を搬送する現像剤搬送部材と、
前記現像剤搬送部材による現像剤の搬送方向において、前記第1の現像剤収容部の下流側に配設された第2の現像剤収容部と、
前記第1の現像剤収容部と前記第2の現像剤収容部とを連通する連通部と
を備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
前記第1の現像剤収容部に収容される現像剤の量が所定量に達したときに、前記現像剤搬送部材が、現像剤を前記第2の現像剤収容部に搬送することを特徴とする請求項1に記載の画像形成装置。
【請求項3】
前記現像剤搬送部材は、現像剤の搬送方向において前記第1の現像剤収容部よりも下流側に延在し、前記第2の現像剤収容部に現像剤を搬送することを特徴とする請求項1または2に記載の画像形成装置。
【請求項4】
前記現像剤搬送部材は、前記第1の現像剤収容部の重力方向における上部側に配設されていることを特徴とする請求項1から3までのいずれか1項記載の画像形成装置。
【請求項5】
前記第1の現像剤収容部の交換周期は、前記第2の現像剤収容部の交換周期よりも短いことを特徴とする請求項1から4までの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項6】
前記第1の現像剤収容部は、装置本体に対して着脱可能な交換可能ユニットに配設され、
前記第2の現像剤収容部は、装置本体に配設されていること
を特徴とする請求項1から5までの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項7】
前記連通部は、装置本体に配設されたダクト部であり、
前記ユニットを前記装置本体から取り外すと、前記ダクト部と、当該ダクト部に対向する前記第2の現像剤収容部の開口部とが離間することを特徴とする請求項6に記載の画像形成装置。
【請求項8】
前記連通部は、前記第2の現像剤収容部に向けて傾斜する案内面を有することを特徴とする請求項1から7までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項9】
前記第1の現像剤収容部の内部に、現像剤を撹拌する撹拌部材を有することを特徴とする請求項1から8までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項10】
前記撹拌部材は、前記現像剤搬送部材によって駆動されることを特徴とする請求項9に記載の画像形成装置。
【請求項11】
少なくとも一つの画像形成部と、当該少なくとも一つの画像形成部に接して移動する無端ベルトとをさらに備え、
前記第1の現像剤収容部は、前記ベルトに囲まれた領域に配設され、
前記第2の現像剤収容部は、前記ベルトの外側の領域に配設され、
前記連通部は、前記ベルトの幅方向外側を通って、前記第1の現像剤収容部と前記第2の現像剤収容部とを連通していること
を特徴とする請求項1から10までのいずれか1項に記載の画像形成装置。
【請求項12】
前記画像形成部から前記第1の現像剤収容部に現像剤を搬送する現像剤回収機構をさらに備えたことを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。
【請求項13】
複数の画像形成部が一方向に配列されており、
前記第1の現像剤収容部と前記第2の現像剤収容部とが、前記複数の画像形成部の配列方向に並んで配設されていることを特徴とする請求項1から10までの何れか1項に記載の画像形成装置。
【請求項14】
表面に現像剤像を担持する像担持体と、
現像剤を収容する第1の現像剤収容部と、
前記第1の現像剤収容部に現像剤を搬送する現像剤回収機構と、
前記第1の現像剤収容部から現像剤を搬送する現像剤搬送機構と、
前記現像剤搬送機構により搬送された現像剤を収容し、装置本体に対して取り外し可能な第2の現像剤収容部と
を備え、
前記第2の現像剤収容部は、前記像担持体の内側の領域に配設されていることを特徴とする現像剤回収装置。
【請求項15】
前記像担持体は、現像剤像を記録媒体に転写する中間転写ベルトであることを特徴とする請求項14に記載の現像剤回収装置。
【請求項16】
前記現像剤回収機構は、現像剤を担持して搬送するオーガと、前記オーガを囲むように設けられ、現像剤を案内するダクト部とを有することを特徴とする請求項14または15に記載の現像剤回収装置。
【請求項17】
前記現像剤搬送機構は、現像剤を担持して搬送するオーガと、前記オーガを囲むように設けられ、現像剤を案内するダクト部とを有することを特徴とする請求項14から16までのいずれか1項に記載の現像剤回収装置。
【請求項18】
前記現像剤搬送機構は、前記第1の現像剤収容部を貫通するように設けられていることを特徴とする請求項14から17までのいずれか1項に記載の現像剤回収装置。
【請求項19】
前記第1の現像剤収容部の内部に、現像剤を均すように撹拌する撹拌部材を有することを特徴とする請求項14から18までのいずれか1項に記載の現像剤回収装置。
【請求項20】
前記撹拌部材は、前記現像剤搬送機構により駆動されることを特徴とする請求項19に記載の現像剤回収装置。
【請求項21】
現像剤回収装置が組み込まれた画像形成装置であって、
前記現像剤回収装置が、
表面に現像剤像を担持する像担持体と、
現像剤を収容する第1の現像剤収容部と、
前記第1の現像剤収容部に現像剤を搬送する現像剤回収機構と、
前記第1の現像剤収容部から現像剤を搬送する現像剤搬送機構と、
前記現像剤搬送機構により搬送された現像剤を収容し、装置本体に対して取り外し可能な第2の現像剤収容部と
を備え、
前記第2の現像剤収容部は、前記像担持体の内側の領域に配設されていること
を特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【公開番号】特開2013−64953(P2013−64953A)
【公開日】平成25年4月11日(2013.4.11)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−204731(P2011−204731)
【出願日】平成23年9月20日(2011.9.20)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】