説明

現像剤電界搬送装置、現像剤供給装置、及び画像形成装置

【課題】進行波によって現像剤がスムーズに所定方向に搬送され得る現像剤電界搬送装置、現像剤供給装置、及び画像形成装置を提供する。
【解決手段】トナー供給装置6は、感光体ドラム3の潜像形成面LSに対して、帯電したトナーTを供給し得るように構成されている。トナー供給装置6内には、トナー搬送体62が収容されている。トナー搬送体62には、複数の搬送電極62dが設けられている。複数の搬送電極62dは、副走査方向に沿って配列されている。これらの搬送電極62dに進行波状の電圧が印加されることで、トナーTが所定方向に搬送されるように、トナー供給装置6が構成されている。トナー搬送体62におけるトナー搬送面TSと対向するように、第1除電部材64が配置されている。第1除電部材64は、トナー搬送面TSにおけるチャージアップを気中放電によって抑制し得るように構成されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像剤電界搬送装置、現像剤供給装置、及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
画像形成装置において、進行波電界を用いてトナー(現像剤)を搬送する機構が、従来から多数知られている(例えば、特開昭63−13074号公報、特公平5−31146号公報、特開2002−351218号公報、特開2003−15417号公報、特開2004−157259号公報、特開2005−275127号公報等)。かかる機構においては、絶縁性の基板の上に、多数本の線状電極が、一列に並べられている。
【0003】
上述の構成によれば、前記多数本の線状電極に対して、多相の交流電圧が順次印加されることで、進行波電界が形成される。この進行波電界の作用により、帯電したトナーが所定方向に搬送される。
【特許文献1】特開昭63−13074号公報
【特許文献2】特公平5−31146号公報
【特許文献3】特開2002−351218号公報
【特許文献4】特開2003−15417号公報
【特許文献5】特開2004−157259号公報
【特許文献6】特開2005−275127号公報
【発明の開示】
【0004】
上述したような、帯電した現像剤を進行波電界によって搬送し得る機構(以下、「現像剤電界搬送装置」と称する。)において、前記基板上にて、前記現像剤がスムーズに搬送されない領域が生じると、当該現像剤が当該領域に長期間滞留し得る。この現像剤の滞留により、当該現像剤の固着や外部への飛散が生じやすくなる。
【0005】
本発明は、かかる課題を解決するためになされたものである。すなわち、本発明の目的は、進行波によって現像剤がスムーズに所定方向に搬送され得る現像剤電界搬送装置、及び当該現像剤電界搬送装置を備えた現像剤供給装置並びに画像形成装置を提供することにある。
【0006】
(1)本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、現像剤供給装置と、を備えている。
【0007】
前記静電潜像担持体は、潜像形成面を有する。この潜像形成面は、所定の主走査方向と平行に形成されていて、電位分布による静電潜像が形成され得るように構成されている。そして、前記静電潜像担持体は、前記潜像形成面が前記主走査方向と直交する副走査方向に沿って移動し得るように構成されている。
【0008】
前記現像剤供給装置は、前記静電潜像担持体と対向するように配置されている。この現像剤供給装置は、現像剤を帯電した状態で前記潜像形成面に供給し得るように構成されている。
【0009】
本発明においては、前記現像剤供給装置は、現像剤搬送体と、除電部材と、を備えている。
【0010】
前記現像剤搬送体は、前記主走査方向と平行な現像剤搬送面を有している。この現像剤搬送面が前記静電潜像担持体と対向するように、前記現像剤搬送体が配置されている。
【0011】
複数の前記搬送電極が、前記副走査方向に沿って配列されている。これらの搬送電極は、前記現像剤搬送面に沿って設けられている。そして、これらの搬送電極は、進行波状の電圧が印加されることで、前記現像剤を所定の現像剤搬送方向に搬送し得るように構成及び配置されている。
【0012】
前記除電部材は、前記潜像形成面と前記現像剤搬送面との間の距離が最短となる最近接位置よりも、前記現像剤搬送方向における上流側及び/又は下流側にて、前記現像剤搬送面と対向するように配置されている。前記除電部材は、前記現像剤搬送面におけるチャージアップを気中放電によって抑制し得るように構成されている。
【0013】
前記除電部材は、例えば、前記現像剤搬送面における、前記静電潜像担持体と対向する領域である対向領域と対向するように設けられ得る。また、前記最近接位置よりも前記現像剤搬送方向における上流側に第1除電部材が、前記最近接位置よりも前記現像剤搬送方向における下流側に第2除電部材が、それぞれ設けられ得る。
【0014】
かかる構成を有する本発明の画像形成装置においては、画像形成の際に、以下のように動作する。
【0015】
前記静電潜像担持体における前記潜像形成面に、電位分布による前記静電潜像が形成される。この静電潜像が形成された前記潜像形成面は、前記副走査方向に沿って移動する。
【0016】
前記現像剤供給装置に備えられた前記現像剤搬送体における、前記現像剤搬送面に沿って設けられた、複数の前記搬送電極に、所定の進行波状の電圧が印加される。これにより、帯電した前記現像剤が、前記現像剤搬送面上を、前記現像剤搬送方向に沿って移動する。
【0017】
ここで、前記潜像形成面及び前記現像剤搬送面は、前記主走査方向と平行な面である。よって、前記潜像形成面と前記現像剤搬送面との間の距離が最短となる前記最近接位置の近傍にて、前記潜像形成面と前記現像剤搬送面とが互いに平行な状態で対向し得る。そして、この最近接位置の近傍にて、前記静電潜像が、前記現像剤搬送体上にて搬送されてきた帯電した前記現像剤によって現像される。
【0018】
ところで、前記現像剤搬送面上にて、前記現像剤が搬送される際に、当該現像剤搬送面と前記現像剤とが摩擦する。この摩擦により、前記現像剤搬送面が帯電することがある。そして、前記現像剤搬送面上における前記現像剤の搬送が行われるにしたがって、当該現像剤搬送面上の摩擦帯電量が大きくなり得る。すなわち、当該現像剤搬送面がチャージアップし得る。このようなチャージアップが起こると、当該現像剤搬送面上を前記現像剤がスムーズに搬送され難くなり得る。
【0019】
そこで、本発明の画像形成装置においては、前記除電部材により、前記最近接位置よりも前記現像剤搬送方向における上流側及び/又は下流側の、前記現像剤搬送面のチャージアップが抑制される。例えば、前記静電潜像の現像を行っていない非現像時(具体的には、前記静電潜像の現像の終了後)に、前記現像剤搬送面のチャージアップ抑制(以下、「前記現像剤搬送面の除電」と称する。)が行われる。
【0020】
かかる構成によれば、前記最近接位置の近傍に向けての前記現像剤の搬送、及び前記最近接位置の近傍から前記現像剤搬送方向における下流側への前記現像剤の搬送が、スムーズに行われ得る。
【0021】
前記画像形成装置は、前記搬送電極に給電する搬送用給電部と、前記除電部材に給電する除電用給電部と、前記搬送用給電部及び前記除電用給電部の動作を制御する制御部と、をさらに備えていてもよい。ここで、前記制御部は、前記除電部材に給電する場合に、前記除電部材よりも前記現像剤搬送方向における上流側に位置する前記搬送電極の給電を停止するように、前記搬送用給電部及び前記除電用給電部を制御するように構成されている。
【0022】
このとき、前記制御部が、前記除電部材に給電する場合に、少なくとも前記除電部材よりも前記現像剤搬送方向における下流側に位置する前記搬送電極に給電すべく、前記搬送用給電部及び前記除電用給電部を制御するように構成されていてもよい。
【0023】
かかる構成を有する前記画像形成装置においては、前記搬送用給電部により、上述のような進行波状の電圧が、前記搬送電極に印加される。また、前記除電用給電部により、前記現像剤搬送面の除電のために、前記除電部材に対する給電が行われる。前記制御部は、前記搬送用給電部及び前記除電用給電部の動作を制御する。また、前記制御部は、前記除電部材に給電する場合に、前記除電部材よりも前記現像剤搬送方向における上流側に位置する前記搬送電極の給電を停止するように、前記搬送用給電部及び前記除電用給電部を制御する。
【0024】
この場合、少なくとも、前記除電部材よりも前記現像剤搬送方向における下流側に位置する前記搬送電極には、上述の進行波状の電圧が給電され得る。例えば、除電領域及び当該除電領域よりも前記現像剤搬送方向における下流側に対応する前記搬送電極には、上述の進行波状の電圧が給電され得る。ここで、前記除電領域とは、前記現像剤搬送面における、前記除電部材と最も近接する位置の近傍の領域であって、前記除電部材によって除電される領域である。
【0025】
上述のように、前記最近接位置よりも前記現像剤搬送方向における上流側に前記第1除電部材が、前記最近接位置よりも前記現像剤搬送方向における下流側に前記第2除電部材が、それぞれ設けられている構成が採用され得る。このような構成においては、前記制御部は、前記除電部材に給電する場合に、前記現像剤搬送方向における最も上流側の前記第1除電部材よりも上流側に位置する前記搬送電極の給電を停止するように、前記搬送用給電部及び前記除電用給電部を制御する。
【0026】
この場合、少なくとも前記第1除電部材よりも前記現像剤搬送方向における下流側に位置する前記搬送電極には、上述の進行波状の電圧が給電され得る。すなわち、前記第1除電部材による前記除電領域、及び当該除電領域よりも前記現像剤搬送方向における下流側に対応する前記搬送電極に、上述の進行波状の電圧が給電され得る。
【0027】
かかる構成によれば、前記現像剤搬送面の除電の際に、前記除電領域に対して次々と前記現像剤が搬送されることが抑制され得る。これにより、前記現像剤搬送面の除電が効率よく行われ得る。また、この除電領域の上に載置されている前記現像剤をも適度に除電され得る。よって、当該現像剤搬送面上に静電気的に強固に付着した前記現像剤が、摩擦等の機械的負荷を与えることなく、当該現像剤搬送面上からスムーズに除去され得る。
【0028】
前記画像形成装置は、前記現像剤搬送面と前記除電部材との間に介装されたグリッド電極をさらに備えていてもよい。すなわち、前記除電部材と前記グリッド電極とにより、スコロトロン型の除電器が形成され得る。かかる構成によれば、前記現像剤搬送面の除電が、より安定的に行われ得る。
【0029】
前記画像形成装置は、前記グリッド電極に給電するグリッド用給電部をさらに備えていてもよい。この場合、前記制御部は、前記除電部材への給電を停止しつつ前記搬送電極に給電する場合に、前記グリッド電極の電位を前記現像剤の帯電極性と同極性に設定すべく、前記グリッド用給電部を制御するように構成されている。
【0030】
かかる構成においては、例えば、前記静電潜像の現像を行っている現像時にて、前記グリッド電極が、前記現像剤の帯電極性と同極性の電位に設定される。これにより、前記現像剤搬送面からの不用意な前記現像剤の浮遊が抑制され得る。また、前記グリッド電極への前記現像剤の付着が抑制され得る。
【0031】
(2)本発明の現像剤供給装置は、現像剤像担持体に対して、現像剤を帯電した状態で所定の現像剤搬送方向に沿って供給し得るように構成されている。
【0032】
前記現像剤担持体は、現像剤像担持面を有している。この現像剤像担持面は、現像剤による画像が担持され得る面であって、所定の主走査方向と平行な面である。この現像剤像担持面は、前記主走査方向と直交する副走査方向に沿って移動し得るようになっている。
【0033】
具体的には、前記現像剤像担持体としては、例えば、電位分布による静電潜像が形成され得るように構成された潜像形成面を有する静電潜像担持体が用いられ得る。あるいは、前記現像剤像担持体としては、例えば、前記副走査方向に沿って搬送される記録媒体(用紙)が用いられ得る。あるいは、前記現像剤像担持体としては、例えば、前記記録媒体と対向することで当該記録媒体上に前記現像剤を転写し得るように構成・配置された中間転写体が用いられ得る。
【0034】
本発明の現像剤供給装置は、現像剤搬送体と、除電部材と、を備えている。
【0035】
前記現像剤搬送体は、前記主走査方向と平行な現像剤搬送面を有している。この現像剤搬送面が前記現像剤像担持体と対向するように、前記現像剤搬送体が配置されている。
【0036】
複数の前記搬送電極が、前記副走査方向に沿って配列されている。これらの搬送電極は、前記現像剤搬送面に沿って設けられている。そして、これらの搬送電極は、進行波状の電圧が印加されることで、前記現像剤を所定の現像剤搬送方向に搬送し得るように構成及び配置されている。
【0037】
前記除電部材は、前記現像剤像担持面と前記現像剤搬送面との間の距離が最短となる最近接位置よりも、前記現像剤搬送方向における上流側及び/又は下流側にて、前記現像剤搬送面と対向するように配置されている。前記除電部材は、前記現像剤搬送面におけるチャージアップを気中放電によって抑制し得るように構成されている。
【0038】
前記除電部材は、例えば、前記現像剤搬送面における、前記現像剤像担持体と対向する領域である対向領域と対向するように設けられ得る。また、前記最近接位置よりも前記現像剤搬送方向における上流側に第1除電部材が、前記最近接位置よりも前記現像剤搬送方向における下流側に第2除電部材が、それぞれ設けられ得る。
【0039】
かかる構成を有する本発明の現像剤供給装置は、以下のように動作する。
【0040】
前記現像剤搬送面に沿って設けられた複数の前記搬送電極に、所定の進行波状の電圧が印加される。これにより、帯電した前記現像剤が、前記現像剤搬送面上を、前記現像剤搬送方向に沿って移動する。
【0041】
ここで、前記現像剤像担持面及び前記現像剤搬送面は、前記主走査方向と平行な面である。よって、前記現像剤像担持面と前記現像剤搬送面との間の距離が最短となる前記最近接位置の近傍にて、前記現像剤像担持面と前記現像剤搬送面とが互いに平行な状態で対向し得る。そして、この最近接位置の近傍にて、前記現像剤像担持面上に、前記現像剤搬送体上にて搬送されてきた帯電した前記現像剤による画像が形成・担持される。
【0042】
本発明の現像剤供給装置においては、前記除電部材により、前記最近接位置よりも前記現像剤搬送方向における上流側及び/又は下流側の、前記現像剤搬送面の除電が行われる。例えば、前記現像剤像担持面上に対する前記現像剤による画像の形成を行っていない非画像形成時(具体的には、上述の画像の形成の終了後)に、前記現像剤搬送面の除電が行われる。
【0043】
かかる構成によれば、前記現像剤搬送面上における前記現像剤の搬送が、スムーズに行われ得る。
【0044】
前記現像剤供給装置は、前記搬送電極に給電する搬送用給電部と、前記除電部材に給電する除電用給電部と、前記搬送用給電部及び前記除電用給電部の動作を制御する制御部と、をさらに備えていてもよい。ここで、前記制御部は、前記除電部材に給電する場合に、前記除電部材よりも前記現像剤搬送方向における上流側に位置する前記搬送電極の給電を停止するように、前記搬送用給電部及び前記除電用給電部を制御するように構成されている。
【0045】
このとき、前記制御部が、前記除電部材に給電する場合に、少なくとも前記除電部材よりも前記現像剤搬送方向における下流側に位置する前記搬送電極に給電すべく、前記搬送用給電部及び前記除電用給電部を制御するように構成されていてもよい。
【0046】
かかる構成を有する前記現像剤供給装置においては、前記搬送用給電部により、上述のような進行波状の電圧が、前記搬送電極に印加される。また、前記除電用給電部により、前記現像剤搬送面の除電のために、前記除電部材に対する給電が行われる。前記制御部は、前記搬送用給電部及び前記除電用給電部の動作を制御する。また、前記制御部は、前記除電部材に給電する場合に、前記除電部材よりも前記現像剤搬送方向における上流側に位置する前記搬送電極の給電を停止するように、前記搬送用給電部及び前記除電用給電部を制御する。
【0047】
この場合、少なくとも、前記除電部材よりも前記現像剤搬送方向における下流側に位置する前記搬送電極には、上述の進行波状の電圧が給電され得る。例えば、除電領域及び当該除電領域よりも前記現像剤搬送方向における下流側に対応する前記搬送電極には、上述の進行波状の電圧が給電され得る。
【0048】
上述のように、前記第1除電部材及び前記第2除電部材が、それぞれ設けられている構成が採用され得る。このような構成においては、前記制御部は、前記除電部材に給電する場合に、前記現像剤搬送方向における最も上流側の前記第1除電部材よりも上流側に位置する前記搬送電極の給電を停止するように、前記搬送用給電部及び前記除電用給電部を制御する。
【0049】
この場合、少なくとも前記第1除電部材よりも前記現像剤搬送方向における下流側に位置する前記搬送電極には、上述の進行波状の電圧が給電され得る。すなわち、前記第1除電部材による前記除電領域、及び当該除電領域よりも前記現像剤搬送方向における下流側に対応する前記搬送電極に、上述の進行波状の電圧が給電され得る。
【0050】
かかる構成によれば、前記現像剤搬送面の除電が効率よく行われ得る。また、前記現像剤搬送面上に静電気的に強固に付着した前記現像剤が、摩擦等の機械的負荷を与えることなく、当該現像剤搬送面上からスムーズに除去され得る。
【0051】
前記現像剤供給装置は、前記現像剤搬送面と前記除電部材との間に介装されたグリッド電極をさらに備えていてもよい。かかる構成によれば、前記現像剤搬送面の除電が、より安定的に行われ得る。
【0052】
前記現像剤供給装置は、前記グリッド電極に給電するグリッド用給電部をさらに備えていてもよい。この場合、前記制御部は、前記除電部材への給電を停止しつつ前記搬送電極に給電する場合に、前記グリッド電極の電位を前記現像剤の帯電極性と同極性に設定すべく、前記グリッド用給電部を制御するように構成されている。
【0053】
かかる構成においては、例えば、前記現像剤像担持面上に対する前記現像剤による画像の形成を行っている画像形成時にて、前記グリッド電極が、前記現像剤の帯電極性と同極性の電位に設定される。これにより、前記現像剤搬送面からの不用意な前記現像剤の浮遊が抑制され得る。また、前記グリッド電極への前記現像剤の付着が抑制され得る。
【0054】
(3)本発明の現像剤電界搬送装置は、帯電した現像剤を、電界により所定の現像剤搬送方向に沿って搬送し得るように構成されている。この現像剤電界搬送装置は、現像剤担持体と対向するように配置されている。前記現像剤担持体は、現像剤担持面を有している。現像剤担持面は、現像剤による薄層が担持され得る面であって、所定の主走査方向と平行に形成され得る。この現像剤担持面が、所定の移動方向に沿って移動し得るようになっている。前記移動方向は、前記主走査方向と直交する副走査方向と平行となるように設定され得る。
【0055】
具体的には、前記現像剤担持体としては、例えば、電位分布による静電潜像が形成され得るように構成された潜像形成面を有する静電潜像担持体が用いられ得る。あるいは、前記現像剤担持体としては、例えば、前記副走査方向に沿って搬送される記録媒体(用紙)が用いられ得る。あるいは、前記現像剤担持体としては、例えば、前記記録媒体や前記静電潜像担持体と対向することで当該記録媒体や当該静電潜像担持体上に前記現像剤を転写し得るように構成・配置された、ローラ、スリーブ、又はベルト状の部材(現像ローラ、現像スリーブ等)が用いられ得る。
【0056】
本発明の現像剤電界搬送装置は、現像剤搬送体と、除電部材と、を備えている。
【0057】
前記現像剤搬送体は、前記主走査方向と平行な現像剤搬送面を有している。この現像剤搬送面が前記現像剤担持体と対向するように、前記現像剤搬送体が配置されている。
【0058】
複数の前記搬送電極が、前記移動方向に沿って配列されている。これらの搬送電極は、前記現像剤搬送面に沿って設けられている。そして、これらの搬送電極は、進行波状の電圧が印加されることで、前記現像剤を所定の現像剤搬送方向に搬送し得るように構成及び配置されている。
【0059】
前記除電部材は、前記現像剤担持面と前記現像剤搬送面との間の距離が最短となる最近接位置よりも、前記現像剤搬送方向における上流側及び/又は下流側にて、前記現像剤搬送面と対向するように配置されている。前記除電部材は、前記現像剤搬送面におけるチャージアップを気中放電によって抑制し得るように構成されている。
【0060】
前記除電部材は、例えば、前記現像剤搬送面における、前記現像剤担持体と対向する領域である対向領域と対向するように設けられ得る。また、前記最近接位置よりも前記現像剤搬送方向における上流側に第1除電部材が、前記最近接位置よりも前記現像剤搬送方向における下流側に第2除電部材が、それぞれ設けられ得る。
【0061】
かかる構成を有する本発明の現像剤電界搬送装置は、以下のように動作する。
【0062】
複数の前記搬送電極に所定の進行波状の電圧が印加される。これにより、帯電した前記現像剤が、前記現像剤搬送面上を、前記現像剤搬送方向に沿って移動する。ここで、前記除電部材により、前記最近接位置よりも前記現像剤搬送方向における上流側及び/又は下流側の、前記現像剤搬送面のチャージアップが抑制される。例えば、前記現像剤担持面上に対する前記現像剤による画像の形成を行っていない非画像形成時(具体的には、上述の画像の形成の終了後)に、前記現像剤搬送面の除電が行われる。
【0063】
かかる構成によれば、前記現像剤搬送面上における前記現像剤の搬送が、スムーズに行われ得る。
【0064】
前記現像剤電界搬送装置は、前記現像剤搬送面と前記除電部材との間に介装されたグリッド電極をさらに備えていてもよい。これにより、前記現像剤搬送面の除電が、より安定的に行われ得る。
【発明を実施するための最良の形態】
【0065】
以下、本発明の実施形態(本願の出願時点において取り敢えず出願人が最良と考えている実施形態)について、図面を参照しつつ説明する。
【0066】
<レーザープリンタの全体構成>
図1は、本実施形態に係るレーザープリンタ1の概略構成を示す側面図である。
【0067】
図1を参照すると、レーザープリンタ1は、用紙搬送機構2と、感光体ドラム3と、帯電器4と、スキャナーユニット5と、トナー供給装置6と、制御部7と、を備えている。
【0068】
レーザープリンタ1内に備えられた、図示しない給紙トレイには、シート状の用紙Pが積み重ねられた状態で収容されている。用紙搬送機構2は、用紙Pを所定の用紙搬送経路に沿って搬送し得るように構成されている。
【0069】
本発明の静電潜像担持体、現像剤像担持体、及び現像剤担持体としての、感光体ドラム3の周面には、本発明の潜像形成面、現像剤像担持面、及び現像剤担持面としての、潜像形成面LSが形成されている。潜像形成面は、主走査方向(図中z方向)と平行な円筒面として形成されている。潜像形成面LSは、電位分布による静電潜像が形成され得るように構成されている。感光体ドラム3は、潜像形成面LSが前記主走査方向と直交する副走査方向に沿って移動し得るように、中心軸Cを中心として、図中矢印で示されている方向に回転駆動され得るように構成されている。
【0070】
なお、「副走査方向」とは、前記主走査方向と直交する任意の方向である。通常、前記副走査方向は、鉛直線と交差する方向とされる。すなわち、前記副走査方向は、レーザープリンタ1の前後方向(用紙幅方向及び高さ方向と直交する方向:図中x軸方向)に沿った方向とされる。
【0071】
帯電器4は、潜像形成面LSと対向するように配置されている。帯電器4は、コロトロン型あるいはスコロトロン型の帯電器であって、潜像形成面LSを一様に負帯電させ得るように構成されている。
【0072】
スキャナーユニット5は、画像データに基づいて変調されたレーザービームLBを生成するように構成されている。また、スキャナーユニット5は、生成されたレーザービームLBを、潜像形成面LS上の位置であって、帯電器4よりも感光体ドラム3の回転方向(図1における反時計方向)における下流側の位置にて結像させる(露光する)ように構成されている。さらに、スキャナーユニット5は、潜像形成面LS上にてレーザービームLBが結像される位置を、前記主走査方向に沿って等速度にて移動させる(走査する)ように構成されている。
【0073】
本発明の現像剤供給装置としてのトナー供給装置6は、感光体ドラム3と対向するように配置されている。トナー供給装置6は、微粒子状の乾式現像剤(粉体現像剤)である負帯電性のトナーを帯電した状態で潜像形成面LSに供給し得るように構成されている。このトナー供給装置6の詳細な構成については後述する。
【0074】
制御部7は、CPU、RAM、ROM等を備えていて、レーザープリンタ1に備えられている各部の駆動や電圧出力を制御し得るように構成されている。
【0075】
<レーザープリンタの各部の構成>
次に、レーザープリンタ1の各部の具体的な構成について説明する。
【0076】
<<用紙搬送機構>>
用紙搬送機構2は、一対のレジストローラ21と、転写ローラ22と、を備えている。
【0077】
レジストローラ21は、用紙Pを所定のタイミングにて感光体ドラム3と転写ローラ22との間に向けて送り出し得るように構成されている。
【0078】
転写ローラ22は、感光体ドラム3の周面である潜像形成面LSと、用紙Pを挟んで対向するように配置されている。転写ローラ22は、図中矢印で示されている方向(時計回り)に回転駆動され得るように構成されている。転写ローラ22と感光体ドラム3との間で、潜像形成面LS上に付着したトナー(現像剤)を用紙Pに転写させるための所定の転写バイアス電圧が印加されるように、転写ローラ22には、図示しないバイアス電源回路に接続されている。
【0079】
<<感光体ドラム>>
図2は、図1に示されている感光体ドラム3とトナー供給装置6とが対向している部分を拡大した側断面図である。
【0080】
図2を参照すると、感光体ドラム3は、ドラム本体31と、感光層32と、から構成されている。
【0081】
ドラム本体31は、z軸と平行な中心軸Cを有する円筒状の部材であって、アルミニウム等の金属から構成されている。このドラム本体31は、接地されている。
【0082】
感光層32は、ドラム本体31の外周を覆うように設けられている。この感光層32は、所定波長のレーザー光の露光によって電子伝導性を示す、負帯電性の光導電層であって、フタロシアニン系染料等によってドーピングされたポリカーボネート等の合成樹脂層から構成されている。潜像形成面LSは、感光層32の外周面によって構成されている。
【0083】
<<トナー供給装置>>
トナー供給装置6のケーシングをなすトナーボックス61は、頂板61aと、底板61bと、側板61cと、から構成されている。トナーボックス61の内部には、ポリエステルを主成分とする、負帯電性、非磁性1成分の、黒色のトナーTが充填されている。
【0084】
頂板61aは、平面視にて長方形状の板状部材であって、水平面と平行に配置されている。底板61bは、平面視にて長方形状の板状部材であって、頂板61aの下方に配置されている。底板61bは、図中x軸正方向に向かうにしたがって、y軸正方向上昇するように傾斜して配置されている。頂板61a及び底板61bにおける外縁の4辺が4枚の側板61c(図2においてはこのうちの2枚の側板61cのみが示されている。)と接続されることで、トナーボックス61は、トナーTを外部に漏らさないように収容し得るように構成されている。
【0085】
頂板61aには、トナー通過孔61dが形成されている。トナー通過孔61dは、頂板61aと感光層32とが近接している位置に形成されている。このトナー通過孔61dは、平面視にて、前記主走査方向(図中z軸方向)における感光層32の幅と略同じ長さの長辺を有するとともに前記副走査方向(図中x軸方向)と平行な短辺を有する長方形状に形成されている。トナー通過孔61dは、トナーTがトナーボックス61の内部から感光層32に向けて図中y軸方向に沿って移動する際に通過し得る貫通孔として形成されている。
【0086】
<<<トナー搬送体>>>
トナーボックス61の内部には、本発明の現像剤搬送体としてのトナー搬送体62が収容されている。トナー搬送体62は、所定の厚さを有する板状の部材である。トナー搬送体62は、中央構成部62aと、上流側構成部62bと、下流側構成部62cと、を備えている。
【0087】
中央構成部62aは、感光体ドラム3の前記主走査方向における幅と略同じ長さの長辺を有するとともに感光体ドラム3の直径よりも長い短辺を有する、平面視にて略長方形状に形成されている。中央構成部62aは、その前記副走査方向(図中x軸方向)における中心が、トナー通過孔61dの前記副走査方向における中心と一致するような位置に設けられている。すなわち、この中央構成部62aは、トナー通過孔61dを挟んで潜像形成面LSと対向するように、頂板61aと略平行に配置されている。
【0088】
上流側構成部62bは、中央構成部62aの、トナー搬送方向(図中x軸正方向)における上流側の端部からさらに上流側に、且つ斜め下方に延設されている。すなわち、上流側構成部62bは、中央構成部62aに向かうにつれて斜め上方に上昇するように配置された板状部材として設けられている。また、上流側構成部62bの前記トナー搬送方向における最上流側の端部がトナーボックス61の最深部近傍に達することで、トナーTの量が僅かになった場合であっても上流側構成部62bの一部(下部)がトナーTの中に埋没するように、当該上流側構成部62bが設けられている。
【0089】
下流側構成部62cは、中央構成部62aの、前記トナー搬送方向における下流側の端部からさらに下流側に、且つ斜め下方に延設されている。すなわち、上流側構成部62bは、中央構成部62aから離れるにつれて斜め下方に下降するように配置された板状部材として設けられている。また、下流側構成部62cの前記トナー搬送方向における最下流側の端部が、トナーボックス61の底板61bの近傍であって前記トナー搬送方向における最下流側の側板61cの近傍(すなわち、トナーボックス61の最浅部近傍)に達することで、トナーTがスムーズに底板61bに還流し得るように、当該下流側構成部62cが設けられている。
【0090】
トナー搬送体62は、前記主走査方向と平行なトナー搬送面TSを有している。このトナー搬送面TSが感光体ドラム3における潜像形成面LSと対向するように、トナー搬送体62が配置されている。
【0091】
複数の搬送電極62dが、トナー搬送面TSに沿って(トナー搬送面TSの近傍に位置するように)形成されている。各搬送電極62dは、金属薄膜からなる線状の配線パターンであって、前記主走査方向に長手方向を有するように、互いに平行に設けられている。これらの搬送電極62dは、前記副走査方向に沿って、等間隔に配列されている。
【0092】
図3は、図2に示されているトナー搬送体62と感光体ドラム3とが対向している部分を拡大した側断面図である。
【0093】
図3を参照すると、レーザープリンタ1は、搬送電極62dに給電するための電源回路である、4つの搬送用給電部VAないしVDを備えている。そして、前記副走査方向(図中x軸方向)に沿って多数配列された各搬送電極62dは、3本置きに、同一の搬送用給電部に接続されている。
【0094】
すなわち、搬送用給電部VAに接続された搬送電極EA,搬送用給電部VBに接続された搬送電極EB,搬送用給電部VCに接続された搬送電極EC,搬送用給電部VDに接続された搬送電極ED,搬送用給電部VAに接続された搬送電極EA,搬送用給電部VBに接続された搬送電極EB・・・が、前記副走査方向に沿って順に配列されている。なお、図3において、搬送用給電部VAと接続されている搬送電極62dは、搬送電極EAと示されている。搬送電極EBないし搬送電極EDも同様である。
【0095】
図4は、図3に示されている搬送用給電部VAないしVDが発生する電圧の波形を示したグラフである。図4に示されているように、各搬送用給電部VAないしVDは、ほぼ同一波形の交流電圧を発生させるように構成されている。ここで、各搬送用給電部VAないしVDが発生する電圧の波形は、位相が90°ずつ異なっている。
【0096】
すなわち、図3及び図4を参照すると、搬送用給電部VAから搬送用給電部VDに向かう順に、電圧の位相が90°ずつ遅れるように、各搬送用給電部VAないしVDが、図3に示されている制御部7によって制御されている。
【0097】
このように、各搬送電極62dは、制御部7によって出力動作が制御された搬送用給電部VAないしVDによって進行波状の電圧が印加され、これにより、トナー搬送面TS上にて、トナーTを前記トナー搬送方向に搬送し得るような進行波状の電界を形成し得るように構成及び配置されている。
【0098】
図3を参照すると、搬送電極62dは、合成樹脂製の板状部材である支持板62eの上に形成されている。搬送電極62dが形成された支持板62eの表面は、合成樹脂であるナイロン製のコーティング膜62fによって被覆されている。この合成樹脂製のコーティング膜62fの表面によって、トナー搬送面TSが構成されている。
【0099】
図2を参照すると、トナーボックス61の最深部であって、トナー搬送体62における上流側構成部62bの下端部よりも下方には、攪拌子であるアジテータ63が設けられている。アジテータ63は、トナーボックス61の最深部にてトナーTを攪拌して流動させて、トナーTとトナー搬送面TSとを摩擦させることで、トナーTを負極性に帯電させ得るように、図中矢印で示されている方向(時計回り)に回転可能に構成されている。
【0100】
トナー搬送体62の中央構成部62aにおける、トナー搬送面TSと対向するように、第1除電部材64及び第2除電部材65が設けられている。第1除電部材64及び第2除電部材65は、合成樹脂製表面であるトナー搬送面TSにおけるチャージアップを、気中放電によって抑制し得るように構成されている。
【0101】
第1除電部材64は、潜像形成面LSとトナー搬送面TSとの間の距離が最短となる最近接位置P0よりも、前記トナー搬送方向における上流側の、中央構成部62aの端部と対向するように配置されている。第2除電部材65は、潜像形成面LSとトナー搬送面TSとの間の距離が最短となる最近接位置P0よりも、前記トナー搬送方向における下流側の、中央構成部62aの端部と対向するように配置されている。
【0102】
第1除電部材64は、第1除電用給電部VEと電気的に接続されている。また、第2除電部材65は、第2除電用給電部VFと電気的に接続されている。第1除電用給電部VE及び第2除電用給電部VFは、それぞれ、制御部7の制御下で、第1除電部材64及び第2除電部材65に給電し得るように構成されている。第1除電用給電部VE及び第2除電用給電部VFは、0Vを基準電圧とする交流電圧を出力し得るように構成されている。
【0103】
図5は、図2に示されている第1除電部材64の正面図である(第2除電部材65も同様に構成されている)。図5を参照すると、第1除電部材64は、前記主走査方向に長手方向を有する棒状の金属部材から構成されている。この第1除電部材64の下端部には、複数の鋭利な突起64aが形成されている。すなわち、第1除電部材64は、櫛歯状の電極部材から構成されている。
【0104】
<レーザープリンタの動作>
次に、上述のように構成されたレーザープリンタ1による動作について、図面を適宜参照しつつ説明する。なお、以下の動作説明においては記載が省略されているが、レーザープリンタ1に備えられた各部(用紙搬送機構2、感光体ドラム3、帯電器4、スキャナーユニット5、トナー供給装置6、及び各種の給電部)の動作は、すべて、制御部7によって制御されているものである。
【0105】
<<給紙動作>>
まず図1を参照すると、図示しない給紙トレイ上に積載された用紙Pの先端が、レジストローラ21まで送られる。このレジストローラ21にて、用紙Pの斜行が補正されるとともに、搬送タイミングが調整される。その後、用紙Pは、感光体ドラム3と転写ローラ22とが対向する位置である転写位置まで給送される。
【0106】
<<潜像形成面上へのトナー像の担持>>
上述のように用紙Pが前記転写位置に向けて搬送されている間に、感光体ドラム3の周面である潜像形成面LS上に、以下のようにしてトナーTによる像が担持される。
【0107】
<<<静電潜像の形成>>>
感光体ドラム3の潜像形成面LSは、まず、帯電器4によって、負極性に一様に帯電される。
【0108】
帯電器4によって帯電された潜像形成面LSは、感光体ドラム3の図中矢印で示されている方向(反時計回り)の回転により、スキャナーユニット5と対向する(正対する)位置であるスキャン位置まで、前記副走査方向に沿って移動する。このスキャン位置にて、画像情報に基づいて変調されたレーザービームLBが、前記主走査方向に沿って走査されつつ、潜像形成面LSに照射される。このレーザービームLBの変調状態に応じて、潜像形成面LS上の負電荷が消失する部分が生じる。これにより、潜像形成面LS上に、負電荷の画像状分布による静電潜像が形成される。
【0109】
潜像形成面LSに形成された静電潜像は、感光体ドラム3の図中矢印で示されている方向(反時計回り)の回転により、トナー供給装置6と対向する位置に向かって移動する。
【0110】
<<<帯電トナーの搬送・供給>>>
図2を参照すると、アジテータ63が、図中矢印で示されている方向(時計回り)に回転する。このアジテータ63の回転により、トナーTと上流側構成部62bにおけるトナー搬送面TS(図3における合成樹脂製のコーティング膜62fの表面)とが摩擦する。これにより、トナーTが負極性に帯電させられる。
【0111】
ここで、上述したように、トナー搬送体62の(上流側構成部62bの)トナー搬送方向における上流側(図中x軸負方向側)の端部がトナーTの中に埋没しているので、トナーボックス61内に貯留されているトナーTは、トナー搬送面TS上に常に供給される。
【0112】
また、トナー搬送体62における複数の搬送電極62dに対して、電圧が進行波状に印加される。これにより、トナー搬送面TS上には、所定の進行波状の電界が形成される。この電界により、負帯電のトナーTが、上流側構成部62bにおける斜面状のトナー搬送面TSを上っていき、中央構成部62aに達し、最近接位置P0まで搬送される。
【0113】
図6は、図3に示されているトナー搬送体62における最近接位置P0の周辺を拡大して示す側断面図である。
【0114】
図4及び図6を参照すると、図4における時点t1においては、図6の(A)に示されているように、搬送電極EAと搬送電極EBとの間の位置であるAB間位置にて、前記トナー搬送方向と逆向き(図6におけるx軸負方向)の電界EF1が形成される。一方、搬送電極ECと搬送電極EDとの間の位置であるCD間位置には、前記トナー搬送方向と同じ向き(図6におけるx軸正方向)の電界EF2が形成される。また、搬送電極EBと搬送電極ECとの間の位置であるBC間位置、及び搬送電極EDと搬送電極EAとの間の位置であるDA間位置には、前記トナー搬送方向に沿った方向の電界が形成されない。
【0115】
すなわち、時点t1においては、前記AB間位置にて、負帯電のトナーTは、前記トナー搬送方向と同じ向きの静電力を受ける。また、前記BC間位置及び前記DA間位置にて、負帯電のトナーTは、前記トナー搬送方向に沿った方向の静電力をほとんど受けない。また、前記CD間位置にて、負帯電のトナーTは、前記トナー搬送方向と逆向きの静電力を受ける。よって、時点t1においては、負帯電のトナーTは、前記BC間位置に集められる。
【0116】
同様に、時点t2においては、負帯電のトナーTは、前記CD間位置に集められる。次いで、時点t3になると、負帯電のトナーTは、前記DA間位置に集められる。このように、トナーTが集められる領域が時間の経過に伴って、トナー搬送面TSに沿って、前記トナー搬送方向に移動していく。
【0117】
このように、各搬送電極62d(EAないしED)に対して、図4に示されているような電圧が印加されることで、トナー搬送面TS上にて、進行波状の電界が形成される。これにより、トナーTが、図中y方向にホッピングしつつ、前記トナー搬送方向(図中x軸正方向)に搬送される。
【0118】
<<<静電潜像の現像>>>
図2を参照すると、上述のように、負帯電のトナーTが、上流側構成部62bにおける斜面状のトナー搬送面TSを上っていき、中央構成部62aに達し、最近接位置P0まで搬送される。
【0119】
この最近接位置P0の近傍にて、トナーTによって、潜像形成面LSに形成された静電潜像が現像される。すなわち、潜像形成面LS上であって、静電潜像における負電荷が消失した部分に、トナーTが付着する。これにより、トナーTによる画像(以下、「トナー像」と称する。)が、潜像形成面LS上に担持される。
【0120】
なお、静電潜像の現像に供されなかった残りのトナーTは、下流側構成部62cに向けて搬送される。そして、トナーTは、下流側構成部62cから下方に落下して、トナーボックス61の底部へと還流する。
【0121】
<<潜像形成面から用紙へのトナー像の転写>>
図1を参照すると、上述のようにして感光体ドラム3の潜像形成面LS上に担持されたトナー像は、当該潜像形成面LSが図中矢印で示されている方向(反時計回り)に回転することにより、前記転写位置に向けて搬送される。そして、この転写位置にて、トナー像が、潜像形成面LSから用紙P上に転写される。
【0122】
<<トナー搬送面の除電動作>>
次に、トナー搬送面TSのチャージアップを抑制する除電動作について、図2を参照しつつ説明する。
【0123】
上述のように、合成樹脂からなるトナーTは、合成樹脂製の表面であるトナー搬送面TS上にて、前記トナー搬送方向に搬送される。このとき、トナーTとトナー搬送面TSとの摩擦により、トナー搬送面TSがチャージアップし得る。このようなチャージアップが生じると、トナーTが静電気力によってトナー搬送面TS上に強固に固着することで、当該トナー搬送面TS上におけるトナーTのスムーズな搬送が阻害されるおそれがある。
【0124】
そこで、静電潜像の現像が行われていない非現像時にて、第1除電用給電部VE及び第2除電用給電部VFによって、第1除電部材64及び第2除電部材65に対して、0Vを基準電圧とする交流電圧が印加される。これにより、トナー搬送面TSにおける、第1除電部材64及び第2除電部材65と対向する領域である、上流側除電領域A1及び下流側除電領域A2が除電される。なお、このとき、上流側除電領域A1及び下流側除電領域A2上のトナーTもまた、適度に除電され得る。
【0125】
ここで、上流側除電領域A1は、第1除電部材64とトナー搬送面TSとが最も近接した状態で対向する位置である対向位置CP1の近傍の領域であって、当該対向位置CP1よりも前記トナー搬送方向における上流側及び下流側に向かって若干の幅をもった領域となり得る。同様に、下流側除電領域A2も、対向位置CP2よりも前記トナー搬送方向における上流側の位置から、対向位置CP2よりも前記トナー搬送方向における下流側の位置まで生じ得る。
【0126】
この除電動作の際に、上流側除電領域A1よりも前記トナー搬送方向における上流側に位置する搬送電極62dに対する給電が停止される。すると、上流側除電領域A1よりも前記トナー搬送方向における上流側のトナー搬送面TS上にて、進行波状の電界の発生が停止する。これにより、上流側除電領域A1に向かってのトナーTの搬送が停止される。よって、上流側除電領域A1における除電が効率よく行われ得る。
【0127】
一方、上流側除電領域A1、及びこれよりも前記トナー搬送方向における下流側に位置する搬送電極62dに対する給電は行われる。これにより、適度に除電されて帯電が緩和されたトナーTは、前記トナー搬送方向における下流側に向けて搬送され、下流側構成部62cを通ってトナーボックス61の底部(底板61b)に向けて還流する。
【0128】
また、静電潜像の現像が行われている現像時、及び当該現像の準備段階においては、第1除電用給電部VE及び第2除電用給電部VFによって、第1除電部材64及び第2除電部材65の電位が、トナーTと同極性である負電位に設定される。これにより、第1除電部材64及び第2除電部材65に対するトナーTの付着が抑制され得る。
【0129】
<変形例の例示列挙>
なお、上述の実施形態は、上述した通り、出願人が取り敢えず本願の出願時点において最良であると考えた本発明の代表的な実施形態を、単に例示したものにすぎない。よって、本発明はもとより上述の実施形態に何ら限定されるものではない。したがって、本発明の本質的部分を変更しない範囲内において、上述の実施形態に対して種々の変形が施され得ることは、当然である。
【0130】
以下、代表的な変形例について、幾つか例示する。以下の変形例の説明において、上述の実施形態にて説明されているものと同様の構成及び機能を有する部材に対しては、上述の実施形態と同様の符号が用いられ得るものとする。そして、かかる部材の説明については、技術的に矛盾しない範囲内において、上述の実施形態における説明が援用され得るものとする。
【0131】
もっとも、言うまでもなく、変形例とて、以下に列挙されたもの限定されるものではない。また、複数の変形例が、技術的に矛盾しない範囲内において、適宜、複合的に適用され得る。
【0132】
本発明(特に、本発明の課題を解決するための手段を構成する各構成要素における、作用的・機能的に表現されているもの)は、上述の実施形態及び下記変形例の記載に基づいて限定解釈されてはならない。このような限定解釈は、(先願主義の下で出願を急ぐ)出願人の利益を不当に害する反面、模倣者を不当に利するものであって、発明の保護及び利用を目的とする特許法の目的に反し、許されない。
【0133】
(1)本発明の適用対象は、単色のレーザープリンタに限定されない。例えば、本発明は、カラーのレーザープリンタや、単色及びカラーの複写機等の、いわゆる電子写真方式の画像形成装置に対して、好適に適用され得る。このとき、感光体の形状は、上述の実施形態のようなドラム状でなくてもよい。例えば、平板状や無端ベルト状等であってもよい。
【0134】
あるいは、本発明は、上述の電子写真方式以外の方式(例えば、感光体を用いないトナージェット方式、イオンフロー方式、マルチスタイラス電極方式、等)の画像形成装置に対しても、好適に適用され得る。
【0135】
(2)第1除電用給電部VE及び第2除電用給電部VFの出力は、交流電圧でなくてもよく、極性も限定されない。
【0136】
(3)除電部材(第1除電部材64及び第2除電部材65)の配置や構成についても、特に限定はない。例えば、除電部材は、コロトロン型あるいはスコロトロン型の帯電器と同等の構成を有していてもよい。
【0137】
図7は、図2に示されているトナー供給装置6における第1除電部材64及び第2除電部材65の周囲の構成の一変形例を示す側断面図である。
【0138】
図7に示されているように、第1除電部材64と対向するように、第1グリッド電極66が設けられていてもよい。この第1グリッド電極66は、グリッド用給電部VG1と電気的に接続されている。また、第2除電部材65と対向するように、第2グリッド電極67が設けられていてもよい。この第2グリッド電極67は、グリッド用給電部VG2と電気的に接続されている。
【0139】
かかる構成においては、現像時及び非現像時に、以下のような動作が行われ得る。
【0140】
図中(i)で示されているように、現像時にて、第1除電用給電部VE及び第2除電用給電部VFからの、第1除電部材64及び第2除電部材65に対する給電が遮断される。このとき、グリッド用給電部VG1グリッド用給電部VG2により、第1グリッド電極66及び第2グリッド電極67の電位が、トナーTと同電位の負極性に設定される。これにより、第1除電部材64、第2除電部材65、第1グリッド電極66、及び第2グリッド電極67に対するトナーTの付着が抑制され得る。また、トナー搬送面TSからの不用意なトナーTの浮遊が抑制され得る。
【0141】
図中(ii)で示されているように、非現像時にて、第1除電用給電部VE及び第2除電用給電部VFにより、第1除電部材64及び第2除電部材65に対する給電が行われる。このとき、グリッド用給電部VG1グリッド用給電部VG2により、第1グリッド電極66及び第2グリッド電極67の電位が、接地電位(GND:0V)に設定される。これにより、トナー搬送面TSの除電が、より安定的に行われ得る。
【0142】
また、第1除電部材64及び第2除電部材65のうちのいずれか一方は、省略され得る。あるいは、最近接位置P0よりも前記トナー搬送方向における上流側及び下流側のうちのいずれか一方に、複数の除電部材が配置されていてもよい。
【0143】
また、除電部材は、トナー搬送面TSにおける、感光体ドラム3と対向する領域である対向領域(最近接位置P0の近傍の領域)と対向するように設けられ得る。この場合、除電部材の形状が適宜設定されることで、静電潜像の現像を妨げることなく、除電部材が前記対向領域に良好に配置され得る。
【0144】
また、除電部材が、グリッド電極だけから構成されていてもよい。この場合、グリッド電極の形状(グリッドを構成するワイヤ状部材の太さ、ワイヤ状部材間の距離あるいはメッシュの目の広さ、等)を適宜調整することで、静電潜像の現像を妨げることなく、除電部材をトナー通過孔61dの下方に配置することが可能となる。
【0145】
(4)上述の実施形態において、各搬送用給電部VA〜VDが発生する電圧の波形は、矩形状波形であったが、正弦波状波形や三角状波形等の他の形状の波形であってもよい。
【0146】
また、上記実施形態は、4つの搬送用給電部VA〜VDを備えるとともに各搬送用給電部VA〜VDが発生する電圧の位相が90°ずつ異なるように構成されていたが、3つの搬送用給電部を備えるとともに各搬送用給電部が発生する電圧の位相が120°ずつ異なるように構成されていてもよい。
【0147】
(5)その他、いちいち言及しないが、本発明の要旨を逸脱しない範囲内で、これら以外の種々の変形が可能である。
【0148】
また、本発明の課題を解決するための手段を構成する各要素における、作用・機能的に表現されている要素は、上述の実施形態や変形例にて開示されている具体的構造の他、当該作用・機能を実現可能ないかなる構造をも含む。
【図面の簡単な説明】
【0149】
【図1】本発明の実施形態に係るレーザープリンタの概略構成を示す側面図である。
【図2】図1に示されている感光体ドラムとトナー供給装置とが対向している部分を拡大した側断面図である。
【図3】図2に示されているトナー搬送体と感光体ドラムとが対向している部分を拡大した側断面図である。
【図4】図3に示されている搬送用給電部VAないしVDが発生する電圧の波形を示したグラフである。
【図5】図2に示されている第1除電部材の正面図である。
【図6】図3に示されているトナー搬送体における最近接位置P0の周辺を拡大して示す側断面図である。
【図7】図2に示されているトナー供給装置における第1除電部材及び第2除電部材の周囲の構成の一変形例を示す側断面図である。
【符号の説明】
【0150】
1…レーザープリンタ 2…用紙搬送機構 3…感光体ドラム
4…帯電器 5…スキャナーユニット 6…トナー供給装置
7…制御部 21…レジストローラ 22…転写ローラ
31…ドラム本体 32…感光層 61…トナーボックス
61a…頂板 61b…底板 61c…側板
61d…トナー通過孔 62…トナー搬送体 62a…中央構成部
62b…上流側構成部 62c…下流側構成部 62d…搬送電極
62e…支持板 62f…コーティング膜 63…アジテータ
64…第1除電部材 64a…突起 65…第2除電部材
66…第1グリッド電極 67…第2グリッド電極 A1…上流側除電領域
A2…下流側除電領域 C…中心軸 CP1…対向位置
CP2…対向位置 EA…搬送電極 EB…搬送電極
EC…搬送電極 ED…搬送電極 EF1…電界
EF2…電界 LB…レーザービーム LS…潜像形成面
P…用紙 P0…最近接位置 T…トナー
TS…トナー搬送面 VA…搬送用給電部 VB…搬送用給電部
VC…搬送用給電部 VD…搬送用給電部 VE…第1除電用給電部
VF…第2除電用給電部 VG1…グリッド用給電部 VG2…グリッド用給電部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
所定の主走査方向と平行に形成されていて電位分布による静電潜像が形成され得るように構成された潜像形成面を有するとともに、当該潜像形成面が前記主走査方向と直交する副走査方向に沿って移動し得るように構成された、静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体と対向するように配置されていて、現像剤を帯電した状態で前記潜像形成面に供給し得るように構成された現像剤供給装置と、
を備えた画像形成装置であって、
前記現像剤供給装置は、
前記副走査方向に沿って配列されていて、進行波状の電圧が印加されることで前記現像剤を所定の現像剤搬送方向に搬送し得るように構成された、複数の搬送電極と、
前記主走査方向と平行な現像剤搬送面を有し、その現像剤搬送面に沿って前記搬送電極が設けられ、前記現像剤搬送面が前記静電潜像担持体と対向するように配置された現像剤搬送体と、
前記潜像形成面と前記現像剤搬送面との間の距離が最短となる最近接位置よりも、前記現像剤搬送方向における上流側及び/又は下流側にて、前記現像剤搬送面と対向するように配置されていて、当該現像剤搬送面におけるチャージアップを気中放電によって抑制し得るように構成された除電部材と、
を備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項2】
請求項1に記載の画像形成装置であって、
前記除電部材が、前記現像剤搬送面における、前記静電潜像担持体と対向する領域である対向領域と対向するように設けられていることを特徴とする画像形成装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の画像形成装置において、
前記搬送電極に給電する搬送用給電部と、
前記除電部材に給電する除電用給電部と、
前記搬送用給電部及び前記除電用給電部の動作を制御する制御部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記除電部材に給電する場合に、前記除電部材よりも前記現像剤搬送方向における上流側に位置する前記搬送電極の給電を停止するように、前記搬送用給電部及び前記除電用給電部を制御することを特徴とする画像形成装置。
【請求項4】
請求項3に記載の画像形成装置であって、
前記制御部は、前記除電部材に給電する場合に、少なくとも前記除電部材よりも前記現像剤搬送方向における下流側に位置する前記搬送電極に給電すべく、前記搬送用給電部及び前記除電用給電部を制御するように構成されたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項5】
請求項3又は請求項4に記載の画像形成装置において、
前記現像剤搬送面と前記除電部材との間に介装されたグリッド電極をさらに備えたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項6】
請求項5に記載の画像形成装置において、
前記グリッド電極に給電するグリッド用給電部をさらに備え、
前記制御部は、
前記除電部材への給電を停止しつつ前記搬送電極に給電する場合に、前記グリッド電極の電位を前記現像剤の帯電極性と同極性に設定すべく、前記グリッド用給電部を制御するように構成されたことを特徴とする画像形成装置。
【請求項7】
所定の主走査方向と平行な面であって現像剤による画像が担持され得る現像剤像担持面を有するとともに当該現像剤像担持面が前記主走査方向と直交する副走査方向に沿って移動し得る現像剤像担持体に対して、前記現像剤を帯電した状態で所定の現像剤搬送方向に沿って供給し得るように構成された、現像剤供給装置において、
前記副走査方向に沿って配列されていて、進行波状の電圧が印加されることで前記現像剤を所定の現像剤搬送方向に搬送し得るように構成された、複数の搬送電極と、
前記主走査方向と平行な現像剤搬送面を有し、その現像剤搬送面に沿って前記搬送電極が設けられ、前記現像剤搬送面が前記現像剤像担持体と対向するように配置された現像剤搬送体と、
前記現像剤像担持面と前記現像剤搬送面との間の距離が最短となる最近接位置よりも、前記現像剤搬送方向における上流側及び/又は下流側にて、前記現像剤搬送面と対向するように配置されていて、当該現像剤搬送面におけるチャージアップを気中放電によって抑制し得るように構成された除電部材と、
を備えたことを特徴とする現像剤供給装置。
【請求項8】
請求項7に記載の現像剤供給装置であって、
前記除電部材が、前記現像剤搬送面における、前記現像剤像担持体と対向する領域である対向領域と対向するように設けられていることを特徴とする現像剤供給装置。
【請求項9】
請求項7又は請求項8に記載の現像剤供給装置において、
前記搬送電極に給電する搬送用給電部と、
前記除電部材に給電する除電用給電部と、
前記搬送用給電部及び前記除電用給電部の動作を制御する制御部と、
をさらに備え、
前記制御部は、前記除電部材に給電する場合に、前記除電部材よりも前記現像剤搬送方向における上流側に位置する前記搬送電極の給電を停止するように、前記搬送用給電部及び前記除電用給電部を制御することを特徴とする現像剤供給装置。
【請求項10】
請求項9に記載の現像剤供給装置であって、
前記制御部は、前記除電部材に給電する場合に、少なくとも前記除電部材よりも前記現像剤搬送方向における下流側に位置する前記搬送電極に給電すべく、前記搬送用給電部及び前記除電用給電部を制御するように構成されたことを特徴とする現像剤供給装置。
【請求項11】
請求項9又は請求項10に記載の現像剤供給装置において、
前記現像剤搬送面と前記除電部材との間に介装されたグリッド電極をさらに備えたことを特徴とする現像剤供給装置。
【請求項12】
請求項11に記載の現像剤供給装置において、
前記グリッド電極に給電するグリッド用給電部をさらに備え、
前記制御部は、
前記除電部材への給電を停止しつつ前記搬送電極に給電する場合に、前記グリッド電極の電位を前記現像剤の帯電極性と同極性に設定すべく、前記グリッド用給電部を制御するように構成されたことを特徴とする現像剤供給装置。
【請求項13】
帯電した現像剤を、電界により所定の現像剤搬送方向に沿って搬送し得るように構成された、現像剤電界搬送装置において、
前記現像剤による薄層が担持される現像剤担持面を有する現像剤担持体の移動方向に沿って配列されていて、進行波状の電圧が印加されることで前記現像剤を前記現像剤搬送方向に搬送し得るように構成された、複数の搬送電極と、
前記移動方向と交差する主走査方向と平行な現像剤搬送面を有し、その現像剤搬送面に沿って前記搬送電極が設けられ、前記現像剤搬送面が前記現像剤担持体と対向するように配置された現像剤搬送体と、
前記現像剤担持面と前記現像剤搬送面との間の距離が最短となる最近接位置よりも、前記現像剤搬送方向における上流側及び/又は下流側にて、前記現像剤搬送面と対向するように配置されていて、当該現像剤搬送面におけるチャージアップを気中放電によって抑制し得るように構成された除電部材と、
を備えたことを特徴とする現像剤電界搬送装置。
【請求項14】
請求項13に記載の現像剤電界搬送装置であって、
前記除電部材が、前記現像剤搬送面における、前記現像剤担持体と対向する領域である対向領域と対向するように設けられていることを特徴とする現像剤電界搬送装置。
【請求項15】
請求項13又は請求項14に記載の現像剤電界搬送装置において、
前記現像剤搬送面と前記除電部材との間に介装されたグリッド電極をさらに備えたことを特徴とする現像剤電界搬送装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公開番号】特開2008−26759(P2008−26759A)
【公開日】平成20年2月7日(2008.2.7)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−201493(P2006−201493)
【出願日】平成18年7月25日(2006.7.25)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】