説明

現像液容器

【課題】 共通のセンサにより現像液の粘度や液面レベル等の現像液の状態を検出することができる現像液容器を提供する。
【解決手段】
現像液の非攪拌時には所定の初期位置に位置し、攪拌手段による現像液の攪拌時には受圧部が現像液から圧力を受けて初期位置から変位するように構成された少なくとも一つの可動部材と、現像液の外部に設けられ、少なくとも、可動部材が初期位置にあるか否かを検出する位置検出手段と、駆動手段によって攪拌手段が回転駆動されている時に、可動部材が初期位置にあるか否かを位置検出手段にて検出することにより、現像液の液面の高さを検出する液面レベル検出手段と、可動部材が変位している場合に、駆動手段による攪拌手段の回転駆動が停止した後に、可動部材が初期位置に戻るまでの時間を測定することにより現像液の粘度を検出する粘度検出手段とを有する現像液容器を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、湿式画像形成装置に使用される現像液の粘度や現像液が収納される現像液容器内の現像液の液面の高さ等の現像液の状態を検出する現像液容器に関する。
【背景技術】
【0002】
トナーを記録紙に転写して画像を形成する装置として、キャリア液中にトナーを含んだ現像液を現像ローラ表面に担持させ、この現像液を感光ドラムに供給して現像を行う湿式画像形成装置が知られている。湿式画像形成装置で用いられるトナーは、紛状のトナーを使用する乾式画像形成装置で用いられるトナーよりも微細である為、一般に湿式画像形成装置は乾式画像形成装置よりも高画質な画像を形成できる。
【0003】
印刷される画像の濃淡は、現像液中のトナーの濃度によって変化する。印刷される画像を高品質に保つには、現像液中のトナーの濃度を適切な一定値に保つ必要がある。このため、従来、湿式画像形成装置においては、現像液中のトナー濃度を測定し、必要に応じてトナーまたはキャリア液を補充することにより、濃度を一定に保っていた。現像液中のトナーの濃度を測定する方法としては、現像液中に光検出器を設置し、現像液容器外部から光を光検出器に照射し、現像液を透過して光検出器で受光された光の強度から現像液中のトナーの濃度を検出する方法が一般的に採用されている。
【0004】
また、現像液中のトナーの濃度と現像液の粘度との相関性を利用して、現像液の粘度から現像液中のトナーの濃度を検出する方法も知られている。例えば、特許文献1には、現像液が静止している状態の現像液容器内に、駆動手段によって回転移動される可動部材を配置し、回転中に可動部材に加わる抵抗等を測定することにより、現像液の粘度を測定し、その粘度からトナーの濃度を算出する装置が開示されている。
【0005】
さらに、現像液容器においては、補充されたトナー及びキャリア液によって現像液があふれないように、現像液の量(液面レベル)も監視する必要がある。現像液の量を測定する方法としては、液面に光や超音波を照射して液面までの距離を測定する方法が一般的に採用されている。
【0006】
【特許文献1】特開平10−198176号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
しかし、上述のような粘度を測定するためのセンサや、液面レベルを測定する光或いは超音波センサは高価である。また、粘度や液面レベル等の現像液の状態を検出するためには、粘度測定、液面レベル測定等に対しそれぞれ個別のセンサが必要であるため、現像液容器には複数種類のセンサが設けられなければならなかった。
【0008】
そこで本発明は、以上の事情に鑑み、共通のセンサにより現像液の粘度や液面レベルを検出することができる現像液容器を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するため、本発明では、回転することによって現像液容器中の現像液を撹拌する攪拌手段と、攪拌手段を回転駆動する駆動手段と、現像液の攪拌時に、少なくとも一部が現像液中に浸された時に現像液から圧力を受ける受圧部を有し、現像液の非攪拌時には所定の初期位置に位置し、攪拌手段による現像液の攪拌時には受圧部が現像液から圧力を受けて初期位置から変位するように構成された少なくとも一つの可動部材と、現像液の外部に設けられ、少なくとも、可動部材が初期位置にあるか否かを検出する位置検出手段と、駆動手段によって攪拌手段が回転駆動されている時に、可動部材が初期位置にあるか否かを位置検出手段にて検出することにより、現像液の液面の高さを検出する液面レベル検出手段と、可動部材が変位している場合に、駆動手段による攪拌手段の回転駆動が停止した後に、可動部材が初期位置に戻るまでの時間を測定することにより現像液の粘度を検出する粘度検出手段と、を有することを特徴とする現像液容器を提供する。
【0010】
したがって、本発明によれば、現像液に浸される可能性のある可動部材が初期位置にあるか否かを検出可能な光センサ等の位置検出手段による検出結果により、その可動部材の配置されている位置まで現像液の液面高さがあるかどうかを検出することができる。また、可動部材が現像液に浸って変位している場合、モータ等を備えた攪拌手段の停止後に、その光センサ等の位置検出手段による検出結果により、可動部材が初期位置に戻るまでの時間(回復時間)を測定することができる。当該回復時間と現像液の粘度とには相関関係があるため、回復時間から粘度を求めることができる。したがって、共通のセンサにより、現像液の粘度や液面高さを検出することができる。
【0011】
また、本発明に係る現像液容器は、現像液の液面がそれぞれ異なる高さ以上のときに一部が現像液中に浸される、少なくとも2つの可動部材を有し、液面レベル検出手段は、何れかの可動部材が初期位置にあるか否かを位置検出手段にて検出することにより、少なくとも3つの液面の高さを検出可能であることを特徴とする。したがって、複数の可動部材を用いることにより、複数の液面レベルを測定することができる。
【0012】
また、本発明の係る現像液容器は、現像液容器は現像液を保持する円筒状の保持容器を有し、少なくとも2つの可動部材は、現像液中に浸される最低高さが低いものから順番に、保持容器の中心寄りから保持容器の周面側に向かって配置されることを特徴とする。さらに、少なくとも2つの可動部材は、現像液外部に位置する回転中心軸を中心に回転することにより初期位置から変位し、少なくとも2つの可動部材の回転中心軸は、同一の軸上に配置されることを特徴とする。
【0013】
或いは、本発明に係る現像液容器は、現像液容器は現像液を保持する円筒状の保持容器を有し、撹拌手段の回転軸は、保持容器の中心軸に等しく、少なくとも2つの可動部材は、回転軸を中心とした円状に配置されることを特徴とする。また、少なくとも2つの可動部材は、現像液外部に位置する回転中心軸を中心に回転することにより初期位置から変位することを特徴とする。
【0014】
また、可動部材は、その回転中心軸を隔てて現像液から離れた位置にあり可動部材の変位に対応して移動する被検出部を有し、位置検出手段は、当該被検出部の位置を検出することにより、可動部材が初期位置にあるか否かを検出することを特徴とする。
【0015】
また、現像液の液面が所定の高さを超えた場合に、少なくとも2つの可動部材のうち少なくとも1つを強制的に変位させる少なくとも1つの変位補助手段を有することを特徴とする。具体的には、変位補助手段は、現像液の攪拌時に、少なくとも一部が現像液中に浸された時に現像液から圧力を受ける受圧部を有し、該受圧部が現像液から圧力を受けて変位補助手段が変位することにより、少なくとも1つの可動部材を強制的に変位させることを特徴とする。また、変位補助手段は、少なくとも一つの可動部材に当接する突起部を有し、変位補助手段が変位した時に、突起部が少なくとも一つの可動部材に当接することによって、少なくとも一つの可動部材が変位補助手段に連動して変位することを特徴とする。
【0016】
また、可動部材の受圧部は、現像液から圧力を受ける面を有する板状の形状を有すると共に、少なくとも一つの貫通穴が形成されていることを特徴とする。また、変位補助手段の受圧部は、現像液から圧力を受ける面を有する板状の形状を有すると共に、少なくとも一つの貫通穴が形成されていることを特徴とする。
【0017】
また、本発明に係る現像液容器は、攪拌手段を回転駆動させるのに必要なトルクを検出するトルク検出手段をさらに有し、液面レベル検出手段は、位置検出手段による検出結果とトルク検出手段による検出結果とに基づいて現像液の液面の高さを検出することを特徴とする。また、本発明に係る現像液容器は、現像液の温度を測定する温度計測手段をさらに有し、粘度検出手段は、駆動手段による攪拌手段の回転駆動が停止した後に可動部材が初期位置に戻るまでの時間と、温度計測手段によって計測された温度とに基づいて、現像液の粘度を検出することを特徴とする。
【発明の効果】
【0018】
したがって発明によれば、共通のセンサにより現像液の粘度や液面レベルを検出することができる現像液容器を提供することが可能となる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0019】
図面を参照して本発明の実施形態を説明する。図1は、湿式プリンタ100の構成を示す側断面図である。また、図2は、図1の背面側から湿式プリンタ100を見た図であり、現像ユニット50に現像液を供給する現像液容器3、現像液容器3に現像液を補給する現像液予備容器5、現像液容器3にキャリア液を補給するキャリア液予備容器7、現像液予備容器5から現像液を現像液容器3に搬送するのに使用される現像液補給ポンプ9、現像液容器3から現像液を現像ユニット50に搬送する現像液循環ポンプ11の構成の概略を示す図である。
【0020】
湿式プリンタ100は、キャリア液中にトナーを含んだ現像液を用い、コンピュータ等の外部機器から入力される文字・画像情報に基づいて、電子写真法によって記録紙P1に印刷して出力する装置である。
【0021】
湿式プリンタ100は、文字・画像情報に応じて変調されたレーザ光を出力するレーザスキャニングユニット(Laser Scanning unit、以下、LSUと略記)30と、該レーザ光の照射により感光ドラム55上に形成された静電潜像を電子写真法によって現像して、トナー像を生成する現像ユニット50と、現像ユニット50で現像されたトナー像を転写位置において記録紙P1上に転写する転写ユニット70と、搬送機構により搬送される記録紙P1上に転写されたトナー像を定着させる定着ユニット80と、記録紙P1を搬送する搬送ユニット90とを有する。
【0022】
現像ユニット50は、保持ローラ51、現像液を計量するための計量ローラ52、計量ローラ52の表面の現像液を均一厚さにする計量ローラブレード52a、計量ローラ52から供給された現像液を担持する現像ローラ53、現像ローラ53表面から現像液を掻き取り除去する現像ローラクリーニングブレード53a、現像ローラ53を帯電させる現像ローラ用帯電コロナ54、LSU30からのレーザ光によって静電潜像が形成される感光ドラム55、感光ドラム55表面を一様に帯電させる感光ドラム用帯電コロナ57、感光ドラム55からキャリア液を回収するスクイーズドローラ58、現像ユニット50で発生した残留現像液を湿式プリンタ100内に配置された現像液容器(不図示)に戻すスクリュー59を有する。
【0023】
現像液は、現像液パイプ49を経由、現像液容器3から保持ローラ51と計量ローラ52との転接部上方へと供給される。計量ローラ52で計量された現像液は、現像ローラ53に塗布される。一方、感光ドラム55では、感光ドラム用帯電コロナ57により一様な電位に帯電されたドラム表面にレーザ光が照射され、照射された部分は一様な電位に比べて電位が下がる。この一様な電位と比べて電位が下がった部分が静電潜像となる。現像ローラ53に塗布された現像液のトナーは帯電しており、感光ドラム55の静電潜像の部分に吸着される。こうして静電潜像は現像され、トナー像が形成される。
【0024】
転写ユニット70は、中間転写ローラ71と二次転写ローラ73とを有する。中間転写ローラ71はトナーと逆極性の電圧が印加されており、感光ドラム55表面のトナー像は、感光ドラム55と中間転写ローラ71との転接部において、中間転写ローラ71表面に一次転写される。二次転写ローラ73は、記録紙P1の搬送路を挟んで中間転写ローラ71と対向する位置に設置され、中間転写ローラ71よりも高電圧の逆極性の電圧が印加されている。そのためトナー像は二次転写ローラ73の方向に吸引され、中間転写ローラ71表面に転写されたトナー像は、二次転写ローラ73との転接部において記録紙P1に転写される。
【0025】
定着ユニット80は、記録紙P1を加熱するヒートローラ81と、搬送路を挟んでヒートローラ81と対向した位置に設置され、自身とヒートローラ81とによって記録紙P1を挟んで加圧するプレスローラ82とから構成されている。この定着ユニット80によって、記録紙P1上のトナー像は加熱及び加圧によって記録紙P1に定着される。
【0026】
搬送ユニット90は、ロール状の記録紙P1が設置されるロール軸91、記録紙P1を搬送する給紙駆動ローラ93、給紙駆動ローラ93と転接する給紙従動ローラ94、給紙駆動ローラ93を駆動する駆動モータ95、給紙センサ97を有する。記録紙P1は給紙駆動ローラ93により搬送され、記録紙P1が給紙センサ97を通過したときを基準として、LSU30の発光するタイミングが湿式プリンタ100の制御部で計算される。記録紙P1が給紙センサ97を通過したときを基準としてLSU30が発光するタイミングが制御されるので、記録紙P1の適切な位置に印刷を行なうことができる。
【0027】
制御部300は、現像液容器3、現像液補給ポンプ9、現像液循環ポンプ11等を制御する機能を有する。制御部300は、現像液容器3内の現像液の量が所定の量よりも減ったことを検出すると、現像液予備容器5から予備の現像液が現像液容器3に補給されるよう現像液補給ポンプ9を駆動する。また、湿式プリンタ100の動作中には、現像液容器3内の現像液は、現像液循環ポンプ11によって現像ユニット50に搬送される。現像液循環ポンプ11の吐出口は現像液パイプ49に繋がっている。
【0028】
現像液容器3及び現像液予備容器5内の現像液は、約30%がトナーで、残りの約70%がキャリア液となるように構成されている。印刷される画像等は、トナーの比率が高くなると濃くなり、低くなると淡くなる。現像液容器3内の現像液のトナーの濃度は、現像液予備容器5から予備の現像液が現像液容器3に、キャリア液予備容器7から予備のキャリア液が現像液容器3に補給されて、現像液のトナーの濃度が一定に調整され、印刷される画像の品質が一定に保たれている。
【0029】
現像液容器3は、保持容器103、攪拌装置104、側部開口部106を有する。保持容器103は筒状の形状をしており底部は閉塞され上部は開口している。側部開口部106は保持容器103の周面に設けられている。湿式プリンタ100において使用される現像液は、比較的粘度が高い為、放置すると半固形物となり流動性が失われてしまう。したがって、保持容器103内では、攪拌装置104によって現像液が攪拌される。前述した現像ユニット50のスクリュー59(図1参照)の軸の延長線上には開口部が形成されており、その開口部はパイプを通じて側部開口部106に繋がっている。すなわち、スクリュー59により搬送された現像液は、側部開口部106から保持容器103に戻されるように構成されている。
【0030】
以下、本発明の第一の実施形態の現像液容器3Aについて説明する。図3は、本実施形態の現像液容器3Aを示す部分破断斜視図である。なお、現像液容器3Aは、図2に示す現像液容器3と置き換えられるものとする。また、現像液容器3Aの構成部材は、現像液容器3に含まれる部材と同一の部材も含むため、それら同一の部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0031】
図3は、現像液容器3Aの構成を説明するために、保持容器103の一部を取り除いた状態を示している。攪拌装置104は、駆動モータ119と、駆動モータ119により回転される回転軸113と、回転軸113が回転中心となるように回転軸113の一端に固定された攪拌部111とを有する。現像液の撹拌時には、駆動モータ119は攪拌部111を矢印A方向に回転させ、現像液を矢印A方向に回転させて撹拌させる。
【0032】
また、現像液容器3Aは、3つのセンサユニット115を有する。各センサユニット115は、フォトセンサ117と可動部材121とバネ123とをそれぞれ一つずつ有する。フォトセンサ117は現像液容器3Aまたは湿式プリンタ100本体に固定されている。可動部材121は、現像液から圧力を受ける受圧部125、現像液容器3Aまたは湿式プリンタ100本体に固定された固定軸126に軸支される軸受け部127、フォトセンサ117に検知される被検知部129をそれぞれ有する。受圧部125は、平板状又は棒状の形状を有する。被検知部129は、軸受け部127を中心として、受圧部125と対称となる位置にある。現像液が受圧部125へ付着することを防止するため、受圧部125の表面は撥水処理または撥油処理がなされている。なお、本実施形態においてはセンサユニット115にフォトセンサを用いたが、フォトセンサに限定されず磁場を用いた近接センサ等であって可動部材の動作を検知可能なセンサが使用されてもよい。
【0033】
図4(a)は、センサユニット115の断面図であって、固定軸126の軸方向から見た図である。フォトセンサ117は、発光素子(不図示)と受光素子131とを有する。発光素子は、受光素子131と対向する位置に配置されており、受光素子131に向けて光を照射している。発光素子からの光が被検知部129によって遮られていない時がフォトセンサ117のオフ状態であり、発光素子からの光が被検知部129によって遮られるとフォトセンサ117はオン状態となる。フォトセンサ117のオフ状態は、可動部材121は液面に対してほぼ垂直な状態を示す。フォトセンサ117のオン状態は、可動部材121が液面に対して傾いた状態を示す。またシステムの要件により、発光素子からの光が被検知部129によって遮られていない時をフォトセンサ117のオン状態とし、発光素子からの光が被検知部129によって遮られている時をフォトセンサ117のオン状態となるようにセンサユニット115を構成してもよい。なお、図4において示される受光素子131の形状および大きさは一例に過ぎず、フォトセンサ117に対する大きさ、位置、形状は実施状態に合わせて適宜設定可能である。例えば、長方形の長辺方向の長さを短くしてもよいし、短辺方向をさらに狭くしてもよい。また、よりフォトセンサ117のコの字開放側(図中右側)へ配置させてもよい。
【0034】
バネ123の一方の端は可動部材121の被検知部129に、もう一方の端は現像液容器3Aまたは湿式プリンタ100本体に固定されている。可動部材121は、バネ123によって液面に対して垂直となるように付勢されている。したがって、現像液が撹拌されていないときや可動部材121が液面に浸っていない場合には、可動部材121は現像液の液面に対して垂直な位置となる初期位置にある。また、受圧部125の先端部が現像液に浸っている場合でも、駆動モータ119の停止による現像液の撹拌終了後、所定時間経過した後には、可動部材121は初期位置に戻される。
【0035】
図4(b)は、現像液の攪拌中のセンサユニット115の断面図である。なお、図4(b)では、可動部材121の受圧部125の一部が現像液に浸かっており、駆動モータ119の回転により現像液がA方向に撹拌されている状態を示す。現像液がA方向に攪拌されると、受圧部125の先端部は現像液から受ける圧力によりA方向に移動すると共に、被検知部129の先端部はバネ123の付勢力に逆らってB方向に移動する。すなわち、可動部材121は、固定軸126を中心として反時計回りに所定量回転する。このとき、被検知部129の先端部が発光素子からの光を遮りフォトセンサ117はオン状態となる。
【0036】
このとき現像液の液面の高さが一定である場合、駆動モータ119が停止されてから可動部材121が初期位置に戻るまでの時間(以下、回復時間と呼ぶものとする)と、現像液の粘度とには比例関係がある。したがって、所定の液面の高さにおける可動部材121の当該比例関係を予めデータとして採取しておくことにより、可動部材121の回復時間を測定することによって現像液の粘度を検出できる。
【0037】
また、現像液の粘度と現像液中のトナーの濃度とは、現像液の温度が一定の場合、ほぼ比例する。但し、粘度は温度によって変化する。従って、現像液容器3A内に現像液に接するように温度計を設置し、現像液の温度と、上述の方法により回復時間を測定することにより、現像液のトナーの粘度をより正確に検出できる。これにより現像液のトナー濃度を検出できる。このため現像液予備容器5から提供される現像液と、キャリア液予備容器7から提供されるキャリア液とを、現像液容器3Aに適量補充することにより現像液のトナーの濃度を一定に調節でき、印刷される画像の品質を一定に保つことが可能となる。
【0038】
図5は、可動部材121の回復時間を計測する制御系のブロック図である。本制御系は制御部300に含まれる。制御部300は、CPU120と、時計122と、メモリ128を有している。現像液の粘度を計測する時には、手動または自動でCPU120に駆動モータ119の回転を停止する指示が出される。当該指示を受けたCPU120は駆動モータ119を制御する駆動回路124に指示を出し、駆動モータ119の回転を停止させる。また、CPU120は駆動モータ119を停止した時刻を、メモリ128に記録する。その後、CPU120はフォトセンサ117がオフ状態となった時刻を取得してメモリ128に記録する。そして、CPU120は、駆動モータ119が停止された時刻とフォトセンサ117がオフ状態となった時刻の差である、回復時間を算出する。さらに、CPU120は、算出した回復時間に基づいて、現像液の粘度を検出する。粘度を検出するための上述のような比例関係を示すデータはメモリ128に格納されている。なお、時計122は、駆動モータ119を停止する指令が出されてからフォトセンサ117がオフ状態となるまでの回復時間を計測する機能を有していても良い。
【0039】
図3から図5に示した現像液容器3Aでは、3つのセンサユニット115はそれぞれ独立して機能する。例えば、各センサユニット115は、攪拌装置104の回転軸113近傍から保持容器103の周囲に向けて、徐々に受圧部121の長さが短くなるように可動部材121が配列される。各センサユニット115において、それぞれ受圧部121の長さを異なるものとすることにより、4段階の液面レベルを検出することができる。
【0040】
図3では、3組のセンサユニット115を示した。しかし、1組のセンサユニット115のみでも、現像液の粘度を検出することができる。1組のみのセンサユニット115を用いて現像液の粘度を検出する場合には、受圧部125の長手方向の長さが最も長く、最も低い液面の高さでも現像液に浸されるセンサユニット115を使用することが望ましい。
【0041】
以下、本発明の第二の実施形態の現像液容器3Bについて説明する。図6は、現像液容器3Bを示す部分破断斜視図である。現像液容器3Bは、図3に示す現像液容器3Aの構成に加えて、変位補助部材221を付加した構成を有する。なお、現像液容器3Bは、現像液容器3A同様、図2に示す現像液容器3と置き換えられる。また、上述した現像液容器3および現像液容器3Aの部材と同一の部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0042】
現像液容器3Bは、3つのセンサユニット115を有し、それらは攪拌装置104側から保持容器103の周面に向けて、センサユニット115a、センサユニット115b、センサユニット115cの順に配列されている。図3に示した現像液容器3Aのように、センサユニット115は、攪拌装置104の回転軸113に近いほど、受圧部125が長い。
【0043】
変位補助部材221は、バネ223、現像液から圧力を受ける受圧部225d、固定軸126に軸支される軸受け部227d、アーム229d、受圧部225dの先端部近傍から突出した突起部233を有する。なお、変位補助部材221は、センサユニット115a、センサユニット115b、センサユニット115cとは異なり、センサを伴わない構成となっている。変位補助部材221が液面に対して垂直となるように、変位補助部材221のアーム229dはバネ223によって付勢されている。なお、センサユニット115a、センサユニット115b、センサユニット115cそれぞれにおける現像液の粘度の検出方法に関しては、第一の実施形態に示した現像液容器3Aの場合と同様であるため、説明を省略する。
【0044】
センサユニット115a、センサユニット115b、センサユニット115cは、保持容器103の周面から回転軸113に向って垂直に延びた固定軸126に、それぞれの軸受け部127が軸支されて配置されている。撹拌時において、保持容器103中では、回転軸113に近くなるほど現像液の回転力(回転速度)は弱く(遅く)なり、回転軸113から遠くなるほど現像液の回転力(回転速度)は強く(速く)なる。したがって、回転軸113から遠いほど、受圧部125に与える圧力が大きくなる。すなわち、現像液の圧力が大きいほど、受圧部125の単位面積に与える力が大きい。つまり、回転軸113から遠い位置では、受圧部125の面積は小さくても可動部材121は大きな力を受ける。逆に、回転軸113に近い位置では、受圧部125の面積を大きくないと可動部材121は十分な力を受けることができない。したがって、可動部材121は、受圧部125の長手方向の長さが長いもの(すなわち受圧面積が大きいもの)から順に、回転軸113から保持容器103の周面方向へ配置されている。また、言い換えれば、可動部材121は、可動部材121が移動を開始する現像液の液面の高さが低いものから順番に、回転軸113から保持容器103の周面方向へ配置されている。
【0045】
図7から図11は、センサユニット115と現像液との関係を示す図であり、それぞれ固定軸126の軸方向から見た図である。なお、本発明の実施形態の現像液容器3Bでは、5段階の液面レベルを検出可能であり、液面レベルが低いほうからレベル1、レベル2、レベル3、レベル4、レベル5と称すものとする。
【0046】
図7は、現像液の液面がレベル1の場合を示す図である。レベル1は、液面が受圧部125aの先端部よりも低い位置を示すものである。この場合、現像液から圧力を受ける受圧部125は存在しないため、オン状態となるフォトセンサは存在しない。すなわち、フォトセンサ117a、117b、117cは全てオフである。
【0047】
図8は、現像液の液面がレベル2の場合を示す図である。レベル2は、液面がレベル1よりも高く、受圧部125bの先端部よりも低い位置を示すものである。したがって、レベル2では、可動部材121aの受圧部125aのみが現像液から受ける力によってA方向に移動する。そのため被検知部129aが受光素子131aに入射する光を遮り、フォトセンサ117aがオン状態となる。
【0048】
図9は、現像液の液面がレベル3の場合を示す図である。レベル3は、液面がレベル2よりも高く、受圧部125cの先端部よりも低い位置を示すものである。したがって、レベル3では、可動部材121aの受圧部125aだけではなく、可動部材121bの受圧部125bもまた現像液から受ける力によってA方向に移動する。そのためフォトセンサ117aとフォトセンサ117bとがオン状態となる。
【0049】
図10は、現像液の液面がレベル4の場合を示す図である。レベル4は、液面がレベル3よりも高く、変位補助部材221の受圧部225dの先端部よりも低い位置を示すものである。したがって、受圧部125a、125b、125cが現像液から受ける力によってA方向に移動する。そのためフォトセンサ117aとフォトセンサ117bとフォトセンサ117cとがオン状態となる。
【0050】
図11は、現像液の液面がレベル5の場合を示す図である。レベル5は、液面がレベル4よりも高い位置を示すものである。したがって、受圧部125a、125b、125c、225dが現像液から受ける力によってA方向に移動する。また、レベル5は、保持容器103から現像液がオーバーフローする又はオーバーフローする寸前の位置を示す。
【0051】
図12は、変位補助部材221の外観図を示す。本実施形態においては、変位補助部材221の受圧部225dの先端部近傍には、受圧部225dの長手方向に垂直な方向に突出した突起部233が設置されている。突起部233は、変位補助部材221の受圧部225dの先端部がA方向に移動したとき、変位補助部材221から見て回転軸113側にある全ての可動部材121に突起部233が係合するだけの長さを有する。変位補助部材221は、他の可動部材121と比して回転軸113から最も遠くに配置される。また、現像液の回転力は最も強くなるので、受圧部225dは他の受圧部よりも、その回転角が最も大きくなる。このとき、変位補助部材221の突起部233は、受圧部125aと、受圧部125bと、受圧部125cとに当接し、各受圧部125の位置を受圧部225dと平行な位置まで回転させる。
【0052】
各受圧部125の位置が受圧部225dと平行な位置となり、且つ各被検知部129が各受光素子131を通り過ぎ全てのフォトセンサ117が全てオフ状態となるときを現像液の液面がレベル5であるものとする。(図11参照)。なお、レベル1およびレベル5では、全てのフォトセンサ117がオフ状態である。以下、レベル1とレベル5とを識別する方法について説明する。
【0053】
図13は、駆動モータのトルクと、現像液の液面の高さとの関係を示すグラフである。駆動モータのトルクは、駆動モータに供給される電流から求めることができる。駆動モータのトルクと、液面の高さとには、ほぼ比例関係がある。なお、駆動モータのトルクは、制御部300により検出可能である。
【0054】
駆動モータのトルクには、レベル1の液面に相当するトルク領域と、レベル5の液面に相当するトルク領域とがある。フォトセンサ117が全てオフ状態にある時に駆動モータのトルクを所定のトルクTと比較した場合、駆動モータのトルクがトルクTよりも大きい場合には液面はレベル5にあり、駆動モータのトルクがトルクTよりも小さい場合には液面はレベル1にあるものと、判別される。なお、検出されるトルクの精度は高いとはいえないため、レベル1からレベル5の各レベルを厳密に分けることはできないが、トルクの差が大きいレベル1とレベル5とを比較することは十分可能である。
【0055】
図14は、フォトセンサ117のオン・オフおよび駆動モータのトルクの大小と、液面のレベルとを関連付けたテーブルである。本テーブルは制御部300により保持されている。駆動モータのトルクがトルクTよりも小さく、全てのフォトセンサ117がオフである場合には、液面はレベル1にあると判別される。フォトセンサ117aがオンで、フォトセンサ117b及びフォトセンサ117cがオフである場合には、液面はレベル2にあると判別される。フォトセンサ117a及びフォトセンサ117bがオンで、フォトセンサ117cがオフである場合には、液面はレベル3にあると判別される。全てのフォトセンサ117がオンである場合には、液面はレベル4にあると判別される。駆動モータのトルクがトルクTよりも大きく、全てのフォトセンサ117がオフである場合には、液面はレベル5にあると判別される。
【0056】
図15は、現像液の液面のレベルを判別する制御系(制御部300に含まれる。図5と同一の要素には同一の符号を示す)を示すブロック図である。フォトセンサ117a、フォトセンサ117b、及びフォトセンサ117cのオン・オフ結果と、駆動回路124においてモニタされる電流値とがCPU120に送信される。CPU120は、上記フォトセンサ117のオン・オフ結果と、駆動回路124の電流値から算出されたトルクとを使用して、図14に示されるテーブルに基づいて、現像液の液面のレベルを検出する。
【0057】
以上のように、液面のレベルに応じてオン・オフされるセンサユニット115を複数、配置することによって、液面のレベルを検出することが可能となる。また、センサを伴わない変位補助部材221を少なくとも一つ以上のセンサユニット115に設置することにより、センサの数を増やすことなく、検出する液面のレベルを増やすことが可能となる。言い換えれば、検出可能なレベルの数に対してセンサの数を減らすことができ、コストダウン及び装置の簡易化が可能となる。なお、変位補助部材221を有さない構成(即ち、第一実施形態の構成)であっても、レベル1〜4の液面の高さを検出することは可能である。
【0058】
次に、本発明の第三の実施形態の現像液容器3Cについて説明する。図16は、現像液容器3Cを示す部分破断斜視図である。現像液容器3Cは、現像液容器3A,3B同様、図2に示す現像液容器3と置き換えられる。また、上述した現像液容器3,3A,3Bの部材と同一の部材には同一の符号を付して説明を省略する。図17は、現像液容器3Cを保持容器103の上方からみた断面図である。
【0059】
現像液容器3Cでは、センサユニット115aと、センサユニット115bと、センサユニット115cとは回転軸113を中心とした円133上に配置されている。センサユニット115は、受圧部125が短いものから現像液の流れ方向上流側から順に配置されており、その順番は上流側から順にセンサユニット115c、センサユニット115b、センサユニット115aとなっている。現像液はA方向に回転するように撹拌されるため、現像液は遠心力によって僅かに外周側に集まるようにして回転する。そのため保持容器103内の現像液の液面は、回転軸113付近よりも現像液容器外周付近のほうが僅かに高くなっている。現像液容器3Cでは、センサユニット115が同一の円133上に配置されるため、回転軸113付近と現像液容器外周付近との液面の高低差の影響を受けることがない。
【0060】
以上の第三の実施形態に係る現像液容器3Cでは、第一の実施形態に記載された方法と同様の方法によって、現像液の粘度及び現像液の液面の高さを検出することが可能である。また、センサユニット115を円133上に配置することによって、回転軸113付近と現像液容器外周付近との液面の高低差の影響をキャンセルできるため、現像液の液面の高さの検出精度を向上することが可能となる。さらに、変位補助部材をセンサユニットの測部に追加する事により、センサの数を増やすことなく、検出する液面のレベルの数を増やすことが可能となる。
【0061】
次に、本発明の第四の実施形態の現像液容器3Dについて説明する。図18は、現像液容器3Dを示す部分破断斜視図である。現像液容器3Dは、現像液容器3C同様、図2に示す現像液容器3と置き換えられる。また、上述した現像液容器Cの部材と同一の部材には同一の符号を付して説明を省略する。
【0062】
現像液容器3Dでは、可動部材121の受圧部125に貫通穴135が形成されている。受圧部125に貫通穴135を設けることによって、撹拌される現像液は貫通穴135を通過するので、現像液の流れが乱れることが防止される。また穴135によって受圧部125に加わる現像液の圧力を減らすことができるので、穴135は可動部材121の受圧部125に加わる現像液の圧力を調節するときにも適宜設けられる。以上の第四の実施形態でも、第一の実施形態に記載された方法と同様の方法によって、現像液の粘度及び現像液の液面の高さを検出することが可能である。
【0063】
以上説明した全ての実施形態において、可動部材の重量や形状の変更、可動部材を付勢するバネのバネ係数の調整、または駆動モータの回転数の調整等により、様々な粘度測定範囲を低コストで簡単に設定できる。また、高価な粘度センサの代わりに、安価なセンサを使用することができ、装置のコストダウンが可能となる。また、本構成のみで現像液の液面の高さ及び現像液の粘度の検出が可能であり、装置の小型化とコストダウンが可能となる。
【図面の簡単な説明】
【0064】
【図1】図1は、湿式プリンタの構成を示す側断面図である。
【図2】図2は、図1の背面側から湿式プリンタを見た図である。
【図3】図3は、第一の実施形態の現像液容器を示す図である。
【図4】図4(a)は、センサユニットの断面図である。 図4(b)は、現像液の攪拌中のセンサユニットの断面図である。
【図5】図5は、可動部材121の回復時間を計測する制御系のブロック図である。
【図6】図6は、第二の実施形態の現像液容器を示す図である。
【図7】図7は、センサユニットと現像液との関係を示す図である(レベル1)。
【図8】図8は、センサユニットと現像液との関係を示す図である(レベル2)。
【図9】図9は、センサユニットと現像液との関係を示す図である(レベル3)。
【図10】図10は、センサユニットと現像液との関係を示す図である(レベル4)。
【図11】図11は、センサユニットと現像液との関係を示す図である(レベル5)。
【図12】図12は、変位補助部材221の外観図である。
【図13】図13は、駆動モータのトルクと、現像液の液面の高さとの関係を示すグラフである。
【図14】図14は、フォトセンサのオン・オフと、駆動モータのトルクの大小と、液面のレベルとを関連付けたテーブルを示す図である。
【図15】図15は、現像液の液面のレベルを判別する制御系を示すブロック図である。
【図16】図16は、第三の実施形態の現像液容器を示す図である。
【図17】図17は、図16の現像液容器を上方からみた断面図である。
【図18】図18は、第四の実施形態の現像液容器を示す図である。
【符号の説明】
【0065】
3 3A 3B 3C 3D 現像液容器
5 現像液予備容器
7 キャリア液予備容器
9 現像液補給ポンプ
11 現像液循環ポンプ
100 湿式プリンタ
104 攪拌装置
111 攪拌部
113 回転軸
115 115a 115b 115c 221 センサユニット
117 フォトセンサ
119 駆動モータ
120 CPU
121 121a 121b 121c 221 可動部材
122 時計
123 123a 123b 123c 223 バネ
124 駆動回路
125 125a 125b 125c 受圧部
127 127a 127b 127c 軸受け部
129 129a 129b 129c 被検知部
131 131a 131b 131c 受光素子
133 円
135 穴
221 変位補助部材
229d アーム
233 突起部

【特許請求の範囲】
【請求項1】
回転することによって現像液容器中の現像液を撹拌する攪拌手段と、
前記攪拌手段を回転駆動する駆動手段と、
現像液の攪拌時に、少なくとも一部が現像液中に浸された時に現像液から圧力を受ける受圧部を有し、現像液の非攪拌時には所定の初期位置に位置し、前記攪拌手段による現像液の攪拌時には前記受圧部が現像液から圧力を受けて前記初期位置から変位するように構成された少なくとも一つの可動部材と、
前記現像液の外部に設けられ、少なくとも、前記可動部材が初期位置にあるか否かを検出する位置検出手段と、
前記駆動手段によって前記攪拌手段が回転駆動されている時に、前記可動部材が初期位置にあるか否かを前記位置検出手段にて検出することにより、前記現像液の液面の高さを検出する液面レベル検出手段と、
前記可動部材が変位している場合に、前記駆動手段による前記攪拌手段の回転駆動が停止した後に、前記可動部材が初期位置に戻るまでの時間を測定することにより現像液の粘度を検出する粘度検出手段と、を有することを特徴とする現像液容器。
【請求項2】
現像液の液面がそれぞれ異なる高さ以上のときに一部が現像液中に浸される、少なくとも2つの可動部材を有し、
前記液面レベル検出手段は、何れかの可動部材が初期位置にあるか否かを前記位置検出手段にて検出することにより、少なくとも3つの液面の高さを検出可能であること、
を特徴とする請求項1に記載の現像液容器。
【請求項3】
前記現像液容器は現像液を保持する円筒状の保持容器を有し、
前記少なくとも2つの可動部材は、現像液中に浸される最低高さが低いものから順番に、前記保持容器の中心寄りから前記保持容器の周面側に向かって配置されること、を特徴とする請求項2に記載の現像液容器。
【請求項4】
前記少なくとも2つの可動部材は、現像液外部に位置する回転中心軸を中心に回転することにより前記初期位置から変位し、
前記少なくとも2つの可動部材の回転中心軸は、同一の軸上に配置されることを特徴とする請求項3に記載の現像液容器。
【請求項5】
前記現像液容器は現像液を保持する円筒状の保持容器を有し、
前記撹拌手段の回転軸は、前記保持容器の中心軸に等しく、
前記少なくとも2つの可動部材は、前記回転軸を中心とした円状に配置されること、を特徴とする請求項2に記載の現像液容器。
【請求項6】
前記少なくとも2つの可動部材は、現像液外部に位置する回転中心軸を中心に回転することにより前記初期位置から変位することを特徴とする請求項5に記載の現像液容器。
【請求項7】
前記可動部材は、その回転中心軸を隔てて現像液から離れた位置にあり前記可動部材の変位に対応して移動する被検出部を有し、前記位置検出手段は、当該被検出部の位置を検出することにより、前記可動部材が初期位置にあるか否かを検出することを特徴とする請求項4または6に記載の現像液容器。
【請求項8】
現像液の液面が所定の高さを超えた場合に、前記少なくとも2つの可動部材のうち少なくとも1つを強制的に変位させる少なくとも1つの変位補助手段を有することを特徴とする請求項2から7のいずれかに記載の現像液容器。
【請求項9】
前記変位補助手段は、現像液の攪拌時に、少なくとも一部が現像液中に浸された時に現像液から圧力を受ける受圧部を有し、該受圧部が現像液から圧力を受けて前記変位補助手段が変位することにより、少なくとも1つの可動部材を強制的に変位させることを特徴とする請求項8に記載の現像液容器。
【請求項10】
前記変位補助手段は、少なくとも一つの前記可動部材に当接する突起部を有し、
前記変位補助手段が変位した時に、前記突起部が少なくとも一つの前記可動部材に当接することによって、少なくとも一つの前記可動部材が前記変位補助手段に連動して変位すること、を特徴とする請求項9に記載の現像液容器。
【請求項11】
前記可動部材の受圧部は、現像液から圧力を受ける面を有する板状の形状を有すると共に、少なくとも1つの貫通穴が形成されていることを特徴とする請求項1から9のいずれかに記載の現像液容器。
【請求項12】
前記変位補助手段の受圧部は、現像液から圧力を受ける面を有する板状の形状を有すると共に、少なくとも一つの貫通穴が形成されていることを特徴とする請求項9または10に記載の現像液容器。
【請求項13】
前記攪拌手段を回転駆動させるのに必要なトルクを検出するトルク検出手段をさらに有し、
前記液面レベル検出手段は、前記位置検出手段による検出結果と前記トルク検出手段による検出結果とに基づいて現像液の液面の高さを検出すること、を特徴とする請求項1から12のいずれかに記載の現像液容器。
【請求項14】
前記現像液の温度を測定する温度計測手段をさらに有し、
前記粘度検出手段は、前記駆動手段による前記攪拌手段の回転駆動が停止した後に前記可動部材が初期位置に戻るまでの時間と、前記温度計測手段によって計測された温度とに基づいて、現像液の粘度を検出すること、を特徴とする請求項1から13のいずれかに記載の現像液容器。



【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【図17】
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【図18】
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【公開番号】特開2006−313322(P2006−313322A)
【公開日】平成18年11月16日(2006.11.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−75985(P2006−75985)
【出願日】平成18年3月20日(2006.3.20)
【出願人】(000000527)ペンタックス株式会社 (1,878)
【Fターム(参考)】