説明

現像装置、トナーカートリッジ、画像形成装置、カプセル構造物および現像剤

【課題】 装置の大型化を招くことなく、トナーに必要最低量の定着液を容易に付与することができる現像装置、トナーカートリッジおよびこれらを備える画像形成装置、ならびにカプセル構造物およびこれを備える現像剤を提供する。
【解決手段】 ケーシングが、トナー、定着液カプセル粒子およびキャリアを含む現像剤を収容し、供給ローラが現像スリーブに現像剤を供給し、穂切板が現像スリーブ表面の現像剤層の層厚を規制し、現像スリーブが感光ドラム表面に形成される静電潜像にトナーおよび定着液カプセル粒子を供給することによりトナーおよび定着液カプセル粒子像を形成する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、レーザプリンタ、ファクシミリなどに用いられる電子写真方式の現像装置、トナーカートリッジおよびこれらを備える画像形成装置、ならびにカプセル構造物およびこれを含む現像剤に関する。
【背景技術】
【0002】
複写機、レーザプリンタ、ファクシミリなどに多く採用される、電子写真方式の画像形成装置においては、表面に光導電性物質を含む感光層を形成した潜像担持体を用い、潜像担持体表面に電荷を付与して均一に帯電させた後、種々の作像プロセスにて画像情報に対応する静電潜像を形成し、この静電潜像を、現像手段から供給されるトナーまたはトナーとキャリアとから構成される現像剤により現像してトナー像とし、このトナー像を紙などの記録媒体に直接転写するかまたは中間転写媒体に一旦転写した後、さらに記録媒体に転写することが行なわれる。そして、記録媒体に転写されるトナー像を記録媒体上に定着させるためには、加熱手段を含む定着ローラなどを用いる熱定着方式の定着手段によって、トナー像が転写された記録媒体を加熱および加圧する方法が一般的である。
【0003】
近年、地球温暖化対策として省エネルギー化志向が高まる中で、電子写真方式の画像形成装置においても消費電力の低減が求められている。熱定着方式の画像形成装置では、その消費電力の半分以上が定着手段による加熱処理のために消費されるため、トナー像を記録媒体に定着させる際の消費電力を抑えることが省エネルギー化対策としては重要になる。
【0004】
また熱定着方式の定着手段には、ヒータなどの加熱手段を含む定着ローラなどが用いられるため、定着時において装置内部が高温になる。そのため構成部材の耐熱性を高める必要があり、材料にかかるコストが増大してしまう。
【0005】
さらに熱定着方式では、定着手段が所定の温度に達するまでは定着を開始することができないため、所定の温度に達するまでの時間、すなわちウォームアップ時間が長くなる傾向にあり、加えて、多色トナー像の記録媒体への定着が、単色トナー像の定着に比べて長時間を要するという問題がある。したがって、定着時間の短縮化が求められている。
【0006】
このような要望に鑑み、水と、水に溶解または分散できかつトナーを軟化または膨潤させる作用を有する液体とを含む定着液を用いる湿式定着方式が提案されている。この湿式定着方式では、定着液の付与により軟化または膨潤状態にしたトナー像を記録媒体に付着させ、加圧することによって、トナー像を記録媒体に定着させる。湿式定着方式は、熱定着方式のように加熱処理を必要としないため、消費電力が非常に少なく、省エネルギー化の観点から有用な定着方式である。またトナー像の定着を行う際においても、多量の熱量を必要としないため、熱定着方式に比べて定着時間を短縮することができる。このような湿式定着方式のさらなる改良技術について、様々な提案がなされている。
【0007】
たとえば、特許文献1には、噴出制御手段であるヘッドコントローラによる噴出制御の下、トナー像担持体である中間転写ベルトの表面または記録材である記録紙の表面に担持されたトナーにのみ定着液が付着するように、複数の微細孔を有する噴出ヘッドから定着液を噴出する定着装置について開示されている。しかし、特許文献1に開示される定着装置のようにトナー像の定着に定着液を用いる場合、定着液中の有機化合物が不快臭や刺激臭などの臭気を発生するという問題がある。
【0008】
このような問題を改善するために、たとえば特許文献2では、溶媒に可溶な状態で保持され、トナーに含まれる樹脂に対して溶解性または膨潤性を示す脂肪酸エステルを含有する定着液からなる芯材と、芯材に対して不溶性の材料からなる外殻とを有するカプセル構造物、およびこのカプセル構造物を用いてトナーを定着させる定着装置について開示されている。
【0009】
しかし、特許文献2に開示される定着装置では、カプセル構造物をトナーに供給するための供給手段や、カプセル構造物を収容するためのカートリッジなどを別に設けなければならない。また、カプセル構造物の消費量を押さえるためにトナーに対して必要最低量のカプセル構造物を付与しようとすると、未定着画像におけるトナー量を計測またはトナーの位置を検知するためのシステムや、カプセル構造物の供給量を調整するためのシステムを設ける必要が生じてしまう。したがって、従来の定着装置と比較して装置の大型化を招いてしまう。さらに、カプセル構造物が供給されることにより減少した際には、新たなカプセル構造物を補充しなければならず、メンテナンスに要する労力が大きくなってしまう。
【0010】
【特許文献1】特開2004−109751号公報
【特許文献2】特開2006−133306号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0011】
本発明の目的は、装置の大型化を招くことなく、トナーに必要最低量の定着液を容易に付与することができる現像装置、トナーカートリッジおよびこれらを備える画像形成装置、ならびにカプセル構造物およびこれを含む現像剤を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0012】
本発明は、現像剤を潜像担持体表面に供給し、潜像担持体表面に形成される潜像を現像する現像装置であって、
少なくともトナーおよびトナーを溶解または膨潤させる定着液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包し、かつトナーと同極性に帯電する材料を含む膜材とから構成されるカプセル構造物を含む現像剤を収容する現像槽と、
潜像担持体に臨んで回転自在に設けられ、潜像担持体表面に形成される静電潜像にトナーおよびカプセル構造物を供給する現像剤担持体と、
現像剤担持体に臨んで設けられ、現像剤担持体表面の現像剤層の層厚を規制する層厚規制部材と、
現像槽に回転自在に設けられ、現像剤担持体に現像剤を供給する供給手段とを備えることを特徴とする現像装置である。
【0013】
また本発明の現像装置は、膜材は、トナーと同極性に帯電する帯電制御剤を含むことを特徴とする。
【0014】
また本発明は、現像剤を潜像担持体表面に供給し、潜像担持体表面に形成される潜像を現像する現像装置であって、
少なくともトナーおよびトナーを溶解または膨潤させる定着液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包する内殻と、内殻の外周面を覆い、トナーと同極性に帯電する材料を含む外殻とから構成されるカプセル構造物を含む現像剤を収容する現像槽と、
潜像担持体に臨んで回転自在に設けられ、潜像担持体表面に形成される静電潜像にトナーおよびカプセル構造物を供給する現像剤担持体と、
現像剤担持体に臨んで設けられ、現像剤担持体表面の現像剤層の層厚を規制する層厚規制部材と、
現像槽に回転自在に設けられ、現像剤担持体に現像剤を供給する供給手段とを備えることを特徴とする現像装置である。
【0015】
また本発明の現像装置は、外殻は、トナーと同極性に帯電する帯電制御剤を含むことを特徴とする。
【0016】
また本発明の現像装置は、外殻は、芯材によって溶解または膨潤される材料から構成されることを特徴とする。
【0017】
また本発明の現像装置は、外殻は、トナーの構成材料と同じ材料を含んで構成されることを特徴とする。
【0018】
また本発明の現像装置は、少なくともトナーとカプセル構造物とを混合分散した状態で収容するトナーカートリッジであって、少なくともトナーとカプセル構造物とを現像槽に補充する補充手段を備えるトナーカートリッジを備えることを特徴とする。
【0019】
また本発明は、少なくともトナーおよびトナーを溶解または膨潤させる溶液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包し、かつトナーと同極性に帯電する材料を含む膜材とから構成されるカプセル構造物を混合分散された状態で収容するトナーカートリッジであって、
少なくともトナーおよびカプセル構造物を前記現像装置に補充する補充手段を備えることを特徴とするトナーカートリッジである。
【0020】
また本発明は、少なくともトナーおよびトナーを溶解または膨潤させる溶液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包する内殻と、内殻の外周面を覆い、トナーと同極性に帯電する材料を含む外殻とから構成されるカプセル構造物を混合分散された状態で収容するトナーカートリッジであって、
少なくともトナーおよびカプセル構造物を前記現像装置に補充する補充手段を備えることを特徴とするトナーカートリッジである。
【0021】
また本発明は、前記現像装置を備え、潜像担持体表面にトナーとカプセル構造物とにより形成される像を形成する像形成手段と、
潜像担持体表面のトナーとカプセル構造物とにより形成される像を記録媒体に転写させる転写手段と、
記録媒体上に転写されたトナーとカプセル構造物とにより形成される像を、カプセル構造物を破壊することで記録媒体に定着させる定着手段とを備えることを特徴とする画像形成装置である。
【0022】
また本発明は、トナー像を記録媒体に定着させるカプセル構造物であって、
トナーを溶解または膨潤させる定着液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包し、かつトナーと同極性に帯電する材料を含む膜材とから構成されるカプセル構造物である。
【0023】
また本発明は、トナー像を記録媒体に定着させるカプセル構造物であって、
トナーを溶解または膨潤させる定着液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包する内殻と、内殻の外周面を覆い、トナーと同極性に帯電する材料を含む外殻とから構成されるカプセル構造物である。
【0024】
また本発明は、少なくともトナーおよび前記カプセル構造物を含んで構成されることを特徴とする現像剤である。
【0025】
また本発明は、少なくとも、トナー、前記カプセル構造物およびキャリアを含んで構成されることを特徴とする現像剤である。
【発明の効果】
【0026】
本発明によれば、現像剤を潜像担持体表面に供給し、潜像担持体表面に形成される潜像を現像する現像装置において、現像槽が、少なくともトナーおよびトナーを溶解または膨潤させる溶液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包し、かつトナーと同極性に帯電する材料を含む膜材とから構成されるカプセル構造物を含む現像剤を収容し、現像剤担持体が、潜像担持体に臨んで回転自在に設けられて潜像担持体表面に形成される静電潜像にトナーおよびカプセル構造物を供給し、層厚規制部材が、現像剤担持体に臨んで設けられて現像剤担持体表面の現像剤層の層厚を規制し、供給手段が、現像槽に回転自在に設けられて現像担持体に現像剤を供給する。
【0027】
また本発明によれば、現像剤を潜像担持体表面に供給し、潜像担持体表面に形成される潜像を現像する現像装置において、現像槽が、少なくともトナーおよびトナーを溶解または膨潤させる定着液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包する内殻と、内殻の外周面を覆い、トナーと同極性に帯電する材料を含む外殻とから構成されるカプセル構造物を含む現像剤を収容し、現像剤担持体が、潜像担持体に臨んで回転自在に設けられ、潜像担持体表面に形成される静電潜像にトナーおよびカプセル構造物を供給し、層厚規制部材が、現像剤担持体に臨んで設けられ、現像剤担持体表面の現像剤層の層厚を規制し、供給手段が、現像槽に回転自在に設けられ、現像剤担持体に現像剤を供給する。
【0028】
このように、トナーと同極性に帯電するカプセル構造物がトナー中に含まれるようにすることにより、カプセル構造物がトナーと同じ挙動を示すことができ、トナー像の中にカプセル構造物が含まれるようにすることができる。したがって、カプセル構造物をトナーに供給するための供給手段や、カプセル構造物を収容するためのカートリッジなどを設ける必要がなくなる。また、未定着画像におけるトナー量を計測したりトナーの位置を検知したりするためのシステムや、カプセル構造物の供給量を調整するためのシステムを設ける必要もなくなる。したがって、装置の大型化を招くことなく、トナーに必要最低量の定着液を容易に付与することができる。
【0029】
また本発明によれば、膜材または外殻は、トナーと同極性に帯電する帯電制御剤を含むことが好ましい。これにより、カプセル構造物は、現像装置内で攪拌される際に、容易にトナーと同極性に帯電できるようになる。したがって、容易にトナーおよびカプセル構造物から形成される像を形成することができる。また、中間転写時および2次転写時において、容易にトナーおよびカプセル構造物から形成される像を転写することができる。
【0030】
また本発明によれば、外殻は、芯材によって溶解または膨潤される材料から構成されることが好ましい。これにより、カプセル構造物の破壊を容易に行うことができるようになり定着が容易になる。また、カプセル構造物の強度を維持しつつ、芯材を構成する定着液に対して不溶な内殻を可能な限り薄くすることができるため、定着トナー像中の残留する内殻の量を減らすことができ、画質劣化を防ぐことができる。
【0031】
また本発明によれば、外殻は、トナーの構成材料と同じ材料を含んで構成されることが好ましい。これにより、カプセル構造物の帯電状態をトナーの帯電状態と同等とすることができ、カプセル構造物の現像装置内における分散状態をより良好にすることができ、さらに潜像担持体上への供給をより良好にすることが可能となる。また、トナーおよびカプセル構造物から形成される像の現像および転写をより良好に行うことができる。また、潜像担持体上に形成された静電潜像に付着するトナー量が、ともに付着するカプセル構造物の分だけ少なくなることにより生じる画像濃度の低下を抑えることができる。
【0032】
また本発明によれば、本発明の現像装置は、少なくともトナーとカプセル構造物とを混合分散した状態で収容するトナーカートリッジであって、少なくともトナーとカプセル構造物とを現像槽に補充する補充手段を備えるトナーカートリッジを備えることが好ましい。
【0033】
これにより、トナーを現像槽に補充するのと同時に混合分散されたカプセル構造物が補充されるため、補充用のカプセル構造物を収容するためのカートリッジを新たに備える必要がなく、装置のさらなる小型化が可能となる。またユーザが手動により新たにカプセル構造物を補充する必要がなくなるため、メンテナンスに要する労力を低減することができる。トナーとカプセル構造物とを現像槽に補充する方法としては、回転するパドルを用いてもよく、あるいは、エアで補充するようにしてもよい。
【0034】
また本発明によれば、少なくともトナーおよびトナーを溶解または膨潤させる溶液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包し、かつトナーと同極性に帯電する材料を含む膜材とから構成されるカプセル構造物を混合分散された状態で収容するトナーカートリッジにおいて、補充手段は、少なくともトナーおよびカプセル構造物を前記現像装置に補充する。
【0035】
また本発明によれば、少なくともトナーおよびトナーを溶解または膨潤させる溶液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包する内殻と、内殻の外周面を覆い、トナーと同極性に帯電する材料を含む外殻とから構成されるカプセル構造物を混合分散された状態で収容するトナーカートリッジにおいて、補充手段は、少なくともトナーおよびカプセル構造物を前記現像装置に補充する。
【0036】
これにより、トナーを現像槽に補充するのと同時に混合分散されたカプセル構造物が補充されるため、補充用のカプセル構造物を収容するためのカートリッジを新たに備える必要がなく、装置のさらなる小型化が可能となる。またユーザが手動により新たにカプセル構造物を補充する必要がなくなるため、メンテナンスに要する労力を低減することができる。
【0037】
また本発明によれば、本発明の画像形成装置は、前記現像装置を備える像形成手段が、潜像担持体表面にトナーとカプセル構造物とにより形成される像を形成し、転写手段が、潜像担持体表面のトナーとカプセル構造物とにより形成される像を記録媒体に転写し、定着手段が、記録媒体上に転写されたトナーとカプセル構造物とにより形成される像を、カプセル構造物を破壊することで記録媒体に定着させる。
【0038】
このように、本発明の画像形成装置は、前記現像装置を備えることにより、トナーと同極性に帯電するカプセル構造物がトナーと同じ挙動を示すことができ、トナー像の中にカプセル構造物が含まれるようにすることができる。したがって、カプセル構造物をトナーに供給するための手段や、カプセル構造物を収容するためのカートリッジなどを設ける必要がなくなる。また、未定着画像におけるトナー量を計測したりトナーの位置を検知するためのシステムや、カプセル構造物の供給量を調整するためのシステムを設ける必要もなくなる。したがって、装置の大型化を招くことなく、トナーに必要最低量の定着液を容易に付与することができる。また、熱定着方式のように加熱処理を必要としないため、消費電力を低減でき、定着時間を短縮することができる。
【0039】
また本発明によれば、トナー像を記録媒体に定着させるカプセル構造物は、トナーを溶解または膨潤させる定着液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包し、かつトナーと同極性に帯電する材料を含む膜材とから構成される。
【0040】
また本発明によれば、トナー像を記録媒体に定着させるカプセル構造物は、トナーを溶解または膨潤させる定着液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包する内殻と、内殻の外周面を覆い、トナーと同極性に帯電する材料を含む外殻とから構成される。
【0041】
これにより、本発明のカプセル構造物は、トナーと同じ挙動を示すことができるようになる。また、定着液中の有機化合物が不快臭や刺激臭などの臭気を抑えることができる。
【0042】
また本発明によれば、本発明の現像剤は、少なくともトナーおよび前記カプセル構造物を含んで構成される、もしくは、少なくともトナー、前記カプセル構造物およびキャリアを所定の割合で含んで構成される。
【0043】
このように、本発明の現像剤は、前記カプセル構造物を含むことにより、カプセル構造物をトナーに供給するための手段や、カプセル構造物を収容するためのカートリッジなどを設ける必要がなくなる。また、未定着画像におけるトナー量を計測したりトナーの位置を検知するためのシステムや、カプセル構造物の供給量を調整するためのシステムを設ける必要もなくなる。したがって、装置の大型化を招くことなく、トナーに必要最低量の定着液を容易に付与することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0044】
本発明は、現像剤を潜像担持体表面に供給し、潜像担持体表面に形成される潜像を現像する現像装置であって、少なくともトナーおよびトナーを溶解または膨潤させる定着液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包し、かつトナーと同極性に帯電する材料を含む膜材とから構成されるカプセル構造物を含む現像剤を収容する現像槽と、潜像担持体に臨んで回転自在に設けられ、潜像担持体表面に形成される静電潜像にトナーおよびカプセル構造物を供給する現像剤担持体と、現像剤担持体に臨んで設けられ、現像剤担持体表面の現像剤層の層厚を規制する層厚規制部材と、現像槽に回転自在に設けられ、現像剤担持体に現像剤を供給する供給手段とを備えることを特徴とする現像装置である。
【0045】
または、少なくともトナーおよびトナーを溶解または膨潤させる定着液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包する内殻と、内殻の外周面を覆い、トナーと同極性に帯電する材料を含む外殻とから構成されるカプセル構造物を含む現像剤を収容する現像槽と、潜像担持体に臨んで回転自在に設けられ、潜像担持体表面に形成される静電潜像にトナーおよびカプセル構造物を供給する現像剤担持体と、
現像剤担持体に臨んで設けられ、現像剤担持体表面の現像剤層の層厚を規制する層厚規制部材と、現像槽に回転自在に設けられ、現像剤担持体に現像剤を供給する供給手段とを備えることを特徴とする現像装置である。
【0046】
このように、トナーと同極性に帯電するカプセル構造物がトナー中に含まれるようにすることにより、カプセル構造物がトナーと同じ挙動を示すことができ、トナー像の中にカプセル構造物が含まれるようにすることができる。したがって、カプセル構造物をトナーに供給するための供給手段や、カプセル構造物を収容するためのカートリッジなどを設ける必要がなくなる。また、未定着画像におけるトナー量を計測したりトナーの位置を検知するためのシステムや、カプセル構造物の供給量を調整するためのシステムを設ける必要もなくなる。したがって、装置の大型化を招くことなく、トナーに必要最低量の定着液を容易に付与することができる。
【0047】
図1は、本発明の現像装置14を備える画像形成装置100の構成を示す概略図である。画像形成装置100は、図1に示すように、像形成手段1と、中間転写手段2と、2次転写手段3と、定着装置4と、記録媒体供給手段5とを含んで構成される。
【0048】
像形成手段1は、作像ユニット10y,10m,10c,10bを含み、これらは、各色相のデジタル信号(以下、画像情報と記す)に対応する静電潜像を形成し、該静電潜像を現像して、各色のトナーとカプセル構造物に相当する定着液カプセル粒子とにより形成される像(以下、「トナーおよび定着液カプセル粒子像」と記すことがある)を形成する。すなわち、作像ユニット10yはイエロー色の画像情報に対応するトナーおよび定着液カプセル粒子像を形成し、作像ユニット10mはマゼンタ色の画像情報に対応するトナーおよび定着液カプセル粒子像を形成し、作像ユニット10cはシアン色の画像情報に対応するトナーおよび定着液カプセル粒子像を形成し、作像ユニット10bはブラック色の画像情報に対応するトナーおよび定着液カプセル粒子像を形成する。
【0049】
作像ユニット10y,10m,10c,10bは、それぞれイエロー色現像剤、マゼンタ色現像剤、シアン色現像剤またはブラック色現像剤を使用すること、および像形成手段1に入力される画像情報のうち、イエロー色成分像に対応する画素信号、マゼンタ色成分像に対応する画素信号、シアン色成分像に対応する画素信号、ブラック色成分像に対応する画素信号がそれぞれ入力されること以外は構成を同じくするので、以下、イエロー色に対応する作像ユニット10yを代表例として示し、他については説明を省略する。なお、各色に対応する作像ユニット10などを個々に示す場合には、アルファベットの添字:y(イエロー色)、m(マゼンタ色)、c(シアン色)、b(黒色)を付して表す。作像ユニット10y,10m,10c,10bは、中間転写媒体である中間転写ベルト23の移動方向(副操作方向)、すなわち矢符28の方向の上流側から下流側にこの順番で一列に並んで配列される。
【0050】
作像ユニット10yは、イエロー色のトナーおよび定着液カプセル粒子像が表面に形成される感光体ドラム11yと、感光体ドラム11yの表面を均一に帯電する帯電ローラ12yと、帯電された感光体ドラム11y表面に画像情報に応じた光を露光して静電潜像を形成する光走査ユニット13と、トナーおよび定着液カプセル粒子を感光体ドラム11y表面に形成された静電潜像に付着させることによってトナーおよび定着液カプセル粒子像を形成する現像装置14yと、後述する中間転写ベルト23に中間転写されずに感光体ドラム11y表面に残存するトナーおよび定着液カプセル粒子を除去回収するドラムクリーナ15yとを含んで構成される。
【0051】
感光体ドラム11yは、画像情報に応じた光で露光されることによってその表面に静電潜像が形成される潜像担持体であり、回転自在に設けられる。感光体ドラム11yは、図示しない駆動手段により、軸線回りに回転駆動可能に支持され、図示しない円筒状、円柱状または薄膜シート状(好ましくは円筒状)の導電性基体と、導電性基体の表面に形成される感光層とを含んで構成される。感光体ドラム11yには、この分野で常用されるものを使用でき、たとえば、導電性基体であるアルミニウム素管と、アルミニウム素管の表面に形成される感光層である有機感光層とを含む、GND(Ground)電位に接続される直径30mmの感光体ドラム11yが挙げられる。有機感光層は、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを積層して形成されるものであってもよく、電荷発生物質と電荷輸送物質とを1つの層に含むものであってもよい。有機感光層の層厚は、特に限定されるものではないが、たとえば、20μmである。また有機感光層と導電性基体との間に下地層を設けてもよい。さらに、有機感光層の表面に保護層を設けてもよい。感光体ドラム11yは、図1の紙面に向って反時計周りの方向に、たとえば、周速度173mm/sで回転駆動する。感光体ドラム11yの駆動手段は、図示しない制御手段によって制御され、これにより感光体ドラム11yの回転速度が制御される。
【0052】
帯電ローラ12yは、感光体ドラム11yの表面を所定の極性の電位に帯電させる帯電手段である。帯電手段としては、帯電ローラ12yに限定されるものではなく、帯電ローラ12yに代えて、ブラシ型帯電器、チャージャー型帯電器、またはスコロトロンというコロナ帯電器なども使用できる。
【0053】
光走査ユニット13は、帯電状態にある感光体ドラム11yの表面にイエロー色の画像情報に対応するレーザ光を照射し、感光体ドラム11yの表面に、イエロー色の画像情報に対応する静電潜像を形成する潜像形成手段である。レーザ光の光源には、半導体レーザ素子などが用いられる。
【0054】
図2は、本発明の現像装置14yの構成を示す概略図である。現像装置14yは、感光体ドラム11yを臨んで設けられ、イエロー色トナー、定着液カプセル粒子およびキャリアを含むイエロー色現像剤16yを感光体ドラム11y表面に搬送し、感光体ドラム11y表面に形成される静電潜像を現像して顕像化する現像手段である。
【0055】
現像装置14yは、図2に示すように、現像スリーブ18yおよび供給ローラ20yを回転自在に支持するとともに、その内部空間にイエロー色現像剤16yを収容する現像槽であるケーシング17yと、感光体ドラム11yに臨んで隙間を隔てて設けられ、図示しない固定磁極よりなるマグネットローラを内包しかつ軸線回りに回転自在に設けられ、イエロー色現像剤16yにより形成された磁気ブラシにより感光体ドラム11y表面の静電潜像にイエロー色トナーおよび定着液カプセル粒子を供給する現像剤担持体である現像スリーブ18yと、現像スリーブ18yの表面に臨んで間隔を隔てて設けられ、現像スリーブ18y表面のイエロー色現像剤層の層厚を均一化するように規制する層厚規制部材である穂切板19yと、ケーシング17yに回転自在に設けられ、イエロー色現像剤16yを撹拌するとともに、現像スリーブ18y表面にイエロー色現像剤16yを供給する供給手段である供給ローラ20yとを備える。
【0056】
また現像装置14yには、トナーカートリッジ21yが連結されるようにして設けられていてもよい。トナーカートリッジ21yは、イエロー色トナーと定着液カプセル粒子とを所定の割合で混合分散した状態で収容する容器であり、その内部に軸線回りに回転自在に設けられ、イエロー色トナーと定着液カプセル粒子とをケーシング17yに補充する補充手段である撹拌ローラ22yを備える。
【0057】
現像スリーブ18yは、感光体ドラム11yに近接する現像ニップ部において、感光体ドラム11yの回転駆動方向と同じ方向に回転駆動する。したがって、軸線回りの回転駆動方向としては、逆方向になる。本実施形態では、現像スリーブ18yの周速度は、たとえば、感光体ドラム11yに対して1.5倍の260mm/sである。ケーシング17y中のイエロー色現像剤16yは、供給ローラ20yによって現像スリーブ18y表面に供給され、穂切板19yにより層厚を均一化される。その後、電位差などを利用して感光体ドラム11y表面の静電潜像にイエロー色トナーおよび定着液カプセル粒子がほぼ選択的に供給され、イエロー色の画像情報に対応するトナーおよび定着液カプセル粒子像が形成される。
【0058】
トナーおよび定着液カプセル粒子像が形成されると、たとえば、ケーシング17y内に設けられる図示しない使用量検知部材がトナーおよび定着液カプセル粒子の使用量を検知し、検知された使用量に応じてトナーカートリッジ21y内のイエロー色トナーと定着液カプセル粒子とが攪拌ローラ22yの回転駆動によりケーシング17y内に補充される。
トナーカートリッジ21y内には、イエロー色トナーと定着液カプセル粒子とが所定の割合で混合分散されており、その割合は、イエロー色トナー1粒子を軟化または膨潤するのに必要な定着液の量によって決定される。
【0059】
このようにイエロー色トナーをケーシング17yに補充するのと同時に所定の割合で混合分散された定着液カプセル粒子が補充されるため、補充用の定着液カプセル粒子を収容するためのカートリッジを新たに備える必要がなく、装置のさらなる小型化が可能となる。またユーザが手動により新たに定着液カプセル粒子を補充する必要がなくなるため、メンテナンスに要する労力を低減することができる。
【0060】
このように、本発明の現像装置14yは、ケーシング17yが、トナー、定着液カプセル粒子およびキャリアを含む現像剤を収容し、供給ローラ20yが現像スリーブ18yに現像剤を供給し、穂切板19yが現像スリーブ18y表面の現像剤層の層厚を規制し、現像スリーブ18yが感光ドラム11y表面に形成される静電潜像にトナーおよび定着液カプセル粒子を供給することによりトナーおよび定着液カプセル粒子像を形成する。
【0061】
これにより、トナーと同極性に帯電する定着液カプセル粒子がトナーと同じ挙動を示すことができ、トナー像の中に定着液カプセル粒子が含まれるようにすることができる。したがって、定着液カプセル粒子をトナーに供給するための手段や、定着液カプセル粒子を収容するためのカートリッジなどを設ける必要がなくなる。また、未定着画像におけるトナー量を計測したりトナーの位置を検知したりするためのシステムや、定着液カプセル粒子の供給量を調整するためのシステムを設ける必要もなくなる。したがって、装置の大型化を招くことなく、トナーに必要最低量の定着液を容易に付与することができる。
【0062】
なお、本実施形態ではトナーとカプセル構造物とを現像槽であるケーシング17yに補充する方法として攪拌ローラ22yを用いたがこれに限定されるものではなく、たとえば回転するパドルを用いて補充する方法や、エアを用いて補充する方法であってもよい。
【0063】
ドラムクリーナ15yは、感光体ドラム11y表面のイエロー色のトナーおよび定着液カプセル粒子像が、後述する中間転写ベルト23に中間転写された後に、感光体ドラム11y表面に残存するイエロー色トナーおよび定着液カプセル粒子を除去し回収する。
【0064】
以下に、本発明の現像装置14y,14m,14c,14bにおいて使用される現像剤16y,16m,16c,16bの構成成分について詳細に説明する。
【0065】
〔トナー〕
本発明で用いられる現像剤16y,16m,16c,16bを構成する各色のトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤および離型剤を含有する。以下に、トナーの構成成分について述べる。
【0066】
結着樹脂としては、トナーを軟化または膨潤させる定着液により軟化または膨潤する樹脂であれば特に制限されず、たとえば、ポリスチレン、スチレン置換体の単独重合体、スチレン系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタンなどが挙げられる。結着樹脂は、1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。このような結着樹脂の中でも、カラートナー用としては、保存性、耐久性、定着液による軟化または膨潤制御などの点から、軟化点が100℃〜150℃、ガラス転移点が50℃〜80℃の結着樹脂が好ましく、ポリエステルが特に好ましい。ポリエステルは入手容易な有機溶剤により、軟化または膨潤した状態で透明になる。したがって、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック色のトナー像が重ね合わされた多色トナー像を定着液にて定着すると、結着樹脂であるポリエステル自体は透明化するので、減法混色により充分な発色が得られる。また、熱定着用のトナーに用いられる結着樹脂よりも軟化点、分子量および硬度の高い樹脂を用いても、定着液による定着が可能である。軟化点、分子量および硬度の高い樹脂を用いれば、現像を行う際に加わる負荷による劣化が防止され、長期間にわたって画質劣化が少ない画像を得ることができる。
【0067】
着色剤としては、従来から電子写真方式の画像形成技術において用いられるトナー用顔料および染料を使用できるけれども、定着液による滲みを防止するために、定着液に溶解しない顔料が好ましく、ニグロシン染料などの染料は好ましくない。好ましい顔料の具体例としては、たとえば、アゾ系顔料、ベンズイミダゾロン系顔料、キナクリドン系顔料、フタロシアニン系顔料、イソインドリノン系顔料、イソインドリン系顔料、ジオキサジン系顔料、アントラキノン系顔料、ペリレン系顔料、ペリノン系顔料、チオインジゴ系顔料、キノフタロン系顔料、金属錯体系顔料などの有機系顔料、カーボンブラック、酸化チタン、モリブデンレッド、クロムイエロー、チタンイエロー、酸化クロム、ベルリンブルーなどの無機系顔料、アルミニウム粉などの金属粉などが挙げられる。顔料は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。
【0068】
離型剤としては、各種ワックスを使用できる。ワックスとしては、定着液により軟化または膨潤するものであれば特に制限なく使用できる。ワックスの具体例としては、たとえば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、パラフィンワックスなどが挙げられる。
【0069】
またトナーは、結着樹脂、着色剤および離型剤の他に、帯電制御剤、流動性向上剤、定着促進剤、導電剤などの一般的なトナー用添加剤の1種または2種以上を含有することができる。
【0070】
トナーの体積平均粒径は、特に制限されないけれども、好ましくは2μm〜7μmである。このような小粒径トナーを用いると、単位面積当りのトナーの表面積が大きくなり、定着液との接触面積が増加して定着が容易になる。これによって、定着液の使用量の低減化を図り得るとともに、トナー像の記録媒体への定着および定着後の乾燥を短時間で実施できる。またトナーの体積平均粒径が、このように適度に小さい場合には、記録媒体に対する被覆率が高くなるので、低付着量での高画質化およびトナー消費量の低減化を達成でき、ひいては定着液の消費量のさらなる低減化を達成できる。
【0071】
トナーの体積平均粒径が2μm未満では、トナーの流動性が低下し、現像動作の際に、トナーの供給、撹拌および帯電が不充分になり、トナー量の不足、逆極性トナーの増加などが起こり、高画質の画像が得られないおそれがある。一方、体積平均粒径が7μmを超えると、トナー粒子の中心まで軟化または膨潤し難い大粒径のトナー粒子が多くなるので、画像の記録媒体への定着性が低下するとともに、画像の発色が悪くなり、特にOHPへの定着の場合には、画像が暗くなる。
【0072】
トナー自体の軟化点およびガラス転移点は、特に制限されないけれども、軟化点が100℃〜130℃、ガラス転移点が50℃〜80℃であることが好ましい。このように軟化点の高いトナーは、現像時の負荷に対する耐久性を向上させるには好ましいけれども、熱定着方式では充分に定着および発色しない。ところが、本発明では、定着液を用いて化学的にトナーを軟化または膨潤させるので、定着および発色が充分で、高品位な画像を得ることができる。なお、トナーが複数の結着樹脂を含む場合には、トナーが複数の軟化点または複数のガラス転位点を示すことがある。その場合、トナーの軟化点またはガラス転移点とは、複数あるうちの最も低い軟化点またはガラス転移点の温度を示すものとする。
【0073】
トナーは、公知の方法に従って製造できる。たとえば、結着樹脂に離型剤、着色剤などを分散した後粉砕する方法、結着樹脂のモノマー溶液中に離型剤、着色剤などを分散させ、その後結着樹脂のモノマーを重合させる方法などが挙げられる。いずれの方法においても、トナーの表面積を大きくするために、トナーの形状が球形よりも不定形になるように調整されることが好ましい。これによって、トナーが定着液と接触し易くなるので、定着液の使用量を低減し、トナー像の定着および乾燥を短時間で実施することができる。
【0074】
本実施形態で用いられる各色のトナーは、着色剤以外は次に示す同じ構成を有する。このトナーは、たとえば、ガラス転移点60℃、軟化点120℃および体積平均粒径6μmのトナーであり、負帯電性の絶縁性非磁性トナーである。このトナーを用いて、X−Rite社製310による反射濃度測定値が1.4の画像濃度を得るには、5g/mのトナー量が必要である。このトナーは、結着樹脂としてガラス転移点60℃かつ軟化点120℃のポリエステル、離型剤としてガラス転移点50℃かつ軟化点70℃の低分子ポリエチレンワックス、および着色剤として各色の顔料を含み、ワックス含有量がトナー全量の7重量%、顔料含有率がトナー全量の12重量%および残部が結着樹脂のポリエステルである。このトナーに含まれる低分子ポリエチレンワックスは、結着樹脂のポリエステルよりもガラス転移点および軟化点が低いワックスである。このようなワックスを用いれば、結着樹脂のガラス転移点よりも低い温度下でも、トナー同士の付着力、トナーと中間転写ベルト23または記録媒体との付着力が増加するので、液状物である定着液を付与する際に、定着液によるトナーの流れ、凝集などが発生するのを抑制できる。さらに、トナー中のワックスが軟化すると、ワックスが存在する箇所からトナー内部に定着液が浸透し易くなる。したがって、定着液の付与時に短時間でトナー全体が軟化または膨潤し、記録媒体への転写時に充分な定着強度が得られ、トナー像の重ね合わせによる発色も充分になる。
【0075】
〔定着液カプセル粒子〕
現像剤16y,16m,16c,16bを構成する各色の定着液カプセル粒子は、少なくとも、トナーを溶解または膨潤させる定着液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包し、かつトナーと同極性に帯電する材料を含む膜材とから構成されるカプセル構造物である。あるいは、少なくともトナーおよびトナーを溶解または膨潤させる定着液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包する内殻と、内殻の外周面を覆い、トナーと同極性に帯電する材料を含む外殻とから構成されるカプセル構造物である。
【0076】
図3および図4は、定着液カプセル粒子101,110の構成例を簡略化して示す断面図である。定着液カプセル粒子101は、図3に示すように、芯材102と膜材103とから構成される。また定着液カプセル粒子110は、図4に示すように、芯材102、内殻104および内殻104の外周面を覆う外殻105から構成される。
【0077】
芯材102は、トナーを軟化または膨潤させる液状物である定着液から構成される。定着液は、好ましくは、トナーを軟化または膨潤させる作用を有する有機化合物(以後「トナー定着用有機化合物」と記す)と、トナー定着用有機化合物を溶解または分散できる溶媒成分とを含む。
【0078】
トナー定着用有機化合物としては、たとえば、メチルアルコール、エチルアルコール、プロピルアルコール、イソプロピルアルコール、ブチルアルコールなどのアルコール類、アセトン、メチルエチルケトン、メチルブチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジエチルケトンなどのケトン類、メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、メチルブチルエーテル、メチルイソブチルエーテル、ジメチルエーテルなどのエーテル類、蟻酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸などのカルボン酸と、メタノール、エタノール、プロパノールなどのアルコール類とから形成されるエステル類などが挙げられる。これらの中でも、エステル類が好ましく、特には脂肪族エステルが好ましい。トナー定着用有機化合物は1種を単独で使用できまたは2種以上を併用できる。トナー定着用有機化合物は、常温での揮発性を有するとともに、ポリエステルなどのトナー用結着樹脂を軟化または膨潤させる作用に優れる。
【0079】
溶媒成分としては、トナー定着用有機化合物を溶解または分散し得るものであれば特に制限されないけれども、水が好ましい。したがって、トナーを軟化または膨潤させる作用を有する定着液の好ましい具体例としては、水と、トナー定着用有機化合物とを含む組成物が挙げられる。水は粘度が小さいので、トナー粒子同士の界面、トナー粒子と記録媒体との接触面などに浸透する。したがって、トナー定着用有機化合物がトナー粒子同士の界面、トナー粒子と記録媒体との接触面などに運ばれ、トナーを瞬時に軟化または膨潤させることができる。
【0080】
トナー定着用有機化合物の定着液における含有量は特に制限されるものではなく広い範囲から適宜選択できるけれども、定着液全量の1重量%〜50重量%であることが好ましく、さらに好ましくは定着液全量の5重量%〜50重量%であり、特に好ましくは定着液全量の10重量%〜40重量%である。1重量%未満では、トナーの軟化または膨潤作用が不充分になり、トナー像の記録媒体への定着強度が低下するおそれがある。また、50重量%を超えると、相対的に溶媒成分の含有量が減少するため、定着液のトナー像に対する浸透性が低下し、トナー像の表層のみが軟化または膨潤するので、トナー像の記録媒体に対する定着強度が低下するおそれがある。
【0081】
定着液には、トナー定着用有機化合物および溶媒成分のほかに、トナー定着用有機化合物の水中での分散状態を保ち、定着液のトナーとの濡れ性を向上させる界面活性剤を添加できる。界面活性剤としては公知のものを使用でき、たとえば、脂肪酸誘導体硫酸エステル塩、リン酸エステルなどの陰イオン界面活性剤、四級アンモニウム塩、複素環アミンなどの陽イオン界面活性剤、アミノ酸エステル、アミノ酸などの両性イオン界面活性剤、非イオン性界面活性剤、ポリオキシアルキレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルアミンなどが挙げられる。界面活性剤の好ましい添加量としては、特に制限されるものではなく、広い範囲から適宜選択できる。
【0082】
膜材103、内殻104および外殻105は、定着液カプセル粒子101を供給する現像装置14内などでは破壊されず、定着装置4において簡単に破壊できることが好ましい。定着液カプセル粒子101の外径は、5μm以上50μm以下であることが好ましく、トナーとの分散状態、帯電量、感光体ドラム11への供給状況などをトナーと同等に振舞えることが望ましいため、トナーの粒径に近いことがさらに好ましい。膜材103または内殻104および外殻105の厚さとしては、定着液カプセル粒子101の外径の5%以上30%以下であることが好ましく、10%以上20%以下であることがさらに好ましい。
【0083】
膜材103および内殻104の材料としては、芯材102に対して不溶性である樹脂や金属酸化物などの材料が使用される。樹脂としては、芯材102に不溶性の樹脂として架橋樹脂なども好適であり、具体的には、ポリウレア樹脂、ポリアクリロニトリル、架橋ポリメタクリル酸メチル、架橋ポリビニルアルコールなどが挙げられる。金属酸化物としては、酸化チタン、酸化マグネシウム、酸化ケイ素などが挙げられる。膜材103および内殻104の形態としては、フィルム状の形態の他に、微粒子を芯材102が染み出さない程度に固着させた形態も適する。
【0084】
外殻105は、芯材102によって溶解または膨潤される材料から構成され、具体的には、トナーの結着樹脂に用いられる樹脂である、ポリスチレン、スチレン置換体の単独重合体、スチレン系共重合体、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポリウレタンなどを芯材に合わせて使用できる。外殻105の形態としては、フィルム状の形態の他に、微粒子を固着させた形態も適する。
【0085】
定着液カプセル粒子101,110は、トナーと同極性に帯電させるために帯電付与処理が施される。帯電付与処理は、トナーと同極性に帯電する材料を含むようにするものであり、たとえば、膜材103や外殻105に、トナーと同極性に帯電する樹脂を使用する方法や、トナーと同極性に帯電する帯電制御剤などを添加する方法などが挙げられるが、特には前記帯電制御剤を添加する方法が好ましい。このように膜材103や外殻105が、トナーと同極性に帯電する帯電制御剤を含むようにすることにより、定着液カプセル粒子101,110は、現像装置14内で攪拌される際に、容易にトナーと同極性に帯電できるようになる。したがって、感光体ドラム11への現像時にトナーとともに現像されやすくなり、容易にトナーおよび定着液カプセル粒子像を形成することができる。また、中間転写時および2次転写時において、トナーとともに転写されやすくなり、容易にトナーおよび定着液カプセル粒子像を転写することができる。
【0086】
図3に示す定着液カプセル粒子101を用いて現像および画像形成を行う場合には、たとえばトナーとの攪拌などによりストレスが加わることによって、芯材102を構成する定着液が膜材103から染み出さないようにするために、膜材103をある程度厚くする必要がある。しかし膜材103を厚くしすぎると、定着時において定着液カプセル粒子101の破壊が困難になってしまう。また膜材103は、定着液カプセル粒子101が破壊されてトナーが定着液によって軟化または膨潤する際に、定着液に対して溶解せず定着トナー像中に残留物として残留する。この残留物は粒状感の増加などの画質劣化を引き起こす可能性がある。しかし、残留物を減らすために膜材103の量を低減すると、定着液カプセル粒子101の強度が低下してしまう。
【0087】
一方、図4に示す定着液カプセル粒子110は、芯材を内包する内殻104の外周面を、定着液によって溶解または膨潤され、定着トナー像中に取り込まれることのできる外殻105で覆うことで、定着液カプセル粒子110の破壊を容易に行うことができるようになり定着が容易になる。また、定着液カプセル粒子110の強度を維持しつつ、芯材102を構成する定着液に対して不溶な内殻104を可能な限り薄くすることができるため、定着トナー像中の残留物を減らすことができる。
【0088】
外殻105は、トナーの構成材料と同じ材料を含んで構成されることが好ましく、少なくとも、トナーと同じ結着樹脂および帯電制御剤をトナーと同割合で含んで構成されることが好ましい。さらには、トナーと同じ結着樹脂、着色剤、帯電制御剤、外添剤をトナーと同割合で含んで構成されることが好ましい。
【0089】
これにより、定着液カプセル粒子110の帯電状態をトナーの帯電状態と同等とすることができ、定着液カプセル粒子110の現像装置14内およびトナーカートリッジ21内における分散状態をより良好にすることができ、さらに感光体ドラム11上への供給をより良好にすることが可能となる。また、トナーおよび定着液カプセル粒子像の現像および転写をより良好に行うことができる。
【0090】
また、感光体ドラム11上に形成された静電潜像に付着するトナー量が、ともに付着する定着液カプセル粒子110の分だけ少なくなることにより生じる画像濃度の低下を抑えることができる。
【0091】
以下に、定着液カプセル粒子101の膜材103、定着液カプセル粒子110の内殻104および外殻105の構成材料の一例について述べる。たとえば、ポリエステル(結着樹脂)に、カーボンブラック(着色剤)、低分子ポリエチレンワックス(離型剤)、サリチル酸ジルコニウム錯体(帯電制御剤)が内添され、平均粒径12nmの疎水性コロイダルシリカ(流動性向上剤)が外添された体積平均粒径6μmのトナーを用いるとする。このトナーに対して、定着液カプセル粒子101の膜材103、ならびに定着液カプセル粒子110の内殻104および外殻105は、下記のようにして構成されることが好ましい。すなわち、膜材103および内殻104として、トナーと同極性の負に帯電するポリウレア樹脂を用い、外殻105として、ポリエステル(結着樹脂)にカーボンブラック(着色剤)およびサリチル酸ジルコニウム錯体(帯電制御剤)がトナーと同割合で内添され、平均粒径12nmの疎水性コロイダルシリカ(流動性向上剤)がトナーと同割合で外添されたものを用いることが好ましい。そして、定着液カプセル粒子101,110の体積平均粒径を6μmとすることが好ましい。特には、定着液カプセル粒子110において、トナーと同じ結着樹脂、内添剤および外添剤を用いて定着液カプセル粒子110の外殻105を構成し、粒径もトナーと同等の大きさになるようにすることが好ましい。例えば、結着樹脂としてスチレン−アクリル樹脂を用いる場合は、定着液カプセル粒子110の外殻105をスチレン−アクリル樹脂を用いて構成すればよい。なお、本発明においては、定着液を用いてトナーの定着を行うため、外殻105に離型剤であるワックスを添加する必要はない。定着液カプセル粒子101,110の製法としては、特に限定されるものではないが、界面重合法や液中乾燥法などの公知のカプセル化法が利用できる。
【0092】
このように、本発明の定着液カプセル粒子101は、トナーを溶解または膨潤させる定着液から構成される芯材102と、芯材102に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包し、かつトナーと同極性に帯電する膜材103とから構成される。また本発明の定着液カプセル粒子110は、トナーを溶解または膨潤させる定着液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包する内殻104と、内殻の外周面を覆い、トナーと同極性に帯電する材料を含む外殻105とから構成される。これにより、定着液カプセル粒子101,110は、トナーと同じ挙動を示すことができるようになる。また、定着液中の有機化合物が不快臭や刺激臭などの臭気を抑えることができる。
以下、定着液カプセル粒子101を用いて説明するが、定着液カプセル粒子110は、定着液カプセル粒子101と同様にして用いることができる。
【0093】
〔キャリア〕
現像剤16y,16m,16c,16bは、トナーと定着液カプセル粒子101の他にキャリアを含んでいてもよい。キャリアとしては、磁性を有する粒子を使用することができる。磁性を有する粒子の具体例としては、たとえば、鉄、フェライトおよびマグネタイトなどの金属、これらの金属とアルミニウムまたは鉛などの金属との合金などが挙げられる。これらの中でも、フェライトが好ましい。
【0094】
また磁性を有する粒子に樹脂を被覆した樹脂被覆キャリア、または樹脂に磁性を有する粒子を分散させた樹脂分散型キャリアなどをキャリアとして用いてもよい。磁性を有する粒子を被覆する樹脂としては特に制限はないけれども、たとえば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂、およびフッ素含有重合体系樹脂などが挙げられる。また樹脂分散型キャリアに用いられる樹脂としても特に制限されないけれども、たとえば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、およびフェノール樹脂などが挙げられる。
【0095】
キャリアの形状は、球形または扁平形状が好ましい。またキャリアの体積平均粒径は特に制限されないけれども、高画質化を考慮すると、好ましくは30μm以上50μm以下である。さらにキャリアの抵抗率は、好ましくは10Ω・cm以上、さらに好ましくは1012Ω・cm以上である。キャリアの抵抗率は、キャリアを0.50cmの断面積を有する容器に入れてタッピングした後、容器内に詰められた粒子に1kg/cmの荷重を掛け、荷重と底面電極との間に1000V/cmの電界が生ずる電圧を印加したときの電流値を読取ることから得られる値である。抵抗率が低いと、現像スリーブ18にバイアス電圧を印加した場合にキャリアに電荷が注入され、感光体ドラム11にキャリア粒子が付着し易くなる。またバイアス電圧のブレークダウンが起こり易くなる。
【0096】
キャリアの磁化強さ(最大磁化)は、好ましくは10emu/g〜60emu/g、さらに好ましくは15emu/g〜40emu/gである。磁化強さは現像スリーブ18の磁束密度にもよるけれども、現像スリーブ18の一般的な磁束密度の条件下においては、10emu/g未満であると磁気的な束縛力が働かず、キャリア飛散の原因となるおそれがある。また磁化強さが60emu/gを超えると、キャリアの穂立ちが高くなり過ぎる非接触現像では、潜像担持体である感光ドラム11と非接触状態を保つことが困難になる。また接触現像ではトナー像に掃き目が現れ易くなるおそれがある。
【0097】
現像剤16y,16m,16c,16bにおけるトナー、定着液カプセル粒子101およびキャリアの使用割合は特に制限されず、トナー、定着液カプセル粒子101およびキャリアの種類に応じて適宜選択すればよい。
【0098】
このように、本発明の現像剤16y,16m,16c,16bは、少なくともトナーおよび定着液カプセル粒子101を所定の割合で含んで構成される、もしくは、少なくともトナー、定着液カプセル粒子101およびキャリアを所定の割合で含んで構成される。
【0099】
このように、本発明の現像剤16y,16m,16c,16bは、定着液カプセル粒子101を含むことにより、定着液カプセル粒子101をトナーに供給するための手段や、カプセル構造物を収容するためのカートリッジなどを設ける必要がなくなる。また、未定着画像におけるトナー量を計測したりトナーの位置を検知するためのシステムや、定着液カプセル粒子101の供給量を調整するためのシステムを設ける必要もなくなる。したがって、画像形成装置の大型化を招くことなく、トナーに必要最低量の定着液を容易に付与することができる。
【0100】
作像ユニット10yによれば、感光体ドラム11yをその軸線回りに回転駆動させながら、図示しない電源により帯電ローラ12yに例えば−1200Vを印加し、放電させることより感光体ドラム11yの表面を例えば−600Vに帯電する。次に、帯電状態にある感光体ドラム11yの表面に、光走査ユニット13からイエロー色の画像情報に対応するレーザ光を照射し、イエロー色の画像情報に対応する露光電位−70Vの静電潜像を形成する。次いで、感光体ドラム11yの表面と現像スリーブ18y表面に担持されるイエロー色現像剤とを近接させる。現像スリーブ18yには現像電位として−240Vの直流電圧が印加されており、現像スリーブ18yと感光体ドラム11yとの電位差によって、静電潜像にイエロー色トナーと定着液カプセル粒子101とが付着し、感光体ドラム11yの表面にイエロー色トナーおよび定着液カプセル粒子像が形成される。このイエロー色トナーおよび定着液カプセル粒子像は、後述するように、感光体ドラム11yの表面に圧接し、矢符28の方向に駆動する中間転写ベルト23に中間転写される。感光体ドラム11yの表面に残留するイエロー色トナーと定着液カプセル粒子101とはドラムクリーナ15yにより除去回収される。以後、同様にしてイエロー色のトナー像および定着液カプセル粒子像形成動作が繰り返し実行される。
【0101】
中間転写手段2は、中間転写ベルト23と、中間転写ローラ24y,24m,24c,24bと、支持ローラ25,26と、ベルトクリーナ27とを含んで構成される。
【0102】
中間転写ベルト23は、支持ローラ25,26の間に張架されてループ状の移動経路を形成する無端ベルト状の像担持体であり、感光体ドラム11y,11m,11c,11bとほぼ同じ周速度で、矢符28の方向に、すなわち感光体ドラム11y,11m,11c,11bに臨む像担持面が、感光体ドラム11yから感光体ドラム11bに向って移動するように回転駆動される。
【0103】
中間転写ベルト23には、たとえば、厚さ100μmのポリイミドフィルムを使用できる。中間転写ベルト23の材料としてはポリイミドのみに限定されず、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリエステル、ポリプロピレンなどの合成樹脂や、各種ゴムなどから構成されるフィルムを使用できる。合成樹脂または各種ゴムからなるフィルム中には、中間転写ベルト23の電気抵抗値を調整するために、ファーネスブラック、サーマルブラック、チャネルブラック、グラファイトカーボンなどの導電材が配合される。また中間転写ベルト23には、トナーと定着液カプセル粒子101とに対する付着力の弱いフッ素樹脂組成物やフッ素ゴムなどから構成される被覆層が設けられていてもよい。被覆層の構成材料としては、たとえば、PTFE(ポリテトラフルオロエチレン)やPFA(PTFEとパーフルオロアルキルビニルエーテルとの共重合体)などが挙げられる。被覆層には導電材が配合されていてもよい。
【0104】
中間転写ベルト23の像担持面は、中間転写ベルト23の回転駆動方向における上流側から、感光体ドラム11y,11m,11c,11bにこの順番で圧接する。中間転写ベルト23の感光体ドラム11y,11m,11c,11bに圧接する位置が、各色トナーおよび定着液カプセル粒子像の中間転写位置である。
【0105】
中間転写ローラ24y,24m,24c,24bは、それぞれ、中間転写ベルト23を介して感光体ドラム11y,11m,11c,11bに対向するように設けられ、かつ中間転写ベルト23における像担持面の反対面に圧接し、かつ図示しない駆動手段によりその軸線回りに回転駆動可能に設けられるローラ状部材である。中間転写ローラ24y,24m,24c,24bには、たとえば、金属製軸体と、金属製軸体の表面に被覆される導電性層とを含むローラ状部材が用いられる。金属製軸体は、たとえば、ステンレス鋼などの金属により形成される。金属製軸体の直径は特に制限されないけれども、好ましくは8mm〜10mmである。導電性層は、導電性弾性体などにより形成される。導電性弾性体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、カーボンブラックなどの導電剤を含む、エチレン−プロピレンゴム(以下、EPDMと記す)、発泡EPDM、発泡ウレタンなどが挙げられる。導電性層によって、中間転写ベルト23に高電圧が均一に印加される。中間転写ローラ24y,24m,24c,24bには、感光体ドラム11y,11m,11c,11bの表面に形成されるトナーおよび定着液カプセル粒子像を中間転写ベルト23上に転写するために、トナーと定着液カプセル粒子101との帯電極性とは逆極性の中間転写バイアスが定電圧制御によって印加される。これによって、感光体ドラム11y,11m,11c,11bに形成されるイエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック色のトナーおよび定着液カプセル粒子像が中間転写ベルト23の像担持面に順次重ね合わさって転写され、多色のトナーおよび定着液カプセル粒子像が形成される。ただし、イエロー、マゼンタ、シアンおよびブラック色の一部のみの画像情報が入力される場合には、作像ユニット10y,10m,10c,10bのうち、入力される画像情報の色に対応する作像ユニット10のみにおいてトナーおよび定着液カプセル粒子像が形成される。
【0106】
支持ローラ25,26は、図示しない駆動手段によって軸線回りに回転駆動可能に設けられ、中間転写ベルト23を張架して矢符28の方向に回転駆動させる。支持ローラ25,26には、たとえば、直径30mmおよび肉厚1mmのアルミニウム製円筒体(パイプ状ローラ)が用いられる。支持ローラ25は、中間転写ベルト23を介して後述する2次転写ローラ31に圧接して2次転写ニップ部を形成し、かつ電気的に接地される。支持ローラ25は中間転写ベルト23を張架する機能と共に、中間転写ベルト23上のトナーおよび定着液カプセル粒子像を記録媒体50に2次転写させる機能をも有する。
【0107】
ベルトクリーナ27は、中間転写ベルト23の像担持面上のトナーおよび定着液カプセル粒子像を後述の2次転写定着手段3において記録媒体50に転写した後に、像担持面上に残存するトナーや定着液カプセル粒子を除去する部材であり、中間転写ベルト23を介して支持ローラ26に対向するように設けられる。ベルトクリーナ27は、クリーニングブレード27aと、トナー貯留容器27bとを含む。クリーニングブレード27aは、図示しない加圧手段により、中間転写ベルト23の像担持面に圧接し、像担持面上に残存するトナーや定着液カプセル粒子などを掻き取る板状部材である。クリーニングブレード27aには、たとえば、弾性を有するゴム材料(たとえば、ウレタンゴム)などからなるブレードを使用できる。トナー貯留容器27bは、クリーニングブレード27aに掻き取られるトナーなどを一時的に貯留する。
【0108】
中間転写手段2によれば、感光体ドラム11y,11m,11c,11b上に形成されるトナーおよび定着液カプセル粒子像は、中間転写ローラ24y,24m,24c,24bにトナーおよび定着液カプセル粒子101の帯電極性とは逆極性の高電圧が均一に印加されることによって、中間転写ベルト23の像担持面の所定位置に重ね合わされて中間転写され、トナーおよび定着液カプセル粒子像が形成される。このトナーおよび定着液カプセル粒子像は、後述するように、2次転写ニップ部において記録媒体50に2次転写される。2次転写後に中間転写ベルト23の像担持面に残留するトナー、定着液カプセル粒子および紙粉などがベルトクリーナ27により除去され、像担持面には再度トナーおよび定着液カプセル粒子像が転写される。
【0109】
図5は、2次転写手段3により記録媒体50上に形成されたトナー106および定着液カプセル粒子101により形成される像を簡略化して示す概略図である。2次転写手段3は、支持ローラ25と、2次転写ローラ31とを含む。2次転写ローラ31は、中間転写ベルト23を介して支持ローラ25に圧接し、かつ軸線方向に回転駆動可能に設けられるローラ状部材である。2次転写ローラ31は、たとえば、金属製軸体と、該金属製軸体の表面に被覆される導電性層とを含む。金属製軸体は、たとえば、ステンレス鋼などの金属により形成される。導電性層は、導電性弾性体などにより形成される。導電性弾性体としてはこの分野で常用されるものを使用でき、たとえば、カーボンブラックなどの導電材を含む、EPDM、発泡EPDM、発泡ウレタンなどが挙げられる。2次転写ローラ31には図示しない電源が接続され、トナーおよび定着液カプセル粒子101の帯電極性とは逆極性の高電圧が均一に印加される。支持ローラ25と中間転写ベルト23と2次転写ローラ31との圧接部が2次転写ニップ部である。
【0110】
2次転写手段3によれば、中間転写ベルト23上のトナーおよび定着液カプセル粒子像が2次転写ニップ部に搬送されるのに同期して、後述の記録媒体供給手段5から送給される記録媒体50が2次転写ニップ部に搬送される。そして、2次転写ニップ部においてトナーおよび定着液カプセル粒子像と記録媒体50とが重ね合わされ、2次転写ローラ31にトナーおよび定着液カプセル粒子101の帯電極性とは逆極性の高電圧が均一に印加されることによって、図5に示すように、トナー106および定着液カプセル粒子101から形成される像が記録媒体50に2次転写される。そして、トナーおよび定着液カプセル粒子像を担持した記録媒体50は、定着手段である定着装置4に搬送される。
【0111】
中間転写手段2および2次転写手段3は、潜像担持体である感光体ドラム11表面のトナーおよび定着液カプセル粒子像を記録媒体50に転写させるための転写手段に相当する。
【0112】
図6は、定着装置4の構成の一例を簡略化して示す断面図である。定着装置4は、図6に示すように、記録媒体50上に転写されたトナーおよび定着液カプセル粒子像を記録媒体50に定着させるための定着手段であり、定着ローラ41と加圧ローラ42とを含んで構成される。定着ローラ41は、図示しない支持手段によって、軸線回りに回転自在に支持され、かつ図示しない駆動手段によって、矢符49に示す方向に、すなわち記録媒体50が2次転写手段3から定着装置4に搬送されるように、所定の速度で回転駆動可能に設けられる。加圧ローラ42は、定着ローラ41の鉛直方向最下点よりも回転方向下流側において、図示しない加圧機構により定着ローラ41に圧接された状態で軸線回りに回転自在に設けられる。
【0113】
定着ローラ41は、芯金43と、芯金43の外周面を被覆する弾性体層44と、弾性体層44の外周面を被覆する表面層45とを含んで構成される、たとえば外径50mmのローラ状部材である。芯金43を形成する金属としては、たとえば、アルミニウム、鉄などが挙げられ、芯金43の形状としては、円筒状、円柱状などが挙げられる。本実施形態では、芯金43としてアルミニウムから構成される円柱状部材を使用した。弾性体層44の構成材料としては、ゴム弾性を有するものであれば特に制限されるものではない。本実施形態では、弾性体層44として、厚さ約2mmの、ゴム弾性に優れるシリコーンゴム層を使用した。表面層45の構成材料としては、耐久性に優れ、トナーとの付着力が弱いものであれば特に制限されるものではないが、たとえば、PFAやPTFEなどのフッ素系樹脂材料、フッ素ゴムなどが挙げられる。本実施形態では、表面層45として厚さ約30μmのPFA層を使用した。
【0114】
加圧ローラ42は、定着ローラ41と同様の、芯金46と、芯金46の外周を被覆する弾性体層47と、弾性体層47の外周を被覆する表面層48とを含んで構成される、たとえば外径50mmのローラ状部材である。芯金46、弾性体層47および表面層48の構成材料および厚みとしては、それぞれ、定着ローラ41の芯金43、弾性体層44および表面層45の構成材料と同じものを使用でき、本実施形態では、加圧ローラ42として、定着ローラ41と同一構成のものを使用した。
【0115】
定着装置4によれば、加圧ローラ42を定着ローラ41に圧接することで、定着ニップ部を形成する。そして、この定着ニップ部に、トナーおよび定着液カプセル粒子像が2次転写された記録媒体50が搬送される。定着ニップ部では、搬送された記録媒体50上の定着液カプセル粒子101を押圧し、膜材103を破壊して、定着液を染み出させることでトナーを溶解または膨潤状態にする。その後、定着ニップ部における記録媒体50に対する押圧によって、トナー像が記録媒体50へ定着され、画像が形成される。画像が形成された記録媒体50は、排紙ローラ51によって、画像形成装置100の外部に設けられる排紙トレイ52に排出される。
【0116】
この際、各色の未定着のトナー像に対して、トナー像を定着させるのに必要な適量の定着液カプセル粒子101が含有されているため、余分な定着液が塗布されず、紙のシワを防ぐことができる。また、顕像化する際に、現像装置14を用いてトナー像の定着に必要な適量の定着液カプセル粒子101をトナーと共に現像するため、定着装置4などに未定着のトナー像上に定着液カプセル粒子101を塗布する機構を新たに設ける必要がない。
【0117】
なお、定着装置4は、上述の圧力定着の構成に限定されるものではなく、たとえば、定着ローラ41や加圧ローラ42の内部に図示しない加熱手段が設けられる構成であってもよい。これにより、定着ニップ部においてトナーおよび定着液カプセル粒子101を加熱することで、定着液カプセル粒子101の膜材103をより簡単に破壊することが可能となる。また、超音波の振動を用いて定着液カプセル粒子101を破壊する構成が設けられるものであってもよい。
【0118】
記録媒体供給手段5は、記録媒体50を貯留する記録媒体カセット53と、記録媒体50を搬送路Pに1枚ずつ送給するピックアップローラ54と、中間転写ベルト23上の多色のトナーおよび定着液カプセル粒子像が2次転写ローラ31と支持ローラ25との圧接部に搬送されるのに同期して、2次転写ローラ31と支持ローラ25との圧接部に記録媒体50を送給する一対のレジストローラ55a,55bとを含んで構成される。
【0119】
記録媒体供給手段5によれば、記録媒体カセット53内に貯留される記録媒体50が、ピックアップローラ54により1枚ずつ搬送路Pに送給され、さらに、レジストローラ55a,55bにより、2次転写ローラ31と支持ローラ25との圧接部に送給される。
【0120】
本発明の画像形成装置100によれば、現像装置14を備える像形成手段1が、感光体ドラム11表面にトナーと定着液カプセル粒子像を形成し、中間転写手段2および2次転写手段3が、感光体ドラム11表面のトナーおよび定着液カプセル粒子像を記録媒体50に転写し、定着装置4が、記録媒体50上に転写されたトナーおよび定着液カプセル粒子像を、定着液カプセル粒子を破壊することで記録媒体50に定着させる。このように、本発明の画像形成装置100は、現像装置14を備えることにより、トナーと同極性に帯電する定着液カプセル粒子101がトナーと同じ挙動を示すことができ、トナー像の中に定着液カプセル粒子101が含まれるようにすることができる。したがって、定着液カプセル粒子101をトナーに供給するための手段や、定着液カプセル粒子101を収容するためのカートリッジなどを設ける必要がなくなる。また、未定着画像におけるトナー量を計測したりトナーの位置を検知するためのシステムや、定着液カプセル粒子101の供給量を調整するためのシステムを設ける必要もなくなる。したがって、装置の大型化を招くことなく、トナーに必要最低量の定着液を容易に付与することができる。また、熱定着方式のように加熱処理を必要としないため、消費電力を低減でき、定着時間を短縮することができる。
【図面の簡単な説明】
【0121】
【図1】本発明の現像装置を備える画像形成装置の構成を示す概略図である。
【図2】本発明の現像装置の構成を示す概略図である。
【図3】定着液カプセル粒子の構成例を簡略化して示す断面図である。
【図4】定着液カプセル粒子の構成例を簡略化して示す断面図である。
【図5】2次転写手段により記録媒体上に形成されたトナーおよび定着液カプセル粒子により形成される像を簡略化して示す概略図である。
【図6】定着装置の構成の一例を簡略化して示す断面図である。
【符号の説明】
【0122】
1 像形成手段
2 中間転写手段
3 2次転写手段
4 定着装置
5 記録媒体供給手段
10 作像ユニット
11 感光体ドラム
12 帯電ローラ
13 光走査ユニット
14 現像装置
15 ドラムクリーナ
16 現像剤
17 ケーシング
18 現像スリーブ
19 穂切板
20 供給ローラ
21 トナーカートリッジ
22 撹拌ローラ
23 中間転写ベルト
24 中間転写ローラ
25,26 支持ローラ
27 ベルトクリーナ
28,49 矢符
31 2次転写ローラ
41 定着ローラ
42 加圧ローラ
43,46 芯金
44,47 弾性体層
45,48 表面層
51 排紙ローラ
52 排紙トレイ
53 記録媒体カセット
54 ピックアップローラ
55a,55b レジストローラ
100 画像形成装置
101,110 定着液カプセル粒子
102 芯材
103 膜材
104 内殻
105 外殻
106 トナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を潜像担持体表面に供給し、潜像担持体表面に形成される潜像を現像する現像装置であって、
少なくともトナーおよびトナーを溶解または膨潤させる定着液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包し、かつトナーと同極性に帯電する材料を含む膜材とから構成されるカプセル構造物を含む現像剤を収容する現像槽と、
潜像担持体に臨んで回転自在に設けられ、潜像担持体表面に形成される静電潜像にトナーおよびカプセル構造物を供給する現像剤担持体と、
現像剤担持体に臨んで設けられ、現像剤担持体表面の現像剤層の層厚を規制する層厚規制部材と、
現像槽に回転自在に設けられ、現像剤担持体に現像剤を供給する供給手段とを備えることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
膜材は、トナーと同極性に帯電する帯電制御剤を含むことを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
現像剤を潜像担持体表面に供給し、潜像担持体表面に形成される潜像を現像する現像装置であって、
少なくともトナーおよびトナーを溶解または膨潤させる定着液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包する内殻と、内殻の外周面を覆い、トナーと同極性に帯電する材料を含む外殻とから構成されるカプセル構造物を含む現像剤を収容する現像槽と、
潜像担持体に臨んで回転自在に設けられ、潜像担持体表面に形成される静電潜像にトナーおよびカプセル構造物を供給する現像剤担持体と、
現像剤担持体に臨んで設けられ、現像剤担持体表面の現像剤層の層厚を規制する層厚規制部材と、
現像槽に回転自在に設けられ、現像剤担持体に現像剤を供給する供給手段とを備えることを特徴とする現像装置。
【請求項4】
外殻は、トナーと同極性に帯電する帯電制御剤を含むことを特徴とする請求項3に記載の現像装置。
【請求項5】
外殻は、芯材によって溶解または膨潤される材料から構成されることを特徴とする請求項3または4に記載の現像装置。
【請求項6】
外殻は、トナーの構成材料と同じ材料を含んで構成されることを特徴とする請求項3〜5のいずれか1つに記載の現像装置。
【請求項7】
少なくともトナーとカプセル構造物とを混合分散した状態で収容するトナーカートリッジであって、少なくともトナーとカプセル構造物とを現像槽に補充する補充手段を備えるトナーカートリッジを備えることを特徴とする請求項1〜6のいずれか1つに記載の現像装置。
【請求項8】
少なくともトナーおよびトナーを溶解または膨潤させる溶液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包し、かつトナーと同極性に帯電する材料を含む膜材とから構成されるカプセル構造物を混合分散された状態で収容するトナーカートリッジであって、
少なくともトナーおよびカプセル構造物を請求項1,2および7のいずれか1つに記載の現像装置に補充する補充手段を備えることを特徴とするトナーカートリッジ。
【請求項9】
少なくともトナーおよびトナーを溶解または膨潤させる溶液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包する内殻と、内殻の外周面を覆い、トナーと同極性に帯電する材料を含む外殻とから構成されるカプセル構造物を混合分散された状態で収容するトナーカートリッジであって、
少なくともトナーおよびカプセル構造物を請求項3〜7のいずれか1つに記載の現像装置に補充する補充手段を備えることを特徴とするトナーカートリッジ。
【請求項10】
請求項1〜7のいずれか1つに記載の現像装置を備え、潜像担持体表面にトナーとカプセル構造物とにより形成される像を形成する像形成手段と、
潜像担持体表面のトナーとカプセル構造物とにより形成される像を記録媒体に転写させる転写手段と、
記録媒体上に転写されたトナーとカプセル構造物とにより形成される像を、カプセル構造物を破壊することで記録媒体に定着させる定着手段とを備えることを特徴とする画像形成装置。
【請求項11】
トナー像を記録媒体に定着させるカプセル構造物であって、
トナーを溶解または膨潤させる定着液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包し、かつトナーと同極性に帯電する材料を含む膜材とから構成されるカプセル構造物。
【請求項12】
トナー像を記録媒体に定着させるカプセル構造物であって、
トナーを溶解または膨潤させる定着液から構成される芯材と、芯材に対して不溶である材料から構成されて芯材を内包する内殻と、内殻の外周面を覆い、トナーと同極性に帯電する材料を含む外殻とから構成されるカプセル構造物。
【請求項13】
少なくともトナーおよび請求項11または12に記載のカプセル構造物を含んで構成されることを特徴とする現像剤。
【請求項14】
少なくとも、トナー、請求項11または12に記載のカプセル構造物およびキャリアを含んで構成されることを特徴とする現像剤。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【公開番号】特開2009−31371(P2009−31371A)
【公開日】平成21年2月12日(2009.2.12)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−192644(P2007−192644)
【出願日】平成19年7月24日(2007.7.24)
【出願人】(000005049)シャープ株式会社 (33,933)
【Fターム(参考)】