説明

現像装置、プロセスカートリッジ、及び、画像形成装置

【課題】 トナー規制部材が長期間に亘って使用された場合であっても特別な補修や清掃をせずともトナー規制部材のリサイクルが可能になる現像装置を提供する。
【解決手段】 現像ローラ7と、現像ブレード2と、を備え、現像ブレード2は、板バネ部材2bと、当接部材2cと、を有し、板バネ部材2bの一方の面2b1に位置する当接部材2cの面を第1面2c1、及び、板バネ部材2bの他方の面2b2に位置する当接部材2cの面を第2面2c2とした場合に、板バネ部材2bの一方の面2b1及び他方の面2b2が逆になるように現像ブレード2が現像容器3に固定されたときに、当接部材2cの第2面2c2が現像ローラ7と当接する第2の当接部は、当接部材2cの第1面2c1が現像ローラ7と当接する第1の当接部との関係で、現像ローラ7の表面上で位置が重複しないように、現像ローラ7に対する現像ブレード2の配置角度が設定されている現像装置1を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、トナーを担持するトナー担持体と、トナー担持体に当接してトナー担持体の表面のトナーの層厚を規制するトナー規制部材と、を備える現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、トナーを担持するトナー担持体である現像ローラと、現像ローラの表面のトナーの層厚を規制する規制部材である現像ブレードと、を備える発明として、特許文献1に記載の発明が開示されている。特許文献1に記載の発明は、現像ブレードの基端が保持部材によって現像装置本体に固定され、現像ブレードの先端には現像ローラに当接する当接部材が設けられている。
【0003】
一方で、近年、環境問題への意識の高まりから、メーカーには、使用済みのプロセスカートリッジや現像装置をユーザから回収して、リサイクルすることが望まれている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開昭60−046577号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、特許文献1に記載の発明では、例えば、現像ブレードは、取り外して直ぐにリサイクルするのが困難であるという以下の課題を有している。
【0006】
第1に、回収された現像ブレードの表面には、長期の使用によって、少なからずの固着物が付着している。固着物の主成分は、トナーの中に含まれる微粒子樹脂やトナー外添剤として用いられる微粒子である。これらの微粒子は、現像ブレードがトナーの層厚を規制するときに、摩擦熱及び圧力で除々に現像ブレードの表面に溶融して蓄積すると考えられている。こうした固着物は、簡単な清掃では修復できないので、部品としてのリサイクルは断念せざるを得ない。
【0007】
第2に、回収された現像ブレードは、塑性変形している。現像ブレードは常に現像ローラを押圧するために、長期の使用によって、若干曲がったままの状態になるのである。こうした塑性変形は、現像ブレードによる押圧力の低下、現像ローラに対する現像ブレードの当接角度の変化を招来するので、部品としてのリサイクルは断念せざるを得ない。
【0008】
本発明は、上記実情に鑑み、トナー規制部材が長期間に亘って使用された場合であっても特別な補修や清掃をせずともトナー規制部材のリサイクルが可能になる現像装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0009】
上記課題を解決するために、本発明の現像装置は、トナーを担持するトナー担持体と、前記トナー担持体に担持されるトナーの量を規制するトナー規制部材と、を備え、前記トナー規制部材は、基端部が現像装置本体に固定される板バネ部材と、前記板バネ部材の先端部で一方の面から他方の面に亘って略一定の曲率半径に設定されて一体的に形成されて、前記板バネ部材の先端部に設けられる当接部材と、を有し、前記板バネ部材の前記一方の面に位置する前記当接部材の面を第1面、及び、前記板バネ部材の前記他方の面に位置する前記当接部材の面を第2面とした場合に、前記板バネ部材の前記一方の面及び前記他方の面が逆になるように前記トナー規制部材が前記現像装置本体に固定されたときに、前記当接部材の前記第2面が前記トナー担持体と当接する第2の当接部は、前記当接部材の前記第1面が前記トナー担持体と当接する第1の当接部との関係で、前記トナー担持体の表面上で位置が重複しないように、前記トナー担持体に対する前記トナー規制部材の配置角度が設定されていることを特徴とする。
【発明の効果】
【0010】
本発明によれば、トナー規制部材が長期間に亘って使用された場合であっても、特別な補修や清掃をせずともトナー規制部材のリサイクルが可能になる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の実施例1に係る現像装置を備える画像形成装置の構成を示す断面図である。
【図2】カートリッジの構成を示す断面図である。
【図3】現像ブレードの構成を示す分解斜視図である。
【図4】現像ブレードの構成を示す拡大断面図である。
【図5】比較例に係る現像ブレードの形状を示す断面図等である。
【図6】現像ブレード及び現像ローラの当接状態を示す拡大断面図である。
【図7】現像ブレードの板バネ部材が現像ローラに対して異なる接触角度で当接する状態を示す概念図である。
【図8】現像ブレードが現像ローラを押圧する力よりも非常に大きな静止摩擦力が生じた瞬間に働く力を示した概念図である。
【図9】現像ブレードの板バネ部材が仮想直線PRに対して接触角度86°で当接した状態を示す概念図である。
【図10】現像ブレードの板バネ部材が仮想直線PRに対して接触角度40°で当接した状態を示す概念図である。
【図11】実施例2に係る現像装置が備える現像ブレードの構成を示す断面図等である。
【図12】実施例3に係る現像装置が備える現像ブレードの構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
以下、図面を参照して、この発明を実施するための形態を実施例に基づいて例示的に詳しく説明する。ただし、この実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対位置等は、発明が適用される装置の構成や各種条件により適宜変更されるから、特に特定的な記載が無い限りは、発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
【実施例1】
【0013】
図1は、本発明の実施例1に係る現像装置1を備える画像形成装置100の構成を示す断面図である。画像形成装置100は、例えば、レーザビームプリンタである。図1に示されるように、画像形成装置100は画像形成装置本体(以下、単に『装置本体』という)100Aを有し、この装置本体100Aの内部には、画像を形成する画像形成部51が設けられる。画像形成部51は、『像担持体』である感光体ドラム11、『転写装置』の一部である転写ローラ103a等を含む。
【0014】
図1に示されるように、装置本体100Aの内部には、現像装置1を含むプロセスカートリッジ(以下、「カートリッジ8」という)、露光装置105、給送カセット101、転写ローラ103a、定着装置104が設けられる。また、装置本体100Aの上部には、排出部であるトレイ106が設けられる。なお、カートリッジ8は、装置本体100Aに着脱自在である。
【0015】
なお、露光装置105は、回転するポリゴンミラーにレーザビーム105aを反射させることで感光体ドラム11上を走査露光する。また、給送カセット101は、記録材S(例として紙)を収容する。
【0016】
画像形成装置100がパソコンなどから送信されてきた画像情報に基づいてプリント動作を行う場合、まず、カートリッジ8及び露光装置105を使って感光体ドラム11上にトナー像を形成する。このトナー像が転写部103へ回転移動するのに合わせて、給送カセット101から記録材Sを転写部103へ搬送する。
【0017】
転写部103では、感光体ドラム11の表面のトナー像が記録材Sへ転写される。トナーtは電荷を持っているため、転写ローラ103aと感光体ドラム11との間に電位差を設けることで記録材S上へ転写することができる。
【0018】
次に、記録材S上に転写したトナー像を定着装置104に搬送し、搬送路の上下に設けた加熱部材104a及び加圧部材104bによって加熱溶融することでトナー像を記録材S上に定着する。最後に、記録材Sはトレイ106へ搬送される。
【0019】
図2は、カートリッジ8の構成を示す断面図である。図2に示されるように、カートリッジ8は、現像装置1、感光体ドラム11、クリーナ9、帯電ローラ10を有する。カートリッジ8は露光装置105や転写ローラ103aと組み合わせることで、帯電、露光、現像、転写、クリーニングによりトナー像を形成できる。以下で、トナー像を形成する方法について説明する。
【0020】
まず、回転する帯電ローラ10の表面と感光体ドラム11の間に電位差を発生させ、感光体ドラム11の表面を所望の電位になるよう均一かつ連続的に帯電していく。次に、露光装置105から感光体ドラム11の表面にレーザビーム105a(図1参照)を照射し、画像情報に応じた静電像(静電潜像)を描く。
【0021】
感光体ドラム11の表面には、トナーを担持する『トナー担持体』である現像ローラ7が配置されている。また、現像ローラ7の表面には、現像ローラ7に担持されるトナーの量を規制する『トナー規制部材』である現像ブレード2の先端部が対向している。前述の静電像が現像ローラ7と対向する現像部に回転しながら移動する一方で、現像ローラ7の表面に現像ブレード2で均一コートしたトナーtが感光体ドラム11の表面の静電像に移動することで静電像が現像される。
【0022】
このときに、現像ローラ7の表面にあるトナーtは電荷を付与してある。そのため、静電像の露光を受けた電位(露光部電位)と受けない電位(帯電部電位)の間になるよう現像ローラ7の電位を設定することで、トナーtの感光体ドラム11への移動を制御することができる。なお、ここでは、接触現像方式を用いているため、現像ローラ7はトナーtを介して感光体ドラム11と加圧接触している。このようにして形成したトナー像は転写部103(図1参照)に回転移動される。
【0023】
転写部103(図1参照)では、転写ローラ103aと感光体ドラム11に電位差を設けることによりトナーtを記録材S上へ転写することができる。転写しきれずに感光体ドラム11の表面に残留したトナーtは、クリーナ9のクリーニングブレード9aによって掻き取られ、感光体ドラム11の面は再び帯電ローラ10によって帯電されるべく回転移動する。
【0024】
なお、クリーナ9は、クリーニングブレード9aと、廃トナー容器9bと、を有する。クリーニングブレード9aは、ウレタンゴムやシリコンゴムなどの弾性部材からなる。クリーニングブレード9aが感光体ドラム11に当接することで、感光体ドラム11の表面のトナーtが掻き取られ、廃トナー容器9bに収容される。
【0025】
次に、この現像装置1で用いられるトナーに関して説明する。トナーtは、懸濁重合法で製造した負極性の非磁性のトナーで、平均粒径が5.8μm程度である。表面を改質するために20nm程度の酸化ケイ素をトナー重量の1.5%程度の量を表面に均一になるよう付着してある。重量は50g充填した。トナーtの平均粒径はベックマン・コールター社製のレーザ回折式粒度分布測定器LS−230で測定した体積平均粒径である。
【0026】
以上、説明してきたようなカートリッジ8は、現像装置1の内部のトナーtが無くなった場合に、ユーザが新品と交換することができるため、画像形成装置100のイージーメンテナンスを実現している。交換されたカートリッジ8はメーカーに回収され、リサイクルもしくは廃却される。本発明によると、このように回収されたカートリッジ8における現像装置1の内部の現像ブレード2を、特別な清掃や補修なしでリサイクルすることが可能となる(後述)。
【0027】
現像装置1は、現像容器3、現像ブレード2、撹拌部材5、供給ローラ6、現像ローラ7を有する。現像容器3の内部には、トナーtが収容されている。撹拌部材5の回転によって撹拌されたトナーtは、供給ローラ6の近傍に搬送され、供給ローラ6によって現像ローラ7の表面に押し付けられて付着する。現像ローラ7上に付着したトナーtは現像ブレード2で層厚を規制されるとともに30μC/g程度の比電荷を持ち、そのまま回転移動して現像に使われる。現像で感光体ドラム11に移動しなかったトナーtは、供給ローラ6によって剥ぎ取られる。この一連の動作が連続的に繰り返される。
【0028】
現像ローラ7は、直径6mmの芯金と、導電性弾性体と、を有する。導電性弾性体は、基層に厚さ3mm弱の導電性シリコンゴムがあり、その表層に厚さ30μm程度のカーボンブラックと樹脂粒子を分散させた樹脂層を備えている。現像ローラ7の材質には、NBR、ヒドリンゴム、ウレタンゴムなどを用いることもできる。表面硬度はアスカーゴム硬度計C型(荷重1kg)で約65度である。測定には、高分子計器株式会社製のアスカーゴム硬度計C型で1kg重の荷重で測定した値である。
【0029】
抵抗値は、1MΩ程度である。測定には、直径30mmで長さが現像ローラ7よりも長い金属棒を現像ローラ7に侵入量30μmで接触させる。そして、金属棒を表面速度100mm/secで回転させて、現像ローラ7を従動回転させるとともに100Vの電圧を印加する。このときに流れる電流を電流計にて測定し、抵抗値に換算した。表面粗さRaは0.1μm程度である。測定には、株式会社小阪研究所製の表面粗さ測定器SE−30Hを使用した。
【0030】
現像ローラ7は感光体ドラム11に対して侵入量が100μmになるよう押圧されている。芯金には、プリンタ本体からバイアス電圧が供給される。現像を行う際には、感光体ドラム11の帯電電位が−500V、露光を受けた部分の電位が−100Vになるよう感光体ドラム11の材料を調整してあり、現像ローラ7を−300V前後の電位に設定することで静電像を現像することができる。
【0031】
供給ローラ6は、直径6mmの芯金と、厚さ3mmのスポンジ状ウレタンゴムと、を有する。供給ローラ6の硬度は15度前後で、現像ローラ7に侵入量が1mmで当接している。
【0032】
図3は、現像ブレード2の構成を示す分解斜視図である。現像ブレード2は、固定部材2a、板バネ部材2b、当接部材2cを有する。固定部材2aは、基板2a−1、押え部材2a−2、ネジ2a−3を有する。基板2a−1は、厚さが0.7mmのステンレス鋼をL字状に曲げたものにネジ穴k1をあけて作成する。押え部材2a−2は、同じく厚さが0.7mmステンレス鋼にネジ穴k2をあけたものである。
【0033】
板バネ部材2bは、厚さが0.08mm、縦方向長さL2が27mmの長方形のSUS板にネジ穴k3をあけたものである。板バネ部材2bの基端は固定部材2aで固定されており、板バネ部材2bの基端から先端までの長さL1(図4参照)は20mmに設定されている。
【0034】
板バネ部材2bの厚さは、リン青銅やSUSといった金属では0.06mm〜0.12mmを用いると良い。その場合は、固定部材2aによる固定点から板バネ部材2bの先端までの長さは15mm〜35mmが好ましい。板バネ部材2bによる押圧力は、曲げ量に依存しないものが理想なので、厚さが薄く、固定点から先端までの長さは長い方が良い。しかし、あまりに薄いものを大きく曲げて使用すると不安定になりやすい上にクセがつきやすいため、上記のような範囲で使うことが好ましい。
【0035】
当接部材2cは、板バネ部材2bのネジ穴k3がある部分と反対側に、板バネ部材2bの先端を包み込むようにほぼ断面円形状に設けられている。このように設けることで、現像ローラ7の回転による摩擦が非常に高い状況にあっても、当接部材2cと板バネ部材2bの接合部が取れてしまうことが抑制できる。当接部材2cの材質は、イオン導電性を付与したウレタン樹脂で、表面粗さRaは0.08μm程度である。
【0036】
当接部材2cの材質は、シリコン樹脂やフッ素樹脂でも構わないが、トナーtへの電荷付与性やトナーtを劣化させないか等の複数の観点から選択することが好ましい。また、導電性を付与することで、現像ローラ7との電位差をコントロールし、トナー規制及び電荷付与をより適切にすることができる。当接部材2cの円の半径は約0.5mmとした。円の半径は、大きすぎるとトナーを取り込みすぎてしまうし、小さすぎると規制しすぎてしまうため、半径が0.3mm〜1mmが好ましい。
【0037】
このような各々の部材を現像ブレード2として組み立てる際には、基板2a−1、板バネ部材2b、押え部材2a−2、の順に現像容器3のネジ穴にネジ2a−3で固定すればよい。現像ローラ7への当接角度θは、約70°に設定している。当接角度θについては後述する。
【0038】
図4は、現像ブレード2の構成を示す拡大断面図である。この図4を参照しつつ、現像ブレード2と現像ローラ7の間に掛かる圧力に関して以下に説明する。現像ブレード2は、基端部が『現像装置本体』である現像容器3に固定される板バネ部材2bを有する。また、現像ブレード2は、板バネ部材2bの一方の面2b1(表面)から他方の面2b2(裏面)に亘って略一定の曲率半径に設定されて一体的に形成されて、板バネ部材2bの先端部に設けられる当接部材2cを有する。そして、図4に示されるように、現像ブレード2の当接部材2cは、現像ローラ7に押圧されて接触している。押圧力は、現像ローラ7への当接部材2cの侵入量を調整し、10mmの長手幅あたり約30g重に設定した。
【0039】
押圧力の測定は、幅が30cmで厚さが30μmのステンレス板を折り曲げて、その間に幅が15mm、厚さが30μmのステンレスを挟み込む。これを当接部材2cと現像ローラ7の間に挿入して、間に挟まれたステンレス板を引き抜いた時に働く力を、株式会社イマダ製のデジタルフォースゲージDS2で測定し、10mmあたりの力に換算した。
【0040】
図5(a)は、比較例に係る現像ブレード102の形状を示す断面図である。図5(a)は、断面形状が四角である当接部材2c’を用いた構成を示している。この図5(a)を参照しつつ、断面形状が円形である当接部材2cの優位性に関して、以下に説明する。
【0041】
現像装置1が数年という非常に長い期間で使用又は保管された場合を想定すると、板バネ部材2bが金属であっても多少の塑性変形は存在する。図6(a)中の実線は新品時の現像ブレード102の形状、図6(a)中の破線は長期の保管後の現像ブレード2の形状を示している。現像ブレード102は、新品の時には実線のように真っ直ぐな形状であるが、長期の保管後には現像ローラ7への押圧力を無くして変形する。この場合に、リサイクルしようとして、板バネ部材2bの表裏を逆にして固定部材2aに固定すると、現像ローラ7の側に曲がっていることになる。
【0042】
図5(b)は、比較例に係る現像ブレード102及び現像ローラ7の構成を示す断面図である。図5(b)に示されるように、固定部材2aに対して長期の保管後の板バネ部材2bの表裏を逆にして固定すると、固定部材2aにおける板バネ部材2bの支点付近では変形が残っているため、当接部材2c’のトナー規制をする当接面の配置が表面と裏面で変化する。すなわち、長期保管後の板バネ部材2bの表裏を逆にすると、当接部材2cが更に現像ローラ7へと押し付けられた配置となるのである。
【0043】
図5(c)は、比較例に係る現像ブレード102及び現像ローラ7の構成を示す拡大断面図である。図5(c)に示されるように、実際のトナー規制時には、現像ローラ7の矢印の方向の回転とともに、トナーtが搬送されてくる。トナー規制における大きな違いは、トナーtの取り込み間口の広さにある。新品時(実線)に対して、長期の保管後(破線)は広くなってしまっている。わずか数十μm程度の違いでも、間口近傍のトナーtの挙動は直接トナー規制の均一性や安定性に効いてくるため、従来から多数の特許文献や非特許文献が提案されているし、実際に量産されている製品でも厳しく管理されている部分である。
【0044】
一方、本実施例のように、少なくとも当接部材2cの表面当接部から裏面当接部までが一定の曲率である断面円形であれば、上記のような変化は起こりえない。以上説明したように、長期使用又は長期保管による板バネ部材2bのわずかな塑性変形にトナー規制が影響されにくくするために、当接部材の断面形状は曲率が一定であるほど好ましい。
【0045】
図6は、現像ブレード2及び現像ローラ7の当接状態を示す拡大断面図である。図6を参照しつつ、現像ブレード2及び現像ローラ7の間の当接角度θに関して、以下に説明する。ここでいう当接角度θとは、現像ローラ7の回転中心P及び当接部中心Rの2点を通る仮想直線PRと、板バネ部材2bに沿った仮想直線Qとが形成する角度のことである。なお、仮想直線PR、仮想直線Qは、図6及びそれ以後の図では、「直線PR」、「直線Q」と表示されている。
【0046】
当接部中心Rは、当接部材2cと現像ローラ7の表面が接触している当接部長さkの中央である。また、当接部材2cは、現像ローラ7に1mm前後の侵入量をもって当接されているため、若干曲がりが生じる。よって曲がりが大きく当接角度θを決めにくい場合には、仮想直線Qは、板バネ部材2bの直線及び当接部材2cの交点Gと、当接部材2cの中心Jとを結ぶ直線で近似しても良い。なお、現像ブレード2の当接方向は、当接部材2cと板バネ部材2bの接合面の強さからカウンター当接が好ましいため、以降ではカウンター当接の場合について説明する。
【0047】
図7は、現像ブレード2の板バネ部材2bが現像ローラ7に対して異なる接触角度で当接する状態を示す概念図である。図7中の仮想直線A、B、Cは、図6を参照しつつ前述した仮想直線PRを固定して、現像ブレード2に沿う仮想直線Qのなす角度が変えられた現像ブレード2の配置を示している。板バネ部材2bを表裏逆に取り付ける場合は、それぞれの仮想直線を対称軸として当接部材2cの当接面が反転する。なお、仮想直線A、B、Cは、図7及びそれ以後の図では、「直線A」、「直線B」、「直線C」と表示されている。
【0048】
仮想直線Aを基準として板バネ部材2bの表裏が反転された場合には、当接部の位置である当接部位置aは当接部位置a’に移動し、当接部位置bは当接部位置b’に移動する。当接部位置a、a’、b、b’は、図中では、「位置a」、「位置a’」、「位置b」、「位置b’」と表示されている。しかしながら、ここでは、当接部位置b及び当接部位置b’は同じ位置となっていて変化がない。即ち、板バネ部材2bを表裏逆に取り付けると、当接部材2cの表面を使用する場合の第1面2c1と裏面を使用する場合の第2面2c2が当接部分として一部重複してしまう。この場合、表面使用時に当接部位置bに蓄積した固着物などの影響を裏面使用時に当接部位置b’で受けてしまうので好ましくない。よって、角度θaが小さく設定されれば、「当接部位置bは当接部位置b’が共有してしまう(表裏を逆にして重複する)問題」が回避される。
【0049】
従って、以下のように現像ブレード2の配置を定める。まず、板バネ部材2bの一方の面2b1に位置する当接部材2cの面を第1面2c1、及び、板バネ部材2bの他方の面2b2に位置する当接部材2cの面を第2面2c2とする。そして、板バネ部材2bの一方の面2b1及び他方の面2b2が逆になるように現像ブレード2が現像容器3に固定した場合を想定する。
【0050】
この場合に、当接部材2cの第2面2c2が現像ローラ7と当接する第2の当接部位置b、b’は、当接部材2cの第1面2c1が現像ローラ7と当接する第1の当接部位置a、a’との関係で、以下のことが言える。すなわち、第2の当接部位置b、b’は、第1の当接部位置a、a’との関係で、現像ローラ7の表面上で位置が重複しないように、現像ローラ7に対する現像ブレード2の配置角度が設定されている。
【0051】
なお、図7中で、板バネ部材2bが、仮想直線Aの状態から、当接部材2cの中心Jを中心として時計回りの方向に回転した鉛直状態になるまでの領域(「当接部重複領域X」と記載された領域)に配置されている場合を想定する。この場合には、当接部位置bは当接部位置b’が共有してしまう(表裏を逆にして重複する)問題が生じ得る。
【0052】
これに対して、板バネ部材2bが、仮想直線Aの状態から、当接部材2cの中心Jを中心として反時計回りの方向に回転して仮想直線Cの状態になるまでの領域(領域Y及び「板バネ部材軸方向領域Z」)に配置されている場合を想定する。この場合には、「当接部位置bは当接部位置b’が共有してしまう(表裏を逆にして重複する)問題」が生じない。なお、領域Yは、仮想直線A及び仮想直線Bの間の領域である。
【0053】
図8は、現像ブレード2が現像ローラ7を押圧する力よりも非常に大きな静止摩擦力が生じた瞬間に働く力を示した概念図である。なお、摩擦力は当接部で発生するものだが、ここでは、板バネ部材2b及び当接部材2cの交点に伝わるとして、ここにかかる力を摩擦力と記述している。
【0054】
前述したように、図7の仮想直線Aの位置に板バネ部材2bが配置された場合には、当接部材2c及び現像ローラ7の間の摩擦が大きいときに、板バネ部材2bのめくれや塑性変形が生じるという問題が発生し易い。摩擦力の方向は現像ローラ7の接線方向と考えられるが、現像ローラ7に比べて当接部材2cは十分小さいため力の方向はθ=90°と考えている。静止摩擦から速やかに動摩擦へ移行すれば板バネ部材2bの大きな変形や変形したままの静止を回避できるが、当接部材2cと現像ローラ7の張り付きを解消するまでは強力な静止摩擦が続いてしまう。
【0055】
当接部材2cに非常に大きな静止摩擦が働く状況は2つある。一つは、新品時にトナーtを介さずに現像ローラ7の表面と当接部材2cが接触する場合である。もう一つは、使用後のトナー切れが近いとき、もしくは、トナーがなくなったときである。どちらも、現像ローラ7と現像ブレード2がトナーtを介さず、直接擦れるケースである。特に接触現像方式に使用される現像ローラ7は感光体ドラム11との当接ニップ幅を確保することで安定したトナーtの移行、即ち現像をする必要があるため、ゴム弾性を持つものが好ましい。一般的に、ゴム弾性体はタック性があり、擦ると大きな摩擦力が生じてしまう。
【0056】
この大きい静止摩擦力の回避の手段として一般的に用いられる手段は、現像ローラ7の表面にあらかじめトナーtを塗布することである。トナーtは当接部材2cと比較しても非常に小さく球形に近いため2物体の間に入ると転がり易く、潤滑剤として高摩擦を回避できる。
【0057】
しかしながら、あらかじめ現像ローラ7にトナーtを塗布する手段は、現像装置1が新品なら効果は高いが、本発明のようにリサイクルを目的としている場合、トナーtを使い果たした後までを考慮しなくてはならない。つまり、トナーtが潤滑剤として機能しにくい状況であっても、現像ブレード2をリサイクルに致命的な損傷から回避しなくてはならない。そのために、本実施例もしくは次に説明する仮想直線B及び仮想直線Cを対称軸とするような当接角度θをもってトナー規制を行うのが好ましい。
【0058】
図9は、現像ブレード2の板バネ部材2bが仮想直線PRに対して接触角度86°で当接した状態を示す概念図である。図9に示されるように、仮想直線Bの位置では、現像ブレード2の当接角度θはθb=86°である。このように設定した場合、当接部材2cが表裏で共有してしまう問題は全く考える必要はない。さらに、このように当接角度θを設定することで、強い静止摩擦力を受ける状況にあっても、板バネ部材2bの軸方向(通常板バネとして使う方向と垂直方向)で受けることで瞬間的に動摩擦に移行し、板バネ部材2bの変形を防げる。即ち、当接角度θ<90°に設定することで、静止摩擦による強い力を板バネ部材2bの軸方向で受ければ良い。
【0059】
このことから、以下の条件が望ましい。すなわち、現像ブレード2は、現像ローラ7の回転方向に対してカウンター当接している。また、現像ローラ7の回転中心Pと当接部の中心である当接部中心Rとを通る『第1仮想直線』である仮想直線PRと、板バネ部材2bに沿う仮想直線Qとが形成する配置角度は、90°よりも小さい角度に設定される。
【0060】
図10は、現像ブレード2の板バネ部材2bが仮想直線PRに対して接触角度40°で当接した状態を示す概念図である。図10に示されるように、仮想直線Cの位置では、現像ローラ7と現像ブレード2が配置できる限界である。即ち、当接角度θcより小さな角度に設定すると2回接触もしくは当接部材2cは浮いてしまって板バネ部材2bでの当接となってしまうため好ましくない。
【0061】
よって、当接角度θは、設定限界角度θc≦θ<90°が好ましい。設定限界角度θcは、本実施例のような現像ローラ7と当接部材2cの組合せの場合、円と円の当接を理論的に計算するとθc=37.4°であった。しかし、実際には、トナー層の厚さ、現像ローラ7の当接部材2cにおけるつぶれ具合、板バネ部材2bの曲がり具合、の影響も受けるためθc=約40°であった。ただし、現像ローラ7の上の電荷付与されたトナーと板バネ部材2bが近接すると静電的な力によりトナーtが板バネ部材2b上に付着及び蓄積し、トナーコートを乱すおそれがあるのである程度離しておくのが好ましい。よって、本実施例のように当接角度θを70°程度にすると、このような心配もなく現像ブレード2のリサイクルが可能となる。
【実施例2】
【0062】
図11(a)は、実施例2に係る現像装置が備える『トナー規制部材』である現像ブレード22の構成を示す断面図である。実施例2の現像ブレード22の構成のうち実施例1の現像ブレード2と同一の構成及び効果に関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例2においても、実施例1と同様の現像装置1、カートリッジ8、画像形成装置100に適用することができるため、現像装置、カートリッジ、画像形成装置の説明は省略する。実施例2の現像ブレード22の構成で特徴的なのは、板バネ部材2bの先端部が向かう『第2仮想直線』である仮想直線は、当接部材2cの断面中心(中心K)から外されている点である。
【0063】
図11(a)に示されるように、現像ブレード22は、固定部材2a、板バネ部材2b、及び、当接部材2cを有する。ただし、板バネ部材2bの先端が当接部材2cに配置される位置が異なっている。このような構成によって、現像ブレード22の表裏を逆にした場合に、板バネ部材2bの塑性変形による押圧力がアップしてしまう現象を緩和するのである。
【0064】
実施例1では、図5を使用して説明したように、現像ブレード2が長期に亘って使用されると、板バネ部材2bはわずかに塑性変形する。このように塑性変形した現像ブレード2を表裏を逆にして固定すると、現像ローラ7に対する当接具合は変わってくる。このような現像ブレード2の当接部材2cの第1面2c1が現像ローラ7に対して当接していた第1当接状態から、塑性変形した現像ブレード2の当接部材2cの第2面2c2が現像ローラ7に当接している第2当接状態へと変化させられると、以下の変化が生じる。
【0065】
即ち、第1当接状態では、現像ブレード22が現像ローラ7に対して適度な押圧力で押圧している状態であったとしても、第2当接状態では、板バネ部材2bが変形しているために、現像ブレード22が現像ローラ7に対して若干強い押圧力で押圧する状態になる。このような現像ブレード22が現像ローラ7に対して大きい加圧力で加圧すると、トナーの劣化に繋がるために、好ましくない。
【0066】
そこで、現像ブレード22は、板バネ部材2bの先端が当接部材2cの中心Kを向いていないように設定されて形成される。つまり、板バネ部材2bの先端は、当接部材2cの中心Kから外れた位置に設けられるのである。
【0067】
図11(b)は、表面が現像ローラ7に当接している時の現像ブレード22の先端部の構成を示す拡大断面図である。この図11(b)は、図11(a)の実線の図に相当する。図11(b)に示されるように、例えば、現像ブレード22の板バネ部材11bの先端は、当接部材2cの内部に対して、当接部材2cの中心Kから2mmばかり外れた位置を通るように固定されている。
【0068】
例えば、当接部材2cは、軸方向と直交する方向で直径が1mmで形成されている。そして、板バネ部材2bの先端は、当接部材2cの中心Kを通って軸方向と直交する方向で、0.7mmと0.3mmで分ける位置にある。このようにすると、第2面2c2を使用する時(図11(c)参照)に板バネ部材2bの曲げ量が少なくなるため、塑性変形による圧力アップを緩和することができる。図11(b)に示されるように、新品時には、現像ブレード22は、板バネ部材2bの先端から離れている側の当接部材2cの第1面2c1を、現像ローラ7に接触させている。
【0069】
図11(c)は、裏面が現像ローラ7に当接している時の現像ブレード22の先端部の構成を示す拡大断面図である。この図11(c)は、図11(a)の破線の図に相当する。図11(c)に示されるように、長期間に亘って使用された後には、現像ブレード22は、表裏が逆に配置されて、板バネ部材2bの先端から近い側の当接部材2cの第2面2c2を、現像ローラ7に接触させている。
【0070】
この図11(b)及び図11(c)からも分かるように、新品時に板バネ部材2bの先端が中心Kよりも外側に位置する状態で現像ブレード22を使用し、リサイクル時に板バネ部材2bの先端が中心Kよりも内側に位置する状態で現像ブレード22を使用する。このように、リサイクル時に板バネ部材2bの先端からの位置が近い当接部材2cの当接面で現像ローラ7を加圧することで、加圧力の低減が実現される。
【実施例3】
【0071】
図12は、実施例3に係る現像装置が備える『トナー規制部材』である現像ブレード32の構成を示す断面図である。実施例3の現像ブレード32の構成のうち実施例1〜2の現像ブレード2、22と同一の構成及び効果に関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例3においても、実施例1と同様の現像装置1、カートリッジ8、画像形成装置100に適用することができるため、現像装置、プロセスカートリッジ、画像形成装置の説明は省略する。実施例3の現像ブレード32の構成の特徴的なのは、最初に当接部材2cの第1面2c1が当接部材2cの第2面2c2よりも優先して現像ローラ7に当接する場合には、第1面2c1の初回使用時に第2面2c2に導電性微粒子50が予め塗布されている点である。
【0072】
新品の現像装置が長期間に亘って使用されると、現像ブレード32の裏面はトナーの衝突を受ける。そのため、長期間の使用後には、現像ブレード32の当接部材の表面に、静電気を帯びたトナーやトナー中の成分が付着する。このような付着物は、現像動作のときには問題とはならないが、現像ブレード32をリサイクルするときには清掃がしにくいという点で問題となる。この付着物がトナーに由来する成分のみならば、清掃せずに使用することもできる。しかし、例えば、板バネ部材2bを一度外して裏面に付け替える際などに静電気の力で繊維状の埃やチリが付着する環境であると、その付着物が現像ローラ7と当接部材2cの間に挟まったままトナー規制を行ってしまい、その部分が規制不良となってしまう。この問題を解決するために、現像ブレード32は以下のように構成されている。
【0073】
図12に示されるように、現像ブレード32では、当接部材2cの裏面に導電性微粒子50が予め塗布されている。このようにすると、導電性微粒子50がスペーサとなり、トナーと当接部材2cの間の接触面積が低減され、トナーやトナーの成分に由来するものの付着が低減される。よって、トナーによる静電気量が低減され、埃などが引き寄せられる量が低減される。さらに、導電性微粒子の除電作用により静電気を逃がしやすいため効果が高い。なお、導電性微粒子50は、当接部材2cの裏面を一層程度で被覆すれば良いので微量で効果を発揮できる。
【0074】
導電性微粒子50として特に適しているのは、金属酸化物(酸化チタン、酸化スズ、酸化亜鉛、酸化モリブデン、チタン酸カリウム、酸化アンチモン及び酸化インジウム等)である。これら導電性粒子をカップリング処理して用いても良い。
【0075】
当接部材2cに導電性微粒子50を塗布する方法としては、ブラシ、刷毛、筆などで上記導電性微粒子をからめとり、次いで当接部材2cの長手方向に軽く擦りつければよい。最低限、当接部材2cの裏面に塗布できればよく、仮にそれ以外の部分に一粒子層程度付着していても問題はない。
【0076】
導電性微粒子50は、抵抗率が10〜10Ω・cm程度、平均体積粒径が0.2μm〜1μm程度が好ましい。抵抗率が低すぎると、現像時の印加バイアスにより画像不良を起こすことがあり、抵抗率が高すぎると帯電しやすくなり本来の効果が小さくなってしまう。また、粒径が小さすぎる場合は接触面積が増えてスペーサーとしての機能が弱まり、トナーに比べて大きすぎる場合は当接部材2cから剥がれやすくなってしまう。
【0077】
次に、導電性微粒子50の抵抗率の測定方法について説明する。面積2cmの円筒容器に0.5gの導電性微粒子50を入れて上下から電極で挟み、15kgfの加圧をしつつ100Vの電圧を印加した後、ほぼ一定値に落ち着いたところの電流値を抵抗率に換算して算出した。
【0078】
こうした構成によれば、長期に亘って使用した後であっても、当接部材2cの裏面をリサイクルに好ましい状態に保つことができる。
【0079】
以上説明したように、実施例1〜3の構成によれば、現像ブレード2が長期間に亘って使用された場合であっても、特別な補修や清掃をせずとも現像ブレード2のリサイクルが可能になる。
【0080】
また、実施例2の構成によれば、新品時には板バネ部材2bの先端が中心Kよりも現像ローラ7から遠い状態で現像ブレード22を使用し、リサイクル時には板バネ部材2bの先端が中心Kよりも現像ローラ7に近い状態で現像ブレード22を使用する。その結果、リサイクル後に、現像ブレード22の現像ローラ7に対する加圧力が低減される。
【0081】
さらに、実施例3の構成によれば、第1面2c1の初回使用時に第2面2c2に導電性微粒子50が予め塗布されている状態で、現像ブレード32を使用する。その結果、リサイクルまで第2面2c2の状態を維持し易い。
【符号の説明】
【0082】
1 現像装置
2、22、32・・・現像ブレード(トナー規制部材)
2b 板バネ部材
2b1 一方の面
2b2 他方の面
2c 当接部材
2c1 第1面
2c2 第2面
3 現像容器(現像装置本体)
7 現像ローラ7(トナー担持体)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
トナーを担持するトナー担持体と、
前記トナー担持体に担持されるトナーの量を規制するトナー規制部材と、を備え、
前記トナー規制部材は、
基端部が現像装置本体に固定される板バネ部材と、
前記板バネ部材の先端部で一方の面から他方の面に亘って略一定の曲率半径に設定されて一体的に形成されて、前記板バネ部材の先端部に設けられる当接部材と、を有し、
前記板バネ部材の前記一方の面に位置する前記当接部材の面を第1面、及び、前記板バネ部材の前記他方の面に位置する前記当接部材の面を第2面とした場合に、
前記板バネ部材の前記一方の面及び前記他方の面が逆になるように前記トナー規制部材が前記現像装置本体に固定されたときに、
前記当接部材の前記第2面が前記トナー担持体と当接する第2の当接部は、前記当接部材の前記第1面が前記トナー担持体と当接する第1の当接部との関係で、前記トナー担持体の表面上で位置が重複しないように、前記トナー担持体に対する前記トナー規制部材の配置角度が設定されていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記トナー規制部材は、前記トナー担持体の回転方向に対してカウンター当接しており、
前記配置角度は、前記トナー担持体の回転中心と前記当接部の中心とを通る第1仮想直線と、板バネ部材とが形成する角度であり、90°よりも小さい角度に設定されることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記板バネ部材の先端部が向かう第2仮想直線は、前記当接部材の断面中心から外されていることを特徴と摺る請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
最初に前記当接部材の前記第1面が前記当接部材の前記第2面よりも優先して前記トナー担持体に当接する場合には、前記第1面の初回使用時に前記第2面に導電性微粒子が予め塗布されていることを特徴とする請求項1乃至請求項3のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の現像装置を備え、
画像形成装置本体に着脱自在であることを特徴とするプロセスカートリッジ。
【請求項6】
像担持体と、
請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の現像装置と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公開番号】特開2012−128164(P2012−128164A)
【公開日】平成24年7月5日(2012.7.5)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−279230(P2010−279230)
【出願日】平成22年12月15日(2010.12.15)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】