説明

現像装置、及び、当該現像装置を用いる画像形成装置

【課題】現像剤供給部材が過度に変形することに起因する画像濃度の低下を抑制する。
【解決手段】現像剤を担持する現像ベルト14と、現像ベルトを走行自在に張設する複数の支持体15a,15bと、複数の支持体の間の第1接触領域で現像ベルトと接触して、現像ベルトに現像剤を供給する現像剤供給部材16と、静電潜像を担持し、複数の支持体の間の第2接触領域で現像ベルトと接触して、現像ベルトに担持された現像剤を静電潜像上に移動させることにより、静電潜像を現像する像担持体12とを有し、第1接触領域での現像剤供給部材の変形量L3が現像ベルトの変形量L2以下(L3≦L2)となるように設定されている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置、及び、当該現像装置を用いる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真プロセスによって画像を形成する画像形成装置としては、プリンタや、複写機、ファクシミリ装置、複合機等がある。
この種の画像形成装置は、内部に感光ドラムを有しており、画像形成時に、感光ドラムの周囲で、帯電、露光、現像、転写等のプロセスを行うことによって、感光ドラムの表面にトナー像を形成し、そのトナー像を用紙に転写する。そして、画像形成装置は、用紙を加熱及び加圧して、トナー像を溶融させることによって、トナー像を用紙に定着させる。
【0003】
その画像形成装置に用いる装置として、一成分現像装置が広く普及している。一成分現像装置は、現像剤として一成分のトナーを内部に収容しており、感光ドラムの表面に静電潜像を形成するとともに、トナー供給ローラによってトナーを現像ローラに供給し、現像ローラに供給されたトナーを現像ローラから感光ドラムに供給することによって、感光ドラムの表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を得る。
【0004】
このような現像装置の中でも、現像ローラの代わりに、現像ベルトを用いた装置がある(例えば、特許文献1参照)。特許文献1に開示された現像装置(以下、「従来の現像装置」と称する)は、トナー供給ローラによってトナーを現像ベルトに供給し、現像ベルトに供給されたトナーを現像ベルトから感光ドラムに供給することによって、感光ドラムの表面に形成された静電潜像を現像してトナー像を得る。なお、従来の現像装置は、現像に使用されなかったトナーを現像ベルトから回収し、回収されたトナーをトナー供給ローラによって再び現像ベルトに供給する構成となっている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0005】
【特許文献1】特開2009−192622号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
しかしながら、従来の現像装置は、以下に説明するように、現像剤供給部材が過度に変形する場合に、画像濃度が低下し易い、という課題があった。
従来の現像装置は、画像形成時に、トナーがトナー供給ローラと現像ベルトとの間の接触領域を繰り返し通過する。トナー供給ローラは、現像剤としてのトナーを現像ベルトに供給する現像剤供給部材である。トナーは、トナー供給ローラが過度に変形する場合に、トナー供給ローラから過度な圧力を受ける。そのため、トナーは、トナー供給ローラと現像ベルトとの間の接触領域を通過する度に、磨耗され、これにより、帯電性が徐々に劣化する。画像濃度は、トナーの帯電性が劣化すると、低下する。したがって、従来の現像装置は、現像剤供給部材が過度に変形する場合に、画像濃度が低下し易かった。
【0007】
本発明は、前記した課題を解決するためになされたものであり、現像剤供給部材が過度に変形することに起因する画像濃度の低下を抑制する現像装置、及び、当該現像装置を用いる画像形成装置を提供することを主な目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記目的を達成するため、第1発明は、現像装置であって、現像剤を担持する現像ベルトと、前記現像ベルトを走行自在に張設する複数の支持体と、前記複数の支持体の間の第1接触領域で前記現像ベルトと接触して、前記現像ベルトに前記現像剤を供給する現像剤供給部材と、静電潜像を担持し、前記複数の支持体の間の第2接触領域で前記現像ベルトと接触して、前記現像ベルトに担持された前記現像剤を当該静電潜像上に移動させることにより、当該静電潜像を現像する像担持体とを有し、前記第1接触領域での前記現像剤供給部材の変形量が、前記第1接触領域での前記現像ベルトの変形量以下となるように設定されている構成とする。
【0009】
この現像装置は、第1接触領域での現像剤供給部材の変形量が第1接触領域での現像ベルトの変形量以下となるように設定されている。現像剤は、現像剤供給部材が過度に変形しないため、現像剤供給部材から過度な圧力を受けない。そのため、現像剤は、現像剤供給部材と現像ベルトとの間の接触領域(第1接触領域)を繰り返し通過しても、磨耗されずに、帯電性を維持することができる。現像装置によって形成される画像濃度は、現像剤の帯電性が維持されているため、低下しない。したがって、この現像装置は、画像濃度の低下を抑制することができる。
【0010】
また、第2発明は、電子写真方式の画像形成装置であって、第1発明に係る現像装置を有する構成とする。
【発明の効果】
【0011】
第1発明によれば、現像剤供給部材が過度に変形することに起因する画像濃度の低下を抑制する現像装置を提供することができる。
また、第2発明によれば、第1発明に係る現像装置を用いる画像形成装置を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【0012】
【図1】実施形態1に係る画像形成装置の構成を示す図である。
【図2】実施形態1に係る現像装置の構成を示す図(1)である。
【図3】実施形態1に係る現像装置の構成を示す図(2)である。
【図4】実施形態1に係る現像装置の要部の関係を示す図である。
【図5】実施形態1に係る現像装置の要部の具体的な設定例を示す図(1)である。
【図6】実施形態1に係る現像装置の要部の具体的な設定例を示す図(2)である。
【図7】実施形態1に係る現像装置の画像判定結果の一覧を示す図である。
【図8】実施形態2に係る現像装置の構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0013】
以下、図面を参照して、本発明の実施の形態(以下、「本実施形態」と称する)につき詳細に説明する。なお、各図は、本発明を十分に理解できる程度に、概略的に示してあるに過ぎない。よって、本発明は、図示例のみに限定されるものではない。また、各図において、共通する構成要素や同様な構成要素については、同一の符号を付し、それらの重複する説明を省略する。
【0014】
[実施形態1]
<画像形成装置の構成>
以下、図1を参照して、本実施形態1に係る画像形成装置の構成につき説明する。図1は、実施形態1に係る画像形成装置の構成を示す図である。なお、図1に示す例では、図1の右側が画像形成装置のフロント側となり、図1の左側が画像形成装置のリヤ側となっている。
【0015】
本実施形態1に係る画像形成装置1は、電子写真プロセスによって画像を形成する装置である。画像形成装置1としては、プリンタや、複写機、ファクシミリ装置、複合機等がある。ここでは、画像形成装置1として、プリンタを想定して説明する。
【0016】
図1に示すように、画像形成装置1は、給紙カセット2、給紙ローラ3、分離ローラ4、搬送ローラ5、排出部9、現像装置10、露光装置20、転写ユニット30、定着器40、及び、制御部50を有している。
【0017】
給紙カセット2は、印刷媒体としての用紙Pが内部に収容される媒体収容部である。図1に示す例では、給紙カセット2は、転写ユニット30の下方に設けられている。
給紙ローラ3は、給紙カセット2から搬送路に用紙Pを1枚ずつ繰り出す部材である。分離ローラ4は、給紙ローラ3によって繰り出された用紙Pを1枚ずつに分離する部材である。給紙ローラ3及び分離ローラ4は、給紙カセット2の前端に設けられており、用紙Pを1枚ずつに分離させて給紙する給紙機構を構成している。
搬送ローラ5は、用紙Pを現像装置10及び転写ユニット30に向けて搬送する部材である。搬送ローラ5は、搬送路の上方に配置されたローラ5aと搬送路の下方に配置されたローラ5bとがあり、搬送路を介して互いに対向している。
排出部9は、画像が印刷された用紙Pを排出する部位である。
【0018】
現像装置10は、図示せぬ上位装置から送信される印刷命令に基づいて、内部に設けられた感光ドラム12の表面に画像を形成する装置である。現像装置10は、画像形成装置1に対して装着及び取り外しが自在な構成となっている。現像装置10の詳細については、「現像装置の構成」の章で説明する。なお、図1に示す例では、画像形成装置1は、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、及びシアン(C)の各色に対応して、4つの現像装置10が設けられている。4つの現像装置10は、内部に収容される現像剤(トナー)の色が異なる以外は、同じ構成となっている。以下、シアン、マゼンタ、イエロー、ブラックの各色に対応する構成要素を区別する場合に、各構成要素に与えられた符号の末尾に、英文字「C」、「M」、「Y」、「K」を付して説明する。
【0019】
露光装置20は、図示せぬ上位装置から送信される印刷命令に基づいて、現像装置10の感光ドラム12の表面を部分的に露光する装置である。露光装置20は、感光ドラム12の表面を部分的に露光することにより、感光ドラム12の表面に静電潜像を形成する。ここでは、露光装置20として、LED素子が複数配置されたLEDヘッドを想定して説明するが、レーザ露光装置やその他の発光手段を用いてもよい。露光装置20によって感光ドラム12の表面に形成された静電潜像は、現像装置10の内部に設けられた現像ベルト14(図2参照)に担持されたトナーが現像ベルト14の表面から感光ドラム12の表面に移動することによって、トナー像として現像される。なお、図1に示す例では、画像形成装置1は、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、及びシアン(C)の各色に対応して、4つの露光装置20K,20Y,20M,20Cが設けられている。
【0020】
転写ユニット30は、用紙Pを搬送しながら、現像装置10の感光ドラム12の表面に形成されたトナー像を用紙Pに転写する装置である。転写ユニット30は、搬送ベルト31、駆動ローラ32、従動ローラ33、及び、転写ローラ34を備えている。
【0021】
搬送ベルト31は、用紙Pが各感光ドラム12K,12Y,12M,12Cの下を通過するように、用紙Pを搬送する部材である。搬送ベルト31は、駆動ローラ32と従動ローラ33とによって張架されており、駆動ローラ32が回転することにより、走行する。
【0022】
駆動ローラ32及び従動ローラ33は、搬送ベルト31を張架する部材である。駆動ローラ32は、図示せぬ駆動装置によって回転駆動される。搬送ベルト31は、駆動ローラ32が回転することによって、走行する。一方、従動ローラ33は、搬送ベルト31の走行に伴って従動して回転する。
【0023】
転写ローラ34は、現像装置10の感光ドラム12の表面に形成されたトナー像を引き寄せて、トナー像を用紙Pに転写する部材である。転写ローラ34は、搬送ベルト31を介して、現像装置10の感光ドラム12に対向して設けられている。転写ローラ34は、感光ドラム12の表面に形成されたトナー像とは逆極性の電圧が印加されることによって、トナー像を引き寄せる。その際に、転写ローラ34は、トナー像を搬送ベルト31によって搬送される用紙Pに転写する。なお、図1に示す例では、画像形成装置1は、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、及びシアン(C)の各色に対応して、4つの転写ローラ34K,34Y,34M,34Cが設けられている。
【0024】
定着器40は、用紙Pに転写されたトナー像を用紙Pに定着させる装置である。定着器40は、定着ローラ41、加圧ローラ42、及び、加熱体としてのハロゲンランプ43を備えている。
【0025】
定着ローラ41は、用紙Pを加熱する部材である。定着ローラ41は、内部又は周囲にハロゲンランプ43が設けられており、ハロゲンランプ43によって生じた熱を用紙Pに伝達する。
加圧ローラ42は、定着ローラ41との間で用紙Pを挟み込んで、用紙Pを加圧する部材である。
定着器40は、定着ローラ41及び加圧ローラ42によって、用紙Pを加熱及び加圧して、用紙Pに転写されたトナー像を溶融させる。これによって、定着器40は、トナー像を用紙Pに定着させる。
【0026】
制御部50は、図示せぬ上位装置から送信される印刷命令に基づいて、各部を動作させて、用紙Pに画像を形成する機能手段である。制御部50は、図示せぬ上位装置から印刷命令を受信すると、給紙ローラ3及び分離ローラ4を回転させて、給紙カセット2から用紙Pを1枚ずつ分離させて給紙し、さらに、搬送ローラ5を回転させて、用紙Pを搬送ベルト31まで搬送する。そして、制御部50は、現像装置10及び露光装置20を駆動させて、感光ドラム12の表面にトナー像を形成させ、さらに、転写ユニット30を駆動させて、トナー像を用紙Pに転写させながら、用紙Pを定着器40まで搬送する。このとき、制御部50は、形成する画像がカラー画像であれば、現像装置10K,10Y,10M,10C及び露光装置20K,20Y,20M,20Cのそれぞれを駆動させて、感光ドラム12の表面に各色のトナー像を形成させ、さらに、転写ユニット30の各転写ローラ34K,34Y,34M,34Cに電圧を印加して、各色のトナー像を用紙Pに順次重ねて転写させる。これによって、カラーのトナー像を形成する。この後、制御部50は、定着器40を駆動させて、トナー像を用紙Pに定着させた後、その用紙Pを排出部9の上に集積させる。
【0027】
<現像装置の構成>
以下、図2及び図3を参照して、本実施形態1に係る現像装置10の構成につき説明する。図2及び図3は、それぞれ、実施形態1に係る現像装置の構成を示す図である。図2は、現像装置10の全体構成を示しており、図3は、その要部を拡大して示している。なお、図2及び図3は、現像装置10の一例として現像装置10Kの構成を示しているが、4つの現像装置10K,10Y,10M,10Cは、いずれも同じ構成になっている。
【0028】
図2に示されるように、現像装置10は、トナーカートリッジ11、感光ドラム12、帯電ローラ13、現像ベルト14、駆動ローラ15a、従動ローラ15b、トナー供給ローラ16、現像ブレード17、及び、クリーニングブレード18を有している。
【0029】
トナーカートリッジ11は、現像剤としての未使用のトナーTNを内部に収容する現像剤収容部である。トナーカートリッジ11は、トナー供給ローラ16の上方に設けられている。
【0030】
感光ドラム12は、表面に像を担持する像担持体である。感光ドラム12は、表層が有機光半導体から成る感光体によって、ドラム状に形成されている。感光ドラム12は、図示せぬ駆動装置によって矢印a方向に回転駆動される。感光ドラム12の周囲には、感光ドラム12の回転方向に沿って、帯電ローラ13、現像ベルト14、及び、クリーニングブレード18が設けられている。なお、画像形成装置1は、現像装置10が装着されることにより、感光ドラム12の周囲に、露光装置20、及び、転写ローラ34を配置した構成となる。露光装置20は、帯電ローラ13と現像ベルト14との間に配置される。また、転写ローラ34は、搬送ベルト31を介して感光ドラム12と対向するように、現像ベルト14とクリーニングブレード18との間に配置される。
【0031】
帯電ローラ13は、感光ドラム12の表面を一様に帯電させる部材である。帯電ローラ13は、感光ドラム12の感光体に電荷を与え、感光ドラム12の表面を一様に、約−600(V)に帯電させる。そのために、現像装置10は、負の極性の直流の電圧を帯電ローラ13に印加する。この帯電ローラ13は、感光ドラム12の感光体の膜減り量を少なくするために、感光ドラム12に連れ回されて回転する構成となっている。感光ドラム12の表面は、帯電ローラ13によって帯電された後、露光装置20によって部分的に露光されて、静電潜像が形成される。
【0032】
現像ベルト14は、トナーTNを搬送する部材である。現像ベルト14は、表面にトナーTNを担持する現像剤担持体として機能する。現像ベルト14は、例えば、クロロプレンゴム、半導電性のウレタン樹脂、ポリイミド樹脂、ポリイミドアミド樹脂、ウレタンゴム、シリコーンゴム、NBRゴム等のゴム材によって構成される。
【0033】
現像ベルト14は、駆動ローラ15aと従動ローラ15bとによって張架されている。現像ベルト14の周囲には、トナー供給ローラ16と感光ドラム12とが設けられている。トナー供給ローラ16及び感光ドラム12は、それぞれ、駆動ローラ15aと従動ローラ15bとの間の張架された現像ベルト14の両側の張架部分に当接している。トナー供給ローラ16及び感光ドラム12は、それぞれ、現像ベルト14の張架部分を、駆動ローラ15aと従動ローラ15bとの張架によって形成されたループの外側から内側に向けて押し込むように、配置されている。現像ベルト14は、トナー供給ローラ16及び感光ドラム12のこのような配置により、図3に示す当接部A1〜当接部A2の領域(以下、「第1接触領域A1−A2」と称する)で、トナー供給ローラ16と当接しており、また、図3に示す当接部B1〜当接部B2の領域(以下、「第2接触領域B1−B2」と称する)で、感光ドラム12と当接している。
【0034】
現像ベルト14は、駆動ローラ15aが回転することにより、矢印b方向に走行する。このとき、現像ベルト14は、トナー供給ローラ16の回転方向(矢印c方向)に対して逆向きに、第1接触領域A1−A2におけるトナー供給ローラ16の周速とほぼ同じ速度で走行する。また、現像ベルト14は、感光ドラム12の回転方向(矢印a方向)と同じ向きに、第2接触領域B1−B2における感光ドラム12の周速の1.1〜1.5倍の速度で走行する。
【0035】
現像ベルト14は、走行することにより、トナー供給ローラ16と当接する側の張架部分が、従動ローラ15bから離れ、図3に示す当接部A1でトナー供給ローラ16との接触を開始し、図3に示す当接部A2でトナー供給ローラ16との接触を終了し、その後、駆動ローラ15aとの接触を開始する。また、現像ベルト14は、感光ドラム12と当接する側の張架部分が、駆動ローラ15aから離れ、図3に示す当接部B1で感光ドラム12との接触を開始し、図3に示す当接部B2で感光ドラム12との接触を終了し、その後、従動ローラ15bとの接触を開始する。
【0036】
現像ベルト14は、走行することにより、当接部A2で、トナー供給ローラ16によってトナーTNが供給され、表面にトナーTNを担持した状態で感光ドラム12に向けて走行する。その際に、現像ベルト14に担持されたトナーTNは、現像ブレード17の先端と接触し、これによって、層厚が一定に調整される。その後、トナーTNは、第2接触領域B1−B2に到達すると、感光ドラム12と接触する。すると、トナーTNは、現像ベルト14の表面から感光ドラム12の表面に形成された静電潜像上に移動する。その結果、現像装置10は、トナーTNによって感光ドラム12の表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する。
【0037】
駆動ローラ15a及び従動ローラ15bは、現像ベルト14を走行自在に支持する支持体である。駆動ローラ15a及び従動ローラ15bは、それぞれ、現像ベルト14の走行性を高くするために、金属等の導電性の材料によって構成されている。例えば、駆動ローラ15aは、金属製のシャフトの周囲に導電性の弾性層が形成された構成とすることができる。又は、駆動ローラ15aは、弾性層を形成する以外に、シャフトにサンドブラスト処理や、ローレッド加工等を施すことによっても形成することができる。
【0038】
駆動ローラ15aは、感光ドラム12の回転に合わせて、図示せぬ駆動装置によって回転駆動される。現像ベルト14は、駆動ローラ15aが回転することによって、矢印b方向に走行する。一方、従動ローラ15bは、現像ベルト14の走行に伴って従動して回転する。そのために、現像装置10は、図示せぬコイルばね等の付勢部材によって、従動ローラ15bを駆動ローラ15aから離間する方向に付勢して、一定の張力を現像ベルト14に与えている。なお、図2に示す例では、上方に設けられたローラを駆動ローラ15aとし、下方に設けられたローラを従動ローラ15bとしているが、2つのローラは、逆であってもよい。
【0039】
トナー供給ローラ16は、トナーTNを現像ベルト14に供給する現像剤供給部材である。トナー供給ローラ16は、表層が、例えば、ウレタンゴム、クロロプレンゴム、シリコーンゴム等のゴム材によって構成されており、そのゴム材で金属軸を被覆することによって形成されている。トナー供給ローラ16は、図示せぬ駆動装置によって矢印c方向に回転駆動される。その際に、トナー供給ローラ16は、当接部A2(図3参照)で、現像に使用されるトナーTNを現像ベルト14に供給するとともに、当接部A1(図3参照)で、現像ベルト14から現像に使用されなかったトナーTNを回収する。
【0040】
現像ブレード17は、現像ベルト14に供給されたトナーTNの薄層を規制する現像剤規制部材である。現像ブレード17は、現像ベルト14を介して駆動ローラ15aと対向するように、設けられている。現像ブレード17は、先端が折り曲げられた、弾性を有する金属薄板によって構成されている。現像ブレード17は、先端が所定の圧力で現像ベルト14の表面と当接することにより、現像ベルト14の表面に付着しているトナーTNを一定の層厚に調整する。
【0041】
クリーニングブレード18は、転写後に感光ドラム12の表面に残留しているトナーTNを除去するクリーニング部材である。クリーニングブレード18は、転写ローラ34と帯電ローラ13との間で感光ドラム12に当接するように、設けられている。クリーニングブレード18は、先端が折り曲げられた、弾性を有する金属薄板によって構成されている。クリーニングブレード18は、先端が所定の圧力で感光ドラム12の表面と当接することにより、感光ドラム12の表面からトナーTNを掻き取る。
【0042】
図3に示すように、現像装置10は、動作時に、印加電圧電源19aによって、電圧VDの電位を駆動ローラ15aに与え、印加電圧電源19bによって、電圧VRの電位を従動ローラ15bに与える。そのため、現像ベルト14の張架部分には、電位VDと電位VRとの電位差によって、微小な電流が流れる。また、現像装置10は、印加電圧電源19cによって、電圧VSの電位をトナー供給ローラ16に与える。
【0043】
なお、印加電圧電源19a,19b,19cの各電圧VD,VR,VSは、それぞれ、例えば、以下の値に設定される。
(1)印加電圧電源19aの電圧VD:「−100(V)」
(2)印加電圧電源19bの電圧VR:「−400(V)」
(3)印加電圧電源19cの電圧VS:「−300(V)」
【0044】
現像ベルト14の電気抵抗値は、現像ベルト14の周長に比例する。そのため、現像ベルト14は、駆動ローラ15aと従動ローラ15bとの間で抵抗分圧された電位分布となる。例えば、現像ベルト14の当接部A1には、当接部A1から駆動ローラ15aまでの距離と当接部A1から従動ローラ15bまでの距離との比によって、電位VDと電位VRとを分圧した電位(以下、「第1分圧電位Vd1(図示せず)」と称する)が現れる。また、現像ベルト14の当接部A2には、当接部A2から駆動ローラ15aまでの距離と当接部A2から従動ローラ15bまでの距離との比によって、電位VDと電位VRとを分圧した電位(以下、「第2分圧電位Vd2(図示せず)」と称する)が現れる。
【0045】
しかも、現像装置10は、印加電圧電源19cによって、「Vd1<VS<Vd2」の関係になっている、電圧VSの電位をトナー供給ローラ16に与える。そのため、当接部A1には、第1分圧電位Vd1(図示せず)と電位VSとの電位差によって電界が形成される。この電界は、第1分圧電位Vd1と電位VSとが「Vd1<VS」の関係になっており、また、現像に使用されずに現像ベルト14に残ったトナーTN(以下、「現像残トナーTNb」と称する)が負に帯電されているため、現像残トナーTNbを現像ベルト14の表面からトナー供給ローラ16の表面に移動させるように作用する。また、当接部A2には、第2分圧電位Vd2(図示せず)と電位VSとの電位差によって電界が形成される。この電界は、電位VSと第2分圧電位Vd2とが「VS<Vd2」の関係になっており、また、トナー供給ローラ16に付着したトナーTNが負に帯電されているため、トナー供給ローラ16に付着したトナーTNをトナー供給ローラ16の表面から現像ベルト14の表面に移動させるように作用する。
【0046】
<現像剤の構成>
各現像装置10は、それぞれ、一成分のトナーTNを使用する。トナーTNは、ポリエステル、ポリスチレン等の樹脂成分、着色剤、離型剤、帯電制御剤等を含むトナー本体、及び、トナー本体の表層に加えられたシリカ等の外添剤から成り、粉砕法や重合法等の製造方法によって形成される。
【0047】
トナーTNは、3〜10(μm)の体積平均粒径を有し、0.90以上かつ0.98以下の範囲の平均球形度φを有する。なお、トナーTNの平均球形度φは、トナーTNの凹凸の度合いを示す指標である。
【0048】
トナーTNの平均球形度φは、測定されたトナー粒子(トナー検出粒子数、3500個)の球形度の総和を測定されたトナー粒子の数で除算することによって算出される。そのトナー粒子の球形度は、以下の式(1)で表すことができる。
トナー粒子の球形度=(粒子投影面積に等しい円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)…(1)
トナー粒子の球形度は、トナーTNが完全な球形である場合に、1.00になり、トナー粒子の表面形状が複雑になるほど、小さな値になる。
粒子投影面積は、2値化されたトナー粒子像の面積である。
粒子投影像の周囲長は、トナー粒子像のエッジ点を結んで得られる輪郭線の長さである。
トナーTNの平均球形度φの測定は、フロー式粒子像分析装置(例えば、東亜医用電子社製、FPIA−2000)を使用することによって、行うことができる。
【0049】
トナーTNは、帯電制御剤、外添剤等によって、ブローオフ法で測定した場合の帯電量(μQ/m)が、−60(μQ/m)以上かつ−20(μQ/m)以下の範囲になるように調整される。
【0050】
<画像形成装置及び現像装置の動作>
以下、図2及び図3を参照して、画像形成装置1及び現像装置10の動作につき説明する。
【0051】
係る構成において、画像形成装置1は、図示せぬ上位装置から印刷命令を受信すると、制御部50(図1参照)が、印刷命令に基づいて、現像装置10、露光装置20、転写ユニット30(図1参照)、及び、定着器40(図1参照)を駆動させる。
【0052】
これに応答して、現像装置10は、図示せぬ駆動装置によって感光ドラム12を矢印a方向に回転させながら、帯電ローラ13によって感光ドラム12の表面を一様に帯電させる。そして、露光装置20が、一様に帯電された感光ドラム12の表面を部分的に露光して、感光ドラム12の表面に静電潜像を形成する。
【0053】
また、現像装置10は、図示せぬ駆動装置によってトナー供給ローラ16を矢印c方向に回転駆動させる。このとき、トナー供給ローラ16とその周囲のトナーTNとの間には、ワンデルワールス力、及び、スポンジ状に形成されたトナー供給ローラ16の表面粗さによる微小クーロン力が、付着力として働く。そのため、トナーTNが、トナー供給ローラ16の表面に付着する。
【0054】
同時に、現像装置10は、図示せぬ駆動装置によって駆動ローラ15aを駆動させて、現像ベルト14を矢印b方向に走行させる。このとき、現像ベルト14は、トナー供給ローラ16の回転方向に対して逆向きに、第1接触領域A1−A2におけるトナー供給ローラ16の周速とほぼ同じ速度で走行する。また、現像ベルト14は、感光ドラム12の回転方向と同じ向きに、第2接触領域B1−B2における感光ドラム12の周速の1.1〜1.5倍の速度で走行する。
【0055】
トナー供給ローラ16の表面に付着したトナーTNは、当接部A2に発生した電界によって、トナー供給ローラ16の表面から現像ベルト14の表面に移動する。これにより、現像装置10は、当接部A2で、現像に使用するトナーTNを現像ベルト14に供給する。
【0056】
現像ベルト14は、表面にトナーTNを担持した状態で感光ドラム12に向けて走行する。その際に、現像ベルト14に担持されたトナーTNは、現像ブレード17の先端と接触し、これによって、層厚が一定に調整される。その後、トナーTNは、第2接触領域B1−B2に到達すると、感光ドラム12と接触する。すると、トナーTNは、当接部B2に発生した電界によって、現像ベルト14の表面から感光ドラム12の表面に形成された静電潜像上に移動する。その結果、現像装置10は、トナーTNによって感光ドラム12の表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する。このようにして、現像ベルト14に担持されたトナーTNは、現像に使用される。
【0057】
トナー像の形成に合わせて、転写ユニット30(図1参照)が、用紙Pを定着器40に向けて搬送する。その際に、転写ユニット30は、転写ローラ34によって感光ドラム12の表面に形成されたトナー像を用紙Pに転写させる。
【0058】
この後、定着器40が、用紙Pを加熱及び加圧して、トナー像を溶融させ、これによって、トナー像を用紙Pに定着させる。画像形成装置1は、トナー像が定着された用紙Pを排出部9(図1参照)に搬送して、排出部9に排出する。
【0059】
なお、第2接触領域B1−B2を通過した現像ベルト14の表面には、現像に使用されなかった現像残トナーTNbが付着している。現像装置10は、図示せぬ駆動装置によって駆動ローラ15aをさらに回転駆動させて、現像残トナーTNbを第1接触領域A1−A2に向けて搬送する。
【0060】
現像残トナーTNbは、第1接触領域A1−A2に到達すると、トナー供給ローラ16と接触する。すると、現像残トナーTNbは、当接部A1に発生した電界によってトナー供給ローラ16に電気的に引き寄せられるとともに、スポンジ状に形成されたトナー供給ローラ16の表層によって物理的に掻き取られて、現像ベルト14の表面からトナー供給ローラ16の表面に移動する。これにより、現像装置10は、現像残トナーTNbを回収する。
【0061】
回収された現像残トナーTNbは、トナー供給ローラ16が回転することにより、当接部A2に搬送される。その結果、現像残トナーTNbは、再び現像に使用される。したがって、現像装置10は、画像形成時において、現像ベルト14に対してトナー供給ローラ16によるトナーTNの供給と回収とを繰り返し行う。
【0062】
また、転写後の感光ドラム12の表面には、トナーTNが残留している。現像装置10は、クリーニングブレード18によって感光ドラム12の表面に残留しているトナーTNを感光ドラム12から掻き落とす。掻き落とされたトナーTNは、例えば、図示せぬ搬送機構によって当接部A2に搬送されて、再び現像に使用される。
【0063】
<画像濃度の低下を抑制するための配置関係>
ところで、現像装置10は、トナー供給ローラ16が過度に変形することに起因する画像濃度の低下を抑制する必要がある。そのためには、現像装置10は、第1接触領域A1−A2において、トナー供給ローラ16の変形量L3(図4(b)参照)が現像ベルト14の変形量L2(図4(b)参照)以下となる関係(「L3≦L2」となる関係)で配置されることが好ましい。現像ベルト14及びトナー供給ローラ16は、この関係を満たすように、現像ベルト14の伸び率及びトナー供給ローラ16の硬度が設定されている。
【0064】
以下に、図4を参照して、現像ベルト14及びトナー供給ローラ16の関係につき説明する。図4は、実施形態1に係る現像装置の要部の関係を示す図である。図4に示すように、現像装置10は、トナー供給ローラ16が第1接触領域A1−A2で現像ベルト14をループの内側方向に押し込み、感光ドラム12が第2接触領域B1−B2で現像ベルト14をループの内側方向に押し込む構成となっている。
【0065】
ここでは、図4(a)及び図4(b)に示すように、第1接触領域A1−A2において、現像ベルト14に対するトナー供給ローラ16の押し込み量を「L1」とし、トナー供給ローラ16の押し込みによる現像ベルト14の変形量を「L2」とし、トナー供給ローラ16の押し込みによるトナー供給ローラ16の変形量を「L3」として説明する。
【0066】
トナー供給ローラ16の押し込み量L1は、現像ベルト14の変形量L2とトナー供給ローラ16の変形量L3との和となる。すなわち、「L1=(L2+L3)」となる。
【0067】
このトナー供給ローラ16の押し込み量L1は、図4(a)及び図4(b)に示すように、トナー供給ローラ16の中心点を「G」とし、トナー供給ローラ16の半径を「R1」とし、駆動ローラ15aと従動ローラ15bとの接線を「EF」とし、接線EFとトナー供給ローラ16の中心点Gからの垂線との交点を「H」とし、トナー供給ローラ16の中心点Gから接線EFまでの垂線の線分を「GH」とした場合に、トナー供給ローラ16の半径R1から線分GHの長さを差し引いた値となる。すなわち、「L1=(R1−GH)」となる。
【0068】
そして、現像ベルト14及びトナー供給ローラ16は、トナー供給ローラ16の変形量L3が現像ベルト14の変形量L2以下(「L3≦L2」)になる関係で配置される。すなわち、現像ベルト14及びトナー供給ローラ16は、「L3≦L2」となる関係で配置される。
【0069】
例えば、仮に、トナー供給ローラ16の押し込み量L1が4(mm)である場合に、現像ベルト14の変形量L2が3(mm)で、かつ、トナー供給ローラ16の変形量L3が1(mm)になっていれば、この関係を満たす。前記した通り、現像ベルト14及びトナー供給ローラ16は、この関係を満たすように、現像ベルト14の伸び率及びトナー供給ローラ16の硬度が設定される。
【0070】
一例として、図5及び図6に、具体的な設定例を示す。図5及び図6は、それぞれ、実施形態1に係る現像装置の要部の具体的な設定例を示す図である。なお、ここでは、現像ベルト14は、断面形状が円形になっているものとして説明する。
【0071】
図5(a)及び図5(b)に示すように、設定例では、現像装置10の要部が、以下の条件で設定されている。
1.駆動ローラ15a及び従動ローラ15bの設定
(1)駆動ローラ15aの直径:「14(mmφ)」
(2)従動ローラ15bの直径:「7(mmφ)」
(3)駆動ローラ15aと従動ローラ15bとの軸間距離:「22.8(mm)」
2.現像ベルト14の設定
(1)現像ベルト14の内周長:「78.5(mm)」
(2)現像ベルト14の厚さ:「1(mm)」
3.感光ドラム12及びトナー供給ローラ16の設定
(1)感光ドラム12の直径:「30(mmφ)」
(2)トナー供給ローラ16の直径:「14(mmφ)」
【0072】
なお、現像ベルト14のニップ幅(ローラ部材との間の接触部分の幅)は、2〜20(mm)の範囲となるように設定されるとよい。ここでは、ニップ幅は、8(mm)に設定されているものとする。
また、現像ベルト14に対するトナー供給ローラ16の押し込み量L1(図4(a)参照)は、1〜6(mm)の範囲となるように設定されるとよい。ここでは、押し込み量L1は、4(mm)に設定されているものとする。
【0073】
係る条件において、設定例では、現像ベルト14は、(1)現像ベルト14に対する押し込みがない場合(すなわち、駆動ローラ15aと従動ローラ15bとによって張架されているだけの場合)と、(2)現像ベルト14に対する押し込みがある場合(すなわち、駆動ローラ15aと従動ローラ15bとによって張架され、さらに、感光ドラム12とトナー供給ローラ16とによって押し込まれている場合)とで、図6に示す値に設定されている。
【0074】
そして、例えば、トナー供給ローラ16の押し込み量L1が4(mm)である場合に、現像ベルト14の変形量L2が3(mm)で、かつ、トナー供給ローラ16の変形量L3が1(mm)であれば、「L3≦L2」の関係を満たすので、現像ベルト14の伸び率及びトナー供給ローラ16の硬度は、この関係を満たす値となるように、設定される。
【0075】
例えば、設定例では、現像ベルト14は、現像ベルト14に対する押し込みがない場合(図5(a)参照)に、図6に示すように、張架時の内周長が「79.0(mm)」となり、内周長の伸びが「0.5(mm)」となり、伸び率が「0.64%」となるように、伸び率が設定されている。
【0076】
ここで、図6に示す「(2)張架時の内周長」は、例えば、「(24.1+22.5+9.9+22.5)=79.0(mm)」のように、現像ベルト14の各部分の値(図5(a)参照)を合計することによって算出される。また、図6に示す「(3)内周長の伸び」は、例えば、「(79.0−78.5)=0.5(mm)」のように、図6に示す「(2)張架時の内周長」から図6に示す「(1)内周長」を差し引くことによって算出される。また、図6に示す「(4)伸び率」は、例えば、「(0.5÷78.5)=0.64(%)」のように、図6に示す「(3)内周長の伸び」を図6に示す「(1)内周長」で除することによって算出される。
【0077】
また、設定例では、現像ベルト14は、現像ベルト14に対する押し込みがある場合(図5(b)参照)に、図6に示すように、内周長が「1.0(mm)」伸びた状態となり、その伸び率が「1.27%」となるように、伸び率が設定されている。
そして、このような設定を満たすように、例えば、現像ベルト14のゴム硬度として「JIS_A45°」が設定され、トナー供給ローラ16の硬度として「アスカーF50(°)」が設定される。
【0078】
係る構成において、トナー供給ローラ16は、好ましくは、10〜10(Ωcm)の体積抵抗率を有しているとよい。
【0079】
また、現像ベルト14は、好ましくは、10〜10(Ωcm)の体積抵抗率を有し、表面粗さRzが2〜15(μm)の範囲になるように形成されるとよい。なお、現像ベルト14の体積抵抗率は、10(Ωcm)未満になると、駆動ローラ15aに印加された電圧により、現像ベルト14上に電流がリークしてしまうため、好ましくない。また、現像ベルト14の体積抵抗率は、10(Ωcm)を超えると、前記した抵抗分圧による電位の勾配を所望の通りに発生させることが困難になるため、好ましくない。
【0080】
<実証実験>
画像濃度の低下の抑制を確認するために、前記した設定例の現像装置10を搭載する画像形成装置1を用いて、以下の実験を行った。
【0081】
実験では、温度22℃、湿度40%の室温環境下で、A4サイズの用紙Pを横送りして、まず、1枚の100%デューティの印刷を行い、次に、20000枚の5%デューティの印刷(以下、「一般印刷」と称する)を行い、その後に、1枚の100%デューティの印刷を行って、20000枚の一般印刷の前と後とで、100%デューティの印刷の濃度(OD値)を比較した。これにより、20000枚の一般印刷の影響で、画像濃度がどのように変動するのかを測定した。なお、濃度の測定は、分光色彩濃度計としてX−Rite528(X−Rite社製)を用いて行った。
【0082】
その結果、前記した設定例の現像装置10を搭載する画像形成装置1によれば、20000枚の一般印刷の前と後とで、濃度変動の少ない安定した画像を形成することが確認できた。
この実験結果は、第1接触領域A1−A2での負荷が軽減されて、トナーTNの磨耗が抑制されたことにより、得られたものである。
【0083】
なお、実験では、現像ベルト14及びトナー供給ローラ16は、ニップ幅が2〜20(mm)の範囲で、かつ、現像ベルト14に対するトナー供給ローラ16の押し込み量L1が1〜6(mm)の範囲である場合に、良好となった。
【0084】
この範囲外で不良となる理由は、以下の通りである。
(1)ニップ幅が20(mm)よりも広い場合に、現像ベルト14とトナー供給ローラ16との間の接触面積が大きくなり過ぎるため、トナーTNへのダメージ(例えば、外添剤が欠落したり、トナーTNが溶融したりする等)が大きくなる。その結果、トナーTNの劣化が著しくなる。
(2)ニップ幅が2(mm)未満である場合に、現像ベルト14とトナー供給ローラ16との間の接触面積が小さくなり過ぎるため、現像ベルト14の抵抗分圧による電位差を得ることが困難になる。その結果、トナー供給ローラ16による現像ベルト14上の現像残トナーTNbの回収が不十分になる。
(3)押し込み量L1が6(mm)よりも大きい場合に、現像ベルト14とトナー供給ローラ16との間の摩擦抵抗による負荷が増大する。その結果、トナーTNの劣化が著しくなる。
(4)押し込み量L1が1(mm)未満である場合に、十分なニップ幅をとることが困難になる。また、現像ベルト14の抵抗分圧による電位差を得ることが困難になる。その結果、トナー供給ローラ16による現像ベルト14上の現像残トナーTNbの回収が不十分になる。
【0085】
さらに、前記した設定例の現像装置10を搭載する画像形成装置1を用いて、図7に示す表1〜表4のように、押し込み量L1、現像ベルト14の変形量L2、及び、トナー供給ローラ16の変形量L3の値を変更して、同様の実験を行った。図7は、実施形態1に係る現像装置の画像判定結果の一覧を示す図である。
【0086】
図7(a)の表1は、押し込み量L1を1(mm)とし、現像ベルト14の変形量L2及びトナー供給ローラ16の変形量L3の値を0.1(mm)ずつ変更した場合の画像判定結果を示している。また、図7(b)の表2は、押し込み量L1を2(mm)とし、現像ベルト14の変形量L2及びトナー供給ローラ16の変形量L3の値を0.2(mm)ずつ変更した場合の画像判定結果を示している。図7(c)の表3は、押し込み量L1を4(mm)とし、現像ベルト14の変形量L2及びトナー供給ローラ16の変形量L3の値を0.4(mm)ずつ変更した場合の画像判定結果を示している。図7(d)の表4は、押し込み量L1を6(mm)とし、現像ベルト14の変形量L2及びトナー供給ローラ16の変形量L3の値を0.6(mm)ずつ変更した場合の画像判定結果を示している。
【0087】
図7に示す表1〜表4は、それぞれ、一般印刷の前と後とで、100%デューティの印刷の濃度変動が小さく、良好な画質の画像を「○」とし、濃度変動がある程度認められるが、問題がないレベルの画質の画像を「△」とし、濃度変動が大きく、不良な画質の画像を「×」として示している。
【0088】
例えば、OD値の変動の差が0.1未満である場合に、画像判定結果は「○」となり、OD値の変動の差が0.1以上かつ0.3未満である場合に、画像判定結果は「△」となり、OD値の変動の差が0.3以上の場合に、画像判定結果は「×」となる。
【0089】
実験では、トナー供給ローラ16の変形量L3が現像ベルト14の変形量L2以下(「L3≦L2」)である場合に、トナーTNの磨耗量が減少し、濃度変動の少ない安定した画像が得られた。
また、実験では、トナー供給ローラ16の変形量L3が、トナー供給ローラ16の押し込み量L1の0〜50(%)である場合に、濃度変動の少ない、良好な画像が得られ、特に、トナー供給ローラ16の変形量L3が、トナー供給ローラ16の押し込み量L1の10〜40(%)である場合に、より濃度変動の少ない、最適な画像が得られた。
【0090】
なお、トナー供給ローラ16の直径を適宜変更して実験したところ、トナー供給ローラ16の直径が10〜30(mm)の範囲である場合に、現像装置10は、このような傾向となることを確認することができた。そのため、トナー供給ローラ16の直径は、10〜30(mm)の範囲であることが好ましい。
【0091】
しかしながら、トナー供給ローラ16の直径が10(mm)未満である場合に、現像装置10は、トナー供給ローラ16の回転速度が速くなり、第1接触領域A1−A2で、現像ベルト14とトナー供給ローラ16との摩擦抵抗による負荷が増大する。その結果、トナーTNの劣化が著しくなり、これによって、濃度変動が大きくなり、画像不良が発生する。そのため、トナー供給ローラ16の直径は、10(mm)未満になると、好ましくない。
【0092】
また、トナー供給ローラ16の直径は、30(mm)よりも大きくなると、現像装置10が大型化してしまうため、好ましくない。
【0093】
また、トナー供給ローラ16の変形量L3が現像ベルト14の変形量L2よりも大きい(「L3>L2」)場合に、第1接触領域A1−A2で、現像ベルト14とトナー供給ローラ16との間の圧力が増大する。その結果、トナーTNの劣化が著しくなり、これによって、濃度変動が大きくなり、画像不良が発生する。そのため、トナー供給ローラ16の変形量L3は、現像ベルト14の変形量L2よりも大きいと、好ましくない。
【0094】
このように、現像装置10は、第1接触領域A1−A2でのトナー供給ローラ16の変形量L3が第1接触領域A1−A2での現像ベルト14の変形量L2以下となるように、現像ベルト14の伸び率及びトナー供給ローラ16の硬度が設定されているため、現像ベルト14及びトナー供給ローラ16の劣化を抑制することができ、さらに、トナーTNの劣化を抑制することができる。したがって、現像装置10は、経時での画像濃度の変動が小さい、安定した画像を得ることができる。
【0095】
以上の通り、本実施形態1に係る現像装置10によれば、トナー供給ローラ16の変形量を規制しているため、トナー供給ローラ16が過度に変形するのを防止し、これによって、トナーTNの磨耗及びトナーTNの帯電性の劣化を抑制することができる。その結果、現像装置10によれば、トナー供給ローラ16が過度に変形することに起因する画像濃度の低下を防止し、もって、画像品位を向上させることができる。
【0096】
[実施形態2]
以下に、図8を参照して、本実施形態2に係る現像装置110の構成につき説明する。図8は、実施形態2に係る現像装置の構成を示す図である。
【0097】
図8に示すように、本実施形態2に係る現像装置110は、実施形態1の現像装置10と比較すると、以下の(1)〜(4)の点で、相違している。
(1)現像装置110は、従動ローラ15cが追加されており、駆動ローラ15aと従動ローラ15bと従動ローラ15cの3つのローラで現像ベルト14を張架している。
(2)現像装置110は、印加電圧電源19dが追加されており、印加電圧電源19aが電圧VDを駆動ローラ15aに印加し、印加電圧電源19bが電圧VR1を従動ローラ15bに印加し、印加電圧電源19cが電圧VSをトナー供給ローラ16に印加し、印加電圧電源19dが電圧VR2を従動ローラ15cに印加する。
(3)現像装置110は、現像ベルト14が、従動ローラ15cと駆動ローラ15aとの間の、当接部C1〜当接部C2の領域(以下、「第1接触領域C1−C2」)で、トナー供給ローラ16と当接している。
(4)現像装置110は、クリーニングブレード118が従動ローラ15bと従動ローラ15cとの間に設けられており、クリーニングブレード118によって現像残トナーTNbを現像ベルト14から掻き落とす。
【0098】
以下に、現像装置110の動作につき説明する。ここでは、現像装置110の現像動作について、実施形態1の現像装置10と相違する動作を重点的に説明し、実施形態1の現像装置10と同様の動作については、前記した実施形態1の現像装置10の動作をこの実施形態2の現像装置110に読み替えるものとして、詳細な説明を省略する。なお、ここでは、本実施形態2に係る現像装置110を搭載する画像形成装置を、「画像形成装置101」として説明する。
【0099】
なお、図8に示すように、現像装置110は、動作時に、印加電圧電源19aによって、電圧VDの電位を駆動ローラ15aに与え、印加電圧電源19bによって、電圧VR1の電位を従動ローラ15bに与え、さらに、印加電圧電源19dによって、電圧VR2の電位を従動ローラ15cに与える。そのため、現像ベルト14の張架部分には、与えられた各電位の電位差によって、微小な電流が流れる。また、現像装置10は、印加電圧電源19cによって、電圧VSの電位をトナー供給ローラ16に与える。
【0100】
なお、印加電圧電源19a,19b,19c,19dの各電圧VD,VR1,VS,VR2は、それぞれ、例えば、以下の値に設定される。
(1)印加電圧電源19aの電圧VD:「−100(V)」
(2)印加電圧電源19bの電圧VR1:「−300(V)」
(3)印加電圧電源19cの電圧VS:「−300(V)」
(4)印加電圧電源19dの電圧VR2:「−500(V)」
【0101】
現像ベルト14の電気抵抗値は、前記した通り、現像ベルト14の周長に比例する。そのため、現像ベルト14には、駆動ローラ15aと従動ローラ15cとの間で抵抗分圧された電位分布となる。例えば、現像ベルト14の当接部C1には、当接部C1から駆動ローラ15aまでの距離と当接部C1から従動ローラ15cまでの距離との比によって、電位VDと電位VR2とを分圧した電位(以下、「第3分圧電位Vd3(図示せず)」と称する)が現れる。また、現像ベルト14の当接部C2には、当接部C2から駆動ローラ15aまでの距離と当接部C2から従動ローラ15cまでの距離との比によって、電位VDと電位VR2とを分圧した電位(以下、「第4分圧電位Vd4(図示せず)」と称する)が現れる。
【0102】
しかも、現像装置110は、印加電圧電源19cによって、「Vd3<VS<Vd4」の関係になっている、電圧VSの電位をトナー供給ローラ16に与える。そのため、当接部C1には、第3分圧電位Vd3(図示せず)と電位VSとの電位差によって電界が形成される。この電界は、第3分圧電位Vd3と電位VSとが「Vd3<VS」の関係になっており、また、現像残トナーTNbが負に帯電されているため、現像残トナーTNbを現像ベルト14の表面からトナー供給ローラ16の表面に移動させるように作用する。また、当接部C2には、第4分圧電位Vd4(図示せず)と電位VSとの電位差によって電界が形成される。この電界は、電位VSと第4分圧電位Vd4とが「VS<Vd4」の関係になっており、また、トナー供給ローラ16に付着したトナーTNが負に帯電されているため、トナー供給ローラ16に付着したトナーTNをトナー供給ローラ16の表面から現像ベルト14の表面に移動させるように作用する。
【0103】
画像形成装置101は、図示せぬ上位装置から印刷命令を受信すると、制御部50(図1参照)が、印刷命令に基づいて、現像装置110(図8参照)、露光装置20(図1参照)、転写ユニット30(図1参照)、及び、定着器40(図1参照)を駆動させる。
【0104】
これに応答して、現像装置110は、図示せぬ駆動装置によって感光ドラム12を矢印a方向に回転させながら、帯電ローラ13によって感光ドラム12の表面を一様に帯電させる。そして、露光装置20が、一様に帯電された感光ドラム12の表面を部分的に露光して、感光ドラム12の表面に静電潜像を形成する。
【0105】
また、現像装置110は、図示せぬ駆動装置によってトナー供給ローラ16を矢印c方向に回転駆動させる。このとき、トナーTNが、トナー供給ローラ16の表面に付着する。
【0106】
同時に、現像装置110は、図示せぬ駆動装置によって駆動ローラ15aを駆動させて、現像ベルト14を矢印b方向に走行させる。このとき、現像ベルト14は、トナー供給ローラ16の回転方向に対して逆向きに、第1接触領域C1−C2におけるトナー供給ローラ16の周速とほぼ同じ速度で走行する。また、現像ベルト14は、感光ドラム12の回転方向と同じ向きに、第2接触領域B1−B2における感光ドラム12の周速の1.1〜1.5倍の速度で走行する。
【0107】
トナー供給ローラ16の表面に付着したトナーTNは、当接部C2に発生した電界によって、トナー供給ローラ16の表面から現像ベルト14の表面に移動する。これにより、現像装置110は、当接部C2で、現像に使用するトナーTNを現像ベルト14に供給する。
【0108】
現像ベルト14は、表面にトナーTNを担持した状態で感光ドラム12に向けて走行する。その際に、現像ベルト14に担持されたトナーTNは、現像ブレード17の先端と接触し、これによって、層厚が一定に調整される。その後、トナーTNは、第2接触領域B1−B2に到達すると、感光ドラム12と接触する。すると、トナーTNは、当接部B2に発生した電界によって、現像ベルト14の表面から感光ドラム12の表面に形成された静電潜像上に移動する。その結果、現像装置110は、トナーTNによって感光ドラム12の表面に形成された静電潜像をトナー像として現像する。
【0109】
トナー像の形成に合わせて、転写ユニット30(図1参照)が、用紙Pを定着器40に向けて搬送する。その際に、転写ユニット30は、転写ローラ34によって感光ドラム12の表面に形成されたトナー像を用紙Pに転写させる。
【0110】
この後、定着器40が、用紙Pを加熱及び加圧して、トナー像を溶融させ、これによって、トナー像を用紙Pに定着させる。画像形成装置101は、トナー像が定着された用紙Pを排出部9(図1参照)に搬送して、排出部9に排出する。
【0111】
なお、第2接触領域B1−B2を通過した現像ベルト14の表面には、現像に使用されなかった現像残トナーTNbが付着している。
現像装置110は、図示せぬ駆動装置によって駆動ローラ15aをさらに回転駆動させて、現像残トナーTNbを第1接触領域C1−C2に向けて搬送する。その際に、現像装置110は、従動ローラ15bと従動ローラ15cとの間に設けられたクリーニングブレード118によって、現像残トナーTNbを現像ベルト14から掻き落とす。そして、現像装置110は、図示せぬ搬送機構によって、掻き落とされた現像残トナーTNbを当接部C2に搬送して、再び現像に使用する。
【0112】
また、現像装置110は、当接部C1に、第3分圧電位Vd3(図示せず)と電位VSとの電位差によって電界が形成されている。現像装置110は、クリーニングブレード118によっても掻き落とされなかった現像残トナーTNbを、当接部C1に形成された電界によってトナー供給ローラ16に電気的に引き寄せるとともに、スポンジ状に形成されたトナー供給ローラ16の表層によって物理的に掻き取る。これによって、現像装置110は、クリーニングブレード118によっても掻き落とされなかった現像残トナーTNbを、現像ベルト14の表面からトナー供給ローラ16の表面に移動させる。そして、現像装置110は、トナー供給ローラ16を回転駆動させて、トナー供給ローラ16の表面に移動させた現像残トナーTNbを当接部C2に搬送して、再び現像に使用する。
【0113】
このように、現像装置110は、現像ベルト14を、駆動ローラ15a、従動ローラ15b、及び、従動ローラ15cの3つのローラによって張架している。そのため、現像装置110は、従動ローラ15bと従動ローラ15cとの間に、クリーニングブレード118等の、現像ベルト14から現像残トナーTNbを掻き落とすためのクリーニング部材を配置することができる。これにより、この現像装置110を搭載する画像形成装置101は、実施形態1の画像形成装置1よりも、さらに、経時での画像濃度の変動が小さい、安定した画像を得ることができる。
【0114】
例えば、現像装置110を搭載する画像形成装置101を用いて実施形態1と同様の実験を行ったところ、実験では、トナー供給ローラ16の変形量L3が、トナー供給ローラ16の押し込み量L1の0〜50(%)である場合に、実施形態1に係る画像形成装置1と同様に、濃度変動の少ない、良好な画像が得られ、さらに、トナー供給ローラ16の変形量L3が、トナー供給ローラ16の押し込み量L1の10〜40(%)である場合に、実施形態1に係る画像形成装置1よりも、濃度変動の少ない、最適な画像が得られた。
【0115】
本実施形態2に係る現像装置110によれば、従動ローラ15bと従動ローラ15cとの間に、クリーニングブレード118等のクリーニング部材を設けることができるため、実施形態1の現像装置10よりも良好な画像を得ることができる。
【0116】
本発明は、前記した実施形態に限定されることなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変更や変形を行うことができる。
例えば、本発明は、プリンタに限らず、複写機や、ファクシミリ装置、複合機等の、電子写真プロセスによって画像を形成する画像形成装置の現像装置に用いることができる。また、画像形成装置は、カラー印刷用の装置であってもよいし、単色印刷用の装置であってもよい。
【符号の説明】
【0117】
1,101 画像形成装置(プリンタ)
2 給紙カセット
3 給紙ローラ
4 分離ローラ
5(5a,5b) 搬送ローラ
9 排出部
10,110 現像装置
11 トナーカートリッジ(現像剤収容部)
12 感光ドラム(像担持体)
13 帯電ローラ
14 現像ベルト(現像剤担持体)
15a,32 駆動ローラ
15b,15c,33 従動ローラ
16 トナー供給ローラ(供給部材)
17 現像ブレード(現像剤規制部材)
18,118 クリーニングブレード(クリーニング部材)
19(19a,19b,19c,19d) 印加電圧電源
20 露光装置(LEDヘッド)
30 転写ユニット
31 搬送ベルト(搬送部材)
34 転写ローラ(転写部材)
40 定着器
41 定着ローラ
42 加圧ローラ
43 ハロゲンランプ(加熱体)
50 制御部
A1,A2,B1,B2,C1,C2 当接部
L1 トナー供給ローラの押し込み量
L2 現像ベルトの変形量
L3 トナー供給ローラの変形量
P 用紙
TN トナー(現像剤)
TNb 現像残トナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤を担持する現像ベルトと、
前記現像ベルトを走行自在に張設する複数の支持体と、
前記複数の支持体の間の第1接触領域で前記現像ベルトと接触して、前記現像ベルトに前記現像剤を供給する現像剤供給部材と、
静電潜像を担持し、前記複数の支持体の間の第2接触領域で前記現像ベルトと接触して、前記現像ベルトに担持された前記現像剤を当該静電潜像上に移動させることにより、当該静電潜像を現像する像担持体とを有し、
前記第1接触領域での前記現像剤供給部材の変形量が、前記第1接触領域での前記現像ベルトの変形量以下となるように設定されている
ことを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1に記載の現像装置において、
前記第1接触領域での前記現像剤供給部材の変形量及び前記第1接触領域での前記現像ベルトの変形量の設定は、前記現像剤供給部材の硬度及び前記現像ベルトの伸び率を設定することによって、行われる
ことを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項1又は請求項2に記載の現像装置において、
前記第1接触領域での前記現像剤供給部材の変形量が、前記第1接触領域での前記現像剤供給部材の押し込み量の10〜40(%)の範囲となるように設定されている
ことを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項1乃至請求項3のいずれか一項に記載の現像装置において、
さらに、前記現像ベルトと接触して、前記現像ベルトから前記現像剤を除去するクリーニング部材を有しており、
前記現像ベルトが前記第1支持体、前記第2支持体、及び第3支持体の3本の支持体によって張設されている場合で、かつ、前記第1接触領域が前記第3支持体と前記第1支持体との間に設けられ、さらに、前記第2接触領域が前記第1支持体と前記第2支持体との間に設けられている場合に、前記クリーニング部材は、前記第2支持体と前記第3支持体との間に設けられている
ことを特徴とする現像装置。
【請求項5】
電子写真プロセスによって画像を形成する画像形成装置において、
請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の現像装置を有する
ことを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【公開番号】特開2012−83493(P2012−83493A)
【公開日】平成24年4月26日(2012.4.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−228946(P2010−228946)
【出願日】平成22年10月8日(2010.10.8)
【出願人】(591044164)株式会社沖データ (2,444)
【Fターム(参考)】