説明

現像装置及びこれを用いた画像形成装置

【課題】トナー保持体と、トナー飛翔用の電極部材との間に振動電界を作用させてトナーを飛翔させる際、電極部材の先端部位でのトナーの堆積を防ぎながらトナー量を確保する。
【解決手段】トナー保持体3と、トナー保持体3上のトナーTを飛翔させる電極部材4と、を備え、電極部材4は、トナー保持体3との間に第一の振動電界E1を作用させることでトナー保持体3上のトナーTを振動させる第一の電極部5と、第一の電極部5のうちトナー保持体3の回転方向における下流側端に絶縁部7を介して設けられ、第二の振動電界E2を作用させることでトナー保持体3上のトナーTを振動させる第二の電極部6と、を有し、第二の電極部6及び絶縁部7は、第一の振動電界E1が及ぶ範囲内に収まるように配置され、第二の振動電界E2は第一の振動電界E1の振幅を超えず且つ少なくとも一部に第一の振動電界E1の振幅より小さい部位を有する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及びこれを用いた画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
特許文献1には、現像剤搬送体と像担持体との間に二つの電極部を有する板状部材を設置し、板状部材へのトナーの付着を防ぐために、上流側の電極部への直流バイアスの絶対値を下流側の電極部より大きくし、更に、非画像領域では下流側の電極部に交流バイアスを重畳することが記載されている。
また、特許文献2には、現像剤搬送体と像形成体との間に二層に電極を設けた構成が記載されている。
【0003】
更に、特許文献3には、現像剤搬送体と像形成体との間にある制御電極への磁性キャリアの乗り上げを防ぐために、現像剤搬送体に交流成分を断続的に有する波形や、非対称な波形の交流成分を印加することが記載されている。
そして、特許文献4には、現像剤搬送体と像担持体との間で現像剤搬送体の回転方向に沿った二つの電極を設け、両者の間にトナーが上流側の電極から下流側の電極に向かうように作用させる電界が形成されている構成が記載されている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−211733号公報(実施例、図1)
【特許文献2】特開平8−220853号公報(実施例、図3)
【特許文献3】特開平9−222790号公報(実施例、図2)
【特許文献4】特開平6−236106号公報(実施例、図1)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明が解決しようとする課題は、トナー保持体と、当該トナー保持体に対向して配置されるトナー飛翔用の電極部材との間に振動電界を作用させてトナーをトナー保持体から飛翔させる際、電極部材の先端部位でのトナーの堆積を防ぎながら現像に供するトナー量の十分な確保並びに画質向上を図るようにした現像装置及びこれを用いた画像形成装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0006】
請求項1に係る発明は、静電潜像が保持された像保持体に対向して配置され且つトナーを外周面に保持して回転するトナー保持体と、このトナー保持体の外周面に対向して配置され且つトナー保持体上のトナーを飛翔させる電極部材と、を備え、前記電極部材は、トナー保持体の外周面に対向して配置され且つ前記トナー保持体との間に周期的に変化する電界成分が含まれる第一の振動電界を作用させることで前記トナー保持体上のトナーを振動させる第一の電極部と、トナー保持体の外周面に対向し且つ前記第一の電極部のうちトナー保持体の回転方向における下流側端に絶縁部を介して設けられ、周期的に変化する電界成分が含まれる第二の振動電界を作用させることで前記トナー保持体上のトナーを振動させる第二の電極部と、を有し、前記第二の電極部及び前記絶縁部は、トナー保持体の回転方向に向かって突出し且つ前記第一の電極部とトナー保持体との間に作用する前記第一の振動電界が及ぶ範囲内に収まるように配置され、前記第二の振動電界は前記第一の振動電界の振幅を超えず且つ少なくとも一部に前記第一の振動電界の振幅より小さい部位を有するものであることを特徴とする現像装置である。
【0007】
請求項2に係る発明は、請求項1に係る現像装置において、前記第二の振動電界の作用域にて振動し且つトナー保持体の回転方向に沿って搬送される振動状態のトナーの単位時間当たりの搬送量が、前記第一の電極部及び前記第二の電極部に対して前記第二の振動電界を作用させた場合よりも多くなるように設定されていることを特徴とする現像装置である。
請求項3に係る発明は、請求項1又は2に係る現像装置において、前記電極部材は少なくとも前記トナー保持体に面する側及びトナー保持体の回転方向における先端部位が絶縁性の被覆層で覆われていることを特徴とする現像装置である。
請求項4に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに係る現像装置において、前記第二の振動電界は前記第一の振動電界と同位相であることを特徴とする現像装置である。
請求項5に係る発明は、請求項4に係る現像装置において、前記第二の振動電界の振幅は、当該第二の振動電界が作用する作用時間全体に亘って前記第一の振動電界の振幅より小さくなっていることを特徴とする現像装置である。
請求項6に係る発明は、請求項1乃至3のいずれかに係る現像装置において、前記第二一の振動電界は、予め決められた単位期間が、前記第一の振動電界と同位相及び同振幅の電界成分を持つ領域と、ゼロ若しくはゼロに近い電界成分を持つ領域とで構成されることを特徴とする現像装置である。
請求項7に係る発明は、請求項1乃至6のいずれかに係る現像装置において、前記第二の電極部は、トナー保持体の回転方向における下流側の先端部位のうち少なくともトナー保持体側を角部のない曲面部としたことを特徴とする現像装置である。
【0008】
請求項8に係る発明は、静電潜像を保持して回転する像保持体と、この像保持体より離れて対向した状態で配置される請求項1乃至7のいずれかに係る現像装置と、を備え、前記電極部材は、前記像保持体と前記トナー保持体とが対向する対向領域のうち前記トナー保持体の回転方向における上流側に偏って配置されることを特徴とする画像形成装置である。
請求項9に係る発明は、請求項8に係る画像形成装置において、前記電極部材は、当該電極部材の先端位置が前記対向領域のうち像保持体とトナー保持体との間の距離が最短になる部位に位置するように配置されることを特徴とする画像形成装置である。
請求項10に係る発明は、請求項8又は9に係る画像形成装置において、最大画像形成領域以上の周面を有する回転可能な支持体並びにこの支持体上に当該支持体の回転方向及びこの回転方向に交差する交差方向に沿って画素単位毎に行列配列された画素電極を有する像保持体と、前記交差方向に沿った各行の画素電極群のうち走査信号によって選択された行の夫々の画素電極に対応して画像信号に基づいた潜像電圧を印加することにより潜像を書き込む潜像書込手段と、を備えることを特徴とする画像形成装置である。
【発明の効果】
【0009】
請求項1に係る発明によれば、トナー保持体と、当該トナー保持体に対向して配置されるトナー飛翔用の電極部材との間に振動電界を作用させてトナーをトナー保持体から飛翔させる際、電極部材の先端部位でのトナーの堆積を防ぎながら現像に供するトナー量の十分な確保並びに画質向上を図ることができる。
請求項2に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、電極部材の先端部位でのトナーの堆積を防ぎながら現像に供するトナー量の十分な確保並びに画質向上を図ることができる。
請求項3に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、トナーの電荷量の変化を抑えることができる。
請求項4に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、電極部材の先端部位でのトナーの堆積が効果的に抑えられる。
請求項5に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、電極部材の先端部位でのトナーの堆積が一層効果的に抑えられる。
請求項6に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、電源構成が簡略化されると共に電極部材の先端部位でのトナーの堆積を抑えることができる。
請求項7に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、エッジ効果に伴う電界集中が抑えられ、電極部材の先端部位でのトナーの堆積がより効果的に抑えられる。
請求項8に係る発明によれば、トナー保持体と、当該トナー保持体に対向して配置されるトナー飛翔用の電極部材との間に振動電界を作用させてトナーをトナー保持体から飛翔させる際、電極部材の先端部位でのトナーの堆積を防ぎながら現像に供するトナー量の十分な確保並びに画質向上を図ることができる画像形成装置を提供できる。
請求項9に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、現像に供するトナー量を多くすることができる。
請求項10に係る発明によれば、本構成を有さない場合に比べて、帯電工程が実施される際の画質低下を考慮することなく、高画質画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【0010】
【図1】本発明が適用された現像装置を用いた画像形成装置の実施の形態の概要を示す説明図である。
【図2】第一の振動電界及び第二の振動電界の作用を示す説明図であり、(a)は第二電極部を有する場合、(b)は第二電極部を有さない場合のトナーの動線を示す。
【図3】(a)〜(c)は第一の電極部及び第二の電極部に作用させる振動電界の影響を示す説明図である。
【図4】実施の形態1に係る画像形成装置の全体構成の概要を示す説明図である。
【図5】実施の形態1の像保持体の構成を示す説明図である。
【図6】(a)(b)は画素電極の構成を示す説明図であり、(c)は等価回路を示す説明図である。
【図7】画素電極の駆動方式を示す説明図である。
【図8】実施の形態1の現像装置を示す説明図である。
【図9】実施の形態1の現像装置の要部拡大図である。
【図10】(a)(b)は導電性トナーを示す説明図である。
【図11】(a)〜(c)は比較例として電極部材が一つの部材で構成されている場合の作用を示す説明図である。
【図12】(a)は実施の形態1の構成要素を示す説明図であり、(b),(c)は第一及び第二の電源の電圧波形を示す説明図である。
【図13】(a)は実施の形態2の構成要素を示す説明図であり、(b),(c)は第一及び第二の電源の電圧波形を示す説明図である。
【図14】(a),(b)は実施の形態2の第二の電源の電圧波形の変形例を示す説明図である。
【図15】実施例1の結果を示すグラフである。
【図16】実施例2の結果を示すグラフである。
【発明を実施するための形態】
【0011】
◎実施の形態の概要
先ず、本発明が適用された現像装置における実施の形態の概要について説明する。
図1は本発明を具現化する実施の形態モデルに係る画像形成装置の概要であって、静電潜像を保持して回転する像保持体1と、この像保持体1より離れて対向した状態で配置され且つ像保持体1上に保持された静電潜像に対しトナーTを飛翔させて現像する現像装置2と、を備えている。
【0012】
ここで、現像装置2は、静電潜像が保持された像保持体1に対向して配置され且つトナーTを外周面に保持して回転するトナー保持体3と、このトナー保持体3の外周面に対向して配置され且つトナー保持体3上のトナーTを飛翔させる電極部材4と、を備え、電極部材4は、トナー保持体3の外周面に対向して配置され且つトナー保持体3との間に周期的に変化する電界成分が含まれる第一の振動電界E1を作用させることでトナー保持体3上のトナーTを振動させる第一の電極部5と、トナー保持体3の外周面に対向し且つ第一の電極部5のうちトナー保持体3の回転方向における下流側端に絶縁部7を介して設けられ、周期的に変化する電界成分が含まれる第二の振動電界E2を作用させることでトナー保持体3上のトナーTを振動させる第二の電極部6と、を有し、第二の電極部6及び絶縁部7は、トナー保持体3の回転方向に向かって突出し且つ第一の電極部5とトナー保持体3との間に作用する第一の振動電界E1が及ぶ範囲内に収まるように配置され、第二の振動電界E2は第一の振動電界E1の振幅を超えず且つ少なくとも一部に第一の振動電界E1の振幅より小さい部位を有するものとなっている。
【0013】
このとき、トナー保持体3としてはドラム状、ベルト状いずれでもよく、トナーTを保持して回転できるようになっていればよい。
また、第一の振動電界E1や第二の振動電界E2は、トナーTを飛翔させるための周期的に変化する成分が含まれていればよく、例えば直流成分が重畳された交流成分であっても差し支えない。そして、絶縁部7は、第一の電極部5による第一の振動電界E1と、第二の電極部6による第二の振動電界E2とが機能分離できる程度の体積抵抗率を有するものであればよく、例えば1013Ω・cm以上で5μm以上の厚さのものが適用される。
また、第一の振動電界E1が及ぶ範囲内とは、第二の電極部6の先端位置が第一の振動電界E1によって振動したトナーTが第二の電極部6の先端位置でも振動していることを意味する。
【0014】
ここで第一の振動電界E1及び第二の振動電界E2での作用について、図2(a)及び(b)を用いて説明する。図2(a)は電極部材4として、第一の電極部5と第二の電極部6とを備えた場合であり、(b)は第一の電極部5のみの場合となっており、夫々のトナーTの動きを概略動線として示したものである。(a)のように第二の電極部6を有するものでは、第一の電極部5の第一の振動電界E1によって振動させられたトナーTは、第二の電極部6の第二の振動電界E2によっても振動が行われるが、このとき、本実施の形態では第二の電極部6の先端部位(下流側端)を第一の振動電界E1が及ぶ範囲内(図中αで示す領域)に配置しているので、第一の振動電界E1と第二の振動電界E2との間で、トナーTの振動は中断することなく、継続して振動する。そのため、第一の電極部5の先端付近のエッジ効果が低減されると共に、トナーTは第二の電極部6より下流側に搬送され易くなる。更に、第二の電極部6による第二の振動電界E2は、第一の振動電界E1の振幅を超えず且つ少なくとも一部に第一の振動電界E1の振幅より小さい部位を有するようにしているため、第一の振動電界E1より弱く、第二の電極部6の先端部位での電界集中強度は、後述する第一の電極部5のみの場合のそれよりも弱くなるので、飛翔したトナーTは第二の電極部6の先端部位に堆積することなく現像領域へと通過する。
【0015】
一方、(b)のように、第二の電極部6を有さない場合、第一の電極部5による第一の振動電界E1によってトナーTは振動し、徐々に第一の電極部5の先端側に移動する。第一の電極部5の先端部位では、大きな第一の振動電界E1がそのまま作用し、更にエッジ効果も手伝って、トナーTはその場振動し易くなり、先端部位ではトナーTが徐々に堆積し易くなる。そして、このような堆積が持続すると、第一の電極部5の先端部位では、つらら状の凝集物が発生するようにもなる。このような凝集物の発生は、飛翔されたトナーTの動きを阻害し、つらら状の凝集物となったトナーTが下流側に飛翔して搬送される。
それ故、(a)のようにすることで、第一の電極部5及び第二の電極部6でのトナーTの堆積も抑えられるようになる。
【0016】
また、電極部材4として第一の電極部5及び第二の電極部6を有する態様において、別の見方をすれば、次のように表される。
つまり、前記第二の振動電界E2の作用域にて振動し且つトナー保持体3の回転方向に沿って搬送される振動状態のトナーTの単位時間当たりの搬送量が、第一の電極部5及び第二の電極部6に対して第二の振動電界E2を作用させた場合よりも多くなるように設定されている。ここでいうトナーTの単位時間当たりの搬送量とは、第二の振動電界E2の作用域で振動しているトナーTを前提とし、トナー保持体3の回転方向に向かう搬送量を指す。また、トナーTの搬送量は、直接測定してもよいが、像保持体1上の予め決められた条件の潜像に対する現像量を持って間接的に測定してもよい。
【0017】
図3(a)〜(c)はこのような関係を示す模式図であり、(a)は第一の電極部5に第一の振動電界E1を作用させ、第二の電極部6に第二の振動電界E2を作用させた場合であり、(b)は第一の電極部5及び第二の電極部6にいずれも第一の振動電界E1を作用させた場合であり、(c)は第一の電極部5及び第二の電極部6にいずれも第二の振動電界E2を作用させた場合となっている。
(a)では、第一の振動電界E1による搬送量m1と、第二の振動電界E2による搬送量m2とにおいて、第二の振動電界E2を第一の振動電界E1より弱くしているため、搬送量m1がそれほど低下することなく、そのまま搬送量m2となって現れる。そのため、第一の電極部5の先端付近のエッジ効果が低減されると共に第二の電極部6へのトナーの堆積も抑えられる。
【0018】
また、(b)のように、第二の電極部6にも第一の振動電界E1を作用させると、搬送量m2は十分確保されるものの、この場合は、第二の電極部6を有さない場合と同様であり、第二の電極部6の先端部位につらら状のトナーの堆積が生じる虞がある。
更に、(c)のように、第一の電極部5に第二の振動電界E2を作用させると、第一の電極部5での搬送量m2が十分に確保されず、第二の電極部6での搬送量m2が不足するようになる。
そのため、第一の電極部5に第一の振動電界E1を作用させ、第二の電極部6に第二の振動電界E2を作用させることが好適となる。
【0019】
そして、以上のような作用を奏するには、電極部材4での絶縁部7及び第二の電極部6のトナー保持体3の回転方向に沿う長さを次のようにする方がよい。すなわち、絶縁部7を長くし過ぎると、第一の電極部5にて第一の振動電界E1によって振動されたトナーTが第二の電極部6に到達するまでに相当量のトナーTの飛翔力が低下し、第二の電極部6の第二の振動電界E2で新たに振動する必要が生じるため、第一の振動電界E1による効果は大きく削減される。一方、第二の電極部6を長くし過ぎると、トナーTは第二の振動電界E2のみでの飛翔と同様に振る舞うため、この場合は飛翔量が第一の振動電界E1によるものに比べ低減する。それ故、第一の電極部5によるトナーTの飛翔を有効に機能させ、かつ、第一の電極部5でのトナーTの堆積を防ぐには、絶縁部7及び第二の電極部6の長さは共に短い方が好適であり、第二の電極部6の先端位置は第二の振動電界E2が及ぶ範囲内にあればよい。更に、電極部材4とトナー保持体3との間隙から飛翔トナーTが搬送されることを考慮すると、絶縁部7と第二の電極部6とを合わせた長さは第一の電極部5の下流側における先端位置とトナー保持体3との間隙と同等以下がより一層好適である。
【0020】
そして、電極部材4にトナーTが接触してもトナーTの電荷量の変化を抑える観点から、電極部材4は少なくともトナー保持体3に面する側及びトナー保持体3の回転方向における先端部位が絶縁性の被覆層8で覆われていることが好ましい。このような被覆層8は電極部材4の一部のみならず、全面を覆うように設けてもよい。この場合の絶縁性とは、トナーTが第一の電極部5や第二の電極部6に接触してもトナーTの電荷量が変化しない程度の体積抵抗率を有するものであればよい。
【0021】
また、第二の振動電界E2としては、電極部材4の先端部位、つまり、第二の電極部6でのトナーTの堆積を抑える観点から各種のものが挙げられる。第二の振動電界E2として、第一の振動電界E1と同位相のものを採用することが好ましく、この場合、第一の電極部5と第二の電極部6とを近くに配置しても第一の振動電界E1と第二の振動電界E2との間でトナーTに対する作用が同じようになされることから、第二の振動電界E2が有効に作用し、第二の電極部6の先端部位でのトナーTの堆積が抑えられるようになる。
このような態様としては、第二の振動電界E2の振幅が、第二の振動電界E2が作用する作用時間全体に亘って第一の振動電界E1の振幅より小さくなっている態様が挙げられる。このように第二の振動電界E2として第一の振動電界E1より振幅の小さいものを適用させるようにすると、第二の振動電界E2として第一の振動電界E1の振幅と同じ大きさの振幅を適用させる場合に比べ、トナーTの第二の電極部6への堆積が抑えられるようになる。
【0022】
更に、電源構成を簡略化する観点から、第二の振動電界E2は、予め決められた単位期間が、第一の振動電界E1と同位相及び同振幅の電界成分を持つ領域と、ゼロ若しくはゼロに近い電界成分を持つ領域とで構成されることが好ましい。この場合、ゼロ若しくはゼロに近い電界成分を持つ領域ではトナーTが振動しないような弱電界が作用する領域となっている。このような第一の振動電界E1の一部のみを使用する代表例としては、例えば第一の振動電界E1の(1波長/数波長)を使用し、数波長のうち残りの波長部分の振幅をゼロとしたものが挙げられる。このような第二の振動電界E2では、第一の振動電界E1よりトナーTへの飛翔作用を及ぼす期間が短くなり、その分、第二の電極部6でのトナーTの堆積が抑えられる。
【0023】
また、電極部材4の先端部位での電界集中を一層抑える観点から、第二の電極部6は、トナー保持体3の回転方向における下流側の先端部位のうち少なくともトナー保持体3側を角部のない曲面部とすることが好ましい。このような断面形状としては、例えば円形、楕円形等が挙げられるが、例えば先端の一部を曲面とすることでも差し支えない。
【0024】
そして、このような現像装置2を画像形成装置に適用する態様としては、静電潜像を保持して回転する像保持体1と、この像保持体1より離れて対向した状態で配置され且つ像保持体1上に保持された静電潜像をトナーTにて現像する上述の現像装置2と、を備え、電極部材4は、像保持体1とトナー保持体3とが対向する対向領域のうちトナー保持体3の回転方向における上流側に偏って配置されるようにすればよい。ここで、電極部材4を対向領域の広い領域に亘って設ける必要はなく、例えば上流側から対向領域の中央付近に亘って設けるようにすればよい。また、中央付近とは、像保持体1とトナー保持体3との最短部位よりトナー保持体3の回転方向における下流側にまで及ぶように配置されても差し支えないが、この場合、像保持体1の現像に支障のない範囲であることは言うまでもない。
【0025】
また、現像時のトナー量を十分確保する観点から、電極部材4は、当該電極部材4の先端位置が前記対向領域のうち像保持体1とトナー保持体3との間の距離が最短になる部位に位置するように配置されることが好ましい。この場合、最短になる部位に位置するとは、最短になる部位のみならず、各種部材の精度、組み立て精度等を考慮した周辺部位も含む意味である。
【0026】
このとき、電極部材4としては、トナーTへの電界作用を十分発揮でき、トナーTをトナー保持体3から飛翔できればよく、対向領域の例えば上流側から中央付近に亘って設けるようにすればよい。仮に、対向領域のうち下流側にも広く設けるようにすると、像保持体1側に向かうトナー量が却って少なくなり、現像に供するトナー量を十分確保できなくなる虞がある。尚、対向領域のうち下流側で現像を阻害しない部分にトナーTの像保持体1側への移動を遮蔽する遮蔽部材を設けるようにしても差し支えない。
【0027】
更に、本実施の形態モデルの現像装置2を適用する好適な画像形成装置の一例としては次のものが挙げられる。すなわち、最大画像形成領域以上の周面を有する回転可能な支持体並びにこの支持体上に当該支持体の回転方向及びこの回転方向に交差する交差方向に沿って画素単位毎に行列配列された画素電極を有する像保持体1と、前記交差方向に沿った各行の画素電極群のうち走査信号によって選択された行の夫々の画素電極に対応して画像信号に基づいた潜像電圧を印加することにより潜像を書き込む潜像書込手段と、を備える態様の画像形成装置が挙げられる。
【0028】
次に、図面に示す実施の形態に基づいて本発明を更に詳細に説明する。
◎実施の形態1
図4は、本発明が適用された一例としての実施の形態1の画像形成装置における全体構成の概要を示す。
【0029】
<画像形成装置の全体構成>
同図において、本実施の形態の画像形成装置は、所謂タンデム型のカラー画像形成装置であり、装置筐体15内に例えば電子写真方式にて各色成分(例えばイエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))の各色トナー像が形成される四色の像保持体20(20a〜20d)を略鉛直方向に並列配置したものである。
【0030】
四色の像保持体20a〜20dに対向する位置には、二つの張架ロール61,62に記録材を吸着して搬送する搬送ベルト60が掛け渡され、例えば張架ロール61を駆動ロールとして循環回転するようになっている。また、張架ロール62と搬送ベルト60を挟んで対向する位置には、記録材を搬送ベルト60に吸着するための帯電器63が設けられている。そして、各色の像保持体20の周囲には、像保持体20上に形成された静電潜像をトナーにて現像して顕像化する現像装置40と、像保持体20上の残留トナーを清掃する清掃器65とが設けられ、更に、像保持体20と搬送ベルト60を挟んで対向する位置には、搬送ベルト60によって搬送される記録材上に像保持体20上のトナー像を転写する転写器64が設けられている。尚、符号41は現像装置40(詳細は後述する)内にて像保持体20にトナーを供給する現像ロールを示している。
【0031】
また、装置筐体15内の下方には、記録材を供給する供給装置70が設けられ、例えば供給容器71内に収容された記録材が、ピックアップロール72によって供給容器71から送り出された後、フィードロール及びリタードロールの対構成による捌き機構73にて一枚毎に鉛直方向に延びる記録材搬送路74に向かって供給される。
そして、供給装置70から記録材搬送路74に供給された記録材は、記録材搬送路74の下流側に配置された位置合わせロール(レジストロール)78にて一旦位置合わせされた後、予め決めたタイミングで記録材搬送路74を更に搬送される。
【0032】
搬送された記録材は、帯電器63によって搬送ベルト60に吸着され、そのまま搬送ベルト60の回転と共に搬送される。搬送ベルト60上の記録材には、各色の転写器64によって夫々のトナー像が順次転写されて多重化される。トナー像が多重化された記録材は定着器76にて定着された後、排出ロール77から装置筐体15の一部で構成される記録材排出受け16に排出される。尚、記録材搬送路74には、記録材を搬送するための搬送部材(例えば搬送ロール等)79が適宜設けられる一方、搬送ベルト60の出口近く(張架ロール61の近く)には図示外の剥離部材が設けられ、搬送ベルト60から記録材の剥離が容易になされるようになっている。
【0033】
<像保持体>
次に、本実施の形態で用いられる像保持体20について詳述する。
本実施の形態における像保持体20は、例えば図5に示すように、フィルム上に多数の画素電極34が所謂マトリクス状に行列配置された画素電極フィルム30を回転可能な支持体である剛体ドラム21上に巻き付けて固定支持したものとなっている。
本例において、画素電極フィルム30は、例えばポリイミドフィルム基体上に、所謂薄膜製造プロセスを利用して作製されたもので、画素電極34が行列配置されている。
【0034】
そして、このように行列配置された画素電極34は、例えば剛体ドラム21の回転軸方向に沿った方向をデータライン、剛体ドラム21の回転方向に沿った方向を走査ラインとし、各画素電極34に対応するデータライン及び走査ラインはまとめられて適宜数のデータ用ドライバ31及び走査用ドライバ32に接続されている。尚、画素電極フィルム30は画素電極34を覆うように全体が図示外の保護膜で覆われており、また、図中符号21aは、剛体ドラム21の外周面の一部に回転軸方向に沿って開口された溝である。
【0035】
−画素電極の周辺構造−
次に、画素電極フィルム30の画素電極34及びその周辺構造について説明する。
本実施の形態において、画素電極フィルム30は、図6(a)〜(c)に示すように、画素電極34が行列配置されており、各画素電極34は、所謂アクティブマトリクス方式で構成され、スイッチング素子として例えばTFT(Thin Film Transistor)33を用い、コンデンサ35及び配線(ソース線Ls、ゲート線Lg等)が夫々付加されている。
【0036】
そして、各画素電極34間の結線は、データライン毎にTFT33のソースSが結線されるソース線Ls、走査ライン毎にTFT33のゲートGが結線されるゲート線Lgとしてまとめられている。また、TFT33のドレインDには画素電極34とコンデンサ35が並列に接続され、コンデンサ35の一方は走査ライン毎にまとめられ(図示せず)、図6(c)のような等価回路を呈するように構成されている。
【0037】
画素電極34は画素電極フィルム30に対しマトリクス状に多数並べられた構成のために、画素電極34の駆動回路は次のように行われる。
つまり、画素電極フィルム30には、図7に示すように、データライン及び走査ライン毎に予め決めた数の画素電極34が配置されており、各画素電極34をスイッチングするTFT33のソースS側がデータライン毎に夫々データ用ドライバ31へ接続される一方、TFT33のゲートG側が走査ライン毎に夫々走査用ドライバ32に接続されている。また、これらのデータ用ドライバ31及び走査用ドライバ32は、像保持体20に設けられた像書込制御装置80によって制御され、像書込制御装置80によってデータ用ドライバ31及び走査用ドライバ32が制御されることで、目的の画素電極34に画像信号に基づいた潜像電圧が印加され、コンデンサ35によって保持される。尚、図7では画素電極34は省略しているが、図6(c)に示すように、TFT33とコンデンサ35との間に画素電極34が接続されていることは言うまでもない。
【0038】
<現像装置>
−現像装置の構成例−
本実施の形態における各色の現像装置40は、用いるトナーが異なる他は略同様の構成が採用されているため、ここでは一つの現像装置40について説明する。
図8は、現像装置40の概略構成を示すもので、トナー(本実施の形態では導電性トナーを使用している)が収容される現像容器40aを有している。本実施の形態の現像装置40は、現像容器40aに像保持体20に対向して現像用開口40bを開設すると共に、この現像用開口40bに面して像保持体20と離間配置され且つ対向部位で同方向に回転するトナー保持体としての現像ロール41を配設し、像保持体20と現像ロール41との対向部位にて像保持体20上に形成された潜像を現像して可視像化するものである。
【0039】
また、現像ロール41の像保持体20側と異なる側には、現像ロール41との間にてトナーに電荷注入を行う電荷注入ロール43が設けられ、互いに軽く接触又は微小間隙をもって支持された状態で対向部位では互いに同方向に回転している。本例では、電荷注入ロール43の周速が現像ロール41の周速より速くなるように設定されている。そして、現像ロール41と電荷注入ロール43との間には、両者の対向部位にあるトナーに対して電荷注入を行うための注入電界を形成する注入電源90が設けられている。つまり、本実施の形態では電荷注入ロール43や注入電源90等でトナーに対する電荷注入がなされ、現像ロール41上には安定した帯電量が与えられたトナーが供される。
【0040】
また、本実施の形態では、現像ロール41と電荷注入ロール43との対向部位より電荷注入ロール43の回転方向における上流側に、電荷注入ロール43上にトナーの薄層を形成する層規制ブレード45が設けられており、この層規制ブレード45によって電荷注入ロール43上のトナーの層厚規制がなされることで、層厚規制がなされたトナーが現像ロール41との対向部位に搬送されて電荷注入がなされる。
更に、現像容器40a内の電荷注入ロール43の奥側にはトナーを撹拌するアジテータ48が設けられ、電荷注入ロール43側へのトナーの供給を行うようになっている。
【0041】
本実施の形態における現像ロール41は、例えば表面をアルマイト処理したアルミニウム製のロールで構成され、電荷注入ロール43は、例えばサンドブラスト法や化学エッチング法等により表面に小さく均一な凹凸面を形成したアルミニウム製のロールから構成され、現像ロール41と電荷注入ロール43とは軽く接触又は微小間隙をもって支持されている。また、層規制ブレード45は例えば厚さ0.03〜0.3mm程度のステンレスの板ばねにシリコーンゴムやEPDMゴムを接着剤等により接着したもので、この層規制ブレード45の一端は、電荷注入ロール43の表面に軽く接触し、他端は現像容器40aの一部に支持されている。尚、上述した部材の構成はこれに限られるものでないことは言うまでもない。
【0042】
また、本実施の形態の現像装置40には、現像ロール41と像保持体20との対向部位のうち、ほぼ中央位置から現像ロール41の回転方向における上流側に向かって現像ロール41上のトナーを飛翔させる電極部材50が配置されている。
【0043】
−電極部材−
図9は、図8の要部拡大図を示す。同図において、電極部材50は、現像ロール41の外周面に対向して配置され且つ現像ロール41との間に周期的に変化する交流成分が含まれる第一の振動電界E1を作用させることで現像ロール41上のトナーを振動させる第一の電極部51と、現像ロール41の外周面に対向し且つ第一の電極部51のうち現像ロール41の回転方向における下流側端に絶縁部53を介して設けられ、周期的に変化する電界成分が含まれる第二の振動電界E2を作用させることで現像ロール41上のトナーを振動させる第二の電極部52と、を有し、第二の電極部52及び絶縁部53は、現像ロール41の回転方向に向かって突出し且つ第一の電極部51と現像ロール41との間に作用する第一の振動電界E1が及ぶ範囲内に収まるように配置され、第二の振動電界E2は第一の振動電界E1の振幅を超えず且つ少なくとも一部に第一の振動電界E1の振幅より小さい部位を有するものとなっている。
また、この場合、第二の振動電界E2の作用域にて振動し且つ現像ロール41の回転方向に沿って搬送される振動状態のトナーの単位時間当たりの搬送量が、第一の電極部51及び第二の電極部52に対して第二の振動電界E2を作用させた場合よりも多くなるように設定される。
更に、本実施の形態の電極部材50は、その表面が絶縁性の被覆層54で覆われた構成となっている。
【0044】
本実施の形態では、第一の電極部51は板状の例えば金属板で構成され、一方、第二の電極部52は、絶縁性接着剤等(絶縁部53に相当する)を介して、第一の電極部51の先端側に導電性ワイヤを固着した構成のものとなっている。尚、第二の電極部52の構成としてはこれに限られるものではない。
【0045】
また、電極部材50は、像保持体20と現像ロール41との対向領域のうち、両者の距離が最短となる部位に電極部材50の先端がほぼ位置するように配置されている。そして、第一の電極部51が接地され、接地された第一の電極部51と現像ロール41との間に第一の振動電界E1を作用させるための第一の電源91が設けられる一方、第二の電極部52には、第二の電源92が接続され、この第二の電源92の他端側は接地されている。このとき、第二の電源92の電圧波形は第一の電源91の電圧波形と同位相で振幅の小さいものが供給されるようになっている。
【0046】
−導電性トナーの構成例−
本実施の形態で用いられるトナー(導電性トナー)は、例えば図10(a)に示すように、導電性を有する材料からなる導電性トナー基体(導電性コア)81を有し、この導電性コア81の周囲を絶縁性被覆層(例えば絶縁性樹脂層)82で被覆すると共に、導電性コア81の一部が露出するように絶縁性被覆層82に適宜数の凹部83を設けたものが用いられる。導電性トナーは、重合法や各種公知のカプセル化技術等で作製することができる。この時、導電性コア81は、ポリエステル系樹脂やスチレンアクリル系樹脂等に導電性カーボンやITO等の透明導電粉などの導電剤を分散させたり、ポリエステル系樹脂やスチレンアクリル系樹脂等からなる粒子表面を前記導電剤により被覆することによって、作製される。
【0047】
このような態様の導電性トナーに対し高電界を印加すると低抵抗化する傾向を示す。そして、低抵抗化する電界の大きさについては、トナーの主として凹部83の占有割合、あるいは、絶縁性被覆層82の厚さなどに依存する。
このメカニズムについては、次のように推測される。つまり、導電性コア81が絶縁性被覆層82にて被覆されているため、導電性コア81自体がコア同士接触することや直接電極部材等に接触することが殆どなく、絶縁性被覆層82を介して一定の微小間隙を保つことになり、この結果、例えば高電界が印加された時、トンネル効果等により導通することによる。
【0048】
また、導電性トナーの他の態様としては、例えば図10(b)に示すように、導電性コア81を絶縁性若しくは半導電性の被覆層84にて被覆し、被覆層84の厚さhを適宜調整することにより、トナーの抵抗を調整可能としたものが挙げられる。このとき、半導電性の被覆層84については、それ自体半導電性の材料を用いるようにしてもよいし、例えば絶縁性樹脂に、酸化チタンや酸化すず等の金属酸化物や導電性カーボンを微量含有させた半導電性樹脂を用いるようにしてもよい。そして、導電性コア81としては、例えば通常の絶縁性トナーからなる絶縁性トナー基体(絶縁性コア)の外表面近傍に導電性微粒子を付着させる態様や、絶縁性コアの内部に導電性微粒子を混入させるものなど適宜選定して差し支えない。
【0049】
<画像形成装置の作動>
次に、本実施の形態に係る画像形成装置の作動についてその概要を説明する。
−像保持体の潜像形成−
先ず、像保持体20での潜像形成について説明する。図7に示す像書込制御装置80によって、各色成分の像保持体20a〜20d(図4参照)の各画素電極34(図6参照)に対して画像信号に対応した潜像電圧が印加されて保持され、これが、現像時の像保持体20側の潜像電位となる。
【0050】
−現像装置の作動−
次に、現像装置40での作動を説明するが、先ず、図8を用いて導電性トナーに対する電荷注入工程を中心に説明する。
アジテータ48により撹拌されたトナーは、電荷注入ロール43側に供給された後、電荷注入ロール43の回転に伴って搬送され、層規制ブレード45にてその層厚が規制されて電荷注入ロール43上には略均一なトナー層が形成される。この均一に形成されたトナー層は、電荷注入ロール43と現像ロール41とが対向する対向部位にて互いに同方向に回転する両者間に挟まれた状態で擦られながら、注入電源90による注入電界によって電荷注入される。このとき、特に本実施の形態では、電荷注入ロール43の周速が現像ロール41の周速より速く設定されているため、トナーへの有効な擦りがなされ、良好な電荷注入がなされる。
【0051】
この場合、電荷注入ロール43と現像ロール41との間に挟まれたトナーは電荷注入ロール43と接触する確率が高められ、しかも、トナーとの接触抵抗を小さくすることが可能になり、その結果、トナーの見かけ上の抵抗が小さくなり、トナーは低抵抗な状態のまま有効に電荷注入がなされる。そのため、注入電界としては、比較的低電界であってもトナーには効率的に電荷注入が行われる。
【0052】
このように、単層以下になったトナーに対して電荷注入を行うことで、トナーに対する電荷注入が効果的になされ、WST(Wrong Sign Toner:トナー本来の帯電極性とは異なる逆極性に帯電されたトナー)の発生が抑えられる。そして、電荷注入ロール43との対向部位を経た現像ロール41上には、略均一な電荷注入がなされた単層以下のトナー層が形成され、現像ロール41と像保持体20との対向領域に搬送される。尚、このような電荷注入方式にあっては、トナー層間にせん断力が与えられるため、トナー同士が分極状態で重なることが防止され、注入電界が仮に高電界の場合であってもWSTの発生は防止される。
【0053】
−対向領域でのトナーの挙動−
次に、本実施の形態における像保持体20と現像ロール41との対向領域でのトナーの挙動について、図11(a)〜(c)を用いて、先ず電極部材50’が一つの導電部材で構成され、本実施の形態のように機能分離されていない場合を比較例として説明する。
現像ロール41に付着しているトナーTを飛翔させるには、ある程度強電界を必要とするため、電極部材50’と現像ロール41との間の振動電界Esによって強電界を作用させ、現像ロール41からトナーTを飛翔させ、クラウド化させる。
【0054】
このとき、特にトナーTとして注入帯電型のトナーTを用いる場合、飛翔可能な電界(振動電界Es)下ではトナーTの電気抵抗が低下(誘電率が増加)する。このため、トナーTとしては電界方向に沿って誘電分極され、トナーTの持つ帯電量による静電気力以外に、電気双極子による静電気力が無視できないようになる。この電気双極子による静電気力は、トナーT間のみならず、トナーTと現像ロール41間、トナーTと電極部材50’間にも作用する。
【0055】
また、このような振動電界Esによる作用は、図11(a)に示すように、電極部材50’の端部効果も手伝って、電極部材50’の先端部位(現像ロール41の回転方向における下流側)で特に強くなる。更に、この部位では、振動電界Esによるその場振動が生じ易く、結果的に電極部材50’の先端部位では、(b)に示すように、トナーTが徐々に堆積し、結果的にすだれ状に連なったトナーTの凝集物Cが形成されるようになる。このようなすだれ状の凝集物Cが形成されると、現像ロール41から飛翔したトナーTは凝集物Cに補足され、クラウド化がされ難くなり、電極部材50’より下流側の現像領域に搬送されるトナー量は少なくなる。そのため、像保持体20の潜像に対してトナー付着量が少なくなり、濃度不足等の画像欠陥を生じ易くなる。
【0056】
更に、電極部材50’の先端部位でのトナーTの凝集物Cは、現像ロール41から飛翔されるトナーTを強く補足するようになり、更に、すだれ状の凝集物Cは、(c)に示すように、電極部材50’の先端部位から徐々に上流側に向かって広がりを示す。これに伴い、現像ロール41から飛翔されるトナーTは益々これらの凝集物Cに補足され、クラウド化も不十分となり、電極部材50’の下流側の外側に設けられた現像領域に搬送されるトナーTは益々少なくなる。一方、このような凝集物Cが電極部材50’から外れると、凝集物Cがそのまま現像され、画像のトナー高さ(所謂パイルハイト)が高くなり、良好な画像は形成され難くなる。
【0057】
このような凝集物Cの形成を抑えるには、現像ロール41の回転速度を大きくすることが想定される。つまり、現像ロール41の回転によって現像ロール41と電極部材50’との間の大気の動きを速くし、この部位でのトナーTの動きを速くすることで、電極部材50’の先端部位での凝集物Cの発生は抑えられる方向に向かう。しかし、現像ロール41の回転を速くし過ぎると、電極部材50’より外方に移動したトナーTは、現像ロール41の回転方向に沿う運動成分が大きいため、像保持体20側に向かう成分としては弱くなる。そのため、像保持体20での潜像電位を大きくする必要がある。
【0058】
一方、像保持体20として、例えば画素電極を用いるような態様では、潜像電位を高くし難いこともあり、一方、現像ロール41の回転速度はある程度抑える必要がある。そのため、凝集物Cの影響を低減することが重要となる。
【0059】
本実施の形態では、図12(a)〜(c)に示すように、第二の電源92として、第一の電源91と同位相で振幅の小さい電圧波形のものを用いているため、第二の電極部52と現像ロール41との間では、第二の電源92によって第一の振動電界E1と同位相で振幅の小さい第二の振動電界E2が作用するようになる。尚、図12(a)は全体構成を示す模式図であり、わかり易くするため電極部材50の一部を示している。また、(b)及び(c)は第二の電源92及び第一の電源91の電圧波形として、例えば矩形波を用いた場合を一例として示したものである。
【0060】
つまり、本実施の形態では接地された第一の電極部51に対して第一の振動電界E1を作用させているため、仮に、トナーTとして負帯電トナーが用いられる場合、第一の電源91の電圧波形では、図12(c)中のA部で現像ロール41上のトナーTが電極部材50側に向かって飛翔する方向の作用を受ける。一方、第二の電源92では、第一の電源91による電圧波形のA部と同位相のB部において、第二の電極部52からトナーTの飛翔を抑える方向の電界が作用するため、第二の電極部52と現像ロール41との間に作用する第二の振動電界E2は、第一の振動電界E1と同位相で振幅が第一の振動電界E1の振幅から第二の電源92の振幅分を差し引いた電圧波形のものとなる。
【0061】
その結果、第一の電極部51と現像ロール41との間の第一の電源91による第一の振動電界E1によって、現像ロール41上のトナーTは飛翔し、徐々に第二の電極部52側へ移動する。一方、第二の電極部52と現像ロール41との間では、第二の振動電界E2が作用しているため、この部位では、第二の電極部52に第一の振動電界E1を作用させる場合に比べ、電界集中が抑えられ、この部位でのトナーTによる凝集物の発生が抑えられる。
【0062】
ここで、本実施の形態では、第二の電源92として、第一の電源91の電圧波形と同位相で且つ振幅が小さいものを用いることで、第二の振動電界E2としては第一の振動電界E1より弱い第二の振動電界E2を作用させるものとなる。この場合、第二の電源92の電圧波形の振幅が小さすぎれば、第二の振動電界E2が第一の振動電界E1に比べあまり小さくならず、第二の電極部52でのトナーTの付着を抑える効果は弱くなる。一方、電圧波形の振幅が大きすぎれば、第二の電極部52での第二の振動電界E2が小さくなりすぎ、第一の電極部51による第一の振動電界E1によって飛翔したトナーTでの電極部材50の外側に向かう運動量は第二の振動電界E2に影響される結果、現像に供するトナー量が少なくなる虞がある。
本実施の形態では、この点も考慮した第二の振動電界E2となっているため、第二の電極部52でのトナーTの凝集が抑えられると共に像保持体20側に供給されるトナー量も十分な量のものが供給される。
【0063】
本実施の形態では、第二の電極部52として断面が円形のワイヤ状のものを適用した(図9参照)が、ワイヤ状に限られず、他の断面形状のものを適用するようにしても差し支えない。そして、この場合、特にエッジ効果を低減するには、断面が角形状ではなく、曲線を有する外形の方が好適である。
また、本実施の形態では、電極部材50の全面に被覆層54を設ける態様を示したが、トナーが接触する部位にのみ設けるようにしても差し支えない。
更に、本実施の形態の第二の電源92の電圧波形として、振幅が一定の電圧波形のものとしたが、例えば振幅の一部を小さくするような、振幅が異なる電圧波形を採用するようにしても差し支えない。
【0064】
◎実施の形態2
図13(a)は、実施の形態2の現像装置の要部拡大図である。本実施の形態では、第一の電極部51は接地されずに現像ロール41側が接地され、第二の電源92は第二の電極部52と現像ロール41との間に設けられている点が実施の形態1(図12参照)と異なる。また、(b)は第二の電源92の電圧波形、(c)は第一の電源91の電圧波形を示す。尚、実施の形態1と同様の構成要素には同様の符号を付し、ここではその詳細な説明は省略する。
【0065】
同図において、本実施の形態では、第一の電極部51と接地された現像ロール41との間に第一の電源91が設けられる一方、第二の電極部52と接地された現像ロール41との間に第二の電源92が設けられている。
本実施の形態の第二の電源92は、(b)に示すように、第一の電源91の電圧波形(図中(c)に示す)とは異なり、その電圧波形の一部が適用された波形となっている。図では、第一の電源91の電圧波形のうち1/3が適用されるものを示している。
【0066】
本実施の形態では、現像ロール41が接地されているため、第一の電源91による第一の振動電界E1と、第二の電源92による第二の振動電界E2とは同位相で作用し、第二の振動電界E2はその一部で電界が作用しないものとなっている。つまり、第二の電源92による第二の振動電界E2は、第一の電源91による第一の振動電界E1の一部のみが作用するようになっている。そのため、第二の振動電界E2は実施の形態1のものに比べて振幅は大きくなるが、第一の振動電界E1の単位期間内における一部の期間でのみ作用するため、第一の振動電界E1より全体的には弱い電界が作用する。
【0067】
その結果、第一の電極部51と現像ロール41との間の第一の電源91による第一の振動電界E1によって、現像ロール41上のトナーTは飛翔し、徐々に第二の電極部52側へ移動する。一方、第二の電極部52と現像ロール41との間では、第二の電源92による第二の振動電界E2が作用しているため、第一の振動電界E1を作用させる場合に比べて電界集中が抑えられ、この部位での凝集物の発生が抑えられる。
【0068】
本実施の形態では、適用される割合を1/3とする態様を示したが、適用割合としてはこれに限られず、適宜選定すればよい。尚、適用割合が小さくなり過ぎると、現像ロール41からのトナーTの飛翔が抑えられ、像保持体20側に向かうトナー量が少なくなる虞があり、一方、適用割合が大きくなり過ぎると、第二の電極部52でのトナーTの凝集が生じ易くなる虞がある。そのため、適用割合としては実験等で確認された割合が適宜選定される。
【0069】
また、第二の電極部52の電圧波形として、上述した適用割合のみならず、適用割合の選定並びに振幅の選定(振幅を小さくする)を組み合わせるようにしたり、一波長内の適用割合を変えるようにしても差し支えない。
図14(a)は、適用割合と振幅の両方を変化させた例を示す電圧波形である。Pの一波長では振幅(ピークツーピーク値)をVpとし、Qの一波長では振幅をVqとし、全体の適用割合も第一の振動電界E1より小さくしている。このようにしても、第二の振動電界E2が第一の振動電界E1より弱くなり、トナーTの凝集物の形成が抑えられる。
また、図14(b)は、一波長の中で適用割合を変化させるようにした電圧波形を示すもので、このように一波長内で適用割合を小さくしても、第二の振動電界E2が第一の振動電界E1より弱くなり、トナーTの凝集物の形成が抑えられる。更に、この場合には、この中の一波長分を削除するようにした電圧波形であっても差し支えない。
【0070】
以上の実施の形態1,2では、画像形成装置として四色に対応する像保持体20を用いた構成のものを示したが、これに限られず、単色のものであってもよい。
また、第一の電極部51として金属製の板状部材の構成を示したが、例えば銅箔の両面をポリイミドフィルムにて挟んだ構成の配線板等を用い、その先端部位に第二の電極部52を形成するようにしても差し支えないし、第二の電極部52も合わせて形成するようにしてもよい。
【0071】
更に、像保持体20として画素電極34を使用した構成のものとしたが、例えば画素電極34を用いない感光体を適用することも可能であり、この場合、感光体側の潜像電圧を小さく設定してもかぶりの発生が抑えられるようになり、感光体自体の長寿命化が実現される。更にまた、トナーとして電荷注入型のものを示したが、例えば摩擦帯電型のトナーを用いるようにしてもよく、この場合、特に、電極部材50の被覆層54は省略しても差し支えない。そして、電圧波形としては、矩形波の態様を示したが、これに限らず、正弦波や三角波等であっても差し支えない。
【実施例】
【0072】
◎実施例1
本実施例は、実施の形態1と同様の構成にて、電極部材の先端部位でのトナーの凝集がどうなるかの確認実験を行ったものである。
本実施例では、電極部材の第一の電極部は厚さ100μmの板、第二の電極部はφ50μmの線材、絶縁部は約50μmで、電極部材と現像ロールとの間隙及び電極部材と像保持体との間隙はいずれも約150μmになるように設定した。また、第一の電極部を接地し、第一の電源としては矩形波で1.6kVpp、10kHzの電圧波形のものを適用し、第二の電源としては、第一の電源と同位相のものを適用した。
【0073】
そして、第二の電源の電圧を0〜400Vppの間で変化させることで、電極部材の先端部位でのトナーの凝集状態、像保持体の現像濃度(画像部に相当する潜像電圧を有する部位での濃度)、トナー像の高さ(パイルハイト)がどう変化するものかについて評価した。
【0074】
結果は、図15に示すように、第二の電源の電圧が0〜400Vppの間では、200Vpp以下ではトナーの凝集が確認され、一方、300Vpp以上ではトナーの凝集は確認されなかった。また、0〜400Vppの間では、現像濃度の変化は確認されなかった。
更に、200〜300Vppの間で詳細に実験したところ、およそ230Vppを境にトナーの凝集状態が変化することが確認された。そして、今回の第二の電源の電圧範囲では、現像濃度の低下が確認されなかったが、更に大きくすると現像濃度の低下が生じることが予想された。
更にまた、凝集が確認された場合のトナー像の高さ(パイルハイト)は80μmを超えるものが観測されたが、凝集が確認されなかった場合には30μm以下の高さであった。
【0075】
更に、本件発明者らは、飛翔電極部材と像保持体との間隙、飛翔電極部材と現像ロールとの間隙を100〜300μmの範囲で更に実験したところ、同様の傾向が得られることを確認した。また、第一の電源の電圧の大きさを多少変化させても同様の傾向が得られることを確認した。
【0076】
また、本実施例では、第二の電極部としてφ50μmの線材を使用したが、断面形状を変化させても同様の傾向があることが確認された。更に、電極部材における第一の電極部より先端側(絶縁部及び第二の電極部の部分)では、現像ロールの回転方向に沿った長さを長くし過ぎると、第一の電極部でのトナーの飛翔効果がそのまま有効的に利用されなくなる虞があることや、電極部材と現像ロールとの間隙を想定すると、短い方が好適であり、通常、電極部材と現像ロールとの間隙以下のものが好適であった。
【0077】
◎実施例2
本実施例は、実施の形態2と同様の構成にて、電極部材の先端部位でのトナーの凝集がどうなるかの確認実験を行ったものである。尚、比較例として、電極部材を一枚の板状のものとし、一つの振動電界(第一の振動電界に相当)の場合にも同様の実験を行った。
実験条件は実施例1と略同様に行い、第一の電源の電圧波形に対する第二の電源の電圧波形の適用割合を変化させて電極部材の先端部位でのトナーの凝集並びに現像濃度の変化を確認した。尚、適用割合としては、第一の電源の電圧波形のうち、OFFにするパルスの割合(OFFパルス割合)を%表示したもので、適用割合を小さくすることは、OFFパルス割合を大きくすることに相当する。
【0078】
結果を図16に示す。
本実施例では、OFFパルス割合を増やす(適用割合を小さくする)ことで、現像濃度は徐々に低下し、50%を超えると収斂する傾向が確認された。また、凝集についてはOFFパルス割合が30%付近(図中αで示す線)を境に切り分けられ、それより大きくなると凝集が抑えられることが確認された。
【0079】
一方、比較例では、OFFパルス割合を増やすと、本実施例よりも現像濃度の低下は大きく、また、凝集はOFFパルス割合が55%付近(図中βで示す線)を境に変化することが確認された。
【0080】
その結果、本実施例のように、電極部材を分割し、夫々に異なる振動電界を作用させることで、電極部材を分割しないものに比べ、現像濃度の低下が下げ止まる方向にあり、また、トナーの凝集が発生するOFFパルス割合が下がるようになる。つまり、OFFパルス割合を大きくし過ぎることなく、十分な現像濃度の確保が可能であることが確認された。
【0081】
実施例2においても、実施例1と同様に電極部材と像保持体との間隙、電極部材と現像ロールとの間隙を100〜300μmの範囲で更に実験したところ、同様の傾向が得られることが確認された。また、第二の電源の振幅を第一の電源よりも小さくしても同様の傾向が見られることが確認された。
【符号の説明】
【0082】
1…像保持体,2…現像装置,3…トナー保持体,4…電極部材,5…第一の電極部,6…第二の電極部,7…絶縁部,8…被覆層,E1…第一の振動電界,E2…第二の振動電界,T…トナー

【特許請求の範囲】
【請求項1】
静電潜像が保持された像保持体に対向して配置され且つトナーを外周面に保持して回転するトナー保持体と、
このトナー保持体の外周面に対向して配置され且つトナー保持体上のトナーを飛翔させる電極部材と、を備え、
前記電極部材は、
トナー保持体の外周面に対向して配置され且つ前記トナー保持体との間に周期的に変化する電界成分が含まれる第一の振動電界を作用させることで前記トナー保持体上のトナーを振動させる第一の電極部と、
トナー保持体の外周面に対向し且つ前記第一の電極部のうちトナー保持体の回転方向における下流側端に絶縁部を介して設けられ、周期的に変化する電界成分が含まれる第二の振動電界を作用させることで前記トナー保持体上のトナーを振動させる第二の電極部と、を有し、
前記第二の電極部及び前記絶縁部は、トナー保持体の回転方向に向かって突出し且つ前記第一の電極部とトナー保持体との間に作用する前記第一の振動電界が及ぶ範囲内に収まるように配置され、
前記第二の振動電界は前記第一の振動電界の振幅を超えず且つ少なくとも一部に前記第一の振動電界の振幅より小さい部位を有するものであることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
請求項1記載の現像装置において、
前記第二の振動電界の作用域にて振動し且つトナー保持体の回転方向に沿って搬送される振動状態のトナーの単位時間当たりの搬送量が、前記第一の電極部及び前記第二の電極部に対して前記第二の振動電界を作用させた場合よりも多くなるように設定されていることを特徴とする現像装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の現像装置において、
前記電極部材は少なくとも前記トナー保持体に面する側及びトナー保持体の回転方向における先端部位が絶縁性の被覆層で覆われていることを特徴とする現像装置。
【請求項4】
請求項1乃至3のいずれかに記載の現像装置において、
前記第二の振動電界は前記第一の振動電界と同位相であることを特徴とする現像装置。
【請求項5】
請求項4記載の現像装置において、
前記第二の振動電界の振幅は、当該第二の振動電界が作用する作用時間全体に亘って前記第一の振動電界の振幅より小さくなっていることを特徴とする現像装置。
【請求項6】
請求項1乃至3のいずれかに記載の現像装置において、
前記第二の振動電界は、予め決められた単位期間が、前記第一の振動電界と同位相及び同振幅の電界成分を持つ領域と、ゼロ若しくはゼロに近い電界成分を持つ領域とで構成されることを特徴とする現像装置。
【請求項7】
請求項1乃至6のいずれかに記載の現像装置において、
前記第二の電極部は、トナー保持体の回転方向における下流側の先端部位のうち少なくともトナー保持体側を角部のない曲面部としたことを特徴とする現像装置。
【請求項8】
静電潜像を保持して回転する像保持体と、
この像保持体より離れて対向した状態で配置される請求項1乃至7のいずれかに記載の現像装置と、を備え、
前記電極部材は、前記像保持体と前記トナー保持体とが対向する対向領域のうち前記トナー保持体の回転方向における上流側に偏って配置されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項9】
請求項8記載の画像形成装置において、
前記電極部材は、当該電極部材の先端位置が前記対向領域のうち像保持体とトナー保持体との間の距離が最短になる部位に位置するように配置されることを特徴とする画像形成装置。
【請求項10】
請求項8又は9に記載の画像形成装置において、
最大画像形成領域以上の周面を有する回転可能な支持体並びにこの支持体上に当該支持体の回転方向及びこの回転方向に交差する交差方向に沿って画素単位毎に行列配列された画素電極を有する像保持体と、
前記交差方向に沿った各行の画素電極群のうち走査信号によって選択された行の夫々の画素電極に対応して画像信号に基づいた潜像電圧を印加することにより潜像を書き込む潜像書込手段と、
を備えることを特徴とする画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13】
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【図14】
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【図15】
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【図16】
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【公開番号】特開2012−150277(P2012−150277A)
【公開日】平成24年8月9日(2012.8.9)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−8827(P2011−8827)
【出願日】平成23年1月19日(2011.1.19)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】