説明

現像装置及びこれを用いる画像形成装置

【課題】現像装置において、所望の現像ギャップを保持しながら、感光体ドラム及び隙間保持部材の表面の現像剤付着を抑制して、濃度ムラのない良好な画像が得られる現像装置及びこれを用いる画像形成装置を提供する。
【解決手段】画像形成装置1に設けられ、画像形成装置1に備わる感光体ドラム32に現像剤を供給する現像ローラ62を備えて感光体ドラム32の表面に形成される静電潜像を現像する現像装置60において、現像ローラ62の両端部に取り付けられて感光体ドラム32の外周面と当接することで現像ローラ62と感光体ドラム32との間に現像ギャップを形成する現像カラー90F,90Rを備え、現像カラー90F,90Rは、円柱状外形を有し、感光体ドラム32の外周面と接する外周面の一部に凹凸部91F,91Rが形成されることを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及びこれを用いるに係り、特に、電子写真方式を採用する画像形成装置に搭載される現像装置及びこれを用いる画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
電子写真方式を採用する画像形成装置においては、感光体の表面に形成される静電潜像に対して、現像装置から現像剤の成分であるトナーを供給して現像することによって可視像であるトナー像を形成し、さらにトナー像を転写媒体である記録紙などに転写し、記録紙上に転写されたトナー像を定着して堅牢な記録画像を形成する。
【0003】
電子写真方式における現像装置に備えられた従来方式の現像ギャップ、即ち感光体と対向する現像剤担持体(現像ローラ)との距離を保持するための機構の一例として、例えば、現像ギャップを保持するためのスペーサコロ(隙間保持部材)に関する提案がされている(特許文献1を参照)。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平5-257372号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、上述した従来技術のように、スペーサコロを感光体に接触させる方式においては、感光体とスペーサコロ表面が常に密着して回転しているため、感光体とスペーサコロの僅かな隙間へ現像容器から飛散した現像剤が浸入して感光体とスペーサコロの表面に現像剤が溶着し、その結果現像ギャップが変化して濃度ムラが発生するなどの画像不良となるという問題があった。
【0006】
本発明は、上記従来の問題点に鑑みてなされたものであって、現像装置において、所望の現像ギャップを保持しながら、感光体ドラム及び隙間保持部材の表面の現像剤付着を抑制して、濃度ムラのない良好な画像が得られる現像装置及びこれを用いる画像形成装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上述した課題を解決するための本発明に係る現像装置及びこれを用いる画像形成装置は、次の通りである。
【0008】
本発明は、電子写真方式の画像形成装置に設けられ、前記画像形成装置に備わる感光体ドラムに現像剤を供給する現像ローラを備えて前記感光体ドラムの表面に形成される静電潜像を現像する現像装置において、前記現像ローラの両端部に取り付けられて前記感光体ドラムの外周面と当接することで前記現像ローラと前記感光体ドラムとの間に現像ギャップを形成する隙間保持部材を備え、前記隙間保持部材の構成として、円柱状外形を有し、前記感光体ドラムの外周面と接する外周面の一部に凹凸部を形成することを特徴とするものである。
【0009】
また、本発明は、前記隙間保持部材をキャップ状構造で前記現像ローラの端部に着脱可能に構成することが好ましい。
【0010】
また、本発明は、前記隙間保持部材の構成として、その外周面に現像剤が付着することを防止する機能を備えることが好ましい。
【0011】
また、本発明は、前記隙間保持部材を樹脂製の材質で形成することが好ましい。
【0012】
また、本発明は、前記隙間保持部材の材質にPP(ポリプロピレン)を用いることが好ましい。
【0013】
また、本発明は、前記凹凸部の円周方向の断面形状を、凹状溝部の内部に凸状リブを設ける形状とすることが好ましい。
【0014】
また、本発明は、前記凸状リブを、その先端が前記凹状溝よりも外側に突出するように形成すること、すなわち、前記隙間保持部材の外径よりも外側に突出するように形成することが好ましい。
【0015】
また、本発明は、前記凸状リブを、根元から先端に向かい先細りの断面形状を有し、前記隙間保持部材が前記感光体ドラムに接した状態で、前記凸状リブの先端が前記隙間保持部材の外周面から外側に突出することなく弾性変形により前記凹状溝内に配置するように構成することが好ましい。
【0016】
また、本発明は、前記凹凸部を、前記隙間保持部材の幅方向(軸線方向)にわたり形成するとともに、前記現像ローラの回転方向上流側から回転方向下流側に向うにつれて前記現像ローラの軸線方向で中央側に近づく方向に傾斜して形成するように構成することが好ましい。
【0017】
また、本発明は、前記凹凸部を、前記隙間保持部材の円周表面の一部に一定の距離を隔てて平行に複数箇所設けることが好ましい。
【0018】
また、本発明は、静電潜像が形成される感光体ドラムと、前記感光体ドラムに現像剤を供給する現像ローラを備えて前記感光体ドラムの表面に形成される静電潜像を現像する現像装置とを備える電子写真方式の画像形成装置において、前記現像装置として、請求項1から10のうちの何れか一項に記載の現像装置を用いることを特徴とするものである。
【0019】
また、本発明は、前記感光体ドラムの構成として、少なくとも前記現像装置を構成する隙間保持部材と対向する部分を含む外周部の表面に現像剤が付着することを防止する機能を備えることが好ましい。
【発明の効果】
【0020】
本発明の現像装置によれば、電子写真方式の画像形成装置に設けられ、前記画像形成装置に備わる感光体ドラムに現像剤を供給する現像ローラを備えて前記感光体ドラムの表面に形成される静電潜像を現像する現像装置において、前記現像ローラの両端部に取り付けられて前記感光体ドラムの外周面と当接することで前記現像ローラと前記感光体ドラムとの間に現像ギャップを形成する隙間保持部材を備え、前記隙間保持部材の構成として、円柱状外形を有し、前記感光体ドラムの外周面と接する外周面の一部に凹凸部を形成することで、前記感光体ドラム及び前記隙間保持部材の表面の現像剤付着を抑制して、濃度ムラ等のない安定した画像が得られる現像装置を実現できる。
【0021】
また、本発明によれば、前記隙間保持部材をキャップ状構造で前記現像ローラの端部に着脱可能に構成することで、前記現像ローラや隙間保持部材の構成を簡単にできるとともに組付けおよびメンテナンスを容易にできる。
【0022】
また、本発明によれば、前記隙間保持部材の構成として、その外周面に現像剤が付着することを防止する機能を備えることで、さらに感光体ドラム及び隙間保持部材の表面の現像剤付着を抑制して、濃度ムラのない良好な画像が得られる。
【0023】
また、本発明によれば、前記隙間保持部材を樹脂製の材質で形成することで、容易に製作することが可能となる。
【0024】
また、本発明によれば、前記隙間保持部材の材質にPP(ポリプロピレン)を用いることで、低コストで製作することが可能となる。
【0025】
また、本発明によれば、前記凹凸部の円周方向の断面形状を、凹状溝部の内部に凸状リブを設ける形状とすることで、前記感光体ドラムと前記隙間保持部材の表面の僅かな隙間に浸入して溶着する現像剤を前記凸状リブにより除去して前記凹状溝部内に収容することができる。これにより、溶着現像剤が原因となる現像ギャップが変化して濃度ムラが発生することなく、安定した画像が得られる。
【0026】
また、本発明によれば、前記凸状リブを、その先端が前記凹状溝よりも外側に突出するように形成すること、すなわち、前記隙間保持部材の外径よりも外側に突出するように形成することで、前記凸状リブが確実に感光体ドラムの外周部に当接することができるので、前記感光体ドラム表面に付着した現像剤を効果的に掻取ることができる。これにより、溶着現像剤が原因となる現像ギャップが変化して濃度ムラが発生することなく、安定した画像が得られる。
【0027】
また、本発明によれば、前記凸状リブを、根元から先端に向かい先細りの断面形状を有し、前記隙間保持部材が前記感光体ドラムに接した状態で、前記凸状リブの先端が前記隙間保持部材の外周面から外側に突出することなく弾性変形により前記凹状溝内に配置するように構成することで、前記凸状リブが現像ギャップに影響を与えることがないので、濃度ムラのない安定した画像が得られる。
【0028】
また、本発明によれば、前記凹凸部を、前記隙間保持部材の幅方向(軸線方向)にわたり形成するとともに、前記現像ローラの回転方向上流側から回転方向下流側に向うにつれて前記現像ローラの軸線方向で中央側に近づく方向に傾斜して形成するように構成することで、前記凸状リブの先端で掻取られた現像剤が現像容器の外へ飛散しにくくなるので、装置内を汚染することなく現像剤を除去することができる。
【0029】
また、本発明によれば、前記凹凸部を、前記隙間保持部材の円周表面の一部に一定の距離を隔てて平行に複数箇所設けることで、飛散性の高い現像剤を使用する場合でも現像剤の掻取り効果を高められるので、現像ギャップに影響を与えることなく、濃度ムラが発生することのない安定した画像が得られる。
【0030】
また、本発明の画像形成装置によれば、静電潜像が形成される感光体ドラムと、前記感光体ドラムに現像剤を供給する現像ローラを備えて前記感光体ドラムの表面に形成される静電潜像を現像する現像装置とを備える電子写真方式の画像形成装置において、前記現像装置として、請求項1から10のうちの何れか一項に記載の現像装置を用いることで、前記感光体ドラムの表面の現像剤付着を抑制して、濃度ムラ等のない安定した画像が得られる画像形成装置を実現できる。
【0031】
また、本発明によれば、前記感光体ドラムの構成として、少なくとも前記現像装置を構成する隙間保持部材と対向する部分を含む外周部の表面に現像剤が付着することを防止する機能を備えることで、さらに感光体ドラム及び隙間保持部材の表面の現像剤付着を抑制して、濃度ムラのない良好な画像が得られる。
【図面の簡単な説明】
【0032】
【図1】本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
【図2】本実施形態に係る現像装置の構成を示す説明図である。
【図3】前記現像装置を構成するドクターブレードの構成を示す説明図である。
【図4】前記現像装置を構成する現像ローラの構成を示す説明図である。
【図5】(a)は前記現像装置を構成する現像カラーが現像ローラに装着された状態を示す説明図、(b)は前記現像カラーの構成を示す側面断面図、(c)は(b)のX矢視図である。
【図6】前記現像カラーと現像ローラと感光体ドラムとの位置関係を示す説明図である。
【図7】前記現像カラーに形成された凹凸部の構成を示す詳細断面図である。
【図8】前記現像カラーが感光体ドラムに当接した時の凹凸部の状態を示す詳細断面図である。
【図9】前記現像カラーと現像ローラと感光体ドラムの装着状態を示す説明図である。
【図10】前記現像カラーの構成に凹凸部を2箇所に設けた変形例の構成を示す説明図である。
【図11】従来の現像カラーを用いた現像ローラと感光体ドラムとの構成を示す説明図である。
【図12】前記現像カラーを用いた場合の現像ギャップの値を示すグラフである。
【図13】従来の現像カラーを用いた場合の現像ギャップの値を示すグラフである。
【図14】本実施形態の現像カラーを備えた現像装置により形成された画像の評価を比較した表である。
【発明を実施するための形態】
【0033】
以下、本発明を実施するための形態について図面を参照して説明する。
図1は発明を実施する形態の一例であって、本発明の実施形態に係る画像形成装置の全体の構成を示す説明図である。
【0034】
本実施形態は、図1に示すように、静電潜像が形成される感光体ドラム32と、感光体ドラム32に現像剤を供給する現像ローラ62を備えて感光体ドラム32の表面に形成される静電潜像を現像する現像装置60とを備える電子写真方式の画像形成装置において、現像装置60として、本発明に係る特徴的な現像装置の構成を採用したものである。
【0035】
まず、画像形成装置1の全体構成について説明する。
画像形成装置1は、印刷モードとしてコピアモード(複写モード)、プリンタモード、FAXモードを有しており、不図示の操作部からの操作入力や、パーソナルコンピュータ等の外部ホスト装置からの印刷ジョブの受信に応じた印刷モードが、後述する制御部によって選択される。
【0036】
画像形成装置1は、図1に示すように、原稿読み取り部10、給紙部20、印刷部30、排紙部40に大別され、原稿読み取り部10が給紙部20の上方に配設され、排紙部40が原稿読み取り部10と給紙部20の中間部位に配設されている。
【0037】
以下に、上記各処理モードの中からコピアモードについて説明する。
ユーザが、原稿読み取り部(スキャナ部)10のプラテンガラス11上に原稿を載置した後、給紙部20の給紙カセット21あるいは装置側面に設けられた手差しトレイ23に用紙(記録紙)を装着し、さらに装置の外装前面部に配置される操作パネル(不図示)上の条件入力キー(印刷枚数/印刷倍率等々)を入力した後に、操作パネルのスタートキーを操作するとコピー動作が開始される。
【0038】
スタートキーが操作されると、メイン駆動モータ(不図示)が始動し、各駆動ギヤが回転する。その後、給紙ローラ22又は22aが回転して用紙が装置内へ送出(給紙)され、給紙された用紙はレジストローラ(ローラ対)31に到達して捕捉される。このレジストローラ31により、用紙は、感光体ドラム(像担持体)32上に形成される画像の先端部(画像形成開始部)と同期をとるために一時停止され、用紙の先端部が均一にレジストローラ31に押しつけられて用紙の先端位置の補正が行われる。
【0039】
一方、原稿読み取り部10においては、コピーランプ(光源)12aが点灯し、コピーランプユニット12が矢印C方向へ移動することで露光が開始される。コピーランプ12aにより原稿に照射された照射光は、原稿の画像情報を含む反射光(原稿からの反射光)となり、該反射光は、コピーランプユニット12に設けられた第1ミラー12bから第2ミラー13、第3ミラー14、光学レンズ15から、CCD16へ入力されることによって読み取られる。
【0040】
このようにして読み取られた画像情報は、不図示のCCD回路で、光の画像情報が電気的信号に変換され、その画像情報信号は、設定された条件で画像処理が行われ、レーザスキャナユニット33へプリントデータとして送信される。
【0041】
他方、帯電ユニット(帯電手段)34により、感光体ドラム32の周面の一部が軸方向全体に渡って所定帯電電位に帯電され、感光体ドラム32が回転することによってその周面全体が所定の負の帯電電位に帯電される。帯電した感光体ドラム32表面は、感光体ドラム32の回転により次工程へ移動する。
次に、レーザスキャナユニット(露光手段)33では、回転方向に複数の反射面を有したポリゴンミラー(回転多面鏡)及び各種光学系により、半導体レーザから出射されたレーザ光が偏向されながら感光体ドラム32へ照射される。これにより、レーザ光が前記帯電ユニット34により帯電した感光体ドラム32上を走査されて、感光体ドラム32上に静電潜像が形成される。
【0042】
その後、現像装置60が備える現像槽61内の負の直流電位に印加された現像ローラ62により、現像槽61内のトナー(現像剤の一例)が回転する感光体ドラム32表面上に供給され、静電潜像はこのトナーによって感光体ドラム32上の電位ギャップに応じて顕像化(現像)される。
【0043】
また、作像される用紙(記録紙)は、タイミングを合わせてレジストローラ31により、感光体ドラム32方向へ搬送され、転写ユニット(コロナチャージャ)36により感光体ドラム32上のトナーが用紙に転写される。感光体ドラム32上の残留したトナーはドラムユニットのクリーニングブレード37aによってかきとられ、クリーナーユニット37により回収される。
【0044】
クリーニングブレード37aによりトナーがかきとられた感光体ドラム32の表面は、帯電ユニット34へ移動する途中で除電装置39により必要に応じて除電される。
【0045】
他方、トナーの転写が終了した用紙は、定着装置38の加熱ローラ38aと加圧ローラ38bとの間を通過して、熱と圧力が加えられ、用紙上の未定着トナーが用紙に溶融・固着され、排紙ローラ41により排紙トレイ42に排出される。前記加熱ローラ38aは、その内部に設けられた加熱ヒータ38cによって加熱される。
【0046】
また、原稿読み取り部10が備える原稿トレイ19に原稿が載置されていることが、所定のセンサにより検出されている場合には、所定のスタートキー操作がなされたときに給紙ローラ51,52が回転し、原稿トレイ19上に載置された原稿が原稿読み取り部10内へ送出されて所定の搬送経路Rt1中を搬送される。この搬送経路Rt1には、レジストローラ53が設けられており、このレジストローラ53によって原稿が捕捉され、原稿先端の位置決めが行われた後、所定のタイミングで原稿読み取り位置へ搬送される。そして、前記コピーランプユニット12が所定の停止位置(原稿読み取り位置)で停止したまま搬送中の原稿を露光する。この露光により得られた原稿からの反射光により原稿画像を読み取る処理は前述した通りである。このようにして画像が読み取られた原稿は、原稿排出部18へ排出される。
【0047】
次に、本実施形態に係る特徴的な現像装置60の構成について図面を参照して詳細に説明する。
図2は本実施形態に係る現像装置の構成を示す説明図、図3は前記現像装置を構成するドクターブレードの構成を示す説明図である。
【0048】
ここでは一例として、非磁性の一成分現像剤を用いた方式にて説明するが、当然二成分現像剤を用いた方式においても採用は可能である。
【0049】
現像装置60は、図2に示すように、大略、現像剤を担持して感光体ドラム32に現像剤を供給する現像ローラ(現像剤担持体)62と、現像剤を収容する現像槽61と、現像槽61の中で現像剤Tを撹拌搬送する撹拌搬送部材63,64,65を備えて構成されている。撹拌搬送部材63,64,65は、図中でそれぞれ矢印で示す反時計方向に回転している。
【0050】
現像ローラ62は、現像槽61内で回転自在に設けられるアルミ製の現像ローラである。現像ローラ62は、感光体ドラム32を臨み、その軸線が感光体ドラム32の回転軸線と平行になるように配置され、現像槽61本体のフレーム部に回転可能に支持される。
【0051】
現像ローラ62に担持される現像剤Tとしては、非磁性の一成分現像剤が用いられる。
現像ローラ62の現像剤搬送方向上流(反感光体ドラム側)に設けられたトナー供給ローラ66により、その表面にトナーを吸着し、現像ローラ62上に一定量のトナーが供給される。
【0052】
現像ローラ62の上方には、一定量のトナー層を形成するための現像剤規制部材、いわゆるドクターブレード68が設けられている。ドクターブレード68の先端にはブレードと一体化されたトナー規制部67が設けられ、ドクターブレード68の他方の端部は、固定用の板金71,72によって挟まれた状態で、ビス73によって現像槽61本体に固定されている。
【0053】
ドクターブレード68は、ばね性を有した薄い金属板金であり、このばね性によってトナー規制部67を一定の圧力で、現像ローラ62上の接触点p位置において現像ローラ62を押圧している。これにより、現像ローラ62上に一定の帯電を有したトナー層が担持される。
【0054】
これらの電荷を有するトナーが、現像ローラ62と感光体ドラム32との電位差に応じて、現像ローラ62から感光体ドラム32に供給されて静電潜像を現像してトナー像を形成する。
【0055】
現像槽61は、例えば、硬質の合成樹脂などからなり、外観が略直方体形状を有する容器部材である。現像槽61内において、第1撹拌搬送部材65と第2撹拌搬送部材63は主として回転方向のトナーの攪拌と搬送の役割を持っている。両部材ともに回転軸の周囲に設けられた薄い樹脂性、例えばPET製の羽63a,65aを有している。
【0056】
また、第3撹拌搬送部材64は、例えば硬質の合成樹脂製のスクリュー状の回転部材であって、主として軸線方向のトナーの攪拌と搬送の役割を持っている。
【0057】
第2撹拌搬送部材63とトナー供給ローラ66との間には、中間壁部材80が設けられる。中間壁部材80は、例えば、合成樹脂などからなる平板状の部材であり、現像槽61の長手方向(トナー供給ローラ66等の軸線方向)に延設されて、現像槽61の底部から立ち上がるように設けられる。また、中間壁部材80の中央部には開口穴81があって、現像槽61内において、第2撹拌搬送部材63からトナー供給ローラ66へ向う現像剤の流れを形成している。
【0058】
トナー供給ローラ66は、芯金のまわりに円筒状の、例えば、発泡ウレタンなどの多孔性弾性部材が設けられたものであり、この孔部にトナーを吸着させつつ、現像ローラ62を摺擦することでトナーを現像ローラ62に供給し、且つ現像後、現像ローラ62に残った余分のトナー層をクリーニングする役割も持つ。
【0059】
ここで、現像剤規制部としてのドクターブレード68の詳細について説明する。
ドクターブレード68は、図3に示すように、その先端部の現像ローラ62と対向する位置に現像ローラ62に担持されるトナーの量を規制するためのトナー規制部67が設けられている。
【0060】
トナー規制部67は、ウレタンゴムで形成され、矩形状の断面形状を有し、現像ローラ62の軸線方向(長手方向)に沿って現像ローラ62とほぼ同じ幅で形成されている。
【0061】
ドクターブレード68の他方の端部は、固定用の板金71,72によって挟持された状態で、ビス73によって現像槽61本体に固定されている。これにより、トナー規制部67は、ドクターブレード68の材料弾性力によって、現像ローラ62に対して接触点pの位置において荷重Pで押圧されている。
【0062】
現像ローラ62は、図中で矢印N方向(反時計回り)に回転している。また、現像槽61内のトナーは、トナー供給ローラ66により吸着されて現像ローラ62上に一定量が供給される。
【0063】
現像ローラ62に供給されて接触点pに搬送されたトナーは、現像ローラ62とトナー規制部67とによって摩擦力を受け帯電する。そして、接触点pを通過したトナーは、感光体ドラム32と対向する現像位置へ搬送された後、感光体ドラム32に供給されて感光体ドラム32表面に形成された静電潜像を現像する。
【0064】
ここで、トナー規制部67を現像ローラ62に押圧する力の設定方法について、以下に示す。
【0065】
トナー規制部67の押圧力は、主にドクターブレード68の材料弾性力を利用している。即ち、図3に示すように、現像ローラ62に当接するドクターブレード68の撓み量(Y方向の)を調整することによって押圧力を調整している。
理論的には下記に示す公知の片持ち梁の公式(1)で表される。
【0066】
力:P(kgf)=3EIδ/L3・・・(1)
ここで、Eはブレード指示部材料のヤング率、Iは断面二次モーメント、δはたわみ量、Lは自由長である。
【0067】
なお、実際の実験においては、トナー規制部67と現像ローラ62との間に短冊状にカットしたPET製の部材の一端を挟み込み、他端をテンションゲージに繋いで一定の速度でPET部材を引き抜いた時の引抜力で評価している。
テンションゲージには、アイコーエンジニアリング(株)製RX-5を使用している。
本実施形態では、PET製の部材の引抜力を0.03〜0.05kgf/cm程度となるよう調整した。
【0068】
次に、現像ローラ62について図面を参照して説明する。
図4は本実施形態の現像装置を構成する現像ローラの構成を示す説明図である。
【0069】
現像ローラ62は、図4に示すように、トナー規制部67と接する部分にはブラスト処理62Bが一様に施されている。
本実施形態では、ブラスト処理による現像ローラ62の表面粗さRaが0.3〜0.4μm程度となるよう製作した。
【0070】
現像ローラ62の両端部には、駆動用軸62F,62Rが突出しており、図示しない軸受により現像槽61に回転可能に支持されている。さらに、現像ローラ62の両端部には、現像ローラ62と感光体ドラム32との間に現像ギャップを形成する現像カラー(隙間保持部材)90F,90Rが取り付けられている。
【0071】
ところで、電子写真方式に用いられる現像剤は非常に小さな粉体である。
そのため、画像形成装置1使用時においては、現像ローラ62上から現像剤が微量ではあるが周囲に飛散している。このことは、現像剤が装置内を汚染することは勿論であるが、感光体ドラム32と現像カラー90F,90Rとの隙間にも浸入することになる。
【0072】
感光体ドラム32と現像カラー90F,90Rとは、常に接した状態で回転しているため、基本的に隙間に浸入した現像剤はその場所から離れることはない。もし画像形成装置1が高温下にあった場合には、熱と感光体ドラム32と現像カラー90F,90Rとの間に働く圧力によって現像剤が溶けて固まり、現像ギャップに影響を与えるので、画像ムラ等の不具合が発生することになる。
【0073】
ここで、本実施形態の特徴的な現像カラー90F,90Rの構成について図面を参照して詳細に説明する。
図5(a)は本実施形態の現像装置を構成する現像カラーが現像ローラに装着された状態を示す説明図、(b)は前記現像カラーの構成を示す側面断面図、(c)は(b)のX矢視図、図6は前記現像カラーと現像ローラと感光体ドラムとの位置関係を示す説明図、図7は前記現像カラーに形成された凹凸部の構成を示す詳細断面図、図8は前記現像カラーが感光体ドラムに当接した時の凹凸部の状態を示す詳細断面図、図9は前記現像カラーと現像ローラと感光体ドラムの装着状態を示す説明図である。
【0074】
現像カラー90F,90Rは、ともに同形状を有するため、現像カラー90Fを例に挙げて図面を参照して説明する。
【0075】
現像カラー90Fは、図5(a),(b),(c)に示すように、円筒状であって、且つ、一方側90aが開口し、他方側90bが閉塞して内部に空間を有するキャップ状に構成され、他方側90bの中心には貫通した取付け穴90Hが設けられている。また、現像カラー90Fの材質は、樹脂製で一様な肉厚tで成型されている。
【0076】
現像カラー90Fの円筒状の内径dは、現像ローラ62の外径Dに隙間なく密着するように寸法が調整されている。また、穴90Hには現像ローラ62の軸62Fが貫通するよう設定されている。
【0077】
ここで、現像カラー90Fの肉厚tは、感光体ドラム32と現像ローラ62とを対向配置した際に、図6に示すように、感光体ドラム32と現像カラー90Fとを当接させた状態で、感光体ドラム32と現像ローラ62との間隙、いわゆる現像ギャップgを形成するものである。
【0078】
感光体ドラム32と現像ローラ62は、現像カラー90F,90Rを介して常に接しながら回転するので、現像ギャップgが一定に保たれる。
本実施形態では、現像ギャップgは0.1〜0.4mm程度に設定されている。
なお、現像ギャップgの隙間量は、使用する現像剤の特性やマシンのスピード等の多くのパラメータによって最適化されるため、特に限定されない。
【0079】
また、現像カラー90Fの表面には、図4、図6に示すように、凹凸部91Fが設けられている。凹凸部91Fは、図6,図7に示すように、円周方向の断面形状が凹状の溝部91aと、その溝部91aの内部に凸状のリブ91bを備えて構成されている。
【0080】
凹凸部91Fは、現像カラー90Fの幅方向にわたり形成されるとともに、現像ローラ62の回転方向上流側から回転方向下流側に向うにつれて現像ローラ62の軸線方向で中央側に近づく方向に傾斜して形成されている。
【0081】
リブ91bは、その先端が溝部91aよりも外側に突出するように形成されている。すなわち、リブ91bは、現像カラー90Fの表面90cよりもごくわずかに(図中でt1分)突出して形成されている。また、リブ91bは、溝部91aの底の根元から先端に向かい先細りの断面形状で、柔軟性を有している。
【0082】
このように構成することで、リブ91bは、図8に示すように、現像カラー90Fが感光体ドラム32に接した状態で、その先端が現像カラー90Fの外周面から外側に突出することなく弾性変形により屈折変形して溝部91a内に配置される。このように、リブ91bは、感光体ドラム32と現像ローラ62の現像ギャップgに影響を与えることはないよう構成されている。
【0083】
従って、現像槽61内から飛散した現像剤が感光体ドラム32と現像カラー90F(90R)間に浸入した場合、感光体ドラム32表面に付着した現像剤は、リブ91bの先端部の掻取り作用によって溝部91aの空間内に落下される。
【0084】
一方、現像カラー90F(90R)表面に付着した現像剤は、感光体ドラム32と現像ローラ62との間で周速差があれば、次第に現像ローラ62の回転と共に溝部91aへと導かれるので現像剤が感光体ドラム32と現像カラー90F(90R)表面に留まって付着するのを防ぐことができる。
【0085】
また、凹凸部91F,91Rは、図9に示すように、現像ローラ62の回転方向(矢印K方向)に対して回転方向上流側から回転方向下流側に向うにつれて、現像領域側、即ち中央側に向かってそれぞれが近づくように傾斜して形成されているので、溝部91a内に収容された現像剤はその壁面に沿って現像槽61内に案内され、外部に飛散することはない。
【0086】
凹凸部91F,91Rの傾斜の角度については、現像剤の流動性や現像カラー90F,90Rへの付着強度、あるいは金型の加工のし易さなどから最適化されるため、特に規定しないが、望ましくは水平に対してできる限り傾斜させた方が望ましい。
【0087】
何故なら、何らかの原因により現像剤の掻取りが十分に行われずにリブ91bの先端付近に現像剤が固着した場合、凹凸部91F,91Rが水平に近いと固着現像剤は現像領域である感光体ドラム32と像担持体の近接ライン上に沿って横に広がるので、直接に現像ギャップgに影響を与えることになり、その結果画像の濃度ムラとなる。
【0088】
一方、凹凸部91F,91Rが傾斜していると固着現像剤は現像ラインに対して斜め上下に広がるので、現像ギャップgに与える影響は緩和される。
【0089】
現像カラー90F,90Rの材質は、樹脂製であり、金型による成型にて容易に作製可能である。また、特に材質は限定されないが、例えば、PP(ポリプロピレン)を用いれば、コストも安く、柔軟性を有しているのでリブ91bによる現像剤の掻取り効果を得やすい。
【0090】
また、リブ91bは、根元から先端に向かって先細りとなるように形成されているが、これは金型による作製がしやすいように配慮されたものでもある(金型の抜き勾配)。
【0091】
リブ91bの高さ及び幅は、特に規定しないが、樹脂の肉厚がtであれば、リブ91bの高さは、強度的に1/2t以下とするのが望ましい。リブ91bの幅も同様に、強度的に1/2t以下とするのが望ましい。
【0092】
なお、本実施形態では、凹凸部91F,91Rは、それぞれの現像カラー90F,90Rに対して、1箇所に形成しているが、本発明は、これに限定するものではなく、1個の現像カラーに対して複数個所設けても良い。
【0093】
変形例として、凹凸部を2箇所の設けた現像カラーの構成を以下に示す。
図10は本実施形態に係る現像カラーの構成に凹凸部を2箇所に設けた変形例の構成を示す説明図である。
【0094】
変形例の現像カラー190F,190Rは、図10に示すように、それぞれ2箇所に凹凸部191F1,191F2または凹凸部191R1,191R2を形成したものである。凹凸部191F1,191R1と凹凸部191F2,191R2とはお互いに距離mを隔てて平行に傾斜して設けられている。
距離mについては、部品強度や現像ギャップgへの影響を極力避けるためにできるだけ間隔を大きくした方が望ましい。
【0095】
このように、1つの現像カラーに対して凹凸部を複数箇所に設けることで、飛散性の高い現像剤を使用する場合でも現像剤の掻取り効果を高められるので有効となる。
【0096】
次に、本実施形態の現像カラー90F,90Rを用いた方式と従来の現像カラーを用いた方式とによる現像ギャップのバラツキの差について比較した効果について説明する。
図11は従来の現像カラーを用いた現像ローラと感光体ドラムとの構成を示す説明図、図12は本実施形態の現像カラーを用いた場合の現像ギャップの値を示すグラフ、図13は従来の現像カラーを用いた場合の現像ギャップの値を示すグラフである。
【0097】
以下に、従来の現像カラーを用いた方式の一例を示す。
従来の現像装置(図示省略)の構成は、図11に示すように、現像ローラ62の両端の駆動用軸62F,62Rに、円板状の現像カラー290F,290Rを取り付けたものである。現像カラー290F,290Rの半径は、現像ローラ62の半径と現像ギャップgを足した値である。
【0098】
現像ギャップgの測定は、図9,図11に示すように、感光体ドラム32及び現像ローラ62の長手方向における現像カラー90F,290F側(手前側)の測定位置を(F)、中央部の測定位置を(C)、現像カラー90R,290R側(奥側)の測定位置を(R)として、3箇所で測定している。なお、測定には(株)キーエンス製デジタル寸法測定器LS−7030を用いた。
【0099】
まず、本実施形態に係る現像カラー90F,90Rを用いて現像ギャップgを測定した結果について説明する。
本実施形態の方式によれば、図12に示すように、現像ギャップgの最大バラツキΔ1は、約12μmであった。
【0100】
次に、従来の現像カラー290F,290Rを用いて現像ギャップgを測定した結果について説明する。
従来の方式によれば、図13に示すように、現像ギャップgの最大バラツキΔ2は、約26μmであった。
【0101】
なお、本実施形態の方式、従来の方式とも現像ギャップgは0.15mmになるよう設計したが、部品バラツキ、カラーの強度、測定器の据付精度により若干小さめとなった。
【0102】
しかしながら、現像ギャップgのバラツキとしては明らかに本実施形態の方式の方が小さくなっているのが判る。これは、従来の現像カラー290F,290Rが現像ローラ62の両端の軸に取り付けられているのに対し、本実施形態の現像カラー90F,90Rは現像ローラ62の両端に取り付けられている差による。
【0103】
また、従来の方式では、現像ローラ62両端の現像カラー290F,290Rの位置を支点にして現像ローラ62が回転しながら感光体ドラム32との近接を繰り返すために、現像ローラ62自体が持つ製作時の回転フレの影響を大きく受けるのに対し、本実施形態の方式では、現像ローラ62が常に現像カラー90F,90Rを介して感光体ドラム32に接しているため、前記の固有の回転フレの影響を受けにくいためである。
現像ローラ62の回転フレがゼロであれば、上述したような現像ギャップgの違いは出ないが、通常の量産においては歩留まりの関係からある程度のフレは許容されている。
【0104】
次に、本実施形態の現像カラー90F,90Rを備えた現像装置60による効果について説明する。
図14は本実施形態の現像カラーを備えた現像装置により形成された画像の評価を比較した表である。
【0105】
ここでは、本実施形態の特徴的な構成である現像カラー90F,90Rの凹凸部91F,91Rを形成した場合と、凹凸部91F,91Rが無い場合について、現像装置60により形成された画像の濃度ムラを比較した。
【0106】
現像装置60の仕様は、
○現像ローラ :外径16mm
○感光体(OPC) :外径30mm
○プロセス速度 :145mm/sec
○現像ローラ/感光体周速比:0.86
○現像剤搬送量 :0.6mg/cm
○現像ギャップ :0.3mm
○印字モード :A4/印字率5%/連続印字
とする。
【0107】
出力用紙上の画像濃度は、ベタ画像濃度をポータブル分光測色濃度計(商品名:X−Rite 939、X−Rite社製)を用いて測定している。
また、トナー帯電量は、トレック・ジャパン株式会社製の吸引式帯電量測定装置(210HS-2A)を用いて測定できる。
【0108】
画像濃度に対する評価は、
×:画像濃度ムラあり。感光体及び現像カラーの接触面に現像剤付着あり。
△:画像濃度ムラはないが、感光体及び現像カラーの接触面に現像剤付着あり。
○:正常。
とする。
【0109】
本実施形態によれば、図14に示すように、現像カラー90F,90Rに凹凸部を形成しない場合は、印字枚数が1,000枚で「○」、5,000枚で「△」、10,000枚で「×」という評価になった。一方、現像カラー90F,90Rに凹凸部を形成した場合は、印字枚数が1,000枚では「○」、5,000枚で「○」、10,000枚で「○」という評価になった。
【0110】
以上のような評価結果により、本実施形態の現像装置60において、現像カラー90F,90Rに凹凸部を形成することで、形成される画像の濃度ムラをなくして良好な画像を出力することができることが判明した。
【0111】
以上のように構成したので、本実施形態によれば、現像装置60において、現像ローラ62の両端部に取り付けられて感光体ドラム32の外周面と当接することで現像ローラ62と感光体ドラム32との間に現像ギャップを形成する現像カラー90F,90Rを備え、現像カラー90F,90Rを円柱状外形として、感光体ドラム32の外周面と接する外周面の一部に凹凸部91F,91Rを形成したことで、感光体ドラム32及び現像カラー90F,90Rの表面の現像剤付着を抑制して、濃度ムラ等のない安定した画像を形成することができる。
【0112】
なお、本実施形態では、1つ現像カラー90F,90Rに対して、それぞれ1つの凹凸部91F,91Rを形成しているが、変形例のように、1つの現像カラーに対して、凹凸部を複数箇所に設けることで、飛散性の高い現像剤を使用する場合でも現像剤の掻取り効果を高めることができる。これにより、より安定して濃度ムラ等のない画像を形成することができる。
【0113】
以上のように、本発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、本発明の要旨を逸脱しない範囲内において適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
【符号の説明】
【0114】
1 画像形成装置
32 感光体ドラム
60 現像装置
62 現像ローラ
90F,90R,190F,190R 現像カラー(隙間保持部材)
91F,91R,191F1,191F2,191R1,191R2 凹凸部
91a 溝部(凹状溝部)
91b リブ(凸状リブ)
g 現像ギャップ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
電子写真方式の画像形成装置に設けられ、前記画像形成装置に備わる感光体ドラムに現像剤を供給する現像ローラを備えて前記感光体ドラムの表面に形成される静電潜像を現像する現像装置において、
前記現像ローラの両端部に取り付けられて前記感光体ドラムの外周面と当接することで前記現像ローラと前記感光体ドラムとの間に現像ギャップを形成する隙間保持部材を備え、
前記隙間保持部材は、円柱状外形を有し、前記感光体ドラムの外周面と接する外周面の一部に凹凸部が形成されることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記隙間保持部材は、キャップ状構造で前記現像ローラの端部に着脱可能に構成されていることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記隙間保持部材は、その外周面に現像剤が付着することを防止する機能を備えることを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記隙間保持部材は、樹脂製の材質で形成されていることを特徴とする請求項1から3のうちの何れか一項に記載の現像装置。
【請求項5】
前記隙間保持部材は、材質にPPを用いることを特徴とする請求項4に記載の現像装置。
【請求項6】
前記凹凸部は、円周方向の断面形状が、凹状溝部の内部に凸状リブが設けられる形状とすることを特徴とする請求項1から5のうちの何れか一項に記載の現像装置。
【請求項7】
前記凸状リブは、その先端が前記凹状溝よりも外側に突出するように形成されていることを特徴とする請求項6に記載の現像装置。
【請求項8】
前記凸状リブは、根元から先端に向かい先細りの断面形状を有し、前記隙間保持部材が前記感光体ドラムに接した状態で、前記凸状リブの先端が前記隙間保持部材の外周面から外側に突出することなく弾性変形により前記凹状溝内に配置されることを特徴とする請求項6または7に記載の現像装置。
【請求項9】
前記凹凸部は、前記隙間保持部材の幅方向にわたり形成されるとともに、前記現像ローラの回転方向上流側から回転方向下流側に向うにつれて前記現像ローラの軸線方向で中央側に近づく方向に傾斜して形成されていることを特徴とする請求項1から8のうちの何れか一項に記載の現像装置。
【請求項10】
前記凹凸部は、前記隙間保持部材の円周表面の一部に一定の距離を隔てて平行に複数箇所設けられていることを特徴とする請求項1から9のうちの何れか一項に記載の現像装置。
【請求項11】
静電潜像が形成される感光体ドラムと、前記感光体ドラムに現像剤を供給する現像ローラを備えて前記感光体ドラムの表面に形成される静電潜像を現像する現像装置とを備える電子写真方式の画像形成装置において、
前記現像装置として、請求項1から10のうちの何れか一項に記載の現像装置を用いることを特徴とする画像形成装置。
【請求項12】
前記感光体ドラムは、少なくとも前記現像装置を構成する隙間保持部材と対向する部分を含む外周部の表面に現像剤が付着することを防止する機能を備えることを特徴とする請求項11に記載の画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図14】
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【図12】
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【図13】
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