説明

現像装置及び画像形成装置

【課題】現像剤供給口への現像剤の搬送量が安定する現像装置及び画像形成装置を得る。
【解決手段】現像装置58は、トナーTが収容されたトナー収容室102と、現像ユニット72と、トナー搬送路114とを有している。トナー搬送路114は、トナー流入口118とトナー供給口120が形成され、内部に搬送オーガ116が設けられている。ここで、トナー搬送路114は、第1オーガ86、第2オーガ88の現像剤Gの送り方向と平行となるように配置され、トナー供給口120の高さ位置が、トナー搬送路114のトナー流入口118側の最下部Bよりも高い位置となっている。このため、トナー搬送路114では、トナー流入口118側のトナーTが最も密度の高い状態となる。これにより、トナー搬送路114の途中でトナーTの密度が疎の部分が発生するのを抑えられ、トナー供給口120へのトナーTの搬送量が安定する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置及び画像形成装置に関する。
【背景技術】
【0002】
従来、プリンタや複写機等の画像形成装置において、トナーが収容されたトナー収容部から現像が行われる現像部へトナーを搬送する搬送手段を設けたものがある(例えば、特許文献1〜3参照)。
【0003】
特許文献1の画像形成装置では、トナー搬送手段としてスクリューオーガを設け、スクリューオーガを回転させて軸方向にトナーを搬送している。搬送されるトナーの残量は、トナー残量検知センサで検知される。
【0004】
特許文献2の画像形成装置では、現像ユニットが現像剤収容室とトナー補給室で構成され、トナー補給室と現像剤収容室をつなぐディスペンス室内に、トナー搬送手段としてディスペンス部材を設けている。
【0005】
特許文献3の画像形成装置では、トナー貯蔵部から現像装置のトナー補給部にトナーを搬送するトナー搬送手段として、搬送部に小スリット状のトナー補給口を形成している。
【特許文献1】特開2001−083802
【特許文献2】特開2006−267933
【特許文献3】特開2003−241498
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
特許文献1〜3の画像形成装置は、いずれもトナー搬送経路が水平方向に延びており、トナー搬送経路の上流側にトナーを積極的に貯留させるものではなかった。
【0007】
本発明は、現像剤供給口への現像剤の搬送量が安定する現像装置及び画像形成装置を得ることを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明の請求項1に係る現像装置は、現像剤が収容された現像剤収容部と、前記現像剤収容部から送られた現像剤を攪拌する現像剤攪拌部材と、前記現像剤攪拌部材で攪拌された現像剤を保持し感光体に供給する現像剤保持部材と、を有する現像部と、前記現像剤収容部から現像剤が流入される現像剤流入口と、前記現像剤流入口から流入された現像剤が前記現像部へ供給される現像剤供給口と、が形成され、前記現像剤流入口から前記現像剤供給口へ現像剤を搬送する現像剤搬送部材が設けられた現像剤搬送路と、を有し、前記現像剤搬送路が、前記現像剤攪拌部材の現像剤の送り方向と平行となるように配置され、前記現像剤供給口の高さ位置が、前記現像剤搬送路の前記現像剤流入口側の最下部よりも高い。
【0009】
本発明の請求項2に係る現像装置は、前記現像剤供給口側の現像剤の搬送速度が、前記現像剤流入口側の現像剤の搬送速度よりも低い。
【0010】
本発明の請求項3に係る現像装置は、前記現像剤搬送路が、前記現像剤流入口から前記現像剤供給口に渡って一定の勾配で傾いている。
【0011】
本発明の請求項4に係る現像装置は、前記現像剤収容部が、前記現像剤搬送路に着脱可能となっている。
【0012】
本発明の請求項5に係る画像形成装置は、前記感光体に画像の潜像を形成する潜像形成手段と、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の現像装置と、を有し、前記現像剤保持部材が、前記潜像に現像剤を供給して現像する。
【発明の効果】
【0013】
請求項1の発明は、本構成を有していない場合に比較して、現像剤搬送路の途中で現像剤の密度が疎の部分が発生するのを抑えられ、現像剤供給口への現像剤の搬送量が安定する。
【0014】
請求項2の発明は、本構成を有していない場合に比較して、現像剤供給口付近で現像剤が滞留し易くなり、現像部に現像剤を安定して供給できる。
【0015】
請求項3の発明は、本構成を有していない場合に比較して、現像剤搬送路の加工が容易となる。
【0016】
請求項4の発明は、現像剤収容部から現像部までを一体化したものに比較して、現像剤の交換が容易となる。
【0017】
請求項5の発明は、本構成を有していない場合に比較して、現像部への現像剤供給量の変動を抑えられ、安定した画像形成が行える。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
本発明の現像装置及び画像形成装置の第1実施形態を図面に基づき説明する。
【0019】
図1には、本発明の画像形成装置としてのプリンタ10が示されている。プリンタ10は、4色のトナー(イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)、ブラック(K))によるフルカラー画像形成を行う画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kが上下方向に配列されている。各画像形成ユニット12Y、12M、12C、12Kは、収容されるトナーを除いて同様の構成となっている。
【0020】
なお、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの各色を区別する際には、符号の後にY、M、C、Kを付加して説明するが、各色を区別する必要がない場合は、符号の後のY、M、C、Kは省略する。各トナーY、M、C、Kは、特に製造方法により限定されるものではなく、各種のトナーが使用可能である。
【0021】
例えば、トナーの製造方法としては、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等を混練、粉砕、分級する混練粉砕法、混練粉砕法にて得られた粒子を機械的衝撃力または熱エネルギーにて形状を変化させる方法、結着樹脂の重合性単量体を乳化重合させ、形成された分散液と、着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の分散液とを混合し、凝集、加熱融着させ、トナー粒子を得る乳化重合凝集法、結着樹脂を得るための重合性単量体と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて重合する懸濁重合法、結着樹脂と着色剤、離型剤、必要に応じて帯電制御剤等の溶液を水系溶媒に懸濁させて造粒する溶解懸濁法等が使用できる。
【0022】
また、上記方法で得られたトナーをコアにして、さらに凝集粒子を付着、加熱融合してコアシェル構造をもたせる製造方法など、公知の方法を使用することができるが、形状制御、粒度分布制御の観点から水系溶媒にて製造する懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶解懸濁法が好ましく、乳化重合凝集法が特に好ましい。トナー母材は、結着樹脂と着色剤、離型剤とからなり、必要であれば、シリカや帯電制御剤を用いてもよい。
【0023】
使用される結着樹脂としては、スチレン、クロロスチレン等のスチレン類、エチレン、プロピレン、ブチレン、イソプレン等のモノオレフィン類、酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、安息香酸ビニル、酪酸ビニル等のビニルエステル類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸オクチル、アクリル酸フェニル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸ドデシル等のα―メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類等の単独重合体および共重合体を例示することができ、特に代表的な結着樹脂としては、ポリスチレン、スチレンーアクリル酸アルキル共重合体、スチレンーメタクリル酸アルキル共重合体、スチレンーアクリロニトリル共重合体、スチレンーブタジエン共重合体、スチレンー無水マレイン酸共重合体、ポリエチレン、ポリプロピレン等をあげることができる。さらに、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリアミド、変性ロジン、パラフィンワックス等をあげることができる。
【0024】
また、トナーの着色剤としては、マグネタイト、フェライト等の磁性粉、カーボンブラック、アニリンブルー、カルイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリド、フタロシアニンブルー、マラカイトグリーンオキサレート、ランプブラック、ローズベンガル、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等を代表的なものとして例示することができる。
【0025】
離型剤としては、低分子ポリエチレン、低分子ポリプロピレン、フィッシャートロピィシュワックス、モンタンワックス、カルナバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等を代表的なものとして例示することができる。
【0026】
また、トナーには、必要に応じて帯電制御剤が添加されてもよい。帯電制御剤としては、公知のものを使用することができるが、アゾ系金属錯化合物、サリチル酸の金属錯化合物、極性基を含有するレジンタイプの帯電制御剤を用いることができる。
【0027】
湿式製法でトナーを製造する場合、イオン強度の制御と廃水汚染の低減の点で水に溶解しにくい素材を使用するのが好ましい。本発明におけるトナーは、磁性材料を内包する磁性トナーおよび磁性材料を含有しない非磁性トナーのいずれであってもよい。
【0028】
本発明に用いるトナーは、上記トナー粒子及び上記外添剤をヘンシェルミキサーあるいはVブレンダー等で混合することによって製造することができる。また、トナー粒子を湿式にて製造する場合は、湿式にて外添することも可能である。
【0029】
本発明に用いるトナーに添加される滑性粒子としては、グラファイト、二硫化モリブデン、滑石、脂肪酸、脂肪酸金属塩等の固体潤滑剤や、ポリプロピレン、ポリエチレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類、加熱により軟化点を有するシリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪族アミド類やカルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス、ミツロウのような動物系ワックス、モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物、石油系ワックス、及びそれらの変性物が使用でき、これらを単独で使用するか、あるいは併用しても良い。
【0030】
トナーに添加されるその他の無機酸化物としては粉体流動性、帯電制御等の為、1次粒径が40nm以下の小径無機酸化物を用い、更に付着力低減や帯電制御の為、それより大径の無機酸化物を添加することが好ましい。
【0031】
これらの無機酸化物微粒子は公知のものを使用できるが、精密な帯電制御を行う為にはシリカと酸化チタンを併用することが好ましい。また、小径無機微粒子については表面処理することにより、分散性が高くなり、粉体流動性をあげる効果が大きくなる。
【0032】
また、電子写真用カラートナーはキャリアと混合して使用されるが、キャリアとしては、鉄粉、ガラスビーズ、フェライト粉、ニッケル粉またはそれ等の表面に樹脂コーテイングを施したものが使用される。また、キャリアとの混合割合は、適宜設定することができる。
【0033】
図1に示すように、プリンタ10の下部には、記録用紙Pが収納された給紙カセット14が設けられている。給紙カセット14の近傍には、記録用紙Pを所定のタイミングで送り出すピックアップロール16が設けられている。また、ピックアップロール16の記録用紙Pの搬送方向下流側には、搬送ロール18及びレジストロール20からなる用紙搬送路22が設けられている。ここで、ピックアップロール16によって給紙カセット14から送り出された記録用紙Pは、搬送ロール18及びレジストロール20を介して用紙搬送路22へ送り込まれ、各画像形成ユニット12に記録用紙Pを搬送する搬送装置24へ搬送されるようになっている。
【0034】
画像形成ユニット12は、用紙搬送路22の上流側から前述のY、M、C、Kの色の順に配設されており、画像形成ユニット12の図中左側には、画像形成ユニット12に走査光を照射する露光装置26が配設されている。
【0035】
露光装置26は、筐体28内に図示しない半導体レーザ、ポリゴンミラー30、結像レンズ32及びミラー34が配設されており、半導体レーザからの光は、ポリゴンミラー30で偏向走査され、結像レンズ32とミラー34を介して各感光体36に照射される。これにより、感光体36に、画像情報に応じた静電潜像が形成されるようになっている。
【0036】
また、プリンタ10の図中右側(感光体36と対向する位置)には、前述の搬送装置24が配設されている。搬送装置24は、プリンタ10の側壁10Aに沿って設けられた一対の張架ロール38、40と、この張架ロール38、40に巻き掛けられた搬送ベルト42とで構成されている。張架ロール40は、図示しないモータによって回転され、搬送ベルト42が移動するようになっている。張架ロール38の近傍には、吸着ロール44が対向配置されており、この吸着ロール44に電圧が印加されることによって、搬送ベルト42に記録用紙Pが静電的に吸着されるようになっている。
【0037】
また、搬送ベルト42の裏面の各色の感光体36に対向する位置には、それぞれ転写ロール46が配設されている。この転写ロール46によって、感光体36上のトナー像が、搬送ベルト42によって搬送される記録用紙Pに転写される。トナー像が転写された記録用紙Pは、張架ロール40の上方に設けられた定着装置48で、熱と圧力の作用により定着される。そして、トナー像が定着された記録用紙Pは、排出ロール50によって排出トレイ52へ排出されるようになっている。
【0038】
露光装置26の近傍(図中左側)には、プリンタ10の各部の動作制御を行う制御ユニット54が設けられている。
【0039】
次に、本発明の第1実施形態に係る現像装置58について説明する。
【0040】
図2(a)に示すように、画像形成ユニット12は、感光体36を有する感光体ユニット56(上部)と、各色のトナーが収容されると共に、感光体36に作像される静電潜像に対して各色トナーの現像を行う現像装置58(下部)とで構成されている。感光体ユニット56と現像装置58の間には、露光光Lが通過する光通路59が形成されており、露光光Lは、光通路59を通って感光体36の表面に照射されるようになっている。
【0041】
感光体ユニット56は、感光体36と、感光体36の周囲に配設され所定の電位差により感光体36表面を帯電させる帯電ロール60と、感光体36表面を清掃するクリーニング装置62と、感光体36表面の除電を行うイレーズランプ64と、クリーニング装置62の横方向に配設されたサブトナー供給ユニット66とが一体となって構成されている。
【0042】
サブトナー供給ユニット66には、トナーの攪拌及び搬送を行うマイラフィルムを有する攪拌搬送部材68が設けられている。また、サブトナー供給ユニット66の側壁には、支持突起70が突設されており、支持突起70をプリンタ10内の図示しない受部に挿通させることで、プリンタ10に画像形成ユニット12が装着されるようになっている。
【0043】
一方、図2(a)に示すように、現像装置58は、感光体36の静電潜像をトナーで可視像化する現像ユニット72と、現像ユニット72にトナーTを供給するメイントナー供給ユニット74とが横方向に一体化された構成となっている。なお、現像装置58では、キャリアとの攪拌混合でトナーTを摩擦帯電させて現像する二成分現像方式が用いられている。
【0044】
現像ユニット72は、本体としてのハウジング76を有している。ハウジング76は、感光体36の下方側に設けられており、感光体36側に向かって開口した開口部78が形成されている。また、ハウジング76内には、現像剤収容室80が形成されている。現像剤収容室80は、内部にトナーT及びキャリアからなる現像剤Gが収容されている。なお、キャリアは、現像剤収容室80のみに収容されている。
【0045】
さらに、ハウジング76内には、開口部78から一部が露出するようにして、現像ロール82が配設されている。現像ロール82は、矢印方向へ回転可能に設けられた非磁性円筒状の現像スリーブ(図示省略)と、現像スリーブの内側で回転しないように固定され複数の磁極が交互に配設された磁石ロール(図示省略)とで構成されている。現像スリーブの端部には、図示しないギアが固定されており、モータからの回転力がギアへ伝達され、ギアを介して現像スリーブが回転するようになっている。
【0046】
ここで、現像ロール82は、現像剤G中に含まれるキャリアを磁力で吸着し、表面に現像剤Gの磁気ブラシを形成して、キャリアに吸着したトナーTを感光体36と対向する現像領域(現像剤供給位置)へ搬送する。そして、露光光Lにより感光体36上に形成された静電潜像が、現像ロール82の表面に形成されたキャリアとトナーとからなる現像剤Gの磁気ブラシによって可視像化されるようになっている。
【0047】
現像ロール82における現像領域の上流側には、現像ロール82と所定の距離離間し、且つ現像ロール82の軸方向に沿って、円筒状の層厚規制部材84が配設されている。層厚規制部材84は、アルミニウム等の非磁性体からなり、現像ロール82上に供給された現像剤Gの層厚を規制している。
【0048】
図2(a)、図3、及び図4に示すように、現像ロール82の下方には、現像ロール82の軸方向に沿って第1オーガ86及び第2オーガ88が配設されている。第1オーガ86及び第2オーガ88は、それぞれ回転軸86A、88Aを備えており、ハウジング76の周壁にそれぞれ回転可能に軸支されている。回転軸86A、88Aには、それぞれ所定のピッチで螺旋羽根86B、88Bが螺旋状に形成されている。
【0049】
ここで、回転軸86A、88Aの端部には、それぞれ図示しないギアが固定されており、図示しないモータからの回転力がギアへ伝達され、ギアを介して第1オーガ86及び第2オーガ88がそれぞれ回転する。この回転で螺旋羽根86B、88Bが回転することによって、現像剤収容室80内に収容された現像剤Gが、攪拌されながら矢印方向(図4参照)へ搬送されるようになっている。
【0050】
第1オーガ86と第2オーガ88の間には、第1仕切壁90が立設されている。現像剤収容室80内は、第1仕切壁90によって、第1オーガ86が配設された第1攪拌路92と、第2オーガ88が配設された第2攪拌路94とに二分されている。
【0051】
また、第1仕切壁90の長手方向の両端部には、連通口96、98が形成されており、この連通口96、98によって、第1攪拌路92と第2攪拌路94とが連通されている。ここで、現像剤収容室80内の現像剤Gは、第1オーガ86及び第2オーガ88の回転によって、それぞれ第1攪拌路92及び第2攪拌路94内を攪拌されながら搬送され、第1攪拌路92と第2攪拌路94との間を循環するようになっている。
【0052】
現像ユニット72に隣接したメイントナー供給ユニット74には、供給用のトナーTが収容されるトナー収容室102が設けられている。トナー収容室102には、現像ロール82の軸方向に沿って第1アジテータ104及び第2アジテータ106が回転可能に設けられている。
【0053】
第1アジテータ104は、第1回転軸104Aと、マイラからなる第1搬送フィルム104Bとを備え、メイントナー供給ユニット74の周壁に回転可能に軸支されている。第2アジテータ106は、第1回転軸106Aと、マイラからなる第2搬送フィルム106Bとを備え、メイントナー供給ユニット74の周壁に回転可能に軸支されている。第1搬送フィルム104B及び第2搬送フィルム106Bには、トナーの搬送方向へ向けて斜めに切込みが形成されている。
【0054】
第1回転軸104A及び第2回転軸106Aの端部には、図示しないギヤが固定されている。ここで、図示しないモータからの回転力がギヤへ伝達され、第1搬送フィルム104B及び第2搬送フィルム106Bが回転すると、トナー収容室102内のトナーTが攪拌されながら矢印方向へ搬送されるようになっている。
【0055】
次に、トナー搬送路114について説明する。
【0056】
図2(a)、図3、及び図4に示すように、トナー収容室102と現像剤収容室80との間には、第2仕切壁108、湾曲壁110、及び第3仕切壁112が設けられている。第2仕切壁108の下部からは、湾曲壁110がトナー収容室102側へ延び、第3仕切壁112が現像剤収容室80側へ延びることで、ハウジング76の底部にトンネル状のトナー搬送路114を形成している。
【0057】
トナー搬送路114は、第1アジテータ104のトナーの送り方向と平行となるように設けられている。また、トナー搬送路114内には、長手方向に沿ってトナーの攪拌搬送を行う搬送オーガ116が回転可能に設けられている。
【0058】
ここで、湾曲壁110の長手方向の一方の端部近傍には、トナー収容室102とトナー搬送路114とを連通するようにして、トナー流入口118が形成されている。これにより、トナー収容室102内に収容されたトナーTは、第1アジテータ104によって攪拌されながらトナー収容室102内を軸方向に搬送され、トナー流入口118からトナー搬送路114へ送り込まれるようになっている。
【0059】
一方、第3仕切壁112の長手方向の他方の端部近傍には、トナー搬送路114と現像剤収容室80とを連通するようにしてトナー供給口120が形成されている。これにより、トナー搬送路114内のトナーTは、搬送オーガ116によって攪拌されながら搬送され、トナー供給口120から現像剤収容室80へ送り込まれるようになっている。
【0060】
図2(b)に示すように、トナー搬送路114は、底面が現像ユニット72の底面から角度θ1で傾斜しており、トナー流入口118からトナー供給口120に渡って一定の勾配で傾くように形成されている。これにより、トナー供給口120の高さ位置A(下端部)が、トナー流入口118側のトナー搬送路114の最下部(底面)Bよりも高くなっている。
【0061】
また、搬送オーガ116は、回転軸116Aと、回転軸116Aに螺旋状に形成された螺旋羽根116Bとで構成されている。螺旋羽根116Bは、トナー流入口118側のピッチ(配置間隔)をd1、トナー供給口120側のピッチをd2とすると、d1>d2となるように形成されており、トナー供給口120側でトナーの搬送速度が遅くなるようになっている。なお、搬送オーガ116では、トナー供給口120側の端部の螺旋羽根116Bが一部逆方向に向けられているが、これは、トナー搬送路114の下流側端部にトナーTが滞留するのを防ぐためのものである。
【0062】
図2(a)に示すように、トナー供給口120は、下端部が現像剤収容室80に収容されている現像剤Gの表面位置よりも下方に位置するようにして形成されている。これにより、トナー供給口120の少なくとも一部が、現像剤収容室80に収容された現像剤Gに埋もれた状態となっており、トナー搬送路114から現像剤収容室80へ送り込まれたトナーTが、現像剤Gの中に潜り込み、現像剤Gと混合しやすくなっている。
【0063】
次に、本発明の第1実施形態の作用について説明する。
【0064】
まず、プリンタ10の画像形成について説明する。図1に示すように、プリンタ10で図示しないスタートボタンが押されるなどして画像形成が開始されると、制御ユニット54がプリンタ10の各部の動作制御を行い、ピックアップロール16によって給紙カセット14から記録用紙Pが送り出される。送り出された記録用紙Pは、搬送ロール18及びレジストロール20を介して用紙搬送路22へ送り込まれ、搬送装置24へ搬送される。
【0065】
続いて、各画像形成ユニット12において、感光体36が帯電ロール60で帯電され、画像を形成するための各種データに基づいて、露光装置26から感光体36に露光光Lが照射される。これにより、感光体36上に静電潜像が形成される。そして、この静電潜像が現像ロール82上のトナーTによって顕在化され、トナー像となる。
【0066】
感光体36上のトナー像は、搬送ベルト42によって搬送されてきた記録用紙P上に、転写ロール46の転写電界によって順次転写され、各色のトナーが重ねられる。トナー像が転写された記録用紙Pは、定着装置48で、熱と圧力の作用により定着される。定着が完了した記録用紙Pは、排出ロール50によって排出トレイ52へ排出される。このようにして、画像形成が行われる。
【0067】
次に、トナー搬送路114のトナーTの搬送状態について説明する。
【0068】
図5(a)に示すように、トナー搬送路114では、前述の第1アジテータ104(図4参照)の回転によってトナー流入口118からトナーTが流入する。ここで、トナー搬送路114が傾斜しているため、流入したトナーTは、トナー搬送路114端部の内壁114Aの下部(隅部)から貯留され始める。そして、トナー流入口118から継続してトナーTが流入すると、トナー搬送路114では、まず、トナー流入口118付近のトナーTが密に充填される。
【0069】
続いて、図5(b)及び図5(c)に示すように、搬送オーガ116の回転により、トナー流入口118付近のトナーTは、下流側(トナー供給口120側)へ向けて搬送される。ここで、前述のようにトナー搬送路114が傾斜しているため、トナーTは、搬送方向上流側で最も密となるように充填されている。このため、下流側へ向けて搬送されるトナーTは、常に上流側が密で、搬送途中にトナーの密度が疎となる部分ができにくくなり、所定の搬送レートでトナー供給口120まで連続的に搬送されることになる。搬送レートとは、単位時間当たりのトナーTの搬送量(供給量)で定義されるものであり、単位(mg/sec)としている。
【0070】
ここで、比較例として、トナー搬送路が水平に配置されているものでは、環境温度や振動等の外乱により、搬送途中でトナーTが凝集するなどして、トナー搬送路中でトナー分布が変化し、所定の搬送レートを維持することが難しくなる。また、トナー搬送路が、搬送方向上流側から下流側へ低くなるように傾斜配置されているものでは、トナーTの自重等により、トナーTが一気に搬送路を落下するなどするため、所定の搬送レートを維持することが難しくなる。
【0071】
一方、本実施形態では、上述のように、トナー搬送路114が、上流側から下流側へ向けて上向きとなっているため、搬送されるトナーTは、常に上流側が密となる。これにより、搬送途中にトナーの密度が疎となる部分ができにくくなり、所定の搬送レートでトナー供給口120まで連続的に搬送させることが可能となる。
【0072】
トナー供給口120に到達したトナーTは、順次、トナー供給口120から現像剤収容室80(図2(a)参照))に供給される。ここで、トナー供給口120付近の螺旋羽根116Bのピッチが、上流側の螺旋羽根116Bのピッチよりも狭いため、上流側から搬送されてくるトナーTの搬送速度が、トナー供給口120付近で低下する。これにより、トナー供給口120付近でトナーTが一時的に滞留することになり、トナー供給口120からのトナー供給が連続的に行われる。
【0073】
なお、トナー搬送路114が、第1オーガ86、第2オーガ88の現像剤Gの送り方向と平行に配置されているため、トナー収容室102が現像ユニット72に近づき、トナー搬送路114の長さが短くなっている。この点においても、トナー搬送路114の途中でトナーTの密度が疎になることが抑えられている。
【0074】
ここで、図6は、現像装置58における搬送オーガ116の回転開始からの累積時間と、トナー搬送路114における搬送レートとの関係を示している。図6では、本実施形態の現像装置58のデータを黒丸プロットで表し、比較例として、トナー搬送路114を水平配置したもののデータを三角プロット、トナー搬送路114をトナー供給口120へ向けて低く傾けたもののデータを四角プロットで表している。なお、図6では、本実施形態のトナー供給口120側の螺旋羽根116Bのピッチを15mmで設定している。
【0075】
図6に示すように、累積時間1200秒までの搬送レートを比較すると、比較例である水平配置では160〜200[mg/sec]と変動しており、下方配置では200〜250[mg/sec]と変動しているものの、本実施形態の現像装置58では、200〜220[mg/sec]となっており、搬送レートの変動幅が小さくなることが確認された。
【0076】
一方、図7は、トナー収容室102内のトナー残量と、トナー搬送路114における搬送レートとの関係を示している。なお、測定開始時のトナー収容室102内のトナー残量は、予め100gに設定している。また、図7では、いずれも本実施形態の現像装置58におけるデータが示されており、螺旋羽根116Bのトナー供給口120側のピッチを15mmで設定したもののデータを白丸プロット、螺旋羽根116Bのトナー供給口120側のピッチを5mmまで狭めたもののデータを三角プロットで表している。
【0077】
図7に示すように、トナー残量が減少するにつれ、螺旋羽根116Bのピッチが15mmのものでは、搬送レートが徐々に低下する傾向が見られたが、ピッチが5mmのものでは、搬送レートの絶対値は低くなるものの、搬送レートが安定する傾向が確認された。
【0078】
次に、本発明の現像装置及び画像形成装置の第2実施形態を図面に基づき説明する。なお、前述した第1実施形態と基本的に同一の部品には、前記第1実施形態と同一の符号を付与してその説明を省略する。
【0079】
図8(a)には、プリンタ10(図1参照)に装着可能な画像形成ユニット130が示されている。画像形成ユニット130は、本体を構成するハウジング132に感光体36が回転可能に設けられている。感光体36の周囲には、帯電ロール60と、帯電された感光体36に露光光を照射する露光ユニット134と、現像ロール82と、クリーニング装置62とが配置されている。
【0080】
現像ロール82の周囲には、上側に層厚規制部材84が設けられ、下側にトナー供給ロール136が設けられている。トナー供給ロール136は、軸方向が現像ロール82の軸方向と平行となっており、トナーTを現像ロール82に供給する。トナー供給ロール136に隣接する位置には、現像剤収容室138が設けられている。
【0081】
現像剤収容室138には、攪拌オーガ140、142が並列して回転可能に設けられている。また、現像ロール82の下部から現像剤収容室138までには、トナー及びキャリアからなる現像剤Gが収納されている。攪拌オーガ140とトナー供給ロール136の間には、仕切壁144が設けられており、仕切壁144の下部には、トナーTが供給される供給口146が形成されている。これにより、現像剤収容室138からトナー供給ロール136へトナーTが供給され、さらに現像ロール82へトナーTが供給されるようになっている。なお、現像ロール82、層厚規制部材84、トナー供給ロール136、攪拌オーガ140、142、及びこれらを内包するハウジング132の一部によって、現像部160が形成されている。
【0082】
攪拌オーガ140と攪拌オーガ142の間には、仕切壁148が形成されている。仕切壁148の長手方向両端部(紙面手前側と奥側)には、連通口150、152が形成されている。これにより、攪拌オーガ140と攪拌オーガ142が回転すると、現像剤収容室138内で、現像剤Gが攪拌されるようになっている。また、攪拌オーガ142の上方には、現像剤収容室138にトナーTを搬送するトナー搬送路154が設けられている。
【0083】
図8(a)及び図8(b)に示すように、トナー搬送路154は、攪拌オーガ140、142の現像剤Gの送り方向と平行となるように配置されており、トナー搬送路154の一端の底部に、現像剤収容室138にトナーTを供給可能とするトナー供給口156が形成されている。また、トナー搬送路154の他端の上部には、トナー搬送路154内にトナーTを流入可能とするトナー流入口158が形成されている。
【0084】
また、トナー搬送路154は、底面が画像形成ユニット130の底面から角度θ2で傾斜しており、トナー流入口158からトナー供給口156に渡って一定の勾配で傾くように形成されている。これにより、トナー供給口156の高さ位置C(上端部)が、トナー流入口158側のトナー搬送路154の最下部(底面)Dよりも高くなっている。
【0085】
トナー搬送路154内には、長手方向に沿ってトナーTの攪拌搬送を行う搬送オーガ162が回転可能に設けられている。搬送オーガ162は、回転軸162Aと、回転軸162Aに螺旋状に形成された螺旋羽根162Bとで構成されている。螺旋羽根162Bは、トナー供給口156側のピッチが、トナー流入口158側のピッチよりも小さくなるように形成されており、トナー供給口156側でトナーTの搬送速度が遅くなるようになっている。
【0086】
トナー流入口158の周囲でトナー搬送路154の上壁では、略水平方向に板状に張り出し、端部が略L字状に立設された受部164が設けられている。受部164には、トナーTが収容されたトナーカートリッジ166の底部側で、略水平方向に板状に張り出した取付部168が搭載されるようになっている。なお、トナーカートリッジ166は、画像形成ユニット130に着脱可能となっている。
【0087】
また、トナーカートリッジ166は、内部に攪拌用のアジテータ170が回転可能に設けられている。さらに、トナーカートリッジ166の底部には、トナー流入口158よりも幅の広いトナー流出口172が形成されている。トナー流出口172は、トナーカートリッジ166の取付部168が受部164に取付けられる前は、図示しない蓋体で覆われており、トナーTが流出しないようになっている。
【0088】
ここで、現像部160と、トナー搬送路154と、トナーカートリッジ166とで、現像装置133が構成されている。現像装置133(画像形成ユニット130)において、トナーカートリッジ166を交換するとき、紙面手前側から奥側へ向けて図示しない蓋体が挿入され、トナー流出口172が塞がれる。そして、トナーカートリッジ166が紙面手前側に引き抜かれ、新しいトナーカートリッジ166が紙面奥側へ向けて挿入される。
【0089】
挿入された新しいトナーカートリッジ166は、受部164に取付部168が係合され、紙面手前側から図示しない板バネ等の付勢手段で付勢されることにより固定される。そして、新しいトナーカートリッジ166のトナー流出口172を塞いでいる図示しない蓋体を紙面手前側に引き抜くことにより、新しいトナーカートリッジ166内のトナーTが、トナー流出口172及びトナー流入口158を流下して、トナー搬送路154内に流入する。
【0090】
次に、本発明の第2実施形態の作用について説明する。
【0091】
まず、画像形成について説明する。プリンタ10(図1参照)で図示しないスタートボタンが押されるなどして画像形成が開始されると、制御ユニット54がプリンタ10の各部の動作制御を行い、開始ピックアップロール16によって給紙カセット14から記録用紙Pが送り出される。送り出された記録用紙Pは、搬送ロール18及びレジストロール20を介して用紙搬送路22へ送り込まれ、搬送装置24へ搬送される。
【0092】
続いて、各画像形成ユニット130において、感光体36が帯電ロール60で帯電され、画像を形成するための各種データに基づいて、露光ユニット134から感光体36に露光光が照射される。これにより、感光体36上に静電潜像が形成される。そして、この静電潜像が現像ロール82上のトナーTによって顕在化され、トナー像となる。
【0093】
感光体36上のトナー像は、搬送ベルト42によって搬送されてきた記録用紙P上に、転写ロール46の転写電界によって順次転写され、各色のトナーが重ねられる。トナー像が転写された記録用紙Pは、定着装置48で、熱と圧力の作用により定着される。定着が完了した記録用紙Pは、排出ロール50によって排出トレイ52へ排出される。このようにして、画像形成が行われる。
【0094】
次に、トナー搬送路154のトナーTの搬送状態について説明する。
【0095】
図9(a)に示すように、トナー搬送路154では、前述のトナーカートリッジ166(図8(a)参照)のトナー流出口172から流出したトナーTが、トナー流入口158から流入する。ここで、トナー搬送路154が傾斜しているため、流入したトナーTは、トナー搬送路154端部の内壁154Aの下部(隅部)から貯留され始める。そして、トナー流入口158から継続してトナーTが流入すると、トナー搬送路154では、まず、トナー流入口158付近のトナーTが密に充填される。
【0096】
続いて、図9(b)及び図9(c)に示すように、搬送オーガ162の回転により、トナー流入口158付近のトナーTは、下流側(トナー供給口156側)へ向けて搬送される。ここで、前述のようにトナー搬送路154が傾斜しているため、トナーTは、搬送方向上流側で最も密となるように充填されている。このため、下流側へ向けて搬送されるトナーTは、常に上流側が密で、搬送途中にトナーの密度が疎となる部分ができにくくなり、所定の搬送レートでトナー供給口156まで連続的に搬送されることになる。
【0097】
ここで、比較例として、トナー搬送路が水平に配置されているものでは、環境温度や振動等の外乱により、搬送途中でトナーTが凝集するなどして、トナー搬送路中でトナー分布が変化し、所定の搬送レートを維持することが難しくなる。また、トナー搬送路が、搬送方向上流側から下流側へ低くなるように傾斜配置されているものでは、トナーTの自重等により、トナーTが一気に搬送路を落下するなどするため、所定の搬送レートを維持することが難しくなる。
【0098】
一方、本実施形態では、上述のように、トナー搬送路114が、上流側から下流側へ向けて上向きとなっているため、搬送されるトナーTは、常に上流側が密となる。これにより、搬送途中にトナーTの密度が疎となる部分ができにくくなり、所定の搬送レートでトナー供給口156まで連続的に搬送させることが可能となる。
【0099】
トナー供給口156に到達したトナーTは、順次、トナー供給口156から現像剤収容室138(図8(a)参照))に供給される。ここで、トナー供給口156付近の螺旋羽根162Bのピッチが、上流側の螺旋羽根162Bのピッチよりも狭いため、上流側から搬送されてくるトナーTの搬送速度が、トナー供給口156付近で低下する。これにより、トナー供給口156付近でトナーTが一時的に滞留することになり、トナー供給口156からのトナー供給が連続的に行われる。
【0100】
なお、本発明は上記の実施形態に限定されない。
【0101】
図10(a)に示すように、螺旋羽根の径を変更した搬送オーガ176を用いて、トナー供給口付近のトナー搬送速度を遅くしてもよい。搬送オーガ176は、回転軸176Aと、回転軸176Aに螺旋状に形成されトナー流入口側に配置される径R1の螺旋羽根176Bと、回転軸176Aに螺旋状に形成されトナー供給口側に配置される径R2の螺旋羽根176Cとで構成されている(R1>R2)。また、螺旋羽根176Cのピッチd2が、螺旋羽根176Bのピッチd1よりも小さくなっている。これにより、トナー供給口120側でトナーの搬送速度をさらに遅くさせて、トナーの滞留量を増やすようにしてもよい。
【0102】
また、図10(b)に示すように、一部を傾斜させたトナー搬送路182を用いてもよい。現像装置180内には、トナー搬送路182が設けられている。トナー搬送路182は、トナー流入口188側のハウジング184の長さL1の領域が平坦となるように設けられ、ハウジング184の長さL2の領域が、トナー供給口190へ向けて角度θ3で傾斜されている。トナー搬送路182の長さL1の領域の上壁からは、板状の支持部186が突設されており、支持部186に形成された貫通穴186Aには、搬送オーガ116の一端が挿通された構成となっている。なお、平坦部となる領域は、トナー供給口190付近に設けてもよい。
【図面の簡単な説明】
【0103】
【図1】本発明の第1実施形態に係る画像形成装置の全体図である。
【図2】本発明の第1実施形態に係る現像装置内部の斜視図である。
【図3】(a)本発明の第1実施形態に係る画像形成ユニットの断面図である。(b)本発明の第1実施形態に係るトナー搬送路の断面図である。
【図4】本発明の第1実施形態に係る現像装置の断面図である。
【図5】本発明の第1実施形態に係るトナー搬送路内部のトナーの搬送状態を示す模式図である。
【図6】本発明の第1実施形態に係る現像装置におけるトナー搬送部材の回転開始からの累積時間と搬送レートの関係を示すグラフである。
【図7】本発明の第1実施形態に係る現像装置におけるトナー残量と搬送レートの関係を示すグラフである。
【図8】(a)本発明の第2実施形態に係る画像形成ユニットの断面図である。(b)本発明の第2実施形態に係るトナー搬送路の断面図である。
【図9】本発明の第2実施形態に係るトナー搬送路内部のトナーの搬送状態を示す模式図である。
【図10】(a)本発明のトナー搬送部材の他の実施例を示す模式図である。(b)本発明のトナー搬送路の他の実施例を示す断面図である。
【符号の説明】
【0104】
10 プリンタ(画像形成装置)
26 露光装置(潜像形成手段)
36 感光体(感光体)
58 現像装置(現像装置)
72 現像ユニット(現像部)
82 現像ロール(現像剤保持部材)
86 第1オーガ(現像剤攪拌部材)
88 第2オーガ(現像剤攪拌部材)
102 トナー収容室(現像剤収容部)
114 トナー搬送路(現像剤搬送路)
116 搬送オーガ(現像剤搬送部材)
118 トナー流入口(現像剤流入口)
120 トナー供給口(現像剤供給口)
133 現像装置(現像装置)
140 攪拌オーガ(現像剤攪拌部材)
142 攪拌オーガ(現像剤攪拌部材)
154 トナー搬送路(現像剤搬送路)
156 トナー供給口(現像剤供給口)
158 トナー流入口(現像剤流入口)
160 現像部(現像部)
162 搬送オーガ(現像剤搬送部材)
166 トナーカートリッジ(現像剤収容部)
T トナー(現像剤)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
現像剤が収容された現像剤収容部と、
前記現像剤収容部から送られた現像剤を攪拌する現像剤攪拌部材と、前記現像剤攪拌部材で攪拌された現像剤を保持し感光体に供給する現像剤保持部材と、を有する現像部と、
前記現像剤収容部から現像剤が流入される現像剤流入口と、前記現像剤流入口から流入された現像剤が前記現像部へ供給される現像剤供給口と、が形成され、前記現像剤流入口から前記現像剤供給口へ現像剤を搬送する現像剤搬送部材が設けられた現像剤搬送路と、
を有し、
前記現像剤搬送路が、前記現像剤攪拌部材の現像剤の送り方向と平行となるように配置され、
前記現像剤供給口の高さ位置が、前記現像剤搬送路の前記現像剤流入口側の最下部よりも高い現像装置。
【請求項2】
前記現像剤供給口側の現像剤の搬送速度が、前記現像剤流入口側の現像剤の搬送速度よりも低い請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像剤搬送路が、前記現像剤流入口から前記現像剤供給口に渡って一定の勾配で傾いている請求項1又は請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
前記現像剤収容部が、前記現像剤搬送路に着脱可能となっている請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項5】
前記感光体に画像の潜像を形成する潜像形成手段と、
請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の現像装置と、
を有し、
前記現像剤保持部材が、前記潜像に現像剤を供給して現像する画像形成装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2009−237141(P2009−237141A)
【公開日】平成21年10月15日(2009.10.15)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−81766(P2008−81766)
【出願日】平成20年3月26日(2008.3.26)
【出願人】(000005496)富士ゼロックス株式会社 (21,908)
【Fターム(参考)】