説明

現像装置

【課題】トナー劣化を抑制して静電潜像担持体のクリーニング性向上を達成しながらも、トナー搬送量の安定化を達成し、長期にわたって高品質画像を得ることができる現像装置を提供すること。
【解決手段】弾性力1.8N以下のトナー規制ローラ1を現像ローラ2に対して線圧が5〜30N/mになるように圧接させて現像ローラ表面にトナー薄層を形成する現像装置であって、トナーが平均一次粒径150〜450nmの外添剤を外添されていることを特徴とする現像装置。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置に組み込まれて使用される現像装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
複写機、プリンター、ファクシミリ等の画像形成装置においては、電子写真用感光体や静電記録用誘電体等の静電潜像担持体に形成された静電潜像を現像して可視トナー像を形成する現像装置が用いられている。
【0003】
そのような現像装置として、例えば、静電潜像担持体に近接又は接触配置される現像ローラにトナー規制ローラを圧接配置した構造のものが知られている。現像装置内においてトナーはトナー規制ローラによって現像ローラ上でトナー薄層とされながら、摩擦帯電された後、現像ローラによって、静電潜像担持体に臨む現像領域へ搬送され、静電潜像の現像に供される。トナー規制ローラは一般に、金属材料および硬質性の樹脂材料等の硬質ローラ構成を有しており、たとえ表面部が当該硬質ローラ構成よりも軟質の発泡体材料や弾性層からなっていても、表面の弾性力は2N以上であった(特許文献1〜4)。現像ローラもまた金属材料および硬質性の樹脂材料等の硬質ローラ構成を有するのが一般的であり、表面の弾性力は2N以上であった。
【0004】
トナー規制ローラおよび現像ローラは一般に、1つのローラにおいて軸から表面までの距離に寸法誤差が生じたり、軸にベンディングが生じたりするので、トナー規制ローラ表面と現像ローラ表面との距離が回転によって局所的に変動するのは回避できない問題であった。そのため、表面が比較的硬い一方のローラを、表面が比較的軟らかい他方のローラに押し込んで、それらのローラの接触を確保していた。例えば、表面の弾性力が5N程度の発泡ポリウレタン層を有する直径約12mmのトナー規制ローラと、表面の弾性力が30N程度のシリコンゴム層を有する直径約16mmの現像ローラを用いる場合、現像ローラはトナー規制ローラに対して0.25mm程度押し込んで取り付けられていた。その結果、それらのローラ間の接触圧は比較的高くなり、例えば、50〜150N/m程度の高い線圧でトナー規制ローラと現像ローラとが圧接していた。
【0005】
しかしながら、そのような従来の現像装置では、トナー劣化の問題が生じた。すなわち、外添剤が外添されたトナーはトナー規制ローラと現像ローラとの間で比較的大きなストレスを受けるため、外添剤、特に比較的大径のものがトナー粒子から離脱する等のトナー劣化が起こった。大径外添剤は静電潜像担持体とクリーニングブレードとの間に静止層を形成することによって、静電潜像担持体上の残留トナーをクリーニングする機能を有するが、そのような大径外添剤が現像装置内で離脱すると、静電潜像担持体上まで到達しないので、クリーニング性が低下した。クリーニング性が低下すると、静電潜像担持体上で残留トナーがクリーニングブレードをすり抜けるので、画像に筋ムラが生じた。
【特許文献1】特開2001−51503号公報
【特許文献2】特開平9−258552号公報
【特許文献3】特開2004−29357号公報
【特許文献4】特開2004−85623号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
そこで、トナー規制ローラと現像ローラとの圧接圧を低減する試みもなされているが、従来の上記トナー規制ローラを用いて圧接圧を低減すると、現像ローラのトナー搬送量が初期から不安定になり、帯電安定性が低下した。
【0007】
本発明は、トナー劣化を抑制して静電潜像担持体のクリーニング性向上を達成しながらも、帯電性の安定化を達成し、長期にわたって高品質画像を得ることができる現像装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0008】
本発明は弾性力1.8N以下のトナー規制ローラを現像ローラに対して線圧が5〜30N/mになるように圧接させて現像ローラ表面にトナー薄層を形成する現像装置であって、
トナーが平均一次粒径150〜450nmの外添剤を外添されていることを特徴とする現像装置に関する。
【発明の効果】
【0009】
本発明によれば、トナー規制ローラと現像ローラとの間でより小さな線圧を有効に達成できるので、大径外添剤の離脱等のトナー劣化を抑制して静電潜像担持体のクリーニング性向上を達成できる。しかも、トナーの帯電性を向上できる。それらの結果、長期にわたって高品質画像を得ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
本発明の現像装置は、特定のトナー規制ローラ(以下、単に「規制ローラ」という)を現像ローラに対して圧接させてなるものである。例えば図1に示すように、規制ローラ1は、現像ローラ2の回転方向において現像領域Pの上流で、現像ローラ2に対して圧接配置されており、これによって現像ローラ2の表面にトナー3の薄層を形成するとともに、摩擦帯電させる。現像装置10において現像ローラ2の表面でトナー薄層を摩擦帯電させた後は、当該トナー薄層は現像ローラ2によって静電潜像担持体4に臨む現像領域Pへ搬送され、静電潜像の現像に供されるようになっている。図1において5はトナー供給ローラであって、現像ローラ2に対してトナーを供給するものであり、現像ローラ2の回転方向において規制ローラ1の上流に配置されているが、必ずしも有さなければならないというわけではない。
【0011】
規制ローラは表面の弾性力が1.8N以下、特に0.1〜1.8N、好ましくは0.5〜1.6Nであって、外力によって変形するが、当該外力を取り除くことによって形状が復元するものである。そのような弾性力を有する規制ローラを使用することによって、規制ローラと現像ローラとの線圧を後述の範囲内まで有効に低減できるので、大径外添剤の離脱等のトナー劣化を抑制して静電潜像担持体のクリーニング性向上を達成できる。しかも、トナーの帯電性を安定化できる。それらの結果、長期にわたって高品質画像を得ることができる。弾性力が大きすぎる規制ローラを用いると、当該規制ローラと現像ローラとの線圧が大きくなりすぎて後述の範囲内に設定することが困難なため、耐久時においてクリーニング性が低下したり、現像ローラ上のトナー薄層の帯電性が不安定になったりする。
【0012】
弾性力とは硬度を示すひとつの尺度であり、値が小さいほど軟らかいことを示す。
本明細書中、弾性力は以下の方法によって測定された値を用いている。すなわち、ローラを測定台の上に乗せ、プッシュプルゲージ(ZP−20;IMADA社製)に直径13mmのプラスチック円盤を取り付け、ローラの中心軸に垂直に押し当てた時の値を弾性力(N)とする。その時の押し込み量は1.0mmとし、押し込んでから1分後の値を測定値とする。
【0013】
押し込み量とは、規制ローラと他の部材との接触によって規制ローラ表面が凹状に変形するときの規制ローラ半径方向の最大変形量(距離)をいうものとする。
【0014】
そのような弾性力を有する規制ローラは、ローラの製造業者に依頼することによって容易に入手可能である。例えば、ローラ表面を発泡体から構成させ、かつ当該発泡体の硬度を調整することによって、ローラの弾性力を制御可能であることは、ローラの製造業者によく知られているので、発泡体を製造するときの発泡剤の量を適宜、調整することによって規制ローラの弾性力を制御できる。発泡剤の量を増加すると、得られる発泡体の硬度は低下するので、当該発泡体を用いて得られるローラの弾性力は小さくなる。一方、発泡剤の量を低減すると、得られる発泡体の硬度は上昇するので、当該発泡体を用いて得られるローラの弾性力は大きくなる。
【0015】
例えば、ポリウレタン発泡体からなる発泡層を芯金の外周面に形成してなる規制ローラを製造する場合、具体的には、まず、所定比率でポリオール成分、ポリイソシアネート成分および発泡剤、ならびに所望により導電性付与剤、整泡剤等の添加剤をミキサーによって混合・撹拌する。次いで、吐出し、発泡させた後、加熱によって硬化させる。その後は、発泡体に、芯金を嵌入するための穴を形成し、その穴に、外周面に接着剤が塗布された芯金を嵌入する。発泡体と芯金とを十分に接着させた後、発泡体を切削成型して均一な厚さの発泡層を形成する。発泡層を形成した後は、通常、導電性ポリアミド等からなる円筒状チューブを発泡層に被せ、発泡層とチューブの端部を導電性接着剤にて接着することで発泡層表面に厚み50〜300μmのスキン層を形成する。発泡層表面にスキン層を有する場合、当該スキン層の上から測定した弾性力が上記範囲内であればよい。発泡層の厚みは上記弾性力を達成できる限り特に制限されず、通常は2〜10mm、特に2〜7.5mmである。芯金の直径は通常、3〜10mmである。
【0016】
規制ローラを構成する発泡層の密度および気泡の平均径は上記弾性力が達成される限り特に制限されず、通常は以下の範囲内である;
発泡層;
密度10〜80kg/m、特に15〜60kg/m
気泡平均径0.2〜1.5mm、特に0.3〜1.2mm。
【0017】
密度はJIS K 6400に準拠する。
気泡平均径は電子顕微鏡(SEM)で気泡の径を測定し、100個の気泡径を平均化することによって測定された値を用いている。
【0018】
規制ローラは導電性を有することが好ましく、通常は以下の体積抵抗を有する;
芯金込み規制ローラ;体積抵抗10〜10Ω、特に10〜10Ω。
【0019】
体積抵抗は電極を兼ねた銅板上に対象ローラを載せ、芯金の両端に500gずつ加重をかけて、芯金と銅板との間に、直流100Vを印加した際の電流値を計測し、抵抗(Ω)=100(V)/電流(A)で求めた。銅板との接触部を約90度ずつ4回測定し、平均をローラの抵抗値とした。
【0020】
規制ローラは現像ローラに対して線圧が5〜30N/m、好ましくは7〜28N/m、より好ましくは10〜15N/mになるように圧接させる。線圧が小さすぎると、トナー劣化を防止できるものの、初期から現像ローラによるトナーの搬送量が不安定になったり、トナーの帯電性が低下する。線圧が大きすぎると、耐久時においてクリーニング性が低下したり、トナーの帯電性が不安定になったりする。線圧は、ローラの寸法誤差やローラ軸のベンディング等に起因して、厳密には軸方向において必ずしも一定ではないので、本発明においては軸方向の中央部において静止時に上記線圧が達成されればよい。
【0021】
規制ローラの現像ローラによる押し込み量は通常、0.25〜1.5mm、好ましくは0.40〜1.2mm、より好ましくは0.50〜1.0mmに設定される。従って、押し込み量をそのような範囲内のいずれかの値に設定したときにおいて上記線圧が達成されればよい。当該押し込み量が小さすぎると、ローラの寸法誤差や軸のベンディング等により駆動時において規制ローラと現像ローラとの接触を確保できないので、トナー薄層が形成できない。押し込み量が大きすぎると、トナー劣化が起こり易くなるので、耐久時においてクリーニング性が低下したり、現像ローラ上のトナー薄層の帯電性が不安定になったりする。規制ローラの押し込み量は、ローラの寸法誤差や軸のベンディング等に起因して、厳密には軸方向において必ずしも一定ではないので、本発明においては軸方向の中央部において静止時に上記押し込み量が達成されればよい。
【0022】
規制ローラと現像ローラとの線圧は線圧測定器を用いて以下に示す方法によって測定できる。
線圧測定器15は、概略断面図を表す図2に示すように、直径16mmのアルミ製ローラ11に荷重変換器(9E01−L43−10N;NEC三栄社製)12を組み込んだものである。詳しくは本測定器のローラ表面上には長手方向(軸方向)に伸びた受圧部材13を有しており、この受圧部材に圧力を加えると、内部に組み込まれた荷重変換器12によって、加えられた荷重が測定される。この測定値と、受圧部材13における加圧部分のローラ長手方向の距離から線圧を求める。
【0023】
具体的には、まず、現像ローラと規制ローラとの圧接による規制ローラの押し込み量を測定する。例えば、図3(A)に示すように現像ローラ2aが規制ローラ1との圧接によって変形しない硬質ものである場合における規制ローラ1の押し込み量を図3(A)中、yで示す。また例えば、図3(B)に示すように現像ローラ2bが圧接によって変形する軟質のものである場合における規制ローラ1の押し込み量を図3(B)中、yで示す。
【0024】
次いで、測定された規制ローラの押し込み量yを、線圧測定器と規制ローラとで再現する。すなわち規制ローラの軸と線圧測定器の軸とを平行に保ちながら、線圧測定器の受圧部材13の表面中心14を規制ローラに圧接させて押し込み、前記押し込み量yを達成する。そのときの線圧測定器の測定値(荷重)および測定器と規制ローラとの接触部分におけるローラ長手方向の距離から線圧を求める。
【0025】
規制ローラ1の回転方向は、図1中、現像ローラ2との接触部において、現像ローラに対してカウンター(逆)方向であるが、これに制限されるものではなく、例えば、ウィズ(同)方向であってもよいし、または回転することなく停止状態で取り付けられていても良い。トナーの帯電性の向上の観点からは、規制ローラはカウンター方向に回転することが好ましい。規制ローラの回転方向は、現像ローラとの接触部における回転方向であり、現像ローラの回転方向を基準に示すものとする。
【0026】
規制ローラ1が回転する場合、特にカウンター方向で回転する場合、規制ローラと現像ローラとの周速比(規制ローラ/現像ローラ)は、トナーの帯電性の向上の観点から、3.00以下、特に0.20〜1.50であることが好ましい。
【0027】
規制ローラ1の周速は例えば、当該規制ローラの断面直径が10〜15mmのときで、通常は0〜90m/分、特に0〜30m/分が適当である。
【0028】
現像ローラ2は本発明において特に制限されるものではなく、現像装置の分野で従来から使用されているものが使用可能である。例えば、アルミやステンレス等の芯金のみからなる金属ローラ構成を有していても良いし、そのような芯金の外周面にシリコンゴム等からなるゴム層が形成されてなる弾性ローラ構成を有していても良いし、またはそれらの構成における外周面にアクリロニトリル−ブタジエンゴム等からなるコーティング層が形成されてなる複合ローラ構成を有していても良い。コーティング層は単層構成を有していても、または2層以上の多層構成を有してもよく、好ましくは中間層および表層からなる2層構成を有する。
【0029】
現像ローラはいずれの構成を有する場合においても、トナー搬送量の安定化の観点から、最表面の表面粗さが0.1〜10μmであることが好ましい。金属ローラ構成を有する場合、上記表面粗さは最表面をブラスト処理することによって達成される。弾性ローラ構成を有する場合、上記表面粗さはゴム層にシリカ等の微粒子を含有させることによって達成される。複合ローラ構成を有する場合、上記表面粗さはコーティング層、特に中間層や表層にシリカ等の微粒子を含有させることによって達成される。
【0030】
現像ローラは、トナー帯電性の向上の観点から、導電性を有することが好ましい。体積抵抗で10〜10Ω、特に10〜10Ωを有することが好ましい。現像ローラが特に、弾性ローラ構成または複合ローラ構成を有する場合において、上記体積抵抗は、ゴム層やコーティング層に、カーボンブラック等の導電性付与剤を含有させることによって達成される。
【0031】
現像ローラや規制ローラには通常、直流電圧が印加される。トナー帯電性の向上の観点から、規制ローラに対しては、現像ローラに印加される直流電圧を基準に、トナーが帯電されるべき極性と同極側の直流電圧を印加することが好ましい。
例えば、トナーが負極性に帯電される場合、現像ローラに印加される直流電圧よりも負側の直流電圧を規制ローラに対して印加する。すなわち、現像ローラに印加される直流電圧よりも低い直流電圧を規制ローラに対して印加する。
また例えば、トナーが正極性に帯電される場合、現像ローラに印加される直流電圧よりも正側の直流電圧を規制ローラに対して印加する。すなわち、現像ローラに印加される直流電圧よりも高い直流電圧を規制ローラに対して印加する。
【0032】
トナーが帯電されるべき極性とは、現像時にトナーが有すべき正または負の極性であって、現像領域における現像ローラ上のトナーの帯電量を測定することによって知見できる。
【0033】
現像ローラに対して印加される直流電圧と規制ローラに対して印加される直流電圧との電位差は、本発明の目的が達成される限り、特に制限されるものではなく、通常は絶対値で5〜400V、特に50〜300Vが好ましい。
現像ローラに印加される直流電圧は通常、トナーが負極性に帯電される場合で−100〜−550V、特に−250〜−450Vであり、トナーが正極性に帯電される場合で100〜550V、特に250〜450Vである。
【0034】
現像ローラに対しては上記直流電圧とともに交流電圧も重畳されることが好ましい。現像ローラに印加される交流電圧は特に制限されるものではなく、例えば、ピーク・トゥ・ピーク値(Vpp;振幅)で800〜3000V、特に1000〜2500V、周波数で1〜5kHz、特に2〜4kHz、duty比で10〜80%、特に20〜60%が好ましい。現像ローラに印加される交流電圧の波形は矩形波、正弦波、鋸波など種々のものが使用できるが、矩形波が好ましい。
【0035】
規制ローラに対しても上記直流電圧とともに交流電圧を重畳されることが好ましい。規制ローラに印加される交流電圧は特に制限されるものではなく、例えば、ピーク・トゥ・ピーク値(Vpp;振幅)で800〜3200V、特に1000〜2700V、周波数で1〜5kHz、特に2〜4kHz、duty比で10〜80%、特に20〜60%が好ましい。規制ローラに印加される交流電圧の波形は矩形波、正弦波、鋸波など種々のものが使用できるが、矩形波が好ましい。
【0036】
トナー3は従来より一般に使用されている、外添剤が外添された公知のトナーを使用することができ、例えば、バインダー樹脂中に着色剤、必要に応じて荷電制御剤や離型剤等を含有させてなるトナー粒子に外添剤が外添されたものを用いる。本発明においては、トナーの帯電性のさらなる向上の観点から、負極性に帯電されるトナーを使用することが好ましい。トナーの帯電極性は荷電制御剤の種類、外添剤の種類および量等によって容易に制御できる。
【0037】
外添剤としては、静電潜像現像用トナーの分野で一般に使用されている公知のものを用いることができる。例えば、シリカ、酸化チタン、酸化アルミニウム、チタン酸ストロンチウム等の無機微粒子や、アクリル樹脂、スチレン樹脂、シリコーン樹脂、フッ素樹脂等の有機微粒子を使用することができる。特にシランカップリング剤やチタンカップリング剤やシリコンオイル等で疎水化したものを用いるのが好ましい。
【0038】
外添剤は少なくとも平均一次粒径が150nm以上450nm以下、特に150nm以上400nm以下の大径のものを使用し、好ましくは当該大径外添剤とともに平均一次粒径が1nm以上150nm未満、特に5nm以上100nm以下の小径のものを併用する。大径外添剤の粒径が大すぎても、小さすぎても、静電潜像担持体上の残留トナーをクリーニングする機能が低下するため、画像に筋ムラが生じる。大径外添剤の添加量はトナー粒子100重量部に対して通常は0.5〜3重量部、特に1〜3重量部であり、2種類以上使用する場合はそれらの合計量が上記範囲内であればよい。小径外添剤の添加量はトナー粒子100重量部に対して通常は0.1〜3重量部、特に0.5〜2.5重量部であり、2種類以上使用する場合はそれらの合計量が上記範囲内であればよい。
【0039】
バインダー樹脂としては、特に限定されるものではなく、例えば、スチレン系樹脂(特にスチレン−アクリレート系樹脂)、ポリエステル樹脂、エポキシ系樹脂、塩化ビニル樹脂、フェノール樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリウレタン樹脂、シリコーン樹脂等が挙げられる。
【0040】
着色剤としては、静電潜像現像用トナーの分野で一般に使用されている公知の顔料および染料を用いることができ、例えば、カーボンブラック、アニリンブラック、活性炭、マグネタイト、ベンジンイエロー、パーマネントイエロー、ナフトールイエロー、フタロシアニンブルー、ファーストスカイブルー、ウルトラマリンブルー、ローズベンガル、レーキーレッド等が挙げられる。
【0041】
荷電制御剤としては、静電潜像現像用トナーの分野で公知のものを用いることができる。正帯電性トナー用の荷電制御剤としては、例えばニグロシン系染料、4級アンモニウム塩系化合物、トリフェニルメタン系化合物、イミダゾール系化合物、ポリアミン樹脂等がある。負帯電性トナー用荷電制御剤としては、例えばCr、Co、Al、Fe等の金属含有アゾ系染料、サリチル酸金属化合物、アルキルサリチル酸金属化合物、カーリックスアレーン化合物等がある。
【0042】
離型剤としては、静電潜像現像用トナーの分野で一般に使用されている公知のものを用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、カルナバワックス、サゾールワックス、エステル系ワックス等を単独あるいは2種類以上組み合わせて使用することができる。
【0043】
トナー粒子は、いわゆる粉砕法、懸濁重合法、乳化重合法、乳化重合して得られた樹脂微粒子と着色剤粒子とを凝集・融着してトナー粒子を得る乳化重合凝集法、乳化分散法等の種々の製造方法によって製造できる。
【実施例】
【0044】
以下、「部」は「重量部」を示すものとする。
【0045】
<トナー粒子WC1の製造>
(樹脂微粒子の製造)
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた5000mlのセパラブルフラスコに予めアニオン系活性剤(ドデシルベンゼンスルフオン酸ナトリウム:SDS)7.08gをイオン交換水(2760g)に溶解させた溶液を添加する。窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しつつ、内温を80℃に昇温させた。一方で下記化合物;CH(CH20COOCHC(CHOCO(CH0CH72.Ogをスチレン115.1g、n−ブチルアクリレート42.0g、メタクリル酸10.9gからなるモノマーに加え、80℃に加温し溶解させ、モノマー溶液を作製した。
ここで循環経路を有する機械式分散機により上記の加熱溶液を混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子を作製した。ついで、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.90gをイオン交換水200gに溶解させた溶液を添加し80℃にて3時間加熱、撹拌することでラテックス粒子を作製した。引き続いて更に重合開始剤(KPS)8.00gをイオン交換水240mlに溶解させた溶液を添加し、15分後、80℃でスチレン383.6g、n−ブチルアクリレート140.0g、メタクリル酸36.4g、t−ドデシルメルカプタン13.7gの混合液を120分かけて滴下した。滴下終了後60分加熱撹拌させた後40℃まで冷却しエステルワックスを含有した樹脂微粒子を得た。
【0046】
(トナー粒子の製造)
n−ドデシル硫酸ナトリウム10gをイオン交換水160mlに撹拌溶解する。この液に、撹拌下、C.I.ピグメントブルー15−3(シアン顔料)20gを徐々に加え、ついで、クレアミックスを用いて分散した。この分散液をシアン着色剤分散液とする。前述の樹脂微粒子1250gとイオン交換水2000ml及び着色剤分散液を、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を付けた5リットルの四つ口フラスコに入れ撹拌する。30℃に調整した後、この溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加え、pHを10. 0に調整した。ついで、塩化マグネシウム6水和物52.6gをイオン交換水72mlに溶解した水溶液を撹拌下、30℃にて5分間で添加した。その後、1分間放置した後に、昇温を開始し、液温度90℃まで6分で昇温する(昇温速度=10℃/分)。その状態で粒径をコールターカウンターTA−IIにて測定し、体積平均粒径が6.5μmになった時点で塩化ナトリウム115gをイオン交換水700mlに溶解した水溶液を添加し粒子成長を停止させ、さらに継続して液温度90℃±2℃にて、6時間加熱撹拌し、塩析/融着させる。その後、6℃/minの条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加し、pHを2.0に調整し撹拌を停止した。生成した着色粒子を濾過し、イオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥し、体積平均粒径6.5μm、平均円形度0.975のトナー粒子WC1を得た。
【0047】
<トナー粒子DC1の製造>
(ポリエステル樹脂Aの製造)
ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下「PO」という)4.0モル、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン(以下「EO」という)6.0モル、テレフタル酸(以下「TPA」という)9.0モルおよび触媒としてジブチル錫オキシドをガラス製の4つ口フラスコ内に入れ、温度計、ステンレス製撹拌棒、流下式コンデンサー、および窒素導入管を取り付け、マントルヒーター中で窒素気流下で撹拌加熱しながら、反応させるようにした。そして、この反応の進行は、酸価を測定することにより追跡した。所定の酸価に達した時点でそれぞれ反応を終了させて室温まで冷却し、ポリエステル樹脂Aを得た。ポリエステル樹脂Aの物性を以下に示す。数平均分子量(Mn):3,300、重量平均分子量(Mw)/数平均分子量(Mn):4.2、ガラス転移点(Tg):68.5℃、軟化点(Tm):110.3℃、酸価:3.3mgKOH/g、OH価:28.1mgKOH/g。
【0048】
(顔料マスターバッチの製造)
ポリエステル樹脂AとC.I.Pigment Blue 15−3とを重量比で7:3の割合で加圧ニーダーに仕込み、120℃で1時間混練し、冷却後、ハンマーミルで粗粉砕して得られた顔料含有率30wt%の顔料マスターバッチを用いた。
【0049】
(トナー粒子の製造)
ポリエステル樹脂A100部、顔料マスターバッチ15部、荷電制御剤としてサリチル酸の亜鉛錯体(E−84;オリエント化学工業社製)2.0部、酸化型低分子量ポリプロピレン(100TS;三洋化成工業社製:軟化点140℃、酸価3.5)2部をヘンシェルミキサーで十分混合した後、2軸押出混練機(PCM−30;池貝鉄工社製)の排出部を取り外したものを使用して、溶融混練して得られた混練物を冷却プレスローラーで2mm厚に圧延し、冷却ベルトで冷却した後、フェザーミルで粗粉砕した。その後、機械式粉砕機(KTM:川崎重工業社製)で平均粒径10〜12μmまで粉砕し、さらに、ジェット粉砕機(IDS:日本ニユーマチック工業社製)で平均粒径6.8μmまで粉砕粗分級した後、微粉分級をローター型分級機(ティープレックス型分級機タイプ:100ATP:ホソカワミクロン社製)を使用して体積平均粒径6.5μm、平均円形度0.943のトナー粒子DC1を得た。
【0050】
<トナーの製造>
表に記載のトナー粒子と外添剤とを9Lのヘンシェルミキサー(FM10B;三井三池化工機社製)を用いて混合してトナーを得た。ヘンシェルミキサーは上羽根としてST羽根を、下羽根としてAO羽根を用いた。いずれのトナーも負帯電性を示すものである。
【0051】
【表1】

【0052】
外添剤1;平均一次粒径7nmの疎水性シリカ(TS;キャボット社製)
外添剤2;シリカ(90G;日本アエロジル社製)をヘキサメチルジシラザンにより表面処理した平均一次粒径30nmの疎水性シリカ
外添剤3;平均一次粒径100nmのチタン酸ストロンチウム(チタン工業社製)
外添剤4;平均一次粒径150nmのチタン酸ストロンチウム(チタン工業社製)
外添剤5;平均一次粒径300nmのチタン酸ストロンチウム(チタン工業社製)
外添剤6;平均一次粒径400nmのチタン酸ストロンチウム(チタン工業社製)
外添剤7;平均一次粒径500nmのチタン酸ストロンチウム(チタン工業社製)
【0053】
<規制ローラの製造>
円筒形状の芯金の外周面に発泡層を形成し、さらに外周面にチューブを被せてスキン層を形成し、規制ローラを得た。
芯金;SUS製、直径5mm
低硬度発泡層;発泡ウレタン、厚み3.5mm
スキン層;導電性ポリアミド(ナイロン6)、膜厚100μm
【0054】
詳しくは、発泡層となる材料の発泡体に芯金が嵌入される穴を形成し、その穴に、外周面にホットメルト接着剤が塗布された芯金を嵌入する。次いで、加熱してホットメルト接着剤を介して発泡体と芯金とを接着する。十分な接着を行った後、発泡体を切削成型して均一な厚さの発泡層を形成する。その後、予め長さを整えた円筒のチューブを発泡層に被せ、発泡層とチューブの端部を導電性接着剤にて接着することで直径12mmの規制ローラを製造する。
【0055】
発泡層を形成する発泡体を選択することによって、弾性力の異なる規制ローラ1〜4を得た。弾性力は発泡体を製造するときの発泡剤の量を調整することによって調整した。
規制ローラ1〜4の弾性力は以下の通りであった。
規制ローラ1;0.8N(密度21kg/m、気泡平均径1300μm)
規制ローラ2;1.6N(密度40kg/m、気泡平均径900μm)
規制ローラ3;1.8N(密度52kg/m、気泡平均径800μm)
規制ローラ4;2.2N(密度62kg/m、気泡平均径500μm)
上記括弧内の密度および気泡平均径は、各規制ローラの製造の際に使用した発泡体のものである。
【0056】
[実験例A]
規制ローラ1〜4における押し込み量と線圧との関係を求めた。規制ローラに対して図2に示す線圧測定器15の受圧部材13を所定の押し込み量だけ押し込み、そのときの線圧を測定した。
【0057】
【表2】

【0058】
表2における規制ローラの種類、押し込み量および線圧を組み合わせた各条件を後述の評価条件として採用する。
【0059】
[実験例B]
評価;
・帯電安定性
プリンター(magicolor2300DL;コニカミノルタ社製)を、所定の規制ローラを組み込むことができ、かつ所定の駆動・評価条件で耐久試験できるように改造し、現像器にトナーを150g充填し、A4縦白紙印字5000枚相当の耐久駆動を行った(温度23℃、湿度65%)。耐久駆動後に白紙画像印字した際の感光体上および印字画像上のカブリについて評価した。駆動・評価条件は、表3に記載の各種条件を採用したこと以外、magicolor2300DLの条件と同様である。
◎;感光体および印字画像のいずれにもカブリは全く発生しなかった;
○;感光体にカブリがわずかに発生したが、印字画像にはカブリは全く発生しなかった;
△;感光体にカブリがランク「○」より多く発生したが、印字画像には発生せず、実用上問題なかった;
×;感光体にカブリが発生しただけでなく、印字画像にも発生し、実用上問題があった。
【0060】
各種トナーを用いたときの評価結果を以下の表に示した。評価条件番号は表2の評価条件番号に対応するものである。
【0061】
【表3】

【0062】
表3中、回転方向とは規制ローラの回転方向である。
周速比とは「規制ローラの周速/現像ローラの周速」である。
「−」は評価しなかったことを意味する。
【0063】
表3中、バイアスとは規制ローラに印加されるバイアスであって、現像ローラに印加される図4(A)に示すバイアスを基準に表される。なお、図4(A)に示す現像ローラバイアス(点線)は直流電圧;−320V、交流電圧;Vpp1400V、周波数2kHz、duty比35%である。
規制ローラバイアスが「同電位」とは、図4(B)に示すバイアス(実線)を印加することを意味する。図4(B)において、図4(A)に示す現像ローラバイアス(点線)も重ねて示されており、規制ローラバイアス(実線)と現像ローラバイアス(点線)とは直流電圧、ならびに交流電圧のVpp、周波数およびduty比が同じである。
規制ローラバイアスが「−100V」とは、図4(C)に示すバイアス(実線)を印加することを意味する。図4(C)において、図4(A)に示す現像ローラバイアス(点線)も重ねて示されており、規制ローラバイアス(実線)と現像ローラバイアス(点線)とは、直流電圧および交流電圧のVpp以外、同じである。
規制ローラバイアスが「+100V」とは、図4(D)に示すバイアス(実線)を印加することを意味する。図4(D)において、図4(A)に示す現像ローラバイアス(点線)も重ねて示されており、規制ローラバイアス(実線)と現像ローラバイアス(点線)とは、直流電圧および交流電圧のVpp以外、同じである。
規制ローラバイアスが「−200V」とは、図4(E)に示すバイアス(実線)を印加することを意味する。図4(E)において、図4(A)に示す現像ローラバイアス(点線)も重ねて示されており、規制ローラバイアス(実線)と現像ローラバイアス(点線)とは、直流電圧および交流電圧のVpp以外、同じである。
【0064】
規制ローラをカウンター回転させたり、トナーの帯電極性と同極側の直流電圧を規制ローラに印加することで、帯電安定性を向上することができる。
【0065】
・クリーニング性(外添剤の離脱)
プリンター(magicolor2300DL;コニカミノルタ社製)を、所定の規制ローラを組み込むことができ、かつ所定の駆動・評価条件で耐久試験できるように改造し、現像器にトナーを100g充填し、A4縦白紙印字5000枚相当の耐久駆動を行った(温度23℃、湿度65%)。耐久駆動後に上流ベタ・下流白紙画像を印字した際の感光体上および印字画像(白紙部)上のトナーすり抜け状態について評価した。駆動・評価条件は、表4に記載の各種条件を採用したこと以外、magicolor2300DLの条件と同様である。上流ベタ・下流白紙画像とは、A4の上流側半分がベタ画像であって、下流側半分が白紙部(画像なし)である画像である。
◎;感光体および印字画像のいずれにもすり抜けによる筋ムラは全く発生しなかった;
○;感光体に筋ムラがわずかに発生したが、印字画像には筋ムラは全く発生しなかった;
△;感光体に筋ムラがランク「○」より多く発生したが、印字画像には発生せず、実用上問題なかった;
×;感光体に筋ムラが発生しただけでなく、印字画像にも発生し、実用上問題があった。
【0066】
各種トナーを用いたときの評価結果を以下の表に示した。評価条件番号は表2の評価条件番号に対応するものである。
【0067】
【表4】

【0068】
表4中、回転方向、周速比およびバイアスはそれぞれ表3においてと同様である。
「−」は評価しなかったことを意味する。
【0069】
<測定方法>
(体積平均粒径)
粒径はコールターマルチサイザーII(ベックマンコールター社製)で測定した。コールターマルチサイザーIIを用い、粒度分布を出力するインターフェース(ベックマンコールター社製)、パーソナルコンピューターを接続して使用した。前記コールターマルチサイザーIIにおけるアパーチャーとしては50μmのものを用いて、0.99μm以上(例えば、2〜40μm)の試料の体積分布を測定して粒度分布および平均粒径を算出した。
(測定条件)(1)アパーチャー:50μm。(2)サンプル調製法(トナー粒径の場合):電解液(ISOTON−II−pc(ベックマンコールター社製))50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加えて撹拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。この系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより調製する。(3)サンプル調製法(コア粒子の粒径の場合)は会合液そのものを、電解液(ISOTON−II−pc(ベックマンコールター社製))50〜100mlに適量加えて測定用試料として調製した。
【0070】
(トナー粒子の平均円形度)
以下の式で表される円形度をフロー式粒子像分析装置(FPIA−1000;東亜医用電子株式会社製)により測定し、約1万個のトナー粒子の平均値として求めた。
円形度=(円相当径から求めた円の周囲長)/(粒子役影像の周囲長)
【0071】
(トナー粒子の円形度の標準偏差)
円形度の標準偏差は円形度分布における標準偏差を指し、値は上記フロー式粒子像分析装置によって平均円形度と同時に得られる。当該値が小さいほどトナー粒子形状がそろっていることを意味する。
【0072】
(軟化点)
軟化点はフローテスター(CFT−500;島津製作所製)を用いて測定した。樹脂を1.0〜1.5g秤量し、成型器を使用し、180kg/cmの加重で1分間加圧する。この加圧サンプルを下記の条件でフローテスター測定を行い、サンプルが1/2量流出した時の温度を軟化点温度とした。RATE TEM(昇温速度);3.0℃/分、SET TEMP:50.0℃、MAX TEMP;120.0℃、INTERVAL;2.0℃、PREHEAT;2.0℃、LOAD;30.0kgf、DIE(DIA);1.0mm、DIE(LENG);1.0mm、PLUNGER;1.0cm。流出開始温度については、サンプルが流出し始めたときの温度とした。
【0073】
(ガラス転移点)
ガラス転移点は示差走査熱量測定装置(DSC−200;セイコー電子工業社製)を用いて測定した。樹脂を約10mg精秤し、アルミニウムパンに入れ、リファレンスとしては、アルミナをアルミニウムパンに入れたものとし、昇温温度30℃/min.で常温から、200℃まで昇温してメルトクェンチした後、冷却し、昇温温度10℃/min.で20〜150℃の間で測定を行う。この昇温過程で、30〜80℃の温度範囲におけるメインピークの吸熱ピークのショルダー値をガラス転移点とした。
【0074】
(酸価)
酸価は秤量された試料を適当な溶媒に溶解し、フェノールフタレイン等の指示薬を使用して酸性基を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数で表した。
(水酸価)
水酸価は秤量された試料を無水酢酸で処理し、得られたアセチル化物を加水分解し、遊離する酢酸を中和するのに必要な水酸化カリウムのmg数で表した。
【0075】
(分子量)
分子量は、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー(807−IT型;日本分光工業社製)を使用し、キャリア溶媒としてテトラヒドロフランを使用して、ポリスチレン換算により求めた。
【図面の簡単な説明】
【0076】
【図1】本発明の現像装置の一例の概略断面構成図を示す。
【図2】線圧測定器の軸方向に対して垂直な概略断面図を示す。
【図3】(A)および(B)はいずれも規制ローラの押し込み量を説明するための概略模式図を示す。
【図4】(A)は実施例の評価時に現像ローラに印加されるバイアスを示す模式図であり、(B)〜(E)は実施例の評価時に規制ローラに印加されるバイアスを示す模式図である。
【符号の説明】
【0077】
1:トナー規制部材、2:2a:2b:現像ローラ、3:トナー、4:静電潜像担持体、5:トナー供給ローラ、10:現像装置、11:アルミ製ローラ、12:荷重変換器、13:受圧部材、14:受圧部材の表面中心、15:線圧測定器。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
弾性力1.8N以下のトナー規制ローラを現像ローラに対して線圧が5〜30N/mになるように圧接させて現像ローラ表面にトナー薄層を形成する現像装置であって、
トナーが平均一次粒径150〜450nmの外添剤を外添されていることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
トナー規制ローラを現像ローラに対してカウンター回転させ、トナー規制ローラと現像ローラとの周速比(トナー規制ローラ/現像ローラ)を3.00以下にすることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
現像ローラに印加される直流電圧を基準に、トナーが帯電されるべき極性と同極側の直流電圧を、トナー規制ローラに対して印加することを特徴とする請求項1または2に記載の現像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【公開番号】特開2008−32772(P2008−32772A)
【公開日】平成20年2月14日(2008.2.14)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−202792(P2006−202792)
【出願日】平成18年7月26日(2006.7.26)
【出願人】(303000372)コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社 (12,802)
【Fターム(参考)】