説明

現像装置

【課題】 高速で現像される場合であっても、画像履歴の発生を抑制し、かつ、画像筋を軽減する現像装置を提供することを課題とする。
【解決手段】 磁性を有する現像剤を収容可能な現像容器4Aと、現像容器4Aの内部の現像剤を感光体ドラム1に向かって現像する第1現像ローラ5と、第1現像ローラ5に対して所定の間隙をもって配置され、第1現像ローラ5の表面の現像剤量を規制する現像ブレード16と、現像ブレード16よりも現像ローラ5の回転方向の上流側で第1現像ローラ5と対向する位置で回転可能に設けられ、第1現像ローラ5の表面の現像剤を回収する現像剤供給回収ローラ22と、現像ブレード16及び現像剤供給回収ローラ22の間に配置され、第1現像ローラ5の回転方向の上流側に傾斜するように第1現像ローラ5の表面に当接する弾性ブレード23と、を備える現像装置4を構成した。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、像担持体の表面に形成される静電像を現像する現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、複写機やプリンタ等の画像形成装置は、高画質を安定して出力することが望まれている。このような画像形成装置に関する発明として、特許文献1の発明がある。
【0003】
特許文献1に記載の発明は、現像剤担持体に接触した供給ローラから現像剤を現像剤担持体へ供給、回収している。上記構成によれば、所謂、ゴーストと呼ばれる不具合を抑制することができる。ゴーストとは、詳しくは後述するが、前の画像履歴が現像スリーブ上に残ってしまい、次の画像に現れてしまう画像不良である。特許文献1によれば、現像後のスリーブ上のトナーを一旦、供給ローラで回収する為、上記画像履歴を抑制することができる。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0004】
【特許文献1】特開平8−190275号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
しかしながら、近年、高速化や高寿命を求めるニーズが増えてきている中で、特許文献1に記載の画像形成装置では、高速対応のために画像形成装置を高速回転すると下記課題が残る。すなわち、現像装置の供給ローラにトナーが目詰まりし、供給ローラと現像剤担持体(以下、現像スリーブと言う。)との当接部において、現像剤が部分的にすり抜けてしまう場合がある。このため、ゴーストの発生は抑制できるものの、供給ローラの当接部を部分的にすり抜けた部分とすり抜けなかった部分とで、磁気穂の高さが変わってしまうため、結果、画像筋となって発生する問題が生じる場合があった。
【0006】
本発明は、上記実情から、高速で現像される場合であっても、画像履歴の発生を抑制し、かつ、画像筋を軽減することができる現像装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
上記課題を解決するために、本発明の現像装置は、磁性を有する現像剤を収容可能な現像容器と、前記現像容器の内部の現像剤を用いて像担持体に形成された潜像を現像する現像剤担持体と、前記現像剤担持体に対して所定の間隙をもって配置され、前記現像剤担持体の表面の現像剤量を規制する第1規制部材と、前記第1規制部材よりも前記現像剤担持体の回転方向の上流側で前記現像剤担持体と対向する位置で回転可能に設けられ、前記現像剤担持体の表面の現像剤を回収する第2規制部材と、前記第2規制部材よりも前記現像剤担持体の回転方向の下流側で、前記第1規制部材よりも前記現像剤担持体の回転方向の上流側に配置され、前記現像剤担持体と当接する当接位置において、前記現像剤担持体の回転方向の上流側に傾斜するように前記現像剤担持体の表面に当接する第3規制部材と、を有することを特徴とする。
【発明の効果】
【0008】
以上のように、本発明によれば、第2規制部材が現像剤担持体の表面の現像剤を回収した後に、第3規制部材が現像剤担持体の表面の画像筋をならす。それから、第1規制部材が、現像剤担持体に供給された現像剤の層厚を規制する。その結果、高速で現像される場合であっても、画像履歴の発生が抑制され、かつ、画像筋が軽減される。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1】本発明の実施例1に係る現像装置を備える画像形成装置の構成の概略を示す断面図である。
【図2】図1(b)の領域Aの一部拡大断面図である。
【図3】(a)は比較例2の現像スリーブ及び弾性ブレードの構成を示す断面図であり、(b)は実施例2に係る現像装置の構成を示す断面図である。
【図4】実施例3及び4に係る現像装置の構成を示す断面図である。
【図5】実施例5及び6に係る現像装置の構成を示す断面図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
以下、本発明に好適な実施例を例示的に詳しく説明する。但し、この実施例に記載される構成部品の寸法、材質、形状、それらの相対位置等は、本発明が適用される機構の構成や各種条件により適宜変更されるから、特に特定的な記載がない限りは、本発明の範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。なお、図1乃至図5を参照しながら実施例の構成及び効果を説明する。
【実施例1】
【0011】
図1(a)は、本発明の実施例1に係る現像装置4を備える画像形成装置13の構成の概略を示す断面図である。画像形成装置13は、電子写真画像形成プロセスを利用した印刷機能を有する装置である。図1(a)に示されるように、画像形成装置13は、画像形成装置本体(以下、「装置本体13A」という)を備える。画像形成装置13は、装置本体13Aの内部に、画像形成装置13は転写材Mに画像を形成する画像形成部14を備える。画像形成部14は、『像担持体』である感光体ドラム1を備え、感光体ドラム1は、矢印方向に回転するようになっている。また、画像形成部14は、感光体ドラム1の周囲に、『一次帯電器』である帯電器2、露光装置3、現像装置4、ポスト帯電器15、転写帯電器7、分離帯電器8、クリーニング装置9を備える。また、転写材Mの搬送方向で感光体ドラム1及び分離帯電器8の間の先には、定着器10を備える。
【0012】
現像装置4は、『現像剤担持体』である『第1現像剤担持体』としての第1現像ローラ5を備える。第1現像ローラ5は、『固定マグネット』である『第1固定マグネット』としての第1固定マグネットロール6、及び、第1固定マグネットロール6の周囲で回転する『現像剤搬送担持体』である『第1現像剤搬送担持体』としての第1現像スリーブ17を備える。第1現像ローラ5は、現像容器4Aの開口に配置され、第1現像ローラ5の円弧状の面の略半分の一方が現像容器4Aの外側に配置され、第1現像ローラ5の円弧状の面の略半分の他方が現像容器4Aの内側に配置される。
【0013】
画像形成装置13は、画像形成部14に転写材Mを給送する給送部がある。給送部は、転写材Mを供給する給送ローラ11と、転写材Mの位置を調整するレジスト部12を具備する。
【0014】
図1(b)は、現像装置4の構成を示す断面図である。図1(b)に示されるように、現像装置4は、磁性を有する現像剤を収容可能な現像容器4Aを備える。また、現像装置4は、現像容器4Aの上方に、現像剤を現像装置4に補給するバッファ18と、補給量を制御するバッファマグネットロール19と、を備える。
【0015】
また、現像装置4は、現像容器4Aの内部の現像剤を用いて感光体ドラム1に形成された静電像(潜像)を現像する『現像剤担持体』である『第1現像剤担持体』としての第1現像ローラ5を備える。第1現像ローラ5は、複数の磁極を有する『固定マグネット』である第1固定マグネットロール6と、現像剤を搬送する『現像剤搬送担持体』である『第1現像剤搬送担持体』としての第1現像スリーブ17と、を備える。第1現像スリーブ17は、現像容器4Aの内部の現像剤を感光体ドラム1に向かって現像する。なお、『現像剤担持体』は、第1現像スリーブ17のような中空円筒体に限定されず、回転駆動される無端ベルトの形態であっても良い。また、導電性のゴムローラを用いても良い。
【0016】
この一方で、現像装置4は、現像容器4Aの内部に、現像剤tを撹拌する第1撹拌部材20、第2撹拌部材21を備える。第1撹拌部材20及び第2撹拌部材21は、第1現像ローラ5と逆方向に回転している。また、現像装置4は、現像容器4Aの内部に、第2撹拌部材21の上方に第1現像ローラ5と接触する『第2規制部材』である『上流規制部材』としての現像剤供給回収ローラ22を備える。この現像剤供給回収ローラ22は、現像ローラ5の回転方向の上流側で第1現像ローラ5と対向する位置で回転可能に設けられ、第1現像ローラ5の表面の現像剤を回収可能で、また、第1現像ローラ5の表面に現像剤を供給可能に構成されている。また、現像剤供給回収ローラ22は、第1現像ローラ5と接触する円筒状の弾性材料で成形される。
【0017】
また、現像剤供給回収ローラ22の上方には、現像ブレード16と弾性ブレード23を備える。『第1規制部材』である『下流規制部材』としての現像ブレード16は、第1現像ローラ5に対して所定の間隔をもって配置され、第1現像ローラ5の表面の現像剤量を非接触で磁気的に規制するようになっている。ただし、現像ブレード16は、必ずしも第1現像ローラ5の表面を磁気的に規制するものでなくても良い。また、『第3規制部材』である『中流規制部材』としての弾性ブレード23は、現像ブレード16及び現像剤供給回収ローラ22の間に配置される。そして、弾性ブレード23は、現像剤供給回収ローラ22よりも第1現像ローラ5の回転方向の下流側で、現像ブレード16よりも第1現像ローラ5の回転方向の上流側に配置されている。そして、弾性ブレード23は、第1現像ローラ5と当接する当接位置において、第1現像ローラ5の回転方向の上流側に傾斜するように第1現像ローラ5の表面に当接する。
【0018】
詳しくは、弾性ブレード23は、第1現像ローラ5の回転方向に沿う順方向に向かって延びて、先端23bが第1現像ローラ5と対向する。ここでは、『順方向』とは、第1現像ローラ5の回転方向の上流側から下流側に向かうに従って第1現像ローラ5に接近する方向である。また、弾性ブレード23は先端23bが第1現像ローラ5に接触している。さらに、弾性ブレード23は弾性部材で成形され、第1現像ローラ5が回転すると弾性ブレード23の先端23bが第1現像ローラ5と摺擦する。
【0019】
現像剤供給回収ローラ22は、現像ローラ5と同じ方向に回転している。次に現像ブレード16近傍の領域Aについて説明する。
【0020】
図2は、図1(b)の領域Aの一部拡大断面図である。図2に示されるように、現像容器4Aの内部では、第1現像ローラ5の周囲に、現像剤供給回収ローラ22、弾性ブレード23、現像ブレード16が第1現像スリーブ17の回転方向に順に配置される。現像容器4Aの外部では、第1現像ローラ5に対向する位置に感光体ドラム1が配置されている。
【0021】
まず、『上流規制部材』である現像剤供給回収ローラ22は、回転軸30を中心に矢印の方向に回転可能に構成されている。現像剤供給回収ローラ22は、第1現像スリーブ17と接触している。現像剤供給回収ローラ22は、第1現像スリーブ17の回転方向の上流側では第1現像スリーブ17から現像剤を回収し、第1現像スリーブ17の回転方向の下流側では第1現像スリーブ17へと現像剤を供給するようになっている。
【0022】
次に、『中流規制部材』である弾性ブレード23は、基端23aが現像容器4Aに設けられた加圧固定部材24に固定され、先端23bが第1現像スリーブ17に接触している。弾性ブレード23の基端23aから先端23bへと渡って、次第に第1現像スリーブ17に接近するように配置されている。
【0023】
図2に示される現像剤分布を参照し、図1(a)、(b)を適宜用いつつ、実施例1の画像形成動作を以下に説明する。なお、感光体ドラム1への帯電、露光、転写、定着、給送等は従来技術と同じであるため説明を省略する。
【0024】
まず、現像剤層規制領域Bでは、『下流規制部材』である現像ブレード16が、現像剤を帯電しながら一定の現像剤量で現像剤t1を規制している。第1現像スリーブ17が第1固定マグネットロール6の周りを回転すると、現像剤t1が第1現像スリーブ17の表面の凸凹形状によって静電可視化領域Eへ搬送されていく。
【0025】
現像剤層規制領域B及び次の静電可視化領域Eの間では、現像剤t1の層は一定厚さの薄層に形成されたまま、感光体ドラム1と対向する位置まで移動していく。
【0026】
静電可視化領域Eでは、感光体ドラム1及び第1現像スリーブ17の間には一定のギャップがある。第1現像スリーブ17の表面には現像剤t1が担持されている。この現像剤t1は、感光体ドラム1及び第1現像スリーブ17の間で、第1現像スリーブ17に印加したバイアスによって、感光体ドラム1の表面の潜像へと現像されて現像剤t2となる。そして、感光体ドラム1の表面で可視化されて現像剤t3となる。
【0027】
静電可視化領域E及び次の現像剤供給回収領域Dの間では、第1現像スリーブ17の表面に、感光体ドラム1に飛翔しなかった現像剤t4が残る。この現像剤t4が画像履歴の原因である。メカニズムは後で述べる。この現像剤t4は、第1現像スリーブ17の搬送力によって現像容器4Aの内部へ取り込まれる。そして、現像剤が消費された場所、つまり現像剤t4が無い第1現像ローラ5の表面には、現像容器4Aの内部の現像剤t5が供給される。現像剤t5は、第1現像ローラ5の内部の第1固定マグネットロール6の磁力によって供給される。そして、現像剤t4と現像剤t5が混合した現像剤が、現像剤供給回収ローラ22と第1現像スリーブ17と接する現像剤供給回収領域Dに搬送される。
【0028】
現像剤供給回収領域Dでは、現像剤供給回収ローラ22が、現像剤t4と現像剤t5を回収すると共に、新たな現像剤を感光体ドラム1に供給している。現像剤供給回収ローラ22は、第1現像スリーブ17と一定間隔L4の進入量で図示しない加圧方法で固定されている。現像剤供給回収ローラ22の表面の弾性層によって、現像剤t4及び現像剤t5が回収、剥ぎ取られる。剥ぎ取られた現像剤t4及び現像剤t5は、第2撹拌部材21(図1(b)参照)によって現像容器4Aの内部で撹拌されていく。ただし、現像剤供給回収ローラ22では、全ての現像剤t4及び現像剤t5を回収することができない。
【0029】
現像剤供給回収領域D及び次の中流規制領域Cの間では、現像剤供給回収ローラ22の表面は目の細かい弾性層であることから、隙間をすり抜けて第1現像スリーブ17の表面に付着したままの現像剤t6が必ず発生する。特に高速回転すると、第1現像ローラ5と接触する時間が少なくなるため、すり抜け量が増加する。現像剤供給回収ローラ22をすり抜けた現像剤t6は、中流規制領域Cに搬送される。
【0030】
中流規制領域Cでは、弾性ブレード23が、第1現像スリーブ17の回転方向に沿う順方向(「ウイズ方向」とも言う)に接触している。また、弾性ブレード23は、加圧固定部材24の剛性によって第1現像スリーブ17に対して一定の圧力で押圧し、かつ、一定の進入量で接触している。弾性ブレード23は、長さがL2、厚みがL1の弾性体であり、第1現像スリーブ17に対して深さがL3の進入量となるように固定されている。弾性ブレード23は、現像剤供給回収ローラ22の現像剤供給回収領域Dからすり抜けた現像剤t6を圧力で規制している。その結果、すり抜けた現像剤による白筋や黒筋をならし、現像剤層が均一になる。均一になった現像剤は現像ブレード16の現像剤層規制領域Bに到達する。
【0031】
現像剤層規制領域Bには第1固定マグネットロール6の磁極N1に対向する位置に現像ブレード16が配置されている。現像ブレード16は、第1現像ローラ5と一定間隔を保ち、かつ、磁気を帯びている。現像剤層規制領域Bでは、現像ブレード16は、磁気規制力によって一定の現像剤量を規制し、かつ、現像剤tと第1現像スリーブ17との摩擦帯電で現像ブレード16を通過後の現像剤t1に電荷を供給している。この後は、前述の如く静電可視化領域E、現像剤供給回収領域D、中流規制領域C、現像剤層規制領域Bのサイクルで、新たな現像剤が搬送されていく。
【0032】
前述したことから、第1現像ローラ5から感光体ドラム1へと現像剤を現像する場合の他では、現像装置4の機能は3段階で発揮されることになる。第1に、『上流規制部材』である現像剤供給回収ローラ22が、現像後の画像履歴となり得る現像剤t4及び現像剤t5を剥ぎ取る。第2に、『中流規制部材』である弾性ブレード23が、現像剤供給回収ローラ22で発生した画像筋を形成する現像剤t6を順方向に当接しながらならす(均一化する)。第3に、『下流規制部材』である『磁性規制部材』としての現像ブレード16が、第1現像スリーブ17と非接触で、現像剤を帯電させ、穂立ちを形成し、一定の現像剤量の現像剤t1で層厚を規制している。実験結果を表1に示す。
【0033】
【表1】

表1中で、比較例1の現像装置は、特開平8−190275号公報に記載される現像装置に基づいて構成されている。比較例1の現像装置は、下流規制部材及び上流規制部材を有するが、中流規制部材を有しない。実施例1でいう弾性ブレード23が存在しないのである。
【0034】
また、表1中で、比較例2の現像装置は、特開平8−254892号公報に記載される現像装置に基づいて構成されている。比較例2の現像装置は、下流規制部材及び中流規制部材を有するが、上流規制部材を有しない。実施例1でいう現像剤供給回収ローラ22が存在しないのである。加えて、下流規制部材及び中流規制部材は逆方向で現像スリーブに接触している。
【0035】
さらに、表1中で、比較例3の現像装置は比較例1及び比較例2の組み合わせの現像装置に相当する。すなわち、比較例3の現像装置は、下流規制部材、中流規制部材、上流規制部材のいずれをも有する。ただし、中流規制部材は逆方向で現像スリーブに接触している。なお、比較例1〜3の現像装置の説明にあたって、実施例1の現像装置4の各部材の符号を適宜援用する。
【0036】
なお、実験条件は、生産性150ppm(普通紙64g/cm)、耐久画像duty5%で、第1現像スリーブ17の回転速度は、低速モード350mm/s、高速モード700mm/sの2種類で実験を実施。通紙モードは連続両面通紙、実験環境は温度32.5度及び湿度80%、通紙枚数は100k枚分のA4白黒画像の枚数である。
【0037】
測定項目について説明する。画像履歴は、ベタ黒とハーフトーン(スクリーンが130線、画像比率が50%)を組み合わせた画像で判断している。画像履歴のメカニズムは後述する。第1現像ローラ5の1周目と2周目の画像濃度段差が、反射濃度(X−Rite)で、Δ0.02%以下の場合を○、Δ0.02〜0.05%の場合を△、Δ0.05〜0.10%の場合を×とした。また、第1現像ローラ5の1周目と2周目の画像濃度段差が、反射濃度(X−Rite)で、Δ0.10〜0.20%以上の場合を××、Δ0.20以上の場合を×××とした。
【0038】
画像筋は、ハーフトーン(画像比率が50%)のうち、筋のある画像面積率で判断している。画像領域中、筋の占める割合について、0%つまり筋が無い場合を○、1〜10%の場合を△、11〜25%の場合を×、26〜50%の場合を××、51〜100%の場合を×××とした。
【0039】
寿命は、コート不良の発生枚数でランクをつけている。寿命のメカニズムについては、後述する。コート不良の発生枚数が、0〜10k枚分のA4白黒画像の場合を×××、11k〜25k枚分のA4白黒画像の場合を××、25k〜50k枚分のA4白黒画像の場合を×とした。また、コート不良の発生枚数が、51k〜99k枚分のA4白黒画像の場合を△、100k枚分のA4白黒画像発生の場合を○とした。
【0040】
こうした前提の下で、以下に、比較例1、比較例2、比較例3に関して、各々の構成を説明すると共に、各々の効果を述べる。ただし、各々の構成を述べるにあたって、実施例1と対比し、実施例1と異なる点のみを説明し、同じ点の説明を省略する。また、実施例1の構成を援用して、比較例1、比較例2、比較例3に関して述べる。
【0041】
比較例1の現像装置の構成は、実施例1の現像装置に比べ、『中流規制部材』である弾性ブレード23を具備していない。実験の結果、第1現像ローラ5が高速で回転すると、転写材Mには画像筋が発生した。実験では、100k枚分のA4白黒画像を通紙後、約50%の面積で画像筋が発生した。
【0042】
比較例1の現像装置による画像筋の発生の原因を説明する。実施例1の説明で述べたが、比較例1では、高速回転によって現像剤供給回収ローラ22が現像剤を回収しきれないこととなる。その結果、現像剤供給回収ローラ22の回転方向の下流側では、すり抜けたトナーによる白筋、黒筋が発生する。弾性ブレード23がないために、現像剤が非接触の第1現像スリーブ17に到達してしまい、転写材Mに画像筋が発生するのである。つまり、実施例1のような中流規制部材として弾性ブレード23が必要であることが言える。
【0043】
比較例2の現像装置の構成は、実施例1の現像装置に比べ、『上流規制部材』である現像剤供給回収ローラ22を具備していない。また、『中流規制部材』である弾性ブレード23は、図3(a)のように第1現像スリーブ17に対して逆方向に当接している。このとき、弾性ブレード23は、エッジ部が当接しないように側面で受けるように当接させた。『中流規制部材』である弾性ブレード23は、第1現像ローラ5の表面の現像剤を帯電させ、薄層でコートする。こうした構成で実験をした結果、第1現像ローラ5を高速で回転すると、画像履歴が発生した。X−Riteの反射濃度差はΔ0.08%である。さらに、寿命も100k枚分のA4白黒画像を満たすことができなかった。約30k枚分のA4白黒画像で、寿命による画像筋が発生した。
【0044】
順方向(ウイズとも言う)と逆方向(カウンタとも言う)の当接について説明する。順方向とは、図3(b)のように、『規制部材』である弾性ブレード23の当接位置において、弾性ブレード23が次のように傾斜している場合を指す。即ち、弾性ブレード23と第1現像スリーブ17の当接位置において、弾性ブレード23が第1現像スリーブ17の回転方向(移動方向)の上流側に傾斜して当接することを指す。一方、弾性ブレード23を第1現像スリーブ17に対して逆方向に当接するとは、上記順方向に当接する場合と逆の関係になる。即ち、図3(a)のように、弾性ブレード23と第1現像スリーブ17の当接位置において、弾性ブレード23が第1現像スリーブ17の回転方向(移動方向)の下流側に傾斜して当接することを指す。詳細は、実施例5の図5(a)で説明するが、方向Xが順方向、方向Yが逆方向である。
【0045】
まず、画像履歴に関して説明する。画像履歴の原因は、現像しても残った現像剤であるt4と、現像した後に新たに現像容器4Aの内部から第1現像スリーブ17の表面に供給した現像剤t5の物性の差である。現像剤t4は、静電可視化領域Eで現像せず、第1現像ローラ5の表面をつれまわる現像剤である。一方、新たに供給された現像剤t5は、つれまわった経験のない新規の現像剤である。
【0046】
ここで、比較例2の現像装置による画像筋の発生の原因を説明する。画像履歴は、静電可視化領域Eで現像する画像パターンによって影響されやすい。消費する黒部は現像剤t5の比率が高く、消費していない白部では現像剤t4の比率が高い。差があるまま『下流規制部材』である現像剤供給回収ローラ22を通過すると、2回目の現像タイミング(静電可視化領域E)で、同じ画像、たとえばハーフトーンでも消費されるトナー像となる現像剤t3の量が異なる。一般的に、所定の濃度より高くなった場合にポジ系の画像履歴と呼び、逆に所定の濃度より濃度が低くなった場合にネガ系の画像履歴と呼ぶ。本実験では、すべてポジ系、つまり、消費した後、濃度が高くなった。その原因は、1回目の現像タイミングで消費される第1現像ローラ5の表面には、新しい現像剤が供給される。現像ブレード16を通過すると、帯電が上昇しやすく、2回目に現像するとき飛翔しやすい。その結果、濃度が所定より濃くなる。逆に、1周目で現像しなかった現像剤は、第1現像ローラ5の表面を連れまわるために劣化しやすく、帯電量が低下する。その結果、濃度が出にくくなる。この差が画像履歴になる。画像履歴を抑えるためには、つれまわる現像剤t4を極力剥ぎ取ることが重要である。
【0047】
比較例2は、弾性ブレード23及び現像ブレード16が逆方向(「カウンタ方向」とも言う)で第1現像スリーブ17に当接しているために、弾性ブレード23の当接圧が高くなってしまい、現像スリーブが磨耗してしまった。(図3(a)参照)また、弾性ブレード23の側面で当接させている為、現像剤供給回収ローラ22に比べ、現像剤の剥ぎ取り力が小さい。その結果、現像剤t4が剥ぎ取られず、画像履歴が発生している。このように、画像履歴をなくすためには、実施例1の構成と同様に、現像剤供給回収ローラ22を上流規制部材として具備することが重要である。
【0048】
図3(a)は、比較例2の第1現像スリーブ17及び弾性ブレード23の構成を示す断面図である。以下、図3(a)を参照して、第1現像スリーブ17に形成される筋及び第1現像スリーブ17の寿命について説明する。実施例1では、寿命とは、第1現像スリーブ17が、弾性ブレード23及びトナーとの摩擦によって、表面が削れ、表面に筋が形成される現象が生じることを意味する。
【0049】
弾性ブレード23を第1現像スリーブ17に対して逆方向で当接させると以下のようになる。すなわち、弾性ブレード23の弾性力及び加圧力によって、弾性ブレード23が作用させる力の方向は、現像ローラ5の法線方向である矢印Pの方向、及び、現像ローラ5の接線方向である矢印Qの方向となる。
【0050】
この一方で、現像剤を搬送する第1現像スリーブ17の搬送力は、現像剤が弾性ブレード23を通過する前では、矢印Sの方向で、現像剤が弾性ブレード23を通過した後では、矢印Tの方向である。このような弾性ブレード23による矢印P及び矢印Qの方向の力、並びに、現像剤にかかる矢印S及び矢印Tの方向の力関係で、一定量のトナーを矢印Tの方向へと薄層でコートすることが可能になる。
【0051】
しかしながら、現像ローラ5が高速で回転すると、現像剤にかかる矢印Sの方向の力、及び、弾性ブレード23にかかる矢印Qの方向の力が反発し合い、弾性ブレード23が、第1現像スリーブ17の表面の現像剤に対して及ぼす接触圧力が高くなる。このことから、第1現像スリーブ17の表面に凹凸が生じて、第1現像スリーブ17の表面が摩耗してしまう。こうした第1現像スリーブ17の磨耗によって、矢印Tの方向にすり抜ける現像剤が増加し、現像剤供給回収ローラ22にコートされる現像剤の層厚が実質的に不良となり、第1現像スリーブ17及び転写材Mに画像筋が発生する。
【0052】
ここで、弾性ブレード23が第1現像スリーブ17の回転方向に沿う順方向に向かって延びる構成、及び、弾性ブレード23が第1現像スリーブ17の回転方向と反対に沿う逆方向に向かって延びる構成に関して、比較する。一般的に、逆方向の場合には、順方向の場合と比較して、弾性ブレード23が第1現像スリーブ17に対してかける接触圧力は数倍に達する。これは、以下の理由による。逆方向の場合には、現像剤が受ける矢印Sの方向、及び、弾性ブレード23の及ぼす矢印Qの方向が逆であり、弾性ブレード23弾性ブレード23が現像剤に対して及ぼす接触圧力が大きくなる。これに対して、順方向の場合には、現像剤が受ける矢印Sの方向、及び、弾性ブレード23が及ぼす矢印Qの方向が同じになるから、弾性ブレード23が現像剤に対して及ぼす接触圧力が小さくなる。
【0053】
すなわち、逆方向の場合に比べて、順方向の場合の方が、弾性ブレード23が第1現像スリーブ17に及ぼす接触圧力が小さく設定されることとなる。このために、寿命を延ばすためには、実施例1の現像装置のように、弾性ブレード23を第1現像スリーブ17に対して順方向で当接させることが重要である。
【0054】
なお、実施例1では、第1現像スリーブ17及び転写材Mの画像筋を軽減するために弾性ブレード23を採用しているので、弾性ブレード23の接触圧力は小さくても十分である。この点で、比較例2の弾性ブレード23が現像剤の層厚等の規制するのと目的が異なる。
【0055】
本実験では、一般的な樹脂材料でコーティングされた第1現像スリーブ17が使用されている。第1現像スリーブ17には、樹脂、粗し剤、電荷制御剤によって、一定の厚みで塗布コートされたスリーブが使用されている。
【0056】
比較例3の構成は、比較例1の構成及び比較例2の構成が組み合わせられた構成である。すなわち、『中流規制部材』である弾性ブレード23、及び、『上流規制部材』である現像ブレード16の両方が、現像装置4に設けられる。比較例3の現像装置は、実施例1の現像装置に比べ、『中流規制部材』である弾性ブレード23が逆方向で第1現像スリーブ17に当接している点で異なっている。実験結果では、第1現像スリーブ17が高速で回転しても、画像履歴及び画像筋に関しては問題なかったが、寿命が30k回転といった具合に問題が残った。
【0057】
この実験結果の原因を説明する。前述のように、弾性ブレード23が逆方向で第1現像スリーブ17に当接すると、画像筋が除去されて第1現像スリーブ17の表面状態は良好になるはずである。ところが、実際には、弾性ブレード23が逆方向で第1現像スリーブ17に当接することで、第1現像スリーブ17の表面には、磨耗による凹凸が形成されて、現像剤の筋が発生し、寿命が短縮化される。このように、比較例1及び比較例2を単に組み合わせるだけでは、画像履歴、画像筋、寿命は、満足なレベルまで至らないことが照明された。
【0058】
次に、実施例1の実験結果を説明する。上記説明と重なるものは省略する。実施例1の現像装置4は3段階で機能分離を達成している。各機能別に従来技術との違いを中心に説明する。
【0059】
第1に、現像後の画像履歴は、『上流規制部材』である『弾性ローラ』としての現像剤供給回収ローラ22で剥ぎ取られる。一般的に、現像剤供給回収ローラ22の材料には、発泡ポリウレタンや、繊維状の毛を編みこんだファーブラシ等が用いられるが、本実験では、ポリウレタンが用いられている。現像剤供給回収ローラ22は、密度が0.2g/cm、硬度がアスカーゴム硬度計C型(高分子計器株式会社)により300g加重で25°、セル数が150個/inchで成形されている。現像剤供給回収ローラ22の径は直径12mmである。現像剤供給回収ローラ22は、図示しない駆動モータで第1現像ローラ5と逆回転に回転している。現像剤供給回収ローラ22及び第1現像ローラ5が同じ方向に回転すると、現像剤の剥ぎ取り力が低下するために好ましくない。現像剤供給回収ローラ22の回転速度は、第1現像ローラ5の回転速度の1/10である。現像剤供給回収ローラ22が第1現像スリーブ17へ進入する進入量は0.8mmとした。なお、材質、硬度、回転スピード等は、トルク、剥ぎ取り力、すり抜け量を確認しながら適宜、最適な条件で設定することが望ましい。なお、比較例1、比較例2、比較例3の現像剤供給回収ローラ22の設定は、実施例1と同じとしている。
【0060】
第2に、現像剤供給回収ローラ22で発生した画像筋を順方向に当接した『中流規制部材』である弾性ブレード23でならす。従来例に比べ帯電や薄層規制を目的とせず、コートの均一化を機能に持たせている。その結果、第1現像スリーブ17の表面の筋を軽減し、かつ寿命を延ばすことができた。現像ブレード16の材質には、一般的にウレタンやシリコンが用いられるが、本実験では、ウレタンが用いられている。従来技術に比べ圧力を比較的小さく設定できる。本実験では、弾性ブレード23が第1現像スリーブ17を押圧する押圧力を5g/cmで実施した。ゴム硬度は、アスカーゴム硬度計C型(高分子計器株式会社)で約68°、長さL2が約10mm、厚さL1が1.5mm、弾性ブレード23が第1現像スリーブ17へと進入する進入量L3が約0.5mmである。なお、第1現像ローラ5の表面には、弾性ブレード23が面で接触している。エッジで接触した場合、圧力が増加するため好ましくない。なお、弾性ブレード23の材質、硬度、進入量等は、すり抜けトナー量や現像剤の物性に応じて適宜最適な条件で設定することが望ましい。
【0061】
第3に、非接触で規制する『磁性規制部材』である現像ブレード16で、現像剤に帯電を与え、補立ちを形成、一定の現像剤量をコートしている。現像ブレード16及び第1現像スリーブ17の距離は約200μmにした。距離が小さいほど、現像剤量が少なくなり、帯電しやすくなる。一方で、必要となる現像剤量が減少し、濃度が出なくなる虞もある。規制した現像剤は第1現像スリーブ17によって、静電可視化領域Eへ搬送される。なお、第1現像スリーブ17の表面粗さはRa(平均粗さ)で0.8μmである。
【0062】
前述した実施例1の実験結果では、画像履歴もX−Riteの反射濃度差でΔ0.01%程度であり、画像筋もほとんど発生せず、さらに、100k枚のA4白黒画像で通紙後、第1現像スリーブ17が原因の筋も発生しなかった。このように、実施例1は、比較例1、比較例2、比較例3に比べ、いかなる画像比率のチャートを高速で通紙した場合でも、画像履歴の発生を抑制し、かつ、画像筋を軽減することができた。
【実施例2】
【0063】
図3(b)は、実施例2に係る現像装置50の構成を示す断面図である。実施例2の現像装置50の構成のうち実施例1の現像装置4と同一の構成及び効果に関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例2においても、実施例1と同様の画像形成装置に適用することができるため、画像形成装置の説明は省略する。実施例2の現像装置50が実施例1の現像装置4と異なる点は以下の点である。すなわち、現像装置50では、『中流規制部材』である弾性ブレード23の『最上端』である基端23aは、現像容器4Aの内部に収容される現像剤の現像剤面Jよりも下方に配置されている点である。こうした構成によれば、高い画像比率例えばベタ黒の画像を印刷する場合に、十分な現像剤が現像ローラ5に供給される。
【0064】
詳しくは、現像容器4Aの内側面には、弾性ブレード23の基端23aと同じ高さ又は所定寸法高い高さの位置に現像剤検知センサHが取り付けられている。現像剤検知センサHには例えば圧電素子が用いられている。また、現像剤検知センサHは、画像形成装置13の内部に設けられたコントローラ55に繋げられている。こうした構成により、コントローラ55は以下のように駆動を制御する。すなわち、現像剤が現像剤面Jよりも高い位置まである場合には、現像剤が現像剤検知センサHを押圧して電気信号がコントローラ55へと送信される。この場合には、コントローラ55は、現像剤が十分に現像容器4Aの内部に存在すると判断して、バッファ18からの現像剤の補充を停止したままにする。現像剤が現像剤面Jよりも低い位置までしかない場合には、現像剤が現像剤検知センサHを押圧しないので電気信号がコントローラ55へと送信されない。この場合には、コントローラ55は、現像剤が現像容器4Aの内部で不足していると判断して、バッファ18からの現像剤の補充を開始する。なお、図1(a)及び図3(b)ではコントローラ55を図示しており、他の図面では、コントローラ55が記載されていないが、図面上で省略しているのみであり、実際には現像剤検知センサH及びコントローラ55が繋がれている。
【0065】
実施例1の弾性ブレード23の高さは、丁度、現像剤面Jと同じ位置に設定されている。この構成で高い画像比率のチャートを通紙すると、白筋が発生する場合がある。必要となる現像剤に対して、弾性ブレード23を通過する現像剤量が少なく、供給が追いつかず、現像剤がコートされない。弾性ブレード23の圧力を落とせば、供給量が増加する。しかしながら、現像剤供給回収ローラ22を通過した筋をならすことができず、画像筋が発生する可能性がある。
【0066】
そこで、弾性ブレード23の高さを下げることで、現像容器4Aの内部の現像剤面Jから自由落下で現像ブレード16に現像剤を供給している。現像剤面Jは、バッファ18及びバッファマグネットロール19で制御されている。このような実施例2と実施例1の実験結果を表2に示す。なお、実施例2の実験条件で実施例1と同じ条件は省略する。
【0067】
【表2】

画像濃度は、画像比率が5%と100%のものを連続通紙し、白抜けする枚数をランクつけした。白抜けの発生枚数が、0〜10k枚分のA4白黒画像の場合を×××、11k〜25k枚分のA4白黒画像の場合を××、25k〜50k枚分のA4白黒画像の場合を×とした。また、白抜けの発生枚数が、51k〜99k枚分のA4白黒画像の場合を△、100k枚分のA4白黒画像まで発生しない場合を○とした。
【0068】
実験の結果、実施例1は、ベタ黒を50k枚分のA4白黒画像を通紙したとことで、白抜けが発生した。一方で、実施例2は、ベタ黒を100k枚分のA4白黒画像を通紙しても白抜けは発生しなかった。実施例2は、弾性ブレード23を現像剤面J、特に耐久変動で最も現像剤面Jより低い位置に配置することで、画像比率が5%又はハーフトーンであっても、画像が白抜けする現象が抑制される。上記の通り、実施例2は、実施例1に比べ、いかなる画像比率のチャートを高速通紙した場合でも、画像履歴の発生を抑制し、かつ、画像筋を軽減することができた。
【実施例3】
【0069】
図4(a)は、実施例3に係る現像装置60の構成を示す断面図である。実施例3の現像装置60の構成のうち実施例1の現像装置4と同一の構成及び効果に関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例3においても、実施例1と同様の画像形成装置に適用することができるため、画像形成装置の説明は省略する。実施例3の現像装置60が実施例1の現像装置と異なる点は以下の点である。すなわち、現像装置60では、第1現像ローラ5が、『複数の磁極』である磁極N1及び磁極N2を有する『固定マグネット』である『第1固定マグネット』としての第1固定マグネットロール6を内包する。そして、弾性ブレード23の先端が、第1現像ローラ5と当接する当接位置では、第1固定マグネットロール6の『複数の磁極』である磁極N1及び磁極N2の間の位置と対向する位置となっている点である。現像剤供給回収ローラ22からすり抜けて第1現像スリーブ17の表面に形成される現像剤の筋を均一にするためには、弾性ブレード23が、より第1現像ローラ5との力が小さく、弾性ブレード23の力が影響し易い位置が良い。つまり、磁力的に第1現像ローラ5に保持しにくい極間が最も良い。
【0070】
実施例2では、現像剤供給回収ローラ22及び第1現像ローラ5が接する領域近傍に対向する第1固定マグネットロール6の位置に磁極N2が配置されている。また、現像ブレード16の先端に対向する位置に磁極N1が配置されている。図4(a)中では、矢印の指す箇所に各々磁極N1及び磁極N2が配置されており、後述する図4(b)及び、図5(a)、(b)の場合でも矢印と磁極の関係は同様とする。磁極N1及び磁極N2の極間で、かつ、低磁場近傍に弾性ブレード23を当接する方が、現像剤供給回収ローラ22を通過した第1現像スリーブ17の表面の現像筋を均等にならす効果が最大限に発揮される。この実施例3の実験結果を表3に示す。なお、実施例3の実験の条件のうちで実施例1と同じ条件は省略する。
【0071】
【表3】

画像筋は、100k枚分のA4白黒画像通紙後、ハーフトーン(画像比率が50%)のうち、筋のある画像面積率で判断している。画像領域中で筋の占める割合について、0%つまり筋が無い場合を○、1〜10%の場合を△、11〜25%の場合を×、26〜50%の場合を××、51〜100%の場合を×××とした。500k枚分のA4白黒画像を通紙しても筋が発生しない場合は、◎とした。実施例3では、弾性ブレード23の先端23bは磁極N2及び磁極N1の間に対向するようにして第1現像スリーブ17の表面に接触している。なお、実施例2では、図示しないが、弾性ブレード23の先端23bは磁極N2に対向するようにして第1現像スリーブ17の表面に接触している。
【0072】
この結果、実施例2は、100k枚分のA4白黒画像はもつが、500k枚分のA4白黒画像まで寿命が延びなかった。原因は、通紙枚数が極端に増加すると、現像剤供給回収ローラ22の表面の目詰まりが進行し、現像剤供給回収ローラ22を過ぎた領域で、筋レベルが悪化することによる。また、このことから、実施例2の構成では、現像剤が第1現像ローラ5に磁気的力でひきつけられ、画像筋を全部ならすことができないことによる。一方で、実施例3は、弾性ブレード23の先端23bは第1固定マグネットロール6の磁極N1及び磁極N2の間に当接しているため、筋の均一化がしやすくなっている。上記の通り、実施例3は、実施例2に比べ、いかなる画像比率のチャートを高速で通紙した場合でも、画像履歴の発生を抑制し、かつ、画像筋を軽減することができた。
【実施例4】
【0073】
図4(b)は、実施例4に係る現像装置70の構成を示す断面図である。実施例4の現像装置70の構成のうち実施例1の現像装置4と同一の構成及び効果に関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例4においても、実施例1と同様の画像形成装置に適用することができるため、画像形成装置の説明は省略する。実施例4の現像装置70は実施例3の現像装置60の発展形態に相当する。実施例4の現像装置70が実施例3の現像装置60と異なる点は以下の点である。すなわち、現像装置70では、『現像ローラ』は、互いに表面が対向する位置に配置されて同一方向に回転する『第1現像剤担持体』である第1現像ローラ5及び『第2現像剤担持体』である第2現像ローラ26を含む点である。なお、ここでは、2つの現像ローラであるが、それ以上の複数の現像ローラを含んでいても良い。なお、現像ローラが感光体ドラム1と接触する接触面積が増加すると、現像する機会が増加し、画質特に面内均一性が良好になることが分かっている。以下に、実施例4の構成のうちの実施例3と異なる構成のみ説明する。
【0074】
第1現像ローラ5は、感光体ドラム1と対向する『第1現像領域』である静電可視化領域Eにて現像する第1現像ローラ5を備える。また、第1現像ローラ5は、静電可視化領域Eよりも感光体ドラム1の回転方向の下流側で感光体ドラム1と対向するように回転可能に設けられ、第1現像ローラ5から搬送された現像剤にて感光体ドラム1の潜像を現像する第2現像ローラ26を備える。そして、現像剤供給回収ローラ22及び弾性ブレード23は第1現像ローラ5に対してのみ設けられている。
【0075】
『第2現像剤担持体』である第2現像ローラ26は、感光体ドラム1の表面に対向して感光体ドラム1の回転方向の下流側に、第1現像ローラ5と所定の間隔をおいて配置されている。第2現像ローラ26の回転方向は、第1現像ローラ5の回転方向と同じである。第2現像ローラ26は、現像剤を搬送する『第2現像剤搬送担持体』である第2現像スリーブ28と、『第2固定マグネット』である第2固定マグネットロール29と、を備えている。第2固定マグネットロール29は、磁極N11及び磁極S11極を具備している。磁極N11極は、第1現像ローラ5と近接する位置に配置されている。
【0076】
磁極S11極は、感光体ドラム1と近接する位置に配置されている。更に、磁極S11の回転方向には、残った現像剤を取り込む磁極N12及び磁極S12極がある。第2現像ローラ26の左上方側には、第3撹拌部材27が、一定間隔をおいて配置されている。第3撹拌部材27は、第2現像スリーブ28と同じ回転方向に図示しないモータで駆動している。なお、第1現像ローラ5、第2現像ローラ26も同様に図示しないモータで駆動している。また、実施例4における現像剤供給回収ローラ22、弾性ブレード23、現像ブレード16は、実施例3の構成と同じである。実施例4では、画像履歴、画像筋、寿命について検証した。この実施例4の実験の結果を表4に示す。なお、実施例4の実験の条件は実施例3と同じであることから説明を省略する。
【0077】
【表4】

実施例4の条件について、第2現像スリーブ28の回転速度は第1現像スリーブ17と同じである。第2現像スリーブ28及び第1現像スリーブ17の間のギャップは約200μm、感光体ドラム1との距離は、第1現像スリーブ17が250μm、第2現像スリーブ28が300μmである。本実施例は、第2現像スリーブ28と感光体ドラム1とのギャップは、第1現像スリーブ17と感光体ドラム1とのギャップより大きい。第1現像スリーブ17は、潜像をほぼ現像剤で埋める役割を果たす。第2現像スリーブ28は、第1現像スリーブ17で現像した感光体ドラム1上の現像剤を再び潜像形状に近づけるように再配列する効果がある。結果、ライン再現性やドット再現性など画質を高めることができる。画像履歴は、第1現像スリーブ17上の現像剤が消費されることで発生する。つまり、消費量の少ない第2現像スリーブ28より、消費量の多い第1現像スリーブ17で顕著になる。よって、本実施例では、第1現像スリーブ17のみに現像剤供給回収ローラ22、弾性ブレード23を設けている。第1現像スリーブ17及び第2現像スリーブ28では、両者同じく、現像バイアスのACバイアスが1.5kV、現像コントラストが200Vである。
【0078】
実験では、画質を比較している。主に、面内一様性、特にハーフトーン(スクリーン106線、画像比率が50%)について比較した。面内の濃度段差が、反射濃度(X−Rite)で、Δ0.02%以下の場合を◎、0.02〜0.05%の場合を○、0.05〜0.10%の場合を△とした。
【0079】
実験の結果、実施例3の場合に比べ実施例4の場合は、画質が向上している。また、画像履歴、画像筋、寿命と同じ実力である。つまり、『現像剤担持体』である現像ローラが増えたとしても、上記構成であれば、いかなる画像比率のチャートを高速通紙した場合でも、画像履歴の発生を抑制し、かつ、画像筋を軽減することができる。
【実施例5】
【0080】
図5(a)は、実施例5に係る現像装置80の構成を示す断面図である。実施例5の現像装置80の構成のうち実施例1の現像装置4と同一の構成及び効果に関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例5においても、実施例1と同様の画像形成装置に適用することができるため、画像形成装置の説明は省略する。実施例5の現像装置80が実施例1の現像装置4と異なる点は以下の点である。すなわち、弾性ブレード23の代わりに磁性部材231を第1現像ローラ5に対して非接触に設けた点が異なる。現像装置80は、第1現像ローラ5が、『複数の磁極』である磁極N1及び磁極N2を有する第1固定マグネットロール6を内包する。そして、磁性部材231の先端231bは、第1固定マグネットロール6の『ピーク磁極』である磁極N2と対向する。
【0081】
磁性部材231は、現像剤供給回収ローラ22よりも第1現像ローラ5の回転方向の下流側で、現像ブレード16よりも第1現像ローラ5の回転方向の上流側に設けられている。また、磁性部材231は、第1固定マグネットロール6の磁極と対向する位置で現像ブレード16と第1現像ローラ5との間隙よりも狭い間隙にて第1現像ローラ5と対向すると共に磁性を有する。
【0082】
第1固定マグネットロール6は、現像ブレード16と対向する位置に磁極N1を有する。また、第1固定マグネットロール6は、水平面に対して45°の位置に磁極N2を有する。
【0083】
磁性部材231は、現像剤供給回収ローラ22と現像ブレード16の間に配置されている。磁性部材231は、磁極N2の位置に対向する第1現像スリーブ17の表面に対して45°の傾斜して延びるように配置されている。すなわち、磁極N2の位置における現像ローラ5の法線方向をZ方向とすると、磁性部材231の方向はZ方向よりもX方向に傾いて配置される。また、磁性部材231の先端231bは、磁極N2と対向するが、第1現像スリーブ17とは非接触である。なお、磁性部材231の方向がZ方向よりもY方向に傾いて配置される場合は、前述した逆方向に該当する。
【0084】
磁性部材231の効果について説明する。磁性部材231は、現像剤供給回収ローラ22をすり抜けた段差トナーを均す役割がある。現像剤供給回収ローラ22からすり抜けたトナーは、100μ〜150μmの段差がある。この段差トナーを磁極N2との磁気規制力で均している。磁性部材231は、第1現像スリーブ17の表面から約100μmの距離に配置している。これは、現像剤供給回収ローラ22からのすり抜けた段差トナーの高さを均すためである。
【0085】
一方で、現像ブレード16は、第1現像スリーブ17の表面から約200μmの距離に配置している。現像ブレード16は、ドラムにトナーを供給するため、磁性部材231に比べ距離が大きい。下流規制部材のギャップを小さくして、現像剤供給回収ローラ22からすり抜けた段差トナーを均すことができるが、逆に供給するトナーが少なくなり、小さくすると濃度が出なくなる。
【0086】
つまり、必要トナーを供給し、かつ、すり抜けた段差トナーを均すためには、磁性部材231の第1現像スリーブ17とのギャップを、現像ブレード16より小さくする必要がある。
【0087】
磁性部材231が逆方向に配置されると、現像剤面Jより磁性部材231の配置が上となる場合がある。上記説明した通り、高画像比率のチャートを通紙すると、供給が追いつかなくなる虞がある。そのため、本件では、順方向にしている。磁性部材231を小さくすると、反りが発生するため極力避けるべきである。また、現像剤供給回収ローラ22からの画像筋を効率よくならすため、磁性部材231は、第1固定マグネットロール6のN2極と対向位置に一定のギャップをおいて、配置されている。このような実施例5及び比較例3の実験結果を表5に示す。なお、実施例5の実験の条件は実施例1〜4と同じである。
【0088】
【表5】

実験の結果、比較例3に比べ、第1現像スリーブ17が高速回転した場合、寿命を伸ばす効果が高い。理由を述べる。比較例3にくらべ、『上流規制部材』である現像剤供給回収ローラ22、『中流規制部材』である磁性部材231は共に非接触の磁性体で規制しているため、第1現像スリーブ17にかかる負荷が減少する。結果、第1現像スリーブ17の表面に画像筋が出にくくなり、寿命を延ばすことができる。その他、画像履歴、画像筋等は、同じレベルである。上記の通り、実施例5は、比較例3に比べ、いかなる画像比率のチャートを高速で通紙した場合でも、画像履歴の発生を抑制し、画像筋を軽減、寿命を延ばすことができた。
【実施例6】
【0089】
図5(b)は、実施例6に係る現像装置90の構成を示す断面図である。実施例6の現像装置90の構成のうち実施例1の現像装置4と同一の構成及び効果に関しては、同一の符号を用いて説明を適宜省略する。実施例6においても、実施例1と同様の画像形成装置に適用することができるため、画像形成装置の説明は省略する。実施例6の現像装置90は実施例5の現像装置80の発展形態に相当する。実施例6の現像装置90が実施例5の現像装置80と異なる点は以下の点である。すなわち、現像装置90では、『現像ローラ』は、互いに表面が対向する位置に配置されて同一方向に回転する『第1現像剤担持体』である第1現像ローラ5及び『第2現像剤担持体』である第2現像ローラ26を含む点である。なお、ここでは、2つの現像ローラであるが、それ以上の複数の現像ローラを含んでいても良い。第2現像ローラ26の配置は実施例4と同じであるため説明を省略する。この実施例6の実験の結果を表6に示す。なお、実施例6の実験の条件は実施例5と同じであることから説明を省略する。
【0090】
【表6】

実験の結果より、現像ローラが複数ある実施例6は実施例5よりも画質、面内均一性がよくなる。また、画像履歴、画像筋、筋等同じレベルであることが確認できた。つまり、『現像剤担持体』である現像ローラが増えたとしても、上記構成であれば、いかなる画像比率のチャートを高速通紙した場合でも、画像履歴の発生を抑制し、かつ、画像筋を軽減することができる。
【0091】
実施例1〜6の現像装置によれば、現像剤供給回収ローラ22が第1現像ローラ5の表面の現像剤を回収した後に、弾性ブレード23又は磁性部材231が第1現像ローラ5の表面の画像筋をならす。それから、現像ブレード16が、第1現像ローラ5に供給された現像剤の層厚を規制する。その結果、高速で現像される場合であっても、第1現像ローラ5の磨耗が低減されつつ、画像履歴の発生が抑制され、かつ、画像筋が軽減される。
【符号の説明】
【0092】
1 感光体ドラム
4 現像装置
4A 現像容器
5 第1現像ローラ(現像剤担持体)
16 現像ブレード(下流規制部材)(第1規制部材)
22 現像剤供給回収ローラ(上流規制部材)(第2規制部材)
23 弾性ブレード(中流規制部材)(第3規制部材)

【特許請求の範囲】
【請求項1】
磁性を有する現像剤を収容可能な現像容器と、
前記現像容器の内部の現像剤を用いて像担持体に形成された潜像を現像する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に対して所定の間隙をもって配置され、前記現像剤担持体の表面の現像剤量を規制する第1規制部材と、
前記第1規制部材よりも前記現像剤担持体の回転方向の上流側で前記現像剤担持体と対向する位置で回転可能に設けられ、前記現像剤担持体の表面の現像剤を回収する第2規制部材と、
前記第2規制部材よりも前記現像剤担持体の回転方向の下流側で、前記第1規制部材よりも前記現像剤担持体の回転方向の上流側に配置され、前記現像剤担持体と当接する当接位置において、前記現像剤担持体の回転方向の上流側に傾斜するように前記現像剤担持体の表面に当接する第3規制部材と、を有することを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記第2規制部材は、円筒状の弾性部材であることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
【請求項3】
前記現像剤担持体は、複数の磁極を有する固定マグネットを内包し、前記当接位置は、前記固定マグネットの複数の磁極の間の位置と対向する位置であるを特徴とする請求項1または請求項2に記載の現像装置。
【請求項4】
磁性を有する現像剤を収容可能な現像容器と、
前記現像容器の内部の現像剤を用いて像担持体に形成された潜像を現像する現像剤担持体と、
前記現像剤担持体に内包され、複数の磁極を有する固定マグネットと、
前記現像剤担持体に対して所定の間隙をもって配置され、前記現像剤担持体の表面の現像剤量を規制する第1規制部材と、
前記第1規制部材よりも前記現像剤担持体の回転方向の上流側で前記現像剤担持体と対向する位置で回転可能に設けられ、前記現像剤担持体の表面の現像剤を回収する第2規制部材と、
前記第2規制部材よりも前記現像剤担持体の回転方向の下流側で、前記第1規制部材よりも前記現像剤担持体の回転方向の上流側に設けられ、前記固定マグネットの磁極と対向する位置で前記第1規制部材と前記現像剤担持体との間隙よりも狭い間隙にて前記現像剤担持体と対向すると共に磁性を有する第3規制部材と、を有することを特徴とする現像装置。
【請求項5】
前記第3規制部材の最上端は、前記現像容器の内部に収容される現像剤の現像剤面よりも下方に配置されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか1項に記載の現像装置。
【請求項6】
前記現像剤担持体は、前記像担持体と対向する第1現像領域にて現像する第1現像剤担持体と、前記第1現像領域よりも前記像担持体の回転方向の下流側で前記像担持体と対向するように回転可能に設けられ、前記第1現像剤担持体から搬送された現像剤にて前記像担持体の潜像を現像する第2現像剤担持体を有し、前記第2及び第3規制部材は前記第1現像剤担持体に対してのみ設けられていることを特徴とする請求項1乃至請求項5のいずれか1項に記載の現像装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【公開番号】特開2011−22397(P2011−22397A)
【公開日】平成23年2月3日(2011.2.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−167821(P2009−167821)
【出願日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【出願人】(000001007)キヤノン株式会社 (59,756)
【Fターム(参考)】