説明

現像装置

【課題】バッチ方式のUF濾過装置と現像装置間の全体流量フローが停止する事なく、現像タンクからUF濾過装置への送液動作が一定的に行われる事により、UF濾過運用時の現像タンク汚染度の安定化と品質事故防止となる機構を有する現像装置を提供する。
【解決手段】バッチ方式のUF濾過装置を用いた現像液循環方式の現像装置であって、少なくとも、現像ユニット10と、濾過ユニット20と、現像液濃度調整ユニット30と、現像液循環ユニット40と、から構成される現像装置において、濾過ユニット10は、UF濾過循環タンク21の定量ドレイン機構22に加えて、UF濾過循環タンクから現像液「古液」を排出する自動廃液機構23を具備している。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、現像装置に係り、カラーフィルタ製造において、ブラックマトリスク、着色画素などの現像工程で使用される、バッチ方式の限外濾過フィルタ装置を用いた現像液循環方式の現像装置に関する。
【背景技術】
【0002】
カラー液晶表示装置等に用いられるカラーフィルタは、透明ガラス基板を構造的支持体として備え、その画面観察者側の反対側(背面側)は多数の画素領域に区分され、画素領域と画素領域の境界に位置する画素間部位には遮光層(ブラックマトリクス:以下BMと略称する)のパターンが設けられ、画素領域のそれぞれには着色画素が配置されている。着色画素は、画素ごとに透過光を着色するもので、一般に、光の三原色に相当する赤色(R),緑色(G),青色(B)の三色の着色画素を配列している。
【0003】
カラーフィルタ基板の代表的な製造方法としては、ガラス等の透明基板上に感光性樹脂に顔料を分散した感光性色材(着色レジスト)を塗布し、パターン露光後に現像するフォトリソグラフィー工程を含む場合が一般的であって、各色について同様のプロセスが繰り返される。一般的な製造工程としては、ガラス基板の投入からはじまり、BMの形成、R,G、B各着色画素の形成へと進むが、各色それぞれの工程において、ガラス基板の事前洗浄、感光性樹脂液の塗布、溶剤の乾燥、プレベーク、パターン露光、現像、ポストベーク、検査が繰り返される。以下、カラーフィルタ製造における従来の現像工程について説明する。
【0004】
現像工程は、露光後の未硬化レジストの溶解、剥離除去を目的とし、フォトリソグラフィーの中でも、形成するパターンの形状品質を左右する重要な工程である。現像工程で管理される項目としては、現像時間、現像液の温度等があり、現像槽の構成や方式によっても異なるが、全ては使用する現像液の現像力が1つの基準となる。
【0005】
現像液は無機・有機アルカリ成分から構成されるものが多い。現像液中のアルカリ成分は、感光性樹脂組成物中に含まれる高分子の酸価を有する官能基と反応して、露光工程で未硬化であった感光性樹脂組成物を溶解除去する働きがある。また、現像液はアルカリ成分のほかに、界面活性剤を添加されているものが多い。界面活性剤が添加されることで、感光性樹脂組成物への現像液成分の浸透性を向上させ、これによって現像速度の向上、パターン形状の良化といった効果がある。
【0006】
従来の現像工程に使用される現像装置において、現像液の使用方法としては、使用した現像液をそのまま廃棄する方法と、使用した現像液を循環させて繰り返し使用する方法がある。使用した現像液をそのまま廃棄する現像液の使用方法では、液汚染のない現像液(現像新液)を用いるため、現像液濃度が適切に管理されていることで工程管理が容易であり、また、液汚染が無いことで品質不良の発生しにくい方法といえる。しかし、常に現像新液を供給する必要があるため、現像液の使用量は膨大でランニングコストが高いという欠点がある。
【0007】
そこで、通常の現像装置は、バッチ式、枚葉式を問わず、現像槽と現像タンクにより構成され、両者をつなぐ配管と送液ポンプの動作により、現像液の循環を行う。使用した現像液を循環させて繰り返し使用する方法は、使用した現像液をそのまま廃棄する方法と比較して低ランニングコストである。しかし、現像液を循環させて繰り返し使用することは、現像液中に溶解した感光性樹脂組成物成分が徐々に増加することを意味しており、現像
液中の該成分が許容量を越えると製品不良が発生するという問題がある。また、使用した現像液を循環させて繰り返し使用することによって、液成分が減少するという欠点もある。現像液濃度が適切に管理できないことは現像速度などに影響を与えるため、工程管理が困難になる。
【0008】
現像液の循環は、現像性の安定化、現像タンクの汚染度維持、ランニングコストを考慮し、定期的に適量を循環する事により現像工程での現像処理安定化を実現しているが、近年のディスプレイ市場の大型化と大量需要に伴い、カラーフィルタ製造ラインの大型化が進んでいる状況では現像性の変化、現像タンク汚染度増加の問題、更にはランニングコスト増大といった諸問題が発生してくる。
【0009】
従来の現像工程に使用される現像装置の構造では、現像液をポンプにより現像タンクから現像フィルタを介して現像槽へ送液している。現像フィルタが詰まり始めると、現像液の流量・圧力が低下していき、管理値の下限となった所でフィルタの交換を行っている。従来の現像装置での現像フィルタの構造では、現像液の送液方向が一方向のみである為、現像液内の汚れや、いわゆるレジカス等によりフィルタ詰まりが生じる。フィルタが詰まると現像液の圧力や流量が低下してしまい安定して現像液を供給できない問題点があった。
【0010】
上記問題の解決策の1つとして、特許文献1には、現像に供せられた現像液を、限外濾過フィルタ(UF:Ultra Filtration Membrane:以下UFと略称する)により処理して、濾液を再利用するとともに、濃縮液を循環させる現像装置、現像方法が開示されている。UF濾過装置の主な特徴は,再生液使用によるランニングコストの大幅削減と,汚染タンク運用(UF循環タンク)によって実現可能となる現像液循環量アップによる現像タンクの汚染度低減が挙げられる。このUF濾過装置には、連続濾過方式やバッチ方式と呼ばれるものが存在する。
【0011】
バッチ方式のUF濾過装置の特徴は、連続濾過方式とは違い、濾過液の濃度安定化を最優先としている為、濾液作製に時間が必要となる(連続濾過方式は濾過・濃度調整・送液が同時)。その濾液作製時間の短縮、連続濾過動作の実施の為、濾液供給タンクを2基以上所有し、各タンクで「濾液供給→濃度測定・補給→送液」のサイクルを実施する事により、連続濾過方式の欠点である濃度安定化を達成した濾過装置である。また、この特徴以外は、クロスフロー原理、逆洗機構、濃度測定・補給方式等は連続濾過方式と同様である。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0012】
【特許文献1】WO2005/040930号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0013】
バッチ方式のUF濾過装置では、現像装置、UF濾過装置の稼働状況・送液流量等により、濾過液を貯める2基以上のタンク(以下濾液タンクと称す)が現像装置への濾過液送液中もしくは,濾過液作製中(濾過液貯蔵→濃度測定→現像液原液補給の動作中)となった場合に、現像−UF濾過装置の全体フローが一時的に停止する事がある。この一時停止が発生する事により、濾液タンク前の、現像装置からの使用済み現像液である[古液]を貯蔵するUF循環タンクの液面が上昇し、このUF循環タンクが満了になる事により現像タンクからの古液をUF循環タンクに供給する事が不可となる。それにより、通常UF濾過使用時に行われている、現像タンクから各現像装置を通って循環タンクへ一定量が送液され
る循環動作(定期ドレイン)が出来ない状態となり、その結果、現像タンク内の汚染度が著しく悪化し、品質不良が発生してしまう。
【0014】
上記問題の解決の為に、濾液タンクの増設も対策として考えられるが、コスト面、建築スペース、制御ソフトの変更等を考慮すると、最適な対策とは言えない。また、現像装置個々でUF濾過装置の状態を監視し、その状態に応じて送液先を自動的に切り替える事も可能であるが、こちらも前記した問題や、装置仕様の変更を必要とするなど、現実的な対策とは言いがたいのが現実である。
【0015】
本発明は、係る問題点に鑑みてなされたものであり、カラーフィルタ製造に用いられる現像液循環方式を用いた現像装置において、現像工程での連続稼動・運用時に、バッチ方式のUF濾過装置と現像装置間の全体流量フローが停止する事なく、現像タンクからUF濾過装置への送液動作が一定的に行われる事により、UF濾過運用時の現像タンク汚染度の安定化と品質事故防止となる機構を有する現像装置を提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0016】
本発明の請求項1に係る発明は、バッチ方式のUF濾過装置を用いた現像液循環方式の現像装置であって、少なくとも、
(1)現像処理が行われる現像槽と、現像液を収容する現像タンクと、前記現像タンク内の現像液を前記現像槽に送る手段と、前記現像槽において現像処理に使用された後の現像液「古液」を濾過ユニット側に送液する手段とを備えた現像ユニットと、
(2)前記現像ユニットから送液された現像液「古液」を貯留する定量ドレイン機構を有するUF濾過循環タンクと、複数のUF濾過フィルタを使用して前記UF濾過循環タンク内の現像液「古液」を濾過する手段と、濾過された現像液「濾液」を交互に運転される複数の濾液タンクのいずれかに送る手段と、現像液「濾液」を貯留する前記複数の濾液タンクとを備えた濾過ユニットと、
(3)前記複数の濾液タンクに送液された現像液「濾液」の濃度を測定する手段と、前記複数の濾液タンクに現像液原液を補充して濃度を調整する手段とを備えた現像液濃度調整ユニットと、
(4)濃度調整された現像液「濾液」を再度現像に供するため、リザーブタンクに、前記複数の濾液タンクのいずれかから現像液「濾液」を送液する手段と、更に前記リザーブタンクの現像液を前記現像ユニットの前記現像タンクに送液して再利用する手段とを備えた現像液循環ユニットと、
から構成される現像装置において、
前記濾過ユニットは、前記UF濾過循環タンクの前記定量ドレイン機構に加えて、前記UF濾過循環タンクから現像液「古液」を排出する自動廃液機構を具備していることを特徴とする現像装置である。
【0017】
また、本発明の請求項2に係る発明は、前記濾過ユニットは、前記UF濾過循環タンクの液面監視手段を有し、液面レベルに応じて自動廃液を行う前記自動廃液機構を具備していることを特徴とする請求項1に記載する現像装置である。
【0018】
また、本発明の請求項3に係る発明は、前記自動廃液機構は、自動廃液時の廃液量を前記定量ドレイン機構の廃液量とは別の所定の値に設定可能な手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載する現像装置である。
【0019】
また、本発明の請求項4に係る発明は、前記自動廃液機構は、自動廃液時に自動警報を発報する手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載する現像装置である。
【0020】
また、本発明の請求項5に係る発明は、前記自動廃液機構は、瞬時流量計と積算流量計を備え、自動廃液量を監視し、履歴を残す手段をを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載する現像装置である。
【発明の効果】
【0021】
従来のバッチ方式のUF濾過装置においては、濾過ユニット内のUF濾過循環タンクの液面上昇時にUF濾過循環タンク内への現像液「古液」供給動作が不可となる事により、濾過ユニットと現像ユニット間の全体流量フローが一時停止し、現像タンクからの循環動作(定期ドレイン)がなくなり、結果として現像タンク内の汚染度上昇、品質不良が発生した。それに対して、本発明の現像装置によれば、濾過ユニット側でUF濾過循環タンクの液面を監視し、液面上昇時は前記定量ドレイン機構に加えて単独で廃液動作を実施する自動廃液機構を備えている為、濾過ユニットと現像ユニット間の全体流量フローが停止する事がなくなる。このことで、現像タンクからUF濾過循環タンクを含む濾過ユニットへの送液動作が一定的に行われる事により、現像タンクの現像液の汚染度の安定化を図ることが可能となり、製品に対して安定した現像液が供給され品質の安定化が可能となり品質事故防止となる。
【図面の簡単な説明】
【0022】
【図1】本発明の現像装置の一実施形態の全体構成を示す概略説明図である。
【発明を実施するための形態】
【0023】
以下、本発明の現像装置について、フォトリソグラフィー方式でのカラーフィルタ製造に用いられる現像液循環方式を用いた現像装置の、一実施形態例に基づいて説明する。
【0024】
図1は、本発明の現像装置の一実施形態の全体構成を示す概略説明図である。本発明の現像装置は、バッチ方式のUF濾過装置を用いた現像液循環方式の現像装置であって、少なくとも、現像ユニット10と、濾過ユニット20と、現像液濃度調整ユニット30と、現像液循環ユニット40と、から構成される。図1に示した実施形態例では、現像槽12−1の現像タンク11−1に現像液を供給するリザーブタンク41−1、現像槽12−2、12−3、12−4のそれぞれの現像タンク11−2,11−3,11−4に現像液を供給するリザーブタンク41−2と、バッチ方式のUF濾過装置として現像液「濾液」を貯留し供給する複数の濾液タンク26−1,26−2を備えている。
【0025】
本発明の現像装置は、濾過ユニット20において、UF濾過循環タンク21は定量ドレイン機構22に加えて、UF濾過循環タンクから現像液「古液」を排出する自動廃液機構23を具備していることを特徴としている。
【0026】
炭酸ナトリウム(NaCO)を現像液主成分とする現像液は、現像液循環ユニット40のリザーブタンク41−1、41−2から現像新液供給管路42−1、42−2を通して現像槽12−1及び12−2,12−3,12−4の現像タンク11−1及び、11−2,11−3,11−4に供給される。現像ユニット10の個別・詳細は図示しないが、現像はクリーンルーム内のクローズ化された状態で、現像タンク11から、現像液を複数の現像フィルタを介して該現像フィルタに対応する個々の送液ポンプにより送液経路を通して現像液吐出機構から現像液を吐出し、現像槽12で、対象とするアクリル樹脂系感光性樹脂が塗布・パターン露光された被現像ガラス基板に対して実施される。現像槽12において現像処理に使用された後の現像液「古液」は、現像液リターン経路を経て現像タンク11中に貯留された後、現像液「古液」送液手段13によって濾過ユニット20側に送られる。
【0027】
濾過ユニット20は、現像ユニット10から送液された現像液「古液」を貯留する定量ドレイン機構22を有するUF濾過循環タンク21と、複数のUF濾過フィルタ24を使用してUF濾過循環タンク21内の現像液「古液」を濾過する手段と、濾過された現像液「濾液」を交互に運転される複数の濾液タンク26のいずれかに送る送液手段と、現像液「濾液」を貯留する複数の濾液タンク26とを備えている。
【0028】
UF(限外濾過)モード使用時は現像タンク11からUF濾過循環タンク21へ使用済み現像液「古液」を大量に送液しているので、全体の循環フローにより現像タンク11の汚染度は通常時より良化する。また、現像タンク11からは基板上の持ち出し以外には一切ドレインされない。UF濾過フィルター24で濾過された濃縮現像液がUF濾過循環タンク21にリターンされることで、UF濾過循環タンク21の汚染度が最も高くなるために、定量ドレイン経路22を用いて一定量の現像液をドレインする。循環量のバランスがとれている場合、減少した分は現像タンク11からの流入量で調整され、供給と廃液が過不足とならない様に、全体の流量が調整される。
【0029】
UF濾過循環タンク21の現像液は、送液経路25を経て、本実施形態例では5本のUF濾過フィルタ24を備え、かつ、図示しない各UF濾過フィルタを逆洗浄するための逆洗浄タンク等の逆洗浄手段を含むUF濾過ユニットに送られ、UF濾過を行う。その後、UF濾過フィルタ24を透過した濾液は濾液送液経路28により濾液タンク26に送液され、UF濾過フィルタを透過しない成分が増加した残りの濃縮液はUF濾過フィルタ濃縮液循環管路27を通ってUF濾過循環タンク21に戻される。
【0030】
現像液濃度調整ユニット30では、複数のそれぞれの濾液タンク26毎に、送液された現像液「濾液」の現像主成分(NaCO)濃度を濃度測定機で測定し、一定の濃度となるように濾液タンク26に現像液原液タンク31から現像液原液を補充して濃度を調整する。濃度調整された現像液「濾液」は再度現像に供するため、現像液循環ユニット40のリターン送液経路43を通してクリーンルーム内のリザーブタンク41へ送られる。これで、現像液は循環することになる。
【0031】
従来のバッチ方式のUF濾過装置を用いた現像液循環方式の現像装置での動作フローでは、(イ)濾液タンク26−2がリザーブタンク41−2に濾液から濃度調整された現像液を送液中で、且つ、(ロ)濾液タンク26−1は濾液の濃度調整中であり現像液作製準部中となる場合がある。この場合、(ハ)UF濾過フィルタ24を透過した濾液は、濾液タンク26−1および26−2いずれにも送液ができない状態となる。そこで、(ニ)濾液タンク26への送液が不可となりUF濾過循環タンク21の液面が上昇する。UF濾過循環タンク21からは定量ドレイン機構22によって一定的に定量ドレインを実施しているが、定量ドレインの廃液能力と各現像装置からの液送液の比率が異なる為、UF濾過循環タンク21は即満了となる。(ホ)UF濾過循環タンク21の液面満了により、現像ユニット側からの送液(廃液処理)が不可となる。その結果、(ヘ)現像タンクからの送液(廃液処理)が出来ず、現像液の汚染度が著しく増加し、品質不良が発生することになる。
【0032】
上記した、従来のバッチ方式のUF濾過装置を用いた現像液循環方式の現像装置でのトラブルを回避するために、本発明の現像装置は、濾過ユニット20において、UF濾過循環タンク21は定量ドレイン機構22に加えて、UF濾過循環タンクから現像液「古液」を排出する自動廃液機構23を具備している。本発明の現像装置での動作フローを以下説明する。
【0033】
本発明の、バッチ方式のUF濾過装置を用いた現像液循環方式の現像装置での動作フローでは、上記した(イ)濾液タンク26−2がリザーブタンク41−2に濾液から濃度調整された現像液を送液中、且つ、(ロ)濾液タンク26−1は濾液の濃度調整中であり現像液作製準部中。(ハ)UF濾過フィルタ24を透過した濾液は、濾液タンク26−1および26−2いずれにも送液ができない状態となる。そして、(ニ)濾液タンク26への送液が不可となりUF濾過循環タンク21の液面が上昇する。ここまでの現象は同じである。
【0034】
本発明においては、濾過ユニット20は、UF濾過循環タンク21の液面監視手段を有しており、液面レベルに応じて自動廃液を行う自動廃液機構を具備している。そこで、UF濾過循環タンク21の液面が上昇する現象が発生した時点で、UF濾過循環タンク21自身で、自動廃液機構23の廃液口より廃液動作を実施する。このことにより、従来具備している定量ドレイン機構22とは別に、所定の設定量で廃液動作を実施出来るので、前記した(ホ)及び(ヘ)の現象は発生しない。
【0035】
また、この自動廃液機構23は、自動廃液時の廃液量を定量ドレイン機構22の廃液量とは別の所定の値に設定可能である。そのため、自動廃液機構23の廃液量は、上記した(ホ)及び(ヘ)の現象が発生しない様に予め条件出しすることで、適切な所定の設定量で廃液動作を実施出来る。
【0036】
なお、自動廃液機構23の廃液動作を無尽蔵に実施した場合、余分な廃液が発生する。また、UF濾過循環タンク自身の液面低下につながる為、自動廃液機構23の廃液動作発生時はアラーム発報する。さらに、瞬時流量計と積算流量計を備え、自動廃液量を監視し、履歴を残すこと事により、上記と同様に、(ホ)及び(ヘ)の現象が発生しない様に予め条件出しすることで、適切な所定の設定量で廃液動作を実施出来る。
【0037】
以上説明したとおり、本発明の現像装置によれば、廃液動作の安定化により、現像タンクからUF濾過循環タンクを含む濾過ユニットへの送液動作が一定的に行われる事により、バッチ方式のUF濾過装置の特徴である濾過液の濃度安定化を図り、現像タンクの現像液の汚染度の安定化を図ることが可能となり、製品に対して安定した現像液が供給され品質の安定化が可能となり品質事故防止となる。
【符号の説明】
【0038】
10・・現像ユニット
11、11−1、11−2、11−3、11−4・・現像タンク
12、12−1、12−2、12−3、12−4・・現像槽
13・・現像古液送液手段
20・・濾過ユニット 21・・UF濾過循環タンク 22・・定量ドレイン機構
23・・自動廃液機構 24・・UF濾過フィルタ 25・・送液経路
26、26−1,26−2・・濾液タンク 27・・UF濾過フィルタ濃縮液循環管路
28・・送液経路
30・・現像液濃度調整ユニット 31・・原液タンク 32・・濃度測定器
40・・現像液循環ユニット 41、41−1,41−2・・リザーブタンク
42,42−1,42−2・・減増新液供給管路 43・・リターン送液経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
バッチ方式のUF濾過装置を用いた現像液循環方式の現像装置であって、少なくとも、(1)現像処理が行われる現像槽と、現像液を収容する現像タンクと、前記現像タンク内の現像液を前記現像槽に送る手段と、前記現像槽において現像処理に使用された後の現像液「古液」を濾過ユニット側に送液する手段とを備えた現像ユニットと、
(2)前記現像ユニットから送液された現像液「古液」を貯留する定量ドレイン機構を有するUF濾過循環タンクと、複数のUF濾過フィルタを使用して前記UF濾過循環タンク内の現像液「古液」を濾過する手段と、濾過された現像液「濾液」を交互に運転される複数の濾液タンクのいずれかに送る手段と、現像液「濾液」を貯留する前記複数の濾液タンクとを備えた濾過ユニットと、
(3)前記複数の濾液タンクに送液された現像液「濾液」の濃度を測定する手段と、前記複数の濾液タンクに現像液原液を補充して濃度を調整する手段とを備えた現像液濃度調整ユニットと、
(4)濃度調整された現像液「濾液」を再度現像に供するため、リザーブタンクに、前記複数の濾液タンクのいずれかから現像液「濾液」を送液する手段と、更に前記リザーブタンクの現像液を前記現像ユニットの前記現像タンクに送液して再利用する手段とを備えた現像液循環ユニットと、
から構成される現像装置において、
前記濾過ユニットは、前記UF濾過循環タンクの前記定量ドレイン機構に加えて、前記UF濾過循環タンクから現像液「古液」を排出する自動廃液機構を具備していることを特徴とする現像装置。
【請求項2】
前記濾過ユニットは、前記UF濾過循環タンクの液面監視手段を有し、液面レベルに応じて自動廃液を行う前記自動廃液機構を具備していることを特徴とする請求項1に記載する現像装置。
【請求項3】
前記自動廃液機構は、自動廃液時の廃液量を前記定量ドレイン機構の廃液量とは別の所定の値に設定可能な手段を有することを特徴とする請求項1または2に記載する現像装置。
【請求項4】
前記自動廃液機構は、自動廃液時に自動警報を発報する手段を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載する現像装置。
【請求項5】
前記自動廃液機構は、瞬時流量計と積算流量計を備え、自動廃液量を監視し、履歴を残す手段をを有することを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載する現像装置。

【図1】
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【公開番号】特開2012−244096(P2012−244096A)
【公開日】平成24年12月10日(2012.12.10)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−115613(P2011−115613)
【出願日】平成23年5月24日(2011.5.24)
【出願人】(000003193)凸版印刷株式会社 (10,630)
【Fターム(参考)】