説明

球形遠位アセンブリを伴う多関節内視鏡装置

処置を実施するための装置には、近端部および遠端部を有する細長い管と、近端部および遠端部を有する適合連結部とを含めることができる。前記遠端部には、第1の嵌合面を含めることができ、前記近端部は、前記細長い管の遠端部に取り付けられるよう構成することができる。当該装置には、前記適合連結部の第1の嵌合面と回転可能に連動するよう構成された第2の嵌合面を有する回転連結部を含めることもできる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本願は2008年9月5日付で出願された仮特許出願第61/094,606号に基づく利益を主張するものである。本願は、米国特許出願第11/630,279号、第11/838,519号、第11/876,304号、第11/923,246号、第12/038,560号、第12/038,691号、第12/038,279号、およびPCT国際特許出願第PCT/US09/40548号に関する。
【背景技術】
【0002】
本願は、全体として、また種々の実施形態において、多関節(multi−linked)または連続体(continuum device)の装置および回転可能な遠位アセンブリを有する他の装置に関する発明について開示している。通常、大半の医療用プローブおよび/または多関節装置は「前方を見る」ことができるのみで、すなわち先行する若しくは遠位にある端部の向きは、当該プローブまたは多関節装置の動きの方向に平行である。前記プローブまたは装置がその移動方向以外を見る若しくは向くようにするには、望ましい観察方向へ曲がる若しくは屈曲しなければならず、そのためのスペースが必要である。一定の応用では、前記プローブを曲げて他の方向を見るために必要なスペースは限られているか、極端な場合にはまったく存在しない。
【発明の概要】
【課題を解決するための手段】
【0003】
本発明の記載に先立ち、本発明は、本願明細書に記載の特定のシステム、方法論、またはプロトコルに限定されるものではなく、これらは変更を含むことが可能であると理解されるべきである。また、本明細書で使用された用語は、特定の実施形態の記載のみを目的とするものであって本発明の開示の範囲を限定することを意図するものではなく、当該開示は添付の本願請求項によってのみ限定されるものである。
【0004】
本明細書および添付の請求項において単数形扱いしている名称は、別段の断りがない限り、複数形も含む。別段の定義がない限り、本明細書で使用するすべての科学技術用語は、当業者に一般に理解されているものと同じ意味を有する。本明細書における用語「を有する」は、「を含む(これに限定されるものではないが)」を意味する。
【0005】
一実施形態において、処置を実施するための装置には、近端部(proximal end)および遠端部(distal end)を有する細長い管と、近端部および遠端部を有する適合連結部とを含めることができる。前記遠端部には、第1の嵌合面を含めることができ、前記近端部は、前記細長い管の遠端部に取り付けられるよう構成することができる。当該装置には、前記適合連結部の第1の嵌合面と回転可能に連動するよう構成された第2の嵌合面を有する回転連結部を含めることもできる。
【0006】
一実施形態では、処置を行う方法に、装置を選択する工程と、前記装置の回転連結部を回転させる工程とを含めることができる。
【0007】
一実施形態では、操作可能な多関節装置に、第1の連結部および複数の中間連結部を含めることができる。前記複数の中間連結部のうち第1の中間連結部は、前記第1の連結部に運動可能に連結できる。前記装置には、第1の端部において前記中間連結部の1つに運動可能に連結され前記第2の端部において凹面を有する適合連結部と、前記適合連結部の前記凹面に嵌装された球形連結部とを含めることもできる。
【0008】
一実施形態では、操作可能な多関節装置に、第1の多関節機構および第2の多関節機構を含めることができる。前記第2の多関節機構には、第1の連結部と、複数の中間連結部と、第1の端部において前記中間連結部の1つに運動可能に連結され前記第2の端部において凹面を有する適合連結部と、前記適合連結部の前記凹面に嵌装された球形連結部とを含めることができる。前記複数の中間連結部のうち第1の中間連結部は、前記第1の連結部に運動可能に連結できる。
【図面の簡単な説明】
【0009】
【図1A】図1Aおよび1Bは、操作可能な多関節装置の種々の実施形態を例示した図である。
【図1B】図1Aおよび1Bは、操作可能な多関節装置の種々の実施形態を例示した図である。
【図2】図2は、図1の装置のコア機構の種々の実施形態を例示した図である。
【図3A】図3A〜3Cは、前記コア機構の近位の連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図3B】図3A〜3Cは、前記コア機構の近位の連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図3C】図3A〜3Cは、前記コア機構の近位の連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図4A】図4A〜4Cは、前記コア機構の中間連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図4B】図4A〜4Cは、前記コア機構の中間連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図4C】図4A〜4Cは、前記コア機構の中間連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図5A】図5A〜5Cは、前記コア機構の遠位の連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図5B】図5A〜5Cは、前記コア機構の遠位の連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図5C】図5A〜5Cは、前記コア機構の遠位の連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図6】図6は、図1の装置のスリーブ機構の種々の実施形態を例示した図である。
【図7A】図7A〜7Cは、前記スリーブ機構の近位の連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図7B】図7A〜7Cは、前記スリーブ機構の近位の連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図7C】図7A〜7Cは、前記スリーブ機構の近位の連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図8A】図8A〜8Cは、前記スリーブ機構の中間連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図8B】図8A〜8Cは、前記スリーブ機構の中間連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図8C】図8A〜8Cは、前記スリーブ機構の中間連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図9A】図9A〜9Dは、前記スリーブ機構の遠位の連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図9B】図9A〜9Dは、前記スリーブ機構の遠位の連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図9C】図9A〜9Dは、前記スリーブ機構の遠位の連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図9D】図9A〜9Dは、前記スリーブ機構の遠位の連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図10】図10は、図1の装置の動きのシーケンスの種々の実施形態を例示した図である。
【図11】図11は、曲率の小さい経路を移動している状態の操作可能な多関節装置の種々の実施形態を例示した図である。
【図12】図12は、球形遠位アセンブリを有する操作可能な多関節装置の種々の実施形態を例示した図である。
【図13A】図13A〜13Dは、図12の操作可能な多関節装置の個々の連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図13B】図13A〜13Dは、図12の操作可能な多関節装置の個々の連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図13C】図13A〜13Dは、図12の操作可能な多関節装置の個々の連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図13D】図13A〜13Dは、図12の操作可能な多関節装置の個々の連結部の種々の実施形態を例示した図である。
【図14】図14は、図13Cで説明した球形遠位連結部カップの追加実施形態を例示した図である。
【図15】図15は、適合連結部と回転連結部との間にヒンジピン取り付け部を有する回転可能な遠位アセンブリを伴ったカテーテル装置の種々の実施形態を例示した図である。
【図15A】図15A〜Bは、図15のカテーテル装置の遠端部の拡大図である。
【図15B】図15A〜Bは、図15のカテーテル装置の遠端部の拡大図である。
【図16】図16は、回転可能な遠位アセンブリに挿通されたはさみアセンブリを含む腹腔鏡下装置の種々の実施形態を例示した図である。
【図17】図17は、球形適合連結部およびカップ形状の回転可能な連結部を有する回転可能な遠位アセンブリを含んだ装置の種々の実施形態を例示した図である。
【図18A】図18Aは、曲線状の溝を含むカップアセンブリの種々の実施形態を例示した図である。
【図18B】図18Bは、図18Aのカップアセンブリおよびそれに嵌合する回転球体を有した回転可能な遠位アセンブリを含む装置の種々の実施形態を例示した図である。
【図19】図19は、機械的利点のある要素を有する回転可能な遠位アセンブリを含む装置の種々の実施形態を例示した図である。
【図20】図20は、種々の回転性能を提供する第1の回転ケーブルおよび第2の回転ケーブルを含む装置の種々の実施形態を例示した図である。
【図21】図21は、複数の回転球体を含む装置の種々の実施形態を例示した図である。
【発明を実施するための形態】
【0010】
本発明の図および説明の少なくとも一部は、本発明の明確な理解を助けるため重要な要素に主眼を置き、一方、明瞭化のため、当業者であれば本発明の一部を構成すると理解する他の要素を排除するため、単純化されていることが理解される。ただし、そのような要素は当該技術分野でよく知られており、また必ずしも本発明の理解を促進するわけではないため、本明細書では説明していない。
【0011】
種々の実施形態によれば、本明細書で説明する本発明を利用すると、本明細書で説明する操作可能な多関節装置などの多関節装置の動きを制御することができる。説明の便宜上、本発明については、本明細書で説明している操作可能な多関節装置の種々の実施形態で使用する文脈で以下説明する。ただし、当業者であれば、本発明を他種の多関節装置と併用することもできることが理解されるであろう。
【0012】
図1Aおよび1Bは、操作可能(steerable)な多関節装置10の種々の実施形態を例示したものである。様々な実施形態によると、前記操作可能な多関節装置10は、ヘビ型ロボット(snake robot)、連続体ロボット(continuum robot)、若しくはその類のロボットであってもよい。この装置10の種々の実施形態は、医療処置(例えば、低侵襲的処置用の穿孔ロボット、位置決め装置、アブレーションツール、カメラ、または器具支持部材、あるいは低侵襲的処置用の誘導システムなど)、監視用途、検査用途、探索、救助用途などに利用できる。以下本明細書において、当該装置10を明瞭化するのみの目的でその実用性についてを医療処置へ適用される場合を想定して説明する。ただし、当業者であれば、この装置10が様々な異なる用途で利用可能なことが理解されるであろう。
【0013】
前記装置10は、第1の機構12および第2の機構14を有する。種々の実施形態によると、機構は、ヘビ型ロボット、連続体ロボット、若しくはその類のものであってもよい。種々の実施形態によれば、前記第2の機構14は、図1Bに示すように、前記第1の機構12を受容しこれを取り囲むよう構築および構成されている。したがって、前記第1の機構および第2の機構は同軸でもよい。このような実施形態の場合、前記第1の機構12は内部機構またはコア機構、前記第2の機構14は外部機構またはスリーブ機構と見なすことができる。他の実施形態によれば、これら第1の機構12および第2の機構14は、同軸関係以外の関係を有するよう構築および構成することができる。例えば当業者であれば、種々の実施形態に従い、前記第1の機構12および前記第2の機構14が、並列式(横並び)の構成で動作し、当該第1の機構12が当該第2の機構14の調整動作を行うよう、構築および構成できることが理解されるであろう。種々の実施形態によると、本願開示の範囲内での付加的な構成および/または代替構成を使用することが可能であり。種々の実施形態によると、3次元空間240が、前記第1の機構および第2の機構の間に提供されてもよい。当該空間は以下により詳細に記載される。以下詳述するように、前記第1の機構12は剛性モードまたは柔軟モードで動作し、前記第2の機構14も剛性モードまたは柔軟モードで動作し、これら第1の機構12および第2の機構14は互いに独立して動作できる。
【0014】
前記第1の機構12および前記第2の機構14は、どちらも操作可能な機構であってよい。そのため、当該装置10を利用すると、管腔空間および空洞内空間の任意の3次元経路をナビゲートできることが理解される。種々の実施形態によると、前記装置10は、剛性モードと柔軟モードの間で前記第1の機構12と前記第2の機構14の操作を切り替えることによって前進する。
【0015】
種々の実施形態によれば、前記装置10は、1若しくはそれ以上のケーブルを有することもできる。種々の実施形態によれば、それらのケーブルのうち1若しくはそれ以上は、ステアリングケーブルおよび/または張力調整ケーブルであってよい。例えば、前記装置には、3本のステアリングケーブルおよび1本の張力調整ケーブルを含めることができる。
【0016】
図2は、前記装置10の前記第1の機構12の種々の実施形態を例示したものである。この第1の機構12は多関節機構であり、第1の端部24および第2の端部26を含む。前記第1の端部24は近端部、また前記第2の端部26は遠端部と見なすことができる。この第1の機構12は、第1の連結部28と、第2の連結部30と、これら第1の連結部28および第2の連結部30の間の1若しくはそれ以上の中間連結部32とを有することが可能である。前記第1の連結部28は近位の連結部、また前記第2の連結部30は遠位の連結部と見なすことができる。
【0017】
図3A〜3Cは、前記第1の機構12の前記第1の連結部28(内部の近位連結部)の種々の実施形態を例示したものである。この第1の連結部28は、第1の端部34および第2の端部36を含み、図3Bに示すように、前記第1の連結部28には前記第1の端部34の中心および前記第2の端部36の中心を貫通する長手方向の軸38が形成されている。この第1の連結部28は、任意の適切な材料で製作できる。種々の実施形態によれば、この第1の連結部28は、G10/FR4 Garolite(登録商標)などの繊維強化材料で製作される。外側が略円柱形であるこの第1の連結部28については、以降より詳しく説明する。
【0018】
前記第1の連結部28は、第1の部分40および第2の部分42を有する。前記第1の部分40は近位の部分、また前記第2の部分42は遠位の部分と見なすことができる。前記第1の部分40は、前記第2の部分42と一体的に作製できる。前記第1の部分40は、外側が円柱形で、当該第1の連結部28の前記第1の端部34から当該第1の連結部28の前記第2の端部36へと延長する。種々の実施形態によれば、前記第1の部分40の直径は約6.35ミリメートル程度であるが、他のサイズも使用可能である。
【0019】
前記第2の部分42は、以下に記載されるその他の特徴を含むと通常外側が略円柱形となる。この第2の部分42は、外側が円柱形になっている部分で前記第1の部分40に接触し、当該第1の連結部28の前記第2の端部36へ向かってテーパーがかかっている。この第2の部分42は、当該第1の連結部28の前記第2の端部36において、全体として、セグメント化された半球の形態に成形できる。種々の実施形態によれば、この第2の部分42の直径は、前記第1の部分40に接触する位置において約4.75ミリメートル程度であるが、他のサイズも使用可能である。
【0020】
前記第2の部分42は、第1の表面44を有する。この第1の表面44は、当該第2の部分42の外面と見なすことができる。当該第2の部分42には、前記第1の表面44に沿って前記長手方向の軸38に平行な第1の溝46と、前記第1の表面44に沿って前記長手方向の軸38に平行な第2の溝48と、前記第1の表面44に沿って前記長手方向の軸38に平行な第3の溝50とが形成されている。これら第1の溝46、第2の溝48、第3の溝50は、それぞれ前記第1の表面44に沿って、当該第1の連結部28の前記第2の端部36へと延在する。これら第1の溝46、第2の溝48、第3の溝50は半管形にでき、図3Cに示すように、当該第1の連結部28の前記第2の部分42の前記第1の表面44に沿って均等に離間できる。種々の実施形態によれば、前記第1の溝46、前記第2の溝48、前記第3の溝50は、セグメント化された円筒形状に構成できる。これら溝46、48、50の各サイズは、互いに同一でも、または互いに異なるものであってもよい。例えば、種々の実施形態によると、前記第1の溝46および第2の溝48は、約1.25ミリメートル程度の直径を有する円筒形のセグメントとして構成されることが可能であり、前記第3の溝50は、約2.50ミリメートル程度の直径を有する円筒形のセグメントとして構成されてもよい。当該第1の連結部28の長さは、約65ミリメートル程度である。ただし当業者であれば、この第1の連結部28の長さまたは直径は実際の用途に基き変更が可能であると理解するものである。
【0021】
また、当該第1の連結部28には、図3Bに示すように、前記第1の端部34から前記第2の端部36へ前記長手方向の軸38に沿って延在する経路52が形成されている。この経路52は、その中を少なくとも1つのケーブルが貫通するのに十分なサイズのものである。種々の実施形態によると、前記経路52は、その中を張力調整ケーブルが貫通するのに十分なサイズのものである。種々の実施形態によれば、前記経路52は、全体として複雑な形状に構成され、この形状は、前記第1の端部34から前記第2の端部36へ延長する第1の円筒形54と、前記第1の円筒形54から前記第2の端部36へ延長する第2の円筒形56との組み合わせを有する。前記第1の円筒形54の直径は、前記第2の円筒形56の直径より大きい。例えば種々の実施形態によれば、前記第1の円筒形54は、約3.20ミリメートル程度の直径を有し、前記第2の円筒形56は、約1.50ミリメートル程度の直径を有するが、他のサイズも使用可能である。
【0022】
図4A〜4Cは、前記第1の機構12の前記中間連結部32の1つ(内部の中間連結部)の種々の実施形態を例示したものである。この中間連結部32は、他の前記中間連結部32の代表的なものである。この中間連結部32は、第1の端部58および第2の端部60を含み、図4Bに示すように、当該中間連結部32には、前記第1の端部58の中心および前記第2の端部60の中心を貫通する長手方向の軸62が形成されている。この中間連結部32は、任意の適切な材料で製作できる。種々の実施形態によれば、この中間連結部32は、G10/FR4 Garolite(登録商標)などの繊維強化材料で製作される。外側が略弾丸形であるこの中間連結部32については、以下により詳しく説明する。
【0023】
前記中間連結部32は、第1の部分64および第2の部分66を有する。前記第1の部分64は近位の部分、また前記第2の部分66は遠位の部分と見なすことができる。前記第1の部分64は、前記第2の部分66と一体的に作製できる。前記第1の部分64は、外側が略円柱形で、当該中間連結部32の前記第1の端部58から当該中間連結部32の前記第2の端部60へと延長する。種々の実施形態によれば、前記第2の部分66は、外側が略円柱形になっている部分で前記第1の部分64に接触し、当該中間連結部32の前記第2の端部60へ向かって先細加工(taper)される。前記第2の部分66の外側は、全体的にセグメント化された半球の形態に構成される。種々の実施形態によれば、この中間連結部32の直径は、前記第1の端部58において約4.75ミリメートル程度である。当該中間連結部32の長さは、約5.85ミリメートル程度である。ただし当業者であれば、この中間連結部32の長さまたは直径は、用途に基き変更可能であると理解するものである。
【0024】
また、前記中間連結部32は、当該中間連結部32の前記第1の端部58から当該中間連結部32の前記第2の端部60へと延長する第1の表面68を有する。この第1の表面68は、当該中間連結部32の外面と見なすことができる。また当該中間連結部32には、前記第1の表面68に沿って前記長手方向の軸62に平行な第1の溝70と、前記第1の表面68に沿って前記長手方向の軸62に平行な第2の溝72と、前記第1の表面68に沿って前記長手方向の軸62に平行な第3の溝74とが形成されている。これら第1の溝70、第2の溝72、第3の溝74は、それぞれ前記第1の表面68に沿って、当該中間連結部32の前記第1の端部58から当該中間連結部32の前記第2の端部60へと延在する。これら第1の溝70、第2の溝72、第3の溝74は半管形にでき、図4Cに示すように、当該中間連結部32の前記第1の表面68に沿って均等に離間できる。種々の実施形態によれば、前記第1の溝70、前記第2の溝72、前記第3の溝74は、セグメント化された円筒形状に構成できる。これら溝70、72、74の各サイズは、互いに同一でも、または互いに異なるものであってもよい。例えば、種々の実施形態によれば、前記第1の溝70および第2の溝72は、当該中間連結部32の前記第1の端部58で約1.75ミリメートル程度の直径を有する円筒形のセグメントとして構成され、前記第3の溝74は、当該中間連結部32の前記第1の端部58で約2.50ミリメートル程度の直径を有する円筒形のセグメントとして構成される。これら第1の溝70、第2の溝72、第3の溝74は、それぞれ様々な用具(tool)または器具(例えば、アブレーションツール)を受け取りかつ部分的に取り囲むよう構成され、これらのツールは、当該多関節装置10の前記第1の端部24から当該多関節装置10の前記第2の端部26へと通過する。
【0025】
また、当該中間連結部32には、図4Bに示すように、前記第1の端部58から前記第2の端部60へ前記長手方向の軸62に沿って延在する経路76が形成されている。この経路76は、その中を1若しくはそれ以上のケーブルが貫通するのに十分なサイズのものである。種々の実施形態によれば、前記経路76は、その中を張力調整ケーブルが貫通するのに十分なサイズのものである。種々の実施形態によれば、この経路76は、複合的な形状に構成され、この形状は、前記中間連結部32の前記第1の端部58から前記第2の端部60へ延在する第1のセグメント化された半球78と、前記第1のセグメント化された半球78から前記第2の端部60へ延在する第2のセグメント化された半球80と、前記第2のセグメント化された半球80から前記第2の端部60へ延在する円筒形82と、前記円筒形82から前記第2の端部60へ延在する第3のセグメント化された半球84との組み合わせを有する。種々の実施形態によれば、前記第1のセグメント化された半球78は、約4.75ミリメートル程度の直径を有する球体の一部を表し、前記第2のセグメント化された半球80は、約2.25ミリメートル程度の直径を有する球体の一部を表し、前記円筒形82は、約1.0ミリメートル程度の直径を有し、前記第3のセグメント化された半球84は、約2.25ミリメートル程度の直径を有する球体の一部を表す。他のサイズも使用可能である。
【0026】
前記経路76の前記第1のセグメント化された半球78は、前記第1の連結部28が前記中間連結部32に連結された場合に、前記第1の連結部28の前記第2の端部36を受容するよう構成されている。同様に、所与の中間連結部32についても、その経路76の第1のセグメント化された半球78は、前記所与の中間連結部32が別の中間連結部32に連結された場合に、その別の中間連結部32の第2の端部60を受容するよう構成されている。前記第3のセグメント化された半球84は、中間連結部32の1つが、当該中間連結部32に連結され隣接する中間連結部32に対して動く際に、ケーブルの圧迫または束縛を軽減するよう作用することが可能である。同様に、前記第2の連結部30が所与の中間連結部32に連結された場合、その第3のセグメント化された半球84は、前記第2の連結部30がそれに連結された所与の中間連結部32に対し動いたとき、ケーブルが圧迫または束縛されるのを軽減するよう作用可能である。
【0027】
上記の構造により、前記第1の連結部28は、その前記第2の端部36を、前記中間連結部32の前記経路76の前記第1のセグメント化された半球78内に着座させることにより、前記中間連結部32に連結できる。前記第1の連結部28の前記第2の端部36の凸型構成は、全体として、前記中間連結部32の前記経路76の前記第1のセグメント化された半球78の凹型構成に対応するため、前記第1の連結部28は前記中間連結部32に連結でき、その場合、前記第1の連結部28の前記長手方向の軸38と、前記第1の溝46と、前記第2の溝48と、前記第3の溝50とが、前記中間連結部32の前記長手方向の軸62と、前記第1の溝70と、前記第2の溝72と、前記第3の溝74とにそれぞれ位置合わせされる。前記中間連結部32は、その前記長手方向の軸62が、前記第1の連結部28の前記長手方向の軸38に整列していない状態で、前記第1の連結部28に対して動くことができる。種々の実施形態によれば、前記第1の連結部28および前記中間連結部32の構成により、前記中間連結部32は、前記第1の連結部28の前記長手方向の軸38と、前記中間連結部32の前記長手方向の軸62とが、互いに最高約25°の角度をなすよう、当該中間連結部32の連結先である前記第1の連結部28に対して動くことができる。同様に、中間連結部32の1つは、その第2の端部60を別の中間連結部32の経路76の第1のセグメント化された半球78内に着座させることにより、前記別の中間連結部32と連結することができる。前記中間連結部32の前記第2の端部60の凸型構成は、全体として、前記中間連結部32の前記経路76の前記第1のセグメント化された半球78の凹型構成に対応するため、前記中間連結部32同士は連結でき、その場合、当該中間連結部32の前記長手方向の軸62同士、前記第1の溝46同士、前記第2の溝48同士、および前記第3の溝50同士がそれぞれ位置合わせされる。互いに連結された前記中間連結部32同士は、それらの長手方向の軸62が互いに整列していない状態で、相対的に動くことができる。種々の実施形態によれば、連結された前記中間連結部32同士の構成により、中間連結部32の1つは、前記長手方向の軸62同士が互いに最高約25°の角度をなすよう、隣接した連結先である別の中間連結部32に対し動くことができる。
【0028】
図5A〜5Cは、前記第1の機構12の前記第2の連結部30(内部の遠位連結部)の種々の実施形態を例示したものである。この第2の連結部30は、第1の端部86および第2の端部88を含み、図5Bに示すように、前記第2の連結部30には前記第1の端部86の中心および前記第2の端部88の中心を貫通する長手方向の軸90が形成されている。この第2の連結部30は、任意の適切な材料で製作できる。種々の実施形態によれば、この第2の連結部30は、Delrin(登録商標)などの熱可塑性材料で製作される。
【0029】
前記第2の連結部30は、第1の部分92および第2の部分94を有する。前記第1の部分92は近位の部分、また前記第2の部分94は遠位の部分と見なすことができる。前記第1の部分92は、前記第2の部分94と一体的に作製できる。前記第1の部分92は、外側が略円柱形で、当該第2の連結部30の前記第1の端部86から当該第2の連結部30の前記第2の端部88へと延長する。種々の実施形態によれば、前記第2の部分94は、前記第1の部分92に接触する外側は略円柱形を有し、当該第2の連結部30の前記第2の端部88へ向かって先細加工されている。前記第2の部分94の外側は、全体的にセグメント化され円錐形の形態に構成されている。種々の実施形態によれば、当該第2の連結部30の直径は、その第1の端部86において約4.75ミリメートル程度であり、前記第2の部分94の先細部分(taper)は、前記第1の部分92の外側に対し約30°の角度をなしている。当該第2の連結部30の長さは、約5.90ミリメートル程度にできる。ただし当業者であれば、この第2の連結部30の長さまたは直径は用途に基づいて異なってよいことが理解されるものである。
【0030】
また、前記第2の連結部30は、当該第2の連結部30の前記第1の端部86から当該第2の連結部30の前記第2の端部88へと延長する第1の表面96を有する。この第1の表面96は、当該第2の連結部30の外面と見なすことができる。当該第2の連結部30には、前記第1の表面96に沿って前記長手方向の軸90に平行な第1の溝98と、前記第1の表面96に沿って前記長手方向の軸90に平行な第2の溝100と、前記第1の表面96に沿って前記長手方向の軸90に平行な第3の溝102とが形成されている。これら第1の溝98、第2の溝100、第3の溝102は、それぞれ前記第1の表面96に沿って、当該第2の連結部30の前記第1の端部86から当該第2の連結部30の前記第2の端部88へ向かい延在する。これら第1の溝98、第2の溝100、第3の溝102は半管形にでき、図5Cに示すように、当該第2の連結部30の前記第1の表面96に沿って均等に離間できる。種々の実施形態によれば、前記第1の溝98、前記第2の溝100、前記第3の溝102は、セグメント化された円筒形状に構成できる。これら溝98、100、102の各サイズは、互いに同一でも、または互いに異なるものであってもよい。例えば、種々の実施形態によれば、前記第1の溝98および第2の溝100は、当該第2の連結部30の前記第1の端部86で約1.25ミリメートル程度の直径を有する円筒形のセグメントとして構成され、前記第3の溝102は、当該第2の連結部30の前記第1の端部86で約2.50ミリメートル程度の直径を有する円筒形のセグメントとして構成される。これら第1の溝98、第2の溝100、第3の溝102は、それぞれ様々な用具または器具(例えば、アブレーションツール)を受け入れかつその一部取り囲むよう構成され、これらのツールは、当該多関節装置10の前記第1の端部24から当該多関節装置10の前記第2の端部26へと通過する。
【0031】
また、当該第2の連結部30には、図5Bに示すように、前記第1の端部86から前記第2の端部88へ前記長手方向の軸90に沿って延在する経路104が形成されている。この経路104は、その中を少なくとも1つのケーブルが貫通するのに十分なサイズのものである。種々の実施形態によると前記経路104は、その中を張力調整ケーブルが貫通するのに十分なサイズのものである。種々の実施形態によれば、この経路104は、複合的な形状に構成され、この形状は、前記第1の端部86から前記第2の端部88へ延在する第1のセグメント化された半球106と、前記第1のセグメント化された半球106から前記第2の端部88へ延在する第2のセグメント化された半球108と、前記第2のセグメント化された半球108から前記第2の端部88へ延在する円筒形110との組み合わせを有する。種々の実施形態によれば、前記第1のセグメント化された半球106は、約4.75ミリメートル程度の直径を有する球体の一部を表し、前記第2のセグメント化された半球108は、約2.50ミリメートル程度の直径を有する球体の一部を表し、前記円筒形110は、約1.0ミリメートル程度の直径を有する。前記経路104の前記第1のセグメント化された半球106は、中間連結部32が前記第2の連結部30に連結された場合に、前記中間連結部32の第2の端部60を受容するよう構成されている。
【0032】
上記の構造により、中間連結部32は、その前記第2の端部60を、前記第2の連結部30の前記経路104の前記第1のセグメント化された半球106内に着座させることにより、前記第2の連結部30に連結できる。前記中間連結部32の前記第2の端部60の凸型構成は、全体として、前記第2の連結部30の前記経路104の前記第1のセグメント化された半球106の凹型構成に対応するため、前記中間連結部32は前記第2の連結部30に連結でき、その場合、前記中間連結部32の前記長手方向の軸62と、前記第1の溝70と、前記第2の溝72と、前記第3の溝74とが、前記第2の連結部30の前記長手方向の軸90と、前記第1の溝98と、前記第2の溝100と、前記第3の溝102とにそれぞれ位置合わせされる。前記第2の連結部30は、前記長手方向の軸62および90が互いに整列していない状態で、当該第2の連結部30の連結先である前記中間連結部32に対し動かすことができる。種々の実施形態によれば、前記第2の連結部30の構成により、それに連結された中間連結部32は、前記長手方向の軸62および90が互いに最高約25°の角度をなすよう、前記第2の連結部30に対し動くことができる。
【0033】
図6は、前記装置10の前記第2の機構14の種々の実施形態を例示したものである。この第2の機構14は多関節機構であり、第1の端部120および第2の端部122を含む。前記第1の端部120は近端部、また前記第2の端部122は遠端部と見なすことができる。この第2の機構14は、第1の連結部124と、第2の連結部126と、これら第1の連結部124および第2の連結部126の間の任意数の中間連結部128とを有する。前記第1の連結部124は近位の連結部、また前記第2の連結部126は遠位の連結部と見なすことができる。
【0034】
図7A〜7Cは、前記第2の機構14の前記第1の連結部124(外部の近位連結部)の種々の実施形態を例示したものである。この第1の連結部124は、第1の端部130および第2の端部132を含み、図7Bに示すように、当該第1の連結部124には、前記第1の端部130の中心および前記第2の端部132の中心を貫通する長手方向の軸134が形成されている。この第1の連結部124は、任意の適切な材料で製作できる。種々の実施形態によれば、この第1の連結部124は、316ステンレス鋼などのステンレス鋼材料で製作される。外側が略弾丸形であるこの第1の連結部124については、以降より詳しく説明する。
【0035】
前記第1の連結部124は、第1の部分136および第2の部分138を有する。前記第1の部分136は近位の部分、また前記第2の部分138は遠位の部分と見なすことができる。前記第1の部分136は、前記第2の部分138と一体的に作製できる。前記第1の部分136は、外側が円柱形で、当該第1の連結部124の前記第1の端部130から当該第1の連結部124の前記第2の端部132へと延長する。種々の実施形態によれば、この第1の部分136の直径は、約12.70ミリメートル程度であるが、他のサイズも使用可能である。
【0036】
前記第2の部分138は、外側が略円柱形である。この第2の部分138は、外側が円柱形になっている部分で前記第1の部分136に接触し、当該第1の連結部124の前記第2の端部132へ向かって先細加工されている。この第2の部分138は、当該第1の連結部124の前記第2の端部132において、全体として、セグメント化された半球の形態に成形できる。種々の実施形態によれば、この第2の部分138の直径は、前記第1の部分136に接触する位置で、約9.50ミリメートル程度であるが、他のサイズも使用可能である。
【0037】
前記第2の部分138は、第1の表面140を有する。この第1の表面140は、当該第2の部分138の外面と見なすことができる。当該第2の部分138には、前記第1の表面140に沿って第1の溝142が形成され、前記第1の表面140に沿って第2の溝144が画成され、また前記第1の表面140に沿って第3の溝146が形成されている。これら第1の溝142、第2の溝144、第3の溝146は、それぞれ前記長手方向の軸134に対し斜角をなしており、前記第1の表面44に沿って、当該第1の連結部124の前記第2の端部132へと延在する。種々の実施形態によれば、これらの溝142、144、146は、それぞれ前記長手方向の軸134に対し約15°程度の角度で配向される。図7Cに示すように、これら第1の溝142、第2の溝144、第3の溝146は、当該第1の連結部124の前記第1の表面140に沿って均等に離間できる。種々の実施形態によれば、前記第1の溝142、前記第2の溝144、前記第3の溝146は、セグメント化された円筒形状に構成できる。これら溝142、144、146の各サイズは、互いに同一でも、または互いに異なるものであってもよい。例えば種々の実施形態によれば、これら溝142、144、146は、それぞれ直径約3.0ミリメートル程度の円筒形のセグメントとして構成されている。これら第1の溝142、第2の溝144、第3の溝146は、それぞれ種々の用具または器具(例えば、アブレーションツール)を前記多関節装置10内への導入を容易にするよう構成されている。当該第1の連結部124の長さは、約18.5ミリメートル程度であるが、ただし当業者であれば、この第1の連結部124の長さまたは直径は用途に基づき変更が可能であると理解する。
【0038】
また、当該第1の連結部124には、図7Bに示すように、前記第1の端部130から前記第2の端部132へ前記長手方向の軸134に沿って延在する経路148が形成されている。この経路148は、その中を前記第1の機構12が貫通できるようにする上で十分なサイズのものである。種々の実施形態によれば、この経路148は、複合的な形状に構成され、この形状は、当該第1の連結部124の前記第1の端部130から前記第2の端部132へ延在するセグメント化された円錐形150と、前記セグメント化された円錐形150から前記第2の端部132へ延在する円筒形152との組み合わせを有する。種々の実施形態によれば、前記セグメント化された円錐形150の直径は、当該第1の連結部124の前記第1の端部130で約7.0ミリメートル程度であり、前記長手方向の軸134に対し約45°程度の角度で先細加工がなされていてもよい。前記円筒形152の直径は、約5.50ミリメートル程度である。これらは他の寸法も使用可能である。
【0039】
また、当該第1の連結部124には、第1の孔154と、第2の孔156と、第3の孔158とが形成されている(図7Cを参照)。前記第1の孔154は、前記長手方向の軸134に実質的に平行で、前記第1の部分136から前記第2の端部132へと延長し、前記経路148と前記第1の表面140との間に配置されている。前記第2の孔156は、前記長手方向の軸134に実質的に平行で、前記第1の部分136から前記第2の端部132へと延長し、前記経路148と前記第1の表面140との間に配置されている。前記第3の孔158は、前記長手方向の軸134に実質的に平行で、前記第1の部分136から前記第2の端部132へと延長し、前記経路148と前記第1の表面140との間に配置されている。これら第1の孔154、第2の孔156、および第3の孔158は、略円柱形である。種々の実施形態によれば、これらの孔154、156、158は、図7Cに示すように、互いに均等に離間される。これら孔154、156、158の各サイズは、互いに同一でも、または互いに異なるものであってもよい。例えば、種々の実施形態によれば、前記孔154、156、158に伴う各直径は、それぞれ約1.20ミリメートル程度でよい。前記第1の孔154は、ケーブルを受容しかつ取り囲むよう構成されている。前記第2の孔156は、ケーブルを受容しかつ取り囲むよう構成されている。前記第3の孔158は、ケーブルを受容しかつ取り囲むよう構成されている。これら第1の孔154、第2の孔156、および第3の孔158は、これら前記ケーブルが動けるようにするための誘導路として作用する。
【0040】
図8A〜8Cは、前記第2の機構14の前記中間連結部128の1つ(外部の中間連結部)の種々の実施形態を例示したものである。この中間連結部128は、他の前記中間連結部128の代表的なものである。この中間連結部128は、第1の端部160および第2の端部162を含み、図8Bに示すように、当該中間連結部128には前記第1の端部160の中心および前記第2の端部162の中心を貫通する長手方向の軸164が形成されている。この中間連結部128は、任意の適切な材料で製作できる。種々の実施形態によれば、この中間連結部128は、ポリスルホンなどの高分子熱可塑性材料で製作される。外側が略弾丸形であるこの中間連結部128については、以下により詳しく説明する。
【0041】
前記中間連結部128は、第1の部分166および第2の部分168を有する。前記第1の部分166は近位の部分、また前記第2の部分168は遠位の部分と見なすことができる。前記第1の部分166は、前記第2の部分168と一体的に作製できる。前記第1の部分166は、外側が略円柱形で、当該中間連結部128の前記第1の端部160から当該中間連結部128の前記第2の端部162へと延長する。種々の実施形態によれば、前記第2の部分168は、外側が略円柱形になっている部分で前記第1の部分166に接触し、当該中間連結部128の前記第2の端部162へ向かって先細加工されている。前記第2の部分168の外側は、全体として、セグメント化された半球の形態に構成されている。種々の実施形態によれば、当該中間連結部128の直径は、前記第1の端部160において、約9.65ミリメートル程度である。当該中間連結部128の長さは、約8.40ミリメートル程度でよい。ただし当業者であれば、この中間連結部128の寸法は用途に基づき変更が可能であると理解するものである。
【0042】
また、前記中間連結部128は、当該中間連結部128の前記第1の端部160から当該中間連結部128の前記第2の端部162へと延長する第1の表面170と、当該中間連結部128の前記第1の端部160から当該中間連結部128の前記第2の端部162へと延長する第2の表面170とを有する。前記第1の表面170は当該中間連結部128の外面、前記第2の表面172は当該中間連結部128の内面と見なすことができる。当該中間連結部32には、前記第2の表面172に沿って前記長手方向の軸164に平行な第1の溝174と、前記第2の表面172に沿って前記長手方向の軸164に平行な第2の溝176と、前記第2の表面172に沿って前記長手方向の軸164に平行な第3の溝178とが形成されている。これら第1の溝174、第2の溝176、第3の溝178は、それぞれ前記第2の表面172に沿って、当該中間連結部128の前記第2の端部162へと延在する。これら第1の溝174、第2の溝176、第3の溝178は半管形にでき、図8Cに示すように、当該中間連結部128の前記第2の表面172に沿って均等に離間できる。種々の実施形態によれば、前記第1の溝174、前記第2の溝176、前記第3の溝178は、セグメント化された円筒形状に構成できる。これら溝174、176、178の各サイズは、互いに同一でも、または互いに異なるものであってもよい。例えば、種々の実施形態によれば、前記第1の溝174および第2の溝176は、当該中間連結部128の前記第1の端部160で約1.75ミリメートル程度の直径を有する円筒形のセグメントとして構成され、前記第3の溝178は、当該中間連結部128の前記第1の端部160で約2.50ミリメートル程度の直径を有する円筒形のセグメントとして構成される。これら第1の溝174、第2の溝176、第3の溝178は、それぞれ様々な用具または器具(例えば、アブレーションツール)を受容しかつその一部を取り囲むよう構成され、その用具または器具は、当該多関節装置10の前記第1の端部24から当該多関節装置10の前記第2の端部26へと通過する。
【0043】
また、当該中間連結部128には、図8Bに示すように、前記第1の端部160から前記第2の端部162へ前記長手方向の軸164に沿って延在する経路180が形成されている。この経路180は、その中を前記第1の機構12が貫通できるようにする上で十分なサイズのものである。種々の実施形態によれば、この経路180は、複合的な形状に構成され、この形状は、前記中間連結部128の前記第1の端部160から前記第2の端部162へ延在するセグメント化された半球182と、前記セグメント化された半球182から前記第2の端部162へ延在する第1のセグメント化された円錐形184と、前記第1のセグメント化された円錐形184から前記第2の端部162へ延在する円筒形186と、前記円筒形186から前記第2の端部162へ延在する第2のセグメント化された円錐形188との組み合わせを有する。種々の実施形態によれば、前記セグメント化された半球182は、約9.65ミリメートル程度の直径を有する球体のセグメントを表し、前記第1のセグメント化された円錐形184は、前記長手方向の軸164に対し約15°程度の角度で先細加工されており、円筒形186は、約5.50ミリメートル程度の直径を有し、第2のセグメント化された円錐形188は、前記長手方向の軸164に対し約15°程度の角度で先細加工されている。前記経路180の前記セグメント化された半球182は、前記第1の連結部124が当該中間連結部128に連結された場合に、前記第1の連結部124の前記第2の端部132を受容するよう構成されている。同様に、所与の中間連結部128についても、その経路180のセグメント化された半球182は、前記所与の中間連結部128が別の中間連結部128に連結された場合に、その別の中間連結部128の第2の端部162を受容するよう構成されている。
【0044】
また、前記中間連結部128には、第1の孔190と、第2の孔192と、第3の孔194とが形成されている(図8Cを参照)。前記第1の孔190は、前記長手方向の軸164に実質的に平行で、前記第1の部分166から前記第2の端部162へと延長し、前記経路180と前記第1の表面170との間に配置されている。前記第2の孔192は、前記長手方向の軸164に実質的に平行で、前記第1の部分166から前記第2の端部162へと延長し、前記経路180と前記第1の表面170との間に配置されている。前記第3の孔194は、前記長手方向の軸164に実質的に平行で、前記第1の部分166から前記第2の端部162へと延長し、前記経路180と前記第1の表面170との間に配置されている。これら第1の孔190、第2の孔192、および第3の孔194は、略円柱形である。種々の実施形態によれば、これらの孔190、192、194は、互いに均等に離間される。これら孔190、192、194の各サイズは、互いに同一でも、または互いに異なるものでもよい。例えば、種々の実施形態によれば、前記孔190、192、194に伴う各直径は、それぞれ約1.25ミリメートル程度でよい。前記第1の孔190は、ケーブルを受容しかつ取り囲むよう構成されている。前記第2の孔192は、ケーブルを受容しかつ取り囲むよう構成されている。前記第3の孔194は、ケーブルを受容しかつ取り囲むよう構成されている。これら第1の孔190、第2の孔192、および第3の孔194は、これら前記ケーブルが動けるようにするための誘導路として作用する。
【0045】
また前記中間連結部128は、図8Cに示すように、前記第2の部分168に伴う先細部分と、前記第1の溝174、前記第2の溝176、前記第3の溝178の構成および配向との組み合わせが一部理由となり、前記第2の端部162において、第1の凹陥部(インデント)196、第2の凹陥部198、および第3の凹陥部200が形成されている。これら第1の凹陥部196、第2の凹陥部198、第3の凹陥部200は、図8Cに示すように、当該中間連結部128の前記第2の端部162に沿って均等に離間できる。これら第1の凹陥部196、第2の凹陥部198、第3の凹陥部200は、当該第2の機構14の前記中間連結部128の1つが、それに連結された別の中間連結部128に対し動かされた場合に、種々の用具または器具(例えば、アブレーションツール)が圧迫または束縛されるのを軽減するよう作用可能である。
【0046】
また前記中間連結部128には、前記第2の部分168に伴う先細部分と、前記第1の孔190、前記第2の孔192、前記第3の孔194の構成および配向との組み合わせにより、前記第2の端部162において、第4の凹陥部202、第5の凹陥部204、および第6の凹陥部206が形成されている。これら第4の凹陥部202、第5の凹陥部204、および第6の凹陥部206は、図8Cに示すように、当該中間連結部128の前記第2の端部162に沿って均等に離間でき、前記第1の凹陥部196、前記第2の凹陥部198、および前記第3の凹陥部200からも均等に離間できる。これら第4の凹陥部202、第5の凹陥部204、および第6の凹陥部206は、当該第2の機構14の前記中間連結部128の1つが、それに連結された別の中間連結部128に対し動かされた場合に、ケーブルが圧迫または束縛されるのを軽減するよう作用することができる。
【0047】
種々の実施形態によれば、中間連結部128には、その前記第2の表面172から若しくは前記溝174、176、178の1つから、前記第1の表面170へ延在する開口部(図示せず)も形成可能である。前記中間連結部128は、このような開口部を任意数有することができ、任意数の前記中間連結部128が、このような開口部を有することができる。図2および図4を参照すると、前記開口部は、当該多関節装置10の前記第1の端部24から当該多関節装置10の前記第2の端部26まで通過する用具または器具の出口点として利用できる。そのような実施形態の場合、各前記中間連結部128は、当該第2の機構14の第2の連結部126に近接して配置できる。前記開口部は、前記中間連結部128の前記長手方向の軸134に対し、任意の角度に配向できる。前記第1の機構12を前記第2の機構14から取り出して、当該第2の機構14の前記第1の端部120から当該第2の機構14の前記第2の端部122へ比較的大きな用具または器具を前進させる場合、第2の用具または器具(例えば、光ファイバーケーブル)には、当該第2の機構14の前記第2の端部122を貫通するだけの十分な空間が残されていないおそれがある。そのような場合は、前記中間連結部128の1つの開口部から、前記第2の用具または器具を出すことができる。
【0048】
上記の構造により、前記第1の連結部124は、その前記第2の端部132を、前記中間連結部128の前記経路180の前記セグメント化された半球182内に着座させることにより、前記中間連結部128に連結できる。前記第1の連結部124の前記第2の端部132の凸型構成は、全体として、前記中間連結部128の前記経路180の前記セグメント化された半球182の凹型構成に対応するため、前記第1の連結部124は前記中間連結部128に連結でき、その場合、前記第1の連結部124の前記長手方向の軸134と、前記第1の溝142と、前記第2の溝144と、前記第3の溝146と、前記第1の孔154と、前記第2の孔156と、前記第3の孔158とが、前記中間連結部128の前記長手方向の軸164と、前記第1の溝174と、前記第2の溝176と、前記第3の溝178と、前記第1の孔190と、前記第2の孔192と、前記第3の孔194とにそれぞれ位置合わせされる。前記中間連結部128は、その前記長手方向の軸164が、前記第1の連結部124の前記長手方向の軸134に整列していない状態で、前記第1の連結部124に対して動くことができる。種々の実施形態によれば、前記第1の連結部124および前記中間連結部128の構成により、前記中間連結部128は、前記第1の連結部124の前記長手方向の軸134と、前記中間連結部128の前記長手方向の軸164とが、互いに最高約10°の角度をなすよう、当該中間連結部128の連結先である前記第1の連結部124に対して動くことができる。同様に、中間連結部128の1つは、その第2の端部162を別の中間連結部128の経路180のセグメント化された半球182内に着座させることにより、前記別の中間連結部128と連結することができる。前記中間連結部128の前記第2の端部162の凸型構成は、全体として、前記中間連結部128の前記経路180の前記セグメント化された半球182の凹型構成に対応するため、前記中間連結部128同士は連結でき、その場合、当該中間連結部128の前記長手方向の軸164同士、前記第1の溝174同士、前記第2の溝176同士、前記第3の溝178同士、前記第1の孔190同士、前記第2の孔192同士、および前記第3の孔194同士がそれぞれ位置合わせされる。互いに連結された前記中間連結部128同士は、それらの長手方向の軸164が互いに整列していない状態で、相対的に動くことができる。種々の実施形態によれば、連結された前記中間連結部128同士の構成により、中間連結部128の1つは、前記長手方向の軸164同士が互いに最高約10°の角度をなすよう、当該中間連結部128の連結先である別の中間連結部128に対し動くことができる。
【0049】
図9A〜9Cは、前記第2の機構14の前記第2の連結部126(外部の遠位連結部)の種々の実施形態を例示したものである。この第2の連結部126は、第1の端部208および第2の端部210を含み、図9Cに示すように、当該第2の連結部126には、前記第1の端部208の中心および前記第2の端部210の中心を貫通する長手方向の軸212が形成されている。この第2の連結部126は、任意の適切な材料で製作できる。種々の実施形態によれば、この第2の連結部126は、Delrin(登録商標)などの熱可塑性材料で製作される。
【0050】
前記第2の連結部126は、第1の部分214および第2の部分216を有する。前記第1の部分214は近位の部分、また前記第2の部分216は遠位の部分と見なすことができる。前記第1の部分214は、前記第2の部分216と一体的に作製できる。前記第1の部分214は、外側が略円柱形で、当該第2の連結部126の前記第1の端部208から当該第2の連結部126の前記第2の端部210へと延長する。種々の実施形態によれば、この第1の部分214の直径は、約4.80ミリメートル程度である。
【0051】
種々の実施形態によれば、前記第2の部分216は、外側が略円柱形である部分で前記第1の部分214に接触し、当該第2の連結部126の前記第2の端部210へ向かって先細加工されている。前記第2の部分216の外側は、セグメント化された円錐形の形態に構成されている。種々の実施形態によれば、前記第2の部分216の外側は、当該第2の連結部126の前記第1の部分214から前記第2の端部210へ向かって、前記第1の部分214の外側に対し約20°程度の角度で先細加工されている。当該第2の連結部126の長さは、約15ミリメートル程度にできる。ただし当業者であれば、この第2の連結部126の長さは用途に基き変更が可能であることを理解するものである。
【0052】
また、前記第2の連結部126は、当該第2の連結部126の前記第1の端部208から当該第2の連結部126の前記第2の端部210へと延長する第1の表面218と、当該第2の連結部126の前記第1の端部208から当該第2の連結部126の前記第2の端部210へと延長する第2の表面220とを有する。前記第1の表面218は当該第2の連結部126の外面、前記第2の表面220は当該第2の連結部126の内面と見なすことができる。
【0053】
また、前記第2の連結部126には、第1のポート222と、第2のポート224と、第3のポート226とが形成されている(図9Bを参照)。前記第1のポート222は、前記第2の表面220から前記第1の表面218へ延在し、前記長手方向の軸212に実質的に平行である。前記第2のポート224は、前記第2の表面220から前記第1の表面218へ延在し、前記長手方向の軸212に実質的に平行である。前記第3のポート226は、前記第2の表面220から前記第1の表面218へ延在し、前記長手方向の軸212に実質的に平行である。これら第1のポート222、第2のポート224、第3のポート226は円柱形にでき、図9Dに示すように、当該第2の連結部126の前記長手方向の軸212の周りで均等に離間できる。これらポート222、224、226の各サイズは、互いに同一でも、または互いに異なるものであってもよい。例えば、種々の実施形態によれば、前記第1のポート222および第2のポート224は、約1.50ミリメートル程度の直径を有する円筒形のセグメントとして構成され、前記第3のポート226は、約2.50ミリメートル程度の直径を有する円筒形として構成される。その他の寸法も使用可能である。これら第1のポート222、第2のポート224、第3のポート226は、それぞれ様々な用具または器具(例えば、アブレーションツール)を受容しかつ取り囲むよう構成され、その用具または器具は、当該多関節装置10の前記第1の端部24から当該多関節装置10の前記第2の端部26へと通過する。
【0054】
また、前記第2の連結部126には、第1の孔228と、第2の孔230と、第3の孔232とが形成されている(図9Bを参照)。前記第1の孔228は、前記第2の表面220から前記第1の表面218へ延在し、前記長手方向の軸212に実質的に平行である。前記第2の孔230は、前記第2の表面220から前記第1の表面218へ延在し、前記長手方向の軸212に実質的に平行である。前記第3の孔232は、前記第2の表面220から前記第1の表面218へ延在し、前記長手方向の軸212に実質的に平行である。これら第1の孔228、第2の孔230、および第3の孔232は、略円柱形である。種々の実施形態によれば、これらの孔228、230、232は、図9Dに示すように、互いに均等に離間される。これら孔228、230、232の各サイズは、互いに同一でも、または互いに異なるものであってもよい。例えば、種々の実施形態によれば、前記孔228、230、232に伴う各直径は、それぞれ約1.25ミリメートル程度でよい。前記第1の孔228は、ケーブルを受容しかつ取り囲むよう構成されている。前記第2の孔230は、ケーブルを受容しかつ取り囲むよう構成されている。前記第3の孔232は、ケーブルを受容しかつ取り囲むよう構成されている。
【0055】
また、当該第2の連結部126には、図9Cに示すように、前記第1の端部208から前記第2の端部210へ前記長手方向の軸212に沿って延在する凹部234が形成されている。種々の実施形態によれば、前記凹部234は、複合的な形状に構成され、この形状は、当該第2の連結部126の前記第1の端部208から前記第2の端部210へ延在する第1のセグメント化された半球236と、前記第1のセグメント化された半球236から前記第2の端部210へ延在する第2のセグメント化された半球238との組み合わせを有する。種々の実施形態によれば、前記第1のセグメント化された半球236は、約9.50ミリメートル程度の直径を有する球体の一部を表し、前記第2のセグメント化された半球238は、約7.0ミリメートル程度の直径を有する球体の一部を表す。前記凹部234の前記第1のセグメント化された半球236は、中間連結部128が前記第2の連結部126に連結された場合に、前記中間連結部128の第2の端部162を受容するよう構成されている。
【0056】
上述の構造により、中間連結部128は、その前記第2の端部162を前記第2の連結部126の前記凹部234の前記第1のセグメント化された半球236内に着座させることによって前記第2の連結部126に連結する。前記中間連結部128の前記第2の端部162の凸型構成は、前記第2の連結部126の前記凹部234の前記第1のセグメント化された半球236の凹型構成にほぼ対応するため、前記中間連結部128は前記第2の連結部126に連結でき、その場合、前記中間連結部128の前記長手方向の軸164と、前記第1の溝174と、前記第2の溝176と、前記第3の溝178と、前記第1の孔190と、前記第2の孔192と、前記第3の孔194とが、前記第2の連結部126の前記長手方向の軸212と、前記第1のポート222と、前記第2のポート224と、前記第3のポート226と、前記第1の孔228と、前記第2の孔230と、前記第3の孔232とにそれぞれ位置合わせされる。前記第2の連結部126は、前記長手方向の軸164および212が互いに整列していない状態で、当該第2の連結部30の連結先である前記中間連結部128に対し動かすことができる。種々の実施形態によれば、前記第2の連結部126の構成により、連結された中間連結部128は、前記長手方向の軸164および212が互いに最高約10°の角度をなすよう、前記第2の連結部126に対し移動可能である。
【0057】
前記第1の機構12を前記第2の機構14に挿入すると、前記第1の機構12の前記中間連結部32の前記第1の溝70と、前記第2の溝72と、前記第3の溝74とは、前記第2の機構14の前記中間連結部128の前記第1の溝174と、前記第2の溝176と、前記第3の溝178とに実質的に位置合わせ可能となり、前記第1の機構12の前記第2の連結部30の前記長手方向の軸90と、前記第1の溝98と、前記第2の溝100とは、前記第2の機構14の前記第2の連結部126の前記第1のポート222と、前記第2のポート224と、前記第3のポート226とに実質的に位置合わせ可能となる。前記第1の機構12の前記中間連結部32の前記第1の溝70が、前記第2の機構14の前記中間連結部128の前記第1の溝174に位置合わせされて組み合わさることにより、前記第1の溝70および174は、集合的に、前記第2の機構14の前記第2の連結部126の前記第1のポート222に実質的に位置合わせされた第1の作業ポートとして作用することができる。前記第1の溝70は前記第1の作業ポートの内側部分、前記第1の溝174は前記第1の作業ポートの外側部分と見なすことができる。
【0058】
同様に、前記第1の機構12の前記中間連結部32の前記第2の溝72が、前記第2の機構14の前記中間連結部128の前記第2の溝176に位置合わせされて組み合わさることにより、前記第2の溝72および176は、集合的に、前記第2の機構14の前記第2の連結部126の前記第2のポート224に実質的に位置合わせされた第2の作業ポートとして作用することができ、前記第1の機構12の前記中間連結部32の前記第3の溝74が、前記第2の機構14の前記中間連結部128の前記第3の溝178に位置合わせされて組み合わさることにより、前記第3の溝74および178は、集合的に、前記第2の機構14の前記第2の連結部126の前記第3のポート226に実質的に位置合わせされた第3の作業ポートとして作用することができる。前記第2の溝72は前記第2の作業ポートの内側部分、前記第2の溝176は前記第2の作業ポートの外側部分と見なすことができる。前記第3の溝74は前記第3の作業ポートの内側部分、前記第3の溝178は前記第3の作業ポートの外側部分と見なすことができる。前記第1の作業ポート、前記第2の作業ポート、前記第3の作業ポートの各々を利用すると、当該多関節装置10の前記第1の端部24から当該多関節装置10の前記第2の端部26へ、種々の用具または器具(例えば、アブレーションツール)を通過させることができる。上記の例示的なサイズの場合、前記第3の作業ポートは、前記第1の作業ポートおよび第2の作業ポートより大きい。そのため、前記第3の作業ポートは、前記第1の作業ポートまたは第2の作業ポートを通過させるには大きすぎる特定の用具または器具を通過させる上で利用できる。
【0059】
各前記中間連結部32および128の各前記溝70、72、74、174、176、178が位置合わせされて、集合的に前記種々の用具または器具を取り囲んだ場合、前記溝70、72、74、174、176、178と、前記種々の用具または器具とを組み合わせたものは、前記第1の機構12および前記第2の機構14の相対的な回転を制限し若しくは防ぐよう作用することができる。
【0060】
前記第2の機構14の前記中間連結部128の前記経路180の直径は、前記第1の機構12のいずれの部分の直径よりも大きいため、当該第1の機構12が当該第2の機構14に受容されると(図1Bを参照)、当該第1の機構12と当該第2の機構14との間には3次元の空間240が存在する。種々の実施形態によれば、この空間240を利用すると、配線、用具、器具などを、当該多関節装置10の前記第1の端部24から当該多関節装置10の前記第2の端部26まで通過させることができる。
【0061】
種々の実施形態によれば、1若しくはそれ以上のステアリングケーブルは適切な任意の材料から製作できる。例えば、種々の実施形態によれば、前記ステアリングケーブルは、Spectra(登録商標)などのポリエチレンファイバーケーブルで製作してよい。前記ステアリングケーブルを利用し当該多関節装置10の動きを制御することができる。例えば、前記ステアリングケーブルのそれぞれに実質的に等しい張力を与えると、前記連結部28、30、32、124、126、128の各々の前記長手方向の軸38、62、90、134、164、212がすべて整列する方向に、前記第1の機構12および/または前記第2の機構14を操作することができる。1若しくはそれ以上の前記ステアリングケーブルに異なる張力を与えると、前記連結部28、30、32、124、126、128の各々の前記長手方向の軸38、62、90、134、164、212がまったく整列し合わない方向に、前記第1の機構12および/または前記第2の機構14を操作することができる。また、前記ケーブル16、18、20を利用すると、前記第2の相機構14の対的な状態を制御することもできる。例えば、前記ステアリングケーブルに均一な張力を与えると、前記第2の機構14は「剛性の」(rigid)状態となることが可能であり、当該ステアリングケーブルへの張力を緩めると、前記第2の機構14は「柔軟な」(limp)状態になる。種々の実施形態によれば、1若しくはそれ以上の前記ステアリングケーブルは、前記第2の機構14の前記第1の連結部124の前記第1の端部130に、例えば各々のストッパーノットにより、各々の滑車(図示せず)に取り付けることができる。前記ステアリングケーブルは、例えば各々のストッパーノットにより、前記第2の機構14の前記第2の連結部126の前記第2の端部132に取り付けることができる。当業者であれば、他の実施形態に従って、前記第1の機構12および/または前記第2の機構14にねじり力をかけることにより、または当該技術分野で公知の他の任意態様により、上記の「剛性の」状態および「柔軟な」状態を達成できることが理解されるものである。
【0062】
種々の実施形態によれば、1若しくはそれ以上の張力調整ケーブルは適切な任意の材料から製作できる。例えば種々の実施形態によれば、前記張力調整ケーブルはSpectra(登録商標)などのポリエチレンファイバーケーブルで製作することが可能である。前記張力調整ケーブルを利用し、前記第1の機構12の相対的な状態を制御することができる。例えば、前記張力調整ケーブルを強く引くと、前記第1の機構12は「剛性の」状態になり、この張力調整ケーブルを弛緩させると、前記第1の機構12は「柔軟な」状態になることができる。種々の実施形態によれば、この張力調整ケーブルは、前記第1の機構12の前記第1の連結部28の前記第1の端部34で、例えばストッパーノットにより、滑車(図示せず)に取り付けることができる。この張力調整ケーブルは、例えばストッパーノットにより、前記第1の機構12の前記第2の連結部30の前記第2の端部88に取り付けることができる。
【0063】
図10は、当該操作可能な多関節装置10の動きのシーケンスの種々の実施形態を例示したものである。このシーケンスの開始時には、図10の工程「a」で示すように、前記第2の機構14が前記第1の機構12を取り囲み、前記第1の機構12の前記連結部28、30、32の各々の前記長手方向の軸38、62、90が、前記第2の機構14の前記連結部124、126、128の各々の前記長手方向の軸134、164、212と実質的に整列し、前記第1の機構12の前記第2の端部26が、前記第2の機構14の前記第2の端部122と実質的に同じ位置にある。前記張力調整ケーブルを強く引くと当該第1の機構12は剛性モードになっている。前記ステアリングケーブルを強く引かないことによって前記第2の機構14は柔軟モードになっている。
【0064】
次に、前記第2の機構14が前方に動かされることにより、その第2の連結部126が、図10の工程「b」に示すように、前記第1の機構12の前記第2の端部24より連結部約1つ分だけ前方に位置付けられる。前記ケーブル16、18、20を利用すると、前記第2の連結部126を特定の配向にでき、その場合、前記第1の連結部124の前記長手方向の軸134は、もはや前記第2の機構14の前記中間連結部128の前記長手方向の軸164にも前記第1の機構12の前記第2の連結部30の前記長手方向の軸90にも整列していない。前記第2の連結部126が望ましい位置および配向になったのち、前記第2の機構14を剛性モードにしてその位置および配向を維持するよう、前記ステアリングケーブルが同一の力で引張られる。
【0065】
次いで、前記張力調整ケーブルを引く力が解除されると、前記第1の機構12が柔軟モードになる。この第1の機構12は、柔軟モードになった後、図10の工程「c」に示すように、この第1の機構12の前記第2の連結部30が、前記第1の機構14の第2の連結部122と実質的に同じ位置になるよう、前方に動かされる。前記第1の機構12の前記第2の連結部30が望ましい位置および配向になったのち、前記張力調整ケーブルが強く引かれ前記第1の機構12が再び剛性モードになることで、前記第1の機構12の位置および配向が保たれる。
【0066】
次に、前記ステアリングケーブルを引く力が解除されると、前記第2の機構14が再び柔軟モードになる。再び柔軟モードになった前記第2の機構14が前方に動かされ、これにより、当該第2の機構14の第2の連結部126は、図10の工程「d」に示すように、前記第1の機構12の前記第2の端部26より連結部約1つ分だけ前方に位置付けられる。前記第2の連結部126が望ましい位置および配向になると、前記第2の機構14を剛性モードにしてその位置および配向を維持するよう、前記ステアリングケーブルが同一の力で引張られる。
【0067】
次いで、前記張力調整ケーブルを引く力が解除されると、前記第1の機構12が再び柔軟モードになる。この第1の機構12は、再び柔軟モードになった後、図10の工程「e」に示すように、この第1の機構12の前記第2の連結部30が、再び前記第1の機構14の第2の連結部122と実質的に同じ位置になるよう、前方に動かされる。前記第1の機構12の前記第2の連結部30が望ましい位置および配向になったのち、前記張力調整ケーブルが強く引かれて前記第1の機構12が再び剛性モードになることで、前記第1の機構12の位置および配向が保たれる。上記の全般的な動きのシーケンスは、任意の回数繰り返すことができ、前記第2の機構14の前記第2の連結部126は、任意の方向に任意の配向で前進できる。当業者であれば、当該多関節装置10を使うと、任意数の動きのシーケンスを利用できることが理解されるであろう。例えば、種々の実施形態によれば、前記第2の機構14は、任意数の連結部を前記第1の機構12より前方へ動かすことができる。
【0068】
上記の例示的サイズは、全般的に相対的なものであり、当業者であれば、前記多関節装置10が拡大(スケールアップ)または縮小(スケールダウン)可能であることが理解されるであろう。例えば、上述した実施形態の場合、当該多関節装置10の前記中間連結部128の最大部における直径は約9.65ミリメートル程度であるが、当業者であれば、他の実施形態では、当該多関節装置10の前記中間連結部128の最大部における直径が約1.0ミリメートル程度になるよう、前記中間連結部128をスケールダウンできることが理解されるであろう。そのような実施形態では、当該多関節装置10の他の構成要素も、それぞれ比例的にスケールダウンされることになる。
【0069】
前記第1の機構12を有する各前記連結部28、30、32の独特の構成と、前記第2の機構14を有する各前記連結部124、126、128の独特の構成との組み合わせにより、比較的小さい半径を有する円周により形成される経路を移動する能力が、前記多関節装置10にもたらされる。例えば、上記の例示的サイズの場合、当該多関節装置10は、約45ミリメートル程度の半径を有する円周により形成される経路を移動することができる。そのような小さい曲率でナビゲートする当該多関節装置10の例は、図11に示される。当該多関節装置10の前記中間連結部128の最大部が(例えば、外径で測定した場合に)約1.0ミリメートル程度であるような実施形態では、当該多関節装置10は、45ミリメートルより著しく小さい半径を有する円周により形成される経路を移動することができる。外径寸法の軽減とは独立してより小さな曲率半径を達成することも可能である。例えば、一定の外径を維持する一方、長手方向の寸法を変更し(例えば、中間連結部の長さ)前記半径曲率を下げることが可能である。当業者であれば、そのような小さい曲率をナビゲートする能力により、当該多関節装置10は、管腔空間および腔内空間(空洞内空間)の双方におけるいくつかの異なる低侵襲的処置での使用に適していることが理解されるであろう。
【0070】
一実施形態では、操作可能な多関節装置に、球形遠位アセンブリを含めることができる。このアセンブリには少なくとも2つの構成要素が含まれ、これらは通常、遠位連結カップおよび球体である。前記球体は、前記遠位連結カップとは別個の構成要素で、前記多関節装置とは別個の制御システムに接続される。この別個の制御システムには、補助作動ケーブルのセットのほか、追加制御要素が含まれる。前記補助作動ケーブルは、前記球体だけでなく前記追加制御要素にも接続でき、前記追加制御要素は前記補助作動ケーブルの長さを変え、結果的に前記球体の動きを変える。前記別個の制御システムは、上記のようにフィーダー内または前記多関節装置内に設置することができる。
【0071】
前記球体は、(遠位連結カップを原点とし、Z軸が順方向すなわち当該遠位連結カップの長手方向軸に向かい、X軸およびY軸が前記Z軸に垂直な3次元座標系の)X方向およびY方向の平行移動について、前記遠位連結カップの形状により運動学的に制約されており、前記補助作動ケーブルによりZ方向に制約されている。また、前記球体は、前記遠位連結カップの長手方向軸(Z軸)の周りの回転についても前記補助作動ケーブルにより制約されているが、前記Z軸に直交した前記2軸の周りの回転は可能である。
【0072】
前記球形遠位アセンブリを含めることにより、前記多関節装置の遠端部の動きの範囲が拡大する。ただし、前記球体を前記多関節装置に接続する必要はないので注意することが重要である。前記補助作動ケーブルにかかる張力は、前記遠位連結カップ内の前記球体を運動学的に制約することにより、前記遠位連結アセンブリを形成する。遠位連結カップを伴った操作可能な多関節装置は、通常、前記球体なしでも機能できるが、前記球体は、前記遠位連結カップおよび補助作動ケーブルなしでは機能しない。以下、前記球形遠位アセンブリについて、図12〜14を参照してさらに詳しく説明する。
【0073】
図12は、多関節装置1200の例示的な実施形態を例示したものである。上記に表した実施形態(例えば、図2に例示した実施形態)と同様、多関節装置1200は、近位連結部1202および一連の中間連結部1204を有する。装置1200は、球形遠位連結カップ1206および球形連結部1208も有し、これらが合わせて前記球形遠位アセンブリを形成する。図12に示すように、前記装置1200の球形連結部は、球形連結部1208に取り付けた装置(例えば、カメラ)または当該多関節装置の前記ポートの1つを貫通する装置(例えば、アブレーションカテーテル)の向きを変える上で、前記中間連結部および前記遠位連結カップの相対運動より著しく広い範囲の動きを有する(矢印1210および1212で表す)。代替実施形態において、この球形連結部は、前記中間連結部および前記遠位連結カップの動きと同様な、またはそれより狭い範囲の動きを有することができる。
【0074】
装置1200の動きは、上述した装置12の動きと同様である。何本かのステアリングケーブル(この例では、3本のステアリングケーブル)は、各連結部に開けられた孔を貫通して前記球形遠位連結カップ1206へ方向付けられ、そこで終端する。上記と同様、各ステアリングケーブルの長さを変える(例えば、各ケーブルにかかる張力を変えて、その長さを変える)ことにより、装置1200の前記遠位連結部を特定の方向へ向けることができる。球形連結部1208の制御は、付加的な補助作動ケーブルセットにより行われる。これらの補助作動ケーブルは、前記ステアリングケーブルと同じ穴のセット、または各連結部に開けられた別個の穴のセットにより方向付けることができ、球形連結部1208上で終端する。装置1200の各連結部(すなわち、近位、中間、および球形遠位アセンブリ)とそれに伴うケーブル孔およびケーブル終端部については、図13A〜14を参照してさらに詳しく説明する。
【0075】
図13Aは、近位連結部1202の複数の図、すなわち断面図および等角図を例示したものである。近位連結部1202は、上述し、また図7A〜7Cに例示した近位連結部124と同様に機能する。近位連結部1202が連結部124と異なる点は、前記ケーブルを受容する6つの孔、例えば前記3本のステアリングケーブルを受容する孔1302、1304、および1306と、前記補助作動ケーブルを受容する孔1308、1310、および1312とを含むことである。ただし、この構成配置は、単に例として示したものであることを理解すべきである。連結部の完全性を保ちながら前記ケーブルを保護する孔の構成であれば、いかなるものも使用でき、例えば孔を合計3つとし、各孔が別個のケーブルを2本受容し、そのうち1本のケーブルは前記多関節装置のステアリング用で、1本は補助作動ケーブルにしてもよく、例えば図7Cに例示した構成配置で近位連結部124が3つの孔154、156、および158を有するようにしてもよい。ただし、この構成配置を使うと、2セットのケーブル間に摩擦が生じるため、各ケーブルにコーティングを施して摩擦による当該ケーブルの損傷を防ぐことが必要になる可能性がある。同様に、各ケーブルは、孔内でのケーブル共有により生じる摩擦を制限するよう、低摩擦シースに収容することができる。種々の実施形態によれば、近位連結部1202は、例えばDelrin(登録商標)などの熱可塑性材料、あるいはアルミニウムまたはステンレス鋼など任意の適切な金属で製作される。
【0076】
図13Bは、中間連結部1204の複数の図、すなわち断面図および等角図を例示したものである。中間連結部1204は、上述し、また図8A〜8Cに例示した中間連結部128と同様に機能する。中間連結部1204が連結部128と異なる点は、前記ケーブルを受容する6つの孔、例えば前記3本のステアリングケーブルを受容する孔1322、1324、および1326と、前記補助作動ケーブルを受容する孔1328、1330、および1332とを含むことである。ただし、この構成配置は、単に例として示したものであることを理解すべきである。連結部の完全性を保ちながら前記ケーブルを保護する孔の構成であれば、いかなるものも使用でき、例えば孔を合計3つとし、各孔が別個のケーブルを2本受容し、そのうち1本のケーブルは前記多関節装置のステアリング用で、1本は補助作動ケーブルにしてもよく、例えば図7Cに例示した構成配置で近位連結部128が3つの孔190、192、および194を有するようにしてもよい。ただし、この構成配置を使うと、2セットのケーブル間に摩擦が生じるため、各ケーブルにコーティングを施して摩擦による当該ケーブルの損傷を防ぐことが必要になる可能性がある。同様に、各ケーブルは、孔内でのケーブル共有により生じる摩擦を制限するよう、低摩擦シースに収容することができる。種々の実施形態によれば、この中間連結部1204は、例えばDelrin(登録商標)などの熱可塑性材料、またはポリスルホンで製作される。
【0077】
図13Cは、球形遠位連結カップ1206の複数の図、すなわち断面図および等角図を例示したものである。球形遠位連結カップ1206は、前記多関節装置ステアリングケーブルの終端点である。多関節装置ケーブルは、孔1342、1344、および1346に受容される。前記多関節ステアリングケーブルの終端部には、当該ケーブルの終端部が前記孔の開口部より大きくなるよう結び目が作られる。同様に、ケーブルを機械的にクランプまたはスプライシング(接続)するなど付加的な終端技術を使用することもできる。球形遠位連結カップ1206において一度ケーブルを終端させると、前記多関節装置ステアリングケーブルのいかなる長さ変更も、当該球形遠位連結カップ1206に直接伝わって、前記球形遠位アセンブリの配向(向き)が変更される。図13Cに例示した球形遠位カップの例では、3つの別個の孔1348、1350、および1352が前記補助作動ケーブルとして提供されている。ただし、近位連結部1202および中間連結部1204と同様、補助作動ケーブルは、多関節装置ステアリングケーブルと孔を共有する可能性がある。図14は、球形遠位カップ1206の例を示したもので、この場合3つの孔1402、1404、および1406が提供されており、各孔はステアリングケーブルおよび補助作動ケーブルの双方を受容する。
【0078】
また、球形遠位連結カップ1206は、3つの凹面(例えば、図13Cの1360、1362、および1364)を有する。これらの凹面は、前記の球形連結部の半径と同様な半径を有することにより、前記球形連結部との適切な嵌合を確実にできる。種々の実施形態によれば、球形遠位連結カップ1206は、例えばDelrin(登録商標)などの熱可塑性材料、あるいはアルミニウムまたはステンレス鋼など任意の適切な金属で製作される。
【0079】
図13Dは、球形連結部1208の複数の図、すなわち断面図および等角図を例示したものである。球形連結部1208は、上述の遠位連結部30と同様に機能する。遠位連結部30同様、開口部1370には装置(例えば、カメラ)を取り付けられるが、前記補助作動ケーブルの制御および終端位置の態様により、球形連結部1208は、取り付けられた装置に遠位連結部30より広い範囲の動きをもたらす。また、作業ポート1372、1374、および/または1376の1つには医療器具(例えば、アブレーションカテーテル)を取り付けることができる。
【0080】
各前記補助作動ケーブルは、孔1380、1382、および1384を通過し、球形連結部1208で終端する。各ケーブルは球形連結部1208の外側に沿って配線され、孔の中へ送られる。次いで、前記補助作動ケーブルが球形連結部1208の内面、例えば内面1390上で反応するよう、球形連結部1208の内側で前記ケーブルに結び目が作られ、または終端処理が行われる。前記補助作動ケーブルが取り付けられた球形連結部1208は、球形遠位連結カップ1206内に嵌装されて、前記球形遠位アセンブリを形成する。前記補助作動ケーブルの1つに張力をかけると当該補助作動ケーブルの長さが変わり、これに伴って球形連結部1208が回転する。この構成において、球形連結部1208は前記多関節装置に取り付けられておらず、むしろ球形遠位カップ1206内に運動学的に制約され、前記補助作動ケーブルにより定位置に保持されている。
【0081】
種々の実施形態によれば、球形連結部1208は、球形遠位連結カップ1206の製作に使用される材料のタイプとは一致しない材料で製作される。例えば、球形遠位連結カップ1206が熱可塑性物質、例えばDelrin(登録商標)で製作される場合、球形連結部1208は、ステンレス鋼または他の適切な金属などの金属で製作できる。球形遠位連結カップ1206および球形連結部1208を一致しない材料で製作することにより、これら2つの間の摩擦が軽減される。ただし、一致しない材料は必須ではなく、また一部の用途(例えば、精密手術用途)ではより大きな摩擦が望まれることに注意すべきである。
【0082】
図15は、一実施形態に係る装置の例示的な側面図を示した図である。図15で例示するように、この装置には、単一の自由度で回転するよう構成された回転連結部を含めることができる。装置1500は、インターベンション用または経皮的なカテーテル装置などのカテーテルであってよい。装置1500には、柔軟な(可撓性の)カテーテルシャフト1510、例えば生体適合性エラストマーあるいはシリコンまたはポリウレタンなど他のプラスチックで作製されたシャフトを含めることができる。ハンドル1540は、シャフト1510の近端部に設置でき、制御部、ノブ1541、および/または標準的なルアーロックアクセスポート1542を含んでよい。ポート1542は、1若しくはそれ以上の用具(ツール)をポート1542に挿通し、またシャフト1510の1若しくはそれ以上の作業チャネルに挿通できるよう構成することができ、前記経路については図示していないが、上記で詳述している。図15Aは、一実施形態に係る装置1500の例示的な遠端部を示した図である。枢動アセンブリ1520は、例えば接着接合部を介してシャフト1510の遠端部に取り付けることができる。枢動アセンブリ1520または他のシャフト1510用の適合連結部を取り付ける際は、多数の取り付け形態を利用することができる。例えば、1若しくはそれ以上のネジ山、スナップ式継手、係止爪式接続部、接着剤、溶接部、摩擦係合部などを使用してもよい。特定の一実施形態では、1若しくはそれ以上のケーブルを枢動アセンブリ1520に取り付け、張力を維持してシャフト1510と枢動アセンブリ1520間の接触を保つことができる。一代替実施形態では、1若しくはそれ以上の磁石または電導磁石をシャフト1510の遠端部および/または枢動アセンブリ1520の近端部に含め、その各々をそれに対応する部品の磁石または磁性材料に結合させることができる。結果的に生じる磁力により、前記枢動アセンブリ1520とシャフト1510の遠端部との接触を保つことが可能になる。
【0083】
枢動アセンブリ1520にはヒンジピン1521を含めることができ、これに回転球体1530を回転可能に取り付けることができる。2本の回転ケーブル、ケーブル1532aおよび1532bは、シャフト1510のチャネル、ルーメン、または他の開口部を通過し、球体1530上の溶接部1533aおよび1533bでそれぞれ終端する。溶接部1533aおよび1533bは、球体1530上に、例えばケーブル1532aおよび1532bが近位側へ引き込まることにより生じる回転量を決定するよう配置できる。この回転量は、前記終端部の配置に関係付けることができる。例えば、図15Aのように配向される場合、前記終端部を遠位側へ移動すると、それに伴うケーブルの引き込みによる回転量を増やすことができる。前記終端部を前記遠端部に近づけ、続けて同じ外周に沿って近位側へ近づけると、回転範囲をさらに拡大することができる。また、ケーブル1532aおよび1532bの各々の、枢動アセンブリ1520からの出口の位置によっても、球体1530の回転量を決定できる。ケーブル1532aおよび1532bの出口が枢動アセンブリ1520の軸中心に近いほど、回転量を大きくできる。
【0084】
ケーブル用の孔または他の貫通孔の位置と、ケーブル終端部の位置(例えば、球体1530上の位置)との組み合わせ、および球体に対するカップ直径の関係により、許容される回転範囲を決定することができる。一実施形態では、回転パターン範囲がすべて第1の開始位置から開始するよう、第1のケーブル、第1の貫通孔、第1のおよび、第1のケーブル終端部を配置できる。第2のケーブル、第2の貫通孔、および第2のケーブル終端部は、前記第1のケーブルにより生じる回転位置の範囲のいずれも、第2のケーブルの引き込みにより逆転できる(例えば、前記第1の開始位置に戻される)よう配置される。一実施形態では、第1のケーブルおよび第2のケーブルを同時に引き込むことにより、球体1530を回転させることができる。別の実施形態では、第1のケーブルを引き込み、第2のケーブルを前進させる(例えば、前記第1のケーブルの引き込みにより生じた回転に対応させる)ことにより、球体1530を回転させることができる。
【0085】
ケーブル用の孔または他の貫通位置とケーブル終端部の位置(例えば、球体1530上の位置)との組み合わせは、1若しくはそれ以上のケーブルの前進または引き込み(または他の措置)の逆操作が不可能な回転先位置、あるいは別の位置への移動が不可能な回転先位置への回転動作を防ぐよう選択することができる。ロボット工学において、この状態は特異点により生じる。また関節が機械的な限界に近づく場合、例えばケーブルが機械的な停止状態に達する場合など、自由度が失われてしまう状態も特異点で説明される。特異点は、孔または終端点を再配置し、または球体1530を望ましくない位置から移動させるよう構成された1若しくはそれ以上の追加ケーブルを加える(すなわち、それらの追加ケーブルにより自由度がもう1つ追加される)ことにより回避できる。また、特異点は、前記遠位回転アセンブリの1若しくはそれ以上の特徴、例えば1若しくはそれ以上の位置で1若しくはそれ以上の方向へ機械的に回転を停止させるよう構成された1若しくはそれ以上のリッジ部により回避することができる。他の回復不可能な位置、例えば球体1530が第1の位置にあるときに第1のケーブルが球体1530の球形部分の外周の一部に巻き付いてしまっている状態も回避できる。前記第1のケーブルについて、この第1の位置から動くとき抵抗が最小になる経路が当該第1の位置へと引っ張られたときに辿る経路と異なる場合、当該ケーブルの引き込みにより望ましくない回転が生じるおそれがある(例えば、引き込み中、当該ケーブルが球体1530の表面上をスライドしてしまう可能性がある)。一代替実施形態では、そのような位置へ球形連結部を回転させてその位置にとどまらせたい場合など、特異点または他の回復不可能な位置が望ましい場合もある。
【0086】
装置1500には、ハンドル1540のポート1542から挿入し、シャフト1510内、枢動アセンブリ1520内、および球体1530のチャネル1522内で前進させて挿通可能な1若しくはそれ以上の用具を含めることができる。装置1500および他の装置には、多数の医療用および他の用具を挿入でき、それら用具としては、これに限定されるものではないが、カッター、捕捉器具、解剖器具、生検機構、心電図電極または電極アレイなどの検出装置、低温および高周波(RF)組織アブレーションツールなどのエネルギー送達ツール、薬剤送達装置、カメラなどがある。図15Aでは、アブレーションプローブ1550が装置1500に挿入されており、その遠端部はチャネル1522内に常駐している。チャネル1522は、その遠端部において、出口孔およびツールポート1531を有し、シャフト1510の遠端部が標的位置に近接して配置された際には、前記ツールポート1531からアブレーションプローブ1550を前進させ、また球体1530のチャネル1522を前記標的位置に向けて回転させることができる。ピン1521および球体1530の連動部(interface)により、チャネル1522が単一平面内で移動するよう、線1210に沿って単一自由度で球体1530を回転させることができる。図15Bを参照すると、球体1530は、アブレーションプローブ1550が前進すると、このプローブ1550の遠端部が標的Tへ向かって移動するよう回転されている。標的Tは、医療処置で焼灼する予定の患者の心臓、腫瘍、または他組織の標的位置であってよい。球体1530は、ケーブル1532bの引張り、および/またはケーブル1,532aの押し出しにより回転されている。当該装置では、図15で例示した装置1500を放射状に外方向へ向け、または90°配向させるなど、多数の方向へ向けることのできる回転連結部を提供できる。配向を90°以上にすると、多くの処置、例えば経口的ロボット外科手術(transoral robotic surgery:TORS)処置を行うことができ、その場合、ツールは食道などの導管に入り、前記回転連結部から出て、前記導管の壁に比較的直交して入る。一実施形態では、結腸などの導管に内視鏡を入れ、結腸壁にほぼ直交して壁内へツールを前進させ、結腸壁内または結腸外で医療処置を行うことができる。
【0087】
ハンドル1540には、例えば付加的なアクセスポート、1若しくはそれ以上の電源、図17を参照して説明するモジュールなどの電子モジュール、1若しくはそれ以上の連結部を制御するスライドまたはノブなどの追加制御部、空気圧式または油圧式のアセンブリなどの追加構成要素を含めることができる。図15、15A、および15Bでは例示的なカテーテル装置1500を例示しているが、内視鏡または多関節装置などの柔軟な(可撓性の)装置、あるいは腹腔鏡下装置などの剛性の装置を含む(これに限定されるものではないが)追加および/または代替装置も、本開示の範囲内で使用することができる。
【0088】
図16は、一実施形態に係る例示的な装置の側面図である。図16で例示するように、この装置には、切断アセンブリを回転させるよう構成された回転連結部を含めることができる。装置1600は、腹腔鏡下または他の同様な低侵襲医療装置であってよい。装置1600には、剛性の管1610、例えばステンレス鋼、チタン、または他の金属の管、あるいは生体適合性硬質プラスチック管などの非金属管を含めることができる。カップアセンブリ1620は、管1610、例えば図15、15A、及び15Bを参照して上述したものなどに取り付けることができる。カップアセンブリ1620は、管1610に固着し、または回転可能に取り付けることができる。一実施形態では、カップアセンブリ1620を管1610に着脱可能に取り付けて、例えば種々の構成のカップアセンブリを前記管1610に取り付け、および/または管1610の遠端部および/または管1610内で前方に動かされる1若しくはそれ以上の用具の遠端部をアクセス可能にできる。カップアセンブリ1620が回転可能に取り付けられた場合、球体1630は、線1210および1212に沿って2つの自由度で回転するよう構成できる。装置1600の近端部には、2若しくはそれ以上のケーブルに動作可能に取り付けられた制御部、ジョイスティック1641を設けることができる。ジョイスティック1641の動きにより、線1210および1212の一方または双方に沿って球体1630が動くようにできる。一代替実施形態では、球体1630の近端部にそれと対をなす球体を作動ケーブルで直接接続し、球体1630が1対1の運動マップ(等直径の球体)またはスケーリングされた運動マップ(異なる直径を有する球体)で制御されるようにできる。
【0089】
装置1600には切断アセンブリを含めることができ、この切断アセンブリの遠端部には、球体1630から出た状態で示しているはさみアセンブリ1650を含めることができる。剪刀アセンブリ1650には、球体1630の回転により線1210および1212の一方または双方に沿って回転可能なブレード(blade)1651を含めることができる。また、装置1600の近端部には、はさみの持ち手状の機構、アクチュエータ1642を設けることができる。アクチュエータ1642を開閉すると、それに対応してアクチュエータ1642と剪刀アセンブリ1650間で動作可能に接続できる機械的、空気圧式、油圧式、または他の適用可能な連結部などにより、ブレード1651を開閉させることができる。
【0090】
図17は、装置の例示的な遠位部分の横断面図である。図17で例示するように、遠位部分には、より近位の球面および/または電流などの電力またはデータを回転遠位部材に送る手段と回転可能に連動するよう構成された遠位カップを含めることができる。一実施形態では、電力および/またはデータが1若しくはそれ以上の線、ワイヤー、ケーブルなどを使って送られる。装置1700には、シャフト1710、例えば図15、15A、または15Bのシャフト1510、図16などの管1610、あるいは図1〜14の前記多関節装置のシャフトと同様なシャフトを含めることができる。シャフト1710には、シャフト1710に固着し、または着脱可能に取り付けることができる球体の一部1720を含めることができる。球体の一部1720は、1若しくはそれ以上のケーブルにより、シャフト1710の遠端部に対し定位置に保たれる。回転カップ1730の凹面は、球体の一部1720の凸面と回転可能に係合させることができる。ケーブル1732aおよびケーブル1732bは、遠端部がそれぞれ接合部1733aおよび1733bにおいてカップ1730に取り付けられ、近端部がハンドルに取り付けられる。接合部1733bは、回転カップ1730の表面1738’に取り付けられる。この位置でのモーメントアームは、回転カップ1730の接合部1733aが表面1738”上に位置する場合のモーメントアームより小さいケーブル1732b引き込みの単位長さあたりの回転角度は、接合部1733が表面1738’上にある場合の方が、表面1738”上にある場合より大きくできる。また、ケーブル1732bが引き込まれるに伴い、表面1738’は最終的にシャフト1710の遠端部と接触して回転を停止する。当該装置の前記適合連結部および回転連結部の表面の幾何学的構造(例えば、凹型および凸型の関係)を変更すると、その回転機構の性能および他の機械的特性がカスタマイズ可能となる。本明細書で説明する遠位回転アセンブリには種々の構成を適用でき、これにより回転の大きさおよびケーブル引き込みの関係、ならびに回転力およびケーブル引き込み力の関係など、多様な性能を実現することができる。
【0091】
一実施形態では、結び目、接着剤ボール、接合部(splice)、機械的圧着、および/または他のケーブル拡大手段を多関節ケーブルの端部で形成して、当該ケーブルの端部が、当該ケーブルの貫通する孔(例えば、回転カップ1730の孔)より大きくなるようにできる。同様に、例えば溶接、接着接合、ケーブルと捕捉要素(例えば、V字状またはバネ式の捕捉装置)間の摩擦係合、ケーブル端部でフックまたはネジ穴およびネジにより固定されるループ、および/または他の接合部形成手段による終端技術を使って、前記ケーブル端部を直接取り付けることもできる。ケーブル1732aおよび1732bに加え、例えばカップ1730を代替配向に回転させ、および/または1若しくはそれ以上の回転方向を逆転させるため、1若しくはそれ以上の他のケーブルを設けることができる。
【0092】
球体の一部1720には第1の導電性要素1725が含まれ、この第1の導電性要素1725は、カップ1730に一体化できる第2の導電性要素1739に電気的に合着するよう構成することができる(すなわち、回転する基準系から静止した基準系への電気信号または電力の伝達に使用されるスリップリング接続と同様)。導電性要素1725は、ワイヤー1726に取り付けることができる。一実施形態では、導電性要素1725および1739に、複数の単離され若しくは独立した導電性要素(例えば、1若しくはそれ以上の絶縁体により分離され、位置合わせされた複数の導電性ストリップ(帯状体))を含めることができ、ワイヤー1726には複数の独立したワイヤーを含めて、複数の独立した送電が第1の導電性要素1725から第2の導電性要素1739に行われるようにできる。好適な一実施形態では、ワイヤー1726が第1の導電性要素1725、第2の導電性要素1739、およびワイヤー1736をそれぞれ通じて、電子モジュール1737に電気エネルギーおよび/またはデータを送る。電子モジュール1737にエネルギー貯蔵手段を含めると、ワイヤー1726がエネルギーを伝達していないとき、例えばワイヤー1726が電子モジュール1737とデータを送受信しているときに、カップ1730が利用可能なエネルギー源を有するようにできる。送られた電気エネルギーは、電子モジュール1737またはカップ1730内の若しくはカップ1730に近接した別の構成要素による貯蔵および/または使用が可能である送信または受信されるデータは、それぞれ回転位置制御信号または位置フィードバック信号であってよく、あるいは他の多くの形態のデータ、例えば装置1700の1若しくはそれ以上の用具へ送信されるデータ、または装置1700の1若しくはそれ以上のセンサーから受信されるデータであってよい。
【0093】
電子モジュール1737は、1若しくはそれ以上のセンサー(図示していないが、カップ1730、球体1720、またはシャフト1710と一体的な)からのデータを記録するなどのための1若しくはそれ以上の機能を実行するよう構成された単純または複雑な電気回路であってよい。モジュール1737には、これに限定されるものではないが、デジタルアナログコンバータ、アナログデジタルコンバータ、マイクロコントローラ、マイクロプロセッサ、マルチプレクサおよびデマルチプレクサ、スイッチング回路、MEMS回路、およびRAMおよびROMなどの構成要素/メモリ装置を含む種々の電子電気機械の構成要素またはシステムを含めることができる。モジュール1737には、その内部に埋め込まれた1若しくはそれ以上のソフトウェアプログラム、例えば利用者が装置の使用中に起動するソフトウェアを含めることができる。モジュール1737は、1若しくはそれ以上の用具、例えばカメラ1752aおよび1752bを含むカメラアセンブリからのデータを操作および/または受信するよう構成することができる。カメラ1752aおよび1752bは、ワイヤー1735aおよび1735bにより電子モジュール1737に接続される。ワイヤー1735aおよび1735bは、導線、または光ファイバーケーブルなど他の電力および/またはデータ導管であってよい。一実施形態において、カメラ1752aおよび1752bはレンズアセンブリであってよく、ワイヤー1735aおよび1735bは光ファイバーケーブルであってよく、その光情報は、電子モジュール1737に一体化されたカメラモジュールで捕捉することができる。
【0094】
装置1700には、1若しくはそれ以上の医療用または他の用具、例えばシャフト1710、球体の一部1720を貫通して、カップ1730の開口部、ツールポート1731に進入した状態で図17に示した生検装置1751を含めることができる。ケーブル1732aおよび1732b、または他のケーブル(図示せず)を押し出し、および/または引き込むことによりカップ1730を回転させると、それに対応してツールポート1731の軌跡も回転して、例えば前進させ若しくは前進させる予定の生検装置1751の軌跡を制御できる。
【0095】
図18Aおよび18Bは、一実施形態に係る例示的な適合連結部の上面図および例示的な装置の横断面図を例示したものである。図18Aに示すように、カップアセンブリ1820には曲線状の溝1824を含めることができ、この溝1824は、好適な回転パターンのピンまたは他の嵌合突出部を含む回転連結部の回転を誘導するよう構成できる。カップアセンブリ1820には、1若しくはそれ以上のワイヤーまたはケーブル用の経路であるスロット1823のための開口部を含めることができる。図18Bを参照すると、装置1800には、上記で詳述したように、1若しくはそれ以上の構造または構成を有する管1810を含めることができる。管1810の遠端部には一体型のカップアセンブリ1820を含めることができ、これには適合連結部を提供する凹面を含めることができる。回転球体の凸面は、カップアセンブリ1820と直径が同様で、カップアセンブリ1820の凹面に嵌合式に受容される。
【0096】
ケーブル1832は、管1810、カップアセンブリ1820、球体1830、または装置1800の他の構成要素と一体化された1若しくはそれ以上の構成要素へ、装置1800の近端部から電気信号または電力を送れるよう構成することができる。ケーブル1832は、ワイヤー1852の近端部に電気的に合着でき、このワイヤー1852の遠端部は、球体1830の遠端部に示した電極1851に取り付けることができる。球体1830が所定の回転パターンその他で回転された場合、電極1851は、それに対応して、患者体内の特定の組織標的などの標的へ向かって配向されるよう回転する。装置1800の近端部には、ハンドルを含めることができる。このハンドルには、ケーブル1832と動作可能に接続された1若しくはそれ以上の制御部を含めることができる。
【0097】
図19は、例示的な装置の遠位部分の横断面図である。図19で例示したように、装置には、回転ケーブルの移動を制限するよう構成された要素を含めることができる。装置1900には、管1910、例えば図15A、15B、または15Cのシャフト1510、図16の管1610、あるいは図1〜14の前記多関節装置のシャフトと同様なシャフトを含めることができる。管1910の遠端部にはカップアセンブリ1920を配置でき、このカップアセンブリ1920は、溶接部1929でカップアセンブリ1920に取り付けられたケーブル1922の張力調整により長手方向の位置に保たれる。カップアセンブリ1920の凹面より小さい直径で示した球体1930は、溶接部1933aおよび1933bでそれぞれ2本のケーブル、ケーブル1932aおよび1932bに取り付けることができる。ケーブル1932aおよび1932bは、カップアセンブリ1920の孔1927aおよび1927bをそれぞれ通過してよい。ケーブル1932bにはカップアセンブリ1920のリング部1928を通過させることができ、これによりケーブル1932bが引き込まれた場合、球体1930の時計回り方向の回転が、溶接部1933bがリング部1928に近接した位置で止まるよう制限できる。ケーブル1932aの引き込みにより球体1930にかかるねじり力には、溶接部1933aにかかる接線方向の力と、ケーブル1932aおよび球体1930面の摩擦係合により生じる力とが含まれる。ケーブル1932bの引き込みにより球体1930にかかるねじり力には、溶接部1933bとリング部1928間の力ベクトルにより生じるねじり力が含まれる。ケーブル1932aが引き込まれる際に生じるねじりに対する球体1930の応答を修正する際には、孔1927aおよび溶接1933aに多数の構成を選択できる。同様に、ケーブル1932bが引き込まれる際に生じるねじりに対する球体1930の応答をカスタマイズする際にも、リング部1928および溶接部1933bに多数の位置および他の構成を選択できる。一代替実施形態では、ケーブル1932aにも、反時計回り方向の回転を制限できるよう同様なリング部を提供できる。
【0098】
装置1900には、出口ポート1913が管1910からの出口となる貫通ルーメン、ルーメン1912を含めることができる。ルーメン1912は、1若しくはそれ以上の用具が管1910を貫通できるよう、または1若しくはそれ以上の流体をポート1913に近接した領域に送達できるよう構成できる。球体1930およびカップアセンブリ1920には1若しくはそれ以上の貫通孔が含まれ、それらの貫通孔は、上記で詳述したように、1若しくはそれ以上の用具が球体1930を貫通して、球体1930の回転により回転されるよう構成することができる。カップアセンブリ1920の遠端部にはカメラ1960aおよび1960bを含めることができ、これらカメラは、例えば球体1930内から前進した1若しくはそれ以上の用具を観察するため、図示したように球体1930の正面を見るよう向きを調節できる。球体1930および任意の装着または挿入ツールを90°回転させた場合など、放射状に広く見るには、広角レンズを含めることができる。カメラ1960aおよび1960bは、それぞれワイヤー1961aおよび1961bに取り付けて、例えば図15を参照して上述したように、ハンドルの近位側へ移動するようにできる。前記ハンドルには、モニター、またはモニター接続用のビデオ装着ポートを含めることができる。一代替実施形態において、カメラ1960aおよび1960bは単にカメラレンズであってよく、ワイヤー1961aおよび1961bは前記レンズに動作可能に取り付けられた光ファイバーケーブルであってよく、その場合は、カメラを装置1900に取り付けて、前記レンズから提供された画像を見ることができる。前記ハンドルには、ケーブル1932aおよび1932bのほかケーブル1922とも動作可能に接続された1若しくはそれ以上の制御部を含めることができる。当該ハンドルには、球体1930から出るよう構成された1若しくはそれ以上の用具を導入するため、1若しくはそれ以上のポートを含めることができる。
【0099】
図20は、一実施形態に係る装置の例示的な遠位部分の横断面図である。図20で例示するように、この装置には2本のケーブルとそれに伴う貫通孔を含めることができ、前記貫通孔は異なる回転動作用に配向される。装置2000には、管2010、例えば図15、15A、または15Bのシャフト1510、図16の管1610、あるいは図1〜14の前記多関節装置のシャフトと同様なシャフトを含めることができる。管2010の遠端部には凹面2020の適合連結部を一体的に設けることができ、この凹面2020は、球体2030の凸面と回転式に嵌合できる。球体2030は、溶接部2033aおよび2033bでそれぞれケーブル2032aおよび2032bに取り付けることができる。ケーブル2032aおよび2032bは、それぞれ孔2027aおよび2027bで凸面2020を貫通できる。装置2000の前記孔(孔2027aおよび2027b)の構成は、当該孔が管2010の遠端部の中心軸Cに近いほど、それに伴うケーブルの引き込みによる回転範囲が大きくなるようにできる。終端点(例えば、溶接部2033aおよび2033b)の構成は、前記孔と終端点間の外周上の弧が長いほど、それに伴うケーブルの引き込みによる回転範囲が大きくなるようにできる。再び図20を参照すると、ケーブル2032aが貫通する孔2027aは、ケーブル2032bが貫通する孔2027bより軸Cに近く設置できる。また、ケーブル2032aの溶接部2033aおよびケーブル2032bの溶接部2033bは、球体2030の外周上におけるケーブル2032aの弧の長さをケーブル2032bより長くするよう配置できる。したがって、ケーブル2032aは、ケーブル2032bより著しく大きな回転範囲(180°に近い)を有することができる。
【0100】
球体2030および凹面2020には1若しくはそれ以上の貫通孔を含めることができ、それらの貫通孔は、上記で詳述したように、1若しくはそれ以上の用具が球体2030を貫通して、球体2030の回転により回転されるよう構成される。装置200の近端部には、例えば図15を参照して上述したハンドルを含めることができる。このハンドルには、ケーブル2032aおよび2032bと動作可能に接続された1若しくはそれ以上の制御部を含めることができる。当該ハンドルには、球体2030から出るよう構成された1若しくはそれ以上の用具を導入するため、1若しくはそれ以上のポートを含めることができる。
【0101】
図21は、装置の例示的な遠位部分の横断面図である。図21で例示するように、装置には、単一の適合連結部と併用できる複数の回転連結部のキットを含めることができる。装置2100には、管2110、例えば図15、15A、または15Bのシャフト1510、図16の管1610、あるいは図1〜14の前記多関節装置のシャフトと同様なシャフトを含めることができる。管2110の遠端部には直線状に先細加工された凹面、円錐面2120の適合連結部を一体的に設けることができ、この円錐面2120は、球体2130a、2130b、および2130cの凸面と回転式に嵌合できる。球体2130a、2130b、および2130cは、管2110のチャネル2111または他のケーブルルーメンを貫通できる1若しくはそれ以上の回転ケーブルに係合可能に取り付けられるよう構成することができる。この係合可能な取り付け部には、取り付け手段、例えば1若しくはそれ以上のケーブルの端部またはその付近に設けられるループであって、球体のネジ穴にネジで取り付けられるループ、球体の孔と摩擦により係合する係止爪(barb)または他の突出部、または利用者により係合可能な他のケーブル取り付け手段を含めることができる。
【0102】
球体2130a、2130b、および2130cは、それぞれこの順に減少する直径を有してよく、直線的に先細加工された円錐面2120との間に各々円形(例えば、単一の接触線)である一意の係合表面を有してよい。球体2130a、2130b、および2130cは、直径を変化させることにより、円錐面2120上で種々の長手方向位置、高さH1、H2、およびH3にそれぞれ位置付けられる。(図示していないが上記で詳述した1若しくはそれ以上のケーブルにより)前記球体を作動させる上で必要な力は、各ケーブルと球体間のモーメントアームの変化により、場合に応じて異なる。係合表面および摩擦力により、回転運動および必要な力をカスタマイズすることができる。その追加態様または代替態様として、円錐面2120の円錐形状の直径およびテーパー角度(すなわちピッチ)を変更し、1若しくはそれ以上のケーブルの動きの範囲だけでなく、1若しくはそれ以上のケーブルの引き込みおよび前進に必要な、またそれにより生じる力をカスタマイズすることができる。一実施形態では、球面または円錐面の幾何学的断面形状を変えて、性能および/または必要な力をカスタマイズできる。
【0103】
球体2130および円錐面2120には1若しくはそれ以上の貫通孔を含めることができ、それらの貫通孔は、上記で詳述したように、1若しくはそれ以上の用具が球体2130を貫通して、球体2130の回転により回転されるよう構成することができる。装置2100の近端部には、例えば図15を参照して上述したハンドルを含めることができる。このハンドルには、1若しくはそれ以上のケーブルと動作可能に接続された1若しくはそれ以上の制御部を含めることができ、前記ケーブルは球体2130で終端させることができ、上記で詳述したように球体2130を回転させるよう構成できる。当該ハンドルには、球体2130から出るよう構成された1若しくはそれ以上の用具を導入するため、1若しくはそれ以上のポートを含めることができる。
【0104】
図20および図21に示したように、ケーブル出口孔およびケーブル終端点の配置については、前記適合連結部の中心軸に孔を近づけ、および/または前記回転連結部上で終端位置を「より高くする」と、より大きな回転が達成されることが示唆されている。回転範囲を最大限にするよう複数のケーブルを配置する場合には、特異点および他の望ましくない回転状態(例えば、前記回転連結部の制御が損なわれる)の尤度が増大するなどの制限がある。
【0105】
前記装置には、本願の要旨を逸脱しない範囲で、本明細書で説明する他の多くの構成、システム、および方法を使用できることは言うまでもない。多数の図により典型的な寸法を示したが、言うまでもなく、同様な機能および性能をもたらす他の寸法も使用することができる。
【0106】
本明細書で説明した装置およびシステムを使用すると、診断手順、治療処置、外科手術、鈍的切開、低侵襲手術、介入処置、内視鏡的処置などの医療処置を含む種々の処置を行うことができる。一実施形態では、説明する装置およびシステムを使って、例えば心臓のアブレーション中に心臓など患者の器官に対する処置を行え、または心臓不整脈と診断された患者に対するマッピング処置を行うことができる。
【0107】
装置の細長いシャフトは、当該シャフトの長手方向に沿って変化する幾何学的形状を含む種々の幾何学的断面形状を有することができる。適用可能な幾何学的断面形状としては、これに限定されるものではないが、円形、楕円形、台形、長方形、三角形、および/または他の幾何学的形状などがある。
【0108】
前記遠位回転連結部については、上述した装置およびシステムの遠位部分に例示したが、例えば前記遠位回転連結部の遠端部に取り付けられた複数の連結部が前記装置に含まれ、それら複数の連結部と、それらを貫通し若しくはそれらに取り付けられた任意の用具とが、前記遠位回転連結部の回転により回転される場合には、前記遠位回転連結部を前記装置の近端部または中間部分に設置することもできる。
【0109】
一実施形態では、適合連結部を前記細長い管に固着し、または着脱可能に取り付けて、1若しくはそれ以上の取り付け手段を利用することができる前記適合連結部は、例えば1若しくはそれ以上のケーブル、前記適合連結部を回転させるようさらに構成されたこれらのケーブルのうち1若しくはそれ以上により、運動学的に制約された態様で前記細長いシャフトに固着することができる。一実施形態では、ヒンジピン構成により前記適合連結部を前記細長い管に固着して、その固着部を回転ケーブルの張力から独立したものにできる。前記適合連結部は、それに伴う回転連結部の嵌合面が回転できるよう構成された比較的凹型または凸型の遠端部を有することができる。嵌合し合う面の相対直径は、同様でも、異なってもよい。
【0110】
前記回転連結部は、90°から180°への配向変更など、種々の向きにすることができる。前記回転連結部は往復動の動作が可能で、その動きを使うと、前記回転連結部と一体化した手術用具またはエンドエフェクタツールなどの用具を作動させることができる。
【0111】
前記シャフト、適合連結部、および回転連結部には、1若しくはそれ以上の用具を前記装置から出すことのできる1若しくはそれ以上の出口孔を含めることができる。システムには、複数のシャフト、適合連結部、および/または回転連結部を含めることができ、その例としては、作業チャネルまたは他の孔の種々のサイズおよびパターン、1若しくはそれ以上の用具を出せる種々の出口ポート、種々のケーブル終端タイプおよび/または位置、回転連結部と一体的な1若しくはそれ以上のカメラまたは他の用具など種々の一体型用具、およびキット形態でシステムに提供可能な他の相違点を備えた構成要素がある。前記シャフト、適合連結部、および回転連結部には、それらに1若しくはそれ以上の用具を取り付けるよう構成された用具取り付け要素を含めることができる。
【0112】
説明したシステムおよび装置には、1若しくはそれ以上の回転ケーブルまたは取り付けケーブルを含めることができる。一実施形態では、3若しくはそれ以上の回転ケーブルを含めることにより、例えば安定性を提供でき、また例えば前記回転連結部が完全な球面を含む場合に2つの回転自由度(ピッチおよびヨー)を提供できる。嵌合し合う突出部および溝、または動きを制約する他の手段により回転連結部が制約される場合などには、1本または2本のケーブルを使用することができる。第1のケーブルを使用すると、第1の方向に若しくは第1のパターンで回転を生じることができ、第2のケーブルを使用すると、前記回転連結部を元の位置に戻すことができる。一実施形態では、3若しくはそれ以上の取り付けケーブルを含めて、前記適合連結部を運動学的に制約し、例えば安定性を提供し、前記適合連結部の回転に2つの自由度を与えることができる。
【0113】
前記ケーブルは、互いに同様でも、異なってもよく、エネルギーを伝達し、組織を焼灼(アブレーション)する極低温物質などの液体または気体の流れを可能にし、追加機能を提供するといった追加機能を提供できる。前記ケーブルは固体であってよく、または1若しくはそれ以上のルーメン、例えば組織焼灼処置を行うため使用される極低温物質または患者の組織過熱を防ぐため使用される冷却液などの液体または気体を送るよう構成されたルーメンを含んでよい。1若しくはそれ以上のケーブルは耐伸長性であってよく、例えば、ステンレス鋼またはニチノールのワイヤーなどの金属ワイヤー、フルオロカーボンフィラメント、材料の網組ストランドなどで作製されたケーブルまたはハイポチューブであってよい。1若しくはそれ以上のケーブル、例えばモノフィラメントポリマーまたはモノフィラメントポリマーブレンドで作製されたケーブルは、伸長するよう構成することができる。
【0114】
一実施形態では、本明細書で説明する方法に、医療処置および他の処置の実施を含めることができる。一実施形態において、医療処置は、臨床医により実施可能で、診断手順、治療処置、鈍的切開、外科手術、低侵襲手術、介入処置、内視鏡的処置などを含むことができる。方法には、前記回転連結部の種々の回転、例えば90°および180°の回転を含めることができる。一実施形態では、前記回転連結部を約90°回転させることができ、あるいは前記装置を食道または直腸に挿入した場合、用具がそれぞれ食道組織または結腸直腸組織などの組織表面に向かい直交して前方に動かされるよう、回転させることができる。一実施形態では、前記回転連結部を回転させて前記回転連結部を貫通する手術用具などの1若しくはそれ以上の用具、またはエンドエフェクタツールなど前記回転連結部に取り付けられた用具を作動させることができる。前記回転連結部の動きは往復運動であってよく、これにより例えば鈍い若しくは鋭い用具で組織を切断または切開することができる。上述した装置の種々の連結部は、1若しくはそれ以上のケーブルを張力調整することにより、定位置にロックできる。一実施形態では、前記回転連結部を回転させる前および/または前記回転連結部から1若しくはそれ以上の用具を前進させる前に、1若しくはそれ以上の連結部をロックしておくことができる。
【0115】
以上、本発明の実施形態を例をとり説明したが、当業者であれば、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、上述した実施形態について種々の変更形態、修正形態、および適応形態が実現可能であることが理解されるであろう。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
処置を行う装置であって、
近端部と遠端部とを有する細長い管と、
近端部と遠端部とを有する適合連結部であって、当該遠端部は、第1の嵌合面を有し、当該近端部は、前記細長い管の遠端部に取り付けられるよう構成されている、前記適合連結部と、
前記適合連結部の第1の嵌合面と回転可能に連動するよう構成された第2の嵌合面を有する回転連結部と
を有する装置。
【請求項2】
請求項1記載の装置において、当該装置は、操作可能な多関節装置を有するものであって、当該操作可能な多関節装置は、
第1の連結部と、
複数の中間連結部であって、そのうちの第1の中間連結部が前記第1の連結部に運動可能に連結された、前記複数の中間連結部と
を有し、
前記適合連結部の近端部は、前記中間連結部のうちの1つに運動可能に連結されているものである装置。
【請求項3】
請求項1記載の装置において、当該装置は、操作可能な多関節装置を有するものであって、当該操作可能な多関節装置は、
第1の多関節機構と、
第2の多関節機構であって、
第1の連結部と、
複数の中間連結部であって、そのうちの第1の中間連結部が前記第1の連結部に運動可能に連結された、前記複数の中間連結部と
を有する、前記第2の多関節機構と
を有し、
前記適合連結部の近端部は、前記中間連結部のうちの1つに運動可能に連結されているものである装置。
【請求項4】
請求項2または3記載の装置において、前記中間連結部は、前記回転連結部が回転する間にロック位置に留まるよう構成されているものである装置。
【請求項5】
請求項2または3記載の装置において、この装置は、さらに、
遠端部が、前記適合連結部に取り付けられた少なくとも1本のケーブルを有し、
前記ロック位置は、前記少なくとも1本のケーブルが引き込まれる時に達成されるものである装置
【請求項6】
請求項1記載の装置において、前記装置は、医療処置を行うよう構成されているものである装置。
【請求項7】
請求項1記載の装置において、前記装置は、鈍的切開処置を行うよう構成されているものである装置。
【請求項8】
請求項7記載の装置において、前記回転連結部は、横方向の往復動で回転するよう構成されているものである装置。
【請求項9】
請求項1記載の装置において、前記回転連結部は、前記処置が行われている間に前記細長い管の遠端部の軸から約90度に配向するよう構成されているものである装置。
【請求項10】
請求項9記載の装置において、前記処置は、経口的ロボット外科手術処置である装置。
【請求項11】
請求項1記載の装置において、この装置は、さらに、
用具(tool)を有し、
前記回転連結部は、前記用具が作動する動作中に回転するよう構成されているものである装置。
【請求項12】
請求項1記載の装置において、前記細長い管は、1若しくはそれ以上の剛性部分を有するものである装置。
【請求項13】
請求項12記載の装置において、前記装置は、腹腔鏡下処置を行うよう構成されている装置。
【請求項14】
請求項1記載の装置において、前記細長い管は柔軟なものである装置。
【請求項15】
請求項14記載の装置において、前記装置は、カテーテル装置である装置。
【請求項16】
請求項14記載の装置において、前記装置は、内視鏡装置である装置。
【請求項17】
請求項1記載の装置において、前記細長い管は、複数の接続された連結部を有するものである装置。
【請求項18】
請求項1記載の装置において、この装置は、さらに、
前記細長い管によってスライド式に受容されるよう構成された第2の細長い管を有するものである装置。
【請求項19】
請求項1記載の装置において、この装置は、さらに、
前記細長い管をスライド式に受容するよう構成された第2の細長い管を有するものである装置。
【請求項20】
請求項1記載の装置において、前記管は、次に記載の:
円形、
楕円形、
台形、
長方形、および
三角形
から1若しくはそれ以上の形状を有する幾何学的断面の部分を有するものである装置。
【請求項21】
請求項1記載の装置において、前記細長い管は、当該細長い管の長手方向に沿って均一な直径を有するものである装置。
【請求項22】
請求項1記載の装置において、前記細長い管は、当該細長い管の長手方向に沿って不均一な直径を有するものである装置。
【請求項23】
請求項1記載の装置において、前記適合連結部は、前記細長い管に回転可能に取り付けられるものである装置。
【請求項24】
請求項23記載の装置において、前記適合連結部は、前記細長い管の遠端部の周りで回転するよう構成されているものである装置。
【請求項25】
請求項24記載の装置において、当該装置は、多関節装置であり、前記管の遠端部は、多関節装置の中間連結部である装置。
【請求項26】
請求項1記載の装置において、前記適合連結部は、次に記載の:
前記適合連結部が運動学的に制約されるよう張力を伴って配置された1若しくはそれ以上の取り付けられたケーブル、
ネジ山構造、
スナップ、
係止爪、
接着剤、
磁石、
電導磁石、および
摩擦係合部材
から1若しくはそれ以上によって前記細長い管の遠端部に取り付けられるものである装置。
【請求項27】
請求項1記載の装置において、前記適合連結部は、前記細長い管に固着されるものである装置。
【請求項28】
請求項1記載の装置において、前記適合連結部は、前記細長い管に着脱可能に取り付けられるものである装置。
【請求項29】
請求項1記載の装置において、この装置は、さらに、
少なくとも1本のケーブルを有し、当該ケーブルは、前記適合連結部の近端部と前記細長い管の遠端部との間の接触を保つための張力を提供するよう構成されているものである装置。
【請求項30】
請求項29記載の装置において、この装置は、
少なくとも2本のケーブルを有し、当該ケーブルは、前記適合連結部の近端部と前記細長い管の遠端部との間の接触を保つための張力を提供するよう構成されているものである装置。
【請求項31】
請求項1記載の装置において、前記適合連結部は、近端部および遠端部を有するものであって、前記適合連結部は、1若しくはそれ以上の用具が当該適合連結部の前記近端部から当該適合連結部の前記遠端部へ移動できるよう構成されているものである装置。
【請求項32】
請求項1記載の装置において、前記適合連結部は、近端部および遠端部を有するものであって、当該適合連結部は、次に記載の:
電力、および
データ
から1若しくはそれ以上を当該適合連結部の前記近端部から当該適合連結部の前記遠端部へ送るよう構成されているものである装置。
【請求項33】
請求項32記載の装置において、この装置は、さらに、
次に記載の:
前記適合連結部の前記近端部から前記適合連結部の前記遠端部へ延在する1若しくはそれ以上の電力線、および
前記適合連結部の前記近端部から前記適合連結部の前記遠端部へ延在する1若しくはそれ以上のデータ線
から1若しくはそれ以上を有するものである装置。
【請求項34】
請求項32記載の装置において、前記適合連結部は、第1の導電性部分をさらに有し、前記回転連結部は、第2の導電性部分をさらに有し、前記第1の導電性部分は、前記回転連結部が回転する間に前記第2の導電性部分との電気的接続を維持するよう構成されている装置。
【請求項35】
請求項1記載の装置において、前記適合連結部は、1若しくはそれ以上の用具がその中を貫通できるよう構成された出口ポートをさらに有するものである装置。
【請求項36】
請求項35記載の装置において、前記細長い管は、少なくとも1つのルーメンをさらに有し、前記出口ポートは、前記少なくとも1つのルーメンと動作可能に接続されているものである装置。
【請求項37】
請求項1記載の装置において、この装置は、さらに、
近端部と、遠端部と、接続要素とを有する第2の適合連結部を有するものであって、当該第2の適合連結部の前記近端部は、前記細長い管の遠端部を取り付けられるよう構成されるものであり、当該第2の適合連結部の前記遠端部は、前記回転連結部の第2の嵌合面に嵌合するよう構成された第3の嵌合面を有するものである装置。
【請求項38】
請求項37記載の装置において、前記第1の適合連結部は、第1の幾何学的構造を有し、前記第2の適合連結部は、前記第1の幾何学的構造とは異なる第2の幾何学的構造を有するものである装置。
【請求項39】
請求項38記載の装置において、前記第1の適合連結部は、第1の幾何学的孔構造内に構成された1若しくはそれ以上の第1の孔を有し、前記第2の適合連結部は、第2の幾何学的孔構造内に構成された1若しくはそれ以上の第2の孔を有し、前記第2の幾何学的孔構造は、前記第1の幾何学的孔構造と異なるものである装置。
【請求項40】
請求項1記載の装置において、前記第1の嵌合面は、比較的凹型の幾何学的構造を有するものである装置。
【請求項41】
請求項40記載の装置において、前記第2の嵌合面は、比較的凸型の幾何学的構造を有するものである装置。
【請求項42】
請求項1記載の装置において、前記第1の嵌合面は、比較的凸型の幾何学的構造を有するものである装置。
【請求項43】
請求項42記載の装置において、前記第2の嵌合面は、比較的凹型の幾何学的構造を有するものである装置。
【請求項44】
請求項1記載の装置において、前記第1の嵌合面は、第1の半径に関連付けられた幾何学的構造を有し、前記第2の嵌合面は、第2の半径に関連付けられた幾何学的構造を有し、前記第1の半径および前記第2の半径は、ほぼ等しいものである装置。
【請求項45】
請求項1記載の装置において、前記第1の嵌合面は、第1の半径に関連付けられた幾何学的構造を有し、前記第2の嵌合面は、第2の半径に関連付けられた幾何学的構造を有し、前記第2の半径は、次に記載の:
前記第1の半径より大きい、および
前記第1の半径より小さい
から1若しくはそれ以上のものである装置。
【請求項46】
請求項1記載の装置において、前記第1の嵌合面は、球面および楕円面のうち1若しくはそれ以上の幾何学的構造を有するものである装置。
【請求項47】
請求項1記載の装置において、前記第1の嵌合面は、円錐形状の幾何学的構造を有するものである装置。
【請求項48】
請求項1記載の装置において、前記第1の嵌合面は、前記第2の嵌合面との単一接触線を有するものである装置。
【請求項49】
請求項1記載の装置において、前記第1の嵌合面は溝を有し、前記第2の嵌合面は突出部を有し、前記溝は前記突出部をスライド式に受容するよう構成されているものである装置。
【請求項50】
請求項49記載の装置において、回転は、単一の平面に沿った運動を有するものである装置。
【請求項51】
請求項49記載の装置において、前記溝は、非直線状である装置。
【請求項52】
請求項49記載の装置において、前記突出部は、ピンである装置。
【請求項53】
請求項1記載の装置において、前記回転連結部は、内部開口部を形成するものである装置。
【請求項54】
請求項53記載の装置において、この装置は、さらに、
前記内部開口部内に取り付けた用具を有するものである装置。
【請求項55】
請求項54記載の装置において、前記用具は、前記内部開口部内に強固に配置できるよう適切にサイズ調整されるものである装置。
【請求項56】
請求項1記載の装置において、この装置は、さらに、
第2の回転連結部を有し、当該第2の回転連結部は、前記第1の適合連結部の前記第1の嵌合面と回転可能に連動するよう構成された第3の嵌合面を有するものである装置。
【請求項57】
請求項56記載の装置において、前記第1の回転連結部は、第1の幾何学的構造を有し、前記第2の回転連結部は、第2の幾何学的構造を有し、当該第1の幾何学的構造は、当該第2の幾何学的構造とは異なるものである装置。
【請求項58】
請求項56記載の装置において、前記第1の回転連結部は、1若しくはそれ以上の第1の用具を有し、前記第2の回転連結部は、1若しくはそれ以上の第2の用具を有し、当該第1の用具は、当該第2の用具とは異なるものである装置。
【請求項59】
請求項1記載の装置において、前記第2の嵌合面は、比較的凹型の幾何学的構造を有するものである装置。
【請求項60】
請求項1記載の装置において、前記第2の嵌合面は、比較的凸型の幾何学的構造を有するものである装置。
【請求項61】
請求項1記載の装置において、前記回転連結部は、1自由度の回転をするよう構成されているものである装置。
【請求項62】
請求項61記載の装置において、この装置は、さらに、
溝によってスライド式に受容される突出部を有し、当該突出部および溝は、所定の回転パターンを生じさせるものである装置。
【請求項63】
請求項1記載の装置において、前記回転連結部は、2自由度の回転をするよう構成されているものである装置。
【請求項64】
請求項1記載の装置において、この装置は、さらに、
当該装置を操作するよう構成された少なくとも1本のステアリングケーブルを有し、当該少なくとも1本のステアリングケーブルの端部は、前記適合連結部の近位に配置されるものである装置。
【請求項65】
請求項64記載の装置において、当該装置はカテーテルであり、前記少なくとも1本のステアリングケーブルは、前記細長い管に沿って終端しかつ当該細長い管の遠端部の方向を変えるよう構成されているプルワイヤーである装置。
【請求項66】
請求項64記載の装置において、前記装置は多関節装置であり、前記少なくとも1本のステアリングケーブルは、前記適合連結部において終端しかつ当該多関節装置を操作するよう構成されたステアリングケーブルである装置。
【請求項67】
請求項64記載の装置において、前記少なくとも1本のケーブルは、次に記載の:
電気エネルギー、
データの光情報、
データ、
液体、および
気体
から1若しくはそれ以上を送るよう構成されているものである装置。
【請求項68】
請求項1記載の装置において、この装置は、さらに、
前記回転連結部において終端する回転ケーブルのセットを有するものである装置。
【請求項69】
請求項68記載の装置において、前記回転ケーブルのセットのうち少なくとも1本のケーブルは、次に記載の:
電気エネルギー、
光情報、
データ、
液体、および
気体
から1若しくはそれ以上を送るよう構成されているものである装置。
【請求項70】
請求項68記載の装置において、少なくとも1本のケーブルは、伸長に抗するよう構成されているものである装置。
【請求項71】
請求項70記載の装置において、前記ケーブルは、次に記載の材料:
網組材料、
金属フィラメント、および
フルオロカーボンフィラメント
から1若しくはそれ以上によって作成されるものである装置。
【請求項72】
請求項68記載の装置において、少なくとも1本のケーブルは、伸長するよう構成されているものである装置。
【請求項73】
請求項72記載の装置において、前記ケーブルは、次に記載の材料:ポリマー、およびポリマーブレンドモノフィラメントから1若しくはそれ以上によって作成されるものである装置。
【請求項74】
請求項68記載の装置において、前記少なくとも1本のケーブルは、
近端部と、
遠端部と、
前記ケーブルの中を貫通するルーメンと
を有するものである装置。
【請求項75】
請求項74記載の装置において、前記ルーメンは、流体または気体を送るよう構成されているものである装置。
【請求項76】
請求項75記載の装置において、前記ルーメンは、患者の組織を凍結するよう構成された極低温剤を送るよう構成されているものである装置。
【請求項77】
請求項75記載の装置において、前記ルーメンは、患者の望ましくない組織損傷を防ぐよう構成された冷却液を送るよう構成されているものである装置。
【請求項78】
請求項68記載の装置において、この装置は、さらに、
当該装置を操作するよう構成された少なくとも1本のステアリングケーブルを有し、少なくとも1本のステアリングケーブルの端部は前記適合連結部の近位に設置されるものである装置。
【請求項79】
請求項78記載の装置において、前記少なくとも1本のステアリングケーブルは、前記適合連結部の近位で終端するものである装置。
【請求項80】
請求項79記載の装置において、前記装置は、カテーテル装置である装置。
【請求項81】
請求項78記載の装置において、前記少なくとも1本のステアリングケーブルは、前記適合連結部において終端するものである装置。
【請求項82】
請求項78記載の装置において、前記第1の連結部および前記中間連結部は、それぞれ少なくとも1本のステアリングケーブルを受容するよう構成された少なくとも1つの孔を有するものである装置。
【請求項83】
請求項82記載の装置において、前記第1の連結部、前記中間連結部、および前記適合連結部は、それぞれ回転ケーブルのセットを受容するよう構成された孔のセットを有するものである装置。
【請求項84】
請求項78記載の装置において、前記第1の連結部および前記中間連結部は、それぞれ孔のセットをさらに有し、前記少なくとも1本のステアリングケーブルおよび少なくとも1本の回転ケーブルは、共通の孔を貫通するものである装置。
【請求項85】
請求項84記載の装置において、前記少なくとも1本のステアリングケーブルまたは前記少なくとも1本の回転ケーブルは、摩擦低減面をさらに有するものである装置。
【請求項86】
請求項84記載の装置において、第1の回転ケーブルは、第1の方向への運動を生じるよう構成されているものである装置。
【請求項87】
請求項84記載の装置において、第2の回転ケーブルは、前記第1の方向とは逆方向への運動を生じるよう構成されているものである装置。
【請求項88】
請求項68記載の装置において、前記第1の回転ケーブルは、前記回転連結部の第1の位置において終端し、前記第1の位置は、前記第1の回転ケーブルの引き込みにより生じる回転の範囲を決定するものである装置。
【請求項89】
請求項88記載の装置において、前記第2の回転ケーブルは、前記回転連結部の第2の位置において終端し、前記第2の位置は、前記第2の回転ケーブルの引き込みにより生じる回転の範囲を決定するものである装置。
【請求項90】
請求項89記載の装置において、前記第1の回転ケーブルは、前記回転連結部の第1の外周長を横切るよう構成され、前記第2の回転ケーブルは、前記回転連結部の第2の外周長を横切るよう構成されるものであって、当該第2の外周長は前記第1の外周長より長く、当該第2の回転ケーブルの引き込みにより生じる回転の範囲は前記第1の回転ケーブルの引き込みにより生じる回転の範囲より大きいものである装置。
【請求項91】
請求項68記載の装置において、前記適合連結部は孔をさらに有し、前記回転ケーブルのセットの第1の回転ケーブルは前記孔を貫通するものである装置。
【請求項92】
請求項91記載の装置において、前記適合連結部は中心軸をさらに有し、前記第1のケーブルの引き込みにより生じる回転の範囲の大きさは前記中心軸から前記孔までの距離に関連するものである装置。
【請求項93】
請求項92記載の装置において、前記第1のケーブルの引き込みにより生じる回転の範囲の大きさは、前記中心軸から前記孔までの距離に反比例する装置。
【請求項94】
請求項68記載の装置において、前記少なくとも1本のケーブルは、次に記載の:
結び目、
接着剤ボール、
孔を貫通するケーブルの端部にある接合部(splice)、
溶接部、
接着接合部、
前記ケーブルと捕捉要素との間の摩擦係合、および
孔に固着されるループ状の端部を伴ったケーブル
から1若しくはそれ以上によって前記回転連結部にて終端するものである装置。
【請求項95】
請求項68記載の装置において、前記適合連結部は、中心軸をさらに有し、少なくとも1本の回転ケーブルは、当該少なくとも1本の回転ケーブルの遠位部分が前記適合連結部の中心軸に比較的垂直になるよう終端するものである装置。
【請求項96】
請求項95記載の装置において、この装置は、さらに、
少なくとも1本の回転ケーブルの方向をスライド式に約90度変えるよう構成された座面を有するものである装置。
【請求項97】
請求項68記載の装置において、第1の回転ケーブルは、前記回転連結部の第1の位置において終端し、第2の回転ケーブルは、前記回転連結部の第2の位置において終端し、前記第1の位置および前記第2の位置は、前記回転連結部の動きを遮る特異点を回避するものである装置。
【請求項98】
請求項68記載の装置において、第1の回転ケーブルは、当該第1の回転ケーブルが引き込まれた場合に前記回転連結部の第1の配向から当該回転連結部の第2の配向への回転が生じる位置で終端し、前記第1の配向は、前記第2の配向から90度を超えない角度離れているものである装置。
【請求項99】
請求項98記載の装置において、第2の回転ケーブルは、当該第2の回転ケーブルが引き込まれた場合に前記第2の配向から前記第1の配向への回転が生じる位置で終端しているものである装置。
【請求項100】
請求項68記載の装置において、第1の回転ケーブルは、当該第1の回転ケーブルが引き込まれた場合に前記回転連結部の第1の配向から当該回転連結部の第2の配向への回転が生じる位置で終端し、前記第1の配向は、前記第2の配向から180度を超えない角度離れているものである装置。
【請求項101】
請求項1記載の装置において、当該装置は、少なくとも1つの作業チャネルを有する多関節装置である装置。
【請求項102】
請求項101記載の装置において、当該装置は、少なくとも2つの作業チャネルを有し、前記適合連結部は、第1の作業チャネル数を有し、前記回転連結部は、第2の作業チャネル数を有し、前記第2の作業チャネル数は、第1の作業チャネル数より少ないものである装置。
【請求項103】
請求項1記載の装置において、この装置は、さらに、
用具を有するものである装置。
【請求項104】
請求項103記載の装置において、前記用具は、次に記載の:
カッター、
捕捉器具、
解剖器具、
生検機構、
検出装置、
心電図電極、
エネルギー送達ツール、
極低温ツール、
RF組織アブレーションツール、
薬剤送達装置、
記録装置、および
カメラ
から1若しくはそれ以上を含むものである装置。
【請求項105】
請求項104記載の装置において、前記用具は、前記回転連結部に取り付けられるものである装置。
【請求項106】
請求項104記載の装置において、前記用具は、前記細長い管を貫通するよう構成されているものである装置。
【請求項107】
請求項106記載の装置において、前記用具は、前記回転連結部を貫通するよう構成されているものである装置。
【請求項108】
請求項1記載の装置において、この装置は、さらに、
前記適合連結部と前記回転連結部との間に連動部(interface)を有するものである装置。
【請求項109】
請求項108記載の装置において、前記連動部は、次に記載の:
1若しくはそれ以上の電気信号、
1若しくはそれ以上の光信号、
流体、および
気体
から1若しくはそれ以上を前記回転連結部に送るよう構成されているものである装置。
【請求項110】
請求項108記載の装置において、前記回転連結部は電子モジュールをさらに有し、前記連動部は、前記電子モジュールにエネルギーを伝達するよう構成されているものである装置。
【請求項111】
請求項110記載の装置において、前記電子モジュールは、受け取られたエネルギーを貯蔵するよう構成されているものである装置。
【請求項112】
請求項111記載の装置において、前記電子モジュールは、当該装置の使用中に断続的にエネルギーを受け取るよう構成されているものである装置。
【請求項113】
請求項108記載の装置において、前記回転連結部は、用具を有し、前記連動部は、当該用具に電力を供給するよう構成されているものである装置。
【請求項114】
請求項113記載の装置において、前記用具は、次に記載の:
カッター、
捕捉器具、
解剖器具、
生検機構、
検出装置、
心電図電極、
エネルギー送達ツール、
極低温ツール、
RF組織アブレーションツール、
薬剤送達装置、
記録装置、および
カメラ
から1若しくはそれ以上を含むものである装置。
【請求項115】
請求項108記載の装置において、前記連動部は、複数の独立したチャネルを有し、各経路は、電力およびデータのうち1若しくはそれ以上を送るよう構成されているものである装置。
【請求項116】
請求項115記載の装置において、
第1のチャネルは、次に記載の:
データ送信、および
データ受信
から1若しくはそれ以上を行うよう構成されているものであって、
第2のチャネルは、次に記載の:
送電、および
受電
から1若しくはそれ以上を行うよう構成されているものである装置。
【請求項117】
請求項1記載の装置において、前記適合連結部および前記回転連結部のうち1若しくはそれ以上は、電子モジュールをさらに有するものである装置。
【請求項118】
請求項117記載の装置において、前記電子モジュールは、次に記載の
デジタルアナログコンバータ、
アナログデジタルコンバータ、
マイクロコントローラ、
マイクロプロセッサ、
マルチプレクサ、
デマルチプレクサ、
スイッチング回路、
MEMS回路、および
メモリ回路
から1若しくはそれ以上を有するものである装置。
【請求項119】
請求項1記載の装置において、前記細長い管は、断面を有し、当該断面は次に記載の:
不均一な長径、
不均一な短径、
均一な長径、および
均一な短径
から1若しくはそれ以上を有するものである装置。
【請求項120】
処置を行う方法であって、
請求項1から請求項119のいずれかに記載の装置を選択する工程と、
前記装置の回転連結部を回転させる回転工程と
を有する方法。
【請求項121】
請求項120記載の方法において、前記回転工程は、前記回転連結部を約90度回転させる回転工程を有する方法。
【請求項122】
請求項121記載の方法において、前記回転工程は、
前記回転連結部を約90度回転させる回転工程と、
患者の組織面に比較的に直交して用具を前進させる工程と
を有する方法。
【請求項123】
請求項122記載の方法において、前記処置は、経口的ロボット外科手術処置である方法。
【請求項124】
請求項120記載の方法において、前記回転工程は、用具を作動させる工程である方法。
【請求項125】
請求項124記載の方法において、前記用具は、前記回転連結部に取り付けられるよう構成されているものである方法。
【請求項126】
請求項124記載の方法において、前記用具の作動工程は、手術用具を作動させる工程を有する方法。
【請求項127】
請求項120記載の方法において、この方法は、さらに、
前記回転工程を実施する前に多関節装置のうち2若しくはそれ以上の連結部をロックする工程
を有する方法。
【請求項128】
請求項120記載の方法において、前記処置は、鈍的切開処置を含む方法。
【請求項129】
請求項128記載の方法において、前記回転工程は、横方向の往復動で前記回転連結部を回転させる回転工程を有する方法。
【請求項130】
請求項120記載の方法において、前記処置は、次に記載の:
外科手術、
低侵襲手術、
ロボット処置、
介入処置、および
内視鏡的処置
から1若しくはそれ以上を含む医療処置である方法。
【請求項131】
請求項120記載の方法において、前記処置は、臨床医によって行われる処置である方法。
【請求項132】
操作可能な多関節装置であって、
第1の連結部と、
複数の中間連結部であって、そのうちの第1の中間連結部が前記第1の連結部に運動可能に連結された、前記複数の中間連結部と、
第1の端部にて前記中間連結部の1つに運動可能に連結され第2の端部にて凹面を有する適合連結部と、
前記適合連結部の前記凹面に嵌装された球形連結部と
を有する操作可能な多関節装置。
【請求項133】
請求項132記載の装置において、当該多関節装置を操作する第1のケーブルセットは、前記適合連結部において終端するものである装置。
【請求項134】
請求項133記載の装置において、第2のケーブルセットは、前記球形連結部において終端するものである装置。
【請求項135】
請求項134記載の装置において、前記第1のケーブルセットは、前記第1の連結部および前記複数の中間連結部のうち各々の第1の孔セットを貫通するものである装置。
【請求項136】
請求項135記載の装置において、前記第2のケーブルセットは、前記第1の連結部、前記複数の中間連結部、および前記適合連結部のうち各々の第2の孔セットを貫通するものである装置。
【請求項137】
請求項134記載の装置において、前記第1および第2のケーブルセットは、共通の孔セットを貫通するものである装置。
【請求項138】
請求項132記載の装置において、前記球形連結部は、内部開口部を形成するものである装置。
【請求項139】
請求項138記載の装置において、装置は、前記内部開口部内に取り付けられるものである装置。
【請求項140】
請求項139記載の装置において、前記装置は、前記内部開口部内に強固に配置できるよう適切にサイズ調整されるものである装置。
【請求項141】
操作可能な多関節装置であって、
第1の多関節機構と、
第2の多関節機構であって、
第1の連結部と、
複数の中間連結部であって、当該中間連結部のうちの第1の中間連結部が前記第1の連結部に運動可能に連結された、前記複数の中間連結部と、
第1の端部において前記中間連結部のうちの1つに運動可能に連結されかつ前記第2の端部において凹面を有する適合連結部と、
前記適合連結部の前記凹面に嵌装された球形連結部と
を有する、前記第2の多関節機構と
を有する操作可能な多関節装置。
【請求項142】
請求項141記載の装置において、当該多関節装置を操作する第1のケーブルセットは、前記適合連結部において終端するものである。
【請求項143】
請求項142記載の装置において、第2のケーブルセットは、前記球形連結部において終端するものである装置。
【請求項144】
請求項143記載の装置において、前記第1のケーブルセットは、前記第1の連結部および前記複数の中間連結部のうち各々の第1の孔セットを貫通するものである装置。
【請求項145】
請求項144記載の装置において、前記第2のケーブルセットは、前記第1の連結部、前記複数の中間連結部、および前記適合連結部のうち各々の第2の孔セットを貫通するものである装置。
【請求項146】
請求項143記載の装置において、前記第1および第2のケーブルセットは、共通の孔セットを貫通するものである装置。

【図1A】
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【図1B】
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【図2】
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【図3A】
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【図3B】
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【図3C】
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【図4A】
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【図4B】
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【図4C】
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【図5A】
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【図5B】
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【図5C】
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【図6】
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【図7A】
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【図7B】
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【図7C】
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【図8A】
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【図8B】
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【図8C】
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【図9A】
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【図9B】
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【図9C】
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【図9D】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【図13A】
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【図13B】
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【図13C】
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【図13D】
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【図14】
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【図15】
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【図15A】
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【図15B】
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【図16】
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【図17】
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【図18A】
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【図18B】
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【図19】
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【図20】
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【図21】
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【公表番号】特表2012−501758(P2012−501758A)
【公表日】平成24年1月26日(2012.1.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2011−526273(P2011−526273)
【出願日】平成21年9月8日(2009.9.8)
【国際出願番号】PCT/US2009/056238
【国際公開番号】WO2010/028371
【国際公開日】平成22年3月11日(2010.3.11)
【出願人】(504337958)カーネギー メロン ユニバーシティ (15)
【Fターム(参考)】