説明

球状コア−シェル粒子

【課題】改善された機械的応力に対する抵抗性を持つ、球状コア-シェル粒子および該粒子の製法を提供する。
【解決手段】以下の成分:(a) (a1)コア液体を含むコア;(b) 該コアを取巻く、硬化されたシェル、ここで該シェルは、(b1) 硬化された多糖または硬化された多糖類の混合物;(b2) 1種、2種またはそれ以上の水溶性フィラー;および(b3) 硬さを高める量の、1種、2種またはそれ以上の水-不溶性フィラーを含み、および場合により(c) 被覆層を含む球状コア-シェル粒子。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、コア液体からなる、またはコア液体を含むコアおよび該コアを包囲する硬化されたシェルを含む、またはこれらからなる球状コア-シェル粒子に係り、ここで該シェルは、硬化された多糖または硬化された多糖類の混合物、1種、2種またはそれ以上の水溶性フィラー、および硬さを高める量の1種、2種またはそれ以上の水-不溶性フィラー、および場合により被覆層からなり、あるいはこれらを含むものである。本発明は、またこのような粒子の製法にも係る。本発明は、更に該コア-シェル粒子のシェルを強化するためのフィラーとしての、水-不溶性固体粒子の使用並びに複数の前記コア-シェル粒子を含む配合物にも係る。
【背景技術】
【0002】
様々な味覚上の効果を得るために、香味剤(調味剤)(flavourings)が食品において使用されている。本発明の意味において、香味剤(調味剤)とは、感覚器官刺激特性を持つ単一の物質または物質の混合物を意味するものと理解すべきである。これら感覚器官刺激特性は、特定の匂いまたは風味を付与する諸特性を含み、あるいは三叉神経を介して伝達され、かつ検出される、特定の刺激を生じる。
該香味剤に対する溶剤として使用され、またそれ自体は中性的な臭いおよび風味を持つオイル、例えば植物油および他のトリグリセライド等は、以下の本明細書の記載における香味剤とは見做されない。
香味剤が、消費者により、液体として少量ずつ摂取されるものである場合、カプセルの使用が一般的手段であり、そこでは、香味剤を含有する所定量の液体を含むコアが、固体シェルによって包囲されている。
【0003】
当技術の現状において、特に香味付けの目的で使用されるコア-シェル粒子は、例えばアルギネートまたはゼラチンから作られている。現在の技術に従って、アルギネートから作られているコア-シェル粒子(カプセル)は、<2Nなる比較的低い破断力によって破壊し得るという欠点を有している。この欠点は、特に例えばチューインガムにおいて見られるように、より高い機械的な応力を伴う用途では、比較的高い破壊率をもたらす。破壊は、また該コア-シェル粒子の搬送中もしくは該粒子を食品製品への混合等の加工中にも起こる可能性がある。該シェルの破壊は、該コアが開放状態に置かれて、意図した香味付け効果が調節できず、あるいは香味付け物質が失われるという結果をもたらすであろう。
現在の技術の別法として、機械的な応力によって起こる破壊に対してより耐性の高い、ゼラチンから製造したシェルを持つコア-シェル粒子(カプセル)が使用されている。しかし、ゼラチンは、このものが動物起源の物質であって、多くの消費者群は、宗教上の理由から、あるいは彼らが植物性食品のみによって生活することを好んでいることから、このような物質を拒絶する可能性があるという欠点を持っている。
【0004】
液状コアおよび該コアを包囲する固体シェルを含む、球状のカプセルは公知であり、またカプセルは、例えば回転ダイ法によって製造され、あるいは特に興味深いものである、シームレスシェルを含むカプセルの場合には、多成分ノズルを用いたドリップ法(Bauer, Fromming, Fuhrer; Pharmazeutische Technologie; 1997を参照のこと)によって製造されている。本明細書の内容において(如何なる差異も、その内容から生じない限り)、該多成分ノズル法に対する言及は、シームレスで被覆を持たないカプセルの、関連する製法の多様性にも言及しているものと理解すべきである。
例えば、多成分ノズル法において、シームレスシェルを持つカプセルは、ドリップ法により製造される。この方法によれば、コア材料、および好ましくは酸性多糖の塩を含む、一価のカチオンを含有するシェル溶液は、これらが好ましくは二価のカチオンを含む硬化溶液中に滴下するように、通常同心状の多成分ノズルを介して同時にポンプ輸送される。好ましくは、該ノズルは、該硬化溶液中に浸漬されない。これらが該カプセル中に滴下する場合、表面張力の作用の結果として、ボール状の形状(球形)を取るものと推定される。該硬化溶液との反応の結果として、該シームレスカプセルのシェルは固化する。該カプセルシェルは、該コア材料を完全に包囲する、完全な層を形成する。
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
本発明の主な目的は、初めに述べた型の球状カプセル(コア-シェル粒子)を提供することにあり、該球状カプセルは、食品の香味付け、特に該カプセルを噛んだ際に、即座に該コアを遊離する(香味料バースト)のに適したものであり、ここで該シェル材料は、動物以外を起源とするものであり、また機械的な応力に対して改善された耐性を示す。その上、該球状カプセルは、このものを消費した際に、快い口内感触を体験させるものであるはずである。更に、工業的規模で実施することのできる、該カプセルの製法を提供することも、本発明の目的である。
【課題を解決するための手段】
【0006】
本発明によれば、上記の課題は、以下の成分を含む、あるいはこれらからなる球状コア-シェル粒子を提供することによって解決される:
(a) (a1)コア液体を含む、または該コア液体からなるコア;
(b) 該コアを取巻く、硬化されたシェル、ここで該シェルは、
(b1) 硬化された多糖または硬化された多糖類の混合物;
(b2) 1種、2種またはそれ以上の水溶性フィラー;および
(b3) 硬さを高める量の、1種、2種またはそれ以上の水-不溶性フィラー;および
(c) 随意の被覆層。
【0007】
EP 1775071、WO 2007/019882、WO 2007/0198883およびWO 2005/077521は、シリカを、コア-シェル粒子との組合せで使用することを開示している。しかし、シリカは、アンチテーシング(antitacing)剤として該シェル上に使用しているに過ぎない。これら特許文献においては、ゼラチンまたはアルギネートが、該シェル材料の主成分として記載されている。しかし、該アルギネートを使用する場合、例えばWO 2007/019882に記載されている好ましい硬さは、通常達成されない。
WO 98/015191およびWO 98/15192において、シリカが、該シェル材料に対する放出改良材として挙げられている。しかし、これら文献は、特にポリアルコール等の可溶性フィラーと組合せたこの物質に起因する、硬さの改善に関するヒントを与えることはない。
驚いたことに、本発明者等は、1種、2種またはそれ以上の水-不溶性のフィラーを、1種、2種またはそれ以上の水溶性フィラーと組合せて添加することにより、該シェル材料の硬さを高め、それによって該材料の機械的応力に対する抵抗性を高めることが可能であることを示すことができた。本特許出願に関連して、「水-不溶性」とは、1.5g/L未満、好ましくは1g/L未満、より好ましくは0.7g/L未満、より一層好ましくは0.5g/L未満および最も好ましくは0.3g/L未満なる水に対する溶解度(20℃にて)を持つ化合物を意味する。
【0008】
本発明の好ましい態様は、以下の本発明の説明および添付した特許請求の範囲に記載されている。
本明細書で使用する「硬さ」なる用語は、機械的応力に対する抵抗能力を意味する。従って、本発明によるコア-シェル粒子のシェルの硬さは、該シェルを破壊するのに必要な破断力を測定することにより決定することができる。「硬さ」なる用語の定義とは無関係に、本明細書で使用する「硬化(された)多糖(類)」なる用語は、硬化される以前に、液体または液状溶液(「硬化可能な(硬化性の)」)であった多糖を起源とする多糖を意味する。好ましくは、該液体または液状溶液は、ゲル化され、また特に好ましくは該液体または液状溶液は、ゲル化され、かつ乾燥されて、水に不溶の硬化された多糖を生成する。
本明細書の記載全体を通して、球状粒子は、1.2以下の、該粒子の最大径と最小径との間の比を持つ。該被膜を持たないカプセルの該最大径および最小径の算術平均を、本発明による被膜を持たないカプセルの径と呼ぶ。
【0009】
特に述べない限り、与えられている全ての百分率および比は、質量基準の値であり、また全ての状態(例えば、凝集状態)は、20℃における状態をいう。
カプセルのサイズ
該カプセルのサイズ(径)は、好ましくは約0.5mm〜約12mmなる範囲、好ましくは0.7mm〜9mmなる範囲、特に好ましくは0.7mm〜5mmなる範囲にある。
コア/シェル比
該未被覆カプセルのコア対シェルの質量比(wt/wt)は、好ましくは10:1〜0.5:1なる範囲、より好ましくは6:1〜1:1なる範囲および最も好ましくは4.5:1〜2:1なる範囲にある。
【0010】
シェルの厚み:
口内で、(本発明の粒子の一部としての)カプセルのシェルにつき、負の口内感触を与えないために、該シェルの厚みは、できる限り小さくすべきである。一定のコア/シェル質量比に対して、該シェルの厚みは、実質的に該被膜を持たないカプセルの径の増加に伴って増大する。
該カプセルは、好ましくは僅かに30μm〜200μmなる範囲のシェルの厚みを持つ。本発明のこれらカプセルにおいて、シェルの厚み対カプセル径の比は、0.004〜0.04なる範囲内にある。これらのデータは、乾燥状態にあるカプセルに関するものである。該被膜を持たないカプセルの径は、測微ネジを用いて測定することができる。該シェルの厚みを測定するために、該被膜を持たないカプセルの断面を調製する。該シェルの厚みは、画像処理を伴う顕微鏡観察によって測定することができる。そのためには、該シェルの厚みは、該シェルにおける様々な点において厚みを測定し、また該シェルの厚みに関する算術平均を決定する。
本発明に従って選択された該シェルの組成(この点に関しては、以下を参照のこと)については、高い処理並びに搬送安定性、十分な弾性、良好な咀嚼性が保証される。該カプセルは、不溶性のシェルを含むが、その口内感触は、負の影響を受けない。
【0011】
該シェルの組成:
本明細書において使用する意味における硬化された多糖は、硬化性の多糖から得られる多糖である。好ましい硬化性多糖類は、一価のカチオンを含む酸性多糖類である。好ましい硬化された多糖類(成分b1)は、硬化されたアルギネート、ペクチン、ザンタンガム、カラギーナン、寒天、および硬化されたこれらの混合物からなる群から選択される。
本発明による好ましい球状コア-シェル粒子は、その硬化されたシェルにおける成分b1として、硬化された多糖を含み、該多糖は、二価または多価カチオンと該各硬化性多糖または多糖類とを接触させる段階を含む、硬化法の生成物である。該硬化法については、例えばWO 93/02785 A1を参照することができる。
本発明によれば、該水溶性フィラー成分(b2)、または該水溶性フィラーの少なくとも1種もしくはその各々は、好ましくは糖アルコールである。
好ましい糖アルコールは、ソルビトール、マニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、およびこれらの混合物、好ましくはソルビトール、キシリトール、またはこれらの混合物からなる群から選択される。
【0012】
本発明によるコア-シェル粒子として好ましいのは、上記水-不溶性フィラー成分(b3)の少なくとも1種もしくはその各々が、二酸化ケイ素、リン酸カルシウム、セルロース、二酸化チタン、鉄(III)酸化物-水酸化物、特にFeO(OH)・H2O、鉄(III)酸化物、鉄(II,III)酸化物、リン酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、水和ケイ酸マグネシウムH2Mg3(SiO3)4またはMg3Si4O10(OH)2、マグネシウムトリシリケート、珪酸マグネシウムアルミニウム、珪酸ナトリウムアルミニウム、珪酸カリウムアルミニウム、珪酸カルシウムアルミニウム、およびベントナイトからなる群から選択されるコア-シェル粒子である。
好ましい該水-不溶性フィラーは、二酸化ケイ素である。
これらの水-不溶性フィラーは、特に該シェルの硬さの改善を可能とする。
【0013】
該水-不溶性フィラー成分(b3)の少なくとも1種もしくはその各々は、≦100μm、好ましくは1nm〜100μmなる範囲、より好ましくは1nm〜1000nmなる範囲、特に好ましくは1nm〜100nmなる範囲、および最も好ましくは5〜20nmなる範囲内の平均粒径を持つ粒子からなることが好ましい。
更に、該水-不溶性フィラー成分(b3)、即ちその少なくとも1種もしくはその各々の粒子は、該シェル内に均一に分散されており、ここで好ましくは、同時に、該フィラーの1種、2種、数種または全ての粒子が、該シェル内に均一に分散されており、かつ≦100μm、好ましくは1nm〜100μmなる範囲、より好ましくは1nm〜1000nmなる範囲、特に好ましくは1nm〜100nmなる範囲、および最も好ましくは5〜20nmなる範囲内の平均粒径を持つことが好ましい。
好ましくは、該粒子サイズは、1nm〜6000nmなる測定範囲を持つ、供給元:レッシュテクノロジー(Retsch technology)からの装置ホルビア(HORBIA) LB550を用いて測定され、この測定は、動的光散乱に基いており、該粒径は、フーリエ変換を介して決定される。
【0014】
本発明による該球状コア-シェル粒子は、シームレスの硬化されたシェルを含み、および/または該コアが単核であることが好ましい。これらの特徴は、本発明による該粒子の機械的応力に対する耐性を改善する。
特に好ましい本発明によるコア-シェル粒子は、以下のような粒子である:
・該成分(b1)の硬化された多糖類、即ち該多糖類の少なくとも1種が、硬化されたアルギネート、ペクチン、ザンタンガム、カラギーナン、寒天、および硬化されたこれらの混合物からなる群から選択されるものであり、および
・該水溶性フィラー成分(b2)の水溶性フィラー、即ちその少なくとも1種もしくはその各々が糖アルコールであり、および
・該成分(b3)の水-不溶性フィラー、即ちその少なくとも1種もしくはその各々が、二酸化ケイ素、リン酸カルシウム、セルロース、二酸化チタン、鉄(III)酸化物-水酸化物、特にFeO(OH)・H2O、鉄(III)酸化物、鉄(II,III)酸化物、リン酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、水和ケイ酸マグネシウムH2Mg3(SiO3)4またはMg3Si4O10(OH)2、マグネシウムトリシリケート、珪酸マグネシウムアルミニウム、珪酸ナトリウムアルミニウム、珪酸カリウムアルミニウム、珪酸カルシウムアルミニウム、およびベントナイトからなる群から選択される。
【0015】
本発明による該球状コア-シェル粒子を調製するための硬化性多糖として最も好ましいものは、アルギン酸ナトリウムである。更に、本発明による該粒子を調製する際に、一価のカチオンを含む多糖(該好ましいアルギン酸ナトリウムのような)を、硬化工程中に、二価のカチオン(好ましくはCa2+)と接触させて、該硬化された多糖がCa-アルギネートを含むようにすることが好ましい。
本発明によるコア-シェル粒子は、好ましくは1:0.1:0.1〜1:0.5:0.5なる範囲、好ましくは1:0.2:0.2〜1:0.4:0.4なる範囲および特に1:0.25:0.25〜1:0.35:0.35なる範囲内の、上記成分の全質量の比:(b1):(b2):(b3)にてこれらの成分を含む。
驚いたことに、本発明者等は、該好ましい比の範囲内において、該成分b1〜b3が、相乗的な様式で該多糖の硬化に寄与し、該シェル内での硬化作用は、該3成分各々によって期待される硬化作用の和よりも大きいことを見出した。
本発明による好ましいコア-シェル粒子は、更に、該成分(b)において、乳化剤、着色剤、酸化防止剤、甘味料、およびニュートラシューティカルズ(neutraceuticals)からなる群から選択される添加剤の1種、2種、数種または全てをも含む。
【0016】
これら成分b1〜b3に加えて、本発明による該粒子のシェルは、例えばスクラロース、アスパルテーム、アセスルフェームKまたはNa、サッカリン、ソーマチン、ネオヘスペリジン、またはこれらの混合物等の甘味料、並びに食品着色料を含むことができる。
上記材料に加えて、該シェルは酸、特に一塩基性酸、二塩基性酸または三塩基性酸型の酸、好ましくはクエン酸、フマール酸、リンゴ酸、コハク酸、酒石酸、アジピン酸、アスコルビン酸、乳酸または酢酸を含むことができる。少なくとも1種のこのような酸の使用は、特に該被膜を持たないカプセルのシェルの微生物学的安定性を保証し、またその官能特性を調整することを可能とする。更に、その物理化学的諸特性(pH)を調節することができる。
本発明による該粒子は、更に呼気調節性活性物質を含むことができ、該被膜を持たないカプセルのシェル内に配合するのに適したものは、四級化合物、例えばピリジニウム塩(例えば、セチルピリジニウムクロリド)、他のカチオン性物質、例えばクロルヘキシジン塩、亜鉛塩、ナトリウムラウレート等の塩、クロロフィル、トリクロサン、銅化合物、例えば銅グルコネート、または同-クロロフィル抽出液である。
【0017】
コア液体:
本発明による好ましいコア-シェル粒子において、上記成分(a1)は、夫々溶媒または外相中に1種またはそれ以上の成分を含む液状溶液、エマルションまたは分散液で構成される。本発明によれば、該成分(a)は、該成分(a1)として、および/または別の成分(a2)の材料として、1種、2種またはそれ以上の香味料、芳香剤、溶媒、希釈剤、甘味料からなる群から選択される物質、および場合により1種、2種またはそれ以上の着色剤、ビタミン、植物抽出物、増粘剤、重量調節剤(weightening agents)、pH-調節剤、酸化防止剤、乳化剤、栄養剤、風味改善剤および微生物を含むことが更に好ましい。
一般に、該コア-シェル粒子(シームレスまたはそれ以外)におけるコア液体は、液体または粘稠液体であり得る。好ましくは、該コア液体は、1〜500mPasなる範囲、より好ましくは5〜300mPasなる範囲、より一層好ましくは7〜200mPasなる範囲および最も好ましくは11〜99mPasなる範囲内の粘度を持ち、該粘度は50mmプレート-プレートプローブ装置、例えばボーリン(Bohlin) CVO100において使用されているもの等を用いて、25℃にて、10s-1なる剪断力の下で、回転状態で測定される。
【0018】
本発明による粒子を消費するに際しては、所定量のコア液体を、直接口中に通す。これは、典型的に、特に咀嚼または噛みきりが、該被膜を持たないカプセルのシェルの破壊を生じる場合に、迅速な香味効果(香味料バースト)を引起す。該香味効果の影響は、該コア液体中の香味料の型および/または量によって調節することができる。
従って、香味料と植物油またはトリグリセライドとの混合物が、該コア液体に対して好ましく使用される。この混合物は、好ましくは室温にて透明な溶液であり、また好ましくは10℃においても依然として透明な溶液である。適当な香味料の例は、合成および天然産の香味料およびこれらの混合物、並びにオレオレジンまたは植物、葉、花、果実等の抽出液、並びにこれらの組合せである。
【0019】
香味料(Flavors):
好ましくは、本発明に従って使用される香味料は、親油性の香味物質を含む。
親油性の香味物質が、本発明に関連して好ましく使用され、従って好ましくは本発明による該カプセルのコアにおいて使用される。これらは様々な化学物質群に属し、例えば以下の通りである:
・例えば、3-カレン、α-ピネン、β-ピネン、α-テルピネン、γ-テルピネン、p-シモール、ビサボレン、カンフェン、カリオフィレン、セドレン、ファルネセン、リモネン、ロンギホレン、ミルセン、オシメン、バレンセン、(E,Z)-1,3,5-ウンデカトリエン等の炭化水素を含む群;
・例えば、ヘキサノール、オクタノール、3-オクタノール、2,6-ジメチルヘプタノール、2-メチル-2-ヘプタノール、2-メチル-2-オクタノール、(E)-2-ヘキセノール、(E)-および(Z)-3-ヘキセノール、1-オクテン-3-オール、3,4,5,6,6-ペンタメチル-3/4-ヘプテン-2-オールおよび3,5,6,6-テトラメチル-4-メチレンヘプタン-2-オールの混合物、(E,Z)-2,6-ノナジエノール、3,7-ジメチル-7-メトキシオクタン-2-オール、9-デセノール、10-ウンデセノール、4-メチル-3-デセン-5-オール等の脂肪族アルコールを含む群;
【0020】
・例えば、ヘキサナール、ヘプタナール、オクタナール、ノナナール、デカナール、ウンデカナール、ドデカナール、トリデカナール、2-メチルオクタナール、2-メチルノナナール、(E)-2-ヘキセナール、(Z)-4-ヘプテナール、2,6-ジメチル-5-ヘプテナール、10-ウンデセナール、(E)-4-デセナール、2-ドデセナール、2,6,10-トリメチル-5,9-ウンデカジエナール、ヘプタナールジエチルアセタール、1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキセン等の、脂肪族アルデヒドおよびそのアセタールを含む群;
・例えば、2-ヘプタノン、2-オクタノン、3-オクタノン、2-ノナノン、5-メチル-3-ヘプタノン、5-メチル-3-ヘプタノンオキシム、2,4,4,7-テトラメチル-6-オクテン-3-オン等の脂肪族ケトンおよびそのオキシム、例えば3-メチルチオヘキサノール、3-メチルチオヘキシルアセテート、3-メルカプトヘキサノール、3-メルカプトヘキシルアセテート、3-メルカプトヘキシルブチレート、3-アセチルチオヘキシルアセテート、1-メンテン-8-チオール等の脂肪族硫黄-含有化合物を含む群;
・例えば、2-ノネン酸ニトリル、2-トリデセン酸ニトリル、2,12-トリデカジエン酸ニトリル、3,7-ジメチル-2,6-オクタジエン酸ニトリル、3,7-ジメチル-6-オクテン酸ニトリル等の脂肪族ニトリルを含む群;
【0021】
・例えば、(E)-および(Z)-3-ヘキセニルホルメート、エチルアセトアセテート、イソアミルアセテート、ヘキシルアセテート、3,5,5-トリメチルヘキシルアセテート、3-メチル-2-ブテニルアセテート、(E)-2-ヘキセニルアセテート、(E)-および(Z)-3-ヘキセニルアセテート、オクチルアセテート、3-オクチルアセテート、1-オクテン-3-イル-アセテート、エチルブチレート、ブチルブチレート、イソアミルブチレート、ヘキシルブチレート、(E)-および(Z)-3-ヘキセニルイソブチレート、ヘキシルクロトネート、エチルイソバレレート、エチル-2-メチルペンタノエート、エチルヘキサノエート、アリルヘキサノエート、エチルヘプタノエート、アリルヘプタノエート、エチルオクタノエート、エチル-(E,Z)-2,4-デカジエノエート、メチル-2-オクチネート、メチル-2-ノニネート、アリル-2-イソアミルオキシアセテート、メチル-3,7-ジメチル-2,6-オクタジエノエート等の脂肪族カルボン酸エステルを含む群;
【0022】
・例えば、シトロネロール、ゲラニオール、ネロール、リナロオール、ラバンズロール、ネロリドール、ファルネソール、テトラヒドロリナロオール、テトラヒドロゲラニオール、2,6-ジメチル-7-オクテン-2-オール、2,6-ジメチルオクタン-2-オール、2-メチル-6-メチレン-7-オクテン-2-オール、2,6-ジメチル-5,7-オクタジエン-2-オール、2,6-ジメチル-3,5-オクタジエン-2-オール、3,7-ジメチル-4,6-オクタジエン-3-オール、3,7-ジメチル-1,5,7-オクタトリエン-3-オール、2,6-ジメチル-2,5,7-オクタトリエン-1-オール、等の非-環式テルペンアルコール、およびこれらのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネート、3-メチル-2-ブテノエートを含む群;
【0023】
・例えば、ゲラニアール、ネラール、シトロネラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、7-メトキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2,6,10-トリメチル-9-ウンデセナール、ゲラニルアセトン、およびゲラニラール、ネラール、7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナールのジメチルおよびジエチルアセタール等の非-環式テルペンアルデヒドおよびケトンを含む群;
・例えば、メントール、イソプレゴール、α-テルピネオール、テルピネオール-4、メンタン-8-オール、メンタン-1-オール、メンタン-7-オール、ボルネオール、イソボルネオール、リナロオールオキシド、ノポール、セドロール、アンブリノール、ベチベロール、グアイオール等の環式テルペンアルコール、およびこれらのホルメート、アセテート、プロピオネート、イソブチレート、ブチレート、イソバレレート、ペンタノエート、ヘキサノエート、クロトネート、チグリネート、3-メチル-2-ブテノエートを含む群;
・例えば、メントン、イソメントン、8-メルカプトメンタン-3-オン、カルボン、カンファー、フェンチョン、α-イオノン、β-イオノン、α-n-メチルイオノン、β-n-メチルイオノン、α-イソメチルイオノン、β-イソメチルイオノン、α-イロン、α-ダマスコン、β-ダマスコン、β-ダマセノン、δ-ダマスコン、γ-ダマスコン、1-(2,4,4-トリメチル-2-シクロヘキセン-1-イル)-2-ブテン-1-オン、1,3,4,6,7,8a-ヘキサヒドロ-1,1,5,5-テトラメチル-2H-2,4a-メタノナフタレン-8(5H)-オン、ノオトカトン、ジヒドロノオトカトン、α-シネンサール、β-シネンサールなどの環式テルペンアルデヒドおよびケトンを含む群;
【0024】
・例えば、4-tert--ブチルシクロヘキサノール、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノール、3-イソカンフィルシクロヘキサノール、2,6,9-トリメチル-Z2,Z5,E9-シクロドデカトリエン-1-オール、2-イソブチル-4-メチルテトラヒドロ-2H-ピラン-4-オール等の環状アルコールを含む群;
・例えば、α-3,3-トリメチルシクロヘキシルメタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-ブタノール、2-メチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-2-ブテン-1-オール、2-エチル-4-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-2-ブテン-1-オール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-ペンタン-2-オール、3-メチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、3,3-ジメチル-5-(2,2,3-トリメチル-3-シクロペント-1-イル)-4-ペンテン-2-オール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)-ペンタン-3-オール、1-(2,2,6-トリメチルシクロヘキシル)-ヘキサン-3-オール等の環式脂肪族アルコールを含む群;
・例えば、アリル-3-シクロヘキシルプロピオネート、アリルシクロヘキシルオキシアセテート、メチルジヒドロジャスモネート、メチルジャスモネート、メチル-2-ヘキシル-3-オキソシクロペンタンカルボキシレート、エチル-2-エチル-6,6-ジメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート、エチル-2,3,6,6-テトラメチル-2-シクロヘキセンカルボキシレート、エチル-2-メチル-1,3-ジオキソラン-2-アセテート等の環式脂肪族カルボン酸のエステルを含む群;
・例えば、スチレンおよびジフェニルメタン等の芳香族炭化水素を含む群;
【0025】
・例えば、ベンジルアルコール、1-フェニルエチルアルコール、2-フェニルエチルアルコール、3-フェニルプロパノール、2-フェニルプロパノール、2-フェノキシエタノール、2,2-ジメチル-3-フェニルプロパノール、2,2-ジメチル-3-(3-メチルフェニル)プロパノール、1,1-ジメチル-2-フェニルエチルアルコール、1,1-ジメチル-3-フェニルプロパノール、1-エチル-1-メチル-3-フェニルプロパノール、2-メチル-5-フェニルペンタノール、3-メチル-5-フェニルペンタノール、3-フェニル-2-プロペン-1-オール、4-メトキシベンジルアルコール、1-(4-イソプロピルフェニル)エタノール等の芳香-脂肪族アルコールを含む群;
・例えば、ベンジルアセテート、ベンジルプロピオネート、ベンジルイソブチレート、ベンジルイソバレレート、2-フェニルエチルアセテート、2-フェニルエチルプロピオネート、2-フェニルエチルイソブチレート、2-フェニルエチルイソバレレート、1-フェニルエチルアセテート、α-トリクロロメチルベンジルアセテート、α,α-ジメチルフェニルエチルアセテート、α,α-ジメチルフェニルエチルブチレート、シンナミルアセテート、2-フェノキシエチルイソブチレート、4-メトキシベンジルアセテート等の芳香-脂肪族アルコールと脂肪族カルボン酸とのエステル、および例えば2-フェニルエチルメチルエーテル、2-フェニルエチルイソアミルエーテル、2-フェニルエチル-1-エトキシエチルエーテル、フェニルアセタルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセタルデヒドジエチルアセタール、ヒドラトロプアルデヒドジメチルアセタール、フェニルアセタルデヒドグリセロールアセタール等の芳香-脂肪族エーテルを含む群;
【0026】
・例えば、ベンズアルデヒド、フェニルアセタルデヒド、3-フェニルプロパナール、ヒドラトロプアルデヒド、4-メチルベンズアルデヒド、4-メチルフェニルアセタルデヒド、3-(4-エチルフェニル)-2,2-ジメチルプロパナール、2-メチル-3-(4-イソプロピルフェニル)-プロパナール、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)-プロパナール、3-(4-tert-ブチルフェニル)-プロパナール、シンナムアルデヒド、α-ブチルシンナムアルデヒド、α-アミルシンナムアルデヒド、α-ヘキシルシンナムアルデヒド、3-メチル-5-フェニルペンタナール、4-メトキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-メトキシベンズアルデヒド、4-ヒドロキシ-3-エトキシベンズアルデヒド、3,4-メチレンジオキシベンズアルデヒド、3,4-ジメトキシベンズアルデヒド、2-メチル-3-(4-メトキシフェニル)-プロパナール、2-メチル-3-(4-メチレンジオキシフェニル)-プロパナール等の芳香族および芳香-脂肪族アルデヒドを含む群;
・例えば、アセトフェノン、4-メチルアセトフェノン、4-メトキシアセトフェノン、4-tert-ブチル-2,6-ジメチルアセトフェノン、4-フェニル-2-ブタノン、4-(4-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、1-(2-ナフタレニル)エタノール、ベンゾフェノン等の芳香族および芳香-脂肪族ケトンを含む群;
【0027】
・例えば、安息香酸、フェニル酢酸、メチルベンゾエート、エチルベンゾエート、ヘキシルベンゾエート、ベンジルベンゾエート、メチルフェニルアセテート、エチルフェニルアセテート、ゲラニルフェニルアセテート、フェニルエチルフェニルアセテート、メチルシンナメート、エチルシンナメート、ベンジルシンナメート、フェニルエチルシンナメート、シンナミルシンナメート、アリルフェノキシアセテート、メチルサリチレート、イソアミルサリチレート、ヘキシルサリチレート、シクロヘキシルサリチレート、cis-3-ヘキセニルサリチレート、ベンジルサリチレート、フェニルエチルサリチレート、メチル-2,4-ジヒドロキシ-3,6-ジメチルベンゾエート、エチル-3-フェニルグリシデート、エチル-3-メチル-3-フェニルグリシデート等の芳香族および芳香-脂肪族カルボン酸およびそのエステルを含む群;
・例えば、2,4,6-トリニトロ-1,3-ジメチル-5-tert-ブチルベンゼン、3,5-ジニトロ-2,6-ジメチル-4-tert-ブチルアセトフェノン、シンナモニトリル、5-フェニル-3-メチル-2-ペンテン酸ニトリル、5-フェニル-3-メチルペンタン酸ニトリル、メチルアントラニレート、メチル-N-メチルアントラニレート、メチルアントラニレートと7-ヒドロキシ-3,7-ジメチルオクタナール、2-メチル-3-(4-tert-ブチルフェニル)-プロパナールまたは2,4-ジメチル-3-シクロヘキセンカルボアルデヒドとのシッフ塩基、6-イソプロピルキノリン、6-イソブチルキノリン、6-sec-ブチルキノリン、インドール、スカトール、2-メトキシ-3-イソプロピルピラジン、2-イソブチル-3-メトキシピラジン等の含窒素芳香族化合物を含む群;
【0028】
・例えば、エストラゴール、アネトール、オイゲノール、オイゲニルメチルエーテル、イソオイゲノール、イソオイゲニルメチルエーテル、チモール、カルバクロール、ジフェニルエーテル、β-ナフチルメチルエーテル、β-ナフチルエチルエーテル、β-ナフチルイソブチルエーテル、1,4-ジメトキシベンゼン、オイゲニルアセテート、2-メトキシ-4-メチルフェノール、2-エトキシ-5-(1-プロペニル)-フェノール、p-クレジルフェニルアセテート等のフェノール、フェニルエーテルおよびフェニルエステルを含む群;
・例えば、2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-2H-フラン-3-オン、2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-2H-フラン-3-オン、3-ヒドロキシ-2-メチル-4H-ピラン-4-オン、2-エチル-3-ヒドロキシ-4H-ピラン-4-オン等のヘテロ環式化合物を含む群;
・例えば、1,4-オクタノリド、3-メチル-1,4-オクタノリド、1,4-ノナノリド、1,4-デカノリド、8-デセン-1,4-オリド、1,4-ウンデカノリド、1,4-ドデカノリド、1,5-デカノリド、1,5-ドデカノリド、1,15-ペンタデカノリド、cis-およびtrans-11-ペンタデセン-1,15-オリド、cis-およびtrans-12-ペンタデセン-1,15-オリド、1,16-ヘキサデカノリド、9-ヘキサデセン-1,16-オリド、10-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、11-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、12-オキサ-1,16-ヘキサデカノリド、エチレン1,12-ドデカンジオエート、エチレン1,13-トリデカンジオエート、クマリン、2,3-ジヒドロクマリン、オクタヒドロクマリン等のラクトンを含む群。
【0029】
本発明との関連で特に好ましく使用される該親油性香味物質は、1.0を越えるlogPOWを有し、これらは、好ましくは以下に列挙する物質からなる群から選択される:
アセトフェノン、アリルカプロネート(capronate)、α-イオノン、β-イオノン、アニスアルデヒド、アニシルアセテート、アニシルホルメート、ベンズアルデヒド、ベンゾチアゾール、ベンジルアセテート、ベンジルアルコール、ベンジルベンゾエート、β-イオノン、ブチルブチレート、ブチルカプロエート、ブチリデンフタリド、カルボン、カンフェン、カリオフィレン、シネオール、シンナミルアセテート、シトラール、シトロネロール、シトロネラール、シトロネリルアセテート、シクロヘキシルアセテート、シモール、ダマスコン、デカラクトン、ジヒドロクマリン、ジメチルアントラニレート、ジメチルアントラニレート、ドデカラクトン、エトキシエチルアセテート、エチル-酪酸、エチルブチレート、エチルカプリネート(caprinate)、エチルカプロネート(capronate)、エチルクロトネート、エチルフラネオール(furaneol)、エチルグアジャコール(guajacol)、エチルイソブチレート、エチルイソバレレート、エチルラクテート、エチルメチルブチレート、エチルプロピオネート、ユーカリプトール、オイゲノール、エチルヘプチレート、4-(p-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、γ-デカラクトン、ゲラニオール、ゲラニルアセテート、ゲラニルアセテート、グレープフルーツアルデヒド、メチルジヒドロジャスモネート(例えば、ヘジオン(hedion))、ヘリオトロピン、2-ヘプタノン、3-ヘプタノン、4-ヘプタノン、trans-2-ヘプテナール、cis-4-ヘプテナール、trans-2-ヘキセナール、cis-3-ヘキセノール、trans-2-ヘキセン酸、trans-3-ヘキセン酸、cis-2-ヘキセニルアセテート、cis-3-ヘキセニルアセテート、cis-3-ヘキセニルカプロネート(capronate)、trans-2-ヘキセニルカプロネート(capronate)、cis-3-ヘキセニルホルメート、cis-2-ヘキシルアセテート、cis-3-ヘキシルアセテート、trans-2-ヘキシルアセテート、cis-3-ヘキシルホルメート、p-ヒドロキシベンジルアセトン、イソアミルアルコール、イソアミルイソバレレート、イソブチルブチレート、イソブチルアルデヒド、イソオイゲノールメチルエーテル、イソプロピルメチルチアゾール、ラウリン酸、レブリン酸、リナロオール、リナロオールオキシド、リナリルアセテート、メントール、メントフラン、メチルアントラニレート、メチルブタノール、メチル酪酸、2-メチルブチルアセテート、メチルカプロネート(capronate)、メチルシンナメート、5-メチルフルフラール、3,2,2-メチルシクロペンテノロン(cyclopentenolone)、6,5,2-メチルヘプテノン、メチルジヒドロジャスモネート、メチルジャスモネート、2-メチルメチルブチレート、2-メチル-2-ペンテン酸、メチルチオブチレート、3,1-メチルチオヘキサノール、3-メチルチオヘキシルアセテート、ネロール、ネリルアセテート、trans,trans-2,4-ノナジエナール、2,4-ノナジエノール、2,6-ノナジエノール、2,4-ノナジエノール、ノオトカトン、δ-オクタラクトン、γ-オクタラクトン、2-オクタノール、3-オクタノール、1,3-オクテノール、1-オクチルアセテート、3-オクチルアセテート、パルミチン酸、パラアルデヒド、フェランドレン、ペンタンジオン、フェニルエチルアセテート、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルアルコール、フェニルエチルイソバレレート、ピペロナール、プロピオンアルデヒド、プロピルブチレート、プレゴン、プレゴール、シネンサール、スルフロール(sulfurol)、テルピネン、テルピネオール、テルピノレン、8,3-チオメンタノン、4,4,2-チオメチルペンタノン、チモール、δ-ウンデカラクトン、γ-ウンデカラクトン、バレンセン(valencene)、バレリン酸、バニリン、アセトイン、エチルバニリン、エチルバニリンイソブチレート(=3-エトキシ-4-イソブチリルオキシベンズアルデヒド)、2,5-ジメチル-4-ヒドロキシ-3(2H)-フラノンおよびその誘導体(この場合、好ましくはホモフラネオール(homofuraneol)(=2-エチル-4-ヒドロキシ-5-メチル-3(2H)-フラノン)、ホモフロノール(homofuronol)(=2-エチル-5-メチル-4-ヒドロキシ-3(2H)-フラノンおよび5-エチル-2-メチル-4-ヒドロキシ-3(2H)-フラノン)、マルトールおよびマルトール誘導体(この場合、好ましくはエチルマルトール)、クマリンおよびクマリン誘導体、γ-ラクトン(この場合、好ましくはγ-ウンデカラクトン、γ-ノナラクトン、γ-デカラクトン)、δ-ラクトン(この場合、好ましくは4-メチル-δ-デカラクトン、マッソイア(massoia)ラクトン、δ-デカラクトン、チュベローズラクトン)、メチルソルベート、ジバニリン、4-ヒドロキシ-2(または5)-エチル-5(または2)-メチル-3(2H)-フラノン、2-ヒドロキシ-3-メチル-2-シクロペンテノン、3-ヒドロキシ-4,5-ジメチル-2(5H)-フラノン、酢酸イソアミルエステル、酪酸エチルエステル、酪酸n-ブチルエステル、酪酸イソアミルエステル、3-メチル酪酸エチルエステル、n-ヘキサン酸エチルエステル、n-ヘキサン酸アリルエステル、n-ヘキサン酸n-ブチルエステル、n-オクタン酸エチルエステル、エチル-3-メチル-3-フェニルグリシデート、エチル-2-trans-4-cis-デカジエノエート、4-(p-ヒドロキシフェニル)-2-ブタノン、1,1-ジメトキシ-2,2,5-トリメチル-4-ヘキサン、2,6-ジメチル-5-ヘプテン-1-アールおよびフェニルアセトアルデヒド、2-メチル-3-(メチルチオ)-フラン、2-メチル-3-フランチオール、ビス(2-メチル-3-フリル)ジスルフィド、フルフリルメルカプタン、メチオナール(methional)、2-アセチル-2-チアゾリン、3-メルカプト-2-ペンタノン、2,5-ジメチル-3-フランチオール、2,4,5-トリメチルチアゾール、2-アセチルチアゾール、2,4-ジメチル-5-エチルチアゾール、メルカプト-3-メチル-1-ブタノール、2-アセチル-1-ピロリン、2-メチル-3-エチルピラジン、2-エチル-3,5-ジメチルピラジン、2-エチル-3,6-ジメチルピラジン、2,3-ジエチル-5-メチルピラジン、3-イソプロピル-2-メトキシピラジン、3-イソブチル-2-メトキシピラジン、2-アセチルピラジン、2-ペンチルピリジン、(E,E)-2,4-デカジエナール、(E,E)-2,4-ノナジエナール、(E)-2-オクテナール、(E)-2-ノネナール、2-ウンデセナール、12-メチルトリデカナール、1-ペンテン-3-オン、4-ヒドロキシ-2,5-ジメチル-3(2H)-フラノン、グアジャコール(guajacol)、3-ヒドロキシ-4,5-ジメチル-2(5H)-フラノン、3-ヒドロキシ-4-メチル-5-エチル-2(5H)-フラノン、シンナムアルデヒド、シンナミルアルコール、メチルサリチレート、イソプレゴール、および更にはこれら物質の立体異性体、エナンチオマー、位置異性体、ジアステレオマー、cis/trans-異性体またはエピマー(特に列挙はしない)。
【0030】
ペパーミント油、スペアミント油、ユーカリ油、冬緑油、シナモン油、カッシア油、アニス油、アーモンド油、クローブ油、パセリ種子油、シトラス油、バニラ(抽出液)、例えばリンゴ、セイヨウナシ、モモ、ブドウ、イチゴ、ラズベリー、チェリーまたはパイナップルを志向した風味を持つ、フルーツ-様香味組成物を含む一連の物質からの香味剤が、好ましく使用される。
更に、該香味料の一部として適当な個々の物質は、咽喉、または口腔もしくは鼻腔において、涼味、清涼効果を持つものである。列挙可能なその例は、メントール、メントン、カルボキサミド、メントールアセテート、メントールメチルエーテル、メントンアセタール、メントールカーボネート、メントールサクシネート、1,8-シネオール(ユーカリプトール)、カルボン、α-テルピネオール、チモール、メチルサリチレート、2’-ヒドロキシプロピオフェノンである。
【0031】
上記液状または粘稠なコアにおける香味料の含有率
該コア液体中の該香味料の含有率は、とりわけ該香味料の粒径およびその香味付けの強さに依存し、また本発明によれば、該含有率は、該液状または粘稠なコアの全質量を基準として、1〜100%なる範囲にある。しかし、好ましくは、該液状または粘稠なコアにおける香味料の含有率は、5〜100%(質量基準(m/m))なる範囲、より好ましくは30〜95%(m/m)なる範囲内にある。
【0032】
該液状または粘稠なコアにおける甘味料(随意成分)
適当な場合には可溶化剤を用いて、本発明による粒子を含む該コア液体中に、甘味料を添加することも可能である。本発明によれば、該コア液体は口内の歯と直接接触することになるので、該コア液体が、pH-低下作用を及ぼさないことが有利である。さもないと、エナメル質に対する損傷を防止することは不可能であろう。
本出願人の研究において、タウマチン、ネオヘスペリジンおよびミラクリン(並びにこれらの混合物)が、該コア液体における甘味料として特に適しており、またそのpH値に対して悪影響を及ぼさないことを今や見出した。溶解度が優れていることから、タウマチンが特に好ましい。
【0033】
一般に、該コア材料に対して適用可能な甘味料は、更にサッカリン(場合によってはNa、KまたはCa塩として)、アスパルテーム(例えば、ヌートラスイート(NutraSweetTM))、シクラメート(場合によってはNaまたはCa塩として)、アセスルフェームK(例えば、スネット(SunettTM))、ジヒドロカルコンである。更に、他の甘味料、例えばステビオシド、レボージオシドA、グリシルリジン、ウルトラスイート、オスラジン、ブラゼイン(brazzein)、ミラクリン、ペンタジン(pentadin)、フィロズルシン、ジヒドロカルコン、アリールウレア、三置換グアニジン、グリシルリジン、スーパーアスパルタム(superaspartam)、スオサン(suosan)、スクラロース(トリクロロガラクトーススクロース(TGS))、アリテーム、モネリンまたはネオテーム(NeotameTM)を使用することも可能である。
また、他方において、原理的には使用するのに適したものである他の甘味料、例えばサッカリン酸またはアセスルフェームKが、水性相のpH値を低下し、従って上記と同様な場合においては、口内のpH値の変動が、許容度を維持すべき場合には、比較的高い濃度で使用すべきではないことも分かっている。
【0034】
溶媒
好ましくは、本発明のコア-シェル粒子は、該コア中に香味付与性溶媒を含む。好ましい香味付与性溶媒は、ヒトが消費するのに適したもの、例えばエタノール、脂肪油、例えばクッキングオイルおよび特に植物油、例えばルリジサ油、アザミ油、ピーナッツ油、ヘーゼルナッツ油、ココナッツ油、カボチャ種子油、亜麻仁油、トウモロコシ胚芽油、マカダミアナッツ油、アーモンド油、オリーブ油、ペカンナッツ油、ピスタチオ仁油、菜種油、米胚芽油、ゴマ油、大豆油、ヒマワリ油、クルミ油または小麦胚芽油、主として6-7個の炭素原子に相当する鎖長を持つ脂肪酸残渣(C6-〜C8-脂肪酸)を含む、精留ココナッツ油、プロピレングリコール、ジアセチン(グリセリンジアセテート)、トリアセチン(グリセリントリアセテート)、ベンジルアルコール、トリエチルシトレート、エチルラクテート、イソプロパノールおよびグリセリンである。好ましい一態様によれば、本発明で使用する該香味物質は、1種またはそれ以上の上記した香味付与性溶媒と混合され、次いで本発明の方法に供給される。本発明の方法を、以下において更に説明する。
【0035】
該液状または粘稠なコアの更なる成分
着色物質、酸化防止剤、ビタミン(例えば、アスコルビン酸、ビタミンE)、および/または植物抽出液を、該コア液体に添加することができる。
【0036】
好ましい着色剤は、ラクトフラビン(リボフラビン)、β-カロチン、リボフラビン-5'-ホスフェート、α-カロチン、γ-カロチン、カンタキサンチン、エリスロシン、クルクミン、キノリンイエロー、イエローオレンジS、タルトラジン、ビキシン、ノルビキシン(アナトー、オルレアン(orlean))、カプサンチン、カプソルビン、リコペン、β-アポ-8’-カロテナール、β-アポ-8’-カロチン酸エチルエステル、キサントフィル(フラボキサンチン、ルテイン、クリプトキサンチン、ルビキサンチン、ビオラキサンチン、ロドキサンチン)、ファストカルミン(カルミニン酸、コチニール)、アゾルビン、コチニールレッドA(ポンソ4R)、ビート根レッド、ベタニン、アントシアニン、アマランス、パテントブルーV、インジゴチンI(インジゴ-カルミン)、クロロフィル、クロロフィルの銅化合物、アシッドブリリアントグリーンBS(リサミングリーン)、ブリリアントブラックBN、植物炭素、二酸化チタン、鉄酸化物および水酸化物、炭酸カルシウム、アルミニウム、銀、金、ピグメントルビンBK(リトールルビンBK)、メチルバイオレットB、ビクトリアブルーR、ビクトリアブルーB、アシラン(acilan)ブリリアントブルーFFR(ブリリアントウールブルーFFR)、ナフトールグリーンB、アシランファストグリーン10G(アルカリファストグリーン10G)、セレスイエローGRN、スーダンブルーII、群青、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、ファストアシッドバイオレットRである。更に、天然産の抽出液(例えば、パプリカ抽出液、黒色ニンジン抽出液、赤キャベツ抽出液)を、着色の目的で使用することができる。良好な結果は、また以下のような名称の色素、染料を用いて達成することができる:所謂アルミニウムレーキ:FD & Cイエロー5レーキ、FD & Cブルー2レーキ、FD & Cブルー1レーキ、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、FD & Cイエロー6レーキ、FD & Cレッド40レーキ、サンセットイエローレーキ、カルモイシンレーキ、アマランスレーキ、ポンソ4Rレーキ、エリスロシンレーキ、レッド2Gレーキ、アルラレッドレーキ、パテントブルーVレーキ、インジゴカルミンレーキ、ブリリアントブルーレーキ、ブラウンHTレーキ、ブラックPNレーキ、グリーンSレーキおよびこれらの混合物。
【0037】
酸化防止作用を強化し得る物質をも含む、好ましい酸化防止剤は、例えば天然産のトコフェロールおよびその誘導体(例えば、ビタミンE-アセテート)、ビタミンCおよびその塩または誘導体(例えば、アスコルビルパルミテート、Mg-アスコルビルホスフェート、アスコルビルアセテート)、ビタミンAおよびその誘導体(ビタミンA-パルミテート)、トコトリエノール、フラボノイド、アルファヒドロキシ酸(例えば、クエン酸、乳酸、リンゴ酸、酒石酸)およびそのNa、KaおよびCa塩、フラボノイド、ケルセチン、フェノール系ベンジルアミン、プロピルガレート、オクチルガレート、ドデシルガレート、ブチルヒドロキシアニソール(BHA, E320)、ブチルヒドロキシトルエン(BHT, 2,6-ジ-tert-ブチル-4-メチルフェノール、E321)、レシチン、クエン酸でエステル化された食用脂肪酸のモノ-およびジ-グルセライド、カロチノイド、カロチン(例えば、α-カロチン、β-カロチン、リコペン)およびその誘導体、フィチン酸、ラクトフェリン、EDTA、EGTA、葉酸およびその誘導体、ユビキノンおよびユビキノール並びにこれらの誘導体、フェルル酸およびその誘導体、亜鉛およびその誘導体(例えば、ZnO、ZnSO4)、セレンおよびその誘導体(例えば、セレンメチオニン)、オルトリン酸塩およびモノリン酸のNa、KaおよびCa塩並びに植物から単離された成分、その抽出物または画分、例えば紅茶、緑茶、藻、ブドウ種子、小麦胚芽、カミツレ、ローズマリー、およびオレガノ由来のものである。
【0038】
上記液状または粘稠なコアは、栄養生理学において活性な物質または物質の混合物(ニュートラシューティカルズ)を含むことができる。本明細書において、ニュートラシューティカルズとは、本発明によるカプセルに健康上の利益を付加する、物質または物質の混合物を意味する。このような物質の例は、特にビタミン、ミネラル、痕跡元素、微量栄養素、酸化防止剤である。以下のものを例として挙げることができる:パンテノール、パントテン酸、必須脂肪酸、ビタミンAおよびその誘導体、カロチン、ビタミンC(アスコルビン酸)、ビタミンE(トコフェロール)およびその誘導体、BおよびDシリーズのビタミン類、例えばビタミンB6(ニコチンアミド)、ビタミンB12、ビタミンD1、ビタミンD3、ビタミンF、葉酸、ビオチン、アミノ酸、マグネシウム、ケイ素、リン、カルシウム、マンガン、鉄または銅等の元素の油溶性化合物、コエンザイムQ10、不飽和脂肪酸、ω-3-脂肪酸、ポリ不飽和脂肪酸、γ-リノレン酸、オレイン酸、エイコサペンタエン酸、ドコサヘキサエン酸およびその誘導体、ビスアボレン、クロラムフェニコール、カフェイン、カプサイシン、プロスタグランジン、チモール、カンファー、γ-オリザノール、サーモン油、油溶性または油-混和性抽出物、植物および動物起源の芳香性蝋(コンクリート)成分または残渣。
好ましくは、本発明によるコア-シェル粒子は、更に増粘剤および/または重量調節剤を含む。
【0039】
増粘剤は、粘度、特に該コアの粘度を高める物質、例えば二酸化ケイ素またはエチルセルロースである。
重量調節剤は、該コアの密度を高めるのに適した物質である。
本発明による該コア-シェル粒子は、好ましくは該コア内に、涼味物質を含むことができる。涼味物質は、例えばl-メントール、d-メントール、ラセミ体メントール、メントングリセロールアセタール(商品名:フレスコラット(FrescolatTM) MGA)、メンチルラクテート(商品名:フレスコラット(FrescolatTM) ML、メンチルラクテートは、好ましくはl-メンチルラクテート、特にl-メンチル-l-ラクテートである)、置換メンチル-3-カルボキサミド(例えば、メンチル-3-カルボン酸-N-エチルアミド)、2-イソプロピル-N-2,3-トリメチルブタンアミド、置換シクロヘキサンカルボキサミド、3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート、N-アセチルグリシンメンチルエステル、イソプレゴール、ヒドロキシカルボン酸メンチルエステル(例えば、メンチル-3-ヒドロキシブチレート)、モノ-メンチルサクシネート、2-メルカプトシクロデカノン、メンチル-2-ピロリジン-5-オンカルボキシレート、2,3-ジヒドロキシ-p-メンタン、3,3,5-トリメチルシクロヘキサノングリセロールケタール、3-メンチル-3,6-ジ-およびトリ-オキサアルカノエート、3-メンチルメトキシアセテートおよびイシリン(icilin)である。
【0040】
特に好ましい涼味活性成分は、以下の通りである:l-メントール、ラセミ体メントール、メントングリセロールアセタール(商品名:フレスコラット(FrescolatTM) MGA)、メンチルラクテート(好ましくは、l-メンチルラクテート、特にl-メンチル-l-ラクテート、商品名:フレスコラット(FrescolatTM) ML)、3-メントキシプロパン-1,2-ジオール、2-ヒドロキシエチルメンチルカーボネート、2-ヒドロキシプロピルメンチルカーボネート。
【0041】
該液状または粘稠なコアにおける活性成分
鎮咳活性物質を添加することができ、その例は、例えばデキストロメトルファン、クロフェディアノール、カルベタペンタン、カラミフェン、ノシアピン(nosciapine)、ジフェニルヒドラミン、コデイン、ヒドロコドン、ヒドロモルホン、ホミノベン、およびベンゾナタートを包含する。
経口麻酔活性物質を添加することができ、その例は、例えばフェノール、リドカイン、ジクロニン、ベンゾカイン、メントール、サリチルアルコールおよびヘキシルレゾルシノールを包含する。
特に好ましい本発明によるコア-シェル粒子は、該シェルの破断力が2.5Nまたはそれ以上、好ましくは2.5〜20Nなる範囲、より好ましくは3〜20Nなる範囲および最も好ましくは4〜20Nなる範囲にある場合に得られるものである。
【0042】
破断力の測定は、公知の材料テスト装置によって、該コア-シェル粒子に圧縮力を適用し、次いでその力を測定することにより行うことができる。該コア-シェル粒子と接触している該テスト装置プローブの領域は、平坦であり、また該カプセルの径よりも大きな寸法を有している。破断力は、圧縮力を徐々に適用した際に、該カプセルシェルが破壊される時点において記録された力である。該破断力は、実施例1に示すように測定することができる。
【0043】
本発明の一部は、また球状コア-シェル粒子、好ましくは本発明によるコア-シェル粒子を製造する方法であり、該方法は以下の諸工程を含む:
(i) 以下の成分を調製する工程:
・コア-液体からなるまたは該コア-液体を含むコア材料;
・以下の成分からなる、または以下の成分を含むシェル材料の分散液:
・水;
・硬化性多糖または硬化性多糖類混合物;
・該水に溶解した、1種、2種またはそれ以上のフィラー;および
・硬さを高める量の、1種、2種またはそれ以上の水-不溶性フィラー;および
・該硬化性多糖または硬化性多糖類混合物を硬化するための、硬化液体;
(ii) コアおよびシェルを含む液滴を製造する工程、ここで該コアは、前記コア材料で作られており、かつ該シェルは、前記シェル材料で作られている;
(iii) 該液滴の該シェル内の、該硬化性多糖または硬化性多糖類混合物を、該シェルと該硬化液体とを接触させることにより硬化する工程;および場合により
(iv) 前記工程(iii)において得られた球状コア-シェル粒子を洗浄しおよび/または乾燥する工程。
【0044】
本発明の方法において使用するのに好ましい材料は、上記の通りである。本発明によるコア-シェル粒子にとって好ましい材料のあらゆる組合せが、本発明の方法においても適用できることに注意すべきである。
球状コア-シェル粒子製造用の硬化液体は、当分野の現状において周知である。本発明の方法において使用すべき該硬化液体は、二価のカチオン、特に好ましくはCa2+を含むものであることが好ましい。
多くの場合において、該シェル材料の分散液が、更にクエン酸三ナトリウム、着色剤および/またはアスコルビン酸および/またはその塩を含むことが好ましい。
多くの場合において、本発明の方法にとって(および同様に本発明の粒子にとって)、乳化剤が、該コア材料、該シェル材料および/または該硬化液体中に配合されていることが更に好ましい。
【0045】
本発明に従って使用するのに好ましい乳化剤の例は、以下に列挙するものである:レシチン、プロピレングリコールアルギネート、ポリソルベート20、ポリソルベート40、ポリソルベート60、ポリソルベート65、ポリソルベート80、ホスホグリセライド、脂肪酸のモノ-およびジ-グリセライド、ソルビタンモノステアレート、ソルビタンモノオレエート、ソルビタンモノラウレート、ソルビタントリステアレート、ソルビタンモノパルミテート、ステアリルタルタレート、カルシウムステアロイル-2-ラクチレート、ナトリウムステアロイル-2-ラクチレート、脂肪酸のプロピレングリコールエステル、ポリグリセロールポリリシノレエート、脂肪酸のポリグリセロールエステル、糖グリセライド、脂肪酸の糖エステル、脂肪酸のモノ-およびジ-グリセライドの混合酢酸および酒石酸エステル、脂肪酸のモノ-およびジ-グリセライドのジアセチル酒石酸エステル、脂肪酸のモノ-およびジ-グリセライドの酒石酸エステル、脂肪酸のモノ-およびジ-グリセライドのクエン酸エステル、脂肪酸のモノ-およびジ-グリセライドの乳酸エステル、脂肪酸のモノ-およびジ-グリセライドの酢酸エステル、脂肪酸の塩、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、アンモジウム(ammodium)ホスファチド、大豆ヘミセルロース。
【0046】
より好ましい乳化剤は、ポリソルベート80および脂肪酸のモノ-およびジ-グリセライドである。
本発明の方法においては、該カプセルを製造した後(即ち、該シェル-コア粒子のシェルが硬化された後)、好ましくは水で、該生成されたカプセルを洗浄することが好ましいことであり得る。この洗浄は、該硬化溶液の残渣を除去するであろう。しばしば、この洗浄は、また該シェル内の該水-不溶性フィラーの濃度を減じるように作用するであろう。
該カプセルを製造した後、および該随意の洗浄工程の完了後、該得られたコア-シェル粒子を乾燥することが、更に好ましい。好ましくは、本発明による該粒子が、該粒子(付随的な被膜を含まない)の全質量を基準として、2〜20質量%なる範囲、好ましくは3〜15質量%なる範囲および特に好ましくは4〜10質量%なる範囲の水を含むようになるまで、該乾燥工程を実施する。
本発明による好ましい方法は、上記工程(ii)において、該液滴が、該コア材料および該シェル材料を、同時に、同心状の多-成分ノズルを介して吐出させることにより形成されることを特徴とする方法である。
上記の如き同心状の多-成分ノズルは、当分野の現状において公知である。
【0047】
本発明の上記方法は、更に好ましくは以下の特徴を持つ:
・該硬化性多糖または硬化性多糖類混合物が、これと二価または多価カチオンとを接触させることにより硬化可能であり;
・該硬化液体が、二価または多価カチオンを含み;および
・該工程(iii)においては、該二価または多価カチオンが、該液滴のシェル内に存在する該硬化性多糖または硬化性多糖類混合物を硬化するように、該硬化性多糖または硬化性多糖類混合物を該硬化液体と接触させる。
本発明によるこの好ましい方法により、効果的に、高品位のコア-シェル粒子を製造することが可能となる。
本発明の一部は、また水および水溶性フィラーの存在下で、硬化性多糖を硬化することにより調製される、コア-シェル粒子のシェルを強化するためのフィラーとしての、水-不溶性固体粒子の使用にある。
好ましい水-不溶性固体フィラーは、上記したものである。上で述べた如く、このような水-不溶性フィラーが、コア-シェル粒子のシェルを強化できるという驚くべき効果は、当技術の現状においてはまだ知られていない。
【0048】
更に、本発明の一部は、複数の、(i)本発明によるコア-シェル粒子または(ii)本発明の方法に従って製造したコア-シェル粒子を含む配合物にある。
このような配合物において、本発明のコア-シェル粒子または本発明により製造された粒子の利点を利用することができる:即ち、硬化性の多糖のみで製造した粒子に比して、該粒子の改善された硬さは、例えば該粒子を該配合物に混合することにより、容易に取扱うことを可能とし、また更に、例えば特により高い機械的な応力が該粒子に及ぼされる用途での適用を可能とする。
本発明によれば、該配合物は、食物配合物、化粧料配合物、清浄化配合物、空気清涼化配合物からなる群から選択されることが好ましい。
【0049】
食物配合物における使用
本発明の更なる局面は、栄養供給または快適性を得るために、食物配合物または半-完成製品を香味付けするための、本発明による上記カプセル(コア-シェル粒子)の使用に関する。
【0050】
本発明は、また栄養供給または快適性を得るための、食物配合物または半-完成製品にも関連し、これは、好ましくは官能的に活性な量の本発明によるカプセルを含む。
上述の如く、栄養供給または快適性を得るための、食物配合物または半-完成製品が好ましく、ここで該食物配合物または半-完成製品の全質量に相対的な、本発明のカプセルの全割合は、0.001〜10質量%なる範囲、特に0.25〜5質量%なる範囲、特に好ましくは0.5〜3質量%なる範囲(各々該配合物の全質量を基準とする)にある。
本発明による、栄養供給または快適性を得るための、食物配合物または半-完成製品は、好ましくは以下に列挙する物質を含む群から選択される:
【0051】
ベーカリー製品(例えば、パン、乾燥ビスケット、ケーキ、マフィン、ワッフル、ベーキングミックス、他のペーストリー製品)、糖菓(例えば、ホワイト、ミルク、またはブラックチョコレート)、フィルドチョコレート(例えば、アフターエイト(After Eight)型の芳香性フォンダン塊で満たしたもの等)、チョコレートバー、他のバー製品、チューイングキャンディー、フルーツガム、ハードボイルドおよびソフトキャンディー、チューインガム、シュガーパール、ロリポップ)、カプセル(好ましくは、直接消費用のシームレスカプセル、好ましくはゼラチンおよび/またはアルギネートを主成分とするシェルを持つカプセル)、脂肪塊状物(例えば、ビスケット詰め物等の焼き製品用の詰め物、脂肪含有チョコレート詰め物、脂肪含有チョコレートバー詰め物)、トッピング、アルコール系またはノンアルコール系飲料(例えば、コーヒー、紅茶、ワイン、ワインを主成分とする飲料、ビール、ビールを主成分とする飲料、リキュール、スピリッツ、ブランデー、果実を主成分とする炭酸飲料、等張性飲料、ソフトドリンク、ネクター、果実および野菜ジュース、果実または野菜ジュース配合物)、即席飲料または即席粉末(例えば、インスタントココア飲料、インスタント紅茶飲料、インスタントコーヒー飲料、粉末状態にあるインスタントデザート、例えばカスタード粉末またはゼリー)、肉製品(例えば、ハム、生または保蔵処理されたソーセージ配合物、香辛料添加またはマリネ化した生または保蔵処理された肉製品)、卵または卵製品(例えば、乾燥卵製品)、シリアル製品および/またはナッツ製品(例えば、朝食用シリアル、コーンフレーク、燕麦フレーク、ミューズリ、ミューズリバー、モツミックス、スイートポップコーン、ナッツバー、フルーツおよびナッツバー、予め調理した即席米飯製品)、乳製品(例えば、ミルク飲料、ミルクアイスクリーム、ヨーグルト、カスタード、ケフィール、カテージチーズ、ソフトチーズ、ハードチーズ、乾燥ミルク粉末、ホエー、バター、バターミルク、部分的または完全に加水分解されたミルクタンパク質を含む製品)、大豆タンパク質または他の大豆タンパク質画分から製造した製品(例えば、豆乳およびこれから製造した製品、大豆レシチンを含有する配合物、醗酵製品、例えば豆腐、テンペーまたはこれらから製造した製品、醤油)、フルーツ配合物(例えば、ジャム、フルーツアイスクリーム、フルーツソース、フルーツ詰め物)、野菜配合物(例えば、ケチャップ、ソース、乾燥野菜、凍結野菜、調理済み野菜、野菜の漬物、保存野菜)、スナック物品(例えば、焼いたまたは揚げたポテトチップスまたはポテトドウ製品、パンのドウ製品、トウモロコシまたはピーナッツを主成分とする押出し製品)、油脂を主成分とする製品または対応するエマルション(例えば、マヨネーズ、レムラード、ドレッシング、調味料)、他の直ぐに食することのできる食事またはスープ(例えば、粉末スープ、インスタントスープ、調理済みスープ)、スパイス、調味料混合物および特に粉末調味料(これらは、例えばスナック食品用途において使用される)。
【0052】
本発明による、栄養供給または快適性を得るための、食物配合物または半-完成品は、カプセル、錠剤(未被覆および被覆錠剤、例えば胃液に対して抵抗性の被覆を持つ錠剤)、糖衣錠、顆粒、ペレット、固体混合物、例えばエマルション、粉末、溶液、ペーストまたは他の嚥下可能なまたは咀嚼可能な配合物としての液相中の分散物等の形状にある、栄養学的サプリメントであってもよい。
好ましくは、本発明の該カプセルは、チューインガムにおいて使用される。特に好ましくは、本発明の該カプセルは、約1mm〜2mmなる範囲、好ましくは1.3mm〜1.8mmなる範囲の厚みを持つチューインガムのストリップとして使用される。
栄養供給または快適性を得るための、好ましい食物配合物または半-完成品は、以下に列挙するものからなる群から選択されることが好ましい:
【0053】
例えば、ハードキャンディー、チューインガム、フルーツガム、咀嚼可能なキャンディー、糖衣(清涼)錠剤(トローチ剤)、圧縮錠剤、ハードキャラメル、チョコレートスプレッド、キャンディーおよびチョコレート、ケーカリー製品、例えばケーキ、ウエハおよびクッキー、スナック、インスタントミールおよび他のインスタント製品(スープ、ソース、粉末および顆粒状飲料、調味混合物)、アイスクリーム、フルーツ配合物(マーマレード、ジャム、フルーツソース)、デザート(ブラマンジュ、ゼリー)、乳製品(カテージチーズ、ヨーグルト、ミルク飲料、ホエー配合物)およびシリアル(コーンフレーク、ミューズリバー)等の菓子類。更には、栄養学的サプリメントおよび医薬製品、例えば吸引型の錠剤、咽用または咳止め用ドロップ、医療用粉剤、錠剤または顆粒剤においても、有利に使用される。
【0054】
本発明のスナックは、好ましくは、例えばポテト/コーンチップス、押出成型品、ペレット、ポップコーン、クラッカー、ライ(lye)ロール、および揚げたまたはオーブンで焼いたドウ製品等の塩味を付けたスナックを含む。本発明によるカプセルは、スナック物品に配合しまたはこれに塗布することができる。配合または塗布は、粉末調味料、吹付け(sprayed-on)オイルスラリー、脂肪含有詰め物またはドウ-芳香付け等により達成できる。
【0055】
本発明による、栄養供給または快適性を得るのに役立つ、食物配合物または半-完成品に対して使用できる更なる成分は、快適性を得るために消費される食料品または製品に対する、公知の基本的または補助的な物質および添加物、例えば水、生のまたは加工された植物または動物性の基本的または原料物質(例えば、生の、焙焼した、乾燥した、醗酵させた、燻製処理した、および/または煮た肉、骨、軟骨、魚類、野菜、果実、香草、ナッツ、野菜またはフルーツジュースまたはペーストもしくはこれらの混合物)、消化性または非-消化性の炭水化物(例えば、アミロース、アミロペクチン、イヌリン、キシラン、セルロース)、天然または硬化脂肪(例えば、牛脂、ラード、パーム脂、ココナッツ油、硬化植物脂肪)、油(例えば、ヒマワリ油、ピーナッツ油、コーン胚芽油、オリーブ油、魚油、大豆油、ゴマ油)、脂肪酸またはその塩(例えば、ステアリン酸カリウム)、タンパク質由来のまたはタンパク質以外のアミノ酸および関連化合物(例えば、γ-アミノ酪酸、タウリン)、ペプチド(例えば、グルタチオン)、自然のまたは加工されたタンパク質(例えば、ゼラチン)、酵素(例えば、ペプチダーゼ)、核酸、ヌクレオチド、不快な風味上の印象を改善するための矯味剤、一般的には不快でない風味上の印象を改善するための更なる風味調節剤、他の風味-調節物質(例えば、イノシトールホスフェート、ヌクレオチド、例えばグアノシンモノホスフェート、アデノシンモノホスフェートまたは他の物質、例えばナトリウムグルタメートまたは2-フェノキシプロピオン酸)、乳化剤(例えば、レシチン、ジアシルグリセロール、アラビアガム)、安定化剤(例えば、カラギーナン、アルギネート)、保存剤(例えば、安息香酸、ソルビン酸)、酸化防止剤(例えば、トコフェロール、アスコルビン酸)、キレート化剤(例えば、クエン酸)、有機または無機酸性化剤(例えば、リンゴ酸、酢酸、クエン酸、酒石酸、リン酸)、苦味物質(例えば、キニン、カフェイン、リモニン、アマロゲンチン、フモロン(humolone)、ルポロン(lupolone)、カテキン、タンニン)、無機塩(例えば、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化マグネシウム、リン酸ナトリウム)、酵素作用による褐変を防止する物質(例えば、スルフィット、アスコルビン酸)、精油、植物抽出物、天然または合成染料または着色顔料(例えば、カロチノイド、フラボノイド、アントシアニン、クロロフィルおよびこれらの誘導体)、スパイス、三叉神経活性物質またはこのような三叉神経活性物質を含有する植物抽出物、例えばメントール、メントール誘導体(例えば、L-メントール、L-メントールラクテート、L-メンチルグルタレート、L-メンチルサクシネート)等の涼味活性成分、またはクベロール(cubebol)、合成、天然または天然物-同等の芳香物質または芳香放出性物質および臭気-改善剤である。
【0056】
本発明による、栄養供給または快適性を得るのに役立つ、食物配合物または半-完成品は、好ましくは更に1種またはそれ以上の矯味剤を含み、該矯味剤は、好ましくは以下に列挙するものから選択される:特にUS 2002/0188019による、ヌクレオチド(例えば、アデノシン5'-モノホスフェート、シチジン5'-モノホスフェート)またはその製薬上許容される塩、ラクチソル(lactisole)、ナトリウム塩(例えば、塩化ナトリウム、乳酸ナトリウム、クエン酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、ナトリウムグルコネート)、更にはヒドロキシフラボノン(例えば、エリオジクチオール、ホモエリオジクチオールまたはそのナトリウム塩);DE 10 2004 041 496によるヒドロキシ安息香酸アミド(例えば、2,4-ジヒドロキシ安息香酸バニリルアミド、2,4-ジヒドロキシ安息香酸N-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)アミド、2,4,6-トリヒドロキシ安息香酸N-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)アミド、2-ヒドロキシ安息香酸N-4-(ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)アミド、4-ヒドロキシ安息香酸N-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)アミド、2,4-ジヒドロキシ安息香酸N-(4-ヒドロキシ-3-メトキシベンジル)アミド一ナトリウム塩、2,4-ジヒドロキシ安息香酸N-2-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)エチルアミド、2,4-ジヒドロキシ安息香酸N-(4-ヒドロキシ-3-エトキシベンジル)アミド、2,4-ジヒドロキシ安息香酸N-(3,4-ジヒドロキシベンジル)アミドおよび2-ヒドロキシ-5-メトキシ-N-[2-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)エチル]アミド[アダンカミド(aduncamide)]、4-ヒドロキシ安息香酸バニリルアミド);WO 2006/106023およびそこに記載された文書による苦味-隠蔽性ヒドロキシデオキシベンゾイン[シムライズ(Symrise)](例えば、2-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-1-(2,4,6-トリヒドロキシフェニル)エタノン、1-(2,4-ジヒドロキシフェニル)-2-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-エタノン、1-(2-ヒドロキシ-4-メトキシフェニル)-2-(4-ヒドロキシ-3-メトキシフェニル)-エタノン);アミノ酸(例えば、苦味等の不快な味覚上の印象を減じもしくは隠蔽するための、WO 2005/096841によるγ-アミノ酪酸);WO 2006/003107によるリンゴ酸グリコシド;WO 2007/045566による塩味を持つ混合物;WO 2006/058893によるジアセチルトリマー;ジバニリン、ホエータンパク質とレシチンおよび/または苦味-隠蔽性物質との混合物、例えばWO 2007/003527によるジンジャージオン(gingerdione)。
【0057】
栄養供給または快適性を得るのに役立つ、本発明による食物配合物または半-完成品は、更に1種またはそれ以上のアルカミド(alkamides)を含むことができ、該アルカミドは、以下に列挙する物質からなる群から選択されることが好ましい:2E,4E-デカジエン酸N-イソブチルアミド(ペリトリン)、2E,4Z-デカジエン酸N-イソブチルアミド(cis-ペリトリン)、2Z,4Z-デカジエン酸N-イソブチルアミド、2Z,4E-デカジエン酸N-イソブチルアミド、2E,4E-デカジエン酸N-([2S]-2-メチルブチル)アミド、2E,4E-デカジエン酸N-([2S]-2-メチルブチル)アミド、2E,4E-デカジエン酸N-([2R]-2-メチルブチル)アミド、2E,4Z-デカジエン酸N-(2-メチルブチル)アミド、2E,4E-デカジエン酸N-ピペリド[アチルアミド(achilleamide)]、2E,4E-デカジエン酸N-ピペリド[サルメンチン(sarmentine)]、2E-デセン酸N-イソブチルアミド、3E-デセン酸N-イソブチルアミド、3E-ノネン酸N-イソブチルアミド、2E,6Z,8E-デカトリエン酸N-イソブチルアミド(スピラントール)、2E,6Z,8E-デカトリエン酸N-([2S]-2-メチルブチル)アミド(ホモスピラントール)、2E,6Z,8E-デカトリエン酸N-([2R]-2-メチルブチル)アミド、2E-デセン-4-イン酸N-イソブチルアミド、2Z-デセン-4-イン酸N-イソブチルアミド、サンショオール。
【0058】
特に好ましいものは、完全なコア-シェル粒子の数対全コア-シェル粒子数の比が、少なくとも0.7、好ましくは少なくとも0.8、より好ましくは少なくとも0.9であるような、本発明の配合物である。
本発明による該配合物が、より多くの該コア-シェル粒子によって構成されている程、より良好にこれらのコア-シェル粒子は、制御された様式でその機能を満足し得る。上述の如く、本発明によって、高い硬度(応力抵抗)を持つ動物以外を起源とするシェルを含むコア-シェル粒子を製造することが可能となり、結果的に該配合物中の完全なコア-シェル粒子の数を有利に高くすることができる。
【実施例】
【0059】
本発明の更に好ましい態様は、添付した特許請求の範囲に記載されている。以下の実施例は、例示のみを目的とするものであり、本発明の範囲を狭めるためのものでは決してない。
【0060】
実施例1
本発明のカプセルを、以下の表1に示す成分を使用して製造したが、該表1において、E1-E3は本発明による実施例であり、またC1-C5は比較例である。高剪断混合装置[ウルトラツラックス(Ultra Turrax)]を用いて、飲料水中に該水溶性成分を溶解し、かつ該二酸化ケイ素を分散させることにより、該シェル溶液を製造した。このシェル溶液および該コア液体を、振動式の2つの流体ノズルに供給した。そこでは、液状シェル溶液によって完全に包囲されたコア液体の液滴が形成され、ゲル化浴内に落下した。ゲル化後、該カプセルを水洗し、流動床装置に移した。追加の二酸化ケイ素を凝結防止剤として添加し、また該カプセルを、5%なる含水率となるまで乾燥した。
該乾燥カプセルの破断力は、テクスチャー(Texture)アナライザー:TA-XT-2を使用して測定した。該乾燥カプセルのサイズは1mmであった。
該測定のパラメータは、以下の通りである:
【0061】
【表1】

【0062】
【表2】

【0063】
【表3】

【0064】
実施例2:
【0065】
【表4】

【0066】
【表5】

【0067】
実施例F1:本発明のカプセルを含むチューインガム
このチューインガムベースK2は、28.5%のテルペン樹脂、33.9%のポリ酢酸ビニル(Mw=14,000)、16.25%の水添植物油、5.5%のモノ-およびジ-グリセライド、0.5%のポリイソブテン(Mw=75,000)、2.0%のブチルゴム(イソブテン-イソプレンコポリマー)、4.6%のアモルファス二酸化ケイ素(含水率=約2.5%)、0.05%の酸化防止剤:tert-ブチルヒドロキシトルオール(BHT)、0.2%のレシチンおよび8.5%の炭酸カルシウムからなっていた。該チューインガムベースの製造は、米国特許第6,986,907号に記載のものと同様な方法で実施できる。
【0068】
【表6】

【0069】
該処方(I)のチューインガムは、厚み1.6mmのストリップとして製造し、また該処方(II)および(III)のチューインガムは、ペレットとして製造した。
【0070】
実施例F2:本発明によるカプセルを含む砂糖を含まないハードキャラメル
【0071】
【表7】

【0072】
パラチナイトを、水と混合し、この混合物を165℃にて溶融し、次いで115℃まで冷却した。本発明による芳香性物質および香味付与物質、並びにAの場合にはtrans-ペリトリン、またBの場合にはヘスペレチンを添加し、十分に混合した後、金型内での注型を行い、引続き固化させ、該金型から取出し、次いで各々を包装した。
【0073】
実施例F3:本発明によるカプセルを含む低-脂肪ヨーグルト
【0074】
【表8】

【0075】
これらの原料を混合し、次いで5℃にて冷却した。
【0076】
実施例F4:本発明によるカプセルを含む、フルクトースベースを含有する特別食用チョコレート
糖尿病患者に適したチョコレートを、以下の原料から製造し、注型により矩形の錠剤とした。
該錠剤全質量を基準として、ココア塊状物、フルクトース、脱脂粉乳、ココアバター、イヌリン、澄ましバター、大豆レシチン乳化剤、クルミ、食卓塩、ヨーグルト-バニラ香味料(該バニラ香味料の全質量に対して、バニリンおよび1質量%のヘスペレチンを含む)および1質量%の実施例E6由来の本発明によるカプセルを含む。
栄養化(100g当たり)
タンパク質:8.8g;炭水化物:34g(その内フルクトース:23g;ラクトース:7.5g;スクロース:1.4g);脂肪分:36g;食物繊維:18.5g(その内イヌリン:12.2g);ナトリウム:0.10g;チョコレートの含有率は、最低50質量%。
【0077】
実施例F5:本発明によるカプセルを含むシリアル混合物
【0078】
【表9】

【0079】
成分1〜6を、回転ドラム内で混合した(混合物1)。成分7〜9を加熱し、また成分10〜12を添加した(混合物2)。混合物2を混合物1に添加し、これらを十分に混合した。最後に、得られたシリアル混合物を、ベーキングシート上に置き、オーブン内で130℃にて8分間乾燥させた。
【0080】
実施例F6:本発明によるカプセルを含むフルーツガム
【0081】
【表10】

【0082】
実施例F7:本発明によるカプセルを含むチューイングキャンディー
【0083】
【表11】

【0084】
実施例F8:本発明によるカプセルを含むフルーツミューズリ
【0085】
【表12】

【0086】
実施例F9:本発明によるカプセルを含むワッフル用脂肪含有詰め物
【0087】
【表13】

【0088】
製造指針:該脂肪をほぼ21℃の周囲温度とする。該粉砂糖を、細かく篩掛けする。香味料を含む上記全原料を、ホバート(Hobart)実験室用ミキサで叩解する。
【0089】
実施例F10:本発明によるカプセルを含むマデイラケーキ
【0090】
【表14】

【0091】
製造指針:該脂肪を所定温度とする。本発明によるカプセル化製品を含む、全乾燥物質を、ホバート(Hobart)実験室用ミキサの混合ボール内に入れる。次いで、精製脂肪、水および卵を加え、次いでレベル1にて1分間およびレベル3にて2分間叩解する。このドウをベーキング用ブリキ缶に入れ、次いで180℃にて55分間焼く。
【0092】
実施例F11:本発明によるカプセルを含むショートペーストリービスケット(工業的品位)
【0093】
【表15】

【0094】
製造指針
a) 該粉砂糖、マルトースシロップ、脱脂粉乳および軟質植物脂肪を、ホバート(Hobart)実験室用混捏機内で、レベル1にて滑らかにする。
b) 該水の幾分かを用いて、該重炭酸アンモニウムを溶解し、次いで残りの水を、工程a)で作成した混合物に添加し、簡単に混合する。
c) 残りの上記原料を、実施例E7のカプセルと共に、工程a)の混合物に添加し、滑らかなドウに仕上げる。
d) ロール処理装置で、約3mmなる厚みまで該ドウを伸ばし、可能ならば木製カッターを用いてサンプルにマークを付し、所定の形状に裁断する。
ドウの最終的な厚み:約2.6mm;オーブン温度:200℃;焼き時間:6分間。
【0095】
実施例F12:本発明によるカプセルを含むスナック製品
クラッカー製造用の例示的レシピ
小麦粉(60-63質量%)、ベーキングパウダー(1.0-1.5質量%)、植物脂肪(6.0-6.5質量%)、マルトースシロップ(2.0-2.5質量%)、乳化剤(1.2-1.8質量%)、重炭酸アンモニウム(1.5-2.0質量%)、噴霧法による脱脂粉乳(1.0-1.5質量%)、新鮮なパン酵母(0.3-0.9質量%)、食卓塩(0.3-0.6質量%)、水(20.0-23.5質量%)、本発明によるカプセル(約0.3質量%)。ここで該カプセルは、実施例E10由来の製品である。全ての質量%なる単位は、該混合された原料全体の全質量に対する値である。
該原料の混合に引続き、該クラッカーを焼くか、あるいは強く揚げる。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
(a) (a1)コア液体を含む、または該コア液体からなるコア;
(b) 該コアを取巻く、硬化されたシェル、ここで該シェルは、
(b1) 硬化された多糖または硬化された多糖類の混合物;
(b2) 1種、2種またはそれ以上の水溶性フィラー;および
(b3) 硬さを高める量の、1種、2種またはそれ以上の水-不溶性フィラー
からなり、あるいはこれら成分を含み、および場合により
(c) 被覆層;
を含む、あるいはこれらからなることを特徴とする、球状コア-シェル粒子。
【請求項2】
前記硬化されたシェルが、シームレスでありおよび/または前記コアが単核状である、請求項1記載のコア-シェル粒子。
【請求項3】
前記硬化された多糖類成分(b1)、または該硬化された多糖類の1種、数種または全部が、硬化されたアルギネート、ペクチン、ザンタンガム、カラギーナン、寒天、および硬化されたこれらの混合物からなる群から選択され、および/または
該各硬化性の、一または複数の多糖類と、二価または多価カチオンとを接触させる段階を含む、硬化工程の生成物であり;および/または
前記水溶性フィラー成分(b2)、または該水溶性フィラーの少なくとも1種もしくはその各々が、好ましくはソルビトール、マニトール、キシリトール、エリスリトール、マルチトール、ラクチトール、およびこれらの混合物、好ましくはソルビトール、キシリトール、またはこれらの混合物からなる群から選択される糖アルコールであり、および/または
前記水-不溶性フィラー成分(b3)、または該水-不溶性フィラーの少なくとも1種もしくはその各々が、二酸化ケイ素、リン酸カルシウム、セルロース、二酸化チタン、鉄(III)酸化物-水酸化物、特にFeO(OH)・H2O、鉄(III)酸化物、鉄(II,III)酸化物、リン酸マグネシウム、水酸化アルミニウム、ケイ酸アルミニウム、ケイ酸マグネシウム、水和ケイ酸マグネシウムH2Mg3(SiO3)4またはMg3Si4O10(OH)2、マグネシウムトリシリケート、珪酸マグネシウムアルミニウム、珪酸ナトリウムアルミニウム、珪酸カリウムアルミニウム、珪酸カルシウムアルミニウム、およびベントナイトからなる群から選択される、請求項1または2記載のコア-シェル粒子。
【請求項4】
・前記水-不溶性フィラー成分(b3)、または該水-不溶性フィラー成分の少なくとも1種もしくはその各々が、≦100μm、好ましくは1nm〜100μmなる範囲、より好ましくは1nm〜1000nmなる範囲、特に好ましくは1nm〜100nmなる範囲、および最も好ましくは5〜20nmなる範囲内の平均粒径を持つ粒子からなり、および/または
・該水-不溶性フィラー成分(b3)、または該水-不溶性フィラー成分の少なくとも1種もしくはその各々の該粒子が、前記シェル内に均一に分散されており、かつ
好ましくは、1種、2種、数種または全ての前記フィラーの粒子が、該シェル内に均一に分散されており、しかも≦100μm、好ましくは1nm〜100μmなる範囲、より好ましくは1nm〜1000nmなる範囲、特に好ましくは1nm〜100nmなる範囲、および最も好ましくは5〜20nmなる範囲内の平均粒径を持つ、請求項1〜3の何れか1項に記載のコア-シェル粒子。
【請求項5】
前記成分(b1)、(b2)および(b3)の全量の比:(b1)/(b2)/(b3)が、1:0.1:0.1〜1:0.5:0.5なる範囲内にある、請求項1〜4の何れか1項に記載のコア-シェル粒子。
【請求項6】
前記成分(b)が、更に乳化剤、着色剤、酸化防止剤、甘味料、およびニュートラシューティカルズからなる群から選択される添加剤の1種、2種、数種または全てをも含む、請求項1〜5の何れか1項に記載のコア-シェル粒子。
【請求項7】
前記成分(a1)が、夫々溶媒中または外層中に、1種またはそれ以上の成分を分散させた液状溶液、エマルションまたは分散液によって構成され、および/または
前記成分(a)が、該成分(a1)の構成要素および/または前記別の成分(a2)の構成要素として、1種、2種またはそれ以上の、香味料、芳香剤、溶媒、甘味料からなる群から選択される物質を含み、および
場合により、1種、2種またはそれ以上の、着色剤、ビタミン、植物抽出物、増粘剤、重量調節剤、pH-調節剤、酸化防止剤、乳化剤、ニュートラシューティカルズおよび微生物からなる群から選択される物質を含む、
請求項1〜6の何れか1項に記載のコア-シェル粒子。
【請求項8】
前記カプセルの破断力が、2.5Nまたはそれ以上、好ましくは2.5〜20Nなる範囲、より好ましくは3〜20Nなる範囲、および最も好ましくは4〜20Nなる範囲にある、請求項1〜7の何れか1項に記載のコア-シェル粒子。
【請求項9】
球状コア-シェル粒子、好ましくは請求項1〜8の何れか1項に記載のコア-シェル粒子の製造方法であって、該方法が、以下の諸工程:
(i) 以下の成分を調製する工程:
・コア-液体からなるまたは該コア-液体を含むコア材料;
・以下の成分からなる、または以下の成分を含むシェル材料の分散液:
・水;
・硬化性多糖または硬化性多糖類の混合物;
・該水に溶解した、1種、2種またはそれ以上のフィラー;および
・硬さを高める量の、1種、2種またはそれ以上の水-不溶性フィラー;および
・該硬化性多糖または硬化性多糖類の混合物を硬化するための、硬化液体;
(ii) コアおよびシェルを含む液滴を製造する工程、ここで該コアは、前記コア材料で作られており、かつ該シェルは、前記シェル材料で作られている;
(iii) 該液滴の該シェル内の、該硬化性多糖または硬化性多糖類混合物を、該シェルと該硬化液体とを接触させることにより硬化する工程;および場合により
(iv) 前記工程(iii)において得られた球状コア-シェル粒子を洗浄しおよび/または乾燥する工程;
を含むことを特徴とする、前記方法。
【請求項10】
前記工程(ii)において、前記液滴が、前記コア材料および前記シェル材料を、同時に、同心状の多-成分ノズルを介して吐出させることにより形成される、請求項9記載の方法。
【請求項11】
・前記硬化性多糖または硬化性多糖類混合物が、これと二価または多価カチオンとを接触させることにより硬化可能であり;
・前記硬化液体が、二価または多価カチオンを含み;および
・前記工程(iii)において、該二価または多価カチオンが、前記液滴の前記シェル内に存在する該硬化性多糖または硬化性多糖類混合物を硬化するように、該硬化性多糖または硬化性多糖類混合物を該硬化液体と接触させる、請求項9または10記載の方法。
【請求項12】
硬化性多糖を、水および水溶性フィラーの存在下で硬化することにより調製される、コア-シェル粒子のシェルを強化するためのフィラーとしての、水-不溶性固体粒子の使用。
【請求項13】
複数の、(i) 請求項1〜8の何れか1項に記載のコア-シェル粒子、または(ii) 請求項9〜11の何れか1項に記載の方法に従って製造したコア-シェル粒子を含むことを特徴とする、配合物。
【請求項14】
前記配合物が、食物配合物、化粧料配合物、清浄化配合物、空気清涼化配合物からなる群から選択される、請求項13記載の配合物。
【請求項15】
完全なコア-シェル粒子の数対全コア-シェル粒子の数の比が、少なくとも0.7、好ましくは少なくとも0.8、より好ましくは少なくとも0.9である、請求項13または14記載の配合物。

【公開番号】特開2011−72311(P2011−72311A)
【公開日】平成23年4月14日(2011.4.14)
【国際特許分類】
【外国語出願】
【出願番号】特願2010−235902(P2010−235902)
【出願日】平成22年10月1日(2010.10.1)
【出願人】(503236223)シムライズ・ゲゼルシヤフト・ミツト・ベシユレンクテル・ハフツング・ウント・コンパニー・コマンジツト・ゲゼルシヤフト (51)
【Fターム(参考)】