説明

環状アミジン共重合体およびその共重合体を含む二酸化炭素吸収剤

【課題】二酸化炭素の吸収および/または脱離能に優れるとともに、簡易かつ安価に製造することができる新規な環状アミジン共重合体を提供する。
【解決手段】下記一般式(I)で表される環状アミジン重合体とする。

【発明の詳細な説明】
【発明の分野】
【0001】
本発明は、ジアザビシクロノネンまたはジアザビシクロウンデセンを含む、新規な環状アミジン共重合体、およびその環状アミジン共重合体を含んでなる二酸化炭素吸収剤に関する。
【発明の背景】
【0002】
アミジン骨格を有する複素環化合物である、N−メチルテトラヒドロピリミジンは、二酸化炭素を吸着/脱離できる有機化合物であることが知られている。本発明者らの一部は、N−メチルテトラヒドロピリミジンをスチレンに導入した化合物である、4−(1,4,5,6−テトラヒドロピリミド−1−イル)メチルスチレン(以下、THPStと略すことがある。)や、THPStをモノマーとする下記一般式(IIIV)で表される重合体、ならびに、THPStとN−アクリルアミドとを共重合した下記一般式(IX)で表される共重合体が、25℃で二酸化炭素を接触させると吸着すること、そして、昇温すると、その吸着した二酸化炭素が脱離することを報告している(T.Endo et.al., Macromolecules 2004,37,2007-2009:非特許文献1)。
【化1】

【化2】

【0003】
しかしながら、THPStモノマーやその(共)重合体の合成方法は、工程が煩雑であるため、製造コストの問題があった。また、環境温度によっては二酸化炭素の吸着/脱離速度が不十分とされる場合があった。
【0004】
ところで、アミジン骨格を有する複素環化合物である、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5(以下、DBNと略すこともある。)や1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(以下、DBUと略すこともある。)は、ハロゲン化アルキルの脱離反応試薬として従来知られており、安価に入手できる化合物である。
【0005】
友井らは、脱臭化水素化反応やエステル化反応に有用な試薬として、側鎖にDBNやDBUを導入した、下記式(X)で表されるポリスチレン誘導体が提案されているが、この共重合体が二酸化炭素を吸着することについては、全く言及されていない(M.Tomoi et.al., Makromol.Chem.185,2117.2124(1984):非特許文献2)。
【化3】

【非特許文献1】T.Endo et.al., Macromolecules 2004,37,2007-2009
【非特許文献2】M.Tomoi et.al., Makromol.Chem.185,2117.2124(1984)
【発明の概要】
【0006】
本発明者らは、今般、DBNまたはDBUから誘導された特定構造の環状アミジン化合物が、良好な二酸化炭素吸着/脱離能を有することに気づき、さらに、この環状アミジン化合物は、DBNやDBU等の市販の試薬を用いて、簡易かつ安価に製造することができる、との知見を得た。本発明はかかる知見によるものである。
【0007】
したがって、本発明の目的は、二酸化炭素の吸収/脱離能に優れるとともに、簡易かつ安価に製造することができる新規な環状アミジン共重合体を提供することである。
【0008】
また、本発明の別の目的は、上記の環状アミジン共重合体を含んでなる二酸化炭素吸収剤およびその二酸化炭素吸収剤を用いた二酸化炭素の吸着または脱離方法を提供することである。
【0009】
そして、本発明による環状アミジン共重合体は、下記一般式(I)で表される、環状アミジン重合体である:
【化4】

(式中、
は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン、および炭素数1〜6のアルコキシ基からなる群から選択されるものであり、
、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキル基を示し、
は、水素、炭素数1〜6のアルキル基、N−アルキルアセトアミド(該アルキル基の炭素数は1〜4から選択される)、N,N−ジメチルカルボキシアミド基、N−ヒドロキシメチルアセトアミド基、ピリジル基、ピコリル基、およびフェニル基(該フェニル基上の1以上の水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン、または炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよい)からなる群から選択されるものであり、
下記式(II);
【化5】

で表される環状アミジン基は、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5、または1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7であり、
xは1〜7の整数を示す。
lおよびmは、共重合体の繰り返し単位の比率を示し、l+m=1、かつl≠0およびm≠0を満足するものであり、
nは整数を示す。)。
【0010】
また、本発明の別の態様による二酸化炭素吸着剤は、上記環状アミジン共重合体を含んでなるものである。
【0011】
さらに、本発明の別の態様による二酸化炭素の吸着方法は、上記二酸化炭素吸着剤に二酸化炭素を接触させることを含んでなるものである。
【0012】
本発明によれば、二酸化炭素の吸収および/または脱離能に優れる二酸化炭素吸収剤を、簡易かつ安価に製造することができる。
【発明の具体的説明】
【0013】
定義
本明細書において、基または基の一部としてのアルキル基は、直鎖または分岐鎖状のいずれであってもよい。
【0014】
また、ハロゲンとは、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子を意味する。
【0015】
環状アミジン共重合体
本発明による環状アミジン共重合体は、上記一般式(II)で表される環状アミジン基を側差に含む構造を有する、上記一般式(I)で表される共重合体である。
【0016】
一般式(I)において、Rは、水素、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン、および炭素数1〜6のアルコキシ基からなる群から選択されるものであり、より好ましくは水素である。
【0017】
また、R、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキル基を示し、R、RおよびRがいずれも水素であることが好ましい。
【0018】
また、Rは、水素、炭素数1〜6のアルキル基、N−アルキルアセトアミド(該アルキル基の炭素数は1〜4から選択される)、N,N−ジメチルカルボキシアミド基、N−ヒドロキシメチルアセトアミド基、ピリジル基、ピコリル基、およびフェニル基(該フェニル基上の1以上の水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン、または炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよい)からなる群から選択されるものである。本発明の好ましい態様によれば、Rはフェニル基である。
【0019】
上記一般式(II)で表される環状アミジン基は、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5(DBN)、または1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7(DBU)である。DBNまたはDBUは、従来、ハロゲン化アルキルの脱離反応を行う際の試薬であり、試薬として市販されているものを用いることができ、これら試薬は例えば三洋化成工業から入手することができる。本発明においては、このような公知の試薬を用い、後述するような方法により、一般式(I)で表される共重合体を簡易かつ安価に得ることができる。
【0020】
また、本発明においては、環状アミジン基として、5員環アミジン基である1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5が好ましい。
【0021】
また、一般式(I)中のxは、1〜7の整数であり、好ましくは1〜3、より好ましくは1である。
【0022】
さらに、一般式(I)中のlおよびmは、共重合体を構成する繰り返し単位を表し、l+m=1、かつl≠0およびm≠0を満足するものである。本発明の好ましい態様によれば、lとmとの比が、99:1〜30:70であり、より好ましくは51:49である。
【0023】
一般式(I)中のnは整数を示し、共重合体の重合度を示すものである。nの範囲としては特に制限されるものではないが、概ね50〜1000、好ましくは100〜500、より好ましくは150〜300程度である。
【0024】
本発明による環状アミジン共重合体は、下記一般式(IV)で表される共重合体と、
DBNまたはDBUをリチオ化した化合物と、を反応させることにより得ることができる。
【化6】

【0025】
なお、上記一般式(IV)中の、R、R、R、R、R、l、m、nおよびxは、それぞれ、上記の一般式(I)において説明したR、R、R、R、R、l、m、nおよびxと同義であり説明を省略する。また、Rはハロゲンであり、好ましくはClまたはBrであり、より好ましくはClである。
【0026】
上記一般式(IV)で表される共重合体は、下記一般式(VI)で表されるモノマーと、下記一般式(VII)で表されるモノマーとをラジカル重合することにより得ることができる。
【化7】

【0027】
上記の反応は、反応触媒がない状態でも進行するが、反応促進の観点からは反応触媒を併用することが好ましく、触媒添加によってラジカル反応が円滑に進行する。触媒としては、例えば2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等が好ましく用いられる。
【0028】
また、本発明においては、5員環と6員環とが縮環したアミジン基であるDBNをリチオ化することが好ましい。
【0029】
さらに、DBNまたはDBUのリチオ化に際しては、n−ブチルリチウムを反応剤として用いることができる。
【0030】
環状アミジン化合物
本発明による環状アミジン化合物は、下記一般式(III)で表される構造を有する化合物である。
【化8】

【0031】
なお、R、環状アミジン基、およびxは、それぞれ、上記一般式()中のR、環状アミジン基、およびxと同義であり、説明を省略する。
【0032】
本発明による環状アミジン化合物は、下記一般式(V)で表される化合物と、DBNまたはDBUのリチオ化した化合物とを反応させることことにより得られる。
【化9】

【0033】
なお、式中、Rおよびxは、それぞれ、前記一般式(III)中のRおよびxと同義であり説明を省略する。また、Rは、ハロゲン、好ましくはClまたはBrであり、より好ましくはClである。
【0034】
また、本発明においては、5員環と6員環とが縮環したアミジン基であるDBNをリチオ化することが好ましい。
【0035】
さらに、DBNまたはDBUのリチオ化に際しては、n−ブチルリチウムを反応剤として用いることができる。
【0036】
二酸化炭素吸着剤
本発明による二酸化炭素吸着剤は、上記一般式(I)で表される共重合体または上記一般式(III)で表される環状アミジン化合物を含んでなるものである。本発明者らは、上記した構造の環状アミジン共重合体または環状アミジン化合物が二酸化炭素吸収能を有することを発見した。さらに、従来のN−メチルテトラヒドロピリミジンから誘導された重合体は、室温程度の温度環境下で二酸化炭素を吸着できるものの、室温を超える温度において二酸化炭素の脱離が進み、人工的な高温環境下での二酸化炭素吸収能が不十分とされる場合があったが、本発明による二酸化炭素吸収剤は、50℃まで二酸化炭素吸収能を維持でき、人工的な高温環境下においても二酸化炭素吸収能を維持できるものである。なお、本明細書において、「二酸化炭素の吸着」とは、二酸化炭素が分子の形態(CO)で吸着されている状態のみならず、炭酸塩の形態(CO2−、HCO)で吸着されている場合も含む概念である。
【0037】
また、本発明においては、二酸化炭素吸収剤として上記一般式(I)で表される共重合体を含んでなることが好ましい。上記一般式(III)で表される環状アミジン化合物よりも、環状アミジン化合物を側鎖に含む共重合体の方が、より二酸化炭素吸収能に優れる。この理由は定かではないが、極性の低い二酸化炭素分子は、極性がより低いと考えられる共重合体に速やかに浸透して、環状アミジン基部分にトラップされるためと考えられる。また、二酸化炭素吸収剤として、種々の使用形態に加工する観点からも、共重合体を用いることが好ましい。
【0038】
本発明による二酸化炭素吸着剤は、上述のように、室温以上の温度環境下においても二酸化炭素吸着能を維持できるものであり、二酸化炭素の脱離を、人工的高温環境下において行うことができる。すなわち、二酸化炭素吸着剤を加熱することにより、吸着した二酸化炭素を脱離させることができる。吸着した二酸化炭素を脱離させるには、50℃〜150℃の温度範囲が好ましく、より好ましくは70〜120℃である。また、二酸化炭素の脱離は、窒素等の不活性雰囲気下で行うことが好ましい。
【0039】
本発明による二酸化炭素吸着剤は、温度環境に応じて二酸化炭素を吸着したり脱離させることができるため、環境温度を制御することにより、二酸化炭素の吸着および脱離を可逆的に行うことができる。したがって、本発明による二酸化炭素吸着剤を通気性のある繊維や不織布などに担持させることにより、二酸化炭素吸収フィルターとして使用することができる。例えば、二酸化炭素吸収フィルターを空調機器と併用し、空調機器の運転時に二酸化炭素をフィルターに吸収さることにより、室内の二酸化炭素濃度を低減させることも可能である。さらに、空調機器の運転休止時にフィルターを高温環境下に置いて加熱することにり、フィルターに吸着した二酸化炭素を脱離できるため、繰り返しフィルターを使用することができる。
【実施例】
【0040】
本発明を、実施例により更に詳細に説明するが、本発明の範囲が、これら実施例により限定されるものではない。
【0041】
実施例1(ポリ{4−[7−(1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノナ−5−エニル)ベンジルエチレンフェニルエチレン]}の合成)
等モルの4−クロロメチルスチレンとスチレンとを、3モル%の2,2’−アゾビスイソニトリルの存在下、60℃で24時間反応させた。得られた固形分をTHFに溶解させた溶液をn−ヘキサンに投入し、析出した結晶を濾取し、乾燥させてプレポリマー(以下、P2とも言う。)を得た。収率は94%であった。得られたプレポリマーの分子量を測定したところ、数平均分子量は64400であり、Mw/Mnは3.17であった。
【0042】
続いて、滴下ロートを備えた50mlの二口フラスコに、500mgのジアザビシクロノネン(三洋化成工業、DBN試薬4.0mmol)と15mlのTHFとを投入し、窒素雰囲気とした。次いで、滴下トートから、N−ブチルリチウムのヘキサン溶液(6mol)を0℃で投入した。同温度で1時間攪拌した後、上記で得られたプレポリマーP2のTHF溶液10mlを、滴下ロートから加え、同温度で24時間攪拌した。反応終了後、20mlのメタノールでクエンチした。その後、反応液に過剰量のアセトンを投入し、析出した結晶を濾取し、減圧乾燥させて目的の共重合体(以下、P2DBNとも言う。)310mgを得た。収率は45%であった。
【0043】
得られた重合体について、赤外吸収スペクトル(IR)の測定を行い、構造の同定を行った。結果は以下に示される通りであった。
IR(KBr、cm−1)ピーク:1650(C=N)
【0044】
実施例2(7−ベンジル−1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノナ−5−エンの合成)
攪拌機を備えた500mlフラスコに、12.4gのジアザビシクロノネン(三洋化成工業、DBN試薬100mmol)と100mlのTHFとを投入し、窒素雰囲気とした。次いで、フラスコに、150mlのn−ブチルリチウムのヘキサン溶液(2.66M)を0℃で投入し、同温度で1時間攪拌した。次に、17.3mlのベンジルクロリド(150mmol)のTHF溶液150mlを加え、同温度で12時間攪拌した。反応終了後、20mlのメタノールでクエンチした後、飽和食塩水を加え有機相を分液した。さらに飽和食塩水で3回洗浄した後、硫酸マグネシウムで乾燥させて二酸化炭素を吹き込み、析出した結晶を濾取し、減圧乾燥させて目的の化合物(以下、BDBNとも言う。)を8.09g(37.8mmol)得た。収率は37.8%であった。
【0045】
得られた化合物について、NMRおよび赤外吸収スペクトル(IR)の測定を行い、構造の同定を行った。結果は以下に示される通りであった。
H NMR(δ in ppm、CDCl):
1.55−2.01(4H、−NCHCHCHNH−、−NCHCHCHC=N−)、2.56(dd、J=10.42 and 13.59Hz、1H、PhCH−)、2.74−2.90(m、1H、−NCHCHCHC=N−)、3.00−3.22、(4H、―NCHCHCHN=C−、−NCHCHCHC=N−)、3.27(dd、J=3.62 and 13.59Hz、1H、PhCH−)、3.35−3.46(t、J=11.33Hz、2H、−NCHCHCHN=C−)、7.17−7.30(5H、C−)。
13C NMR(δ in ppm、CDCl):
24.7(−NCHCHCHN−)、29.5(−NCHCHCHC=N−)、42.3(−NCHCHCHC=N−)。46.9(PhCH−)、47.2(−NCHCHCHC=N−)、48.2(−NCHCHCHN=C−)、53.9(−C=NCHCHCHN−)、130.3、132.4、133.2、144.2(C−)、166.8(−C=N−)
IR(KBr、cm−1)ピーク:(C=N)
HRMS(m/z):理論値(C14H18N2+H)=215.1548、分析値=215.1532
【0046】
評価(二酸化炭素の吸着/脱離特性)
得られたP2DBN共重合体およびBDBNモノマー化合物について、二酸化炭素の吸着/脱離特性の評価を、TGAを用いて行った。
【0047】
評価試料として、P2DBN共重合体を、減圧下、120℃で2日間乾燥させたものを用いた。また、BDBNモノマー化合物は、DMF溶液に溶解したものを評価試料とした。
【0048】
各評価試料に、流量200ml/分の二酸化炭素ガスを25℃で接触させて、二酸化炭素を吸着させた。その後、120℃に加熱し、窒素ガスと接触させて吸着した二酸化炭素を脱離させた。この時の二酸化炭素の吸着量の変化は、図1に示される通りであった。
【0049】
また、P2DBN共重合体について、二酸化炭素の吸着と脱離とを繰り返し行った場合について、TGAを用いて、二酸化炭素の吸着量を測定した。その結果、図2に示すような、二酸化炭素の吸着/脱離サイクルが得られた。
【図面の簡単な説明】
【0050】
【図1】TGAによる二酸化炭素の吸着/脱離特性の評価結果を示したものである。
【図2】TGAによる二酸化炭素の吸着/脱離サイクルを示したものである。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
下記一般式(I)で表される、環状アミジン共重合体:
【化1】

(式中、
は、水素、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン、および炭素数1〜6のアルコキシ基からなる群から選択されるものであり、
、RおよびRは、それぞれ独立して、水素または炭素数1〜6のアルキル基を示し、
は、水素、炭素数1〜6のアルキル基、N−アルキルアセトアミド(該アルキル基の炭素数は1〜4から選択される)、N,N−ジメチルカルボキシアミド基、N−ヒドロキシメチルアセトアミド基、ピリジル基、ピコリル基、およびフェニル基(該フェニル基上の1以上の水素原子は、炭素数1〜4のアルキル基、ハロゲン、または炭素数1〜6のアルコキシ基で置換されていてもよい)からなる群から選択されるものであり、
下記式(II);
【化2】

で表される環状アミジン基は、1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5、または1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7であり、
xは1〜7の整数を示し、
lおよびmは、共重合体の繰り返し単位の比率を示し、l+m=1、かつl≠0およびm≠0を満足するものであり、
nは整数を示す。)。
【請求項2】
lとmとの比が、99:1〜30:70である、請求項1に記載の共重合体。
【請求項3】
下記一般式(III)で表される、環状アミジン化合物:
【化3】

(式中、R、アミジン基、およびxは、それぞれ、前記一般式(I)中のR、アミジン基、およびxと同義である。)。
【請求項4】
請求項1に記載の環状アミジン共重合体または請求項3に記載の環状アミジン化合物を含んでなる、二酸化炭素吸着剤。
【請求項5】
請求項4に記載の二酸化炭素吸着剤に、二酸化炭素を接触させることを含んでなる、二酸化炭素の吸着方法。
【請求項6】
前記二酸化炭素吸着剤に、50℃未満の環境下で二酸化炭素を接触させる、請求項5に記載の方法。
【請求項7】
前記二酸化炭素が固定された二酸化炭素吸着剤を加熱して二酸化炭素を脱離させること、をさらに含んでなる、請求項5または6に記載の方法。
【請求項8】
前記二酸化炭素の脱離を、50〜150℃の温度で行う、請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記二酸化炭素の脱離を不活性雰囲気化で行う、請求項7または8に記載の方法。
【請求項10】
請求項1に記載の環状アミジン共重合体を製造する方法であって、
下記一般式(IV):
【化4】

(式中、R、R、R、R、R、l、m、nおよびxは、それぞれ、前記一般式(I)中のR、R、R、R、R、l、m、nおよびxと同義であり、Rはハロゲンである。)で表される共重合体と、
1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5、または1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7をリチオ化した化合物と、を反応させること、を含んでなる、方法。
【請求項11】
請求項3に記載の環状アミジン化合物を製造する方法であって、
下記一般式(V):
【化5】

(式中、Rおよびxは、それぞれ、前記一般式(III)中のRおよびxと同義であり、Rは、ハロゲンを示す。)で表される化合物と、
1,5−ジアザビシクロ(4,3,0)ノネン−5、または1,8−ジアザビシクロ(5,4,0)ウンデセン−7をリチオ化した化合物と、を反応させること、を含んでなる、方法。
【請求項12】
前記リチオ化がn−ブチルリチウムの存在下で行われる、請求項10または11に記載の方法。
【請求項13】
がClである、請求項10〜12のいずれか一項に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【公開番号】特開2009−114292(P2009−114292A)
【公開日】平成21年5月28日(2009.5.28)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−287593(P2007−287593)
【出願日】平成19年11月5日(2007.11.5)
【新規性喪失の例外の表示】特許法第30条第1項適用申請有り 1.刊行物名、巻数、号数 高分子学会予稿集 第56巻1号 2.発行者名 社団法人 高分子学会 3.発行年月日 平成19年5月10日
【出願人】(592055392)富士アミドケミカル株式会社 (5)
【Fターム(参考)】