説明

環状デプシペプチド類

本願は、式(I)の構造を有する環状デプシペプチド類、またはその誘導体、および、例えばカリクレイン7およびヒト好中球エラスターゼインヒビターとしてのその使用に関する。


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【特許請求の範囲】
【請求項1】
式(I):
【化1】

〔式中、Aのカルボキシ基とAのヒドロキシ基の間にエステル結合が形成され、ここで、XおよびAは互いに独立した選択肢であり、
そして、
Xは、Hまたはアミノ基修飾部分であり、典型的にアリールカルボニル残基またはアシル残基から選択してよく、
はグルタミン、オルニチン、グルタミン酸またはその誘導体であり;
はスレオニンまたはセリンであり、
はロイシンであり、
はAhp、3−アミノ−ピペリジン−2−オン、デヒドロ−AHP、Ahp−I、Ahp−II、プロリン、5−ヒドロキシ−プロリンまたはその誘導体であり、ここで、融合点(AおよびAとの)は、プロリン、および5−ヒドロキシプロリンの窒素原子およびカルボキシル酸素であり(結合による水素原子の置換により)、
ここで、Ahp、3−アミノ−ピペリジン−2−オン、デヒドロ−AHP、Ahp−I、およびAhp−IIは下記に定義の通りであり、そして、融合点(AおよびAとの)は、該化合物の窒素原子であり(結合による水素原子の置換により):
【化2】

ここで、XはOまたは結合であり、そしてRは有機部分または請求項3に定義のラジカルであり、
はイソロイシン、フェニルアラニンまたはバリンであり、
はチロシン、N−Me−チロシンまたはその誘導体であり、
はロイシン、イソロイシンまたはバリンである。〕
の構造を有する、環状デプシペプチド、またはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩。
【請求項2】
XがCHCHCH(CH)CO、(CH)CHCHCO、(CH)CHCO、CHCOまたはフェニル−COである、請求項1に記載のデプシペプチド。
【請求項3】
とAの間のアミド結合の窒素原子がメチルで置換されており、チロシンのOH基がORであり、ここで、Rは水素、非置換であるか、またはアリール、アリールアルキル、アリールアルケニルまたはアリールアルキニル、ヘテロシクリルおよびヘテロシクリルアルキルでさらに置換された(C1−12)アルキル、(C2−12)アルケニル、(C2−12)アルキニル、ハロ(C1−12)アルキル、ハロ(C2−12)アルケニル、ハロ(C2−12)アルキニル、(C1−12)アルコキシカルボニル、(C1−12)アルコキシ−カルボニル(C1−12)アルキル、(C1−12)アルキルアミノカルボニルから成る群から選択される、請求項1に記載のデプシペプチド。
【請求項4】
がAhp誘導体3−アミノ−ピペリジン−2−オン、Ahp−IまたはAhp−IIであり、ここでRが(C1−12)アルキル、(C2−12)アルケニル、(C2−12)アルキニル、ハロ(C1−12)アルキル、(C1−12)アルコキシ(C1−12)アルキル、(C1−12)アルコキシ(C1−12)アルコキシ(C1−12)アルキル、ヒドロキシ(C1−12)アルキル、フェニルおよびフェニル(C1−6)アルキルから成る群から選択される請求項1に記載のデプシペプチド。
【請求項5】
アシル残基XがCHCHCH(CH)COまたは(CH)CHCOであり、
がグルタミン、グルタミン酸、またはその誘導体であり、
がスレオニンであり、
がロイシンであり、
がAhp、3−アミノ−ピペリジン−2−オン、プロリン、5−ヒドロキシ−プロリンまたはその誘導体であり、
がイソロイシンであり、
がチロシン、N−Me−チロシンまたはその誘導体であり、
がイソロイシンまたはバリン、好ましくはイソロイシンである、
請求項1に記載のデプシペプチド。
【請求項6】
がAhp、Ahp−I、3−アミノ−ピペリジン−2−オン、プロリン、または5−ヒドロキシ−プロリン、好ましくはAhp、Ahp−I、3−アミノ−ピペリジン−2−オン、または5−ヒドロキシ−プロリン、また好ましくはAhp、Ahp−Iまたは5−ヒドロキシ−プロリン、より好ましくはAhpである、請求項1から5のいずれかに記載のデプシペプチド。
【請求項7】
式AまたはB
【化3】

〔式中、XおよびAは請求項1に定義の通りであり、そして
R2はアミノ酸スレオニンまたはセリンの側鎖であり、
R3はロイシンの側鎖であり、
R5はアミノ酸イソロイシンまたはバリンの側鎖であり、特にR5はイソロイシンであり、
R6は、所望により誘導体化されていてよい、特に、所望によりそのヒドロキシル基を請求項3に定義の通り誘導体化されていてよい、チロシンの側鎖であり、
R7はアミノ酸ロイシン、イソロイシンまたはバリンの側鎖であり、特にR7はイソロイシンであり、
Yは水素またはメチルであり、Yは特にメチルである。〕
に従う化合物である、請求項1に記載のデプシペプチド。
【請求項8】
、A、A、A、AおよびAがL−アミノ酸である、請求項1から7のいずれかに記載の環状デプシペプチド。
【請求項9】
が3S,6R Ahpである、請求項1から8のいずれかに記載の環状デプシペプチド。
【請求項10】
がグルタミン、オルニチン、または実施例のいずれかに記載のグルタミン誘導体であり、例えばグルタミンニトリル、グルタミン酸エステル、例えばC1−12アルキルエステル(例えばグルタミン酸メチルエステル)または例えばC6−24アリールエステル(例えばグルタミン酸フェニルまたはベンジルエステル)から選択される、請求項1から9のいずれかに記載の環状デプシペプチド。
【請求項11】
請求項1から10のいずれかに記載の環状デプシペプチドを薬学的に許容される担体および/または成分と共に含む、医薬組成物。
【請求項12】
医薬として使用するための、特に、請求項13から15のいずれかに記載の通り患者の処置方法に使用するための医薬として使用するための、請求項1から11のいずれかに記載の環状デプシペプチド、および該方法請求項において記載の疾患または障害の処置用薬の製造における、該デプシペプチド類の使用。
【請求項13】
炎症性および/または過増殖性およびそう痒性皮膚疾患、例えばケロイド、肥厚性瘢痕、アクネ、アトピー性皮膚炎、乾癬、膿疱性乾癬、酒さ、ネザートン症候群または他のそう痒性皮膚疾患、例えば結節性痒疹、高齢者の不特定掻痒ならびに上皮性バリア機能不全を伴う他の疾患、例えば高齢者の皮膚、炎症性腸疾患およびクローン病、ならびに膵炎、または癌、特に卵巣癌、嚢胞性線維症(CF)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺線維症、成人呼吸窮迫症候群、慢性気管支炎、遺伝性気腫、リウマチ性関節炎、IBD、乾癬、喘息を有する対象の処置方法であって、該対象に治療的有効量の請求項1−10のいずれかに記載の環状デプシペプチド、またはその誘導体を投与することを含む、方法。
【請求項14】
対象がケロイド、肥厚性瘢痕、アクネ、アトピー性皮膚炎、乾癬、膿疱性乾癬、酒さ、ネザートン症候群または他のそう痒性皮膚疾患、例えば結節性痒疹、高齢者の不特定掻痒ならびに上皮性バリア機能不全を伴う他の疾患、例えば高齢者の皮膚、炎症性腸疾患およびクローン病、ならびに膵炎、または癌、特に卵巣癌を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項15】
対象がケロイド、肥厚性瘢痕、アクネ、アトピー性皮膚炎、乾癬、膿疱性乾癬、酒さ、ネザートン症候群または他のそう痒性皮膚疾患、例えば結節性痒疹、高齢者の不特定掻痒ならびに上皮性バリア機能不全を伴う他の疾患、例えば高齢者の皮膚を有する、請求項14に記載の方法。
【請求項16】
対象が嚢胞性線維症(CF)、慢性閉塞性肺疾患(COPD)、肺線維症、成人呼吸窮迫症候群、慢性気管支炎、遺伝性気腫、リウマチ性関節炎、IBD、乾癬、喘息を有する、請求項13に記載の方法。
【請求項17】
コンドロマイセス株、その変異株または突然変異株を、適当な培地で培養し、所望によりそのようにして製造した環状デプシペプチドを化学誘導体化することを含む、請求項1から10のいずれかに記載の環状デプシペプチド、またはその誘導体の製造方法。
【請求項18】
コンドロマイセス株、その変異株または突然変異株の生合成遺伝子を異種微生物宿主株で発現させ、所望によりそのようにして製造した環状デプシペプチドを化学誘導体化することを含む、請求項1から10のいずれかに記載の環状デプシペプチド、またはその誘導体の製造方法。
【請求項19】
株がコンドロマイセス・クロカタス(DSM 19329)またはコンドロマイセス・ロブスタス(DSM 19330)またはコンドロマイセス・アピクラタス(DSM 21595)である、請求項17または18に記載の方法。
【請求項20】
DSM 19329またはDSM 19330またはDSM 21595の下に寄託された、請求項1から10のいずれかに記載の環状デプシペプチド、またはその誘導体を製造する、単離されたコンドロマイセス微生物。
【請求項21】
請求項20に記載の単離されたコンドロマイセス微生物により製造された、または請求項17から18の方法により得られた環状デプシペプチド、またはその誘導体。
【請求項22】
請求項1に記載の環状デプシペプチドの誘導体、またはその誘導体の製造方法であって、択一的に
a)−A
【化4】

である請求項1に記載の環状デプシペプチドの誘導体、またはその誘導体の製造方法であって、A
【化5】

である化合物を、−78℃〜150℃の温度で有機または無機酸、またはルイス酸で処理することによる、方法;
b)−A
【化6】

である請求項1に記載の環状デプシペプチドの誘導体、またはその誘導体の製造方法であって、A
【化7】

である化合物を、−50〜100℃の温度で、分子水素またはその供給源で、触媒の存在下、溶媒中で処理することによる、方法;
c)−A
【化8】

である上記の環状デプシペプチドの誘導体、またはその誘導体の製造方法であって、A
【化9】

である化合物を、−78℃〜150℃の温度で、還元剤の存在下、有機または無機酸またはルイス酸で処理することによる、方法;または
d)−A
【化10】

である請求項1に記載の環状デプシペプチドの誘導体、またはその誘導体の製造方法であって、A
【化11】

である化合物を、−78℃〜150℃の温度で、置換または非置換アルカノールおよび有機または無機酸、またはルイス酸で処理することによる、方法;
e)−A
【化12】

であり、ここで、n=1、2であり、そしてA
【化13】

であり、ここで、Rが好ましくはH、アルキル、置換アルキルである化合物の製造方法であって、AがGlnまたはAsnであり、そしてA
【化14】

であり、ここで、Rが好ましくはH、アルキル、置換アルキルである化合物を、−78℃〜150℃の温度で、溶媒中、置換または非置換アルカノールおよび有機または無機酸またはルイス酸で処理することによる、方法;
f)−A
【化15】

であり、ここで、Rが好ましくはH、OH、O−アルキル、置換O−アルキル、O−アシルである化合物の製造方法であって、AがGlnまたはAsnであり、そしてA
【化16】

である化合物を、−78℃〜150℃の温度で、溶媒の存在下または非存在下に、脱水剤で処理することによる、方法;
g)−A
【化17】

であり、そしてA
【化18】

であり、ここで、Rが好ましくはアルキル、置換アルキル、アシル、アルコキシカルボニルである化合物の製造方法であって、A
【化19】

であり、そしてAがTyrである化合物を、−78℃〜150℃の温度で、溶媒の存在下または非存在下に、アルキル化剤またはアシル化剤で処理することによる、方法。
【請求項23】
特に、そして本質的に明細書および/または実施例に記載の環状デプシペプチド、またはその誘導体、またはその薬学的に許容される塩。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【図11】
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【図12】
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【公表番号】特表2010−536731(P2010−536731A)
【公表日】平成22年12月2日(2010.12.2)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2010−520585(P2010−520585)
【出願日】平成20年8月14日(2008.8.14)
【国際出願番号】PCT/EP2008/060689
【国際公開番号】WO2009/024527
【国際公開日】平成21年2月26日(2009.2.26)
【出願人】(504389991)ノバルティス アーゲー (806)
【Fターム(参考)】