説明

生ごみ処理装置

【課題】ストレーナを内蔵した固液分離装置を備える生ごみ処理装置において、固液分離装置のストレーナに石や貝殻といった硬質物が噛み込んでストレーナがロックしたような場合でも、駆動モータに過負荷をかけることなく、簡単な操作によってロックを解除することができる生ごみ処理装置を提供する。
【解決手段】生ごみを水から分離する固液分離装置10を備えた生ごみ処理装置において、前記固液分離装置10は、水とともに生ごみが導入される分離容器12と、該分離容器12内で回転駆動されるストレーナ14および該ストレーナと協働して水から生ごみを分離するスクレーパ16とを備え、前記ストレーナ14がロックした際に、前記ストレーナ14の駆動軸15に連繋して、前記ストレーナ14を回動操作しストレーナ14のロックを解除する操作用のレバー60を装着可能としたことを特徴とする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生ごみを水から分離する固液分離装置を備えた生ごみ処理装置に関する。
【背景技術】
【0002】
台所などで生じた厨芥(生ごみ)を処理する方法には、従来、いろいろな方法が提案されている。本出願人は、台所の流し台に取り付けて使用する生ごみ処理装置として、流し台の排水口に生ごみを破砕する破砕機を取り付け、破砕機で破砕された生ごみを水とともに固液分離装置に導入し、固液分離装置で水から分離した生ごみ(含水生ごみ)を乾燥装置で乾燥して廃棄する構成とした装置を提案した(特許文献1、2、3参照)。この装置によれば、流し台の排水口から水とともに生ごみを排出するだけで、最終的に乾燥ごみとして得ることができ、生ごみを大きく減量することができるとともに、乾燥ごみを有機肥料として利用したり、可燃ごみとして処理したりすることが容易に可能になる。
【0003】
図9に、上記生ごみ処理装置で使用されている固液分離装置の構成例を示す。この固液分離装置10は、破砕機から送出パイプ11を介して送出される生ごみと水が導入される分離容器12と、分離容器12内で回転駆動されるストレーナ14と、ストレーナ14と協働して水から生ごみを分離するスクレーパ16と、スクレーパ16によって分離された生ごみをスクレーパ16との間で挟圧する押圧板18と、分離容器12内で分離された水を排出する排水パイプ20とを備える。図9では、固液分離装置の内部構成を示すため、分離容器12の一方の側面板を外した状態を示す。
【0004】
ストレーナ14は、円形のリング部を備える複数の第1のリング体14aと、リング部の外周側面に周方向に所定間隔で突起が設けられた複数の第2のリング体14bとを多数枚、重ね合わせるようにして駆動軸15に固定して形成される。第1のリング体14aと第2のリング体14bとの間、あるいは隣り合った第2のリング体14bの中間にはスペーサが介装され、第1のリング体14aと第2のリング体14bのリング部の間にわずかに隙間が形成されている。この隙間が生ごみを濾過する濾過スペースとなる。
ストレーナ14は駆動軸15を水平方向、すなわちストレーナ14の回転面が鉛直方向となるように配置され、駆動モータにより回転駆動される。
【0005】
分離容器12に導入された生ごみを水から分離する作用は、ストレーナ14が回転することによって水とともに生ごみがすくい上げられ、すくい上げられた生ごみと水がストレーナ14を通過する際に、生ごみがストレーナ14によって漉し取られることによってなされる。水とともに生ごみがストレーナのリング部を通過する際に、生ごみはリング部の内側面に付着し、水はそのままリング部を通過する。スクレーパ16は、先端部を隣り合ったリング部の内側面間に挿入して配置され、ストレーナ14が回転することにより、リング部の内側面に付着した生ごみを掻き取るように作用する。こうして、ストレーナ14により水とともに生ごみをすくい上げ、スクレーパ16によって生ごみを掻き取ることによって分離容器12内で生ごみが水から分離される。
【0006】
スクレーパ16によって掻き取られた生ごみは、押圧板18とスクレーパ16の外側面との間で挟圧され、生ごみから水分が絞り取られ、含水生ごみとして排出口24から乾燥装置30のタンク32に排出される。乾燥装置30には乾燥用のヒータと、タンク32内に攪拌羽根34が設けられ、含水生ごみを攪拌しながら加温することによって含水生ごみが乾燥される。
【特許文献1】特開2000−317693号公報
【特許文献2】特開2001−321613号公報
【特許文献3】特開2001−347399号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
上記の第1のリング体14aと第2のリング体14bを備えたストレーナ14を用いて生ごみを水から分離する(固液分離)方法は、固液分離装置をコンパクトに形成でき、効率的に生ごみを水から分離することができる点で有効である。
しかしながら、上記のストレーナ14を用いて固液分離する際に、生ごみとともに混入した石や貝殻の硬質物がストレーナ14に噛み込み、ストレーナ14がロックしてしまうという問題がある。ストレーナ14のロックは、ストレーナ14のリング部に硬質物が詰まり、リング部の間隔が狭まってスクレーパ16が通過できなくなること、あるいは分離容器12の内壁と第2のリング体14bに設けられた突起との間に硬質物が詰まってスクレーパ16が回転できなくなるといったことによって生じる。
【0008】
ストレーナ14がロックした際には、駆動モータをいったん停止させ、駆動モータを逆回転させ、さらに正逆回転させてロックを解除するように制御する方法も従来行っている。しかしながら、駆動モータを制御してストレーナ14のロックを解除する方法の場合には、噛み込みを解除するために大きなパワーのモータを用意したり、装置の強度を上げたりする必要が生じる。この結果、固液分離装置が大型になってしまい、流し台の下のような小スペース内に生ごみの処理装置を配置することが困難になるといった問題が生じる。
【0009】
本発明はこれらの課題を解決すべくなされたものであり、ストレーナを内蔵した固液分離装置を備える生ごみ処理装置において、固液分離装置のストレーナに石や貝殻といった硬質物が噛み込んでストレーナがロックしたような場合でも、駆動モータに過負荷をかけることなく、簡単な操作によってロックを確実に解除することができる生ごみ処理装置を提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0010】
上記目的を達成するため、本発明は次の構成を備える。
すなわち、生ごみを水から分離する固液分離装置を備えた生ごみ処理装置において、前記固液分離装置は、水とともに生ごみが導入される分離容器と、該分離容器内で回転駆動されるストレーナおよび該ストレーナと協働して水から生ごみを分離するスクレーパとを備え、前記ストレーナがロックした際に、前記ストレーナの駆動軸に連繋して、前記ストレーナを回動操作しストレーナのロックを解除する操作用のレバーを装着可能としたことを特徴とする。
【0011】
また、前記操作用のレバーには、前記駆動軸に連繋して前記ストレーナを回動する減速機が装着されていることによって、さらに簡単に手動操作によってストレーナを回動操作してストレーナのロックを解除することができる。
また、前記ストレーナと該ストレーナを回転駆動する駆動部とがクラッチ機構を介して連結され、前記ストレーナのロックを解除する際に、前記クラッチ機構により前記ストレーナの駆動軸と前記駆動部との連繋が切り離されて、前記操作レバーと前記ストレーナとが連繋することによって、ストレーナが駆動部に対してフリー回転した状態でストレーナを回動操作することができストレーナのロックを簡単に解除することができる。
【0012】
また、前記生ごみ処理装置の本体側に、前記ストレーナの駆動軸に連繋するとともに、前記操作レバーによって操作される減速機が設けられ、前記ストレーナのロックを解除する際に、前記操作レバーを前記減速機に連繋し、該減速機を介して前記操作レバーが前記ストレーナに連繋することを特徴とする。減速機を介してストレーナを回転することにより、軽い力でストレーナを回転させてストレーナのロックが解除できる。
また、前記減速機は、前記ストレーナを駆動する駆動部に設けられた駆動モータを減速する機構として設けられ、前記駆動モータと前記減速機との間、および前記減速機と前記操作レバーとの間を、いずれか選択して連結するクラッチ機構が設けられ、前記ストレーナのロックを解除する際に、前記クラッチ機構により前記減速機と操作レバーとの間が連結され、前記減速機を介して前記操作レバーと前記ストレーナとが連繋することにより、駆動部に設けられた減速機をストレーナのロックを解除する際に利用することで、ストレーナを容易に回転させてロックを解除することができる。
【0013】
また、前記操作レバーに、前記ストレーナの駆動軸に連繋してストレーナを回動操作する減速機が装着され、前記ストレーナと該ストレーナを回転駆動する駆動部とがクラッチ機構を介して連結され、前記ストレーナのロックを解除する際に、前記クラッチ機構により前記ストレーナの駆動軸と前記駆動部との連繋が切り離され、前記減速機を介して前記操作レバーと前記ストレーナとが連繋することを特徴とする。このように操作レバー側に減速機を設けることによっても、ストレーナがロックした際にストレーナを軽く回転させてストレーナのロックを解除することができる。
また、本発明は、前記固液分離装置の前段に生ごみを破砕する破砕機が設けられ、該破砕機により破砕された生ごみが水とともに固液分離装置に導入される構成とした生ごみ処理装置、あるいは前記固液分離装置から排出される含水生ごみが導入され、含水生ごみを乾燥する乾燥装置を備えている生ごみ処理装置に好適に適用できる。
【発明の効果】
【0014】
本発明に係る生ごみ処理装置によれば、ストレーナがロックした際に操作レバーを用いて、手動操作によってストレーナのロックを解除することができるから、ストレーナのロックを容易にかつ確実に解除することができる。また、ストレーナのロックを手動操作によって解除する構成としたことにより、ロック解除を可能とする大パワーの駆動モータを使用する必要がなくなり、装置の小型化を図ることができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0015】
以下、本発明に係る生ごみ処理装置の好適な実施の形態について添付図面とともに詳細に説明する。
(生ごみ処理装置の全体構成)
図1は、本発明に係る生ごみ処理装置の全体構成と、生ごみ処理装置を台所の流し台5に取り付けた状態を示す。
生ごみ処理装置は、流し台5の排水口6の下部に吊持するようにして取り付けられる破砕機40と、破砕機40から水とともに排出される生ごみを処理する本体50とからなる。本体50は箱状に形成されたケーシング52内に、前述した固液分離装置10と乾燥装置30とが収納されて構成されている。
【0016】
本体50の前面部には、乾燥装置30のタンク32の前面部となる前蓋54が前面部に脱着可能に取り付けられている。前蓋54の前面には取っ手54aが設けられ、取っ手54aに手をかけて前方に引くようにすることによって本体50に収納されているタンク(不図示)を引き出すことができる。処理物がタンクに溜まってきたら、タンクを前方に引き出してタンクに溜まった処理物を排出する。
【0017】
破砕機40の内部には生ごみを破砕するローターが設けられており、ローターが高速で回転することによって生ごみが小片状に破砕され、水とともに固液分離装置10に送出される。破砕機40と固液分離装置10とは送出パイプ11を介して接続されており、送出パイプ11から固液分離装置10に生ごみが送出される。固液分離装置10に接続して設けられた排水パイプ20は固液分離装置10から下方に延出し、下水の排水管に接続される。
【0018】
本実施形態の生ごみ処理装置は、流し台5の下方の空間領域を利用して生ごみ処理装置を配置する構成としたもので、流し台5の排水口6に取り付けた破砕機40と干渉しないように、破砕機40の横位置に本体50を設置している。破砕機40から水とともに生ごみが流下して固液分離装置10に導入されるように、破砕機40の生ごみの送出口よりも固液分離装置10の生ごみの導入口が鉛直下方に位置するように配置されている。
【0019】
(第1の実施の形態)
図2に生ごみ処理装置の本体50の内部構成を示す。本体50の構成は図9に示した従来の構成と同様であり、乾燥装置30の上に固液分離装置10を配置して構成される。固液分離装置10は、破砕機40から送出される生ごみと水が導入される分離容器12と、分離容器12内で回転駆動されるストレーナ14と、ストレーナ14と協働して水から生ごみを分離するスクレーパ16と、スクレーパ16によって分離された生ごみをスクレーパ16との間で挟圧する押圧板18とを備える。なお、図2では、分離容器12の側面板を外した状態を示している。
【0020】
本実施形態の生ごみ処理装置において特徴とする構成は、固液分離装置10に内蔵されているストレーナ14に石や貝殻が噛み込んでストレーナ14がロックした際に、手動によってストレーナ14のロックを解除できるようにするロック解除機構を設けた点にある。本実施形態においては、ストレーナ14の駆動軸に外部からレバー60を係合させ、手動操作によりレバー60を回動させる操作によってストレーナ14のロックを解除する構成としている。
【0021】
レバー60によりストレーナ14を正逆回転させるため、ストレーナ14の駆動軸15の端部にキー溝15aを設け、このキー溝15aにレバー60の先端に形成したキー部60aを係合させる構成とした。駆動軸15とレバー60との係合方法は適宜選択可能であり、たとえば駆動軸15の端部を六角柱状とし、キー部60aに駆動軸15の端部が嵌入する六角穴を設けるといった方法によることもできる。
【0022】
図3は、本体50をストレーナを回転駆動する駆動部が取り付けられた側から見た状態を示す。なお、図は、本体50から乾燥装置30のタンク32を引き出した状態である。ストレーナを回転駆動する駆動部70は、ストレーナ14の駆動軸と同軸に連結される出力軸を備えた駆動モータ71と、駆動モータ71に取り付けられた減速機72とからなる。ストレーナは、減速機72によって駆動モータ71の回転を低速に落として回転駆動される。
【0023】
図4にレバー60を用いて手動操作により固液分離装置10のストレーナ14を回転させる各部の連繋例を示す。図4に示す例は、レバー60をストレーナ14の駆動軸15に対して回り止めした状態で脱着可能に設け、ストレーナ14の駆動軸15がクラッチ機構74を介して駆動部70の減速機72に連繋した構成を示す。クラッチ機構74は、電磁式あるいは機械式によりクラッチが接離され、クラッチ機構の制御部により、通常時は駆動軸15に直結し、駆動モータ71および減速機72によりストレーナ14が回転駆動される。
【0024】
本実施形態の生ごみ処理装置においてストレーナ14のロックを解除する操作は次のようにして行われる。
ストレーナ14に貝殻等が噛み込んでストレーナ14がロックすると、駆動モータ71に過負荷が加わり、駆動モータ71が停止してロックが検知される。ロック解除用のスイッチを操作することにより制御部によりクラッチ機構74によって駆動部70と駆動軸15との連結状態が解除され、ストレーナ14がフリー回転する状態になる。
この状態で、ストレーナ14の駆動軸15にレバー60のキー部60aを係合し、レバー60によりストレーナ14を正逆回転させてロックを解除する。
【0025】
ストレーナ14はフリー回転する状態になっているから、レバー60を回動して簡単にストレーナ14を回転させることができ、ストレーナ14を正逆回転することで容易にストレーナ14のロックを解除することができる。手動操作によってストレーナ14のロックを解除する方法は、ロック位置している位置を探すようにしながら操作できるから、確実にストレーナ14のロックが解除できるという利点がある。
【0026】
(第2の実施の形態)
図5に、ストレーナ14のロック解除機構を備えた生ごみ処理装置の他の構成例を示す。本実施の形態におけるロック解除機構は、駆動軸15に減速機80を取り付け、減速機80を介してレバー62により駆動軸15を回動するように構成したことを特徴とする。すなわち、ストレーナ14の駆動軸15の端部に減速機80を取り付け、減速機80の外側面にレバー62の作用部62aに係合する係合穴80aを設け、減速機80にレバー62を装着して減速機80を介してストレーナ14を正逆回転させるように設けた。
【0027】
減速機80には、減速機80と駆動軸15との係合状態をON-OFF制御するクラッチ機構が内蔵されている。このクラッチ機構をON-OFFする機構としては、たとえば係合穴80aの内部にクラッチ機構をON-OFF操作する操作ピンを設け、レバー62の作用部62aを係合穴80aに嵌入して操作ピンを押動した際に、減速機80と駆動軸15とが係合し、係合穴80aからレバー62を外すと、操作ピンが元位置に復帰して駆動軸15と減速機80との係合が解除されるといった構成とすることができる。
【0028】
本実施形態の場合は、ストレーナ14がロックした際に、減速機80の係合穴80aにレバー62の作用部62aを嵌入し、レバー62により減速機80を介してストレーナ14を正逆回転させてロックを解除する。減速機80を利用してストレーナ14を回転することにより、軽い力でストレーナ14を回転させてストレーナ14のロックを解除することができる。
減速機80に設けたクラッチ機構は、レバー62を減速機80に装着しないときは、減速機80と駆動軸15とが切り離された状態になるから、通常処理時に減速機80が処理操作の妨げになることはない。
【0029】
図6は、駆動部70に設けられている減速機72を利用して手動操作によりストレーナ14のロックを解除できるように構成した例を示す。
この例では、駆動モータ71と減速機72との中間にクラッチ機構74を設け、クラッチ機構74により駆動モータ71の出力軸とストレーナ14の駆動軸15とが接離されるように設けるとともに、駆動軸15上に、ギヤ75aを駆動軸15と一体回転するように設け、クラッチ機構74がギヤ75aと接離するように設けたものである。クラッチ機構74は、駆動モータ71と駆動軸15とが連結された場合にはクラッチ機構74とギヤ75aとが切り離され、駆動モータ71と駆動軸15とが切り離された際にはクラッチ機構74とギヤ75aとが連結する。
【0030】
ギヤ75aは連繋ギヤ75bに歯合し、連繋ギヤ75bは連結ロッド76を介してレバー60に連繋する。連結ロッド76は本体50のケーシング52内に軸支され、レバー60の端部に設けられたキー部60aが連結ロッド76の端部に、回り止めした状態で脱着可能に設けられている。
本実施形態の生ごみ処理装置は、通常時はクラッチ機構74が駆動モータ71とストレーナ14の駆動軸15を連結する状態にあり、ストレーナ14がロックされた際にクラッチ機構74が駆動軸とギヤ75aとを連結する状態に切り換えられる。
この状態で、連結ロッド76の端部にレバー60を係合させ、レバー60を手動で回動操作することにより、ストレーナ14を正逆回転してロックを解除する。
【0031】
図6に示す構成の場合も、レバー60を操作する際に、減速機72を介してストレーナ14を正逆回転するから、軽い力でストレーナ14を回転させることができ、簡単にストレーナ14のロックが解除できるという利点がある。また、駆動部70に設けられている減速機72をロック解除用にも利用できるという利点がある。
【0032】
(第3の実施の形態)
図7に、ストレーナ14のロックを解除するロック解除機構が設けられた生ごみ処理装置のさらに他の実施の形態を示す。
本実施の形態におけるロック解除機構は、ストレーナ14を手動操作によって正逆回転するための操作器具側に減速機80を設けた構成としたことを特徴とする。すなわち、レバー60によって減速機80を回動するように設け、減速機80から延出する作用部80bをストレーナ14の駆動軸15に係合して、減速機80を介して駆動軸15を回動するように設ける。駆動軸15の端部にはキー溝15aが設けられ、作用部80bの先端にキー溝15aに係合するキー部80cが設けられている。
【0033】
図8に、減速機80を備えた操作用具を用いてストレーナ14を正逆回転操作する際の各部の連繋構成を示す。この例では、駆動部70の減速機72と駆動軸15との間に第1のクラッチ機構74aが設けられ、減速機80と駆動軸15との間に第2のクラッチ機構74bが設けられ、操作器具側の減速機80は第2のクラッチ機構74bを介して駆動軸15に連繋している。
【0034】
本実施形態では、ストレーナ14がロックした際には、第1のクラッチ機構74aについては駆動部70と駆動軸15とを切り離し、第2のクラッチ機構74bについては駆動軸15と減速機80とを連結する。これによって、ストレーナ14がフリー回転する状態でレバー60を用いて減速機80を操作することによってストレーナ14を正逆回転させてストレーナ14のロックを解除することができる。減速機80を用いてストレーナ14を回動操作することで、本実施形態の場合もストレーナ14を軽く回転させることができ、簡単にロックを解除することができる。
【0035】
本実施形態のロック解除機構では、ケーシング52の側面に作用部80bを挿入する挿入穴あるいは開閉蓋を設けておき、ストレーナ14がロックした際に、挿入穴あるいは開閉蓋をあけて作用部80bをケーシング52内に挿入し、ストレーナ14を回動操作するようにすればよい。
【0036】
なお、上述した各実施形態では、固液分離装置10と駆動部70との間にクラッチ機構74を設けて、クラッチ機構の切り換え操作により、ストレーナ14を駆動部70から切り離してストレーナ14のロックを解除するように構成したが、クラッチ機構74を設けずに、手動操作によってストレーナ14を回転することができる場合であれば、単にレバー60を駆動軸15に係合させ、ストレーナ14を正逆回転操作してストレーナ14のロックを解除する構成とすることもできる。
【図面の簡単な説明】
【0037】
【図1】生ごみ処理装置の全体構成と、生ごみ処理装置の設置状態を示した説明図である。
【図2】生ごみ処理装置の第1の実施の形態におけるロック解除機構の構成を示す説明図である。
【図3】生ごみ処理装置をストレーナの駆動部側から見た斜視図である。
【図4】第1の実施の形態における、ロック解除機構の各部の連携構成を示す説明図である。
【図5】生ごみ処理装置の第2の実施の形態におけるロック解除機構の構成を示す説明図である。
【図6】第2の実施の形態における、ロック解除機構の各部の連携構成を示す説明図である。
【図7】生ごみ処理装置の第3の実施の形態におけるロック解除機構の構成を示す説明図である。
【図8】第3の実施の形態における、ロック解除機構の各部の連携構成を示す説明図である。
【図9】従来の生ごみ処理装置における固液分離装置と乾燥装置の構成を示す斜視図である。
【符号の説明】
【0038】
5 流し台
6 排水口
10 固液分離装置
12 分離容器
14 ストレーナ
14a 第1のリング体
14b 第2のリング体
15 駆動軸
15a キー溝
16 スクレーパ
18 押圧板
30 乾燥装置
40 破砕機
50 本体
52 ケーシング
60、62 レバー
60a キー部
70 駆動部
71 駆動モータ
72 減速機
74、74a、74b クラッチ機構
80 減速機

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生ごみを水から分離する固液分離装置を備えた生ごみ処理装置において、
前記固液分離装置は、
水とともに生ごみが導入される分離容器と、該分離容器内で回転駆動されるストレーナおよび該ストレーナと協働して水から生ごみを分離するスクレーパとを備え、
前記ストレーナがロックした際に、前記ストレーナの駆動軸に連繋して、前記ストレーナを回動操作しストレーナのロックを解除する操作用のレバーを装着可能としたことを特徴とする生ごみ処理装置。
【請求項2】
前記操作用のレバーには、前記駆動軸に連繋して前記ストレーナを回動する減速機が装着されていることを特徴とする請求項1記載の生ごみ処理装置。
【請求項3】
前記ストレーナと該ストレーナを回転駆動する駆動部とがクラッチ機構を介して連結され、
前記ストレーナのロックを解除する際に、前記クラッチ機構により前記ストレーナの駆動軸と前記駆動部との連繋が切り離されて、前記操作レバーと前記ストレーナとが連繋することを特徴とする請求項1記載の生ごみ処理装置。
【請求項4】
前記生ごみ処理装置の本体側に、前記ストレーナの駆動軸に連繋するとともに、前記操作レバーによって操作される減速機が設けられ、
前記ストレーナのロックを解除する際に、前記操作レバーを前記減速機に連繋し、該減速機を介して前記操作レバーが前記ストレーナに連繋することを特徴とする請求項1記載の生ごみ処理装置。
【請求項5】
前記減速機は、前記ストレーナを駆動する駆動部に設けられた駆動モータを減速する機構として設けられ、
前記駆動モータと前記減速機との間、および前記減速機と前記操作レバーとの間を、いずれか選択して連結するクラッチ機構が設けられ、
前記ストレーナのロックを解除する際に、前記クラッチ機構により前記減速機と操作レバーとの間が連結され、前記減速機を介して前記操作レバーと前記ストレーナとが連繋することを特徴とする請求項1記載の生ごみ処理装置。
【請求項6】
前記操作レバーに、前記ストレーナの駆動軸に連繋してストレーナを回動操作する減速機が装着され、
前記ストレーナと該ストレーナを回転駆動する駆動部とがクラッチ機構を介して連結され、
前記ストレーナのロックを解除する際に、前記クラッチ機構により前記ストレーナの駆動軸と前記駆動部との連繋が切り離され、前記減速機を介して前記操作レバーと前記ストレーナとが連繋することを特徴とする請求項1記載の生ごみ処理装置。
【請求項7】
前記生ごみ処理装置は、前記固液分離装置の前段に生ごみを破砕する破砕機が設けられ、該破砕機により破砕された生ごみが水とともに固液分離装置に導入されることを特徴とする請求項1〜6のいずれか一項記載の生ごみ処理装置。
【請求項8】
前記生ごみ処理装置は、前記固液分離装置から排出される含水生ごみが導入され、含水生ごみを乾燥する乾燥装置を備えていることを特徴とする請求項1〜7のいずれか一項記載の生ごみ処理装置。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−149278(P2008−149278A)
【公開日】平成20年7月3日(2008.7.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−341054(P2006−341054)
【出願日】平成18年12月19日(2006.12.19)
【出願人】(000148243)株式会社泉精器製作所 (77)
【Fターム(参考)】