生体吸収可能部位を備えた内腔プロテーゼ
本発明は、収縮状態から拡張状態へと変えられるようになっているチューブ状本体(10)を有する内腔プロテーゼに関するものである。チューブ状本体は、長さ方向軸線に沿って伸びて、複数のコイル(11a、11b、11c)と、少なくとも一つのブリッジ(12)とを有している。コイルは略周方向に伸び、ブリッジは二つのコイルを接続している。コイルは耐久性材料によって実現され、他方ブリッジは生体吸収性材料によって実現されている。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は生体、とりわけ人体内の管路又は血管内において使用される内腔プロテーゼ、すなわちステントに関するものである。この内腔プロテーゼは、例えば狭窄症のような疾患によって抑制又は閉塞された血管の管路を復元させるために使用することができる。また、この内腔プロテーゼは、胆管や、他の類似した器官にも使用することができる。
【0002】
本発明は、半径方向に収縮された状態で、選択された管内に留置されるタイプの内腔プロテーゼに関するものである。このプロテーゼは、一旦適所に留置されると、管にとって好適なサイズに達するまで拡張させられる。
【0003】
「バルーン拡張型」と呼ばれている或る種の内腔プロテーゼに関しては、その拡張は、内部から半径方向の圧力を付加することにより一般に実行されている。この圧力は、加圧された流体を導入させることにより半径方向に拡張可能なバルーンと呼ばれる要素によって一般に付加される。
【0004】
これらのバルーン拡張型プロテーゼは、例えば、ステンレス鋼又はクロム・コバルト合金を用いることで実現されている。
【0005】
「自己拡張型」と呼ばれている他の種類の内腔プロテーゼは、瞬時に拡張した形態になるように構成されている。その拡張は、プロテーゼを半径方向の圧縮から解放させることにより一般に実行されている。
【0006】
これらの自己拡張型プロテーゼは、例えば、弾性に富んだ材料や、ニチノールの様な形状記憶材料を用いることで実現されている。
【0007】
公知の内腔プロテーゼ又はステントは、一般に、軸線方向に互いに並んで配置され且つ互いにブリッジで接続された一連のリングによって構成されている。それらリングは半径方向に収縮及び拡張することができる。それに伴って、ブリッジも軸線方向及び周方向に伸縮することができる。
【0008】
この構造、とりわけ半径方向に収縮及び拡張可能なリングのおかげで、ステントは、先ず収縮及び拡張した双方の形態をとることができる。更に、ブリッジが軸線方向及び周方向に伸縮自在であるため、ステントは、その使用期間中、血管の全ての動きや変形に対応することができる。
【0009】
これらの内腔プロテーゼは、多くの見地から、特に、捩れた狭い管路内に収縮した状態のプロテーゼを簡単に挿入させることを許容する高い柔軟性と弾力性に関して、極めて申し分のないものであるが、従来のステントは、使用期間中に血管の壁によって連続して付加される応力に十分に耐えることができないということがある。
【0010】
特に、プロテーゼにとって最も危険な種類の応力は、経時的に変化することのある荷重から派生する、所謂、「疲労」応力である。この応力は、平均値周辺を上下する緊張状態として解釈される。
【0011】
一般に、疲労応力は、機械的構成要素の静的破壊限界値を越える最大応力値が使用期間中に記録されなかったとしても、その機械的構成要素を破壊させることがある。
【0012】
ある特定の内腔プロテーゼやステントにおいては、疲労応力は、リングを一体に接続させているブリッジにとって特に危険となる。
【0013】
患者に使用される前に非常に厳しい検査が行われているにもかかわらず、残念なことに、疲労によるブリッジの破壊が依然として生じている。
【0014】
このブリッジの破壊は、夫々破断面を有する二つの破片にブリッジが分断される原因となる。最早互いに連結されていない二個の破片は完全な状態のブリッジよりもはるかに柔軟性に欠け、それらが支持する血管壁の変形に対応する順応性も低下する。
【0015】
このような事態のため、ステントの製造中に、その表面は、血管の内壁と接触するのに好適となるように処理されるが、二つの破壊面は、ステントの他の表面と同一の特性を発揮しない。更に、その破壊面は、しばしば切刃となるような鋭利な縁を持つようになる。
【0016】
従って、この種の破損は、血管壁に対する危険な応力を発生させるという結果を齎すことは明らかである。この応力は、最悪の場合、血管壁に直ちに孔を空けてしまうということにつながるので、危険である。また、軽微な場合でも、長期間の間に、ステントの当初の移植で目的とされた効果が明らかに期待されず、血管壁の局所的な拡大に帰結することとなる。
【0017】
本発明の目的は、公知技術によって引き起こされる上記問題点を解決することのできる構造的・機能的特性を有する内腔プロテーゼを提案することにある。
【0018】
特に、本発明の目的は、疲労によって引き起こされる破壊の問題を解決することのできる内腔プロテーゼを提案することである。
【0019】
この目的は、請求項1に記載された内腔プロテーゼによって達成される。
【0020】
更なる実施形態は、従属項に記載されている。
【0021】
本発明による内腔プロテーゼの更なる特徴及び利点は、添付図面を参照して行った、単なる一例であって本発明をなんら限定するものではない好ましい実施形態についての後述の説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
添付図面を参照すると、参照符号1は、内腔プロテーゼ又はステント全体を示している。ステント1は、無差別に、「バルーン拡張型」或いは「自己拡張型」のどちらかのタイプである。
【0023】
本発明の一般的な形態に依れば、内腔プロテーゼ1は、収縮状態から拡張又は部分的に拡張した状態へと変化するようになっている管状本体10から構成されている。
【0024】
「収縮状態」とは、外径及び半径寸法が使用時の外径及び半径寸法よりも小さくなるように、ステント1が半径方向に圧縮されている状態を言う。
【0025】
例えば、ステント1は、処置される部位まで管又は血管を通過するようになっている移送装置2(カテーテル)に受け入れられ又は同装置2上に配置された時に収縮状態となるよう構成されている。
【0026】
図9及び図10a,bに示した例においては、自己拡張型ステントが、カテーテル2上に配置されて、ステントを半径方向に圧縮して収縮状態に維持させるシース20に収められている。
【0027】
他方、図11に示した例においては、バルーン拡張型ステントが、カテーテル2の収縮したバルーン23上に収縮した状態で配置されている。
【0028】
「拡張状態」とは、ステント1が、半径方向に膨らんで、使用時に管又は血管の壁の内部表面と接触している状態を言う。
【0029】
例えば、ステント1が、管又は血管内の処置される部位に永久的に留置された時に、拡張状態に置かれる。
【0030】
例えば、自己拡張型ステントの場合に、ステント1がカテーテルによって処置部位まで一旦移送されると、ステントを半径方向に圧縮しているシース20が取り外されて、ステント1は瞬時に拡張状態へと変化する(図10c参照)。
【0031】
他方、バルーン拡張型ステントの場合には、ステント1がカテーテル2によって処置部位まで一旦移送されると、バルーン23が膨張させられる。バルーン23がステント1の内部を半径方向へ押圧することにより、ステント1は拡張状態へ変化させられる(11b参照)。
【0032】
管状本体10は、長手方向軸線X−Xに沿って伸びている。
【0033】
「長手方向軸線」とは、例えば、管状本体の対象軸線又は管状本体の主たる伸長軸線方向を言う。
【0034】
従って、X−X軸線と平行な各方向は、軸線方向として定義される。
【0035】
管状本体10は、多数のコイル11a,11b等(以下、これらコイルを集約して、参照符号11で示す)で構成されている。それらコイルは、好ましくは閉塞された曲がりくねった路を区画している。図示ステント1において、コイルは(図1中に参照符号Cで示した)略周回り方向に伸びている。
【0036】
「コイル」とは、主たる伸長方向の周りを、ジグザグなコース或いは前後方向のコースをとりながら伸びている要素のことである。図示ステント1を構成しているコイルの場合には、主たる方向は、周回り方向Cであり、その回りをジグザグなコースが伸びている。
【0037】
各コイル11は、一つの又は複数のアーム110を備えた部分と、一つの又は複数のループ111を備えた部分とにより構成されていて、ループ111が二つの隣接するアーム110を連結させて曲がりくねったコースを構成している。
【0038】
本発明に係る一実施形態によれば、アーム110は略直線状に形成され、ループ111は略円形の王冠状に形成されている。
【0039】
本発明に係る別の実施形態によれば、アーム110は、例えば、S字状のような曲線状に形成されている。
【0040】
少なくとも一つのブリッジ12が、二つのコイル、例えば、二つの隣接したコイル11a,11b又は二つの隣接していない11a,11bを連結させている。
【0041】
図1に示したステント1の別の実施形態に依れば、ブリッジ12は、X−X軸線に略平行な略軸線方向に向けられた伸びをもって略まっすぐな方向に伸びている。
【0042】
ステント1の更に別の実施形態によれば、ブリッジ12はより長く伸びて、それ自体周方向へ伸びていてもよい。
【0043】
本発明によるステント1の更に別の実施形態(例えば、図7に示した実施形態)に依れば、ブリッジ12は擬似コイル121の形状をとるか、少なくともその一部が擬似コイルとなるように周方向へ伸びている。
【0044】
擬似コイル121とは、上述したコイル11とよく似た構造のものを言う。擬似コイル121とコイル11の唯一の相違は、それら二つの構造体を構成している材料の相違であり、それゆえ時間経過に伴う構造の保存状態も異なる。擬似コイル121は、ブリッジ12の一部であるため、ブリッジ12と同じ材料で具体化されている。
【0045】
異なった構造体、コイル11,ブリッジ12及び擬似コイル121に用いられる材料については、後述する。
【0046】
好ましくは、例えば、参照符号11a,11bで示された隣接のコイル間には、多数のブリッジ12が配置されている。
【0047】
図14に示された実施形態によれば、例えば参照符号11bで示したコイルのループ111は、例えば参照符号11a又は11cで示されたコイルのループ111にブリッジ12によって接続されている。
【0048】
図3に示した実施形態によれば、少なくとも一つのブリッジ12は、管状本体10の軸線方向に対して僅かに傾斜している。そのブリッジ12の傾斜は、例えば、参照符号α又はβにより示された角度を有している。
【0049】
好ましいことに、少なくとも二つの隣接するコイル11間の全てのブリッジ12は互いに平行になっている。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、例えば、一端部から他端部へと長手方向に沿ってステント1を見ると、複数のブリッジ12は軸線方向に沿って交互に反対方向に向いた傾斜(それぞれα、β)を有していることが分かる。好ましくは、それら傾斜αとβは、同角度であるが、軸線方向に対して互いに反対方向に傾斜している。
【0051】
図4〜図8に示した本発明によるステント1の実施形態によれば、ブリッジ12が分岐した少なくとも幾つかのループ111は、固定アクチュエータ115を有している。その固定アクチュエータ115は、ブリッジ12をループ111により強固且つ確りと取付けるように実現されたループの幾何学的な変形である。
【0052】
図4,5及び8に示した実施形態によれば、固定アクチュエータ115は、ループ111の高さでコイル11の側部に形成された穴116を有している。
【0053】
図5aの実施形態によれば、ブリッジ12のジオメトリーは、高い精度を持ってループ111の輪郭と同じように形成された側面122を有している。
【0054】
図4及び図5の実施形態によれば、ブリッジ12は、タブ125を有しており、そのタブ125からペグ126が分岐している。タブ125及びペグ126は、ブリッジ12自体と一体に形成され、それ故、ブリッジの一体的な部分となっている。ペグ126は、ループ111に対するブリッジ12の固定を確実にするために、穴116と係合されている。
【0055】
図6に示されている実施形態によれば、固定アクチュエータ115は、ループ111の高さでコイル11の側部の外側に位置する、特殊な形状をした突出部117を有している。
【0056】
この場合に、ブリッジ12のジオメトリーは、高い精度を持ってループ111の輪郭と同じように形成された側面122を有している。その側面122は、ループ111の特殊形状に形成された突出部117と相補的なアンダーカット部127を有している。アンダーカット部127は、ループ111に対するブリッジ12の固定を確実にするべく、突出部117を取り囲んでいる。
【0057】
こうして、固定アクチュエータ115は、ループ111と各ブリッジ12との形状結合を発揮するものとして構成されている。
【0058】
その形状結合は、上述した例におけるように顕微鏡スケールで、又はより小さなスケールで確保することができる。形状結合は、例えば、ループ111の表面に形成された切込み線又は高レベルの孔によって実現できる。
【0059】
これらの場合に、ブリッジ12のジオメトリーは、ループ111の表面に形成された一つの切込み線と相補的な一つの微小突起又はループ111の表面に形成された複数の孔と相補的な複数の微小突起を有している。
【0060】
従って、形状結合は、コイル上のブリッジ固定がより効果的で且つ信頼性を有するものであることを確実にする。
【0061】
好ましいことに、ステントが自己拡張型のものである場合には、各コイル11は超弾性材料から作られている。他の実施形態によれば、各コイル11は、硬化された擬似弾力性材料から作られている。
【0062】
換言すれば、再焼きされた時に、室温(即ち、15℃未満のオーステナイト変態点Afの最終温度よりも高い温度)でオーステナイト状態にある材料を用いることができ、その材料には、少なくとも3〜4%以上変形するような弾性的復元性を可能にする、例えば30%以上の十分な硬化処理が施される。好ましくは、50%程度の硬化処理を施すのがよい。簡略化のために、上述した材料については、以下、「超弾性材料」と言う。
【0063】
本発明の一実施形態によれば、コイル11は所謂形状記憶材料で形成されている。
【0064】
コイル11は、ニチノール又は、例えばニッケルの公称重量%が55.8であるニッケル−チタン基合金であるのが有益である。
【0065】
例えば、再焼き状態又は応力解放状態における場合に、加熱中に、オーステナイト変態点Afの最終段階での最高温度が15℃より低いオーステナイト−マルテンサイト遷移相を有する材料を用いることができる。簡略化のために、上述した合金を、以下「ニチノール」と言う。
【0066】
ステントがバルーン拡張型のものである場合には、各コイル11はステンレス鋼によって作られているのが有益である。
【0067】
例えば、米国鉄鋼協会規格によるAISI 316 L等級のステンレス鋼を使用することができる。このステンレス鋼は、以下の重量%基準の化学的組成、炭素0.035%,リン0.04%,硫黄0.03%,マンガン2%,珪素0.75%、クロム16〜18%,ニッケル10〜15%,モリブデン2〜3%及び残部が鉄である化学的組成を有している。簡略化のために、上述の合金を以下「ステンレス鋼」と呼ぶ。
【0068】
ステントがバルーン拡張型のものである場合には、各コイル1は外科インプラント用のニッケル−コバルト−クロム−モリブデン非磁性合金から作るのが有益である。
【0069】
例えば、金属及び合金用統一番号付けシステム(Unified Numbering System for Metals and Alloys)によるUNS R30035等級の合金を使用することができる。この合金は、最大0.025%の炭素,最大0.015%のリン,最大0.01%の硫黄,最大0.15%のマンガン、最大0.15%の珪素,19〜21%のクロム,33〜37%のニッケル,9〜11%のモリブデン,最大1%のチタン,最大0.01%のホウ素及び最大1%の鉄を含み、残部がコバルトである基準組成を有している。
【0070】
この種の合金はエスピーエス テクノロジー社所有の商標「Carpenter MP35N」という名前で市販されている。簡略化するために、前記合金を以下「クロム−コバルト合金」と呼ぶ。
【0071】
本発明の一実施形態によれば、ステント1の各コイル11は、好ましくはレーザーカッティングの如き技術を用いて筒状部材をカッティングすることにより得られる。
【0072】
本発明の一実施形態によれば、各コイル11は、例えばレーザーカッティングの如きカッティング技術によって筒状部材から単一片として作られる。
【0073】
本発明によるコイル11を実現するための、ここまで述べてきた材料は、耐久性材料(persistent material)である。換言すると、超弾性材料,ニチノール,ステンレス鋼又はクロム−コバルト合金によって実現されたコイル11は、管又は血管中に移植されている使用期間に、その寸法及びジオメトリーが実際に変化しないままに維持される。
【0074】
本発明によるステント1のコイル11が耐久性材料で構成されているのに対し、ブリッジ12は、生物分解性、生物侵食性又は生体吸収性材料として一般に定義されている材料によって実現されている。換言すると、各ブリッジ12を実現するために用いられる材料は、ステントが移植された血管及び管内の通常の内容物(例えば、血管内の血液)に溶けるという特性を有している。この生体吸収性材料が溶解するという現象は、使用される材料の種類に従った化学的,電気化学的又は物質的性質である。
【0075】
本発明の一実施形態によれば、ブリッジ12は生体吸収性ポリマーによって実現されている。本発明において採用するのに特に適している生体吸収性ポリマーは、PDLA即ちポリ−(D−乳酸)(poly−(D−lactic acid),PLLA即ちポリ−(L−乳酸)(poly−(L−lactic acid),PGA即ちポリ−(グリコール酸)(poly−(glycolic acid)である。
【0076】
採用するのに好適な別の生体吸収性ポリマーは、ポリカプロラクトン(poly−caprolactone)、ポリラクチドコグリコリド(poly−(lactide−co−glycolide))、ポリエチレンビニールアセテート(poly−(ethylene−vinyl acetate))、ポリヒドロキシブチレートコバレレート(poly−(hydroxybutyrate−co−valerate))、ポリジオキサノン(poly−dioxanone)、ポリオルトエステル(poly−orthoester)、ポリ無水物(poly−anhydride)、ポリグリコロール酸トリメチレンカーボネート(poly−(glycolic acid−co−trimethylene carbonate))、ポリホスホエステル(poly−phosphoester)、ポリホスホエステルウレタン(poly−phosphoester urethane)、ポリ(アミノ酸)(poly(amino acid))、シアノアクリレート(cyanoacrylate)、ポリトリメチレンカーボネート(poly−(trimethylene carbonate))、ポリイミノカーボネート(poly−(iminocarbonate))、コポリエチレン-エステル(copoly−(ether−ester)(例えば、PEO/PLA)、ポリアルキレンオキザラート(poly−alkylene oxalate)、ポリホスファゼン(poly−phosphazene)、フィブリン,フィブリノゲン,セルロース,スターチ,コラーゲン、ヒアルロン酸,ポリ−N−アルキルアクリルアシド(poly−N−alkylacrylamide),ポリデプシペプチドカーボネート(poly−depsipeptide carbonate)及びポリエチレンオキシド基ポリエステル(poly−ethylene−oxide based poly−ester)の如き生体分子分子(biomolecule)である。
【0077】
生体吸収性ポリマーのブリッジ12は、この種のポリマーを製造するために使用される標準的な技術により実現可能である。例えば、ポリマーのブリッジ12は、融解、ホットモールディング,押出し加工,焼結又は特定の条件を満たすその他の技術的方法によって実現することができる。
【0078】
ポリマーで作られたブリッジ12とコイル11との接続は、固定アクチュエータ115が存在することに関係なく、例えば接着で行うことができる。接着剤として用いられるポリマーは、ブリッジに用いられるもの、または特定の条件に適した他の生体吸収性ポリマーであってもよい。
【0079】
本発明に係る或る実施形態に依れば、ブリッジ12は、生体吸収性金属材料を用いることにより実現されている。
【0080】
本発明に係る或る実施形態に依れば、ブリッジ12は、マグネシウム合金を使用することにより実現されている。
【0081】
例えば、金属及び合金用統一番号付けシステムによるUNS M18430等級の合金を使用することができる。この合金は、3.7〜4.3%のイットリウム,2.4〜4.4%の希土(希土は、2.0〜2.5%のネオジウムを含み、残部が重希土、主にイッテルビウム,エルビウム,ジスプロシウム及びガドリニウムである),最少0.4%のジルコニウムを含み、残部がマグネシウムである標準的な組成を有している。
【0082】
この種の合金は、英国、マンチェスターのマグネシウム エレクトロン社によって「Elektron WE43」という名前で市販されている。簡略化するために、前記合金について、以下「マグネシウム合金」と言う。
【0083】
マグネシウム合金製のブリッジ12は、この種の合金にとっての如何なる標準的な技術方法を用いても実現することができる。例えば、マグネシウム合金製ブリッジは、融解,ホットモールディング又はコールドモールディング,焼結,レーザー処理又は特定の条件を満たすその他の技術的方法によって実現することができる。
【0084】
マグネシウム合金製ブリッジ12とコイル11との接続は、固定アクチュエータ115が存在していることに関係なく、例えば、特定の条件に従って、溶接又は接着により実現することができる。溶接は、保護雰囲気(例えば、TIG、タングステン不活性ガスの雰囲気)中での技術を用いて実現することができる。接着剤として使用可能なポリマーは、上述したポリマー中の生体吸収性ポリマーである。
【0085】
本発明に係る或る実施形態に依れば、ブリッジ12は、酸化カルシウム(CaO)と五酸化リン(又は無水リン酸)(P2O5)の二成分混合物によって実現されている。
【0086】
例えば、5〜50%の酸化カルシウム(CaO)と50〜95%の五酸化リン(P2O5)から成る二成分混合物を用いることができる。好ましくは、二成分混合物は、15〜25%の酸化カルシウム(CaO)と65〜85%の五酸化リン(P2O5)から構成されている。この二成分混合物は、微量のフッ化カルシウム(CaF2),水(H2O)及びマグネシウム,亜鉛,ストロンチウム,ナトリウム,カリウム,リチウム又はアルミニウムのその他の酸化物を含んでいてもよい。
【0087】
簡略化するために、前記混合物については、以下「カルシウム-リン混合物」と言う。
【0088】
カルシウム-リン混合物製のブリッジ12は、この種の材料を処理するのに用いられている標準的な技術方法を用いて実現することができる。例えば、カルシウム-リン混合物製のブリッジ12は、融解,ホットモールディング又は特定の条件を満たす何らかのその他の技術的方法を用いて実現することができる。
【0089】
カルシウム-リン混合物製のブリッジ12とコイル11との接続は、固定アクチュエータ115が存在していることに関係なく、特定の条件に従って、例えば、溶接又は溶着によって実現することができる。接着剤として使用可能なポリマーは、上述した生体吸収性ポリマーの何れかである。
【0090】
本発明に係る或る実施形態、例えば、図14に示した実施形態に依れば、或るブリッジ12は耐久性材料により実現され、他のブリッジは生体吸収性材料によって実現され、これらブリッジが、周方向に交互に配置されている。
【0091】
図12a及び12bに示した実施形態に依れば、生体吸収性材料のブリッジ12と耐久性材料のコイル11との間の少なくとも或る接続は、鎖状の形態で実現されている。換言すると、ブリッジ12は、コイル11のループ111を抱きかかえるのに相応しいループ112を構成している。
【0092】
この種の鎖状連結は、生体吸収性材料製のブリッジ12と耐久性材料のコイル11との間の表面上の接着が最高の性能レベルに達していなかったとしても、X−X軸線に沿う引張りに対する可也の抵抗力を確実にさせる。
【0093】
図8,9及び10に示した実施形態によれば、ブリッジ12は梁13の形態を採っている。梁13は、主に軸線方向に伸びて、二つ以上のコイル11を連結させる構造のものである。図8及び10cに示されているように、梁13はコイル11の内側に位置し、それらの半径方向内側面に接続されている。必要に応じて、その内側面は、少なくとも或るコイル11と或る梁13との間の形状結合を発揮するように構成された、上記固定アクチュエータ115と同様の固定アクチュエータを含んでいてもよい。
【0094】
従って、その形状結合によって、コイルに対する梁の固定をより効率的且つ信頼性のあるものにさせる。
【0095】
本発明に係る或る実施形態によれば、多数の梁13、例えば図10に示したように四個の梁13が存在する。ステント1が収縮状態にある時に(図9参照)、梁は相互に接触するまで互いに接近している。
【0096】
本発明によるステント1の一実施形態によれば、梁13同士の接触によって、ステント1が収縮状態にある時に、コイル11の内部に管状構造14が実現されることを可能にする。
【0097】
その管状構造14は、公知の移送装置と相違して内側からステント1を支持しない特殊な移送装置の使用を可能にする。
【0098】
管状構造を有するステント1のための移送装置は、カテーテル2と、カテーテル2より末端方向に長いシース20とを有している。その末端部により、カテーテル2はステント1を軸線方向で支持している。他方、シース20はステント1を半径方向で抑制している。
【0099】
そのため、カテーテル2の末端部21は、管状構造14の基端部の表面上に配置される肩部22を有している。
【0100】
シース20は、ステント1の長さに等しい距離の分、カテーテル2の長さよりも末端方向へ伸びた長さを有している。
【0101】
管状構造14は、それ自体周知である方法を用いて、血管内のステント1を正確に位置決めするためのガイドワイヤーを受け入れるようになっている。そのため、管状構造14の先端部144は、ガイドワイヤーを受けるための開口部145を有している。
【0102】
本発明によるステント1の一実施形態によれば、各梁13は先端部にキール(keel)130を有している。こうして、ステント1が収縮状態にあって、各梁が互いに接触している時に、多数のキール130により先端部131が形成される。
【0103】
各キール130は、コイル11よりも大きな半径方向の寸法を有し且つそれゆえシース20を軸線方向で支持するようになっている肩部132を有している。
【0104】
ステント1の先端部にキール130及び先端部131が存在することにより、収縮状態でステント1を患者の管又は血管内へ挿入させるのを容易にする。
【0105】
本発明に係る一実施形態によれば、コイルの端(例えば、コイル11aの先端部)には、X線不透過性材料で実現されたマーカー141が設けられている。
【0106】
要するに、ステント1のコイル11が例えば超弾性材料又はニチノール製で、ブリッジ12が例えばマグネシウム合金製である場合には、ステントはX線透視において完全に不可視となる。
【0107】
X線透視で不可視なステントは、従来X線透視装備を用いて患者にステントを移植して患者の管に沿ってステントを動かし及び位置決めさせていた操作者にとって深刻な問題となる。
【0108】
本発明に係る一実施形態によれば、コイル11は、スロット114を区画している少なくとも一つのフレーム113を有し、そのスロット114内にはX線不透過性マーカー141が配置されている。フレーム113は、筒状壁をレーザーカッティングすることにより得られる筒状本体10と一体に形成するのが有益である。
【0109】
X線不透過性材料のマーカー141は、スロット114内で溶解させるのが有益である。X線不透過性材料は、ステント1に使用された耐久性材料及び生体吸収性材料よりもX線下における高い可視性を有する何らかの材料である。
【0110】
マーカー141を実現するために使用されるX線不透過性材料は、タンタル,金,白金,タングステン又はこの目的のために好適なその他の材料から選択することができる。
【0111】
本発明に係る一実施形態によれば、ステントの末端及び基部端に位置する両コイル、換言すると、最初のコイルと最後のコイルは、それぞれ、スロット114を区画している少なくとも一つのフレーム113とマーカー141とを有している。
【0112】
上述した内容から、本発明によるステント1が、ステント1のX線可視性条件を如何に満たすものであるかが容易に理解される。
【0113】
要するに、例えば耐久性材料で実現されたコイル11のような部分がステント1に存在することにより、ステント1自体にマーカー141を用いることが可能になる。
【0114】
生体吸収性材料で完全に作られたステントにマーカーを使用することが不可能であることは当業者にとって明らかである。その種の材料の学理上の溶解状態において、マーカーは、直ちに取り付け状態から解放され、血管に沿って移動して、患者を深刻な危機状態に陥れてしまう。
【0115】
茲に提案されたステントのおかげで、曲がりくねった血管又は管内へ内腔干渉することを可能にすると共に、拡張したプロテーゼで、処置される血管又は管に対する優れた且つ均一の支持を確実にさせる。
【0116】
本発明に係るステント1の一実施形態に依れば、生体吸収性材料にて作られた部分は、長期間にわたって、コントロールされた態様で薬剤を解放するようになっている。
【0117】
ステント1の生体吸収性部分、特にブリッジ12,梁13又は擬似コイル121は、それらがポリマーで作られているかマグネシウム合金で作られているかに拘わらず、多孔性となるように予め処理されている。ステント1が移植される部位の処置のために適した薬理学的活性成分を、生体吸収性素材の孔内に挿入することができる。
【0118】
本発明によるこの特異な実施形態では、公知の態様で長期に亘ってコントロールされた薬剤の解放が達成されることになる。これによって、留置されたステント1によって完了された短時間の処置の段階において、薬理学的に重要な貢献に資することとなる。
【0119】
生体吸収性素材の多孔表面に挿入された薬剤の作用と同じように、ステントの生体吸収性部分を構成するマグネシウムは、ステント1が留置された部位における細胞増殖の抑制に積極的な作用を及ぼす。
【0120】
下掲の表は、上述した耐久性及び生体吸収性の金属材料のより重要な機械的特性の内の或るものをリストアップしたものである。
【0121】
上述した材料に帰属する特性とともに、ステント自体の或る特性及び採用される材料と設計のジオメトリー双方とに依存する或る特性を同定することが重要である。
【0122】
ステントの非常に重要な特性は、半径方向の力である。これは、周方向の負荷に対するステントの耐性力を意味する。これは、ステントが正しく血管又は管内に留置された時にステントが血管又は管に及ぼすことのできる半径方向力として定義することができる。
【0123】
このような特性は、処置する血管を開いた状態に保つためのステントの能力を決定するものであるため、非常に重要である。半径方向の力は、ジオメトリー、とりわけ、採用された材料の弾性モジュールEに左右される。弾性モジュール値が大きければ大きいほど、ステントから得られる半径方向力も大きくなる。
【0124】
バルーン拡張型ステントの評価における更に重要な特性は、所謂、「反動(recoil)」である。反動は、拡張後のステントの弾性復元である。要するに、拡張動作中、ステントは必然的な弾性復元を補償するために過剰拡張する。
【0125】
ステントの反動は、以下のように定義される。
【0126】
反動が小さければ小さいほど、ステントを効率的に移植させるのに必要な過剰反動は小さくなり、従って、血管を切開してしまう危険性が少なくなる。
【0127】
ステントの適切なジオメトリーのみならず、小さい反動性能も、高い弾性モジュールE及び然程高くない降伏応力σ0.2に依拠して確保することができる。
【0128】
これらの考察及び上掲表に示した素材の特性に鑑みて、例えば完全にマグネシウム合金で実現されたステントが、そのマグネシウム合金の弾性モジュールが比較的低いために、十分な半径方向力を如何に確実にすることができないことを直ちに理解することができる。
【0129】
本発明によれば、同じ内腔プロテーゼにおいて異なった材料を用いることを可能にするものであるから、企画設計者は、或る材料の特性を他の材料の特性とバランスさせることができる。
【0130】
例えば、多量のマグネシウムで実現されつつも、ステンレス鋼インサートによって許容できる半径方向力を有するステントを実現できる。
【0131】
上述した全ての事項に鑑みて、当業者は、本発明による内腔プロテーゼが従来技術に関連する問題点をいかに解決することができるかを理解できるであろう。
【0132】
特に、前記ステント1に関する各実施形態が、疲労によって齎される想定し得る破壊の問題をいかに解決するかが明らかになったであろう。
【0133】
要するに、ステントが適所に留置された直後の初めの期間後に、生体吸収性部分が例えば血液に溶解し、コイルがステンレス鋼から作られているか形状記憶材料から作られているかに関係なく、コイルだけが位置決めされているが互いに結合していない状態で残る。
【0134】
上述したように、ステントに関する調査により、コイル間の接続ブリッジが疲労によって齎される破壊に最も晒される点であることが分かった。ステントの使用期間中にブリッジを除去することにより、疲労によって齎される破壊に関連する問題点も除去される。
【0135】
同時に、ステントの移植の初期段階及びその直後の段階中に一時的にブリッジが存在することにより、ステントの優れた位置決め能力を概して確実にすると共に、それぞれのコイルが相対的に正確な形態をとることを確実にする。
【0136】
図14に示した実施形態は、操作者が、操作中に、移植された管に沿ってステントの位置を調節することを可能にさせる。この作業は、ループ111のためのブリッジ12を保有する特殊な形態のために可能になる。要するに、そのような形態は、シース20の引抜き作業中にむき出しにされたコイルと依然としてシース20に覆われた状態のままのコイルとの完全な状態の接合を許容する。この特性により、操作者は、事前に開いた状態にあるコイルを閉じさせるように、カテーテル2及びステント1に沿ってシース20を前方へ押しやることができるようになる。
【0137】
ステント1の閉成及び再位置決めの操作は、特に役に立つ。ステントの挿入及び留置作業は非常にデリケートである。ステントを留置させた時の僅かな誤差であっても、不正確な位置に留置されて開いた状態にあるステントを取り除くために患者に緊急の外科手術を施す必要があると言っていい程、非常に重大な結果を齎す。
【0138】
カテーテル2及びステント1に沿ってシース20を押し遣るという作業は、従来のステントでは不可能である。要するに、図10cから分かるように、シースの引抜きによってむき出しにされたコイルのループは、ステントの理想的な輪郭から逸脱する傾向をとって、ステント1に沿ってシース20を逆方向へ移動することができなくさせる。
【0139】
各ループ111のためのブリッジ12の存在は、少なくとも或るブリッジ12が生体吸収性材料から作られているという事実によって可能になる。完全に耐久性材料から作られた従来のステントでは、拡張状態のステントの表面ユニット上に存在する過剰な量の金属のために、本発明のような形態は実現不可能である。つまり、金属で被覆されている表面部分の割合は、全表面の14〜15%の範囲を超えてはならない。
【0140】
上記内容について変更及び(又は)追加を加えてもよいことは明らかである。
【0141】
スロット114は、図示した形態以外の形態のものであってもよい。更に、スロット114は、端部に位置するコイルと相違した他の位置のコイルに形成してもよい。
【0142】
ブリッジ12,コイル11,アーム110及びループ111の数は、上記の内容に関連させて変えることができる。コイル11の形態も同様に変えることができる。
【0143】
一般に、特定の実施形態に関連する上述の全ての特性は、互いに無関係に実現させることができる。
【0144】
特定の不確定な条件を満足させるために、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者は、内腔ステントの上述した好ましい実施形態に対して、様々な修正,変形を加え及びその構成要素を機能的に均等な他の構成要素と置換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】収縮状態にある、本発明の実施形態に係る内腔プロテーゼの斜視図である。
【図2】拡張状態にある、本発明の実施形態に係る内腔プロテーゼの側面図である。
【図3】収縮状態にある、本発明の実施形態に係る内腔プロテーゼの展開平面図である。
【図4】拡張状態にある、本発明の実施形態に係る内腔プロテーゼの展開平面図である。
【図5a】図4のV−V線に沿った断面図である。
【図5b】図4のV−V線に沿った、図5aの実施形態と別の実施形態の断面図である。
【図6】拡張状態にある、本発明の別の実施形態に係る内腔プロテーゼの展開平面図である。
【図7】拡張状態にある、本発明の更に別の実施形態に係る内腔プロテーゼの展開平面図である。
【図8】拡張状態にある、本発明の更に別の実施形態に係る内腔プロテーゼの展開平面図である。
【図9】本発明によるキットの部分側断面図である。
【図10a】図9に示したキットに類似したキットを示した図で、筒状本体がシース内に収められた状態を示した図である。
【技術分野】
【0001】
本発明は生体、とりわけ人体内の管路又は血管内において使用される内腔プロテーゼ、すなわちステントに関するものである。この内腔プロテーゼは、例えば狭窄症のような疾患によって抑制又は閉塞された血管の管路を復元させるために使用することができる。また、この内腔プロテーゼは、胆管や、他の類似した器官にも使用することができる。
【0002】
本発明は、半径方向に収縮された状態で、選択された管内に留置されるタイプの内腔プロテーゼに関するものである。このプロテーゼは、一旦適所に留置されると、管にとって好適なサイズに達するまで拡張させられる。
【0003】
「バルーン拡張型」と呼ばれている或る種の内腔プロテーゼに関しては、その拡張は、内部から半径方向の圧力を付加することにより一般に実行されている。この圧力は、加圧された流体を導入させることにより半径方向に拡張可能なバルーンと呼ばれる要素によって一般に付加される。
【0004】
これらのバルーン拡張型プロテーゼは、例えば、ステンレス鋼又はクロム・コバルト合金を用いることで実現されている。
【0005】
「自己拡張型」と呼ばれている他の種類の内腔プロテーゼは、瞬時に拡張した形態になるように構成されている。その拡張は、プロテーゼを半径方向の圧縮から解放させることにより一般に実行されている。
【0006】
これらの自己拡張型プロテーゼは、例えば、弾性に富んだ材料や、ニチノールの様な形状記憶材料を用いることで実現されている。
【0007】
公知の内腔プロテーゼ又はステントは、一般に、軸線方向に互いに並んで配置され且つ互いにブリッジで接続された一連のリングによって構成されている。それらリングは半径方向に収縮及び拡張することができる。それに伴って、ブリッジも軸線方向及び周方向に伸縮することができる。
【0008】
この構造、とりわけ半径方向に収縮及び拡張可能なリングのおかげで、ステントは、先ず収縮及び拡張した双方の形態をとることができる。更に、ブリッジが軸線方向及び周方向に伸縮自在であるため、ステントは、その使用期間中、血管の全ての動きや変形に対応することができる。
【0009】
これらの内腔プロテーゼは、多くの見地から、特に、捩れた狭い管路内に収縮した状態のプロテーゼを簡単に挿入させることを許容する高い柔軟性と弾力性に関して、極めて申し分のないものであるが、従来のステントは、使用期間中に血管の壁によって連続して付加される応力に十分に耐えることができないということがある。
【0010】
特に、プロテーゼにとって最も危険な種類の応力は、経時的に変化することのある荷重から派生する、所謂、「疲労」応力である。この応力は、平均値周辺を上下する緊張状態として解釈される。
【0011】
一般に、疲労応力は、機械的構成要素の静的破壊限界値を越える最大応力値が使用期間中に記録されなかったとしても、その機械的構成要素を破壊させることがある。
【0012】
ある特定の内腔プロテーゼやステントにおいては、疲労応力は、リングを一体に接続させているブリッジにとって特に危険となる。
【0013】
患者に使用される前に非常に厳しい検査が行われているにもかかわらず、残念なことに、疲労によるブリッジの破壊が依然として生じている。
【0014】
このブリッジの破壊は、夫々破断面を有する二つの破片にブリッジが分断される原因となる。最早互いに連結されていない二個の破片は完全な状態のブリッジよりもはるかに柔軟性に欠け、それらが支持する血管壁の変形に対応する順応性も低下する。
【0015】
このような事態のため、ステントの製造中に、その表面は、血管の内壁と接触するのに好適となるように処理されるが、二つの破壊面は、ステントの他の表面と同一の特性を発揮しない。更に、その破壊面は、しばしば切刃となるような鋭利な縁を持つようになる。
【0016】
従って、この種の破損は、血管壁に対する危険な応力を発生させるという結果を齎すことは明らかである。この応力は、最悪の場合、血管壁に直ちに孔を空けてしまうということにつながるので、危険である。また、軽微な場合でも、長期間の間に、ステントの当初の移植で目的とされた効果が明らかに期待されず、血管壁の局所的な拡大に帰結することとなる。
【0017】
本発明の目的は、公知技術によって引き起こされる上記問題点を解決することのできる構造的・機能的特性を有する内腔プロテーゼを提案することにある。
【0018】
特に、本発明の目的は、疲労によって引き起こされる破壊の問題を解決することのできる内腔プロテーゼを提案することである。
【0019】
この目的は、請求項1に記載された内腔プロテーゼによって達成される。
【0020】
更なる実施形態は、従属項に記載されている。
【0021】
本発明による内腔プロテーゼの更なる特徴及び利点は、添付図面を参照して行った、単なる一例であって本発明をなんら限定するものではない好ましい実施形態についての後述の説明から明らかになるであろう。
【発明を実施するための最良の形態】
【0022】
添付図面を参照すると、参照符号1は、内腔プロテーゼ又はステント全体を示している。ステント1は、無差別に、「バルーン拡張型」或いは「自己拡張型」のどちらかのタイプである。
【0023】
本発明の一般的な形態に依れば、内腔プロテーゼ1は、収縮状態から拡張又は部分的に拡張した状態へと変化するようになっている管状本体10から構成されている。
【0024】
「収縮状態」とは、外径及び半径寸法が使用時の外径及び半径寸法よりも小さくなるように、ステント1が半径方向に圧縮されている状態を言う。
【0025】
例えば、ステント1は、処置される部位まで管又は血管を通過するようになっている移送装置2(カテーテル)に受け入れられ又は同装置2上に配置された時に収縮状態となるよう構成されている。
【0026】
図9及び図10a,bに示した例においては、自己拡張型ステントが、カテーテル2上に配置されて、ステントを半径方向に圧縮して収縮状態に維持させるシース20に収められている。
【0027】
他方、図11に示した例においては、バルーン拡張型ステントが、カテーテル2の収縮したバルーン23上に収縮した状態で配置されている。
【0028】
「拡張状態」とは、ステント1が、半径方向に膨らんで、使用時に管又は血管の壁の内部表面と接触している状態を言う。
【0029】
例えば、ステント1が、管又は血管内の処置される部位に永久的に留置された時に、拡張状態に置かれる。
【0030】
例えば、自己拡張型ステントの場合に、ステント1がカテーテルによって処置部位まで一旦移送されると、ステントを半径方向に圧縮しているシース20が取り外されて、ステント1は瞬時に拡張状態へと変化する(図10c参照)。
【0031】
他方、バルーン拡張型ステントの場合には、ステント1がカテーテル2によって処置部位まで一旦移送されると、バルーン23が膨張させられる。バルーン23がステント1の内部を半径方向へ押圧することにより、ステント1は拡張状態へ変化させられる(11b参照)。
【0032】
管状本体10は、長手方向軸線X−Xに沿って伸びている。
【0033】
「長手方向軸線」とは、例えば、管状本体の対象軸線又は管状本体の主たる伸長軸線方向を言う。
【0034】
従って、X−X軸線と平行な各方向は、軸線方向として定義される。
【0035】
管状本体10は、多数のコイル11a,11b等(以下、これらコイルを集約して、参照符号11で示す)で構成されている。それらコイルは、好ましくは閉塞された曲がりくねった路を区画している。図示ステント1において、コイルは(図1中に参照符号Cで示した)略周回り方向に伸びている。
【0036】
「コイル」とは、主たる伸長方向の周りを、ジグザグなコース或いは前後方向のコースをとりながら伸びている要素のことである。図示ステント1を構成しているコイルの場合には、主たる方向は、周回り方向Cであり、その回りをジグザグなコースが伸びている。
【0037】
各コイル11は、一つの又は複数のアーム110を備えた部分と、一つの又は複数のループ111を備えた部分とにより構成されていて、ループ111が二つの隣接するアーム110を連結させて曲がりくねったコースを構成している。
【0038】
本発明に係る一実施形態によれば、アーム110は略直線状に形成され、ループ111は略円形の王冠状に形成されている。
【0039】
本発明に係る別の実施形態によれば、アーム110は、例えば、S字状のような曲線状に形成されている。
【0040】
少なくとも一つのブリッジ12が、二つのコイル、例えば、二つの隣接したコイル11a,11b又は二つの隣接していない11a,11bを連結させている。
【0041】
図1に示したステント1の別の実施形態に依れば、ブリッジ12は、X−X軸線に略平行な略軸線方向に向けられた伸びをもって略まっすぐな方向に伸びている。
【0042】
ステント1の更に別の実施形態によれば、ブリッジ12はより長く伸びて、それ自体周方向へ伸びていてもよい。
【0043】
本発明によるステント1の更に別の実施形態(例えば、図7に示した実施形態)に依れば、ブリッジ12は擬似コイル121の形状をとるか、少なくともその一部が擬似コイルとなるように周方向へ伸びている。
【0044】
擬似コイル121とは、上述したコイル11とよく似た構造のものを言う。擬似コイル121とコイル11の唯一の相違は、それら二つの構造体を構成している材料の相違であり、それゆえ時間経過に伴う構造の保存状態も異なる。擬似コイル121は、ブリッジ12の一部であるため、ブリッジ12と同じ材料で具体化されている。
【0045】
異なった構造体、コイル11,ブリッジ12及び擬似コイル121に用いられる材料については、後述する。
【0046】
好ましくは、例えば、参照符号11a,11bで示された隣接のコイル間には、多数のブリッジ12が配置されている。
【0047】
図14に示された実施形態によれば、例えば参照符号11bで示したコイルのループ111は、例えば参照符号11a又は11cで示されたコイルのループ111にブリッジ12によって接続されている。
【0048】
図3に示した実施形態によれば、少なくとも一つのブリッジ12は、管状本体10の軸線方向に対して僅かに傾斜している。そのブリッジ12の傾斜は、例えば、参照符号α又はβにより示された角度を有している。
【0049】
好ましいことに、少なくとも二つの隣接するコイル11間の全てのブリッジ12は互いに平行になっている。
【0050】
本発明の一実施形態によれば、例えば、一端部から他端部へと長手方向に沿ってステント1を見ると、複数のブリッジ12は軸線方向に沿って交互に反対方向に向いた傾斜(それぞれα、β)を有していることが分かる。好ましくは、それら傾斜αとβは、同角度であるが、軸線方向に対して互いに反対方向に傾斜している。
【0051】
図4〜図8に示した本発明によるステント1の実施形態によれば、ブリッジ12が分岐した少なくとも幾つかのループ111は、固定アクチュエータ115を有している。その固定アクチュエータ115は、ブリッジ12をループ111により強固且つ確りと取付けるように実現されたループの幾何学的な変形である。
【0052】
図4,5及び8に示した実施形態によれば、固定アクチュエータ115は、ループ111の高さでコイル11の側部に形成された穴116を有している。
【0053】
図5aの実施形態によれば、ブリッジ12のジオメトリーは、高い精度を持ってループ111の輪郭と同じように形成された側面122を有している。
【0054】
図4及び図5の実施形態によれば、ブリッジ12は、タブ125を有しており、そのタブ125からペグ126が分岐している。タブ125及びペグ126は、ブリッジ12自体と一体に形成され、それ故、ブリッジの一体的な部分となっている。ペグ126は、ループ111に対するブリッジ12の固定を確実にするために、穴116と係合されている。
【0055】
図6に示されている実施形態によれば、固定アクチュエータ115は、ループ111の高さでコイル11の側部の外側に位置する、特殊な形状をした突出部117を有している。
【0056】
この場合に、ブリッジ12のジオメトリーは、高い精度を持ってループ111の輪郭と同じように形成された側面122を有している。その側面122は、ループ111の特殊形状に形成された突出部117と相補的なアンダーカット部127を有している。アンダーカット部127は、ループ111に対するブリッジ12の固定を確実にするべく、突出部117を取り囲んでいる。
【0057】
こうして、固定アクチュエータ115は、ループ111と各ブリッジ12との形状結合を発揮するものとして構成されている。
【0058】
その形状結合は、上述した例におけるように顕微鏡スケールで、又はより小さなスケールで確保することができる。形状結合は、例えば、ループ111の表面に形成された切込み線又は高レベルの孔によって実現できる。
【0059】
これらの場合に、ブリッジ12のジオメトリーは、ループ111の表面に形成された一つの切込み線と相補的な一つの微小突起又はループ111の表面に形成された複数の孔と相補的な複数の微小突起を有している。
【0060】
従って、形状結合は、コイル上のブリッジ固定がより効果的で且つ信頼性を有するものであることを確実にする。
【0061】
好ましいことに、ステントが自己拡張型のものである場合には、各コイル11は超弾性材料から作られている。他の実施形態によれば、各コイル11は、硬化された擬似弾力性材料から作られている。
【0062】
換言すれば、再焼きされた時に、室温(即ち、15℃未満のオーステナイト変態点Afの最終温度よりも高い温度)でオーステナイト状態にある材料を用いることができ、その材料には、少なくとも3〜4%以上変形するような弾性的復元性を可能にする、例えば30%以上の十分な硬化処理が施される。好ましくは、50%程度の硬化処理を施すのがよい。簡略化のために、上述した材料については、以下、「超弾性材料」と言う。
【0063】
本発明の一実施形態によれば、コイル11は所謂形状記憶材料で形成されている。
【0064】
コイル11は、ニチノール又は、例えばニッケルの公称重量%が55.8であるニッケル−チタン基合金であるのが有益である。
【0065】
例えば、再焼き状態又は応力解放状態における場合に、加熱中に、オーステナイト変態点Afの最終段階での最高温度が15℃より低いオーステナイト−マルテンサイト遷移相を有する材料を用いることができる。簡略化のために、上述した合金を、以下「ニチノール」と言う。
【0066】
ステントがバルーン拡張型のものである場合には、各コイル11はステンレス鋼によって作られているのが有益である。
【0067】
例えば、米国鉄鋼協会規格によるAISI 316 L等級のステンレス鋼を使用することができる。このステンレス鋼は、以下の重量%基準の化学的組成、炭素0.035%,リン0.04%,硫黄0.03%,マンガン2%,珪素0.75%、クロム16〜18%,ニッケル10〜15%,モリブデン2〜3%及び残部が鉄である化学的組成を有している。簡略化のために、上述の合金を以下「ステンレス鋼」と呼ぶ。
【0068】
ステントがバルーン拡張型のものである場合には、各コイル1は外科インプラント用のニッケル−コバルト−クロム−モリブデン非磁性合金から作るのが有益である。
【0069】
例えば、金属及び合金用統一番号付けシステム(Unified Numbering System for Metals and Alloys)によるUNS R30035等級の合金を使用することができる。この合金は、最大0.025%の炭素,最大0.015%のリン,最大0.01%の硫黄,最大0.15%のマンガン、最大0.15%の珪素,19〜21%のクロム,33〜37%のニッケル,9〜11%のモリブデン,最大1%のチタン,最大0.01%のホウ素及び最大1%の鉄を含み、残部がコバルトである基準組成を有している。
【0070】
この種の合金はエスピーエス テクノロジー社所有の商標「Carpenter MP35N」という名前で市販されている。簡略化するために、前記合金を以下「クロム−コバルト合金」と呼ぶ。
【0071】
本発明の一実施形態によれば、ステント1の各コイル11は、好ましくはレーザーカッティングの如き技術を用いて筒状部材をカッティングすることにより得られる。
【0072】
本発明の一実施形態によれば、各コイル11は、例えばレーザーカッティングの如きカッティング技術によって筒状部材から単一片として作られる。
【0073】
本発明によるコイル11を実現するための、ここまで述べてきた材料は、耐久性材料(persistent material)である。換言すると、超弾性材料,ニチノール,ステンレス鋼又はクロム−コバルト合金によって実現されたコイル11は、管又は血管中に移植されている使用期間に、その寸法及びジオメトリーが実際に変化しないままに維持される。
【0074】
本発明によるステント1のコイル11が耐久性材料で構成されているのに対し、ブリッジ12は、生物分解性、生物侵食性又は生体吸収性材料として一般に定義されている材料によって実現されている。換言すると、各ブリッジ12を実現するために用いられる材料は、ステントが移植された血管及び管内の通常の内容物(例えば、血管内の血液)に溶けるという特性を有している。この生体吸収性材料が溶解するという現象は、使用される材料の種類に従った化学的,電気化学的又は物質的性質である。
【0075】
本発明の一実施形態によれば、ブリッジ12は生体吸収性ポリマーによって実現されている。本発明において採用するのに特に適している生体吸収性ポリマーは、PDLA即ちポリ−(D−乳酸)(poly−(D−lactic acid),PLLA即ちポリ−(L−乳酸)(poly−(L−lactic acid),PGA即ちポリ−(グリコール酸)(poly−(glycolic acid)である。
【0076】
採用するのに好適な別の生体吸収性ポリマーは、ポリカプロラクトン(poly−caprolactone)、ポリラクチドコグリコリド(poly−(lactide−co−glycolide))、ポリエチレンビニールアセテート(poly−(ethylene−vinyl acetate))、ポリヒドロキシブチレートコバレレート(poly−(hydroxybutyrate−co−valerate))、ポリジオキサノン(poly−dioxanone)、ポリオルトエステル(poly−orthoester)、ポリ無水物(poly−anhydride)、ポリグリコロール酸トリメチレンカーボネート(poly−(glycolic acid−co−trimethylene carbonate))、ポリホスホエステル(poly−phosphoester)、ポリホスホエステルウレタン(poly−phosphoester urethane)、ポリ(アミノ酸)(poly(amino acid))、シアノアクリレート(cyanoacrylate)、ポリトリメチレンカーボネート(poly−(trimethylene carbonate))、ポリイミノカーボネート(poly−(iminocarbonate))、コポリエチレン-エステル(copoly−(ether−ester)(例えば、PEO/PLA)、ポリアルキレンオキザラート(poly−alkylene oxalate)、ポリホスファゼン(poly−phosphazene)、フィブリン,フィブリノゲン,セルロース,スターチ,コラーゲン、ヒアルロン酸,ポリ−N−アルキルアクリルアシド(poly−N−alkylacrylamide),ポリデプシペプチドカーボネート(poly−depsipeptide carbonate)及びポリエチレンオキシド基ポリエステル(poly−ethylene−oxide based poly−ester)の如き生体分子分子(biomolecule)である。
【0077】
生体吸収性ポリマーのブリッジ12は、この種のポリマーを製造するために使用される標準的な技術により実現可能である。例えば、ポリマーのブリッジ12は、融解、ホットモールディング,押出し加工,焼結又は特定の条件を満たすその他の技術的方法によって実現することができる。
【0078】
ポリマーで作られたブリッジ12とコイル11との接続は、固定アクチュエータ115が存在することに関係なく、例えば接着で行うことができる。接着剤として用いられるポリマーは、ブリッジに用いられるもの、または特定の条件に適した他の生体吸収性ポリマーであってもよい。
【0079】
本発明に係る或る実施形態に依れば、ブリッジ12は、生体吸収性金属材料を用いることにより実現されている。
【0080】
本発明に係る或る実施形態に依れば、ブリッジ12は、マグネシウム合金を使用することにより実現されている。
【0081】
例えば、金属及び合金用統一番号付けシステムによるUNS M18430等級の合金を使用することができる。この合金は、3.7〜4.3%のイットリウム,2.4〜4.4%の希土(希土は、2.0〜2.5%のネオジウムを含み、残部が重希土、主にイッテルビウム,エルビウム,ジスプロシウム及びガドリニウムである),最少0.4%のジルコニウムを含み、残部がマグネシウムである標準的な組成を有している。
【0082】
この種の合金は、英国、マンチェスターのマグネシウム エレクトロン社によって「Elektron WE43」という名前で市販されている。簡略化するために、前記合金について、以下「マグネシウム合金」と言う。
【0083】
マグネシウム合金製のブリッジ12は、この種の合金にとっての如何なる標準的な技術方法を用いても実現することができる。例えば、マグネシウム合金製ブリッジは、融解,ホットモールディング又はコールドモールディング,焼結,レーザー処理又は特定の条件を満たすその他の技術的方法によって実現することができる。
【0084】
マグネシウム合金製ブリッジ12とコイル11との接続は、固定アクチュエータ115が存在していることに関係なく、例えば、特定の条件に従って、溶接又は接着により実現することができる。溶接は、保護雰囲気(例えば、TIG、タングステン不活性ガスの雰囲気)中での技術を用いて実現することができる。接着剤として使用可能なポリマーは、上述したポリマー中の生体吸収性ポリマーである。
【0085】
本発明に係る或る実施形態に依れば、ブリッジ12は、酸化カルシウム(CaO)と五酸化リン(又は無水リン酸)(P2O5)の二成分混合物によって実現されている。
【0086】
例えば、5〜50%の酸化カルシウム(CaO)と50〜95%の五酸化リン(P2O5)から成る二成分混合物を用いることができる。好ましくは、二成分混合物は、15〜25%の酸化カルシウム(CaO)と65〜85%の五酸化リン(P2O5)から構成されている。この二成分混合物は、微量のフッ化カルシウム(CaF2),水(H2O)及びマグネシウム,亜鉛,ストロンチウム,ナトリウム,カリウム,リチウム又はアルミニウムのその他の酸化物を含んでいてもよい。
【0087】
簡略化するために、前記混合物については、以下「カルシウム-リン混合物」と言う。
【0088】
カルシウム-リン混合物製のブリッジ12は、この種の材料を処理するのに用いられている標準的な技術方法を用いて実現することができる。例えば、カルシウム-リン混合物製のブリッジ12は、融解,ホットモールディング又は特定の条件を満たす何らかのその他の技術的方法を用いて実現することができる。
【0089】
カルシウム-リン混合物製のブリッジ12とコイル11との接続は、固定アクチュエータ115が存在していることに関係なく、特定の条件に従って、例えば、溶接又は溶着によって実現することができる。接着剤として使用可能なポリマーは、上述した生体吸収性ポリマーの何れかである。
【0090】
本発明に係る或る実施形態、例えば、図14に示した実施形態に依れば、或るブリッジ12は耐久性材料により実現され、他のブリッジは生体吸収性材料によって実現され、これらブリッジが、周方向に交互に配置されている。
【0091】
図12a及び12bに示した実施形態に依れば、生体吸収性材料のブリッジ12と耐久性材料のコイル11との間の少なくとも或る接続は、鎖状の形態で実現されている。換言すると、ブリッジ12は、コイル11のループ111を抱きかかえるのに相応しいループ112を構成している。
【0092】
この種の鎖状連結は、生体吸収性材料製のブリッジ12と耐久性材料のコイル11との間の表面上の接着が最高の性能レベルに達していなかったとしても、X−X軸線に沿う引張りに対する可也の抵抗力を確実にさせる。
【0093】
図8,9及び10に示した実施形態によれば、ブリッジ12は梁13の形態を採っている。梁13は、主に軸線方向に伸びて、二つ以上のコイル11を連結させる構造のものである。図8及び10cに示されているように、梁13はコイル11の内側に位置し、それらの半径方向内側面に接続されている。必要に応じて、その内側面は、少なくとも或るコイル11と或る梁13との間の形状結合を発揮するように構成された、上記固定アクチュエータ115と同様の固定アクチュエータを含んでいてもよい。
【0094】
従って、その形状結合によって、コイルに対する梁の固定をより効率的且つ信頼性のあるものにさせる。
【0095】
本発明に係る或る実施形態によれば、多数の梁13、例えば図10に示したように四個の梁13が存在する。ステント1が収縮状態にある時に(図9参照)、梁は相互に接触するまで互いに接近している。
【0096】
本発明によるステント1の一実施形態によれば、梁13同士の接触によって、ステント1が収縮状態にある時に、コイル11の内部に管状構造14が実現されることを可能にする。
【0097】
その管状構造14は、公知の移送装置と相違して内側からステント1を支持しない特殊な移送装置の使用を可能にする。
【0098】
管状構造を有するステント1のための移送装置は、カテーテル2と、カテーテル2より末端方向に長いシース20とを有している。その末端部により、カテーテル2はステント1を軸線方向で支持している。他方、シース20はステント1を半径方向で抑制している。
【0099】
そのため、カテーテル2の末端部21は、管状構造14の基端部の表面上に配置される肩部22を有している。
【0100】
シース20は、ステント1の長さに等しい距離の分、カテーテル2の長さよりも末端方向へ伸びた長さを有している。
【0101】
管状構造14は、それ自体周知である方法を用いて、血管内のステント1を正確に位置決めするためのガイドワイヤーを受け入れるようになっている。そのため、管状構造14の先端部144は、ガイドワイヤーを受けるための開口部145を有している。
【0102】
本発明によるステント1の一実施形態によれば、各梁13は先端部にキール(keel)130を有している。こうして、ステント1が収縮状態にあって、各梁が互いに接触している時に、多数のキール130により先端部131が形成される。
【0103】
各キール130は、コイル11よりも大きな半径方向の寸法を有し且つそれゆえシース20を軸線方向で支持するようになっている肩部132を有している。
【0104】
ステント1の先端部にキール130及び先端部131が存在することにより、収縮状態でステント1を患者の管又は血管内へ挿入させるのを容易にする。
【0105】
本発明に係る一実施形態によれば、コイルの端(例えば、コイル11aの先端部)には、X線不透過性材料で実現されたマーカー141が設けられている。
【0106】
要するに、ステント1のコイル11が例えば超弾性材料又はニチノール製で、ブリッジ12が例えばマグネシウム合金製である場合には、ステントはX線透視において完全に不可視となる。
【0107】
X線透視で不可視なステントは、従来X線透視装備を用いて患者にステントを移植して患者の管に沿ってステントを動かし及び位置決めさせていた操作者にとって深刻な問題となる。
【0108】
本発明に係る一実施形態によれば、コイル11は、スロット114を区画している少なくとも一つのフレーム113を有し、そのスロット114内にはX線不透過性マーカー141が配置されている。フレーム113は、筒状壁をレーザーカッティングすることにより得られる筒状本体10と一体に形成するのが有益である。
【0109】
X線不透過性材料のマーカー141は、スロット114内で溶解させるのが有益である。X線不透過性材料は、ステント1に使用された耐久性材料及び生体吸収性材料よりもX線下における高い可視性を有する何らかの材料である。
【0110】
マーカー141を実現するために使用されるX線不透過性材料は、タンタル,金,白金,タングステン又はこの目的のために好適なその他の材料から選択することができる。
【0111】
本発明に係る一実施形態によれば、ステントの末端及び基部端に位置する両コイル、換言すると、最初のコイルと最後のコイルは、それぞれ、スロット114を区画している少なくとも一つのフレーム113とマーカー141とを有している。
【0112】
上述した内容から、本発明によるステント1が、ステント1のX線可視性条件を如何に満たすものであるかが容易に理解される。
【0113】
要するに、例えば耐久性材料で実現されたコイル11のような部分がステント1に存在することにより、ステント1自体にマーカー141を用いることが可能になる。
【0114】
生体吸収性材料で完全に作られたステントにマーカーを使用することが不可能であることは当業者にとって明らかである。その種の材料の学理上の溶解状態において、マーカーは、直ちに取り付け状態から解放され、血管に沿って移動して、患者を深刻な危機状態に陥れてしまう。
【0115】
茲に提案されたステントのおかげで、曲がりくねった血管又は管内へ内腔干渉することを可能にすると共に、拡張したプロテーゼで、処置される血管又は管に対する優れた且つ均一の支持を確実にさせる。
【0116】
本発明に係るステント1の一実施形態に依れば、生体吸収性材料にて作られた部分は、長期間にわたって、コントロールされた態様で薬剤を解放するようになっている。
【0117】
ステント1の生体吸収性部分、特にブリッジ12,梁13又は擬似コイル121は、それらがポリマーで作られているかマグネシウム合金で作られているかに拘わらず、多孔性となるように予め処理されている。ステント1が移植される部位の処置のために適した薬理学的活性成分を、生体吸収性素材の孔内に挿入することができる。
【0118】
本発明によるこの特異な実施形態では、公知の態様で長期に亘ってコントロールされた薬剤の解放が達成されることになる。これによって、留置されたステント1によって完了された短時間の処置の段階において、薬理学的に重要な貢献に資することとなる。
【0119】
生体吸収性素材の多孔表面に挿入された薬剤の作用と同じように、ステントの生体吸収性部分を構成するマグネシウムは、ステント1が留置された部位における細胞増殖の抑制に積極的な作用を及ぼす。
【0120】
下掲の表は、上述した耐久性及び生体吸収性の金属材料のより重要な機械的特性の内の或るものをリストアップしたものである。
【0121】
上述した材料に帰属する特性とともに、ステント自体の或る特性及び採用される材料と設計のジオメトリー双方とに依存する或る特性を同定することが重要である。
【0122】
ステントの非常に重要な特性は、半径方向の力である。これは、周方向の負荷に対するステントの耐性力を意味する。これは、ステントが正しく血管又は管内に留置された時にステントが血管又は管に及ぼすことのできる半径方向力として定義することができる。
【0123】
このような特性は、処置する血管を開いた状態に保つためのステントの能力を決定するものであるため、非常に重要である。半径方向の力は、ジオメトリー、とりわけ、採用された材料の弾性モジュールEに左右される。弾性モジュール値が大きければ大きいほど、ステントから得られる半径方向力も大きくなる。
【0124】
バルーン拡張型ステントの評価における更に重要な特性は、所謂、「反動(recoil)」である。反動は、拡張後のステントの弾性復元である。要するに、拡張動作中、ステントは必然的な弾性復元を補償するために過剰拡張する。
【0125】
ステントの反動は、以下のように定義される。
【0126】
反動が小さければ小さいほど、ステントを効率的に移植させるのに必要な過剰反動は小さくなり、従って、血管を切開してしまう危険性が少なくなる。
【0127】
ステントの適切なジオメトリーのみならず、小さい反動性能も、高い弾性モジュールE及び然程高くない降伏応力σ0.2に依拠して確保することができる。
【0128】
これらの考察及び上掲表に示した素材の特性に鑑みて、例えば完全にマグネシウム合金で実現されたステントが、そのマグネシウム合金の弾性モジュールが比較的低いために、十分な半径方向力を如何に確実にすることができないことを直ちに理解することができる。
【0129】
本発明によれば、同じ内腔プロテーゼにおいて異なった材料を用いることを可能にするものであるから、企画設計者は、或る材料の特性を他の材料の特性とバランスさせることができる。
【0130】
例えば、多量のマグネシウムで実現されつつも、ステンレス鋼インサートによって許容できる半径方向力を有するステントを実現できる。
【0131】
上述した全ての事項に鑑みて、当業者は、本発明による内腔プロテーゼが従来技術に関連する問題点をいかに解決することができるかを理解できるであろう。
【0132】
特に、前記ステント1に関する各実施形態が、疲労によって齎される想定し得る破壊の問題をいかに解決するかが明らかになったであろう。
【0133】
要するに、ステントが適所に留置された直後の初めの期間後に、生体吸収性部分が例えば血液に溶解し、コイルがステンレス鋼から作られているか形状記憶材料から作られているかに関係なく、コイルだけが位置決めされているが互いに結合していない状態で残る。
【0134】
上述したように、ステントに関する調査により、コイル間の接続ブリッジが疲労によって齎される破壊に最も晒される点であることが分かった。ステントの使用期間中にブリッジを除去することにより、疲労によって齎される破壊に関連する問題点も除去される。
【0135】
同時に、ステントの移植の初期段階及びその直後の段階中に一時的にブリッジが存在することにより、ステントの優れた位置決め能力を概して確実にすると共に、それぞれのコイルが相対的に正確な形態をとることを確実にする。
【0136】
図14に示した実施形態は、操作者が、操作中に、移植された管に沿ってステントの位置を調節することを可能にさせる。この作業は、ループ111のためのブリッジ12を保有する特殊な形態のために可能になる。要するに、そのような形態は、シース20の引抜き作業中にむき出しにされたコイルと依然としてシース20に覆われた状態のままのコイルとの完全な状態の接合を許容する。この特性により、操作者は、事前に開いた状態にあるコイルを閉じさせるように、カテーテル2及びステント1に沿ってシース20を前方へ押しやることができるようになる。
【0137】
ステント1の閉成及び再位置決めの操作は、特に役に立つ。ステントの挿入及び留置作業は非常にデリケートである。ステントを留置させた時の僅かな誤差であっても、不正確な位置に留置されて開いた状態にあるステントを取り除くために患者に緊急の外科手術を施す必要があると言っていい程、非常に重大な結果を齎す。
【0138】
カテーテル2及びステント1に沿ってシース20を押し遣るという作業は、従来のステントでは不可能である。要するに、図10cから分かるように、シースの引抜きによってむき出しにされたコイルのループは、ステントの理想的な輪郭から逸脱する傾向をとって、ステント1に沿ってシース20を逆方向へ移動することができなくさせる。
【0139】
各ループ111のためのブリッジ12の存在は、少なくとも或るブリッジ12が生体吸収性材料から作られているという事実によって可能になる。完全に耐久性材料から作られた従来のステントでは、拡張状態のステントの表面ユニット上に存在する過剰な量の金属のために、本発明のような形態は実現不可能である。つまり、金属で被覆されている表面部分の割合は、全表面の14〜15%の範囲を超えてはならない。
【0140】
上記内容について変更及び(又は)追加を加えてもよいことは明らかである。
【0141】
スロット114は、図示した形態以外の形態のものであってもよい。更に、スロット114は、端部に位置するコイルと相違した他の位置のコイルに形成してもよい。
【0142】
ブリッジ12,コイル11,アーム110及びループ111の数は、上記の内容に関連させて変えることができる。コイル11の形態も同様に変えることができる。
【0143】
一般に、特定の実施形態に関連する上述の全ての特性は、互いに無関係に実現させることができる。
【0144】
特定の不確定な条件を満足させるために、特許請求の範囲に記載された本発明の要旨を逸脱しない範囲において、当業者は、内腔ステントの上述した好ましい実施形態に対して、様々な修正,変形を加え及びその構成要素を機能的に均等な他の構成要素と置換することができる。
【図面の簡単な説明】
【0145】
【図1】収縮状態にある、本発明の実施形態に係る内腔プロテーゼの斜視図である。
【図2】拡張状態にある、本発明の実施形態に係る内腔プロテーゼの側面図である。
【図3】収縮状態にある、本発明の実施形態に係る内腔プロテーゼの展開平面図である。
【図4】拡張状態にある、本発明の実施形態に係る内腔プロテーゼの展開平面図である。
【図5a】図4のV−V線に沿った断面図である。
【図5b】図4のV−V線に沿った、図5aの実施形態と別の実施形態の断面図である。
【図6】拡張状態にある、本発明の別の実施形態に係る内腔プロテーゼの展開平面図である。
【図7】拡張状態にある、本発明の更に別の実施形態に係る内腔プロテーゼの展開平面図である。
【図8】拡張状態にある、本発明の更に別の実施形態に係る内腔プロテーゼの展開平面図である。
【図9】本発明によるキットの部分側断面図である。
【図10a】図9に示したキットに類似したキットを示した図で、筒状本体がシース内に収められた状態を示した図である。
【特許請求の範囲】
【請求項1】
長さ方向軸線(X−X軸線)に沿って伸びて収縮状態から拡張状態へと変えられるようになっているチューブ状本体(10)を有し、前記チューブ状本体(10)が、略周方向へ伸びた複数のコイル(11)と、二つのコイル(11a、11b)を連結する少なくとも一つのブリッジ(12)とを有し、前記少なくとも一つのブリッジ(12)が生体吸収性材料にて構成され、前記コイル(11)が耐久性材料にて構成されている、内腔プロテーゼ(1)。
【請求項2】
前記内腔プロテーゼ(1)が、自己拡張型のものである、請求項1に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項3】
前記内腔プロテーゼが、バルーン拡張型のものである、請求項1に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項4】
前記コイル(11)が、閉じた経路を区画している、請求項1〜3のいずれかの一項に記載の内腔プロテーゼ。
【請求項5】
前記コイルが、略周方向(C)に伸びている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項6】
前記少なくとも一つのブリッジ(12)が、隣接した二つのコイル(11a、11b)を連結している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項7】
前記少なくとも一つのブリッジ(12)が、隣接していない二つのコイル(11a、11c)を連結している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項8】
前記少なくとも一つのブリッジ(12)が、略直線状の伸長部と、略軸線方向へ向いた伸長部とを有している、請求項1〜7のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項9】
前記少なくとも一つのブリッジ(12)が、略周方向(C)に伸びている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項10】
前記少なくとも一つのブリッジ(12)が、擬似コイルを構成している、請求項1〜9のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項11】
前記ブリッジ(12)が、二つのコイル(11a、11b)の間に多数個設けられている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項12】
前記ブリッジ(12)が、前記軸線方向に対して僅かに傾斜している、請求項1〜11のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項13】
二つのコイル(11a、11b)間に設けられた全てのブリッジ(12)が互いに平行になっている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項14】
前記ブリッジが前記X−X軸線に沿って複数設けられ、それらブリッジ(12)が、前記X−X軸線に対して交互に反対方向へ傾斜している、請求項1〜13の何れか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項15】
前記コイル(11)の少なくとも一つが、ブリッジ(12)が分岐する点において固定アクチュエータ(115)を有している、請求項1〜14のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項16】
前記固定アクチュエータ(115)が、コイル(11)の側部に形成された穴(116)を含んでいる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項17】
前記固定アクチュエータ(115)が、コイル(11)の側部の外側面上に形成された突起部(117)を含んでいる、請求項15に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項18】
前記固定アクチュエータ(115)が、前記コイル(11)の表面上に形成された切込み線を含んでいる、請求項15に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項19】
前記固定アクチュエータ(115)が、コイル(11)の表面上に形成された多孔を有している、請求項15に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項20】
前記ブリッジ(12)が、前記コイル(11)と前記ブリッジ(12)との間の形状結合を発揮するようになっている、前記固定アクチュエータ(115)に相補的なコイル(11)及び部位(126、127)の輪郭と局所的に精巧に模された側面(122)を有する、請求項16〜19のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項21】
少なくとも一つのコイル(11)が、超弾性材料又は硬化擬似弾性材料によって作られている、請求項2に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項22】
少なくとも一つのコイル(11)が、ニチノールの如き形状記憶材料によって作られている、請求項2に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項23】
少なくとも一つのコイル(11)が、AISI 316 L等級のステンレス鋼によって作られている、請求項3に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項24】
少なくとも一つのコイル(11)が、UNS R30035等級のクロム−コバルト合金によって作られている、請求項3に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項25】
少なくとも一つのブリッジ(12)が、生体吸収性ポリマーによって作られている、請求項1〜24のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項26】
前記生体吸収性ポリマーが、PDLA即ちポリ−(D−乳酸),PLLA即ちポリ−(L−乳酸),PGA即ちポリ−(グリコール酸)から成るグループから選択されている、請求項25に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項27】
前記生体吸収性ポリマーが、ポリカプロラクトン(poly−caprolactone)、ポリラクチドコグリコリド(poly−(lactide−co−glycolide))、ポリエチレンビニールアセテート(poly−(ethylene−vinyl acetate))、ポリヒドロキシブチレートコバレレート(poly−(hydroxybutyrate−co−valerate))、ポリジオキサノン(poly−dioxanone)、ポリオルトエステル(poly−orthoester)、ポリ無水物(poly−anhydride)、ポリグリコロール酸トリメチレンカーボネート(poly−(glycolic acid−co−trimethylene carbonate))、ポリホスホエステル(poly−phosphoester)、ポリホスホエステルウレタン(poly−phosphoester urethane)、ポリ(アミノ酸)(poly(amino acid))、シアノアクリレート(cyanoacrylate)、ポリトリメチレンカーボネート(poly−(trimethylene carbonate))、ポリイミノカーボネート(poly−(iminocarbonate))、コポリエチレン-エステル(copoly−(ether−ester)(例えば、PEO/PLA)、ポリアルキレンオキザラート(poly−alkylene oxalate)、ポリホスファゼン(poly−phosphazene)、フィブリン,フィブリノゲン,セルロース,スターチ,コラーゲン、ヒアルロン酸,ポリ−N−アルキルアクリルアシド(poly−N−alkylacrylamide),ポリデプシペプチドカーボネート(poly−depsipeptide carbonate)及びポリエチレンオキシド基ポリエステル(poly−ethylene−oxide based poly−ester)の如き生体分子分子(biomolecule)から成るグループから選択されている、請求項25に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項28】
少なくとも一つのブリッジ(12)が、生体吸収性金属材料から作られている、請求項1〜27のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項29】
少なくとも一つのブリッジ(12)が、UNS M18430等級のマグネシウム合金から作られている、請求項1〜28のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項30】
少なくとも一つのブリッジ(12)が、酸化カルシウム(CaO)と五酸化リン(又は無水リン酸)(P2O5)の二成分混合物によって実現されている、請求項1〜29のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項31】
少なくとも一つのブリッジ(12)が、鎖状連結を構成するために、コイル(11)のループ(111)を取り囲むループ(112)を形成している、請求項1〜30のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項32】
少なくとも一つのブリッジ(12)が、主に軸線方向に伸びて、二つ以上のコイル(11a、11b、11c)と連結された梁(13)の形態を採っている、請求項1〜31のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項33】
前記梁(13)が、前記コイル(11)の半径方向内側に配置されて、その半径方向の内側面と接続されている、請求項32に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項34】
前記コイル(11)の前記半径方向の内側面が、前記梁(13)と形状結合を構成するようになっている固定アクチュエータ(115)を有する、請求項33に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項35】
前記内腔プロテーゼが、前記内腔プロテーゼが収縮状態になった時に、互いに接触してコイル(11)内に管状構造(14)を形成する多数の梁(13)を有している、請求項32に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項36】
前記管状構造(14)が、その先端部(144)に、ガイドワイヤーを受け入れる開口部(145)を有している、請求項35に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項37】
各梁(13)が、その先端部に、キール(130)を有している、請求項31に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項38】
内腔プロテーゼ(1)が収縮状態にあり且つ前記梁(13)が互いに接触している状態にある時に、多数のキール(130)が先端部(131)を形成するようになっている、請求項1〜37に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項39】
少なくとも一つのコイル(11a)が、X線不透過性材料から作られたマーカー(141)を有している、請求項1〜38のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項40】
先端部及び基端部に位置するコイルが、X線不透過性材料から作られたマーカー(141)を有している、請求項1〜39のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項41】
生体吸収性材料から作られた部位(12、13、121)が、長期間に亘ってコントロールされた態様で薬剤を解放するようになっている、請求項1〜40のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項42】
各コイル(11b)の各ループ(111)が、一つのブリッジ(12)によって、隣接したコイル(11a、11c)のそれぞれのループ(111)に接続されている、請求項1〜41のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項43】
耐久性材料から作られたブリッジ(12)が、周方向に沿って、生体吸収性材料から作られたブリッジ(12)と交互に設けられている、請求項1〜42のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項44】
請求項35に記載の内腔プロテーゼを移送するための装置であって、
カテーテル(2)と、前記内腔プロテーゼ(1)を半径方向に収縮させるシステムを提供するようになっているシース(20)とを有し、前記カテーテル(2)が、その先端部(21)に、内腔プロテーゼ(1)の管状構造(14)を軸線方向で支持する肩部(22)を有し、前記シース(20)が、前記内腔プロテーゼ(1)の長さと略等しい分だけ、前記カテーテル(2)の長さよりも長く伸びている、内腔プロテーゼを移送するための装置。
【請求項1】
長さ方向軸線(X−X軸線)に沿って伸びて収縮状態から拡張状態へと変えられるようになっているチューブ状本体(10)を有し、前記チューブ状本体(10)が、略周方向へ伸びた複数のコイル(11)と、二つのコイル(11a、11b)を連結する少なくとも一つのブリッジ(12)とを有し、前記少なくとも一つのブリッジ(12)が生体吸収性材料にて構成され、前記コイル(11)が耐久性材料にて構成されている、内腔プロテーゼ(1)。
【請求項2】
前記内腔プロテーゼ(1)が、自己拡張型のものである、請求項1に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項3】
前記内腔プロテーゼが、バルーン拡張型のものである、請求項1に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項4】
前記コイル(11)が、閉じた経路を区画している、請求項1〜3のいずれかの一項に記載の内腔プロテーゼ。
【請求項5】
前記コイルが、略周方向(C)に伸びている、請求項1〜4のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項6】
前記少なくとも一つのブリッジ(12)が、隣接した二つのコイル(11a、11b)を連結している、請求項1〜5のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項7】
前記少なくとも一つのブリッジ(12)が、隣接していない二つのコイル(11a、11c)を連結している、請求項1〜6のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項8】
前記少なくとも一つのブリッジ(12)が、略直線状の伸長部と、略軸線方向へ向いた伸長部とを有している、請求項1〜7のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項9】
前記少なくとも一つのブリッジ(12)が、略周方向(C)に伸びている、請求項1〜8のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項10】
前記少なくとも一つのブリッジ(12)が、擬似コイルを構成している、請求項1〜9のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項11】
前記ブリッジ(12)が、二つのコイル(11a、11b)の間に多数個設けられている、請求項1〜10のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項12】
前記ブリッジ(12)が、前記軸線方向に対して僅かに傾斜している、請求項1〜11のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項13】
二つのコイル(11a、11b)間に設けられた全てのブリッジ(12)が互いに平行になっている、請求項1〜12のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項14】
前記ブリッジが前記X−X軸線に沿って複数設けられ、それらブリッジ(12)が、前記X−X軸線に対して交互に反対方向へ傾斜している、請求項1〜13の何れか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項15】
前記コイル(11)の少なくとも一つが、ブリッジ(12)が分岐する点において固定アクチュエータ(115)を有している、請求項1〜14のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項16】
前記固定アクチュエータ(115)が、コイル(11)の側部に形成された穴(116)を含んでいる、請求項1〜15のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項17】
前記固定アクチュエータ(115)が、コイル(11)の側部の外側面上に形成された突起部(117)を含んでいる、請求項15に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項18】
前記固定アクチュエータ(115)が、前記コイル(11)の表面上に形成された切込み線を含んでいる、請求項15に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項19】
前記固定アクチュエータ(115)が、コイル(11)の表面上に形成された多孔を有している、請求項15に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項20】
前記ブリッジ(12)が、前記コイル(11)と前記ブリッジ(12)との間の形状結合を発揮するようになっている、前記固定アクチュエータ(115)に相補的なコイル(11)及び部位(126、127)の輪郭と局所的に精巧に模された側面(122)を有する、請求項16〜19のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項21】
少なくとも一つのコイル(11)が、超弾性材料又は硬化擬似弾性材料によって作られている、請求項2に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項22】
少なくとも一つのコイル(11)が、ニチノールの如き形状記憶材料によって作られている、請求項2に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項23】
少なくとも一つのコイル(11)が、AISI 316 L等級のステンレス鋼によって作られている、請求項3に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項24】
少なくとも一つのコイル(11)が、UNS R30035等級のクロム−コバルト合金によって作られている、請求項3に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項25】
少なくとも一つのブリッジ(12)が、生体吸収性ポリマーによって作られている、請求項1〜24のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項26】
前記生体吸収性ポリマーが、PDLA即ちポリ−(D−乳酸),PLLA即ちポリ−(L−乳酸),PGA即ちポリ−(グリコール酸)から成るグループから選択されている、請求項25に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項27】
前記生体吸収性ポリマーが、ポリカプロラクトン(poly−caprolactone)、ポリラクチドコグリコリド(poly−(lactide−co−glycolide))、ポリエチレンビニールアセテート(poly−(ethylene−vinyl acetate))、ポリヒドロキシブチレートコバレレート(poly−(hydroxybutyrate−co−valerate))、ポリジオキサノン(poly−dioxanone)、ポリオルトエステル(poly−orthoester)、ポリ無水物(poly−anhydride)、ポリグリコロール酸トリメチレンカーボネート(poly−(glycolic acid−co−trimethylene carbonate))、ポリホスホエステル(poly−phosphoester)、ポリホスホエステルウレタン(poly−phosphoester urethane)、ポリ(アミノ酸)(poly(amino acid))、シアノアクリレート(cyanoacrylate)、ポリトリメチレンカーボネート(poly−(trimethylene carbonate))、ポリイミノカーボネート(poly−(iminocarbonate))、コポリエチレン-エステル(copoly−(ether−ester)(例えば、PEO/PLA)、ポリアルキレンオキザラート(poly−alkylene oxalate)、ポリホスファゼン(poly−phosphazene)、フィブリン,フィブリノゲン,セルロース,スターチ,コラーゲン、ヒアルロン酸,ポリ−N−アルキルアクリルアシド(poly−N−alkylacrylamide),ポリデプシペプチドカーボネート(poly−depsipeptide carbonate)及びポリエチレンオキシド基ポリエステル(poly−ethylene−oxide based poly−ester)の如き生体分子分子(biomolecule)から成るグループから選択されている、請求項25に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項28】
少なくとも一つのブリッジ(12)が、生体吸収性金属材料から作られている、請求項1〜27のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項29】
少なくとも一つのブリッジ(12)が、UNS M18430等級のマグネシウム合金から作られている、請求項1〜28のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項30】
少なくとも一つのブリッジ(12)が、酸化カルシウム(CaO)と五酸化リン(又は無水リン酸)(P2O5)の二成分混合物によって実現されている、請求項1〜29のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項31】
少なくとも一つのブリッジ(12)が、鎖状連結を構成するために、コイル(11)のループ(111)を取り囲むループ(112)を形成している、請求項1〜30のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項32】
少なくとも一つのブリッジ(12)が、主に軸線方向に伸びて、二つ以上のコイル(11a、11b、11c)と連結された梁(13)の形態を採っている、請求項1〜31のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項33】
前記梁(13)が、前記コイル(11)の半径方向内側に配置されて、その半径方向の内側面と接続されている、請求項32に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項34】
前記コイル(11)の前記半径方向の内側面が、前記梁(13)と形状結合を構成するようになっている固定アクチュエータ(115)を有する、請求項33に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項35】
前記内腔プロテーゼが、前記内腔プロテーゼが収縮状態になった時に、互いに接触してコイル(11)内に管状構造(14)を形成する多数の梁(13)を有している、請求項32に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項36】
前記管状構造(14)が、その先端部(144)に、ガイドワイヤーを受け入れる開口部(145)を有している、請求項35に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項37】
各梁(13)が、その先端部に、キール(130)を有している、請求項31に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項38】
内腔プロテーゼ(1)が収縮状態にあり且つ前記梁(13)が互いに接触している状態にある時に、多数のキール(130)が先端部(131)を形成するようになっている、請求項1〜37に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項39】
少なくとも一つのコイル(11a)が、X線不透過性材料から作られたマーカー(141)を有している、請求項1〜38のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項40】
先端部及び基端部に位置するコイルが、X線不透過性材料から作られたマーカー(141)を有している、請求項1〜39のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項41】
生体吸収性材料から作られた部位(12、13、121)が、長期間に亘ってコントロールされた態様で薬剤を解放するようになっている、請求項1〜40のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項42】
各コイル(11b)の各ループ(111)が、一つのブリッジ(12)によって、隣接したコイル(11a、11c)のそれぞれのループ(111)に接続されている、請求項1〜41のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項43】
耐久性材料から作られたブリッジ(12)が、周方向に沿って、生体吸収性材料から作られたブリッジ(12)と交互に設けられている、請求項1〜42のいずれか一項に記載の内腔プロテーゼ(1)。
【請求項44】
請求項35に記載の内腔プロテーゼを移送するための装置であって、
カテーテル(2)と、前記内腔プロテーゼ(1)を半径方向に収縮させるシステムを提供するようになっているシース(20)とを有し、前記カテーテル(2)が、その先端部(21)に、内腔プロテーゼ(1)の管状構造(14)を軸線方向で支持する肩部(22)を有し、前記シース(20)が、前記内腔プロテーゼ(1)の長さと略等しい分だけ、前記カテーテル(2)の長さよりも長く伸びている、内腔プロテーゼを移送するための装置。
【図10a】筒状本体がシースから部分的にむき出しになった状態の図10aのキットを示した図である。
【図10c】筒状本体がシースから完全にむき出しになった状態の図10aのキットを示した図である。
【図11a】本発明に係る別のキットを示した図で、その内腔プロテーゼが或る状態にあることを示した図である。
【図11b】図11aの内腔プロテーゼが別の状態にあることを示した図である。
【図11c】図11bに示されたキットの内腔プロテーゼが拡張した状態を示した図である。
【図12a】本発明による内腔プロテーゼの更に別の実施形態を示した斜視図である。
【図12b】本発明による内腔プロテーゼの更に別の実施形態を示した斜視図である。
【図13】図8に示した内腔プロテーゼに類似した実施形態の内腔プロテーゼの斜視図である。
【図14】拡張状態にある、本発明に係る内腔プロテーゼの展開平面図である。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図12a】
【図12b】
【図13】
【図14】
【図10c】筒状本体がシースから完全にむき出しになった状態の図10aのキットを示した図である。
【図11a】本発明に係る別のキットを示した図で、その内腔プロテーゼが或る状態にあることを示した図である。
【図11b】図11aの内腔プロテーゼが別の状態にあることを示した図である。
【図11c】図11bに示されたキットの内腔プロテーゼが拡張した状態を示した図である。
【図12a】本発明による内腔プロテーゼの更に別の実施形態を示した斜視図である。
【図12b】本発明による内腔プロテーゼの更に別の実施形態を示した斜視図である。
【図13】図8に示した内腔プロテーゼに類似した実施形態の内腔プロテーゼの斜視図である。
【図14】拡張状態にある、本発明に係る内腔プロテーゼの展開平面図である。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5a】
【図5b】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10a】
【図10b】
【図10c】
【図11a】
【図11b】
【図11c】
【図12a】
【図12b】
【図13】
【図14】
【公表番号】特表2009−502307(P2009−502307A)
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−523545(P2008−523545)
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【国際出願番号】PCT/IT2005/000436
【国際公開番号】WO2007/013102
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(505193276)インヴァテック エス.アール.エル. (13)
【Fターム(参考)】
【公表日】平成21年1月29日(2009.1.29)
【国際特許分類】
【出願日】平成17年7月25日(2005.7.25)
【国際出願番号】PCT/IT2005/000436
【国際公開番号】WO2007/013102
【国際公開日】平成19年2月1日(2007.2.1)
【出願人】(505193276)インヴァテック エス.アール.エル. (13)
【Fターム(参考)】
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