説明

生体観察装置

【課題】挙動が速い動的な生体を観察しても、観察部位の位置が安定した鮮明な画像を得る。
【解決手段】ステージ2上の生体Aからの光を対物光学系10により集光して撮像する撮像部7a,7bと、対物光学系10とステージ2とを相対的に移動させる移動機構9と、撮像部7a,7bにより撮像された画像内の注目点の位置を検出する注目点位置検出部13と、移動機構9を停止させた状態で、注目点位置検出部13により検出された位置と撮像部7a,7bによる画像取得の取得時刻に関する情報とを対応づけた履歴を記憶する履歴記憶部14と、撮像部7a,7bにより取得された注目点の現在位置と履歴記憶部14に記憶された履歴とに基づいて所定時間後の生体Aの動作を推定する動作推定部15と、動作推定部15により推定された動作に従って対物光学系10とステージ2とを移動させるよう移動機構9を制御する制御部16とを備える生体観察装置1を提供する。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、生体観察装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、光学顕微鏡を用いて蛍光プローブによるイオン濃度や膜電位等の可視化が行われている。例えば、標本として神経細胞等の生体機能観察、特に動的挙動の観察が行われるようになっている。このような動的挙動を観察する装置としては、特開2005−300278号公報のような生体観察装置が知られている。また、観察対象部位を追従して観察する方法としては特開2006−209698号公報が知られている。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0003】
【特許文献1】特開2005−300278号公報
【特許文献2】特開2006−209698号公報
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、動的な生体を観察する場合、対物レンズの焦点や視野を一定に保つと、生体が深さ方向へ移動して像が不鮮明になったり、観察部位が視野から外れてしまうという問題点がある。
また、特許文献1の生体観察装置や特許文献2の観察方法では、生体の脈動や拍動などにより観察部位が3次元方向に速く動く場合には対応できないという課題がある。
【0005】
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、挙動の速い生体であっても常に観察部位の位置が安定した鮮明な画像を得ることができる生体観察装置を提供することを目的としている。
【課題を解決するための手段】
【0006】
上記目的を達成するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、生体を載せるステージと、前記生体からの光を集光する対物光学系と、該対物光学系により集光された光を撮像する撮像部と、前記対物光学系と前記ステージとを相対的に移動させる移動機構と、前記撮像部により撮像された前記生体の画像内の注目点の位置を検出する注目点位置検出部と、前記移動機構を停止させた状態で、前記注目点位置検出部により検出された注目点の位置と前記撮像部による画像取得の取得時刻に関する情報とを対応づけた履歴を記憶する履歴記憶部と、前記撮像部により取得された画像内の前記注目点の現在位置と、前記履歴記憶部内に記憶されている履歴とに基づいて、所定時間後の前記生体の動作を推定する動作推定部と、該動作推定部により推定された動作に従って前記対物光学系と前記ステージとを相対的に移動させるよう前記移動機構を制御する制御部とを備える生体観察装置を提供する。
【0007】
本発明によれば、ステージ上の生体からの光は対物光学系により集光され、撮像部において生体の画像が取得される。そして、注目点位置検出部により各画像内の注目点の位置が検出され、その位置と画像取得の時刻とが対応づけられた履歴が履歴記憶部に記憶される。
【0008】
この後に、移動機構が動作する状態で生体の画像を取得して注目点の位置を検出したら、動作推定部において、現在の位置と履歴記憶部にすでに記憶されている履歴とを比較し、注目点の次の画像取得時刻までの動作を推定する。制御部は移動機構を制御して、推定された動作と同様に対物光学系とステージとを相対的に移動させてから、次の画像取得を行う。この画像取得から移動機構の動作を繰り返すことにより生体を観察することができる。
【0009】
すなわち、画像が取得された時点における注目点の位置と時刻とを対応づけた履歴から、履歴記憶部には注目点の過去の軌跡の情報が蓄積される。そして、注目点の現在の位置と過去の軌跡とを比較することにより、注目点が次の画像取得時刻に存在するであろう軌跡上の位置を推定し、その位置までの動作、つまり移動方向および移動量を算出することができる。
【0010】
また、撮像の度に推定された動作に合わせて対物光学系とステージとを相対的に移動させることにより、生体の注目点の位置と対物光学系の位置とが相対的に一定に保たれ、生体の挙動により注目点が移動しても、画像内においては注目点の位置を静止させるができる。
したがって、本発明によれば、挙動が速い動的な生体を観察しても、観察部位の位置が安定した鮮明な画像を得ることができる。
【0011】
上記発明においては、前記注目点位置検出部が、前記画像内の一部の範囲内において検出してもよい。
予備観察により注目点の移動する範囲を把握しておく。そして、各画像の移動範囲内においてのみ注目点の位置の検出を行うことにより、取り扱うデータの量や演算値を少なくすることができる。これにより、画像取得間隔を短くして移動機構の制御速度を向上させ、注目点の移動により正確に追従させることができる、つまり、観察部位の位置がより安定した画像を取得することができる。
【0012】
また、上記発明においては、前記注目点が、前記生体の特徴点であってもよい。
このようにすることで、注目点として生体外部からマーカのような物質を生体に付与することなく、位置を検出することがきる。
【0013】
また、上記発明においては、前記履歴記憶部が、周期的な挙動を示す前記生体の複数サイクルの挙動について履歴を記憶し、前記動作推定部が、前記履歴から統計的に前記生体の動作を推定してもよい。
このようにすることで、生体のイレギュラーな挙動の軌跡についても記憶しておき、生体がこのような挙動をした場合にも、観察部位の位置がずれる程度やその確率を減らしてより観察部位の位置が安定した画像を取得することができる。
【発明の効果】
【0014】
本発明によれば、挙動が速い動的な生体を観察しても、観察部位の位置が安定した鮮明な画像を得ることができるという効果を奏する。
【図面の簡単な説明】
【0015】
【図1】本発明の第1の実施形態に係る生体観察装置を示す全体構成図である。
【図2】第1の実施形態に係る移動機構制御システムの構成を示す図である。
【図3】生体の拍動による注目点の移動量を示す図である。
【図4】生体の拍動により注目点が移動する様子を示した図である。
【図5】本発明の第2の実施形態に係る生体試察装置を示す全体構成図である。
【図6】画像検出システムの構成を示す図である。
【図7】第2の実施形態に係る移動機構制御システムの構成を示す図である。
【発明を実施するための形態】
【0016】
本発明の第1の実施形態に係る生体観察装置1について、図1〜図4を参照して以下に説明する。
本実施形態に係る生体試料観察装置1は、図1に示されるように、正立型顕微鏡をベースとしており、生体Aを載せるステージ2と、筐体3内部に配置された撮像光学系4と、筐体3を支持する支柱5およびアーム6と、筐体3外部に配置された撮像部7a,7bおよび光源8と、筐体3の底部に移動機構9を介して配置された対物レンズ(対物光学系)10と、移動機構制御システム11とを備えている。
【0017】
筐体3は、ステージ2に垂直に固定された支柱5に沿って移動するアーム6により垂直方向に移動可能になっている。
撮像部7a,7bは、例えば、第1および第2のCCDカメラ(以下、CCDカメラ7a,7bともいう。)である。第1のCCDカメラ7aは移動機構制御システム11に接続され、第2のCCDカメラ7bはコントローラ12を介して図示しないモニタに接続されている。
【0018】
撮像光学系4は、複数の波長フィルタ4a,4b,4cおよびダイクロイックミラー4d,4eと、図示しないレンズ群により構成されている。
光源8から発せられた光は、筐体3内の第1の波長フィルタ4aにおいて設定された波長の光のみが第1のダイクロイックミラー4dによって反射され、第2のダイクロイックミラー4eおよび対物レンズを10透過して生体Aに照射される。
【0019】
また、対物レンズ10で集光された光は、その一部が、第2のダイクロイックミラー4eを透過した後、第1のダイクロイックミラー4dおよび第2の波長フィルタ4bを透過した波長の光が第1のCCDカメラ7aで検出される。また対物レンズ10で集光された光のうち他の一部は、第2のダイクロイックミラー4eで反射された後、第3の波長フィルタ4cを透過した波長の光が第2のCCDカメラ7bで検出される。
【0020】
移動機構9は、対物レンズ10を水平方向に移動させるX軸ステージ9aおよびY軸ステージ9bと、フォーカス方向(Z方向)に移動させるZ軸ステージ9cとにより構成されている。
【0021】
移動機構制御システム11は、例えば、一般のコンピュータやCPUであり、図2に示されるように、画像内の注目点の位置を検出する注目点位置検出部13と、検出された位置についての履歴を記憶する履歴記憶部14と、注目点の次の動作を推定する動作推定部15と、移動機構9を制御する制御部16とを備えている。また、注目点位置検出部13は第1のCCDカメラ7aに、制御部16は移動機構9に接続されている。
【0022】
注目点位置検出部13は、画像処理により注目点を抽出し、その重心位置をX,Y位置として検出する。また、注目点位置検出部13は、注目点の大きさと傾きの変化からZ方向の移動量を算出する。そして、初期のZ方向位置をZ位置の原点とし、Z方向の初期位置からの移動量をZ位置として検出するようになっている。
履歴記憶部14は、検出された各画像内の注目点のX,Y,Z位置に、各画像が取得された順番(取得時刻に関連する情報)をアドレスとして付して、これらを履歴として記憶するようになっている。
【0023】
このように構成された本実施形態に係る生体観察装置1の作用について以下に説明する。
本実施形態においては、生きたマウスなどの周期的に拍動する生体Aを観察対象とし、生体A上の蛍光ビーズのようなマーカBを注目点とする。図3は、生体Aの拍動に従ってマーカBの位置が移動する様子を示した図であり、横軸が時間、縦軸がマーカBの位置の移動量である。符号a1,a2の位置においてはマーカBの位置が安定し、符号bの位置においては拍動によりマーカBの位置が大きく移動している。また、図4は、マーカBが水平方向に移動する様子を示した図である。生体Aの動きが安定している符号a1,a2の位置においては、CCDカメラの視野t1内にマーカBが存在するが、生体Aが拍動して大きく動く符号bの位置においては、マーカBの位置が視野t1外部へ移動する状態を表している。
【0024】
本実施形態に係る生体観察装置1を使用して生体Aを観察するには、ステージ2に生体Aを載せ、光源8により生体Aを照明する。そして生体A表面からの反射光、または、照明光により励起された蛍光を対物レンズ10により集光して、第2のCCDカメラ7bで検出された画像をモニタで観察しながら、アーム6と生体Aの位置を移動させて対物レンズ10の視野とフォーカスを調節する。
【0025】
次に、移動機構9を停止させた状態で予備観察を行う。マーカBが符号a1の位置から符号bの位置を経由して符号a2の位置まで移動する挙動を1サイクルとし、1サイクルだけ生体Aの観察を行い第1のCCDカメラ7aで所定の時間間隔で画像を取得する。取得された画像は注目点位置検出部13に送られて、各画像内のマーカBのX,Y,Z位置が検出され、履歴記憶部14においてマーカBの挙動1サイクルの履歴が記憶される。
【0026】
続いて、移動機構9を動作させて本観察を開始する。生体Aの画像が取得されると画像内のマーカBのX,Y,Z位置が検出され、これと履歴記憶部14に記憶されている予備観察の履歴とを動作推定部15において比較する。そして、次の画像取得時刻までにマーカBが移動しているであろう位置を推定し、その位置までのX、Y、Z方向の各移動量を算出する。制御部16は、算出された移動量だけ対物レンズ10が移動するよう移動機構9を制御して、次の画像を取得する。この画像取得から対物レンズ10の移動までの動作を繰り返すことにより、生体Aを観察することができる。
【0027】
すなわち、第1のCCDカメラ7aの画像取得の間隔が一定のため、一定時間間隔のマーカBの位置座標の履歴が履歴記憶部14に記憶される。これにより、周期的な挙動をするマーカBの1サイクル分の過去の軌跡の情報を取得することができる。そして、現在のマーカBの位置を過去の軌跡と比較することで、次の画像取得時刻にマーカBが軌跡上のどの位置に移動しているかを推定することができる。
【0028】
そして、推定された注目点の移動と同様に対物レンズ10も移動させられるので、対物レンズ10はマーカBと同様の軌跡上を移動させられながら生体Aを観察する。つまり、対物レンズ10とマーカBの相対位置は一定に保たれるので、対物レンズ10の視野内でマーカBの位置は静止した状態となる。
【0029】
また、対物レンズ10は、画像取得の度にマーカBの次の位置へ移動させられるので、マーカBが速く移動してもその移動に追従して画像を取得できる。
したがって、本実施形態によれば、拍動のような3次元方向の速い挙動をする生体Aであっても、観察部位が水平方向およびフォーカス方向移動して視野から外れたりフォーカスがずれたりすることなく、常に観察部位に焦点が合いその位置が安定した画像を得ることができる。
【0030】
上記実施形態においては、前記注目点位置検出部が、前記画像内の一部の範囲内において検出してもよい。
予備観察により、マーカBの移動範囲を予め把握しておき、各画像においてその移動範囲内のみマーカBの位置の検出を行う。このように検出する範囲を狭めることにより、処理するデータ量や演算値が減るので、画像取得の間隔を短くして移動機構9の制御速度を向上させ、マーカBの挙動により正確に一致させて対物レンズ10を移動させることができる。つまり、マーカBの位置がより安定した画像を得ることができる。
【0031】
また、上記実施形態においては、前記注目点がマーカであるとしたが、これに代えて、画像中の高輝度部分や特徴的な形状を有する部分などの特徴点であってもよい。
このようにすることでマーカBが不要となり、マーカBの付与による生体Aへの影響をさらに少なくすることができる。
【0032】
また、上記実施形態においては、予備観察として注目点の挙動1サイクルの履歴を記憶したが、これに代えて、複数サイクルの履歴を記憶し、動作推定部が履歴から統計的に生体の動作を推定してもよい。
【0033】
このようにすることで、マーカBがイレギュラーな挙動をしたときの履歴も記憶しておき、本観察でこのような挙動があってもその移動を推定することが可能になる。これにより、視野内でマーカBの位置がずれる程度やその確率を減らし、より観察部位の位置が安定した画像を得ることができる。
【0034】
また、上記実施形態においては、正立型顕微鏡をベースとし、撮像部としてCCDカメラを用いることとしたが、これに代えて、レーザ走査型顕微鏡をベースとし、撮像部としてホトマルチプライヤ(PMT)を用いてもよい。
この場合、撮像光学系4はさらに、ガルバノスキャナやメムススキャナ等の2次元走査手段を備え、光源8としてレーザ光源を用いる。
【0035】
レーザ光源より出力されたレーザ光はガルバノスキャナによって1ピクセルずつ移動させられ、生体A表面を走査する。そして、生体A表面で励起された蛍光は対物レンズ10によって集光されてPMTで検出され、図示しない演算部、例えば、コンピュータによって、検出された蛍光の輝度と走査位置とが対応付けられて並べられ、画像が取得される。その後、上述した作用と同様に、注目点の位置の検出から移動機構9の制御まで一連の処理および制御が行われ、生体Aを観察することができる。
【0036】
なお、本実施形態においては、予備観察において所定時間間隔で取得した画像から抽出された注目点の位置を、画像が取得された順番とともに記憶することで履歴を記憶したが、これに代えて、画像の取得時刻あるいは相対時刻と対応づけて履歴としてもよい。
【0037】
本発明の第2の実施形態に係る生体観察装置1について、図5〜図7を参照して以下に説明する。
なお、本実施形態の説明において、上述した第1の実施形態に係る生観察装置1と構成を共通とする箇所には同一の符号を付して説明を省略する。
【0038】
本実施形態における生体試料観察装置1は、図5に示されるように、ベース17上にZ軸ステージ9cを介して配置されたXYステージ9dと、生体Aを斜め上方から照明する光源8と、筐体3内部に配置された撮像光学系4と、筐体3外部に配置された対物レンズ10および撮像部7と、移動機構制御システム11とを備えている。
【0039】
第1の実施形態においては、撮像部7a,7bとして、第1および第2のCCDカメラ7a,7bを用い、それぞれ注目点の位置検出用と画像観察用とに用途を区別した。本実施形態においては、第2のCCDカメラ7bは第1の実施形態と同様であるが、第1のCCDカメラ7aに代えてCCDカメラの撮像機能部7cを用い、図6に示されるように、これと注目点位置検出部13とを一つの構成にした画像検出システム18を備えている。
【0040】
注目点位置検出部13は、第1の実施形態と同様に注目点のX,Y位置を検出する。また、注目点位置検出部13は、斜め上方から照明することにより生じる注目点の影の長さと方向からZ方向の変位量を求め、Z方向の初期位置からの変位量をZ位置として検出する。そして、検出されたX,Y,Z位置を、画像を取得した順番に画像検出システム18外部へ出力する。
【0041】
対物レンズ10で集光された光のうち一部は、第2のダイクロイックミラー4eで反射された後、第3の波長フィルタ4cを透過した波長の光のみがCCDカメラ7bで検出される。また、対物レンズ10で集光された光のうち他の一部は、第2のダイクロイックミラー4eおよび第2の波長フィルタ4bを透過した波長の光のみが画像検出システム18で検出される。
【0042】
XYステージ9dは、生体Aを載せるステージ2であると同時に、対物レンズ10に対して移動する移動機構9である。
対物レンズ10の視野は、XYステージ9dを水平方向に、Z軸ステージ9cをフォーカス方向に制御して生体Aを移動させることにより選択する。
【0043】
移動機構制御システム11は、図7に示されるように、履歴記憶部14と動作推定部15と制御部16とを備えており、画像検出システム18並びに移動機構9であるXYステージ9dおよびZ軸ステージ9cに接続されている。
履歴記憶部14は、画像検出システム18から送られてきた3次元位置情報に、各情報が送られてきた順番に対応する画像番号(取得時刻に関連する情報)をアドレスとして付し、これを履歴として記憶する。
【0044】
本実施形態に係る生体観察装置1を用いて生体Aを観察するには、生体AをXYステージ9dに載せて光源8により照明する。生体Aは斜め上方から照明されているので、照明光は生体Aの凹凸に応じた角度で反射される。反射光は対物レンズ10で集光されてCCDカメラ7bで検出され、図示しないモニタで生体Aの画像を観察する。そして、第1の実施形態と同様に予備観察および本観察を行うと、生体Aを観察することができる。
【0045】
上記実施形態によれば、CCDカメラの撮像機能部7cと注目点位置検出部13とを一つの構成にすることで、移動機構制御システム11へ伝送する情報量を、画像1枚分からX,Y,Z位置情報のみへ減らすことができる。これにより、データの伝送および移動機構制御システム11の処理速度を高速化して、CCDカメラ7bの撮像時間を短くして画像内のぶれを抑えることができると同時に、CCDカメラの撮像機能部7cの撮像の間隔を短くしてよりマーカBの位置が安定した画像を取得できる。
【符号の説明】
【0046】
1 生体観察装置
2 ステージ
3 筐体
4 撮像光学系
4a,4b,4c 波長フィルタ
4d,4e ダイクロイックミラー
5 支柱
6 アーム
7a 第1の撮像部(第1のCCDカメラ)
7b 第2の撮像部(第2のCCDカメラ)
7c CCDカメラの撮像機能部
8 光源
9 移動機構
9a X軸ステージ
9b Y軸ステージ
9c Z軸ステージ
9d XYステージ
10 対物レンズ(対物光学系)
11 移動機構制御システム
12 コントローラ
13 注目点位置検出部
14 履歴記憶部
15 動作推定部
16 制御部
17 ベース
18 画像検出システム
A 生体
B マーカ

【特許請求の範囲】
【請求項1】
生体を載せるステージと、
前記生体からの光を集光する対物光学系と、
該対物光学系により集光された光を撮像する撮像部と、
前記対物光学系と前記ステージとを相対的に移動させる移動機構と、
前記撮像部により撮像された前記生体の画像内の注目点の位置を検出する注目点位置検出部と、
前記移動機構を停止させた状態で、前記注目点位置検出部により検出された注目点の位置と前記撮像部による画像取得の取得時刻に関する情報とを対応づけた履歴を記憶する履歴記憶部と、
前記撮像部により取得された画像内の前記注目点の現在位置と、前記履歴記憶部内に記憶されている履歴とに基づいて、所定時間後の前記生体の動作を推定する動作推定部と、
該動作推定部により推定された動作に従って前記対物光学系と前記ステージとを相対的に移動させるよう前記移動機構を制御する制御部とを備える生体観察装置。
【請求項2】
前記注目点位置検出部が、前記画像内の一部の範囲内において検出する請求項1に記載の生体観察装置。
【請求項3】
前記注目点が、前記生体の特徴点である請求項1または請求項2に記載の生体観察装置。
【請求項4】
前記履歴記憶部が、周期的な挙動を示す前記生体の複数サイクルの挙動について履歴を記憶し、
前記動作推定部が、前記履歴から統計的に前記生体の動作を推定する請求項1から請求項3のいずれかに記載の生体観察装置。

【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate


【公開番号】特開2010−160022(P2010−160022A)
【公開日】平成22年7月22日(2010.7.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−1714(P2009−1714)
【出願日】平成21年1月7日(2009.1.7)
【出願人】(000000376)オリンパス株式会社 (11,466)
【Fターム(参考)】