説明

生体認証装置及びこれを備えた情報処理装置

【課題】
使用時と収納時で形態を変化させ、この形態の変化にともなって、前記スクリーンセーバの動作を制御する生体認証装置を提供する。
【解決手段】
光源部111を備えた第1本体110と、撮影部121を備えた第2本体120と、第1の状態では前記光源部111と前記撮影部121とを所定の間隔で保持し、第2の状態では前記光源部111と前記撮影部121とを前記第1本体110と前記第2本体120との間に隠蔽させるように前記第2本体120に対して前記第1本体110を可動可能に連結する連結部150と、前記第2の状態でスクリーンセーバ駆動信号を出力する駆動信号発生部160とを備えるようにする。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、各種の情報処理装置に接続されて、この情報処理装置の使用権限を認証する生体認証装置及びこの生体認証装置を備えた情報処理装置に関するものである。
【背景技術】
【0002】
近年、情報漏えいに関する問題が重視され、重要なデータを格納した情報処理装置の使用権限の認証装置が脚光を浴びている。従来は、情報処理装置の使用に際し、パスワードを設定し、このパスワードの認証により、当該情報処理装置を使用可能とすることが一般的であったが、近年では、指紋認証や指静脈認証などの生体情報を用いた認証装置が主流となっている。更に、これら生体認証装置は小型化され、情報処理装置とUSB接続されるなどして外部接続される携帯型の生体認証装置も提案されている。
【0003】
例えば、情報処理装置とUSB接続にて接続される従来の指静脈認証装置では、扁平な本体の上面に指を置くための突起するガイドを設け、このガイドに指を置くことで、ガイド内部から光を当て、その反射光を内部カメラで撮影して、その信号を情報処理装置に送信し、該撮影した画像の解析情報と、予め登録してある解析情報を一致するか否かで認証を行っている。
【0004】
一方、情報処理装置では、駆動中に所定時間経過すると、表示画面上に他の情報を表示するスクリーンセーバの技術がある。このスクリーンセーバは、本来、表示装置の焼付け防止として開発されたものであるが、近年、このスクリーンセーバを解除するに際し、パスワードを設定することにより、使用者の離籍中の情報漏えいを未然に防ぐようにしている。
【0005】
【特許文献1】特開2000−200113号公報
【特許文献2】特開2002−83298号公報
【特許文献3】特開2006−99493号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0006】
前記スクリーンセーバを解除するために、前記パスワードに代えて、生体認証装置を用いたり、あるいは、パスワードと生体認証を併用することで、離席中の他人の使用をできなくすることが可能である。
【0007】
しかしながら、前記スクリーンセーバでは、操作されない時間をカウントし、この時間が予め設定された時間を経過すると起動するようになっている。このため、使用者が離籍してから所定時間経過するまでは、他の人が、この情報処理装置を使用することができるという課題がある。
【0008】
一方、従来の生体認証装置では、指を置く撮影面が露出しているために、この撮影面にごみ等が付着したり、あるいは、携帯時に損傷しやすい課題がある。特に、光源と受光部との間に指や手などを挿入して、当該指や手などの生体情報を取得する生体認証装置では、装置が大きくなり携帯性に課題がある。
【0009】
そこで、この発明の目的とするころは、使用時と収納時で形態を変化させ、この形態の変化にともなって、前記スクリーンセーバの動作を制御する生体認証装置を提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0010】
本発明は、前記目的を達成するために、光源部を備えた第1本体と、撮影部を備えた第2本体と、第1の状態では前記光源部と前記撮影部とを所定の間隔で保持し、第2の状態では前記光源部と前記撮影部とを前記第1本体と前記第2本体との間に隠蔽させるように前記第2本体に対して前記第1本体を可動可能に連結する連結部と、前記第2の状態でスクリーンセーバ駆動信号を出力する駆動信号発生部とを備えるようにする。
【発明の効果】
【0011】
本発明によれば、使用状態では光源と撮影装置とが指や手などの挿入するための空間が形成されるので認証がしやすくなり、収納状態ではこれら光源と撮影装置が2つの本体内にコンパクトに収納されるので携帯性を向上することができるとともに、この収納状態となる形態の変化にともなってスクリーンセーバが起動されるので離籍中の情報漏えいを防止することができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0012】
以下、図1から図15を参照して、この発明に係る生体認証装置を詳細に説明する。ここで、図1から図7が第1の実施の形態を示し、図8から図10が第2の実施形態を示し、図11から図13が第3の実施の形態を示し、図14と図15が第4の実施の形態を示している。
【0013】
なお、同一の部位や方向などは同一符号を持って示し、重複した説明を省略する。
(第1の実施の形態)
図1から図7は、第1の実施の形態に係る生体認証装置を示している。ここで、図1は、この認証システム全体を現すシステム構成図である。図2は生体認証を接続した情報処理装置のブロック図である。図3と図4は生体認証装置の外観図であり、図3の(a)図が使用状態の平面図、(b)図が使用状態の正面図、(c)図が使用状態の側面図、(d)図が収納状態の側面図を示している。また、図4の(a)図が使用状態の斜視図、(b)図は収納状態の斜視図、(c)図は指を挿入した状態の使用状態図である。更に、図5、図6は情報処理装置の動作フロー図である。図7は動作中の表示画面を示している。
【0014】
先ず、図1を参照して、生体認証装置を用いた認証認証システムの概略構成を説明する。図1において、この認証システムでは、情報処理装置1Aと、この情報処理装置1Aとコードを介して接続される生体認証装置100と、前記情報処理装置1Aとネットワーク50を介して接続される会社サーバ51や自宅サーバ52などの複数のサーバから構成される。
【0015】
前記情報処理装置1Aは、制御部や記憶部などを備えた情報処理装置本体2と、この情報処理本体2に接続される表示部3とキーボード4及びマウス5などを含んで構成される。この情報処理装置1Aはネットワーク50を介して前記会社サーバ51や自宅サーバ52などと接続して各種の情報を前記表示部3に表示して各種の処理を実行することができる。ここでは、この情報処理装置1Aを各種の装置が分離したデスクトップで説明するが、ノート型の情報処理装置でも適用することができる。
【0016】
そして、この認証システムの大きな特徴の1つは、使用状態と収納状態(不使用状態)とで形態を変化させる生体認証装置100を、前記情報処理装置1Aの使用許可を与える認証装置に採用した点である。この生体認証装置100は、光源部111を備えた第1本体110と、撮影部121を備えた第2本体120と、使用状態では前記光源部111と前記撮影部121とを所定の間隔で保持し、収納状態では前記光源111と前記撮影部121とを第1本体110と第2本体120との間に隠蔽させる連結部150とを備えている。
【0017】
この実施の形態では、指血管パターンを図形情報として取得して認証を行う指静脈認証方式を採用した生体認証装置100を採用している。即ち、前記光源部111と前記撮影部121との間に指を挿入し、この指を透過する前記光源部111の光を前記撮影部121で取得することにより、前記指の血管パターンを図形情報として取得し、この図形情報を前記情報処理装置1Aに予め登録されている使用者の図形情報と照合することで認証を行うものである。
【0018】
この実施の形態では、前記第1本体110を1対の支柱部151で保持し、この支柱部151を矢印方向に上下スライドさせて第2本体120内に収納することが可能な前記連結部150とすることで、使用状態にあっては、前記第1本体110(光源部111)と第2本体120(撮影部121)との間に指を挿入する空間を確保し、収納状態では前記支柱部151を第2本体120内に収納したコンパクトな形態に変化させるとともに、前記前記第1本体110と第2本体120との間に光源部11と撮影部121とを隠蔽することができる。
【0019】
また、この認証システムの他の大きな特徴の1つは、前記使用状態から収納状態への形態の変化にともなってスクリーンセーバ駆動信号を出力する図示しない駆動信号発生部(図2に示すスイッチ160)を備えた点である。この情報処理装置1Aは、所定時間経過したら表示画面に予め設定した画面情報を表示するスクリーンセーバを設定することができる。そして、更に、前記駆動信号発生部を備えることにより、前記使用状態から収納状態への形態の変化にともなってスクリーンセーバを駆動させることができるので、離席する際や、任意のときにスクリーンセーバを駆動させることができる。
【0020】
また、この認証システムの他の大きな特徴の1つは、生体認証時に予め設定しておいた会社サーバ51や自宅サーバ52のアドレスの選択を行って、この選択に基づいて、前記選択されたサーバに簡単にアクセスすることができる。
【0021】
以下、図2から図7を参照して、この実施の形態に係る生体認証装置が接続される情報処理装置を更に詳細に説明する。
【0022】
図2において、この実施の形態では、情報処理装置1Aと前記生体認証装置100とをUSB端子にて接続することで両装置との電源と情報を共有することができる。前記情報処理装置1Aは、各種の情報を格納する記憶部6と、各種の情報を表示する表示部3と、ネットワーク50と接続するための通信部7と、キーボード4やマウス5とで構成される入力部8と、この情報処理装置1Aを統括的に制御する制御部9とを含んで構成される。
【0023】
前記生体認証装置100は、その内部に光源部111と撮影部121(カメラ)とスイッチ160(駆動信号発生部)と干渉フィルタ122と画像処理部123等を備え、光源部111と撮影部121との間に、指を挿入することで、干渉フィルタ122を介して指静脈情報の画像信号を取得することができる。この指静脈情報は指血管パターンを図形情報として取得する。指静脈情報の代わりに、手のひら静脈情報や、その他の生体情報を用いることが可能な場合には、それらを用いてもよい。
【0024】
前記撮影部121の画像信号は、画像処理部123によってデジタル情報に変換され、情報処理装置1Aの入出力インタフェース124を介して前記記憶部6に格納される。更には、スイッチ160も同様に入出力インタフェース124を介して接続され、オン/オフの状態が前記記憶部6に格納されるか、もしくは、オフになると同時に前記制御部9に対して割り込み信号を発生する。
【0025】
なお、本実施形態では、生体認証装置100を構成する生体情報読取部で指の静脈を読み取って認証に用いるものであるため、手のひらの静脈を読み取って認証に用いる場合と比較して、認証情報の容量が小さく、認証速度が速く、しかも、認証装置が小型で使い勝手がよいものである。
【0026】
前記制御部9は、この情報処理装置1Aの起動時及びスクリーンセーバの解除時及び各種プログラム中で認証が必要な場合に認証を行うソフトウェアプログラムを起動し実行する。そして、プログラムの処理結果に基づき、その結果を、前記表示部に表示したり、あるいは認証結果に基づいた所定の処理を実行する。
【0027】
また、この実施の形態では、制御部9が前記生体認証装置100から割り込み信号を受信すると、スクリーンセーバのプログラムを実行する。これにより、使用者は、前記第1本体110の押し込み動作を行うだけで、任意の希望する時にスクリーンセーバを起動することができる。
【0028】
次に、図3と図4を参照して、この実施の形態に係る、生体認証装置100の外観構造を説明する。
この実施の形態では、生体認証装置100全体を前後に丸みがあり、上方に向かった先細りの丸みを基調とした外観形状としている。この外観を実現するために、第2本体120の平面形状を、その前後面が円弧で形成される前後方向に奥行きのある楕円形状とし、その周側面は下方に開いた傾斜面で形成している。一方、第1本体110は、前記第2本体120より一回り小さい平面形状を備えた薄い板状に形成され、その下面の両側やや後方に、下方に延びる一対の支柱部151を備えている。この第1本体110の底面の中央には前後方向に直線状に配列される光源部111が配置される。この光源部111は複数のLED光源から構成されるものである。一方、前記第2本体120の上面には、指を所定の位置にセットするためのガイド125が突出して設けられている。図3の(a)(b)図に示すように、このガイド125の中央は開口しており、その開口部に干渉フィルタ122が配置され、この干渉フィルタ122の下部に斜めに配置される反射板126が設けられ、この反射板126と対向する位置に撮影部121が配置される。したがって、光源部111から照射された光は指と干渉フィルタ122を通過した後、反射板126で屈折して撮影部121に取り込まれる。
【0029】
(b)図に示すように、この実施の形態では、指を第1本体110と第2本体120と一対の支柱部151で構成されるトンネル状の開口部に挿入する方式としている。このトンネル状の開口部に指を挿入する方式は、周囲から外光を遮蔽する精度的なメリットを備えている反面、開口部に指を挿入するため、使用者に心理的な不安を抱かせる課題がある。そこで、この実施の形態では、前記一対の支柱部151を中央やや後方の位置に設けて、その前部を大きく、その後方をやや小さめに開放することにより、前記撮影精度を維持しつつ、使用者の不安を軽減している。即ち、この構造によれば、指を挿入する前面が大きく開口し、挿入した指の先端を後方の開口部を介して望むことができるので、使用者の不安感が軽減される。一方、認証を行う計測部位である指の中間部分は両側の支柱部151によってカバーされるので撮影精度を向上させることができる。
【0030】
なお、指のセット位置を案内するガイド125は前部ガイド125Aと後部ガイド125Bが分離可能に取り付けられており、上面の指案内のための凹部形状が異なる他の同種部材と交換することができる。これにより、指の大きさの異なる子供や大人の使用者に対応することができる。
【0031】
また、前記第2本体120の前記一対の支柱部151に対応する位置には前記支柱部151を収納するための図示しない凹部が形成される。この凹部は前記支柱部151を上下方向に移動させる案内レールの機能を備えており、また、支柱部151がこの凹部の最上部に常に維持するように作用する図示しないバネと、支柱部151が最上部の位置以上に移動しないように作用する図示しない外れ防止手段、及び支柱部151が最下部に位置した際に、その最下部の位置を維持させる図示しないロック手段を備えている。前記ロック手段は、最下部に一度押し込むと、この最下部からやや上方位置で支柱部151をロックし、このややゆとりのある範囲で再度押し込むと前記ロック状態を解除する公知のロック手段を採用している。
【0032】
なお、図3において、第1本体110の上面には、動作中に点燈する動作確認ランプ112が配置されている。この動作確認ランプ112は、待機中と読み取り中、及び、再読み取りなどの状態を色や点滅などを変化させることで使用者に知らせることができる。
【0033】
次に、図5及び図6の動作フロー図を基に、図7の表示画面の遷移を参照しながら、この生体認証装置が接続される情報処理装置の動作フローを説明する。
【0034】
図5において、制御部9は、情報処理装置1Aの電源が投入されるとOSを起動し(ステップ300)、そして予めこの情報処理装置1Aにインストールされた認証プログラムを起動する(ステップ302)認証プログラムが起動すると、制御部9は前記生体認証装置100に対して起動命令の信号を発信して、前記生体認証装置100のスイッチ160がオン状態であって、前記第1本体が引き上げられて使用状態か否かを検知する。前記スイッチ160は使用状態ではオン信号を発信し、収納状態ではオフ信号を発信する。制御部9はオフ信号を受信すると表示部の表示画面に図7の(a)図に示すように、「指認証をON状態としてください」とのガイダンスを表示する(ステップ318)。
【0035】
一方、制御部9はオン信号を受信すると、図9の(b)図に示すように、「認証を行ってください」との認証を促すガイダンスを表示して、光源部111を点燈して待機状態となる(ステップ306)。そして、認証対象物(指)があるか否かを監視し(ステップ308)、指が挿入されると認証作業を開始するとともに、表示画面に、図9の(c)図に示すように、「認証中」とのガイダンスを表示する(ステップ310)。制御部9は、撮影された画像と予め前記記憶装置6に格納された認証情報とが一致するか否かを判定し(ステップ312)、2つの情報が不一致であれば、図9の(d)図に示す再認証を促す「再度認証を行ってください」とのガイダンスを表示し(ステップ320)、2つの情報が一致すれば、起動モードを選択する図9の(e)図に示すアクセスモードの選択を促すガイダンスを表示する(ステップ316)。
【0036】
このステップ316において、制御部9は「このPCを起動させる」が選択されると、この情報処理装置1Aのデスクトップ画面を表示し(ステップ316)、会社サーバまたは自宅サーバが選択されれば、当サーバにアクセスするように動作する(ステップ322)。
【0037】
この実施の形態では、前記記憶部6に会社サーバ、または自宅サーバのアドレスを格納しており、前記2つのサーバの1つが選択されると、前記制御部9は記憶部6から選択されたサーバのアドレスを呼び出して、前記認証された生体情報とともに当該選択されたサーバにアクセスを行うとともに、この情報処理装置1Aを起動させる。この認証フローによれば、他のサーバにアクセスするに際し、一端この情報処理装置1Aを起動させて、更に、アクセスするサーバのアドレスを選択するなどのステップを省略することができるので簡単である。
【0038】
また、この情報処理装置1Aは、デスクトップ画面が表示され、他のプログラムが起動した状態では、常に、入力部8からの信号と前記生体認証装置100からの閉鎖信号(オフ)信号を監視している(ステップ350)。この監視状態では、入力部8からの操作信号が一定時間経過してもない場合、あるいは、前記生体認証装置100の第1本体120が押し込まれてスイッチ160がオフ信号(閉鎖信号)が発信されたか否かを監視している。
【0039】
制御部9は、入力部8からの操作信号が一定時間経過してもない場合、またはオフ信号(閉鎖信号)を受信した場合、スクリーンセーバを起動させる(ステップ352)。そして、制御部9は、入力部8を介して操作信号が成された否か、または前記生体認証装置100の第1本体110が引き上げられてスイッチ160からのオン信号(開放信号)が発信されたか否かを監視している(ステップ354)。そして、制御部9は、前記入力部8を介して操作信号が成された場合、または、スイッチ160からのオン信号を受信した場合は認証プログラムを起動させ(ステップ302)、前記図5と同じ動作フローを実行する。
【0040】
このように、この実施の形態によれば、生体認証装置の形態を変化させることでもスクリーンセーバを起動させることができるので、使用者が離席する場合、あるいは、秘密情報を作成中に面接者が来た場合などの急いで、現在表示中の情報を隠したい場合に非常に便利である。そして、再開するに当たっては、通常のスクリーンセーバの解除と同じ手順で作業を行うことができるので、取り扱いが容易である。
(第2の実施の形態)
次に、図8から図10を参照して、第2の実施の形態に係る生体認証装置100Bを詳細に説明する。図8は使用状態の外観図を示したものであり、(a)図が平面図、(b)図が正面図、(c)図が左側面図、(d)図が右側面図、(e)図が背面図、(f)図が(b)図のVV断面図である。図9は、収納状態の外観図であり、(a)図が平面図、(b)図が底面図、(c)図が正面図、(d)図が右側面図、(e)図が背面図、(f)図がVV断面図を示している。図10の(a)図が収納状態の斜視図、(b)図が使用状態の斜視図、(c)図が指を置いた状態の正面図、(d)図が指を置いた状態の斜視図である。
【0041】
図において、この実施の形態では、撮影部121を備えた第2本体120Bに対して、光源部111を備えた第1本体110Bが回転連結部154を介して折りたたみ可能としたものである。前記第2本体120Bは、横幅に対して奥行きが長い平面形状をほぼ四角形とする比率を備えている。この第2本体120Bの上面の中央には、前記干渉フィルタ122を備えた受光窓127が設けられ、その一方の片側には前記回転連結部154が設けられ、他方の片側には第1本体110Bを嵌合するための切欠部128が形成されている。また、前記切欠部128と受光窓127との間には指のガイド機能及び第1本体110Bの収納時のロック状態を確保する突起部129が設けられている。
【0042】
一方、前記第1本体110Bは、片側が前記回転連結部154に取り付けられ、他の片側が鍵形状に屈曲して形成され、この屈曲部113の内側に前記光源部111が前後方向に配列されている。この第1本体110Bは、図8に示すように、前記回転連結部154により、使用状態では、垂直に保持され、前記光源部111が下方に向くように保持される。
【0043】
ここで、前記回転連結部154は、その回転軸が図示しないバネを介して周囲方向に移動可能に設けられている。このため、屈曲部113を備えた第1本体110Bを折りたたむ際に、前記回転軸が前後方向に移動するため、この第1本体110Bを折りたたむことができる。
【0044】
この使用状態から、図9のように、第1本体110Bを折りたたむことで、この第1本体110Bが前記第2本体120Bの上面全体を覆うことで前記受光窓127を隠蔽し、かつ、前記屈曲部113が切欠部128に嵌合することで前記光源部111が隠蔽される。この収納状態では、図8(b)(f)図に示すように、突起部129が、この突起部129と対応する第1本体110Bに形成される凹部114と嵌合するので、収納状態を保持することができる。
【0045】
この実施の形態では、第1本体110Bの平面形状を前記第2本体120Bの平面形状と同じ大きさに設定しているので、収納状態では、全体の大きさが箱型を成す収納性に適した形状とすることができる。ここで、第2本体120Bの裏面には情報処理装置1Aと接続するためのUSBコネクタ130が設けられている。
【0046】
図10において、この実施の形態では、前記受光窓127に干渉フィルタ122が設けられ、その内部に撮影部121や反射板126などが第1の実施の形態と同様に設けられている。また、使用状態で下方に向く屈曲部113には光源部111が奥行き方向に設けられている。
【0047】
この実施の形態では、図10の(c)(d)図に示すように、指を手前から後方に向かって挿入する。つまり、前記回転連結部154と前記突起部129に指をセットする。これにより、上方に配置した光源部111からの光を、指を通過させて、前記受光窓127で受けることができる。この際、片側を前記第1本体110Bで外光を遮蔽し、他の片側を突起部129でその一部の外光を遮蔽することができるので、性能面で有利であるとともに、一方の片側が開放されているので、使用者の不安感を軽減できる。そして、収納状態では、コンパクトな箱型に収納されるので、携帯性に便利である。
【0048】
(第3の実施の形態)
次に、図11から図13を参照して、第3の実施の形態に係る生体認証装置100Cを詳細に説明する。図11は使用状態の外観図を示したものであり、(a)図が正面図、(b)図が右側面図、(c)図が平面図、(d)図が背面図、(e)図が(a)図のXX断面図、(f)図が(a)図のVV断面図である。図12は、収納状態の外観図であり、(a)図が平面図、(b)図が底面図、(c)図が正面図、(d)図が背面図、(e)図が右側面図である。ここで左側面図は右側面図と対象につき省略している。図13の(a)図が収納状態の斜視図、(b)図が使用状態の斜視図、(c)図が指を置いた状態の正面図、(d)図が指を置いた状態の斜視図である。
【0049】
図において、この実施の形態では、撮影部121を備えた第2本体120Cに対して、光源部111を備えた第1本体110Cが回転連結部154を介して折りたたみ可能としたものである。ここで、前記第2の実施の形態と違うのは、前記回転連結部154が第2本体120Cの後方に配置され、第1本体110Cを手前に折りたたむ構造を備えた点である。
【0050】
第2本体120Cは、奥行き方向に長い箱型の形状を備え、その上面には受光窓127が配置され、その後端部に前記回転連結部154がこの受光窓127を備えた上面より隆起させて設けられている。一方、前記第1本体の110C一端は前記回転連結部154に取り付けられ、他の片側が鍵形状に屈曲して形成され、この屈曲部113の内側に前記光源部111が前後方向に配列されている。この第1本体110Cは、図11に示すように、前記回転連結部154により、使用状態では、垂直に保持され、前記光源部111が下方に向くように保持される。
【0051】
ここで、前記回転連結部154は、その回転軸が図示しないバネを介して周囲方向に移動可能に設けられている。このため、屈曲部113を備えた第1本体110Bを折りたたむ際に、前記回転軸が前後方向に移動するため、この第1本体110Bを折りたたむことができる。
【0052】
また、前記回転連結部154の中央は、凹状に形成され、この凹部155に隣接する第1本体110Cの端部には開口部115が形成される。凹部155は、指の先端を保持するためのガイドであり、前記開口部115は、凹部155に指の先端をセットした際に、その指の先端部を逃がすための機能を果たすものである。一方、前記第2本体120Cの上面前部には、指の根元を位置決めする凹部131が形成される。このように、この実施の形態では、前記受光窓127の前後部に前記凹部131と前記凹部155を形成することにより、指の位置決めが容易である。
【0053】
また、図11の(f)図に示すように、この実施の形態では、光源部を屈曲部の両側に一対設けている。
【0054】
この使用状態から、図12のように、第1本体110Cを折りたたむことで、この第1本体110Cが前記第2本体120Bの上面全体を覆うことで前記受光窓127を隠蔽し、かつ、前記屈曲部113が前記第2本体120Bの正面部を覆うことで前記光源部111が隠蔽される。
【0055】
この実施の形態では、第1本体110Cの平面形状を前記第2本体120Cの平面形状と同じ大きさに設定しているので、収納状態では、全体の大きさが箱型を成す収納性に適した形状とすることができる。ここで、第2本体120Cの裏面には情報処理装置1Aと接続するためのUSBコネクタ130が設けられている。
【0056】
図13において、この実施の形態では、前記受光窓127に干渉フィルタ122が設けられ、その内部に撮影部121や反射板126などが第1の実施の形態と同様に設けられている。また、使用状態で下方に向く屈曲部113には光源部111が奥行き方向に設けられている。
【0057】
この実施の形態では、図13の(c)(d)図に示すように、指を手前から後方に向かって挿入する。つまり、前記開口部115に指の先端を挿入して、この指の指先が前記凹部155に合うように指の位置決めを行うことで、指を所定の位置に合わせることができる。
これにより、上方に配置した光源分111からの光を、指を通過させて、前記受光窓127で受けることができる。この際、前方からの外光が第1本体110Cを介して遮蔽することができるので、性能面で有利であるとともに、前方のその両側を大きく開放することができるので、使用者の不安感を軽減できる。そして、収納状態では、コンパクトな箱型に収納されるので、形態性に便利である。
【0058】
(第4の実施の形態)
次に、図14と図15を参照して、第4の実施の形態を説明する。図14は生体認証装置を接続した情報処理装置の装置ブロック図である。図15は、生体認証装置と情報処理装置との連携動作の動作フロー図である。この実施の形態は、生体認証装置100Dに、この生体認証装置100Dを制御する認証制御部162と、会社サーバ151や自宅サーバ152のアドレスやパスワード及び関連する認証データを格納するメモリ161を備えた点である。
【0059】
この認証制御部162と情報処理装置1Aの制御部9との連携動作を図15に基づいて更に説明する。図15において、制御部9は、情報処理装置1Aの電源が投入されるとOSを起動し(ステップ370)、そして予めこの情報処理装置1Aにインストールされた認証プログラムを起動する(ステップ372)認証プログラムが起動すると、制御部9は前記生体認証装置100Dに対して起動命令を発信し、準備完了信号情報の受信を監視し(ステップ274)、準備完了信号が所定時間内に受信しないと開放ガイダンス表示を表示部3に行う(ステップ275)。
【0060】
この実施の形態に係る前記認証制御部162は、前記スイッチ160がオン状態(使用状態)の時に起動し、前記スイッチ160がオフ状態(収納状態)の時に起動しない。このため、前記認証制御部162がオン状態の時に、前記起動命令を受けると準備完了信号情報とともに認証ガイダンス表示の情報をメモリ161から読み出して前記制御部9に提供する。制御部9はこの情報に基づいて認証ガイダンス表示を表示部3に行う。
【0061】
認証制御部162は、認証対象物(指)が挿入されたか否かを監視し(ステップ284)、認証対象物(指)の検知を開始すると、メモリ161から認証中のガイダンス情報を読み出して前記制御部9に提供する(286)。制御部9はこの情報に基づいて認証中のガイダンス表示を表示部3に行う。
【0062】
認証制御部162は撮影された認証データが予め前記メモリ161に格納されたデータと一致するか否かを判定し(ステップ288)、認証不可であれば、前記メモリ161から再認証ガイダンス表示情報を呼び出して制御部9に提供する(ステップ291)。制御部9はこの情報に基づいて再認証のガイダンス表示を表示部3に行う。
【0063】
認証制御部162は、認証可の場合、メモリ161からモード選択情報の画面データを呼び出して制御部9に提供する。制御部9はこの情報に基づいてモード選択画面を表示し、デスクトップが選択されるか否かを監視する(ステップ276)。制御部9は、デスクトップが選択されると、表示部3にデスクトップ画面を表示し(ステップ278)、デスクトップ以外が選択されると、選択されたサーバのアドレス情報の提供を認証制御部162に要求する。この要求を受けた認証制御部162はメモリ161から対応するサーバのアドレスと認証関連データを含めて制御部9に提供する(ステップ292)。制御部9はこの情報に基づいて対応するサーバにアクセスを行う(ステップ280)。
【0064】
このように、この実施の形態では、認証と認証に関連する処理を認証制御部162で行い、他の処理を制御部9で行うことで、2つの制御部が連携して認証処理を実行する。また、この実施の形態では、図6の処理も第1の実施の形態と同様に行うことができる。この実施の形態によれば、USB接続される生体認証装置110Dで認証に関する処理を独自に行うことができるので、情報処理装置1Aを選ばないで、情報処理装置を認証することができる。したがって、記憶装置を備えない情報処理装置であって、通信回線を介してサーバにアクセスして各種の処理を実行する情報処理装置の認証装置に有効である。
【0065】
前記第1の実施の形態から第4の実施の形態では、2つの本体を可動可能に連結して、この2つの本体の形態の変化にともなってスクリーンセーバの駆動信号を出力するようにしているが、2つの本体を可動可能に連結することなく、スクリーンセーバを駆動させるスイッチを生体認証装置に備えるようにしてもよい。
【0066】
また、図5で説明した動作フローではステップ314とステップ322を行うようにしているが、これを行うことなく認証が承認された際にデスクトップ画面を表示するようにしても良い。
【図面の簡単な説明】
【0067】
【図1】第1の実施の形態に係る認証システム全体を現すシステム構成図である。
【図2】第1の実施の形態に係る生体認証を接続した情報処理装置のブロック図である。
【図3】第1の実施の形態に係る生体認証装置の外観図である。
【図4】第1の実施の形態に係る生体認証装置の外観図である。
【図5】第1の実施の形態に係る情報処理装置の動作フロー図である。
【図6】第1の実施の形態に係る情報処理装置の動作フロー図である。
【図7】第1の実施の形態に係る動作中の表示画面図である。
【図8】第2の実施の形態に係る生体認証装置の外観図である。
【図9】第2の実施の形態に係る生体認証装置の外観図である。
【図10】第2の実施の形態に係る生体認証装置の外観図である。
【図11】第3の実施の形態に係る生体認証装置の外観図である。
【図12】第3の実施の形態に係る生体認証装置の外観図である。
【図13】第3の実施の形態に係る生体認証装置の外観図である。
【図14】第4の実施の形態に係る生体認証を接続した情報処理装置のブロック図である。
【図15】第4の実施の形態に係る情報処理装置と生体認証装置の動作フロー図である。
【符号の説明】
【0068】
1…情報処理装置、2…情報処理装置本体、3…表示部、4…キーボード、5…マウス、6…記憶部、7…通信部、8…入力部、9…制御部、50…ネットワーク、51…会社サーバ、52…自宅サーバ、100…生体認証装置、110…第1本体、111…光源部、112…動作確認ランプ、113…屈曲部、114…凹部、115…開口部、120…第2本体、121…撮影部、122…干渉フィルタ、123…画像処理部、124…入出力インタフェース、125…ガイド、125A…前部ガイド、125B…後部ガイド、126…反射板、127…受光窓、128…切欠部、129…突起部、130…USBコネクタ、150…連結部、151…支柱部、154…回転連結部、155…凹部、160…スイッチ、161…メモリ、162…認証制御部。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
光源部を備えた第1本体と、撮影部を備えた第2本体と、第1の状態では前記光源部と前記撮影部とを所定の間隔で保持し、第2の状態では前記光源部と前記撮影部とを前記第1本体と前記第2本体との間に隠蔽させるように前記第2本体に対して前記第1本体を可動可能に連結する連結部と、前記第2の状態でスクリーンセーバ駆動信号を出力する駆動信号発生部とを備えた
ことを特徴とする生体認証装置。
【請求項2】
前記請求項1記載の生体認証装置において、
前記第1本体は前記第2本体の上方に配置されて、その底面に前記光源部が配置され、
前記第2本体は、その上面に前記撮影部の撮影窓を備え、
前記連結部は、前記第1本体の底面の両側に形成される一対の支柱部と、前記第2本体の上面に形成される前記支柱部を出没可能に収納する収納部と、前記第1または第2の状態を保持するロック手段とを備えている
ことを特徴とする生体認証装置。
【請求項3】
前記請求項1記載の生体認証装置において、
前記連結部は、前記第2本体に対して前記第1本体を折りたたみ可能に連結する
ことを特徴とする生体認証装置。
【請求項4】
各種の情報を表示する表示装置と、各種の情報を格納した記憶装置と、ネットワークに接続する通信装置と、生体認証装置と、制御装置とを備えた情報処理装置であって、
前記生体認証装置は、光源部を備えた第1本体と、撮影部を備えた第2本体と、第1の状態では前記光源部と前記撮影部とを所定の間隔で保持し、第2の状態では前記光源部と前記撮影部とを前記第1本体と前記第2本体との間に隠蔽させるように前記第2本体に対して前記第1本体を可動可能に連結する連結部と、前記第2の状態でスクリーンセーバ駆動信号を出力する駆動信号発生部とを備え、
前記制御部は、前記スクリーンセーバ駆動信号を受け付けると、前記表示装置の表示画面に予め設定される画面情報を表示する
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項5】
前記請求項4記載の情報処理装置において、
前記第1本体は前記第2本体の上方に配置されて、その底面に前記光源部が配置され、
前記第2本体は、その上面に前記撮影部の撮影窓を備え、
前記連結部は、前記第1本体の底面の両側に形成される一対の支柱部と、前記第2本体の上面に形成される前記支柱部を出没可能に収納する収納部と、前記第1または第2の状態を保持するロック手段とを備えている
ことを特徴とする情報処理装置。
【請求項6】
前記請求項4記載の情報処理装置において、
前記連結部は、前記第2本体に対して前記第1本体を折りたたみ可能に連結する
ことを特徴とする情報処理装置。


【図1】
image rotate

【図2】
image rotate

【図3】
image rotate

【図4】
image rotate

【図5】
image rotate

【図6】
image rotate

【図7】
image rotate

【図8】
image rotate

【図9】
image rotate

【図10】
image rotate

【図11】
image rotate

【図12】
image rotate

【図13】
image rotate

【図14】
image rotate

【図15】
image rotate


【公開番号】特開2008−77259(P2008−77259A)
【公開日】平成20年4月3日(2008.4.3)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−253723(P2006−253723)
【出願日】平成18年9月20日(2006.9.20)
【出願人】(000005108)株式会社日立製作所 (27,607)
【Fターム(参考)】