説明

生化学計器における反応温度を制御する方法および装置

生化学分析器において1つ以上の反応容器の温度を制御する方法および装置は、好ましくは鋳造アルミニウムまたは類似のものから作られる熱交換ブロック、および所望の温度範囲内にブロックを加熱または冷却する熱電気装置を備えている。伝熱ブロックは、熱エネルギ移動関係で1つ以上の反応容器を受け入れ、熱エネルギ移動関係で熱容器の内部に液体または気体を伝導するように働く1つ以上の流体導管をさらに支持する。好ましくは、伝熱ブロックは、アルミニウムから鋳造され、流体導管は、鋳物の中に配置される。共通のブロックに反応容器および流体導管を支持することによって、単一の熱電気装置および制御器が、複数の流体試薬および/または気体、ならびに1つ以上の反応容器のそれぞれの温度を同時に制御するために用いられ、それによって、熱制御システムの所要電力を減少させる。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
(発明の分野)
本発明は、例えば、血液学および血液化学分析器などの生化学計器における反応の温度を制御する装置の改良に関する。
【背景技術】
【0002】
(先行技術)
血液学および他の血液分析計器において、後の分析のための試料を作成するために、少量の血液試料を特定の希釈剤および/または液体試薬と混合することが必要である。例えば、血液学計器において、正確な量の全血液試料は、後の示差白血球分析に有用である所望の同質の希釈された濃度の溶解した細胞を得るために、反応容器において溶解および安定して溶解する試薬に順次に混合される。同様に、正確な量の全血液試料、希釈剤および溶解する試薬は、試料を同時に希釈し、有核の赤血球分析のための試料を作成するために成熟の赤血球の試料を除去するために、一般に一緒に混合される。化学分析器において、試料における対象とする特定の化学元素または化合物の存在に応じて色を変化させる液体の試薬に少量の血清を混合することが一般的である。両方のタイプの計器において、化学反応の所望の結果および/または試料作成処理に関係した流体の混合が容易に達成され得る最適な温度かまたはそれに近い温度で、試料作成処理を実行することが常に望ましい。しばしば、この最適な温度は、室温、すなわち華氏約75度(°F)の近くである。管理当局は、これらの計器が例えば、60〜90°Fの相対的に広い周囲温度範囲内で申し分なく動作する能力がなければならないと規定するので、そのような計器において、試料作成が選択された最適な温度かまたはそれに近い温度で実行されることを確実にするために、反応容器ならびに試料および試薬の両方のそれぞれの温度を制御するいくつかの手段を提供することが必要である。
【0003】
同一人に譲渡されたOkawaらに対する特許文献1において、化学分析器において反応温度を制御する装置が開示される。そのような装置は、複数の反応容器すなわち「セル」の温度を制御するために動作し、一方同時に、受け入れセルの温度を乱すことなく各セルに供給される液体の温度を制御する。そのような装置は、複数の熱電気の加熱/冷却エレメントを備え、一部の該エレメントは、個々の反応セルを所望の反応温度に個々に加熱または冷却(周囲温度によって)するように働き、他のエレメントは、流体試薬が反応セルに供給される個々の導管を加熱または冷却するように働く。試薬の温度を制御するために、試薬導管は、熱電気加熱/冷却エレメントが熱的に結合されるアルミニウムの円筒形の「小塊(slug)」の回りにコイル状に巻かれる。コイルは、反応セルに届けられるべき流体の少なくとも最大の選択可能な量を保持するような大きさに作られる。従って、熱電気装置によって加熱(または冷却)されると、金属の小塊は、その回りに巻かれた試薬の導管およびその中にある液体に熱を伝えるか、または該導管およびその中にある液体から熱を除去する。この配置により、試薬の温度は、反応セルへの通過の前に、所望の温度に一致するようにされ得る。同時に、複数の反応セルの反応セル温度の制御は、各容器の温度を独立して制御するために、複数の熱伝導容器の各々に独立の熱電気の加熱/冷却エレメントを熱的に結合することによって達成される。
【0004】
上記の装置において、試薬導管および試薬容器の各々を加熱または冷却するための複数の熱電気の加熱/冷却装置に対するニーズは、熱制御システムを、製造、較正、維持するのに相対的に複雑でかつ費用のかかるものにしている。
【特許文献1】米国特許第4,858,155号明細書
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0005】
前述の討議を考慮して、本発明の目的は、反応容器ならびに種々の液体および気体が反応容器の中に導入され得る複数の流体導管を選択的かつ同時に加熱または冷却するためにただ1つの熱電気制御を必要とする上記のタイプの熱制御システムを提供することである。
【0006】
本発明の別の目的は、複数の反応容器、および複数の反応容器に後の分析のための複数の液体試料を作成するのに必要な成分を供給するように働く複数の流体導管のそれぞれの温度を選択的かつ同時に制御する改良された装置を提供することである。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明の好ましい装置は、(a)ブロックであって、ブロックが反応容器の反応チャンバ部分の側壁および/または底壁に熱的に密接に接触するように、1つ以上の反応容器を受けかつ支持するような外形である第1の空洞と、熱伝導関係で、反応容器に液体および/または気体を供給するように働く1つ以上の流体導管を支持するように適合される第2の空洞とを有する、好ましくはアルミニウムから作られる熱伝導材料のブロックと、(b)熱伝導ブロックの温度を感知し、そのような温度を示す制御信号を生成する、好ましくはサーミスタである熱センサと、(c)熱制御装置であって、流体が流体導管を通過し反応チャンバに入るときに、熱伝導ブロックを所望の温度に維持するために、熱伝導ブロックを選択的に加熱または冷却する制御信号に応答する熱制御装置とを備えている。好ましくは、熱伝導ブロックは複数の流体導管および複数の反応容器を支持する。ブロックが鋳造されたアルミニウムから作られ、導管がステンレス鋼などの耐久性のある高熱伝導性の金属から作られることがさらに好ましく、導管は、ブロックが形成される鋳造工程中にブロックの内部の中に一体化される。
【0008】
本発明のおかげで、いくつかの試薬および反応チャンバの温度は、単一の熱電気ユニットによって制御され得る。さらに以下に説明されるように、ブロックのエネルギ貯蔵容量を介して冷却または加熱の負荷を散布することによって、熱電気装置の所要電力が最小限にされる。なおもさらに、構造のコンパクト性は高いエネルギ効率性という結果になる。
【0009】
本発明およびその様々な局面および利点は、同様な参照記号は同様な部品または構成要素を示す添付の図面を参照して、以下の好ましい実施形態の詳細からより良く理解される。
【発明を実施するための最良の形態】
【0010】
(好ましい実施形態の詳細な説明)
ここで図を参照すると、図1は、分析のための血液試料を作成するための血液学計器において用いられるタイプの複数の反応容器RV1〜RV3を例示する。各反応容器は、囲まれた混合チャンバ部分(MC1〜MC3として示される)を規定し、下にある混合チャンバを囲むキャップCを備えている。各キャップは、1つ以上の入力ポートPを支持し、入力ポートを通って、様々な試薬(例えば、溶解剤(lyse)L、安定剤(stabilyse)Sおよび希釈剤D)が混合チャンバの中に導入され得る。各容器は、試薬をその中にある試料に均一に混合させるために、ポートP’を通って加圧空気Aが混合チャンバの内容に選択的に向けられ得る、ポートP’と、開口部8を通って、血液試料が試薬との混合のための混合チャンバの中に調合され得る、容器の上部に形成される開口部8(図7に最も良く示される)とをさらに備えている。混合チャンバにおける血液試料の作成に続いて、作成された試料PSは、ポートP”を通って反応容器から移動され得る。作成された試料が分析されている間に、各混合チャンバは、希釈剤によって洗浄され、廃液は、廃棄ポートWを通って除去される。図1において、3つの反応容器RV1〜RV3は、示差白血球分析(DIFF)、有核赤血球(NRBC)分析、および網状赤血球(RETIC)分析のための血液試料を作成するために用いられるとしてそれぞれ例示される。
【0011】
上記のように、血液学計器および類似の生化学分析器は、一般的に、例えば60〜90°Fの周囲温度である相対的に広い範囲にわたって動作するように設計される。しかし、試薬が血液試料に最も良く反応する温度は、設計上、例えば、75+/−3°Fのほぼ通常の室温である。従って、計器の周囲温度が最も良い反応温度範囲外であるとき、所望の反応を維持するように試薬および/または反応容器を冷却または加熱のいずれかを行なうことが非常に望ましい。
【0012】
図2〜図5において、上記のタイプの計器における複数の反応容器およびそれに供給される試薬のそれぞれの温度を選択的に加熱または冷却する装置が、図5に最も良く示される熱伝導の熱交換ブロック10を備えているものとして示される。そのような装置は、熱電気加熱/冷却装置12をさらに備え、熱電気加熱/冷却装置12は、使用時に制御器18に動作可能に接続されるコネクタ19を有する、サーミスタなどの温度センサ13の出力に応答してブロック10の温度を制御するために、マイクロプロセッサベースの制御器18の制御の下で動作する。センサ13は、ブロック10に熱的に結合され、熱交換ブロックの瞬間的な温度を反映する出力信号を連続して生成する。好ましくは、ブロック10は、高い熱伝導性の金属材料の固体の部品から組み立てられ、最も好ましくは、アルミニウムまたは銅の合金から鋳造される。図4および図5に最も良く示されるように、ブロック10は、複数の反応容器受け入れ空洞14を規定し、各々の空洞は、熱エネルギ伝導関係において、少なくとも反応容器RVの混合チャンバ部分MCを受け(receive)、受け入れる(cradle)ように外形が作られる。従って、ブロック10の温度を制御することによって、すべての3つの反応容器(示される実施形態において)の温度は、ブロックと各反応容器の混合チャンバとの間の熱エネルギの伝達によって同時に制御される。
【0013】
図3〜図6に最も良く示されるように、熱交換ブロック10は、複数の流体の導管16を支持し、そこに熱エネルギを移動させるようにさらに機能し、複数の導管16によって、試料および試薬が混合のために反応容器中で調合される。これらの導管は、反応容器の混合チャンバ内で物質の空気噴射混合を提供するために用いられる、例えば空気などの加圧気体を伝導するようにさらに働く。図6において、3対のそのような導管が示され、各対は、螺旋形に巻かれ、互いにかみ合わされる第1の個々の導管16Aおよび第2の導管16Bのそれぞれを備えている。かみ合わせは、熱エネルギを導管に移動するためにブロック10内において必要とされるスペースを保存するように働き、螺旋状の巻きは、各導管の長さおよび伝熱面積、ならびに各導管と、各導管の入口カップリング20から各導管の出口カップリング22に通過する流体との間の熱交換能力を効果的に拡張する。好ましくは、導管16Aおよび16Bの各々はステンレス鋼から作られ、図4に示されるように、各々は、鋳造されたアルミニウムブロックにはめ込まれ、それによって、ブロックと導管内の流体との間において優れた伝熱が提供される。ブロック10への流体の導管のそのようなはめ込みは、溶解アルミニウムをモールドの中に注ぐ前に、ブロック10の外形を規定するモールドに導管の位置を定めることによって達成され得る。導管は、ブロック材料の融解温度より実質的に高い融解温度を有し、ブロック材料と化学的に反応しない任意の材料から作られ得る。ステンレス鋼が好ましい。
【0014】
熱電気制御装置12は、従来的な方法で、反応容器およびそれに供給される流体の温度を調整するために、必要に応じ熱交換ブロック10の温度を変動するように働く。そのような装置は市販されており、好ましい熱電気制御装置は、Supercool U.S.Inc.から入手され得る。熱交換ブロック10の機能は、熱電気装置12に熱エネルギを蓄え、熱電気装置12から熱エネルギを除去すること、流体導管によって運ばれる液体試薬または空気に熱エネルギを移動させ、流体導管によって運ばれる液体試薬または空気から熱エネルギを吸収すること、および反応容器の反応チャンバに対する温度制御されたその場の周辺を提供することを含む。ブロック−温度センサ13は、熱交換ブロック10に取り付けられ、コネクタ19を介して制御基板18に接続される。ケーブル23を介して、制御基板は、熱電気モジュール12、およびヒートシンク28の温度を制御するファン27に電力を供給し、ファン27およびヒートシンク28の両方とも熱電気装置12内に位置する。
【0015】
制御基板は、熱交換ブロック温度センサ13の出力を監視するように機能し、それに従って、熱電気装置12への電力を調整する。制御基板は、さらに、熱電気装置へのDC電源入力の極性を自動的に切り換えるように動作し、それにより、周囲温度によって、システムの加熱モードと冷却モードとを切り換える。試薬供給ライン(図示されていない)は、図6にも最も良く示されるように、螺旋状に巻かれた流体導管16の入力フィッティング20に接続され、そのようなフィッティングは、伝熱ブロック10の下に位置する。液体の試薬および空気は、螺旋状の導管16を通って流れ、螺旋状の導管16は、ブリッジング管26および熱交換ブロック10の上に位置する出力フィッティング22によって反応チャンバの入力ポートPに接続される。制御基板18は、計器の主電源によって電力供給され、制御パラメータは、制御基板または計器コンピュータにおいて適切にプログラムされる。断熱ハウジング30はブロック10のまわりに配置され、エネルギ効率を増加させるために、周囲へのシステムからのエネルギ損失を最小にするように機能する。
【0016】
計器の電源が投入されると、熱制御処理が開始する。制御基板18は、熱交換ブロックの温度を示す温度センサ13を読み取る。温度が設定点(例えば、75°F)より高い場合、制御基板は、熱電気装置が冷却モードで動作するように、極性を有するDC電源を供給する。熱交換ブロック温度は従って減少する。ブロック温度が設定点(75+/−3°F)の近くの範囲内のレベルに達したとき、システムは、熱電気装置の入力電流がブロック温度と設定点との差に比例するように、比例の制御位相において動作する。試料作成中、試薬が導管を通って流れると、試薬は、ブロックから伝熱させることによって、螺旋状のコイルの端部においてブロック温度の近くのレベルまで冷却される。同時に、ブロック温度は増加し得、それで熱電気装置の入力電力は増加し、所望の設定点に近いブロック温度を維持するために、ブロックからより多くの熱を除去する。制御の性能は、熱電気装置電力、試薬消費速度、流体導管の螺旋形コイルのサイズ、および熱交換ブロックの熱容量の正しい選択に依存する。インプリメントされた実施形態において、ブロック温度は、75+/−2°Fの範囲内にとどまるように示された。反応チャンバ本体は、熱交換ブロックに囲まれ、それで、ブロック温度と同じ温度範囲内にとどまる。周囲温度が設定点より低いとき、システムは、類似の熱交換処理において加熱モードで動作する。
【0017】
熱交換ブロックの熱容量は、システムの処理および性能において重要な働きをする。第1に、熱容量は、エネルギの貯層として働く。試薬を冷却または加熱するエネルギは、熱電気装置から直接になされないので、エネルギは、熱電気装置へのピーク要求を大幅に減少させる。第2に、エネルギは安定剤として働く。試薬消費に対する熱交換ブロックの熱容量の比率が高ければ高いほど、ブロック温度の変動は小さい。
【0018】
ブロック10を通過する様々な流体物質(噴射混合空気を含む)の種々の熱交換係数の理由を説明するために、導管の長さが変更され得、一部の導管は他のものより多くのコイル巻きを有する。あるいは、相対的に低い熱交換係数を有する例えば空気などの一部の流体は、適切な架橋導管によって直列に接続されている複数の導管を通され得、一方通常、反応容器に相対的に大量に供給される希釈剤などの他の流体は、同時に複数の導管を通され得、この場合、これらの導管は、希釈剤供給源および所望の反応チャンバに並列に接続される。
【0019】
本発明は、特定の好ましい実施形態に関して記述されてきた。明らかに本発明の精神から逸脱することなく、変形が行なわれ得、そのような変形は、添付の特許請求の範囲の範囲内であることが意図される。
【図面の簡単な説明】
【0020】
【図1】図1は、血液学計器において用いられるタイプの複数の反応容器を例示する。
【図2】図2は、本発明を具体化する血液学計器の一部の斜視図である。
【図3】図3は、図2の装置の組立分解図である。
【図4】図4は、図2の装置の断面図である。
【図5】図5は、図2の装置の加熱/冷却ブロックの背面斜視図である。
【図6】図6は、図5に例示される加熱/冷却ブロック内に支持されるコイル状の試薬導管の斜視図である。
【図7】図7は、本発明の装置と共に用いられるタイプの反応容器の斜視図である。

【特許請求の範囲】
【請求項1】
1つ以上の反応容器内において一緒に混合される種々の物質の反応温度を制御する装置であって、該装置は、
(a)熱伝導材料を備える熱交換ブロックであって、該ブロックは、(i)1つ以上の第1の空洞であって、その各々は、該ブロックが該反応容器の側壁および/または底壁に熱的に密接に接触するように、反応容器を受けかつ支持するような外形である、1つ以上の第1の空洞と、(ii)複数の第2の空洞であって、その各々は、熱伝導の関係で、該反応容器の中に物質を導入するための導管を支持するように適合される、複数の第2の空洞とを規定する、熱交換ブロックと、
(b)該熱伝導ブロックの温度を感知し、そのような温度を示す制御信号を生成する熱センサと、
(c)熱伝導ブロックを加熱または冷却するために、該制御信号に応答し、該反応容器および該導管を通過し該反応容器に入る物質のそれぞれの温度を所望の反応温度範囲内に維持するように適合された温度で、熱伝導ブロックの温度を維持する、熱電気制御装置と
を備えている、装置。
【請求項2】
前記導管のうちの少なくとも1つは、形状が螺旋形である、請求項1に記載の装置。
【請求項3】
前記反応容器内の前記物質を混合するために加圧気体の噴射が用いられ、該気体は1つ以上の前記導管を通って該反応容器の中に導入され、該加圧気体の温度は前記熱電気制御装置によって制御される、請求項1に記載の装置。
【請求項4】
複数の導管が直列に接続され、選択された物質は、該複数の導管の温度を順次に制御するために、該複数の導管を通される、請求項1に記載の装置。
【請求項5】
複数の導管が並列に接続され、選択された物質は、該複数の導管の温度を同時に制御するために、該複数の導管を通される、請求項1に記載の装置。
【請求項6】
前記ブロックを有する前記導管の一部は、他の導管より長く、種々の熱交換特性を有する物質のそれぞれの温度は、制御可能である、請求項1に記載の装置。
【請求項7】
前記熱伝導ブロックは、溶融した金属が前記第1および第2の空洞を規定するように形作られたモールドに注入される鋳造工程によって作られる、請求項1に記載の装置。
【請求項8】
前記熱伝導ブロックは、溶融した金属が前記第1の空洞を規定するように形作られたモールドに注入される鋳造工程によって作られ、前記第2の空洞の形状は、該鋳造工程中に該モールド内に配置される独立した導管によって規定され、該導管は該ブロックが鋳造される金属より高い溶融温度を有する第2の金属から作られる、請求項1に記載の装置。
【請求項9】
前記溶融した金属は、アルミニウムを含み、前記第2の金属はステンレス鋼を含む、請求項8に記載の装置。
【請求項10】
前記導管は螺旋形である、請求項8に記載の装置。
【請求項11】
反応容器内において一緒に混合される種々の物質の反応温度を制御する方法であって、該装置は、
(a)熱伝導材料の熱交換ブロックを提供することであって、該ブロックは、(i)該ブロックにある第1の空洞であって、該ブロックが該反応容器の側壁および/または底壁に熱的に密接に接触するように、反応容器を受けかつ支持するような外形である、第1の空洞と、(ii)第2の空洞であって、熱伝導の関係で、該反応容器の中に物質を導入するための複数の導管を支持するように適合される、第2の空洞とを規定する、熱交換ブロックを提供すること、
(b)該ブロックの該第1の空洞に該反応容器を配置することと、
(c)該導管を通って、該反応容器の中に物質を通すことと、
(d)該熱伝導ブロックの温度を感知し、そのような温度を示す制御信号を生成することと、
(e)該制御信号に応答して、熱伝導ブロックを加熱または冷却し、該反応容器および該導管を通過し該反応容器に入る物質のそれぞれの温度を所望の反応温度範囲内に維持するように適合された温度で、熱伝導ブロックの温度を維持する、ことと
を包含する、方法。
【請求項12】
前記熱伝導ブロックは複数の反応容器を支持する、請求項11に記載の方法。
【請求項13】
前記反応容器内の前記物質を混合するために加圧気体の噴射が用いられ、該気体は1つ以上の前記導管を通って該反応容器の中に導入され、該加圧気体の温度は制御される、請求項11に記載の方法。
【請求項14】
複数の導管が直列に接続され、選択された物質は、該導管の温度を制御するために、該複数の導管を通される、請求項11に記載の方法。
【請求項15】
複数の導管が並列に接続され、選択された物質は、該導管の温度を同時に制御するために、該複数の導管を通される、請求項11に記載の方法。
【請求項16】
前記熱伝導ブロックは、溶融した金属が前記第1および第2の空洞を規定するように形作られたモールドに注入される鋳造工程によって作られる、請求項11に記載の方法。
【請求項17】
前記熱伝導ブロックは、溶融した金属が前記第1の空洞を規定するように形作られたモールドに注入される鋳造工程によって作られ、前記第2の空洞の形状は、該鋳造工程中に該モールド内に配置される独立した導管によって規定され、該導管は該ブロックが鋳造される金属より高い溶融温度を有する第2の金属から作られる、請求項11に記載の方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【公表番号】特表2009−525847(P2009−525847A)
【公表日】平成21年7月16日(2009.7.16)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2008−553433(P2008−553433)
【出願日】平成19年1月9日(2007.1.9)
【国際出願番号】PCT/US2007/060263
【国際公開番号】WO2007/092656
【国際公開日】平成19年8月16日(2007.8.16)
【出願人】(507316789)ベックマン コールター, インコーポレイテッド (34)
【Fターム(参考)】