生産ライン機械コントローラとデータを交換する能力を備えたプロセス制御システム
【課題】生産ラインでのプロセスが完了したことを保証するために生産ラインプロセス制御システム(PCS)を生産ライン機械コントローラと統合するためのシステムおよび方法を提供する。
【解決手段】生産ライン上で完了したプロセスに関するデータを記録するために生産ラインプロセス制御システム(PCS)を生産ライン機械コントローラと統合するためのシステムおよび方法である。PCSは、各々の部品に対し完了したプロセスに関するデータをラインコントローラから受け取る。プロセス順序データを含むプロセスデータは、PCSによって保存され、ある特定の部品が機械加工のために受け入れられるべきか、または別様に取り扱われるべきかをラインコントローラに命令するために使用される。PCSは、履歴データを記録するプラント品質・追跡システムと統合している。
【解決手段】生産ライン上で完了したプロセスに関するデータを記録するために生産ラインプロセス制御システム(PCS)を生産ライン機械コントローラと統合するためのシステムおよび方法である。PCSは、各々の部品に対し完了したプロセスに関するデータをラインコントローラから受け取る。プロセス順序データを含むプロセスデータは、PCSによって保存され、ある特定の部品が機械加工のために受け入れられるべきか、または別様に取り扱われるべきかをラインコントローラに命令するために使用される。PCSは、履歴データを記録するプラント品質・追跡システムと統合している。
【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造生産ラインシステムおよび方法に関する。詳しくは、本発明は、生産ラインプロセスに関するデータを記録し追跡するために生産プロセス制御システム(PCS)を生産ライン機械コントローラと統合するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車製造者は今日、品質プロセス改善に相当量の資源を注いでいる。従来の品質努力は、生産プロセスの種々の局面を改善することに向けられた生産ラインシステムおよび方法の開発および実現をもたらした。例えば、参照によってここに採り入れられる特許文献1は、どのワークステーションが欠陥部品の生産に責任があるかを決定するうえで生産同僚を援助する、生産ライン上で部品に作業を実行したワークステーションを識別する方法に向けられている。各部品がワークステーションを進んで行く際に、その部品に作業を実行した各ワークステーションを識別するインジケータがマークされる。参照によってここに採り入れられる特許文献2に記載された別の例は、欠陥部品を生産し得る生産ライン上のワークステーションを回避するシステムおよび方法である。最後に、参照によってここに採り入れられる特許文献3は、部品がオートローダによってワークステーションに供給される生産作業時間の間に部品を検査するシステムおよび方法に向けられている。
【0003】
従来技術のシステムおよび方法は、生産ライン機械のための特定のワークステーションおよびオートローダで起きている作業に関する情報を提供するが、それらは全体的な生産プロセスに関する情報を提供せず、ワークステーションによって処理された部品に関する情報を追跡または提供しない。現在のシステムでは、機械加工プロセスにおける全部の所要ステップを完了しなかった部品が生産ラインを進み続けることが起こり得る。ワークステーションが部品に作業している間にワークステーションで起きた故障のためにプロセスが抜かされるかもしれない。プロセスを監視している同僚には、それが実際には完了しなかった場合も部品がプロセスを完了したと思えるかもしれない。部品は重要なプロセスを完了せずに生産を進行するかもしれない。他の例では、生産ラインの全部の区域が保守のために運転停止されたために、1つ以上のプロセスが抜かされるかもしれない。非稼働装置を回避する努力は、部品が特定のプロセスを完了せずに生産を進行する結果をもたらす。いずれにせよ、完全に処理されなかった部品が生産を進行するかもしれず、結果として得られる製品において品質問題を生じ得る。
【0004】
多くの場合、部品が生産プロセスを抜かしたという事実は、人間の検査員には、またはコンピュータ化検査システムにさえ明白ではない。抜かされた生産プロセスに起因する欠陥が検出された場合、部品は、それが生産において使用されてはならないことを指示する保留タグが部品に取り付けられるように「タグ付け」され得る。部品はさらに生産プロセスから物理的に分離または隔離され得る。しかし、抜かされたプロセスの欠陥を検出しさらに部品を隔離するそのような物理的手段への信頼は、欠陥部品を生産から取り除き、欠陥部品が生産プロセスに再投入されないことを保証するうえで必ずしも効果的ではない。生産ラインの同僚は、部品が欠陥であること、またはそれが隔離されたことを認識できず(例えばタグが不正確または外れたために、または部品が隔離区域にないために)、その部品を生産プロセスに再投入するかもしれない。結果として生じる問題は、生産プロセスにおける後になって、または生産プロセスが完了した後でさえも、問題の原因を決定することがより難しくなる時まで検出されないかもしれない。
【0005】
抜かされたプロセスに起因する欠陥部品を低減するために、部品トレーサビリティ情報および生産プロセス情報を使用するシステムおよび方法の必要性が存在する。生産ラインの全部のプロセスが各部品について完了した見込みを高めるために、生産プロセス制御システムを生産ライン機械コントローラと統合するシステムおよび方法の必要性が存在する。自動化生産ラインにおける疑わしい部品を突き止めるために必要な時間を低減するために、部品品質およびトレーサビリティ情報を使用するシステムおよび方法の必要性もまた存在する。隔離された部品が自動化生産ラインから永久的に取り除かれることを保証するために、部品品質およびトレーサビリティを改善するシステムおよび方法の必要性が存在する。製品品質を改善するために特定のワークステーションおよびオートローダで起きている作業に関する情報を全体の生産プロセスと統合するシステムおよび方法の必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6876898号明細書
【特許文献2】米国特許第7086518号明細書
【特許文献3】米国特許第7260441号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、生産ラインでのプロセスが完了したことを保証するために生産ラインプロセス制御システム(PCS)を生産ライン機械コントローラと統合するためのシステムおよび方法に関する。PCSデータは、部品が機械加工のために受け入れられるべきか、または別様に取り扱われるべきかを決定する際にPCSデータを使用する生産ライン機械コントローラに伝達される。機械加工プロセスの完了に関する情報は引き続きPCSに伝達される。PCSと生産ライン機械コントローラ(PLC)との間の双方向通信は、部品および生産プロセストレーサビリティをサポートし、生産ラインにおける全部のプロセスが特定の部品について完了したという見込みを高め、抜かされたプロセスに起因する部品欠陥を低減する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
PCSは、生産ラインを進んで行く際にすべての部品についてのプロセス履歴記録を作成し更新するリアルタイムデータベースを組み込むことができる。PCSは、データを収集し、部品の流れを制御し、各々の部品が指定の順序で生産ラインプロセスを通過することを保証する。特定の部品が生産ライン機械または他の生産装置によって受け入れられる前に品質検査および修理が完了し記録されることを保証するために、部品履歴に「電子フラグ」を適用することが使用され得る。PCSが品質ステーションを組み込む場合、部品が以降のプロセスに向けられるか、特定の場所で隔離または収容されるか、または生産ラインから取り除かれることができるように、部品履歴は修正され得る。さらに、収集された履歴部品データは、部品探索、ロット管理およびトレーサビリティのために使用することができる。
【0009】
生産ライン機械および装置は、割り当てられたサイクル時間内にPCSとの間でデータを受け渡すために十分な速度でネットワークを用いてPCSとリンクされている。PCSは、部品に関する測定、検査および/またはプロセスデータを含む履歴データを記録するプラント品質・追跡システムと生産ライン機械のPLCをインタフェースする効率的な方法を提供する。
【0010】
各々の部品は、それが生産ラインを進んで行く際に追跡することができるように一意の部品識別子または通し番号を割り当てられる。例示実施形態において、部品識別子は部品に2次元バーコードで符号化される。生産ライン機械に入る前に部品識別子を読み取るために、2次元バーコードカメラが配置される。PLCは、部品識別子を受け取り、その部品識別子を使用してPCSに対し、データを取り出しPLCに返すか、新しい部品または部品履歴記録を作成するか、またはそれぞれの部品のプロセスデータを更新する機能または手順を実行するように命令する。このトランザクションの結果に基づき、PLCは部品を管理する方法を決定する。部品は、処理のために望ましい機械に振り向けられるか、またはシステムから取り除かれ欠陥部品シュートへ移送され得る。他のアクションをPLCにおいてプログラムすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の例示実施形態に従った生産ライン機械コントローラおよびプラント品質・追跡システムとのプロセス制御システム(PCS)の統合を例示する第1のブロック図である。
【図2】本発明の例示実施形態に従って生産ライン機械コントローラと統合されたプロセス制御システム(PCS)の詳細を例示する第2のブロック図である。
【図3】本発明の例示実施形態に従って部品処理、状態および品質管理データを生産ライン機械コントローラと送受するためにOPCサーバと対話するサービスとして実行するPCS OPCクライアントの動作を例示する流れ図である。
【図4】本発明の例示実施形態に従ったシステムのためのPLCプログラミングの詳細を例示する図である。
【図5A】本発明の例示実施形態に従ったシステムのためのPLCプログラミングの詳細を例示する図である。
【図5B】本発明の例示実施形態に従ったシステムのためのPLCプログラミングの詳細を例示する図である。
【図5C】本発明の例示実施形態に従ったシステムのためのPLCプログラミングの詳細を例示する図である。
【図6】本発明の例示実施形態に従ったウェブベース管理・報告アプリケーションの画面である。
【図7】本発明の例示実施形態に従ったウェブベース管理・報告アプリケーションの画面である。
【図8】本発明の例示実施形態に従ったウェブベース管理・報告アプリケーションの画面である。
【図9】本発明の例示実施形態に従ったウェブベース管理・報告アプリケーションの画面である。
【図10】本発明の例示実施形態に従ったウェブベース管理・報告アプリケーションの画面である。
【図11】本発明の例示実施形態に従ったウェブベース管理・報告アプリケーションの画面である。
【図12】本発明の例示実施形態に従ったウェブベース管理・報告アプリケーションの画面である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に言及すれば、本発明の例示実施形態のための生産ライン機械コントローラおよびプラント品質・追跡システムとのプロセス制御システム(PCS)の統合を例示する第1のブロック図が示されている。図1に示す通り、PCS102は、生産ライン上で進行する部品に対し完了したプロセスを追跡するために、プラント品質・追跡システム100と生産ライン機械コントローラ104との間の双方向通信を助成する。プロセスは部品の製作または処置において実行される一連の作業である。PCSは、それが機械加工プロセスを進んで行く際に部品を部品識別子または通し番号によって追跡し各部品の完全な履歴記録を維持するために生産ライン機械コントローラ(PLC)と連係して動作する。PCSは、データを収集し、部品の流れを制御し、各々の部品が指定の順序で機械加工プロセスを通過することを保証する。それはまた、特定の部品が生産ライン機械によって受け入れられる前に品質検査および修理が完了し記録されることを保証するために、疑わしい部品の履歴にフラグを使用する。生産ラインに配置された品質ステーションに接続されている場合、部品履歴は、部品がプロセスに振り向けられるか、生産ラインの特定の場所で隔離されるか、または生産ラインから取り除かれるように同僚によって修正され得る。さらに、収集された履歴データは、部品探索、ロット管理およびトレーサビリティのために使用することができる。
【0013】
生産プロセスにおいて使用される部品は、部品識別子または通し番号を割り当てられる。部品識別子は、例えば、バーコード、RFIDタグまたは、生産ライン上のカメラ、センサまたは他の入力装置を用いて検出できる他のいずれかの形式のマーキングまたはタグを用いて部品に符号化される。2次元バーコードカメラまたは他の入力装置は、それが生産ライン機械に入る前に部品識別子を読み取るために生産ラインに配置され得る。部品識別子はその後、PCSから部品に関する情報を探し出し、生産ライン機械コントローラによって実行される以後のアクションを指示するために使用される。PCSによってフラグを付けられたが物理的に隔離されていない疑わしい部品の部品識別子または通し番号を、入力装置およびPLCが読み取った場合、PCSは、その部品が使用されてはならない(例えば、保留状態にされるか、または廃棄される)ことをPLCに知らせる「不良」状態インジケータで答える。「不良」状態が検出された場合、PLCはその部品を生産から取り除き、それを「不良」シュートに送るように機械に指令する。
【0014】
図2に言及すれば、本発明の例示実施形態に従って生産ライン機械コントローラと統合されたプロセス制御システム(PCS)の詳細を例示する第2のブロック図が示されている。PCS122は、OPCまたはコントローラサーバ120に接続しており、随意で生産ラインサイド品質ステーション124に接続することができる。本発明に従ったシステムの例示実施形態において、OPCまたはコントローラサーバ120は、プロセス制御用のマイクロソフト(登録商標)COMまたはDCOMオブジェクトOLE(Object, Linking, and Embedding;オブジェクト・リンキング・アンド・エンベッディング)に基づく業界公開接続性標準に従って動作する。OPCまたはコントローラサーバ120は、生産ライン上の機械または他の装置に接続された複数のPLCステーション110、112、113、116、118と通信する。本発明に従ったシステムの例示実施形態において、ネットワークにおける各々のステーションは、ステーションによって必要とされる各々のPCSアクセスエリアのためのトリガおよびレジスタとして使用されるI/O点を割り当てられている。レジスタブロック内で、I/Oは、機械識別子(MACH_ID)、プロセス点タイプ(PPT)、部品識別子または通し番号、および部品番号とともに保存されるべきいずれかのデータを指定される。
【0015】
本発明に従ったシステムの例示実施形態において、ウェブベース管理アプリケーションが、PCSによって追跡されるPCS OPCクライアントおよびOPCクライアントプロセスを構成するための特徴および機能性を提供する。ウェブベース管理アプリケーションは、プロセス構成に関連するデータおよび情報を入力するようにユーザに促すための各種画面を備える。ウェブベース管理アプリケーションはまた、部品履歴およびプロセス完了データの報告および分析もサポートしている。
【0016】
(PCS OPCクライアント詳細)
図3に言及すれば、本発明の例示実施形態に従ってOPCサーバおよび生産ライン機械コントローラと会話するPCS OPCクライアントの動作を例示する流れ図が示されている。本発明のシステムの例示実施形態において、PCSクライアント170は、OPC接続を用いてTakebishi(登録商標)OPCサーバ162と接続するマイクロソフト(登録商標).NETフレームワーク(VB.NET)用にVisualBasicで書かれたOPCクライアントである。それはまた、マイクロソフト(登録商標)SQLまたはIBM(登録商標)DB2データベース146との間でデータを記録し取り出す。
【0017】
PCS OPCクライアント170は、PCSサービスが開始された時にメモリにロードするXML生成ファイルによって構成される。テーブル内のデータテーブルはウェブ管理アプリケーション画面によって入力される。PCS OPCクライアント170はPLCによって開始されたトリガイベントを管理する。PCS OPCクライアント170は、OPCサーバ162の「アドバイズドモード」でPLCに特定のビットを登録する。アドバイズドモードは、そのビットがPLCにおいて変化すると必ずOPCサーバ162は変化が起きたことをPCS OPCクライアントに通知することを意味する164。PCS OPCクライアントはその後、トリガビット値を検査する130。値が構成された値に等しければ132、生データグループ134がOPCサーバ154からデータコンテナ136に読み出され、それは所要の処理を決定するために解析される138。生データはプロセス点タイプ(PPT)を有し、これはPLCから受け取ったデータに関連して実行される140コンピュータ命令またはビジネスロジックを表す整数である。生データはまた部品識別子または通し番号を有する。プロセス点タイプ(PPT)に基づき、PCS OPCクライアントは、関係するコンピュータ命令またはビジネスロジック142を実行する。PLCは完了したビジネスロジック処理に関連するリターンデータを供給する148。リターンデータ書き込み処理150がOPCリターンデータ値152をOPCサーバ162に供給する。ビジネスロジックが完了すると、データベース146は部品に関する情報だけでなく適用可能な測定、履歴、リターンフラグなどで更新される144。トリガグループプロセス156はトリガ値をリセットさせる158。トリガグループデータ値160は引き続きOPCサーバ162に伝達される。
【0018】
PCS OPCクライアントは、生産ライン区域の始まり(AREA_ON)から区域の終わり(AREA_OFF)まで種々のプロセス点タイプ(PPT)を通る部品を追跡する。プロセス点は、データがPCSとPLCとの間で交換される論理点であると定義される。システムは、生産ライン上の各プロセス点を通る各々の部品について日付および時刻スタンプを記録する。適用可能な測定データ(例えばトルク、角度、コンテナ番号など)もまた各プロセス点で記録される。PCSによってデータベースに記録されたデータは引き続きプラント品質・追跡システムに伝達され得る。
【0019】
PCSにおける所要の機能および手順についての例示プロセス点タイプ(PPT)は次の通りである。
【0020】
【表1】
【0021】
プロセス構成を助成するために、本発明に従ったシステムの例示実施形態において、生産ラインの各々の機械は、プロセスおよび機械の組合せである一意の識別子を割り当てられる。機械識別子は、部品が規定の順序に従って処理されたかどうかをPCSが決定するのを可能にする。「1」から始まり、各プロセスは生産ラインの終わりまで順番に番号が付けられる。プロセス番号1は01と指定され、プロセス2は02といったように、各プロセスは番号が割り当てられる。機械構成要素は特定のプロセスを実行する機械の番号によって決定される。複数の機械が同じプロセスを実行する場合、それらもまた「1」から始まり順番に番号が付けられる。各機械は特定のプロセスを実行する最大9台の機械について1つの桁が割り当てられる。
【0022】
例えば、以下の5つのステップまたはプロセスが部品を生産するために使用することができる。
【0023】
プロセス01−切断
【0024】
プロセス02−穴あけ
【0025】
プロセス03−熱処理
【0026】
プロセス04−測定
【0027】
プロセス05−包装
【0028】
プロセス01は2台の機械(機械1、機械2)を必要とし、プロセス02は3台の機械(機械1、機械2、機械3)を必要とし、プロセス03〜05は各々1台の機械(機械1)を必要とする。これらの番号はその後、各機械に一意のプロセス/機械識別子(MACH_ID)を与えるために組合せることができる。
【0029】
【表2】
【0030】
クランクシャフトおよびコネクティングロッド製造に適用される本発明に従ったシステムの例示実施形態において、以下のプロセス/機械識別子を使用することができる。
【0031】
【表3】
【0032】
例示実施形態に従ったウェブベース管理アプリケーションにおいて、新しい区域または新しい部品ラインを定義することは、その部門に権利を有する領域グループとともに部門を定義することを含む。各々の新しい区域は部門およびグループを有し得る。このデータは、管理者が付加的なタスクを完了するためにPCS管理画面にアクセスする前に、データベースに入力される。以下の表は、管理者が会話する画面および、本発明の例示実施形態に従ってPCSのためのプロセスおよび品質追跡を構成するために実行されるタスクをまとめている。
【0033】
【表4】
【0034】
(OPCクライアント構成)
OPCクライアントは1つ以上の生産ライン機械PLCにサービスするOPCサーバと通信する。ウェブベース管理アプリケーションは部品データを追跡するためにOPCクライアントを構成するための特徴および機能性を提供する。
【0035】
【表5】
【0036】
(PCS−PLC通信)
以下のフラグおよびパラメータは、部品および部品処理の詳細に関するデータを伝達するためにPCSおよびPLCによって使用される。
【0037】
【表6】
【0038】
各々の部品履歴において部品に適用され得るフラグは、部品の状態および部品が取り扱われ得る方法を指示する電子「タグ」として機能する。フラグは電子的に設定および非設定にされるので、さらにフラグを設定または非設定にしたユーザの識別を追跡することが可能である。特定の状況下で、例えば、どのユーザが部品に対する保留を解除してそれが生産を進行するのを許したかを知ることは望ましいかもしれない。
【0039】
(PLC−PCS信号タイミング)
図4に言及すれば、本発明の例示実施形態のためのシステムに従った例示PLC−PCSタイミング図が示されている。PLCは、機械識別子(MACH_ID)、プロセス点タイプ(PPT)、部品識別子または通し番号および、部品番号を背景に保存されるべきあらゆるデータを指定のリンクレジスタに移す。データの準備ができると、PLCはトリガビットを“ON”にする。PCSはトリガビットの状態変化を感知しPLCからデータを読み込む。PCSはPPT設定によって指定された要求された機能または手順を呼出す。PCSは、もしあればリターンデータを状態フラグ、NEXT_PROCESSおよびKICK_OUT ID(つまり部品除去)リンクレジスタに書き込む。PCSが終了すると、それはPCS_DONEビットを設定する。PLCはPCS_DONEビット変化を感知しリンクレジスタからリターンデータを読み込む。PLCがリターンデータを取得すると、それはトリガビットを“OFF”にする。
【0040】
PCSはトリガビット変化を感知し、全部の状態フラグ、NEXT_PROCESSおよびKICK_OUT ID(つまり部品除去)リンクレジスタをクリアする。新しい部品履歴が作成されると、NEXT_PROCESS番号は「1」にデフォルト設定される。MACH_OFF PPTが部品に対し実行されると、完了したばかりのプロセスを反映するためにNEXT_PROCESS番号は更新される。インタフェースはその後完了する。
【0041】
図5に言及すれば、Mitsubishi QシリーズプロセッサのためのPLCプログラミング例の一部が示されている。この例におけるロボットは一度に2つの部品をロードする。部品識別子または通し番号は機械入力の2次元バーコードカメラで読み取られる。部品識別子または通し番号はデータ収集のために機械の終わりまで追跡される。
【0042】
PCS対プラント品質・追跡システム対話において、PCSデータはデータベーストリガによってプラント品質・追跡システムに挿入されるか、または更新される。以下はPCSデータベースにおいて構成されるトリガおよびテーブルである。
【0043】
【表7】
【0044】
プラント品質・追跡システム対PCS対話において、プラント品質・追跡システムからのPCSへのデータ挿入および更新は、PCSデータベースに保存された手順を呼び出すことによって生起する。手順は、部品除去、ラインサイド保留、保留解除、修理、スクラップおよび非スクラップを含む。
【0045】
(部品履歴データおよび報告の分析)
図6〜12に言及すれば、本発明の例示実施形態に従ったウェブベース管理・報告アプリケーションの画面が示されている。図6に言及すれば、本発明の例示実施形態に従ったウェブベース管理・報告アプリケーションのユーザオプションを例示するスクリーンショットが図示されている。画面の左側は、報告170(プロセスによる検索、部品による検索)、プロセス構成172(区域、プロセス、プロセス点タイプ、プロセス点および所要の測定)、品質構成174(理由、プロセス−理由)、およびOPCクライアント構成176(区域部品データベース、OPCサーバ、スレッド、スレッドAPP、データ項目)の各カテゴリに関連したユーザ選択よりなる。
【0046】
図6はさらに、部品についての指定された部門、区域、および部品識別子または通し番号についての詳細なPCSトレーサビリティデータを提示する「部品識別子」報告の詳細を例示している。トレーサビリティ情報は、報告セクション170の下の「部品による検索」オプションを用いて探し出すことができる。報告は、品質管理フラグ、保留フラグ、スクラップフラグ、部品除去場所識別子(KICK_OUT ID)、コンテナ識別子、および品質管理点識別子、最終プロセス番号、最終機械、現在機械、次プロセス番号および部品オフ通し番号を含む182、部品の状態情報(ロット管理情報)を表示する。画面は、部品の完全なプロセス履歴184を表示するための領域を含む。部門、区域、および部品識別子または通し番号を指定した後、関連データがPCSデータベースから探し出される。特定のロット管理データ182が表示され、部品の完全なプロセス履歴184が各プロセス点の日付/時刻スタンプに従って逆の時系列で編成され得る。履歴は部品の各プロセスが完了した時を指示する。
【0047】
図7に言及すれば、本発明の例示実施形態に従った「プロセス点」報告のためのデータの表示を例示するスクリーンショットが図示されている。プロセス点データは、報告セクション170の下の「プロセスによる検索」オプションを用いて探し出すことができる。画面は、部門、区域、プロセス、そして随意で機械を選択するための領域190を含む。画面はまた、開始日付および時刻ならびに終了日付および時刻を選択するための領域192を含む。これらのパラメータを指定した後、PCSデータベースは、指定された時限の間に完了したプロセス点とともに関連する部品識別子または通し番号を探し出すために検索され得る194。関連する測定データもまた表示され得る196。列の列セレクタの左側のマイナス符号198は、ユーザがその列についての所要の測定を含むグリッドを閉じることを可能にする。
【0048】
図8〜12は、生産ライン上の疑わしい部品を識別および分離し、疑わしい部品を生産しているかもしれない機械を識別するための本発明のシステムの使用を例示している。部品は、生産ライン同僚による目視検査の後か、または生産ラインでの機械検査によるか、または欠陥部品を検出するための他のいずれかの手段を使用することによって、疑わしいとして識別され得る。いったん疑わしい部品が検出されると、本発明のデータ分析および報告機能が、疑わしい部品を生産している機械を識別するために使用され得る。
【0049】
図8に言及すれば、疑わしい部品(例えばRDJOTF74033874940Y)の部門、区域、および部品識別子または通し番号200を指定した後、完全なプロセス履歴が表示される。完全な部品履歴は、疑わしい部品の問題に起因するプロセスが実行された時を指示する。例えば、疑わしい部品の検査が油穴穴あけプロセス(OH1)に関する問題を示唆した場合202、例示部品履歴データの精査は、OH1プロセスが2007年4月18日午前6時41分38秒から6時47分08秒の間に部品に対し完了したことを指示する。
【0050】
図9に言及すれば、プラント品質・追跡システムにおける問い合わせの結果は、4月18日にOH1プロセスを完了している全部の部品を示している。疑わしい部品は結果210内部で突き止められるかもしれない。図10に言及すれば、問い合わせ結果から、疑わしい部品の初期範囲220(例えば疑わしい部品210からプラスマイナス20の部品)を識別することができる。疑わしい部品のその範囲の部品に対する保留アクションの開始(HOLD_ON)は、それらが処理のために到着した時にPLCが部品を拒絶するので生産ラインからの部品の自動除去をもたらす。選択された部品への保留アクションは、プラント品質・追跡システムからPCSに、そしてPCSからPLCに伝達される。いったん保留情報がPLCに伝達されると、部品は、それらが以降の生産ライン処理の間にPLCによって拒絶されるので生産から取り除かれ得る。PCS−PLC通信は、部品での以後の処理が完了してはならないことをPLCがPCSから受け取ったデータから断定するので、生産ライン装置に、部品を拒絶しそれらを「不良」シュートに振り向けるようにさせることによって生産ラインからの疑わしい部品の迅速かつ効率的な除去を助成する。
【0051】
完全な部品履歴は、引き続き部品の範囲220から選択された1つ以上の部品について完了され得る。例えば、40の部品に対する保留アクションが以後の処理について39部品の拒絶および1部品の欠落としての識別222をもたらした場合、欠落部品の完全な部品履歴を精査することができる。図11に言及すれば、完全な部品履歴は、欠落部品に関する情報を提供し230、欠落部品の現在の場所を決定するために使用することができる。疑わしい部品の実行時の間の記録された機械履歴の調査は、問題の原因を識別するうえで生産ライン同僚を援助することができる。油穴処理の例では、問題は、同僚が後に修正することができる機械または装置の故障(例えば、疑わしい部品の実行時の間の工具交換の間に起きた欠けたドリル)に起因するかもしれない。
【0052】
生産ライン機械の問題はまた、測定機械または同僚が品質不適合のためにそれらを拒絶した場合に部品が生産から取り除かれる(跳ね出される)時に識別され得る。取り除かれた部品の分析は、問題に責任があり得るプロセスの識別をもたらす。拒絶された部品の部品履歴の精査は、問題を生じる機械プロセスを識別するために完了され得る。図12に言及すれば、各々の指定された部品240の完全な部品履歴内の疑わしいプロセス242の精査は、各々の拒絶された部品が同じ機械に由来することを指示するかもしれない。いったん機械が識別されると、同僚は問題(例えば緩いクランプ)を識別し修正するために機械を検査または試験することができる。各部品の完全なプロセス履歴を追跡し分析できる能力は、問題に責任がある生産ライン上の機械の識別を助成する。
【0053】
本発明のシステムおよび方法は、製造者に多くの利益を提供する。それは異常部品があるプロセスから次のプロセスに移行するのを防ぐ。正しいプロセス履歴を持たない部品は、PLCによって受け入れられず、部品の「不良」シュートに振り向けられ得る。疑わしい部品がPLCによって拒絶され、場合によっては生産ラインから取り除かれるので、疑わしい部品が生産において使用される可能性は低減する。PLCによる部品の拒絶はさらに、生産ライン上の同僚に対し、問題を調査し、恐らく付加的またはより大きな問題が起きるのを防ぐ機会を提供する。完全な部品履歴からのデータは、品質問題を潜在的に引き起こすプロセスおよび機械を識別するために分析することができる。本発明のシステムおよび方法は、それらが生じた時に品質問題を機械上で分離することがより容易であるので、検査に頼る必要性を低減する。
【0054】
本発明の特定の実施形態を例証の目的で上に詳述したが、本発明の範囲はそうした開示によって限定されるとみなしてはならず、以下のクレームによって明白に示される本発明の精神を逸脱することなく修正が可能である。
【符号の説明】
【0055】
MACH_ID 機械識別子
PPT プロセス点タイプ
【技術分野】
【0001】
本発明は、製造生産ラインシステムおよび方法に関する。詳しくは、本発明は、生産ラインプロセスに関するデータを記録し追跡するために生産プロセス制御システム(PCS)を生産ライン機械コントローラと統合するためのシステムおよび方法に関する。
【背景技術】
【0002】
自動車製造者は今日、品質プロセス改善に相当量の資源を注いでいる。従来の品質努力は、生産プロセスの種々の局面を改善することに向けられた生産ラインシステムおよび方法の開発および実現をもたらした。例えば、参照によってここに採り入れられる特許文献1は、どのワークステーションが欠陥部品の生産に責任があるかを決定するうえで生産同僚を援助する、生産ライン上で部品に作業を実行したワークステーションを識別する方法に向けられている。各部品がワークステーションを進んで行く際に、その部品に作業を実行した各ワークステーションを識別するインジケータがマークされる。参照によってここに採り入れられる特許文献2に記載された別の例は、欠陥部品を生産し得る生産ライン上のワークステーションを回避するシステムおよび方法である。最後に、参照によってここに採り入れられる特許文献3は、部品がオートローダによってワークステーションに供給される生産作業時間の間に部品を検査するシステムおよび方法に向けられている。
【0003】
従来技術のシステムおよび方法は、生産ライン機械のための特定のワークステーションおよびオートローダで起きている作業に関する情報を提供するが、それらは全体的な生産プロセスに関する情報を提供せず、ワークステーションによって処理された部品に関する情報を追跡または提供しない。現在のシステムでは、機械加工プロセスにおける全部の所要ステップを完了しなかった部品が生産ラインを進み続けることが起こり得る。ワークステーションが部品に作業している間にワークステーションで起きた故障のためにプロセスが抜かされるかもしれない。プロセスを監視している同僚には、それが実際には完了しなかった場合も部品がプロセスを完了したと思えるかもしれない。部品は重要なプロセスを完了せずに生産を進行するかもしれない。他の例では、生産ラインの全部の区域が保守のために運転停止されたために、1つ以上のプロセスが抜かされるかもしれない。非稼働装置を回避する努力は、部品が特定のプロセスを完了せずに生産を進行する結果をもたらす。いずれにせよ、完全に処理されなかった部品が生産を進行するかもしれず、結果として得られる製品において品質問題を生じ得る。
【0004】
多くの場合、部品が生産プロセスを抜かしたという事実は、人間の検査員には、またはコンピュータ化検査システムにさえ明白ではない。抜かされた生産プロセスに起因する欠陥が検出された場合、部品は、それが生産において使用されてはならないことを指示する保留タグが部品に取り付けられるように「タグ付け」され得る。部品はさらに生産プロセスから物理的に分離または隔離され得る。しかし、抜かされたプロセスの欠陥を検出しさらに部品を隔離するそのような物理的手段への信頼は、欠陥部品を生産から取り除き、欠陥部品が生産プロセスに再投入されないことを保証するうえで必ずしも効果的ではない。生産ラインの同僚は、部品が欠陥であること、またはそれが隔離されたことを認識できず(例えばタグが不正確または外れたために、または部品が隔離区域にないために)、その部品を生産プロセスに再投入するかもしれない。結果として生じる問題は、生産プロセスにおける後になって、または生産プロセスが完了した後でさえも、問題の原因を決定することがより難しくなる時まで検出されないかもしれない。
【0005】
抜かされたプロセスに起因する欠陥部品を低減するために、部品トレーサビリティ情報および生産プロセス情報を使用するシステムおよび方法の必要性が存在する。生産ラインの全部のプロセスが各部品について完了した見込みを高めるために、生産プロセス制御システムを生産ライン機械コントローラと統合するシステムおよび方法の必要性が存在する。自動化生産ラインにおける疑わしい部品を突き止めるために必要な時間を低減するために、部品品質およびトレーサビリティ情報を使用するシステムおよび方法の必要性もまた存在する。隔離された部品が自動化生産ラインから永久的に取り除かれることを保証するために、部品品質およびトレーサビリティを改善するシステムおよび方法の必要性が存在する。製品品質を改善するために特定のワークステーションおよびオートローダで起きている作業に関する情報を全体の生産プロセスと統合するシステムおよび方法の必要性が存在する。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0006】
【特許文献1】米国特許第6876898号明細書
【特許文献2】米国特許第7086518号明細書
【特許文献3】米国特許第7260441号明細書
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0007】
本発明は、生産ラインでのプロセスが完了したことを保証するために生産ラインプロセス制御システム(PCS)を生産ライン機械コントローラと統合するためのシステムおよび方法に関する。PCSデータは、部品が機械加工のために受け入れられるべきか、または別様に取り扱われるべきかを決定する際にPCSデータを使用する生産ライン機械コントローラに伝達される。機械加工プロセスの完了に関する情報は引き続きPCSに伝達される。PCSと生産ライン機械コントローラ(PLC)との間の双方向通信は、部品および生産プロセストレーサビリティをサポートし、生産ラインにおける全部のプロセスが特定の部品について完了したという見込みを高め、抜かされたプロセスに起因する部品欠陥を低減する。
【課題を解決するための手段】
【0008】
PCSは、生産ラインを進んで行く際にすべての部品についてのプロセス履歴記録を作成し更新するリアルタイムデータベースを組み込むことができる。PCSは、データを収集し、部品の流れを制御し、各々の部品が指定の順序で生産ラインプロセスを通過することを保証する。特定の部品が生産ライン機械または他の生産装置によって受け入れられる前に品質検査および修理が完了し記録されることを保証するために、部品履歴に「電子フラグ」を適用することが使用され得る。PCSが品質ステーションを組み込む場合、部品が以降のプロセスに向けられるか、特定の場所で隔離または収容されるか、または生産ラインから取り除かれることができるように、部品履歴は修正され得る。さらに、収集された履歴部品データは、部品探索、ロット管理およびトレーサビリティのために使用することができる。
【0009】
生産ライン機械および装置は、割り当てられたサイクル時間内にPCSとの間でデータを受け渡すために十分な速度でネットワークを用いてPCSとリンクされている。PCSは、部品に関する測定、検査および/またはプロセスデータを含む履歴データを記録するプラント品質・追跡システムと生産ライン機械のPLCをインタフェースする効率的な方法を提供する。
【0010】
各々の部品は、それが生産ラインを進んで行く際に追跡することができるように一意の部品識別子または通し番号を割り当てられる。例示実施形態において、部品識別子は部品に2次元バーコードで符号化される。生産ライン機械に入る前に部品識別子を読み取るために、2次元バーコードカメラが配置される。PLCは、部品識別子を受け取り、その部品識別子を使用してPCSに対し、データを取り出しPLCに返すか、新しい部品または部品履歴記録を作成するか、またはそれぞれの部品のプロセスデータを更新する機能または手順を実行するように命令する。このトランザクションの結果に基づき、PLCは部品を管理する方法を決定する。部品は、処理のために望ましい機械に振り向けられるか、またはシステムから取り除かれ欠陥部品シュートへ移送され得る。他のアクションをPLCにおいてプログラムすることができる。
【図面の簡単な説明】
【0011】
【図1】本発明の例示実施形態に従った生産ライン機械コントローラおよびプラント品質・追跡システムとのプロセス制御システム(PCS)の統合を例示する第1のブロック図である。
【図2】本発明の例示実施形態に従って生産ライン機械コントローラと統合されたプロセス制御システム(PCS)の詳細を例示する第2のブロック図である。
【図3】本発明の例示実施形態に従って部品処理、状態および品質管理データを生産ライン機械コントローラと送受するためにOPCサーバと対話するサービスとして実行するPCS OPCクライアントの動作を例示する流れ図である。
【図4】本発明の例示実施形態に従ったシステムのためのPLCプログラミングの詳細を例示する図である。
【図5A】本発明の例示実施形態に従ったシステムのためのPLCプログラミングの詳細を例示する図である。
【図5B】本発明の例示実施形態に従ったシステムのためのPLCプログラミングの詳細を例示する図である。
【図5C】本発明の例示実施形態に従ったシステムのためのPLCプログラミングの詳細を例示する図である。
【図6】本発明の例示実施形態に従ったウェブベース管理・報告アプリケーションの画面である。
【図7】本発明の例示実施形態に従ったウェブベース管理・報告アプリケーションの画面である。
【図8】本発明の例示実施形態に従ったウェブベース管理・報告アプリケーションの画面である。
【図9】本発明の例示実施形態に従ったウェブベース管理・報告アプリケーションの画面である。
【図10】本発明の例示実施形態に従ったウェブベース管理・報告アプリケーションの画面である。
【図11】本発明の例示実施形態に従ったウェブベース管理・報告アプリケーションの画面である。
【図12】本発明の例示実施形態に従ったウェブベース管理・報告アプリケーションの画面である。
【発明を実施するための形態】
【0012】
図1に言及すれば、本発明の例示実施形態のための生産ライン機械コントローラおよびプラント品質・追跡システムとのプロセス制御システム(PCS)の統合を例示する第1のブロック図が示されている。図1に示す通り、PCS102は、生産ライン上で進行する部品に対し完了したプロセスを追跡するために、プラント品質・追跡システム100と生産ライン機械コントローラ104との間の双方向通信を助成する。プロセスは部品の製作または処置において実行される一連の作業である。PCSは、それが機械加工プロセスを進んで行く際に部品を部品識別子または通し番号によって追跡し各部品の完全な履歴記録を維持するために生産ライン機械コントローラ(PLC)と連係して動作する。PCSは、データを収集し、部品の流れを制御し、各々の部品が指定の順序で機械加工プロセスを通過することを保証する。それはまた、特定の部品が生産ライン機械によって受け入れられる前に品質検査および修理が完了し記録されることを保証するために、疑わしい部品の履歴にフラグを使用する。生産ラインに配置された品質ステーションに接続されている場合、部品履歴は、部品がプロセスに振り向けられるか、生産ラインの特定の場所で隔離されるか、または生産ラインから取り除かれるように同僚によって修正され得る。さらに、収集された履歴データは、部品探索、ロット管理およびトレーサビリティのために使用することができる。
【0013】
生産プロセスにおいて使用される部品は、部品識別子または通し番号を割り当てられる。部品識別子は、例えば、バーコード、RFIDタグまたは、生産ライン上のカメラ、センサまたは他の入力装置を用いて検出できる他のいずれかの形式のマーキングまたはタグを用いて部品に符号化される。2次元バーコードカメラまたは他の入力装置は、それが生産ライン機械に入る前に部品識別子を読み取るために生産ラインに配置され得る。部品識別子はその後、PCSから部品に関する情報を探し出し、生産ライン機械コントローラによって実行される以後のアクションを指示するために使用される。PCSによってフラグを付けられたが物理的に隔離されていない疑わしい部品の部品識別子または通し番号を、入力装置およびPLCが読み取った場合、PCSは、その部品が使用されてはならない(例えば、保留状態にされるか、または廃棄される)ことをPLCに知らせる「不良」状態インジケータで答える。「不良」状態が検出された場合、PLCはその部品を生産から取り除き、それを「不良」シュートに送るように機械に指令する。
【0014】
図2に言及すれば、本発明の例示実施形態に従って生産ライン機械コントローラと統合されたプロセス制御システム(PCS)の詳細を例示する第2のブロック図が示されている。PCS122は、OPCまたはコントローラサーバ120に接続しており、随意で生産ラインサイド品質ステーション124に接続することができる。本発明に従ったシステムの例示実施形態において、OPCまたはコントローラサーバ120は、プロセス制御用のマイクロソフト(登録商標)COMまたはDCOMオブジェクトOLE(Object, Linking, and Embedding;オブジェクト・リンキング・アンド・エンベッディング)に基づく業界公開接続性標準に従って動作する。OPCまたはコントローラサーバ120は、生産ライン上の機械または他の装置に接続された複数のPLCステーション110、112、113、116、118と通信する。本発明に従ったシステムの例示実施形態において、ネットワークにおける各々のステーションは、ステーションによって必要とされる各々のPCSアクセスエリアのためのトリガおよびレジスタとして使用されるI/O点を割り当てられている。レジスタブロック内で、I/Oは、機械識別子(MACH_ID)、プロセス点タイプ(PPT)、部品識別子または通し番号、および部品番号とともに保存されるべきいずれかのデータを指定される。
【0015】
本発明に従ったシステムの例示実施形態において、ウェブベース管理アプリケーションが、PCSによって追跡されるPCS OPCクライアントおよびOPCクライアントプロセスを構成するための特徴および機能性を提供する。ウェブベース管理アプリケーションは、プロセス構成に関連するデータおよび情報を入力するようにユーザに促すための各種画面を備える。ウェブベース管理アプリケーションはまた、部品履歴およびプロセス完了データの報告および分析もサポートしている。
【0016】
(PCS OPCクライアント詳細)
図3に言及すれば、本発明の例示実施形態に従ってOPCサーバおよび生産ライン機械コントローラと会話するPCS OPCクライアントの動作を例示する流れ図が示されている。本発明のシステムの例示実施形態において、PCSクライアント170は、OPC接続を用いてTakebishi(登録商標)OPCサーバ162と接続するマイクロソフト(登録商標).NETフレームワーク(VB.NET)用にVisualBasicで書かれたOPCクライアントである。それはまた、マイクロソフト(登録商標)SQLまたはIBM(登録商標)DB2データベース146との間でデータを記録し取り出す。
【0017】
PCS OPCクライアント170は、PCSサービスが開始された時にメモリにロードするXML生成ファイルによって構成される。テーブル内のデータテーブルはウェブ管理アプリケーション画面によって入力される。PCS OPCクライアント170はPLCによって開始されたトリガイベントを管理する。PCS OPCクライアント170は、OPCサーバ162の「アドバイズドモード」でPLCに特定のビットを登録する。アドバイズドモードは、そのビットがPLCにおいて変化すると必ずOPCサーバ162は変化が起きたことをPCS OPCクライアントに通知することを意味する164。PCS OPCクライアントはその後、トリガビット値を検査する130。値が構成された値に等しければ132、生データグループ134がOPCサーバ154からデータコンテナ136に読み出され、それは所要の処理を決定するために解析される138。生データはプロセス点タイプ(PPT)を有し、これはPLCから受け取ったデータに関連して実行される140コンピュータ命令またはビジネスロジックを表す整数である。生データはまた部品識別子または通し番号を有する。プロセス点タイプ(PPT)に基づき、PCS OPCクライアントは、関係するコンピュータ命令またはビジネスロジック142を実行する。PLCは完了したビジネスロジック処理に関連するリターンデータを供給する148。リターンデータ書き込み処理150がOPCリターンデータ値152をOPCサーバ162に供給する。ビジネスロジックが完了すると、データベース146は部品に関する情報だけでなく適用可能な測定、履歴、リターンフラグなどで更新される144。トリガグループプロセス156はトリガ値をリセットさせる158。トリガグループデータ値160は引き続きOPCサーバ162に伝達される。
【0018】
PCS OPCクライアントは、生産ライン区域の始まり(AREA_ON)から区域の終わり(AREA_OFF)まで種々のプロセス点タイプ(PPT)を通る部品を追跡する。プロセス点は、データがPCSとPLCとの間で交換される論理点であると定義される。システムは、生産ライン上の各プロセス点を通る各々の部品について日付および時刻スタンプを記録する。適用可能な測定データ(例えばトルク、角度、コンテナ番号など)もまた各プロセス点で記録される。PCSによってデータベースに記録されたデータは引き続きプラント品質・追跡システムに伝達され得る。
【0019】
PCSにおける所要の機能および手順についての例示プロセス点タイプ(PPT)は次の通りである。
【0020】
【表1】
【0021】
プロセス構成を助成するために、本発明に従ったシステムの例示実施形態において、生産ラインの各々の機械は、プロセスおよび機械の組合せである一意の識別子を割り当てられる。機械識別子は、部品が規定の順序に従って処理されたかどうかをPCSが決定するのを可能にする。「1」から始まり、各プロセスは生産ラインの終わりまで順番に番号が付けられる。プロセス番号1は01と指定され、プロセス2は02といったように、各プロセスは番号が割り当てられる。機械構成要素は特定のプロセスを実行する機械の番号によって決定される。複数の機械が同じプロセスを実行する場合、それらもまた「1」から始まり順番に番号が付けられる。各機械は特定のプロセスを実行する最大9台の機械について1つの桁が割り当てられる。
【0022】
例えば、以下の5つのステップまたはプロセスが部品を生産するために使用することができる。
【0023】
プロセス01−切断
【0024】
プロセス02−穴あけ
【0025】
プロセス03−熱処理
【0026】
プロセス04−測定
【0027】
プロセス05−包装
【0028】
プロセス01は2台の機械(機械1、機械2)を必要とし、プロセス02は3台の機械(機械1、機械2、機械3)を必要とし、プロセス03〜05は各々1台の機械(機械1)を必要とする。これらの番号はその後、各機械に一意のプロセス/機械識別子(MACH_ID)を与えるために組合せることができる。
【0029】
【表2】
【0030】
クランクシャフトおよびコネクティングロッド製造に適用される本発明に従ったシステムの例示実施形態において、以下のプロセス/機械識別子を使用することができる。
【0031】
【表3】
【0032】
例示実施形態に従ったウェブベース管理アプリケーションにおいて、新しい区域または新しい部品ラインを定義することは、その部門に権利を有する領域グループとともに部門を定義することを含む。各々の新しい区域は部門およびグループを有し得る。このデータは、管理者が付加的なタスクを完了するためにPCS管理画面にアクセスする前に、データベースに入力される。以下の表は、管理者が会話する画面および、本発明の例示実施形態に従ってPCSのためのプロセスおよび品質追跡を構成するために実行されるタスクをまとめている。
【0033】
【表4】
【0034】
(OPCクライアント構成)
OPCクライアントは1つ以上の生産ライン機械PLCにサービスするOPCサーバと通信する。ウェブベース管理アプリケーションは部品データを追跡するためにOPCクライアントを構成するための特徴および機能性を提供する。
【0035】
【表5】
【0036】
(PCS−PLC通信)
以下のフラグおよびパラメータは、部品および部品処理の詳細に関するデータを伝達するためにPCSおよびPLCによって使用される。
【0037】
【表6】
【0038】
各々の部品履歴において部品に適用され得るフラグは、部品の状態および部品が取り扱われ得る方法を指示する電子「タグ」として機能する。フラグは電子的に設定および非設定にされるので、さらにフラグを設定または非設定にしたユーザの識別を追跡することが可能である。特定の状況下で、例えば、どのユーザが部品に対する保留を解除してそれが生産を進行するのを許したかを知ることは望ましいかもしれない。
【0039】
(PLC−PCS信号タイミング)
図4に言及すれば、本発明の例示実施形態のためのシステムに従った例示PLC−PCSタイミング図が示されている。PLCは、機械識別子(MACH_ID)、プロセス点タイプ(PPT)、部品識別子または通し番号および、部品番号を背景に保存されるべきあらゆるデータを指定のリンクレジスタに移す。データの準備ができると、PLCはトリガビットを“ON”にする。PCSはトリガビットの状態変化を感知しPLCからデータを読み込む。PCSはPPT設定によって指定された要求された機能または手順を呼出す。PCSは、もしあればリターンデータを状態フラグ、NEXT_PROCESSおよびKICK_OUT ID(つまり部品除去)リンクレジスタに書き込む。PCSが終了すると、それはPCS_DONEビットを設定する。PLCはPCS_DONEビット変化を感知しリンクレジスタからリターンデータを読み込む。PLCがリターンデータを取得すると、それはトリガビットを“OFF”にする。
【0040】
PCSはトリガビット変化を感知し、全部の状態フラグ、NEXT_PROCESSおよびKICK_OUT ID(つまり部品除去)リンクレジスタをクリアする。新しい部品履歴が作成されると、NEXT_PROCESS番号は「1」にデフォルト設定される。MACH_OFF PPTが部品に対し実行されると、完了したばかりのプロセスを反映するためにNEXT_PROCESS番号は更新される。インタフェースはその後完了する。
【0041】
図5に言及すれば、Mitsubishi QシリーズプロセッサのためのPLCプログラミング例の一部が示されている。この例におけるロボットは一度に2つの部品をロードする。部品識別子または通し番号は機械入力の2次元バーコードカメラで読み取られる。部品識別子または通し番号はデータ収集のために機械の終わりまで追跡される。
【0042】
PCS対プラント品質・追跡システム対話において、PCSデータはデータベーストリガによってプラント品質・追跡システムに挿入されるか、または更新される。以下はPCSデータベースにおいて構成されるトリガおよびテーブルである。
【0043】
【表7】
【0044】
プラント品質・追跡システム対PCS対話において、プラント品質・追跡システムからのPCSへのデータ挿入および更新は、PCSデータベースに保存された手順を呼び出すことによって生起する。手順は、部品除去、ラインサイド保留、保留解除、修理、スクラップおよび非スクラップを含む。
【0045】
(部品履歴データおよび報告の分析)
図6〜12に言及すれば、本発明の例示実施形態に従ったウェブベース管理・報告アプリケーションの画面が示されている。図6に言及すれば、本発明の例示実施形態に従ったウェブベース管理・報告アプリケーションのユーザオプションを例示するスクリーンショットが図示されている。画面の左側は、報告170(プロセスによる検索、部品による検索)、プロセス構成172(区域、プロセス、プロセス点タイプ、プロセス点および所要の測定)、品質構成174(理由、プロセス−理由)、およびOPCクライアント構成176(区域部品データベース、OPCサーバ、スレッド、スレッドAPP、データ項目)の各カテゴリに関連したユーザ選択よりなる。
【0046】
図6はさらに、部品についての指定された部門、区域、および部品識別子または通し番号についての詳細なPCSトレーサビリティデータを提示する「部品識別子」報告の詳細を例示している。トレーサビリティ情報は、報告セクション170の下の「部品による検索」オプションを用いて探し出すことができる。報告は、品質管理フラグ、保留フラグ、スクラップフラグ、部品除去場所識別子(KICK_OUT ID)、コンテナ識別子、および品質管理点識別子、最終プロセス番号、最終機械、現在機械、次プロセス番号および部品オフ通し番号を含む182、部品の状態情報(ロット管理情報)を表示する。画面は、部品の完全なプロセス履歴184を表示するための領域を含む。部門、区域、および部品識別子または通し番号を指定した後、関連データがPCSデータベースから探し出される。特定のロット管理データ182が表示され、部品の完全なプロセス履歴184が各プロセス点の日付/時刻スタンプに従って逆の時系列で編成され得る。履歴は部品の各プロセスが完了した時を指示する。
【0047】
図7に言及すれば、本発明の例示実施形態に従った「プロセス点」報告のためのデータの表示を例示するスクリーンショットが図示されている。プロセス点データは、報告セクション170の下の「プロセスによる検索」オプションを用いて探し出すことができる。画面は、部門、区域、プロセス、そして随意で機械を選択するための領域190を含む。画面はまた、開始日付および時刻ならびに終了日付および時刻を選択するための領域192を含む。これらのパラメータを指定した後、PCSデータベースは、指定された時限の間に完了したプロセス点とともに関連する部品識別子または通し番号を探し出すために検索され得る194。関連する測定データもまた表示され得る196。列の列セレクタの左側のマイナス符号198は、ユーザがその列についての所要の測定を含むグリッドを閉じることを可能にする。
【0048】
図8〜12は、生産ライン上の疑わしい部品を識別および分離し、疑わしい部品を生産しているかもしれない機械を識別するための本発明のシステムの使用を例示している。部品は、生産ライン同僚による目視検査の後か、または生産ラインでの機械検査によるか、または欠陥部品を検出するための他のいずれかの手段を使用することによって、疑わしいとして識別され得る。いったん疑わしい部品が検出されると、本発明のデータ分析および報告機能が、疑わしい部品を生産している機械を識別するために使用され得る。
【0049】
図8に言及すれば、疑わしい部品(例えばRDJOTF74033874940Y)の部門、区域、および部品識別子または通し番号200を指定した後、完全なプロセス履歴が表示される。完全な部品履歴は、疑わしい部品の問題に起因するプロセスが実行された時を指示する。例えば、疑わしい部品の検査が油穴穴あけプロセス(OH1)に関する問題を示唆した場合202、例示部品履歴データの精査は、OH1プロセスが2007年4月18日午前6時41分38秒から6時47分08秒の間に部品に対し完了したことを指示する。
【0050】
図9に言及すれば、プラント品質・追跡システムにおける問い合わせの結果は、4月18日にOH1プロセスを完了している全部の部品を示している。疑わしい部品は結果210内部で突き止められるかもしれない。図10に言及すれば、問い合わせ結果から、疑わしい部品の初期範囲220(例えば疑わしい部品210からプラスマイナス20の部品)を識別することができる。疑わしい部品のその範囲の部品に対する保留アクションの開始(HOLD_ON)は、それらが処理のために到着した時にPLCが部品を拒絶するので生産ラインからの部品の自動除去をもたらす。選択された部品への保留アクションは、プラント品質・追跡システムからPCSに、そしてPCSからPLCに伝達される。いったん保留情報がPLCに伝達されると、部品は、それらが以降の生産ライン処理の間にPLCによって拒絶されるので生産から取り除かれ得る。PCS−PLC通信は、部品での以後の処理が完了してはならないことをPLCがPCSから受け取ったデータから断定するので、生産ライン装置に、部品を拒絶しそれらを「不良」シュートに振り向けるようにさせることによって生産ラインからの疑わしい部品の迅速かつ効率的な除去を助成する。
【0051】
完全な部品履歴は、引き続き部品の範囲220から選択された1つ以上の部品について完了され得る。例えば、40の部品に対する保留アクションが以後の処理について39部品の拒絶および1部品の欠落としての識別222をもたらした場合、欠落部品の完全な部品履歴を精査することができる。図11に言及すれば、完全な部品履歴は、欠落部品に関する情報を提供し230、欠落部品の現在の場所を決定するために使用することができる。疑わしい部品の実行時の間の記録された機械履歴の調査は、問題の原因を識別するうえで生産ライン同僚を援助することができる。油穴処理の例では、問題は、同僚が後に修正することができる機械または装置の故障(例えば、疑わしい部品の実行時の間の工具交換の間に起きた欠けたドリル)に起因するかもしれない。
【0052】
生産ライン機械の問題はまた、測定機械または同僚が品質不適合のためにそれらを拒絶した場合に部品が生産から取り除かれる(跳ね出される)時に識別され得る。取り除かれた部品の分析は、問題に責任があり得るプロセスの識別をもたらす。拒絶された部品の部品履歴の精査は、問題を生じる機械プロセスを識別するために完了され得る。図12に言及すれば、各々の指定された部品240の完全な部品履歴内の疑わしいプロセス242の精査は、各々の拒絶された部品が同じ機械に由来することを指示するかもしれない。いったん機械が識別されると、同僚は問題(例えば緩いクランプ)を識別し修正するために機械を検査または試験することができる。各部品の完全なプロセス履歴を追跡し分析できる能力は、問題に責任がある生産ライン上の機械の識別を助成する。
【0053】
本発明のシステムおよび方法は、製造者に多くの利益を提供する。それは異常部品があるプロセスから次のプロセスに移行するのを防ぐ。正しいプロセス履歴を持たない部品は、PLCによって受け入れられず、部品の「不良」シュートに振り向けられ得る。疑わしい部品がPLCによって拒絶され、場合によっては生産ラインから取り除かれるので、疑わしい部品が生産において使用される可能性は低減する。PLCによる部品の拒絶はさらに、生産ライン上の同僚に対し、問題を調査し、恐らく付加的またはより大きな問題が起きるのを防ぐ機会を提供する。完全な部品履歴からのデータは、品質問題を潜在的に引き起こすプロセスおよび機械を識別するために分析することができる。本発明のシステムおよび方法は、それらが生じた時に品質問題を機械上で分離することがより容易であるので、検査に頼る必要性を低減する。
【0054】
本発明の特定の実施形態を例証の目的で上に詳述したが、本発明の範囲はそうした開示によって限定されるとみなしてはならず、以下のクレームによって明白に示される本発明の精神を逸脱することなく修正が可能である。
【符号の説明】
【0055】
MACH_ID 機械識別子
PPT プロセス点タイプ
【特許請求の範囲】
【請求項1】
生産ライン上の複数の機械によって完了したプロセスのデータを収集してリアルタイムデータベースに保存するコンピュータ化された方法であって、
(a)複数の機械プロセス点を定義することと、
(b)プロセス点識別子を前記複数の機械プロセス点の各々と関係づけることと、
(c)一意の機械識別子を前記生産ライン上の前記複数の機械の各々に割り当てることと、
(d)複数のプロセス点タイプを定義することと、
(e)前記生産ライン上の前記機械によって実行される機械作業に関する複数のコンピュータ命令を前記複数のプロセス点タイプの各々と関係づけることと、
(f)前記一意の機械識別子と、前記複数のプロセス点タイプと、前記複数のプロセス点タイプの各々と関係づけられた前記複数のコンピュータ命令とを、コンピュータのデータベースに保存することと、
(g)前記機械によって処理された部品についての部品識別子とプロセス点タイプと機械識別子とを、前記生産ライン上の機械のコントローラから前記コンピュータにて受け取ることと、
(h)前記複数のプロセス点タイプの各々と関係づけられた前記複数のコンピュータ命令を前記データベースから取り出すことと、
(i)前記複数のプロセス点タイプの各々と関係づけられた前記複数のコンピュータ命令を前記コンピュータにて実行することと、
(j)前記部品識別子を前記データベースに記録することと、
(k)前記プロセス点タイプに従って前記コンピュータにて実行された前記複数のコンピュータ命令の結果に関連するデータを、前記部品識別子と関係づけて前記データベースに記録することと、
を含み、
前記複数の機械プロセス点の各々は、前記生産ライン上の機械によって実行される1つ又はそれ以上の機械作業から成り、
前記一意の機械識別子は前記プロセス点識別子を含み、
前記複数のプロセス点タイプの各々は、前記生産ライン上の前記複数の機械の各々によって実行される前記機械作業に言及していることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記方法は、更に、
(l)前記機械によって実行される作業に関連するデータを前記コントローラから前記コンピュータにて受け取ることと、
(m)前記機械によって実行される作業に関連する前記データを、前記部品識別子と関係づけて前記データベースに記録することと、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記機械によって実行される作業に関連するデータを前記コントローラから前記コンピュータにて受け取ることは、前記機械によって処理された前記部品の状態に関するデータを前記コンピュータにて受け取ることを含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記部品の状態は、品質管理フラグと保留フラグとスクラップフラグとからなる群から選択される請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記プロセス点識別子を前記複数の機械プロセス点の各々と関係づけることは、各プロセス点に番号を1から始まる数値の順に割り当てることを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のプロセス点タイプは、エリア・オンと、ピック・アップと、マシン・オフと、クォリティ・コントロール・オンと、セット・プロセスと、ロードと、エリア・オフと、マシン・オンと、からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、更に、
(l)前記プロセス点タイプがピック・アップであるかどうかを前記コンピュータにて決定することと、
(m)前記ピックアップであるプロセス点タイプについての複数のコンピュータ命令を実行することと、
を含み、前記複数のコンピュータ命令は、
(i)前記機械によって処理された前記部品についての部品履歴データを前記部品識別子を用いて検索することと、
(ii)前記部品履歴データに関連するデータを前記コントローラに返すことと、
を含んでおり、
前記部品履歴データは、前記部品が前記コントローラによって受け入れられるべきかまたは拒絶されるべきかを指示している請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記コントローラは、前記部品履歴に関連する前記データに従って前記部品を受け入れるかまたは拒絶する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、更に、
前記コントローラが前記部品履歴データに関連する前記データに従って前記部品を拒絶した場合、前記部品を前記生産ラインから取り除くことを含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、更に、
前記コンピュータにて記録された前記データをプラント品質・追跡システムに転送することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
生産ライン上の複数の機械によって完了したプロセスのデータを収集してリアルタイムデータベースに保存するためのコンピュータ化されたシステムであって、
複数のラインコントローラと、
前記複数のラインコントローラと通信しているプロセス制御システムコンピュータと、
を備えており、
前記複数のラインコントローラの各々は、前記生産ライン上の前記複数の機械によって実行される作業を制御するようになっているとともに、前記複数の機械において処理された部品に関連するデータを送受するようになっており、
前記プロセス制御システムコンピュータは、
(i)複数のプロセス点識別子と、
(ii)前記生産ライン上の前記複数の機械の各々を識別する複数の一意の機械識別子と、
(iii)複数のプロセス点タイプと、
(iv)前記複数のプロセス点タイプの各々と関係づけられた複数のコンピュータ命令と、
を保存するために前記リアルタイムデータベースを備えており、
前記複数のプロセス点識別子の各々は、前記生産ライン上の機械によって実行される1つ又はそれ以上の機械作業を含む複数の機械プロセス点と関係づけられており、
前記複数の機械識別子の各々はプロセス点識別子を含み、
前記複数のプロセス点タイプの各々は、前記生産ライン上の前記複数の機械の各々によって実行される機械作業に言及しており、
前記複数のコンピュータ命令は、前記生産ライン上の前記複数の機械によって実行される前記機械作業に関連しており、
前記プロセス制御システムコンピュータは、
(a)前記機械によって処理された部品についての部品識別子とプロセス点タイプと機械識別子とを、前記生産ライン上の機械のコントローラから前記コンピュータにて受け取り、
(b)前記複数のプロセス点タイプの各々と関係づけられた前記複数のコンピュータ命令を前記リアルタイムデータベースから取り出し、
(c)前記複数のプロセス点タイプの各々と関係づけられた前記複数のコンピュータ命令を前記コンピュータにて実行し、
(d)前記部品識別子を前記データベースに記録し、
(e)前記プロセス点タイプに従って前記コンピュータにて実行された前記複数のコンピュータ命令の結果に関連するデータを、前記部品識別子と関係づけて前記データベースに記録する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項12】
前記プロセス制御システムコンピュータは、更に、
(l)前記機械によって実行される作業に関連するデータを前記コントローラから受け取り、
(m)前記機械によって実行される作業に関連する前記データを、前記部品識別子と関係づけて前記リアルタイムデータベースに記録する請求項11のシステム。
【請求項13】
前記機械によって実行される作業に関連する前記データは、前記機械によって処理された前記部品の状態に関するデータを含む請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記部品の状態は、品質管理フラグと、保留フラグと、スクラップフラグとからなる群から選択される請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数のプロセス点識別子を含む前記複数の一意の機械識別子は、1から始まる数値の順で割り当てられたプロセス点番号よりなる請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数のプロセス点タイプは、エリア・オンと、ピック・アップと、マシン・オフと、クォリティ・コントロール・オンと、セット・プロセスと、ロードと、エリア・オフと、マシン・オンと、からなる群から選択される請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記プロセス制御システムコンピュータは、更に、
(n)前記プロセス点タイプがピック・アップであるかどうかを決定し、
(o)前記ピック・アップである前記プロセス点タイプについての複数のコンピュータ命令を実行し、前記複数のコンピュータ命令は、
(i)前記機械によって処理された前記部品についての部品履歴データを前記部品識別子を用いて検索することと、
(ii)前記部品履歴データに関連するデータを前記コントローラに返すことと、
を含み、
前記部品履歴データは、前記部品が前記コントローラによって受け入れられるべきかまたは拒絶されるべきかを指示している請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記部品履歴データに関連する前記データに従って前記部品を受け入れるかまたは拒絶する請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記コントローラが前記部品履歴データに関連する前記データに従って前記部品を拒絶した場合、前記コントローラは前記部品を前記生産ラインから取り除く請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記プロセス制御システムコンピュータにて記録された前記データは、さらに、プラント品質・追跡システムに転送される請求項11に記載のシステム。
【請求項21】
生産ライン上の複数の機械によって完了したプロセスを制御するためのコンピュータ化された方法であって、
(a)一意の機械識別子を前記生産ライン上の前記複数の機械の各々に割り当てることと、
(b)複数のプロセス点タイプを定義することと、
(c)前記生産ライン上の機械によって実行される機械作業に関する複数のコンピュータ命令を前記複数のプロセス点タイプの各々と関係づけることと、
(d)前記一意の機械識別子と、前記複数のプロセス点タイプと、前記複数のプロセス点タイプの各々と関係づけられた前記複数のコンピュータ命令とを、プロセス制御システムコンピュータのデータベースに保存することと、
(e)前記生産ライン上で処理された部品についての部品識別子および部品状態情報を前記データベースに保存することと、
(f)前記機械によって処理された部品についての部品識別子とプロセス点タイプと機械識別子とを、前記生産ライン上の機械のコントローラから前記プロセス制御システムコンピュータにて受け取ることと、
(g)前記複数のプロセス点タイプの各々と関係づけられた前記複数のコンピュータ命令を前記プロセス制御システムコンピュータにて実行することと、
(h)前記部品識別子と関係づけられた部品状態情報を前記データベースから取り出すことと、
(i)前記部品状態情報に従って前記コントローラによる前記部品の処理のために前記部品状態情報を前記コントローラに送ることと、
を含み、
前記各機械識別子は、前記生産ライン上の前記機械によって実行される1つ又はそれ以上の機械作業に関連するプロセス点識別子を含み、
前記複数のプロセス点タイプの各々は、前記生産ライン上の前記複数の機械の各々によって実行される機械作業に言及していることを特徴とする方法。
【請求項22】
前記部品状態情報に従って前記コントローラによる前記部品の処理のために前記部品状態情報を前記コントローラに送ることは、スクラップ状態インジケータを前記コントローラに送ることを含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記コントローラは、前記部品を前記生産ラインから取り除くために前記部品をシュートに向けることによって前記スクラップ状態インジケータに応答する請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記部品状態情報に従って前記コントローラによる前記部品の処理のために前記部品状態情報を前記コントローラに送ることは、品質管理状態インジケータを前記コントローラに送ることを含む請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記コントローラは、前記部品を品質管理ステーションに向けることによって前記品質管理状態インジケータに応答する請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記部品状態情報に従って前記コントローラによる前記部品の処理のために前記部品状態情報を前記コントローラに送ることは、部品除去場所識別子を前記コントローラに送ることを含む請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記部品は、前記部品が部品除去場所に到達した時に前記コントローラによって前記生産ラインから取り除かれる請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記部品状態情報に従って前記コントローラによる前記部品の処理のために前記部品状態情報を前記コントローラに送ることは、次のプロセス識別子を前記コントローラに送ることを含む請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記部品は、前記次のプロセス識別子に従って前記生産ライン上で別のコントローラへ移される請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記方法は、更に、
(h)前記機械での前記部品の処理に関する付加的情報を、前記コントローラから前記プロセス制御システムコンピュータにて受け取ることと、
(i)前記機械での前記部品の処理に関する前記付加的情報を、前記部品識別子と関係づけて前記データベースに保存することと、
を含む請求項21に記載の方法。
【請求項1】
生産ライン上の複数の機械によって完了したプロセスのデータを収集してリアルタイムデータベースに保存するコンピュータ化された方法であって、
(a)複数の機械プロセス点を定義することと、
(b)プロセス点識別子を前記複数の機械プロセス点の各々と関係づけることと、
(c)一意の機械識別子を前記生産ライン上の前記複数の機械の各々に割り当てることと、
(d)複数のプロセス点タイプを定義することと、
(e)前記生産ライン上の前記機械によって実行される機械作業に関する複数のコンピュータ命令を前記複数のプロセス点タイプの各々と関係づけることと、
(f)前記一意の機械識別子と、前記複数のプロセス点タイプと、前記複数のプロセス点タイプの各々と関係づけられた前記複数のコンピュータ命令とを、コンピュータのデータベースに保存することと、
(g)前記機械によって処理された部品についての部品識別子とプロセス点タイプと機械識別子とを、前記生産ライン上の機械のコントローラから前記コンピュータにて受け取ることと、
(h)前記複数のプロセス点タイプの各々と関係づけられた前記複数のコンピュータ命令を前記データベースから取り出すことと、
(i)前記複数のプロセス点タイプの各々と関係づけられた前記複数のコンピュータ命令を前記コンピュータにて実行することと、
(j)前記部品識別子を前記データベースに記録することと、
(k)前記プロセス点タイプに従って前記コンピュータにて実行された前記複数のコンピュータ命令の結果に関連するデータを、前記部品識別子と関係づけて前記データベースに記録することと、
を含み、
前記複数の機械プロセス点の各々は、前記生産ライン上の機械によって実行される1つ又はそれ以上の機械作業から成り、
前記一意の機械識別子は前記プロセス点識別子を含み、
前記複数のプロセス点タイプの各々は、前記生産ライン上の前記複数の機械の各々によって実行される前記機械作業に言及していることを特徴とする方法。
【請求項2】
前記方法は、更に、
(l)前記機械によって実行される作業に関連するデータを前記コントローラから前記コンピュータにて受け取ることと、
(m)前記機械によって実行される作業に関連する前記データを、前記部品識別子と関係づけて前記データベースに記録することと、
を含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
前記機械によって実行される作業に関連するデータを前記コントローラから前記コンピュータにて受け取ることは、前記機械によって処理された前記部品の状態に関するデータを前記コンピュータにて受け取ることを含む請求項2に記載の方法。
【請求項4】
前記部品の状態は、品質管理フラグと保留フラグとスクラップフラグとからなる群から選択される請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記プロセス点識別子を前記複数の機械プロセス点の各々と関係づけることは、各プロセス点に番号を1から始まる数値の順に割り当てることを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記複数のプロセス点タイプは、エリア・オンと、ピック・アップと、マシン・オフと、クォリティ・コントロール・オンと、セット・プロセスと、ロードと、エリア・オフと、マシン・オンと、からなる群から選択される請求項1に記載の方法。
【請求項7】
前記方法は、更に、
(l)前記プロセス点タイプがピック・アップであるかどうかを前記コンピュータにて決定することと、
(m)前記ピックアップであるプロセス点タイプについての複数のコンピュータ命令を実行することと、
を含み、前記複数のコンピュータ命令は、
(i)前記機械によって処理された前記部品についての部品履歴データを前記部品識別子を用いて検索することと、
(ii)前記部品履歴データに関連するデータを前記コントローラに返すことと、
を含んでおり、
前記部品履歴データは、前記部品が前記コントローラによって受け入れられるべきかまたは拒絶されるべきかを指示している請求項6に記載の方法。
【請求項8】
前記コントローラは、前記部品履歴に関連する前記データに従って前記部品を受け入れるかまたは拒絶する請求項7に記載の方法。
【請求項9】
前記方法は、更に、
前記コントローラが前記部品履歴データに関連する前記データに従って前記部品を拒絶した場合、前記部品を前記生産ラインから取り除くことを含む請求項8に記載の方法。
【請求項10】
前記方法は、更に、
前記コンピュータにて記録された前記データをプラント品質・追跡システムに転送することを含む請求項1に記載の方法。
【請求項11】
生産ライン上の複数の機械によって完了したプロセスのデータを収集してリアルタイムデータベースに保存するためのコンピュータ化されたシステムであって、
複数のラインコントローラと、
前記複数のラインコントローラと通信しているプロセス制御システムコンピュータと、
を備えており、
前記複数のラインコントローラの各々は、前記生産ライン上の前記複数の機械によって実行される作業を制御するようになっているとともに、前記複数の機械において処理された部品に関連するデータを送受するようになっており、
前記プロセス制御システムコンピュータは、
(i)複数のプロセス点識別子と、
(ii)前記生産ライン上の前記複数の機械の各々を識別する複数の一意の機械識別子と、
(iii)複数のプロセス点タイプと、
(iv)前記複数のプロセス点タイプの各々と関係づけられた複数のコンピュータ命令と、
を保存するために前記リアルタイムデータベースを備えており、
前記複数のプロセス点識別子の各々は、前記生産ライン上の機械によって実行される1つ又はそれ以上の機械作業を含む複数の機械プロセス点と関係づけられており、
前記複数の機械識別子の各々はプロセス点識別子を含み、
前記複数のプロセス点タイプの各々は、前記生産ライン上の前記複数の機械の各々によって実行される機械作業に言及しており、
前記複数のコンピュータ命令は、前記生産ライン上の前記複数の機械によって実行される前記機械作業に関連しており、
前記プロセス制御システムコンピュータは、
(a)前記機械によって処理された部品についての部品識別子とプロセス点タイプと機械識別子とを、前記生産ライン上の機械のコントローラから前記コンピュータにて受け取り、
(b)前記複数のプロセス点タイプの各々と関係づけられた前記複数のコンピュータ命令を前記リアルタイムデータベースから取り出し、
(c)前記複数のプロセス点タイプの各々と関係づけられた前記複数のコンピュータ命令を前記コンピュータにて実行し、
(d)前記部品識別子を前記データベースに記録し、
(e)前記プロセス点タイプに従って前記コンピュータにて実行された前記複数のコンピュータ命令の結果に関連するデータを、前記部品識別子と関係づけて前記データベースに記録する、
ことを特徴とするシステム。
【請求項12】
前記プロセス制御システムコンピュータは、更に、
(l)前記機械によって実行される作業に関連するデータを前記コントローラから受け取り、
(m)前記機械によって実行される作業に関連する前記データを、前記部品識別子と関係づけて前記リアルタイムデータベースに記録する請求項11のシステム。
【請求項13】
前記機械によって実行される作業に関連する前記データは、前記機械によって処理された前記部品の状態に関するデータを含む請求項12に記載のシステム。
【請求項14】
前記部品の状態は、品質管理フラグと、保留フラグと、スクラップフラグとからなる群から選択される請求項13に記載のシステム。
【請求項15】
前記複数のプロセス点識別子を含む前記複数の一意の機械識別子は、1から始まる数値の順で割り当てられたプロセス点番号よりなる請求項11に記載のシステム。
【請求項16】
前記複数のプロセス点タイプは、エリア・オンと、ピック・アップと、マシン・オフと、クォリティ・コントロール・オンと、セット・プロセスと、ロードと、エリア・オフと、マシン・オンと、からなる群から選択される請求項11に記載のシステム。
【請求項17】
前記プロセス制御システムコンピュータは、更に、
(n)前記プロセス点タイプがピック・アップであるかどうかを決定し、
(o)前記ピック・アップである前記プロセス点タイプについての複数のコンピュータ命令を実行し、前記複数のコンピュータ命令は、
(i)前記機械によって処理された前記部品についての部品履歴データを前記部品識別子を用いて検索することと、
(ii)前記部品履歴データに関連するデータを前記コントローラに返すことと、
を含み、
前記部品履歴データは、前記部品が前記コントローラによって受け入れられるべきかまたは拒絶されるべきかを指示している請求項16に記載のシステム。
【請求項18】
前記コントローラは、前記部品履歴データに関連する前記データに従って前記部品を受け入れるかまたは拒絶する請求項17に記載のシステム。
【請求項19】
前記コントローラが前記部品履歴データに関連する前記データに従って前記部品を拒絶した場合、前記コントローラは前記部品を前記生産ラインから取り除く請求項18に記載のシステム。
【請求項20】
前記プロセス制御システムコンピュータにて記録された前記データは、さらに、プラント品質・追跡システムに転送される請求項11に記載のシステム。
【請求項21】
生産ライン上の複数の機械によって完了したプロセスを制御するためのコンピュータ化された方法であって、
(a)一意の機械識別子を前記生産ライン上の前記複数の機械の各々に割り当てることと、
(b)複数のプロセス点タイプを定義することと、
(c)前記生産ライン上の機械によって実行される機械作業に関する複数のコンピュータ命令を前記複数のプロセス点タイプの各々と関係づけることと、
(d)前記一意の機械識別子と、前記複数のプロセス点タイプと、前記複数のプロセス点タイプの各々と関係づけられた前記複数のコンピュータ命令とを、プロセス制御システムコンピュータのデータベースに保存することと、
(e)前記生産ライン上で処理された部品についての部品識別子および部品状態情報を前記データベースに保存することと、
(f)前記機械によって処理された部品についての部品識別子とプロセス点タイプと機械識別子とを、前記生産ライン上の機械のコントローラから前記プロセス制御システムコンピュータにて受け取ることと、
(g)前記複数のプロセス点タイプの各々と関係づけられた前記複数のコンピュータ命令を前記プロセス制御システムコンピュータにて実行することと、
(h)前記部品識別子と関係づけられた部品状態情報を前記データベースから取り出すことと、
(i)前記部品状態情報に従って前記コントローラによる前記部品の処理のために前記部品状態情報を前記コントローラに送ることと、
を含み、
前記各機械識別子は、前記生産ライン上の前記機械によって実行される1つ又はそれ以上の機械作業に関連するプロセス点識別子を含み、
前記複数のプロセス点タイプの各々は、前記生産ライン上の前記複数の機械の各々によって実行される機械作業に言及していることを特徴とする方法。
【請求項22】
前記部品状態情報に従って前記コントローラによる前記部品の処理のために前記部品状態情報を前記コントローラに送ることは、スクラップ状態インジケータを前記コントローラに送ることを含む請求項21に記載の方法。
【請求項23】
前記コントローラは、前記部品を前記生産ラインから取り除くために前記部品をシュートに向けることによって前記スクラップ状態インジケータに応答する請求項22に記載の方法。
【請求項24】
前記部品状態情報に従って前記コントローラによる前記部品の処理のために前記部品状態情報を前記コントローラに送ることは、品質管理状態インジケータを前記コントローラに送ることを含む請求項21に記載の方法。
【請求項25】
前記コントローラは、前記部品を品質管理ステーションに向けることによって前記品質管理状態インジケータに応答する請求項24に記載の方法。
【請求項26】
前記部品状態情報に従って前記コントローラによる前記部品の処理のために前記部品状態情報を前記コントローラに送ることは、部品除去場所識別子を前記コントローラに送ることを含む請求項21に記載の方法。
【請求項27】
前記部品は、前記部品が部品除去場所に到達した時に前記コントローラによって前記生産ラインから取り除かれる請求項26に記載の方法。
【請求項28】
前記部品状態情報に従って前記コントローラによる前記部品の処理のために前記部品状態情報を前記コントローラに送ることは、次のプロセス識別子を前記コントローラに送ることを含む請求項21に記載の方法。
【請求項29】
前記部品は、前記次のプロセス識別子に従って前記生産ライン上で別のコントローラへ移される請求項28に記載の方法。
【請求項30】
前記方法は、更に、
(h)前記機械での前記部品の処理に関する付加的情報を、前記コントローラから前記プロセス制御システムコンピュータにて受け取ることと、
(i)前記機械での前記部品の処理に関する前記付加的情報を、前記部品識別子と関係づけて前記データベースに保存することと、
を含む請求項21に記載の方法。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5A】
【図5B】
【図5C】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【公開番号】特開2009−245435(P2009−245435A)
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2009−81010(P2009−81010)
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成21年10月22日(2009.10.22)
【国際特許分類】
【出願日】平成21年3月30日(2009.3.30)
【出願人】(000005326)本田技研工業株式会社 (23,863)
【Fターム(参考)】
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