用紙パッケージ
【課題】用紙の種類を識別部41で表示する構成の用紙パッケージ9において、プリンタ側のセンサで識別部41を読み取る際の精度を向上できる構成を提供する。
【解決手段】用紙パッケージ9のパッケージ材8は、底部と、底部に連続するエンド部52と、エンド部52に連続する舌部53を有し、また、底部に連続するサイド部54と、サイド部54に連続する舌固定部55と、を有する(選択図において、底部は舌部53の下側に隠れている)。前記底部には、プリンタ側のセンサで読取り可能な識別部41が設けられる。用紙パッケージ9をプリンタにセットする際は、前記舌部53がプリンタの部材に当接することで位置決めがされる。この構成において、舌固定部55が、舌部53に対し、突起39が舌固定用切込み33に差し込まれることによって固定され、前記舌部53の、前記底部51に対する用紙搬送方向に沿う向きの相対的な移動が阻止されている。
【解決手段】用紙パッケージ9のパッケージ材8は、底部と、底部に連続するエンド部52と、エンド部52に連続する舌部53を有し、また、底部に連続するサイド部54と、サイド部54に連続する舌固定部55と、を有する(選択図において、底部は舌部53の下側に隠れている)。前記底部には、プリンタ側のセンサで読取り可能な識別部41が設けられる。用紙パッケージ9をプリンタにセットする際は、前記舌部53がプリンタの部材に当接することで位置決めがされる。この構成において、舌固定部55が、舌部53に対し、突起39が舌固定用切込み33に差し込まれることによって固定され、前記舌部53の、前記底部51に対する用紙搬送方向に沿う向きの相対的な移動が阻止されている。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重ねられた状態の用紙の外側をパッケージ材で保護するとともに、該パッケージ材とともにプリンタにセットできる、用紙パッケージの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、積層された状態のプリンタ用紙の外側をパッケージ材で覆った状態の用紙パッケージが知られている。この用紙パッケージは、それを購入したユーザ側でパッケージ材を開封してプリンタにセットして使う構成とされている。
この用紙パッケージの技術は、複数枚の用紙をパッケージ単位でまとめて取り扱うことができるため使い勝手が向上されるとともに、内部の用紙を覆って保護できるために、特に光や熱に弱い感熱紙を用紙として採用する場合に有用である。
【0003】
また、そのようなパッケージ材の適宜の位置に識別部を付して、用紙パッケージをプリンタにセットしたときにプリンタ側のセンサで識別部の情報を読み取り、プリンタ側の処理に用いる構成も考えられている。
例えば、パッケージ材の内部に収納される用紙の種類や大きさ等の情報を識別部に表示しておき、プリンタ側でその識別部の情報を読み取って、当該用紙の種類や大きさ等に応じて印刷機構部の制御を異ならせたりすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特に近年は、パーソナルコンピュータの小型化や携帯情報端末(PDA)の普及に伴い、プリンタも、ハンディサイズの小型プリンタの需要が高まってきた。
そして、この種の小型プリンタに用いる小さなサイズの用紙のハンドリング性を向上すべく、前記従来技術の用紙パッケージにおいて、パッケージ材をシート状の部材(例えば、厚紙材)で形成し、これを箱状に組み立てる構成が考えられる。
そして、シート状の部材は突起や切込みを有する形状に予め形成しておき、これを箱状に組み立てる際は、前記突起を前記切込みに単に差し込んで固定するようにすると、接着剤や粘着テープなどを使用する場合等に比してコスト的にも有利である。この構成の場合は、前記識別部はシート状の部材に付すことになる。
【0005】
このような場合において、用紙パッケージをプリンタにセットしたときに識別部をプリンタ側のセンサに対して正確に位置させることができないと、識別部の情報を当該センサで正確に読み取れず、プリンタの誤動作の原因となってしまう。
【0006】
本願発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、プリンタ側のセンサで識別部を読み取る際の精度を向上できる用紙パッケージの構成を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、プリンタの被印刷媒体としての用紙と、積層された状態の該用紙の外側を覆うパッケージ材と、を有し、該パッケージ材から用紙の一部を露出させた状態で、該パッケージ材とともに前記プリンタにセットできるように構成した、用紙パッケージであって、前記パッケージ材は、積層された用紙の積層方向一側の面を覆うとともに、プリンタ側のセンサで読取り可能な識別部を設けた、第一の部分と、前記第一の部分に連続し、かつ、積層された用紙の用紙搬送方向末尾側の縁部を覆う、第二の部分と、前記第二の部分に連続し、かつ、積層された用紙の積層方向他側の面を覆う、第三の部分と、を有し、前記用紙パッケージがプリンタにセットされる際は、当該第三の部分の縁部の少なくとも一部が前記プリンタを構成する部材に当接することで、当該用紙パッケージがプリンタに対して位置決めされるように構成し、前記パッケージ材は、更に、前記第一の部分に連続し、かつ、積層された用紙のサイド側の縁部を覆う、第四の部分と、前記第四の部分に連続し、かつ、積層された用紙に対し前記積層方向他側に位置する、第五の部分と、を有するように構成し、前記第三の部分の、前記第一の部分に対する用紙搬送方向に沿う向きの相対的な移動を阻止するように、前記第五の部分が当該第三の部分に固定されているものである。
【0009】
請求項2においては、前記第五の部分には突起を設け、前記第三の部分には差込口を設け、前記突起を前記差込口に差し込むことで、前記第三の部分を前記第五の部分に固定されているものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
【0011】
〔プリンタの構成〕
まず、サーマル記録装置としてのプリンタ1の概略構造を、図1〜図5を参照しながら説明する。
図1はプリンタの斜視図、図2は側面断面図である。図3は蓋体を開いた状態を示す斜視図である。図4は用紙収容部に用紙をセットした状態を示した側面断面図である。図5は用紙分離部および印刷機構部の詳細を示した断面拡大図である。
【0012】
プリンタ1は図1に示すように、平面視で長方形状(A6〜A7サイズ程度の用紙を収容可能な大きさ)とされ、かつ、厚みが略2cmあるいはそれ以下となる、コンパクトな構成とされている。
プリンタ1の本体ケース2は、枠体3の下面を下カバー4で覆うとともに、上面の一部を上カバー5で覆って形成されている。
【0013】
枠体3の上面側のうち前記上カバー5で覆われた箇所を除いた残りの部分には、図2に示すように用紙収容部(給紙部)6が形成される。この用紙収容部6には、A6〜A7サイズのカットシート状の感熱紙(被印刷媒体。以下「用紙」と称する)7をパッケージ材8の内部に複数枚収納した用紙パッケージ9を、図4に示すように収容可能としている。
前記用紙収容部6の上方は蓋体10にて覆われ、この蓋体10は図2の矢印で示すように回動自在とされる。なお、図3には蓋体10が開かれた状態が示される。本体ケース2側には図示しないロック機構が設けられており、前述のように用紙収容部6に用紙パッケージ9をセットした状態で、図4に示すように蓋体10を閉じてロックできるようになっている。
【0014】
用紙収容部6の一側の端部には、用紙分離部11としてのピックアップローラ12および分離ブロック13等が配置されている。また、上カバー5の下方には、後に詳述する印刷機構部14としてのサーマルヘッド15、プラテンローラ16、ペーパーガイド17が配置される。
【0015】
図3に示すように、用紙収容部6の他側の一隅においては、その底部に反射型センサ40が設けられている。この反射型センサ40は四つのセンサ40a〜40dを並べて配置した構成とされ、それぞれのセンサ40a〜40dから光を照射してその反射率を測定することで、用紙パッケージ9の後述する識別マーク41を読み取るようになっている。
【0016】
用紙分離部11を説明する。
図5に示すように、前記用紙収容部6の、前記印刷機構部14に近い側の端部には、ピックアップローラ12と分離ブロック13とが設けられている。前記蓋体10の用紙収容部6側を向く内面には、押圧板18が回動自在に支持されている。
この押圧板18と蓋体10との間には付勢バネ19が介在され、押圧板18に対し、該押圧板18を下方へ回動させる向きの付勢力を常時作用させている。
【0017】
用紙パッケージ9は、印字面を下側へ向けながら積層された状態で内部に収納されている用紙7のうち、最も下側に位置する用紙7の下面をパッケージ材8から一部露出させた状態で、用紙収容部6にセットされる。そして、前記蓋体10を閉じてロックした際には、前述の付勢バネ19により下方へ付勢される押圧板18がパッケージ材8(後述する舌部53)を介して、用紙7の用紙搬送方向先頭側の領域を押圧する。この結果、用紙7の前記露出した部分はピックアップローラ12に接触して、適宜の力で圧接される。
【0018】
前記ピックアップローラ12に近接させて分離ブロック13が設けられ、この分離ブロック13は、ピックアップローラ12の用紙送り出し方向に対して傾斜した分離案内面13aを備えている。
【0019】
この構成でピックアップローラ12が回転駆動することにより、該ピックアップローラ12に接触する最下層の用紙7に搬送力が加えられる。そして、前記分離ブロック13の分離案内面13aの分離作用とあいまって、最下層に位置する一枚の用紙7のみが分離されて送り出される。
【0020】
印刷機構部14を説明する。
分離ブロック13に隣接してプラテンローラ16が回転自在に設けられ、その外周面に近接させてペーパーガイド17が配置される。
図5の拡大図に示すように、このペーパーガイド17には、前記プラテンローラ16の外周面に沿うように、凹湾曲状の摺接面17aが形成されている。該ペーパーガイド17と本体ケース2との間には押圧コイルバネ20が設けられており、前記摺接面17aをプラテンローラ16の外周面に向けて付勢するようになっている。
【0021】
この構成において、前述の用紙分離部11で分離された用紙7は、ピックアップローラ12により搬送されて、分離ブロック13の下端と、用紙の向きをプラテンローラ16側へ向けるためのガイド板21の間を通過する。
用紙7はこのガイド板21により案内され、プラテンローラ16の下面側から、該プラテンローラ16とペーパーガイド17との間に送られる。そして用紙7は、プラテンローラ16の外周面とペーパーガイド17の摺接面17aとの間で保持されつつ、プラテンローラ16の回転駆動により横向き「U」字状に反転されながら搬送され、印字面を上側に向けながらプラテンローラ16の上面側に至る。
【0022】
プラテンローラ16の上面側に位置する前記サーマルヘッド15は、発熱体部15aを有している。該サーマルヘッド15は回動軸15bまわりに回動可能に設けられて、前記発熱体部15aがプラテンローラ16の上面に接離可能とされている。
なお、このようにサーマルヘッド15を回動自在に構成したのは、前記プラテンローラ16とペーパーガイド17との間で用紙7が詰まった場合におけるジャム紙除去作業において、サーマルヘッド15が作業の邪魔にならないようにするためである。
サーマルヘッド15には捩りコイルバネタイプのスプリング22の一端が係止されて、該サーマルヘッド15の発熱体部15aがプラテンローラ16上面に近接する方向の付勢力を常時加えている。
この構成で、前述のように印字面を上側に向けながらプラテンローラ16により送られてくる用紙の上面にサーマルヘッド15の発熱体部15aが接触し、この接触する箇所において用紙7に印字がなされる。
【0023】
サーマルヘッド15はラインヘッド型とされ、搬送されてくる感熱型の用紙7に対し、該用紙7の搬送方向に直交する方向に延びるライン毎に、任意の文字や画像を印刷することができる。一本のラインにつき印刷する際の印刷幅は、印刷対象の用紙7の幅に略等しく設定されている。
このようにサーマルヘッド15を印刷ヘッドとして用いるのは、被印刷媒体として感熱紙を用いることで、インクやインクリボンなどの消耗品が不要とできるほか、インクの供給のための機構などを省略でき、プリンタ1をコンパクトに構成できるからである。
感熱紙として、本実施形態では、サーマルヘッド15の加熱により発色する発色層を受像層としてその一側の面に形成した、いわゆる感熱発色タイプのものを使用している。ただし、それに限られるものではなく、例えば、加熱により穿孔される穿孔層を基材層上に積層して受像層としたもの(感熱穿孔タイプ)を用いても構わない。また、感熱紙のみならず、熱転写方式やそれ以外の用紙を用いることも可能である。
【0024】
前記分離ブロック13には、プラテンローラ16の用紙送り出し方向に対して傾斜した排紙ガイド面13bが形成されている。
この構成において、サーマルヘッド15の発熱体部15aにより印字がなされた後の用紙7は、この排紙ガイド面13bにより案内されて、図1の鎖線に示すように、本体ケース2の上カバー5と前記蓋体10とがなす隙間から、蓋体10の上側へ排紙される。
【0025】
〔用紙パッケージの構成〕
次に、本実施形態において、プリンタ1にセットされる用紙パッケージ9について説明する。
図6は用紙パッケージの斜視図、図7はパッケージ材の展開図である。用紙パッケージを製造する工程は、図8〜図12に順を追って示されている。
【0026】
用紙パッケージ9は図6に示すように、例えばA6〜A7サイズ程度の小サイズのカットシート状の感熱紙が、パッケージ材8の内部に、複数枚(例えば、50枚程度)積層されて収納される構成となっている。ユーザはこの図6の状態で販売されている用紙パッケージを購入し、後述する工程を行って内部の用紙を露出させてから、プリンタ1の用紙収容部6にパッケージ材8とともにセットするように構成されている。
【0027】
上記のパッケージ材8は、平板状の厚紙材(シート状部材)を折り曲げて箱状に組み立てたものである。厚紙材を折り曲げる前の状態が図7に示され、該厚紙材の形状は、用紙7とほぼ同一形状(長方形)とした底部51の四囲に、舌部53、外装部57、舌固定部55、蓋部59がそれぞれ一体的に形成されたものとなっている。
【0028】
パッケージ材8の各部分の関係は、具体的には以下のとおりである。
即ち、前記底部51の用紙搬送方向末尾側の辺にはエンド部52が連続し、当該エンド部52に舌部53が連続して形成されている。
前記底部51の用紙搬送方向の一方のサイド側の辺にはサイド部54が連続し、このサイド部54に舌固定部55が連続して形成されている。
前記底部51の用紙搬送方向の他方のサイド側の辺にはサイド部56が連続し、当該サイド部56に前記外装部57が連続して形成されている。
前記底部51の用紙搬送方向先頭側の辺にはトップ部58が連続し、このトップ部58に蓋部59が連続して形成されている。
【0029】
エンド部52やサイド部54・56やトップ部58は、積層された用紙7をパッケージ材8に収納したときに、当該用紙7の端縁側を覆う役目を果たすものである。これらの部分52・54・56・58は、いずれも互いに等しい長さだけ、前記底部51の四辺から延出するように形成されている。
【0030】
なお、本実施形態においては、前記底部51が第一の部分に、エンド部52が第二の部分に、舌部53が第三の部分に、サイド部54が第四の部分に、舌固定部55が第五の部分に、それぞれ相当する。
【0031】
底部51には、その用紙搬送方向末尾側の端部の一隅(図7の図中下方側の面)に、識別部としての識別マーク41が印刷等の公知の方法で付されている。この識別マーク41は、用紙パッケージ9をプリンタ1の用紙収容部6にセットしたときに、前述の反射型センサ40の読取領域に位置するように構成している。識別マーク41の具体的な構成は後述する。
【0032】
パッケージ材8に形成されている底部等のそれぞれの部分(51〜59)同士の境界には、図7に細い鎖線で示すように、折り目加工(スジ入れ加工)が施されている。これにより、当該折り目で厚紙材を折り曲げ易くして組立て時の便宜を図っている。
【0033】
底部51にはプリンタセット用切込み31が、舌部53には蓋固定用切込み32・舌固定用切込み(差込口)33が、舌固定部55には外装固定用切込み34がそれぞれ形成され、パッケージ材8の一部部分を差し込むことができるようになっている。詳細は後述する。
【0034】
〔用紙パッケージの製造工程〕
まず、用紙パッケージ9を製造する工程を以下に説明する。
図7の状態の厚紙材は、先ず図8に示すように、そのエンド部52が底部51に対して垂直に折り曲げられるとともに、舌部53がエンド部52に対して垂直に折り曲げられる。この結果、舌部53は底部51の上側に、適宜の間隔(エンド部52の長さに相当する間隔)をおいて、平行に位置する。
【0035】
次に図9に示すように、サイド部54が底部51に対して垂直に折り曲げられるとともに、舌固定部55が前記舌部53の上に重なるように垂直に折り曲げられ、その先端に設けられている突起39が、舌部53に形成された舌固定用切込み(差込口)33に差し込まれる。
【0036】
更には図10に示すように、サイド部56が底部51に対して垂直に折り曲げられるとともに、外装部57が舌部53および舌固定部55の上に重なるように垂直に折り曲げられ、その先端に設けられた差込部35が、舌固定部55に設けられた外装固定用切込み34に差し込まれる。
【0037】
以上の結果、図11の図中左側に示すような直方体状の箱体が形作られる。この箱体はその長手方向一側(用紙搬送方向先頭側)のみが開放されており、その他の側は、底部51および舌部53、更にはサイド部54・56やエンド部52によって閉塞されている。
【0038】
そして図11に示すように、重ねられた状態の用紙7が、前記厚紙材の底部51と舌部53との間に差し込むように、箱体の前記開放側から挿入される。
なお、用紙7を挿入する際には、用紙7の感熱面(印字面)が前記底部51側を向くように、予めその向きが定められる。これは、後に用紙パッケージ9をプリンタにセットし、当該用紙7がプリンタの印刷機構部14に送られるときに、前記サーマルヘッド15側に用紙7の感熱面が向くようにするためである。
【0039】
用紙7を挿入した後は図12に示すように、前記トップ部58が底部51に対し垂直に折り曲げられるとともに、蓋部59がトップ部58に対して垂直に折り曲げられる。蓋部59は舌部53の上に折り重なる形となり、更に、その先端の差込部38が、当該舌部53に形成されている該蓋固定用切込み32に差し込まれる。
これにより蓋部59が閉じられ、前記箱体の開放側が前記トップ部58により覆われた状態で固定される。
【0040】
以上により図6に示す用紙パッケージ9が完成するが、本実施形態においては、上記の用紙パッケージ9の製造作業はメーカ側で行い、プリンタ1を使用するユーザとしては、この図6の状態で販売されている用紙パッケージ9を購入し、当該用紙パッケージ9に対し以下に示す簡単な作業を施した上で、プリンタ1にセットして使用することになる。
【0041】
〔用紙パッケージのプリンタへのセット作業〕
次に、図6の状態の用紙パッケージ9をプリンタにセットするための作業の流れを、図13R>3以降を参照して説明する。
図17は、プリンタにセットする直前の状態の用紙パッケージを上下逆さにした様子を示す斜視図である。図13〜図18には、用紙パッケージをプリンタにセットする作業の様子が、順を追って示されている。
【0042】
最初に、ユーザは図6の状態の用紙パッケージ9の蓋部59の差込部38を蓋固定用切込み32から抜き取って、図13に示すように蓋部59を開く。
その上で図14に示すように、外装部57・舌固定部55のそれぞれに形成されている切取部45に指を掛けて、当該切取部45を切り離す。この二つの切取部45は図7に示すように、パッケージ材8の外装部57または舌固定部55から、底部51に跨った部分に形成されている。なお、切取部45の切離し作業を容易とすべく、図7等に示すように、パッケージ材8には当該切取部45の輪郭に沿ってミシン目加工46が施されている。
【0043】
この切取部45の切離し作業によって、前記底部51の用紙搬送方向先頭側の一部を、図7R>7に符号Aで示す折り目線を境に、蓋部59・トップ部58とともに下方(外側)へ折り返すことができるようになる。
【0044】
ユーザは蓋部59、トップ部58および底部51を折り目線Aを境に外側へ折り返した上で(図15)、その先端に形成されている差込部38を、パッケージ材8の底部51に図7R>7のように形成されているプリンタセット用切込み31に差し込む(図16)。
以上により、蓋部59が開いた状態で固定され、内部の用紙7の一部がパッケージ材8から露出される。
【0045】
この蓋部59が開いた状態の用紙パッケージ9を上下逆さにした様子が図17に示され、この図17を参照して前記識別マーク41の具体的な構成を説明する。
識別マーク41は四つの矩形状のビット表示部41a〜41dにより構成されており、四つのうち1〜3箇所が黒く着色される一方、残りの箇所は着色されず、パッケージ材8の下地の色(白)が残されている。例えば図17においては、表示部41a・41c・41dが黒く着色され、残りの表示部31bは着色されず白とされている。この着色の方法としては、印刷等の公知の方法を採用すればよい。
上記の白黒のパターンは、該パッケージ材8の内部に収納される用紙7の種類(例えば、通常タイプの感熱紙、二色発色が可能な感熱紙、ラベル部を剥離紙上に形成して印刷後にラベル部を剥がして貼着ラベルとできるラベル紙、二枚同時に印字が可能な複写紙等)に応じて、予め定められている。
【0046】
次いで図18のように、用紙パッケージ9を底部51側を下にして、プリンタ1の用紙収容部6にセットする。この結果、パッケージ材8内で積層されているうち最下層の用紙7の、パッケージ材8から露出されている部分が、ピックアップローラ12の上面に接触する。従って、この状態でピックアップローラ12を回転駆動させることにより、用紙7を繰り出して搬送できることになる。
【0047】
この後に蓋体10を閉じた状態が図4および図5に示され、このときは前記舌部53は、用紙7をピックアップローラ12に押し当てるための押圧板18と、用紙7との間に位置する。
【0048】
このようにして用紙7は用紙パッケージ9の形でプリンタ1にセットされ、用紙7が一枚ずつ繰り出されて無くなったときは、残ったパッケージ材8はプリンタ1から取り出されて廃棄されることになる。
この構成は、プリンタ1で多くの枚数を印刷したとしても、前記ピックアップローラ12や分離ブロック13の用紙分離性能が低下しない点で有用である。即ち、仮に用紙7が前記押圧板18に舌部53を介さず直接接触する構成とすると、プリンタ1の継続使用により押圧板18が摩耗して用紙7との間の摩擦力が低下し、分離作用が低下して用紙7を複数枚同時に送ってしまう現象(重送)が発生し易くなってしまう。この点本実施形態の構成では、用紙7が直接接触するのは舌部53であり、用紙7を所定の枚数使い切る毎に舌部53はパッケージ材8ごと新しいものに交換されることになるから、長年の使用により舌部53・用紙7間の摩擦力が低下してしまうことがなく、常に良好な分離作用が営まれて重送などの用紙搬送トラブルが防止される。
【0049】
また、用紙パッケージ9の舌部53は、用紙収容部6に設けられている図示しない位置決め部材にその端縁の少なくとも一部を接触させることで、用紙収容部6内での位置決めが行われる。
この位置決めによって、前述の四つの反射型センサ40a〜40dの読取領域に、前記識別マーク41の四つのビット表示部41a〜41dが位置することとなる。プリンタ1は、反射型センサ40で前記ビット表示部41a〜41dの白黒のパターンを読み取ることで、用紙の種類を自動的に判別することができる。
【0050】
以上のように、用紙パッケージ9のパッケージ材は、前記底部(第一の部分)51と、エンド部(第二の部分)52と、舌部(第三の部分)53と、サイド部(第四の部分)54と、舌固定部(第五の部分)55と、を有する。
そして、前記底部51には、プリンタ1の反射型センサ40で読取り可能な識別マーク(識別部)41が設けられる。また、前記舌部53は、その端縁の少なくとも一部がプリンタ1側の位置決め部材に当接することで、用紙パッケージ9の用紙収容部6内での位置決めが行われる。
この構成において図9に示すように、底部51にサイド部54を介して連続する舌固定部55が、同じく底部51にエンド部52を介して連続する舌部53に対し、突起39が舌固定用切込み33に差し込まれることによって固定され、これによって、前記舌部53の、前記底部51に対する用紙搬送方向に沿う向きの相対的な移動が阻止されている。
【0051】
この結果、用紙パッケージ9を用紙収容部6にセットするときに、舌部53がプリンタ1に対して位置決めされるとともに、舌固定部55と舌部53との固定によって、底部51が舌部53に対ししっかりと位置決めされる。従って、底部51の部分をプリンタ1に対し正確な位置に位置決めできるので、識別マーク41を前記反射型センサ40の読取領域に正確に位置させることができ、識別マーク41の読取ミスによって他の種類の用紙と判別してしまう誤りが防止される。
【0052】
この舌固定部55・舌部53間の固定が仮に無かったとすると、図19や図20の例に示すように、舌部53に対して底部51が、その長手方向(前述した用紙搬送方向)に相対的にズレてしまうことがある。図19でも図20においても、そのエンド部52が舌部53・底部51に対して垂直をなしておらず、前記ズレの分だけ傾いていることが判る。
このズレによって識別マーク41の位置もズレてしまうことになり、ひいてはプリンタ1の反射型センサ40による識別マーク41のパターン判別の精度が低下してしまう。
この点本実施形態では、舌固定部55と舌部53との間の固定によって、前述したズレのない図18のような状態で、用紙パッケージ9をプリンタ1にセットできる。従って、反射型センサ40の読取精度が向上するのである。また、その固定も突起39を舌固定用切込み33に差し込むだけの簡単な構成であるので、用紙パッケージ9の製造コストや工数を減少することができる。
【0053】
以上に本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
例えば、前記識別マーク41は本実施形態では用紙7の種類を表示するものとしているが、それに限られるものではない。要は何らかの情報を、プリンタ側のセンサで読み取ることができるように表示してあれば良い。識別マーク41の構成も、印刷で付した矩形のビット表示部の白黒パターンに限らず、例えば用紙パッケージ9の適宜の箇所に孔を形成して、その孔の有無のパターンで何らかの情報を表示可能とする構成が考えられる。
プリンタ側のセンサも、前述のような反射型センサ40に限らず、接触・非接触式にかかわらず適宜のセンサを採用してよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に説明する効果を奏する。
【0055】
即ち、請求項1に示すように、プリンタの被印刷媒体としての用紙と、積層された状態の該用紙の外側を覆うパッケージ材と、を有し、該パッケージ材から用紙の一部を露出させた状態で、該パッケージ材とともに前記プリンタにセットできるように構成した、用紙パッケージであって、前記パッケージ材は、積層された用紙の積層方向一側の面を覆うとともに、プリンタ側のセンサで読取り可能な識別部を設けた、第一の部分と、前記第一の部分に連続し、かつ、積層された用紙の用紙搬送方向末尾側の縁部を覆う、第二の部分と、前記第二の部分に連続し、かつ、積層された用紙の積層方向他側の面を覆う、第三の部分と、を有し、前記用紙パッケージがプリンタにセットされる際は、当該第三の部分の縁部の少なくとも一部が前記プリンタを構成する部材に当接することで、当該用紙パッケージがプリンタに対して位置決めされるように構成し、前記パッケージ材は、更に、前記第一の部分に連続し、かつ、積層された用紙のサイド側の縁部を覆う、第四の部分と、前記第四の部分に連続し、かつ、積層された用紙に対し前記積層方向他側に位置する、第五の部分と、を有するように構成し、前記第三の部分の、前記第一の部分に対する用紙搬送方向に沿う向きの相対的な移動を阻止するように、前記第五の部分が当該第三の部分に固定されているので、
用紙パッケージをセットするときに、第三の部分がプリンタに対して位置決めされるとともに、第五の部分と第三の部分との固定によって、第一の部分が第三の部分に対ししっかりと位置決めされる。結局、第一の部分を、プリンタに対し正確な位置に位置決めできる。従って、第一の部分に設けられる識別部を、プリンタ側のセンサの読取領域に正確に位置させることができ、識別部の読取ミスが防止される。
【0056】
請求項2に示すように、前記第五の部分には突起を設け、前記第三の部分には差込口を設け、前記突起を前記差込口に差し込むことで、前記第三の部分を前記第五の部分に固定されているので、
簡易な構成で、第一の部分を第三の部分に対し確実に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るプリンタの全体的な構成を示した斜視図。
【図2】同じく側面断面図。
【図3】蓋体を開いた状態を示す斜視図。
【図4】プリンタの用紙収容部に用紙をセットした状態を示した側面断面図。
【図5】用紙分離部および印刷機構部の詳細を示した断面拡大図。
【図6】用紙パッケージの斜視図。
【図7】パッケージ材の展開図。
【図8】パッケージ材の舌部を折り曲げる様子を示した図。
【図9】パッケージ材の第一外装部を折り曲げる様子を示した図。
【図10】パッケージ材の第二外装部を折り曲げる様子を示した図。
【図11】用紙をパッケージ材へ挿入する様子を示した図。
【図12】パッケージ材の蓋部を閉じる様子を示した図。
【図13】用紙パッケージをプリンタに使用するために、パッケージ材の蓋部を開く様子を示した図。
【図14】切取部を切り離す様子を示した図。
【図15】蓋部を下方へ折り曲げる様子を示した図。
【図16】蓋部を下面側で固定する様子を示した図。
【図17】プリンタにセットする直前の状態の用紙パッケージを上下逆さにした様子を示す斜視図。
【図18】用紙パッケージをプリンタにセットする様子を示した図。
【図19】用紙パッケージのパッケージ材の底部が舌部に対して相対的にズレてしまう例を示した図。
【図20】用紙パッケージのパッケージ材の底部が舌部に対して相対的にズレてしまう他の例を示した図。
【符号の説明】
1 プリンタ
7 用紙
8 パッケージ材
9 用紙パッケージ
33 舌固定用切込み(差込み口)
39 突起
40 反射型センサ(プリンタ側のセンサ)
41 識別マーク(識別部)
51 底部(第一の部分)
52 エンド部(第二の部分)
53 舌部(第三の部分)
54 サイド部(第四の部分)
55 舌固定部(第五の部分)
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、重ねられた状態の用紙の外側をパッケージ材で保護するとともに、該パッケージ材とともにプリンタにセットできる、用紙パッケージの構成に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来から、積層された状態のプリンタ用紙の外側をパッケージ材で覆った状態の用紙パッケージが知られている。この用紙パッケージは、それを購入したユーザ側でパッケージ材を開封してプリンタにセットして使う構成とされている。
この用紙パッケージの技術は、複数枚の用紙をパッケージ単位でまとめて取り扱うことができるため使い勝手が向上されるとともに、内部の用紙を覆って保護できるために、特に光や熱に弱い感熱紙を用紙として採用する場合に有用である。
【0003】
また、そのようなパッケージ材の適宜の位置に識別部を付して、用紙パッケージをプリンタにセットしたときにプリンタ側のセンサで識別部の情報を読み取り、プリンタ側の処理に用いる構成も考えられている。
例えば、パッケージ材の内部に収納される用紙の種類や大きさ等の情報を識別部に表示しておき、プリンタ側でその識別部の情報を読み取って、当該用紙の種類や大きさ等に応じて印刷機構部の制御を異ならせたりすることができる。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
特に近年は、パーソナルコンピュータの小型化や携帯情報端末(PDA)の普及に伴い、プリンタも、ハンディサイズの小型プリンタの需要が高まってきた。
そして、この種の小型プリンタに用いる小さなサイズの用紙のハンドリング性を向上すべく、前記従来技術の用紙パッケージにおいて、パッケージ材をシート状の部材(例えば、厚紙材)で形成し、これを箱状に組み立てる構成が考えられる。
そして、シート状の部材は突起や切込みを有する形状に予め形成しておき、これを箱状に組み立てる際は、前記突起を前記切込みに単に差し込んで固定するようにすると、接着剤や粘着テープなどを使用する場合等に比してコスト的にも有利である。この構成の場合は、前記識別部はシート状の部材に付すことになる。
【0005】
このような場合において、用紙パッケージをプリンタにセットしたときに識別部をプリンタ側のセンサに対して正確に位置させることができないと、識別部の情報を当該センサで正確に読み取れず、プリンタの誤動作の原因となってしまう。
【0006】
本願発明は以上の事情に鑑みてされたものであり、その目的は、プリンタ側のセンサで識別部を読み取る際の精度を向上できる用紙パッケージの構成を提供することにある。
【0007】
【課題を解決するための手段】
本発明の解決しようとする課題は以上の如くであり、次にこの課題を解決するための手段を説明する。
【0008】
即ち、請求項1においては、プリンタの被印刷媒体としての用紙と、積層された状態の該用紙の外側を覆うパッケージ材と、を有し、該パッケージ材から用紙の一部を露出させた状態で、該パッケージ材とともに前記プリンタにセットできるように構成した、用紙パッケージであって、前記パッケージ材は、積層された用紙の積層方向一側の面を覆うとともに、プリンタ側のセンサで読取り可能な識別部を設けた、第一の部分と、前記第一の部分に連続し、かつ、積層された用紙の用紙搬送方向末尾側の縁部を覆う、第二の部分と、前記第二の部分に連続し、かつ、積層された用紙の積層方向他側の面を覆う、第三の部分と、を有し、前記用紙パッケージがプリンタにセットされる際は、当該第三の部分の縁部の少なくとも一部が前記プリンタを構成する部材に当接することで、当該用紙パッケージがプリンタに対して位置決めされるように構成し、前記パッケージ材は、更に、前記第一の部分に連続し、かつ、積層された用紙のサイド側の縁部を覆う、第四の部分と、前記第四の部分に連続し、かつ、積層された用紙に対し前記積層方向他側に位置する、第五の部分と、を有するように構成し、前記第三の部分の、前記第一の部分に対する用紙搬送方向に沿う向きの相対的な移動を阻止するように、前記第五の部分が当該第三の部分に固定されているものである。
【0009】
請求項2においては、前記第五の部分には突起を設け、前記第三の部分には差込口を設け、前記突起を前記差込口に差し込むことで、前記第三の部分を前記第五の部分に固定されているものである。
【0010】
【発明の実施の形態】
次に、発明の実施の形態を説明する。
【0011】
〔プリンタの構成〕
まず、サーマル記録装置としてのプリンタ1の概略構造を、図1〜図5を参照しながら説明する。
図1はプリンタの斜視図、図2は側面断面図である。図3は蓋体を開いた状態を示す斜視図である。図4は用紙収容部に用紙をセットした状態を示した側面断面図である。図5は用紙分離部および印刷機構部の詳細を示した断面拡大図である。
【0012】
プリンタ1は図1に示すように、平面視で長方形状(A6〜A7サイズ程度の用紙を収容可能な大きさ)とされ、かつ、厚みが略2cmあるいはそれ以下となる、コンパクトな構成とされている。
プリンタ1の本体ケース2は、枠体3の下面を下カバー4で覆うとともに、上面の一部を上カバー5で覆って形成されている。
【0013】
枠体3の上面側のうち前記上カバー5で覆われた箇所を除いた残りの部分には、図2に示すように用紙収容部(給紙部)6が形成される。この用紙収容部6には、A6〜A7サイズのカットシート状の感熱紙(被印刷媒体。以下「用紙」と称する)7をパッケージ材8の内部に複数枚収納した用紙パッケージ9を、図4に示すように収容可能としている。
前記用紙収容部6の上方は蓋体10にて覆われ、この蓋体10は図2の矢印で示すように回動自在とされる。なお、図3には蓋体10が開かれた状態が示される。本体ケース2側には図示しないロック機構が設けられており、前述のように用紙収容部6に用紙パッケージ9をセットした状態で、図4に示すように蓋体10を閉じてロックできるようになっている。
【0014】
用紙収容部6の一側の端部には、用紙分離部11としてのピックアップローラ12および分離ブロック13等が配置されている。また、上カバー5の下方には、後に詳述する印刷機構部14としてのサーマルヘッド15、プラテンローラ16、ペーパーガイド17が配置される。
【0015】
図3に示すように、用紙収容部6の他側の一隅においては、その底部に反射型センサ40が設けられている。この反射型センサ40は四つのセンサ40a〜40dを並べて配置した構成とされ、それぞれのセンサ40a〜40dから光を照射してその反射率を測定することで、用紙パッケージ9の後述する識別マーク41を読み取るようになっている。
【0016】
用紙分離部11を説明する。
図5に示すように、前記用紙収容部6の、前記印刷機構部14に近い側の端部には、ピックアップローラ12と分離ブロック13とが設けられている。前記蓋体10の用紙収容部6側を向く内面には、押圧板18が回動自在に支持されている。
この押圧板18と蓋体10との間には付勢バネ19が介在され、押圧板18に対し、該押圧板18を下方へ回動させる向きの付勢力を常時作用させている。
【0017】
用紙パッケージ9は、印字面を下側へ向けながら積層された状態で内部に収納されている用紙7のうち、最も下側に位置する用紙7の下面をパッケージ材8から一部露出させた状態で、用紙収容部6にセットされる。そして、前記蓋体10を閉じてロックした際には、前述の付勢バネ19により下方へ付勢される押圧板18がパッケージ材8(後述する舌部53)を介して、用紙7の用紙搬送方向先頭側の領域を押圧する。この結果、用紙7の前記露出した部分はピックアップローラ12に接触して、適宜の力で圧接される。
【0018】
前記ピックアップローラ12に近接させて分離ブロック13が設けられ、この分離ブロック13は、ピックアップローラ12の用紙送り出し方向に対して傾斜した分離案内面13aを備えている。
【0019】
この構成でピックアップローラ12が回転駆動することにより、該ピックアップローラ12に接触する最下層の用紙7に搬送力が加えられる。そして、前記分離ブロック13の分離案内面13aの分離作用とあいまって、最下層に位置する一枚の用紙7のみが分離されて送り出される。
【0020】
印刷機構部14を説明する。
分離ブロック13に隣接してプラテンローラ16が回転自在に設けられ、その外周面に近接させてペーパーガイド17が配置される。
図5の拡大図に示すように、このペーパーガイド17には、前記プラテンローラ16の外周面に沿うように、凹湾曲状の摺接面17aが形成されている。該ペーパーガイド17と本体ケース2との間には押圧コイルバネ20が設けられており、前記摺接面17aをプラテンローラ16の外周面に向けて付勢するようになっている。
【0021】
この構成において、前述の用紙分離部11で分離された用紙7は、ピックアップローラ12により搬送されて、分離ブロック13の下端と、用紙の向きをプラテンローラ16側へ向けるためのガイド板21の間を通過する。
用紙7はこのガイド板21により案内され、プラテンローラ16の下面側から、該プラテンローラ16とペーパーガイド17との間に送られる。そして用紙7は、プラテンローラ16の外周面とペーパーガイド17の摺接面17aとの間で保持されつつ、プラテンローラ16の回転駆動により横向き「U」字状に反転されながら搬送され、印字面を上側に向けながらプラテンローラ16の上面側に至る。
【0022】
プラテンローラ16の上面側に位置する前記サーマルヘッド15は、発熱体部15aを有している。該サーマルヘッド15は回動軸15bまわりに回動可能に設けられて、前記発熱体部15aがプラテンローラ16の上面に接離可能とされている。
なお、このようにサーマルヘッド15を回動自在に構成したのは、前記プラテンローラ16とペーパーガイド17との間で用紙7が詰まった場合におけるジャム紙除去作業において、サーマルヘッド15が作業の邪魔にならないようにするためである。
サーマルヘッド15には捩りコイルバネタイプのスプリング22の一端が係止されて、該サーマルヘッド15の発熱体部15aがプラテンローラ16上面に近接する方向の付勢力を常時加えている。
この構成で、前述のように印字面を上側に向けながらプラテンローラ16により送られてくる用紙の上面にサーマルヘッド15の発熱体部15aが接触し、この接触する箇所において用紙7に印字がなされる。
【0023】
サーマルヘッド15はラインヘッド型とされ、搬送されてくる感熱型の用紙7に対し、該用紙7の搬送方向に直交する方向に延びるライン毎に、任意の文字や画像を印刷することができる。一本のラインにつき印刷する際の印刷幅は、印刷対象の用紙7の幅に略等しく設定されている。
このようにサーマルヘッド15を印刷ヘッドとして用いるのは、被印刷媒体として感熱紙を用いることで、インクやインクリボンなどの消耗品が不要とできるほか、インクの供給のための機構などを省略でき、プリンタ1をコンパクトに構成できるからである。
感熱紙として、本実施形態では、サーマルヘッド15の加熱により発色する発色層を受像層としてその一側の面に形成した、いわゆる感熱発色タイプのものを使用している。ただし、それに限られるものではなく、例えば、加熱により穿孔される穿孔層を基材層上に積層して受像層としたもの(感熱穿孔タイプ)を用いても構わない。また、感熱紙のみならず、熱転写方式やそれ以外の用紙を用いることも可能である。
【0024】
前記分離ブロック13には、プラテンローラ16の用紙送り出し方向に対して傾斜した排紙ガイド面13bが形成されている。
この構成において、サーマルヘッド15の発熱体部15aにより印字がなされた後の用紙7は、この排紙ガイド面13bにより案内されて、図1の鎖線に示すように、本体ケース2の上カバー5と前記蓋体10とがなす隙間から、蓋体10の上側へ排紙される。
【0025】
〔用紙パッケージの構成〕
次に、本実施形態において、プリンタ1にセットされる用紙パッケージ9について説明する。
図6は用紙パッケージの斜視図、図7はパッケージ材の展開図である。用紙パッケージを製造する工程は、図8〜図12に順を追って示されている。
【0026】
用紙パッケージ9は図6に示すように、例えばA6〜A7サイズ程度の小サイズのカットシート状の感熱紙が、パッケージ材8の内部に、複数枚(例えば、50枚程度)積層されて収納される構成となっている。ユーザはこの図6の状態で販売されている用紙パッケージを購入し、後述する工程を行って内部の用紙を露出させてから、プリンタ1の用紙収容部6にパッケージ材8とともにセットするように構成されている。
【0027】
上記のパッケージ材8は、平板状の厚紙材(シート状部材)を折り曲げて箱状に組み立てたものである。厚紙材を折り曲げる前の状態が図7に示され、該厚紙材の形状は、用紙7とほぼ同一形状(長方形)とした底部51の四囲に、舌部53、外装部57、舌固定部55、蓋部59がそれぞれ一体的に形成されたものとなっている。
【0028】
パッケージ材8の各部分の関係は、具体的には以下のとおりである。
即ち、前記底部51の用紙搬送方向末尾側の辺にはエンド部52が連続し、当該エンド部52に舌部53が連続して形成されている。
前記底部51の用紙搬送方向の一方のサイド側の辺にはサイド部54が連続し、このサイド部54に舌固定部55が連続して形成されている。
前記底部51の用紙搬送方向の他方のサイド側の辺にはサイド部56が連続し、当該サイド部56に前記外装部57が連続して形成されている。
前記底部51の用紙搬送方向先頭側の辺にはトップ部58が連続し、このトップ部58に蓋部59が連続して形成されている。
【0029】
エンド部52やサイド部54・56やトップ部58は、積層された用紙7をパッケージ材8に収納したときに、当該用紙7の端縁側を覆う役目を果たすものである。これらの部分52・54・56・58は、いずれも互いに等しい長さだけ、前記底部51の四辺から延出するように形成されている。
【0030】
なお、本実施形態においては、前記底部51が第一の部分に、エンド部52が第二の部分に、舌部53が第三の部分に、サイド部54が第四の部分に、舌固定部55が第五の部分に、それぞれ相当する。
【0031】
底部51には、その用紙搬送方向末尾側の端部の一隅(図7の図中下方側の面)に、識別部としての識別マーク41が印刷等の公知の方法で付されている。この識別マーク41は、用紙パッケージ9をプリンタ1の用紙収容部6にセットしたときに、前述の反射型センサ40の読取領域に位置するように構成している。識別マーク41の具体的な構成は後述する。
【0032】
パッケージ材8に形成されている底部等のそれぞれの部分(51〜59)同士の境界には、図7に細い鎖線で示すように、折り目加工(スジ入れ加工)が施されている。これにより、当該折り目で厚紙材を折り曲げ易くして組立て時の便宜を図っている。
【0033】
底部51にはプリンタセット用切込み31が、舌部53には蓋固定用切込み32・舌固定用切込み(差込口)33が、舌固定部55には外装固定用切込み34がそれぞれ形成され、パッケージ材8の一部部分を差し込むことができるようになっている。詳細は後述する。
【0034】
〔用紙パッケージの製造工程〕
まず、用紙パッケージ9を製造する工程を以下に説明する。
図7の状態の厚紙材は、先ず図8に示すように、そのエンド部52が底部51に対して垂直に折り曲げられるとともに、舌部53がエンド部52に対して垂直に折り曲げられる。この結果、舌部53は底部51の上側に、適宜の間隔(エンド部52の長さに相当する間隔)をおいて、平行に位置する。
【0035】
次に図9に示すように、サイド部54が底部51に対して垂直に折り曲げられるとともに、舌固定部55が前記舌部53の上に重なるように垂直に折り曲げられ、その先端に設けられている突起39が、舌部53に形成された舌固定用切込み(差込口)33に差し込まれる。
【0036】
更には図10に示すように、サイド部56が底部51に対して垂直に折り曲げられるとともに、外装部57が舌部53および舌固定部55の上に重なるように垂直に折り曲げられ、その先端に設けられた差込部35が、舌固定部55に設けられた外装固定用切込み34に差し込まれる。
【0037】
以上の結果、図11の図中左側に示すような直方体状の箱体が形作られる。この箱体はその長手方向一側(用紙搬送方向先頭側)のみが開放されており、その他の側は、底部51および舌部53、更にはサイド部54・56やエンド部52によって閉塞されている。
【0038】
そして図11に示すように、重ねられた状態の用紙7が、前記厚紙材の底部51と舌部53との間に差し込むように、箱体の前記開放側から挿入される。
なお、用紙7を挿入する際には、用紙7の感熱面(印字面)が前記底部51側を向くように、予めその向きが定められる。これは、後に用紙パッケージ9をプリンタにセットし、当該用紙7がプリンタの印刷機構部14に送られるときに、前記サーマルヘッド15側に用紙7の感熱面が向くようにするためである。
【0039】
用紙7を挿入した後は図12に示すように、前記トップ部58が底部51に対し垂直に折り曲げられるとともに、蓋部59がトップ部58に対して垂直に折り曲げられる。蓋部59は舌部53の上に折り重なる形となり、更に、その先端の差込部38が、当該舌部53に形成されている該蓋固定用切込み32に差し込まれる。
これにより蓋部59が閉じられ、前記箱体の開放側が前記トップ部58により覆われた状態で固定される。
【0040】
以上により図6に示す用紙パッケージ9が完成するが、本実施形態においては、上記の用紙パッケージ9の製造作業はメーカ側で行い、プリンタ1を使用するユーザとしては、この図6の状態で販売されている用紙パッケージ9を購入し、当該用紙パッケージ9に対し以下に示す簡単な作業を施した上で、プリンタ1にセットして使用することになる。
【0041】
〔用紙パッケージのプリンタへのセット作業〕
次に、図6の状態の用紙パッケージ9をプリンタにセットするための作業の流れを、図13R>3以降を参照して説明する。
図17は、プリンタにセットする直前の状態の用紙パッケージを上下逆さにした様子を示す斜視図である。図13〜図18には、用紙パッケージをプリンタにセットする作業の様子が、順を追って示されている。
【0042】
最初に、ユーザは図6の状態の用紙パッケージ9の蓋部59の差込部38を蓋固定用切込み32から抜き取って、図13に示すように蓋部59を開く。
その上で図14に示すように、外装部57・舌固定部55のそれぞれに形成されている切取部45に指を掛けて、当該切取部45を切り離す。この二つの切取部45は図7に示すように、パッケージ材8の外装部57または舌固定部55から、底部51に跨った部分に形成されている。なお、切取部45の切離し作業を容易とすべく、図7等に示すように、パッケージ材8には当該切取部45の輪郭に沿ってミシン目加工46が施されている。
【0043】
この切取部45の切離し作業によって、前記底部51の用紙搬送方向先頭側の一部を、図7R>7に符号Aで示す折り目線を境に、蓋部59・トップ部58とともに下方(外側)へ折り返すことができるようになる。
【0044】
ユーザは蓋部59、トップ部58および底部51を折り目線Aを境に外側へ折り返した上で(図15)、その先端に形成されている差込部38を、パッケージ材8の底部51に図7R>7のように形成されているプリンタセット用切込み31に差し込む(図16)。
以上により、蓋部59が開いた状態で固定され、内部の用紙7の一部がパッケージ材8から露出される。
【0045】
この蓋部59が開いた状態の用紙パッケージ9を上下逆さにした様子が図17に示され、この図17を参照して前記識別マーク41の具体的な構成を説明する。
識別マーク41は四つの矩形状のビット表示部41a〜41dにより構成されており、四つのうち1〜3箇所が黒く着色される一方、残りの箇所は着色されず、パッケージ材8の下地の色(白)が残されている。例えば図17においては、表示部41a・41c・41dが黒く着色され、残りの表示部31bは着色されず白とされている。この着色の方法としては、印刷等の公知の方法を採用すればよい。
上記の白黒のパターンは、該パッケージ材8の内部に収納される用紙7の種類(例えば、通常タイプの感熱紙、二色発色が可能な感熱紙、ラベル部を剥離紙上に形成して印刷後にラベル部を剥がして貼着ラベルとできるラベル紙、二枚同時に印字が可能な複写紙等)に応じて、予め定められている。
【0046】
次いで図18のように、用紙パッケージ9を底部51側を下にして、プリンタ1の用紙収容部6にセットする。この結果、パッケージ材8内で積層されているうち最下層の用紙7の、パッケージ材8から露出されている部分が、ピックアップローラ12の上面に接触する。従って、この状態でピックアップローラ12を回転駆動させることにより、用紙7を繰り出して搬送できることになる。
【0047】
この後に蓋体10を閉じた状態が図4および図5に示され、このときは前記舌部53は、用紙7をピックアップローラ12に押し当てるための押圧板18と、用紙7との間に位置する。
【0048】
このようにして用紙7は用紙パッケージ9の形でプリンタ1にセットされ、用紙7が一枚ずつ繰り出されて無くなったときは、残ったパッケージ材8はプリンタ1から取り出されて廃棄されることになる。
この構成は、プリンタ1で多くの枚数を印刷したとしても、前記ピックアップローラ12や分離ブロック13の用紙分離性能が低下しない点で有用である。即ち、仮に用紙7が前記押圧板18に舌部53を介さず直接接触する構成とすると、プリンタ1の継続使用により押圧板18が摩耗して用紙7との間の摩擦力が低下し、分離作用が低下して用紙7を複数枚同時に送ってしまう現象(重送)が発生し易くなってしまう。この点本実施形態の構成では、用紙7が直接接触するのは舌部53であり、用紙7を所定の枚数使い切る毎に舌部53はパッケージ材8ごと新しいものに交換されることになるから、長年の使用により舌部53・用紙7間の摩擦力が低下してしまうことがなく、常に良好な分離作用が営まれて重送などの用紙搬送トラブルが防止される。
【0049】
また、用紙パッケージ9の舌部53は、用紙収容部6に設けられている図示しない位置決め部材にその端縁の少なくとも一部を接触させることで、用紙収容部6内での位置決めが行われる。
この位置決めによって、前述の四つの反射型センサ40a〜40dの読取領域に、前記識別マーク41の四つのビット表示部41a〜41dが位置することとなる。プリンタ1は、反射型センサ40で前記ビット表示部41a〜41dの白黒のパターンを読み取ることで、用紙の種類を自動的に判別することができる。
【0050】
以上のように、用紙パッケージ9のパッケージ材は、前記底部(第一の部分)51と、エンド部(第二の部分)52と、舌部(第三の部分)53と、サイド部(第四の部分)54と、舌固定部(第五の部分)55と、を有する。
そして、前記底部51には、プリンタ1の反射型センサ40で読取り可能な識別マーク(識別部)41が設けられる。また、前記舌部53は、その端縁の少なくとも一部がプリンタ1側の位置決め部材に当接することで、用紙パッケージ9の用紙収容部6内での位置決めが行われる。
この構成において図9に示すように、底部51にサイド部54を介して連続する舌固定部55が、同じく底部51にエンド部52を介して連続する舌部53に対し、突起39が舌固定用切込み33に差し込まれることによって固定され、これによって、前記舌部53の、前記底部51に対する用紙搬送方向に沿う向きの相対的な移動が阻止されている。
【0051】
この結果、用紙パッケージ9を用紙収容部6にセットするときに、舌部53がプリンタ1に対して位置決めされるとともに、舌固定部55と舌部53との固定によって、底部51が舌部53に対ししっかりと位置決めされる。従って、底部51の部分をプリンタ1に対し正確な位置に位置決めできるので、識別マーク41を前記反射型センサ40の読取領域に正確に位置させることができ、識別マーク41の読取ミスによって他の種類の用紙と判別してしまう誤りが防止される。
【0052】
この舌固定部55・舌部53間の固定が仮に無かったとすると、図19や図20の例に示すように、舌部53に対して底部51が、その長手方向(前述した用紙搬送方向)に相対的にズレてしまうことがある。図19でも図20においても、そのエンド部52が舌部53・底部51に対して垂直をなしておらず、前記ズレの分だけ傾いていることが判る。
このズレによって識別マーク41の位置もズレてしまうことになり、ひいてはプリンタ1の反射型センサ40による識別マーク41のパターン判別の精度が低下してしまう。
この点本実施形態では、舌固定部55と舌部53との間の固定によって、前述したズレのない図18のような状態で、用紙パッケージ9をプリンタ1にセットできる。従って、反射型センサ40の読取精度が向上するのである。また、その固定も突起39を舌固定用切込み33に差し込むだけの簡単な構成であるので、用紙パッケージ9の製造コストや工数を減少することができる。
【0053】
以上に本発明の実施形態を説明したが、本発明の技術的範囲は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の趣旨を逸脱しない範囲で様々な変形が可能である。
例えば、前記識別マーク41は本実施形態では用紙7の種類を表示するものとしているが、それに限られるものではない。要は何らかの情報を、プリンタ側のセンサで読み取ることができるように表示してあれば良い。識別マーク41の構成も、印刷で付した矩形のビット表示部の白黒パターンに限らず、例えば用紙パッケージ9の適宜の箇所に孔を形成して、その孔の有無のパターンで何らかの情報を表示可能とする構成が考えられる。
プリンタ側のセンサも、前述のような反射型センサ40に限らず、接触・非接触式にかかわらず適宜のセンサを採用してよい。
【0054】
【発明の効果】
本発明は、以上のように構成したので、以下に説明する効果を奏する。
【0055】
即ち、請求項1に示すように、プリンタの被印刷媒体としての用紙と、積層された状態の該用紙の外側を覆うパッケージ材と、を有し、該パッケージ材から用紙の一部を露出させた状態で、該パッケージ材とともに前記プリンタにセットできるように構成した、用紙パッケージであって、前記パッケージ材は、積層された用紙の積層方向一側の面を覆うとともに、プリンタ側のセンサで読取り可能な識別部を設けた、第一の部分と、前記第一の部分に連続し、かつ、積層された用紙の用紙搬送方向末尾側の縁部を覆う、第二の部分と、前記第二の部分に連続し、かつ、積層された用紙の積層方向他側の面を覆う、第三の部分と、を有し、前記用紙パッケージがプリンタにセットされる際は、当該第三の部分の縁部の少なくとも一部が前記プリンタを構成する部材に当接することで、当該用紙パッケージがプリンタに対して位置決めされるように構成し、前記パッケージ材は、更に、前記第一の部分に連続し、かつ、積層された用紙のサイド側の縁部を覆う、第四の部分と、前記第四の部分に連続し、かつ、積層された用紙に対し前記積層方向他側に位置する、第五の部分と、を有するように構成し、前記第三の部分の、前記第一の部分に対する用紙搬送方向に沿う向きの相対的な移動を阻止するように、前記第五の部分が当該第三の部分に固定されているので、
用紙パッケージをセットするときに、第三の部分がプリンタに対して位置決めされるとともに、第五の部分と第三の部分との固定によって、第一の部分が第三の部分に対ししっかりと位置決めされる。結局、第一の部分を、プリンタに対し正確な位置に位置決めできる。従って、第一の部分に設けられる識別部を、プリンタ側のセンサの読取領域に正確に位置させることができ、識別部の読取ミスが防止される。
【0056】
請求項2に示すように、前記第五の部分には突起を設け、前記第三の部分には差込口を設け、前記突起を前記差込口に差し込むことで、前記第三の部分を前記第五の部分に固定されているので、
簡易な構成で、第一の部分を第三の部分に対し確実に位置決めすることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の一実施形態に係るプリンタの全体的な構成を示した斜視図。
【図2】同じく側面断面図。
【図3】蓋体を開いた状態を示す斜視図。
【図4】プリンタの用紙収容部に用紙をセットした状態を示した側面断面図。
【図5】用紙分離部および印刷機構部の詳細を示した断面拡大図。
【図6】用紙パッケージの斜視図。
【図7】パッケージ材の展開図。
【図8】パッケージ材の舌部を折り曲げる様子を示した図。
【図9】パッケージ材の第一外装部を折り曲げる様子を示した図。
【図10】パッケージ材の第二外装部を折り曲げる様子を示した図。
【図11】用紙をパッケージ材へ挿入する様子を示した図。
【図12】パッケージ材の蓋部を閉じる様子を示した図。
【図13】用紙パッケージをプリンタに使用するために、パッケージ材の蓋部を開く様子を示した図。
【図14】切取部を切り離す様子を示した図。
【図15】蓋部を下方へ折り曲げる様子を示した図。
【図16】蓋部を下面側で固定する様子を示した図。
【図17】プリンタにセットする直前の状態の用紙パッケージを上下逆さにした様子を示す斜視図。
【図18】用紙パッケージをプリンタにセットする様子を示した図。
【図19】用紙パッケージのパッケージ材の底部が舌部に対して相対的にズレてしまう例を示した図。
【図20】用紙パッケージのパッケージ材の底部が舌部に対して相対的にズレてしまう他の例を示した図。
【符号の説明】
1 プリンタ
7 用紙
8 パッケージ材
9 用紙パッケージ
33 舌固定用切込み(差込み口)
39 突起
40 反射型センサ(プリンタ側のセンサ)
41 識別マーク(識別部)
51 底部(第一の部分)
52 エンド部(第二の部分)
53 舌部(第三の部分)
54 サイド部(第四の部分)
55 舌固定部(第五の部分)
【特許請求の範囲】
【請求項1】
プリンタの被印刷媒体としての用紙と、
積層された状態の該用紙の外側を覆うパッケージ材と、
を有し、
該パッケージ材から用紙の一部を露出させた状態で、該パッケージ材とともに前記プリンタにセットできるように構成した、用紙パッケージであって、
前記パッケージ材は、
・積層された用紙の積層方向一側の面を覆うとともに、プリンタ側のセンサで読取り可能な識別部を設けた、第一の部分と、
・前記第一の部分に連続し、かつ、積層された用紙の用紙搬送方向末尾側の縁部を覆う、第二の部分と、
・前記第二の部分に連続し、かつ、積層された用紙の積層方向他側の面を覆う、第三の部分と、を有し、
前記用紙パッケージがプリンタにセットされる際は、当該第三の部分の縁部の少なくとも一部が前記プリンタを構成する部材に当接することで、当該用紙パッケージがプリンタに対して位置決めされるように構成し、
前記パッケージ材は、更に、
・前記第一の部分に連続し、かつ、積層された用紙のサイド側の縁部を覆う、第四の部分と、
・前記第四の部分に連続し、かつ、積層された用紙に対し前記積層方向他側に位置する、第五の部分と、
を有するように構成し、
前記第三の部分の、前記第一の部分に対する用紙搬送方向に沿う向きの相対的な移動を阻止するように、前記第五の部分が当該第三の部分に固定されていることを特徴とする、用紙パッケージ。
【請求項2】
請求項1に記載の用紙パッケージであって、
前記第五の部分には突起を設け、
前記第三の部分には差込口を設け、
前記突起を前記差込口に差し込むことで、前記第三の部分を前記第五の部分に固定されていることを特徴とする、用紙パッケージ。
【請求項1】
プリンタの被印刷媒体としての用紙と、
積層された状態の該用紙の外側を覆うパッケージ材と、
を有し、
該パッケージ材から用紙の一部を露出させた状態で、該パッケージ材とともに前記プリンタにセットできるように構成した、用紙パッケージであって、
前記パッケージ材は、
・積層された用紙の積層方向一側の面を覆うとともに、プリンタ側のセンサで読取り可能な識別部を設けた、第一の部分と、
・前記第一の部分に連続し、かつ、積層された用紙の用紙搬送方向末尾側の縁部を覆う、第二の部分と、
・前記第二の部分に連続し、かつ、積層された用紙の積層方向他側の面を覆う、第三の部分と、を有し、
前記用紙パッケージがプリンタにセットされる際は、当該第三の部分の縁部の少なくとも一部が前記プリンタを構成する部材に当接することで、当該用紙パッケージがプリンタに対して位置決めされるように構成し、
前記パッケージ材は、更に、
・前記第一の部分に連続し、かつ、積層された用紙のサイド側の縁部を覆う、第四の部分と、
・前記第四の部分に連続し、かつ、積層された用紙に対し前記積層方向他側に位置する、第五の部分と、
を有するように構成し、
前記第三の部分の、前記第一の部分に対する用紙搬送方向に沿う向きの相対的な移動を阻止するように、前記第五の部分が当該第三の部分に固定されていることを特徴とする、用紙パッケージ。
【請求項2】
請求項1に記載の用紙パッケージであって、
前記第五の部分には突起を設け、
前記第三の部分には差込口を設け、
前記突起を前記差込口に差し込むことで、前記第三の部分を前記第五の部分に固定されていることを特徴とする、用紙パッケージ。
【図1】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【図2】
【図3】
【図4】
【図5】
【図6】
【図7】
【図8】
【図9】
【図10】
【図11】
【図12】
【図13】
【図14】
【図15】
【図16】
【図17】
【図18】
【図19】
【図20】
【公開番号】特開2004−59222(P2004−59222A)
【公開日】平成16年2月26日(2004.2.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2002−219072(P2002−219072)
【出願日】平成14年7月29日(2002.7.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
【公開日】平成16年2月26日(2004.2.26)
【国際特許分類】
【出願日】平成14年7月29日(2002.7.29)
【出願人】(000005267)ブラザー工業株式会社 (13,856)
【Fターム(参考)】
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