説明

用紙加工装置及び用紙加工方法

【課題】加工前の準備作業を簡素化でき、更には、加工効率を向上できる、用紙加工装置を、提供すること。
【解決手段】多数枚の用紙100を1枚ずつ搬送しながら加工する、用紙加工装置1において、用紙を1枚ずつ次段に供給する給紙手段11と、給紙手段によって供給されてきた用紙を、搬送する、搬送手段2と、搬送手段で構成された搬送経路20の途中に設けられ、用紙に加工を施す、1個以上の加工手段と、搬送手段を駆動する搬送駆動手段と、加工手段を駆動する加工駆動手段と、加工情報が記録された情報用紙から加工情報を読み取る、読み取り手段804と、読み取られた加工情報に基づいた加工を行うよう、搬送駆動手段及び加工駆動手段を制御する、制御手段800と、を備えていることを特徴としている。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、多数枚の用紙を1枚ずつ搬送しながら加工する用紙加工装置、及びその用紙加工装置を用いて用紙を加工する用紙加工方法、に関するものである。
【背景技術】
【0002】
多数枚の用紙を1枚ずつ搬送しながら加工する用紙加工装置としては、例えば、特許文献1に記載の装置が知られている。この装置では、JOB番号によって指定される加工情報が、予め、制御手段に多数登録されており、加工される用紙からJOB番号を示す情報が読み取られて、そのJOB番号によって指定された加工情報に基づいて、加工が行われるようになっている。
【特許文献1】特開2001−232700号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
しかしながら、上記装置では、JOB番号毎の加工情報を予め制御手段に登録しておく必要があるため、加工前の準備作業が面倒であった。
【0004】
また、加工される全ての用紙に、JOB番号を示す情報を印刷しておく必要があるため、この点でも、加工前の準備作業が面倒であった。
【0005】
しかも、用紙毎に、JOB番号を読み取ってJOB番号で指定された加工情報を認識することとなるので、加工効率が良くなかった。特に、JOB番号の異なる用紙を連続して加工する場合には、先のJOB番号情報を読み取って、そのJOB番号で指定された加工情報を認識して、加工手段を設定して、加工を行った後に、後のJOB番号情報を読み取って、そのJOB番号で指定された加工情報を認識して、加工手段を設定しなおして、加工を行うこととなるため、加工効率が悪かった。
【0006】
本発明は、加工前の準備作業を簡素化でき、更には、加工効率を向上できる、用紙加工装置及び用紙加工方法を、提供することを目的とする。
【課題を解決するための手段】
【0007】
本発明は、多数枚の用紙を1枚ずつ搬送しながら加工する、用紙加工装置において、用紙を1枚ずつ次段に供給する給紙手段と、給紙手段によって供給されてきた用紙を、搬送する、搬送手段と、搬送手段で構成された搬送経路の途中に設けられ、用紙に加工を施す、1個以上の加工手段と、搬送手段を駆動する搬送駆動手段と、加工手段を駆動する加工駆動手段と、加工情報が記録された情報用紙から加工情報を読み取る、読み取り手段と、読み取られた加工情報に基づいた加工を行うよう、搬送駆動手段及び加工駆動手段を制御する、制御手段と、を備えていることを特徴としている。
【0008】
本発明は、更に、次の構成を採用するのが好ましい。
(1)読み取り手段が、情報用紙に記録された1個の加工情報を読み取るようになっており、1個の加工情報が、加工に使用する加工手段と、使用する加工手段における加工の位置と、加工される用紙の枚数と、を含んでいる。
(2)読み取り手段が、情報用紙に記録された複数個の加工情報を読み取るようになっており、各加工情報が、加工に使用する加工手段と、使用する加工手段における加工の位置と、加工される用紙の枚数と、を含んでおり、制御手段が、読み取られた複数個の加工情報を登録し、1番目の加工情報に基づいた加工を行うよう、搬送駆動手段及び加工駆動手段を制御し、先の加工情報に基づいた加工が終了すると、次の加工情報に基づいた加工を行うよう、搬送駆動手段及び加工駆動手段を制御するようになっている。
(3)情報用紙が、情報記録専用の用紙に加工情報が記録されたものであり、読み取り手段が、当該情報用紙から加工情報を読み取るようになっている。
(4)情報用紙が、加工される用紙と同じ用紙に加工情報が記録されたものであり、読み取り手段が、当該情報用紙から加工情報を読み取るようになっている。
(5)読み取り手段が、バーコードで記録された加工情報を読み取るようになっている。
(6)読み取り手段が、二次元バーコードで記録された加工情報を読み取るようになっている。
【0009】
また、本発明は、多数枚の用紙を1枚ずつ搬送しながら加工する用紙加工装置を用いて、用紙を加工する、用紙加工方法において、用紙加工装置が、用紙を1枚ずつ次段に供給する給紙手段と、給紙手段によって供給されてきた用紙を、搬送する、搬送手段と、搬送手段で構成された搬送経路の途中に設けられ、用紙に加工を施す、1個以上の加工手段と、搬送手段を駆動する搬送駆動手段と、加工手段を駆動する加工駆動手段と、加工情報が記録された情報用紙から加工情報を読み取る、読み取り手段と、読み取られた加工情報に基づいた加工を行うよう、搬送駆動手段及び加工駆動手段を制御する、制御手段と、を備えており、加工される用紙より先に、情報用紙を、給紙手段によって供給することを特徴としている。
【発明の効果】
【0010】
本発明の用紙加工装置によれば、加工情報が記録された情報用紙から加工情報を読み取り、加工情報に基づいた加工を行うことができるので、次のような効果を発揮できる。
(I)加工情報を予め用紙加工装置の制御手段に登録しておく必要がない。したがって、加工前の準備作業を簡素化できる。
(II)加工される用紙には、位置マークを印刷しておくだけでよく、加工情報やJOB番号情報を記録しておく必要はない。したがって、加工前の準備作業を簡素化できる。
【0011】
上記構成(1)によれば、加工情報に、加工される用紙の枚数が含まれているので、それらの加工される用紙から加工情報やJOB番号情報を読み取って認識することなく、それらの用紙に対して加工情報に基づいた加工を行うことができる。したがって、加工効率を向上できる。
【0012】
上記構成(2)によれば、複数個の加工情報が記録された情報用紙からそれらの加工情報を読み取り、先の加工情報に基づいた加工を行い、それが終了すると、次の加工情報に基づいた加工を行うことができるので、次のような効果を発揮できる。
(I)複数個の加工情報を予め用紙加工装置の制御手段に登録しておく必要がない。したがって、加工前の準備作業をより簡素化できる。
(II)加工情報に、加工される用紙の枚数が含まれているので、それらの加工される用紙から加工情報やJOB番号情報を読み取って認識することなく、それらの用紙に対して加工情報に基づいた加工を行うことができる。したがって、加工効率を向上できる。特に、先の加工情報に基づいた加工が終了し、次の加工情報に基づいた加工に移る際に、用紙から加工情報やJOB番号情報を読み取って認識することなく、次の加工情報に基づいた加工を行うことができるので、加工効率をより向上できる。
(III)加工される用紙には、位置マークを印刷しておくだけでよく、複数種類の、加工情報やJOB番号情報を、記録しておく必要はない。したがって、加工前の準備作業をより簡素化できる。
【0013】
上記構成(3)によれば、情報の記録や読み取りを良好に行うことができる。
【0014】
上記構成(4)によれば、情報記録専用の用紙を用いる場合に比してコストを低減できる。
【0015】
上記構成(5)によれば、情報の記録や読み取りを容易に行うことができる。
【0016】
上記構成(6)によれば、情報用紙における加工情報の記録を集積して行うことができるので、情報用紙に多くの加工情報を持たせることができ、したがって、多数個の加工情報に基づいた加工を効率良く行うことができる。
【0017】
本発明の用紙加工方法によれば、加工情報が記録された情報用紙から加工情報を読み取り、その後に、加工される用紙に対して、加工情報に基づいた加工を行うことができるので、次のような効果を発揮できる。
(I)加工情報を予め用紙加工装置の制御手段に登録しておく必要がない。したがって、加工前の準備作業を簡素化できる。
(II)加工される用紙には、位置マークを印刷しておくだけでよく、加工情報やJOB番号情報を記録しておく必要はない。したがって、加工前の準備作業を簡素化できる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0018】
図1は本発明の一実施形態による用紙加工装置の全体を示す模式縦断面図である。用紙加工装置1は、装置本体10の両端に、給紙手段11と、排紙トレイからなる排紙手段12と、を備えている。給紙手段11から排紙手段12へは、多数個の対のローラ21からなる搬送手段2によって搬送経路20が構成されている。給紙手段11は、用紙載置台111上に積載された用紙100を吸引搬送ローラ112によって上から順番に1枚ずつ吸引して搬送経路20へ供給するようになっている。搬送手段2は、搬送駆動手段(図示せず)によって駆動されるようになっている。そして、搬送経路20上には、給紙手段11側から、搬送補正手段803、読み取り手段804、リジェクト手段806、第1裁断装置部4A、第2裁断装置部4B、第3裁断装置部4C、切屑落し手段807、第4裁断装置部4D、及び、折り型形成装置部5が設けられている。これらは全て装置本体10に支持されている。第1裁断装置部4A、第2裁断装置部4B、第3裁断装置部4C、第4裁断装置部4D、及び、折り型形成装置部5は、加工手段に相当する。これらの加工手段は、加工駆動手段(図示せず)によって駆動されるようになっている。また、第1裁断装置部4A、第2裁断装置部4B、及び第3裁断装置部4Cは、それぞれ、2個の裁断用カッターを有している。
【0019】
また、用紙加工装置1は、装置全体の作動等を制御する制御手段800を装置本体10内に備えている。制御手段800は、CPUを有している。図2は、用紙加工装置1の各手段の関係を示すブロック図である。制御手段800は、読み取り手段804からの情報を受けて、その情報に基づいて、搬送駆動手段81、加工駆動手段82等を制御するようになっている。
【0020】
読み取り手段804は、情報用紙100Aに記録された加工情報を読み取るようになっている。図3は、情報用紙100Aを示している。この情報用紙100Aは、加工される用紙100と同じ用紙に加工情報が記録されたものである。そして、情報用紙100Aには、3個の加工情報X、Y、Zがそれぞれバーコードによって記録されている。各々の加工情報には、加工に使用する加工手段と、使用する加工手段における加工の位置と、加工される用紙の枚数と、が含まれている。なお、図3における矢印Aは、給紙手段11による供給方向である。
【0021】
制御手段800は、読み取り手段804によって読み取られた3個の加工情報X、Y、Zを登録し、まず、1番目の加工情報Xに基づいた加工を行うよう、搬送駆動手段81、加工駆動手段82等を制御し、加工情報Xに基づいた加工が終了すると、2番目の加工情報Yに基づいた加工を行うよう、搬送駆動手段81、加工駆動手段82等を制御し、更に、加工情報Yに基づいた加工が終了すると、3番目の加工情報Zに基づいた加工を行うよう、搬送駆動手段81、加工駆動手段82等を制御するようになっている。
【0022】
例えば、加工情報X、Y、Zは、次のように設定される。
【0023】
(加工情報X)
・加工に使用する加工手段…第1裁断装置部4A、第4裁断装置部4D、折り型形成装置部5。
・使用する加工手段における加工の位置…図4に示すように、用紙100に対して、第1裁断装置部4Aでは2本の実線31の位置、第4裁断装置部4Dでは1本の実線32の位置、折り型形成装置部5では2本の破線33の位置。
・加工される用紙の枚数…30枚。
【0024】
(加工情報Y)
・加工に使用する加工手段…第1裁断装置部4A、第2裁断装置部4B、折り型形成装置部5。
・使用する加工手段における加工の位置…図5に示すように、用紙100に対して、第1裁断装置部4Aでは2本の実線34の位置、第2裁断装置部4Bでは2本の実線35の位置、折り型形成装置部5では1本の破線36の位置。
・加工される用紙の枚数…20枚。
【0025】
(加工情報Z)
・加工に使用する加工手段…第1裁断装置部4A、第2裁断装置部4B、第3裁断装置部4C。
・使用する加工手段における加工の位置…図6に示すように、用紙100に対して、第1裁断装置部4Aでは2本の実線37の位置、第2裁断装置部4Bでは2本の実線38の位置、第3裁断装置部4Cでは2本の実線39の位置。
・加工される用紙の枚数…30枚。
【0026】
次に、加工情報X、Y、Zが上記の場合における、用紙加工装置1の作動を、図7のフローチャートを参照しながら、下記(1)〜(6)に説明する。
【0027】
なお、装置1の作動を開始させる前に、給紙手段11の用紙載置台111に、80枚の加工される用紙100と1枚の情報用紙100Aとを積載する。情報用紙100Aは用紙100の最上に載せる。
【0028】
(1)装置1の作動を開始させる(ステップ(以下、Sと記す)1)。これにより、給紙手段11が作動する(S2)。給紙手段11が作動すると、給紙手段11に載置された用紙の最上に在る情報用紙100Aが、吸引搬送ローラ112によって搬送経路20に送り出され、搬送補正手段803を経て、用紙先端センサー201によって先端が検出された後、読み取り手段804へ入る。読み取り手段804は、CCDセンサー805によって、情報用紙100Aに記録されている加工情報X、Y、Zを読み取る(S3)。
【0029】
なお、吸引搬送ローラ112によって搬送経路20に送り出された用紙が、情報用紙ではなかった場合には、情報用紙100Aが搬送経路20に送り出されるまで、給紙手段11のみが作動を繰り返す(S3の「No」の場合)。
【0030】
(2)次に、制御手段800が、読み取られた加工情報X、Y、Zを登録し(S4)、給紙手段11の作動を停止させ(S5)、1番目の加工情報Xに基づいた加工を行うように、搬送駆動手段81、加工駆動手段82等を制御する(S6)。その後、制御手段800は、給紙手段11の作動停止を解除する(S7)。
【0031】
(3)次に、給紙手段11が作動を再開すると(S7)、まず、以下の(3-1)〜(3-6)に示すように、加工情報Xに基づいた加工が行われる(S8)。
【0032】
(3-1)まず、給紙手段11に載置された用紙100が上から1枚ずつ搬送経路20に送り出され、搬送補正手段803に入る。搬送補正手段803は、送られて来た用紙100が斜めになっていれば、それを真っ直ぐにする。また、搬送補正手段803は、送られて来た用紙100が2枚以上重畳していれば、それを検知して、用紙100の搬送を停止させる。用紙100は、真っ直ぐで1枚であれば、次へ搬送される。
【0033】
(3-2)次へ搬送された用紙100は、用紙先端センサー201によって先端が検出された後、読み取り手段804へ入る。読み取り手段804は、CCDセンサー805によって、位置マーク91(図8)を読み取る。この読み取り情報は、制御手段800に送られる。なお、不適切な用紙100は、次のリジェクト手段806によって、下方の廃棄トレイ802へ落とされる。
【0034】
(3-3)適切な用紙100は、更に搬送されて、第1裁断装置部4Aへ入る。第1裁断装置部4Aにおいては、制御手段800によって、2個の裁断用カッターが図4の2本の実線31の位置に配置されている。したがって、用紙100は、第1裁断装置部4Aにより、2本の実線31に沿って、すなわち、搬送方向に、裁断される。
【0035】
(3-4)次に、用紙100は、第2裁断装置部4B及び第3裁断装置部4Cを素通りして、第4裁断装置部4Dへ搬送される。第4裁断装置部4Dにおいて、用紙100は、カット位置センサー204によってカット位置が検知されると、図4の実線32の位置で停止し、一対の裁断用カッター41によって、実線32に沿って、すなわち、搬送方向に対する直交方向に、裁断される。
【0036】
(3-5)そして、用紙100は、折り型形成装置部5へ搬送される。折り型形成装置部5において、用紙100は、折り位置センサー205によって折り位置が検知されるたびに、図4の2本の破線33の位置でそれぞれ停止し、一対の折り型形成用押圧型51によって、破線33に沿って、すなわち、搬送方向に対する直交方向に、折り型201が形成される。
【0037】
(3-6)こうして、加工情報Xで設定された30枚の用紙100に対して、上記(3-1)〜(3-5)の加工が行われる(S9)。
【0038】
(4)制御手段800は、加工情報Xに基づいた加工が終了すると(S10)、給紙手段11の作動を停止させ(S5)、登録していた2番目の加工情報Yに基づいた加工を行うように、搬送駆動手段81、加工駆動手段82等を制御する(S6)。そして、給紙手段11の作動が再開され(S7)、加工情報Yに基づいた加工が、上述した加工情報Xに基づいた場合と同様にして、行われる(S8、S9)。
【0039】
具体的には、用紙100は、第1裁断装置部4Aにおいて、2本の実線34に沿って裁断され、第2裁断装置部4Bにおいて、2本の実線35に沿って裁断され、折り型形成装置部5において、破線36に沿って折り型201が形成される。こうして、加工情報Yで設定された20枚の用紙100に対して、上記加工が行われる。
【0040】
(5)更に、制御手段800は、加工情報Yに基づいた加工が終了すると(S10)、給紙手段11の作動を停止させ(S5)、登録していた3番目の加工情報Zに基づいた加工を行うように、搬送駆動手段81、加工駆動手段82等を制御する(S6)。そして、給紙手段11の作動が再開され(S7)、加工情報Zに基づいた加工が、上述した加工情報Xに基づいた場合と同様にして、行われる(S8、S9)。
【0041】
具体的には、用紙100は、第1裁断装置部4Aにおいて、2本の実線37に沿って裁断され、第2裁断装置部4Bにおいて、2本の実線38に沿って裁断され、第3裁断装置部4Cにおいて、2本の実線39に沿って裁断される。こうして、加工情報Zで設定された30枚の用紙100に対して、上記加工が行われる。
【0042】
(6)以上のようにして、最後の加工情報Zに基づいた加工が終了すると(S10)、給紙手段11が停止される(S11)。これにより、用紙100に対する所定の加工が終了する。
【0043】
以上のように、上記構成の用紙加工装置1によれば、加工情報が記録された情報用紙100Aを、加工される用紙100より先に、給紙手段11から供給させることによって、加工情報を読み取り、加工情報に基づいた加工を行うように、搬送駆動手段81、加工駆動手段82等を制御するので、次のような効果を発揮できる。
(i)加工情報を予め制御手段800に登録しておく必要がない。したがって、加工前の準備作業を簡素化できる。
(ii)加工情報に、加工される用紙の枚数が含まれているので、それらの加工される用紙から加工情報やJOB番号情報を読み取って認識することなく、それらの用紙に対して加工情報に基づいた加工を行うことができる。したがって、加工効率を向上できる。
(iii)加工される用紙100には、位置マーク91を印刷しておくだけでよく、加工情報やJOB番号情報を記録しておく必要はない。したがって、加工前の準備作業を簡素化できる。
【0044】
しかも、上記構成の用紙加工装置1によれば、3個の加工情報が記録された情報用紙100Aを、加工される用紙100より先に、給紙手段11から供給させることによって、3個の加工情報を読み取り、1番目の加工情報Xに基づいた加工を行うよう、搬送駆動手段81、加工駆動手段82等を制御し、加工情報Xに基づいた加工が終了すると、2番目の加工情報Yに基づいた加工を行うよう、搬送駆動手段81、加工駆動手段82等を制御し、更に、加工情報Yに基づいた加工が終了すると、3番目の加工情報Zに基づいた加工を行うよう、搬送駆動手段81、加工駆動手段82等を制御するようになっているので、次のような効果を発揮できる。
(i)複数個の加工情報を予め制御手段800に登録しておく必要がない。したがって、加工前の準備作業をより簡素化できる。
(ii)加工情報に、加工される用紙の枚数が含まれているので、それらの加工される用紙から加工情報やJOB番号情報を読み取って認識することなく、それらの用紙に対して加工情報に基づいた加工を行うことができる。したがって、加工効率を向上できる。特に、先の加工情報に基づいた加工が終了し、次の加工情報に基づいた加工に移る際に、用紙から加工情報やJOB番号情報を読み取って認識することなく、次の加工情報に基づいた加工を行うことができるので、加工効率をより向上できる。
(iii)加工される用紙100には、位置マーク91を印刷しておくだけでよく、複数種類の、加工情報やJOB番号情報を、記録しておく必要はない。したがって、加工前の準備作業をより簡素化できる。
【0045】
また、上記構成の用紙加工装置1においては、情報用紙100Aが、加工される用紙100と同じ用紙に加工情報が記録されたものであるので、情報記録専用の用紙を用いる場合に比してコストを低減できる。
【0046】
なお、本発明においては、次のような変形構成を採用してもよい。
(a)情報用紙に記録されている加工情報は、1個でもよい。
(b)情報用紙における加工情報は、図9に示すような二次元バーコード99によって記録されてもよい。これによれば、情報用紙における加工情報の記録を集積して行うことができるので、情報用紙に多くの加工情報を持たせることができ、したがって、多数個の加工情報に基づいた加工を効率良く行うことができる。
(c)加工情報を記録する用紙は、情報記録専用の用紙であってもよい。これによれば、情報の記録や読み取りを良好に行うことができる。
【産業上の利用可能性】
【0047】
本発明の用紙加工装置は、加工前の準備作業を簡素化でき、更には、加工効率を向上できるので、産業上の利用価値が大である。
【図面の簡単な説明】
【0048】
【図1】本発明の一実施形態による用紙加工装置の全体を示す模式縦断面図である。
【図2】図1の用紙加工装置の各手段の関係を示すブロック図である。
【図3】情報用紙の一例を示す平面図である。
【図4】情報用紙に記録されている加工情報の第1例を示す平面図である。
【図5】情報用紙に記録されている加工情報の第2例を示す平面図である。
【図6】情報用紙に記録されている加工情報の第3例を示す平面図である。
【図7】本実施形態の用紙加工装置の作動を示すフローチャートである。
【図8】加工される用紙を示す平面図である。
【図9】加工情報の記録方法の別の例を示す平面図である。
【符号の説明】
【0049】
1 用紙加工装置 11 給紙手段 100 用紙 100A 情報用紙 2 搬送手段 20 搬送経路 800 制御手段 804 読み取り手段 X、Y、Z 加工情報 99 二次元バーコード

【特許請求の範囲】
【請求項1】
多数枚の用紙を1枚ずつ搬送しながら加工する、用紙加工装置において、
用紙を1枚ずつ次段に供給する給紙手段と、
給紙手段によって供給されてきた用紙を、搬送する、搬送手段と、
搬送手段で構成された搬送経路の途中に設けられ、用紙に加工を施す、1個以上の加工手段と、
搬送手段を駆動する搬送駆動手段と、
加工手段を駆動する加工駆動手段と、
加工情報が記録された情報用紙から加工情報を読み取る、読み取り手段と、
読み取られた加工情報に基づいた加工を行うよう、搬送駆動手段及び加工駆動手段を制御する、制御手段と、を備えていることを特徴とする用紙加工装置。
【請求項2】
読み取り手段が、情報用紙に記録された1個の加工情報を読み取るようになっており、
1個の加工情報が、加工に使用する加工手段と、使用する加工手段における加工の位置と、加工される用紙の枚数と、を含んでいる、請求項1記載の用紙加工装置。
【請求項3】
読み取り手段が、情報用紙に記録された複数個の加工情報を読み取るようになっており、
各加工情報が、加工に使用する加工手段と、使用する加工手段における加工の位置と、加工される用紙の枚数と、を含んでおり、
制御手段が、読み取られた複数個の加工情報を登録し、1番目の加工情報に基づいた加工を行うよう、搬送駆動手段及び加工駆動手段を制御し、先の加工情報に基づいた加工が終了すると、次の加工情報に基づいた加工を行うよう、搬送駆動手段及び加工駆動手段を制御するようになっている、請求項1記載の用紙加工装置。
【請求項4】
情報用紙が、情報記録専用の用紙に加工情報が記録されたものであり、
読み取り手段が、当該情報用紙から加工情報を読み取るようになっている、請求項1記載の用紙加工装置。
【請求項5】
情報用紙が、加工される用紙と同じ用紙に加工情報が記録されたものであり、
読み取り手段が、当該情報用紙から加工情報を読み取るようになっている、請求項1記載の用紙加工装置。
【請求項6】
読み取り手段が、バーコードで記録された加工情報を読み取るようになっている、請求項1記載の用紙加工装置。
【請求項7】
読み取り手段が、二次元バーコードで記録された加工情報を読み取るようになっている、請求項1記載の用紙加工装置。
【請求項8】
多数枚の用紙を1枚ずつ搬送しながら加工する用紙加工装置を用いて、用紙を加工する、用紙加工方法において、
用紙加工装置が、
用紙を1枚ずつ次段に供給する給紙手段と、
給紙手段によって供給されてきた用紙を、搬送する、搬送手段と、
搬送手段で構成された搬送経路の途中に設けられ、用紙に加工を施す、1個以上の加工手段と、
搬送手段を駆動する搬送駆動手段と、
加工手段を駆動する加工駆動手段と、
加工情報が記録された情報用紙から加工情報を読み取る、読み取り手段と、
読み取られた加工情報に基づいた加工を行うよう、搬送駆動手段及び加工駆動手段を制御する、制御手段と、を備えており、
加工される用紙より先に、情報用紙を、給紙手段によって供給することを特徴とする用紙加工方法。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【公開番号】特開2008−142835(P2008−142835A)
【公開日】平成20年6月26日(2008.6.26)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2006−333142(P2006−333142)
【出願日】平成18年12月11日(2006.12.11)
【出願人】(390002129)デュプロ精工株式会社 (351)
【Fターム(参考)】