説明

用紙束プリンタおよび用紙束印刷システム

【課題】空送りされる用紙の排紙を素早く行うことができる用紙束プリンタおよび用紙束印刷システムを提供する。
【解決手段】一端部を剥離可能に粘着した用紙H1を多数枚積層して成る用紙束Hの、最上位の用紙H1から1枚ずつ引き剥がして送る用紙送り手段21と、用紙送り手段21により送り出された用紙H1を主排出口16に導く主送り経路L1と、主送り経路L1に設けた分岐部28から分岐し、用紙送り手段21により送り出された用紙H1を副排出口12に導く副送り経路L2と、分岐部28から主排出口16に至る主送り経路L1に臨み、用紙H1に印刷を行う用紙印刷手段22と、分岐部28に配設され、用紙H1の送り経路を主送り経路L1から副送り経路L2に切り替える経路切替え手段23と、経路切替え手段23を手動で切替え操作するための手動操作レバー24と、を備えた。

【発明の詳細な説明】
【技術分野】
【0001】
本発明は、付箋紙束等の用紙束から最上位の用紙を引き剥がして印刷する用紙束プリンタおよび用紙束印刷システムに関するものである。
【背景技術】
【0002】
従来、この種の用紙束プリンタとして、セットされた付箋紙束から最上位の付箋紙を捲り上げ、捲り上げた付箋紙をインクリボンと共にサーマルヘッドとプラテンローラとの間に挟み込んで、印刷するものが知られている(特許文献1参照)。
【特許文献1】特開2003−212367号公報
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、付箋紙を使用するにあたり、例えば、付箋紙に自分でメモを書く場合や雑誌等のマーキングに用いる場合は、付箋紙をそのまま使用することがある。このとき、付箋紙プリンタ(用紙束プリンタ)は、付箋紙に印刷を行わずに付箋紙を排紙する必要がある。
しかしながら、上記の従来の付箋紙プリンタにおいて、付箋紙に印刷を行わないで送る(空送りする)場合は、サーマルヘッドを駆動させず、サーマルヘッドとプラテンローラとの間に付箋紙を挟み込んで送らなければならない。言い換えれば、印刷を行う必要のない付箋紙を、一旦、サーマルヘッドとプラテンローラとの間を通過させなければならず、付箋紙の送り経路が長くなる。これにより、空送りされる付箋紙の排紙に時間がかかり、ユーザに不都合を感じさせるという問題があった。
【0004】
本発明は、空送りされる用紙の排紙を素早く行うことができる用紙束プリンタおよび用紙束印刷システムを提供することを課題とする。
【課題を解決するための手段】
【0005】
本発明の用紙束プリンタは、一端部を剥離可能に粘着した用紙を多数枚積層して成る用紙束の、最上位の用紙から1枚ずつ引き剥がして送る用紙送り手段と、用紙送り手段により送り出された用紙を主排出口に導く主送り経路と、主送り経路に設けた分岐部から分岐し、用紙送り手段により送り出された用紙を副排出口に導く副送り経路と、分岐部から主排出口に至る主送り経路に臨み、用紙に印刷を行う用紙印刷手段と、分岐部に配設され、用紙の送り経路を主送り経路から副送り経路に切り替える経路切替え手段と、を備えたことを特徴とする。
【0006】
この構成によれば、経路切替え手段により主送り経路から副送り経路へ経路切替えを行うと、用紙は、副送り経路を通って、副排出口へ向かって送られてゆく。このとき、用紙は、主送り経路に臨む用紙印刷手段を通過することがない。これにより、副送り経路は、空送りされる用紙の最短経路とすることができるため、空送りされる用紙を素早く副排出口へ排紙することができる。また、このとき、用紙印刷手段を駆動させる必要もない。なお、用紙束としては、付箋紙束やメモパッド等を用いることが可能である。
【0007】
この場合、経路切替え手段は、手動で切替え操作するための手動操作レバーを有しており、手動操作レバーによるプッシュ状態をロックするロック機構および手動操作レバーを復帰ばねにより復帰させるアンロック機構から成るロック・アンロック機構を更に備えたことが、好ましい。
【0008】
この構成によれば、手動操作レバーを押すことで、ロック・アンロック機構により、経路切替え手段による経路切替えをロックすることができるため、用紙の搬送中に、ユーザが手動操作レバーを操作し続ける必要が無い。一方、ロックが解除されると、復帰ばねにより経路切替え手段による経路切替えを復帰させることができる。これにより、手動操作レバーの操作性を向上させることができる。
【0009】
この場合、経路切替え手段は、主送り経路と副送り経路との間で経路切替え動作させる切替え駆動手段を有していることが、好ましい。
【0010】
この構成によれば、切替え駆動手段により、自動で経路切替えを行うことができるため、ユーザに手動操作を行わせる必要が無い。
【0011】
この場合、切替え駆動手段は、励磁により経路切替え手段を切替え動作させるソレノイドと、ソレノイドの消磁により経路切替え手段を復帰動作させる戻しばねと、で構成されていることが、好ましい。
【0012】
この構成によれば、ソレノイドを励磁または消磁させることで、経路切替えを自動で行うことができる。
【0013】
また、この場合、切替え駆動手段は、アクチュエータと、アクチュエータにより回転し経路切替え手段を切替え動作させるカムと、カムを確動させると共に、経路切替え手段を復帰動作させる戻しばねと、で構成するようにしてもよい。
【0014】
この構成によれば、アクチュエータによりカムを確動させることで、経路切替えを自動で行うことができる。
【0015】
これらの場合、経路切替え手段は、副送り経路に連なる切替え位置と、主送り経路に連なる非切替え位置との間で回動自在に構成された経路変更ガイドと、経路変更ガイドと切替え駆動手段との間に介設したラック・ピニオンと、を有していることが、好ましい。
【0016】
この構成によれば、経路変更ガイドの切替え動作を、ラック・ピニオンを介して切替え駆動手段により行うことができるため、経路切替え手段を、簡易な構成とすることができる。
【0017】
また、これらの場合、経路切替え手段は、副送り経路に連なる切替え位置と、主送り経路に連なる非切替え位置との間で回動自在に構成された経路変更ガイドと、経路変更ガイドと切替え駆動手段との間に介設したリンク機構と、を有していてもよい。
【0018】
この構成によれば、経路変更ガイドの切替え動作を、リンク機構を介して切替え駆動手段により行うことができるため、経路切替え手段を、簡易な構成とすることができる。
【0019】
これらの場合、副排出口は、上向きに開口しており、用紙送り手段から副排出口までの距離は、用紙の長さより短いことが、好ましい。
【0020】
この構成によれば、用紙送り手段により副排出口から排紙された用紙は、上向きとなっているため、副排出口から脱落することが無く、ユーザが取り易い状態に排紙することができる。これにより、ユーザに対し、用紙を適切に供給することができる。
【0021】
これらの場合、主送り経路から副送り経路に切り替えたことを検出する検出手段と、用紙送り手段の駆動を制御する制御手段と、を更に備え、制御手段は、検出手段が切り替えを検出したときに、用紙送り手段を駆動して用紙を副排出口まで送ることが、好ましい。
【0022】
この構成によれば、検出手段による検出をトリガーとして、用紙の空送りを行うことができる。
【0023】
本発明の用紙束印刷システムは、上記の用紙束プリンタと、用紙束プリンタに接続され、用紙束プリンタを制御するコンピュータと、を備えた用紙束印刷システムであって、用紙束プリンタは、主送り経路から副送り経路に切り替えたことを検出する検出手段を有し、コンピュータは、検出手段が切り替えを検出したときに、用紙送り手段を駆動して用紙を副排出口まで送ることを特徴とする。
【0024】
この構成によれば、検出手段による検出をトリガーとして、用紙の空送りを行うことができる。
【発明を実施するための最良の形態】
【0025】
以下、添付の図面を参照して、本実施形態に係る用紙束プリンタを付箋紙プリンタとして備えた付箋紙印刷システム(用紙束印刷システム)について説明する。付箋紙印刷システムは、パソコンで編集した印刷データに基づいて、付箋紙プリンタにより、これにセットした付箋紙束(用紙束)から最上位の付箋紙を捲り上げ、捲り上げた付箋紙を引き剥がしながら印刷を行って、装置外部に印刷済みの付箋紙を排出するか、あるいは、捲り上げた付箋紙をそのまま排出する(空送りする)ものである。
【0026】
図1に示すように、付箋紙印刷システム1は、付箋紙束Hがセットされる付箋紙プリンタ2と、付箋紙プリンタ2にUSBケーブル4等で接続され、付箋紙H1に印刷するための印刷データを作成・編集すると共に、付箋紙プリンタ2の各種駆動を制御するパソコン(コンピュータ)3とから構成されている。
【0027】
パソコン3は、パソコン本体5と、パソコン本体5に接続され、データを入力するキーボード6およびマウス7と、入力結果等を表示するディスプレイ8とを有しており、パソコン本体5には、付箋紙プリンタ2に関するアプリケーションソフト(プログラム)やデバイスドライバ等のデータを記憶したCD−ROM9が着脱自在にセットされている。そして、キーボード6等から各種検出信号、各種指令、各種データ等が入力されると、パソコン3は、CD−ROM9からインストールしたプログラムに従って、各種データを処理し、付箋紙プリンタ2を制御するようになっている。
【0028】
なお、当然ではあるが、付箋紙プリンタ2に印刷データの作成・編集機能や各部の制御機能を設け、付箋紙プリンタ2を単体として用いて、付箋紙H1に対する印刷を行うようにしてもよい。
【0029】
図2に示すように、付箋紙プリンタ2は、装置ケース15により外殻が形成され、装置ケース15の内部に付箋紙束Hがセットされるよう構成されている。そして、付箋紙プリンタ2は、セットした付箋紙束Hから1枚ずつ引き剥がした付箋紙H1を装置ケース15に形成した排紙部13から送り出すようにしている。
【0030】
装置ケース15は、全体として小型に形成されており、装置ケース15の下部前面には、後述する付箋紙ホルダ20をケース内部に前方から引出し式で導入するための付箋紙導入開口17が形成されている。排紙部13は、前面中央に設けられると共に印刷済み付箋紙H1をケース外部に送り出すための水平スリット状の主排出口16と、主排出口16を境にケース内部からケース外部へ延在し、引き剥がされた印刷済み付箋紙H1を受け留める受け部14と、上面中央に設けられると共に空送りされた付箋紙H1をケース外部に送り出すための水平スリット状の副排出口12と、が形成されている。
【0031】
また、装置ケース15の上面には、インクリボンRを収容したリボンカートリッジCを装着すると共に、メンテナンスのための開閉蓋18が取り付けられており、上記の副排出口12は開閉蓋18に形成されている。さらに、開閉蓋18の左側上部には、後述する手動操作レバー24が臨む操作開口19が形成されており、手動操作レバー24の上下動作を許容している。
【0032】
図3に示すように、付箋紙束Hは、裏面の基端部を部分糊付けした複数の付箋紙H1から構成されている。すなわち、付箋紙束Hは、同一形状(長方形)且つ同一サイズの複数の付箋紙H1を、それぞれ裏面の基端部を部分糊付けして積層したものである。付箋紙H1は、付箋紙束Hから1枚ずつ剥離されると共に、剥離後に、この基端部の糊付け部(接着剤)を介して、手帳等の被貼着物に再貼着される。
【0033】
付箋紙プリンタ2は、付箋紙束Hをセットする付箋紙ホルダ20と、セットした付箋紙束Hの最上位の付箋紙H1を捲り上げた後、付箋紙H1を引き剥がして各排出口12、16に向かって送る付箋紙送り手段(用紙送り手段)21と、サーマルヘッド55およびプラテンローラ56を有し、付箋紙送り手段21により送られてきた付箋紙H1に印刷を行う付箋紙印刷手段(用紙印刷手段)22と、を備えている。また、付箋紙プリンタ2は、付箋紙ホルダ20から主排出口16に至る主送り経路L1および主送り経路L1から分岐して副排出口12に至る副送り経路L2を、その分岐部28において手動操作レバー24により経路変更する経路切替え手段23と、手動操作レバー24により切替え操作が行われたことを検出する切替え検出センサ(検出手段)25と、手動操作レバー24による切替え状態を保持すると共に、この保持状態を解除するロック・アンロック機構26と、を有しており、上記の付箋紙印刷手段22は、分岐部28から主排出口16に至る主送り経路L1に臨んでいる。
【0034】
付箋紙ホルダ20は、上面を開放すると共にボックス状に形成された付箋紙束ケース30と、付箋紙束ケース30に収容され、付箋紙束Hを載置する載置ステージ31と、で構成され、載置ステージ31と付箋紙束ケース30の底面との間には、載置ステージ31を上方に付勢する4本のコイルばね(2本のみ図示)32が介設されている。また、付箋紙ホルダ20は、装置ケース15に対し、引き出し式で装着する構成となっており、付箋紙導入開口17を介して着脱自在に装着する。このため、付箋紙束Hの交換または取替えを行う際には、付箋紙ホルダ20ごと取り出して、付箋紙束Hをセットする。
【0035】
付箋紙束ケース30は、載置ステージ31をスライド自在に案内する四周枠状のケース本体35と、ケース本体35の上端部に設けられ、付箋紙束Hの先端部および基端部を押さえるよう内向きに突設された一対の位置規制部36と、で一体に形成されている。
【0036】
載置ステージ31は、板状に形成され、4つのコイルばね32により上方に付勢されており、これにセットされた付箋紙束Hは、付箋紙H1が1枚ずつ送り出され目減りしても、一対の位置規制部36により、その最上位に位置する付箋紙H1の高さレベルが一定となっている。このとき、付箋紙束Hをセットした位置が、付箋紙送り手段21により捲り上げられる捲上げ位置40となる。
【0037】
この付箋紙ホルダ20に、付箋紙束ケース30の上方から付箋紙束Hを載置ステージ31上にセットすると、付箋紙束Hは、各コイルばね32により上方に付勢されると共に、その先端部および基端部が一対の位置規制部36により、水平に載置された状態で捲上げ位置40に位置規制される。
【0038】
付箋紙送り手段21は、捲上げ位置40に臨んだ付箋紙束Hの最上位の付箋紙H1を捲り上げるよう構成されており、最上位の付箋紙H1に転接してこれを捲り上げると共に捲り上げた付箋紙H1を引き剥がすピックアップローラ(駆動ローラ)45と、ピックアップローラ45を捲上げ位置40と送り位置41との間で移動(回動)させる一対のローラアーム46と、送り位置41に移動したピックアップローラ45に転接する従動ローラ47と、ピックアップローラ45および一対のローラアーム46の駆動源(動力源)となる駆動モータ48と、駆動モータ48の駆動力をピックアップローラ45および一対のローラアーム46に伝達する上流側減速歯車列(上流側歯車列)49と、を備えている。
【0039】
ピックアップローラ45は、捲り上げた付箋紙H1の先端側の裏面に転接すると共に、送り位置41へ移動しながら回転するよう構成されており、送り位置41において、捲り上げた付箋紙H1を引き剥がしながら回転送りする。ピックアップローラ45は、付箋紙H1に直接転接するピックアップローラ本体51と、ピックアップローラ本体51の回転軸となるローラ駆動軸52とを有している。ローラ駆動軸52は、両端部を一対のローラアーム46に回転自在に両持ちで保持され、上流側減速歯車列49(図5参照)を介して伝達される駆動モータ48の動力により回転する(詳細は後述)。
【0040】
一対のローラアーム46は、その基端部に設けられた回動軸部を中心に、ピックアップローラ45を捲上げ位置40と送り位置41との間で往復移動するよう、回動(揺動)自在に構成されている。また、一対のローラアーム46の一方の側面には、後述する接触片111に接触する解除突起(図6参照)105が設けられており、この解除突起105により、ロック・アンロック機構26のロック解除が行なわれる(詳細は後述)。
【0041】
付箋紙印刷手段22は、付箋紙送り手段21から主送り経路L1を通過して送られてきた付箋紙H1に印刷を行うサーマルヘッド55と、サーマルヘッド55に対峙するプラテンローラ56と、印刷に供されるインクリボンRを送るリボン送り手段57と、上記の駆動モータ48の駆動力をプラテンローラ56およびリボン送り手段57に伝達する下流側減速歯車列58と、を有している。
【0042】
プラテンローラ56は、付箋紙H1に転接するプラテンローラ本体60と、プラテンローラ本体60の回転軸となるプラテン駆動軸61とを有しており、ピックアップローラ45が送り位置41へ移動すると、下流側減速歯車列58と連結して、駆動モータ48からの動力が入力されて回転するように構成されている(詳細は後述)。
【0043】
リボン送り手段57は、リボンカートリッジCと、装着されたリボンカートリッジCのインクリボンRを巻き取るリボン巻取り軸62とを有しており、リボン巻取り軸62は、プラテンローラ56と同様に、ピックアップローラ45が送り位置41へ移動すると、上記の下流側減速歯車列58と連結して駆動モータ48からの動力が入力されて回転するように構成されている。また、リボンカートリッジCは、インクリボンRを繰り出し自在に巻回したリボン繰出しリール63と、インクリボンRを巻き取るリボン巻取りリール64と、これらを回転自在に収容するカートリッジケース(図示省略)とから構成されている。このリボンカートリッジCを開閉蓋18を開放して装着すると、インクリボンRは、サーマルヘッド55とプラテンローラ56との間に臨むと共に、リボン巻取りリール64は、リボン巻取り軸62に軸着される。
【0044】
付箋紙印刷手段22による印刷駆動が開始されると、パソコン3は、プラテンローラ56を回転制御しながら付箋紙H1を送ると共に、リボン巻取り軸62を回転制御し、付箋紙H1の送りに併走させて、インクリボンRの巻取り(送り)を行う。同時に、パソコン3は、サーマルヘッド55を印刷駆動させて、付箋紙H1に対する印刷を行う。
【0045】
図3および図4に示すように、経路切替え手段23は、主送り経路L1と副送り経路L2との分岐部28に配設されており、手動で切替え操作するための手動操作レバー24と、副送り経路L2に連なる切替え位置67および主送り経路L1に連なる非切替え位置66の間で回動自在に構成された経路変更ガイド70と、経路変更ガイド70および手動操作レバー24の間に介設したラック・ピニオン71と、を有している。
【0046】
経路変更ガイド70は、断面薄型方形状に形成された管であり、付箋紙送り手段21により送られてきた付箋紙H1を受容すべく、その挿入口が上下方向に拡開形成されている。ラック・ピニオン71は、そのピニオンギア75が経路変更ガイド70の側面に配設され、また、ラック76が手動操作レバー24の一方の側面に形成されており、ピニオンギア75およびラック76は噛合している。
【0047】
図4(a)に示すように、手動操作レバー24の定常状態において、経路変更ガイド70は主送り経路L1となる非切替え位置66に臨んでおり、この状態から手動操作レバー24を押下することで、図4(b)に示すように、ラック76を介してピニオンギア75が回転し、ピニオンギア75の回転軸を中心に経路変更ガイド70が副送り経路L2となる切替え位置67に移動する。
【0048】
手動操作レバー24は、プッシュプル形式で上記した経路切替え手段23を切替え操作するものであり、上端面に設けた操作ボタン部80と、操作ボタン部80に連なるレバー本体81と、レバー本体81の一方の側面に形成された上記のラック76と、レバー本体81の他方の側面に突出して形成された検出突起部82と、を有している。レバー本体81の下端部には、後述するロック・アンロック機構26の一部が設けられており、また、手動操作レバー24には、押下状態を復帰させる復帰ばね83が設けられている。復帰ばね83は、一端が検出突起部82に取り付けられ、他端が装置ケース15に取り付けられている。なお、検出突起部82は、手動操作レバー24の押下により、切替え検出センサ25をスイッチングするものである。
【0049】
切替え検出センサ(検出手段)25は、上記のレバー本体81に突設した検出突起部82の下方に設けられており、マイクロスイッチで構成されている。このため、経路変更ガイド70を切替え位置67に臨ませるべく、手動操作レバー24を押下すると、検出突起部82が切替え検出センサ25の先端に接触して、経路変更ガイド70が切替え位置67へ移動したことを検出する。また、パソコン3は、切替え検出センサ25により経路変更ガイド70が切替え位置67へ移動したことを検知すると、付箋紙印刷手段22を駆動せず、付箋紙送り手段21のみを駆動させる。このため、付箋紙送り手段21により引き剥がした付箋紙H1に対し、印刷を行うことなく、付箋紙H1を副排出口12へ向けて搬送することとなる。したがって、手動操作レバー24を押下しない限り、付箋紙H1の空送りが行なわれることはない。なお、切替え検出センサ25は、マイクロスイッチに限らず、フォトインタラプタ等の光センサを用いても良い。
【0050】
ここで、図5を参照して、上記した上流側減速歯車列49および下流側減速歯車列58について詳細に説明する。これらの各減速歯車列49、58は、ピックアップローラ45、一対のローラアーム46、プラテンローラ56およびリボン巻取り軸62に、駆動モータ48の動力を伝達するものであり、適宜遊星歯車を組み込んだ構成となっている。
【0051】
上流側減速歯車列49は、駆動モータ48の回転軸に設けられたウォーム85およびウォーム85に噛合するウォームホイール86から成るウォームギア87と、ウォームホイール86に噛合する第1中間歯車88と、第1中間歯車88に噛合すると共に最も太径に形成された第1太陽歯車89と、第1太陽歯車89に噛み合う第1遊星歯車90と、で構成されている。
【0052】
第1太陽歯車89は、その軸部が、一対のローラアーム46の回動軸部と同軸上に設けられると共に、第1遊星歯車90は、同軸上に設けられたピックアップローラ45へ動力を出力する。また、一対のローラアーム46は、第1太陽歯車89と同軸となる第1遊星歯車90のキャリアとなっている。このため、一対のローラアーム46が、捲上げ位置40と送り位置41との間で回動することにより、ピックアップローラ45が回転しながら移動する構成となっている。なお、一対のローラアーム46の回動動作は、上記の駆動モータ48を動力源とする図外の端面カムにより行なわれる。
【0053】
下流側減速歯車列58は、第1遊星歯車90に噛合する第2遊星歯車91と、第2遊星歯車91が噛合する第2太陽歯車92と、第2太陽歯車92に噛合する第2中間歯車93と、第2中間歯車93に噛合するプラテンローラ駆動歯車94と、プラテンローラ駆動歯車94に噛合する第3中間歯車95と、第3中間歯車95に噛合する第4中間歯車96と、第4中間歯車96に噛合するリボン巻取り軸駆動歯車97と、を有している。
【0054】
第2遊星歯車91は、上記した経路変更ガイド70による切替え位置67と非切替え位置66との移動に連動して、第1遊星歯車90に噛合する噛合位置100と噛合しない非噛合位置101との間で移動するよう構成されている。具体的には、経路変更ガイド70が非切替え位置66から切替え位置67に移動すると、例えば、リンク機構やクランク機構等を介して第2遊星歯車91が非噛合位置101へ移動し、一方、経路変更ガイド70が切替え位置67から非切替え位置66に移動すると、第2遊星歯車91が噛合位置100へ移動する。
【0055】
プラテンローラ駆動歯車94は、同軸上に設けられたプラテンローラ56へ動力を出力する。また、リボン巻取り軸駆動歯車97は、同軸上に設けられたリボン巻取り軸62へ動力を出力する。
【0056】
経路変更ガイド70が非切替え位置66に臨んだ状態、すなわち、第2遊星歯車91が噛合位置100に臨んだ状態で、駆動モータ48が回転すると、ピックアップローラ45は、回転しながら一対のローラアーム46により送り位置41まで移動する。ピックアップローラ45が送り位置41に臨むと、第1遊星歯車90が第2遊星歯車91に連結し、各歯車を介して駆動モータ48の動力をプラテンローラ56およびリボン巻取り軸62へ伝達する。
【0057】
一方、経路変更ガイド70が切替え位置67に臨んだ状態、すなわち、第2遊星歯車91が非噛合位置101に臨んだ状態では、第2遊星歯車91が第1遊星歯車90から離れるため、プラテンローラ56およびリボン巻取り軸62への動力が遮断される。このため、経路変更ガイド70が切替え位置67に臨むと、リボン送り手段57によるインクリボンRの巻取りが停止すると共に、プラテンローラ56による付箋紙送りが停止する。これにより、付箋紙H1の空送り時において、インクリボンRを無駄に消費することが無く、また、プラテンローラ56を駆動させることもないため、駆動モータ48に余分な負荷をかけることもない。また、駆動モータ48を共有できると共に、共有部品が多くなるため、構造を単純化することができ、これに伴い、構造も単純化することができる。
【0058】
図6に示すように、ロック・アンロック機構26は、一対のローラアーム46の一方の側面に設けられた解除突起105と、レバー本体81の下端面から下方に突出して形成された第1係合爪106と、第1係合爪106に係合する係合部110と解除突起105が接触する接触片111とで断面「L」字状に形成された第2係合爪107と、第2係合爪107をレバー本体81側に引き戻す引張りばね113と、上記の復帰ばね83と、で構成されている。
【0059】
第1係合爪106は、手動操作レバー24の操作に合わせて上下方向に移動するよう構成されており、第1係合爪106が上方に位置して第2係合爪107から外れている場合は、経路変更ガイド70が非切替え位置66となっており、下方に位置して第2係合爪107と係合した状態、つまりロック状態となっている場合は、経路変更ガイド70が切替え位置67に位置規制された状態となっている。
【0060】
第2係合爪107は、その屈曲部分が回動自在に軸支されており、第1係合爪106と係合するロック位置117と第1係合爪106との係合を解除するロック解除位置118との間で移動する。係合部110は、第1係合爪106と係合し、引張りばね113により係合部110がロック位置117に臨むよう引っ張られている。接触片111は、係合部110に連なる固定片120と、固定片120の先端側に設けられた可動片121とを有しており、可動片121は、一対のローラアーム46の回動動作により解除突起105が接触するよう設けられている。可動片121は、ローラアーム46により解除突起105が送り位置41から捲上げ位置40へ移動すると、係合部110をロック解除位置118に移動させるべく、屈曲部分を中心に固定片120と一体となって下方へ回動する。一方、解除突起105が捲上げ位置40から送り位置41へ移動すると、係合部110をロック位置117に臨ませた状態を維持すべく、解除突起105の移動を許容するよう可動片121のみが固定片120との接続部分を中心に上方へ回動するよう構成されている。
【0061】
ユーザにより手動操作レバー24が押し下げられると、第1係合爪106は、復帰ばね83に抗して下方へ移動すると共に、ロック位置117に臨んでいる第2係合爪107を一旦ロック解除位置118側へ押し下げてこれと係合し、経路変更ガイド70を切替え位置67にロックする。この後、一対のローラアーム46が、ピックアップローラ45を捲上げ位置40から送り位置41側へ向かって移動すると、一対のローラアーム46の解除突起105は、可動片121により移動が許容され、第2係合爪107のロック状態を維持する。その後、ローラアーム46が送り位置41側から捲上げ位置40へ戻ってくると、解除突起105は、可動片121に接触して、第2係合爪107をロック解除位置118に引き下げる。すると、上記の復帰ばね83によりレバー本体81を介して第1係合爪106が引き上げられ、経路変更ガイド70は非切替え位置66へ移動する。
【0062】
これにより、手動操作レバー24を操作することで、ロック・アンロック機構26により、経路変更ガイド70が切替え位置67にロックされる。これにより、付箋紙H1の搬送中に、ユーザが手動操作レバー24を操作し続ける必要が無い。一方、付箋紙送り手段21により搬送が終了すると、この終了に伴いロック解除が行なわれることで、手動操作レバー24が復帰ばね83により上方に移動し、経路変更ガイド70が非切替え位置66に戻るため、ユーザが手動操作レバー24を操作して経路変更ガイド70を戻す必要もない。このため、手動操作レバー24は、操作性の良い構成となっている。
【0063】
ここで、図7を参照して、付箋紙H1の空送りに関する一連の動作について説明する。印刷待機状態において、経路変更ガイド70は非切替え位置66にあり、ピックアップローラ45は、付箋紙ホルダ20にセットされた付箋紙束Hの最上位の付箋紙H1の表面に転接している(図7(a)参照)。
【0064】
ユーザが手動操作レバー24を押し下げて、経路変更ガイド70を切替え位置67に移動させると、検出突起部82が切替え検出センサ25をスイッチングし、パソコン3は経路変更ガイド70が切替え位置67に移動したことを検知する。すると、パソコン3は、切替え検出センサ25の検出結果をトリガーとして、ピックアップローラ45を回転させて付箋紙H1の捲上げ動作を開始する。回転したピックアップローラ45は、最上位の付箋紙H1の先端側(自由端側)に転接し、付箋紙H1の長手方向の中間部が上方へと湾曲するように撓ませてゆく。また、手動操作レバー24の押下に連動して、ロック・アンロック機構26により、手動操作レバー24がロックされ、経路変更ガイド70が切替え位置67に臨んだ状態を保持する(図7(b)参照)。
【0065】
捲り上がっていく付箋紙H1は、その先端がピックアップローラ45の下側を通過した後、ピックアップローラ45の上側に撥ね上げられることで、付箋紙H1の先端部がピックアップローラ45に乗り上げる(図7(c)参照)。
【0066】
付箋紙H1を載せたピックアップローラ45は、続いて、回転(自転)しながら送り位置41に向かって上方に移動(公転)する(図7(d)参照)。すると、送り位置41に移動したピックアップローラ45に従動ローラ47が付箋紙H1を介して転接すると共に、ピックアップローラ45および従動ローラ47の間に挟み込んだ付箋紙H1を、付箋紙束Hから引き剥がしながら、経路変更ガイド70および副排出口12へ向けて送り出す(図7(e)参照)。このとき、送り位置41と副排出口12との間の距離は、付箋紙H1の長さよりも短くなっているため、装置ケース15内に付箋紙H1が留まることが無い。また、副排出口12は、装置ケース15の上面に形成されているため、排出された付箋紙H1は、脱落することが無く、ユーザが取り易い状態にすることができる。
【0067】
副排出口12から排紙された付箋紙H1を、ユーザが取り去る(図7(f)参照)と、ピックアップローラ45は、送り位置41から捲上げ位置40に向かって下方に移動すると共に、ロック・アンロック機構26により、手動操作レバー24のロックを解除する(図7(a)参照)。
【0068】
以上の構成によれば、手動操作レバー24により主送り経路L1から副送り経路L2へ経路切替えを行うと、付箋紙H1は、副送り経路L2を通過し、副排出口12へ向かって送られてゆく。このとき、付箋紙H1は、主送り経路L1に臨む付箋紙印刷手段22を通過することがないため、空送りされる付箋紙H1は、最短経路である副送り経路L2を通過して、素早く副排出口12へ排紙される。これにより、ユーザに対し、空送りされた付箋紙H1を素早く提供することができる。
【0069】
なお、本実施形態では、付箋紙束Hを用いたが、これに代えて、固定端面を接着したメモパッド等を用いることも可能である。また、本実施形態では、経路変更ガイド70による切替え動作を、ラック・ピニオン71を介して行ったが、図8に示すように、リンク機構130を用いて行っても良い。すなわち、リンク機構130は、レバー本体81の下端部に形成された長孔131と、経路変更ガイド70の回動中心から長孔へ延びるリンクアーム132と、リンクアーム132に形成され、長孔131にスライド自在に係合するリンクピン133と、を有している。手動操作レバー24を押下すると、長孔131が下方へ移動することで、リンクピン133が長孔131をスライドしながら下方へ移動し、これにより、経路変更ガイド70が回動して切替え位置67に移動する。
【0070】
次に、図9を参照して、付箋紙印刷システム1の変形例1について説明する。この付箋紙印刷システム1は、第1実施形態の付箋紙プリンタ2の手動操作レバー24に代えて、経路切替え手段23を切替え動作させる切替え駆動手段140を有している。この切替え駆動手段140は、上記のラック・ピニオン71またはリンク機構130を介して経路変更ガイド70を切替え位置67と非切替え位置66との間で移動させる切替え操作レバー141と、切替え操作レバー141の上端面を下方に押圧する確動カム142と、確動カム142を回転させるモータ(アクチュエータ)143と、切替え操作レバー141を復帰動作させる戻しばね(図示省略)と、を有しており、モータ143は、パソコン3により制御されている。
【0071】
付箋紙H1の空送りをすべく、パソコン3によりモータ143を駆動させると、確動カム142が回転することで、切替え操作レバー141の上端面に確動カム142の突出部分が当接して、切替え操作レバー141を下方に押圧する。すると、ラック・ピニオン71またはリンク機構130を介して経路変更ガイド70は、切替え位置67に移動し、この状態でモータ143の駆動を停止させる。そして、付箋紙H1の空送りが終了すると、再びモータ143を駆動させ、確動カム142の突出部分を上方に移動させることで、戻しばねにより切替え操作レバー141を上方に引き上げ、経路変更ガイド70を非切替え位置66に戻す。この構成においても、付箋紙H1の空送り時において、主送り経路L1から副送り経路L2に経路切替えを行うことができる。
【0072】
次に、図10を参照して、付箋紙印刷システム1の変形例2について説明する。この付箋紙印刷システム1は、第1実施形態の付箋紙プリンタ2の確動カム142およびモータ143に代えて、切替え操作レバー141の上端面を下方に押圧するソレノイド145を有しており、ソレノイド145は、パソコン3により制御されている。
【0073】
付箋紙H1の空送りをすべく、パソコン3によりソレノイド145を励磁させると、プランジャが切替え操作レバー141の上端面を下方に押圧し、ラック・ピニオン71またはリンク機構130を介して経路変更ガイド70を切替え位置67に移動させる。そして、付箋紙H1の空送りが終了すると、ソレノイド145を消磁させ、戻しばねにより切替え操作レバー141を上方に引き上げ、経路変更ガイド70を非切替え位置66に戻す。この構成においても、付箋紙H1の空送り時において、主送り経路L1から副送り経路L2に経路切替えを行うことができる。
【図面の簡単な説明】
【0074】
【図1】本実施形態に係る付箋紙プリントシステムの模式図である。
【図2】本実施形態に係る付箋紙プリンタの外観斜視図である。
【図3】本実施形態に係る付箋紙プリンタの内部模式図である。
【図4】経路切替え手段の模式図である。
【図5】上流側減速歯車列および下流側減速歯車列の模式図である。
【図6】ロック・アンロック機構の模式図である。
【図7】付箋紙の空送りに関する一連の説明図である。
【図8】リンク機構の模式図である。
【図9】第1実施形態の変形例1に係る付箋紙プリンタの内部模式図である。
【図10】第1実施形態の変形例2に係る付箋紙プリンタの内部模式図である。
【符号の説明】
【0075】
1…付箋紙印刷システム 2…付箋紙プリンタ 3…パソコン 12…副排出口 16…主排出口 21…付箋紙送り手段 22…付箋紙印刷手段 23…経路切替え手段 24…手動操作レバー 25…切替え検出センサ 26…ロック・アンロック機構 28…分岐部 45…ピックアップローラ 47…従動ローラ 48…駆動モータ 49…上流側減速歯車列 58…下流側減速歯車列 66…非切替え位置 67…切替え位置 70…経路変更ガイド 71…ラック・ピニオン 114…復帰ばね 130…リンク機構 140…切替え駆動手段 142…確動カム 143…モータ 145…ソレノイド H…付箋紙束 H1…付箋紙 L1…主送り経路 L2…副送り経路

【特許請求の範囲】
【請求項1】
一端部を剥離可能に粘着した用紙を多数枚積層して成る用紙束の、最上位の用紙から1枚ずつ引き剥がして送る用紙送り手段と、
前記用紙送り手段により送り出された用紙を主排出口に導く主送り経路と、
前記主送り経路に設けた分岐部から分岐し、前記用紙送り手段により送り出された用紙を副排出口に導く副送り経路と、
前記分岐部から前記主排出口に至る前記主送り経路に臨み、用紙に印刷を行う用紙印刷手段と、
前記分岐部に配設され、用紙の送り経路を前記主送り経路から前記副送り経路に切り替える経路切替え手段と、
を備えたことを特徴とする用紙束プリンタ。
【請求項2】
前記経路切替え手段は、手動で切替え操作するための手動操作レバーを有しており、
前記手動操作レバーによるプッシュ状態をロックするロック機構および前記手動操作レバーを復帰ばねにより復帰させるアンロック機構から成るロック・アンロック機構を更に備えたことを特徴とする請求項1に記載の用紙束プリンタ。
【請求項3】
前記経路切替え手段は、前記主送り経路と前記副送り経路との間で経路切替え動作させる切替え駆動手段を有していることを特徴とする請求項1に記載の用紙束プリンタ。
【請求項4】
前記切替え駆動手段は、励磁により前記経路切替え手段を切替え動作させるソレノイドと、
前記ソレノイドの消磁により前記経路切替え手段を復帰動作させる戻しばねと、で構成されていることを特徴とする請求項3に記載の用紙束プリンタ。
【請求項5】
前記切替え駆動手段は、アクチュエータと、
前記アクチュエータにより回転し前記経路切替え手段を切替え動作させるカムと、
前記カムを確動させると共に、前記経路切替え手段を復帰動作させる戻しばねと、で構成されていることを特徴とする請求項3に記載の用紙束プリンタ。
【請求項6】
前記経路切替え手段は、前記副送り経路に連なる切替え位置と、前記主送り経路に連なる非切替え位置との間で回動自在に構成された経路変更ガイドと、
前記経路変更ガイドと前記切替え駆動手段との間に介設したラック・ピニオンと、を有していることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の用紙束プリンタ。
【請求項7】
前記経路切替え手段は、前記副送り経路に連なる切替え位置と、前記主送り経路に連なる非切替え位置との間で回動自在に構成された経路変更ガイドと、
前記経路変更ガイドと前記切替え駆動手段との間に介設したリンク機構と、を有していることを特徴とする請求項3ないし5のいずれかに記載の用紙束プリンタ。
【請求項8】
前記副排出口は、上向きに開口しており、
前記用紙送り手段から前記副排出口までの距離は、用紙の長さより短いことを特徴とする請求項1ないし7のいずれかに記載の用紙束プリンタ。
【請求項9】
前記主送り経路から前記副送り経路に切り替えたことを検出する前記検出手段と、
前記用紙送り手段の駆動を制御する制御手段と、を更に備え、
前記制御手段は、前記検出手段が切り替えを検出したときに、前記用紙送り手段を駆動して用紙を前記副排出口まで送ることを特徴とする請求項1ないし8のいずれかに記載の用紙束プリンタ。
【請求項10】
請求項1ないし8のいずれかに記載の用紙束プリンタと、前記用紙束プリンタに接続され、前記用紙束プリンタを制御するコンピュータと、を備えた用紙束印刷システムであって、
前記用紙束プリンタは、前記主送り経路から前記副送り経路に切り替えたことを検出する前記検出手段を有し、
前記コンピュータは、前記検出手段が切り替えを検出したときに、前記用紙送り手段を駆動して用紙を前記副排出口まで送ることを特徴とする用紙束印刷システム。

【図1】
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【図2】
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【図3】
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【図4】
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【図5】
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【図6】
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【図7】
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【図8】
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【図9】
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【図10】
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【公開番号】特開2008−279739(P2008−279739A)
【公開日】平成20年11月20日(2008.11.20)
【国際特許分類】
【出願番号】特願2007−128561(P2007−128561)
【出願日】平成19年5月14日(2007.5.14)
【出願人】(000002369)セイコーエプソン株式会社 (51,324)
【Fターム(参考)】